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特表2023-518841宿主細胞タンパク質が減少した修飾哺乳動物細胞
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】宿主細胞タンパク質が減少した修飾哺乳動物細胞
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/10 20060101AFI20230426BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230426BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20230426BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20230426BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20230426BHJP
   C12N 15/63 20060101ALN20230426BHJP
   C12N 15/52 20060101ALN20230426BHJP
【FI】
C12N5/10 ZNA
C12P21/08
C12N15/09 110
C12N15/113 130Z
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N15/52 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557712
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 US2021024295
(87)【国際公開番号】W WO2021195464
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】63/128,419
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/000,464
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/155,225
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.PLURONIC
3.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レアード, マイケル ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】ミサギ, シャーラム
(72)【発明者】
【氏名】シェン, エイミー
(72)【発明者】
【氏名】トムリンソン, アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ユク, イン フアム
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
(57)【要約】
本開示は、目的の生成物、例えば組換えタンパク質を製造するための方法、細胞、及び組成物に関する。特に、本開示は、目的の生成物を発現させる改善された哺乳動物細胞を提供し、ここで細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)は、特定の宿主細胞タンパク質の、例えば、特定のリパーゼ、エステラーゼ、及び/又はヒドロラーゼを含むがこれらに限定されない酵素の活性、例えば発現の減少又は排除を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換え宿主細胞であって、細胞が、非修飾細胞における酵素の活性に対して、1つ又は複数の酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている、組換え宿主細胞。
【請求項2】
1つ又は複数の酵素が、以下:リポタンパク質リパーゼ(LPL);ホスホリパーゼBドメイン含有2(PLBL2/PLBD2);リパーゼA(リソソーム酸性リパーゼ/コレステリルエステルヒドロラーゼ、リパーゼ)(LIPA);ホスホリパーゼA-2-活性化タンパク質(PLAA);ホスホリパーゼD3(PLD3);ホスホリパーゼA2グループXV(LPLA2);ホスホリパーゼCベータ1(PLCB1);ホスホリパーゼCデルタ1(PLCD1);DDHDドメイン含有タンパク質1(断片)(DDHD1);リゾホスホリパーゼ様タンパク質1(LYPLAL1);ホスホリパーゼA2グループXIIA(PLA2G12A);ペルオキシレドキシン6(PRDX6);スフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ(SMPD1);パルミトイルタンパク質チオエステラーゼ1(PPT1);酢酸イソアミル加水分解エステラーゼ1(推定)(IAH1);OTU デユビキチナーゼ、ユビキチンアルデヒド結合1(OTUB1);リゾホスホリパーゼ2(アシルタンパク質チオエステラーゼ2)(LYPLA2);アシルコエンザイムAチオエステラーゼ13(ACOT13);脂肪酸シンターゼ(FASN);ホスホリパーゼA2グループVII(PLA2G7);ユビキチン特異的ペプチダーゼ5(USP5);N-アシルスフィンゴシンアミドヒドロラーゼ1(酸性セラミダーゼ)(ASAH1);リパーゼ成熟因子1(LMF1);アポリポタンパク質C-II(APOC2);アシルカルニチンヒドロラーゼ(HACH);カルボキシルエステラーゼ1F(CES1F)又は肝臓カルボキシルエステラーゼB-1様(CES-B1L);リゾホスホリパーゼ1(LYPLA1);カルボキシルエステラーゼ1(CES1);ホスホリパーゼA1メンバーA(PLA1A);及びシアル酸アセチルエステラーゼ(SIAE)からなる群より選択される、請求項1に記載の組換え宿主細胞。
【請求項3】
以下:
a)PPT1;
b)LPLA2;LPL;及びLIPA;
c)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSMPD1;
d)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SMPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12A;
e)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSMPD1;
f)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SMPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13;
g)LPLA2;LPL;及びPPT1
h)LPLA2;LPL;LIPA及びPPT1
i)HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1
j)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA
k)SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE
l)LPLA2;LPL、LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE
m)LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1
n)LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1、又は
o)LMF1及びAPOC2
の活性が、減少しているか又は排除されている、請求項2に記載の組換え宿主細胞。
【請求項4】
1つ又は複数の酵素の活性が、
(a)酵素の発現をノックダウンすること;
(b)酵素の発現をノックアウトすること;又は
(c)酵素をコードする核酸配列を改変すること
により減少しているか又は排除されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞。
【請求項5】
細胞が、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子を含む、請求項1に記載の組換え宿主細胞。
【請求項6】
1つ又は複数の改変された酵素遺伝子が、検出可能な酵素活性を有しない、請求項5に記載の組換え宿主細胞。
【請求項7】
哺乳動物細胞である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞。
【請求項8】
CHO細胞である、請求項7に記載の組換え宿主細胞。
【請求項9】
目的の生成物をコードする核酸配列を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞。
【請求項10】
目的の生成物が、タンパク質、ウイルス粒子、又はウイルスベクターを含む、請求項9に記載の組換え宿主細胞。
【請求項11】
目的の生成物が組換えタンパク質を含む、請求項9又は10に記載の組換え宿主細胞。
【請求項12】
目的の生成物が、抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞。
【請求項13】
抗体が、多重特異性抗体又はその抗原結合断片である、請求項12に記載の組換え宿主細胞。
【請求項14】
抗体が、単一の重鎖配列及び単一の軽鎖配列、又はそれらの抗原結合断片からなる、請求項12に記載の組換え宿主細胞。
【請求項15】
抗体が、キメラ抗体、ヒト抗体、又はヒト化抗体を含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞。
【請求項16】
抗体がモノクローナル抗体を含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞。
【請求項17】
核酸配列が、標的化された位置において哺乳動物細胞の細胞ゲノムに組み込まれている、請求項9から16のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞。
【請求項18】
哺乳動物細胞の細胞ゲノムに無作為に組み込まれた目的の生成物をコードする核酸をさらに含む、請求項17に記載の組換え宿主細胞。
【請求項19】
修飾された細胞が、任意の検出可能なLPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEを発現させない、請求項1に記載の組換え宿主細胞。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞を含む組成物。
【請求項21】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法。
【請求項22】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの活性の減少をもたらす、方法。
【請求項23】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法。
【請求項24】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法。
【請求項25】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法。
【請求項26】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;及びASAH1のうちの1つ又は複数をコードする核酸配列を改変する、方法。
【請求項27】
遺伝子組換えシステムが、CRISPR/Casシステム、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)システム、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
遺伝子組換えシステムがCRISPR/Cas9システムである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
CRISPR/Cas9システムが以下:
(a)Cas9分子と、
(b)LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;HACH;LMF1;APOC2;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEをコードする遺伝子中の標的配列に相補的である標的配列を含む1つ又は複数のガイドRNA(gRNA)と
を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
遺伝子組換えシステムが、ショートヘアピンRNA(shRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)からなる群より選択されるRNAを含み、RNAが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAE遺伝子のうちの1つ又は複数によって発現するmRNAの一部に相補的である、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項31】
遺伝子組換えシステムが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)システム又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システムである、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項32】
細胞が哺乳動物細胞である、請求項21から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
哺乳動物細胞がCHO細胞である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
細胞が目的の生成物を発現させる、請求項21から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
細胞により発現した目的の生成物が核酸配列によりコードされる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
核酸配列が、標的化された位置において細胞の細胞ゲノムに組み込まれている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
細胞により発現した目的の生成物が、哺乳動物細胞の細胞ゲノムに無作為に組み込まれた核酸配列によりさらにコードされる、請求項34から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
目的の生成物がタンパク質を含む、請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
目的の生成物が組み換えタンパク質を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
目的の生成物が、抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項34から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
抗体が多重特異性抗体又はその抗原結合断片である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
抗体が、単一の重鎖配列及び単一の軽鎖配列、又はそれらの抗原結合断片からなる、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
抗体が、キメラ抗体、ヒト抗体、又はヒト化抗体である、請求項40から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項40から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を製造する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、以下LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数の活性の減少又は排除を有する、方法。
【請求項46】
目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、以下LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;及びASAH1のうちの1つ又は複数の活性の減少又は排除を有する、方法。
【請求項47】
活性の減少又は排除が、哺乳動物細胞中の以下:
a)PPT1;
b)LPLA2;LPL;及びLIPA;
c)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSMPD1;
d)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SMPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12A;
e)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSMPD1;
f)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13;
g)LPLA2;LPL;及びPPT1
h)LPLA2;LPL;LIPA及びPPT1
i)HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1
j)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1
k)SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE
l)LPLA2;LPL、LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE
m)LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1
n)LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1、又は
o)LMF1及びAPOC2
のものである、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項48】
哺乳動物細胞がCHO細胞である、請求項45から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
哺乳動物細胞によって発現した目的の生成物が、核酸配列によってコードされる、請求項45から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
核酸配列が、標的化された位置において哺乳動物細胞の細胞ゲノムに組み込まれている、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
細胞により発現した目的の生成物が、哺乳動物細胞の細胞ゲノムに無作為に組み込まれた核酸配列によりさらにコードされる、請求項45から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
目的の生成物が、タンパク質、ウイルス粒子、又はウイルスベクターを含む、請求項45から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
目的の生成物が組換えタンパク質を含む、請求項45から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
目的の生成物が、抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項45から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
抗体が多重特異性抗体又はその抗原結合断片である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
抗体が、単一の重鎖配列及び単一の軽鎖配列、又はそれらの抗原結合断片からなる、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
抗体が、キメラ抗体、ヒト抗体、又はヒト化抗体である、請求項54から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項54から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
目的の生成物を精製すること、目的の生成物を採取すること、及び/又は目的の生成物を製剤化することをさらに含む、請求項45から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの分解が減少する、請求項21から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
ポリソルベート20(PS20又はTween 20)の分解が減少する、請求項21から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
ポリソルベート80(PS80又はTween 80)の分解が減少する、請求項21から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
1つ又は複数の改変された酵素遺伝子を含む組換え宿主細胞。
【請求項64】
1つ又は複数の改変された酵素遺伝子が、コード領域の破壊によって改変される、請求項63に記載の組換え宿主細胞。
【請求項65】
1つ又は複数の酵素遺伝子の改変が、対立遺伝子の改変を含む、請求項63に記載の組換え宿主細胞。
【請求項66】
1つ又は複数の酵素遺伝子の改変が、1以上の塩基対、2以上の塩基対、3以上の塩基対、4以上の塩基対、5以上の塩基対、6以上の塩基対、7以上の塩基対、8以上の塩基対、9以上の塩基対、10以上の塩基対、11以上の塩基対、12以上の塩基対、13以上の塩基対、14以上の塩基対、15以上の塩基対、16以上の塩基対、17以上の塩基対、18以上の塩基対、19以上の塩基対、又は20以上の塩基対の欠失を含む、請求項65に記載の組換え宿主細胞。
【請求項67】
1つ又は複数の酵素遺伝子が、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEである、請求項63に記載の組換え宿主細胞。
【請求項68】
組換え宿主細胞であって、細胞が、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている、組換え宿主細胞。
【請求項69】
組換え宿主細胞であって、細胞が、非修飾細胞における酵素の活性に対して、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている、組換え宿主細胞。
【請求項70】
組換え宿主細胞であって、細胞が、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている、組換え宿主細胞。
【請求項71】
組換え宿主細胞であって、細胞が、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAE酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている、組換え宿主細胞。
【請求項72】
組換え宿主細胞であって、細胞が、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている、組換え宿主細胞。
【請求項73】
組換え宿主細胞であって、細胞が、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている、組換え宿主細胞。
【請求項74】
組換え宿主細胞であって、細胞が、非修飾細胞におけるレベルに対してLMF1及びAPOC2のレベルを減少させるか又は排除するために修飾されている、組換え宿主細胞。
【請求項75】
請求項68から74のいずれか一項に記載の組換え宿主細胞を含む組成物。
【請求項76】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法。
【請求項77】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法。
【請求項78】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法。
【請求項79】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法。
【請求項80】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMFI、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法。
【請求項81】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法。
【請求項82】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法。
【請求項83】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2;LPL;LIPA及びPPT1の活性の減少をもたらす、方法。
【請求項84】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがHACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法。
【請求項85】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法。
【請求項86】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少をもたらす、方法。
【請求項87】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法。
【請求項88】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法。
【請求項89】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLMF1及びAPOC2の活性の減少をもたらす、方法。
【請求項90】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法。
【請求項91】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法。
【請求項92】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法。
【請求項93】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法。
【請求項94】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法。
【請求項95】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法。
【請求項96】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法。
【請求項97】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法。
【請求項98】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法。
【請求項99】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法。
【請求項100】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法。
【請求項101】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法。
【請求項102】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法。
【請求項103】
細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法。
【請求項104】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法。
【請求項105】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法。
【請求項106】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法。
【請求項107】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法。
【請求項108】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法。
【請求項109】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法。
【請求項110】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LMF1及びAPOC2の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法。
【請求項111】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1をコードする核酸配列を改変する、方法。
【請求項112】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法。
【請求項113】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法。
【請求項114】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEが酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEをコードする核酸配列を改変する、方法。
【請求項115】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法。
【請求項116】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法。
【請求項117】
細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LMF1及びAPOC2が酵素活性の減少又は排除を有するように、LMF1及びAPOC2をコードする核酸配列を改変する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月26日に出願された米国仮特許出願第63/000,464号、2020年12月21日に出願された米国仮特許出願第63/128,419号、及び2021年3月1日に出願された米国仮特許出願第63/155,225号の利益を主張するものであり、これらの開示は、その全文が参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、特定の宿主細胞タンパク質、例えば、特定のリパーゼ、エステラーゼ、及び/又はヒドロラーゼを含むがこれらに限定されない宿主細胞酵素の活性の減少又は排除を有する修飾哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)、そのような細胞を作製するための方法、並びに目的の生成物、例えば組換えタンパク質の生成におけるそのような細胞の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
哺乳動物細胞、例えばCHO細胞は、細胞成長、生存、及び/又は生産性に不可欠ではない多くのタンパク質を発現させる。しかしながら、これらの宿主細胞タンパク質の発現は、かなりの細胞エネルギー及びDNA/タンパク質ビルディングブロックを消費する。そのようなタンパク質の発現の減少又は排除は、細胞成長をより効率的にすることができる。さらに、目的の生成物、例えば組換えタンパク質の生成に細胞が使用される状況では、これらのタンパク質の一部は目的の生成物と共精製される可能性があり、追加の精製プロセスに関連するコストの増加及び/又は得られる生成物の貯蔵寿命の低減につながる。例えば、目的の生成物と共精製する特定の残存宿主細胞は、最終薬物製品における界面活性剤として使用されるポリソルベートを分解し、粒子形成につながる可能性がある(Dixit et al., J Pharm Sci, 2016, Volume 105, Issue 5, Pages 1657-1666)。したがって、当該技術分野では、目的の生成物、例えば組換えタンパク質を生成するための方法、細胞、及び組成物が必要であり、ここで、目的の生成物を発現させる細胞は、細胞成長、生存、及び/又は生産性に不可欠ではない特定のリパーゼ、エステラーゼ、及び/又はヒドロラーゼを含むがこれらに限定されない特定の宿主細胞タンパク質、例えば酵素の活性、例えば発現の減少又は排除を有する。例えば、mAbと共精製し、続いて薬物製品中のポリソルベートを分解する残存CHO宿主細胞タンパク質からの加水分解活性を減少させるための調査により、リポタンパク質リパーゼ(LPL)が同定された:LPLがノックアウトされたCHO細胞株は、野生型の対応物よりもポリソルベートの分解が41~57%少ない細胞培養収穫物をもたらした(Chiu et al., Biotechnol Bioeng, 2017, Volume 114, Issue 5, Pages 1006-1015)。そのような酵素の発現を減少させるか又は排除することにより、関連する酵素活性の悪影響(例えば、残存ヒドロラーゼによる薬物製品中のポリソルベートの加水分解)が軽減され得る。しかしながら、その調査では、細胞培養物採取段階でのLPLノックアウトで観察された利点が、下流の処理を通じて維持されるかどうかは決定されなかった。ノックアウト細胞株から生成された精製材料を試験して、精製後に利点が得られ、それが薬物製品の利点につながることを実証することが重要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、特定の宿主細胞タンパク質、例えば、特定のリパーゼ、エステラーゼ、及び/又はヒドロラーゼを含むがこれらに限定されない宿主細胞酵素の活性の減少又は排除を有する修飾哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)、そのような細胞を作製するための方法、並びに目的の生成物、例えば組換えタンパク質の生成におけるそのような細胞の使用方法に関する。
【0005】
特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、1つ又は複数の酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、1つ又は複数の酵素は、以下からなる群から選択される:リポタンパク質リパーゼ(LPL);ホスホリパーゼBドメイン含有2(PLBL2/PLBD2);リパーゼA(リソソーム酸性リパーゼ/コレステリルエステルヒドロラーゼ、リパーゼ)(LIPA);ホスホリパーゼA-2-活性化タンパク質(PLAA);ホスホリパーゼD3(PLD3);ホスホリパーゼA2グループXV(LPLA2);ホスホリパーゼCベータ1(PLCB1);ホスホリパーゼCデルタ1(PLCD1);DDHDドメイン含有タンパク質1(断片)(DDHD1);リゾホスホリパーゼ様タンパク質1(LYPLAL1);ホスホリパーゼA2グループXIIA(PLA2G12A);ペルオキシレドキシン6(PRDX6);スフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ(SMPD1);パルミトイルタンパク質チオエステラーゼ1(PPT1);酢酸イソアミル加水分解エステラーゼ 1(推定)(IAH1);OTU デユビキチナーゼ、ユビキチンアルデヒド結合1(OTUB1);リゾホスホリパーゼ2(アシルタンパク質チオエステラーゼ2)(LYPLA2);アシルコエンザイムAチオエステラーゼ13(ACOT13);脂肪酸シンターゼ(FASN);ホスホリパーゼA2グループVII(PLA2G7);ユビキチン特異的ペプチダーゼ 5(USP5);N-アシルスフィンゴシンアミドヒドロラーゼ1(酸性セラミダーゼ)(ASAH1);リパーゼ成熟因子1(LMF1);アポリポタンパク質-CII(APOC2);アシルカルニチンヒドロラーゼ(HACH);カルボキシルエステラーゼ1F(CES1F)又は肝臓カルボキシルエステラーゼB-1様(CES-B1L);リゾホスホリパーゼ1(LYPLA1);カルボキシルエステラーゼ1(CES1);ホスホリパーゼA1メンバーA(PLA1A);及びシアル酸アセチルエステラーゼ(SIAE)。
【0006】
特定の実施態様では、組換え宿主細胞中のa)PPT1;b)LPLA2;LPL;及びLIPA;c)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSPD1;d)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12A;e)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSPD1;f)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13;g)LPLA2;LPL;及びPPT1;h)LPLA2;LPL;LIPA;及びPPT1;i)HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;j)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;k)SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE;l)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE;m)LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;n)LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;o)LMF1及びAPOC2は、減少又は排除されている。
【0007】
特定の実施態様では、組換え宿主細胞中の1つ又は複数の酵素の活性は、以下により減少又は排除されている:(a)酵素のノックダウン発現;又は(b)酵素のノックアウト発現;又は(c)酵素をコードする核酸配列の改変。
【0008】
特定の実施態様では、本開示は、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子を含む組換え宿主細胞を対象とする。特定の実施態様では、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子は、検出可能な酵素活性を有しない。特定の実施態様では、組換え宿主細胞は、目的の生成物をコードする核酸配列を含む。特定の実施態様では、核酸配列は、標的化された位置における哺乳動物細胞の細胞ゲノムに組み込まれる。特定の実施態様では、組換え宿主細胞は、哺乳動物細胞の細胞ゲノムに無作為に組み込まれた目的の生成物をコードする核酸をさらに含む。特定の実施態様では、修飾された細胞は、任意の検出可能なLPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEを発現させない。
【0009】
特定の実施態様では、本開示は、本開示に記載される組換え宿主細胞を含む組成物を提供する。
【0010】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。
【0011】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの活性の減少をもたらす、方法を提供する。
【0012】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。
【0013】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。
【0014】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。
【0015】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A; SIAEの1つ又は複数が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。
【0016】
特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を製造する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、以下LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。
【0017】
特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、以下LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。
【0018】
特定の実施態様では、本開示は、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子を含む組換え宿主細胞を提供する。特定の実施態様では、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子は、コード領域の破壊によって改変される。特定の実施態様では、1つ又は複数の酵素遺伝子の改変は、対立遺伝子の改変を含む。特定の実施態様では、1つ又は複数の酵素遺伝子の改変は、1以上の塩基対、2以上の塩基対、3以上の塩基対、4以上の塩基対、5以上の塩基対、6以上の塩基対、7以上の塩基対、8以上の塩基対、9以上の塩基対、10以上の塩基対、11以上の塩基対、12以上の塩基対、13以上の塩基対、14以上の塩基対、15以上の塩基対、16以上の塩基対、17以上の塩基対、18以上の塩基対、19以上の塩基対、又は20以上の塩基対の欠失を含む。特定の実施態様では、1つ又は複数の酵素遺伝子は、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEである。
