(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】渦巻溝付き積重板非絶縁超伝導磁石のための導体および冷却剤体系
(51)【国際特許分類】
H10N 60/20 20230101AFI20230426BHJP
H01F 6/04 20060101ALI20230426BHJP
H01F 6/06 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
H10N60/20 ZAA
H01F6/04
H01F6/06 140
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557713
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 US2021024160
(87)【国際公開番号】W WO2021195383
(87)【国際公開日】2021-09-30
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】521259219
【氏名又は名称】コモンウェルス・フュージョン・システムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】ラボンバード,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マムガード,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ベック,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥーディ,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
4M114
【Fターム(参考)】
4M114AA08
4M114AA15
4M114AA17
4M114BB10
4M114CC03
4M114CC11
4M114CC16
4M114CC17
4M114DA08
4M114DB02
4M114DB33
(57)【要約】
板の中に、反対位置関係の面上に、冷却剤チャネルおよび伝導チャネルを配置構成することを含む、積重板超伝導磁石における導体および冷却剤配置のための体系が説明される。2つの型のチャネルが、板積重体の全域で互いと位置合わせされる場合、板は、1つの板における冷却チャネルが、隣り合う板の伝導チャネルに隣接するように積重され得る。いくつかのこれらの板を積重することにより、それゆえに、冷却は、各々の隣り合う板の冷却チャネルを通して、各々の伝導チャネルに供給され得る。その上、2つの型のチャネルを位置合わせすることにより、板の積重体は、改善される機械的強度を有し得、なぜならば、チャネルのいずれも通って進まない、積重体全体を通る機械的荷重経路が創出され得るからである。チャネルのこの配置構成は、高いローレンツ荷重に耐え得る板の非常に強固な積重体を生み出し得る。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の板を含む積重体をなして配置構成される複数の板であって、前記第1の板は、
前記第1の板の第1の側の伝導チャネルであって、前記伝導チャネルの少なくとも一部は、渦巻経路をなして配置構成され、前記伝導チャネルは、高温超伝導体(HTS)材料と伝導性材料とを備える、伝導チャネルと、
前記第1の板の第2の側の複数の冷却チャネルであって、前記第2の側は、前記第1の側と反対位置関係にある、複数の冷却チャネルと
を備える、複数の板
を備える磁石。
【請求項2】
前記伝導性材料は、前記HTS材料の上に配置構成される、請求項1に記載の磁石。
【請求項3】
前記HTS材料の上に配置構成される前記伝導性材料は、前記第1の板の前記第1の側と同一平面である上側表面を有する、請求項2に記載の磁石。
【請求項4】
前記複数の冷却チャネルの各々の少なくとも一部は、前記伝導チャネルの前記少なくとも一部の前記渦巻経路と位置合わせされる、請求項1に記載の磁石。
【請求項5】
前記第1の板の前記複数の冷却チャネルは、第1の複数の冷却チャネルであり、
前記複数の板は、第2の板を含み、前記第2の板は、第2の複数の冷却チャネルを備え、
前記第1および第2の板は、前記第2の複数の冷却チャネルが、前記第1の板の前記伝導チャネルにおける前記伝導性材料に隣接するように、前記積重体において互いの隣に配置構成される、
請求項1に記載の磁石。
【請求項6】
前記第1の板を前記第2の板に結合する少なくとも1つのボルトをさらに備える、請求項5に記載の磁石。
【請求項7】
前記積重体をなして配置構成される、前記第1の板の複数の実例と、前記第2の板の複数の実例とを備え、前記積重体における前記複数の板は、前記第1の板の前記実例と、前記第2の板の前記実例との間で交互になる、請求項5に記載の磁石。
【請求項8】
前記第1および第2の複数の冷却チャネルの第1の端部に結合される冷却入口と、前記第1および第2の複数の冷却チャネルの第2の端部に結合される冷却出口とをさらに備える、請求項5に記載の磁石。
【請求項9】
前記第1の板と前記第2の板との間に配置構成される絶縁材料を、前記第1の板および第2の板が両方前記絶縁材料と接触するようにさらに備える、請求項5に記載の磁石。
【請求項10】
前記絶縁材料は、前記第1の板の少なくとも一部が前記第2の板と直接的に接触するように、前記第1の板と前記第2の板との間の界面の一部分を被覆する、請求項9に記載の磁石。
【請求項11】
前記渦巻経路はレーストラック渦巻である、請求項1に記載の磁石。
【請求項12】
前記第1の板は、前記複数の冷却チャネルおよび前記伝導チャネルが形成される第1の材料から形成され、前記第1の材料は鋼を備える、請求項1に記載の磁石。
【請求項13】
前記HTS材料は、HTSテープの積重体を備える、請求項1に記載の磁石。
【請求項14】
HTSテープの前記積重体の、各々のHTSテープは、銅金属被覆に包み込まれる希土類バリウム銅酸化物(REBCO)材料を備える、請求項13に記載の磁石。
【請求項15】
前記第1の板は、前記HTS材料と前記伝導性材料との間にPbおよび/またはSnはんだをさらに備える、請求項1に記載の磁石。
【請求項16】
前記HTS材料の上に配置構成される前記伝導性材料は銅を備える、請求項1に記載の磁石。
【請求項17】
第1の板を含む積重体をなして配置構成される複数の板であって、前記第1の板は、
前記第1の板の第1の側の伝導チャネルであって、前記伝導チャネルの少なくとも一部は、渦巻経路をなして配置構成され、前記伝導チャネルは、高温超伝導体(HTS)材料と伝導性材料とを備える、伝導チャネルと、
前記伝導チャネルの中の前記HTS材料および/または伝導性材料の凹形領域により形成される複数の冷却チャネルと
を備える、複数の板
を備える磁石。
【請求項18】
前記複数の板は、第2の板を備え、前記第2の板の第1の側は、前記第1の板の前記第1の側に隣接して配置構成され、それによって、前記第1の板の前記複数の冷却チャネルの境界を定める、請求項17に記載の磁石。
【請求項19】
前記第2の板の前記第1の側は平坦である、請求項18に記載の磁石。
【請求項20】
前記第1の板の前記複数の冷却チャネルは、第1の複数の冷却チャネルであり、前記第2の板の前記第1の側は、前記第1の複数の冷却チャネルと位置合わせされる第2の複数の冷却チャネルを備える、請求項18に記載の磁石。
【請求項21】
