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特表2023-518879ダブルリフトを伴う回転ラッチにより爪部を確実に駆動するボンネット用ロック
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  • 特表-ダブルリフトを伴う回転ラッチにより爪部を確実に駆動するボンネット用ロック 図1
  • 特表-ダブルリフトを伴う回転ラッチにより爪部を確実に駆動するボンネット用ロック 図2A
  • 特表-ダブルリフトを伴う回転ラッチにより爪部を確実に駆動するボンネット用ロック 図2B
  • 特表-ダブルリフトを伴う回転ラッチにより爪部を確実に駆動するボンネット用ロック 図2C
  • 特表-ダブルリフトを伴う回転ラッチにより爪部を確実に駆動するボンネット用ロック 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】ダブルリフトを伴う回転ラッチにより爪部を確実に駆動するボンネット用ロック
(51)【国際特許分類】
   E05B 83/24 20140101AFI20230426BHJP
   E05B 79/08 20140101ALI20230426BHJP
   E05B 85/26 20140101ALI20230426BHJP
【FI】
E05B83/24 Z
E05B79/08
E05B85/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558046
(86)(22)【出願日】2021-02-15
(85)【翻訳文提出日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 DE2021100145
(87)【国際公開番号】W WO2021190684
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】102020108310.6
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スホルツカヤ, エレナ
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250LL15
2E250PP04
2E250PP05
(57)【要約】
本発明は、回転ラッチ(1)と少なくとも1つの爪部(2)とからなるロック機構(1,2)を装備した自動車用ロック、特に自動車ボンネット用ロックに関する。また、爪部(2)には、解除レバー(4)が実現されている。爪部(2)は、少なくとも第1のブロック歯2aと第2のブロック歯2bとを装備する。回転ラッチ(1)は、少なくとも1つの予備戻り止め部(11b)と、主要戻り止め部(11a)とを有する。本発明によれば、爪部(2)は、その第1のブロック歯(2a)によって、ロック解除の為に解除レバー(4)により回転ラッチ(1)の主要戻り止め部(11a)から持ち上げられ、前記第2のブロック歯(2b)は回転ラッチ(1)の主要戻り止め部(11a)と相互作用して、爪部(2)を積極的に案内して回転ラッチ(1)の予備戻り止め部(11b)を阻止する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ラッチ(1)と少なくとも1つの爪部(2)とからなるロック機構(1、2)を備える自動車用ロック、特に自動車ボンネット用ロックであって、
前記爪部(2)の解除レバー(4)を備え、前記爪部(2)は、少なくとも第1のブロック歯(2a)と第2のブロック歯(2b)とを備え、前記回転ラッチ(1)は、少なくとも1つの予備戻り止め部(11b)と1つの主要戻り止め部(11a)とを有し、前記爪部(2)は、前記第1のブロック歯(2a)によって、ロック解除の為に解除レバー(4)により前記回転ラッチ(1)の前記主要戻り止め部(11a)から持ち上げられ、前記第2のブロック歯(2b)は前記回転ラッチ(1)の前記主要戻り止め部(11a)と相互作用して、前記爪部(2)を確実に案内して前記回転ラッチ(1)の前記予備戻り止め部(11b)をブロックすることを特徴とする、自動車用ロック。
【請求項2】
