(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】有機材料を安定化するためのヒドロキシケイ皮酸塩の使用、安定化された有機材料、有機材料を安定化するための方法、特定の安定剤および安定剤組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20230426BHJP
C08K 5/13 20060101ALI20230426BHJP
C10M 129/44 20060101ALI20230426BHJP
C10N 30/10 20060101ALN20230426BHJP
C10N 50/10 20060101ALN20230426BHJP
C10N 40/08 20060101ALN20230426BHJP
C10N 40/04 20060101ALN20230426BHJP
C10N 40/25 20060101ALN20230426BHJP
C10N 40/12 20060101ALN20230426BHJP
C10N 40/00 20060101ALN20230426BHJP
C10N 40/20 20060101ALN20230426BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K5/13
C10M129/44
C10N30:10
C10N50:10
C10N40:08
C10N40:04
C10N40:25
C10N40:12
C10N40:00 A
C10N40:20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558027
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2021057775
(87)【国際公開番号】W WO2021191364
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】102020203988.7
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503306168
【氏名又は名称】フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プフェンドナー,ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】メッチ-ツィリゲン,エルケ
【テーマコード(参考)】
4H104
4J002
【Fターム(参考)】
4H104BB19C
4H104BB31A
4H104DA02A
4H104DA06A
4H104LA05
4H104PA03
4H104PA05
4H104PA07
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4H104QA18
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4J002GQ00
(57)【要約】
本発明は、有機材料を安定化するための特定のヒドロキシケイ皮酸塩の使用に関する。本発明はまた、特定のヒドロキシケイ皮酸塩を配合することにより適切に安定化された有機材料、及び有機材料を安定化する方法に関する。さらに、有機安定剤として適したヒドロキシケイ皮酸の特定のアルミニウム塩が開示されている。さらに、本発明は、相応するヒドロキシケイ皮酸塩を含む安定剤組成物に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機材料を、特に、酸化的、熱的および/または化学線分解に対して安定化させるための、一般式Iで表される化合物または一般式Iで表される複数の化合物の混合物の使用。
【化1】
式中、
R
1、R
2およびR
3はそれぞれ、互いに独立して、ヒドロキシ、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝したアルコキシ基、および水素からなる群から選択され、ただし、残基R
1、R
2およびR
3の少なくとも1つはヒドロキシ基であり、
Mは、金属からなる群から選択され、しかも
nは、1~4の整数である。
【請求項2】
プラスチック、コーティング、潤滑剤、油圧油、エンジン油、タービン油、トランスミッション油、金属加工液、化学薬品、またはモノマーを安定化させるための、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記残基R
1、R
2およびR
3がそれぞれヒドロキシ基を表す、
前記残基R
1、R
2およびR
3のうちの2つがヒドロキシ基を表し、残基R
1、R
2およびR
3のうちの1つが、水素または1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝したアルコキシ基を表す、
前記残基R
1、R
2およびR
3の1つがヒドロキシ基を表し、残基R
1、R
2およびR
3の2つが、1~6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝したアルコキシ基を表す、または
前記残基R
1、R
2およびR
3のそれぞれ1つずつが、ヒドロキシ基、1~6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝したアルコキシ基、および水素を表す、
ことを特徴とする、請求項1~2の一項に記載の使用。
【請求項4】
一般式Iで表される前記化合物が、以下の化合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~3の一項に記載の使用:
【化2】
式中、Mおよびnは、請求項1にて定義されたものである。
【請求項5】
前記金属Mが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、および亜鉛からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~4の一項に記載の方法。
【請求項6】
一般式Iで表される前記化合物または、一般式で表される複数の化合物の混合物の場合には、一般式Iで表される全ての前記化合物の総量が、0.01~10.00重量%、好ましくは0.02~5.00重量%、特に好ましくは0.05~2.00重量%の重量割合で前記有機材料中に含まれることを特徴とする、請求項1~5の一項に記載の使用。
【請求項7】
前記プラスチックが、
a)オレフィンまたはジオレフィンのポリマー、例えば、ポリエチレン(LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDPE、HDPE、UHMWPE)、メタロセン-PE(m-PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ-4-メチルペンテン-1, ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン-カーボンモノオキシドコポリマー、および統計構造またはブロック構造の形態のコポリマー、例えば、ポリプロピレン-ポリエチレン(EP)、EPMまたはEPDM、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、エチレン-アクリルエステル、例えば、エチレン-ブチルアクリレート、エチレン-アクリル酸およびそれらの塩(アイオノマー)、およびターポリマー、例えばエチレン-アクリル酸-グリシジル(メタ)アクリレート、グラフトポリマー、例えばポリプロピレン-グラフト-無水マレイン酸、ポリプロピレン-グラフト-アクリル酸、ポリエチレン-グラフト-アクリル酸、ポリエチレン-ポリブチルアクリレート-グラフト-無水マレイン酸、及びそれらの混合物;
b)ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリ-α-メチルスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルビフェニル、ポリビニルトルオール、スチレン-ブタジエン(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレ-ンスチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン、スチレン-イソプレン、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル(ABS)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、スチレン-アクリロニトリル-アクリレート(ASA)、スチレン-エチレン、スチレン-マレイン酸無水物ポリマー、対応するグラフトコポリマー、例えば、ブタジエン上のスチレン、SBSまたはSEBS上の無水マレイン酸、およびメチルメタクリレート、スチレン-ブタジエン、およびABSのグラフトコポリマー(MABS)、並びにポリビニルシクロヘキサンなどの水和ポリスチレン誘導体を含む;
c)ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリクロロプレン、及びポリ塩化ビニリデン(PVDC) 、塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマー、または塩化ビニルと酢酸ビニルから構成されるコポリマー、塩素化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、それらのエピクロロヒドリン-ホモおよびコポリマー;
d)不飽和エステルのポリマー、例えば、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル-ポリアルキルアクリレートなどのコポリマー;
e)不飽和アルコールのポリマーおよび誘導体、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン;
f)ポリアセテート、例えばポリオキシメチレン(POM)または、例えばブタナールとのコポリマー;
g)ポリフェニレンオキシドおよびポリスチレンまたはポリアミドとの混合物;
h)環状エーテルのポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン;
i)ヒドロキシ末端ポリエーテルまたはポリエステルと芳香族または脂肪族イソシアネートからのポリウレタン、特に線状ポリウレタン(TPU)、ポリウレア;
j)ポリアミド-6、6.6、6.10、4.6、4.10、6.12、10.10、10.12、12.12、ポリアミド11、ポリアミド12などのポリアミド、および(部分)芳香族ポリアミド、例えばポリフタルアミド、例えば、テレフタル酸および/またはイソフタル酸と脂肪族ジアミンから、またはアジピン酸またはセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸と1,4-または1,3-ジアミノベンゾールなどの芳香族ジアミンから調製されたポリフタルアミド、異なるポリアミドの混合物、例えばPA-6及びPA 6.6または、ポリアミドとポリオレフィンの混合物、例えばPA/PP ;
