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特表2023-518957電気通信ネットワークにおけるデータ分析のための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-09
(54)【発明の名称】電気通信ネットワークにおけるデータ分析のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/088 20230101AFI20230427BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20230427BHJP
   H04L 43/02 20220101ALI20230427BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20230427BHJP
【FI】
H04W28/088
H04W88/18
H04L43/02
H04W92/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556607
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 KR2021003437
(87)【国際公開番号】W WO2021187948
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】2004073.9
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2013265.0
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2103460.8
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャリアト, メルダッド
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジョン シン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067AA28
5K067BB21
5K067EE02
5K067EE16
5K067HH21
5K067LL01
5K067LL05
(57)【要約】
本発明は、第4世代(4G)システム以降のより高いデータレートをサポートするための第5世代(5G)通信システムを、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)技術と融合する通信方法及びそのシステムに関する。本発明は、スマートホーム、スマートビル、スマートシティ、スマートカー、コネクテッドカー、ヘルスケア、デジタル教育、スマート小売業、セキュリティ、安全関連サービスなどの5G通信技術及びIoT関連技術に基づくインテリジェントサービスに適用される。電気通信ネットワークにおいて分析データを管理する方法が提供される。この方法は、複数の個々のソースからの分析データが、どのように収集及び分析されるかを決定する消費者ネットワーク機能(Network Function:NF)を含む。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者ネットワーク機能(Network Function:NF)を含む電気通信ネットワークにおける分析データを管理する方法であって、
複数の個々のソース(source)からの分析データが、
複数のネットワークデータ分析機能(network data analytics functions:NWDAF)からの分散方式、
アグリゲータNWDAF(Aggregator NWDAF)で前記分析データを分析する前に前記複数のNWDAFからの分析データをアグリゲートすることによる集中方式、又は
前記複数のNWDAFからの分散方式、及びアグリゲータNWDAFで前記分析データを分析する前に前記複数のNWDAFからの分析データをアグリゲートすることによる集中方式のうちの少なくとも一つ、
のうちのいずれかで、どのように収集されて分析されるかを決定する段階を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数のNWDAFが前記電気通信ネットワークに提供される場合、少なくとも一つは特殊機能を有し、少なくとも一つは一般機能を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特殊機能は、複数の関心領域又は複数のターゲットユーザからの分析をアグリゲートするように構成され、
前記一般機能は、関心領域毎に又はターゲットユーザのセット毎に分析を通知するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記特殊機能を有する前記複数のNWDAFのうちの特定の一つの能力情報は、ネットワークリポジトリ機能(network repository function:NRF)に格納されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記能力情報は、分析アグリゲーション能力に関連することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記消費者NFは、前記消費者NFの具現された内部選択基準の一部としてNWDAF能力情報に基づいて、データを収集する一つ以上のNWDAFを決定することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記具現された内部選択基準は、前記NWDAF毎の負荷レベル、前記NWDAF毎に直接サポートされる分析識別子(identifier:ID)の数、及びネットワークオペレータによって事前設定された他の主要業績評価指標(key performance indicator:KPI)に基づいて決定される、前記NRFに新たに登録された能力のうちの一つ以上を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記NRFに登録される支援情報として、前記アグリゲータNWDAF毎に識別子が定義され、
前記識別子は、前記NWDAFのうちのアグリゲーションポイントとして機能可能なNWDAFを示し、
前記識別子は、アグリゲーションポイント識別子(aggregation point identifier:AP ID)であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記消費者NFは、前記複数のNWDAFがどのように連携して動作するかを自律的に決定することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記決定は、選択基準に基づいており、
