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特表2023-518910車両のランドマークベースの位置特定方法
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  • 特表-車両のランドマークベースの位置特定方法 図1
  • 特表-車両のランドマークベースの位置特定方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(54)【発明の名称】車両のランドマークベースの位置特定方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
G01C21/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560106
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2021054204
(87)【国際公開番号】W WO2021197710
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】102020108907.4
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】リース フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン インライ
(72)【発明者】
【氏名】シュースター フランク
(72)【発明者】
【氏名】ハウイス マーティン
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB15
2F129BB19
2F129BB33
2F129BB48
(57)【要約】
本発明は、車両(1)のランドマークベース位置特定のための方法に関し、方法セクション(VA)において、
-車両位置のための複数の位置仮説(PH)は、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)とデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクト(KLM)との間の関連性(A)の形成に基づいて形成され、
-前記位置仮説(PH)の確率的フィルタリングに基づいて、最も可能性のある車両位置が位置特定結果(LE)として決定され、予め定義された誤差上限を超えない保証位置範囲(PL)が決定される。
本発明によれば、この方法セクション(VA)は、確率的フィルタリングの異なる解釈によって数回実行され、保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)がペアにおいて完全に重複する場合、最小の保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)を有する位置特定結果(LE1、LE2、LE3)が車両位置(eFP)として選択される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のランドマークベース位置特定のための方法であって、方法セクション(VA)において、
-車両位置のための複数の位置仮説(PH)はセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)とデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクト(KLM)との間の関連性(A)の形成に基づいて、形成され、および
-前記位置仮説(PH)の確率的フィルタリングに基づいて、最も可能性のある車両位置が位置特定結果(LE)として決定され、予め定義された誤差上限を超えない保証位置範囲(PL)が決定され、
前記方法セクション(VA)は前記確率的フィルタリングの異なる解釈によって数回実行され、前記保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)がペアにおいて完全に重複する場合、最小の前記保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)を有する前記位置特定結果(LE1、LE2、LE3)が車両位置(eFP)として選択される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記確率的フィルタリングの前記異なる解釈は前記位置仮説(PH)がフィルタリングされ、確率の低い位置仮説(PH)が破棄される特徴関連性フィルター(MAF1、MAF2、MAF3)に関連する
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
部分的にのみ重複する前記保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)の少なくとも一つのペアが提供される場合、エラーメッセージが出力される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかの一項に記載の方法であって、
前記選択された車両位置(eFP)が全てのより大きな保証位置範囲(PL2、PL3)に割り当てられる
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかの一項に記載の方法であって、
前記方法セクション(VA)は最低でも2回、特に最低でも3回、特に正確には3回実行される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかの一項に記載の方法であって、
前記方法セクション(VA)の複数の実施形態は、時間的に並列に、特に前記方法の複数の並列分岐(Z1、Z2、Z3)において実行される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記分岐(Z1、Z2、Z3)はそれぞれ特徴関連性フィルター(MAF1、MAF2、MAF3)を備え、前記分岐(Z1、Z2、Z3)の特徴関連性フィルター(MAF1、MAF2、MAF3)は異なるように設計され、信頼できる位置仮説(SPH1、SPH2、SPH3)は前記分岐(Z1、Z2、Z3)の前記特徴関連性フィルター(MAF1、MAF2、MAF3)によって決定される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
それぞれの分岐(Z1、Z2、Z3)において、前記分岐(Z1、Z2、Z3)の前記信頼できる位置仮説(SPH1、SPH2、SPH3)および特に車両(1)の固有の動き(EM)が、確率的フィルター(PH)、特にカルマンフィルターによって処理され、結果として、対応する位置特定結果(LE1、LE2、LE3)および予め定義された上限誤差を超えない対応する前記保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)が決定される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかの一項に記載の方法であって、
車両(1)によって既に通過されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)は、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)とデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクト(KLM)との間の関連性(A)を形成するために使用される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかの一項に記載の方法であって、
予め定義された期間または予め定義された経路長にわたってセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)は、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)とデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクト(KLM)との間の関連性(A)を形成するために使用される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルの特徴による車両のランドマークベースの位置特定のための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、WO 2019/243031 A1の中で解説されているように、車両の位置を定義するための方法が知られている。車両のセンサーシステムによって検出されたランドマークオブジェクトと、マップ、特にマップ細部に保存されたランドマークオブジェクトとを比較することで、複数の位置仮説が定義される。全ての位置仮説を分析し、確率的な分析によって全ての誤った情報を取り除くことで、完全性の値を持つ位置仮説が定義される。予め定義された制限値に従ったフィルタリングによって、予め定義された方法において十分な位置精度を有する位置仮説が位置決定のために定義される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、先行技術と比較して改善された車両のランドマークベースの位置特定のための方法を提供するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本目的は、請求項1の特徴を有する車両のランドマークベースの位置特定のための方法による発明に従って達成される。
【0005】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0006】
車両のランドマークベースの位置特定のための方法では、車両位置の複数の位置仮説が、センサー、特に車両の環境検知センサーシステムによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトと、デジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトとの間の関連性の形成に基づき、一つの方法セクション(Verfahrensabschnitt)において形成され、また、この方法セクションにおいて、位置仮説の確率的なフィルタリングに基づいて、最も可能性の高い車両位置が位置特定結果として決定され(ermittelt)、予め定義された誤差上限を超えない、保護制限とも呼ばれる保証された位置範囲が決定される。保護制限、つまり、保証された位置範囲は従って特定の最大エラー率が保証されている位置範囲、つまり、特定の、つまり、予め定義された誤差上限を超えないことが保証される位置範囲である。この特定の、特に保証された最大エラー率は誤差上限、例えば、1時間当たり10-3エラーであり、これは保証された位置範囲(保護制限)に対して保証されていて、つまり、保証された位置範囲(保護制限)内では、位置特定結果のエラー率は保証された最大エラー率よりも低い。