k)ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリ(エーテル)ケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリヒダントイン;
l)脂肪族または芳香族ジカルボン酸とジオールとのポリエステル、またはヒドロキシカルボン酸のポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフチレート(PEN)、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシ安息香酸、ポリヒドロキシナフタレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)、ポリエチレンサクシネート、ポリテトラメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン;
m)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、およびPC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、PC/PAなどの混合物;
n)セルロース誘導体、例えばセルロースニトレート、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、
o)エポキシ樹脂、例えば、アミン、無水物、ジシアンジアミド、メルカプタン、イソシアネートまたは触媒活性硬化剤を主剤とする硬化剤と組み合わせた二官能性または多官能性エポキシ化合物からなるもの、
p)フェノール樹脂、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂;
q)不飽和ジカルボン酸と、ビニル化合物を含むジオールとの不飽和ポリエステル樹脂;
r)シリコーン;
s)および上記のポリマーの2つ以上の混合物、組み合わせ、または配合物、
から成る群より選ばれたものである、プラスチックを安定化させるための、請求項1~6の一項に記載の使用。
【請求項8】
前記プラスチックが、一次および/または二次酸化防止剤、特にホスファイト、ホスホナイト、チオール、フェノール酸化防止剤、立体障害アミン、ヒドロキシルアミン、およびそれらの混合物または組合せ、UV吸収剤、光安定剤、ヒドロキシルアミンベース上の安定剤、ベンゾフラノンベース上の安定剤、核形成剤、靭性向上剤、可塑剤、流動性調整剤、レオロジー調整剤、連鎖延長剤、加工助剤、顔料、染料、蛍光増白剤、抗菌活性剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、分散剤、相溶化剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、共安定化剤、マーキング剤、および防曇剤からなる群から選択された一次および/または二次酸化防止剤からなる群から選択された、少なくとも1種のさらなる添加剤を含む、および/または使用時に前記プラスチックに添加されることを特徴とする、請求項1~7の一項に記載の使用。
【請求項9】
前記の少なくとも1種の添加剤が、有機材料の式Iで表される少なくとも1種の化合物および少なくとも1種の添加剤の総量に対して、0.01~80重量%、好ましくは0.01~9.99重量%、さらに好ましくは0.01~4.98重量%、特に好ましくは0.02~2.00重量%の量で添加されるかまたは含まれることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
一般式Iで表される化合物又は一般式Iで表される複数の化合物の混合物が、共安定化剤と組み合わせて使用され、この際、当該共安定化剤が、ポリオール、特にアルジトールおよび/またはシクリトール、例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、短鎖ポリエーテルポリオールまたは短鎖ポリエステルポリオール、ならびにアルコール基を有する超分枝ポリマー/オリゴマーまたはデンドリマー、トレイトール、エリスリトール、ガラクチトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルトール、ラクチトール、マルチトール、アルトリトール、イジトール、マルトトリトール、ポリオール末端基を有する水和オリゴ糖および多糖、ならびにそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~9の一項に記載の使用。
【請求項11】
有機材料、特にプラスチック組成物であって、安定剤として、一般式Iで表される少なくとも1つの化合物、または一般式Iで表される複数の化合物の混合物を含む有機材料。
【化3】
式中、R
1、R
2、R
3、Mおよびnは、請求項1,3および5の一項にて定義されたものである。
【請求項12】
以下の組成:
0.01~10.00重量%、好ましくは0.01~7.50重量%、さらに好ましくは0.02~5.00重量%、特に好ましくは0.050~2.00重量%の一般式Iで表される化合物、または一般式Iで表される複数の化合物の混合物の場合には、一般式Iで表されるすべての化合物の総量、
99.99~10.00、好ましくは99.99~90.00重量%、好ましくは99.89~95.00重量%、特に好ましくは99.95~98.00重量%の、好ましくはプラスチック、コーティング、潤滑剤、作動油、エンジン油、タービン油、トランスミッション油、金属加工液、化学物質、またはモノマーからなる群から選択される少なくとも1つの有機材料、および
0~80.00重量%、好ましくは0~9.99重量%、さらに好ましくは0.01~4.98重量%、特に好ましくは0.02~2.00重量%の少なくとも1つの添加剤
この際、上記構成成分は合計100%になる、
を有する、請求項11に記載の有機材料。
【請求項13】
前記の少なくとも1つの添加剤が、一次および/または二次酸化防止剤、特に、ホスファイト、ホスホナイト、チオール、フェノール酸化防止剤、立体障害アミン、ヒドロキシルアミン、およびそれらの混合物または組合せ、UV吸収剤、光安定剤、ヒドロキシルアミンベース上の安定剤、ベンゾフラノンベース上の安定剤、核形成剤、靭性向上剤、可塑剤、流動性調整剤、レオロジー調整剤、連鎖延長剤、加工助剤、顔料、染料、蛍光増白剤、抗菌活性剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、分散剤、相溶化剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、共安定化剤、マーキング剤、および防曇剤からなる群から選択された一次および/または二次酸化防止剤からなる群から選択され、
前記の少なくとも1つの添加剤が特に、ホスファイト、ホスホナイト、およびチオールからなる群から選択される二次酸化防止剤からなる群から選択され、少なくとも1種の共安定化剤が、ポリオール、酸捕捉剤、および立体障害アミンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の有機材料。
【請求項14】
有機材料を安定化、特に酸化的、熱的および/または化学線分解に対して安定化させる方法であって、当該方法においては、一般式Iで表される化合物、または一般式Iで表される複数の化合物:
【化4】
式中、R
1、R
2、R
3、Mおよびnは、請求項1,3および5の一項にて定義されたものである、
を前記有機材料に添加することを特徴とする、有機材料の安定化方法。
【請求項15】
一般式I:
【化5】
式中、R
1、R
2およびR
3は各々、互いに独立して、ヒドロキシ基、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝したアルコキシ基、および水素からなる群から選択され、ただし、残基R
1、R
2およびR
3の少なくとも1つはヒドロキシ基であり、
Mはアルミニウムであり、しかも
nは3である、
で表される化合物。
【請求項16】
a)一般式Iで表される化合物、または一般式Iで表される複数の化合物の混合物
【化6】
式中、R
1、R
2、R
3、Mおよびnは、請求項1,3および5の一項にて定義されたものである(構成成分A)、及び
b)ホスファイト、ホスホナイト、もしくはチオールからなる群から選択される少なくとも1つの二次酸化防止剤、またはポリオール、酸捕捉剤、または立体障害アミンからなる群から選択される少なくとも1つの共安定剤、及びそれらの混合物および組合せ(構成成分B)
を含む、又はこれらから成る安定剤組成物。
【請求項17】
前記構成成分Aと構成成分Bが100:1~1:100、好ましくは10:1~1:10、特に好ましくは4:1~1:4の重量比で存在することを特徴とする、請求項16に記載の安定剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機材料を安定化するための特定のヒドロキシケイ皮酸塩の使用に関する。
本発明はさらに、特定のヒドロキシケイ皮酸塩を混合することによって相応して安定化された有機材料、および有機材料を安定化する方法に関する。さらに、有機安定剤として好適なヒドロキシケイ皮酸の特定のアルミニウム塩が記載されている。本発明はさらに、対応するヒドロキシケイ皮酸塩を含む安定剤組成物に関する。
【0002】
プラスチックのような有機材料は、機械的特性値などの所望の特性の損失を最終的にもたらす老化プロセスを受ける。自動酸化と呼ばれるこのプロセスは、例えばメカノケミカルプロセスまたは酸素存在下での UV 放射によるラジカル鎖切断から生じる、分子量の変化または新しい化学基の形成など、ポリマー鎖の変化をもたらす。それゆえ、安定剤が、前記老化を防止するか、または少なくとも遅延させるために使用される。安定剤の重要な代表例は酸化防止剤であり、これは、自動酸化中に形成されるフリーラジカルを妨害し、これにより、分解プロセスを中断する。一般に、酸素含有フリーラジカルまたはCラジカルと直接反応することができる一次酸化防止剤と、中間体として形成されるヒドロペルオキシドと反応する二次酸化防止剤とに区別される(C.Kroehnke et al. Antioxidants in Ullmann’s encyclopedia of industrial chemistry, Wiley-VCH Verlag, Weinheim 2015を参照)。一次酸化防止剤の典型的な代表例は、例えばフェノール系酸化防止剤、アミンだけでなく、ラクトンもである。二次酸化防止剤の種類は、ホスファイトおよびホスホナイトなどのリン化合物であるが、チオエステルおよびジスルフィドなどの有機硫黄化合物でもある。一次および二次酸化防止剤は、典型的には実際にはしばしば組み合わされ、相乗効果を生じる。
【0003】
石油または天然ガスなどの化石原料から形成されるプラスチックは、生化学プロセスを介して得られる再生可能な原料に基づくプラスチックによって、ますます補充または置き換えられている。その際、持続可能性の問題は、そのために使用される一次および二次酸化防止剤(および化石原料から製造されるプラスチック)についても生じる。したがって、非常に効果的であり、低い揮発性を有し、ポリマー基材と相溶性のある再生可能で利用可能な原料をベースとした安定剤が必要とされている。