【0019】
上記の特定の実施態様では、遺伝子組み換えシステムは、CRISPR/Casシステム、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)システム、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。上記の特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、CRISPR/Cas9システムである。
【0020】
上記の特定の実施態様では、CRISPR/Cas9システムは、(a)Cas9分子と、(b)LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEをコードする遺伝子中の標的配列に相補的である標的配列を含む1つ又は複数のガイドRNA(gRNA)とを含む。
【0021】
上記の特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、ショートヘアピンRNA(shRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)からなる群より選択されるRNAを含み、ここで、RNAは、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAE遺伝子のうちの1つ又は複数によって発現するmRNAの一部に相補的である。上記の特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)システム又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システムである。
【0022】
上記の特定の実施態様では、活性の減少又は排除は、哺乳動物細胞中のa)PPT1;b)LPLA2;LPL;及び/又はLIPA;c)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSPD1;d)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12A;e)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSPD1;f)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13又はg)LPLA2;LPL;及びPPT1;h)LPLA2;LPL;LIPA;及びPPT1;i)HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;j)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;k)SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE;l)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE;m)LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;n)LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;o)LMF1及びAPOC2のものである。
【0023】
上記の特定の実施態様では、本開示で提供される方法は、目的の生成物を精製すること、目的の生成物を採取すること、及び/又は目的の生成物を製剤化することをさらに含む。
【0024】
上記の特定の実施態様では、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの分解が減少する。上記の特定の実施態様では、ポリソルベート20(PS20又はTween 20)の分解が減少する。上記の特定の実施態様では、ポリソルベート80(PS80又はTween 80)の分解が減少する。
【0025】
上記の特定の実施態様では、細胞は哺乳動物細胞である。上記の特定の実施態様では、哺乳動物細胞はCHO細胞である。
【0026】
上記の特定の実施態様では、細胞は、目的の生成物を発現させる。上記の特定の実施態様では、哺乳動物細胞によって発現する目的の生成物は、核酸配列によってコードされる。上記の特定の実施態様では、核酸配列は、標的化された位置における哺乳動物細胞の細胞ゲノムに組み込まれる。上記の特定の実施態様では、細胞によって発現する目的の生成物は、哺乳動物細胞の細胞ゲノムに無作為に組み込まれた核酸配列によってさらにコードされる。
【0027】
上記の特定の実施態様では、目的の生成物は、タンパク質、ウイルス粒子、又はウイルスベクターを含む。上記の特定の実施態様では、目的の生成物は組換えタンパク質を含む。上記の特定の実施態様では、目的の生成物は、抗体又はその抗原結合断片を含む。上記の特定の実施態様では、抗体は、多重特異性抗体又はその抗原結合断片である。上記の特定の実施態様では、抗体は、単一の重鎖配列及び単一の軽鎖配列、又はそれらの抗原結合断片からなる。上記の特定の実施態様では、抗体は、キメラ抗体、ヒト抗体、又はヒト化抗体である。上記の特定の実施態様では、抗体はモノクローナル抗体である。
【0028】
特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なPPT1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、及びLIPAを発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aを発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なBAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なBAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、及びPPT1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なHACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なSMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEを発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEを発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLMF1及びAPOC2を発現させない。
【0029】
特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、PPT1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、及びLIPA酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12A酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、及びPPT1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAE酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAE酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における活性に対してLMF1及びAPOC2の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。
【0030】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、PPT1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びLIPAの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。
【0031】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがPPTIの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、及びLIPAの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがBAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがBAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、及びPPT1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2;LPL;LIPA及びPPT1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがHACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがSMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLMF1及びAPOC2の活性の減少をもたらす、方法を提供する。
【0032】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、PPT1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びLIPAの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びPPT1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。
【0033】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、PPT1をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びLIPAのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びPPT1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。
【0034】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムがPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、及びLIPAの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LMF1及びAPOC2の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。
【0035】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、PPT1が酵素活性の減少又は排除を有するように、PPTIをコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、及びLIPAが酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、及びLIPAをコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aが酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aをコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1が酵素活性の減少又は排除を有するように、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13が酵素活性の減少又は排除を有するように、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、及びPPT1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、及びPPT1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEが酵素活性の減少又は排除を有するように、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAE及びPPT1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEが酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEをコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LMF1及びAPOC2が酵素活性の減少又は排除を有するように、LMF1及びAPOC2をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。
【0036】
特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、PPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、及びLIPAの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、及びPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LMF1及びAPOC2の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。
【0037】
特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞がPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、及びLIPAの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、及びPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA及びPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LMF1及びAPOC2の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】3つの異なるモノクローナル抗体の精製プロセスのさまざまな段階から取った濃縮サンプル中でみられる酵素を示す表である。
図2】空のCHO宿主細胞の生成に使用される多重ノックアウト(KO)アプローチを示す。
図3】各空のCHO宿主細胞中で調節又はノックアウトされた遺伝子を示す表である。
図4A-4C】PLBL2 KO細胞は、親宿主細胞と比較して、同様の又はより良好な力価を有する。生細胞濃度(IVCC)の積分によって表される成長率は、図4Aに示されている。PLBL2-KO宿主細胞株に由来するMAb-A産生プールは、図4Cに示すように比生産性(Qp)が高いため、図4B に示すように、親宿主細胞と比較して同等以上の力価を有した。
図5A-5C】3×KO細胞は、親宿主細胞と比較して、同様の又はより良好な比生産性(Qp)を有する。成長率は図5Aに示されている。3×KO宿主細胞株に由来するMAb-B産生プールは、図5Bに示されている。mAb-Bの比生産性(Qp)は図5Cに示されている。
図6A-6C】7×KO空の宿主のパフォーマンス生細胞濃度(IVCC)の積分によって表される細胞成長は、図6Aに示されている。生存率と乳酸蓄積は、それぞれ図6B及び6Cに示されている。
図7A-7C】7×KO宿主細胞による3つの異なる抗体の産生IVCCによって表される3つの異なるmAbを発現させる7×KO宿主細胞の成長は、図7Aに示されている。7×KO宿主細胞によって表される3つの異なるmAbの力価は、図7Bに示されている。mAb-B、mAb-C、及びmAb-Dの比生産性(Qp)は、図7Cに示されている。
図8A-8C】8×KO及びBa×Bak KO空の宿主のパフォーマンス生細胞濃度(IVCC)の積分によって表される細胞成長は、図8Aに示されている。生存率と乳酸蓄積は、それぞれ図8B及び8Cに示されている。
図9A-9C】3X、7X、及び12×KO空の宿主のパフォーマンス生細胞濃度(IVCC)の積分によって表される細胞成長は、図9Aに示されている。生存率と乳酸蓄積は、それぞれ図9B及び9Cに示されている。
図10A-10C】7×KO宿主細胞クローンによるmAb-2の産生平均D10力価は図10Aに示されている。平均D10 IVCCは図10Bに示されている。平均D10 Qpは図10Cに示されている。
図11A-11C】7X KO宿主細胞クローンによるmAb-1の産生力価は図11Aに示されている。IVCCは図11Bに示されている。Qpは図11Cに示されている。
図12】PS20の分解。低PS20の分解が、7×KO mAb-B産生RMCEプールで観察された。
図13A-13K】精製された酵素:a. PPT1;b. ASAH1;c. LIPA;d. LPLA1;e. HACH;f. CESB1L;g. LYPLA1;h. SMPD1;i. CES1;j. PLA1A;k. SIAEのSDS PAGE。
図14A-14C】A.組換え精製されたヒドロラーゼ酵素(PPT1、rhLPL、ASAH1、LIPA)の添加後の30mg/mLのmAb 2の溶液中、ELSDを備えた混合モードHPLCによって測定された当初のPS20の濃度のパーセンテージ;b.組換え精製されたヒドロラーゼ酵素(HACH、LYPLA1、CES-B1L、LPLA2)の添加後の製剤バッファーの溶液中、ELSDを備えた混合モードHPLCによって測定された当初のPS20の濃度のパーセンテージ;c.組換え精製されたヒドロラーゼ酵素(PLA1A、SIAE、CES1、SMPD1)の添加後の製剤バッファーの溶液中、ELSDを備えた混合モードHPLCによって測定された当初のPS20の濃度のパーセンテージ。
図15】精製されたmAbサンプル中のポリソルベート分解に対するリパーゼ/エステラーゼKOの影響。精製されたサンプル中のポリソルベート分解に対する酵素活性を、PS20分解アッセイによって評価した。各mAb内では、KO細胞によって生成された精製材料をコントロール細胞(すなわちKO実施せず)と比較することによって、PS20分解の減少を評価した。すべてのKO mAb産生細胞は、対応するmAb遺伝子をCHO空のKO宿主(図3に示すように7×KO又は12×KO)にトランスフェクトすることによって生成された。
図16】精製されたmAb Tサンプル中のポリソルベート分解に対するリパーゼ/エステラーゼKOの影響。精製されたmAb Tサンプル中のポリソルベート分解に対する酵素活性を、PS20分解アッセイによって評価した。KO細胞によって生成された精製材料をコントロール細胞(すなわちKO実施せず)と比較することによって、PS20分解の減少を評価した。すべてのKO細胞(1×、2×、3×、及び6×)は、親mAb T細胞株中のリパーゼ/エステラーゼ遺伝子を連続してノックアウトすることによって生成された。
【発明を実施するための形態】
【0039】
限定を行うものではなく、明確化のために、本明細書にて開示する主題の詳細の説明を、以下の小項目に分ける:
1.定義;
2.酵素活性の調節;
3.遺伝子特異的修飾を含む細胞;
4.細胞培養法;及び
5.生成物。
【0040】
1.定義
本明細書中で使用される用語は一般に、本開示の文脈内で、かつ、各用語が使用される具体的な文脈においての、当該技術分野における通常の意味を有する。特定の用語を以下で、又は、本明細書の他の箇所にて論じ、本開示の組成物及び方法、並びに、それらの作製及び使用方法について記載する、実践者向けの追加の案内を示す。
【0041】
本明細書で使用する場合、特許請求の範囲、及び/又は明細書内で、用語「を含む」と共に用いられる場合、語句「a」又は「an」の使用は、「1つ」を意味し得るが、これは「1つ又は複数の」、「少なくとも1つの」、及び「1つ又は2つ以上」の意味とも一致する。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「を含む(comprise(s)/include(s))」、「を有する(having/has)」、「することができる」、「を含有する」、及びこれらの変形は、追加の作用又は構造物の可能性を排除しない、オープンエンドの移行句、用語、又は単語であることが意図される。本開示はまた、明示的に記載されているかいないかに関わらず、本明細書にて提示される実施態様又は要素「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」他の実施態様を想到する。
【0043】
用語「約」又は「およそ」は、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲内であることを意味し、これは、その値が測定又は決定される方法、即ち、測定システムの制限事項にある程度依存する。例えば、「約」とは、当該技術分野での1回の実施当たり3つ又は3つよりも多くの標準偏差以内を意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の、最大20%、好ましくは最大10%、より好ましくは最大5%、そしてより好ましくはさらに、最大1%の範囲を意味することができる。あるいは、特に生物学的システム又はプロセスに関して、この用語は、値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
【0044】
用語「細胞培養培地」及び「培地」とは、典型的には、以下のカテゴリーのうちの1つ又は複数からの、少なくとも1つの構成成分を提供する、哺乳動物細胞を増殖させるのに使用される栄養素溶液を意味する:
1)通常、グルコースなどの炭水化物の形態でのエネルギー供給源;
2)全ての必須アミノ酸、及び通常、20個のアミノ酸+システインの、塩基性のセット;
3)低濃度で必要とされるビタミン及び/又は他の有機化合物;
4)遊離脂肪酸;並びに
5)微量元素(微量元素は、非常に低濃度、通常マイクロモル範囲で典型的には必要とされる、無機化合物又は天然に存在する元素として定義される)。
【0045】
栄養素溶液は、以下のカテゴリーのいずれかに由来する1つ又は複数の成分で補充されていてもよい:
1)例えばインスリン、トランスフェリン、及び上皮成長因子などの、ホルモン及び他の成長因子;
2)例えばカルシウム、マグネシウム、及びホスフェートなどの、塩類及び緩衝液;
3)例えばアデノシン、チミジン、及びヒポキサンチンなどの、ヌクレオシド及び塩基;並びに
4)タンパク質及び組織加水分解物。
【0046】
細胞を「培養すること」とは、細胞を、細胞の生残及び/又は成長及び/又は増殖に好適な条件下にて、細胞培養培地と接触させることを指す。
【0047】
「バッチ培養液」とは、培養プロセスの開始時に、細胞培養のための全ての成分(細胞、及び全ての培養栄養素を含む)が、培養バイオリアクターに供給されている培養液を指す。
【0048】
本明細書で使用される場合、「フェドバッチ細胞培養液」とは、細胞及び培地が培養バイオリアクターに最初に供給され、追加の培養栄養素が、培養終了前の定期的な細胞及び/又は生成物の採取の有無にかかわらず、培養プロセス中に培養液に継続して、又は個別に増加して供給されるバッチ培養液を指す。
【0049】
場合によっては連続培養液と呼ばれる「還流培養液」とは、細胞が、例えば濾過、封入、マイクロ担体へのアンカリングなどにより培養液中に保持され、培地が継続して、段階的に、又は断続的に(又はこれらの任意の組み合わせで)導入され、培養バイオリアクターから取り除かれる培養液である。
【0050】
本明細書で使用する場合、用語「細胞」とは、動物細胞、哺乳動物細胞、培養細胞、宿主細胞、組み換え細胞、及び組み換え宿主細胞を意味する。このような細胞は一般に、適切な栄養素及び/又は成長因子を含有する培地に配置されたときに、増殖及び生残可能な哺乳動物組織から入手される、又はその組織に由来する細胞株である。
【0051】
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養物」という用語は互換的に使用され、外因性核酸が導入され得るか又は導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞には「形質転換体」及び「形質転換細胞」が含まれ、これらの細胞には、一次形質転換細胞及びそれに由来する子孫が、継代数に関係なく含まれる。子孫は、親細胞の核酸含有量と完全に同一である必要はないが、変異を含むことができる。元々の形質転換された細胞についてスクリーニングされるか又は選択されるのと同じ機能又は生物活性を有する変異体の子孫は、本発明に含まれる。
【0052】
用語「哺乳動物宿主細胞」又は「哺乳動物細胞」とは、適切な栄養素及び成長因子を含有する培地内の、単一層培養液又は懸濁培養液のいずれかに配置したときに、成長及び生存可能な哺乳動物に由来する細胞株を指す。特定の細胞株に必要な成長因子は、例えばMammalian Cell Culture(Mather,J.P.ed.,Plenum Press,N.Y.1984)、及びBarnes and Sato,(1980)Cell,22:649に記載されているように、過度な実験をすることなく、実験により速やかに決定される。典型的には、細胞は、目的の、多量の特定のタンパク質、例えば糖タンパク質を、培地に発現させて分泌させることができる。本開示の文脈内で好適な哺乳動物宿主細胞の例には、チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO,Urlaub and Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216 1980);dp12.CHO細胞(1989年3月15日に出版された欧州特許第307,247号);CHO-K1(ATCC,CCL-61);SV40により形質転換したサル腎臓CV1株(COS-7,ATCC CRL 1651);ヒト胎児腎臓株(293細胞、又は、懸濁培養液中での増殖のためにサブクローニングされた293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.,36:59 1977);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK,ATCC CCL 10);マウスセルトリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.,23:243-251 1980);サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザルサル腎臓細胞(VERO-76,ATCC CRL-1587);ヒト子宮頚癌細胞(HELA,ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC CCL 34);バッファロー系ラット肝臓細胞(BRL 3A,ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT 060562,ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44-68 1982);MRC 5細胞;FS4細胞;及びヒト肝癌株(Hep G2)が含まれ得る。特定の実施態様では、哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO,Urlaub and Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216 1980);dp12.CHO細胞(1989年3月15日に公開された欧州特許第307,247号)を含む。
【0053】
細胞培養物の「増殖期」とは、細胞が一般に、急速に分裂する、指数的に細胞が増殖する期間(対数期)を意味する。増殖期にて、細胞が維持される時間の長さは、例えば細胞の種類、細胞の増殖速度、及び/又は培地の状態に基づいて変化し得る。特定の実施態様では、この期の間に、細胞は一定期間(通常1~4日間)、細胞増殖が最大化されるような条件下において培養される。宿主細胞の増殖サイクルの決定は、過度な実験をすることなく想到される、特定の宿主細胞に対して決定される。「細胞増殖が最大化されるような期間及び条件下」などは、特定の細胞株に対して、細胞増殖及び分裂が最適であると測定される培養条件を意味する。特定の実施態様では、増殖期の間に、細胞は、特定の細胞株に対しての最適な増殖が達成されるように、一般に約30~40℃の加湿・制御大気下にて、必要な添加剤を含有する栄養素培地にて培養される。特定の実施態様では、細胞は、約1~4日間、通常は2~3日間の期間、増殖期で維持される。
【0054】
細胞培養の「産生期」とは、細胞増殖が停滞する/停滞を続ける期間を意味する。対数的な細胞増殖は典型的には、この期の前、又は間に低下し、タンパク質産生に引き継がれる。産生期の間、対数的な細胞増殖は終わり、タンパク質産生が主となる。この期間の間、培地は一般に、タンパク質の連続した産生を支え、所望の糖タンパク質生成物を得るために補充される。フェドバッチ及び/又は還流細胞培養プロセスは、この期の間に細胞培養培地を補充し、又は新鮮な培地を供給して、所望の細胞密度、生存能、及び/又は組み換えタンパク質生成物の力価を達成する、及び/又は維持する。産生期は大規模に実施することができる。
【0055】
タンパク質の活性に関して本明細書で使用される場合の「活性」という用語は、酵素活性、リガンド結合、薬物輸送、イオン輸送、タンパク質の局在化、受容体結合、及び/又は構造活性を含むがこれらに限定されない任意の活性を指す。このような活性は、タンパク質の発現を減少させるか又は排除し、それによりタンパク質の存在を減少させるか又は排除することによって、調節、例えば減少又は排除され得る。このような活性は、得られる修飾タンパク質が野生型タンパク質に対して活性の減少又は排除を示すように、タンパク質をコードする核酸配列を改変することによって、調節、例えば減少又は排除され得る。
【0056】
「発現」又は「発現させる」という用語は、本明細書において、宿主細胞内で生じる転写及び翻訳を意味するように用いられる。宿主細胞内での産生遺伝子の発現度合いは、細胞内に存在する、対応するmRNAの量、又は、細胞により産生される産生遺伝子によりコードされるタンパク質の量のいずれかに基づいて測定することができる。例えば、産生遺伝子から転写されるmRNAは、ノーザンハイブリダイゼーションにより定量化されるのが望ましい。Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,pp.7.3-7.57(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)。産生遺伝子によりコードされるタンパク質は、タンパク質の生物活性をアッセイすること、又は、そのような活性とは無関係な、タンパク質と反応可能な抗体を使用するウェスタンブロット若しくはラジオイムノアッセイなどのアッセイを用いることのいずれかにより定量化することができる。Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,pp.18.1-18.88(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)。
【0057】
本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」とは一般に、約10個を超えるアミノ酸を有するペプチド及びタンパク質を意味する。ポリペプチドは、宿主細胞に相同であり得るか、又は好ましくは、外因性であり得る。後者は、利用される宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生されるヒトタンパク質、又は、哺乳動物細胞により産生される酵母ポリペプチドに対して異種である、即ち、外部のものである、ということを意味する。特定の実施態様では、哺乳動物ポリペプチド(元々、哺乳動物生命体に由来したポリペプチド)、より好ましくは、培地に直接分泌するポリペプチドを使用する。
【0058】
用語「タンパク質」とは、鎖長が、より高度の三級及び/又は四級構造を産生するのに十分であるアミノ酸の配列を指すことを意味する。これは、「ペプチド」、又は、このような構造を有しない他の低分子量薬剤から、区別するためのものである。典型的には、本明細書のタンパク質は、少なくとも約15~20kD、好ましくは少なくとも約20kDの分子量を有する。本明細書中の定義に包含されるタンパク質の例には、宿主細胞タンパク質、並びに全ての哺乳動物タンパク質、特に、治療用及び診断用抗体などの治療用及び診断用タンパク質、並びに、1つ又は複数の鎖間及び/又は鎖内ジスルフィド結合を含む多鎖ポリペプチドを含む、1つ又は複数のジスルフィド結合を含有する一般的なタンパク質が含まれる。
【0059】
「抗体」という用語は、本明細書で最も広い意味で用いられ、所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単一特異性抗体(例えば、単一の重鎖配列及び単一の軽鎖配列からなる抗体(このような対の多量体を含む))、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び抗体断片を含むがこれらに限定されない様々な抗体構造を包含する。
【0060】
本明細書で使用する場合、抗体の「抗体断片」、「抗原結合部」(若しくは単に「抗体部」)、又は、抗体の「抗原結合断片」とは、抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含むインタクトな抗体以外の分子を意味する。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’);ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子(例えばscFv及びscFab);単一ドメイン抗体(dAb);及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれるが、これらに限定されない。特定の抗体断片の総説としては、Holliger and Hudson, Nature Biotechnology 23:1126-1136(2005)を参照されたい。
【0061】
「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の供給源又は種に由来し、重鎖及び/又は軽鎖の残りの部分が異なる供給源又は種に由来する抗体を指す。
【0062】
抗体の「クラス」とは、その重鎖によって保有される定常ドメイン又は定常領域の型を指す。抗体には、次の5種類の主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgAにさらに分けることができる。特定の実施態様では、抗体はIgGアイソタイプである。特定の実施態様では、抗体はIgGアイソタイプである。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの種類のうちの1つに割り当てられることができる。
【0063】
本明細書で使用する場合、用語「力価」とは、所与の量の培地体積で分けられた細胞培養液により産生された、組み換えにより発現した抗体の総量を意味する。力価は典型的には、1ミリリットル又は1リットルの培地当たりの、抗体のミリグラムの単位(mg/mL又はmg/L)にて表される。特定の実施態様では、力価は、1リットルの培地当たりの抗体のグラム(g/L)で表される。力価は、異なる培地条件下でタンパク質産生物を得ることと比較しての、力価の増加割合といった、相対的な測定値の観点から表現又は評価することができる。
【0064】
「核酸」、「核酸分子」又は「ポリヌクレオチド」との用語は、ヌクレオチドのポリマーを含む任意の化合物及び/又は物質を含む。各ヌクレオチドは、塩基で構成され、具体的には、プリン塩基又はピリミジン塩基(すなわち、シトシン(C)、グアニン(G)、アデニン(A)、チミン(T)又はウラシル(U))、糖(すなわち、デオキシリボース又はリボース)、及びリン酸基で構成される。しばしば、核酸分子は塩基の配列によって記述されることにより、これらの塩基は核酸分子の一次構造(直鎖状構造)を表す。塩基の配列は、典型的には、5’から3’へと表される。本明細書では、核酸分子という用語は、例えば相補的DNA(cDNA及びゲノムDNAを含むデオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、特にメッセンジャーRNA(mRNA)、DNA又はRNAの合成形態、並びにこれらの2つ以上の分子を含む混合ポリマーを包含する。核酸分子は、線形又は環状であってもよい。これに加え、核酸分子という用語は、センス鎖及びアンチセンス鎖の両方、並びに一本鎖形態及び二本鎖形態を含む。さらに、本明細書で記載される核酸分子は、天然に存在するヌクレオチド又は天然に存在しないヌクレオチドを含み得る。誘導体化された糖又はホスフェート骨格結合又は化学修飾された残基を含む、天然に存在しないヌクレオチドの例には、修飾されたヌクレオチド塩基が含まれる。核酸分子はまた、例えば、宿主又は患者において、in vitro及び/又はin vivoで本開示の抗体の直接的な発現のためのベクターとして好適なDNA分子及びRNA分子も包含する。このようなDNA(例えばcDNA)又はRNA(例えばmRNA)ベクターは、修飾されていなくても、修飾されていてもよい。例えば、mRNAを化学的に修飾して、RNAベクターの安定性及び/又はコードされた分子の発現を高め、mRNAを対象に注入してin vivoで抗体を生成することができるようにすることが可能である(例えば、Stadler et al, Nature Medicine 2017、2017年6月12日オンライン公開、doi:10.1038/nm.4356又は欧州特許第2101823号参照)。
【0065】
本明細書で使用する場合、用語「ベクター」とは、それが連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子を意味する。
【0066】
「ヒト抗体」とは、ヒト若しくはヒト細胞により産生された抗体、又はヒト抗体レパートリ若しくは他のヒト抗体をコードする配列を利用した非ヒト由来の抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を明確に除外する。
【0067】
「ヒト化」抗体とは、非ヒトCDR由来のアミノ酸残基、及びヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。特定の態様では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、そのドメイン中ではCDRの全て又は実質的に全てが非ヒト抗体のCDRに対応し、FRの全て又は実質的に全てがヒト抗体のFRに対応することになる。ヒト化抗体は、場合により、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでいてもよい。抗体の「ヒト化型」、例えば非ヒト抗体は、ヒト化を遂げた抗体を指す。
【0068】
本明細書で使用する場合、用語「超可変領域」又は「HVR」とは、配列内で超可変可能であり、抗原結合特異性を決定する、抗体可変ドメインの領域、例えば「相補性決定領域」(CDR)のそれぞれを意味する。
【0069】
一般に、抗体は6つのCDRを含み、3つがVH中にあり(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)、3つがVL中にある(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)。本明細書における例示的なCDRには、以下が含まれる:
(a)アミノ酸残基26-32(L1)、50-52(L2)、91-96(L3)、26-32(H1)、53-55(H2)及び96-101(H3)に生じる超可変ループ(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917(1987));
(b)アミノ酸残基24-34(L1)、50-56(L2)、89-97(L3)、31-35b(H1)、50-65(H2)及び95-102(H3)に生じるCDR(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(1991));及び
(c)アミノ酸残基27c-36(L1)、46-55(L2)、89-96(L3)、30-35b(H1)、47-58(H2)及び93-101(H3)に生じる抗原接触(antigen contact)(MacCallum et al. J. Mol. Biol. 262:732-745(1996))。
【0070】
特に指示がない限り、CDRは、上記Kabat et al.に従い決定される。当業者は、CDRの表記は、上記Chothia、上記McCallum、又は、任意の他の、科学的に認可された命名システムに従い決定することができることを理解するであろう。
【0071】
「イムノコンジュゲート」は、細胞傷害剤を含むがこれに限定されない、1つ又は複数の異種分子にコンジュゲートされている抗体である。
【0072】
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、同一であり、及び/又は同じエピトープに結合するが、例えば、自然発生突然変異を含有するか、又はモノクローナル抗体調製物の産生中に生じる、起こり得る変異型抗体は例外であり、かかる変異型は一般的に少量で存在する。典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して指向する異なる抗体を含むポリクローナル抗体製剤とは対照的に、モノクローナル抗体製剤のそれぞれのモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向する。したがって、修飾語「モノクローナル」とは、実質的に同種の抗体集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本開示の主題に従ったモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座の全て又は一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むが、これらに限定されない様々な技法によって作製することができ、そのような方法及び他の例示のモノクローナル抗体の作製方法は、本明細書に記載されている。