前記消費者NFは、前記NRFによって識別される全てのNWDAFを考慮し、前記具現された内部選択基準に基づいて、それらの組み合わせからデータをどのように収集するかを決定することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のNWDAFの各々は、一つ以上の他のアグリゲータNWDAFと、前記NWDAFがサポートする分析IDの数を事前交渉し、
前記アグリゲータNWDAFは、前記NRF内でサポートされる分析IDのそのような拡張セットをアドバタイズすることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ネットワーク機能サービス消費者が、必要な全ての分析ID及び関心領域を含む発見要求をネットワークリポジトリ機能(network repository function:NRF)に送信し、
前記NRFが、一つ以上の分散NWDAFインスタンス(instance)IDで応答し、前記一つ以上の分散NWDAFインスタンスIDの各々が、分析IDのセット及びサポートされる関心領域の少なくとも一部をカバーし、
前記ネットワーク機能サービス消費者が、各分散NWDAFにサブスクリプション要求を送信し、
各分散NWDAFが、分析ID毎に分析固有のパラメータで応答し、
分析ID毎に、前記ネットワーク機能サービス消費者が、対応する関心領域に対して分散されたNWDAFに亘って分析レポートのターゲットをアグリゲートする
動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ネットワーク機能サービス消費者が、必要な全ての分析ID及び関心領域を含む発見要求をネットワークリポジトリ機能(network repository function:NRF)に送信し、
前記NRFが、各々が分析IDのセット並びにサポートされる関心領域の少なくとも一部及びAP IDをカバーするNWDAFインスタンスIDのセット、又は可能なアグリゲーションポイント(aggregation point)を示すアグリゲータNWDAFインスタンス毎に他の識別子のうちの一つ以上で応答し、
前記ネットワーク機能サービス消費者が、前記ネットワーク機能サービス消費者の内部選択基準に基づいて、登録されたNWDAF能力及びNRFからの情報を考慮して少なくとも一つのNWDAFをアグリゲータNWDAFとして選択し、
前記ネットワーク機能サービス消費者が、アグリゲーションポイントとして指定するために、アグリゲートするNWDAF毎の前記分析ID及び前記関心領域を含むサブスクリプション要求を前記アグリゲータNWDAFに送信し
前記アグリゲータNWDAFが、その指定をアグリゲーションポイントとして識別するか、又は前記アグリゲータNWDAFが、NRFへの構成、具現、若しくはクエリ(query)に基づいて、分析をアグリゲートするために特定のNWDAFへのマッピングを決定するか、のいずれかを行い、
前記アグリゲータNWDAFが、全てのNWDAFにサブスクライブし、
前記NWDAFが、前記分析IDのセットで分析ID毎に分析固有のパラメータで通知し、
分析ID毎に、前記アグリゲータNWDAFが、対応する関心領域に対して異なるNWDAFに亘って分析レポートのターゲットをアグリゲートし、
前記アグリゲータNWDAFが、NWDAF毎にアグリゲートされた全ての分析IDに対して、分析ID毎に分析固有のパラメータで前記ネットワーク機能サービス消費者に通知する、
動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ネットワーク機能サービス消費者が、ネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function:NRF)に、必要な全ての分析ID及び関心領域を含む発見要求を送信し、
前記NRFが、少なくとも一つのNWDAFインスタンスID、前記NRFに登録された少なくとも一つのアグリゲータNWDAFインスタンスID内にアグリゲートされる少なくとも一つのNWDAFインスタンスIDのうちの一つ以上で応答し、
前記ネットワーク機能サービス消費者が、中央NWDAFとして機能するアグリゲーションポイントを含む全てのNWDAFにサブスクライブして個々の通知を受信し、
分析ID毎に、前記ネットワーク機能サービス消費者が、対応する関心ポイントに対して分散型及び(半)集中型のNWDAFインスタンスの両方から分析データをアグリゲートする、
動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
分析データを管理する電気通信ネットワークであって、
複数の個々のソースからの分析データが、
複数のネットワークデータ分析機能(network data analytics functions:NWDAF)からの分散方式、
アグリゲータNWDAF(Aggregator NWDAF)で前記分析データを分析する前に前記複数のNWDAFからの分析データをアグリゲートすることによる集中方式、又は
前記複数のNWDAFからの分散方式、及びアグリゲータNWDAFで前記分析データを分析する前に前記複数のNWDAFからの分析データをアグリゲートすることによる集中方式のうちの少なくとも一つ、
のうちのいずれかで、どのように収集されて分析されるかを決定するように構成された消費者ネットワーク機能(network function:NF)を備えることを特徴とする電気通信ネットワーク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信ネットワークにおけるデータ分析の取得、処理、及び使用に関し、より詳細には、第5世代ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
4G通信システムの商用化以降、無線データトラフィックの増大する需要を満たすために、改良された5G又はプレ5G(pre-5G)の通信システムを開発するための努力がなされてきた。従って、5G又はプレ5Gの通信システムは「4Gを超えたネットワーク(Beyond 4G Network)」又は「LTE後のシステム(Post LTE System)」とも呼ばれる。5G通信システムは、より高いデータレートを実現するために、より高い周波数(mmWave)帯域、例えば60GHz帯域などで具現されることが考慮されている。無線波形の伝搬損失を減らして伝送距離を伸ばすために、ビームフォーミング、大規模多入力多出力(massive multi-input multi-output:massive MIMO)、全次元MIMO(Full Dimensional MIMO:FD-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビームフォーミング(analog beam forming)、大規模アンテナ(large scale antenna)技術が5G通信システムで論議されている。