(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-09
(54)【発明の名称】封止構造およびそれを適用した電気化学装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20230427BHJP
H01M 50/131 20210101ALI20230427BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20230427BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/131
H01M50/178
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558579
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2020082590
(87)【国際公開番号】W WO2021196027
(87)【国際公開日】2021-10-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 瑞
(72)【発明者】
【氏名】徐 炎
(72)【発明者】
【氏名】江 行国
(72)【発明者】
【氏名】連 旭宸
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011BB03
5H011DD06
5H011KK01
(57)【要約】
収容部と、収容部から延びるシール部含む封止構造であって、収容部は、順次連なる第1の縁部と第2の縁部と第3の縁部と第4の縁部とを含み、第1の縁部と第3の縁部は、対向して設けられ、第2の縁部は、第1の縁部と第3の縁部を接続し、第4の縁部は、第1の縁部と第3の縁部を接続し、第1の縁部の長さは、第2の縁部の長さよりも小さく、第4の縁部の長さよりも小さく、シール部は、第2の縁部、第3の縁部および第4の縁部に設けられ、シール部は、第2の縁部に沿って設けられた第1ヘミングと、第4の縁部に沿って設けられた第2ヘミングと、を含む、第1ヘミングは、第1の縁部からはみ出た部分が第1の縁部に向けて折り込まれ、第2ヘミングは、第1の縁部からはみ出た部分が第1の縁部に向けて折り込まれる。前記封止構造の全体の占有空間を小さくするのに有利である。本出願は、さらに前記封止構造を適用する電気装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部と、前記収容部から延びるシール部を含む封止構造であって、
前記収容部は、順次連なる第1の縁部と第2の縁部と第3の縁部と第4の縁部とを含み、
前記第1の縁部と前記第3の縁部は、対向して設けられ、
前記第2の縁部は、前記第1の縁部と前記第3の縁部を接続し、
前記第4の縁部は、前記第1の縁部と前記第3の縁部を接続し、
前記第1の縁部の長さは、前記第2の縁部の長さよりも小さく、前記第4の縁部の長さよりも小さく、
前記シール部は、前記第2の縁部、前記第3の縁部および前記第4の縁部に設けられ、
前記シール部は、前記第2の縁部に沿って設けられた第1ヘミングと、前記第4の縁部に沿って設けられた第2ヘミングと、を含み、
前記第1ヘミングは、前記第1の縁部からはみ出た部分が前記第1の縁部に向けて折り込まれ、前記第2ヘミングは、前記第1の縁部からはみ出た部分が前記第1の縁部に向けて折り込まれることを特徴とする封止構造。
【請求項2】
前記第1の縁部の長さは、前記第3の縁部の長さと同じかそれ以下であることを特徴とする請求項1に記載の封止構造。
【請求項3】
前記第1ヘミングが前記第1の縁部からはみ出した部分の長さは前記第1の縁部の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の封止構造。
【請求項4】
前記第2ヘミングが前記第1の縁部からはみ出した部分の長さは前記第1の縁部の長さよりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の封止構造。
【請求項5】
前記第1ヘミングが前記第1の縁部からはみ出した部分の長さと、前記第2の縁部が前記第1の縁部からはみ出す部分の長さとの和は、前記第1の縁部の長さよりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の封止構造。