前記第1の板の前記伝導チャネルは、第1の伝導チャネルであり、前記第2の板は、第2の伝導チャネルを備え、前記第2の複数の冷却チャネルは、前記第2の伝導チャネルの中のHTSおよび/または伝導性材料の凹形領域により形成される、請求項20に記載の磁石。
【請求項22】
前記第1および第2の複数の冷却チャネルの第1の端部に結合される冷却入口と、前記第1および第2の複数の冷却チャネルの第2の端部に結合される冷却出口とをさらに備える、請求項20に記載の磁石。
【請求項23】
前記第1の板を前記第2の板に結合する少なくとも1つのボルトをさらに備える、請求項18に記載の磁石。
【請求項24】
前記積重体をなして配置構成される、前記第1の板の複数の実例と、前記第2の板の複数の実例とを備え、前記積重体における前記複数の板は、前記第1の板の前記実例と、前記第2の板の前記実例との間で交互になる、請求項18に記載の磁石。
【請求項25】
前記第1の板と前記第2の板との間に配置構成される絶縁材料を、前記第1の板および第2の板が両方前記絶縁材料と接触するようにさらに備える、請求項18に記載の磁石。
【請求項26】
前記絶縁材料は、前記第1の板の少なくとも一部が前記第2の板と直接的に接触するように、前記第1の板と前記第2の板との間の界面の一部分を被覆する、請求項25に記載の磁石。
【請求項27】
前記複数の冷却チャネルの各々の少なくとも一部は、前記伝導チャネルの前記少なくとも一部の前記渦巻経路と位置合わせされる、請求項17に記載の磁石。
【請求項28】
前記渦巻経路はレーストラック渦巻である、請求項17に記載の磁石。
【請求項29】
前記第1の板は、前記伝導チャネルが形成される第1の材料から形成され、前記第1の材料は鋼を備える、請求項17に記載の磁石。
【請求項30】
前記HTS材料は、HTSテープの積重体を備える、請求項17に記載の磁石。
【請求項31】
HTSテープの前記積重体の、各々のHTSテープは、銅金属被覆に包み込まれる希土類バリウム銅酸化物(REBCO)材料を備える、請求項30に記載の磁石。
【請求項32】
前記第1の板は、前記HTS材料と前記伝導性材料との間にPbおよび/またはSnはんだをさらに備える、請求項17に記載の磁石。
【請求項33】
前記伝導性材料は、前記HTS材料の上に配置構成され、前記複数の冷却チャネルは、前記伝導性材料の中に形成される、請求項17に記載の磁石。
【請求項34】
前記伝導性材料は銅を備える、請求項17に記載の磁石。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]超伝導体は、ある程度の臨界温度より下で、電流に対する電気抵抗を有さない(「超伝導」である)材料である。多くの超伝導体にとって、臨界温度は30Kより下であり、そのことによって、超伝導状態におけるこれらの材料の動作は、液体ヘリウムまたは超臨界ヘリウムによってなどで、かなりの冷却を要する。
【0002】
[0002]高磁場磁石は、抵抗なしで高電流を搬送する超伝導体の能力に起因して、超伝導体から構築されることが多い。そのような磁石は、実例として、5kAより大きい電流を搬送し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]いくつかの態様によれば、第1の板を含む積重体をなして配置構成される複数の板であって、第1の板は、第1の板の第1の側の伝導チャネルであって、伝導チャネルの少なくとも一部は、渦巻経路をなして配置構成され、伝導チャネルは、高温超伝導体(HTS)材料と伝導性材料とを備える、伝導チャネルと、第1の板の第2の側の複数の冷却チャネルであって、第2の側は、第1の側と反対位置関係にある、複数の冷却チャネルとを備える、複数の板を備える磁石が提供される。
【0004】
[0004]いくつかの態様によれば、第1の板を含む積重体をなして配置構成される複数の板であって、第1の板は、第1の板の第1の側の伝導チャネルであって、伝導チャネルの少なくとも一部は、渦巻経路をなして配置構成され、伝導チャネルは、高温超伝導体(HTS)材料と伝導性材料とを備える、伝導チャネルと、伝導チャネルの中のHTS材料および/または伝導性材料の凹形領域により形成される複数の冷却チャネルとを備える、複数の板を備える磁石が提供される。
【0005】
[0005]前述の装置および方法実施形態は、上述で説明された、または、下記でさらに詳細に説明される、態様、特徴、および行為の任意の適した組み合わせによって実現され得る。本教示のこれらおよび他の、態様、実施形態、および特徴は、付随する図面と連関する、後に続く説明から、より完全に理解され得る。
【0006】
[0006]様々な態様および実施形態が、後に続く図を参照して説明されることになる。図は、必ずしも一定の縮尺で描画されないということが理解されるはずである。図面において、様々な図において例示される、各々の同一の、または、ほぼ同一の構成要素は、類する番号により表される。明確さの目的のために、あらゆる構成要素が、あらゆる図面において標識付けされるとは限らないことがある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0007]いくつかの実施形態による、積重板超伝導磁石における使用に適した例示的な板の一部分の断面視図である。
【
図2A】[0008]いくつかの実施形態による、超伝導磁石における板の例示的な積重体の異なる断面を示す図である。
【
図2B】いくつかの実施形態による、超伝導磁石における板の例示的な積重体の異なる断面を示す図である。
【
図3A】[0009]いくつかの実施形態による、超伝導磁石における板の積重体内に含まれ得る、ある型の例示的な個々の板の、反対位置関係にある表面の斜視図である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、超伝導磁石における板の積重体内に含まれ得る、ある型の例示的な個々の板の、反対位置関係にある表面の斜視図である。
【
図3C】[0010]いくつかの実施形態による、超伝導磁石における板の積重体内に含まれ得る、ある型の例示的な個々の板の、反対位置関係にある表面の斜視図である。
【
図3D】いくつかの実施形態による、超伝導磁石における板の積重体内に含まれ得る、ある型の例示的な個々の板の、反対位置関係にある表面の斜視図である。
【
図4】[0011]いくつかの実施形態による、超伝導磁石の板の例示的な積重体の斜視図である。
【
図5】[0012]いくつかの実施形態による、外側容器を伴う超伝導磁石の板の例示的な積重体の斜視図である。
【
図6】[0013]いくつかの実施形態による、積重体への構造的荷重を描写する板の積重体の断面視図を描写する図である。
【
図7】[0014]いくつかの実施形態による、HTS材料がHTSテープの積重体として設けられる、板の例を例示する図である。
【
図8】[0015]いくつかの実施形態による、伝導チャネルが伝導性共巻きテープに加えて共巻きHTSテープの積重体を備える、板の例を例示する図である。
【
図9A】[0016]いくつかの実施形態による、冷却チャネルが伝導チャネルの中に配置構成される、積重板超伝導磁石における使用に適した例示的な板の断面を描写する図である。
【
図9B】いくつかの実施形態による、冷却チャネルが伝導チャネルの中に配置構成される、積重板超伝導磁石における使用に適した例示的な板の断面を描写する図である。
【
図9C】いくつかの実施形態による、冷却チャネルが伝導チャネルの中に配置構成される、積重板超伝導磁石における使用に適した例示的な板の断面を描写する図である。