【0007】
本発明に従って、この方法セクションであって、位置仮説の確率的フィルタリングに基づいて、最も可能性の高い車両位置が位置特定結果として決定され、指定された誤差上限を超えない、保証された位置範囲が決定される方法セクション、少なくとも方法セクションの一部は複数回、例えば最低でも2回、例えば最低でも3回、例えば正確には3回、確率的フィルタリングの異なる解釈(Auslegungen)によって、特に確率的な特徴関連付けフィルターの異なる解釈を用いて実行される。結果として、異なる精度と異なる保証された位置範囲を持つ複数の位置特定結果が得られる。保証された位置範囲がペアで完全に重複する場合、つまり、特に、これがこの方法ステップの多種多様な実施形態において決定される保証された位置範囲の考えられるあらゆるペアリングが該当する場合、最小の保証された位置範囲を持つ位置特定結果が車両位置つまり、方法によって決定されるべき検索された車両位置として選択される。
【0008】
確率的なフィルタリングの異なる解釈は、特に特徴関連付けフィルター、特に特徴関連付けフィルターのみに関連している。この特徴関連付けフィルターにおいて、位置仮説がフィルタリングされ、確率の低い仮説は破棄される。この特徴関連付けフィルターの異なる解釈のために、位置仮説の確率は従ってこの方法セクションの様々な実施形態、あるいは少なくとも上述の方法セクションの一部において、異なる方法で評価され、そのため、位置仮説に可能性があるか、可能性がないかとして相応に評価され、つまり、問題の位置仮説が特徴関連付けフィルターの一方の解釈によって可能性があると評価され得、他方の解釈によって可能性がないとして評価され、破棄され得る。したがって、方法セクションの、または上述の方法セクションの少なくとも一部の様々な実施形態は、異なる数の位置仮説、および/または、異なる位置仮説をもたらし、特に、一方ではほんの少数ではあるが非常に信頼できる位置仮説を、特に、特徴関連付けフィルターの厳密な解釈で、もたらし、他方では多数ではあるが信頼性の低い位置仮説をもたらし、特に、特徴関連付けフィルターの厳密さが少ない解釈で、もたらす。
【0009】
本方法は、特に車両内で、特に車両によって、特にこの目的のために設けられ、それに応じて設計され、構成された車両の少なくとも1つのユニットによって実行される。本方法に使用されるデジタルマップあるいはデジタルマップの少なくともマップ細部は、特に車両内に、特に本方法を実行するために設けられたユニット内に、あるいは前記ユニットに結合された、特にデータ送信用に結合された車両の更なるユニットに保存される。
【0010】
本方法は、部分的に自動化、特に高度に自動化あるいは自律の運転システムを備えた車両に対して特に有利である。そのような運転システムの要件は、多くの場合、位置特定が現在出力されている車両位置の完全性を示すことである。これは保証された位置範囲、つまり、保護制限の計算および出力によって表され、これは、これのために定義された残留エラー率によって保証できる実際の位置からの最大偏差を示すが、これらが適用されるのは通常特定の閾値からのみである。この閾値は、アラートリミットとも呼ばれている。このアラートリミットは特定のアプリケーション、例えば、無人運転、特に、部分的に自動化、特に高度な自動化あるいは自律の運転で保証された位置範囲(保護制限)のために必要な閾値である。この場合、そのような運転システムのシステム設計の多種多様な安全目的は、多くの場合、異なる完全性の要件を有している。これは、異なる閾値およびこのために許容される残留エラー率を持つ複数の保証された位置範囲(保護制限)の出力を必要とする。
【0011】
本発明による解決策では、特に確率的なフィルター、例えばカルマンフィルターとして設計された位置特定フィルターの複数のいわゆるシャドウインスタンスが作成され、それぞれは異なる厳格さで設計された偽関連付けフィルター、特に特徴関連付けフィルターの下流に配置される。車両位置は互いに個別に推定され、より厳格なシャドウインスタンスはより高い完全性状態を有するが、より低い精度も達成する。これによって、逆に、保証された位置範囲(保護制限)はより信頼性が高くなり、つまり、保証された位置範囲(保護制限)が閾値(アラートリミット)よりも小さいという偽陽性ステートメントは稀であるが、実際にはそうではなく、したがって、保証された位置範囲(保護制限)もより大きいが、それによって、保証された位置範囲(保護制限)が閾値(アラートリミット)よりも小さいという条件が満たされることはほとんどないより厳格でないシャドウインスタンスは、より多くの情報を受け取れば受け取るほど、より正確な位置を提供する。これは、本発明による解決策によって最適に利用され、全ての保証された位置範囲(保護制限)内に以前として存在する最も正確な車両位置が最終的な車両位置として、つまり、本方法によって決定されるべき検索された車両位置として出力される。
【0012】
本発明による解決策およびこのようにして達成される複数の保証された位置範囲(保護制限)の決定は、異なる安全目的、例えば承認可能なエラー率の低い大きな閾値(高いアラートリミット)が必要とされる高度自動運転機能の起動のための道路精度、および、これと並行して、より高い承認エラー率を有する非常に低い閾値(非常に低いアラートリミット)が必要とされる自動車線変更のための車線の精度、に最適に役立つ複数の保証された位置範囲(保護制限)を出力することが可能になる。これにより、システム全体、つまり、特に部分的に自動化、特に高度自動化、あるいは完全自律の車両の運転システムの利用可能性が増加する。その上、安全要件はこれ以上車両位置の精度を損なわない、それは本発明による解決策では、有利には最大に可能な特徴密度によって動作するシャドウインスタンスもがあるからである。それでも、より信頼性の高いインスタンスによってモニタリングされるため、より大きなエラーはさえぎられる。
【0013】
本方法の可能な実施形態では、部分的にのみ重複する保証された位置範囲の少なくとも一つのペアがある場合、つまり、保証された位置範囲が全てペアで完全に重複しない場合、エラーメッセージが出力される。特に、部分的に自動化、高度自動化あるいは自律の車両の運転システムの誤動作、特に誤ったあるいは不正確な位置特定による考えられる危険性が回避される。この場合、例えば、車両の部分的に自動化、特に高度自動化あるいは自律の運転システム、あるいはこの運転システムの少なくとも1つのそれぞれの運転機能が非アクティブ化され、そして、例えば、車両のドライバーが車両の制御を引き継ぐように要請されるか、および/または、例えば、特に安全な位置で車両が停止させられる。
【0014】
一つの可能な実施形態では、選択された車両位置は全てのより大きな保証された位置範囲に割り当てられる。結果として、これらの保証された位置範囲は選択された車両位置と共に、例えば既に上述したように、複数の異なる安全目的のために使用することができ、それぞれの場合においてこれらを最適に役に立たせる。
【0015】
有利には、本方法セクションの前記の複数の実施形態、少なくとも方法セクションの前記部分は、特に有利には時間的に並列して実行され、特に有利には同時に開始される。有利なのは、方法セクションの前記の複数の実施形態、少なくとも方法セクションの前記部分は、有利には並行分岐で、特に時間的に並列の分岐で実行される。結果として、それぞれの位置特定結果および保証された位置範囲は、更なる処理のために有利に同時に利用可能である。特に、連続して実行される実施形態と比較して、大幅に早い処理時間が達成される。これは、可能な限り正確でなくてはならない移動中の車両の継続的な位置特定にとって非常に重要である。早い処理は例えば、部分的に自動化、特に高度自動化あるいは自律の運転操作におけるより高速な車両速度を可能にすることもできる。
【0016】
本方法の可能な実施形態では、本方法の分岐はそれぞれ特徴関連付けフィルターを備え、分岐の特徴関連付けフィルターは異なるように設計され、信頼できる位置仮説は分岐の特徴関連付けフィルターによって決定される。これにより、フィルタリングの異なる解釈は、異なる分岐の特徴関連付けフィルターに関連する。これにより、異なる精度と異なる保証された位置範囲を持つ複数の位置特定結果も得られる。
【0017】
本方法の可能な実施形態では、この分岐の安全な位置仮説および、特に車両の固有の動きは確率的フィルターによって、特にカルマンフィルターによって、それぞれの分岐において処理され、それぞれの位置特定結果と、予め定義された誤差上限を超えないそれぞれの位置範囲とが決定される。ここでは、異なるって設計の特徴関連付けフィルターによって決定され、結果として異なる安全な位置仮説が使用されるため、予め定義された誤差上限を超えない、異なる位置特定結果および異なる保証された位置範囲が決定される。
【0018】
本方法の可能な実施形態では、車両によって既に通過されたセンサーランドマークオブジェクトは、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトとの間で関連性を形成するためにも使用される。予め定義された期間または予め定義された経路長にわたってセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトは、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトとの間の関連性を形成するために有利に使用される。したがって、関連性は、有利にはシグネチャーとも呼ばれる、センサーランドマークオブジェクトの記録された履歴を介して実行されれる。したがって、有利には、車両位置のより高い精度が達成される。
【0019】
本発明の例示的な実施形態が、以下により詳細に図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、車両のランドマークベースの位置特定のための方法の実施形態を模式的に示す。
図2図2は、車両のランドマークベースの位置特定のための方法の改良された更なる実施形態を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
互いに対応する部分には、全ての図において同じ参照符号が付されている。
【0022】
図1および図2は、車両1のランドマークベースの位置特定のための方法の2つの実施形態を示し、図1は、特に出願人のWO 2019/243031 A1に記載されている先行技術から既に知られている実施形態を示す。このWO 2019/243031 A1の内容、特に、図やそれに関連した図の説明の内容、つまり、特に、図1から図12の内容、および4ページから14ページによる図の説明は、車両1のランドマークベースの位置特定のための方法のこの実施形態を説明しており参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
図2は、以下により詳細に説明されるように、車両1のランドマークベースの位置特定のための方法の大幅に改良された実施形態を示す。
【0024】
