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特表2023-518847可撓性固定ダイヤフラムシールを備える供給ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】可撓性固定ダイヤフラムシールを備える供給ユニット
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20230426BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20230426BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230426BHJP
   F04B 15/02 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/00
B05C11/10
F04B15/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557724
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 US2021022701
(87)【国際公開番号】W WO2021194819
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】17/181,562
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/000,814
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ジェイ.フォーゲット
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ジェイ.カーリンスキ
【テーマコード(参考)】
3H075
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
3H075AA17
3H075BB03
3H075CC16
3H075DA04
3H075DA30
4F041AA05
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA12
4F041BA17
4F041BA22
4F041BA36
4F041BA38
4F042AA06
4F042AB00
4F042BA06
4F042BA08
4F042BA12
4F042CB03
4F042CB08
4F042DH01
4F042DH09
(57)【要約】
電子基板上に粘性材料を供給するように構成される供給システム10の供給ユニット40が、支持ハウジング42と、支持ハウジングによって支持される流体ハウジング44とを備える。流体ハウジングは、チャンバと、材料給送管からチャンバに粘性材料を送達するように構成される入口とを有する。供給ユニットは、ハウジングに解放可能に固定され、流体ハウジングの端部を閉鎖するように構成されるノズルアセンブリ46を更に備える。供給ユニットは、流体ハウジングのチャンバ内に部分的に配置される往復ピストン62を更に備える。ピストンは、ノズルアセンブリから粘性材料を供給するように構成される。供給ユニットは、流体ハウジング及びピストンに固定されるように構成される可撓性固定ダイヤフラムシール70を更に備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板上に粘性材料を供給する供給システムであって、該供給システムは、
フレームと、
前記フレームに結合される支持体であって、供給動作中に電子基板を受けて支持するように構成される、支持体と、
粘性材料を供給するように構成される供給ユニットアセンブリと、
前記フレームに結合されるガントリであって、前記供給ユニットアセンブリを支持するとともに、前記供給ユニットアセンブリをx軸方向及びy軸方向に移動させるように構成される、ガントリと、
を備え、
前記供給ユニットアセンブリは、粘性材料を供給するように構成される供給ユニットを備え、該供給ユニットは、
支持ハウジングと、
前記支持ハウジングによって支持される流体ハウジングであって、チャンバと、材料給送管から前記チャンバに粘性材料を送達するように構成される入口とを有する、流体ハウジングと、
前記ハウジングに解放可能に固定され、前記流体ハウジングの端部を閉鎖するように構成されるノズルアセンブリと、
前記流体ハウジングの前記チャンバ内に部分的に配置される往復ピストンであって、前記ノズルアセンブリから粘性材料を供給するように、前記ノズルアセンブリとともに構成される、往復ピストンと、
前記流体ハウジング及び前記ピストンに固定されるように構成される可撓性固定ダイヤフラムシールと、
を備える、供給システム。
【請求項2】
前記ダイヤフラムシールは、内側ハブと、外側ハブと、前記内側ハブと前記外側ハブとを接続する可撓性ダイヤフラム部分とを有する、請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