【0073】
「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、抗体と抗原との結合に関与する、抗体の重鎖又は軽鎖のドメインを指す。ネイティブ抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれVH及びVL)は、一般的に、類似の構造を有し、それぞれのドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と、3つの相補性決定領域(CDR)とを含む(例えば、Kindt et al., Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., p. 91(2007)を参照されたい。)抗原結合特異性を与えるには、単一のVH又はVLドメインで十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、その抗原に結合する抗体からのVH又はVLドメインを使用して相補的VL又はVHドメインのライブラリをそれぞれスクリーニングして、単離されてもよい。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887(1993);Clarkson et al., Nature 352:624-628(1991)を参照のこと。
【0074】
本明細書で使用する場合、用語「細胞密度」とは、所与の体積の培地中での、細胞の数を意味する。特定の実施態様では、より高いタンパク質産生能をもたらすという点で、高い細胞密度が望ましい。細胞密度は、培地からサンプルを抽出し、顕微鏡の下で細胞を分析すること、市販されている細胞計数装置を使用すること、又は、バイオリアクターそのもの(若しくは培地及び懸濁細胞が通過して、バイオリアクターに戻るループ)に導入した、市販されている好適なプローブを使用することを含むがこれらに限定されない、当該技術分野において公知の任意の技術により監視することができる。
【0075】
本明細書で使用する場合、用語「組換え細胞」とは、由来する元の親細胞に対して、いくらかの遺伝子組換えを有する細胞を意味する。このような遺伝子組み換えは、遺伝子産物、例えば組み換えタンパク質を発現させるために異種遺伝子を導入した結果であり得る。
【0076】
本明細書で使用する場合、用語「組み換えタンパク質」とは概して、抗体を含む、ペプチド及びタンパク質を意味する。このような組み換えタンパク質は「異種」、即ち、利用される宿主細胞、例えばCHO細胞により産生した抗体に対して外来である。
【0077】
「PS20」という用語は、ポリソルベート20又はTween 20を指す。「PS80」という用語は、ポリソルベート80又はTween 80を指す。PS20及びPS80は、脂肪酸エステル部分とポリオキシエチレン長鎖とを有するポリソルベート界面活性剤である。
【0078】
2.酵素活性の調節
特定の実施態様では、本開示は、リパーゼ、エステラーゼ、又はヒドロラーゼを含むがこれらに限定されない、1つ又は複数の宿主細胞タンパク質の活性、例えば酵素活性を調節するための方法に関する。例えば、限定するものではないが、宿主細胞中の、リパーゼ、エステラーゼ、及び/又はヒドロラーゼタンパク質を含むがこれらに限定されない酵素活性を調節することは、対応するポリペプチドの活性を減少させるか又は排除することを含む。特定の実施態様では、組換え宿主細胞は、非修飾細胞におけるタンパク質の活性に対して1つ又は複数の宿主細胞タンパク質の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、リポタンパク質リパーゼ(LPL);ホスホリパーゼBドメイン含有(PLBL2/PLBD2);リパーゼA(リソソーム酸性リパーゼ/コレステリルエステルヒドロラーゼ、リパーゼ)(LIPA);ホスホリパーゼA-2-活性化タンパク質(PLAA);ホスホリパーゼD3(PLD3);ホスホリパーゼA2グループ(LPLA2);ホスホリパーゼCベータ1(PLCB1);ホスホリパーゼCデルタ1(PLCD1);DDHDドメイン含有タンパク質1(断片)(DDHD1);リゾホスホリパーゼ様タンパク質1(LYPLAL1);ホスホリパーゼA2グループXIIA(PLA2G12A);ペルオキシレドキシン6(PRDX6);スフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ(SMPD1);パルミトイルタンパク質チオエステラーゼ1(PPT1);酢酸イソアミル加水分解エステラーゼ1(IAH1);OTU デユビキチナーゼ、ユビキチンアルデヒド結合1(OTUB1);リゾホスホリパーゼ2(アシルタンパク質チオエステラーゼ2)(LYPLA2);アシルコエンザイムAチオエステラーゼ13(ACOT13);脂肪酸シンターゼ(FASN);ホスホリパーゼA2グループVII(PLA2G7);ユビキチン特異的ペプチダーゼ5(USP5);N-アシルスフィンゴシンアミドヒドロラーゼ1(酸性セラミダーゼ)(ASAH1);リパーゼ成熟因子1(LMF1);アポリポタンパク質-CII(APOC2);アシルカルニチンヒドロラーゼ(HACH);カルボキシルエステラーゼ1F(CES1F)又は肝臓カルボキシルエステラーゼB-1様(CES-B1L);リゾホスホリパーゼ1(LYPLA1);カルボキシルエステラーゼ1(CES1);ホスホリパーゼA1メンバーA(PLA1A);及びシアル酸アセチルエステラーゼ(SIAE)の活性は、減少するか又は排除される。
【0079】
特定の実施態様では、PPT1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;及びLIPAの活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSPD1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12Aの活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSPD1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;及びPPT1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;及びPPT1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAEの活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAEの活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の活性は、減少するか又は排除される。特定の実施態様では、LMF1及びAPOC2の活性は、減少するか又は排除される。
【0080】
特定の実施態様では、基準細胞は、特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性が、調節、例えば減少又は排除されていない細胞である。特定の実施態様では、基準細胞は、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEをコードする遺伝子の野生型対立遺伝子の少なくとも一方又は両方を含む細胞である。例えば、限定するものではないが、基準細胞は、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEをコードする遺伝子の野生型対立遺伝子の両方を有する細胞である。特定の実施態様では、基準細胞はWT CHO細胞である。
【0081】
特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満である。特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満である。
【0082】
特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の少なくとも約90%、少なくとも約80%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、少なくとも約50%、少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約20%、少なくとも約10%、少なくとも約5%、少なくとも約4%、少なくとも約3%、少なくとも約2%、又は少なくとも約1%である。特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の少なくとも約90%、少なくとも約80%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、少なくとも約50%、少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約20%、少なくとも約10%、少なくとも約5%、少なくとも約4%、少なくとも約3%、少なくとも約2%、又は少なくとも約1%である。
【0083】
特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中の特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、又は約1%である。特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約40%以下である。特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、又は約1%以下である。
【0084】
特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約1%と約90%の間、約10%と約90%の間、約20%と約90%の間、約25%と約90%の間、約30%と約90%の間、約40%と約90%の間、約50%と約90%の間、約60%と約90%の間、約70%と約90%の間、約80%と約90%の間、約85%と約90%の間、約1%と約80%の間、約10%と約80%の間、約20%と約80%の間、約30%と約80%の間、約40%と約80%の間、約50%と約80%の間、約60%と約80%の間、約70%と約80%の間、約75%と約80%の間、約1%と約70%の間、約10%と約70%の間、約20%と約70%の間、約30%と約70%の間、約40%と約70%の間、約50%と約70%の間、約60%と約70%の間、約65%と約70%の間、約1%と約60%の間、約10%と約60%の間、約20%と約60%の間、約30%と約60%の間、約40%と約60%の間、約50%と約60%の間、約55%と約60%の間、約1%と約50%の間、約10%と約50%の間、約20%と約50%の間、約30%と約50%の間、約40%と約50%の間、約45%と約50%の間、約1%と約40%の間、約10%と約40%の間、約20%と約40%の間、約30%と約40%の間、約35%と約40%の間、約1%と約30%の間、約10%と約30%の間、約20%と約30%の間、約25%と約30%の間、約1%と約20%の間、約5%と約20%の間、約10%と約20%の間、約15%と約20%の間、約1%と約10%の間、約5%と約10%の間、約5%と約20%の間、約5%と約30%の間、約5%と約40%の間である。特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約1%と約90%の間、約10%と約90%の間、約20%と約90%の間、約25%と約90%の間、約30%と約90%の間、約40%と約90%の間、約50%と約90%の間、約60%と約90%の間、約70%と約90%の間、約80%と約90%の間、約85%と約90%の間、約1%と約80%の間、約10%と約80%の間、約20%と約80%の間、約30%と約80%の間、約40%と約80%の間、約50%と約80%の間、約60%と約80%の間、約70%と約80%の間、約75%と約80%の間、約1%と約70%の間、約10%と約70%の間、約20%と約70%の間、約30%と約70%の間、約40%と約70%の間、約50%と約70%の間、約60%と約70%の間、約65%と約70%の間、約1%と約60%の間、約10%と約60%の間、約20%と約60%の間、約30%と約60%の間、約40%と約60%の間、約50%と約60%の間、約55%と約60%の間、約1%と約50%の間、約10%と約50%の間、約20%と約50%の間、約30%と約50%の間、約40%と約50%の間、約45%と約50%の間、約1%と約40%の間、約10%と約40%の間、約20%と約40%の間、約30%と約40%の間、約35%と約40%の間、約1%と約30%の間、約10%と約30%の間、約20%と約30%の間、約25%と約30%の間、約1%と約20%の間、約5%と約20%の間、約10%と約20%の間、約15%と約20%の間、約1%と約10%の間、約5%と約10%の間、約5%と約20%の間、約5%と約30%の間、約5%と約40%の間である。
【0085】
特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約5%と約40%の間である。特定の実施態様では、ポリペプチドの活性を減少させるか又は排除するために修飾された細胞中のポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド活性の約5%と約40%の間である。異なる基準細胞(対応する遺伝子の少なくとも一方又は両方の野生型対立遺伝子を含む細胞)中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性は、変化し得る。
【0086】
特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、特定のポリペプチドの活性(例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAE活性)を調節する(例えば、減少させるか又は排除する)ために利用される。当該技術分野において公知の様々な遺伝子組み換えシステムを、本明細書で開示される方法のために使用することができる。このようなシステムの非限定例には、CRISPR/Casシステム、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)システム、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システム、並びに、低分子干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)などの、遺伝子サイレンシングによるタンパク質ノックダウンのための、他のツールの使用が含まれる。従来の、改善された、又は修正されたCasシステム、及び、Cpf-1などの、その他の細菌ベースのゲノム切除ツールを含む、当該技術分野において公知の任意のCRISPR/Casシステムを、本明細書で開示される方法と共に使用することができる。
【0087】
特定の実施態様では、遺伝子、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドをコードする遺伝子の一部は、対応するポリペプチドの活性を調節する、例えば減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、遺伝子の少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%が修飾されている。特定の実施態様では、遺伝子の約2%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、約20%以下、約25%以下、約30%以下、約35%以下、約40%以下、約45%以下、約50%以下、約55%以下、約60%以下、約65%以下、約70%以下、約75%以下、約80%以下、約85%、又は約90%以下が修飾されている。特定の実施態様では、遺伝子の約2%と約90%の間、約10%と約90%の間、約20%と約90%の間、約25%と約90%の間、約30%と約90%の間、約40%と約90%の間、約50%と約90%の間、約60%と約90%の間、約70%と約90%の間、約80%と約90%の間、約85%と約90%の間、約2%と約80%の間、約10%と約80%の間、約20%と約80%の間、約30%と約80%の間、約40%と約80%の間、約50%と約80%の間、約60%と約80%の間、約70%と約80%の間、約75%と約80%の間、約2%と約70%の間、約10%と約70%の間、約20%と約70%の間、約30%と約70%の間、約40%と約70%の間、約50%と約70%の間、約60%と約70%の間、約65%と約70%の間、約2%と約60%の間、約10%と約60%の間、約20%と約60%の間、約30%と約60%の間、約40%と約60%の間、約50%と約60%の間、約55%と約60%の間、約2%と約50%の間、約10%と約50%の間、約20%と約50%の間、約30%と約50%の間、約40%と約50%の間、約45%と約50%の間、約2%と約40%の間、約10%と約40%の間、約20%と約40%の間、約30%と約40%の間、約35%と約40%の間、約2%と約30%の間、約10%と約30%の間、約20%と約30%の間、約25%と約30%の間、約2%と約20%の間、約5%と約20%の間、約10%と約20%の間、約15%と約20%、約2%と約10%の間、約5%と約10%の間、又は約2%と約5%の間が修飾されている。
【0088】
特定の実施態様では、本開示は、宿主細胞中の1つ又は複数の遺伝子、例えば、リパーゼ、エステラーゼ、又はヒドロラーゼを含むがこれらに限定されない酵素をコードする遺伝子の活性を調節するための方法に関する。例えば、限定するものではないが、宿主細胞中の、リパーゼ、エステラーゼ、及び/又はヒドロラーゼ遺伝子を含むがこれらに限定されない1つ又は複数の酵素遺伝子の活性を調節するための方法は、細胞中の対応するポリペプチド発現をノックアウト又はノックダウンすることを含む。特定の実施態様では、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;(LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、PLBL2の発現はノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;及びLIPAの発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSPD1の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12Aの発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSMPD1の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;及びPPT1の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;及びPPT1の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAEの発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAEの発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。特定の実施態様では、LMF1及びAPOC2の発現は、ノックダウン又はノックアウトされる。本明細書で使用される場合、ノックアウトされた発現とは、基準細胞と比較して、細胞中の特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現の排除を指す。本明細書で使用される場合、ノックダウンされた発現とは、基準細胞と比較して、細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現の減少を指す。
【0089】
特定の実施態様では、基準細胞は、特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現が、調節、例えば減少していない細胞である。特定の実施態様では、基準細胞は、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEをコードする遺伝子の野生型対立遺伝子の少なくとも一方又は両方を含む細胞である。例えば、限定するものではないが、基準細胞は、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEをコードする遺伝子の野生型対立遺伝子の両方を有する細胞である。特定の実施態様では、基準細胞はWT CHO細胞である。
【0090】
特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満である。特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満である。
【0091】
特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の少なくとも約90%、少なくとも約80%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、少なくとも約50%、少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約20%、少なくとも約10%、少なくとも約5%、少なくとも約4%、少なくとも約3%、少なくとも約2%、又は少なくとも約1%である。特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の少なくとも約90%、少なくとも約80%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、少なくとも約50%、少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約20%、少なくとも約10%、少なくとも約5%、少なくとも約4%、少なくとも約3%、少なくとも約2%、又は少なくとも約1%である。
【0092】
特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中の特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、又は約1%である。特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約40%以下である。特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチドの活性は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、又は約1%以下である。
【0093】
特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約1%と約90%の間、約10%と約90%の間、約20%と約90%の間、約25%と約90%の間、約30%と約90%の間、約40%と約90%の間、約50%と約90%の間、約60%と約90%の間、約70%と約90%の間、約80%と約90%の間、約85%と約90%の間、約1%と約80%の間、約10%と約80%の間、約20%と約80%の間、約30%と約80%の間、約40%と約80%の間、約50%と約80%の間、約60%と約80%の間、約70%と約80%の間、約75%と約80%の間、約1%と約70%の間、約10%と約70%の間、約20%と約70%の間、約30%と約70%の間、約40%と約70%の間、約50%と約70%の間、約60%と約70%の間、約65%と約70%の間、約1%と約60%の間、約10%と約60%の間、約20%と約60%の間、約30%と約60%の間、約40%と約60%の間、約50%と約60%の間、約55%と約60%の間、約1%と約50%の間、約10%と約50%の間、約20%と約50%の間、約30%と約50%の間、約40%と約50%の間、約45%と約50%の間、約1%と約40%の間、約10%と約40%の間、約20%と約40%の間、約30%と約40%の間、約35%と約40%の間、約1%と約30%の間、約10%と約30%の間、約20%と約30%の間、約25%と約30%の間、約1%と約20%の間、約5%と約20%の間、約10%と約20%の間、約15%と約20%の間、約1%と約10%の間、約5%と約10%の間、約5%と約20%の間、約5%と約30%の間、約5%と約40%の間である。特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約1%と約90%の間、約10%と約90%の間、約20%と約90%の間、約25%と約90%の間、約30%と約90%の間、約40%と約90%の間、約50%と約90%の間、約60%と約90%の間、約70%と約90%の間、約80%と約90%の間、約85%と約90%の間、約1%と約80%の間、約10%と約80%の間、約20%と約80%の間、約30%と約80%の間、約40%と約80%の間、約50%と約80%の間、約60%と約80%の間、約70%と約80%の間、約75%と約80%の間、約1%と約70%の間、約10%と約70%の間、約20%と約70%の間、約30%と約70%の間、約40%と約70%の間、約50%と約70%の間、約60%と約70%の間、約65%と約70%の間、約1%と約60%の間、約10%と約60%の間、約20%と約60%の間、約30%と約60%の間、約40%と約60%の間、約50%と約60%の間、約55%と約60%の間、約1%と約50%の間、約10%と約50%の間、約20%と約50%の間、約30%と約50%の間、約40%と約50%の間、約45%と約50%の間、約1%と約40%の間、約10%と約40%の間、約20%と約40%の間、約30%と約40%の間、約35%と約40%の間、約1%と約30%の間、約10%と約30%の間、約20%と約30%の間、約25%と約30%の間、約1%と約20%の間、約5%と約20%の間、約10%と約20%の間、約15%と約20%の間、約1%と約10%の間、約5%と約10%の間、約5%と約20%の間、約5%と約30%の間、約5%と約40%の間である。
【0094】
特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約5%と約40%の間である。特定の実施態様では、ポリペプチドの発現をノックダウンするために修飾された細胞中のポリペプチドの発現は、基準細胞、例えばWT CHO細胞の対応するポリペプチド発現の約5%と約40%の間である。異なる基準細胞(対応する遺伝子の少なくとも一方又は両方の野生型対立遺伝子を含む細胞)中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現レベルは、変化し得る。
【0095】
特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、特定のポリペプチドの発現(例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAE発現)を調節する(例えば、ノックダウン又はノックアウトする)ために利用される。当該技術分野において公知の様々な遺伝子組み換えシステムを、本明細書で開示される方法のために使用することができる。このようなシステムの非限定例には、CRISPR/Casシステム、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)システム、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システム、並びに、低分子干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)などの、遺伝子サイレンシングによるタンパク質ノックダウンのための、他のツールの使用が含まれる。従来の、改善された、又は修正されたCasシステム、及び、Cpf-1などの、その他の細菌ベースのゲノム切除ツールを含む、当該技術分野において公知の任意のCRISPR/Casシステムを、本明細書で開示される方法と共に使用することができる。
【0096】
特定の実施態様では、遺伝子、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドをコードする遺伝子の一部は、欠失されて、対応するポリペプチドの発現を調節(例えば、ノックダウン又はノックアウト)する。特定の実施態様では、遺伝子の少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%が欠失される。特定の実施態様では以下、遺伝子の約2%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、約20%以下、約25%以下、約30%以下、約35%以下、約40%以下、約45%以下、約50%以下、約55%以下、約60%以下、約65%以下、約70%以下、約75%以下、約80%以下、約85%以下、又は約90%以下が欠失される。特定の実施態様では、遺伝子の約2%と約90%の間、約10%と約90%の間、約20%と約90%の間、約25%と約90%の間、約30%と約90%の間、約40%と約90%の間、約50%と約90%の間、約60%と約90%の間、約70%と約90%の間、約80%と約90%の間、約85%と約90%の間、約2%と約80%の間、約10%と約80%の間、約20%と約80%の間、約30%と約80%の間、約40%と約80%の間、約50%と約80%の間、約60%と約80%の間、約70%と約80%の間、約75%と約80%の間、約2%と約70%の間、約10%と約70%の間、約20%と約70%の間、約30%と約70%の間、約40%と約70%の間、約50%と約70%の間、約60%と約70%の間、約65%と約70%の間、約2%と約60%の間、約10%と約60%の間、約20%と約60%の間、約30%と約60%の間、約40%と約60%の間、約50%と約60%の間、約55%と約60%の間、約2%と約50%の間、約10%と約50%の間、約20%と約50%の間、約30%と約50%の間、約40%と約50%の間、約45%と約50%の間、約2%と約40%の間、約10%と約40%の間、約20%と約40%の間、約30%と約40%の間、約35%と約40%の間、約2%と約30%の間、約10%と約30%の間、約20%と約30%の間、約25%と約30%の間、約2%と約20%の間、約5%と約20%の間、約10%と約20%の間、約15%と約20%、約2%と約10%の間、約5%と約10%の間、又は約2%と約5%の間が欠失される。
【0097】
特定の実施態様では、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドをコードする遺伝子の少なくとも1つのエクソンは、少なくとも部分的に欠失される。本明細書で使用される場合の「部分的に欠失された」という用語は、領域の、例えばエクソンの少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%以下、約2%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、約20%以下、約25%以下、約30%以下、約35%以下、約40%以下、約45%以下、約50%以下、約55%以下、約60%以下、約65%以下、約70%以下、約75%以下、約80%以下、約85%以下、約90%以下、約95%の間、約2%と約90%の間、約10%と約90%の間、約20%と約90%の間、約25%と約90%の間、約30%と約90%の間、約40%と約90%の間、約50%と約90%の間、約60%と約90%の間、約70%と約90%の間、約80%と約90%の間、約85%と約90%の間、約2%と約80%の間、約10%と約80%の間、約20%と約80%の間、約30%と約80%の間、約40%と約80%の間、約50%と約80%の間、約60%と約80%の間、約70%と約80%の間、約75%と約80%の間、約2%と約70%の間、約10%と約70%の間、約20%と約70%の間、約30%と約70%の間、約40%と約70%の間、約50%と約70%の間、約60%と約70%の間、約65%と約70%の間、約2%と約60%の間、約10%と約60%の間、約20%と約60%の間、約30%と約60%の間、約40%と約60%の間、約50%と約60%の間、約55%と約60%の間、約2%と約50%の間、約10%と約50%の間、約20%と約50%の間、約30%と約50%の間、約40%と約50%の間、約45%と約50%の間、約2%と約40%の間、約10%と約40%の間、約20%と約40%の間、約30%と約40%の間、約35%と約40%の間、約2%と約30%の間、約10%と約30%の間、約20%と約30%の間、約25%と約30%の間、約2%と約20%の間、約5%と約20%の間、約10%と約20%の間、約15%と約20%の間、約2%と約10%の間、約5%と約10%の間、又は約2%と約5%の間が欠失されたことを指す。
【0098】
特定の非限定的な実施態様では、CRISPR/Cas9システムは、ポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現を調節するために利用される。クラスター化され、規則的に間隔が空いた短い回文構造の繰り返し(CRISPR)システムは、原核細胞にて発見されたゲノム編集ツールである。ゲノム編集に利用する場合、システムは、Cas9(crRNAをガイドとして利用してDNAを修飾可能なタンパク質)、CRISPR RNA(crRNA、Cas9により使用され、Cas9と活性の複合体を形成するtracrRNA(一般にヘアピンループ形態である)に結合する領域と共に、宿主DNAの正しい部分にcrRNAをガイドするためのRNAを含有する)、及び、トランス活性化crRNA(tracrRNA、crRNAに結合し、Cas9との活性の複合体を形成する)を含む。「ガイドRNA」及び「gRNA」という用語は、Cas9などのRNAガイドヌクレアーゼの、細胞中のゲノム配列又はエピソーム配列などの標的配列への特異的会合(又は「標的化」)を促進する任意の核酸を指す。gRNAは、単分子(単一のRNA分子を含み、代わりにキメラと呼ばれる)又はモジュラー(通常は、例えば二重化によって、相互に関連付けられているcrRNA及びtracrRNAなどの複数の、典型的には2つの別個のRNA分子を含む)であり得る。
【0099】
CRISPR/Cas9法では、哺乳動物細胞をトランスフェクションするためのベクターを使用することができる。ガイドRNA(gRNA)は、Cas9を使用して、細胞内の標的DNAを識別して、直接結合するための配列であるため、各用途に対して設計することができる。複数のcrRNA及びtracrRNAを合わせてパッケージ化して、一本鎖ガイドRNA(sgRNA)を形成することができる。細胞内にトランスフェクションするために、sgRNAをCas9遺伝子と共に結合させ、ベクター内に組み入れることができる。
【0100】
特定の実施態様では、1つ又は複数のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現の調節に使用するためのCRISPR/Cas9システムは、Cas9分子と、目的のポリペプチドをコードする遺伝子の標的配列に相補的である標的ドメインを含む1つ又は複数のgRNAとを含む。特定の実施態様では、標的遺伝子は、目的のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドをコードする遺伝子の領域である。標的配列は、遺伝子内の任意のエクソン又はイントロン領域であり得る。
【0101】
特定の実施態様では、gRNAは単一のベクターで細胞に投与され、Cas9分子は第2のベクターで細胞に投与される。特定の実施態様では、gRNA及びCas9分子は、単一のベクターで細胞に投与される。あるいは、gRNA及びCas9分子のそれぞれが、別のベクターにより投与されることができる。特定の実施態様では、CRISPR/Cas9システムは、1つ又は複数のgRNAと複合体化したCas9タンパク質を含む、リボ核タンパク質複合体(RNP)として細胞に送達することができ、例えば、電気穿孔法により送達することができる(例えば、細胞にRNPを送達するさらなる方法については、DeWitt et al.,Methods 121-122:9-15(2017)を参照のこと)。特定の実施態様では、CRISPR/Cas9システムを細胞に施すことは、ポリペプチド、例えばBAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現のノックアウト又はノックダウンをもたらす。
【0102】
特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、哺乳動物細胞における特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現を調節するためのZFNシステムである。ZFNは制限酵素として作用することができ、これは、ジンクフィンガーDNA結合ドメインを、DNA切断ドメインと組み合わせることにより作製される。ジンクフィンガードメインを改変して、特異的なDNA配列を標的化することができ、これにより、ジンクフィンガーヌクレアーゼが、ゲノム内で所望の配列を標的化することが可能になる。個々のZFNのDNA結合ドメインは典型的には、複数の、個別のジンクフィンガー反復を含有し、それぞれが複数の塩基対を認識することができる。新しいジンクフィンガードメインを生成するための、最も一般的な方法は、既知の特異性を有する小さいジンクフィンガー「モジュール」を組み合わせることである。最も一般的な、ZFNの切断ドメインは、II型制限エンドヌクレアーゼFokI由来の、非特異的切断ドメインである。ZFNは、標的DNA配列内で二本鎖の切断(DSB)を行うことにより、タンパク質の発現を調節し、これは、相同テンプレートの不存在下にて、非相同末端結合(NHEJ)により修復される。このような修復により、塩基対の欠失又は挿入をもたらすことができ、フレームシフトを生み出して、有害なタンパク質の産生を防止する(Durai et al.,Nucleic Acids Res.;33(18):5978-90(2005))。複数のZFN対もまた使用して、ゲノム配列の、全体の大きなセグメントを完全に除去することができる(Lee et al.,Genome Res.;20(1):81-9(2010))。
【0103】
特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、特定のポリペプチド、例えば、哺乳動物細胞におけるBAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現を調節するためのTALENシステムである。TALENは、改変してDNAの特異的な配列を切断することができる制限酵素である。TALENシステムは、ZFNに類似した原理で作動する。TALENは、転写活性化因子様エフェクターDNA結合ドメインを、DNA切断ドメインと組み合わせることにより生成される。転写活性化因子様エフェクター(TALE)は、特異的なヌクレオチドを強力に認識する2つの位置を備える、33~34個のアミノ酸反復モチーフで構成される。これらのTALEのアレイを組み立てることで、TALE DNA結合ドメインを改変して、所望のDNA配列に結合することができ、これにより、ヌクレアーゼを、ゲノムの特定の場所で切断するようにガイドする(Boch et al.,Nature Biotechnology;29(2):135-6(2011))。特定の実施態様では、標的遺伝子は、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEをコードする。
【0104】
特定の実施態様では、特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの発現は、対応する核酸(例えばmRNA)に対する相補的配列を有するオリゴヌクレオチドを使用してノックダウンされ得る。このようなオリゴヌクレオチドの非限定例には、低分子干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)が含まれる。特定の実施態様では、このようなオリゴヌクレオチドは、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAE核酸配列の少なくとも一部と相同であり得る。ここで、対応する核酸配列に対する部分の相同性は、少なくとも約75パーセント、又は少なくとも約80パーセント、又は少なくとも約85パーセント、又は少なくとも約90パーセント、又は少なくとも約95パーセント、又は少なくとも約98パーセントである。特定の非限定的な実施態様では、相補的部分は、少なくとも10個のヌクレオチド、又は少なくとも15個のヌクレオチド、又は少なくとも20個のヌクレオチド、又は少なくとも25個のヌクレオチド、又は少なくとも30個のヌクレオチドを構成することができ、アンチセンス核酸、shRNA、mRNA、又はsiRNA分子は、最大15、又は最大20、又は最大25、又は最大30、又は最大35、又は最大40、又は最大45、又は最大50、又は最大75、又は最大100ヌクレオチド長であり得る。アンチセンス核酸、shRNA、mRNA、又はsiRNA分子は、DNA、又は非定型若しくは天然に存在しない残基、例えば、これに限定されないがホスホロチオエート残基を含むことができる。
【0105】
本明細書に開示される遺伝子組換えシステムは、ウイルスベクター、例えば、ガンマレトロウイルスベクターなどのレトロウイルスベクター、及びレンチウイルスベクターを使用して哺乳動物細胞に送達することができる。キャプシドタンパク質が、ヒト細胞を感染させるのに機能的である場合、レトロウイルスベクターと、適切なパッケージング株の組み合わせが好適である。PA12(Miller,et al.(1985)Mol.Cell.Biol.5:431-437);PA317(Miller,et al.(1986)Mol.Cell.Biol.6:2895-2902);及びCRIP(Danos,et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460-6464)を含むが、これらに限定されない、様々なアンホトロピックウイルス産生細胞株が知られている。非アンホトロピック粒子、例えば、VSVG、RD114、又はGALVエンベロープ、及び当該技術分野において公知の任意の他のものによる偽型化粒子もまた、好適である。可能な形質導入方法には、例えば、Bregni,et al.(1992)Blood 80:1418-1422の方法による、細胞を、プロデューサー細胞と直接同時培養するもの、又は、例えば、Xu,et al.(1994)Exp.Hemat.22:223-230;及びHughes,et al.(1992)J.Clin.Invest.89:1817の方法による、ウイルス上清のみでの、又は、適切な成長因子及びポリカチオンを有する、若しくは有しない、濃縮ベクター原液による培養も含まれる。