本方法の両方の実施形態において、車両位置についての複数の位置仮説PHは、センサー、特に車両1の環境検知センサーシステムによるセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMと、デジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性Aの形成に基づいて形成される。位置仮説PHの確率的フィルタリングに基づき、最も可能性の高い車両位置が位置特定結果として決定され、予め定義された誤差上限を超えない、保護制限と呼ばれる、保証された位置範囲(保証位置範囲)PLが決定される。
【0025】
これは図2に模式的に示されている。上述のように、関連性Aが、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップ内に保存されているマップランドマークオブジェクトとの間で形成され、それによって、車両位置のための複数の位置仮説PHが決定される。特に確率的なフィルタリングあるいは少なくともこの一部、特にこれらの位置仮説PHのフィルタリングは、特に確率的なフィルターとして形成された特徴関連付けフィルターMAFによって実行される。特にセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の誤った関連性Aは、この特徴関連付けフィルターMAFにおいて、指定された誤差上限に遵守するために、フィルタリングされる。このようにして、安全な位置仮説SPHが決定される。これらの安全な位置定義SPHおよび特に適切なセンサーシステム、特にオドメーターセンサーシステムによって決定される車両1の固有の動きEMは、確率的フィルタリングPF、例えばカルマンフィルターにおいて処理される。その結果は、デジタルマップ内の車両位置の確率分布WVである。保証された位置範囲PLは、その後、これによって決定されることができる。
【0026】
したがって、車両1の保証された位置範囲PLが、保証されたエラー率で決定される。保証された位置範囲PLは、位置特定のエラー率が予め定義された最大許容エラー率、つまり予め定義されたエラー上限を超えないことが保証されている位置範囲である。この保証された位置範囲PLは、既に述べたように、保護制限とも呼ばれる。
【0027】
更に、デジタルマップにおける車両の確率分布WVが決定される。確率分布WVおよび保証された位置範囲PLの決定は既に述べたように、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性の形成と、潜在的な車両位置としての関連性Aに基づく複数の位置仮説PHの作成と、確率の低い位置仮説PHがフェードアウト、つまりフィルター除去され、破棄され、したがって、残りの安全な位置仮説SPHのみが更に処理される位置仮設PHの確率的フィルタリングと、に基づく。この確率的フィルタリングは、ここでは個々の位置仮説PHが正しい関連性Aまたは誤った関連性Aに基づいている可能性がより高いかどうかの確率的評価と、誤った関連性に基づいている可能性がより高い位置仮説PHのフィルタリング除去とに基づいている。
【0028】
確率的評価は、その反面、特徴関連付けフィルターMAFによる確率的分析に基づいている。ここで、位置仮説PHは、有利にはそれぞれ誤解を招く情報用の分布モデルと、正しい情報用の分布モデルによって評価される。ここでは、位置仮説PHが正しい情報用の分布モデルと誤解を招く情報用の分布モデルとがどれだけよく一致しているかが決認される。この評価は特に、空間的な近接して蓄積されるように分布する位置仮説PHがセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の正しい関連性A、つまり、正しい情報に基づいており、これが適用されない位置仮説PHが、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の誤った関連性A、つまり、誤解を招く情報、つまり、間違った情報に基づいているという考えに基づいている。
【0029】
結果は値、別名、完全性の値であり、これは特定の位置仮説PHが正しい情報あるいは誤解を招く情報に基づく可能性がより高いかどうかを示す。従って、値は、特定の位置仮説PHが誤った関連性よりも正しい関連性Aに基づくことがより確からしい程度を示す。この値に従って位置仮説PHをフィルタリングすることで、正しい関連性Aよりも誤った関連性に基づいている可能性が高い位置仮設PHがフェードアウトされ、つまり、フィルタリングされ、破棄される。
【0030】
図1に示されている方法の第一実施形態によるこの手順における問題は、一方では、全ての誤った仮説、つまり、誤った関連性に基づいた全ての位置仮説PHがフィルタリング中にフェードアウト(ausgeblendet)されず、つまり、これらの誤った仮説の全てがフィルタリング除去されず、他方では、正しい位置仮説PHの割合、つまり、正しい関連性Aに基づいた位置仮説PHもフェードアウトされる、つまりフィルタリング除去されることである。この理由は、確率的な分析のために、確率に従って誤った仮説と正しい位置仮説とを区別することしかできないためである。したがって、誤った仮説および正しい位置仮説PHの異なる程度のフェードアウト、つまりフィルタリング除去が、フィルタリングの異なる解釈について得られる。
【0031】
従って、厳格なフィルタリングは誤った仮説の強い抑制をもたらし、つまり、誤った陽性率(FPR)が低減されるが、正しい位置仮説PHの抑制にもつながる。正しい位置仮説PHのこの抑制は、低い位置特定精度につながり、より大きな保証された位置範囲PL(保護制限)につながる。フィルター、特に特徴関連付けフィルターMAFの厳密な解釈は、低い保証されたエラー率と低い位置特定精度につながり、それは特に広い保証された位置範囲PL(保護制限)に起因する。
【0032】
対照的に、フィルター、特に特徴関連付けフィルターMAFのより厳密でない解釈は、より高い保証されたエラー率(つまり、より多くのエラーが予想されなければならず、したがって、位置特定においてより多くのエラーが発生し得る)と、より高い位置特定精度に繋がり、それは特により狭い保証された位置範囲PL(保護制限)に起因する。
【0033】
したがって、保証された位置範囲PL(保護制限)のサイズと保証された最大エラー率は、フィルター、特に特徴関連付けフィルターMAFの解釈によって決定される。これは異なる確率分布WV1、WV2、WV3および図2で示されている関連する異なった保証位置範囲PL1、PL2、PL3(保護制限)によって示される。これらの異なる確率分布WV1、WV2、WV3および保証された位置範囲PL1、PL2、PL3(保護制限)をもたらす図2に示さる方法のこの改善された第二実施形態の方法シーケンスは以下で詳細に説明される。
【0034】
保証された最大エラー率を高くすることができる場合、車両1が狭い範囲の中にあることが保証される。車両1の周り、つまり、車両位置の周囲のボックスは保証された位置範囲PL1、PL2、PL3(保護制限)を示す。ボックスが狭いほど、つまり、保証された位置範囲PL1、PL2、PL3が狭いほど、位置特定結果LE1、LE2、LE3がより正確になる。曲線は、位置仮設PH、特に信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3の対応する確立分布WV1、WV2、WV3、特に確率ヒストグラムを示す。確率分布WV1、WV2、WV3の最大値は、最も確からしい車両位置を表す。この最大あるいは全確率分布WV1、WV2、WV3が位置特定結果LE1、LE2、LE3を表す。
【0035】
上部ボックス、つまり、第一の保証された位置範囲PL1は狭いが、保証された最大エラー率は高い。比較すると、下部ボックス、つまり、第三の保証された位置範囲PL3は広いが、保証された最大エラー率はより低い。
【0036】
これは、車両位置eFPがより正確に決定され、したがって、保証された位置範囲PL1、PL2、PL3を示すボックスが狭いほど、保証された最大エラー率が高くなるため、決定された車両位置eFPはより不確かになることを意味する。
【0037】
この関係は、図2の例によって示される方法の実質的に改良された第二実施形態のために使用され、図1で示さる方法の既知の第一実施形態、特に参照符号VTを持つ図1の中で指定されている方法の一部が数回実行され、特に一時的に並列に、各回においてフィルタリングの異なる解釈で行われ、図2で示されている例では3回行われている。
【0038】
したがって、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性の形成は、それによって車両位置のための複数の位置仮説PHを決定するために、一回だけ実行されることが提供される。これらの決定された位置仮説PHはその後、上述の方法で確率的にフィルタリングされるが、この改良された第二実施形態においては、複数、特に並列の、特に一時的に並列の、フィルタリングの異なる解釈を用いる方法の分岐Z1、Z2、Z3が確率的にフィルタリングされる。
【0039】
本方法のそれぞれの分岐Z1、Z2、Z3において、特に確率的フィルタリング、あるいはこれの少なくとも一部、特にこれらの位置仮説PHの確率的フィルタリングは、特定の特徴関連付けフィルターMAFによって実行され、これは特に確率的フィルタリングとして設計され、特にこれらの特徴関連付けフィルターMAFが異なるように設計されている。それぞれの特徴関連付けフィルターMAFにおいて、既に上述したように、特に、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の誤った関連性Aがフィルター除去される。このようにして、異なる安全な位置仮説SPH1、SPH2、SPH3が本方法の異なる分岐Z1、Z2、Z3において決定される。これらの安全な位置仮説SPH1、SPH2、SPH3、および有利には、特に対応するセンサーシステム、特にオドメーターセンサーシステムによって決定された車両1の固有の動きEMは、確率的フィルターPF、例えばカルマンフィルターにおいて処理される。この確率的フィルターPFは、有利にはここでは本方法の全ての分岐Z1、Z2、Z3において同じように設計される。結果は、したがって、本方法のそれぞれの分岐Z1、Z2、Z3に対するデジタルマップ内の車両位置の確率分布WV1、WV2、WV3である。これによって、対応する保証された位置範囲PL1、PL2、PL3を決定することができる。
【0040】
結果として、図2で示されている例では、複数の、異なる精度および異なる保証された位置範囲PL1、PL2、PL3、つまり異なる保証された最大エラー率を有する3つの位置特定結果LE1、LE2、LE3が決定される。これらの位置特定結果LE1、LE2、LE3のセットから、最も正確な位置特定結果LE1、この場合は、上段の分岐Z1の位置特定結果LE1が選択され、そのうちの保証された位置範囲PL1は全てのより広い保証された位置範囲PL2、PL3内にあり、検索および決定された車両位置eFPとして選択され、出力される。
【0041】