また、5G通信システムでは、高度なスモールセル(advanced small cell)、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud Radio Access Network:cloud RAN)、超高密度ネットワーク(ultra-dense network)、デバイス間(device to device:D2D)通信、無線バックホール(wireless backhaul)、移動ネットワーク(moving network)、協調通信(cooperative communication)、CoMP(Coordinated Multi-Points)、受信側干渉キャンセルなどに基づいてシステムネットワーク改善のための開発が進んでいる。5Gシステムでは、高度なコーディング変調(advanced coding modulation:ACM)としてのハイブリッドFSK及びQAM変調(Hybrid FSK and QAM Modulation:FQAM)と、スライディングウィンドウ重ね合わせコーディング(sliding window superposition coding:SWSC)と、高度なアクセス技術としてのフィルターバンクマルチキャリア(filter bank multi carrier:FBMC)、非直交多元接続(non-orthogonal multiple access:NOMA)、及びスパースコード多重アクセス(sparse code multiple access:SCMA)が開発されている。
【0003】
インターネットは、現在、人間が情報を生成及び消費する人間中心の接続ネットワークから、モノなどの分散エンティティが人間の介入なしに情報を交換して処理するモノのインターネット(Internet of Things:IoT)に進化している。IoT技術とクラウドサーバとの接続によるビッグデータ処理技術を組み合わせたIoE(Internet of Everything)が登場した。IoTの実現には、「センシング技術」、「有線・無線通信やネットワーク基盤」、「サービスインターフェース技術」、「セキュリティ技術」などの技術要素が求められるため、最近センサーネットワーク、M2M(Machine to Machine)通信、MTC(Machine Type Communication)などが研究されている。このようなIoT環境は、接続されたモノの間で生成されるデータを収集して分析することによって、人間の生活に新しい価値を生み出すインテリジェントなインターネット技術(Internet technology)サービスを提供する。IoTは、既存の情報技術(IT)と、様々な産業用アプリケーションとの融合の組み合わせを通じて、スマートホーム、スマートビル、スマートシティ、スマートカー又はコネクテッドカー、スマートグリッド、ヘルスケア、スマートアプライアンス、高度な医療サービスなどの様々な分野に適用される。
【0004】
これに伴い、5G通信システムをIoTネットワークに適用するための様々な試みが行われている。例えば、センサーネットワーク、マシンタイプ通信(MTC)、マンツーマン(M2M)通信などの技術は、ビームフォーミング、MIMO、及びアレイアンテナによって実装される。上述のビッグデータ処理技術としてのクラウド無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)の適用も、5G技術とIoT技術との融合の一例として考えられる。
【0005】
ネットワーク自動化の有効化(enabling Network Automation:eNA)として知られる5G電気通信ネットワークのネットワーク自動化を改善したいという要望が高まっている。その一環として、ネットワークデータ分析機能(NWDAF)は、5Gコアと運用管理及び保守(Operations Administration and Maintenance:OAM)のために指定されたメカニズム及びインターフェースを使用するサービスベースのアーキテクチャ(Service Based Architecture:SBA)の一部として定義される。
【0006】
サービスベースのアーキテクチャにおいて、各ネットワーク機能(network function:NF)は、サービスベースのインターフェース(service-based interface:SBI)として知られる共通バスを介して、それ(そのようなサービスの生産者として)を他のNF(これらのサービスの消費者として)にインターフェースする一連のサービスを含む。
【0007】
図1は、関連技術による5Gネットワーク自動化スキームにおける様々な要素を示す一般的な概略図を示す。明確にするために、自動化に関連する部分のみを示している。これは、活動データ(activity data)及び分析がNF50の第1のグループ又はアプリケーション機能(Application Function:AF)10からNWDAF40まで提供されることを示している。NWDAF40は、またOAM30及びデータリポジトリ(repository)20にインターフェースする。NWDAF40は、これらのソースからのデータを分析し、分析データ(analytics data)をNF50の第2のグループ又はAF10に伝達する。NF50の第2のグループは、NF50の第1のグループ又はAF10の一部又は全部を含む。
【0008】
上記の情報は、本発明の理解を助けるための背景情報としてのみ提示される。上記のいずれかが本発明に関する先行技術として適用可能であるか否かについては、決定をしておらず、いかなる主張もなされていない。
【0009】
ネットワーク自動化の有効化(enabling Network Automation:eNA)として知られる5G通信ネットワークのネットワーク自動化を改善したいという要望が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、消費者ネットワーク機能(Network Function:NF)を含む電気通信ネットワークにおける分析データを管理する方法及び分析データを管理する電気通信ネットワークを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による消費者ネットワーク機能(Network Function:NF)を含む電気通信ネットワークにおける分析データを管理する方法は、複数の個々のソース(source)からの分析データが、複数のネットワークデータ分析機能(Network Data Analytics Functions:NWDAF)からの分散方式、アグリゲータNWDAF(Aggregator NWDAF)で前記分析データを分析する前に前記複数のNWDAFからの分析データをアグリゲートすることによる集中方式、又は前記複数のNWDAFからの分散方式、及びアグリゲータNWDAFで前記分析データを分析する前に前記複数のNWDAFからの分析データをアグリゲートすることによる集中方式のうちの少なくとも一つ、のうちのいずれかで、どのように収集されて分析されるかを決定する段階を有する。
【0012】
追加の態様は、以下の詳細な説明で部分的に説明し、部分的には詳細な説明から明らかになるか、又は提示する実施形態の実行によって学習される。
【0013】
一実施形態で、前記複数のNWDAFが前記電気通信ネットワークに提供される場合、少なくとも一つは特殊機能を有し、少なくとも一つは一般機能を有する。