【請求項6】
前記第1の縁部、前記第2の縁部、前記第3の縁部または前記第4の縁部は、不平坦な縁部であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の封止構造。
【請求項7】
前記収容部は直方体であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の封止構造。
【請求項8】
電池セルを備える電気化学装置であって、請求項1~5のいずれか1項に記載の封止構造をさらに備え、前記収容部は、前記電池セルを収容することを特徴とする電気化学装置。
【請求項9】
前記収容部は、前記電池セルに倣って形成されていることを特徴とする請求項8に記載の電気化学装置。
【請求項10】
一端が前記収容部内に位置して前記電池セルに接続され、他端が前記シール部に沿って前記封止構造外に突出するタブをさらに備える請求項8に記載の電気化学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、封止分野に関し、特に、封止構造および当該封止構造を適用した電気化学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、サイクル寿命が高く、メモリー効果がない等の利点から、携帯電話、デジタルカメラ、ポータブルコンピュータ等の携帯用電子機器に広く使用されている。
【0003】
リチウムイオン電池の電池セルに良好な封止効果を保証するためには、通常、一定幅のトップシール及びサイドシールを設ける必要がある。電子機器の小型化に伴い、電子機器に適用された電池の占有スペースも小さくなっている。電池全体の占有スペースを如何に狭めるかは、現在解決すべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記事情に鑑み、占有空間を小さくするのに有利である封止構造の提供が求められている。
また、上記封止構造を適用した電気化学装置の提供も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の封止構造は、収容部と収容部から延びるシール部を備え、
前記収容部は、順次連なる第1の縁部と第2の縁部と第3の縁部と第4の縁部とを含み、前記第1の縁部と前記第3の縁部は、対向して設けられ、前記第2の縁部は、前記第1の縁部と前記第3の縁部を接続し、前記第4の縁部は、前記第1の縁部と前記第3の縁部を接続し、前記第1の縁部の長さは、前記第2の縁部の長さよりも小さく、前記第4の縁部の長さよりも小さく、
前記シール部は、前記第2の縁部、前記第3の縁部および前記第4の縁部に設けられ、前記シール部は、前記第2の縁部に沿って設けられた第1ヘミングと、前記第4の縁部に沿って設けられた第2ヘミングと、を含み、前記第1ヘミングは、前記第1の縁部からはみ出た部分が前記第1の縁部に向けて折り込まれ、前記第2ヘミングは、前記第1の縁部からはみ出た部分が前記第1の縁部に向けて折り込まれることにより、前記封止構造の全体の体積を小さくするのに有利である。
【0006】
本願の一態様として、前記第1の縁部1の長さは、前記第3の縁部の長さと同じかそれ以下である。
【0007】
本願の一態様として、前記第1ヘミングが前記第1の縁部からはみ出した部分の長さは前記第1の縁部の長さよりも小さいことにより、前記封止構造の体積を小さくする。
【0008】
本願の一態様として、前記第2ヘミングが前記第1の縁部からはみ出した部分の長さは前記第1の縁部の長さよりも小さいことにより、前記封止構造の体積を小さくする。
【0009】
本願の一態様として、前記第1ヘミングが前記第1の縁部からはみ出した部分の長さ前記第2の縁部が前記第1の縁部からはみ出す部分の長さとの和は、前記第1の縁部の長さよりも小さいことにより、前記封止構造の体積を小さくする。
【0010】
本願の一態様として、前記第1の縁部、前記第2の縁部、前記第3の縁部または前記第4の縁部、不平坦な縁部である。
【0011】
本願の一態様として、前記収容部は直方体である。
【0012】
本願の電気化学装置は、電池セルおよび上記封止構造を備え、前記収容部は、前記電池セルを収容する。