改良された第二実施形態において、図1を参照して説明された方法の以前から知られていた第一実施形態がしたがって数回、特に複数の並列分岐Z1、Z2、Z3において、方法セクションVAとして、図2で示されている例では3回、したがって、3つの並列分岐Z1、Z2、Z3において実行される。したがって、結果は複数の、示された例では確率分布WV1、WV2、WV3の形式で3つの位置特定結果LE1、LE2、LE3と、対応する車両位置の周囲の対応するボックスという形状においてこれらの各々に関連付けられた複数の、示された例では3つの、保証された位置範囲PL1、PL2、PL3とである。
【0042】
図2で示されている例では、最も正確な位置特定結果LE1が本方法の上段の分岐Z1で得られ、これは、保証された位置範囲PL1を表すボックスが他の分岐Z2、Z3よりも狭く、確率分布WV1が最も低い分散を示しているためである。但し、保証された最大エラー率は、他の2つの分岐Z2、Z3よりも高く、つまり、位置特定結果LE1は、最も信頼性が低い。
【0043】
最下部の分岐Z3において、最も不正確な位置特定結果LE3が得られ、これは、保証された位置範囲PL3を表すボックスが他の2つの分岐Z1、Z2よりも広く、確率分布WV3が最も大きい分散を示すためである。但し、保証された最大エラー率は他の分岐Z1、Z2よりも低く、つまり、最も信頼できる位置特定結果LE3は、下段の分岐Z3で得られる。
【0044】
ここで、ボックスのそれぞれ可能なペア、つまり保証された位置範囲PL1、PL2、PL3について、つまり、分岐Z1、Z2、Z3のこれらの保証された位置範囲PL1、PL2、PL3の全ての可能なペアリングについて、問題のペアのボックスのうちの一つが、ペアの別のボックスの中に完全に存在すること、つまり、問題のペアの保証された位置範囲PL1、PL2、PL3のうちの一つが、ペアの別の保証された位置範囲PL1、PL2、PL3の中に完全に存在することを保持するかどうかをチェックする。したがって、ボックスが、つまり、保証された位置範囲PL1、PL2、PL3が、各ペアにおいて完全に重複するかどうかがチェックされる。
【0045】
この場合、最も狭いボックス、つまり、最も狭い保証された位置範囲PL1に関連付けられた位置特定結果LE1が選択され、最終位置特定結果LE1として出力される。ここで示されている例の中で、これは上段の分岐Z1の保証された位置範囲PL1であり、その位置特定結果LE1である。全てのボックス、つまり、全ての保証された位置範囲PL1、PL2、PL3も出力される。
【0046】
従って、最も正確な位置特定結果LE1、ここでは上段の分岐Z1の位置特定結果と、異なる最大エラー率に提供可能な保証された位置範囲PL1、PL2、PL3、特に全ての分岐Z1、Z2、Z3の位置範囲PL1、PL2、PL3とが出力される。
【0047】
結果として、最も正確な位置特定結果LE1が、3つの分岐Z1、Z2、Z3から選択され、示されている例では曲線、つまり、上段の分岐Z1からの確率分布WV1であり、他の2つの分岐Z2、Z3のより精度の低い位置特定結果LE2、LE3は最も正確な位置特定結果LE1によって置き換えられる。この置き換えによって、最も正確な位置特定結果LE1の中のこの交換結果は、最も信頼できる位置特定が、つまり最低の最大エラー率で、ここでは下段の分岐Z3のボックスが、この場合には上段の分岐Z1の最も正確な位置特定結果LE1で、保証された位置範囲PL3について得られる。
【0048】
高い精度および低い完全性、つまり低い信頼性および低い最大エラー率、あるいは低い精度および高い完全性のいずれかを有する位置特定結果LEを提供する図1で示されている方法の第一実施形態は、記載された解決策、つまり、本方法の改良された第二実施形態によって、高い精度および同時に位置特定結果LE1、LE2、LE3の高い完全性が達成されるように、変更される。
【0049】
ボックスの一つが他のボックスと部分的にしか重複しない場合、つまり、少なくとも一つのペアの保証された位置範囲PL1、PL2、PL3が部分的にしか重複しない場合、エラーを推測し、その後有利にはエラーメッセージを出力することが好ましい。
【0050】
特に図2で示されている発明による車両1のランドマークベース位置特定のための方法の第二実施形態において、車両位置のための複数の位置仮説PHは、センサー、特に車両1の環境検知センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMと、デジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性の形成に基づいた方法セクションVAの中で形成され、この方法セクションVAにおいても、最も確率の高い車両位置が位置仮説PHの確率的フィルタリングに基づいて位置特定結果LEとして決定され、指定された上限を超えない、保証された位置範囲PLが決定される。
【0051】
この方法セクションVAは数回、例えば最低2回、例えば最低3回、例えば正確には3回、確率的フィルタリングの異なる解釈によって、特に並列に、特に時間的に並列に、特に本方法の並列分岐Z1、Z2、Z3で実行される。言い換えると、本方法のこの改良された第二実施形態において、複数の、特に並列の、特に時間的に並列の、分岐Z1、Z2、Z3、例えば最低でも2つあるいは最低でも3つ、あるいは正確には3つの分岐Z1、Z2、Z3で、それぞれの場合において、センサー、特に車両1の環境検知センサーシステムによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性Aの形成に基づいて車両位置のための複数の位置仮説PHが形成され、位置仮説PHの確率的フィルタリングに基づいて、最も確からしい車両位置が位置特定結果LE1、LE2、LE3として決定され、予め定義された誤差上限を超えず、分岐Z1、Z2、Z3がそれぞれ確率的フィルタリングの異なる解釈を有する、保証された位置範囲PL1、PL2、PL3が決定される。
【0052】
これは、異なる精度と異なる保証された位置範囲PL1、PL2、PL3を有する複数の位置特定結果LE1、LE2、LE3をもたらす。保証された位置範囲PL1、PL2、PL3がペアにおいて完全に重複する場合、つまり、特に、これが、この方法のステップVAの多種多様な実施形態において決定された保証された位置範囲PL1、PL2、PL3の全ての可能なペアリングの場合、最小の保証された位置範囲PL1、この場合は上段の分岐Z1の位置特定結果LE1が車両位置eFP、つまり、本方法によって検索および決定される車両位置eFPとして選択される。
【0053】
選択された車両位置eFPは、有利には全てのより大きな保証された位置範囲PL2、PL3に割り当てられる。
【0054】
部分的にしか重複しない保証された位置範囲PL1、PL2、PL3の少なくとも一つのペアがある場合、つまり、保証された位置範囲PL1、PL2、PL3がペアにおいて完全に重複しない場合、エラーメッセージが有利に出力される。
【0055】
図2を参照して、この方法は再び、特に、ここで示されている3つの分岐Z1、Z2、Z3を有する方法の例示的な実施形態について、詳細に説明される。
【0056】
車両位置のための複数の位置仮説PHは、センサー、特に車両1の環境検知センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性の形成に基づいて、形成される。これは例えば、本方法の複数の分岐Z1、Z2、Z3において、ここでは3つの分岐Z1、Z2、Z3において、既に並列に実行することができ、これは同じ位置仮説PHに繋がる。従って、これは代替的に、ここに示される例のように、一緒に行うこともでき、このようにして決定された位置仮説PHは、次いで、複数、特に本方法の並列の分岐Z1、Z2、Z3、ここに示される例では3つの分岐Z1、Z2、Z3のために使用することができる。言い換えれば、複数の分岐Z1、Z2、Z3の終わりまでの方法の全体の方法セクションVAは確率的フィルタリングの異なる解釈によって相応に実行されるか、あるいはこの方法セクションVAの少なくとも部分VT部分が、分岐Z1、Z2、Z3において示された方法のステップを用いて、分岐Z1、Z2、Z3の終わりまでの位置仮設PHの決定の後に、確率的なフィルタリングの異なる解釈によって相応に実行される。
【0057】
決定された位置仮説PHはその後、上述の方法で、確率的フィルタリングの異なる解釈を用いて分岐Z1、Z2、Z3の各々において確率的にフィルタリングされる。本方法のそれぞれの分岐Z1、Z2、Z3において、特に確率的なフィルタリングあるいはこれの少なくとも一部、特にこれらの位置仮説PHの確率的フィルタリングは、特に確率的フィルターとして設計されている対応する特徴関連付けフィルターMAF1、MAF2、MAF3によって実行され、特にこれらの特徴関連付けフィルターMAF1、MAF2、MAF3は異なるように構成されている。但し、これらは相乗的に協働することができ、つまり、これらは、例えば、互いに完全に独立していなくても良く、一つ以上の初期処理ステップを互いに共有することができる。
【0058】
それぞれの特徴関連付けフィルターMAF1、MAF2、MAF3において、既に上述したように、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の誤った関連性Aがフィルター除去される。このようにして、異なる信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3は、本方法の異なる分岐Z1、Z2、Z3のそれぞれにおいて決定され、上段の分岐Z1において示される例では多くの信頼できる位置仮説SPH1が決定され、特に別の2つの分岐Z2、Z3よりも数が多いが、別の分岐Z2、Z3におけるものよりもより信頼性が低く、下段の分岐にあるZ3では非常に少ない安全な位置仮説SPH3が決定され、特に別の2つの分岐Z1、Z2よりも少ないが、非常に信頼でき、特に他の2つの分岐Z1、Z2よりもより信頼でき、中段の分岐Z2では信頼できる位置仮説SPH2の数は上段の分岐Z1におけるよりも少なく、下段の分岐Z3の数よりも多く、中段の分岐Z2のこれらの信頼できる位置仮設PH2は上段の分岐Z1の信頼できる位置仮説SPH1よりも信頼でき、下段の分岐Z3の信頼できる位置仮説SPH3よりも信頼性が低い。
【0059】
これらの信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3および、有利には特に対応するセンサーシステム、特にオドメーターセンサーシステムによって決定された車両1の固有の動きは、確率的フィルターPF、例えば、カルマンフィルターの中で処理される。この確率的フィルターPFは、有利には、本方法の全ての分岐Z1、Z2、Z3において同じように構成される。したがって、結果は、本方法のそれぞれの分岐Z1、Z2、Z3についての別個の位置特定結果LE1、LE2、LE3、つまり、デジタルマップ内の車両位置の確率分布WV1、WV2、WV3および対応する保証された位置範囲PL1、PL2、PL3である。
【0060】
