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特表2023-518979腫瘍治療電場(TTField)を使用する併用療法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-09
(54)【発明の名称】腫瘍治療電場(TTField)を使用する併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20230427BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230427BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230427BHJP
   A61K 41/00 20200101ALI20230427BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K41/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558097
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2021023393
(87)【国際公開番号】W WO2021194919
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】62/993,603
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】508152917
【氏名又は名称】ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100204582
【弁理士】
【氏名又は名称】大栗 由美
(72)【発明者】
【氏名】ストーリー,マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】カラナム,ナラシムハ クマール
【テーマコード(参考)】
4C084
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZC411
4C084ZC412
4C084ZC751
(57)【要約】
対象におけるがん細胞の生存を低減する方法であって、交流電場をがん細胞に印加するステップ、ならびにE2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤のうちの少なくとも1種をがん細胞に送達するステップによる、方法が提供される。いくつかの例において、交流電場は、80~300kHzの間の周波数でがん細胞に印加される。いくつかの例において、印加するステップの少なくとも一部は、送達するステップの少なくとも一部と同時に行われる。いくつかの態様において、交流電場は、少なくとも72時間、がん細胞に印加される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるがん細胞の生存を低減する方法であって、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤のうちの少なくとも1種をがん細胞に送達するステップ;ならびに80~300kHzの間の周波数で交流電場をがん細胞に印加するステップを含む、方法。
【請求項2】
印加するステップの少なくとも一部が、送達するステップの少なくとも一部と同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
印加するステップが、少なくとも72時間の期間を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
交流電場の周波数が、100~200kHzの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
交流電場が、がん細胞の少なくともいくつかにおいて、少なくとも1v/cmの電界強度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
がん細胞中のE2F阻害剤の濃度が、約10μM~約50μMである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
がん細胞中のE2F阻害剤の濃度が、約20μM~約40μMである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
がん細胞中のCDK4/6阻害剤の濃度が、約0.1μM~約5μMである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
がん細胞中のCDK4/6阻害剤の濃度が、約0.5μM~約2μMである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
E2F阻害剤が、HLM006474、MRT00033659、YKL-5-124-TFA、およびYKL-5-124のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、イブランス、レロシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、リビシクリブ、ミルシクリブ、RGB-286638、NSN3106729、PHA-793887、R547、インジルビン、NU6102、ボヘミン、CDK9-IN-7、CGP60474、プルバラノールA、PF-06873600、ニンボリド、FN-1501、AG-024322、ON123300、G1T28、G1T38、AMG925、SHR-6390、BPI-1178、BPI-16350、FCN437、ビロシクリブ、BEBT-209、Ty-302、TQB-3616、HS-10342、PF-06842874、CS-2002、MM-D37K、CDK4/6-IN-2、SU9516、およびAT7519のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
送達するステップが、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤を対象に投与するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
E2F阻害剤が、HLM006474である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
E2F阻害剤が、HLM006474であり、CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
がん細胞が、肺がん細胞、乳がん細胞、膵臓がん細胞、神経膠芽腫細胞、前立腺がん細胞、肝臓がん細胞、卵管がん細胞、腹膜がん細胞、皮膚がん細胞、肝臓がん細胞、および卵巣がん細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
がん細胞の生存が、交流電場への曝露を受けておらず、かつE2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤の送達を受けていないがん細胞と比較して、20~100分の1に低減される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
対象におけるがん細胞を死滅させる方法であって、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤のうちの少なくとも1種をがん細胞に送達するステップ;ならびに80~300kHzの間の周波数で交流電場をがん細胞に印加するステップを含む、方法。