【0013】
本願の一態様として、前記収容部は、前記電池セルに倣って形成されている。
【0014】
本願の一態様として、前記電気化学装置は、一端が前記収容部内に位置して前記電池セルに接続され、他端が前記シール部に沿って前記封止構造外に突出するタブをさらに備える。
【発明の効果】
【0015】
本願は上記封止構造の電気化学装置を適用して、電池セルのパッケージ時の封止構造の占有空間を削減し、電気化学装置全体の占有空間を低減し、ひいては電気化学装置のエネルギー密度の損失を低減するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願の一実施例に係る電気化学装置の構造模式図である。
【
図2】本願の一実施例に係る電気化学装置の構造模式図である。
【
図3】本願の一実施例に係る電気化学装置の分解模式図である。
【
図4】本願の一実施例に係る電気化学装置の構造模式図である。
【
図5】本願の一実施例に係る電気化学装置の底面模式図である。
【
図6】本願の一実施例に係る電気化学装置の側面模式図である。
【
図7】本願の一実施例に係る電気化学装置の構造模式図である。
【
図8】本願の一実施例に係る電気化学装置の構造模式図である。
【
図9】本願の一実施例に係る電気化学装置の状態模式図である。
【
図10】一比較例に係る電気化学装置の状態模式図である。 以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願の実施例における技術的解決手段は、本出願の実施例における図面を参照して以下に明確かつ完全に説明される。なお、記載された各実施例は、本出願の実施形態の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。創造的な努力なしに本出願の実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本出願の範囲内である。
【0018】
本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、特に定義されない限り、本出願が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものだけであり、本願を限定するものではない。
【0019】
以下、上記の図面を参考して本出願のいくつかの実施形態について詳細に説明する。下記の実施形態および実施形態の特徴は、お互いに矛盾しない場合、組み合わせることができることに留意されたい。
【0020】
図1~
図8を参照して、封止構造100は、収容部10と、収容部10から延びるシール部30とを備える。
【0021】
前記収容部10は、順次に接続された第1の縁部11、第2の縁部13、第3の縁部15および第4の縁部17を含む。前記第1の縁部11と前記第3の縁部15は、対向して設けられ、前記第2の縁部13は、前記第1の縁部11と前記第3の縁部15を接続し、前記第4の縁部17は、前記第1の縁部11と前記第3の縁部15を接続する。但し、前記第1の縁部11の長さは、前記第2の縁部13の長さよりも小さく、且つ、前記第1の縁部11の長さは、前記第4の縁部17の長さよりも小さい。本願において、各縁部の長さとは、当該縁部が隣接する2つの縁部の間において、一方の隣接する縁部から他方の隣接する縁部まで延在する長さを意味する。
【0022】
前記シール部30は、前記第2の縁部13、前記第3の縁部15および前記第4の縁部17に設けられている。前記シール部30は、前記第2の縁部13に沿って設けられる第1ヘミング31と、前記第4の縁部17に沿って設けられる第2ヘミング33と、を含む。ここで、前記第1ヘミング31は、前記第1の縁部11からはみ出た部分が前記第1の縁部11に向けて折り込まれ、前記第2ヘミング33は、前記第1の縁部11からはみ出た部分が前記第1の縁部11に向けて折り込まれる。前記シール部30は、長さの短い第1の縁部に向かって張り出した部分(即ち、バット耳)を形成し、前記張り出した部分全体の占有空間をを小さくすることで、封止構造の全体の占有空間を小さくするのに有利である。
【0023】