前記回転ラッチ(1)の前記予備戻り止め部(11b)は、前記爪部(2)の前記第1のブロック歯(2a)によってロック解除の過程でブロックされることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ロック。
【請求項3】
前記回転ラッチ(1)の前記予備戻り止め部(11b)及び主要戻り止め部(11a)は、それぞれ予備戻り止め歯(11b)及び主要戻り止め歯(11a)として設計されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車用ロック。
【請求項4】
前記第1のブロック歯(2a)は、前記爪部(2)の前側に配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項5】
前記第2のブロック歯(2b)は、前記第1のブロック歯(2a)に対して前記爪部(2)の軸(9)の方向にオフセットされた突出部として設計されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項6】
前記爪部(2)は、前記解除レバー(4)と相互作用するための停止部(7)を更に有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項7】
前記停止部(7)は、前記軸(9)の方向において前記第2のブロック歯(2b)上でオフセットされた突出部として設計されていることを特徴とする、請求項6に記載の自動車用ロック。
【請求項8】
前記解除レバー(4)のラグ(8)は、前記爪部(2)における前記停止部(7)の後方で係合することを特徴とする、請求項6又は7に記載の自動車用ロック。
【請求項9】
前記回転ラッチ(1)は、キャッチアーム(1a)とロードアーム(1b)とを有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の自動車用ロック。
【請求項10】
2つの戻り止め歯(11a,11b)を前記回転ラッチ(1)の外周において前記ロードアーム(1b)上に配置することを特徴とする、請求項9に記載の自動車用ロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ラッチおよび少なくとも1つの爪部からなるロック機構を備え、爪部のための解除レバーを備え、爪部が少なくとも第1のブロック歯と第2のブロック歯とを装備し、回転ラッチが少なくとも1つの予備戻り止め部と1つの主要戻り止め部とを有する自動車用ロック、特に自動車ボンネット用ロックに関する。
【0002】
自動車のロック、特に自動車のボンネット用ロックは、通常、自動車のボンネットまたは自動車のフラップ、たとえば、自動車のフロントボンネットまたは自動車の後部扉を閉鎖するために使用される。もちろん、そのような自動車のロックは、このタイプの適用分野に限定されない。このタイプの自動車用ロックの例は、出願人のDE 10 2014 201 808 A1に記載されている。
【0003】
自動車のボンネット用ロック、特に自動車のフロントボンネット用ロックの場合、問題の自動車のロックは通常、関連する自動車の内部で終わる作動装置によって開放される。これは、たとえば、解除レバー上のリンクまたはボーデンケーブルを介して手動で動作させ、自動車のロックの解除または開放を確実にすることができる。この目的のために、作動装置は、手動操作用のハンドルまたはループとすることができる。しかしながら、原理的には、解除レバーを電気的に作動させるためのスイッチを作動させることもできる。
【0004】
原則として、自動車のボンネット用ロックはこの方法で開くことができるが、バネ力を使用する場合および安全上の理由から、隙間によってのみ配備される。これは、たとえば、運転中に作動装置が誤って作動した場合に、自動車のフロントボンネットが完全にスイングして開放しないようにするために必要である。この隙間位置からの自動車ボンネットの完全な開放は、通常、キャッチレバーによって行われ、この目的のためには、運転者によって旋回されなければならず、関連する自動車が静止しているときに、ボンネットが最終的に解除されるようにしなければならない。ロック機構が開放した位置では、キャッチレバーが自動車のフロントボンネットに付けられたロック用ボルトに係合または把持する。この目的のために、キャッチレバーは、通常、自動車のフロントボンネットに付けられたロック用ボルトと相互作用する。