【請求項19】
印加するステップの少なくとも一部が、送達するステップの少なくとも一部と同時に行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
印加するステップが、少なくとも72時間の期間を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
E2F阻害剤が、HLM006474、MRT00033659、YKL-5-124-TFA、およびYKL-5-124のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、イブランス、レロシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、リビシクリブ、ミルシクリブ、RGB-286638、NSN3106729、PHA-793887、R547、インジルビン、NU6102、ボヘミン、CDK9-IN-7、CGP60474、プルバラノールA、PF-06873600、ニンボリド、FN-1501、AG-024322、ON123300、G1T28、G1T38、AMG925、SHR-6390、BPI-1178、BPI-16350、FCN437、ビロシクリブ、BEBT-209、Ty-302、TQB-3616、HS-10342、PF-06842874、CS-2002、MM-D37K、CDK4/6-IN-2、SU9516、およびAT7519のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
E2F阻害剤が、HLM006474である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
E2F阻害剤が、HLM006474であり、CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブである、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
がん細胞が、BRCA経路に欠損を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
がん細胞が、肺がん細胞、乳がん細胞、膵臓がん細胞、神経膠芽腫細胞、前立腺がん細胞、肝臓がん細胞、卵管がん細胞、腹膜がん細胞、皮膚がん細胞、および卵巣がん細胞からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2020年3月23日に出願された米国仮出願第62/993,603号の利益を主張し、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で引用されるすべての参考文献、例えば、限定されるものではないが、特許および特許出願は、それらの全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
肺がんは、2番目に多く見られるがんであり、米国においてがん関連死の主な原因である。非小細胞肺がん(NSCLC)は、最も多く見られるタイプであり、新たな症例のおよそ80%を占める。肺がんのための数多くの処置の選択肢には、例えば、外科的切除、化学療法、放射線療法、および免疫療法が存在する。ステージIおよびIIのNSCLCを有する患者についての5年生存率は、それぞれ、約50%および30%である。しかしながら、利用可能な処置の選択肢にもかかわらず、後期のステージIIIA、IIIBおよびIVを有する患者についての5年生存率は、それぞれ、14%、5%および1%であり、生存率を増加させるための単独でまたは従来の療法と組み合わせて利用することができる新規の治療モダリティについての必要性を強調する。
【0004】
加えて、肺がんを含む多くのがんは、DNA修復機構において機能する遺伝子の欠損に関連する。これらの遺伝子は、さまざまながんの発生に関連する遺伝子調節経路(例えば、BRCA経路、ファンコニ貧血(FA)/BRCA経路)のメンバーである。
【0005】
TTFieldは、テモゾロミドとの組み合わせでの再発性のおよび新たに診断された多形神経膠芽腫(GBM)のために、および白金系化学療法との組み合わせでの切除不可能な局所進行性のもしくは転移性の悪性胸膜中皮腫(MPM)のために承認されているがん治療の非侵襲的な物理的モダリティである。肺がん、膵臓がんおよび卵巣がんを含む他のがんについての臨床試験が進行中である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、例えば、TTFieldをE2F阻害剤(例えば、HLM006474)および/またはCDK4/6阻害剤(例えば、アベマシクリブ)とともに使用する組み合わせ処置による、TTFieldを利用する既存の処置機構に対する増強および強化を提供する。本開示の実施形態は、CDK-RB-E2Fシグナル伝達経路の特定の態様を標的にする。本開示の実施形態は、CDK-RB-E2Fシグナル伝達経路の態様を、選択的に下方調節および上方調節する。本明細書に記載される態様は、TTFieldを、特定のDNA修復経路(例えば、中でも、相同組換え、非相同末端結合、ミスマッチ修復、複製フォーク維持および染色体維持)に依拠する複数の経路を介したDNA修復能力の低減によりがんを標的にする薬剤と組み合わせる。E2Fは、すべての細胞型における細胞周期の制御、DNA修復、および染色体維持ルーチンに関与する普遍的転写因子である。TTFieldを、例えば、E2F阻害剤と組み合わせることによって、本明細書に記載される態様は、広範囲のがんおよび細胞型を標的にする。
【0007】
本明細書に記載される態様は、対象におけるがん細胞の生存を低減する方法であって、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤のうちの少なくとも1種をがん細胞に送達するステップ、ならびに80~300kHzの間の周波数で交流電場をがん細胞に印加するステップによる、方法を提供する。
【0008】
本明細書に記載される態様は、対象におけるがん細胞を死滅させる方法であって、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤のうちの少なくとも1種をがん細胞に送達するステップ、ならびに80~300kHzの間の周波数で交流電場をがん細胞に印加するステップによる、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】E2Fタンパク質中に存在する保存ドメインを示す図である。
図2】TTFieldへの曝露後のプロテオームの例示的なシグナル伝達経路を示す図である。
図3A】TTFieldへの曝露後に示されたE2F標的の発現レベルの例示的な変化を示す図である。
図3B図3Aの続きであり、TTFieldへの曝露後に示されたE2F標的の発現レベルの例示的な変化を示す図である。
図3C図3Bの続きであり、TTFieldへの曝露後に示されたE2F標的の発現レベルの例示的な変化を示す図である。
図3D図3Cの続きであり、TTFieldへの曝露後に示されたE2F標的の発現レベルの例示的な変化を示す図である。
図4】E2F-RB機能障害の例示的な遺伝子シグネチャーマーカーを示す図である。
図5】本明細書に記載される態様に従って、TTFieldをE2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤と組み合わせる効果の例示的な図表示を示す図である。