【0106】
他の形質導入ウイルスベクターを使用して、本明細書にて開示した哺乳動物細胞を修飾することができる。特定の実施態様では、選択したベクターは、高効率の感染、並びに安定した組込み及び発現を示す(例えば、Cayouette et al.,Human Gene Therapy 8:423-430,1997;Kido et al.,Current Eye Research 15:833-844,1996;Bloomer et al.,Journal of Virology 71:6641-6649,1997;Naldini et al.,Science 272:263 267,1996;及びMiyoshi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94:10319, 1997を参照のこと)。使用され得る他のウイルスベクターには、例えば、アデノウイルス、レンチウイルス、及びアデノ随伴ウイルスベクター、ワクシニアウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス、又はヘルペスウイルス、例えばエプスタイン・バールウイルスが含まれる(例えば、Miller,Human Gene Therapy 15-14,1990;Friedman,Science 244:1275-1281,1989;Eglitis et al,BioTechniques 6:608-614,1988;Tolstoshev et al.,Current Opinion in Biotechnology 1:55-61,1990;Sharp,The Lancet 337:1277-1278,1991;Cometta et al.,Nucleic Acid Research and Molecular Biology 36:311- 322,1987;Anderson,Science 226:401-409,1984;Moen,Blood Cells 17:407-416,1991;Miller et al.,Biotechnology 7:980-990,1989;LeGal La Salle et al.,Science 259:988-990,1993;及びJohnson,Chest 107:77S-83S,1995のベクターも参照のこと)。レトロウイルスベクターが特に開発されており、臨床設定にて用いられている(Rosenberg et al.,N.Engl.J.Med 323:370,1990;Anderson et al.,米国特許第5,399,346号)。
【0107】
非ウイルスアプローチもまた、本明細書にて開示した哺乳動物細胞の遺伝子組み換えに使用することができる。例えば、リポフェクションの存在下における核酸の投与(Feigner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84:7413,1987;Ono et al.,Neuroscience Letters 17:259,1990;Brigham et al.,Am.J.Med.Sci.298:278,1989;Staubinger et al.,Methods in Enzymology 101:512,1983)、アシアロオロソムコイド-ポリリシンコンジュゲーション(Wu et al.,Journal of Biological Chemistry 263:14621,1988;Wu et al.,Journal of Biological Chemistry 264:16985,1989)、又は、外科的条件下におけるマイクロ注射(Wolff et al.,Science 247:1465,1990)により、核酸分子を哺乳動物細胞内に導入することができる。遺伝子導入のための、他の非ウイルス方法としては、リン酸カルシウム、DEAEデキストラン、電気穿孔法、及び原形質融合を用いる、インビトロでのトランスフェクションが挙げられる。リポソームもまた、核酸分子を細胞内に送達するのに、潜在的に有益である可能性がある。通常の遺伝子を、対象の感染組織に移植することもまた、通常の核酸を、エクスビボ培養が可能な細胞種(例えば、自己由来又は異種一次細胞又はそれらの後代)に移し、その後、細胞(又はその子孫)を、標的組織に注入する、又は全身注入することにより実行することができる。
【0108】
3.遺伝子特異的修飾を含む細胞
一態様では、本開示は、1つ又は複数のポリペプチド、例えば1つ又は複数の酵素、例えば、1つ又は複数のリパーゼ、エステラーゼ、及び/又はヒドロラーゼの活性の減少又は排除を有する、細胞、又は1つ又は複数の細胞、例えば哺乳動物細胞を含む組成物に関する。特定の実施態様では、細胞は、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、PLBL2の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LPL;及びLIPAの活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SMPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12Aの活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SMPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LPL;及びPPT1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、PPT1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LPL;LIPA;及びPPT1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAEの活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAEの活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する。特定の実施態様では、細胞は、LMF1及びAPOC2の活性の減少又は排除を有する。
【0109】
本明細書で使用される場合、排除された活性とは、基準細胞と比較して、細胞中の特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性の排除を指す。本明細書で使用される場合、減少した活性とは、基準細胞と比較して、細胞中のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性の減少を指す。
【0110】
本開示の主題に関連して有用な細胞の非限定的な例には、CHO細胞(例えば、DHFR CHO細胞)、dp12.CHO細胞のCHO-K1(ATCC、CCL-61)、SV40により形質転換したサル腎臓CV1(例えば、COS-7 ATCC CRL-1651)、ヒト胎児腎臓株(例えば、懸濁培養液中で増殖のためにサブクローニングされた293又は293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(例えば、BHK、ATCC CCL 10)、マウスセルトリ細胞(例えば、TM4)、サル腎臓細胞(例えば、CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(例えば、VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頚癌細胞(例えば、HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(例えば、MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝臓細胞(例えば、BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(例えば、W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝臓細胞(例えば、Hep G2、HB 8065)、マウス乳房腫瘍(例えば、MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞、MRC 5細胞、FS4細胞、ヒト肝癌株(例えば、Hep G2)、骨髄腫細胞株(例えば、Y0、NS0及びSp2/0)が含まれる。特定の実施態様では、細胞はCHO細胞である。CHO宿主細胞の、さらなる非限定的な例には、CHO K1SV細胞、CHO DG44細胞、CHO DUKXB-11細胞、CHOK1S細胞、及びCHO K1M細胞が含まれる。
【0111】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞は、目的の生成物を発現させる。特定の実施態様では、目的の生成物は、組換えタンパク質である。特定の実施態様では、目的の生成物は、モノクローナル抗体である。目的の生成物のさらなる非限定的な例は、セクション5.5に記載する。
【0112】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞を、商業的に有用な量の目的の生成物の生成のために使用することができる。特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞は、基準細胞、例えばWT CHO細胞と比べて、生成プロセスの成分の分解レベルの減少を誘導することにより、少なくとも部分的に、商業的に有用な量の目的の生成物の生成を容易にする。特定の実施態様では、生成プロセスの成分は、脂質含有成分である。特定の実施態様では、脂質含有成分は、界面活性剤である。特定の実施態様では、界面活性剤は、ポリソルベート含有成分である。特定の実施態様では、ポリソルベート含有成分は、PS20(ポリソルベート20又はTween 20)である。特定の実施態様では、ポリソルベート含有成分は、PS80(ポリソルベート80又はTween 80)である。特定の実施態様では、本開示の細胞は、生成プロセスの成分、例えばPS20の分解を、基準細胞、例えば、WT CHO細胞で観察された対応するPS20の分解の約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満減少させ得る。
【0113】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞は、目的の生成物をコードする核酸を含むことができる。特定の実施態様では、核酸は、1つ又は複数のベクター、例えば発現ベクター中に存在し得る。ベクターの1種は「プラスミド」であり、これは、さらなるDNAセグメントがライゲートされ得る環状二本鎖DNAループを指す。別の種類のベクターは、ウイルスベクターであり、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲートされ得る。特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞中で自己複製することができる(例えば、細菌性複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム性哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それにより、宿主ゲノムとともに複製される。さらに、ある特定のベクター、発現ベクターは、それらが作動可能に連結する遺伝子の発現を誘導することができる。一般に、組換えDNA技法において利用される発現ベクターは、プラスミド(ベクター)の形態である場合が多い。本開示で使用するための発現ベクターのさらなる非限定的な例には、等価な機能的役割を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)が含まれる。
【0114】
特定の実施態様では、目的の生成物をコードする核酸を、本明細書で開示される宿主細胞に導入することができる。特定の実施態様では、核酸の細胞への導入は、トランスフェクション、電気穿孔法、マイクロインジェクション、核酸配列含有ウイルス又はバクテリオファージベクターでの感染、細胞融合、染色体媒介遺伝子導入、マイクロセル媒介遺伝子導入、スフェロプラスト融合等を含むがこれらに限定されない任意の当該技術分野で知られる方法により実施され得る。特定の実施態様では、宿主細胞は、真核細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。
【0115】
特定の実施態様では、目的の生成物をコードする核酸は、宿主細胞ゲノムに無作為に組み込むことができる(「無作為的組込み」又は「RI」)。例えば、限定するものではないが、目的の生成物をコードする核酸は、特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性の減少又は排除を有するように調節された細胞のゲノム内へ無作為に組み込まれ得る。
【0116】
特定の実施態様では、目的の生成物をコードする核酸は、標的化する方式で宿主細胞ゲノムに組み込むことができる(「標的組込み」又は「TI」)。例えば、限定するものではないが、目的の生成物をコードする核酸は、標的化の方式で、特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性の減少又は排除を有するように調節された細胞のゲノム内へ組み込まれ得る。「組込み部位」は、外因性ヌクレオチド配列が挿入される、宿主細胞ゲノム内の核酸配列を含む。特定の実施態様では、組込み部位は、宿主細胞ゲノム上の2つの隣接するヌクレオチド間に存在する。特定の実施態様では、組込み部位は、ヌクレオチド配列のストレッチを含む。特定の実施態様では、組込み部位は、CHO宿主細胞のゲノムの特定の遺伝子座内に位置する。特定の実施態様では、組込み部位は、CHO宿主細胞の内因性遺伝子内にある。当該技術分野において公知の任意の組込み部位を、本明細書にて開示した主題を用いて制御及び使用することができる。標的組込みは、当該技術分野において公知の方法及びシステムにより媒介することができる。例えば、限定されるものではないが、2018年12月21日に出願された国際出願第PCT/US18/067070号(その内容全体が本明細書に組み込まれている)に開示されている方法及びシステムを、標的組込みのために使用することができる。
【0117】
特定の実施態様では、目的の生成物をコードする核酸を、トランスポーゼース型組込みを使用して宿主細胞ゲノムに組み込むことができる。トランスポーゼース型組込みは例えば、Trubitsyna et al.、Nucleic Acids Res.45(10):e89(2017)、Li et al.,PNAS 110(25):E2279-E2287(2013)、及び国際公開第2004/009792号(これらは参照によりその全体が本明細書に援用される)に開示されている。
【0118】
特定の実施態様では、目的の生成物をコードする核酸は、宿主細胞ゲノムに無作為に組み込むことができる(「無作為的組込み」又は「RI」)。特定の実施態様では、ランダム組込みは、当該技術分野において公知の任意の方法又はシステムにより媒介されることができる。特定の実施態様では、ランダム組込みは、MaxCyte STX(登録商標)電気穿孔システムにより媒介される。
【0119】
特定の実施態様では、標的化組込みは、ランダム組込みと組み合わせ得る。特定の実施態様では、標的化組込みは、ランダム組込みの後に続けることができる。特定の実施態様では、無作為組込みは標的組込みの後に続けることができる。例えば、限定するものではないが、目的の生成物をコードする核酸は、特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性の減少又は排除を有するように調節された細胞のゲノム内へ無作為に組み込まれ得、同じ目的の生成物をコードする核酸は、標的化の方式で細胞のゲノムに組み込まれ得る。
【0120】
特定の実施態様では、本明細書で開示される宿主細胞は、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子を含む。特定の実施態様では、酵素遺伝子への改変は、酵素の活性を減少させるか又は排除する。特定の実施態様では、本明細書で開示される宿主細胞は、1つ又は複数の改変されたLPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAE遺伝子を含む。特定の実施態様では、改変されたLPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAE遺伝子のその後の転写物は、活性の減少又は排除を有するタンパク質をコードする。特定の実施態様では、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子は、コード領域の破壊によって改変される。特定の実施態様では、遺伝子の改変は、対立遺伝子の改変を含む。特定の実施態様では、酵素遺伝子の改変は、1以上の塩基対、2以上の塩基対、3以上の塩基対、4以上の塩基対、5以上の塩基対、6以上の塩基対、7以上の塩基対、8以上の塩基対、9以上の塩基対、10以上の塩基対、11以上の塩基対、12以上の塩基対、13以上の塩基対、14以上の塩基対、15以上の塩基対、16以上の塩基対、17以上の塩基対、18以上の塩基対、19以上の塩基対、又は20以上の塩基対の欠失を含む。
【0121】
4.細胞培養法
一態様では、本開示は、本明細書にて開示した細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成するための方法を提供する。当該技術分野において公知の、哺乳動物細胞に対して好適な培養条件は、本明細書に記載の細胞の培養に使用することができる(J.Immunol.Methods(1983)56:221-234)、又は、当事者により容易に測定することができる(例えば、Animal Cell Culture:A Practical Approach 2nd Ed.,Rickwood,D.and Hames,B.D.,eds.Oxford University Press,New York(1992)を参照のこと)。
【0122】
哺乳動物細胞は、培養されている特定の細胞に好適な培地にて準備することができる。Ham’s F10(Sigma)、最小必須培地(MEM、Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、及びダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Sigma)などの市販の培地は、例示的な栄養素溶液である。さらに、Ham and Wallace,(1979)Meth.Enz.,58:44;Barnes and Sato,(1980)Anal.Biochem.,102:255;米国特許第4,767,704号;同第4,657,866号;同第4,927,762号;同第5,122,469号、又は同第4,560,655号;国際公開第90/03430号;及び同第87/00195号に開示されている培地のいずれか(それらの開示全ては、参照により本明細書に援用される)を、培養培地として使用することができる。これらの培地のいずれかは、必要に応じてホルモン及び/又は他の成長因子(インスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩)、緩衝液(HEPESなど)、ヌクレオシド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えばゲンタマイシン(gentamycin/gentamicin))、微量元素(通常、終濃度にてマイクロモル範囲で存在する無機化合物として定義される)、脂質類(リノレン酸又は他の脂肪酸)及びそれらの好適な単体、並びにグルコース、又は等価なエネルギー供給源を補充することができる。任意の他の必要な補充物も、当業者に既知であろう適切な濃度で含まれ得る。
【0123】
特定の実施態様では、特定のポリペプチド、例えば、BAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性を減少及び/又は排除するために修飾された哺乳動物細胞は、CHO細胞である。任意の好適な培地を使用して、CHO細胞を培養することができる。特定の実施態様では、CHO細胞を培養するのに好適な培地は、任意にグリシン、ヒポキサンチン、及びチミジンを含有する、アミノ酸、塩類、糖、及びビタミン;組み換えヒトインスリン、Primatone HS若しくはPrimatone RL(Sheffield,England)などの加水分解ペプトン、又は等価物;Pluronic F68又は等価なプルロニックポリオールなどの、細胞保護剤;ゲンタマイシン;及び微量元素などの、いくつかの構成成分の濃度が変更された、DMEM/HAM F-12系配合物などの、基礎培地構成成分(DMEM及びHAM F12培地の組成物に関しては、American Type Culture Collection Catalogue of Cell Lines and Hybridomas,Sixth Edition,1988、346-349頁を参照のこと)(米国特許第5,122,469号に記載の培地の配合物が、特に適切である)を含有し得る。
【0124】
特定の実施態様では、特定のポリペプチド、特にBAX;BAK;LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEポリペプチドの活性を減少及び/又は排除した哺乳動物細胞は、組換えタンパク質を発現させる細胞である。組み換えタンパク質は、様々な細胞培養条件下にて、目的の生成物を発現させる細胞を成長させることにより生成され得る。例えば、タンパク質の大規模又は小規模産生のための、細胞培養手順は、本開示の文脈にて、潜在的に有用である。流動床バイオリアクター、中空繊維バイオリアクター、ローラーボトル培養、振盪フラスコ培養、又は撹拌槽バイオリアクターシステムを含むがこれらに限定されない手順を使用することができ(後者の2つのシステムでは、マイクロ担体と共に、又は無しで)、代替的にバッチ式、フェドバッチ式、又は連続モードで操作することができる。
【0125】
特定の実施態様では、本開示の細胞培養は、撹拌槽バイオリアクターシステムで実施され、フェドバッチ培養手順を用いる。フェドバッチ培養では、哺乳動物細胞及び培地が培養容器に最初に供給され、追加の培養栄養素が、培養終了前の定期的な細胞及び/又は生成物の採取の有無にかかわらず、培養中に培養液に継続して、又は個別に増加して供給される。フェドバッチ培養には、例えば、定期的に全ての培養液(細胞と培地を含む)が取り除かれ、新鮮な培地で交換される、半連続式フェドバッチ培養が含まれ得る。フェドバッチ培養は、細胞培養のための全ての構成成分(細胞、及び全ての培養栄養素を含む)が、培養プロセスの開始時に培養容器に供給される、単純なバッチ培養とは区別される。フェドバッチ培養はさらに、上清がプロセス中に培養容器から取り除かれない限りにおいて、還流培養とは区別することができる(還流培養では、細胞は例えば、濾過、封入、マイクロ担体へのアンカリングにより、培養液中に保持される。そして培地が連続して、又は断続的に導入され、培養容器から取り除かれる)。
【0126】
特定の実施態様では、想到される特定の宿主細胞及び特定の産生に好適であり得る、任意のスキーム又はルーティンに従い、培養液の細胞を、増殖させることができる。したがって、本開示は、単一工程又は複数工程の培養手順を想到する。単一工程培養において、宿主細胞を培養液環境に播種し、本開示のプロセスを、細胞培養の1回の産生期の間に用いる。あるいは、複数段階培養を想到する。複数段階培養において、細胞は多数の工程又は段階で培養することができる。例えば、細胞を、第1工程又は増殖期培養液中で成長させることができる。この段階において、場合により貯蔵庫から取り除かれた細胞が、成長及び高生存能を促進するのに好適な培地に播種される。新鮮な培地を宿主細胞培養液に添加することにより、細胞を好適な期間、増殖期で維持することができる。
【0127】
特定の実施態様では、フェドバッチ培養又は連続細胞培養条件を考案して、細胞培養液の増殖期における哺乳動物細胞の成長を増強する。増殖期において、細胞は、増殖のために最大化された条件下、及び期間、増殖する。培養条件、例えば温度、pH、溶存酸素(dO)などは、特定の宿主で用いられるものであり、当業者には明らかであろう。概して、pHは、酸(例えばCO)又は塩基(例えばNaCO又はNaOH)のいずれかを使用して、約6.5と7.5の間のレベルに調整される。CHO細胞などの哺乳動物細胞の培養の適切な温度範囲は、約30℃と38℃の間であり、適切なdOは空気飽和度の5~90%である。
【0128】
特定の段階において、細胞を使用して、細胞培養の産生期又は産生工程を播種することができる。あるいは、上述のとおり、産生期又は工程を、播種又は増殖期又は工程と連続させることができる。
【0129】
特定の実施態様では、本開示に記載される培養方法は、例えば、細胞培養の産生期に、細胞培養液から生成物を採取することをさらに含み得る。特定の実施態様では、本開示の細胞培養方法により生成された生成物は、第3のバイオリアクター、例えば生成バイオリアクターから採取され得る。例えば、限定されるものではないが、開示した方法は、細胞培養の産生期の完了時に、生成物を採取することを含み得る。あるいは、又はさらに、生成物は、産生期の完了前に採取され得る。特定の実施態様では、生成物は、特定の細胞密度が達成されると、細胞培養液から採取され得る。例えば、限定されるものではないが、細胞密度は、採取前に、約2.0×10細胞/mL~約5.0×10細胞/mLであり得る。
【0130】
特定の実施態様では、細胞培養液から生成物を採取することは、遠心分離、濾過、音波分離、凝集及び細胞除去技術のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0131】
特定の実施態様では、目的の生成物を宿主細胞から分泌させることができ、又は、目的の生成物は、膜結合、サイトゾル、若しくは核タンパク質であり得る。特定の実施態様では、ポリペプチドの可溶形態を、条件づけられた細胞培養培地から精製することができ、発現する細胞から全ての膜画分を調製し、TRITON(登録商標)X-100(EMD Biosciences,San Diego,Calif.)などの非イオン性界面活性剤を用いて膜を抽出することにより、ポリペプチドの膜結合形態を精製することができる。特定の実施態様では、宿主細胞を(例えば、機械的な力、音波処理、及び/又は界面活性剤により)溶解させ、遠心分離により細胞膜画分を取り除き、上清を保持することにより、サイトゾル又は核タンパク質を調製することができる。
【0132】
5.生成物
本開示の細胞及び/又は方法を使用して、本明細書にて開示した細胞により発現可能な、目的の任意の生成物を作製することができる。特定の実施態様では、本開示の細胞及び/又は方法は、ポリペプチド、例えば哺乳動物ポリペプチドの生成に使用され得る。特定の実施態様では、本開示の方法は、ウイルス粒子の生成に使用され得る。特定の実施態様では、本開示の方法は、ウイルスベクターの生成に使用され得る。このようなポリペプチドの非限定的な例には、ホルモン、受容体、融合タンパク質、調節因子、成長因子、補体系因子、酵素、凝固因子、抗凝固因子、キナーゼ、サイトカイン、CDタンパク質、インターロイキン、治療用タンパク質、診断用タンパク質、及び抗体が含まれる。本開示の細胞及び/又は方法は、分子、例えば、生成される抗体に対して、特異的ではない。
【0133】
特定の実施態様では、本開示の方法は、治療用及び診断用抗体、又はその抗原結合断片を含む抗体の生成に使用され得る。特定の実施態様では、本開示の細胞及び方法により生成される抗体は、単一特異性抗体(例えば、一本鎖重鎖配列及び一本鎖軽鎖配列からなる、このような対の多量体を含む抗体)、多重特異性抗体、及びその抗原結合断片であり得るが、これらに限定されない。例えば、限定されるものではないが、多重特異性抗体は、二重特異性抗体、二重エピトープ抗体、T細胞依存性二重特異性抗体(TDB)、二重作用FAb(DAF)、又はこれらの抗原結合断片であり得る。
【0134】
5.1 多重特異性抗体
特定の態様では、本明細書で提供される細胞及び方法によって生成された抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。「多重特異性抗体」は、少なくとも2つの異なる部分、即ち異なる抗原の異なるエピトープ(即ち、二重特異的)、又は、同じ抗原の異なるエピトープ(即ち、二重エピトープ)に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある特定の態様では、多重特異性抗体は3つ以上の結合特異性を有する。多重特異性抗体は、本明細書に記載した完全長抗体又は抗体断片として調製することができる。
【0135】
多重特異性抗体を作製するための技法には、限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖ペアの組換え共発現(Milstein及びCuello、Nature 305:537(1983)を参照)及び「ノブ-イン-ホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号及びAtwell et al., J. Mol. Biol. 270:26(1997)を参照)が含まれる。多重特異抗体はまた、抗体のFc-ヘテロ二量体分子を作製するための静電ステアリング効果を操作すること(例えば、国際公開第2009/089004号参照);2つ以上の抗体又は断片を架橋すること(例えば米国特許第4676980号、及びBrennan et al., Science, 229:81(1985)を参照);二重特異性抗体を生成するためにロイシンジッパーを使用すること(例えば、Kostelny et al., J. Immunol., 148(5):1547-1553(1992)及び国際公開第2011/034605号を参照);軽鎖の誤対合の問題を回避するための共通軽鎖技術を使用すること(例えば国際公開第98/50431号を参照);二重特異性抗体断片を作製するため、「ダイアボディ」技術を使用すること(例えば、Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:6444-6448(1993)を参照);単鎖Fv(sFv)ダイマーを使用すること(例えば、Gruber et al., J. Immunol., 152:5368(1994)を参照);及び、例えば、Tutt et al. J. Immunol. 147:60(1991)に記載されているように、三重特異性抗体を調製することによって作製することができる。
【0136】
例えば「オクトパス抗体」又はDVD-Igなど、3つ以上の抗原結合部位を有する操作抗体も本明細書に含まれる(例えば国際公開第2001/77342号及び同第2008/024715号を参照)。3つ以上の抗原結合部位を有する多重特異性抗体の別の非限定例は、国際公開第2010/115589号、同第2010/112193号、同第2010/136172号、同第2010/145792号、及び同第2013/026831号に見出すことができる。二重特異性抗体又はその抗原結合断片は、「二重作用FAb」又は「DAF」も含む(例えば、米国特許出願第2008/0069820号及び国際公開第2015/095539号を参照)。
【0137】
多重特異性抗体は、同じ抗原特異性の1つ又は複数の結合アームにドメインクロスオーバーを有する非対称形態で、すなわち、VH/VLドメイン(例えば、国際公開第2009/080252号及び同第2015/150447号を参照)、CH1/CLドメイン(例えば、国際公開第2009/080253号を参照)又は完全なFabアーム(例えば、国際公開第2009/080251号、同第2016/016299号、また、Schaefer et al, PNAS, 108(2011)1187-1191、及びKlein at al., MAbs 8(2016)1010-20も参照)を交換することによっても提供され得る。特定の実施態様では、多重特異性抗体はクロスFab断片を含む。「クロスFab断片」又は「xFab断片」又は「クロスオーバーFab断片」との用語は、重鎖及び軽鎖の可変領域又は定常領域のいずれかが交換されたFab断片を指す。クロスFab断片は、軽鎖可変領域(VL)と重鎖定常領域1(CH1)とで構成されるポリペプチド鎖、及び重鎖可変領域(VH)と軽鎖定常領域(CL)とで構成されるポリペプチド鎖を含む。非対称Fabアームは、荷電又は非荷電アミノ酸変異をドメインインターフェースに導入して正しいFabペアリングを指示することによって操作することもできる。例えば、国際公開第2016/172485号を参照されたい。
【0138】
多重特異性抗体の様々な、さらなる分子フォーマットが当技術分野において既知であり、本明細書に含まれる(例えば、Spiess et al.,Mol.Immunol.67(2015)95-106を参照のこと)。
【0139】
特定の実施態様では、本明細書にも含まれる、特定の種類の多重特異性抗体は、標的細胞、例えば腫瘍細胞上の表面抗原に、及びT細胞を再標的化するための、CD3などの、T細胞受容体(TCR)複合体の、活性化不変成分に同時に結合して、標的細胞を殺傷するように設計された二重特異性抗体である。
【0140】
本目的に有用であり得る二重特異性抗体フォーマットのさらなる非限定的な例には、2つのscFv分子が柔軟なリンカーにより融合された、いわゆる「BiTE」(二重特異性T細胞エンゲージャー)(例えば、国際公開第2004/106381号、同第2005/061547号、同第2007/042261号、及び同第2008/119567号、Nagorsen and Baeuerle,Exp Cell Res 317,1255-1260(2011)を参照のこと);ダイアボディ(Holliger et al.,Prot.Eng.9,299-305(1996))及びその誘導体、例えばタンデム二重特異性抗体(「TandAb」;Kipriyanov et al.,J Mol Biol 293,41-56(1999));ダイアボディフォーマットに基づくが、さらなる安定化のための、C末端ジスルフィド架橋を特徴とする「DART」(二重親和性再標的化)分子(Johnson et al.,J Mol Biol 399,436-449(2010))、及び、全ハイブリッドマウス/ラットIgG分子である、いわゆるトリオマブ(Seimetz et al.,Cancer Treat.Rev.36,458-467(2010)で確認される)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に含まれる、具体的なT細胞二重特異性抗体形式は、国際公開第2013/026833号、国際公開第2013/026839号、国際公開第2016/020309号;Bacac et al.,Oncoimmunology 5(8)(2016)e1203498に記載されている。
【0141】
5.2.抗体断片
特定の態様では、本明細書において提供する細胞及び方法により生成される抗体は、抗体断片である。例えば、限定されるものではないが、抗体断片はFab、Fab’、Fab’-SH、又はF(ab’)断片、特にFab断片である。インタクトな抗体をパパイン消化すると、重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれ順にVH及びVL)に加えて、軽鎖の定常ドメイン(CL)及び重鎖の第1定常ドメイン(CH1)もそれぞれが含む、2つの同一の抗原結合断片(いわゆる「Fab」断片)が得られる。よって「Fab断片」とは、VLドメイン及びCLドメインを含む軽鎖と、VHドメイン及びCH1ドメインを含む重鎖断片を有する抗体断片のことである。「Fab’断片」は、抗体ヒンジ領域から1つ又は複数のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端にて、残基を添加することによって、Fab断片とは異なる。Fab’-SHとは、定常ドメインのシステイン残基(複数価)が遊離チオール基を保持するFab’断片である。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位(2つのFab断片)、及びFc領域の一部を有するF(ab’)断片が得られる。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、in vivo半減期が増加したFab断片及びF(ab’)断片の議論には、米国特許第5,869,046号を参照されたい。
【0142】
特定の実施態様では、抗体断片はダイアボディ、トリアボディ、又はテトラボディである。「ダイアボディ」は、二価又は二重特異性であってよい、2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許第404,097号、国際公開第1993/01161号、Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134(2003);及びHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448(1993)を参照されたい。トリアボディ及びテトラボディは、Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134(2003)にも記載されている。
【0143】
さらなる態様では、抗体断片は一本鎖Fab断片である。「一本鎖Fab断片」又は「scFab」は、抗体重鎖可変ドメイン(VH)、抗体重鎖定常ドメイン1(CH1)、抗体軽鎖可変ドメイン(VL)、抗体軽鎖定常ドメイン(CL)、及びリンカーからなるポリペプチドであり、上記抗体ドメイン及び上記リンカーは、N末端からC末端方向に、以下の順序:a)VH-CH1-リンカー-VL-CL、b)VL-CL-リンカー-VH-CH1、c)VH-CL-リンカー-VL-CH1、又はd)VL-CH1-リンカー-VH-CLのうちの1つを有する。特に、上記リンカーは、少なくとも30個のアミノ酸、好ましくは32個と50個の間のアミノ酸のポリペプチドである。前記一本鎖Fab断片は、CLドメインとCH1ドメインとの間の天然ジスルフィド結合を介して安定化される。加えて、これらの一本鎖Fab断片は、システイン残基の挿入(例えば、Kabat番号付けによる、可変重鎖の位置44及び可変軽鎖の位置100)を介した鎖間ジスルフィド結合の生成によって、さらに安定化され得る。
【0144】
別の態様では、抗体断片は一本鎖可変断片(scFv)である。「一本鎖可変断片」又は「scFv」は、リンカーにより接続された、抗体の重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変ドメインの融合タンパク質である。特に、リンカーは、10~25個のアミノ酸の短いポリペプチドであり、通常、柔軟性のためにグリシンが、かつ、溶解性のためにセリン又はスレオニンが豊富であり、VHのN末端をVLのC末端と、又はこの逆のいずれかで、接続させることができる。このタンパク質は、定常領域が取り除かれ、リンカーが導入されているにもかかわらず、元の抗体の特異性を保持することができる。scFv断片の総説としては、例えば、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds.,(Springer-Verlag, New York), pp. 269-315(1994)のPlueckthunを参照されたい。また、国際公開第93/16185号及び米国特許第5,571,894号及び同第5,587,458号を参照されたい。
【0145】
別の態様では、抗体断片は単一ドメイン抗体である。「単一ドメイン抗体」とは、抗体の重鎖可変ドメインの全部若しくは一部、又は軽鎖可変ドメインの全部若しくは一部を含む抗体断片である。特定の態様では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,MA;例えば、米国特許第6,248,516B1号を参照のこと)。
【0146】
抗体断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解を含むがこれに限定されない、様々な技術により作製され得る。
【0147】
5.3.キメラ抗体及びヒト化抗体
特定の態様では、本明細書において提供する細胞及び方法により作製される抗体は、キメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号;及びMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。一例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又は非ヒト霊長類、例えば、サル由来の可変領域)及びヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のそれから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
【0148】
特定の態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減する一方で、親非ヒト抗体の特異性及び親和性は保持するようにヒト化される。通常、ヒト化抗体は、CDR(又はその一部)が非ヒト抗体に由来する1つ又は複数の可変ドメインを含み、FR(又はその一部)はヒト抗体配列に由来する。ヒト化抗体はまた、任意に、ヒト定常領域の少なくとも一部を含む。ある特定の実施態様では、ヒト化抗体におけるいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性又は親和性を復元又は改善するように、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
【0149】
ヒト化抗体及びこれを作製する方法は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)に記載され、さらに、例えば、Riechmann et al.,Nature332:323-329(1988);Queen et al.,Proc.Nat’l Acad. Sci.USA86:10029-10033(1989);米国特許第5,821,337号、第7,527,791号、第6,982,321号及び第7,087,409号;Kashmiriet al.,Methods36:25-34(2005)(特異性決定領域(SDR)のグラフト接合を記載する);Padlan,Mol. Immunol.28:489-498(1991)(「リサーフェシング」を記載する);Dall’Acqua et al.,Methods 36:43-60(2005)(「FRシャッフリング」を記載する);及びOsbourn et al.,Methods36:61-68(2005)及びKlimka et al.,Br. J. Cancer,83:252-260(2000)(FRシャッフリングに対する「ガイド付き選択」手法を記載する)に記載される。