前記ダイヤフラムシールの前記内側ハブは、前記ピストンに形成される直径が低減されたノッチ内に嵌合するようなサイズであり、前記ダイヤフラムシールの前記外側ハブは、前記流体ハウジング内に圧縮嵌合するようなサイズである、請求項1に記載の供給システム。
【請求項4】
前記可撓性ダイヤフラム部分は、前記ピストンが前記流体ハウジング内で上下に往復する際に撓むように構成される、請求項1に記載の供給システム。
【請求項5】
前記ノズルアセンブリは、ノズルナットと、ノズルと、ノズルアダプタとを更に備える、請求項1に記載の供給システム。
【請求項6】
前記ノズルナットは、前記支持ハウジングの下部に螺合可能に固定され、前記ノズル及び前記ノズルアダプタを、前記ノズルナットと前記流体ハウジングの下端部との間に固定するように構成される、請求項5に記載の供給システム。
【請求項7】
前記バルブアセンブリは、バルブシートを更に備え、前記供給ユニットは、前記バルブシートを前記流体ハウジングの底部に対してシールするOリングを更に備える、請求項6に記載の供給システム。
【請求項8】
前記バルブシートは、円錐状表面と、内部に形成される小径のボアとを有する略円筒形部材を備える、請求項5に記載の供給システム。
【請求項9】
電子基板上に粘性材料を供給するように構成される供給システムの供給ユニットであって、該供給ユニットは、
支持ハウジングと、
前記支持ハウジングによって支持される流体ハウジングであって、チャンバと、材料給送管から前記チャンバに粘性材料を送達するように構成される入口とを有する、流体ハウジングと、
前記ハウジングに解放可能に固定され、前記流体ハウジングの端部を閉鎖するように構成されるノズルアセンブリと、
前記流体ハウジングの前記チャンバ内に部分的に配置される往復ピストンであって、前記ノズルアセンブリから粘性材料を供給するように、前記ノズルアセンブリとともに構成される、往復ピストンと、
前記流体ハウジング及び前記ピストンに固定されるように構成される可撓性固定ダイヤフラムシールと、
を備える、供給ユニット。
【請求項10】
前記ダイヤフラムシールは、内側ハブと、外側ハブと、前記内側ハブと前記外側ハブとを接続する可撓性ダイヤフラム部分とを有する、請求項9に記載の供給ユニット。
【請求項11】
前記ダイヤフラムシールの前記内側ハブは、前記ピストンに形成される直径が低減されたノッチ内に嵌合するようなサイズであり、前記外側ハブは、前記流体ハウジング内に圧縮嵌合するようなサイズである、請求項10に記載の供給ユニット。
【請求項12】
前記可撓性ダイヤフラム部分は、前記ピストンが前記流体ハウジング内で上下に往復する際に撓むように構成される、請求項9に記載の供給ユニット。
【請求項13】
前記ノズルアセンブリは、ノズルナットと、ノズルと、ノズルアダプタとを更に備える、請求項9に記載の供給ユニット。
【請求項14】
前記ノズルナットは、前記支持ハウジングの下部に螺合可能に固定され、前記ノズル及び前記ノズルアダプタを、前記ノズルナットと前記流体ハウジングの下端部との間に固定するように構成される、請求項13に記載の供給ユニット。
【請求項15】
前記バルブアセンブリは、バルブシートを更に備え、前記供給ユニットは、前記バルブシートを前記流体ハウジングの底部に対してシールするOリングを更に備える、請求項14に記載の供給ユニット。
【請求項16】
前記バルブシートは、円錐状表面と、内部に形成される小径のボアとを有する略円筒形部材を備える、請求項15に記載の供給ユニット。
【請求項17】
電子基板上に粘性材料を供給する方法であって、該方法は、
電子基板を供給位置に送達することと、
前記電子基板の少なくとも1つの画像を捕捉することと、
前記電子基板の前記少なくとも1つの画像を分析して、前記電子基板の位置を求めることと、
供給ユニットによって供給動作を実行することと、
を含み、前記供給ユニットは、
支持ハウジングと、
前記支持ハウジングによって支持される流体ハウジングであって、チャンバと、材料給送管から前記チャンバに粘性材料を送達するように構成される入口とを有する、流体ハウジングと、
前記ハウジングに解放可能に固定され、前記流体ハウジングの端部を閉鎖するように構成されるノズルアセンブリと、
前記流体ハウジングの前記チャンバ内に部分的に配置される往復ピストンであって、前記ノズルアセンブリから粘性材料を供給するように構成される、往復ピストンと、
前記流体ハウジング及び前記ピストンに固定されるように構成される可撓性固定ダイヤフラムシールと、
を備えている、方法。
【請求項18】