【0005】
この種のキャッチレバーおよび関連する機構は、問題の自動車用ロックを解除するときに、たとえば、解除によってロック機構の予備戻り止め位置が確実に採用されることが確保されるかまたは確保可能ならば、省略することができる。次に、たとえば、これに続いて、爪部が回転ラッチ上のこの予備戻り止め位置から手動で旋回され、それによって自動車のフロントボンネットを開放することができるように、開放が行われる。しかしながら、これには、予備戻り止め位置の安全な採用を必要とする。これに対して信頼できるアプローチは、技術水準において存在しない。
【0006】
実際、DE 10 2006 052 773 A1による一般的なタイプを形成する自動車用ロックは、支持点を第1のブロック歯として有し、且つブロック点を爪部の第2のブロック歯として有する爪部を用いて動作している。しかしながら、最終的には、予備戻り止め位置と回転軸の主要戻り止め位置との径方向の距離をセンサで検出し、これに基づいて閉鎖補助装置を操作する問題である。しかしながら、先に説明した従来技術は、上述のアプローチに何ら貢献することができなかった。
【発明の概要】
【0007】
従って、本発明は、この種の自動車用ロックにおいて、ロック解除時に安全に予備戻り止め位置を採用できるようにすることを技術課題とするものである。
【0008】
この技術的問題を解決するために、一般的な自動車用ロック、特に自動車ボンネット用ロックは、ロック解除用解除レバーによって回転ラッチの主要戻り止め部から第1のブロック歯により持ち上げられた爪部が、ロック機構の開放処理中に爪部を確実に案内して回転ラッチの予備戻り止め部をブロックするために、回転ラッチの主要戻り止め部と相互作用する第2のブロック歯を有するという点で、本発明の範囲内で特徴付けられる。
【0009】
本発明に関連して、爪部は、先ず、自動車のロックを解除し且つ予備的な戻り止め位置を確実に採用するための解除レバーによって回転ラッチから持ち上げられる。このために、爪部の第1のブロック歯は、回転ラッチの主要戻り止め部から移動されるか、または持ち上げられる。その結果、回転ラッチは、最初は自由であり、その開放方向に(バネ懸架式に)回転する。その結果、回転ラッチの主要戻り止め部は、爪部の第2のブロック歯と相互作用することができる。本発明によれば、爪部は確実に案内され、典型的には、この処理中に回転ラッチの方向に旋回され、その結果、回転ラッチの更なる開放運動の間、爪部は、何の問題もなく回転ラッチの予備戻り止め部をブロックすることができ、または回転ラッチの予備戻り止め部と相互作用することができる。回転ラッチの予備戻り止め部のブロックは、第1のブロック歯によって都合よく行われる。
【0010】
実際、開放方向にスイングアップする回転ラッチの主要戻り止め部による爪部の確実な案内は、開放回転ラッチの主要戻り止め部が爪部の第2のブロック歯に抗して移動することによって爪部がその第1のブロック歯で回転ラッチと接触する方向に旋回されることを確実にする。この結果、第1のブロック歯は、開放回転ラッチの予備戻り止め部をブロックすることができる。開放回転ラッチの主要戻り止め部との相互作用による爪部の確実な案内は、いかなる場合にも爪部が回転ラッチの方向に旋回されることを確実にし、その結果、第1のブロック歯がこの開放処理中に回転ラッチの予備戻り止め部と相互作用し、それによって回転ラッチが効果的にブロックされる。従って、いかなる場合にも、本発明に係る自動車用ロックにおける回転ラッチは、原理的に完全には開放することができず、最初に強制的に、主要戻り止め位置から予備戻り止め位置に変更することが保証される。その結果、自動車用ロックは、爪部を(再び)旋回させることによって、たとえば、説明したように、予備戻り止め位置から始めて手動で開放することができる。
【0011】
ここに本質的な利点がある。
【0012】
有利な実施形態によれば、回転ラッチの予備戻り止め部は、ロック解除の過程で爪部の第1のブロック歯によってブロックされる。これが可能である理由は、第2のブロック歯と主要戻り止め部との相互作用による爪部の確実な案内が、爪部の第1のブロック歯を回転ラッチの方向に旋回させ、この処理中、予備戻り止め部を有する開放回転ラッチが自動的に爪部の問題の第1のブロック歯に抗して移動し、それによってブロックされるからである。