【0150】
ヒト化に使用され得るヒトフレームワーク領域は、限定されないが、以下を含む:「ベストフィット」法を用いて選択されたフレームワーク領域(例えば、SimsらJ.Immunol.151:2296(1993)を参照);軽鎖又は重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、CarterらProc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);及びPrestaらJ.Immunol.,151:2623(1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域又はヒト生殖細胞フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照);並びにFRライブラリのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、BacaらJ.Biol.Chem.272:10678-10684(1997)、及びRosokらJ.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照)。
【0151】
5.4 ヒト抗体
特定の態様では、本明細書において提供される細胞及び方法により生成される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の様々な技法を使用して生成され得る。ヒト抗体は概して、van Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5:368-74(2001)and Lonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459(2008)に記載されている。
【0152】
抗原投与に対して応答するヒト可変領域を有する完全なヒト抗体又は完全な抗体を産生するために修飾したトランスジェニック動物に免疫原を投与することにより、ヒト抗体を調製することができる。このような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座に取って代わるか、又は染色体外に存在するか若しくは動物の染色体にランダムに組み込まれるヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部又は一部分を含む。そのようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般的に不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の概説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照のこと。また、例えば、XENOMOUSE(商標)技術を記載する米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号、HUMAB(登録商標)技術を記載する米国特許第5,770,429号、K-M MOUSE(登録商標)技術を記載する米国特許第7,041,870号、VELOCIMOUSE(登録商標)技術)を記載する米国特許出願公開第2007/0061900号も参照されたい。かかる動物によって生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによってさらに修飾することができる。
【0153】
ヒト抗体はまた、ハイブリドーマベースの方法によって作製することができる。ヒトモノクローナル抗体を産生するためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J. Immunol., 133:3001(1984);Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63(Marcel Dekker, Inc., New York, 1987);及びBoerner et al., J. Immunol., 147:86(1991)を参照)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されるヒト抗体はまた、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562,2006にも記載されている。さらなる方法には、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の生成について記載している)及びXiandai Mianyixue, 26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマについて記載している)に記載されているものが含まれる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)はまた、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)及びVollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-91(2005)にも記載されている。
【0154】
5.5.標的分子
本明細書で開示される細胞及び方法により生成された抗体により標的化され得る分子の非限定的な例には、可溶性血清タンパク質及びそれらの受容体、並びに、他の膜結合タンパク質(例えば付着因子)が含まれる。特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞及び方法により作製された抗体は、8MPI、8MP2、8MP38(GDFIO)、8MP4、8MP6、8MP8、CSFI(M-CSF)、CSF2(GM-CSF)、CSF3(G-CSF)、EPO、FGF1(αFGF)、FGF2(βFGF)、FGF3(int-2)、FGF4(HST)、FGF5、FGF6(HST-2)、FGF7(KGF)、FGF9、FGF1、FGF11、FGF12、FGF12B、FGF14、FGF16、FGF17、FGF19、FGF20、FGF21、FGF23、IGF1、IGF2、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFN81、IFNG、IFNWI、FEL1、FEL1(EPSELON)、FEL1(ZETA)、IL1A、IL1B、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL1、IL11、IL12A、IL12B、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL17B、IL18、IL19、IL20、IL22、IL23、IL24、IL25、IL26、IL27、IL28A、IL28B、IL29、IL30、PDGFA、PDGFB、TGFA、TGFB1、TGFB2、TGFBb3、LTA(TNF-β)、LTB、TNF(TNF-α)、TNFSF4(OX40リガンド)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFSF6(FasL)、TNFSF7(CD27リガンド)、TNFSF8(CD30リガンド)、TNFSF9(4-1BBリガンド)、TNFSF10(TRAIL)、TNFSF11(TRANCE)、TNFSF12(APO3L)、TNFSF13(April)、TNFSF13B、TNFSF14(HVEM-L)、TNFSF15(VEGI)、TNFSF18、HGF(VEGFD)、VEGF、VEGFB、VEGFC、IL1R1、IL1R2、IL1RL1、IL1RL2、IL2RA、IL2RB、IL2RG、IL3RA、IL4R、IL5RA、IL6R、IL7R、IL8RA、IL8RB、IL9R、IL10RA、IL10RB、IL 11RA、IL12RB1、IL12RB2、IL13RA1、IL13RA2、IL15RA、IL17R、IL18R1、IL20RA、IL21R、IL22R、IL1HY1、IL1RAP、IL1RAPL1、IL1RAPL2、IL1RN、IL6ST、IL18BP、IL18RAP、IL22RA2、AIF1、HGF、LEP(レプチン)、PTN、及びTHPO.kからなる群から選択される、1つ、2つ又はそれ以上のサイトカイン、サイトカイン関連タンパク質、及びサイトカイン受容体に結合することができる。
【0155】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞及び方法により生成される抗体は、CCLI(1-309)、CCL2(MCP-1/MCAF)、CCL3(MIP-Iα)、CCL4(MIP-Iβ)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP-3)、CCL8(mcp-2)、CCL11(エオタキシン)、CCL13(MCP-4)、CCL15(MIP-Iδ)、CCL16(HCC-4)、CCL17(TARC)、CCL18(PARC)、CCL19(MDP-3b)、CCL20(MIP-3α)、CCL21(SLC/エクソダス-2)、CCL22(MDC/STC-1)、CCL23(MPIF-1)、CCL24(MPIF-2/エオタキシン-2)、CCL25(TECK)、CCL26(エオタキシン-3)、CCL27(CTACK/ILC)、CCL28、CXCLI(GROI)、CXCL2(GR02)、CXCL3(GR03)、CXCL5(ENA-78)、CXCL6(GCP-2)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP10)、CXCL11(1-TAC)、CXCL12(SDFI)、CXCL13、CXCL14、CXCL16、PF4(CXCL4)、PPBP(CXCL7)、CX3CL1(SCYDI)、SCYEI、XCLI(リンホタクチン)、XCL2(SCM-Iβ)、BLRI(MDR15)、CCBP2(D6/JAB61)、CCRI(CKRI/HM145)、CCR2(mcp-IRB IRA)、CCR3(CKR3/CMKBR3)、CCR4、CCR5(CMKBR5/ChemR13)、CCR6(CMKBR6/CKR-L3/STRL22/DRY6)、CCR7(CKR7/EBII)、CCR8(CMKBR8/TER1/CKR-L1)、CCR9(GPR-9-6)、CCRL1(VSHK1)、CCRL2(L-CCR)、XCR1(GPR5/CCXCR1)、CMKLR1、CMKOR1(RDC1)、CX3CR1(V28)、CXCR4、GPR2(CCR10)、GPR31、GPR81(FKSG80)、CXCR3(GPR9/CKR-L2)、CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo)、HM74、IL8RA(IL8Rα)、IL8RB(IL8Rβ)、LTB4R(GPR16)、TCP10、CKLFSF2、CKLFSF3、CKLFSF4、CKLFSF5、CKLFSF6、CKLFSF7、CKLFSF8、BDNF、C5、C5R1、CSF3、GRCC10(C10)、EPO、FY(DARC)、GDF5、HDF1、HDF1α、DL8、PRL、RGS3、RGS13、SDF2、SLIT2、TLR2、TLR4、TREM1、TREM2、及びVHLからなる群から選択されるケモカイン、ケモカイン受容体、又はケモカイン関連タンパク質に結合することができる。
【0156】
特定の実施態様では、本明細書で開示される方法により生成された抗体(例えば、二重特異性抗体などの多重特異性抗体)は、以下から選択される1つ又は複数の標的分子に結合することができる:0772P(CA125、MUC16)(すなわち、卵巣がん抗原)、ABCF1;ACVR1;ACVR1B;ACVR2;ACVR2B;ACVRL1;ADORA2A;アグリカン;AGR2;AICDA;AIF1;AIG1;AKAP1;AKAP2;AMH;AMHR2;アミロイドベータ;ANGPTL;ANGPT2;ANGPTL3;ANGPTL4;ANPEP;APC;APOC1;AR;ASLG659;ASPHD1(アスパラギン酸ベータヒドロキシラーゼドメイン含有1;LOC253982);AZGP1(亜鉛-a-糖タンパク質);B7.1;B7.2;BAD;BAFF-R(B細胞活性化因子受容体、BLyS受容体3、BR3;BAG1;BAI1;BCL2;BCL6;BDNF;BLNK;BLRI(MDR15);BMP1;BMP2;BMP3B(GDF10);BMP4;BMP6;BMP8;BMPR1A;BMPR1B(骨形態形成タンパク質受容体-IB型);BMPR2;BPAG1(プレクチン);BRCA1;ブレビカン;C19orf10(IL27w);C3;C4A;C5;C5R1;CANT1;CASP1;CASP4;CAV1;CCBP2(D6/JAB61);CCL1(1-309);CCL11(エオタキシン);CCL13(MCP-4);CCL15(MIP1δ);CCL16(HCC-4);CCL17(TARC);CCL18(PARC);CCL19(MIP-3β);CCL2(MCP-1);MCAF;CCL20(MIP-3α);CCL21(MTP-2);SLC;エクソダス-2;CCL22(MDC/STC-1);CCL23(MPIF-1);CCL24(MPIF-2/エオタキシン-2);CCL25(TECK);CCL26(エオタキシン-3);CCL27(CTACK/ILC);CCL28;CCL3(MTP-Iα);CCL4(MDP-Iβ);CCL5(RANTES);CCL7(MCP-3);CCL8(mcp-2);CCNA1;CCNA2;CCND1;CCNE1;CCNE2;CCR1(CKRI/HM145);CCR2(mcp-IRβ/RA);CCR3(CKR/CMKBR3);CCR4;CCR5(CMKBR5/ChemR13);CCR6(CMKBR6/CKR-L3/STRL22/DRY6);CCR7(CKBR7/EBI1);CCR8(CMKBR8/TER1/CKR-L1);CCR9(GPR-9-6);CCRL1(VSHK1);CCRL2(L-CCR);CD164;CD19;CD1C;CD20;CD200;CD22(B細胞受容体CD22-Bアイソフォーム);CD24;CD28;CD3;CD37;CD38;CD3E;CD3G;CD3Z;CD4;CD40;CD40L;CD44;CD45RB;CD52;CD69;CD72;CD74;CD79A(CD79α、免疫グロブリン関連アルファ、B細胞特異的タンパク質);CD79B;CDS;CD80;CD81;CD83;CD86;CDH1(E-カドヘリン);CDH10;CDH12;CDH13;CDH18;CDH19;CDH20;CDH5;CDH7;CDH8;CDH9;CDK2;CDK3;CDK4;CDK5;CDK6;CDK7;CDK9;CDKN1A(p21/WAF1/Cip1);CDKN1B(p27/Kip1);CDKN1C;CDKN2A(P16INK4a);CDKN2B;CDKN2C;CDKN3;CEBPB;CER1;CHGA;CHGB;キチナーゼ;CHST10;CKLFSF2;CKLFSF3;CKLFSF4;CKLFSF5;CKLFSF6;CKLFSF7;CKLFSF8;CLDN3;CLDN7(クローディン-7);CLL-1(CLEC12A、MICL、及びDCAL2);CLN3;CLU(クラスタリン);CMKLR1;CMKOR1(RDC1);CNR1;COL 18A1;COL1A1;COL4A3;COL6A1;補体因子D;CR2;CRP;CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌由来増殖因子);CSFI(M-CSF);CSF2(GM-CSF);CSF3(GCSF);CTLA4;CTNNB1(b-カテニン);CTSB(カテプシンB);CX3CL1(SCYDI);CX3CR1(V28);CXCL1(GRO1);CXCL10(IP-10);CXCL11(I-TAC/IP-9);CXCL12(SDF1);CXCL13;CXCL14;CXCL16;CXCL2(GRO2);CXCL3(GRO3);CXCL5(ENA-78/LIX);CXCL6(GCP-2);CXCL9(MIG);CXCR3(GPR9/CKR-L2);CXCR4;CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1、Gタンパク質共役受容体);CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo);CYB5;CYC1;CYSLTR1;DAB2IP;DES;DKFZp451J0118;DNCLI;DPP4;E16(LAT1、SLC7A5);E2F1;ECGF1;EDG1;EFNA1;EFNA3;EFNB2;EGF;EGFR;ELAC2;ENG;ENO1;ENO2;ENO3;EPHB4;EphB2R;EPO;ERBB2(Her-2);EREG;ERK8;ESR1;ESR2;ETBR(エンドセリンB型受容体);F3(TF);FADD;FasL;FASN;FCER1A;FCER2;FCGR3A;FcRH1(Fc受容体様タンパク質1);FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C);FGF;FGF1(αFGF);FGF10;FGF11;FGF12;FGF12B;FGF13;FGF14;FGF16;FGF17;FGF18;FGF19;FGF2(bFGF);FGF20;FGF21;FGF22;FGF23;FGF3(int-2);FGF4(HST);FGF5;FGF6(HST-2);FGF7(KGF);FGF8;FGF9;FGFR;FGFR3;FIGF(VEGFD);FELl(EPSILON);FILl(ZETA);FLJ12584;FLJ25530;FLRTI(フィブロネクチン);FLT1;FOS;FOSL1(FRA-1);FY(DARC);GABRP(GABAa);GAGEB1;GAGEC1;GALNAC4S-6ST;GATA3;GDF5;GDNF-Ra1(GDNFファミリー受容体アルファ1;GFRA1;GDNFR;GDNFRA;RETL1;TRNR1;RET1L;GDNFR-アルファ1;GFR-ALPHA-1);GEDA;GFI1;GGT1;GM-CSF;GNASI;GNRHI;GPR2(CCR10);GPR19(Gタンパク質共役受容体19;Mm.4787);GPR31;GPR44;GPR54(KISS1受容体;KISS1R;GPR54;HOT7T175;AXOR12);GPR81(FKSG80);GPR172A(Gタンパク質共役受容体172A;GPCR41;FLJ11856;D15Ertd747e);GRCCIO(C10);GRP;GSN(ゲルソリン);GSTP1;HAVCR2;HDAC4;HDAC5;HDAC7A;HDAC9;HGF;HIF1A;HOP1;ヒスタミン及びヒスタミン受容体;HLA-A;HLA-DOB(MHCクラスII分子のベータサブユニット(Ia抗原);HLA-DRA;HM74;HMOXI;HUMCYT2A;ICEBERG;ICOSL;1D2;IFN-a;IFNA1;IFNA2;IFNA4;IFNA5;IFNA6;IFNA7;IFNB1;IFNガンマ;DFNW1;IGBP1;IGF1;IGF1R;IGF2;IGFBP2;IGFBP3;IGFBP6;IL-l;IL10;IL10RA;IL10RB;IL11;IL11RA;IL-12;IL12A;IL12B;IL12RB1;IL12RB2;IL13;IL13RA1;IL13RA2;IL14;IL15;IL15RA;IL16;IL17;IL17B;IL17C;IL17R;IL18;IL18BP;IL18R1;IL18RAP;IL19;IL1A;IL1B;ILIF10;IL1F5;IL1F6;IL1F7;IL1F8;IL1F9;IL1HY1;IL1R1;IL1R2;IL1RAP;IL1RAPL1;IL1RAPL2;IL1RL1;IL1RL2、ILIRN;IL2;IL20;IL20Rα;IL21 R;IL22;IL-22c;IL22R;IL22RA2;IL23;IL24;IL25;IL26;IL27;IL28A;IL28B;IL29;IL2RA;IL2RB;IL2RG;IL3;IL30;IL3RA;IL4;IL4R;IL5;IL5RA;IL6;IL6R;IL6ST(糖タンパク質130);インフルエンザA;インフルエンザB;EL7;EL7R;EL8;IL8RA;DL8RB;IL8RB;DL9;DL9R;DLK;INHA;INHBA;INSL3;INSL4;IRAK1;IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2);ERAK2;ITGA1;ITGA2;ITGA3;ITGA6(a6インテグリン);ITGAV;ITGB3;ITGB4(b4インテグリン);α4β7及びαEβ7インテグリンヘテロ二量体;JAG1;JAK1;JAK3;JUN;K6HF;KAI1;KDR;KITLG;KLF5(GC Bo×BP);KLF6;KLKIO;KLK12;KLK13;KLK14;KLK15;KLK3;KLK4;KLK5;KLK6;KLK9;KRT1;KRT19(ケラチン19);KRT2A;KHTHB6(毛髪特異的H型ケラチン);LAMAS;LEP(レプチン);LGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役受容体5;GPR49、GPR67);Lingo-p75;Lingo-Troy;LPS;LTA(TNF-b);LTB;LTB4R(GPR16);LTB4R2;LTBR;LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチリピート(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質);Ly6E(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座E;Ly67,RIG-E,SCA-2,TSA-1);Ly6G6D(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座G6D;Ly6-D、MEGT1);LY6K(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K;LY6K;HSJ001348;FLJ35226);MACMARCKS;MAG又はOMgp;MAP2K7(c-Jun);MDK;MDP;MIB1;ミッドカイン;MEF;MIP-2;MKI67;(Ki-67);MMP2;MMP9;MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子、メソテリン);MS4A1;MSG783(RNF124、仮想タンパク質FLJ20315);MSMB;MT3(メタロチオネクチン-111);MTSS1;MUC1(ムチン);MYC;MY088;Napi3b(NaPi2bとしても知られる)(NAPI-3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質担体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型依存性リン酸輸送体3b);NCA;NCK2;ニューロカン;NFKB1;NFKB2;NGFB(NGF);NGFR;NgR-Lingo;NgR-Nogo66(Nogo);NgR-p75;NgR-Troy;NME1(NM23A);NOX5;NPPB;NR0B1;NR0B2;NR1D1;NR1D2;NR1H2;
NR1H3;NR1H4;NR112;NR113;NR2C1;NR2C2;NR2E1;NR2E3;NR2F1;NR2F2;NR2F6;NR3C1;NR3C2;NR4A1;NR4A2;NR4A3;NR5A1;NR5A2;NR6A1;NRP1;NRP2;NT5E;NTN4;ODZI;OPRD1;OX40;P2RX7;P2X5(プリン受容体P2Xリガンド依存性イオン5);PAP;PART1;PATE;PAWR;PCA3;PCNA;PD-L1;PD-L2;PD-1;POGFA;POGFB;PECAM1;PF4(CXCL4);PGF;PGR;ホスファカン;PIAS2;PIK3CG;PLAU(uPA);PLG;PLXDC1;PMEL17(銀同族体;SILV;D12S53E;PMEL17;SI;SIL);PPBP(CXCL7);PPID;PRI;PRKCQ;PRKDI;PRL;PROC;PROK2;PSAP;PSCA hlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKEN cDNA 2700050C12、RIKEN cDNA 2700050C12遺伝子);PTAFR;PTEN;PTGS2(COX-2);PTN;RAC2(p21 Rac2);RARB;RET(ret癌原遺伝子;MEN2A;HSCR1;MEN2B;MTC1;PTC;CDHF12;Hs.168114;RET51;RET-ELE1);RGSI;RGS13;RGS3;RNF110(ZNF144);ROBO2;S100A2;SCGB1D2(リポフィリンB);SCGB2A1(マンマグロビン2);SCGB2A2(マンマグロビン1);SCYEI(内皮単球活性化サイトカイン);SDF2;Sema 5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5b Hlog、セマドメイン、7のトロンボスポンジンリピート(1型及び1型様)、膜貫通ドメイン(TM)及び短い細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B);SERPINA1;SERPINA3;SERP1NB5(マスピン);SERPINE1(PAI-1);SERPDMF1;SHBG;SLA2;SLC2A2;SLC33A1;SLC43A1;SLIT2;SPPI;SPRR1B(Sprl);ST6GAL1;STABI;STAT6;STEAP(6の前立腺の膜貫通上皮抗原);STEAP2(HGNC_8639、IPCA-1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺がん関連遺伝子1、前立腺がん関連タンパク質1、6の前立腺2の膜貫通上皮抗原2、6の膜貫通前立腺タンパク質);TB4R2;TBX21;TCPIO;TOGFI;TEK;TENB2(推定膜貫通プロテオグリカン);TGFA;TGFBI;TGFB1II;TGFB2;TGFB3;TGFBI;TGFBRI;TGFBR2;TGFBR3;THIL;THBSI(トロンボスポンジン-1);THBS2;THBS4;THPO;TIE(Tie-1);TMP3;組織因子;TLR1;TLR2;TLR3;TLR4;TLR5;TLR6;TLR7;TLR8;TLR9;TLR10;TMEFF1(EGF様及び2つのフォリスタチン様ドメインを有する膜貫通タンパク質1;トモレグリン-1);TMEM46(shisa同族体2);TNF;TNF-a;TNFAEP2(B94);TNFAIP3;TNFRSFIIA;TNFRSF1A;TNFRSF1B;TNFRSF21;TNFRSF5;TNFRSF6(Fas);TNFRSF7;TNFRSF8;TNFRSF9;TNFSF10(TRAIL);TNFSF11(TRANCE);TNFSF12(AP03L);TNFSF13(April);TNFSF13B;TNFSF14(HVEM-L);TNFSF15(VEGI);TNFSF18;TNFSF4(OX40リガンド);TNFSF5(CD40リガンド);TNFSF6(FasL);TNFSF7(CD27リガンド);TNFSFS(CD30リガンド);TNFSF9(4-1 BBリガンド);TOLLIP;Toll様受容体;TOP2A(トポイソメラーゼEa);TP53;TPM1;TPM2;TRADD;TMEM118(ringフィンガードメイン、膜貫通2;RNFT2;FLJ14627);TRAF1;TRAF2;TRAF3;TRAF4;TRAF5;TRAF6;TREM1;TREM2;TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容体電位カチオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4);TRPC6;TSLP;TWEAK;チロシナーゼ(TYR;OCAIA;OCA1A;チロシナーゼ;SHEP3);VEGF;VEGFB;VEGFC;バーシカン;VHL C5;VLA-4;XCL1(リンホタクチン);XCL2(SCM-1b);XCRI(GPR5/CCXCRI);YY1;及びZFPM2。
【0157】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞及び方法により生成される抗体は、CD3、CD4、CD5、CD16、CD19、CD20、CD21(CR2(補体受容体2)又はC3DR(C3d/エプスタインバーウイルス受容体)、又はHs.73792);CD33;CD34;CD64;CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb-2);CD79b(CD79B、CD79β、IGb(免疫グロブリン関連β)、B29);EGF受容体、HER2、HER3、又はHER4受容体などの、ErbB受容体ファミリーのCD200メンバー;LFA-1、Mac1、p150.95、VLA-4、ICAM-1、VCAM、α4/β7インテグリン、及び、αv/β3インテグリン(これらのα又はβサブユニットのいずれかを含む)などの細胞接着分子(例えば、抗CD11a、抗CD18、又は抗CD11b抗体);VEGF-A、VEGF-C;組織因子(TF);αインターフェロン(αIFN)などの成長因子;IL-1β、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-8、IL-9、IL-13、IL-17AF、IL-1S、IL-13Rα1、IL13Rα2、IL-4R、IL-5R、IL-9R、IgEなどの、インターロイキンであるTNFα;血液群抗原、flk2/flt3受容体;肥満(OB)受容体;mpl受容体;CTLA-4;RANKL、RANK、RSV Fタンパク質、プロテインCなどのCDタンパク質に結合することができる。
【0158】
特定の実施態様では、本明細書において提供される細胞及び方法を使用して、補体プロテインC5に特異的に結合する抗体(二重特異性抗体などの多重特異性抗体)(例えば、ヒトC5に特異的に結合する抗C5アゴニスト抗体)を産生することができる。特定の実施態様では、抗C5抗体は、(a)SSYYMA(配列番号1)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1;(b)AIFTGSGAEYKAEWAKG(配列番号26)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;(c)DAGYDYPTHAMHY(配列番号27)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3;(d)RASQGISSSLA(配列番号28)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1;(e)GASETES(配列番号29)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2;及び(f)QNTKVGSSYGNT(配列番号30)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3から選択される、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのCDRを含む。例えば、特定の実施態様では、抗C5抗体は、(a)SSYYMA(配列番号1)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1;(b)AIFTGSGAEYKAEWAKG(配列番号26)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;(c)DAGYDYPTHAMHY(配列番号27)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3;から選択される1つ、2つ、又は3つのCDRを含む重鎖可変ドメイン(VH)配列、並びに/又は、(d)RASQGISSSLA(配列番号28)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1;(e)GASETES(配列番号29)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2;及び(f)QNTKVGSSYGNT(配列番号30)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3から選択される1つ、2つ、又は3つのCDRを含む軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含む。上記重鎖可変領域のCDR1、CDR2、及びCDR3、並びに、軽鎖可変領域のCDR1、CDR2、及びCDR3の配列は、米国特許出願公開第2016/0176954号にそれぞれ、配列番号117、配列番号118、配列番号121、配列番号122、配列番号123、及び配列番号125として開示されている。(米国特許出願公開第2016/0176954号の表7及び8を参照のこと。)
【0159】
特定の実施態様では、抗C5抗体は、VH配列及びVL配列
QVQLVESGGG LVQPGRSLRL SCAASGFTVH SSYYMAWVRQ APGKGLEWVG AIFTGSGAEY KAEWAKGRVT ISKDTSKNQV VLTMTNMDPV DTATYYCASD AGYDYPTHAM HYWGQGTLVT VSS(配列番号31)
及び
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCRASQGIS SSLAWYQQKP GKAPKLLIYG ASETESGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQN TKVGSSYGNT FGGGTKVEIK(配列番号32)をそれぞれ含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。上記VH及びVL配列は、米国特許出願公開第2016/0176954号にそれぞれ、配列番号106及び配列番号111として開示されている。(米国特許出願公開第2016/0176954号の表7及び8を参照のこと。)特定の実施態様では、抗C5抗体は305L015である(米国特許出願公開第2016/0176954号を参照のこと)。
【0160】
特定の実施態様では、本明細書で開示される方法により生成された抗体は、OX40に結合することができる(例えば、ヒトOX40に特異的に結合する抗OX40アゴニスト抗体)。特定の実施態様では、抗OX40抗体は、(a)DSYMS(配列番号2)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1;(b)DMYPDNGDSSYNQKFRE(配列番号3)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;(c)APRWYFSV(配列番号4)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3;(d)RASQDISNYLN(配列番号5)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1;(e)YTSRLRS(配列番号6)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2;及び、(f)QQGHTLPPT(配列番号7)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのCDRを含む。例えば、特定の実施態様では、抗OX40抗体は、(a)DSYMS(配列番号2)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1;(b)DMYPDNGDSSYNQKFRE(配列番号3)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;及び(c)APRWYFSV(配列番号4)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3;から選択される1つ、2つ、又は3つのCDRを含む重鎖可変ドメイン(VH)配列、並びに/又は(a)RASQDISNYLN(配列番号5)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1;(b)YTSRLRS(配列番号6)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2;及び、(c)QQGHTLPPT(配列番号7)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3から選択される1つ、2つ、又は3つのCDRを含む軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含む。特定の実施態様では、抗OX40抗体は、VH配列及びVL配列
EVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYTFT DSYMSWVRQA PGQGLEWIGD MYPDNGDSSY NQKFRERVTI TRDTSTSTAY LELSSLRSED TAVYYCVLAP RWYFSVWGQG TLVTVSS(配列番号8)
及び
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCRASQDIS NYLNWYQQKP GKAPKLLIYY TSRLRSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ GHTLPPTFGQ GTKVEIK(配列番号9)をそれぞれ含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
【0161】
特定の実施態様では、抗OX40抗体は、(a)NYLIE(配列番号10)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1;(b)VINPGSGDTYYSEKFKG(配列番号11)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;(c)DRLDY(配列番号12)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3;(d)HASQDISSYIV(配列番号13)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1;(e)HGTNLED(配列番号14)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2;及び、(f)VHYAQFPYT(配列番号15)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3から選択される1、2、3、4、5、又は6個のCDRを含む。例えば、特定の実施態様では、抗OX40抗体は、(a)NYLIE(配列番号10)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1;(b)VINPGSGDTYYSEKFKG(配列番号11)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;及び(c)DRLDY(配列番号12)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3から選択される1、2、又は3つのCDRを含む重鎖可変ドメイン(VH)配列、並びに/又は(a)HASQDISSYIV(配列番号13)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR1;(b)HGTNLED(配列番号14)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び、(c)VHYAQFPYT(配列番号15)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3から選択される1、2、又は3つのCDRを含む軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含む。特定の実施態様では、抗OX40抗体は、VH配列及びVL配列
EVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYAFT NYLIEWVRQA PGQGLEWIGV INPGSGDTYY SEKFKGRVTI TRDTSTSTAY LELSSLRSED TAVYYCARDR LDYWGQGTLV TVSS(配列番号16)
及び
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCHASQDIS SYIVWYQQKP GKAPKLLIYH GTNLEDGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCVH YAQFPYTFGQ GTKVEIK(配列番号17)をそれぞれ含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
【0162】
抗OX40抗体に関するさらなる詳細が、国際公開第2015/153513号で開示されており、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0163】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞及び方法により生成された抗体は、インフルエンザウイルスBヘマグルチニン、即ち「fluB」に結合することができる(例えば、in vitro及び/又はin vivoでインフルエンザBウイルスのYamagataリネージ由来のヘマグルチニンに結合する、インフルエンザBウイルスのVictoriaリネージ由来のヘマグルチニンに結合する、インフルエンザBウイルスの祖先リネージ由来のヘマグルチニンに結合する、又は、インフルエンザBウイルスのYamagataリネージ、Victoriaリネージ、及び祖先リネージ由来のヘマグルチニンに結合する抗体)。抗FluB抗体に関するさらなる詳細は国際公開第2015/148806号で開示されており、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