前記ダイヤフラムシールは、内側ハブと、外側ハブと、前記内側ハブと前記外側ハブとを接続する可撓性ダイヤフラム部分とを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ダイヤフラムシールの前記内側ハブは、前記ピストンに形成される直径が低減されたノッチ内に嵌合するようなサイズであり、前記外側ハブは、前記流体ハウジング内に圧縮嵌合するようなサイズである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記可撓性ダイヤフラム部分は、前記ピストンが前記流体ハウジング内で上下に往復する際に撓むように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記ノズルアセンブリは、ノズルナットと、ノズルと、ノズルアダプタとを更に備える、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記ノズルナットは、前記支持ハウジングの下部に螺合可能に固定され、前記ノズル及び前記ノズルアダプタを、前記ノズルナットと前記流体ハウジングの下端部との間に固定するように構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記バルブアセンブリは、バルブシートを更に備え、前記供給ユニットは、前記バルブシートを前記流体ハウジングの底部に対してシールするOリングを更に備える、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、プリント回路基板等の基板上に粘性材料を供給する装置及び方法に関し、より詳細には、流体ハウジング内に配置される往復ピストンと、内部流体圧力と大気圧との間でシールを提供するように構成される可撓性固定ダイヤフラムシールとを備える供給ユニットを用いて、基板上に材料を供給する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の用途のために精密な量の液体又はペーストを供給するのに用いられるいくつかのタイプの供給システムがある。1つのそのような用途は、回路基板の基板上への集積回路チップ及び他の電子コンポーネントの組み付けである。この用途では、プリント回路基板上に液体エポキシ若しくははんだペースト、又は他の何らかの関連材料のドットを供給するのに自動化供給システムが用いられる。自動化供給システムは、アンダフィル材料及び封入材料のラインを供給するのにも用いられ、このラインは、コンポーネントをプリント回路基板に機械的に固定するのに用いることができる。上記で説明された例示的な供給システムには、マサチューセッツ州ホプキントンに事業所を有するIllinois Tool Works Electronic Assembly Equipment(ITWEAE)社によって製造及び市販されている供給システムが含まれる。
【0003】
典型的な供給システムでは、コンピュータシステム又はコントローラによって制御されるサーボモータを用いて3つの相互に直交した軸(x軸、y軸、及びz軸)に沿って供給ユニットを移動させるために、当該供給ユニットが移動アセンブリ又はガントリに取り付けられる。液体のドットをプリント回路基板又は他の基板上の所望の位置に供給するために、供給ユニットは、供給ユニットが所望の位置の上方に配置されるまで共平面の水平なx軸方向及びy軸方向に沿って移動される。その後、供給ユニットは、供給ユニット及び供給システムのノズル/ニードルが基板の上方で適切な供給高さになるまで垂直に方向付けされた鉛直z軸方向に沿って下降される。供給ユニットは、液体のドットを供給し、その後z軸に沿って上昇され、新たな位置にx軸及びy軸に沿って移動され、z軸に沿って下降されて、次の液体ドットを供給する。上記で説明されたようなアンダフィルの封入又は供給等の用途の場合、供給ユニットは、典型的には、供給ユニットが材料のラインの所望の経路に沿ってx軸及びy軸において移動されるにつれてこのラインを供給するように制御される。噴射ポンプ等のいくつかのタイプの供給ユニットの場合、供給動作の前後のz軸移動は、必要とされないことがある。
【0004】
図1は、典型的な供給ユニット1の一部を示しており、供給ユニット1は、支持ハウジング2と、支持ハウジングによって支持される流体ハウジング3と、流体ハウジングに粘性材料を送達するように流体ハウジングと流体連通する流入源4と、流体ハウジングの端部に設けられるノズルアセンブリ5と、流体ハウジング内に位置決めされ、ノズルアセンブリを通して材料を供給するように構成される、鉛直方向に配置される往復ピストン6とを備える。或る特定の供給材料は、導電性材料(銀)又は絶縁材料(シリカ)の懸濁粒子を含有することができる。これらの粒子は、往復ピストン6と典型的なU字形カップシール7との間の摺動接点に引き込まれる場合がある。時間とともに、U字形カップシール7は摩耗する場合があり、及び/又は、ピストン6とシールとの間に粒子が蓄積し、漏れ経路を形成する場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の1つの態様は、電子基板上に粘性材料を供給する供給システムに関する。1つの実施の形態において、供給システムは、フレームと、フレームに結合される支持体とを備える。支持体は、供給動作中に電子基板を受けて支持するように構成される。供給システムは、粘性材料を供給するように構成される供給ユニットアセンブリと、フレームに結合されるガントリとを更に備える。ガントリは、供給ユニットアセンブリを支持するとともに、供給ユニットアセンブリをx軸方向及びy軸方向に移動させるように構成される。供給ユニットアセンブリは、粘性材料を供給するように構成される供給ユニットを備える。供給ユニットは、支持ハウジングと、支持ハウジングによって支持される流体ハウジングとを備える。流体ハウジングは、チャンバと、材料給送管からチャンバに粘性材料を送達するように構成される入口とを有する。供給ユニットは、ハウジングに解放可能に固定され、流体ハウジングの端部を閉鎖するように構成されるノズルアセンブリを更に備える。供給ユニットは、流体ハウジングのチャンバ内に部分的に配置される往復ピストンを更に備える。ピストンは、ノズルアセンブリから粘性材料を供給するように構成される。供給ユニットは、流体ハウジング及びピストンに固定されるように構成される可撓性固定ダイヤフラムシールを更に備える。