【
図10】[0017]いくつかの実施形態による、切り取られた一部分が発電設備の様々な構成要素を例示する、核融合発電設備の3次元グラフィックである。
【
図11A】[0018]いくつかの実施形態による、例示的な冷却チャネル配置構成の俯瞰図を描写する図である。
【
図11B】いくつかの実施形態による、例示的な冷却チャネル配置構成の俯瞰図を描写する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0019]高磁場超伝導磁石は、多層配置構成をなして群にされる複数個の電気的に絶縁されたケーブル巻回部を備えることが多い。超伝導材料が、その超伝導材料の臨界温度(それより下で材料の電気抵抗率がゼロに降下する温度)より下であるのに十分に冷たいとき、磁石を駆動することは、電流が損失なしに超伝導経路を通って進むことを可能とする。しかしながら、様々な理由のために、超伝導材料のいくらかまたはすべては、その超伝導材料の臨界温度より上に加熱され、それゆえに、その超伝導材料の超伝導特性を失うことがある。制御されない場合、そのような加熱は、しばしば「クエンチ」と呼称される、超伝導体がその超伝導体の超伝導能を失うことにつながり得る。その上、クエンチが、(例えば、運転停止することにより)システムにより、適正に対処されない場合、構成要素は、加熱により損傷され得る。
【0009】
[0020]いくつかの超伝導磁石システムは、能動的な警報および検出機構のシステムによって、クエンチ事象を取り扱う。他の超伝導磁石システムは、超伝導磁石それ自体の設計によって、受動的にクエンチを取り扱う。後者の手法の例は、磁石の隣接する超伝導巻回部が、互いから絶縁されるのではなく、代わりに、従来の導体(すなわち、超伝導体ではない)により分離される、非絶縁(NI)磁石(さらには、無絶縁(NI:no-insulation)磁石と呼称される)である。磁石が超伝導体の臨界温度より下で動作しているとき、電流は、超伝導体を通って、および、巻回部を横断せずに流れるものであり、なぜならば、超伝導体は、巻回部どうしの間にある導体の有限の抵抗と比較して、ゼロ抵抗を有するからである。
【0010】
[0021]しかしながら、クエンチ中、超伝導体の少なくとも1つまたは複数の一部分は、「常伝導(normal)」(非超伝導)状態にあり得る(すなわち、超伝導体の少なくとも1つまたは複数の一部分は、超伝導体の特性であるゼロ抵抗よりむしろ有限の抵抗を有する)。常伝導抵抗を有する、超伝導体の少なくとも1つまたは複数の一部分は、時には、超伝導体の「常伝導ゾーン」と呼称される。常伝導ゾーンが出現するとき、少なくともいくつかのゼロ抵抗電流通路はもはや存在せず、そのことは、電流が、常伝導ゾーンを通って、および/または、巻回部どうしの間で流れることを引き起こし、これらの通路どうしの間の電流流れの均衡は、それらの通路の相対抵抗に依存する。超伝導材料からの少なくともいくらかの電流について、その超伝導材料が常伝導であるときに、この様式において進路を変えることにより、それゆえに、NI磁石、および特に、非絶縁高温超伝導体(NI-HTS)磁石(HTSを備えるNI磁石)は、原理的には、クエンチ事象を継続的に監視すること、および/または、外部クエンチ保護機構に能動的に関与することの必要性なしに、クエンチ損傷に対して受動的に保護され得る。
【0011】
[0022]本発明者らは、渦巻溝を各々含む伝導性板の積重体を備える非絶縁超伝導磁石設計を認識および理解している。超伝導体は、超伝導体が、各々の板の中に渦巻経路を作製して、板を通る連続的な電流経路を形成するように、溝、および、積重される板の中に配置構成され得る。伝導性板は、上述で論考されたNI設計における超伝導磁石の巻回部どうしの間に配置構成される伝導性材料の役目を果たす。渦巻溝付き積重板設計は、その設計が、大口径磁石に対して拡張可能であり、高い総体的な電流密度を有するように構成され、熱的に安定であり、機械的に安定であり得るという利点を有する。
【0012】
[0023]しかしながら、渦巻溝付き積重板設計を使用して構築されるNI磁石のサイズが増大する際、導体の様々な領域へのローレンツ荷重の随伴する増大がある。そのような増大されるローレンツ荷重は、NI磁石の低減される構造的完全性につながり得る。その上、内部体積加熱の量が、さらには、磁石がより大きくなる際に増大し得る。これらの条件は、以て、どのように冷却および伝導性経路が、渦巻溝付き積重板NI磁石設計の中に配置構成されるかに関する、さらなる考慮を要する。
【0013】
[0024]本発明者らは、積重板超伝導磁石における導体および冷却剤配置のための体系を認識および理解している。特に、本発明者らは、板の中に、反対位置関係の面上に、冷却剤チャネルおよび伝導チャネルを配置構成することに対する利点があるということを認識している。2つの型のチャネルが、板積重体の全域で互いと位置合わせされる場合、板は、1つの板における冷却チャネルが、隣り合う板の伝導チャネルに隣接するように積重され得る。いくつかのこれらの板を積重することにより、それゆえに、冷却は、各々の隣り合う板の冷却チャネルを通して、各々の伝導チャネルに供給され得る。その上、2つの型のチャネルを位置合わせすることにより、板の積重体は、改善される機械的強度を有し得、なぜならば、チャネルのいずれも通って進まない、機械的荷重経路が、積重体全体を通して創出され得るからである。板が、さらには、適切に強固な材料から(例えば、従前の機械加工工程によって、アディティブおよび/またはサブトラクティブ法によって、その他で)形成される場合、チャネルのこの配置構成は、高いローレンツ荷重に耐え得る板の非常に強固な積重体を生み出し得る。
【0014】
[0025]この設計の1つの利益は、低温冷却剤が、伝導チャネルの相当の長さに沿って、(超伝導材料であり得る、または、超伝導材料を含み得る)伝導チャネルにおける材料との直接的な接触をなし得、なぜならば、2つの型のチャネルがそのように位置合わせされるからであるということである。非常に効率的な冷却が、それゆえに、磁石における超伝導材料に対して果たされ得る。その上、冷却必要物のすべてが、超伝導体を収容する同じ板の中に含まれ得るので、専用化された冷却板は必要とされない。
【0015】
[0026]いくつかの実施形態によれば、板の伝導チャネルは、銅などの第2の導体に電気的に結合されるHTS超伝導体を備え得る。第2の導体は、伝導チャネルの開口部と位置合わせされ得、実例として、第2の導体は、伝導チャネルが配置構成される板の面と同一平面である表面を有し得る。この事例において、HTS超伝導体は、第2の導体の下の方でチャネルの中に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、伝導チャネルは、第2の導体およびHTS超伝導体以外に、チャネルにおける空間を充填する、PbまたはSnはんだなどの第3の導体を備え得る。いくつかの事例において、第3の導体は、HTS超伝導体を第2の導体に電気的に結合し得る。
【0016】
[0027]いくつかの実施形態によれば、積重板超伝導磁石は、板の積重体の大部分の中に、交互の型の板を備え得る。実例として、第1の型の板は、内向きに渦巻形になる伝導チャネルを含み得、一方で、第2の型の板は、外向きに渦巻形になる伝導チャネルを含み得る。板どうしの間に、適した接続点を配置構成することにより、板の積重体の全体を通しての冷却をもたらしながら、伝導チャネルのすべてを通る連続的な伝導性経路が配置構成され得る。そのような設計は、さらには、特にモジュール式であることにつながり得、なぜならば、おそらくは、最も上側および/または最も下側の板(例えば、末端板)は別として、板の積重体の大部分は、2つの型の板の交互の配置により形成または配置構成され得るからである。