図6A】本明細書に記載される態様に従って、TTField、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤の示された組み合わせによる4つの細胞株における例示的なクローン原性生存アッセイの結果を示す図である。
図6B図6Aの続きであり、本明細書に記載される態様に従って、TTField、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤の示された組み合わせによる4つの細胞株における例示的なクローン原性生存アッセイの結果を示す図である。
図7A】本開示のいくつかの実施形態に従って、図6A~6Bの例示的なクローン原性アッセイからの組み合わせ指標値を示す図である。
図7B図7Aの続きであり、本開示のいくつかの実施形態に従って、図6A~6Bの例示的なクローン原性アッセイからの組み合わせ指標値を示す図である。
図8A】ファンコニ貧血/BRCA経路の遺伝子についての示された細胞株における経時的なmRNA発現レベルおよびタンパク質発現レベルを示す図である。
図8B図8Aの続きであり、ファンコニ貧血/BRCA経路の遺伝子についての示された細胞株における経時的なmRNA発現レベルおよびタンパク質発現レベルを示す図である。
図8C図8Bの続きであり、ファンコニ貧血/BRCA経路の遺伝子についての示された細胞株における経時的なmRNA発現レベルおよびタンパク質発現レベルを示す図である。
図8D図8Cの続きであり、ファンコニ貧血/BRCA経路の遺伝子についての示された細胞株における経時的なmRNA発現レベルおよびタンパク質発現レベルを示す図である。
図8E図8Dの続きであり、ファンコニ貧血/BRCA経路の遺伝子についての示された細胞株における経時的なmRNA発現レベルおよびタンパク質発現レベルを示す図である。
図8F図8Eの続きであり、ファンコニ貧血/BRCA経路の遺伝子についての示された細胞株における経時的なmRNA発現レベルおよびタンパク質発現レベルを示す図である。
図9A】TTFieldへのがん細胞の曝露後のFA経路遺伝子、細胞周期遺伝子、およびDNA複製遺伝子の転写活性および遺伝子発現を示す図である。
図9B図9Aの続きであり、TTFieldへのがん細胞の曝露後のFA経路遺伝子、細胞周期遺伝子、およびDNA複製遺伝子の転写活性および遺伝子発現を示す図である。
図10】本明細書に記載される態様に従って、H1299細胞における、TTField、ならびにE2F阻害剤およびCDK阻害剤を含むTTFieldへの曝露の24、48および72時間後のさまざまな薬物の示された組み合わせについてのクローン原性アッセイから得られた例示的な組み合わせ指標値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、がん細胞の成長および生存能力に関連する経路を標的にするために、治療剤と組み合わせたTTFieldの適用に関する。
【0011】
本開示の実施形態は、がん細胞の複製において積極的な役割を果たすことが公知のE2Fファミリーのメンバーを調節不全にするために、TTFieldの適用、およびがん細胞への治療剤の送達を対象とする。例えば、TTFieldを使用する開示される併用療法は、TTFieldをE2F阻害剤および/またはCDK4/6阻害剤と組み合わせて、CDK-RB-E2F軸のE2F1およびE2F2を下方調節する。加えて、いくつかの実施形態において、併用療法の適用は、TTFieldをE2F阻害剤および/またはCDK4/6阻害剤と組み合わせて、CDK-RB-E2F軸のE2F6を上方調節する。
【0012】
TTFieldは、転写因子のE2Fファミリーを調節不全にし、腫瘍細胞をRB-E2F-CDK4/6軸を標的にする薬剤に感受性にし、このようにして、TTField単独の、またはTTFieldとDNA修復、複製ストレス、およびRB-E2F-CDK4/6軸によって調節される他の経路を標的にする薬剤との殺腫瘍効果を実質的に増加させる。
【0013】
TTFieldは、再発性のおよび新たに診断された多形神経膠芽腫(GBM)、ならびに胸膜中皮腫のために使用される。TTFieldは、有糸分裂の破壊、複製ストレスの付加ならびにDNA修復および細胞周期チェックポイント遺伝子の下方調節により、細胞死を誘導するために使用される。
【0014】
TTFieldは、固形の治療抵抗性の原発性および再発性腫瘍の処置のために使用されている。TTField電極は、非侵襲性であり、腫瘍床全体にわたって、低強度(例えば、1~3V/cm)の中周波数(例えば、100~300kHz)の交流電場を送達する。TTFieldは、より高い電界強度の領域の方への極性分子の誘電泳動移動を誘導する異種細胞内環境を作り出し、重合および他の重要な生化学的機能を効率的に防止する。このようにして、TTFieldは、細胞増殖の利用によりがん細胞を優先的に標的にし、非分裂正常細胞を効率的に残す。加えて、TTFieldは、それらの高い周波数のために神経および筋肉を刺激せず、それらの低い強度のために高レベルの熱を発生させない。
【0015】
TTFieldは、非小細胞肺がん細胞(NSCL細胞株)において、電離放射線(IR)に対するコンディショナルな脆弱性を誘発する。TTFieldは、電離放射線に対する感度の増強をもたらすコンディショナルな感受性の状態を誘導し、放射線、PARP阻害剤、他のDNA損傷剤、E2F阻害剤、およびCDK4/6阻害剤との併用モダリティ療法としてのTTFieldの使用をサポートする。
【0016】
TTFieldは、細胞増殖を減少させ、各種のヒトおよびげっ歯動物の腫瘍細胞株にわたって、分裂しているがん細胞において不完全なアポトーシスを誘導する。紡錘体装置の適切な形成の防止および紡錘体チェックポイントの活性化は、TTFieldが分裂している細胞を死滅させる機構として提案されている。具体的には、TTFieldの曝露は、微小管の脱重合およびセプチンの誤った局在化を引き起こす。これは、細胞膜の不安定性、および細胞質分裂を破壊するブレブ形成をもたらすことができ、異常な染色体分離、異常な有糸分裂終了、およびその後にアポトーシスを受ける混乱した細胞の生成を引き起こす。
【0017】
本明細書に記載される態様は、対象におけるがん細胞の生存を低減する方法であって、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤のうちの少なくとも1種をがん細胞に送達するステップ、ならびに80~300kHzの間の周波数で交流電場をがん細胞に印加するステップによる、方法を提供する。
【0018】
いくつかの例において、印加するステップの少なくとも一部は、送達するステップの少なくとも一部と同時に行われる。いくつかの例において、印加するステップは、少なくとも72時間の期間を有する。別の例において、印加するステップは、少なくとも24時間または48時間の期間を有する。
【0019】
いくつかの例において、交流電場の周波数は、100~200kHzの間である。別の例において、交流電場は、がん細胞の少なくともいくつかにおいて、少なくとも1v/cmの電界強度を有する。
【0020】
がん細胞中のE2F阻害剤の濃度は、約10μM~約50μM、または約20μM~約40μMであり得る。がん細胞中のCDK4/6阻害剤の濃度は、約0.1μM~約5μM、または約0.5μM~約2μMであり得る。
【0021】
いくつかの例において、CDK阻害剤(例えば、HLM006474)についてのIC25値は、約0.5μM、約1μM、および約1.5μMであり得る。別の態様において、がん細胞中のCDK阻害剤の濃度について、約0.5~約1.5μMが使用され得る。
【0022】
いくつかの例において、E2F阻害剤(例えば、LY2835219、別名アベマシクリブ)についてのIC25値は、約20μM、約25μM、または約40μMであり得る。別の態様において、がん細胞中のE2F阻害剤の濃度は、約20μM~約40μMであり得る。