【0006】
供給アセンブリの実施の形態は、ピストンに形成される直径が低減されたノッチ内に嵌合するようなサイズの内側ハブと、流体ハウジング内に圧縮嵌合するようなサイズの外側ハブと、内側ハブと外側ハブとを接続する可撓性ダイヤフラム部分とを有するように、ダイヤフラムシールを構成することを更に含むことができる。可撓性ダイヤフラム部分は、ピストンが流体ハウジング内で上下に往復する際に撓むように構成することができる。ノズルアセンブリは、ノズルナットと、ノズルと、ノズルアダプタとを更に備えることができる。ノズルナットは、支持ハウジングの下部に螺合可能に固定され、ノズル、ノズルアダプタ、及びバルブシートを、ノズルナットと流体ハウジングの下端部との間に固定するように構成することができる。供給ユニットは、バルブシートを流体ハウジングの底部に対してシールするOリングを更に備えることができる。バルブシートは、円錐状表面と、内部に形成される小径のボアとを有する略円筒形部材を備えることができる。
【0007】
本開示の別の態様は、電子基板上に粘性材料を供給するように構成される供給システムの供給ユニットに関する。1つの実施の形態において、供給ユニットは、支持ハウジングと、支持ハウジングによって支持される流体ハウジングとを備える。流体ハウジングは、チャンバと、材料給送管からチャンバに粘性材料を送達するように構成される入口とを含む。供給ユニットは、ハウジングに解放可能に固定され、流体ハウジングの端部を閉鎖するように構成されるノズルアセンブリを更に備える。供給ユニットは、流体ハウジングのチャンバ内に部分的に配置される往復ピストンを更に備える。ピストンは、ノズルアセンブリから粘性材料を供給するように構成される。供給ユニットは、流体ハウジング及びピストンに固定されるように構成される可撓性固定ダイヤフラムシールを更に備える。
【0008】
供給ユニットの実施の形態は、ピストンに形成される直径が低減されたノッチ内に嵌合するようなサイズの内側ハブと、流体ハウジング内に圧縮嵌合するようなサイズの外側ハブと、内側ハブと外側ハブとを接続する可撓性ダイヤフラム部分とを有するように、ダイヤフラムシールを構成することを更に含むことができる。可撓性ダイヤフラム部分は、ピストンが流体ハウジング内で上下に往復する際に撓むように構成することができる。ノズルアセンブリは、ノズルナットと、ノズルと、ノズルアダプタとを更に備えることができる。ノズルナットは、支持ハウジングの下部に螺合可能に固定され、ノズル、ノズルアダプタ、及びバルブシートを、ノズルナットと流体ハウジングの下端部との間に固定するように構成することができる。供給ユニットは、バルブシートを流体ハウジングの底部に対してシールするOリングを更に備えることができる。バルブシートは、円錐状表面と、内部に形成される小径のボアとを有する略円筒形部材を備えることができる。
【0009】
本開示の更に別の態様は、電子基板上に粘性材料を供給する方法に関する。1つの実施の形態において、方法は、電子基板を供給位置に送達することと、電子基板の少なくとも1つの画像を捕捉することと、電子基板の少なくとも1つの画像を分析して、電子基板の位置を求めることと、供給ユニットによって供給動作を実行することとを含み、供給ユニットは、支持ハウジングと、支持ハウジングによって支持される流体ハウジングであって、チャンバと、材料給送管からチャンバに粘性材料を送達するように構成される入口とを有する、流体ハウジングと、ハウジングに解放可能に固定され、流体ハウジングの端部を閉鎖するように構成されるノズルアセンブリと、流体ハウジングのチャンバ内に部分的に配置される往復ピストンであって、ノズルアセンブリから粘性材料を供給するように構成される、往復ピストンと、流体ハウジング及びピストンに固定されるように構成される可撓性固定ダイヤフラムシールとを備える。
【0010】
方法の実施の形態は、ピストンに形成される直径が低減されたノッチ内に嵌合するようなサイズの内側ハブと、流体ハウジング内に圧縮嵌合するようなサイズの外側ハブと、内側ハブと外側ハブとを接続する可撓性ダイヤフラム部分とを有するように、ダイヤフラムシールを構成することを更に含むことができる。可撓性ダイヤフラム部分は、流体ハウジング内でピストンが上下に往復する際に撓むように構成することができる。
【0011】