【0004】
基本的に、再生可能な原料から製造され、時にはプラスチックにも使用される一次酸化防止剤が知られている。トコフェロール(ビタミンE)は典型的な例である。通常の酸化防止剤のようなトコフェロールは立体障害フェノール構造を有し、単独で、または二次酸化防止剤と組み合わせて使用できる(例えば、S.Al-Malaika, Macromol.Symp. 2001, 176, 107-117)。トコフェロールは、例えば、コムギ胚芽油またはオリーブ油などの天然産物から単離することができる。
【0005】
更に、プラスチック中で抗酸化的に作用するさらなる公知のフェノールは、例えば、ケルセチン(B.Kirschweng et al., Eur.Pol.J. 2018, 103, 228-237)、ジヒドロミリセチン(B.Kirschweng et al., Pol.Degr.Stab. 2016, 133, 192-200)、ロスマリン酸の誘導体(K.Doudin et al., Pol.Degr.Stab. 2016, 130, 126-134)、またはタンニン(W.J.Grigsby et al., Polymers 2013, 5, 344-360)である。
【0006】
さらに、フェルラ酸の誘導体(A.F.Reano et al., ACS Sustainable Chemistry and Engineering 4(2015), 6562-6571)や、カフェイン酸(V.Ambrogi et al., Biomacromolecules 15(2014), 302-310)も知られている。
【0007】
しかしながら、ほとんどの天然フェノールは、適用可能な娘生成物(daughter products)の単離、濾過、または製造において高い努力を必要とする。
【0008】
フェルラ酸およびその塩は、例えば、化粧品産業において、または活性医薬成分として使用され(例えば、FR 2907338、CN 101181256、DE 1957433);塩の調製は一般に知られている(例えば、AT 317184)。光安定剤を有する層化合物、例として、可能な光安定剤としてケイ皮酸ナトリウムを含み、プラスチックまたはコーティングに使用できるものが、CN 107629310にて合成される。
【0009】
フェルラ酸のエステル誘導体もさらに知られている(A.F.Reano et al., ACS Sustainable Chemistry and Engineering 4(2015), 6562-6571、A.F.Reano et al., ACS Sustainable Chemistry and Engineering 3(2015), 3486-3496、フェルラ酸(US 2016257846)およびコーヒー酸(caffeic acid) (V.Ambrogi et al., Biomacromolecules 15(2014), 302-310)のオリゴマーおよびポリマー)。しかしながら、前記誘導体は、比較的複雑な様式で酵素合成により生成される。エステル化合物の形成で同様に知られているフェルラ酸誘導体は、イソソルビドエステル(US20070189990)およびコレスタニルエステル(WO2018153917)である。
【0010】
これから出発して、本発明の目的は、高い有効性、高い熱安定性、および低い揮発性を有する再生可能資源に基づく、有機材料、特にポリマーのための持続可能な酸化防止剤を提供することであった。
【0011】
この目的は、有機材料を、特に酸化的、熱的および/または化学線分解(actinic degradation)に対して安定化させるための、請求項1に定義された一般式Iの化合物の使用にて達成される。この目的はさらに、請求項11に記載の有機材料によって達成される。本発明はさらに、請求項14に記載の有機材料の安定化方法に関する。安定剤として使用される特定のケイ皮酸塩は、請求項15に定義されている。本発明はさらに、請求項16に記載の安定剤組成物に関する。この点におけるそれぞれの従属請求項は、有利な更なる発展形態を示している。
【0012】
それゆえ、第1の態様によれば、本発明は、有機材料を、特に酸化的、熱的および/または化学線分解に対して安定化させるための、一般式Iで表される化合物または一般式Iで表される複数の化合物の混合物の使用に関するものである。
【0013】
【0014】
式中、R1、R2およびR3はそれぞれ、互いに独立して、ヒドロキシ、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基、および水素からなる群から選択され、ただし、残基R1、R2およびR3の少なくとも1つはヒドロキシ基であり、
Mは金属からなる群から選択され、しかも
nは1~4の整数である。
【0015】
本発明によれば、化粧品は、前記の有機材料に属するものとしてカウントされない。
【0016】
本発明によれば、少なくとも1つのフェノール基が立体障害を有するヒドロケイ皮酸の金属塩が、安定剤として使用される。
【0017】
驚くべきことに、式Iによる本発明による化合物は安定剤として作用し、高い有効性、環境に優しいこと、および再生可能資源に基づく好ましいコスト構造を有することが見出された。
【0018】
好ましい実施形態は、本発明が、プラスチック、コーティング、潤滑剤、油圧油、エンジン油、タービン油、トランスミッション油、金属加工油、化学物質、またはモノマーの安定化に関することを提供する。例えば、射出成形部品、箔またはフィルム、発泡体、繊維、ケーブルおよびパイプ、セクション、中空体、リボン、膜、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー加工、プレス加工、紡糸プロセス、または回転成形によって製造される接着剤の形態のプラスチック、例えば、電気および電子産業、建設産業、輸送産業(自動車、航空機、船舶、鉄道)、医療用途、家庭用および電気機器、車両部品、消費者製品、包装、家具、繊維製品。さらなる使用分野としては、ラッカー、塗料、およびコーティングならびに油および脂肪の安定化が挙げられる。
【0019】
好ましい実施形態は、
残基R1、R2及びR3がそれぞれヒドロキシ基を表す、
残基R1、R2及びR3の2つがヒドロキシ基を表し、残基R1、R2 およびR3の1つが水素または炭素数1~6の直鎖もしくは分枝アルコキシ基を表す、
残基R1、R2及びR3の1つがヒドロキシ基を表し、残基R1、R2 およびR3の2つが炭素数1~6の直鎖もしくは分枝アルコキシ基を表す、又は
残基R1、R2およびR3のそれぞれ1つずつが、ヒドロキシ基、炭素数1~6の直鎖もしくは分枝アルコキシ基および水素を表す、
を提供する。
【0020】
特に好ましい実施形態によれば、一般式Iで表される化合物は、以下の化合物からなる群から選択される:
【0021】
【0022】
この好ましい実施形態によれば、本発明に従って使用されるヒドロキシケイ皮酸塩は、以下のヒドロキシケイ皮酸から誘導される:
【0023】
【0024】
前記金属Mは、ここでは特に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、および亜鉛からなる群から選択される。
【0025】
ここで好ましいアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、およびカリウムであり、ナトリウムが特に好ましい。好ましいアルカリ土類金属は、特にマグネシウムおよびカルシウムである。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施形態は、一般式Iで表される化合物、または一般式Iで表される複数の化合物の混合物の場合、一般式Iで表される全ての化合物の総量が0.01~10.00重量%、好ましくは0.02~5.00重量%、特に好ましくは0.05~2.00重量%の重量割合で有機材料中に含まれることを提供する。
【0027】
本発明は、熱可塑性ポリマー、エラストマーポリマー、または熱硬化性ポリマーの安定化に特に適している。熱可塑性および熱硬化性ポリマーは、例えば:
【0028】
a)オレフィンまたはジオレフィンのポリマー、例えばポリエチレン(LDPE、LLDPE、ULDPE、MDPE、HDPE、およびUHMWPE)、メタロセンPE(m-PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、例えば天然ゴム(NR)、ポリシクロオクテン、ポリアルキレンカーボンモノオキシドコポリマー、および統計構造またはブロック構造の形態のコポリマー、例えばポリプロピレン-ポリエチレン(EP)、例えば5-エチリデン-2-ノルボルネンをコモノマーとするEPMまたはEPDM、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンアクリル酸エステル、例えば、エチレンブチルアクリレート、エチレン-アクリル酸およびそれらの塩(アイオノマー)、およびエチレンアクリル酸グリシジル(メタ)アクリレートなどのターポリマー、ポリプロピレングラフト無水マレイン酸、ポリプロピレングラフトアクリル酸、ポリエチレングラフトアクリル酸、ポリエチレンポリブチルアクリレートグラフト無水マレイン酸などのグラフトポリマー、及び、LDPE/LLDPEまたは、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、または1-オクタデセン等をコモノマーとしたアルファオレフィンを用いて調製される長鎖分枝ポリプロピレンコポリマー等の混合物、
【0029】
b)スチレン、ポリメチルスチレン、ポリ-α-メチルスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルビフェニル、ポリビニルトルオール、スチレンブタジエン(SB)、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンイソプレン、スチレンイソプレンスチレン(SIS)、スチレンブタジエンアクリロニトリル(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、スチレンアクリロニトリルアクリレート(ASA)、スチレンエチレン、スチレン無水マレイン酸ポリマー、対応するグラフトコポリマー、例えばブタジエン上のスチレン、SBSまたはSEBS上の無水マレイン酸、ならびにメチルメタクリレート、スチレンブタジエン、およびABSのグラフトコポリマー(MABS)、ならびにポリビニルシクロヘキサンなどの水和ポリスチレン誘導体、
【0030】
c)ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリクロロプレンおよびポリ塩化ビニリデン(PVDC)、塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマーまたは塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、塩素化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エピクロロヒドリンホモおよびコポリマー、特にエチレンオキシド(ECO)とのポリマー、