一実施形態で、前記特殊機能は、複数の関心領域又は複数のターゲットユーザからの分析をアグリゲートするように構成され、前記一般機能は、関心領域毎に又はターゲットユーザのセット毎に分析を通知するように構成される。
一実施形態で、前記特殊機能を有する前記複数のNWDAFのうちの特定の一つの能力情報は、ネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function:NRF)に格納される。
一実施形態で、前記能力情報は、分析アグリゲーション能力に関連する。
一実施形態で、前記消費者NFは、前記消費者NFの具現された内部選択基準の一部としてNWDAF能力情報に基づいて、データを収集する一つ以上のNWDAFを決定する。
一実施形態で、前記具現された選択基準は、前記NWDAF毎の負荷レベル、前記NWDAF毎に直接サポートされる分析識別子(identifier:ID)の数、及びネットワークオペレータによって事前設定された他の主要業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI)に基づいて決定される、前記NRFに新たに登録された機能のうちの一つ以上を含む。
一実施形態で、前記NRFに登録された支援情報として、前記アグリゲータNWDAF(Aggregator NWDAF)毎に識別子が定義され、前記識別子は、前記NWDAFのうちのアグリゲーションポイントとして機能可能なNWDAFを示し、前記識別子は、アグリゲーションポイント識別子(aggregation point identifier)AP IDである。
一実施形態で、前記消費者NFは、前記複数のNWDAFがどのように連携して動作するかを自律的に決定する。
一実施形態で、前記決定は、選択基準に基づいており、前記消費者NFは、前記NRFによって識別される全てのNWDAFを考慮し、前記具現された選択基準に基づいて、それらの組み合わせからデータをどのように収集するかを決定する。
一実施形態で、前記複数のNWDAFの各々は、一つ以上の他のアグリゲータNWDAFと、前記NWDAFがサポートする分析IDの数を事前交渉し、前記アグリゲータNWDAFは、前記NRF内でサポートされる分析IDのそのような拡張セットをアドバタイズする。
一実施形態で、更なる動作が提供され、ネットワーク機能サービス消費者が、必要な全ての分析ID及び関心領域を含む発見要求をネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function:NRF)に送信し、前記NRFが、一つ以上の分散NWDAFインスタンス(instance)IDで応答し、前記一つ以上の分散NWDAFインスタンスIDの各々が、分析IDのセット及びサポートされる関心領域の少なくとも一部をカバーし、前記ネットワーク機能サービス消費者が、各分散NWDAFにサブスクリプション要求を送信し、各分散NWDAFが、分析ID毎に分析固有のパラメータで応答し、分析ID毎に、前記ネットワーク機能サービス消費者が、対応する関心領域に対して分散されたNWDAFに亘って分析レポートのターゲットをアグリゲートする、動作を含む。
一実施形態で、更なる動作が提供され、ネットワーク機能サービス消費者が、必要な全ての分析ID及び関心領域を含む発見要求をネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function:NRF)に送信し、前記NRFが、各々が分析IDのセット並びにサポートされる関心領域の少なくとも一部及びAP IDをカバーするNWDAFインスタンスIDのセット、又は可能なアグリゲーションポイント(aggregation point)を示すアグリゲータNWDAFインスタンス毎に他の識別子のうちの一つ以上で応答し、前記ネットワーク機能サービス消費者が、前記ネットワーク機能サービス消費者の内部選択基準に基づいて、登録されたNWDAF能力及びNRFからの情報を考慮して少なくとも一つのNWDAFをアグリゲータNWDAFとして選択し、前記ネットワーク機能サービス消費者が、アグリゲーションポイントとして指定するために、アグリゲートするNWDAF毎の前記分析ID及び前記関心領域を含むサブスクリプション要求を前記アグリゲータNWDAFに送信し、前記アグリゲータNWDAFが、その指定をアグリゲーションポイントとして識別するか、又は前記アグリゲータNWDAFが、NRFへの構成、具現、若しくはクエリ(query)に基づいて、分析をアグリゲートするために特定のNWDAFへのマッピングを決定するか、のいずれかを行い、前記アグリゲータNWDAFが、全てのNWDAFにサブスクライブし、前記NWDAFが、前記分析IDのセットで分析ID毎に分析固有のパラメータで通知し、分析ID毎に、前記アグリゲータNWDAFが、対応する関心領域に対して異なるNWDAFに亘って分析レポートのターゲットをアグリゲートし、前記アグリゲータNWDAFが、NWDAF毎にアグリゲートされた全ての分析IDに対して、分析ID毎に分析固有のパラメータで前記ネットワーク機能サービス消費者に通知する。
一実施形態で、更なる動作が提供され、前記ネットワーク機能サービス消費者が、ネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function:NRF)に、必要な全ての分析ID及び関心領域を含む発見要求を送信し、前記NRFが、少なくとも一つのNWDAFインスタンスID、前記NRFに登録された少なくとも一つのアグリゲータNWDAFインスタンスID内にアグリゲートされる少なくとも一つのNWDAFインスタンスIDのうちの一つ以上で応答し、前記ネットワーク機能サービス消費者が、中央NWDAFとして機能するアグリゲーションポイントを含む全てのNWDAFにサブスクライブして個々の通知を受信し、分析ID毎に、前記ネットワーク機能サービス消費者が、対応する関心ポイントに対して分散型及び(半)集中型のNWDAFインスタンスの両方から分析データをアグリゲートする、動作を含む。
【0014】
本発明の一態様によると、第1の態様の方法を実行するように動作可能な電気通信ネットワークが提供される。
【0015】
NWDAF40の単一のインスタンス又は複数のインスタンスは、公衆陸上移動ネットワーク(Public land mobile network:PLMN)に配置される。複数のNWDAF40インスタンスが配置される場合、本発明の実施形態は、NWDAF40を、中央NFとして、分散NFの集合(collection)として、又はその両方の組み合わせ(即ち、一部は集中型、一部は分散型)として配置することをサポートする。
【0016】
複数のNWDAFが存在する場合、それらの全てが同じタイプの分析結果を提供する必要はない。言い換えると、それらの一部は特定のタイプの分析のみを提供するように特化され、一部は本質的により一般的である。本発明の実施形態は、特定のNWDAFが生成されるサポートされた分析のタイプを識別するために使用される分析ID情報要素を定義する。
【0017】
一方、一つのネットワークのNWDAFのいくつかは、同じタイプの分析を提供し、これにより、例えば特定のターゲットユーザ機器(UE)の特定の分析又は特定の関心領域の特定の分析のために相互に支援する。