少なくとも1つの実施の形態の様々な態様が、添付した図を参照して以下に論述される。これらの図は、一律の縮尺で描くことを意図したものではない。図は、様々な態様及び実施形態の図解及び更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成するが、どの特定の実施形態の限定の定義としても意図されていない。図面は、本明細書の残りの部分とともに、説明及び特許請求される態様及び実施形態の原理及び動作を説明するように機能する。図において、様々な図に示された各同一の構成要素又はほぼ同一の構成要素は、同様の参照符号によって表される。明瞭にするために、あらゆる構成要素があらゆる図においてラベル付けされているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来のピストン及びシール設計を示す、供給ユニットの一部の断面図である。
図2】供給システムの概略図である。
図3】本開示の一実施形態の可撓性固定ダイヤフラムシールを備えるピストンを示す、供給ユニットの一部の断面図である。
図4】ダイヤフラムシールを示す、供給ユニットの一部の拡大断面図である。
図5】供給ユニットの一部の分解斜視図である。
図6A】ダイヤフラムシールを除いたピストンの一部の斜視図である。
図6B】ダイヤフラムシールを伴う、図6Aに示されているピストンの一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の種々の実施形態は、粘性材料供給システム、供給システムを含むデバイスに関する。本明細書に開示される実施形態は、供給システムによって電子基板上に材料を供給する技法に関し、供給システムは、可撓性固定ダイヤフラムシールを備える供給ユニットを備え、可撓性固定ダイヤフラムシールは、供給ユニットの往復ピストンを流体チャンバ内の加圧流体と大気との間でシールするように構成される。従来の供給ユニットにおいて使用される典型的な摺動型シールは、経時的に摩耗し、漏れが発生する場合がある。これにより、メンテナンス間隔及び/又はシールの交換が頻繁になり、望ましくない。本開示の1つの実施形態において、いずれかの端部に固定されるエラストマ製ダイヤフラムにより、ピストンにシールが形成される。エラストマは、ピストンが往復動する際、U字形カップ型シールにおけるようにピストンに対して摺動する代わりに、撓む。シールが摺動接点を有しないため、摩耗も漏れ経路も生じない。
【0014】
1つの実施形態において、ダイヤフラムシールは、エラストマ材料から全て一緒に成形される、外側フランジと、可撓性ウェブと、内側フランジとを有するように構成される。外側フランジは、組立て時に2つのハウジング間で圧縮され、静的シールを形成する。内側フランジは、組立て後にシャフト上での摺動を防止するために、ピストンシャフト上に設けられるノッチに嵌合する。流体圧力が内側フランジに作用し、内側フランジをシャフトに押し付け、シールとシャフトとの間の接点を効果的にシールする。2つのフランジ間の可撓性ウェブは、ピストンが軸方向に移動する際に撓み、ピストンの自由な動きを可能にするが、内部流体圧力と大気圧との間のシールを依然として提供することが可能である。
【0015】
例示のためだけであり、普遍性を制限するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に記述される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本明細書において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、制限するものと見なされるべきではない。本明細書において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本明細書における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、本明細書において開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本明細書において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に記載される物品と、その相当品及び追加の物品とを包含することを意味する。「又は/若しくは」に対する参照は、「又は/若しくは」を用いて記載される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、1つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを含むことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本明細書と、引用することにより本明細書の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本明細書の一部をなす文献における用語の使用法は、本明細書の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本明細書における用語の使用法が有効である。
【0016】