【0031】
d)不飽和エステルのポリマー、例えば、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリブチルアクリレート、ポリオーリルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル-ポリアルキルアクリレートなどのコポリマー、
【0032】
e)不飽和アルコールおよび誘導体のポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン、
【0033】
f)ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン(POM)または、例えばブタナールとのコポリマー、
【0034】
g)ポリフェニレンオキシドおよびポリスチレンまたはポリアミドとの混合物、
【0035】
h)環状エーテルのポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン、
【0036】
i)ヒドロキシ末端ポリエーテルまたはポリエステルおよび芳香族または脂肪族イソシアネート、例えば2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートまたはメチレンジフェニルジイソシアネートから製造されたポリウレタン、特に線状ポリウレタン(TPU))、ポリウレア、
【0037】
j)ポリアミド-6、6.6、6.10、4.6、4.10、6.12、10.10、10.12、12.12、ポリアミド11、ポリアミド12などのポリアミド、および(部分的) 芳香族ポリアミド、例えばポリフタルアミド、例えば、テレフタル酸および/またはイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンまたはm-キシリレンジアミンなどの脂肪族ジアミンから、またはアジピン酸またはセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸と1,4-または1,3-ジアミノベンゼンなどの芳香族ジアミンから製造されたもの、PA-6およびPA 6.6などの異なるポリアミドの混合物、またはPA/PP などのポリアミドとポリオレフィンの混合物
【0038】
k)ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリ(エーテル)ケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリヒダントイン、
【0039】
l)脂肪族または芳香族ジカルボン酸とジオールから、またはヒドロキシカルボン酸から製造されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフチレート(PEN)、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシ安息香酸、ポリヒドロキシナフタレート、ポリヒドロキシ酸(PLA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)、ポリエチレンサクシネート、ポリテトラメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン
【0040】
m)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、および PC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、PC/PA などの混合物、
【0041】
n)セルロース誘導体、例えば硝酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、
【0042】
o)例えば、アミン、無水物、ジシアンジアミド、メルカプタン、イソシアネートまたは触媒硬化剤をベースとする硬化剤と組み合わせた二官能性または多官能性エポキシ化合物からなるエポキシ樹脂、
【0043】
p)フェノール樹脂、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、
【0044】
q)不飽和ジカルボン酸とジオールと、スチレン等のビニル化合物との不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アリル樹脂、
【0045】
r)シリコーン、例えばジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、またはジフェニルシロキサンをベースとするもの、例えばビニル基末端、
【0046】
s)および前述のポリマーの2つ以上の混合物、組み合わせまたは混合物である。
【0047】
a)~r)で特定されるポリマーがコポリマーである場合、これらは、統計的(「ランダム」)、ブロックまたは「テーパー」構造の形成で存在することができる。さらに、前述のポリマーは、直鎖状、分枝状、星形または超分枝状構造の形成で存在することができる。
【0048】
a)~r)で特定されるポリマーが立体規則性ポリマーである場合、それらはアイソタクチック、立体規則性の形態で存在することができ、アタクチック形態または立体ブロックコポリマーとしても存在することができる。
【0049】
さらに、a)~r)で特定される前記ポリマーは、非晶質および(部分的に)結晶形態の両方を有することができる。
【0050】
場合により、a)で言及された前記ポリオレフィンは架橋されていてもよく、例えば、架橋されたポリエチレンであってもよく、これはX-PEと呼ばれる。
【0051】
さらに、本発明の化合物は、ゴムおよびエラストマーを安定化するために使用することができる。これは、天然ゴム(NR)または合成ゴム材料、例えばNR(天然ゴム)、クロロプレン(CR)、ポリブタジエン(BR)、スチレン-ブタジエン(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ポリエステルまたはポリエーテルウレタンゴム、シリコーンゴムであってよい。
【0052】
新しい商品に加えて、前記のプラスチックは例えば、産業用収集物、例えば、家庭またはリサイクル可能な収集物からの生産廃棄物等のリサイクルされたプラスチックであってもよい。
【0053】
プラスチックとしては、熱可塑性プラスチック、特に例えば食品包装に使用されるプラスチック、特にポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリアミドなどが好ましい。ポリプロピレンホモ-およびコポリマーが非常に特に好ましく、LDPE、LLDPE、HDPE、MDPE、VLDPEおよびポリエチレンテレフタレート(PET)、ホモ-およびコポリマーの形態のポリエチレンが好ましい。
【0054】
更に、再生可能資源からの脂肪族ポリエステルは、特に脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールから、ヒドロキシカルボン酸またはラクトン、例えばポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸(PHV)、ポリエチレンコハク酸(PESu)、ポリブチレンコハク酸(PBS)、ポリエチレンアジペートポリブチレンコハク酸コアジペート(PBSA)、またはポリカプロラクトン(PCL)から実質的に調製されることがさらに特に好ましい。
【0055】
本発明によれば、前記のプラスチックは特に、射出成形部品、箔またはフィルム、発泡体、繊維、ケーブルおよびパイプ、セクション、中空体、リボン、膜、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー加工、プレス加工、紡糸プロセス、または回転成形によって製造される接着剤の形態のプラスチック、例えば、電気および電子産業、建設産業、輸送産業(自動車、航空機、船舶、鉄道)、医療用途、家庭用および電気機器、車両部品、消費者製品、包装、家具、繊維製品の形態で存在することができる。さらなる使用分野としては、ラッカー、塗料、およびコーティング、ならびに油および脂肪の安定化が挙げられる。
【0056】
本発明による使用のさらなる有利な実施形態は、前記プラスチックがホスファイト、ホスホナイト、ホスホナイト、チオール、フェノール系酸化防止剤、立体障害アミン、ヒドロキシルアミン、およびそれらの混合物または組合せからなる群から選択される一次および/または二次酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、ヒドロキシルアミンベース上の安定剤、ベンゾフラノンベース上の安定剤、核形成剤、強化剤、強化剤、可塑剤、流動性調整剤、レオロジー調整剤、連鎖延長剤、加工助剤、顔料、染料、蛍光増白剤、抗菌活性剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、分散剤、相溶化剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、共安定化剤、マーキング剤、および防曇剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる添加剤を含むこと、および/または使用時に前記プラスチックに添加されることを特徴とする。
【0057】
適した一次酸化防止剤(A)は、フェノール系酸化防止剤、アミン、及びラクトンである
【0058】
適した合成フェノール系酸化防止剤は、例えば:
【0059】
アルキル化モノフェノール、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、線状または分枝したノニルフェノール、例えば2,6-ジノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルウンデク-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルヘプタデク-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルトリデク-1'-イル)フェノールおよびそれらの混合物;
【0060】
アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール;
【0061】
ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート;
【0062】
α-、β-、γ-、δ-トコフェロールなどのトコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE);
【0063】
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2'-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4'-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド;