【0023】
さらに別の例において、E2F阻害剤は、HLM006474、MRT00033659、YKL-5-124-TFA、およびYKL-5-124のうちの1つまたは複数からなる群から選択される。
【0024】
さらなる例において、CDK4/6阻害剤は、アベマシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、イブランス、レロシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、リビシクリブ、ミルシクリブ、RGB-286638、NSN3106729、PHA-793887、R547、インジルビン、NU6102、ボヘミン、CDK9-IN-7、CGP60474、プルバラノールA、PF-06873600、ニンボリド、FN-1501、AG-024322、ON123300、G1T28、G1T38、AMG925、SHR-6390、BPI-1178、BPI-16350、FCN437、ビロシクリブ、BEBT-209、Ty-302、TQB-3616、HS-10342、PF-06842874、CS-2002、MM-D37K、CDK4/6-IN-2、SU9516、およびAT7519のうちの1つまたは複数からなる群から選択される。
【0025】
いくつかの例において、送達するステップは、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤をがん細胞に投与するまたは送達するステップを含む。いくつかの例において、送達するステップは、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤を対象に投与するまたは送達するステップを含む。一態様において、E2F阻害剤は、HLM006474である。さらなる態様において、CDK4/6阻害剤は、アベマシクリブである。さらに別の例において、E2F阻害剤は、HLM006474であり、CDK4/6阻害剤は、アベマシクリブである。
【0026】
いくつかの例において、がん細胞は、肺がん細胞、乳がん細胞、膵臓がん細胞、神経膠芽腫細胞、前立腺がん細胞、肝臓がん細胞、卵管がん細胞、腹膜がん細胞、皮膚がん細胞、および卵巣がん細胞からなる群から選択される。
【0027】
E2F転写因子は、すべての細胞型において活性であり、例えば、細胞周期の制御、DNA修復、および染色体維持ルーチンに関連する。E2F阻害剤であるHLM006474は、すべてのE2F複合体についてDNA結合を阻害し、乳がんおよび黒色腫モデルにおいて使用されている。CDK4/6阻害剤は、神経膠芽腫および転移性乳がんを処置するために使用されている。
【0028】
いくつかの例において、がん細胞の生存は、交流電場への曝露を受けておらず、かつE2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤の送達を受けていないがん細胞と比較して、20~100分の1に低減される。
【0029】
いくつかの例において、がん細胞の生存は、交流電場への曝露を受けておらず、かつE2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤の送達を受けていないがん細胞と比較して、(i)交流電場へのがん細胞の72時間曝露、(ii)10μM~50μMの濃度でのE2F阻害剤の送達、および(iii)0.1μM~2μMの濃度でのCDK4/6阻害剤の送達の後に、約100分の1に低減される。いくつかの例において、E2F阻害剤は、約20μMの濃度でがん細胞に送達され、CDK4/6阻害剤は、約5μMの濃度でがん細胞に送達される。
【0030】
本明細書に記載される態様は、対象におけるがん細胞を死滅させる方法であって、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤のうちの少なくとも1種をがん細胞に送達するステップ、ならびに80~300kHzの間の周波数で交流電場をがん細胞に印加するステップによる、方法を提供する。
【0031】
いくつかの例において、印加するステップの少なくとも一部は、送達するステップの少なくとも一部と同時に行われる。印加するステップは、少なくとも72時間の期間を有し得る。別の態様において、印加するステップは、少なくとも24時間または48時間の期間を有し得る。
【0032】
E2F阻害剤は、HLM006474、MRT00033659、YKL-5-124-TFA、およびYKL-5-124のうちの1つまたは複数からなる群から選択され得る。
【0033】
CDK4/6阻害剤は、アベマシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、イブランス、レロシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、リビシクリブ、ミルシクリブ、RGB-286638、NSN3106729、PHA-793887、R547、インジルビン、NU6102、ボヘミン、CDK9-IN-7、CGP60474、プルバラノールA、PF-06873600、ニンボリド、FN-1501、AG-024322、ON123300、G1T28、G1T38、AMG925、SHR-6390、BPI-1178、BPI-16350、FCN437、ビロシクリブ、BEBT-209、Ty-302、TQB-3616、HS-10342、PF-06842874、CS-2002、MM-D37K、CDK4/6-IN-2、SU9516、およびAT7519のうちの1つまたは複数からなる群から選択され得る。
【0034】
いくつかの例において、E2F阻害剤は、HLM006474である。いくつかの例において、CDK4/6阻害剤は、アベマシクリブである。さらに別の例において、E2F阻害剤は、HLM006474であり、CDK4/6阻害剤は、アベマシクリブである。
【0035】
下記に提示される実験データは、TTFieldおよび併用療法が、細胞周期チェックポイントおよびDNA修復、ならびに従来の処置システムに対する治療学的な挑戦を提示する他の生存経路に関連する重要な遺伝子を下方調節することができる機構を特定するために、プロテオミクス解析の使用を議論する。
【0036】
本明細書で議論されるように、定量的プロテオミクス実験は、転写活性化因子であるE2F1およびE2F2の発現の低減を特定した。加えて、定量的プロテオミクス実験は、転写抑制因子であるE2F6の発現の増加を特定した。したがって、本明細書に記載される併用療法は、CDK-RB-E2F軸に影響を及ぼし、E2F4およびE2F6シグナル伝達を通してDNA修復遺伝子(例えば、RAD51、BRCA1、およびBRCA2)を調節不全にする。
【0037】
図1は、E2Fタンパク質中に存在する保存ドメイン(すなわち、保存され、指定された機能を有するドメイン)の例示的な概略を提供する。E2Fタンパク質は、8つのファミリーメンバー(E2F1~8)からなり、それらの機能に基づいて、転写活性化因子(E2F1~E2F3a)および転写抑制因子(E2F3b~E2F8)に分けられる。E2Fタンパク質は、細胞周期の進行、DNA複製、DNA損傷チェックポイント、およびDNA修復のために重要な数千もの遺伝子を調節し、細胞増殖において中心的な役割を果たす。活性化タンパク質(E2F1、E2F2およびE2F3A)レベルは、G1-S期の移行でピークにし、非定型抑制因子(E2F7およびE2F8)レベルは、S期後期の後半にピークに達するが、古典的抑制因子(E2F3B、E2F4、E2F5およびE2F6)レベルは、細胞周期のすべての段階を通して恒常的に発現されたままである。
【0038】