【0013】
さらに別の有利な実施形態によれば、回転ラッチの予備戻り止め部および主要戻り止め部は、それぞれ予備戻り止め歯または主要戻り止め歯として設計される。したがって、これは、予備戻り止め凹部または主要戻り止め凹部ではなく、予備戻り止め歯および主要戻り止め歯であり、したがって、回転ラッチの外周における歯状の隆起部である。
【0014】
回転ラッチは、通常、自動車のボンネット用ロックにおける回転ラッチの場合と同様に、キャッチアームおよびロードアームを装備している。この場合、2つの戻り止め歯は、通常、回転ラッチの外周においてロードアームに隣接して配置される。その結果、上述したように、回転ラッチの外周に露出して配置された2つの戻り止め歯は、爪部の各ブロック歯と容易に相互作用することができる。
【0015】
実際、この点で、第1のブロック歯が爪部の前側に配置されるように設計されることが有利である。これに対して、第2のブロック歯は、第1のブロック歯に対して爪部の軸の方向にオフセットされた突出部として設計されるように配置されている。すなわち、第2のブロック歯は、爪部の前側の第1のブロック歯から出発して、具体的には第1のブロック歯に対してオフセットされた突出部として、爪部の軸方向に追従する。
【0016】
さらに、爪部は通常、解除レバーと相互作用するための停止部を装備している。停止部は、通常、第2のブロック歯上で軸方向にオフセットされた更なる突出部である。すなわち、爪部は、第1のブロック歯から始まり、最初の第1のブロック歯に続いて第2のブロック歯が突出部として続き、第2のブロック歯は、更なる突出部として停止部に続くように、その軸方向に階段状の設計を有する。
【0017】
これに関連して、この設計は、さらに、爪部上の停止部が解除レバーのラグによって後方から把持されるようになっている。その結果、解除レバーが自動車用ロックのロックを解除または開放する方向に旋回することにより、通常は径方向に続くように配置されている解除レバーのラグが、爪部上の停止部の後方に係合し、それによって爪部を旋回させて前述のように回転ラッチを解除する。
【0018】
その結果、自動車ボンネット用ロックとして特に好適であり、この目的のために予め設計された自動車用ロックが利用可能となる。当該自動車用ロックを解除するための解除レバーの最初の作動は、爪部が回転ラッチによって確実に案内される結果となり、ロック機構は全体として、また確実な案内の結果として、強制的に予備戻り止め位置を採用することができる。たとえば、解除レバーの第2の作動の過程においてのみ、爪部を回転ラッチから持ち上げることができ、その結果、回転ラッチは全体としてその開放位置に移動する。
【0019】
その結果、必然的に採用される予備戻り止め位置を使用して、たとえば、問題の自動車用ロックを装備した自動車のフロントボンネットを、実施例で前述した隙間位置に移動させることができ、これにより、解除レバーの2回目の操作によって自動車のフロントボンネットを完全に開放することができる。すなわち、解除レバーのダブルリフト作動が、自動車用ロックを開放するために最終的に必要とされる。ここに本質的な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、1つの例示的な実施形態のみを示す図面を参照して、より詳細に本発明を説明する。
図1図1は、主要戻り止め位置における初期状態において、本発明による自動車用ロックを示す。
図2A図2Aは、ロック機構の予備戻り止め位置の方向において、爪部の確実な案内とロックのロック解除とを示す。
図2B図2Bは、ロック機構の予備戻り止め位置の方向において、爪部の確実な案内とロックのロック解除とを示す。
図2C図2Cは、ロック機構の予備戻り止め位置の方向において、爪部の確実な案内とロックのロック解除とを示す。
図3図3は、ロック解除の過程において、端部で適合される予備戻り止め位置を示す。
【詳細な説明】
【0021】
図面は、自動車のボンネット用ロックに限定されない自動車用ロック、好ましくは自動車のフロントボンネット用ロックを示す。これは、回転ラッチ1および爪部2からなるロック機構1、2を有する。図面は、回転ラッチ1がキャッチアーム1aおよびロードアーム1bを装備し、これらの間にロック用ボルト3の為の挿入スロットを画定することを示すが、これは、図面にのみ表示され、例示的実施形態によれば、明示的に示されていない自動車のフロントボンネットに連結されている。