【0164】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞及び方法により生成された抗体は、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質(LRP)-1又はLRP-8又はトランスフェリン受容体、並びに、β-セクレターゼ(BACE1又はBACE2)、α-セクレターゼ、γ-セクレターゼ、タウセクレターゼ、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、細胞死受容体6(DR6)、アミロイドβペプチド、α-シヌクレイン、パーキン、ハンチンチン、p75 NTR、CD40、及びカスパーゼ-6からなる群から選択される少なくとも1個の標的に結合することができる。
【0165】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞及び方法により生成された抗体は、CD40に対するヒトIgG2抗体である。特定の実施態様では、抗CD40抗体はRG7876である。
【0166】
特定の実施態様では、本開示の細胞及び方法を使用して、ポリペプチドを作製することができる。例えば、限定されるものではないが、ポリペプチドは標的化された免疫サイトカインである。特定の実施態様では、標的化された免疫サイトカインはCEA-IL2v免疫サイトカインである。特定の実施態様では、CEA-IL2v免疫サイトカインはRG7813である。特定の実施態様では、標的化された免疫サイトカインはFAP-IL2v免疫サイトカインである。特定の実施態様では、FAP-IL2v免疫サイトカインはRG7461である。
【0167】
特定の実施態様では、本明細書において提供される細胞又は方法により生成した多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、CEA、及び、少なくとも1つの追加の標的分子に結合することができる。特定の実施態様では、本明細書において提供される方法に従って生成された多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、腫瘍標的化サイトカイン、及び少なくとも1つの追加の標的分子に結合することができる。特定の実施態様では、本明細書において提供される方法に従って生成された多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、IL2v(即ち、インターロイキン2バリアント)に融合され、IL-1系免疫サイトカイン、及び少なくとも1つの追加の標的分子に結合する。特定の実施態様では、本明細書において提供される方法に従って生成された多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、T細胞二重特異性抗体(即ち、二重特異性T細胞エンゲージャー又はBiTE)である。
【0168】
特定の実施態様では、本明細書において提供される方法に従って生成された多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、IL-1アルファ及びIL-1ベータ、IL-12及びIL-1S;IL-13及びIL-9;IL-13及びIL-4;IL-13及びIL-5;IL-5及びIL-4;IL-13及びIL-1ベータ;IL-13及びIL-25;IL-13及びTARC;IL-13及びMDC;IL-13及びMEF;IL-13及びTGF-~;IL-13及びLHRアゴニスト;IL-12及びTWEAK;IL-13及びCL25;IL-13及びSPRR2a;IL-13及びSPRR2b;IL-13及びADAMS;IL-13及びPED2;IL17A及びIL17F;CEA及びCD3;CD3及びCD19;CD138及びCD20;CD138及びCD40;CD19及びCD20;CD20及びCD3;CD3S及びCD13S;CD3S及びCD20;CD3S及びCD40;CD40及びCD20;CD-S及びIL-6;CD20及びBR3;TNFアルファ及びTGF-ベータ、TNFアルファ及びIL-1ベータ;TNFアルファ及びIL-2、TNFアルファ及びIL-3、TNFアルファ及びIL-4、TNFアルファ及びIL-5、TNFアルファ及びIL6、TNFアルファ及びIL8、TNFアルファ及びIL-9、TNFアルファ及びIL-10、TNFアルファ及びIL-11、TNFアルファ及びIL-12、TNFアルファ及びIL-13、TNFアルファ及びIL-14、TNFアルファ及びIL-15、TNFアルファ及びIL-16、TNFアルファ及びIL-17、TNFアルファ及びIL-18、TNFアルファ及びIL-19、TNFアルファ及びIL-20、TNFアルファ及びIL-23、TNFアルファ及びIFNアルファ、TNFアルファ及びCD4、TNFアルファ及びVEGF、TNFアルファ及びMIF、TNFアルファ及びICAM-1、TNFアルファ及びPGE4、TNFアルファ及びPEG2、TNFアルファ及びRANKリガンド、TNFアルファ及びTe38、TNFアルファ及びBAFF、TNFアルファ及びCD22、TNFアルファ及びCTLA-4、TNFアルファ及びGP130、TNFa及びIL-12p40、VEGF及びアンジオポエチン、VEGF及びHER2、VEGF-A及びHER2、VEGF-A及びPDGF、HER1及びHER2、VEGFA及びANG2、VEGF-A及びVEGF-C、VEGF-C及びVEGF-D、HER2及びDR5、VEGF及びIL-8、VEGF及びMET、VEGFR及びMET受容体、EGFR及びMET、VEGFR及びEGFR、HER2及びCD64、HER2及びCD3、HER2及びCD16、HER2及びHER3、EGFR(HER1)及びHER2、EGFR及びHER3、EGFR及びHER4、IL-14及びIL-13、IL-13及びCD40L、IL4及びCD40L、TNFR1及びIL-1R、TNFR1及びIL-6R並びにTNFR1及びIL-18R、EpCAM及びCD3、MAPG及びCD28、EGFR及びCD64、CSPGs及びRGM A;CTLA-4及びBTN02;IGF1及びIGF2;IGF1/2及びErb2B;MAG及びRGM A;NgR及びRGM A;NogoA及びRGM A;OMGp及びRGM A;POL-l及びCTLA-4;並びにRGM A及びRGM Bから選択される少なくとも2つの標的分子に結合する。
【0169】
特定の実施態様では、本明細書において提供される方法に従って生成された多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、抗CEA/抗CD3二重特異性抗体である。特定の実施態様では、抗CEA/抗CD3二重特異性抗体はRG7802である。特定の実施態様では、抗CEA/抗CD3二重特異性抗体は、以下に示す配列番号18~21に記載のアミノ酸配列を含む:
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCKASAAVG TYVAWYQQKP GKAPKLLIYS ASYRKRGVPS
RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCHQ YYTYPLFTFG QGTKLEIKRT VAAPSVFIFP
PSDEQLKSGT ASVVCLLNNF YPREAKVQWK VDNALQSGNS QESVTEQDSK DSTYSLSSTL
TLSKADYEKH KVYACEVTHQ GLSSPVTKSF NRGEC(配列番号18)

QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCGSSTGAVT TSNYANWVQE KPGQAFRGLI GGTNKRAPGT
PARFSGSLLG GKAALTLSGA QPEDEAEYYC ALWYSNLWVF GGGTKLTVLS SASTKGPSVF
PLAPSSKSTS GGTAALGCLV KDYFPEPVTV SWNSGALTSG VHTFPAVLQS SGLYSLSSVV
TVPSSSLGTQ TYICNVNHKP SNTKVDKKVE PKSC(配列番号19)

QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYTFT EFGMNWVRQA PGQGLEWMGW INTKTGEATY
VEEFKGRVTF TTDTSTSTAY MELRSLRSDD TAVYYCARWD FAYYVEAMDY WGQGTTVTVS
SASTKGPSVF PLAPSSKSTS GGTAALGCLV KDYFPEPVTV SWNSGALTSG VHTFPAVLQS
SGLYSLSSVV TVPSSSLGTQ TYICNVNHKP SNTKVDKKVE PKSCDGGGGS GGGGSEVQLL
ESGGGLVQPG GSLRLSCAAS GFTFSTYAMN WVRQAPGKGL EWVSRIRSKY NNYATYYADS
VKGRFTISRD DSKNTLYLQM NSLRAEDTAV YYCVRHGNFG NSYVSWFAYW GQGTLVTVSS
ASVAAPSVFI FPPSDEQLKS GTASVVCLLN NFYPREAKVQ WKVDNALQSG NSQESVTEQD
SKDSTYSLSS TLTLSKADYE KHKVYACEVT HQGLSSPVTK SFNRGECDKT HTCPPCPAPE
AAGGPSVFLF PPKPKDTLMI SRTPEVTCVV VDVSHEDPEV KFNWYVDGVE VHNAKTKPRE
EQYNSTYRVV SVLTVLHQDW LNGKEYKCKV SNKALGAPIE KTISKAKGQP REPQVYTLPP
CRDELTKNQV SLWCLVKGFY PSDIAVEWES NGQPENNYKT TPPVLDSDGS FFLYSKLTVD
KSRWQQGNVF SCSVMHEALH NHYTQKSLSL SPGK(配列番号20)

QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYTFT EFGMNWVRQA PGQGLEWMG WINTKTGEATY
VEEFKGRVTF TTDTSTSTAY MELRSLRSDD TAVYYCARWD FAYYVEAMD YWGQGTTVTVS
SASTKGPSVF PLAPSSKSTS GGTAALGCLV KDYFPEPVTV SWNSGALTS GVHTFPAVLQS
SGLYSLSSVV TVPSSSLGTQ TYICNVNHKP SNTKVDKKVE PKSCDKTHT CPPCPAPEAAG
GPSVFLFPPK PKDTLMISRT PEVTCVVVDV SHEDPEVKFN WYVDGVEVH NAKTKPREEQY
NSTYRVVSVL TVLHQDWLNG KEYKCKVSNK ALGAPIEKTI SKAKGQPRE PQVCTLPPSRD
ELTKNQVSLS CAVKGFYPSD IAVEWESNGQ PENNYKTTPP VLDSDGSFF LVSKLTVDKSR
WQQGNVFSCS VMHEALHNHY TQKSLSLSPG K(配列番号21)。
【0170】
抗CEA/抗CD3二重特異性抗体に関するさらなる詳細は、国際公開第2014/121712号に提供されており、その全体が本明細書に参照により援用されている。
【0171】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞及び方法により生成された多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、抗VEGF/抗アンジオポエチン二重特異性抗体である。特定の実施態様では、抗VEGF/抗アンジオポエチン二重特異性抗体二重特異性抗体はCrossmabである。特定の実施態様では、抗VEGF/抗アンジオポエチン二重特異性抗体はRG7716である。特定の実施態様では、抗CEA/抗CD3二重特異性抗体は、以下に示す配列番号22~25に記載のアミノ酸配列を含む:
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGYDFT HYGMNWVRQA PGKGLEWVGW INTYTGEPTY
AADFKRRFTF SLDTSKSTAY LQMNSLRAED TAVYYCAKYP YYYGTSHWYF DVWGQGTLVT
VSSASTKGPS VFPLAPSSKS TSGGTAALGC LVKDYFPEPV TVSWNSGALT SGVHTFPAVL
QSSGLYSLSS VVTVPSSSLG TQTYICNVNH KPSNTKVDKK VEPKSCDKTH TCPPCPAPEA
AGGPSVFLFP PKPKDTLMAS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV HNAKTKPREE
QYNSTYRVVS VLTVLAQDWL NGKEYKCKVS NKALGAPIEK TISKAKGQPR EPQVYTLPPC
RDELTKNQVS LWCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPVLDSDGSF FLYSKLTVDK
SRWQQGNVFS CSVMHEALHN AYTQKSLSLS PGK(配列番号22)

QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYTFT GYYMHWVRQA PGQGLEWMGW INPNSGGTNY
AQKFQGRVTM TRDTSISTAY MELSRLRSDD TAVYYCARSP NPYYYDSSGY YYPGAFDIWG
QGTMVTVSSA SVAAPSVFIF PPSDEQLKSG TASVVCLLNN FYPREAKVQW KVDNALQSGN
SQESVTEQDS KDSTYSLSST LTLSKADYEK HKVYACEVTH QGLSSPVTKS FNRGECDKTH
TCPPCPAPEA AGGPSVFLFP PKPKDTLMAS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV
HNAKTKPREE QYNSTYRVVS VLTVLAQDWL NGKEYKCKVS NKALGAPIEK TISKAKGQPR
EPQVCTLPPS RDELTKNQVS LSCAVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPVLDSDGSF
FLVSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN AYTQKSLSLS PGK(配列番号23)

DIQLTQSPSS LSASVGDRVT ITCSASQDIS NYLNWYQQKP GKAPKVLIYF TSSLHSGVPS
RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ YSTVPWTFGQ GTKVEIKRTV AAPSVFIFPP
SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT
LSKADYEKHK VYACEVTHQG LSSPVTKSFN RGEC(配列番号24)

SYVLTQPPSV SVAPGQTARI TCGGNNIGSK SVHWYQQKPG QAPVLVVYDD SDRPSGIPER
FSGSNSGNTA TLTISRVEAG DEADYYCQVW DSSSDHWVFG GGTKLTVLSS ASTKGPSVFP
LAPSSKSTSG GTAALGCLVK DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS GLYSLSSVVT
VPSSSLGTQT YICNVNHKPS NTKVDKKVEP KSC(配列番号25)。
【0172】
特定の実施態様では、本明細書で開示される方法により生成された多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、抗Ang2/抗VEGF二重特異性抗体である。特定の実施態様では、抗Ang2/抗VEGF二重特異性抗体はRG7221である。特定の実施態様では、抗Ang2/抗VEGF二重特異性抗体はCAS番号1448221-05-3である。
【0173】
場合によっては、他の分子にコンジュゲートされる可溶性抗原又はその断片は、抗体を生成するための免疫原として使用され得る。受容体などの膜貫通分子の場合、これらの断片(例えば、受容体の細胞外ドメイン)が免疫原として使用され得る。あるいは、膜貫通分子を発現させる細胞が、免疫原として使用され得る。このような細胞は、天然源(例えば、がん細胞株)由来であり得るか、又は膜貫通分子を発現するように組換え技法によって形質転換された細胞であり得る。抗体の調製に有用な他の抗原及びその形態は、当業者には明らかであろう。
【0174】
特定の実施態様では、本明細書で開示される細胞及び方法により生成されたポリペプチド(例えば抗体)は、結合により、染料又は細胞傷害性剤、例えば化学療法剤、薬剤、成長阻害剤、毒素(例えば、微生物、菌類、植物若しくは動物由来の酵素活性毒素、又はこれらの断片)、又は放射性同位体(即ち放射性コンジュゲート)などの化学分子にさらにコンジュゲートすることが可能となり得る。本明細書に記載の方法を使用して生成された抗体又は二重特異性抗体を含む免疫コンジュゲートは、1つだけの重鎖、又は1つだけの軽鎖の定常領域にコンジュゲートした細胞傷害性剤を含有することができる。
【0175】
5.6.抗体バリアント
特定の態様では、本明細書で提供される抗体、例えば、セクション5.5.5に示す抗体のアミノ酸配列バリアントを想到する。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的性質を変化させることが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列バリアントは、適切な修飾を、抗体をコードするヌクレオチド配列に組み込むことで、又はペプチド合成により調製することができる。このような修飾には、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基への挿入、及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基の置換が含まれる。最終コンストラクトが所望の特性、例えば抗原結合を有していることを条件として、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせが、最終コンストラクトに到達するまでなされ得る。
【0176】
5.6.1.置換、挿入、及び欠失バリアント
ある特定の態様では、1つ又は複数のアミノ酸置換を有する抗体バリアントが提供される。置換変異誘発に関心のある部位には、CDR及びFRが含まれる。保存的置換は、表1において、「好ましい置換」の見出しの下に示される。より実質的な変化は、表1において、「例示的な置換」の見出しの下に提供され、またアミノ酸側鎖クラスを参照して以下にさらに記載されるとおりである。目的の抗体中にアミノ酸置換を導入することができ、その生成物を、所望の活性、例えば、保持/改善された抗原結合、減少した免疫原性、又は改善されたADCC若しくはCDCについてスクリーニングする。
【0177】
アミノ酸は、共通の側鎖の性質に従い分類分けすることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0178】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスのメンバーと交換することを伴うことになる。
【0179】
ある種類の置換型バリアントは、親抗体(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)の1つ又は複数の超可変領域残基を置換することを伴う。一般的には、さらなる研究のために選択された変異体は、親抗体と比較して、特定の生物学的特性に修飾(例えば、改善)(例えば、親和性の上昇、免疫原性の低下)を有し、及び/又は親抗体の特定の生物学的特性を実質的に保持するであろう。例示的な置換バリアントは、例えば、本明細書に記載されるものなどのファージディスプレイに基づく親和性成熟技法を使用して好都合に生成することができる、親和性成熟抗体である。簡潔には、1つ又は複数のCDR残基が変異され、変異体抗体がファージ上にディスプレイされ、特定の生物活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。
【0180】
改変(例えば置換)は、例えば結合親和性を改善するために、CDRでなされ得る。このような改変は、CDR「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟プロセス中に高頻度で変異を受けるコドンによってコードされる残基(例えば、Chowdhury、「Methods Mol.Biol.」、第207巻:第179~196頁(2008年)を参照)、及び/又は抗原と接触する残基内で行われ得、結果として得られるバリアントVH又はVLが結合親和性について試験される。二次ライブラリの構築及びそこからの再選択による親和性成熟は、例えば、Hoogenboomら、Methods in Molecular Biology178:1-37(O’Brienら編、Human Press,Totowa,NJ,(2001))に記載されている。親和性成熟のいくつかの態様では、多様な方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、又はオリゴヌクレオチド指向性変異誘発)のいずれかによって、成熟のために選択される可変遺伝子に多様性が導入される。次いで、二次ライブラリが作製される。次いで、このライブラリをスクリーニングして、所望の親和性を有する抗体バリアントを同定する。多様性を導入する別の方法は、いくつかのCDR残基(例えば、一度に4~6残基)がランダム化されるCDR指向手法を含む。抗原結合に関与するCDR残基は、例えば、アラニンスキャニング変異誘発又はモデリングを使用して、特異的に特定され得る。特にCDR-H3及びCDR-L3が標的とされることが多い。
【0181】
特定の態様では、置換、挿入、又は欠失は、そのような改変が抗体の抗原に結合する能力を実質的に低減させない限り、1つ又は複数のCDR内で生じ得る。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的な変更(例えば、本明細書で提供されるような保存的置換)は、CDRで行われ得る。そのような改変は、例えば、CDR内の抗原接触残基の外側であっててもよい。上述の特定のバリアントVH及びVL配列において、各CDRは、改変されていないか、又は1つ、2つ、又は3つ以下のアミノ酸置換を有するかのいずれかである。
【0182】
変異を標的とし得る抗体の残基又は領域の同定のための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085によって記載されるように、「アラニンスキャニング突然変異生成」と呼ばれる。この方法では、一残基又は一群の標的残基(例えば、arg、asp、his、lys、及びglu等の荷電残基)が同定され、中性又は負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニン又はポリアラニン)によって置き換えられて、抗体の抗原との相互作用が影響を受けたかどうかが決定される。さらなる置換が、初期置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置に導入されてもよい。代替的に、又は追加的に、抗原-抗体複合体の結晶構造を使用して、抗体と抗原との間の接触点を特定することができる。そのような接触残基及び隣接残基は、置換の候補として標的とされるか、又は除去されてもよい。バリアントは、所望の特性を有するか否かを判定するためにスクリーニングされてもよい。
【0183】
アミノ酸配列挿入には、長さが1残基から100個以上の残基を含むポリペプチドに及ぶアミノ末端融合及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例には、N末端メチオニル残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入バリアントには、酵素(例えば、ADEPT(抗体指向性酵素プロドラッグ治療法のための)又はポリペプチドへの抗体のN末端若しくはC末端の融合が含まれ、これは抗体の血清半減期を増大させる。
【0184】
5.6.2 グリコシル化バリアント
ある特定の態様では、本明細書で提供される抗体は改変されて、抗体のグリコシル化の程度を増減させる。抗体へのグリコシル化部位の付加又は欠失は、1つ又は複数のグリコシル化部位が作り出されるか又は除去されるようにアミノ酸配列を改変させることにより好都合に達成され得る。
【0185】
抗体がFc領域を含む場合、Fc領域に結合したオリゴ糖を改変することができる。哺乳動物細胞によって産生された天然抗体は、典型的には、N結合によってFc領域のCH2ドメインのAsn297に一般に付着される分岐状の二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al. TIBTECH 15:26-32(1997)を参照されたい。オリゴ糖は、種々の炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNac)、ガラクトース、及びシアル酸、並びにバイアンテナリーオリゴ糖構造の「ステム」のGlcNacに付着したフコースを含み得る。いくつかの態様では、特定の改善された性質を有する抗体バリアントを作製するために、本開示の抗体中のオリゴ糖に修飾を加えることができる。
【0186】
一態様では、非フコシル化オリゴ糖、即ち、Fc領域へのフコース結合(直接又は間接)が欠落した、オリゴ糖構造を有する抗体多様体を提供する。このような非フコシル化オリゴ糖(「アフコシル化」オリゴ糖とも呼ばれる)は特に、二分枝オリゴ糖構造の幹に第1のGlcNAcが結合したフコース残基を欠く、N結合オリゴ糖である。一態様では、内在性又は親抗体と比較して、Fc領域における非フコシル化オリゴ糖の比率が増加した抗体バリアントを提供する。例えば、非フコシル化オリゴ糖の比率は、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、又はさらに約100%(即ち、フコシル化オリゴ糖が存在しない)であり得る。非フコシル化オリゴ糖の割合は、例えば、国際公開第2006/082515号に記載のMALDI-TOF質量分析法により測定した、Asn297に結合した全てのオリゴ糖の合計(例えば、複合体、ハイブリッド、及びハイマンノース構造)に対する、フコース残基を欠くオリゴ糖の(平均)量である。Asn297は、Fc領域のほぼ位置297(Fc領域残基のEUナンバリング)に位置するアスパラギン残基を指すが、Asn297はまた、抗体の軽度の配列変異により、アミノ酸の位置297の上流又は下流約±3、即ち、位置294~300に位置することができる。Fc領域における非フコシル化オリゴ糖の比率が増加した、このような抗体は、改善されたFcγRIIIa受容体結合、及び/又は改善されたエフェクター機能、特に改善されたADCC機能を有することができる。例えば、米国特許公開第2003/0157108号;同第2004/0093621号を参照のこと。
【0187】
フコシル化が低下した抗体を産生可能な細胞株の例には、タンパク質フコシル化が不足しているLec13CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願公開第2003/0157108号;及び国際公開第2004/056312号、特に実施例11)、及びノックアウト細胞株、例えばアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子のFUT8ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614-622(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);及び国際公開第2003/085107号を参照されたい)、又はGDP-フコース合成若しくはトランスポータータンパク質の活性が低下若しくは消滅した細胞(例えば、米国特許出願公開第2004259150号、同第2005031613号、同第2004132140号、同第2004110282号を参照されたい)が含まれる。
【0188】
さらなる態様では、抗体バリアントは、例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcにより二分されている二分されたオリゴ糖と共に提供される。そのような抗体バリアントは、上述のとおり、低下したフコシル化、及び/又は改善されたADCCを有し得る。このような抗体バリアントの例は、例えばUmana et al.,Nat Biotechnol 17,176-180(1999);Ferrara et al.,Biotechn Bioeng 93,851-861(2006);国際公開第99/54342号、国際公開第2004/065540号、国際公開第2003/011878号に記載されている。
【0189】
Fc領域に付着したオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を持つ抗体バリアントも提供される。そのような抗体バリアントは、改善されたCDC機能を有することができる。このような抗体バリアントの例は、例えば、国際公開第1997/30087号;同第1998/58964号;及び同第1999/22764号に記載されている。
【0190】
5.6.3.Fc領域バリアント
特定の態様では、1つ又は複数のアミノ酸修飾は、本明細書で提示される抗体のFc領域に導入されてもよく、それにより、Fc領域バリアントを作成する。Fc領域バリアントは、1つ又は複数のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG、IgG、IgG、又はIgGFc領域)を含み得る。
【0191】
特定の態様では、本開示は、全てではないがいくつかのエフェクター機能を有することで、抗体のインビボ半減期が重要でありながら、特定のエフェクター機能(例えば補体依存性細胞傷害(CDC)及び抗体依存性細胞傷害(ADCC))が不必要、又は有害である用途に対して望ましい候補となる、抗体バリアントを想到する。CDC及び/又はADCC活性の低下/消失を確認するために、in vitro及び/又はin vivoの細胞傷害性アッセイを実施することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを実行して、抗体がFcγR結合を欠いている(そのため、ADCC活性を欠いている可能性が高い)が、FcRn結合能力を保持することを確認することができる。ADCCを媒介するための主要な細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現させるが、一方で単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現させる。造血細胞におけるFcRの発現については、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのin vitroアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986)を参照)及びHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985);5,821,337(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を用いることができる(例えば、フローサイトメトリー用ACTI(商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA);及びCytoTox96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照のこと)。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、又はさらに、対象の分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示されているように、動物モデルにおいてin vivoで評価され得る。C1q結合アッセイを実行して、抗体がC1qに結合することができないためにCDC活性を欠くことを確認することができる。例えば、国際公開第2006/029879号及び同第2005/100402号における、C1q及びC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施することができる(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045-1052(2003);及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照のこと)。FcRn結合及びin vivoクリアランス/半減期の決定は、当該技術分野に既知の方法を使用して実施することもできる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006);WO2013/120929Alを参照されたい)。
【0192】
エフェクター機能が低下した抗体とには、Fc領域の残基238、265、269、270、297、327及び329の1つ又は複数の置換を含むものが含まれる(米国特許第6,737,056号)。そのようなFc変異体には、アミノ酸位置265、269、270、297及び327のうちの2つ以上に置換を有するFc変異体が含まれ、残基265及び297がアラニンに置換されている、いわゆる「DANA」Fc変異体が含まれる(米国特許第7,332,581号)。
【0193】
FcRへの結合が改善又は減少した特定の抗体バリアントが記載されている(例えば、米国特許第6,737,056号;国際公開第2004/056312号及びShieldsらJ.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照)
【0194】
ある特定の態様では、抗体バリアントは、ADCCを改善する1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298、333、及び/又は334位(残基のEUナンバリング)での置換を有するFc領域を含む。
【0195】
ある特定の態様では、抗体バリアントは、FcγR結合を減少させる1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置234及び235(残基のEUナンバリング)を有するFc領域を含む。一態様では、置換はL234A及びL235A(LALA)である。ある特定の態様では、抗体バリアントは、ヒトIgGFc領域に由来するFc領域に、D265A及び/又はP329Gをさらに含む。一態様では、置換は、ヒトIgGFc領域に由来するFc領域における、L234A、L235A、及びP329G(LALA-PG)である。(例えば、国際公開第2012/130831号を参照されたい。)別の態様では、置換は、ヒトIgGFc領域に由来するFc領域における、L234A、L235A、及びD265A(LALA-DA)である。
【0196】
いくつかの態様では、例えば米国特許第6,194,551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184(2000)に記載されているように、C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)の改変(すなわち向上又は減少のいずれか)をもたらすFc領域内で改変が起こる。
【0197】
半減期が増大し、胎生Fc受容体(FcRn)への結合が改善した、母体IgGを胎児に移行する役割を果たす抗体(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))は、米国特許公開第2005/0014934号(Hinton et al.)に記載されている。それらの抗体は、Fc領域とFcRnとの結合を改善する1つ又は複数の置換をその中に有するFc領域を含む。このようなFcバリアントは、Fc領域残基の1つ又は複数:238、252、254、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、又は434の1つ又は複数において置換、例えば、Fc領域残基434の置換を有するものを含む(例えば、米国特許第7,371,826号;Dall’Acqua,W.F.,et al.J.Biol.Chem.281(2006)23514-23524を参照のこと)。
【0198】
マウスFc-マウスFcRn相互作用に重要なFc領域残基は、部位特異的突然変異誘発により識別されている(例えば、Dall’Acqua, W.F., et al. J. Immunol 169(2002)5171-5180を参照のこと)。残基I253、H310、H433、N434、及びH435(EUインデックスナンバリング)は、相互作用に関与する(Medesan, C., et al., Eur. J. Immunol. 26(1996)2533;Firan, M., et al., Int. Immunol. 13(2001)993;Kim, J.K., et al., Eur. J. Immunol. 24(1994)542)。残基I253、H310、及びH435は、ヒトFcとマウスFcRnとの相互作用に重要であることがわかった(Kim, J.K., et al., Eur. J. Immunol. 29(1999)2819)。ヒトFc-ヒトFcRn複合体の研究により、残基I253、S254、H435、及びY436が相互作用に重要であることが示されている(Firan,M.,et al.,Int.Immunol.13(2001)993;Shields,R.L.,et al.,J.Biol.Chem.276(2001)6591-6604)。Yeung,Y.A.,et al.(J.Immunol.182(2009)7667-7671)において、残基248~259、及び301~317、及び376~382、及び424~437の様々な変異が報告され、調査されている。
【0199】
ある特定の態様では、抗体バリアントは、FcRn結合を低下させる1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置253、及び/又は310、及び/又は435(残基のEUナンバリング)における変異を有するFc領域を含む。ある特定の態様では、抗体バリアントは、位置253、310、及び435におけるアミノ酸置換を有するFc領域を含む。一態様では、置換は、ヒトIgG1 Fc領域に由来するFc領域における、I253A、H310A、及びH435Aである。例えば、Grevys, A., et al., J. Immunol. 194(2015)5497-5508を参照されたい。
【0200】
特定の態様では、抗体バリアントは、FcRn結合を低下させる1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置310、及び/又は433、及び/又は436(残基のEUナンバリング)における変異を有するFc領域を含む。特定の態様では、抗体バリアントは、位置310、433、及び436におけるアミノ酸置換を有するFc領域を含む。一態様では、置換は、ヒトIgG1 Fc領域に由来するFc領域における、H310A、H433A、及びY436Aである。(例えば、国際公開第2014/177460号を参照されたい。)
【0201】
特定の態様では、抗体バリアントは、FcRn結合を増加させる1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fcの領域位置252、及び/又は254、及び/又は256(残基のEUナンバリング)における変異を有するFc領域を含む。ある特定の態様では、抗体バリアントは、位置252、254、及び256におけるアミノ酸置換を有するFc領域を含む。一態様では、置換は、ヒトIgG Fc領域に由来するFc領域におけるM252Y、S254T、及びT256Eである。Fc領域バリアントの他の例に関しては、Duncan&Winter,Nature 322:738-40(1988)、米国特許第5,648,260号、米国特許第5,624,821号、及び国際公開第94/29351号も参照されたい。
【0202】
本明細書に報告されるような抗体の重鎖のC末端は、アミノ酸残基PGKで終わる完全なC末端であってもよい。重鎖のC末端は、C末端アミノ酸残基のうち1つ又は2つが除去された、短くなったC末端であってもよい。1つの好ましい態様では、重鎖のC末端は短縮C末端末端PGである。本明細書に報告される全ての態様のうちの1つの態様では、本明細書に明記されるC末端のCH3ドメインを含む重鎖を含む抗体は、C末端グリシン-リシンジペプチドを含む(G446及びK447、EUインデックス付番のアミノ酸位置)。本明細書に報告される全ての態様のうちの1つの態様では、本明細書に明記されるC末端のCH3ドメインを含む重鎖を含む抗体は、C末端グリシン残基を含む(G446、EUインデックス付番のアミノ酸位置)。
【0203】
5.6.4.システイン操作抗体バリアント
特定の態様では、抗体の1つ又は複数の残基がシステイン残基で置換されているシステイン操作抗体、例えば、THIOMABTMを生成することが望ましい場合がある。特定の態様では、置換された残基は、抗体の利用しやすい部位で生じる。これらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基が抗体の接触可能部位に配置され、抗体を他の部位、例えば薬物部位、又はリンカー/薬物部位と結合させ、本明細書でさらに記載する免疫コンジュゲートを作製するのに用いることができる。システイン操作抗体は、例えば米国特許第7,521,541号、同第8,30,930号、同第7,855,275号、同第9,000,130号、又は国際公開2016040856号に記載されているとおりに作製することができる。
【0204】
5.6.5.抗体誘導体