【0018】
特定のNWDAFインスタンスの機能は、ネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function:NRF)に格納されたNWDAFプロファイルに記載されている。
【0019】
NWDAFの複数のインスタンスが配置される場合、一部は、特定のタイプの分析を提供することに特化するために、又は複数のNWDAFが互いに助け合って同じタイプの分析を提供するために、インスタンス間で調整メカニズム(coordination mechanism)が定義される。より重要なことに、消費者ネットワーク機能(Network Function:NF)は、対応するNWDAFインスタンスを発見すると、様々な配置オプション(分散型、集中型、又はその両方の混合型)を実現するために、柔軟なデータ収集メカニズム及び関連サービスを必要とする。
【0020】
本発明の実施形態は、複数のNWDAFを含む環境でデータ収集メカニズムを提供し、それによって異なる配置オプションを柔軟にサポートする。
【0021】
本発明の他の態様によると、特許請求の範囲に記載の装置及び方法が提供される。本発明の他の特徴は、従属請求項及び以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0022】
本発明のいくつかの好ましい実施形態を示して説明しているが、特許請求の範囲で定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正がなされ得ることは、当業者によって理解されるであろう。
【0023】
本発明の実施形態で、「NWDAF」及び「NWDAFインスタンス」という用語は、互換可能に使用される。
【0024】
分散データ収集に関する発明の一実施形態で、消費者NFは、その具現された選択基準(例えば、NWDAF毎の負荷レベル、NWDAF毎に直接サポートされる分析IDの数、又はネットワークオペレータによって事前設定されたその他の主要業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI))に基づいて、データを収集するNWDAF(又はNWDAFインスタンス)のセットを決定する。
【0025】
(半)集中型データ収集のための本発明の一実施形態では、他のどのNWDAFが潜在的なアグリゲーションポイントになるかを示す新しいアグリゲーションポイント識別子(aggregation point identifier:AP ID)がNWDAF毎に定義される。識別子は、NWDAF(又はNWDAFインスタンス)毎の負荷レベル、NWDAF毎に直接サポートされる分析IDの数、又はネットワークオペレータによって設定されたその他のKPIを含む複数の要因を考慮して設定される。NRF又はその他の任意の指定されたデータリポジトリ構造内に保持されるNWDAF情報は、NWDAF毎にこの識別子を保持する。消費者NFは、複数のNWDAFインスタンスがどのように連携するかを決定するために、他の具現された選択基準に加えてAP IDを支援情報(assistance information)として利用する。
【0026】
(半)集中型データ収集のための本発明の代替的な実施形態で、消費者NFは、複数のNWDAFインスタンスが他のエンティティの介入なしにどのように連携するかをインテリジェントに決定する。消費者NFは、全てのNWDAFインスタンス(例えば、NRFを介して発見されたものなど)を考慮し、具現された選択基準に基づいて、分散データ収集と同様にそれらの組み合わせからデータを収集する方法を決定する。NRF又は任意の他の指定されたデータリポジトリ構造内に保持されるNWDAF情報は、アグリゲーション情報にとらわれない(agnostic)。
【0027】
(半)集中型データ収集のための本発明の代替的な実施形態で、各NWDAFインスタンスは、サポートされる分析IDの数を(直接的又は間接的に)他のNWDAFインスタンス(例えば、NRF発見を介して)と事前交渉し、NRF内でこのようなサポート分析ID(直接及び間接分析ID)の拡張セットをアドバタイズする。NRF又はその他の任意の指定されたデータリポジトリ構造内に保持されるNWDAF情報は、直接サポートされる分析IDを間接分析IDと明示的に区別する。消費者NFは、複数のNWDAFインスタンスがどのように連携するかを決定するために、他の具現された選択基準に加えて、支援情報として直接対間接のサポート分析ID(direct versus indirect supporting analytics ID)を利用する。
【0028】
混合モードのデータ収集のための本発明の一実施形態では、分散型及び(半)集中型のデータ収集のための実施形態の組み合わせが消費者NFによって採用される。
【0029】
本発明の他の態様、利点、及び重要な特徴は、図面と共に本発明の様々な実施形態を開示する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電気通信ネットワークにおいて効率的に分析データを管理する方法を提供することができる。
【0031】
本発明の特定の実施形態の上記及び他の態様、特徴、及び利点は、図面と併せて以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】関連技術による5Gネットワーク自動化フレームワークの一般的な表現を示す。
図2】本発明の一実施形態によるメッセージ交換及び方法を示す。
図3】本発明の一実施形態によるメッセージ交換及び方法を示す。
図4】本発明の一実施形態によるメッセージ交換及び方法を示す。
図5】本発明の一実施形態によるネットワークエンティティのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。図面全体を通して、同様の参照番号は、同様の部品、コンポーネント、及び構造を指すものと理解される。
【0034】
以下の説明は、図面を参照して、特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明の様々な実施形態の包括的な理解を助けるために提供される。その理解を助けるために、様々な具体的な詳細が含まれているが、これらの詳細は、単なる例示と見なされるべきである。従って、当該技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に記載の様々な実施形態の様々な変更及び修正がなされ得ることを認識するであろう。更に、明確且つ簡潔にするために、よく知られている機能及び構成の説明は、省略される。
【0035】
以下の説明及び特許請求の範囲で使用される用語及び語句は、書誌的意味に限定されず、発明者が本発明の明確且つ一貫した理解を可能にするために使用するのみである。従って、本発明の様々な実施形態の以下の説明は、例示のみを目的として提供されており、特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明を限定する目的で提供されていないことは、当業者には明らかであろう。