図2は、本開示の1つの実施形態による、全体として10で示される供給システムを概略的に示している。供給システム10は、プリント回路基板又は半導体ウェハ等の電子基板12上に、粘性材料(例えば、接着剤、封入材料、エポキシ、はんだペースト、アンダフィル材料等)又は半粘性材料(例えば、はんだフラックス等)を供給するのに用いられる。供給システム10は、代替的に、自動車用ガスケット材料を塗布するため、又は、或る特定の医療分野に適用するため、又は、導電性インクを塗布するため等の、他の応用において用いることができる。本明細書において用いられる場合、粘性材料又は半粘性材料に対する参照は例示であり、非限定的なものであることが意図されることを理解されたい。1つの実施形態において、供給システム10は、それぞれ全体として14及び16で示される第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットのアレイと、供給システムの動作を制御するコントローラ18とを備える。供給ユニットは、本明細書において、供給ポンプ及び/又は供給ヘッドと称されることもあることを理解されたい。2つの供給ユニットを示すが、供給ユニットのアレイは、単一又は複数の供給ユニットを使用することができることを理解されたい。
【0017】
また、供給システム10は、電子基板12を支持する土台又は支持体22を有するフレーム20と、供給ユニット14、16を支持し、移動させるためにフレーム20に移動可能に結合された供給ユニットガントリ24と、例えば、較正手順の一部として、粘性材料の供給された量を計量し、重量データをコントローラ18に与える重量測定デバイス又は計量器26とを備えることができる。供給システムに対する電子基板の装着及び取外しを制御するために、供給システム10において、コンベヤシステム(図示せず)又は移動ビーム等の他の移送機構を使用してもよい。ガントリ24は、コントローラ18の制御下においてモータを用いて移動し、供給ユニット14、16を電子基板の上方の所定の位置に位置決めすることができる。供給システム10は、作業者に種々の情報を表示するためにコントローラ18に接続されたディスプレイユニット28を備えることができる。供給ユニットを制御する任意選択の第2のコントローラを設けてもよい。また、各供給ユニット14、16は、z軸センサを用いて、電子基板12の上方又は電子基板上に実装される機構の上方に供給ユニットが配置される高さを検出するように構成することができる。z軸センサは、コントローラ18に結合され、センサによって取得された情報をコントローラに中継する。
【0018】
上記のような、供給動作を実行する前に、基板、例えば、プリント回路基板は、供給システムの供給ユニットに対して整列、又は、別の方法で位置合わせしなければならない。供給システムは、視覚システム30を更に備え、1つの実施形態において、視覚システム30は、視覚システムガントリ32に結合され、視覚システムガントリ32は、視覚システムを支持するとともに移動させるために移動可能にフレーム20に結合される。別の実施形態において、視覚システム30は、供給ユニットガントリ24上に設けられていてもよい。上記のように、視覚システム30は、電子基板上の、基準として知られるランドマーク又は構成要素の位置を照合するために利用される。位置特定されると、コントローラは、電子基板上に材料を供給するように供給ユニット14、16のうちの1つ以上の動きを操作するようにプログラミングすることができる。
【0019】
本開示のシステム及び方法は、電子基板、例えば、プリント回路基板上に材料を供給することに関する。本明細書において提供されるシステム及び方法の説明は、供給システム10の支持体22上に支持される例示的な電子基板12(例えば、プリント回路基板)を参照する。1つの実施形態においては、供給動作は、コントローラ18によって制御され、コントローラ18は、材料供給ユニットを制御するように構成されたコンピュータシステムを含んでいてもよい。別の実施形態においては、コントローラ18は作業者が操作するようにしてもよい。コントローラ18は、電子基板12の1つ以上の画像を取得するように視覚システムを移動させるために視覚システムガントリ32の動きを操作するように構成される。コントローラ18は、供給動作を実行するために、供給ユニット14、16を移動させるように供給ユニットガントリ24の動きを操作するように更に構成される。
【0020】
本明細書において開示される方法は、以下に限定されるものではないが、オーガ、ピストン及び噴射ポンプを含む種々のタイプの供給ユニットの使用を更にサポートする。
【0021】
1つの実施形態において、本明細書に記載される例示的な供給システムは、マサチューセッツ州ホプキントン所在のITWEAE社によって販売されているCamalot(商標)供給システムを具現することができる。
【0022】
図3及び図5を参照すると、本開示の一実施形態の供給ユニットの一部が、全体として40で示されている。図示のように、供給ユニット40は、支持ハウジング42と、支持ハウジングによって支持される流体ハウジング44と、全体として46で示されているノズルアセンブリとを備え、ノズルアセンブリは、支持ハウジングに解放可能に固定され、流体ハウジングの端部を閉鎖する。具体的には、軸Aに沿ってアクチュエータに結合される支持ハウジング42が、供給する粘性材料を受け取る流体ハウジング44を支持するように構成される。流体ハウジング44は、ノズルアセンブリ46によって適所に固定され、ノズルアセンブリ46は、1つの実施形態において、ノズルナット48と、ノズル50と、ノズルアダプタ52と、流体ハウジングの下部が当接するバルブシート54とを備える。流体ハウジング44は、材料給送管58と流体連通する円筒形チャンバ56を画定し、円筒形チャンバ56は、材料供給アセンブリから材料を受け取るようになっている。図示のように、材料給送管58は、粘性材料、例えば、はんだペースト又はエポキシを、流体ハウジングに形成される入口60を通して流体ハウジング44のチャンバ56内に導入する。