【0017】
[0028]いくつかの実施形態によれば、積重板超伝導磁石における伝導チャネルは、レーストラック渦巻(または、単純に「レーストラックパターン」)をなして配置構成され得る。レーストラック渦巻において、経路は、周回部の大半に対して、内向きまたは外向きに渦巻形になることなく、レーストラック形状(例えば、丸くされた角部を伴う長方形)をたどるが、いくつかの「湾曲(jog)」または「ジョグル(joggle)」を含み、それらにおいて、経路は、内向きまたは外向きに湾曲する。これらの湾曲は、レーストラック渦巻が、湾曲の方向に依存して、内向きまたは外向きにうねることを引き起こす。
【0018】
[0029]いくつかの実施形態によれば、電気絶縁材料が、板の積重体の板どうしの間に配置構成され得る。いくつかの事例において、絶縁物は、板の面の一部を被覆するが、その面のすべては被覆しないことがある。隣り合う板を電気的に接続する伝導パッドは、実例として、パッドどうしの間に、介在する絶縁材料を有さないことがある。その上、隣り合う板の表面区域の少なくともいくらかの一部分は、直接的に互いと接触し、板どうしの間の接触の表面区域の大方は、絶縁材料を介することがある。この手立てにおいて絶縁材料を配置構成することは、伝導性経路の長さを最大化しながら、積重体の板どうしの間の伝導性経路をもたらし得、そのことは、磁石充電中の、および、クエンチ中の有益な特質をもたらし得る。
【0019】
[0030]下記で後に続いているのが、積重板超伝導磁石における導体および冷却剤配置のための体系に関係付けられる様々な概念、ならびに、それらの体系の実施形態の、より詳細な説明である。本明細書において説明される様々な態様は、数多くの手立てのうちの任意のものにおいて実現され得るということが理解されるはずである。特定の実現形態の例は、単に例示的な目的のために、本明細書において提供される。加えて、下記の実施形態において説明される様々な態様は、単独で、または、任意の組み合わせにおいて使用され得、本明細書において明示的に説明される組み合わせに制限されない。
【0020】
[0031]
図1は、いくつかの実施形態による、積重板超伝導磁石における使用に適した例示的な板の一部分の断面である。
図1の例において、板100には、冷却チャネル112および伝導チャネル114が(例えば、従前の機械加工工程によって、アディティブおよび/またはサブトラクティブ法によって、その他で)形成される、基礎板材料110を備える。伝導チャネルにおいて配置構成されるのが、HTS材料122、蓋126、ならびに、HTS材料122と蓋126との間の電気的および熱的接触をもたらす介在伝導性材料124である。
【0021】
[0032]
図1において示されない板100の別の一部分は、伝導性チャネルの経路が、隣の外方または内方レーストラック経路それぞれに移動するために、外向きまたは内向きに湾曲する、「湾曲」領域を備え得るということが理解されることになる。実例として、
図1において示される断面が、伝導性チャネル114が内向きに渦巻形になる、板の一部分を表す事例において、板の別の一部分は、チャネルを隣の最も内方のチャネルに(例えば、最も外方のチャネルを2番目の最も外方のチャネルに、その他で)接続するための、チャネルのうちの少なくともいくつかに対する内向き湾曲を含み得る。
【0022】
[0033]いくつかの実施形態によれば、冷却チャネル112は、板100の中の開口チャネルである。冷却チャネルは、板100を、板100の別の実例などの別の板に隣接して配置構成することにより、閉じられた様態になり、以て、寒剤がチャネルを通って流れることを可能とし得る。例えば、板100の2つの実例が互いの上部上に積重されるとき、冷却チャネル112は、各々の冷却チャネルの縁部のあたりで蓋126と接触し得る。結果として、冷却チャネルを通って流れる寒剤は、蓋126との直接的な接触の様態にあり得る。
【0023】
[0034]いくつかの実施形態によれば、基礎板110は、鋼、Inconel(登録商標)、Nitronic(登録商標)40、Nitronic(登録商標)50、Incoloy(登録商標)、もしくは、それらの組み合わせなどの、ただしそれらに制限されない、高機械的強度材料を備え得る、または、その高機械的強度材料からなり得る。いくつかの実施形態において、基礎板110は、下記で説明されるように、はんだを含む、板への他の構成要素の接着を手助けするために、ニッケルなどの金属によってめっきされ得る。
【0024】
[0035]いくつかの実施形態によれば、HTS122は、イットリウムバリウム銅酸化物(YBCO)などの希土類バリウム銅酸化物超伝導体(REBCO)を備え得る。いくつかの実施形態において、HTS122は、HTSテープの共巻き積重体を備え得る。実施形態において、HTSテープは、厚さ(または高さ)における約0.001mmから約0.1mmの範囲、および、約1mmから約12mmの範囲内の幅における断面寸法を伴う(ならびに、ケーブルの長さに沿って、例えば、
図1の例におけるページ内へと、および、そのページから外へと延びる長さを伴う)、HTS材料の長く薄い素線を備え得る。いくつかの実施形態によれば、HTSテープの、各々の素線は、電気伝導性材料に加えて、REBCOなどのHTS材料を備え得る。いくつかの実施形態において、電気伝導性材料は、REBCO上に配され得る。いくつかの実施形態において、電気伝導性材料は、銅などの金属被覆材であり得る。いくつかの実施形態において、HTSテープは、多結晶HTSを備え得る、および/または、高水準の粒配向を有し得る。
【0025】
[0036]いくつかの実施形態によれば、蓋126は、銅を備え得る、または、銅からなり得る。板100が
図1において断面の形で示されることの結果として、板100におけるHTS122の、および、板100における蓋126の形状は、全体的には、渦巻(例えば、レーストラック渦巻)の形状であるということが指摘され得る。
【0026】
[0037]いくつかの実施形態によれば、伝導性材料124は、Pbおよび/またはSnはんだを備え得る。いくつかの実施形態において、伝導性材料124は、200℃未満の融点を有する金属を備え得、その場合、金属の少なくとも50重量%はPbおよび/またはSnであり、金属の少なくとも0.1重量%はCuである。
【0027】
[0038]
図1において示されるように、蓋126は、HTS122および伝導性材料124が位置させられる下側局部より幅広である、チャネル114の上側局部の中に配置構成される。いくつかの実施形態において、伝導性材料124は、伝導チャネル114の中にHTS122および蓋126を配置構成することに引き続いて、溶融はんだとして板100内へと導入され得る。結果として、伝導性材料124は、HTS122と蓋126との間の空間を充填し得る、ならびに/または、HTS122および/もしくは蓋126の側部のあたりの何らかの空間を充填し得、そのことは、そのような空間が、はんだによって空間を充填する、または、他の形で占有するより前に存在するのであれば行われる。
【0028】