【0036】
単数形「一つ(a)」、「一つ(an)」、及び「前記(the)」は、文脈が明確に別の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことが理解されるべきである。従って、例えば「コンポーネント表面」への言及は、一つ以上のそのような表面への言及を含む。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態によるシステムの少なくとも一部を形成する消費者NF、NRF、NWDAF(k)が存在するシナリオを示す。これはまた、各要素間の様々なプロセス及びメッセージング(messaging)を示す。
【0038】
図2を参照すると、インデックス(k)は、マルチインスタンス(multi-instance)配置におけるNWDAFインスタンスIDを示すものと仮定する。各インスタンスNWDAF(k)120は分析ID(k)によって識別されるデータ分析タイプのセットに特化されており、一部は異なるインスタンス間で重複し、一部は相互に排他的である。重複する分析IDを有するインスタンスは、例えば分析レポートのターゲットとして様々なUEのセットをカバーするか、又は関心領域内の様々な追跡領域(Tracking Area)のセットをカバーするために、相互に助け合う。追跡領域指示子TAI(k)は、NWDAF(k)でカバーされる関心領域を指す。
【0039】
<ケースA:分散データ収集モデル>
【0040】
本発明の第1の実施形態で、消費者NF100は、その具現された選択基準、例えばネットワーク構成又は事前に構成されたネットワークオペレータの好み(preference)に基づいて、様々なNWDAFサービスを分散方式で消費することが決定される。
【0041】
図2に示す各動作の詳細は、以下の通りである:
【0042】
1.NWDAFサービス消費者100は、必要な全ての分析ID及び関心領域(例えば、TAIのフォーマット)を含むNF発見要求(1a)をNRF110に送信する。発見要求には、追加情報、例えばネットワークスライス選択支援情報(Network Slice Selection Assistance Information)(即ち、単一のNSSAI又はS-NSSAI)が含まれる。NRF110応答(1b)には、複数のNWDAFインスタンスID、NWDAF(k)が含まれ、それぞれは、分析IDのセット、分析ID(k)、及びTAI(k)として識別される、インスタンス(k)によってサポートされる関心領域(の一部)のセットをカバーする。
【0043】
2.NWDAFサービス消費者100は、分析ID(k)及びTAI(k)(例えば、分析フィルタとして)を含む各NWDAF(k)120に、サブスクリプション要求(2a)を送信する。サブスクリプション要求は、動作2aに示すように(分析ID(k)、分析フィルタ=TAI(k))のタプル(tuple)のセットとして、分析ID毎に関心領域を区別する。NWDAF(k)120は、動作2bに示すように、分析ID毎に分析固有のパラメータ(analytics specific parameter)で通知する。
【0044】
3.サービス消費者NF100は、対応する関心領域TAI(k)の分析ID(k)に対して、NWDAF(k)に亘って分析レポートのターゲット(target)をアグリゲート(aggregate)する。
【0045】
<ケースB:AP IDを用いた(半)集中型データ収集モデル>
【0046】
図3は、本発明の一実施形態によるシステムの少なくとも一部を形成する消費者NF、NRF、NWDAF(j)、及びNWDAF(i)が存在するシナリオを示す。
【0047】
図3を参照すると、消費者NF200は、その具現された選択基準に加えて、支援情報としてAP IDに基づいて一つ(セット)のNWDAFをアグリゲーションポイントとして指定して、(半)集中型の方法で異なるNWDAFサービスを消費することを決定する。
【0048】
この場合、NWDAF(j)220によってサポートされる分析IDのセット、及びNWDAF(j)220によってカバーされる関心領域に加えて、NWDAF(j)220のようなアグリゲーションポイントをNRF210に登録すると、AP IDもNWDAF(j)220IDと同等に設定される。これは、またNWDAF(j)220をアグリゲーションポイントとして識別する。
【0049】
NWDAF(i)230のような分散型NWDAFをNRF210内に登録する場合、NWDAF(i)230によってサポートされる分析IDのセット、及びNWDAF(i)230によってカバーされる関心領域に加えて、AP IDも既にアグリゲーションポイントとして登録されているNWDAF(j)220の一つと同等に構成される。
【0050】
AP IDにおけるNWDAF(j)220とNWDAF(i)230との間のマッピングは、NWDAF毎の負荷レベル、NWDAF毎にサポートされる分析ID、NWDAF毎にサポートされる関心領域、マッピングのために事前定義されたハイアラキ(hierarchy)、又はネットワークオペレータによって設定された他のKPIを含む複数の要因を考慮する。NRF210又は他の任意の指定されたデータリポジトリ構造内に保持されるNWDAF情報は、AP IDに基づくNWDAF間のこのマッピングを保持する。ケースBでは、NRF210及びNWDAFサービス消費者200の両方が、AP IDに基づいて中央NWDAFと分散NWDAFとの間のマッピングを認識するようになる。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態によるシステムの少なくとも一部を形成する消費者NF、NRF、NWDAF(j)、及びNWDAF(i)が存在するシナリオを示す。図3に示す各動作の詳細は、以下の通りである。
【0052】
1.NRF210応答には、分散型NWDAF(i)及び中央NWDAF(j)の両方が含まれることを除いて、図2に示すケースAの動作1と同様である(分散型配置)。NRF210応答は、また(j)の異なる値、即ち中央NWDAFと分散NWDAFとの間のマッピングに対する可能なアグリゲーションポイント(複数可)NWDAF(j)220を示すNWDAF(i)230インスタンス毎のAP IDを含む。NWDAFサービス消費者200は、NRF210からAP IDとして受信したマッピングに基づいて中央アグリゲーションポイントを決定する。
【0053】
2.NWDAFサービス消費者200は、NWDAF(i)230の分析ID(i)、TAI(i)(分析フィルタとして)を含むサブスクリプション要求をNWDAF(j)220(アグリゲートポイントとして指定するために)に送信する。NWDAF(j)220は、サービス消費者要求の宛先であるアグリゲーションポイントとしての指定を識別する。代替的に、他の明示的フラグ(flag)又はパラメータが、NWDAFサービス消費者200によって入力パラメータとして設定され、アグリゲーションポイントNWDAF(j)220を明示的に指定する。
【0054】