図示されるように、すべてのE2Fは、独特の翼状らせんDNA結合ドメインを共有する。E2F1、E2F2、E2F3、E2F4、E2F5およびE2F6は、DNAに結合するために、転写因子二量体化パートナー(TFDP)ファミリーのメンバー(TFDP1またはTFDP2)との二量体化を必要とする。この結合は、ロイシンジッパー(LZ)ドメインおよびマークされたボックス(MB)ドメインからなる二量体化ドメインによって促進される。E2F1、E2F2、E2F3、E2F4およびE2F5に、ポケットタンパク質(RB、p107およびp130)が、トランス活性化ドメインで結合する。
【0039】
ポケットタンパク質との相互作用のために必要な最小部位は、(RB)に示される。E2F1、E2F2、E2F3、E2F4およびE2F5すべてにRBは結合するが、p107およびp130はE2F4よびE2F5にのみ結合する。E2F6は、ポケットタンパク質に結合しないが、代わりに、ポリコーム群のタンパク質によって調節される。いくつかのE2Fタンパク質はまた、核局在化配列(NLS)、核外移行配列(NES)、またはサイクリンA(CCNA)調節ドメインを有する。E2F7およびE2F8は、二量体化ドメインおよびトランス活性化ドメインを欠き、TFDPまたはポケットタンパク質に結合しない。代わりに、それらは、2つのタンデムDNA結合ドメインを有する。
【0040】
TTFieldへの細胞の曝露の際に差次的に発現するタンパク質の例示的な上流解析は、E2F1およびE2F2などの活性化因子が阻害され、E2F6などの抑制因子が活性化されることを示した。
【0041】
図2は、TTFieldへの細胞の曝露後のプロテオームの例示的な上流解析を提供する。プロテオミクスの結果は、TTField曝露の結果として、転写活性化因子(E2F1およびE2F2)が阻害され、抑制因子(E2F6)が活性化されることを示唆する。
【0042】
E2F-RB軸は、有糸分裂、DNA損傷および修復、DNA複製、クロマチンリモデリング、ならびにアポトーシスを含むがん細胞における多くの経路を制御する中心的なジャンクションとしての機能を果たす。遺伝子発現研究および直接機能研究は、E2F-RB経路が、FA(ファンコニ貧血)経路のメンバーのいくつかを標的にすることを示した。さらに、TTFieldは、(FA経路および細胞周期の上流調節因子として作用する)E2F-RBの調節不全によってFA経路のメンバーを下方調節する。
【0043】
図3A~3Dは、異なるプロテオーム解析に基づいて、TTFieldに曝露されていない細胞と比較して、TTFieldへの曝露後の肺がん細胞におけるE2F標的発現アッセイの例示的な結果を提供する。
【0044】
図3A~3Dにおいて調べられたE2F標的は、FA経路のメンバー(例えば、BRCA1、FANCD2、RAD51)、複製フォークに関するメンバー(例えば、MCM6、RFC3、RFC4)、および有糸分裂に関するタンパク質(例えば、BUB3、CCNE2、EZH2)を含む。図3A~3Dに図示されるように、発現レベルは、log発現値によって示されるように、TTFieldへの曝露の際に変化する。発現レベルの変化は、阻害される、影響を受ける、または活性化されるとしても分類された。
【0045】
図3A~3Dに示されるように、E2F1、E2F2は、活性化因子であり、E2F4、E2F6は、阻害因子であり、TTFieldへの曝露の際に、それぞれ、阻害および活性化された。したがって、それらの標的の発現が減少した(例えば、BRCA1、MCM6、CCNE2、EZH2)。
【0046】
図4は、E2F-RB機能障害の例示的な遺伝子シグネチャーマーカーを提供する。遺伝子シグネチャー解析は、E2F-RBの調節不全/喪失によって調節解除される遺伝子の機能群を示した。図4は、DNA複製、DNA損傷および修復、アポトーシス、有糸分裂、ならびにクロマチン領域に関連する例示的な遺伝子標的を特定する。
【0047】
図5は、TTField、E2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤に関して本明細書に記載される例示的な併用療法の図表示を提供する。図示されるように、TTFieldと一緒の、発明者等がTTFieldの作用機構として観察した細胞周期、DNA損傷および複製ストレスの上流調節因子(E2FおよびCDK4/6)の阻害剤との組み合わせは、非常に有益であろう。本明細書に開示されるように、E2FおよびCDK4/6の調節因子は、E2F阻害剤(例えば、HLM006474)およびCDK4/6阻害剤(例えば、アベマシクリブ)により標的にされ得る。理論に拘束されないが、図5に図示されるように、がん細胞のTTFieldおよびE2F阻害剤への曝露は、E2F遺伝子標的の調節不全を標的にするが、CDK4/6阻害剤は、細胞周期の進行を標的にする。この組み合わせは、異常な細胞分裂、DNA損傷、複製ストレス、および最終的には細胞死を引き起こし得る。
【0048】
図5に図示されるように、TTFieldは、E2Fを調節不全にするために、がん細胞に適用することができる。追加のE2F阻害剤(例えば、HLM006474)は、抑制因子の発現の増加、活性化因子の発現の減少または阻害を引き起こすE2F標的を調節不全にするために、がん細胞に適用することができる。CDK4/6阻害剤(例えば、アベマシクリブ)も、CDK4/6活性および細胞周期発現を阻害し、異常な細胞分裂、DNA損傷および複製ストレスの増加を引き起こす細胞周期、FA、DNA損傷および複製に関与する遺伝子を標的にするために、適用することができる。これらの効果は、有糸分裂/破局的ながん細胞死の増加をもたらす異常な細胞の増加を引き起こし得る。
【0049】
図6A~6Bは、24、48および72時間で、TTFieldとE2Fシグナル伝達またはCDK4/6シグナル伝達を調節不全にする薬剤との組み合わせを試験するさまざまな条件下での4つの肺がん細胞株、H1299、A549、H157、およびH4006細胞、における例示的なクローン原性生存アッセイの結果を提供する。H1299およびA549は、TTFieldを使用する従来の処置に抵抗性である非小細胞肺がん細胞株である。対照的に、H157およびH4006は、TTFieldに対してより応答性であることが公知の細胞株である。TTField単独、またはTTFieldとE2F阻害剤、CDK4/6阻害剤、もしくはE2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤の組み合わせと組み合わせた曝露の増加後の細胞生存を示す。
【0050】
図6A~6Bに示されるように、より低い用量のE2F阻害剤およびCDK4/6阻害剤をTTFieldと組み合わせて使用する場合、TTField曝露の72時間後、細胞生存の20~100分の1の低減がある。一例において、72時間のTTField曝露、20μMのE2F阻害剤のHLM006474、および0.5μMのアベマシクリブの組み合わせは、細胞生存の約100分の1の低減をもたらした。理論に拘束されないが、細胞生存の予想外の低減は、いくつかの経路の一時の標的化からもたらされたと考えられる。
【0051】
図7A~7Bは、図6A~6Bに記載される例示的なクローン原性生存アッセイからの組み合わせ指標値(CI)値を提供する。いくつかの例において、1.0よりも大きいCI値は、相乗効果、または抗腫瘍活性に対し驚いたことに好ましい効果を記載する。図7A~7Bに図示されるように、H1299およびA549細胞株は、TTFieldがCDK+E2F阻害剤と組み合わせて適用された72時間後に著しい相乗効果を示す(例えば、72時間後のH1299では11.65のCI指標値、および72時間後のA549では13.91のCI指標値)。
【0052】