特定の態様では、本明細書に提供される抗体は、当該技術分野で既知であり、容易に入手可能な追加の非タンパク質性部分を含有するようにさらに修飾することができる。抗体の誘導体化に適した部位には、水溶性ポリマーが含まれるが、これらに限定されるものではない。水溶性ポリマーの非限定的な例には、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマー又はランダムコポリマーのいずれか)、及びデキストラン又はポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物が含まれる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性のため、製造時に有利であり得る。ポリマーは任意の分子量であることができ、かつ分枝又は非分枝であり得る。抗体に結合したポリマーの数は異なってもよく、2つ以上のポリマーが結合している場合、それらは同じ分子であっても、異なる分子であってもよい。一般に、誘導体化のために使用されるポリマーの数及び/又はタイプは、限定するものではないが、改良される抗体の特定の特性又は機能、抗体誘導体が定義された条件下で治療に使用されるかどうか等の考慮事項に基づいて決定することができる。
【0205】
5.7.免疫コンジュゲート
本開示はまた、1つ又は複数の治療剤、例えば細胞傷害性剤、化学療法剤、薬物、成長阻害剤、毒素(例えばタンパク質毒素、微生物、菌類、植物若しくは動物由来の酵素活性毒素、又はこれらの断片)、又は放射性同位元素にコンジュゲートした(化学結合した)、本明細書で開示される抗体を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0206】
一態様では、免疫コンジュゲートは、抗体が、前述の治療薬の1つ又は複数にコンジュゲートした、抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。抗体は典型的には、リンカーを使用して、治療剤の1つ又は複数に結合される。治療剤及び薬物並びにリンカーの例を含むADC技術の概要は、Pharmacol Review 68:3-19(2016)に明記されている。
【0207】
別の態様では、免疫コンジュゲートは、本明細書に記載されるように、酵素活性毒素又はこれらの断片に結合する抗体を含む。これらは以下に限定されるわけではないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、エキソトキシンA鎖(緑膿菌からのもの)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、αサルシン、シナアブラギリのタンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウのタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、ツルレイシ阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン(enomycin)、並びにトリコテセンを含む。
【0208】
別の態様では、免疫コンジュゲートは、放射性原子にコンジュゲートされ、放射性コンジュゲートを形成する、本明細書に記載される抗体を含む。種々の放射性同位体が、放射性コンジュゲートの製造のために入手可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、及びLuの放射性同位元素が挙げられる。放射性コンジュゲートを検出のために使用する場合、それは、シンチグラフィー研究のための放射性原子、例えば、tc99m若しくはI123、又は核磁気共鳴(NMR)画像法(別名、磁気共鳴画像法、MRI)のためのスピン標識、例えば、再びヨウ素-123、ヨウ素-131、インジウム-111、フッ素-19、炭素-13、窒素-15、酸素-17、ガドリニウム、マンガン、若しくは鉄を含むことができる。
【0209】
抗体及び細胞傷害性剤のコンジュゲートは、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えば、アジプイミド酸ジメチルHCl)、活性エステル(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス-アジド化合物(例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トルエン2,6-ジイソシアネート)、及びビス-活性フッ素化合物(例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)などの多様な二官能性タンパク質カップリング剤を使用して作製することができる。例えば、リシンイムノトキシンは、Vitetta et al.,Science 238:1098(1987)に記載されているようにして調製することができる。炭素-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体へのコンジュゲーションのための例示的キレート剤である。国際公開第94/11026号を参照のこと。リンカーは、細胞内において細胞傷害性薬物の放出を容易にする「切断可能リンカー」であり得る。例えば、酸に不安定なリンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、感光性リンカー、ジメチルリンカー、又はジスルフィド含有リンカー(Chari et al,Cancer Res.52:127-131(1992);米国特許第5,208,020号)を使用することができる。
【0210】
本明細書における免疫コンジュゲート又はADCは、限定されないが、市販(例:米国イリノイ州ロックフォードのPierce Biotechnology社から)されている、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC-SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ-EMCS、スルホ-GMBS、スルホ-KMUS、スルホ-MBS、スルホ-SIAB、スルホ-SMCC及びスルホ-SMPB、並びにSVSB(スクシンイミジル-(4-ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むがこれらに限定されない架橋試薬を用いて調製されたコンジュゲートを明確に意図している。
【0211】
5.6.ウイルス粒子
特定の実施態様では、本開示の方法は、ウイルス粒子の生成に使用され得る。特定の実施態様では、本開示の方法は、ウイルスベクターの生成に使用され得る。特定の実施態様では、本開示の方法は、ポリペプチド、例えばウイルスポリペプチドの発現に使用され得る。このようなポリペプチドの非現実的な例には、ウイルスタンパク質、ウイルス構造(Cap)タンパク質、ウイルスパッケージング(Rep)タンパク質、AAVカプシドタンパク質、及びウイルスヘルパータンパク質が含まれる。いくつかの実施態様では、ウイルスポリペプチドはAAVウイルスポリペプチドである。
【0212】
特定の実施態様では、本明細書で記載される方法によって生成されるウイルス粒子によって担持され得る目的の遺伝子の例には、例えば、レニン等の哺乳類ポリペプチド;成長ホルモン、例えば、ヒト成長ホルモン及びウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;アルファ-1-抗トリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;レプチン;凝固因子、例えば、第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、及びフォン・ヴィレブランド因子;抗凝固因子、例えば、プロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺界面活性剤;プラスミノーゲン活性化因子、例えば、ウロキナーゼ又はヒト尿若しくは組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA);ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子-アルファ及び-ベータ;腫瘍壊死因子受容体、例えば、細胞死受容体5及びCD120;TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL);B細胞成熟抗原(BCMA);B-リンパ球刺激因子(BLyS);増殖誘導リガンド(APRIL);エンケファリナーゼ;RANTES(活性化時に調節され、T細胞が正常に発現及び分泌している);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1-アルファ);血清アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン;ミュラー管抑制物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;微生物タンパク質、例えば、ベータ-ラクタマーゼ;DNase;IgE;細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)、例えば、CTLA-4;インヒビン;アクチビン;血小板由来内皮細胞成長因子(PD-ECGF);血管内皮成長因子ファミリータンパク質(例えば、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、及びP1GF);血小板由来成長因子(PDGF)ファミリータンパク質(例えば、PDGF-A、PDGF-B、PDGF-C、PDGF-D、及びそれらの二量体);線維芽細胞成長因子(FGF)ファミリー、例えば、aFGF、bFGF、FGF4、及びFGF9;上皮成長因子(EGF);ホルモン又は成長因子受容体、例えば、VEGF受容体(複数可)(例えば、VEGFR1、VEGFR2、及びVEGFR3)、上皮成長因子(EGF)受容体(複数可)(例えば、ErbB1、ErbB2、ErbB3、及びErbB4 受容体)、血小板由来成長因子(PDGF)受容体(複数可)(例えば、PDGFR-α及びPDGFR-β)、並びに線維芽細胞増殖因子受容体(複数可);TIEリガンド(アンジオポイエチン、ANGPT1、ANGPT2)、アンジオポイエチン受容体、例えば、TIE1及びTIE2;プロテインA又はD;リウマチ因子;神経栄養因子、例えば、骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3、ニューロトロフィン-4、ニューロトロフィン-5、若しくはニューロトロフィン-6(NT-3、NT-4、NT-5、若しくはNT-6)、又は神経成長因子、例えば、NGF-b;トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えば、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、又はTGF-β5を含むTGF-アルファ及びTGF-ベータ;インスリン様成長因子I及びII(IGF-I及びIGF-II);des(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP);CDタンパク質、例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、及びCD20;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);ケモカイン、例えば、CXCL12及びCXCR4;インターフェロン、例えば、インターフェロン-アルファ、インターフェロン-ベータ、及びインターフェロン-ガンマ;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M-CSF、GM-CSF、及びG-CSF;サイトカイン、例えば、インターロイキン(IL)、例えば、IL-1~IL-10;ミッドカイン;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原、例えば、AIDSエンベロープの一部分;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;インテグリン、例えば、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA-4、及びVCAM;エフリン;Bv8;デルタ様リガンド4(DLL4);Del-1;BMP9;BMP10;フォリスタチン;肝細胞成長因子(HGF)/散乱因子(SF);Alk1;Robo4;ESM1;パールカン;EGF様ドメインマルチプル7(EGFL7);CTGF及びそのファミリーのメンバー;トロンボスポンジン、例えば、トロンボスポンジン1及びトロンボスポンジン2;コラーゲン、例えば、コラーゲンIV及びコラーゲンXVIII;ニューロピリン、例えば、NRP1及びNRP2;プレイオトロフィン(PTN);プログラニュリン;プロリフェリン;Notchタンパク質、例えば、Notch1及びNotch4;セマフォリン、例えば、Sema3A、Sema3C、及びSema3F;腫瘍関連抗原、例えば、CA125(卵巣癌抗原);イムノアドヘシン;並びに上述のポリペプチドのいずれかの断片及び/又はバリアント、並びに例えば、上述のタンパク質のいずれかを含む1つ又は複数のタンパク質に結合する抗体断片を含む抗体が含まれる。
【0213】
いくつかの実施態様では、本開示の宿主細胞によって生成されるウイルス粒子によって担持される目的の遺伝子は、いずれかのタンパク質、例えば、8MPI、8MP2、8MP38(GDFIO)、8MP4、8MP6、8MP8、CSFI(M-CSF)、CSF2(GM-CSF)、CSF3(G-CSF)、EPO、FGF1(αFGF)、FGF2(βFGF)、FGF3(int-2)、FGF4(HST)、FGF5、FGF6(HST-2)、FGF7(KGF)、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF12B、FGF14、FGF16、FGF17、FGF19、FGF20、FGF21、FGF23、IGF1、IGF2、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFN81、IFNG、IFNWI、FEL1、FEL1(EPSELON)、FEL1(ZETA)、IL1A、IL1B、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12A、IL12B、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL17B、IL18、IL19、IL20、IL22、IL23、IL24、IL25、IL26、IL27、IL28A、IL28B、IL29、IL30、PDGFA、PDGFB、TGFA、TGFB1、TGFB2、TGFBb3、LTA(TNF-β)、LTB、TNF(TNF-α)、TNFSF4(OX40リガンド)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFSF6(FasL)、TNFSF7(CD27リガンド)、TNFSF8(CD30リガンド)、TNFSF9(4-1BBリガンド)、TNFSF10(TRAIL)、TNFSF11(TRANCE)、TNFSF12(APO3L)、TNFSF13(April)、TNFSF13B、TNFSF14(HVEM-L)、TNFSF15(VEGI)、TNFSF18、HGF(VEGFD)、VEGF、VEGFB、VEGFC、IL1R1、IL1R2、IL1RL1、IL1RL2、IL2RA、IL2RB、IL2RG、IL3RA、IL4R、IL5RA、IL6R、IL7R、IL8RA、IL8RB、IL9R、IL10RA、IL10RB、IL 11RA、IL12RB1、IL12RB2、IL13RA1、IL13RA2、IL15RA、IL17R、IL18R1、IL20RA、IL21R、IL22R、IL1HY1、IL1RAP、IL1RAPL1、IL1RAPL2、IL1RN、IL6ST、IL18BP、IL18RAP、IL22RA2、AIF1、HGF、LEP(レプチン)、PTN、及びTHPO.kからなる群から選択されるサイトカイン、サイトカイン関連タンパク質、及びサイトカイン受容体を含むが、これらに限定されない任意のタンパク質に結合し、又はそれと相互作用するタンパク質をコードし得る。
【0214】
いくつかの実施態様では、本開示の宿主細胞によって生成されるウイルス粒子によって担持される目的の遺伝子は、CCLI(1-309)、CCL2(MCP-1/MCAF)、CCL3(MIP-Iα)、CCL4(MIP-Iβ)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP-3)、CCL8(mcp-2)、CCL11(エオタキシン)、CCL13(MCP-4)、CCL15(MIP-Iδ)、CCL16(HCC-4)、CCL17(TARC)、CCL18(PARC)、CCL19(MDP-3b)、CCL20(MIP-3α)、CCL21(SLC/エクソダス-2)、CCL22(MDC/STC-1)、CCL23(MPIF-1)、CCL24(MPIF-2/エオタキシン-2)、CCL25(TECK)、CCL26(エオタキシン-3)、CCL27(CTACK/ILC)、CCL28、CXCLI(GROI)、CXCL2(GR02)、CXCL3(GR03)、CXCL5(ENA-78)、CXCL6(GCP-2)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP10)、CXCL11(1-TAC)、CXCL12(SDFI)、CXCL13、CXCL14、CXCL16、PF4(CXCL4)、PPBP(CXCL7)、CX3CL1(SCYDI)、SCYEI、XCLI(リンホタクチン)、XCL2(SCM-Iβ)、BLRI(MDR15)、CCBP2(D6/JAB61)、CCRI(CKRI/HM145)、CCR2(mcp-IRB IRA)、CCR3(CKR3/CMKBR3)、CCR4、CCR5(CMKBR5/ChemR13)、CCR6(CMKBR6/CKR-L3/STRL22/DRY6)、CCR7(CKR7/EBII)、CCR8(CMKBR8/TER1/CKR-L1)、CCR9(GPR-9-6)、CCRL1(VSHK1)、CCRL2(L-CCR)、XCR1(GPR5/CCXCR1)、CMKLR1、CMKOR1(RDC1)、CX3CR1(V28)、CXCR4、GPR2(CCR10)、GPR31、GPR81(FKSG80)、CXCR3(GPR9/CKR-L2)、CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo)、HM74、IL8RA(IL8Rα)、IL8RB(IL8Rβ)、LTB4R(GPR16)、TCP10、CKLFSF2、CKLFSF3、CKLFSF4、CKLFSF5、CKLFSF6、CKLFSF7、CKLFSF8、BDNF、C5、C5R1、CSF3、GRCC10(C10)、EPO、FY(DARC)、GDF5、HDF1、HDF1α、DL8、PRL、RGS3、RGS13、SDF2、SLIT2、TLR2、TLR4、TREM1、TREM2、及びVHLからなる群から選択されるケモカイン、ケモカイン受容体、又はケモカイン関連タンパク質に結合し、又はそれと相互作用するタンパク質をコードし得る。いくつかの実施態様では、本開示の宿主細胞によって発現するポリペプチドは、0772P(CA125、MUC16)(すなわち、卵巣がん抗原)、ABCF1;ACVR1;ACVR1B;ACVR2;ACVR2B;ACVRL1;ADORA2A;アグリカン;AGR2;AICDA;AIF1;AIG1;AKAP1;AKAP2;AMH;AMHR2;アミロイドベータ;ANGPTL;ANGPT2;ANGPTL3;ANGPTL4;ANPEP;APC;APOC1;AR;ASLG659;ASPHD1((アスパラギン酸ベータヒドロキシラーゼドメイン含有1;LOC253982);AZGP1(亜鉛-a-糖タンパク質);B7.1;B7.2;BAD;BAFF-R(B細胞活性化因子受容体、BLyS受容体 3、BR3;BAG1;BAI1;BCL2;BCL6;BDNF;BLNK;BLRI(MDR15);BMP1;BMP2;BMP3B(GDF10);BMP4;BMP6;BMP8;BMPR1A;BMPR1B(骨形成タンパク質受容体-IB型);BMPR2;BPAG1(プレクチン);BRCA1;ブレビカン;C19orf10(IL27w);C3;C4A;C5;C5R1;CANT1;CASP1;CASP4;CAV1;CCBP2(D6/JAB61);CCL1(1-309);CCL11(エオタキシン);CCL13(MCP-4);CCL15(MIP1δ);CCL16(HCC-4);CCL17(TARC);CCL18(PARC);CCL19(MIP-3β);CCL2(MCP-1);MCAF;CCL20(MIP-3α);CCL21(MTP-2);SLC;エクソダス-2;CCL22(MDC/STC-1);CCL23(MPIF-1);CCL24(MPIF-2/エオタキシン-2);CCL25(TECK);CCL26(エオタキシン-3);CCL27(CTACK/ILC);CCL28;CCL3(MTP-Iα);CCL4(MDP-Iβ);CCL5(RANTES);CCL7(MCP-3);CCL8(mcp-2);CCNA1;CCNA2;CCND1;CCNE1;CCNE2;CCR1(CKRI /HM145);CCR2(mcp-IRβ/RA);CCR3(CKR/CMKBR3);CCR4;CCR5(CMKBR5/ChemR13);CCR6(CMKBR6/CKR-L3/STRL22/DRY6);CCR7(CKBR7/EBI1);CCR8(CMKBR8/TER1/CKR-L1);CCR9(GPR-9-6);CCRL1(VSHK1);CCRL2(L-CCR);CD164;CD19;CD1C;CD20;CD200;CD22(B細胞受容体CD22-Bアイソフォーム);CD24;CD28;CD3;CD37;CD38;CD3E;CD3G;CD3Z;CD4;CD40;CD40L;CD44;CD45RB;CD52;CD69;CD72;CD74;CD79A(CD79α、免疫グロブリン関連アルファ、B細胞特異的タンパク質);CD79B;CDS;CD80;CD81;CD83;CD86;CDH1(E-カドヘリン);CDH10;CDH12;CDH13;CDH18;CDH19;CDH20;CDH5;CDH7;CDH8;CDH9;CDK2;CDK3;CDK4;CDK5;CDK6;CDK7;CDK9;CDKN1A(p21/WAF1/Cip1);CDKN1B(p27/Kip1);CDKN1C;CDKN2A(P16INK4a);CDKN2B;CDKN2C;CDKN3;CEBPB;CER1;CHGA;CHGB;キチナーゼ;CHST10;CKLFSF2;CKLFSF3;CKLFSF4;CKLFSF5;CKLFSF6;CKLFSF7;CKLFSF8;CLDN3;CLDN7(クローディン-7);CLL-1(CLEC12A、MICL、及びDCAL2);CLN3;CLU(クラスタリン);CMKLR1;CMKOR1(RDC1);CNR1;COL 18A1;COL1A1;COL4A3;COL6A1;補体因子D;CR2;CRP;CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌由来増殖因子);CSFI(M-CSF);CSF2(GM-CSF);CSF3(GCSF);CTLA4;CTNNB1(b-カテニン);CTSB(カテプシンB);CX3CL1(SCYDI);CX3CR1(V28);CXCL1(GRO1);CXCL10(IP-10);CXCL11(I-TAC/IP-9);CXCL12(SDF1);CXCL13;CXCL14;CXCL16;CXCL2(GRO2);CXCL3(GRO3);CXCL5(ENA-78/LIX);CXCL6(GCP-2);CXCL9(MIG);CXCR3(GPR9/CKR-L2);CXCR4;CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1、Gタンパク質共役受容体);CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo);CYB5;CYC1;CYSLTR1;DAB2IP;DES;DKFZp451J0118;DNCLI;DPP4;E16(LAT1、SLC7A5);E2F1;ECGF1;EDG1;EFNA1;EFNA3;EFNB2;EGF;EGFR;ELAC2;ENG;ENO1;ENO2;ENO3;EPHB4;EphB2R;EPO;ERBB2(Her-2);EREG;ERK8;ESR1;ESR2;ETBR(エンドセリンB型受容体);F3(TF);FADD;FasL;FASN;FCER1A;FCER2;FCGR3A;FcRH1(Fc受容体様タンパク質1);FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C);FGF;FGF1(αFGF);FGF10;FGF11;FGF12;FGF12B;FGF13;FGF14;FGF16;FGF17;FGF18;FGF19;FGF2(bFGF);FGF20;FGF21;FGF22;FGF23;FGF3(int-2);FGF4(HST);FGF5;FGF6(HST-2);FGF7(KGF);FGF8;FGF9;FGFR;FGFR3;FIGF(VEGFD);FELl(EPSILON);FILl(ZETA);FLJ12584;FLJ25530;FLRTI(フィブロネクチン);FLT1;FOS;FOSL1(FRA-1);FY(DARC);GABRP(GABAa);GAGEB1;GAGEC1;GALNAC4S-6ST;GATA3;GDF5;GDNF-Ra1(GDNFファミリー受容体アルファ1;GFRA1;GDNFR;GDNFRA;RETL1;TRNR1;RET1L;GDNFR-アルファ1;GFR-ALPHA-1);GEDA;GFI1;GGT1;GM-CSF;GNASI;GNRHI;GPR2(CCR10);GPR19(Gタンパク質共役受容体 19;Mm.4787);GPR31;GPR44;GPR54(KISS1受容体;KISS1R;GPR54;HOT7T175;AXOR12);GPR81(FKSG80);GPR172A(Gタンパク質共役受容体172A;GPCR41;FLJ11856;D15Ertd747e);GRCCIO(C10);GRP;GSN(ゲルソリン);GSTP1;HAVCR2;HDAC4;HDAC5;HDAC7A;HDAC9;HGF;HIF1A;HOP1;ヒスタミン及びヒスタミン受容体;HLA-A;HLA-DOB(MHCクラスII分子のベータサブユニット(Ia抗原);HLA-DRA;HM74;HMOXI;HUMCYT2A;ICEBERG;ICOSL;1D2;IFN-a;IFNA1;IFNA2;IFNA4;IFNA5;IFNA6;IFNA7;IFNB1;IFNガンマ;DFNW1;IGBP1;IGF1;IGF1R;IGF2;IGFBP2;IGFBP3;IGFBP6;IL-l;IL10;IL10RA;IL10RB;IL11;IL11RA;IL-12;IL12A;IL12B;IL12RB1;IL12RB2;IL13;IL13RA1;IL13RA2;IL14;IL15;IL15RA;IL16;IL17;IL17B;IL17C;IL17R;IL18;IL18BP;IL18R1;IL18RAP;IL19;IL1A;IL1B;ILIF10;IL1F5;IL1F6;IL1F7;IL1F8;IL1F9;IL1HY1;IL1R1;IL1R2;IL1RAP;IL1RAPL1;IL1RAPL2;IL1RL1;IL1RL2、ILIRN;IL2;IL20;IL20Rα;IL21 R;IL22;IL-22c;IL22R;IL22RA2;IL23;IL24;IL25;IL26;IL27;
IL28A;IL28B;IL29;IL2RA;IL2RB;IL2RG;IL3;IL30;IL3RA;IL4;IL4R;IL5;IL5RA;IL6;IL6R;IL6ST(糖タンパク質130);インフルエンザA;インフルエンザB;EL7;EL7R;EL8;IL8RA;DL8RB;IL8RB;DL9;DL9R;DLK;INHA;INHBA;INSL3;INSL4;IRAK1;IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2);ERAK2;ITGA1;ITGA2;ITGA3;ITGA6(a6インテグリン);ITGAV;ITGB3;ITGB4(b4インテグリン);α4β7及びαEβ7インテグリンヘテロ二量体;JAG1;JAK1;JAK3;JUN;K6HF;KAI1;KDR;KITLG;KLF5(GC Bo×BP);KLF6;KLKIO;KLK12;KLK13;KLK14;KLK15;KLK3;KLK4;KLK5;KLK6;KLK9;KRT1;KRT19(ケラチン19);KRT2A;KHTHB6(毛髪特異的H型ケラチン);LAMAS;LEP(レプチン);LGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役受容体 5;GPR49、GPR67);Lingo-p75;Lingo-Troy;LPS;LTA(TNF-b);LTB;LTB4R(GPR16);LTB4R2;LTBR;LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチリピート(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質);Ly6E(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座E;Ly67、RIG-E、SCA-2、TSA-1);Ly6G6D(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座G6D;Ly6-D、MEGT1);LY6K(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K;LY6K;HSJ001348;FLJ35226);MACMARCKS;MAG又はOMgp;MAP2K7(c-Jun);MDK;MDP;MIB1;ミッドカイン;MEF;MIP-2;MKI67;(Ki-67);MMP2;MMP9;MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子、メソテリン);MS4A1;MSG783(RNF124、仮想タンパク質FLJ20315);MSMB;MT3(メタロチオネクチン-111);MTSS1;MUC1(ムチン);MYC;MY088;Napi3b(NaPi2bとしても知られる)(NAPI-3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質担体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性ホスフェート輸送体3b);NCA;NCK2;ニューロカン;NFKB1;NFKB2;NGFB(NGF);NGFR;NgR-Lingo;NgR- Nogo66(Nogo);NgR-p75;NgR-Troy;NME1(NM23A);NOX5;NPPB;NR0B1;NR0B2;NR1D1;NR1D2;NR1H2;NR1H3;NR1H4;NR112;NR113;NR2C1;NR2C2;NR2E1;NR2E3;NR2F1;NR2F2;NR2F6;NR3C1;NR3C2;NR4A1;NR4A2;NR4A3;NR5A1;NR5A2;NR6A1;NRP1;NRP2;NT5E;NTN4;ODZI;OPRD1;OX40;P2RX7;P2X5(プリン受容体P2Xリガンド依存性イオンチャネル5);PAP;PART1;PATE;PAWR;PCA3;PCNA;PD-L1;PD-L2;PD-1;POGFA;POGFB;PECAM1;PF4(CXCL4);PGF;PGR;ホスファカン;PIAS2;PIK3CG;PLAU(uPA);PLG;PLXDC1;PMEL17(銀同族体;SILV;D12S53E;PMEL17;SI;SIL);PPBP(CXCL7);PPID;PRI;PRKCQ;PRKDI;PRL;PROC;PROK2;PSAP;PSCA hlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKEN cDNA 2700050C12、RIKEN cDNA 2700050C12遺伝子);PTAFR;PTEN;PTGS2(COX-2);PTN;RAC2(p21 Rac2);RARB;RET(ret癌源遺伝子;MEN2A;HSCR1;MEN2B;MTC1;PTC;CDHF12;Hs.168114;RET51;RET-ELE1);RGSI;RGS13;RGS3;RNF110(ZNF144);ROBO2;S100A2;SCGB1D2(リポフィリンB);SCGB2A1(マンマグロビン2);SCGB2A2(マンマグロビン1);SCYEI(内皮単球活性化サイトカイン);SDF2;Sema 5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5b Hlog、セマドメイン、7のトロンボスポンジンリピート(1型及び1型様)、膜貫通ドメイン(TM)及び短細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B);SERPINA1;SERPINA3;SERP1NB5(maspin);SERPINE1(PAI-1);SERPDMF1;SHBG;SLA2;SLC2A2;SLC33A1;SLC43A1;SLIT2;SPPI;SPRR1B(Sprl);ST6GAL1;STABI;STAT6;STEAP(6の前立腺の膜貫通上皮抗原);STEAP2(HGNC_8639、IPCA-1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺がん関連遺伝子1、前立腺がん関連タンパク質1、6の前立腺の膜貫通上皮抗原2、6の膜貫通前立腺タンパク質);TB4R2;TBX21;TCPIO;TOGFI;TEK;TENB2(推定膜貫通プロテオグリカン);TGFA;TGFBI;TGFB1II;TGFB2;TGFB3;TGFBI;TGFBRI;TGFBR2;TGFBR3;THIL;THBSI(トロンボスポンジン-1);THBS2;THBS4;THPO;TIE(Tie-1);TMP3;組織因子;TLR1;TLR2;TLR3;TLR4;TLR5;TLR6;TLR7;TLR8;TLR9;TLR10;TMEFF1(EGF様及び2つのフォリスタチン様ドメインを有する膜貫通タンパク質1;トモレグリン-1);TMEM46(shisa同族体2);TNF;TNF-a;TNFAEP2(B94);TNFAIP3;TNFRSFIIA;TNFRSF1A;TNFRSF1B;TNFRSF21;TNFRSF5;TNFRSF6(Fas);TNFRSF7;TNFRSF8;TNFRSF9;TNFSF10(TRAIL);TNFSF11(TRANCE);TNFSF12(AP03L);TNFSF13(April);TNFSF13B;TNFSF14(HVEM-L);TNFSF15(VEGI);TNFSF18;TNFSF4(OX40リガンド);TNFSF5(CD40リガンド);TNFSF6(FasL);TNFSF7(CD27リガンド);TNFSFS(CD30リガンド);TNFSF9(4-1 BBリガンド);TOLLIP;Toll様受容体;TOP2A(トポイソメラーゼEa);TP53;TPM1;TPM2;TRADD;TMEM118(ringフィンガータンパク質、膜貫通2;RNFT2;FLJ14627);TRAF1;TRAF2;TRAF3;TRAF4;TRAF5;TRAF6;TREM1;TREM2;TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容体電位カチオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4);TRPC6;TSLP;TWEAK;チロシナーゼ(TYR;OCAIA;OCA1A;チロシナーゼ;SHEP3);VEGF;VEGFB;VEGFC;バーシカン;VHL C5;VLA-4;XCL1(リンホタクチン);XCL2(SCM-1b);XCRI(GPR5/CCXCRI);YY1;及び/又はZFPM2と結合し得るか又は相互作用し得る。
【0215】
他の多くのウイルス成分及び/又は他の目的の遺伝子が、本開示に従って宿主細胞によってパッケージされる場合があり、上記の一覧は限定的であることを意味しない。
【0216】
本開示の方法は、製造規模での目的のウイルス粒子の生成に用いられ得る。治療用タンパク質又は他のタンパク質の「製造規模」での生成は、生成されるタンパク質及び必要性に応じて、約400L~約80,000Lの範囲の細胞培養物を利用する。典型的には、このような製造規模の生成には、約400Lから約25,000Lの細胞培養物のサイズが利用される。この範囲内では、4,000L、約6,000L、約8,000、約10,000、約12,000L、約14,000L、又は約16,000Lなどの特定の細胞培養物のサイズが利用され得る。
【0217】
例示的な実施態様
本開示は、特定の宿主細胞タンパク質、例えば、特定のリパーゼ、エステラーゼ、及び/又はヒドロラーゼを含むがこれらに限定されない宿主細胞酵素の活性の減少又は排除を有する修飾哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)、そのような細胞を作製するための方法、並びに目的の生成物、例えば組換えタンパク質の生成におけるそのような細胞の使用方法に関する。
【0218】
特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、1つ又は複数の酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、1つ又は複数の酵素は、以下からなる群から選択される:リポタンパク質リパーゼ(LPL);ホスホリパーゼBドメイン含有2(PLBL2/PLBD2);リパーゼA(リソソーム酸性リパーゼ/コレステリルエステルヒドロラーゼ、リパーゼ)(LIPA);ホスホリパーゼA-2-活性化タンパク質(PLAA);ホスホリパーゼD3(PLD3);ホスホリパーゼA2グループXV(LPLA2);ホスホリパーゼCベータ1(PLCB1);ホスホリパーゼCデルタ1(PLCD1);DDHDドメイン含有タンパク質1(断片)(DDHD1);リゾホスホリパーゼ様タンパク質1(LYPLAL1);ホスホリパーゼA2グループXIIA(PLA2G12A);ペルオキシレドキシン6(PRDX6);スフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ(SMPD1);パルミトイルタンパク質チオエステラーゼ1(PPT1);酢酸イソアミル加水分解エステラーゼ 1(推定)(IAH1);OTU デユビキチナーゼ、ユビキチンアルデヒド結合1(OTUB1);リゾホスホリパーゼ2(アシルタンパク質チオエステラーゼ2)(LYPLA2);アシルコエンザイムAチオエステラーゼ13(ACOT13);脂肪酸シンターゼ(FASN);ホスホリパーゼA2グループVII(PLA2G7);ユビキチン特異的ペプチダーゼ 5(USP5);N-アシルスフィンゴシンアミドヒドロラーゼ1(酸性セラミダーゼ)(ASAH1);リパーゼ成熟因子1(LMF1);アポリポタンパク質-CII(APOC2);アシルカルニチンヒドロラーゼ(HACH);カルボキシルエステラーゼ1F(CES1F)又は肝臓カルボキシルエステラーゼB-1様(CES-B1L);リゾホスホリパーゼ1(LYPLA1);カルボキシルエステラーゼ1(CES1);ホスホリパーゼA1メンバーA(PLA1A);及びシアル酸アセチルエステラーゼ(SIAE)。
【0219】
特定の実施態様では、組換え宿主細胞中のa)PPT1;b)LPLA2;LPL;及びLIPA;c)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSPD1;d)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12A;e)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSPD1;f)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13;g)LPLA2;LPL;及びPPT1;h)LPLA2;LPL;LIPA;及びPPT1;i)HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;j)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;k)SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE;l)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE;m)LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;n)LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;o)LMF1及びAPOC2は、減少又は排除されている。
【0220】
特定の実施態様では、組換え宿主細胞中の1つ又は複数の酵素の活性は、以下により減少又は排除されている:(a)酵素のノックダウン発現;又は(b)酵素のノックアウト発現;又は(c)酵素をコードする核酸配列の改変。
【0221】
特定の実施態様では、本開示は、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子を含む組換え宿主細胞を対象とする。特定の実施態様では、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子は、検出可能な酵素活性を有しない。特定の実施態様では、組換え宿主細胞は、目的の生成物をコードする核酸配列を含む。特定の実施態様では、核酸配列は、標的化された位置における哺乳動物細胞の細胞ゲノムに組み込まれる。特定の実施態様では、組換え宿主細胞は、哺乳動物細胞の細胞ゲノムに無作為に組み込まれた目的の生成物をコードする核酸をさらに含む。特定の実施態様では、修飾された細胞は、任意の検出可能なLPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEを発現させない。
【0222】
特定の実施態様では、本開示は、本開示に記載される組換え宿主細胞を含む組成物を提供する。
【0223】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。
【0224】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの活性の減少をもたらす、方法を提供する。
【0225】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。