3.NWDAF(j)220は、ケースA(単一インスタンスサブスクリプション手順)と同様の手順で全てのNWDAF(i)230にサブスクライブする。全てのNWDAF(i)は、分析ID(i)のセット内の分析ID毎に分析固有のパラメータで通知する。
【0055】
4.NWDAF(j)220は、対応する関心領域であるTAI(i)の分析ID(i)に対して、異なるNWDAF(i)230に亘って分析レポートのターゲットをアグリゲートする。
【0056】
5.NWDAF(j)220は、NWDAF(i)230毎にアグリゲートされた全ての分析IDに対して、分析ID毎に分析固有のパラメータで通知する。
【0057】
<ケースC:AP IDを使用しない(半)集中型のデータ収集モデル>
【0058】
本発明の代替的な実施形態では、ケースBと同様に、動作1はケースA(分散型配置)と全く同様であり、NRF210又は他の任意のデータリポジトリ構造に保持されたデータは、配置情報(即ち、アグリゲーションポイント識別子)にとらわれないままである。その結果、NWDAFサービス消費者200は、他の支援情報なしにアグリゲーションポイントを決定する。
【0059】
集中型アグリゲーションの他のケース(ここでは、ケースCと呼ばれる)では、NRF210で中央NWDAFと分散NWDAFとの間のマッピングが示されない。この場合、NWDAFにAP IDは設定されず、NRF210に暗黙的に(次のケースDを参照)又は明示的に、例えば識別子を構成することによって登録する場合、アグリゲーションポイントのみが区別される。ケースCで、NRF210は、中央NWDAFと分散NWDAFとの間のマッピングに依存しなくなる。
【0060】
各動作の詳細は、以下の通りである。
【0061】
1.NRF210応答は、アグリゲーションポイントとして識別される分散NWDAF(i)230及びNWDAF(j)220の両方を含むことを除いて、図2に示すケースAの動作1と同様である。NWDAFサービス消費者200は、その構成又は具現された選択基準に基づいて中央アグリゲーションポイントを決定する。
【0062】
2~5は、上述のケースBの通りである。
【0063】
<ケースD:事前交渉済の(半)集中型データ収集モデル>
【0064】
ケースBと同様の本発明の代替的な実施形態で、動作1は、NRF210又は他の任意のデータリポジトリ構造内に保持されるデータに関して、例えば各NWDAFがNRF210内に登録されている場合、NWDAF(j)220によってアドバタイズされる分析ID(j)が、いくつかの構成又は事前定義されたハイアラキに基づいて事前交渉される様々なNWDAF(i)230からの分析IDの拡張セットであることを除いて、ケースA(分散型配置)と同様である。その結果、ケースBとは異なり、NRF210内のNWDAF毎に明示的な識別子は定義されず、NRF210では、中央NWDAFと分散NWDAFとの間のマッピングは示されない。
【0065】
サポートされる分析IDの拡張セットは、NWDAF毎に直接サポートされる分析IDと区別される。一部の中央NWDAFは、分析のみをアグリゲートし、従ってそのような状況で、拡張リストは、直接分析をサポートしない。その結果、NWDAFサービス消費者200は、その具現された選択基準に加えて、この情報を用いて複数のNWDAFがどのように協力するかを決定する(例えば、より多くの分析IDを直接サポートするNWDAFは、それらのリストを拡張して余分なシグナリングオーバーヘッド(signaling overhead)又はネットワーク遅延(network latency)を回避することが好ましい)。
【0066】
各動作の詳細は、以下の通りである。
【0067】
1.NRF210応答は、アグリゲーションポイントとして識別された分散NWDAF(i)230及びNWDAF(j)220の両方を含むことを除いて、図2に示すケースAの動作1と同様である。NWDAFサービス消費者200は、その具現された選択基準に基づいて中央アグリゲーションポイントを決定する。
【0068】
2.NWDAFサービス消費者は、NWDAF(i)230毎のマッピングを示さずに、必要な全ての分析ID、TAIを含む(アグリゲーションポイントとして指定するために)NWDAF(j)220にサブスクリプション要求を送信する。
【0069】
3.NWDAF(j)220は、サポート分析IDの拡張セット、及びNRF210の構成、具現、又はクエリに基づいて特定の分散NWDAFへのマッピングを決定し、そこから分析をアグリゲートしてそれらにサブスクライブする。
【0070】
4.NWDAF(j)220は、対応する関心領域の分析ID(i)に対して、異なるNWDAF(i)230に亘って分析レポートのターゲットをアグリゲートする。
【0071】
5.NWDAF(j)220は、NWDAF(i)230毎のマッピングを示すことなく、全てのアグリゲートされた分析IDに対して分析ID毎の分析固有のパラメータで通知する。
【0072】
<ケースD1:中央NWDAFにマッピングされる(半)集中型データ収集モデル>
【0073】
集中型アグリゲーションの更に他のケース(ここでは、ケースDの下位ケースであるケースD1と呼ばれる)では、ケースDと同様にNRF210で中央NWDAFと分散NWDAFとの間のマッピングは示されない。このオプションでも、AP IDは構成されず、NRF210に暗黙的に(再び、ケースDと同様に)又は明示的に、例えば識別子を構成することによってアグリゲーションポイントのみが区別される。更に、NRF210に加えてNWDAFサービス消費者200も、中央NWDAFと分散NWDAFとの間のマッピングにとらわれなくなる。その代わり、NRF210又は事前定義されたハイアラキ(NRFに登録するとき)の構成、具現、又はクエリに基づく各中央NWDAF220は、特定の分散NWDAFへのマッピングを決定する。
【0074】
各動作の詳細は、以下の通りである。
【0075】
1.NRF210応答は、アグリゲーションポイントとして識別された分散NWDAF(i)230及びNWDAF(j)220の両方を含むことを除いて、図2に示すケースAの動作1と同様である。NWDAFサービス消費者200は、中央アグリゲーションポイントを選択する。
【0076】
2.NWDAFサービス消費者は、NWDAF(i)230毎の分析ID又はTAIのマッピングを示すことなく、必要とされる全ての分析ID、TAIを含むNWDAF(j)220に(アグリゲーションポイントとして指定するために)サブスクリプション要求を送信する。
【0077】
3.NRF210への構成、具現、又はクエリに基づくNWDAF(j)220は、特定の分散NWDAF230へのマッピングを決定してそこから分析をアグリゲートし、それに応じてそれらにサブスクライブする。
【0078】
4.NWDAF(j)220は、対応する関心領域の分析ID(i)に対して、異なるNWDAF(i)230に亘って分析レポートのターゲットをアグリゲートする。
【0079】
5.NWDAF(j)220は、NWDAF(i)230毎の分析ID又はTAIのマッピングを示すことなく、全てのアグリゲートされた分析IDに対して分析ID毎の分析固有のパラメータで通知する。
【0080】