[0039]いくつかの実施形態において、HTS122は、HTS122とはんだとの間の良好な接合を助長するために、金属(例えば、PbSnはんだ)によって事前にスズめっきされ得る。いくつかの実施形態によれば、伝導性材料124は、真空加圧含浸(VPI)工程によって堆積させられ得る。そのような工程は、後に続くステップのうちの1つまたは複数を備え得る:酸性溶液を使用してケーブルの中の空いている空間を洗浄し、その後、水すすぎされる、ステップ;ケーブルの中の空間を排気するステップ;不活性気体によって空間を一掃するステップ;HTS122および伝導性材料124を覆うように空間内へとフラックスを堆積させるステップ;過剰なフラックスがあればケーブルから排出するステップ;堆積させられることになる合金が融解することになる温度より下の、その温度における、または、その温度より上の温度にケーブルを加熱するステップ;ならびに、溶融合金(例えば、PbSnはんだ)を板内へと流すステップ。
【0029】
[0040]いくつかの実施形態によれば、板100は、板を他の板および/または他の構造に取り付けるための(
図1において示されない)1つまたは複数の貫通孔を備え得る。いくつかの事例において、貫通孔は、板内への、または、板を通る、ねじまたはボルトなどの機械的締結具の挿入を手助けするための内側ねじ山を備え得る。
【0030】
[0041]
図1の例において、チャネル112および114の個別の形状が例示されるが、本明細書において説明される技法は、これらの個別の形状を伴うチャネルに制限されないということが理解されることになる。実例として、チャネルは、示される長方形断面の代わりに半円断面を、または、別の他の適した形状断面を有し得る。
【0031】
[0042]
図2A~2Bは、いくつかの実施形態による、超伝導磁石における板の例示的な積重体の異なる断面を示す。板の積重体200は、末端板230および240に加えて、板210の2つの実例と、板220の2つの実例とを備える。絶縁材料250の層が、隣り合う板どうしの間の選択された領域において配置構成される。
図2Aは、板のチャネルのレーストラック一部分を通る、板の積重体の断面を表し、一方、
図2Bは、伝導チャネルが、レーストラック渦巻のレーンを変えるために内または外に「湾曲する」領域における、板の積重体の断面を表す。
【0032】
[0043]
図1に関係して上述で指摘されたように、1つの板における開口冷却チャネルは、隣り合う板の伝導チャネルに隣接して配置構成され得る。例えば、チャネルのレーストラック一部分を表す
図2Aにおいて示されるように、板210の、各々の実例における冷却チャネル211は、隣り合う板220の蓋226に隣接して配置構成される。同様に、板220における冷却チャネル221は、蓋216に隣接して配置構成され、末端蓋230において配置構成される冷却チャネル231は、板210の最も上側の実例に隣接して配置構成される。
【0033】
[0044]板220の最も下側の実例における冷却チャネル221は、これらのチャネルに隣接する導体がないので、厳密には必要とされないということが指摘され得る。しかしながら、積重体200における板のモジュール式の性質に起因して、最も下側の冷却チャネル221を含まない、新しい型の板を製作するよりむしろ、板220の実例を単純に使用することが、より好都合であり得る。
【0034】
[0045]
図2A~2Bの例において、板210、220、230、および240は、
図2Aにおいて示されるように、板の隣り合う対を接続するボルト280により、少なくとも部分的に、一体に保持される。そのようなボルトは、板210、220、230、および240のあたりのいくつかの位置において存在するということが推定され得るが、
図2Bにおいて示される断面は、明確さのために何らのそのようなボルトも含まない。
【0035】
[0046]
図2Bにおいて示されるように、板は、1つの板における伝導性経路を、隣接する板の伝導性経路に接続するための伝導性パッドを含み得る。例えば、末端板230はパッド239を含み、そのパッド239は、板210の伝導チャネルにおける導体216に隣接し、電気的に接続される。かくして、末端板は、板210の伝導性チャネルの一方の端部に隣接し、電気的に接続され得、その伝導性チャネルの他方の端部は、パッド219に電気的に接続される。パッド219は、代わって、板220の伝導チャネルにおける導体226に隣接し、電気的に接続される。板220の伝導チャネルにおける導体226の他方の端部は、パッド229に隣接し、電気的に接続され、そのパッド229は、隣の板210に隣接し、電気的に接続される、等々である。
図2Bの例において、伝導性パッド219、229、239、および249は、板の蓋と同じ様式において陰影付けされるが、一般的には、パッドおよび蓋は、同じ材料を備えることを必要としないということが理解されることになる。
【0036】
[0047]いくつかの実施形態によれば、絶縁材料250は、ポリイミド(例えば、Kapton(登録商標))、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラスエポキシ積層物、プラスチック、エラストマ、または、それらの組み合わせを備え得る。いくつかの実施形態によれば、絶縁材料は、25kV/mmより大の、50kV/mmより大の、75kV/mmより大の、100kV/mmより大の、絶縁破壊電圧または絶縁耐力を有し得る。いくつかの事例において、超伝導磁石における電圧は、比較的低いことがあり、その事例において、陽極処理アルミニウムなどの低電圧隔離絶縁材料が、絶縁材料250として利用され得る。
【0037】
[0048]いくつかの実施形態によれば、基礎板210a、220a、230a、および240aは、各々、鋼、Inconel(登録商標)、Nitronic(登録商標)40、Nitronic(登録商標)50、Incoloy(登録商標)、もしくは、それらの組み合わせなどの、ただしそれらに制限されない、高機械的強度材料を備え得る、または、その高機械的強度材料からなり得る。いくつかの実施形態において、基礎板210a、220a、230a、および240aは、はんだを含む、板の他の構成要素の接着を手助けするために、ニッケルなどの金属によってめっきされ得る。
【0038】
[0049]
図2Aの例において、ボルト290は、板210、220、230、および240の貫通孔の中に配置構成され、板の隣り合う対を互いに付着させる。
【0039】
[0050]
図2A~2Bにおいて示されるものなどの板の積重体の構造をさらに例示するために、
図3A~3Dは、個々の板210および220の上側および下側視図を描写する。
【0040】
[0051]
図3Aおよび3Bは、それぞれ、板210の上側および下側視図を描写し、
図2Aの断面は、A-A’と目印を付けられた局部を通り、
図2Bの断面は、B-B’と目印を付けられた局部を通る。
図3A~3Bの例において、板210の上方に配置構成される板220の一部である冷却チャネル221の位置が、解説の目的のために示されるが、これらの冷却チャネルは、実際は板210の一部ではないということが理解されることになる。指摘され得るように、この例における板210の伝導チャネルは、上方から見て時計回りの方向においてチャネルをたどるときに、内向き渦巻を有する。
【0041】
[0052]
図3Aにおいて確認され得るように、板210の伝導チャネルであって、その蓋216が可視である、伝導チャネルのレーストラック局部の大部分に対して、隣り合う板220の冷却チャネル221は、伝導チャネルと位置合わせされる。このため、冷却チャネルを通って進む寒剤は、上述で論考されたように、蓋216と直接的に接触し、蓋の下の方に配置構成されるHTS材料に対する冷却を果たし得る。