【0023】
いくつかの実施形態において、ノズルアセンブリ46は、バルブシートを備えず、ノズルナット48、ノズル50、及びノズルアダプタ52のみを有して構成することができる。
【0024】
供給ユニット40は、流体ハウジング44のチャンバ56内に部分的に配置される往復ピストン62を更に備える。ピストン62は、アクチュエータによって作動され、ばね及びプランジャによって又は直接、空気圧シリンダへと、ヨークによって下方に付勢される上端部と、バルブシート54に係合するように構成される下端部とを有する。ピストン62は、軸Aに沿って流体ハウジング44のチャンバ56内に収納されるとともに、摺動可能に移動するように構成される。
【0025】
1つの実施形態において、ノズルアダプタ52は、支持ハウジング42の下部に螺合可能に固定され、ノズルアダプタ52と流体ハウジング44の下端部との間にバルブシート54を固定するように構成される。ノズルナット48は、ノズルアダプタ52の下部に螺合可能に固定され、ノズル50をバルブシート54に固定するように構成される。図5に示されているように、Oリング64が、バルブシート54を流体ハウジング44の底部に対してシールするように設けられる。バルブシート54は、円錐状表面と、例えば、直径約0.25mm(0.010インチ)の小径のボアとを有する略円筒形部材を含み、そのボアを通って流体がノズルに向かって移動する。1つの実施形態において、バルブシート54は、炭化タングステン等の硬質材料から製造することができる。この構成は、ピストン62が下方に移動してバルブシート54に係合すると、ノズルに形成される、例えば、直径約0.13mm(0.005インチ)の小径のボアから、基板、例えば、回路基板12上に、粘性材料を吐出するようになっている。
【0026】
特定の実施形態において、ノズルアセンブリ46は、ノズルアセンブリの清掃に役立つように、完成したアセンブリ(ノズルナット48、ノズル50)として供給システム10のエンドユーザに提供することができる。具体的には、使用済みのノズルアセンブリ46は、ノズルナット48のねじを緩めることによって、供給ユニット40の支持ハウジング42から完全に取り外し、新たな(きれいな)ノズルアセンブリと交換することができる。さらに、ノズルアダプタ52、バルブシート54、Oリング64、及び流体ハウジング44は、流体メンテナンスに役立つアセンブリとして提供することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、バルブシートを備えないノズルアセンブリ46の場合、Oリング64は、ノズル50と流体ハウジング44の底部との間にシールを提供する。
【0028】
動作時、往復ピストン62は、流体ハウジング44のチャンバ56内で上側位置と下側位置との間で可動である。供給媒体、例えば、はんだペースト又はエポキシは、圧力によって、材料給送管58から入口60を通して流体ハウジング44のチャンバ56内に導入され、供給材料は、流体ハウジング44を通ってバルブシート54の上の開放空間に流れる。下側位置では、ピストン62は、バルブシート54に着座し、上側位置では、ピストンは、ノズルアセンブリ46のバルブシートから上昇している。1つの実施形態において、アクチュエータアセンブリは、ピストン62に結合される、圧電アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、又はボイスコイルモータのうちの1つを備え、アクチュエータアセンブリの動作は、上側位置と下側位置との間のピストンの動きを引き起こす。ピストン62が下降位置に移動してバルブシート54に接すると、材料の小滴が、ノズルに形成される小径のボアを通して供給される。
【0029】
いくつかの実施形態において、ピストン62は、バルブシート54に係合し、それにより、ノズルの小径のボアを通して材料を圧送することによって、ノズルアセンブリ46のノズル50から材料を供給するように構成される。
【0030】
他の実施形態において、ピストン62は、ノズルの小径のボアを通してチャンバ56内の材料を圧送することによって、バルブシート54を備えないノズルアセンブリ46のノズル50から材料を供給するように構成される。
【0031】