<ケースE:混合モードのデータ収集モデル>
【0081】
本発明の第3の実施形態では、配置の分散及び(半)集中モードの混合を使用する。
【0082】
図4は、本発明の一実施形態によるシステムの少なくとも一部を形成する消費者NF、NRF、NWDAF(k)、NWDAF(j)、及びNWDAF(i)が存在するシナリオを示す。
【0083】
図4を参照すると、各動作の詳細は、以下の通りである。
【0084】
1.NWDAFサービス消費者300は、必要な全ての分析ID及び関心領域(例えば、TAIの形態で)を含むNF発見要求(1a)をNRF310に送信する。NF発見要求には、追加情報、例えばネットワークスライス選択支援情報(即ち、単一のNSSAI又はS-NSSAI)が含まれる。NRF応答は、分散方式で配置されるNWDAFインスタンスID(のセット)、即ちNWDAF(k)320を含む(1b)。NRF310応答は、またNWDAFインスタンスID(のセット)(即ち、NWDAF(j)330)にアグリゲートされるNWDAFインスタンスID(のセット)(即ち、NWDAF(i)340)を含む(1c)。
【0085】
2.NWDAFサービス消費者300は、ケースAの分散型配置手順と同様に、全てのNWDAF(k)320にサブスクライブして個別の通知を受信する。
【0086】
3.NWDAFサービス消費者300は、NWDAF(j)330にもサブスクライブする。NWDAF(j)330は、ケースB、ケースC、又はケースD若しくはケースD1における(半)集中型配置手順と同様にアグリゲートされる、全ての関連するNWDAF(i)340にサブスクライブして、アグリゲート通知をNWDAFサービス消費者300に提供する。
【0087】
4.NWDAFサービス消費者300は、分散型及び(半)集中型NWDAFインスタンスの両方から分析データをアグリゲートする。
【0088】
図5は、本発明の一実施形態によるネットワークエンティティのブロック図である。ネットワークエンティティは、図1図4に示すネットワークエンティティのそれぞれに対応する。例えば、ネットワークエンティティは、図1図4に示すネットワーク機能(例えば、NRF、NWDAF)のそれぞれを指す。
【0089】
図5を参照すると、ネットワークエンティティは、トランシーバ510、コントローラ520、及びストレージ(storage)530を含む。本実施形態で、コントローラ520は、回路、ASIC、又は少なくとも一つのプロセッサを含む。
【0090】
トランシーバ510は、端末又は他のネットワークエンティティとの間で信号を送受信する。
【0091】
コントローラ520は、一実施形態によるネットワークエンティティの全体的な動作を制御する。例えば、コントローラ520は、上記の図1図4の動作を実行する信号フローを制御する。例えば、コントローラ520は、複数の個別のソース(individual source)からの分析データがどのように収集されて分析されるかを決定する。
【0092】
ストレージ530は、トランシーバ510を介して交換された情報及びコントローラ530によって生成された情報のうちの少なくとも一つを格納する。
【0093】
本明細書に記載の例示的な実施形態の少なくとも一部は、専用の特殊目的ハードウェアを使用して部分的又は全体的に構成される。本明細書で使用する「コンポーネント」、「モジュール」、又は「ユニット」などの用語には、ディスクリート又は統合コンポーネントの形態の回路、特定のタスクを実行するか又は関連する機能を提供するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)などのハードウェアデバイスが含まれるが、それに限定されない。いくつかの実施形態で、上述した要素は、有形の(tangible)、永続的な、アドレス指定可能な記憶媒体上に常駐されるように構成され、一つ以上のプロセッサ上で実行されるように構成される。これらの機能要素は、いくつかの実施形態で、例えばソフトウェアコンポーネント、オブジェクト指向ソフトウェアコンポーネント、クラスコンポーネント、及びタスクコンポーネント、プロセス、機能、属性、手順、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、変数などのコンポーネントを含む。例示的な実施形態は、本明細書で説明するコンポーネント、モジュール、及びユニットを参照して説明しているが、そのような機能的要素は、より少ない数の要素で組み合わされるか、又は追加の要素に分離される。選択的特徴の様々な組み合わせが本明細書に記載されており、記載された特徴は、任意の適切な組み合わせで組み合わされることを理解されたい。特に、いずれかの例示的な実施形態の特徴は、そのような組み合わせが相互に排他的である場合を除いて、必要に応じて任意の他の実施形態の特徴と組み合わされる。本明細書全体に亘って、「含む(comprising)」又は「含む(comprises)」という用語は、指定されたコンポーネントを含むことを意味するが、他のコンポーネントの存在を排除するものではない。
【0094】
本発明に関連して、本明細書と同時に又は本明細書よりも前に提出されて、本明細書と共に公衆の閲覧に供されている全ての書類及び文書に注意が向けられ、そのような全ての書類及び文書の内容は、参照によりここに組み込まれる。
【0095】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された全ての特徴、及び/又はそのように開示された方法又はプロセスの全ての動作は、そのような特徴及び/又は動作の少なくとも一部が相互に排他的な組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされる。
【0096】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された全ての各機能は、特に明記しない限り、同一、同等、又は類似の目的を果たす他の機能に置き換えることができる。従って、別段の明示的な記載がない限り、開示された各機能は、一連の同等又は類似の一般的な機能の一例にすぎない。
【0097】
本発明は、その様々な実施形態を参照して示し、説明してきたが、請求項及びそれらの均等物によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細における様々な変更がなされ得ることは、当業者によって理解されるであろう。
【符号の説明】
【0098】
10 アプリケーション機能(AF)
20 データリポジトリ
30 運用管理及び保守(OAM)
40 ネットワークデータ分析機能(NWDAF)
50 ネットワーク機能(NF)
100、200 NWDAFサービス消費者(消費者NF)
110、210 ネットワークリポジトリ機能(NRF)
120、320 インスタンスNWDAF(k)
220、330 インスタンスNWDAF(j)
230、340インスタンスNWDAF(i)
510 トランシーバ
520 コントローラ
530 ストレージ

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】