【0042】
[0053]冷却剤入口および出口(冷却剤チャネルが板の縁部と交わる2つの領域)の間の板210の領域は、
図3Aの例において、伝導チャネル216に対してあちこちに蛇行する、冷却チャネル221の「蛇行」領域を含む。単一の伝導チャネルと位置合わせされるが、入口と出口との間の領域において、連続する冷却チャネルに対してあちこちに走る、冷却チャネルを含む、様々な他の配置構成が構想され得る。
【0043】
[0054]いくつかの実施形態において、板の入口および出口領域は、互いに板の反対位置関係にある端部においてなど、
図3Aの例において示されるよりさらに離れたものであり得る。そのような事例において、冷却チャネルは、いくつかの冷却チャネル(例えば、半分)が、板の一方の側部に沿って進み、他の冷却チャネルが、板の他方の側部に沿って進むように配置構成され得る。そのような冷却チャネル構成の例が、俯瞰図において冷却チャネル1111の単一の層を示す
図11Aにおいて描写される。
図11Bは、比較のために同じ俯瞰図によって、
図3Aにおいて示される板の層の冷却チャネル221を描写する。
図11Aにおいて示されるものなどの代替的な冷却チャネル配置構成は、冷却チャネルを板の縁部に接続する基礎板の一部分を除いて、板の他の要素の構造を改変することなく、板上に配置構成され得るということが指摘され得る。実例として、
図3Aにおいて示されるように、冷却チャネルは、板の伝導性チャネルを改変することなく、
図11Aにおいて示されるように配置構成され得る。
【0044】
[0055]
図3Bは、板210の裏側を例示し、絶縁材料250が取り付けられる一部分と、基礎板210aが露出される一部分とを含む。
【0045】
[0056]
図3Cおよび3Dは、それぞれ、板220の上側および下側視図を描写し、
図2Aの断面は、A-A’と目印を付けられた局部を通り、
図2Bの断面は、B-B’と目印を付けられた局部を通る。
図3C~3Dの例において、板220の上方に配置構成される板210の一部である冷却チャネル211の位置が、解説の目的のために示されるが、これらの冷却チャネルは、実際は板220の一部ではないということが理解されることになる。指摘され得るように、この例における板220の伝導チャネルは、上方から見て時計回りの方向においてチャネルをたどるときに、外向き渦巻を有する。
【0046】
[0057]
図3Cにおいて確認され得るように、板220の伝導チャネルであって、その蓋226が可視である、伝導チャネルのレーストラック局部の大部分に対して、隣り合う板210の冷却チャネル211は、伝導チャネルと位置合わせされる。このため、冷却チャネルを通って進む寒剤は、上述で論考されたように、蓋226と直接的に接触し、蓋の下の方に配置構成されるHTS材料に対する冷却を果たし得る。
【0047】
[0058]冷却剤入口および出口(冷却剤チャネルが板の縁部と交わる2つの領域)の間の板220の領域は、
図3Cの例において、伝導チャネル226に対してあちこちに蛇行する、冷却チャネル211の「蛇行」領域を含む。単一の伝導チャネルと位置合わせされるが、入口と出口との間の領域において、連続する冷却チャネルに対してあちこちに走る、冷却チャネルを含む、様々な他の配置構成が構想され得る。
【0048】
[0059]いくつかの実施形態において、板の入口および出口領域は、互いとは板の反対位置関係にある端部においてなど、
図3Cの例において示されるよりさらに離れたものであり得る。そのような事例において、冷却チャネルは、いくつかの冷却チャネル(例えば、半分)が、板の一方の側部に沿って進み、他の冷却チャネルが、板の他方の側部に沿って進むように配置構成され得る。
【0049】
[0060]
図3Dは、板220の裏側を例示し、絶縁材料250が取り付けられる一部分と、基礎板220aが露出される一部分とを含む。
【0050】
[0061]
図4は、いくつかの実施形態による、超伝導磁石の板の例示的な積重体の斜視図である。板の積重体400は、
図2A~2Bにおいて断面の形で示される板の積重体の外側斜視図を表す。
図3A~3Dにおいてのように、
図2Aの断面は、A-A’と目印を付けられた局部を通り、
図2Bの断面は、B-B’と目印を付けられた局部を通る。
【0051】
[0062]
図4の例において示されるように、積重体の上部および下部における末端板は、各々、伝導性一部分438および448それぞれを備え、それらの伝導性一部分は、積重体から外向きに延び、積重体の中の渦巻伝導経路を通して互いに電気的に接続される。積重体の板の、各々の冷却チャネルは、チャネルの一方の端部においてポートの共通集合470を、および、チャネルの他方の端部においてポートの共通集合480を末端とする。冷却チャネルの端部は、すべての入口が一体、および、すべての出口が一体の様態で、一体に配置構成されるので、単一の大きい入口または出口ポートが、
図5において示されるように、各々の端部においてチャネルの集合のあたりに(例えば、従前の機械加工工程によって、アディティブおよび/またはサブトラクティブ法によって、その他で)形成され得る。このことは、冷却剤が、単一の入口管および単一の出口管だけを使用して、板の積重体のすべての冷却チャネルを通って進むことを可能とし得る。
【0052】
[0063]
図5は、いくつかの実施形態による、外側容器を伴う超伝導磁石の板の例示的な積重体の斜視図である。板の積重体の組み立てに引き続いて、積重体の外側のいくらかまたはすべては、絶縁材料が上に配され得る(例えば、積重体の外側のいくらかまたはすべては、絶縁材料に包み込まれ得る)。
図5の例において、冷却入口580および出口570、ならびに、伝導性一部分528および548を含む末端板の端部を除いた、板の積重体全体は、ポリイミド(例えば、Kapton(登録商標))、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラスエポキシ積層物、プラスチック、エラストマ、または、それらの組み合わせなどの絶縁材料550に包み込まれる。いくつかの実施形態によれば、絶縁材料550は、25kV/mmより大の、50kV/mmより大の、75kV/mmより大の、100kV/mmより大の、絶縁破壊電圧または絶縁耐力を有し得る。いくつかの事例において、超伝導磁石における電圧は、比較的低いことがあり、その事例において、陽極処理アルミニウムなどの低電圧隔離絶縁材料が、絶縁材料550として利用され得る。
【0053】
[0064]絶縁材料550の適用に引き続いて、板の積重体は容器590の中に納められ、その容器590は、板の積重体にさらなる構造的安定性をもたらし、実例として繊維ガラスを備え得る。いくつかの事例において、容器590は、鋼、Inconel(登録商標)、Nitronic(登録商標)40、Nitronic(登録商標)50、Incoloy(登録商標)、または、それらの組み合わせなどの、ただしそれらに制限されない、高機械的強度材料を備え得る。いくつかの実施形態において、板の積重体と容器590との間の間隙があれば、エポキシ樹脂などの絶縁材料によって充填され得る。
【0054】
[0065]上述で論考されたように、板の全域での冷却チャネルおよび伝導チャネルの位置合わせは、
図6において例示されるような構造的利益をもたらし、その
図6は、
図2Aにおいて示されるものと同様の板の積重体の断面視図を、そのような積重体への構造的荷重を描写するために描写する。