確率的フィルタリングの異なる設計、特に特徴関連付けフィルターMAF1、MAF2、MAF3、および結果としての異なる信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3により、異なる位置特定結果LE1、LE2、LE3、つまり、デジタルマップ内の車両位置の異なる確率分布WV1、WV2、WV3および車両位置に関する異なる精度、ならびに異なる保証された位置範囲PL1、PL2、PL3がもたらされる。示された例の中で、上段の分岐Z1においては、車両位置の確率が互いに近いため、車両位置に関しては高い精度が与えられるが、完全性は低く、中段の分岐Z2においては、それらはより強く分散されているため、車両位置に関する精度はここでは低いが、僅かに高い完全性を有し、そして下段の分岐Z3においては、それらはさらにより強く分散されているため、車両位置に関しては最も低い精度であるが、最も高い完全性を有している。保証された位置範囲PL1、PL2、PL3は上段の分岐Z1においては狭く、中段の分岐Z2のおいてはより広く、そして、下段の分岐Z3においてはさらにより広くなっている。
【0061】
これらの位置特定結果LE1、LE2、LE3は、基準位置セレクターRPSに供給され、このセレクターは、保証された位置範囲PL1、PL2、PL3が例で示されているようにペアにおいて完全に重複する場合、最小の保証された位置範囲PL1を有する位置特定結果LE1を選択し、示されている例では、上段の分岐Z1の位置特定結果LE1を車両位置eFP、つまり、決定されるべき検索車両位置eFPとして、つまり、本方法によって決定されるべき検索車両位置eFPとして、選択し、その理由は、これが分岐Z1、Z2、Z3の全ての保証された位置範囲PL1、PL2、PL3の中で最良の決定された車両位置であることと、更にこの選択された車両位置eFPも全てのより大きな保証された位置範囲PL2、PL3に、つまり、他の分岐Z2、Z3からの保証された位置範囲PL2、PL3に割り当てられるからである。
図1
図2
【誤訳訂正書】
【提出日】2023-04-14
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のランドマークベース位置特定方法であって、一つの処理セクション(VA)において、
-センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)とデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクト(KLM)との間の関連性(A)の形成に基づいて、車両位置の複数の位置仮説(PH)が形成され
-前記位置仮説(PH)の確率的フィルタリングに基づいて、最も可能性の高い車両位置が位置特定結果(LE)として決定され、且つ、所定の誤差上限を超えない保証位置範囲(PL)が決定され、
前記処理セクション(VA)は前記確率的フィルタリングの異なる設計によって数回実行され、前記保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)がペアにおいて完全に重複する場合、最小の前記保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)を有する前記位置特定結果(LE1、LE2、LE3)が車両位置(eFP)として選択される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記確率的フィルタリングの前記異なる設計前記位置仮説(PH)がフィルタリングされ、且つ、確率の低い前記位置仮説(PH)が破棄される特徴関連付けフィルター(MAF1、MAF2、MAF3)に関する
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
部分的にのみ重複する前記保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)の少なくとも一つのペアがある場合、エラーメッセージが出力される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかの一項に記載の方法であって、
前記選択された車両位置(eFP)が全てのより大きな保証位置範囲(PL2、PL3)に割り当てられる
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかの一項に記載の方法であって、
前記処理セクション(VA)は、少なくとも2回、特に少なくとも3回、特に正確には3回実行される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかの一項に記載の方法であって、
前記処理セクション(VA)の複数の実行は、時間的に並列に、特に方法の複数の並列分岐(Z1、Z2、Z3)において行われる
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記分岐(Z1、Z2、Z3)はそれぞれ特徴関連付けフィルター(MAF1、MAF2、MAF3)を備え、前記分岐(Z1、Z2、Z3)の前記特徴関連付けフィルター(MAF1、MAF2、MAF3)は異なるように設計され、信頼できる位置仮説(SPH1、SPH2、SPH3)は前記分岐(Z1、Z2、Z3)の前記特徴関連付けフィルター(MAF1、MAF2、MAF3)によって決定される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
それぞれの前記分岐(Z1、Z2、Z3)において、前記分岐(Z1、Z2、Z3)の前記信頼できる位置仮説(SPH1、SPH2、SPH3)および特に前記車両(1)の固有の動き(EM)が、確率的フィルター(PH)、特にカルマンフィルターによって処理され、結果として、対応する位置特定結果(LE1、LE2、LE3)および、所定の誤差上限を超えない対応する前記保証位置範囲(PL1、PL2、PL3)が決定される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかの一項に記載の方法であって、
前記車両(1)既に通過たセンサーランドマークオブジェクト(SLM)は、前記センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)と前記デジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクト(KLM)との間の前記関連性(A)を形成するために使用される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかの一項に記載の方法であって、
所定の期間及び/または所定の経路長にわたって前記センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)は、前記センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクト(SLM)と前記デジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクト(KLM)との間の前記関連性(A)を形成するために使用される
ことを特徴とする、車両のランドマークベース位置特定方法。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルの特徴による車両のランドマークベースの位置特定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、WO 2019/243031 A1の中で解説されているように、車両の位置を決定するための方法が知られている。車両のセンサーシステムによって検出されたランドマークオブジェクトと、マップ、特にマップ細部に保存されたランドマークオブジェクトとを比較することで、複数の位置仮説が決定される。全ての位置仮説を分析し、確率的な分析によって全ての誤った情報を取り除くことで、完全性の値を持つ位置仮説が決定される。所定の制限値に従ったフィルタリングによって、車両の位置を決定するための所定の方法において十分な位置精度を有する位置仮説が、決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、先行技術と比較して改善された車両のランドマークベースの位置特定方法を提供するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本目的は、請求項1の特徴を有する車両のランドマークベースの位置特定方法による発明に従って達成される。
【0005】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0006】
車両のランドマークベースの位置特定方法では、車両位置の複数の位置仮説が、センサー、特に車両の環境検知センサーシステムによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトと、デジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトとの間の関連性の形成に基づき、一つの処理セクションにおいて形成され、また、この処理セクションにおいて、位置仮説の確率的なフィルタリングに基づいて、最も可能性の高い車両位置が位置特定結果として決定され、所定の誤差上限を超えない、保護限界とも呼ばれる保証位置範囲が決定される。保護限界、つまり、保証位置範囲は、かくして、特定の最大エラー率が保証されている位置範囲、つまり、特定の、言い換えると所定の誤差上限を超えないことが保証される位置範囲である。この特定の、特に保証された最大エラー率は誤差上限、例えば、1時間当たり10-3 エラーであり、これは保証位置範囲(保護限界)に対して保証されていて、つまり、保証位置範囲(保護限界)内では、位置特定結果のエラー率は保証された最大エラー率よりも低い。
【0007】
本発明によれば、この処理セクション、少なくとも処理セクションの一部は、複数回(例えば、少なくとも2回、例えば少なくとも3回、例えば正確には3回)の確率的フィルタリングの異なる設計によって、特に、確率的な特徴関連付けフィルターの異なる設計を用いて、実行される。処理セクションの少なくとも一部では、位置仮説の確率的フィルタリングに基づいて、最も可能性の高い車両位置が位置特定結果として決定され、且つ、所定の誤差上限を超えない保証位置範囲が決定される処理セクション、少なくとも処理セクションの一部は結果として、異なる精度と異なる保証位置範囲を持つ複数の位置特定結果が得られる。保証位置範囲がペアで完全に重複する場合、つまり、特に、これがこの処理セクションいくつかの実行において決定される保証位置範囲の考えられるあらゆるペアリングが該当する場合、最小の保証位置範囲を持つ位置特定結果が車両位置つまり、方法によって決定されるべき検索された車両位置として選択される。
【0008】