前記第1の縁部11の長さは、前記第3の縁部15の長さよりも長くても、等しくても、小さくてもよい。好ましくは、第1の縁部11の長さは、第1ヘミング31が第1の縁部11からはみ出し部分と第2ヘミング33がが第1の縁部11からはみ出し部分との占有空間が最小となるように、第3の縁部15の長さと同じかそれよりも小さいので、封止構造100の占有空間の縮小にさらに寄与することができる。
【0024】
前記第1の縁部11、前記第2の縁部13、前記第3の縁部15または前記第4の縁部17は、それぞれ、平坦な縁部または不平坦な縁部であってもよい。例えば、幾つかの実施例では、
図1及び
図2を参照して、収容部10は直方体であり、この場合、第1の縁部11、第2の縁部13、第3の縁部15及び第4の縁部17は、それぞれ平坦な縁部であり、第1の縁部11の長さは、第3の縁部の長さに等しく、第2の縁部13の長さは、第4の縁部17の長さに等しい。例えば、幾つかの実施例では、
図2の直方体収容部と異なり、
図7および
図8を参照して、第1の縁部11の長さは、第3の縁部15の長さよりも小さい。前記第2の縁部13が前記第1の縁部11に接する第1領域は、前記第2の縁部13が前記第3の縁部15に接する第2の領域よりも前記第4の縁部17側にシフトし、前記第2の縁部13は不平坦な縁部となっている。前記第4の縁部17は、前記第3の縁部15と接続される一端を、第2の縁部13に折り曲げて、第4の縁部17が平坦でない縁部であるようにする。前記第1の縁部11、第2の縁部13、第3の縁部15及び第4の縁部17は、前記収容部10が略L字状をなすように接続されている。いくつかの実施例において、収容部10は、他の形状であってもよく、上述した2つのみに限定されない。
【0025】
前記シール部30は、前記第3の縁部15に設けられた第3ヘミング35をさらに含む。
【0026】
好ましくは、前記第1ヘミング31が前記第1の縁部11からはみ出した部分の長さは前記第1の縁部11の長さよりも小さく、及び/又は、前記第2ヘミング33が前記第1の縁部11からはみ出した部分の長さは前記第1の縁部11の長さよりも小さいことにより、前記第1の縁部11に向かって折り畳まれた前記第1ヘミング31が前記第1の縁部11からはみ出した部分が前記第4の縁部17からはみ出しないよう、及び/又は、前記第1の縁部11に向かって折り畳まれた前記第2ヘミング33が前記第1の縁部11からはみ出した部分が前記第2の縁部13からはみ出しないようにするため、前記封止構造100の占有空間をより小さくする上で有利となる。
【0027】
より好ましくは、前記第1ヘミング31が前記第1の縁部11からはみ出した部分の長さと、前記第2ヘミング33が前記第1の縁部11からはみ出す部分の長さとの和は、前記第1の縁部11の長さよりも小さいので、前記第1の縁部11に向かって折り畳まれた前記第1ヘミング31が前記第1の縁部11からはみ出す部分と、前記第1の縁部11に向かって折り畳まれた前記第2ヘミング33が前記第1の縁部11からはみ出す部分とが重ならないため、前記封止構造100の占有空間をより小さくする上で有利となる。
【0028】
図3を参照して、上記封止構造100は、封止フィルム100aが折り返されて封印されたものである。
図4、
図5及び
図6を併せて参照して、前記第1の縁部11は、前記封止フィルム100aが折り返される領域に対応し、シール部30の封印形成の際に、前記第1ヘミング31が前記第1の縁部11に近い一端は、前記第1の縁部11から前記第3の縁部15に離れる方向に突出し、前記第2ヘミング33が前記第1の縁部11に近い一端は、前記第1の縁部11から前記第3の縁部15に離れる方向に突出し、すなわち、前記第1ヘミング31が前記第1の縁部11に近い一端と、前記第2ヘミング33が前記第1の縁部11に近い一端とが、バット耳を形成する。そして、
図1及び
図7に示すように、シール部30を前記収容部10に向けて折り畳む。
【0029】
いくつかの実施例において、
図1および
図8を参照して、第3ヘミング35は、第3の縁部15に向かって折り畳まれなくてもよい。
【0030】
図1~
図8を参照して、上述した封止構造100は、電気化学装置に適用されると、電気化学装置200は、電池であってもよいが、電池に限定されない。前記電気化学装置200は、さらに、前記封止構造100の収容部10内に収容された電池セル80を備えている。
【0031】