【0022】
基本的な構造はまた、解除レバー4を含み、この解除レバー4は、図1内の主要戻り止め位置から開始して軸5を中心に時計回りに旋回されて、以下により詳細に説明されるように、ロック機構1,2のロック解除または開放をもたらす。解除レバー4の、その軸5を中心とする時計回りの移動は、図1に表示されているだけの作動装置6によってもたらされてもよく、この作動装置6は、すでに導入部で説明したように、手動またはモータ動力によって、爪部2に対する解除レバー4の操作を確実にすることができる。
【0023】
爪部2は、少なくとも第1のブロック歯2aおよび第2のブロック歯2bを装備していることが分かる。爪部2は、停止部7も有する。解除レバー4上のラグ8は、爪部2上の停止部7の後方で係合するその結果、作動レバー4を、その軸5を中心にして上述した時計方向に操作することにより、作動レバー4はそのラグ8と共に爪部2上の停止部7に抗して移動し、ロック機構1,2のそのようなロック解除または開放プロセスの間に、特に後述する図2A図2Cに示すように、それをその軸9を中心に反時計方向に旋回させる。
【0024】
その結果、回転ラッチ1は、最初は少なくとも部分的に自由であり、その軸10を中心として表示された反時計回り方向に回転することができる。これは、特に、ドアゴム密封力または他のバネ力によって確保され、これらの力は、ロック用ボルト3を介して回転ラッチ1に導入され、それを、その軸10を中心とした反時計回り方向の開放運動の方向に予圧する。
【0025】
また、回転ラッチ1には、予備戻り止め部11bと主要戻り止め部11aが装備されている。図面は、予備戻り止め部11bが、主要戻り止め部11aと同様に、戻り止め歯11a、11b、即ち、予備戻り止め歯11bおよび主要戻り止め歯11aを伴うことを示している。また、回転ラッチ1の外周においてロードアーム1b上には、2つの戻り止め歯11a,11bが配置されている。その結果、回転ラッチ1がそ軸10を中心に旋回運動して反時計回りに開放すると、最初に主要戻り止め歯11a、を爪部2と相互作用させ、次に予備戻り止め歯11bを爪部2と相互作用させるが、これについては後で詳しく説明する。
【0026】
実際、本発明による設計は、ロック機構1、2のロックを解除するための解除レバー4によって、爪部2が回転ラッチ1の主要戻り止め部または主要戻り止め歯11aから第1のブロック歯2aによって特別に持ち上げられるようなものである。すなわち、図1に示す主要戻り止め位置において、爪部2の第1のブロック歯2aは、回転ラッチ1の主要戻り止め歯11aと接触している。
【0027】
ロック機構1,2を解除する為の解除レバー4によって、第1のブロック歯2aにより回転ラッチ1の主要戻り止め部または主要戻り止め歯11aから持ち上げられるとすぐに回転ラッチ1の主要戻り止め部または主要戻り止め歯11aと相互作用する第2のブロック歯2bを、爪部2は有することができる(図2A参照)。これは、特に図2Bおよび図2Cに示されるように、爪部2の確実な案内をもたらす。その後、図3の終わりの位置に示すように、回転ラッチ1の予備戻り止め部11bまたは予備戻り止め歯11bがブロックされる。すなわち、後述する図3に示すように、上述したロック解除処理の終了時に、爪部2の第1のブロック歯2aによって、ロック解除の過程で、回転ラッチ1の予備戻り止め部または予備戻り止め歯11bがブロックされる。
【0028】
そのために、爪部2の第1のブロック歯2aを前方に配置する。爪部2の第2のブロック歯2bは、第1のブロック歯2aに対して、爪部2の軸9の方向にオフセットした突出部として設計されている。解除レバー4と相互作用するための爪部2上の前述の停止部7は、第2のブロック歯2b上の前記軸9の方向への更なる突出オフセットとして設計されている。その結果、最初に、第1の突出部として第2のブロック歯2b、次に、第2のブロック歯2bに対する更なる突出部として停止部7が、爪部2の前方に設けられた第1のブロック歯2aと、爪部2の軸9の方向に階段状に段差をなして隣接する。
【0029】