確率的フィルタリングの異なる設計は、特に特徴関連付けフィルター、特に特徴関連付けフィルターのみに関している。この特徴関連付けフィルターにおいて、位置仮説がフィルタリングされ、確率の低い位置仮説は破棄される。この特徴関連付けフィルターの異なる設計のために、位置仮説の確率は、かくしてこの処理セクションの様々な実行、あるいは少なくとも上述の処理セクションの一部において、異なる方法で評価され、そのため、位置仮説に可能性があるか、可能性がないかとして相応に評価され、その結果、問題の位置仮説が特徴関連付けフィルターの一方の設計によって可能性があると評価され得、他方の設計によって可能性がないとして評価され、破棄され得る。したがって、処理セクションの、または上述の処理セクションの少なくとも一部の様々な実行は、異なる数の位置仮説、および/または、異なる位置仮説をもたらし、特に、一方ではほんの少数ではあるが非常に信頼できる位置仮説を、特に、特徴関連付けフィルターの厳密な設計で、もたらし、他方では多数ではあるが信頼性の低い位置仮説を、特に、特徴関連付けフィルターの厳密さが少ない設計で、もたらす。
【0009】
本方法は、特に車両内で、特に車両によって、特にこの目的のために設けられ、それに応じて設計され、構成された車両の少なくとも1つのユニットによって実行される。本方法に使用されるデジタルマップあるいはデジタルマップの少なくともマップ細部は、特に車両内に、特に本方法を実行するために設けられたユニット内に、あるいは前記ユニットに結合された、特にデータ送信用に結合された車両の更なるユニットに保存される。
【0010】
本方法は、部分的に自動化、特に高度に自動化あるいは自律の運転システムを備えた車両に対して特に有利である。そのような運転システムの要件は、多くの場合、位置特定が現在出力されている車両位置の完全性を示すことである。これは証位置範囲、つまり、定義された残留エラー率によって保証できる実際の位置からの最大偏差を示す保護限界の計算および出力によって表されるが、これらが適用されるのは通常特定の閾値からのみである。この閾値は、アラートリミットとも呼ばれている。このアラートリミットは特定のアプリケーション、例えば、無人運転、特に、部分的に自動化、特に高度な自動化あるいは自律の運転で保証位置範囲(保護限界)のために必要な閾値である。この場合、そのような運転システムのシステム設計の多種多様な安全目的は、多くの場合、異なる完全性の要件を有している。これは、異なる閾値およびこのために許容される残留エラー率を持つ複数の保証位置範囲(保護限界)の出力を必要とする。
【0011】
本発明による解決策では、特に確率的なフィルター、例えばカルマンフィルターとして設計された位置特定フィルターの複数のいわゆるシャドウインスタンスが作成され、その各々異なる厳格さで設計された偽関連付けフィルター、特に特徴関連付けフィルターの下流に配置される。車両位置は互いに個別に推定され、より厳格なシャドウインスタンスはより高い完全性状態を有するが、より低い精度も達成する。これによって、逆に、保証位置範囲(保護限界)はより信頼性が高くなり、つまり、保証位置範囲(保護限界)が閾値(アラートリミット)よりも小さいという偽陽性ステートメントは稀であるが、実際にはそうではなく、保証位置範囲(保護限界)も大きくなる。ただし、それによって、保証位置範囲(保護限界)が閾値(アラートリミット)よりも小さいという条件が満たされることはほとんどないより厳格でないシャドウインスタンスは、より多くの情報を受け取れば受け取るほど、より正確な位置を提供する。これは、本発明による解決策によって最適に利用される。なぜなら、全ての保証位置範囲(保護限界)内に以前として存在する最も正確な車両位置が最終的な車両位置として、つまり、本方法によって決定されるべき検索された車両位置として出力されるからである
【0012】
本発明による解決策およびこのようにして達成される複数の保証位置範囲(保護限界)の決定は、異なる安全目的、例えば承認可能なエラー率の低い大きな閾値(高いアラートリミット)が必要とされる高度自動運転機能の起動のための道路精度、および、これと並行して、より高い承認エラー率を有する非常に低い閾値(非常に低いアラートリミット)が必要とされる自動車線変更のための車線の精度、に最適に役立つ複数の保証位置範囲(保護限界)を出力することが可能になる。これにより、システム全体、つまり、特に部分的に自動化、特に高度自動化、あるいは完全自律の車両の運転システムの利用可能性が増加する。その上、安全要件はこれ以上車両位置の精度を損なわないそれは本発明による解決策では、可能な限り最大特徴密度動作するシャドウインスタンスも有利に存在するからである。それでも、より信頼性の高いインスタンスによってモニタリングされるため、より大きなエラーはさえぎられる。
【0013】
本方法の可能な実施形態では、部分的にのみ重複する保証位置範囲の少なくとも一つのペアがある場合、つまり、保証位置範囲が全てペアで完全に重複しない場合、エラーメッセージが出力される。特に、部分的に自動化、高度自動化あるいは自律の車両の運転システムの誤動作、特に誤ったあるいは不正確な位置特定による考えられる危険性が回避される。この場合、例えば、車両の部分的に自動化、特に高度自動化あるいは自律の運転システム、あるいはこの運転システムの少なくとも1つのそれぞれの運転機能が非アクティブ化され、そして、例えば、車両のドライバーが車両の制御を引き継ぐように要請されるか、および/または、例えば、特に安全な位置で車両が停止させられる。
【0014】
一つの可能な実施形態では、選択された車両位置は全てのより大きな保証位置範囲に割り当てられる。結果として、これらの保証位置範囲は選択された車両位置と共に、例えば既に上述したように、複数の異なる安全目的のために使用することができ、それぞれの場合においてこれらを最適に役に立たせる。
【0015】
有利には、本処理セクションの前記複数の実行、少なくとも処理セクションの前記部分は、特に有利には時間的に並列して行われ、特に有利には同時に開始される。有利なのは、処理セクションの前記の複数の実行、少なくとも処理セクションの前記部分は、有利には並分岐で、特に時間的に並列分岐で行われる。結果として、それぞれの位置特定結果および保証位置範囲は、更なる処理のために有利に同時に利用可能である。特に、連続して行われる実行と比較して、大幅に早い処理時間が達成される。これは、可能な限り正確でなくてはならない移動中の車両の継続的な位置特定にとって非常に重要である。早い処理は例えば、部分的に自動化、特に高度自動化あるいは自律の運転操作におけるより高速な車両速度を可能にすることもできる。
【0016】
本方法の可能な実施形態では、本方法の分岐はそれぞれ特徴関連付けフィルターを備え、分岐の特徴関連付けフィルターは異なるように設計され、信頼できる位置仮説は分岐の特徴関連付けフィルターによって決定される。これにより、フィルタリングの異なる設計は、異なる分岐の特徴関連付けフィルターに関する。これにより、異なる精度と異なる保証位置範囲を持つ複数の位置特定結果も得られる。
【0017】
本方法の可能な実施形態では、この分岐の信頼できる位置仮説および特に車両の固有の動きが、確率的フィルター、特にカルマンフィルターによって、それぞれの分岐において処理され、それぞれの位置特定結果と、所定の誤差上限を超えないそれぞれの位置範囲とが決定される。ここでは、異なる設計の特徴関連付けフィルターによって決定され、結果として異なる信頼できる位置仮説が使用されるため、所定の誤差上限を超えない、異なる位置特定結果および異なる保証位置範囲が決定される。
【0018】
本方法の可能な実施形態では、車両既に通過たセンサーランドマークオブジェクトは、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトとの間関連性を形成するためにも使用される。所定の期間及び/または所定の経路長にわたってセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトは、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトとの間の関連性を形成するために有利に使用される。したがって、関連性は、有利にはシグネチャーとも呼ばれる、センサーランドマークオブジェクトの記録された履歴を介して実行される。したがって、有利には、車両位置のより高い精度が達成される。
【0019】
本発明の例示的な実施形態が、以下により詳細に図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、車両のランドマークベースの位置特定方法の実施形態を模式的に示す。
図2図2は、車両のランドマークベースの位置特定方法の改良された更なる実施形態を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
互いに対応する部分には、全ての図において同じ参照符号が付されている。
【0022】
図1および図2は、車両1のランドマークベースの位置特定方法の2つの実施形態を示し、図1は、特に出願人のWO 2019/243031 A1に記載されている先行技術から既に知られている実施形態を示す。このWO 2019/243031 A1の内容、特に、図やそれに関連した図の説明の内容、つまり、特に、図1から図12の内容、および4ページから14ページによる図の説明は、車両1のランドマークベースの位置特定方法のこの実施形態を説明しており参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
図2は、以下により詳細に説明されるように、車両1のランドマークベースの位置特定方法の大幅に改良された実施形態を示す。
【0024】
本方法の両方の実施形態において、車両位置についての複数の位置仮説PHは、センサー、特に車両1の環境検知センサーシステムによるセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMと、デジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性Aの形成に基づいて形成される。位置仮説PHの確率的フィルタリングに基づき、最も可能性の高い車両位置が位置特定結果として決定され、所定の誤差上限を超えない、保護限界と呼ばれる、保証位置範囲(保証位置範囲)PLが決定される。
【0025】
これは図に模式的に示されている。上述のように、関連性Aが、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップ内に保存されているマップランドマークオブジェクトとの間で形成され、それによって、車両位置のための複数の位置仮説PHが決定される。特に確率的なフィルタリングあるいは少なくともこの一部、特にこれらの位置仮説PHのフィルタリングは、特に確率的なフィルターとして形成された特徴関連付けフィルターMAFによって実行される。特にセンサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の誤った関連性Aは、この特徴関連付けフィルターMAFにおいて、所定の誤差上限に遵守するために、フィルタリングされる。このようにして、信頼できる位置仮説SPHが決定される。これらの信頼できる位置仮説SPHおよび特に適切なセンサーシステム、特にオドメーターセンサーシステムによって決定される車両1の固有の動きEMは、確率的フィルタリングPF、例えばカルマンフィルターにおいて処理される。その結果、デジタルマップ内の車両位置の確率分布WVである。これにより、証位置範囲PL決定ることができる。