いくつかの態様において、併用療法の適用は、TTFieldの適用を、TTFieldの適用とともにまたはその直後に、1つまたは複数の治療剤のがん細胞への適用または送達と組み合わせる。
【0053】
いくつかの態様において、併用療法の適用は、TTFieldの適用を、TTFieldの適用の所定期間後に、1つまたは複数の治療剤のがん細胞への適用と組み合わせる。所定期間は、TTFieldが適用された後のがん細胞の観察された脆弱性に基づいて決定され得る。例えば、いくつかの態様において、がん細胞は、TTFieldが適用されたおよそ24、48または72時間後に、併用療法で処置またはそれに曝露され得る。
【0054】
図8A~8Fは、24、48、および72時間のTTFieldへの曝露後、H4006、H157、A549、H1299、およびH1650細胞において、FA-BRACA経路(BRCA1、FANCE、FANCC、FANCB、FANCA、およびRFC3)における遺伝子についてのmRNAおよびタンパク質レベルの発現に関する例示的なデータを提供する。図8A~8Fに示されるように、TTFieldは、これらの遺伝子のmRNAおよびタンパク質発現を減少させ、72時間後に発現の最大の減少を示した。
【0055】
図9A~9Bは、FA経路(BRCA1、FANCD2、MLH1、RBL1、RFC3、RFC4)、有糸分裂/細胞周期(CCNE2、DUSP1、EZH2、MAD2L1)、およびDNA複製(CDC45、DHFR、MCM6、POLA2、RRM2)における示された標的遺伝子に関して、転写活性化因子(E2F1、E2F2)および転写抑制因子(E2F4、E2F6)の例示的な活性を図示する。総合すれば、図9A~9Bにおけるデータは、TTFieldが、これらの3つのクラスの遺伝子について、転写活性化因子(E2F1、E2F2)を阻害し、転写抑制因子(E2F4、E2F6)を活性化することを示す。
【0056】
図10は、H1299細胞における、TTFieldへの曝露の24、48および72時間後のTTFieldおよび薬物のさまざまな組み合わせについての例示的な組み合わせ指標(CI)データを提供する。組み合わせ指標研究を使用して、薬物の組み合わせの生物学的効果の相加効果または相乗効果を決定する。例えば、Chouら、Drug combination studies and their synergy quantification using the Chou-Talalay method、Cancer Res、2010年1月15日;70巻(2号):440~6頁を参照されたい。一態様において、72時間のTTField曝露、20μMのE2F阻害剤のHLM006474、および0.5μMのアベマシクリブの組み合わせは、8.72の予想外かつ驚いたことに高い組み合わせ指標をもたらした。
【実施例1】
【0057】
実験の材料および方法
細胞培養
ヒトNSCLC細胞株(H157、H4006、A549、およびH1299)を、American Tissue Culture Collectionから購入した。これらの細胞株はすべて、10%(v/v)のウシ胎仔血清(Atlanta Biologicals、Flowery Branch、Ga.、USA)およびペニシリン/ストレプトアビジン(最終濃度50μg/ml;Sigma-Aldrich、St.Louis、Mo.、U29SA)が補充されたRPMI培地で成長させた。すべての細胞は、5%のCOを常に供給された加湿インキュベーター中、37℃で成長させた。
【0058】
腫瘍治療電場
inovitroシステム(NovoCure Ltd、Haifa、Israel)を使用して、高比誘電率セラミックス(マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛(lead titanite)(PMN-PT))で構成されたペトリ皿の外壁上に垂直に印刷された電極の2つの対を使用してTTFieldを発生させた。トランスデューサーアレイを、培地中、所望の周波数で低強度の電場を発生する正弦波形発生器に接続した。TTFieldの方向を、1秒ごとに90°切り替え、このようにして、細胞分裂の方向軸の大部分を網羅した。温度が19℃で維持されて、inovitroシステムによって発生した熱を消失させた冷蔵インキュベーターにプレートを入れることによって、プレート温度を37℃で維持した。温度を、セラミック壁に取り付けられた2つのサーミスタ(Omega Engineering、Stamford、Conn.、USA)によって測定した。すべての細胞懸濁液を、inovitroディッシュ(NovoCure Ltd)内のカバースリップ上で成長させ、図に示される時間、TTFieldで処理した。
【0059】
細胞成長アッセイ
ヒトNSCLC(H157、H4006、A549、およびH1299)細胞株を、24、48および72時間、示されたTTFieldの異なる周波数で処理し、細胞成長を、各試料について三回、Beckman coulterカウンター(Beckman Coulter Inc、Indianapolis、hid.、USA)を使用してカウントした。GraphPad Prism V.6(GraphPad Software Inc、La Jolla、Calif、USA)を使用して、各時点でカウントされた平均細胞数および所与のTTField周波数を使用して、成長曲線のグラフを描いた。
【0060】
細胞周期解析
特定の時間および処理での細胞を収集し、75%の氷-冷エタノール中、-20℃で24時間固定した。固定された細胞を、PBSで洗浄し、500μlのPI染色溶液、すなわち、1mg/mlのRNAse A(Sigma-Aldrich)、0.05%のtriton X-100および30μg/mlのPI(Sigma-Aldrich)を含有するPBS中、37℃で30分間インキュベートした。細胞周期の分布を、FACSCaliburシステム(BD Biosciences、San Jose、Calif.、USA)を使用して決定した。試料あたり10,000個細胞超をカウントし、結果を、FlowJoソフトウェアv8.7.1(Tree Star Inc、Ashland、Oreg.、USA)を使用して解析した。
【0061】
遺伝子発現解析のためのRNAの標識化およびハイブリダイゼーション
Illumina Whole Genome HumanWG6 v4 Expression BeadChip(Illumina Inc、San Diego、Calif.、USA)を使用した。各RNA試料(0.5μg)を、ビオチンUTP(Enzo Life Sciences,Inc.、Farmingdale、N.Y.、USA)標識化を用いるIllumina TotalPrep RNA増幅キットを使用して増幅した。T7オリゴ(dT)プライマーを使用して、一本鎖cDNAを発生させ、続いて、二本鎖合成で二本鎖cDNAを発生させ、次いで、これをカラム精製した。T7 RNAポリメラーゼを使用して、インビトロ転写を行って、ビオチン標識化cRNAを合成した。次いで、cRNAをカラム精製し、Bio-Rad Experionシステム(Bio-Rad Laboratories、Hercules、Calif、USA)を使用して、サイズおよび収率についてチェックした。次いで、cRNA(1.5μg)を、検出のために使用されるストレプトアビジン-Cy3(Amersham Biosciences、Piscataway、N.J.、USA)を用いる標準的なIlluminaプロトコールを使用して、各アレイについてハイブリダイズした。スライドを、Illumina Beadstation(Illumina Inc)においてスキャンした。
【0062】
差次的遺伝子発現のデータ処理および有意性解析