【0064】
アルキリドビスフェノール、例えば、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[4-メチル- 6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4 ,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2' -メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2'-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、4,4'-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス( 5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール-ビス[3,3-ビス(3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1、 5,5-テトラ(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン;
【0065】
O-, N-及びS-ベンジル化合物、例えば、3,5,3',5'-テトラ-tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート;
【0066】
ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート;
【0067】
芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール;
【0068】
トリアジン化合物、例えば、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス( 3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート;
【0069】
ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩;
【0070】
アシルアミノフェノール、例えば4-ヒドロキシラウラニリド、4-ヒドロキシステアラニリド、オクチル-N-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート;
【0071】
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステルで、当該アルコールは、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;
【0072】
β-(5-tert-ブチル-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステルで、当該アルコールは、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1 ,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3 -チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン;
【0073】
β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステルで、当該アルコールは、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;
【0074】
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸と一価または多価アルコールとのエステルで、当該アルコールは、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;
【0075】
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL-1, Uniroyalより市販されている);
【0076】
アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0077】
特に好ましいフェノール系酸化防止剤は、以下の構造である:
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
極めて特に好ましいフェノール系酸化防止剤は、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよびペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートである。
【0082】
さらに特に好ましいフェノール系酸化防止剤は、トコフェロール(ビタミンE)、トコトリエノール、トコモノエノール、カロテノイド、ヒドロキシチロソール、フラボノール、例えばクリシン、ケルセチン、ヘスペリジン、ネヘスペリジン、ナリンギン、モリン、ショウノウ油、フィセチン、アントシアニン、例えばデルフィニジンおよびマルビジン、クルクミン、カルノシン酸、カルノソール、ロスマリン酸、タンニン、およびレスベラトロールなどの持続可能な原料をベースとするものである。
【0083】
適したアミン系酸化防止剤は、例えば:
【0084】
N,N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル- N,N’-ジsec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p'-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチル-フェノール、2,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、N,N, N’,N’-テトラメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1',3'-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノおよびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノおよびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’-テトラフェニル-1,4-ジアミノブト-2-エンおよび、これらの混合物または組合せ。
【0085】
好ましいアミン系酸化防止剤は、N,N'-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N' -ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジフェニル- p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p- フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンである。
【0086】
特に好ましいフェノール系酸化防止剤は、以下の構造である:
【0087】
【0088】
さらに好ましいアミン系酸化防止剤は、ヒドロキシルアミンまたはN-オキシド(ニトロン)、例えばN, N-ジアルキルヒドロキシルアミン、N,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジステアリルヒドロキシルアミン、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘキサデシルニトロン、および下記式のGenox EP(SI基)である:
【0089】
【0090】
適したラクトンは、ベンゾフラノン及びインドリノンであり、例えば、3-(4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[ 4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン-2-オン、3,3'-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)ベンゾフラン-2-オン)、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン- 2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、ならびに以下のようなホスファイト基をさらに含有するラクトンである。
【0091】
【0092】
酸化防止剤のさらなる適したグループは、以下のようなイソインドロール[2,1-A]キナゾニルである。
【0093】
【0094】
適した二次酸化防止剤は、特にホスファイトまたはホスホナイト、例えば
【0095】
トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトルジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ビスブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトルジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2' 2”-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3”,5,5'-テトラ-tert-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3',5,5'-テトラ-tert-ブチル-1,1'-ビフェニル- 2,2'-ジイル))ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィランである。
特に好ましいホスファイト/ホスホナイトは、以下のものである:
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
好ましいホスホナイトは、以下のものである:
【0100】
【0101】
非常に特に好ましくは、ホスファイトトリス-(2,4-d-tert-ブチルフェニル)ホスファイトが二次酸化防止剤として使用される。
【0102】
適した二次酸化防止剤はさらに、有機硫黄化合物、例えばスルフィドおよびジスルフィド、例えばジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート;ジトリデシルジチオプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、3-(ドデシルチオ)-1,1'-[2,2-ビス[[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]プロパン酸エステルである。以下の構造が好ましい:
【0103】
【0104】
さらに適した有機硫黄化合物は、硫黄アミノ酸、特にシステイン、シスチン、またはメチオニンである。
【0105】
適した酸捕捉剤(「制酸剤」(antacids))は一価、二価、三価、または四価の金属、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムまたは亜鉛の塩であり、特に脂肪酸と形成されたもの、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル-2-乳酸カルシウムである。適した酸捕捉剤のさらなる種類は、ハイドロタルサイト、特にアルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛に基づく合成ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト(hydrocalumites)、ゼオライト、アルカリ土類金属、特に酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛、アルカリ土類炭酸塩、特に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびドロマイト、ならびに水酸化物、特にブルサイト(brucite)(水酸化マグネシウム)である。
【0106】
適した共安定化剤はさらに、ポリオール、特にアルジトールまたはシクリトールである。ポリオールは例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、短鎖ポリエーテルポリオールまたは短鎖ポリエステルポリオール、および超分枝ポリマー/オリゴマー、または、アルコール基を有するデンドリマーである。少なくとも1種のアルジトールは、好ましくは以下からなる群から選択される。
【0107】
【0108】
トレイトール、エリスリトール、ガラクチトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、アルトリトール、イジトール、マルトトリトールならびにポリオール末端基を有する水素化オリゴ糖および多糖ならびにそれらの混合物。少なくとも1つの好ましいアルジトールは、特に好ましくは、エリスリトール、マンニトール、イソマルトール、マルチトール、およびそれらの混合物を含む群から選択される。
【0109】
さらに適した糖アルコールの例は、ヘプチトールおよびオクチトール:メソ-グリセロ-アロ-ヘプチトール、D-グリセロ-D-アルトロ-ヘプチトール、D-グリセロ-D-マンノ-ヘプチトール、メソ-グリセロ-グロ-ヘプチトール、D-グリセロ-D-ガラクト-ヘプチトール(パーセイトール)、D-グリセロ-D-グルコ-ヘプチトール、L-グリセロ-D-グルコヘプチトール、D-エリスロ-L-ガラクト-オクチトール、D-トレオ-L-ガラクト-オクチトールである。
少なくとも1つのシクリトールは特に、イノシトール(myo、scyllo-、D-chiro-、L-chiro-、muco-、neo-、allo-、epiund cis-イノシトール)、1,2,3,4-テトラヒドロキシシクロヘキサン、1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシシクロヘキサン、クエルシトール、ビスクミトール、ボルネシトール、コンドリトール、オノニトール、ピニトール、ピンポリトール、ケブラキトール、シセリトール、キナ酸、シキミ酸、およびバリエノールからなる群から選択することができ、ここで、myo-イノシトール(myo-イノシトール)が好ましい。
【0110】
適した光安定剤は、例えば、2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、安息香酸のエステル、アクリレート、オキサミド、および2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンをベースとする化合物である。
【0111】
適した2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールは、例えば、2-(2'-ヒドロキシ-5'メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3 ',5'-ジ-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル-5-クロルベンゾトリアゾール、2-(3'-sec-ブチル-5'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-アミル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5' -(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2-( 3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシロキシ-5'-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3' -ドデシル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール]; 2-[3'-tert-ブチル-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)-2'-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換反応の生成物; [R-CH2CH2-COO-CH2CH2-]-2、ここで R=3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシ-5'-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニル、2-[2'-ヒドロキシ-3'- (α,α-ジメチルベンジル)-5'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-5'-(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールである。
【0112】
適した2-ヒドロキシベンゾフェノンは、例えば、2-ヒドロキシベンゾフェノンの、4-ヒドロキシ-、4-メトキシ-、4-オクチルオキシ-、4-デシルオキシ-4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2',4'-トリヒドロキシ-および2'-ヒドロキシ-4,4'-ジメチルオキシ誘導体である。
【0113】
適したアクリレートは、例えば、エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-α-カルボメトキシシンナメート、メチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、メチル-α-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメートおよびN-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリンである。
【0114】
安息香酸の適したエステルは、例えば、4-tert-ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートである。
【0115】
適したオキサミドは、例えば、4,4'-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'-ジエトキシオキサニリド、2,2'-ジオクチルオキシ-5,5'-ジ-tert-ブトキサニリド、2,2'-ジドデシルオキシ-5,5'-ジ-tert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2'-エチルオキサニリド、N,N'-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2'-エトキサニリドおよびその2-エトキシ-2'-エチル-5,4'-ジ-tert-ブトキサニリドとの混合物、o-およびp-メトキシ二置換オキサニリドの混合物、およびo-およびp-エトキシ二置換オキサニリドの混合物である。
【0116】
適した2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンは、例えば、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル) )-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチロキシプロポキシ)-フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ)フェニル-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ) )フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、2-{2-ヒドロキシ-4-[ 3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル-1,3,5-トリアジンである。
【0117】
適した金属不活性化剤は、例えば、N,N'-ジフェニルオキサミド、N-サリチラル-N'-サリチロイルヒドラジン、N,N'-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイル-ビス-フェニルヒドラジド、N,N'-ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)オキシリルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドである。
【0118】
金属不活性化剤として特に好ましいのは
【0119】
【0120】
適したヒンダード(hindered)アミンは、例えば、1,1-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸からの縮合生成物、N,N'-ビス( 2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの直鎖状または環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1'-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの直鎖状または環状縮合生成物、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4,5]デカンとエピクロルヒドリンの反応生成物である。
【0121】
立体障害N-H、N-アルキル、例えば、N-メチルまたはN-オクチル、N-アルコキシ誘導体、例えば、N-メトキシまたはN-オクチルオキシ、シクロアルキル誘導体、例えば、N-シクロヘキシルオキシおよびN-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)類似体もまた、それぞれ、上記の構造に含まれる。