【0026】
したがって、車両1の保証位置範囲PL、保証されたエラー率で決定される。保証位置範囲PLは、位置特定のエラー率が所定の最大許容エラー率、つまり所定の誤差上限を超えないことが保証されている位置範囲である。この保証位置範囲PLは、既に述べたように、保護限界とも呼ばれる。
【0027】
更に、デジタルマップにおける車両位置の確率分布WVが決定される。確率分布WVおよび保証位置範囲PLは、既に述べたように、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性Aの形成と、潜在的な車両位置としての関連性Aに基づく複数の位置仮説PHの作成と、確率の低い位置仮説PHがフェードアウト、つまりフィルター除去され破棄されることで、残りの信頼できる位置仮説SPHのみが更に処理される位置仮設PHの確率的フィルタリングと、に基づいて決定される。この確率的フィルタリングは、ここでは個々の位置仮説PHが正しい関連性Aまたは誤った関連性に基づいている可能性がより高いかどうかの確率的評価と、誤った関連性に基づいている可能性がより高い位置仮説PHのフィルタリング除去とに基づいている。
【0028】
確率的評価は、特徴関連付けフィルターMAFによる確率的分析に基づいている。ここで、位置仮説PHは、有利には、そのたびごとに、誤解を招く情報用の分布モデルと正しい情報用の分布モデルによって評価される。ここでは、位置仮説PHが正しい情報用の分布モデルと誤解を招く情報用の分布モデルとにどの程度一致しているかが決定される。この評価は特に、次のような考えに基づいている。すなわち、空間的近接して蓄積されるように分布する位置仮説PHは、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の正しい関連性A、つまり、正しい情報に基づいており、これが適用されない位置仮説PH、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の誤った関連性A、つまり、誤解を招く情報に基づいているという考えである。
【0029】
その結果は、完全性値とも呼ばれる値であり、これはそのつどの位置仮説PHが正しい情報に基づいているか、あるいは誤解を招く情報に基づいているかを示す。したがって、その値は、そのつどの位置仮説PHが誤った関連性よりも正しい関連性Aに基づいている可能性がどの程度高いかを示す。この値に従って位置仮説PHをフィルタリングすることで、正しい関連性Aよりも誤った関連性に基づいている位置仮設PHがフェードアウトされ、つまり、フィルタリングされ破棄される。
【0030】
図1に示されている方法の第一実施形態によるこの手順における問題は、一方では、全ての誤った仮説、つまり、誤った関連性に基づいた全ての位置仮説PHがフィルタリング中にフェードアウトさるわけではなく、つまり、これらの誤った仮説の全てがフィルタリング除去されず、他方では、正しい位置仮説PHの割合、つまり、正しい関連性Aに基づいた位置仮説PHもフェードアウトされる、つまりフィルタリング除去されることである。この理由は、確率的な分析のために、確率に従って誤った仮説と正しい位置仮説とを区別することしかできないためである。したがって、誤った仮説および正しい位置仮説PHの異なる程度のフェードアウト、つまりフィルタリング除去が、フィルタリングの異なる設計について得られる。
【0031】
したがって、厳格なフィルタリングは誤った仮説の強い抑制をもたらし、つまり、誤った陽性率(FPR)が低減されるが、正しい位置仮説PHの抑制にもつながる。正しい位置仮説PHのこの抑制は、低い位置特定精度につながり、より大きな保証位置範囲PL(保護限界)につながる。フィルター、特に特徴関連付けフィルターMAFの厳密な設計は、低い保証されたエラー率と低い位置特定精度につながり、それは特に広い保証位置範囲PL(保護限界)に起因する。
【0032】
対照的に、フィルター、特に特徴関連付けフィルターMAFのより厳密でない設計は、より高い保証されたエラー率(つまり、より多くのエラーが予想されなければならず、したがって、位置特定においてより多くのエラーが発生し得る)と、より高い位置特定精度に繋がり、それは特により狭い保証位置範囲PL(保護限界)に起因する。
【0033】
したがって、保証位置範囲PL(保護限界)のサイズと保証された最大エラー率は、フィルター、特に特徴関連付けフィルターMAFの設計によって決定される。この事実図2で示されている異なる確率分布WV1、WV2、WV3および関連する異なった保証位置範囲PL1、PL2、PL3(保護限界)によって示される。これらの異なる確率分布WV1、WV2、WV3および保証位置範囲PL1、PL2、PL3(保護限界)をもたらす図2に示さる方法のこの改善された第二実施形態の方法シーケンスを、以下で詳細に説明る。
【0034】
保証された最大エラー率を高くすることができる場合、車両1が狭い範囲の中にあることが保証される。車両1の周り、つまり、車両位置の周囲のボックスは証位置範囲PL1、PL2、PL3(保護限界)を示す。ボックスが狭いほど、つまり、保証位置範囲PL1、PL2、PL3が狭いほど、位置特定結果LE1、LE2、LE3がより正確になる。曲線は、位置仮設PH、特に信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3の対応する確分布WV1、WV2、WV3、特に確率ヒストグラムを示す。確率分布WV1、WV2、WV3の最大値は、最も確からしい車両位置を表す。この最大あるいは全確率分布WV1、WV2、WV3が位置特定結果LE1、LE2、LE3を表す。
【0035】
上部ボックス、つまり、第一の保証位置範囲PL1は狭いが、保証された最大エラー率は高い。比較すると、下部ボックス、つまり、第三の保証位置範囲PL3は広いが、保証された最大エラー率はより低い。
【0036】
これは、車両位置eFPがより正確に決定され、したがって、保証位置範囲PL1、PL2、PL3を示すボックスが狭いほど、保証された最大エラー率が高くなるため、決定された車両位置eFPはより不確かになることを意味する。
【0037】
この関係は、図2の例によって示される方法の実質的に改良された第二実施形態のために使用され、図1で示される既知の方法の第一実施形態、特に参照符号VTを持つ図1の中でされている処理の一部が数回図2で示されている例では3回、に並列に、各回においてフィルタリングの異なる設計で、実行される
【0038】
したがって、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性Aの形成は、それによって車両位置に対する複数の位置仮説PHを決定するために、一回だけ実行されるようになる。これらの決定された位置仮説PHはその後、上述の方法で確率的にフィルタリングされるが、この改良された第二実施形態においては、複数、特に並列、特に時間的に並列異なる設計のフィルタリングを用いる分岐Z1、Z2、Z3がる。
【0039】
本方法のそれぞれの分岐Z1、Z2、Z3において、特に確率的フィルタリング、あるいはこれの少なくとも一部、特にこれらの位置仮説PHの確率的フィルタリングは、特定の特徴関連付けフィルターMAFによって実行され、これは特に確率的フィルタリングとして設計され、特にこれらの特徴関連付けフィルターMAFが異なるように設計されている。それぞれの特徴関連付けフィルターMAFにおいて、既に上述したように、特に、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の誤った関連性Aがフィルター除去される。このようにして、異なる信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3が本方法の異なる分岐Z1、Z2、Z3において決定される。これらの信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3、および有利には、特に対応するセンサーシステム、特にオドメーターセンサーシステムによって決定された車両1の固有の動きEMは、確率的フィルターPF、例えばカルマンフィルターにおいて処理される。この確率的フィルターPFは、有利にはここでは本方法の全ての分岐Z1、Z2、Z3において同じように設計される。したがって、結果は、本方法のそれぞれの分岐Z1、Z2、Z3に対するデジタルマップ内の車両位置の確率分布WV1、WV2、WV3である。これによって、対応する保証位置範囲PL1、PL2、PL3を決定することができる。
【0040】
結果として、図2で示されている例では、複数の、異なる精度および異なる保証位置範囲PL1、PL2、PL3、つまり異なる保証された最大エラー率を有する3つの位置特定結果LE1、LE2、LE3が決定される。これらの位置特定結果LE1、LE2、LE3のセットから、最も正確な位置特定結果LE1、この場合は、上段の分岐Z1の位置特定結果LE1が選択され、そのうちの保証位置範囲PL1は全てのより広い保証位置範囲PL2、PL3内にあり、検索および決定された車両位置eFPとして選択され、出力される。
【0041】
したがって、改良された第二実施形態において、図1を参照して説明された方法の以前から知られていた第一実施形態が数回、特に複数の並列分岐Z1、Z2、Z3において、処理セクションVAとして、図2で示されている例では3回、つまり、3つの並列分岐Z1、Z2、Z3において実行される。したがって、結果は複数の、示された例では確率分布WV1、WV2、WV3の形式で3つの位置特定結果LE1、LE2、LE3と、対応する車両位置の周囲の対応するボックスという形状においてこれらの各々に関連付けられた複数の、示された例では3つの、保証位置範囲PL1、PL2、PL3とる。
【0042】
図2で示されている例では、最も正確な位置特定結果LE1が本方法の上段の分岐Z1で得られ、これは、保証位置範囲PL1を表すボックスが他の分岐Z2、Z3よりも狭く、確率分布WV1が最も低い分散を示しているためである。但し、保証された最大エラー率は、他の2つの分岐Z2、Z3よりも高く、つまり、位置特定結果LE1は、最も信頼性が低い。
【0043】
最下部の分岐Z3において、最も不正確な位置特定結果LE3が得られ、これは、保証位置範囲PL3を表すボックスが他の2つの分岐Z1、Z2よりも広く、確率分布WV3が最も大きい分散を示すためである。但し、保証された最大エラー率は他の分岐Z1、Z2よりも低く、つまり、最も信頼できる位置特定結果LE3は、下段の分岐Z3で得られる。
【0044】