好ましくは、前記電気化学装置200における前記収容部10の占有空間を縮小するように、前記収容部10が前記電池セル80に倣って設計されることにより、前記電気化学装置200全体の占有空間を縮小し、ひいては、電気化学装置200のエネルギー密度の損失を抑えるのに有利である。
【0032】
電気化学装置200は、タブ90をさらに備え、前記封止構造100外の電子部品を接続するために、タブ90の一端が前記収容部10内に位置して前記電池セル80に接続され、他端が前記シール部30に沿って前記封止構造100外に突出する。
【0033】
前記タブ90は、第1タブ91と、第2タブ93とを備えている。前記第1タブ91の一端が前記電池セル80に接続され、他端が前記シール部30に沿って前記封止構造100の外に出ている前記第2タブ93は、一端が前記電池セル80に接続され、他端が前記シール部30に沿って前記封止構造100外に延出している。前記第1タブ91及び前記第2タブ93は、前記第1ヘミング31、前記第2ヘミング33及び前記第3ヘミング35のうちの同一のヘミングに沿って設けられていてもよく、前記第1ヘミング31、前記第2ヘミング33及び前記第3ヘミング35のうちの異なるヘミングに沿って設けられていてもよい。好ましくは、前記第1タブ91及び前記第2タブ93は、前記第1ヘミング31、前記第2ヘミング33、及び前記第3ヘミング35のうちの同一のヘミングに沿って設けられ、タブの設置により前記封止構造100の体積が増加するため、第1タブ91及び前記第2タブ93は、同一のヘミングに沿って設けられる方が、電気化学装置200の占有空間を小さくする上で有利である。
【0034】
以下、本出願について、比較例及び実施例によりさらに説明する。
【0035】
比較例および実施例は、いずれも矩形電池であり、矩形電池は、矩形電池セルと、矩形電池セルを収容する封止構造とを備え、封止構造は、矩形電池セルに倣った収容部を備える。前記収容部は、順次連なる第1の縁部と第2の縁部と第3の縁部と第4の縁部とを含み、前記第1の縁部と前記第3の縁部とは、矩形の収容部の短辺であり、前記第2の縁部と前記第4の縁部とは、矩形の収容部の長辺である。比較例と実施例との違いは、実施例では、
図9を参照して、封止構造のシール部が第2の縁部、第3の縁部及び第4の縁部にを設けられ、且つシール部が第1の縁部から突出し、突出した部分が第1の縁部に向けて折り畳まれており、すなわちバット耳が収容部の短辺に向けて折り畳まれており、一方、比較例では、
図10を参照すれば、封止構造のシール部は第1の縁部、第2の縁部、第3の縁部に設けられ、且つシール部が前記第4の縁部から突出し、突出した部分が第4の縁部に向かって折り畳まれており、即ち、バット耳が収容部の長辺に向かって折り畳まれている点である。
【0036】
矩形電池の長辺が存在する方向の長さをW、短辺が存在する方向の長さをL、バット耳の突出方向に沿った長さをBと定義する。実施例の矩形電池の封止有効面積はS1、比較例の矩形電池の封止有効面積はS2であり、実施例と比較例の矩形電池の封止面積はいずれもSである。
そのうち、S=W*L;S1=(W-B)*L;S2=(L-B)*W。
したがって、実施例の矩形電池と比較例の矩形電池とのエネルギー密度の差は
そのうち、ΔEDが正の値を示した。このことから、実施例に係る電池セルの封止方式では、比較例に係る電池セルの封止方式よりも、電池のエネルギー密度を高くすることが可能であることが分かる。
【0037】
本願の封止構造100は、構造が簡単で、前記シール部30は、長さの短い第1の縁部に向かって張り出した部分(即ち、バット耳)を形成し、前記張り出した部分全体の占有空間をを小さくすることで、封止構造の全体の占有空間を小さくするのに有利である。
【0038】
また、当業者にとって、本出願の技術構想に基づいてなされた他の様々な変更及び変形を加えることが可能であり、それらすべての変更及び変形は、本願の保護範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0039】
100 封止構造
10 収容部
11 第1の縁部
13 第2の縁部
15 第3の縁部
17 第4の縁部
30 シール部
31 第1ヘミング
33 第2ヘミング
35 第3ヘミング
100a 封止フィルム
200 電気化学装置
80 電池セル
90 タブ
91 第1タブ
93 第2タブ
【国際調査報告】