操作モードは以下の通りである。図1では、ロック機構1,2が、主要戻り止め位置に示されている。この場合、回転ラッチ1の主要戻り止め歯11aは、爪部2の第1のブロック歯2aに寄りかかっている。ロック機構1、2が図1の主要戻り止め位置から開始してロック解除される場合、これは、作動レバー4が、その軸5を中心に時計回りに回転することに対応する。これは、図1から図2Aへの移行に見られるように、本実施形態に係る作動装置6による引っ張る操作に相当する。
【0030】
その結果、解除レバー4のラグ8は、爪部2の突出部7に抗して移動し、図1から図2Aへの移行時に、軸5を中心とした解除レバー4の時計回りの回転によって表示される反時計回り方向において、爪部2は、その軸9を中心に旋回されることを確実にする。結果として、第1のブロック歯2aは、回転ラッチ1の主要戻り止め歯11aから自由になる。次に、図2Aに表示されるように、回転ラッチ1は、その軸10を中心に反時計回りに(僅かに)開放することができる。しかしながら、この処理中に回転ラッチ1の主要戻り止め歯11aが爪部2の第2のブロック歯2bに対して移動するので、回転ラッチ1の開放動作が制限されるか、または回転ラッチ1がブロックされる。これは図2Bに示されている。この場合、作動レバー4は、作動装置によって、そのまま操作される。
【0031】
回転ラッチ1の主要戻り止め歯11aと爪部2の第2のブロック歯2Bとの相互作用の結果として、図2Bから図2Cへの移行時に、その反時計回りの開放方向に対して反対方向に操作され、ここで時計回りに操作されるという意味で、確実に案内される。すなわち、第2のブロック歯2bを有する爪部2は、回転ラッチ1の主要戻り止め部または主要戻り止め歯11aとの相互作用によって、図3に応じた終了位置に示されるように、爪部2が確実に案内され、回転ラッチ1の予備戻り止め部または予備戻り止め歯11bが最終的にブロックされることを保証する。
【0032】
しかしながら、その前に、回転ラッチ1の主要戻り止め歯11aは、その軸10を中心に反時計回りに移動するので、爪部2が確実に案内されることを保証する。なぜなら、この処理中に、主要戻り止め歯11aは、爪部2の第2のブロック歯2bに抗して移動し、それによって、爪部2をその軸9を中心に時計回りに回転させるからである。これは、図2Bから図2Cへの移行に見られる。
【0033】
図2Cにおける機能的位置に続いて、回転ラッチ1は、その第1のブロック歯2aを有する爪部2が回転ラッチ1の予備戻り止め歯11bに抗して移動するまで、その軸10を中心にその開放方向に更に少し反時計回りに回転する。その結果、回転ラッチ1は、爪部2の上述した確実な案内に従って、すなわち、その予備戻り止め部またはその予備戻り止め歯11bによってブロックされる。これは、爪部2の確実な案内により、爪部2が軸9を中心に時計回りに旋回し、その結果、爪部2の第1のブロック歯2aが回転ラッチ1に接触して、すなわち、2つの戻り止め歯11aと11bとの間の中間区域11cに接触して旋回することに起因する。
【0034】
この処理の最後に、回転ラッチ1の予備戻り止め歯11b bが、爪部2の第1のブロック歯2aに対して移動している。図1から図3への移行時に、ロック用ボルト3およびそれに関連する自動車のフロントボンネットは、僅かに(隙間によって)開放されている。ここで、図3のこの隙間位置から出発して、作動装置6によって第2の方向に解除レバー4が再び開放され、その結果、爪部2の反時計回りの回転が保証され、回転ラッチ1が爪部2から完全に解除される。その結果、ロック用ボルト3が連結されたフロントボンネットは、ロック機構1、2を離れることができる。自動車用のロックは、完全に開放されている。
【0035】
【符合の説明】
【0036】
1…回転ラッチ、
1a…キャッチアーム、
1b…ロードアーム、
1,2…ロック機構、
2…爪部、
2a…第1のブロック歯、
2b…第2のブロック歯、
3…ロック用ボルト、
4…解除レバー/作動レバー、
5…軸、
6…作動装置、
7…停止部/突出部、
8…ラグ、
9…軸、
10…軸、
11a…主要戻り止め部、
11b…予備戻り止め部、
11c…中間区域。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
【国際調査報告】