ここで、ボックス、すなわち保証位置範囲PL1、PL2、PL3のそれぞれ可能なペアについて、つまり、分岐Z1、Z2、Z3のこれらの保証位置範囲PL1、PL2、PL3の全ての可能なペアリングについて、ペアのボックスのうちの一つが、ペアのもう片方のボックスの中に完全に存在するかどうか、つまり、ペアの保証位置範囲PL1、PL2、PL3のうちの一つが、ペアのもう片方の保証位置範囲PL1、PL2、PL3の中に完全に存在するかどうかをチェックする。したがって、ボックス、すなわち証位置範囲PL1、PL2、PL3が、各ペアにおいて完全に重複するかどうかがチェックされる。
【0045】
この場合、最も狭いボックス、つまり、最も狭い保証位置範囲PL1に関連付けられた位置特定結果LE1が選択され、最終位置特定結果LE1として出力される。ここで示されている例の中では、上段の分岐Z1の保証位置範囲PL1であり、その位置特定結果LE1である。全てのボックス、つまり、全ての保証位置範囲PL1、PL2、PL3も出力される。
【0046】
したがって、最も正確な位置特定結果LE1、ここでは上段の分岐Z1の位置特定結果と、異なる最大エラー率に提供可能な保証位置範囲PL1、PL2、PL3、特に全ての分岐Z1、Z2、Z3の位置範囲PL1、PL2、PL3とが出力される。
【0047】
結果として、最も正確な位置特定結果LE1が、3つの分岐Z1、Z2、Z3から選択され、示されている例では曲線、つまり、上段の分岐Z1からの確率分布WV1であり、他の2つの分岐Z2、Z3のより精度の低い位置特定結果LE2、LE3は最も正確な位置特定結果LE1に置き換えられる。この置き換えによって、最も正確な位置特定結果LE1(ここでは上段の分岐Z1)が最も低い最大エラー率で最も信頼できる位置特定つまり、ここでは下段の分岐Z3のボックス)ある証位置範囲PL3に対して達成される。
【0048】
図1で示されている方法の第一実施形態は、高い精度および低い完全性、つまり信頼性が低く最大エラー率が低いか、あるいは精度が低く完全性が高い位置特定結果LEを提供する、記載された解決策、つまり、本方法の改良された第二実施形態によって、位置特定結果LE1、LE2、LE3の高い精度同時に高い完全性が達成されるように、変更される。
【0049】
ボックスの一つが他のボックスと部分的にしか重複しない場合、つまり、少なくとも一つのペアの保証位置範囲PL1、PL2、PL3が部分的にしか重複しない場合、エラーを推測し、その後有利にはエラーメッセージを出力することが好ましい。
【0050】
特に図2で示されている発明による車両1のランドマークベース位置特定方法の第二実施形態において、車両位置のための複数の位置仮説PHは、センサー、特に車両1の環境検知センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMと、デジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性Aの形成に基づいた処理セクションVAの中で形成され、この処理セクションVAにおいても、最も確率の高い車両位置が位置仮説PHの確率的フィルタリングに基づいて位置特定結果LEとして決定され、所定の誤差上限を超えない、保証位置範囲PLが決定される。
【0051】
この処理セクションVAは数回、例えば少なくとも2回、例えば少なくとも3回、例えば正確には3回、確率的フィルタリングの異なる設計によって、特に並列に、特に時間的に並列に、特に本方法の並列分岐Z1、Z2、Z3で実行される。言い換えると、本方法のこの改良された第二実施形態において、複数の、特に並列の、特に時間的に並列分岐Z1、Z2、Z3、例えば最低でも2つあるいは最低でも3つ、あるいは正確には3つの分岐Z1、Z2、Z3で、それぞれの場合において、センサー、特に車両1の環境検知センサーシステムによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性Aの形成に基づいて車両位置のための複数の位置仮説PHが形成され、位置仮説PHの確率的フィルタリングに基づいて、最も確からしい車両位置が位置特定結果LE1、LE2、LE3として決定されるとともに所定の誤差上限を超えない保証位置範囲PL1、PL2、PL3が決定され、分岐Z1、Z2、Z3それぞれ確率的フィルタリングの異なる解釈を有する。
【0052】
これは、異なる精度と異なる保証位置範囲PL1、PL2、PL3を有する複数の位置特定結果LE1、LE2、LE3をもたらす。保証位置範囲PL1、PL2、PL3がペアにおいて完全に重複する場合、つまり、特に、こ処理セクションVAのいくつかのにおいて決定された保証位置範囲PL1、PL2、PL3の全ての可能なペアリングが該当する場合、最小の保証位置範囲PL1、この場合は上段の分岐Z1の位置特定結果LE1が車両位置eFP、つまり、本方法によって検索および決定される車両位置eFPとして選択される。
【0053】
選択された車両位置eFPは、有利には全てのより大きな保証位置範囲PL2、PL3に割り当てられる。
【0054】
部分的にしか重複しない保証位置範囲PL1、PL2、PL3の少なくとも一つのペアがある場合、つまり、保証位置範囲PL1、PL2、PL3がペアにおいて完全に重複しない場合、エラーメッセージが有利に出力される。
【0055】
図2を参照して、この方法は再び、特に、ここで示されている3つの分岐Z1、Z2、Z3を有する方法の例示的な実施形態について、詳細に説明される。
【0056】
車両位置のための複数の位置仮説PHは、センサー、特に車両1の環境検知センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の関連性Aの形成に基づいて、形成される。これは例えば、本方法の複数の分岐Z1、Z2、Z3において、ここでは3つの分岐Z1、Z2、Z3において、既に並列に実行することができ、これは同じ位置仮説PHに繋がる。したがって、これは代替的に、ここに示される例のように、一緒に行うこともでき、このようにして決定された位置仮説PHは、次いで、複数、特に本方法の並列の分岐Z1、Z2、Z3、ここに示される例では3つの分岐Z1、Z2、Z3のために使用することができる。言い換えれば、複数の分岐Z1、Z2、Z3の終わりまでの方法の全体の処理セクションVAは確率的フィルタリングの異なる設計によって相応に実行されるか、あるいはこの処理セクションVAの少なくとも部分VTが、分岐Z1、Z2、Z3において示された方法のステップを用いて、分岐Z1、Z2、Z3の終わりまでの位置仮設PHの決定の後に、確率的なフィルタリングの異なる設計によって相応に実行される。
【0057】
決定された位置仮説PHはその後、上述の方法で、確率的フィルタリングの異なる設計を用いて分岐Z1、Z2、Z3の各々において確率的にフィルタリングされる。本方法のそれぞれの分岐Z1、Z2、Z3において、特に確率的なフィルタリングあるいはこれの少なくとも一部、特にこれらの位置仮説PHの確率的フィルタリングは、特に確率的フィルターとして設計されている対応する特徴関連付けフィルターMAF1、MAF2、MAF3によって実行され、特にこれらの特徴関連付けフィルターMAF1、MAF2、MAF3は異なるように構成されている。但し、これらは相乗的に協働することができ、つまり、これらは、例えば、互いに完全に独立していなくても良く、一つ以上の初期処理ステップを互いに共有することができる。
【0058】
それぞれの特徴関連付けフィルターMAF1、MAF2、MAF3において、既に上述したように、センサーによって検知されたセンサーランドマークオブジェクトSLMとデジタルマップに保存されたマップランドマークオブジェクトKLMとの間の誤った関連性Aがフィルター除去される。このようにして、異なる信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3は、本方法の異なる分岐Z1、Z2、Z3のそれぞれにおいて決定され、上段の分岐Z1において示される例では多くの信頼できる位置仮説SPH1が決定され、特に別の2つの分岐Z2、Z3よりも数が多いが、別の分岐Z2、Z3におけるものよりもより信頼性が低く、下段の分岐にあるZ3では非常に少ない信頼できる位置仮説SPH3が決定され、特に別の2つの分岐Z1、Z2よりも少ないが、非常に信頼でき、特に他の2つの分岐Z1、Z2よりもより信頼でき、中段の分岐Z2では信頼できる位置仮説SPH2の数は上段の分岐Z1よりも少なく、下段の分岐Z3よりも多く、中段の分岐Z2のこれらの信頼できる位置仮設SPH2は上段の分岐Z1の信頼できる位置仮説SPH1よりも信頼でき、下段の分岐Z3の信頼できる位置仮説SPH3よりも信頼性が低い。
【0059】
これらの信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3および、有利には特に対応するセンサーシステム、特にオドメーターセンサーシステムによって決定された車両1の固有の動きEMは、確率的フィルターPF、例えば、カルマンフィルターの中で処理される。この確率的フィルターPFは、有利には、本方法の全ての分岐Z1、Z2、Z3において同じように構成される。したがって、結果は、本方法のそれぞれの分岐Z1、Z2、Z3についての別個の位置特定結果LE1、LE2、LE3、つまり、デジタルマップ内の車両位置の確率分布WV1、WV2、WV3および対応する保証位置範囲PL1、PL2、PL3となる。
【0060】
確率的フィルタリングの異なる設計、特に特徴関連付けフィルターMAF1、MAF2、MAF3、および結果としての異なる信頼できる位置仮説SPH1、SPH2、SPH3により、異なる位置特定結果LE1、LE2、LE3、つまり、デジタルマップ内の車両位置の異なる確率分布WV1、WV2、WV3および車両位置に関する異なる精度、ならびに異なる保証位置範囲PL1、PL2、PL3がもたらされる。示された例の中で、上段の分岐Z1においては、車両位置の確率が互いに近いため、車両位置に関しては高い精度が与えられるが、完全性は低く、中段の分岐Z2においては、それらはより強く分散されているため、車両位置に関する精度はここでは低いが、僅かに高い完全性を有し、そして下段の分岐Z3においては、それらはさらにより強く分散されているため、車両位置に関しては最も低い精度であるが、最も高い完全性を有している。保証位置範囲PL1、PL2、PL3は上段の分岐Z1においては狭く、中段の分岐Z2のおいてはより広く、そして、下段の分岐Z3においてはさらにより広くなっている。
【0061】
これらの位置特定結果LE1、LE2、LE3は、基準位置セレクターRPSに供給され、このセレクターは、保証位置範囲PL1、PL2、PL3が例で示されているようにペアにおいて完全に重複する場合、最小の保証位置範囲PL1を有する位置特定結果LE1を選択し、示されている例では、上段の分岐Z1の位置特定結果LE1を車両位置eFP、つまり、決定されるべき検索車両位置eFPとして、つまり、本方法によって決定されるべき検索車両位置eFPとして、選択する。その理由は、これが分岐Z1、Z2、Z3の全ての保証位置範囲PL1、PL2、PL3の中で最良の決定された車両位置であることと、更にこの選択された車両位置eFPも全てのより大きな保証位置範囲PL2、PL3に、つまり、他の分岐Z2、Z3からの保証位置範囲PL2、PL3に割り当てられるからである。
【国際調査報告】