【0055】
[0066]
図6において示されるように、冷却チャネルおよび伝導チャネルが積重体の厚さ次元(板が互いの上部上に積重される際に沿う次元)に沿って位置合わせされる、ゾーンにおいて、基礎板610a、620a、630a、および640aにおける高強度材料は、薄い絶縁材料650を通して直接的な接触をなす。このことは、導体を包囲する強固な構造的「ケージ」を効果的に形成して、それらの導体のあたりの荷重経路を分路する。結果として、主な荷重経路は、垂直の破線矢印により示されるように、伝導チャネルと冷却チャネルとの間を通る。
【0056】
[0067]さらにまた、個々のHTS/蓋積重体からの面外IxB本体荷重が、この構造に移され、そのことが、HTS/蓋複合体への圧縮荷重の蓄積を最小化する。同様に、外部面外圧縮荷重が、ケージ構造によって、導体のあたりで分路される。
【0057】
[0068]
図1に関係して上述で論考されたように、
図1において示されるHTS材料122は、HTSテープの共巻き積重体を備え得る。
図7は、HTS材料がHTSテープ722の積重体として設けられる、
図1の板100の例を例示する。
図7において、板700は、基礎板材料710と、冷却チャネル712と、伝導性材料724と、蓋726とを備える。HTSテープは、厚さ(または高さ)における約0.001mmから約0.1mmの範囲、および、約1mmから約12mmの範囲内の幅における断面寸法を伴う(ならびに、ケーブルの長さに沿って、すなわち、
図7の例におけるページ内へと、および、そのページから外へと延びる長さを伴う)、HTS材料の長く薄い素線を備え得る。いくつかの実施形態によれば、HTSテープ722は、銅などの金属被覆材に加えて、HTS材料を備え得る。いくつかの実施形態において、HTSテープは、多結晶HTSを備え得る、および/または、高水準の粒配向を有し得る。
【0058】
[0069]HTS材料がHTSテープとして設けられる、いくつかの状況において、共巻きHTSテープの積重体におけるHTS導体の数を、磁石の中のそれらのHTS導体の位置によって変動させ、以て、磁石を構築するために必要とされるHTSテープの総合的な量を低減することが望ましいことがある。
図8は、伝導チャネル814が伝導性共巻きテープ823(例えば、銅テープ)に加えて共巻きHTSテープ822の積重体を備える、
図1の板100の例を例示する。
図8から指摘され得るように、HTSテープの数は、
図8において右から左に向かって、各々の巻回部において減少され、一方で、伝導性共巻きテープの数は、右から左へと増大される。蓋826の幅は、伝導性共巻きテープの数と連関して変動させられることが、それらの蓋826および伝導性共巻きテープの組み合わされた断面積があらゆる巻回部においておおよそ一定であるように行われる。この手立てにおいて、共導体(co-conductor)の単位長さあたりの抵抗は、巻線部の全体を通して一定に維持される。
【0059】
[0070]HTSテープ822、共巻き伝導性テープ823の量、および、蓋826のサイズを調節することは、クエンチ中の磁気エネルギー散逸の率を制御するための手立てを提供し得、いくつかの事例において、完全磁石クエンチ事象中に、巻線部の全体を通して均一に磁気エネルギーを散逸させ得る。加えて、HTSテープ822、共巻き伝導性テープ823の量、および、蓋826のサイズを調節することは、隣接する区域における磁気エネルギー堆積の量を改変し得る。このことは、実例として、継手を伴う領域におけるなどの、決定的に重要な区域における磁気エネルギー堆積の低減を可能とし得る。
【0060】
[0071]上述で論考された例の各々において、冷却チャネルは、伝導チャネルとは板の反対位置関係にある側に配置構成されるが、いくつかの事例において、冷却チャネルを伝導チャネルの中に設けることが好ましいことがある。
図9Aは、いくつかの実施形態による、冷却チャネルが伝導チャネルの中に配置構成される、積重板超伝導磁石における使用に適した例示的な板の一部分の断面である。
【0061】
[0072]
図9Aにおいて示されるように、伝導チャネル914は、さらには、(伝導チャネルの任意の一部分が、一般的には所望されるように形状設定され得るが)蓋926の適切な形状設定により(例えば、従前の機械加工工程によって、アディティブおよび/またはサブトラクティブ法によって、その他で)形成される冷却チャネル912を備える。同一線上の伝導チャネル914および冷却チャネル912は、基礎板910の中に配置構成される。
図9Aの例において、伝導性材料926は、その伝導性材料926において設けられる冷却チャネルを有するが、冷却チャネルが、伝導性チャネルの中の材料の上側一部分の凹形領域の少なくとも一部分から形成され、または設けられ得る以上は、冷却チャネルは、一般的には、伝導性材料および/またはHTS922において、伝導性チャネルの中の伝導性材料およびHTSの幾何学的配置構成に依存して、(例えば、従前の機械加工工程によって、アディティブおよび/またはサブトラクティブ法によって、その他で)形成され得るということが理解されることになる。
【0062】
[0073]
図9Aの例において、板900は、以て、冷却チャネルが伝導チャネルに隣接する板の積重体を生み出すために、その板900自体の複数個の実例の上部上に積重され得る。この積重することは、
図9Bおよび9Cにおいて描写される、2つの異なる手立てにおいて実行され得る。
【0063】
[0074]
図9Bにおいて示されるように、磁石950は、互いの上部上に積重される、板900の2つの実例を備え得、板のうちの1つの平坦な面が、冷却チャネルの上に載り、以て、冷却チャネルの境界を定める。結果として、冷却剤が磁石950を通して進まされるとき、その冷却剤は、1つの板における伝導性材料926、および、隣接する板における基礎板材料と接触し得る。絶縁層950が、基礎板910どうしの間に配置構成され得る。
【0064】
[0075]代替案として、
図9Cにおいて示されるように、磁石960は、互いの上部上に積重される、板900の2つの実例を備え得、冷却チャネルが、互いと接触し、位置合わせされるように、1つの板900の向きが反転させられ、そのことが冷却チャネル935を形成し、それらの冷却チャネル935は、実際のところは冷却チャネル912の組み合わせであり、それらの冷却チャネル912は、2つの板の各々において形成され、それらの冷却チャネル912の表面が互いの境界を定めるように位置合わせされる。絶縁層950が、基礎板910どうしの間に配置構成され得る。
図9Cにおける絶縁層950のいくらかまたはすべては、絶縁体として空気を備え得るということが理解されることになる。実例として、例示される層は、示されるように、冷却チャネル935まで全面的に広がらないことがあり、小さい空気間隙が、冷却チャネルに隣接する伝導性材料926の2つの層の間に残される。
【0065】
[0076]
図10は、いくつかの実施形態による、切り取られた一部分が発電設備の様々な構成要素を例示する、核融合発電設備の3次元グラフィックである。核融合発電設備の中の磁石は、上述で説明されたような超伝導体配置構成から形成され得る。