各プローブセットについての要約された発現値を、BeadStudio 3.1(Illumina Inc)を使用して作成した。データを、MBCBアルゴリズムを使用して、試料全体にわたって、バックグラウンド減算、および変位値-変位値-正規化した。正規化された遺伝子発現値を使用して、比較のためのプロットを作成した。処置された細胞株において差次的に発現した遺伝子の解析を、SAMを使用して行った。FDR<0.05を、統計学的に有意であると見なした。クラスター分析およびヒートマップを、Partek Genomic Suiteソフトウェア(Partek Incorporated、St.Louis、Mo.、USA)を使用して作成した。遺伝子オントロジーおよび経路解析を、IPA(QIAGEN、Redwood City、Calif.、USA)を使用して行った。
【0063】
免疫ブロット
Laemmli試料緩衝液(4×;Bio-Rad Laboratories)を、30μgの各タンパク質試料に添加し、混合物を、95℃で10分間ボイルした。次いで、タンパク質混合物を、10%のSDS-PAGEゲルにロードし、続いて、90V、4℃で1時間PVDF膜に移動させた。膜を、PBST中の5%の無脂肪乳を用いて、室温で1時間ブロッキングし、2%のウシ血清アルブミン(Thermo Fisher Scientific Inc、Bridgewater、N.J.、USA)を含有するPBST中の抗(3-アクチン(1:5000;Cell Signaling、Danvers、Mass.、USA)、抗BRCA1(1:1000)、抗FANCD2(1:2000)および抗FANCA(1:500;Novus Biologicals LLC、Littleton、Colo.、USA)を用いて、4℃で終夜調べた。膜を、0.1%のTween-20を有するリン酸緩衝食塩水で洗浄し(TBST;それぞれ3×10分)、続いて、西洋ワサビペルオキシダーゼ(GE Healthcare、Buckinghamshire、UK)とコンジュゲートした二次抗体(1:5000)とともに、室温で1時間インキュベートした。膜を、FluorChem Mシステム(ProteinSimple、San Jose、Calif、USA)において、化学発光検出キット(Thermo Scientific、Rockford、Ill.、USA)を使用して、現像した。定量化を、ImageJソフトウェア(NIH、Bethesda、Md.、USA)を使用して行い、対応するアクチン密度を使用して正規化した。
【0064】
免疫蛍光法
細胞を、ガラスカバースリップ上に播種し、処理後、細胞を、洗浄し、氷-冷メタノールで固定した。試料を、10%の正常ヤギ血清を用いて、1時間ブロッキングし、ホスホ-ヒストン-γ-H2AX抗体(Ser139;Upstate Biotechnology、Temecula、Calif、USA)およびp53結合タンパク質1(53BP1)抗体(Cell Signaling)とともにインキュベートした。試料を、PBS中で5分間、3回洗浄し、次いで、Alexa Fluor 488コンジュゲート抗ウサギ抗体およびAlexa Fluor 555コンジュゲート抗マウス抗体(Invitrogen、Carlsbad、Calif.、USA)とともに1時間インキュベートした。核を、Vecatshield封入剤(Vector Laboratories Inc、Burlingame、Calif、USA)に含有されるDAPIを用いて対比染色した。次いで、染色された細胞を、それぞれ0.2μM厚さのzスタックの5つの切片を用いて、63倍対物レンズ(油浸、開口数 1.3)を備えた蛍光顕微鏡(Axio Imager M2、Carl Zeiss、Thornwood、N.Y.、USA)下で解析した。各実験からの40の核の定量的画像解析を、Imarisソフトウェアバージョン8.0(Bitplane、Concord、Mass.、USA)における細胞モジュールを使用して行った。
【0065】
放射線曝露およびクローン原性細胞生存
NSCLC細胞に対する放射線感度の効果を研究するために、指数関数的に成長している細胞を、Mark II Cs照射器(J L Shepherd and Associates)を使用して、3.47Gy/分の線量率で、IRで処理し、続いて24、48および72時間のTTFieldを即時適用した。次いで、細胞を、60mmディッシュに再播種し、最長で2週間インキュベートした。50個以上の細胞を含有するコロニーを、生存と見なした。データは、3つの独立した実験の平均±S.E.M.として表す。TTFieldの放射線増感効果を、下記に示されるようにして、CIを算出することによって、The Highest Single Agentアプローチに従って評価した。
【0066】
CI=(SFIR×SFTTField)/SFIRTTField(式中、SF=生存率である)
【0067】
組み合わせ効果は、CI>1の場合に増強/相乗的、CI=1の場合に相加的と見なした。正の効果についての統計学的有意性を、組み合わせ(TTFieldとIR)を所与の線量およびIR後の時間について最も高い細胞死滅を示す単一薬剤と比較する二元配置ANOVA多重比較統計検定のP値によって決定した。
【実施例2】
【0068】
TTFieldに曝露された肺がん細胞のプロテオメトリック解析
いくつかの態様において、腫瘍治療電場に曝露された肺がん細胞のプロテオミクス解析は、E2F-Rb-CDK4/6軸の調節不全が、腫瘍細胞を、CDK4/6および/またはE2Fを標的にする記載される新規の併用療法に感受性にすることを特定した。細胞死を誘導するTTFieldについて記載された1つの機構は、有糸分裂の破壊によるが、より最近の検討は、TTFieldが、複製ストレスを引き起こし、かつDNA修復および細胞周期チェックポイントの遺伝子を下方調節することを示唆している。しかしながら、DNA修復および細胞周期チェックポイントの遺伝子の下方調節の正確な原因は、とらえどころがない。そのような目的で、開示される技術は、タンデム質量タグ(TMT)を使用する相対的な定量的プロテオミクス解析を用いた。すべての試料は、トリプシン消化、および異なるTMT試薬による標識化を受けた。次いで、それらを混合し、混合物を、Orbitrap Fusion質量分析装置において処理した。
【0069】
ペプチドの定量化は、TMTレポーターイオンの強度を比較することによって達成した。差次的に発現したタンパク質のSTRING DB解析は、細胞周期、DNA損傷修復および複製、ならびに転写および翻訳調節を含む相互作用ネットワークを明らかにした。細胞周期チェックポイントおよびDNA修復に関連する重要な遺伝子の上流解析は、転写活性化因子のE2F1およびE2F2の発現の低減、ならびに転写抑制因子のE2F6の発現の増加を特定し、TTFieldがCDK-RB-E2F軸に影響を及ぼすことを示唆した。例えば、RAD51、BRCA1およびBRCA2を含む重要なDNA修復遺伝子の下方調節は、例えば、転写抑制因子のE2F4およびE2F6(BRCA1の公知の抑制因子)の上方調節により説明することができた。
【0070】
これらのタンパク質は、相同組換え修復およびヌクレオチド除去修復に関与するが、複製フォーク維持、複製フォーク崩壊、および全体的な複製ストレスにも関与し、これらの後者は、細胞死を引き起こす可能性がある。したがって、一例では、TTFieldをCDK4/6阻害剤のアベマシクリブありまたはなしで、E2F阻害剤のHLM006474と組み合わせた。いずれかの阻害剤と組み合わせたTTFieldは、TTField単独と比較して、相乗的に細胞死滅を増強したが、3つの組み合わせは、相乗性を決定するためのクローン原性アッセイとそれに続くHighest Single Agentアプローチによって測定されるように、非常に致死的である(72時間までに>90%)ことが見出された。総合すれば、一例において、この結果は、がん治療のためにTTFieldと組み合わせて使用することができる新規の新薬の開発につながるような標的としてCDK-RB-E2F軸を特定した。