1つの実施形態において、供給ユニット40は、供給材料源に加圧空気を提供し、材料給送管58を通して供給ユニットの流体ハウジング44内に材料を導入する。もたらされる特定の圧力は、使用される材料、供給される材料の体積、及び供給ユニット40の動作モードに基づいて選択することができる。供給システム10の動作中、ユーザは、供給プラットフォームのユーザインターフェース、すなわち、ディスプレイユニット28を通して、回路基板上の供給領域を規定する。供給ユニット40は、材料のドット及びラインを供給するように使用することができる。供給ユニット40は、供給システム10の複数の供給サイクルを通して形成される材料のラインを供給するように使用され、個々の供給サイクルを使用して回路基板又は他の基板上の選択された位置に材料を供給するように使用される場合。材料のラインに関して、ユーザがラインの開始位置及び停止位置を規定し、供給プラットフォームが、ラインに沿って材料を配置するように供給ユニット40を移動させることが可能である。回路基板上の全ての供給領域が規定され、供給パラメータが供給ユニット制御パネルを使用して設定されると、供給システムは、処理のために回路基板を受け取ることが可能である。回路基板を供給位置に移動させた後、供給システム10は、ガントリシステム24を制御して、供給ユニット40を供給位置の上に位置決めする。別の実施形態において、回路基板を、静止した供給ユニットの下に移動させることができる。特定の基板への供給は、材料が基板上の全ての位置に供給されるまで続けられる。その後、基板はシステムから取り外され、新たな基板をシステム内に装填することができる。
【0032】
図4図6A及び図6Bを更に参照すると、供給ユニット40は、流体ハウジング44及びピストン62に固定される、全体として70で示されている可撓性固定ダイヤフラムシールを更に備える。具体的には、ダイヤフラムシール70は、ピストン62に形成される直径が低減されたノッチ66内に嵌合するようなサイズの内側ハブ72と、流体ハウジング44内に圧縮嵌合するようなサイズの外側ハブ74と、内側ハブと外側ハブとを接続する可撓性ダイヤフラム部分76とを有する。ダイヤフラムシール70の可撓性ダイヤフラム部分76は、ピストン62が流体ハウジング44内で上下に往復する際に撓むように構成される。1つの実施形態において、ダイヤフラムシール70を形成するように使用される材料は、エラストマ材料、例えば、成形によりダイヤフラムシールを形成するエチレンプロピレンゴム(EPM)である。他の好適な材料、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマゴム(EPDM)、フルオロエラストマ材料(FKM)、又は熱可塑性ポリウレタンエラストマ材料(TPU)を使用することもできる。
【0033】
図示の実施形態において、内側ハブ72は、軸Aの周りのダイヤフラムシール70の外側ハブ74内に同心に位置決めされる。図4に最もよく示されているように、ダイヤフラムシール70の内側ハブ72は、外側ハブ74に対して下方に延在し、可撓性ダイヤフラム部分76が、内側ハブの上部と外側ハブの中央又は中間部とを接続する。この構造は、ピストン62及びダイヤフラムシール70の内側ハブ72の、外側ハブ74及び流体ハウジング44に対する柔軟な相対移動を可能にする。その結果、流体ハウジング44内の流体圧力により、ピストンのノッチ66内においてダイヤフラムシール70の内側ハブ72がピストン62に対してシールされる。この設計の1つの利点は、動作中のピストン62の摩擦、すなわち、流体ハウジング44内のピストンの往復運動がほとんど乃至全くなくなることである。別の利点は、ダイヤフラムシール70の製造が低コストであることである。更に別の利点は、ダイヤフラムシール70がピストン62又は流体ハウジング44との摺動接点を有しないことで、接点間の漏れを排除又は大幅に低減することである。
【0034】
したがって、可撓性ウェブ、すなわち、可撓性ダイヤフラム部分76の内側ハブ72と外側ハブ74との間の静止角は、可撓性ウェブが常に圧縮状態にあり、張力下にないため、エラストマに対する応力が低減され、シールの寿命を向上させるようになっていることが見て取れるはずである。可撓性ウェブの面積は、流体内の従来の流体圧力(最大約414kPa(60psi))にさらされながらも、耐久性のため及び歪みを最小にするために、最小限に抑えられる。
【0035】
本開示のダイヤフラムシール70の実施形態は、往復ピストンを使用して流体を供給する広範な供給ユニットにおいて使用することができる。ダイヤフラムシール70は、全ての用途に対してメンテナンス期限の延長を可能にし、又は、いくつかの供給材料の場合、漏れを伴わないハードウェア及びプロセス解決策を提供する能力を可能にする。
【0036】
したがって、本開示の実施形態の可撓性固定ダイヤフラムシール70は、製造組立てラインにおける供給ポンプのメンテナンス頻度を許容可能にするのに特に適していることが見て取れるはずである。従来のU字形カップ型シール、例えば、U字形カップシール7の摺動接点を排除することにより、供給ツールのメンテナンス頻度を、供給ツールハードウェアではなく、供給される材料の寿命周辺に予定することができる。
【0037】
このように、本開示の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、当業者には種々の改変、変更及び改善が容易に思い浮かぶことは理解されたい。そのような改変、変更及び改善は、本開示の一部であることを意図しており、本発明の趣旨及び範囲内にあることを意図している。したがって、これまでの説明及び図面は一例にすぎない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
【国際調査報告】