【0122】
さらに、好ましいヒンダードアミンは、以下の構造を有する:
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
好ましいオリゴマーおよびポリマーヒンダードアミンは、以下の構造を有する:
【0127】
【0128】
【0129】
上記化合物において、nはそれぞれ3~100を意味する。
【0130】
さらに適した光安定剤は、以下の一般構造を有するHostanox NOW(製造会社: Clariant SE)である:
【0131】
【0132】
適した分散剤は、例えば:
【0133】
ポリアクリレート、例えば、長鎖側基を有するコポリマー、ポリアクリレートブロックコポリマー、アルキルアミド:例えば、N, N’-1,2-エタンジイルビスオクタデカンアミドソルビタンエステル、例えば、モノステアリルソルビタンエステル、チタネートおよびジルコネート、官能基を有する反応性コポリマー、例えば、ポリプロピレン-コ-アクリル酸、ポリプロピレン-コ-マレイン酸無水物、ポリエチレン-コ-グリシジルメタクリレート、ポリスチレン-alt-マレイン酸無水物ポリシロキサン:例えば、ジメチルシランジオール-エチレンオキシドコポリマー、ポリフェニルシロキサンコポリマー、両親媒性コポリマー:例えば、ポリエチレンブロックポリエチレンオキシド、デンドリマー、例えば、ヒドロキシル基を含有するデンドリマーである。
【0134】
適した核形成防止剤は、ニグロシンのようなアジン染料である。
【0135】
適した難燃剤は、特に、
【0136】
a)無機難燃剤、例えばAl(OH)3、Mg(OH)2、AlO(OH)、MgCO3、モンモリロナイトやセピオライトなどの層状ケイ酸塩、Mg-Alケイ酸塩などの未変性または有機変性複塩、POSS(多面体オリゴマーシルセスキオキサン)化合物、ハンタイトハイドロマグネサイトまたはハロイサイトおよびSb2O3、Sb2O5、MoO3、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、
【0137】
b)メラミン、メレム、メラム、メロン、メラミン誘導体、メラミン縮合生成物またはメラミン塩、ベンゾグアナミン、ポリイソシアヌレート、アラントイン、ホスファセン、特にメラミンシアヌレート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェートなどの窒素含有防炎剤、メラミンリン酸アルミニウム、メラミンリン酸亜鉛、メラミンリン酸マグネシウム、および対応するピロリン酸およびポリリン酸などのメラミン金属リン酸塩、ポリ-[2,4-(ピペラジン-1,4-イル)-6-(モルホリン-4-イル))-1,3,5-トリアジン]、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸メラミン、臭化水素酸メラミン、
【0138】
c)アルコキシアミン、ヒドロキシルアミンエステル、アゾ化合物、トリアジン化合物、ジスルフィド、ポリスルフィド、チオール、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、メルカプトベンズチアゾール、スルフェンアミド、スルフェンイミドなどのラジカル形成剤、
【0139】
d)ジクミルまたはポリクミル、ヒドロキシイミドおよびそれらの誘導体、例えばヒドロキシイミドエステルまたはヒドロキシイミドエーテル、
【0140】
e)赤リンなどのリン、ホスフェートを含む難燃剤、例えば、レゾルシンジホスフェート、ビスフェノールAジホスフェート、およびそれらのオリゴマー、トリフェニルホスフェート、エチレンジアミンジホスフェート、ホスフィン酸塩、例えば次亜リン酸の塩およびアルキルホスフィン酸塩などのそれらの誘導体、例えば、オルシンジホスフェートジエチルホスフィン酸アルミニウムまたはジエチルホスフィン酸亜鉛またはホスフィン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウム、ホスホン酸エステル、メタンホスホン酸のオリゴマーおよびポリマー誘導体、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスホリルフェナントレン-10-オキシド(DOPO)およびそれらの置換化合物、
【0141】
f)塩素又は臭素をベースとするハロゲン化防炎剤、例えば、ポリ臭素化ジフェニルオキシド、例えばデカブロモジフェニルオキシド、トリス(3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロピル-ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、テトラブロモフタル酸、1,2-ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ジフェニルエタン、トリス-(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、エチレン-ビス-(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモ-ビスフェノールA、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリブタジエンまたはポリスチレン臭素化ポリブタジエンコポリマー、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、任意にSb2O3 および/または Sb2O5 との組み合わせ、
g)任意にシリカなどの担体材料上にある、ホウ酸亜鉛またはホウ酸カルシウムなどのホウ酸塩、
【0142】
h)硫黄含有化合物、例えば 元素硫黄、ジスルフィドおよびポリスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、メルカプトベンゾチアゾールおよびスルフェンアミド、
【0143】
i)ドリップ防止剤(anti-drip agents)、例えばポリテトラフルオロエチレン、
【0144】
j)ケイ素含有化合物、例えばポリフェニルシロキサン、
【0145】
k)カーボンナノチューブ(CNT)、膨張性グラファイト、グラフェンなどの炭素形態
【0146】
l)およびそれらの組み合わせまたは混合物
が挙げられる。
【0147】
以下の化合物が、非常に特に好ましい難燃剤である:
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
適した可塑剤は、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、クエン酸のエステル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸のエステル、トレモライト酸エステル、イソソルビドエステル、リン酸エステル、エポキシド、例えばエポキシド化大豆油、または脂肪族ポリエステルである。
【0152】
適したスリップ剤および加工助剤は、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、脂肪酸の塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、またはモンタンワックスの塩、エルカ酸アミドまたはオレイン酸アミドなどのアミドワックス、フルオロポリマー、シリコーン、またはネオアルコキシチタネートおよびジルコネートである。
【0153】
適した顔料は、無機または有機の性質のものであってもよい。無機顔料は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、ウルトラマリン、カーボンブラックであり;有機顔料は例えば、アントラキノン、アンタントロン、ベンズイミダゾロン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、イナントロン、イソインドリン、アゾ化合物、ペリレン、フタロシアニンまたはピラントロンである。さらに適した顔料としては、金属ベース上のエフェクト顔料、または金属酸化物ベース上の真珠光沢顔料が挙げられる。
【0154】
適した蛍光増白剤は、例えば、ビス-ベンゾオキサゾール、フェニルクマリン、またはビス(スチリル)ビフェニル、特に、下記式の蛍光増白剤である:
【0155】
【0156】
適した充填剤不活性化剤(filler deactivators)は、例えばポリシロキサン、ポリアクリレート、特にブロックコポリマー、例えばポリメタクリル酸ポリアルキレンオキシドまたはポリグリシジル(メタ)アクリレートおよびそれらのコポリマー、例えば以下の構造のスチレンおよびエポキシドとのコポリマーである:
【0157】
【0158】
【0159】
適した帯電防止剤は、例えば、エトキシル化アルキルアミン、脂肪酸エステル、アルキルスルホネート、およびポリエーテルアミドなどのポリマーである。
【0160】
適したオゾン劣化防止剤(antiozonants)は、上述のアミン類、例えばN, N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミンである。
【0161】
適したレオロジー変性剤、例えば、制御レオロジーポリプロピレン(CR-PP)の製造用のものは、例えば過酸化物、アルコキシアミノエステル、オキシアミドスルホン酸エステル、特に、以下の構造を有するものである:
【0162】
【0163】
適した核形成剤は、安息香酸、コハク酸、アジピン酸等の一官能性および多官能性カルボン酸のタルク、アルカリまたはアルカリ土類塩、例えば安息香酸ナトリウム、グリセロ酸亜鉛、ヒドロキシビス(4-tert-ブチル)安息香酸アルミニウム、2,2'-メチレンビス-(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、およびトリメシン酸トリシクロヘキシルアミド、トリメシン酸トリ(4-メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリ(tert-ブチルアミド)、N,N’,N”-1,3,5ベンゾルトリイルトリス(2,2-ジメチルプロパンアミド)または2,6-ナフタレンジカルボン酸シクロヘキシルアミドなどのトリサミドおよびジアミドである。
【0164】
重縮合ポリマー(鎖延長剤)の直鎖分子量構造に適した添加剤は、ジエポキシド、ビス-オキサゾリン、ビス-オキサゾロン、ビス-オキサジン、ジイソシアネート、二無水物、ビス-アシルラクタム、ビス-マレイミド、ジシアネート、カルボジイミドである。さらに適した鎖延長剤は、ポリマー化合物、例えば、ポリスチレン-ポリアクリレート-ポリグリシジル(メタ)アクリレートコポリマー、ポリスチレン-無水マレイン酸コポリマーおよびポリエチレン-無水マレイン酸コポリマーである。
【0165】