【実施例3】
【0071】
TTFieldを含む併用療法に対するさらなるゲノミクスおよびプロテオミクスのサポート
標的化なくかつ先入観のない方法で生物学的プロセスの全体像を捕捉し、一連の非小細胞肺がん(NSCLC)細胞のTTField曝露の際の全体的な遺伝子発現の変化を理解するために、トランスクリプトミクスアプローチが過去の研究グループによって用いられた。TTField応答性遺伝子のIngenuity Pathway Analysis(IPA)の結果は、変更が細胞周期および有糸分裂調節経路において起こることを示唆し、これは、以前の研究と一致するが、TTField曝露による有意に下方調節されたBRCA1 DNA損傷応答経路(P<0.05)も明らかにした。しかしながら、正確には何がDNA修復および細胞周期チェックポイントの遺伝子の下方調節を引き起こすのかは、とらえどころがなかった。
【0072】
したがって、どのようにしてゲノミクスレベルの発現の変化が、生物活性に対する機能的プレーヤーであるタンパク質発現の変化に翻訳されるかを決定するために、プロテオームレベルの変化を誘導するTTFieldを調べるために、プロテオミクス解析を含む実験を行った。タンデム質量タグ(TMT)を使用する相対的な定量的プロテオミクス解析を使用して、H1299細胞における対照およびTTField処理条件のプロテオームを定量化した。TTField曝露後、それぞれ、24時間および48時間で、合計で106および541の差次的に発現したタンパク質が存在した。差次的に発現したタンパク質のSTRINGデータベース解析は、細胞周期、DNA損傷修復および複製、ミトコンドリア機能障害、ならびに転写および翻訳調節を含む相互作用ネットワークを明らかにした。FA経路、細胞周期ならびにDNA損傷および複製経路のメンバーについての発現の変化の同じパターンが、図8A~8Fに図示されるように、プロテオミクスからのタンパク質レベルで、およびトランスクリプトミクス解析からのmRNAレベルで観察された。
【0073】
図8A~8Fは、トランスクリプトミクスデータからの一時的なmRNAレベルの発現の変化、プロテオミクスデータからのタンパク質レベルの発現の変化、ならびに下方調節されたとして特定されたFA経路のメンバーのいくつかについてのウエスタンブロットによるタンパク質レベルの変化の検証を図示し、遺伝子およびタンパク質レベルの両方でFA経路のメンバーについて類似の発現パターンを示唆する。
【0074】
加えて、これらの調節ノードが、調節不全された経路に対する最大限の制御を発揮するが、乱されていない経路に対する最小限の制御を発揮するので、いくつかの下流経路、例えば、細胞周期、DNA損傷修復および複製などの発現のための制御ノードとして作用する重要な上流の調節ネットワーク機構を特定するために実験を行った。差次的に発現したタンパク質を誘導するTTFieldのIPA上流調節因子解析的分析は、上流の転写調節因子、例えば、それぞれ転写活性化因子および転写抑制因子である、E2F1およびE2F2の発現の低減、ならびにE2F6の発現の増加を特定し、図9A~9Bに図示されるように、TTFieldが、CDK-Rb-E2F軸に影響を及ぼし、かつE2F4およびE2F6シグナル伝達ならびに複製フォークに関するタンパク質(MCM6、RFC3、RFC4)、有糸分裂に関するタンパク質(BUB3、CCNE2、EZH2)により、RAD51、BRCA1およびBRCA2を含む重要なDNA修復タンパク質を調節不全にすることを示唆した。これらのタンパク質は、細胞周期、相同組換え修復、ヌクレオチド除去修復、複製フォーク維持、複製フォーク崩壊、および全体的な複製ストレスに関与する。
【0075】
より詳細には、図9A~9Bは、異なるプロテオーム解析からの上流調節因子解析および定量的E2F標的発現の変化を図示する。TTFieldは、転写因子のE2Fファミリーの、転写活性化因子(E2F1~3)を阻害し、転写抑制因子(E2F4~8)を増加させる。そのため、ファンコニ貧血(BRCA1、FANCD2、MLH1、RBL1、RFC3、RFC4)およびDNA複製経路タンパク質(CDC45、DHFR、MCM6、POLA2、RRM2)の発現の減少が存在し、かつ、特異的な標的に対する転写のこれらの活性化因子/阻害剤の複雑さを発明者等に知らせる有糸分裂/細胞周期経路タンパク質(CCNE2、DUSP1、EZH2、MAD2L1)に対する異なる影響が存在した。異なる経路タンパク質、および転写因子の方向、および最終標的タンパク質の発現についてのタンパク質発現の変化の比(Log2)を表に提供する。上流調節因子解析は、Ingenuity(登録商標)Knowledge Baseに保存された転写調節因子およびそれらの標的遺伝子の間の予想される効果の以前の知識に基づき、ユーザーのデータセットに存在する各転写調節因子の公知の標的の数を調べ、それらの変化の方向(すなわち、対照と比べたTTField試料の発現)も比較する。
【0076】
トランスクリプトームおよびプロテオームのレベルの変化の比較解析を行い、これは、CDK-Rb-E2F軸が、細胞周期、DNA損傷修復および複製ストレス経路に関与するTTField曝露で観察された効果についての上流調節ノードとして作用することを示した。CDK-Rb-E2F軸は、新薬の開発につながるようなものであり、実際に、現在、がん処置における主要な薬物標的であり、そうすることで、この軸を標的にすることにより、DNA修復、細胞周期チェックポイントまたは増殖および生存経路を標的にする従来の放射線および化学療法を増強するであろう統合療法になることを含んで、TTFieldがゆくゆくはどのように使用されるかを変化させるであろう。
【0077】
図10は、TTFieldと一緒の異なる薬剤および電離放射線(IR)についての組み合わせ指標値の比較を提供する。一例において、結果は、CDK阻害剤およびE2F阻害剤の両方をTTFieldと組み合わせて使用してCDK-E2F-RB軸を遮断することが、個々の薬剤または他の薬剤と比較して、非常に有効であることを示唆する。各組み合わせについてのP値を表に提供する。
【0078】
本明細書に記載されるシステムおよび方法は、一次療法が適用された後に、TTFieldを薬剤と組み合わせて使用し得る。TTFieldをRB-E2F軸の薬剤と組み合わせることにより、統合療法は、放射線、化学療法、またはDNA修復、細胞周期チェックポイントもしくは増殖および生存経路を標的にする他の療法などの下流の療法を増強し得る。
【0079】
本明細書に記載されるシステムおよび方法は、神経膠芽腫(gliobastoma)、中皮腫、膵臓がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、皮膚がん、腹膜がんなどの処置および/または緩和のために使用することができる。本明細書のシステムおよび方法は、併用療法によってTTFieldを適用する従来のシステムの際に改善するために使用されてもよい。
【0080】
本発明は、ある特定の実施形態を参照して開示したが、記載される実施形態に対する多数の改変、変更および変化は、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の領域および範囲から逸脱することなく可能である。したがって、本発明は、記載される実施形態に限定されるものではなく、下記に列挙される特許請求の範囲の文言およびその等価物によって定義される完全な範囲を有することが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図10
【国際調査報告】