【0226】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。
【0227】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;及び/又はASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。
【0228】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;及びASAH1のうちの1つ又は複数をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。
【0229】
特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を製造する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、以下LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。
【0230】
特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、以下LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEのうちの1つ又は複数の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。
【0231】
特定の実施態様では、本開示は、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子を含む組換え宿主細胞を提供する。特定の実施態様では、1つ又は複数の改変された酵素遺伝子は、コード領域の破壊によって改変される。特定の実施態様では、1つ又は複数の酵素遺伝子の改変は、対立遺伝子の改変を含む。特定の実施態様では、1つ又は複数の酵素遺伝子の改変は、1以上の塩基対、2以上の塩基対、3以上の塩基対、4以上の塩基対、5以上の塩基対、6以上の塩基対、7以上の塩基対、8以上の塩基対、9以上の塩基対、10以上の塩基対、11以上の塩基対、12以上の塩基対、13以上の塩基対、14以上の塩基対、15以上の塩基対、16以上の塩基対、17以上の塩基対、18以上の塩基対、19以上の塩基対、又は20以上の塩基対の欠失を含む。特定の実施態様では、1つ又は複数の酵素遺伝子は、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEである。
【0232】
上記の特定の実施態様では、遺伝子組み換えシステムは、CRISPR/Casシステム、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)システム、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。上記の特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、CRISPR/Cas9システムである。
【0233】
上記の特定の実施態様では、CRISPR/Cas9システムは、(a)Cas9分子と、(b)LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAEをコードする遺伝子中の標的配列に相補的である標的配列を含む1つ又は複数のガイドRNA(gRNA)と含む。
【0234】
上記の特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、ショートヘアピンRNA(shRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)からなる群より選択されるRNAを含み、ここで、RNAは、LPL;PLBL2/PLBD2;LIPA;PLAA;PLD3;LPLA2;PLCB1;PLCD1;DDHD1;LYPLAL1;PLA2G12A;PRDX6;SMPD1;PPT1;IAH1;OTUB1;LYPLA2;ACOT13;FASN;PLA2G7;USP5;ASAH1;LMF1;APOC2;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;CES1;PLA1A;及び/又はSIAE遺伝子のうちの1つ又は複数によって発現するmRNAの一部に相補的である。上記の特定の実施態様では、遺伝子組換えシステムは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)システム又は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システムである。
【0235】
上記の特定の実施態様では、活性の減少又は排除は、哺乳動物細胞中のa)PPT1;b)LPLA2;LPL;及び/又はLIPA;c)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;及びSPD1;d)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;PLAA;IAH1;OTUB1;LYPLA2;及びPLA2G12A;e)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLD3;及びSPD1;f)BAX;BAK;LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;PLBL2;PLD3;SPD1;CLU;PRDX1;PLAA;及びACOT13又はg)LPLA2;LPL;及びPPT1;h)LPLA2;LPL;LIPA;及びPPT1;i)HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;j)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;k)SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE;l)LPLA2;LPL;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;LYPLA1;SMPD1;CES1;PLA1A;及びSIAE;m)LPLA2;LMF1;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;n)LPLA2;LMF1;APOC2;LIPA;PPT1;HACH;CES1F/CES-B1L;及びLYPLA1;o)LMF1及びAPOC2のものである。
【0236】
上記の特定の実施態様では、本開示で提供される方法は、目的の生成物を精製すること、目的の生成物を採取すること、及び/又は目的の生成物を製剤化することをさらに含む。
【0237】
上記の特定の実施態様では、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの分解が減少する。上記の特定の実施態様では、ポリソルベート20(PS20又はTween 20)の分解が減少する。上記の特定の実施態様では、ポリソルベート80(PS80又はTween 80)の分解が減少する。
【0238】
上記の特定の実施態様では、細胞は哺乳動物細胞である。上記の特定の実施態様では、哺乳動物細胞はCHO細胞である。
【0239】
上記の特定の実施態様では、細胞は、目的の生成物を発現させる。上記の特定の実施態様では、哺乳動物細胞によって発現する目的の生成物は、核酸配列によってコードされる。上記の特定の実施態様では、核酸配列は、標的化された位置における哺乳動物細胞の細胞ゲノムに組み込まれる。上記の特定の実施態様では、細胞によって発現する目的の生成物は、哺乳動物細胞の細胞ゲノムに無作為に組み込まれた核酸配列によってさらにコードされる。
【0240】
上記の特定の実施態様では、目的の生成物は、タンパク質、ウイルス粒子、又はウイルスベクターを含む。上記の特定の実施態様では、目的の生成物は組換えタンパク質を含む。上記の特定の実施態様では、目的の生成物は、抗体又はその抗原結合断片を含む。上記の特定の実施態様では、抗体は、多重特異性抗体又はその抗原結合断片である。上記の特定の実施態様では、抗体は、単一の重鎖配列及び単一の軽鎖配列、又はそれらの抗原結合断片からなる。上記の特定の実施態様では、抗体は、キメラ抗体、ヒト抗体、又はヒト化抗体である。上記の特定の実施態様では、抗体はモノクローナル抗体である。
【0241】
特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なPPT1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、及びLIPAを発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aを発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なBAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なBAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、及びPPT1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なHACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なSMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEを発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEを発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1を発現させない。特定の実施態様では、本開示の修飾された細胞は、任意の検出可能なLMF1及びAPOC2を発現させない。
【0242】
特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、PPT1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、及びLIPA酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12A酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、及びPPT1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAE酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAE酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における酵素の活性に対して、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。特定の実施態様では、本開示は、組換え宿主細胞を提供し、ここで、細胞は、非修飾細胞における活性に対してLMF1及びAPOC2酵素の活性を減少させるか又は排除するために修飾されている。
【0243】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、PPT1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びLIPAの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2の発現をノックダウン又はノックアウトすることを含む、方法を提供する。
【0244】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがPPTIの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、及びLIPAの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがBAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがBAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、及びPPT1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2;LPL;LIPA及びPPT1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがHACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがSMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少をもたらす、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することを含み、細胞培養プロセス及び/又は培地組成を調節することがLMF1及びAPOC2の活性の減少をもたらす、方法を提供する。
【0245】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、PPT1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びLIPAの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びPPT1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2の活性が減少した細胞を選択することを含む、方法を提供する。
【0246】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、PPT1をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びLIPAのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、及びPPT1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEのうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるための方法であって、LMF1及びAPOC2のうちの1つ又は複数をコードする遺伝子を改変することを含む、方法を提供する。
【0247】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムがPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、及びLIPAの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LMF1及びAPOC2の発現をノックダウン又はノックアウトする、方法を提供する。
【0248】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、PPT1が酵素活性の減少又は排除を有するように、PPTIをコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、及びLIPAが酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、及びLIPAをコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aが酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aをコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1が酵素活性の減少又は排除を有するように、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13が酵素活性の減少又は排除を有するように、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、及びPPT1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、及びPPT1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEが酵素活性の減少又は排除を有するように、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAE及びPPT1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEが酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEをコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。
【0249】
特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1が酵素活性の減少又は排除を有するように、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、細胞中の酵素活性を減少させるか又は排除するための方法であって、細胞に遺伝子組換えシステムを施すことを含み、遺伝子組換えシステムが、LMF1及びAPOC2が酵素活性の減少又は排除を有するように、LMF1及びAPOC2をコードする核酸配列を改変する、方法を提供する。
【0250】
特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、PPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、及びLIPAの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、及びPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、及びPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞を培養することを含む、目的の生成物を生成する方法であって、哺乳動物細胞が、目的の生成物を発現させ、LMF1及びAPOC2の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。
【0251】
特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞がPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、及びLIPAの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、PLAA、IAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12Aの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びSMPD1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、BAX、BAK、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLBL2、PLD3、SMPD1、CLU、PRDX1、PLAA、及びACOT13の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、及びPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA及びPPT1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、LYPLA1、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LMF1、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LPLA2、LMF1、APOC2、LIPA、PPT1、HACH、CES1F/CES-B1L、及びLYPLA1の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。特定の実施態様では、本開示は、目的の生成物を発現させる哺乳動物細胞の集団を培養する方法であって、哺乳動物細胞が、LMF1及びAPOC2の活性の減少又は排除を有する、方法を提供する。
【実施例
【0252】
以下の実施例は、本明細書で開示されている主題の単なる例示であり、いかなる意味においても制限とみなすべきではない。
【0253】
材料及び方法
発現プラスミドの構築
重鎖及び軽鎖の両方のcDNAは、サイトメガロウイルス前初期遺伝子プロモーター及びエンハンサー(CMV)の制御下にあった。各CMV転写開始部位の後には、最終転写物から除去されるイントロンを画定するスプライスドナー及びアクセプターシーケンスが続く(Lucas et al. 1996)。(Lucas et al. 1996)。
【0254】
抗体プラスミドDNAコンストラクトの構成
1プラスミド抗体コンストラクトを構築するために、抗体重鎖(HC)遺伝子及び軽鎖(LC)遺伝子を有する断片を、L3及び2L配列並びにピューロマイシンN-アセチル-トランスフェラーゼ(pac)選択可能マーカーを含有するベクターにクローニングした。2プラスミド抗体コンストラクトを構築するために、抗体HC及びLC遺伝子断片を、L3及びLoxFAS配列を含む前方ベクターに、並びにLoxFAS及び2L配列並びにpac選択可能マーカーを含む後方ベクターにクローニングした。2プラスミド系では、pacの開始コドンは前方ベクターの末端にあり、残りのpacコード配列は後方ベクターの始めにある。すべての抗体遺伝子の前には CMVプロモーターがあり、その後に SV40ポリ(A)配列が続いた。前述のCreリコンビナーゼプラスミド(pOG231)をすべての RMCEプロセスに使用した(O’Gorman S, Dagenais NA, Qian M, Marchuk Y. Proc Natl Acad Sci U S A. 1997 Dec 23;94(26):14602-7).
【0255】
L3配列:5’ ATAACTTCGTATAAAGTCTCCTATACGAAGTTAT
LoxFAS配列:5’ ATAACTTCGTATAGAAAGGTATATACGAAGTTAT
2L配列:5’ ATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTAT
【0256】
細胞培養
150rpm、37℃、及び5% CO2の振とうフラスコ容器中の独自のDMEM/F12をベースとする培地中でCHO細胞を培養した。3~4日ごとに3×10/mLの播種密度で細胞を継代した。
【0257】
安定なトランスフェクション及びタンパク質生成
製造業者の推奨に従って(Invitrogen, Carlsbad, CA)、リポフェクタミン2000 CDを使用してCHO細胞を形質転換した。形質転換した細胞を遠心分離し、DMEM/F-12をベースとする選択的な(グルタミン非含有)培地にさまざまな濃度のメチオニンスルホキシミン(MSX)で播種した。播種の約3週間後、個別のコロニーを96ウェルプレート中に採取した。採取されたコロニーを、ELISA分析のために上清を採取することにより、抗体産生について評価した。上位のクローンをスケールアップして、3日目に温度を35度に変化させ、14日間のフェドバッチ培養プロセスを使用して抗体を産生した。
【0258】
TI安定細胞株の発生
発現プラスミドをMaxCyte STXエレクトロポレーション(MaxCyte、Gaithersburg、MD)によってトランスフェクトした。次いで、ピューロマイシン及び1-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-1-ベータ-D-アラビノフラノシル-5-ヨード)ウラシル(FIAU)(Moravek)を用いて、トランスフェクトされた細胞を選択した。プール選択後、単一細胞クローニング(SCC)を実施した。HTRFアッセイによってクローンを抗体力価についてスクリーニングし、最高力価のクローンをさらなる評価のためにスケールアップした。
【0259】
細胞培養のパフォーマンスについてのフェドバッチ産生アッセイ
フィードバッチ産生培養を、独自の化学的に定義された産生培地を含む振とうフラスコ又はambr15容器(Sartorius Stedim)で実施した。細胞を0日目に1×10細胞/mLで播種し、3日目に37℃から35℃に温度を変化させた。3、7、及び10日目に、培養物に独自のフィード培地を加えた。Vi-Cell XR装置(Beckman Coulter)を使用して、0、3、7、10、及び14日目に、培養物中の細胞の生存細胞数(VCC)及び生存率割合を測定した。Bioprofile 400 Analyzer(Nova Biomedical)を使用して、7、10及び14日目にグルコース濃度及び乳酸濃度を測定した。UV検出を伴うプロテインA親和性クロマトグラフィーを使用して、14日目の力価を決定した。
【0260】
組換えリパーゼの発現及び精製
C末端6xHis-又は二重6xHis-Flagエピトープに融合し、哺乳動物サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって生じる、パルミトイルタンパク質チオエステラーゼ1(UniprotアクセッションG3HN89)、N-アシルスフィンゴシン アミドヒドロラーゼ1(UniprotアクセッションG3GZB2)、リパーゼA(UniprotアクセッションG3HQY6)、ホスホリパーゼA2 グループ15(UniprotアクセッションG3HKV9)、アシルカルニチンヒドロラーゼ(UniprotアクセッションG3IIG1)、肝臓カルボキシルエステラーゼB-1様タンパク質(UniprotアクセッションA0A061IAA7)、リソホスホリパーゼ1(UniprotアクセッションA0A098KXH0)、スフィンゴミエリン ホスホジエステラーゼ(UniprotアクセッションG3IMH4)、カルボキシルエステラーゼ1(UniprotアクセッションA0A061ID92)、ホスホリパーゼA1 メンバーA(UniprotアクセッションG3I1J5)、及びシアル酸 アセチルエステラーゼ(UniprotアクセッションG3IIB1)などの酵素の発現のためのプラスミドを、遺伝子合成と、それに続くpRK5発現ベクターへのサブクローニングによって作成した。発現コンストラクトを、DNA配列決定によって検証し、CHO細胞中に一過性にトランスフェクトした。分泌された組換えリパーゼをトランスフェクション後10日目に採取し、Ni-NTA、サイズ排除、及び抗Hisアフィニティクロマトグラフィーによって精製した。精製したリパーゼを所望のバッファー中に透析し、-80℃で保管した。
【0261】
組換えヒトリポタンパク質リパーゼ(UniprotアクセッションQ6IAV0)を評価のための外部のベンダーから購入した(R&D Systemsカタログ番号9888-LL-100)。
【0262】
同定したHCPのサブセットにおけるポリソルベート分解活性の評価
mAb 2原薬(DS)を、パルミトイル-チオエステラーゼ1(PPT1)、組換えヒトリポタンパク質リパーゼ(rhLPL)、N-アシルスフィンゴシン アミドヒドロラーゼ1(ASAH1)、及びリパーゼA(LIPA)でスパイクし、最終濃度をそれぞれ10μg/mL、0.6μg/mL、10μg/mL、及び2.5μg/mLにした。これらの溶液を、温度を25℃にコントロールしながらAgilent 1200オートサンプラー中でインキュベートした。10~15時間の選択した時点で、20μLをサンプリングして注入し、ELSDに連結した混合モードHPLCによってPS20含有量を決定した。
【0263】
バイオ医薬的に代表的である製剤バッファー(ヒスチジン-アセテート、pH6.0、120mMスクロース、0.02%又は0.04% PS20(w:v)含有)を精製した酵素でスパイクして、ホスホリパーゼA2 グループ15(LPLA2)を0.5μg/mL、アシルカルニチン ヒドロラーゼ(HACH)を5μg/mL、肝臓カルボキシルエステラーゼB-1様タンパク質(CES-B1L)を5μg/mL、リポホスホリパーゼ1(LYPLA1)を0.5μg/mL、スフィンゴミエリン ホスホジエステラーゼ(SMPD1)を52μg/mL、カルボキシルエステラーゼ1(CES1)を50μg/mL、ホスホリパーゼA1 メンバーA(PLA1A)を31μg/mL、及びシアル酸 アセチルエステラーゼ(SIAE)を70μg/mLの濃度にした。これらの溶液を、温度を25℃にコントロールしながらAgilent 1200オートサンプラー中でインキュベートした。6~15時間の選択した時点で、20μLをサンプリングして注入し、ELSDに連結した混合モードHPLCによってPS20含有量を決定した。
【0264】
PS20分解アッセイを使用した、CHO細胞からの精製したmAbsのリパーゼ/エステラーゼノックアウト(KO)の評価
ポリソルベート分解に対するKOの影響を、リパーゼ/エステラーゼ遺伝子がノックアウトされた組換えmAb産生CHO細胞株を使用して生成された精製mAbサンプルと、遺伝子がノックアウトされていない対応するmAb産生CHO細胞株とを比較することによって評価した。mAb産生CHO細胞の産生培養を、同じ培養条件を使用して小規模(2-L)バイオリアクターで実施した。およそ2週間後、産生バイオリアクター内で培養物を採取及び精製した。各mAbについて、培養上清を、同じ下流の処理工程(アフィニティ及びポリッシングクロマトグラフィー)及び条件で採取し、試験用に精製材料を生成した。このように、所与のmAbについて、精製サンプルは、上流と下流の処理工程及び条件が同一であるため、KO細胞又はコントロール細胞の使用において異なるだけである。ポリソルベート20(PS20)分解アッセイを細胞培養採取物ではなく精製材料で行うことは重要であるが、これは、精製材料が、リアルタイムの長期保存中にポリソルベートの分解及び粒子形成が起こり得る医薬品をより代表しているためである。
【0265】
PS20分解アッセイを実施するために、精製サンプルをPS20(0.04% v/v)及びメチオニン(20mg/ml)でスパイクし、およそ2週間25℃でインキュベートし、サンプルを複数の時点で採取した。インキュベーション後、サンプルを、前述のように、酵素切断から放出される遊離脂肪酸(ラウリン酸)を定量することによって、PS20の加水分解を分析した(Cheng et al., J Pharm Sci, 2019, Volume 108, Issue 9, 2880-2886ページ)。ラウリン酸の放出速度は、PS20の分解に対する酵素活性を表した。リパーゼ/エステラーゼ遺伝子がノックアウトした(すなわち、KO)細胞のラウリン酸の放出速度を、コントロール細胞(すなわち、KOなし)の放出速度と比較した。コントロール細胞を使用した対応するmAbサンプルに対する、遺伝子がノックアウトしたmAbサンプルにおけるラウリン酸の放出速度の減少率を算出することによって、PS20分解を阻害することに対するKOの有効性を評価した(図15)。例えば、KO細胞におけるPS20加水分解の完全な阻害は、PS分解活性の100%の減少をもたらすことになる(ラウリン酸の放出速度として表される)。
【0266】
実施例1:3つのモノクローナル抗体の濃縮したサンプル中で28の酵素が見られた
図1は、精製プロセス中の異なる段階から取られた濃縮したmAb-1、mAb-2、及びmAb-3サンプルで28の酵素が見られたことを同定している。28の酵素には、リパーゼ、エステラーゼ、及びヒドロラーゼが含まれる。mAb-1サンプルでは、18の酵素が見られた。mAb-2サンプルでは、15の酵素が見られた。さらに、mAb-3サンプルでは、8つの酵素が見られた。
【0267】
実施例2:空のCHO宿主細胞の生成のための多重KOアプローチ
単一又は複数のノックアウト遺伝子を有する空のCHO細胞株宿主を、図2に示す手法を使用して親CHO宿主細胞株から生成した。PLBL2遺伝子がノックアウトされた親宿主から1×KO宿主を生成した。親宿主から3×宿主を生成するために、LPLA2、LPL、及びリパーゼA遺伝子を同時にノックアウトした。3×宿主から7×宿主を生成するために、PPT1、PLD3、PLBL2、及びSMPD1遺伝子をさらにノックアウトした。7×宿主から12×宿主を生成するために、PLAA、LAH1、OTUB1、LYPLA2、及びPLA2G12a遺伝子をさらにノックアウトした。親宿主を使用し、Bax遺伝子及びBak遺伝子をノックアウトすることにより、Bax-Bak KO宿主を生成した。Bax-Bak KO宿主から8×宿主を生成するために、LPLA2、LPL、リパーゼA、PPT1、PLD3、及びSPD1遺伝子をさらにノックアウトした。8×KO宿主から13×宿主を生成するために、Clu、PRDX1、Plaa、及びAcot13遺伝子をさらにノックアウトした。各KO宿主細胞株のノックアウト遺伝子を図3に列挙する。
【0268】
実施例3:PLBL2 KO細胞は、親CHO宿主細胞株と同等の細胞成長及び生産性を有する。
mAb-A発現細胞株の培養シードトレインを用いて、標準的又は強化された供給戦略を使用し、バイオリアクター内に産生培養物を準備した。1×KO及び親CHO細胞株の成長及び生存率を図4A及び図4Cに示した。1×KO細胞株の力価(図4B)は、親CHO宿主細胞と同等又はそれ以上であった。
【0269】
実施例4:3-リパーゼ/エステラーゼノックアウトCHO細胞株の細胞成長
3種のリパーゼ/エステラーゼのノックアウト(3×KO)がCHO細胞株の成長及びmAb-Bの発現に及ぼす影響を評価した。3×KO細胞株の細胞成長を親CHO細胞株と比較した。mAb-Bを発現させる3×KO細胞株の成長(生細胞数の積分値、IVCCとして表される)を図5Aに示す。力価及び比生産性(Qp)をそれぞれ図5B及び5Cに示す。
【0270】
実施例5:7-リパーゼ/エステラーゼノックアウトCHO細胞株の細胞成長
7種のリパーゼ/エステラーゼのノックアウト(7×KO)がCHO細胞株の成長に及ぼす影響を評価した。7×KO細胞の細胞成長を親CHO細胞株と比較したところ、7×KO細胞宿主の成長(生細胞数の積分値、IVCCとして表される)が、親CHO細胞株と同等であることを示した(図6A)。7×KO宿主の生存率及び乳酸蓄積をそれぞれ図6B及び6Cに示す。
【0271】
実施例6:7×ノックアウトCHO細胞株における3つの異なる抗体の産生
7×KOが3つの異なる抗体の発現に及ぼす影響も評価した。3つの異なる抗体に対する7×KO細胞株の成長(図7A)、力価(図7B)、及び比生産性(図7C)は、親CHO宿主細胞と同等又はそれ以上であった。
【0272】
実施例7:8-リパーゼ/エステラーゼノックアウトCHO細胞株の細胞成長
8種のリパーゼ/エステラーゼのノックアウト(8×KO)がCHO細胞株の成長に及ぼす影響を評価した。Ba×Bak KO宿主及び8×KO細胞株の細胞成長を親CHO細胞株と比較したところ、8×KO及びBa×Bak KO細胞宿主の成長(生細胞数の積分値、IVCCとして表される)が、親CHO細胞株と同等であることを示した(図8A)。8×KO宿主及びBa×Bak KO宿主の生存率及び乳酸蓄積をそれぞれ図8B及び8Cに示す。
【0273】
実施例8:12-リパーゼ/エステラーゼノックアウトCHO細胞株の細胞成長
12種のリパーゼ/エステラーゼのノックアウト(12×KO)がCHO細胞株の成長に及ぼす影響を評価した。12×KO細胞株の13日目(D13)の細胞成長を、親CHO細胞株、3×KO宿主、及び7×KO宿主を比較したところ、12×KO細胞宿主の成長(生細胞数の積分値、IVCCとして表される)が、親CHO細胞株と同等であることを示した(図9A)。12×KO宿主のD13生存率及び乳酸蓄積をそれぞれ図9B及び9Cに示す。
【0274】
実施例9:7×ノックアウトCHO細胞株におけるmAb-2の産生
7×KOがmAb-2の発現に及ぼす影響も評価した。mAb-2に対する7×KO細胞株の平均的なD10力価(図10A)、D10及びD14の成長(図10B)、D10の比生産性(図10C)、並びにD14の乳酸蓄積(図10D)は、親CHO宿主細胞と同等であった。
【0275】
実施例10:7×ノックアウトCHO細胞株におけるmAb-1の産生
7×KOがmAb-1の発現に及ぼす影響も評価した。mAb-2に対する7×KO細胞株の力価(図11A)、成長(図11B)、及び比生産性(図11C)は、親CHO宿主細胞と同等であった。
【0276】
実施例11:7×リパーゼ/エステラーゼノックアウトCHO細胞株におけるPS20分解
mAb-B産生細胞株で、7種の(7×KO)リパーゼ/エステラーゼノックアウトがPS20分解に及ぼす影響を評価した。これらの細胞株は、7×KO CHO宿主(図3)をトランスフェクトしてmAb-Bを産生することにより生成された。バイオリアクター中で細胞を培養した後、アフィニティ及びポリッシングクロマトグラフィー工程を通じて細胞培養採取物を処理した。7×KOリパーゼ細胞株では,下流処理の最後に得られる精製材料において、親CHO細胞株と比較して、PS20分解が61%減少した(図12)。PS20の分解の減少は、精製プロセスの大幅な最適化を可能にすることができ、さらに重要なことは、医薬品における粒子形成のリスクを低減することである。
【0277】
実施例12:組換えLIPA、ASAH1、LPL、PPT1、LPLA2、HACH、CES-B1L、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEの特性評価
これまでのPS加水分解酵素の報告やトリグリセリドとポリソルベートの構造の類似性を考慮し、LIPA、ASAH1、LPL、及びPPT1を選択して、ポリソルベート加水分解酵素の分解特性をより詳細に評価した。CHO LIPA、ASAH1、PPT1、LPLA2、HACH、CES-B1L、SMPD1、CES1、PLA1A、及びSIAEは、CHO細胞中のHisタグコンストラクトとして発現し、方法のセクションに記載するように精製される。各酵素のSDS-PAGEを図13に示す。すべての酵素は、インタクト質量MSによって目的のタンパク質であることが確認された(データは示さず)。また、組換えヒトLPL(rhLPL)は商業的な供給源から購入したのに対し、試験した他のすべての酵素はC. griseus由来であることも言及すべきである。
【0278】
これらの酵素を、ポリソルベートを分解する能力についてさらに特性評価した。各酵素を、ポリソルベート含有mAb製剤にスパイクした。時間の関数としてポリソルベート濃度を測定することによって、酵素活性を測定した。最終的に、PPT1、LIPA、及びrhLPL(それぞれ10μg/mL、10μg/mL、及び0.6μg/mL)は、試験した時間枠、10~15時間以内にポリソルベートを分解できることが示された一方、ASAH1(2.5μg/mL)は図14aに示すように測定できる分解を示さなかった。また、HACH、LYPLA1、CES-B1L、及びLPLA2(それぞれ5μg/mL、5μg/mL、0.5μg/mL、及び0.5μg/mL)は、製剤バッファーの溶液中でポリソルベートを分解できることも示された(図14b)。さらなる加水分解酵素のセット、PLA1A、SIAE、CES1、及びSMPD1(それぞれ31μg/mL、70μg/mL、50μg/mL、及び52μg/mL)も製剤バッファーの溶液中でポリソルベートを分解できたが、ポリソルベートを分解するためには、これらの組換え発現酵素をより高濃度にする必要があった(図14c)。
【0279】
実施例13:さらなる7×及び12×リパーゼ/エステラーゼノックアウトCHO細胞株におけるPS20分解
CHO細胞株中の7種(7×KO)及び12種(12×KO)の遺伝子をノックアウトすることがPS20分解に及ぼす影響を、4つのさらなるmAb産生細胞株において評価した。これらの細胞株を、7×KO又は12×KO CHO宿主(図3)をトランスフェクトして、目的のmAbを産生することによって作製した。7×KOの効果をmAb W細胞株及びmAb X細胞株で、12×KOの効果をmAb Y細胞株及びとmAb Z細胞株で試験した。バイオリアクター中細胞を培養した後、細胞培養採取物を、アフィニティクロマトグラフィー及びポリッシングクロマトグラフィーの工程を通じて処理した。いずれの場合も、精製終了時に生成された材料は、遺伝子をノックアウトしていないコントロール細胞株に対して、7×KO細胞株及び12×KO細胞株のPS20分解に対する酵素活性が低下していた(図15)。PS20の分解の減少は、精製プロセスの大幅な最適化を可能にすることができ、さらに重要なことは、医薬品における粒子形成のリスクを低減することである。
【0280】
実施例14:複数のリパーゼ/エステラーゼ遺伝子がノックアウトされたmAb T細胞株におけるPS20分解
mAb Tを産生する組換えCHO細胞株のリパーゼ/エステラーゼ遺伝子をノックアウトすることがPS20の分解に及ぼす影響を評価した。これらの細胞株を、組換えmAb T産生CHO細胞株からリパーゼ/エステラーゼ遺伝子を連続してノックアウトすることにより産生した。1×KO(LPLA2)及び2×KO(LPLA2及びLPL)が細胞株に及ぼす影響を初めに試験した。その後、3×KO(LPLA2、LPL、及びLIPA)及び6×KO(LPLA2、LPL、LIPA、PPT1、PLD3、及びPLBL2)が細胞株に及ぼす影響を試験した。バイオリアクター中細胞を培養した後、細胞培養採取物を、アフィニティクロマトグラフィー及びポリッシングクロマトグラフィーの工程を通じて処理した。いずれの場合も、精製終了時に生成された材料は、遺伝子をノックアウトしていないコントロール親mAb T細胞株に対して、1×KO細胞株、2×KO細胞株、3×KO細胞株、及び6×KO細胞株のPS20分解に対する酵素活性が低下していた(図16)。3×KO細胞株及び6×KO細胞株を用いた2セット目の実験は、1×KO細胞株及び2×KO細胞株を用いた1セット目の実験よりも低いPS20分解活性を示した。まとめると、これらの結果は、ポリソルベート分解酵素を発現させる複数の関連リパーゼ/エステラーゼ遺伝子をノックアウトすることの潜在的な利点を示している。PS20の分解の減少は、精製プロセスの大幅な最適化を可能にすることができ、さらに重要なことは、医薬品における粒子形成のリスクを低減することである。
【0281】
本出願を通して引用される、全ての図面及び全ての参考文献、特許及び公開された特許出願、並びに寄託番号の内容物は、参照により本明細書に明示的に援用されている。
図1
図2
図3
図4A-4C】
図5A-5C】
図6A-6C】
図7A-7C】
図8A-8C】
図9A-9C】
図10A-10C】
図11A-11C】
図12
図13A-13K】
図14A-14C】
図15
図16
【配列表】
2023518841000001.app
【国際調査報告】