図10は、発電設備を通る断面を示し、上述で論考および説明されたような板の積重体を備える超伝導磁石から製作される、または、その超伝導磁石を他の形で含む磁石コイル1014と、中性子遮蔽体1012と、心領域1011とを含む。いくつかの実施形態によれば、磁石コイル1014は、トロイダル磁場コイルであり得る、または、トロイダル磁場コイルの一部を形成し得る。磁石コイル1013は、上述で論考および説明されたような板の積重体を備える超伝導磁石から製作され得る、または、その超伝導磁石を他の形で含む。いくつかの実施形態によれば、磁石コイル1013は、中心ソレノイドおよび/もしくは他のポロイダル磁場ソレノイドコイルであり得る、または、それらの一部を形成し得る。
【0066】
[0077]当業者は、本明細書において開示される概念、結果、および技法の他の実施形態を理解し得る。本明細書において説明される概念および技法によって構成される超伝導ケーブルは、超伝導ケーブルが、磁石を形成するためにコイルへと巻かれる用途を含む、多種多様の用途に対して有用であり得るということが理解される。実例として、1つのそのような用途は、そのことのためにそのようなケーブルが磁石へと巻かれ得る、例えば、固体物理、生理機能、またはタンパク質に分け入った核磁気共鳴(NMR)研究を行うことである。別の用途は、そのことのために小型高磁場磁石が必要とされる、有機体、または、その有機体の一部分の医療用走査のために臨床磁気共鳴画像法(MRI)を実行することである。なおも別の用途は、そのために大口径ソレノイドが要される、高磁場MRIである。なおまた別の用途は、物理、化学、および材料科学において磁気研究を実行するためのものである。さらなる用途は、材料加工または調査(interrogation)のための粒子加速器;電力生成器;陽子治療、放射線治療、および一般的には放射線生成のための医療用加速器;超伝導エネルギー貯蔵;磁気流体力学(MHD)電気生成器;ならびに、採鉱、半導体製作、および再生利用などの材料分離のための磁石におけるものである。用途の上述の列挙は網羅的ではなく、本明細書において開示される概念、工程、および技法が、それらの概念、工程、および技法の範囲から逸脱することなく投入され得る、さらなる用途があるということが理解される。
【0067】
[0078]本明細書において使用される際、「高温超伝導体」または「HTS」は、30Kより上の臨界温度を有する材料を指し、臨界温度は、それより下で材料の電気抵抗率がゼロに降下する温度を指す。
【0068】
[0079]伝導チャネルおよび冷却チャネルの例示的な例が、本明細書において説明され、図面において例示される。これらのチャネルの個別のサイズおよび形状は、ただ単に例として提供されるということ、ならびに、別段に指摘されない限り、必要である、または望ましいと暗黙に示される個別の断面形状またはサイズはないということが理解されることになる。
【0069】
[0080]かくして、説明される概念を例示する、少なくとも1つの実施形態のいろいろな態様を説明したが、様々な改変、修正、および改善が、たやすく当業者の頭に浮かぶことになるということが理解されることになる。
【0070】
[0081]そのような改変、修正、および改善は、本開示の一部であることを意図され、本明細書において説明される概念の趣旨および範囲の中にあることを意図される。さらに、本明細書において説明される概念の利点が指し示されるが、本明細書において説明される技術のあらゆる実施形態が、あらゆる説明される利点を含むことになるとは限らないということが理解されるはずである。いくつかの実施形態は、本明細書において有利と説明される何らかの特徴を実現しないことがあり、いくつかの実例において、説明される特徴のうちの1つまたは複数が、さらなる実施形態を達成するために実現されることがある。よって、前述の説明および図面は、単に例としてのものである。
【0071】
[0082]本明細書において説明される概念の様々な態様は、単独で、組み合わせにおいて、または、前述で説明された実施形態において具体的に論考されない種々の配置構成において使用されることがあり、それゆえに、その用途において、前述の説明において論述された、または、図面において例示される、構成要素の詳細および配置構成に制限されない。例えば、1つの実施形態において説明される態様は、他の実施形態において説明される態様と、任意の様式において組み合わされ得る。
【0072】
[0083]さらには、本明細書において説明される概念は、その例が提供された方法として実施され得る。方法の一部として実行される行為は、任意の適した手立てにおいて順序付けされ得る。よって、行為が、例示されるのと異なる順序において実行される、実施形態が構築され得、そのことは、例示的な実施形態において順次的な行為として示されるとしても、いくつかの行為を同時に実行することを含み得る。
【0073】
[0084]さらに、いくつかの行動が、「使用者」によりとられると説明される。「使用者」は、単一の個体であることを必要としないということ、ならびに、いくつかの実施形態において、「使用者」に原因を帰し得る行動は、個体の団、および/または、コンピュータ支援ツールもしくは他の機構との組み合わせにおける個体により実行され得るということが理解されるはずである。
【0074】
[0085]請求項要素を修飾するための、特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」、その他などの序数用語の使用は、それ自体により、1つの請求項要素の、別のものに対する、何らかの優先順位、序列、もしくは順序、または、方法の行為が実行される時間的順序を含意するのではなく、ただ単に、請求項要素を区別するために、ある決まった名前を有する1つの請求項要素を、(序数用語の使用がなければ)同じ名前を有する別の要素から区別するための標識として使用される。
【0075】
[0086]用語「近似的に」および「約」は、いくつかの実施形態において目標値の±20%以内、いくつかの実施形態において目標値の±10%以内、いくつかの実施形態において目標値の±5%以内、およびなおも、いくつかの実施形態において目標値の±2%以内を意味するように使用され得る。用語「近似的に」および「約」は、目標値を含み得る。用語「実質的に等しい」は、いくつかの実施形態において互いの±20%以内、いくつかの実施形態において互いの±10%以内、いくつかの実施形態において互いの±5%以内、およびなおも、いくつかの実施形態において互いの±2%以内である値を指すように使用され得る。
【0076】
[0087]用語「実質的に」は、いくつかの実施形態において比較尺度の±20%以内、いくつかの実施形態において±10%以内、いくつかの実施形態において±5%以内、およびなおも、いくつかの実施形態において±2%以内である値を指すように使用され得る。例えば、第2の方向に「実質的に」直交する第1の方向は、いくつかの実施形態において第2の方向と90°角度をなすことの±20%以内、いくつかの実施形態において第2の方向と90°角度をなすことの±10%以内、いくつかの実施形態において第2の方向と90°角度をなすことの±5%以内、およびなおも、いくつかの実施形態において第2の方向と90°角度をなすことの±2%以内である第1の方向を指し得る。
【0077】
[0088]さらには、本明細書において使用される術語および専門用語は、説明の目的のためのものであり、制限的とみなされるべきではない。本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」、「内包する」、「必然的に含む」、および、それらの変形の使用は、それらの用語の後に列挙される項目、および、それらの項目の均等物、ならびに、追加的な項目を包含することの意味をもたされる。
【国際調査報告】