導電性を増加させるための適した添加剤は、例えば、前述の帯電防止剤、カーボンナノチューブおよびグラフェンのようなカーボンブラックおよびカーボン化合物、例えば銅粉末のような金属粉末、および導電性ポリマー、例えばポリピロール、ポリアニリンおよびポリチオフェンである。熱伝導性を増加させるための適した添加剤は、例えば、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素である。
【0166】
適した赤外線活性添加剤は、ケイ酸アルミニウムまたは染料、例えばフタロシアニンまたはアントラキノンである。
【0167】
適した離型助剤は、例えば、シリコーン、石鹸、およびモンタンワックスなどのワックスである。
【0168】
本発明による添加剤はさらに、油、脂肪、および化学製品の安定化のために使用することができる。有機材料が油脂である場合、それらは、鉱油、植物性脂肪、または動物性脂肪、または例えば合成エステルに基づく油、脂肪、またはワックスに基づくものとすることができる。植物油脂は、例えば、パーム油、オリーブ油、菜種油、亜麻仁油、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油であり;動物性脂肪は、例えば、魚油またはスエット(suet)である。本発明による化合物はさらに、潤滑剤、作動油、エンジン油、タービン油、トランスミッション油、金属加工液の安定剤として、または潤滑グリースとして使用することができる。これらの鉱物または合成潤滑剤は、主に炭化水素をベースとする。化学製品では、それは例えば、ポリウレタン製造におけるポリオールの安定化、または輸送および貯蔵のためのスチレン、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルなどのモノマーの安定化である。
【0169】
上述の添加剤および場合により追加の添加剤のプラスチックへの混合は、典型的な加工方法によって行われ、ポリマーは溶融され、本発明による添加剤組成物および場合によりさらなる添加剤と、好ましくはミキサー、混練機および押出機によって混合される。押出機、例えば一軸押出機、二軸押出機、遊星歯車押出機、リング押出機、および好ましくは真空脱ガスを備えた共混練機が、加工機として好ましい。ここで、上記の処理は、空気下で、または場合により不活性ガス条件下で行うことができる。
【0170】
本発明による添加剤組成物はさらに、例えば、10~90%の本発明による安定剤または組成物を含む、いわゆるマスターバッチまたは濃縮物の形態のポリマー中に調製および混合することができる。
【0171】
特に、上記の添加剤は、可能な添加剤として考えることができる。二次酸化防止剤は、例えば、ここでは特に好ましく、特に、ホスファイト、ホスホナイト、およびチオール、共安定剤からなる群から選択され、ポリオール、酸捕捉剤、ならびに立体障害アミンまたはそれらの混合物および組合せからなる群から選択される。
【0172】
ここで、少なくとも1種の添加剤が、有機材料の式Iで表される少なくとも1種の化合物および少なくとも1種の添加剤の総量に対して、0.01~80重量%、好ましくは0.01~9.99重量%、さらに好ましくは0.01~4.98重量%、特に好ましくは0.02~2.00重量%の量で含まれるかまたは添加される場合、特に好ましい。
【0173】
本発明はさらに、安定剤として、一般式Iで表される少なくとも1つの化合物または一般式Iで表される複数の化合物の混合物を含む有機材料、特にプラスチック組成物に関する。
【0174】
【0175】
本発明による使用に関連して記載された全ての有利な実施形態は、有機材料に限定されることなく等しく適用される。
【0176】
好ましい実施形態において、有機材料は、以下の組成を有する:
【0177】
0.01~10.00重量%、好ましくは0.01~7.50重量%、さらに好ましくは0.02~5.00重量%、特に好ましくは0.050~2.00重量%の一般式Iによる化合物、または一般式Iによる複数の化合物の混合物の場合には、一般式Iによるすべての化合物の総量
【0178】
99.99~10.00、好ましくは99.99~90.00重量%、好ましくは99.89~95.00重量%、特に好ましくは99.90~98.00重量%の、好ましくはプラスチック、コーティング、潤滑剤、作動油、エンジン油、タービン油、トランスミッション油、金属加工流体、化学物質、またはモノマーからなる群から選択される少なくとも1つの有機材料、および
【0179】
【0180】
0~80.00重量%、好ましくは0~9.99重量%、さらに好ましくは0.01~4.98重量%、特に好ましくは0.02~2.00重量%の少なくとも1つの添加剤、
【0181】
この際、構成成分は合計100%になる。
【0182】
本発明はさらに、特に酸化的、熱的および/または化学線分解に対して、有機材料を安定化させる方法に関するものであり、この際、一般式Iで表される化合物または一般式Iで表される複数の化合物は、
【0183】
【0184】
(式中、R1、R2、R3およびMおよびnは、上記のように定義される)
有機材料中に混合される。
本発明はさらに、一般式Iで表される化合物に関するものである。
【0185】
【0186】
式中、R1、R2およびR3はそれぞれ互いに独立して、ヒドロキシ、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基、および水素からなる群から選択され、ただし、残基R1、R2およびR3の少なくとも1つはヒドロキシ基であり、
Mはアルミニウムであり、nは3である。
【0187】
本発明のさらなる態様は、以下を含むか、またはそれからなる安定剤組成物に関する。
【0188】
a)一般式Iで表される化合物または一般式Iで表される複数の化合物の混合物
【0189】
【0190】
式中、R1、R2、R3 Mおよびnは、上記に規定されたものである(構成成分A)、及び
【0191】
b)ホスファイト、ホスホナイト、もしくはチオールからなる群から選択される少なくとも1つの二次酸化防止剤、または,ポリオール、酸捕捉剤、もしくは立体障害アミンからなる群から選択される少なくとも1つの共安定化剤(costabilizer)、ならびにそれらの混合物および組合せ(構成成分B)。
【0192】
この際、構成成分Aと構成成分Bが100:1~1:100、好ましくは10:1~1:10、特に好ましくは4:1~1:4の重量比で安定剤組成物中に存在すると、特に有利である。
【0193】
本発明は、本発明を特定の実施形態に限定することなく、以下の実施形態を参照してより詳細に説明される。
【0194】
実施形態:
A)本発明によるヒドロキシケイ皮酸塩の調製
【0195】
A1)ナトリウムフェルレート(NaFa)の合成
【0196】
【0197】
12.00g(1.00当量、61.80mmol)のフェルラ酸(1)をまず、ガラスビーカー中の620mLのメタノールに溶解する。続いて、2.47g(1.00当量、61.80mmol)の水酸化ナトリウムを60mLの蒸留水に溶解し、得られたNaOH溶液を滴下漏斗を介してフェルラ酸溶液に滴下する。添加が終了した後、わずかに黄色の溶液を1.5Lのアセトンに添加する。沈殿した黄色の沈殿物を濾過し、それぞれ200mLのアセトンで3回洗浄し、最後に真空乾燥キャビネット内で80℃で2日間乾燥させる。黄色の微粉末沈殿物10.51gが得られる。収率は78.66%になる。
【0198】
A2)アルミニウムフェルレート(AlFa)の合成
【0199】
【0200】
11.18g(3.07当量、57.57mmol)のフェルラ酸を最初に50mLのメタノールに溶解する。57mLの1M NaOH溶液を黄色溶液に添加する。この溶液を30分撹拌した後、2.5g(1.00当量、18.75mmol)の三塩化アルミニウムおよび2.8mLの蒸留水の溶液を、滴下漏斗を介して滴下する。ここで白色沈殿物を直ちに析出させ、それをさらに1時間撹拌し、次いで濾過する。200mLの蒸留水および200mLのアセトンでそれぞれ3回洗浄した後、および80℃の真空乾燥キャビネット中で一晩乾燥した後、5.32gの白色の粗粒固体が得られる。
【0201】
A3)マグネシウムフェルレート(MgFa)の合成
【0202】
【0203】
2.5g(1.00当量、42.86mmol)の水酸化マグネシウムを、ガラスビーカー中の600mLの蒸留水に最初に懸濁させる。続いて、16.91g(2.03当量、87.08mmol)のフェルラ酸を250mLのメタノール中に加熱しながら溶解し、得られたわずかに黄色の溶液を水酸化マグネシウム懸濁液に添加する。この懸濁液を室温で一晩撹拌し、水酸化マグネシウムを溶液に入れる。得られたわずかに黄色の溶液を1.5Lのアセトンに加える。沈殿した黄色の沈殿物を濾過し、それぞれ200mLのアセトンで3回洗浄し、最後に真空乾燥キャビネット内にて80℃で2日間乾燥させる。黄色の微粉末沈殿物2.80gが得られる。収率は15.90%になる。
【0204】
A4)カルシウムフェルレート(CaFa)の合成
【0205】
【0206】
2.00g(1.00当量、26.99mmol)の水酸化カルシウムを、ガラスビーカー中の100mLの蒸留水に最初に懸濁させる。続いて、10.48g(2.00当量、53.97mmol)のフェルラ酸を100mLのメタノール中に加熱しながら溶解し、得られたわずかに黄色の溶液を水酸化カルシウム懸濁液に添加する。この懸濁液を室温で一晩撹拌し、水酸化カルシウムを溶液に入れる。同時に、濾過された銀色の残渣が残る。この濾液を1.5Lのアセトンに加える。沈殿した黄色の沈殿物を濾過し、それぞれ200mLのアセトンで3回洗浄し、最後に真空乾燥キャビネット内にて80℃で2日間乾燥させる。黄色の微粉末沈殿物7.42gが得られる。収率は64.47%になる。
【0207】
B)アプリケーションチェック
市販のポリプロピレン(Molen HP 501B、Lyondell Basell Industries)を、パウダー-パウダー混合物中で、表に記載された安定剤または安定剤混合物と均質化し、二軸マイクロ押出機(MC 5、製造会社DSM)中、200℃および毎分200回転で30分間、回路中で実施し、力の減少を記録して、本発明による安定剤の効果をチェックした。この力は、ポリプロピレンの分子量の直接的な測定であり、減少が小さいほど、安定化効果が高い。
【0208】
【0209】
【0210】
【0211】
本発明による添加剤は、試験期間にわたってポリマーのより小さな減量が起こるので、かなりの安定化効果を示す。
【0212】
C)酸化誘導時間(OIT)
この酸化誘導時間は、示差熱量計で実施される標準化された試験である。この方法は、検査される材料の熱安定性の決定を可能にする。ここでは、等温条件(ここでは220℃)下での溶融と分解開始との間の時間を測定する。この際、検査される材料の溶融まで窒素雰囲気が存在し、続いて合成空気が供給される。表4には、押出温度200℃での共回転(corotating)二軸ラボ押出機(プロセス11、Thermo Fisher Scientific)を用いて、市販のポリプロピレン(モプレンHP 500N、Lyondell Basell Industries)に混合し、測定を行った添加剤の組合せが要約されている。
【0213】
【0214】
0.5%ナトリウムフェルレートの添加によって、ポリプロピレンの酸化安定性のかなりの増加が達成されることが示されている。
【国際調査報告】