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特表2023-519028空気圧式ハンドル及び歯科用エレベーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-09
(54)【発明の名称】空気圧式ハンドル及び歯科用エレベーター
(51)【国際特許分類】
   A61C 3/14 20060101AFI20230427BHJP
【FI】
A61C3/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576354
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2021095585
(87)【国際公開番号】W WO2021238880
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202020951050.9
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522465352
【氏名又は名称】河北閏悦医療器械有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEBEI RUNYUE MEDICAL DEVICE CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 506-510, 5th Floor, West Side of Innovation Building, Jinshi Industrial Park, No.368, Xinshi North Road Shijiazhuang, Hebei 050091 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】▲シィン▼樹哲
(72)【発明者】
【氏名】▲シィン▼雲飛
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA01
4C052CC12
(57)【要約】
本発明は空気圧式ハンドル及び歯科用エレベーターを開示し、医療機器の技術分野に関し、歯科用エレベーターヘッドの運動方向及びヘッドの運動距離が制御しにくいという問題を解決するためになされるものである。前記空気圧式ハンドルは、ヘッドと組み立てるために用いられ、前記空気圧式ハンドルはハンドルスリーブ、ロックモジュール、空気圧モジュール及び弾性制御モジュールを含む。前記ロックモジュールはハンドルスリーブの先端に接続される。前記空気圧モジュールは前記ハンドルスリーブ内に設けられる。前記歯科用エレベーターは上記技術的解決手段に記載の空気圧式ハンドルを含む。本開示の提供する空気圧式ハンドル及び歯科用エレベーターは、抜歯時の器具の安全性及び制御性を向上させるために用いられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドと組み立てるための空気圧式ハンドルであって、前記空気圧式ハンドルは、
ハンドルスリーブであって、前記ハンドルスリーブの先端の内部に前記ヘッドの一端が取り付けられるハンドルスリーブと、
前記ヘッドをリミットするためのロックモジュールであって、前記ハンドルスリーブの先端に接続されるロックモジュールと、
前記ヘッドを前記ハンドルスリーブ内において伸縮するように駆動するための空気圧モジュールであって、前記ハンドルスリーブ内に設けられる空気圧モジュールと、
前記空気圧モジュールが前記ヘッドを駆動する打撃力値及び打撃頻度を制御するための弾性制御モジュールであって、前記ハンドルスリーブ内に設けられ、前記空気圧モジュールと前記ハンドルスリーブの先端との間に位置する弾性制御モジュール、を含む空気圧式ハンドル。
【請求項2】
前記弾性制御モジュールは、バネと、前記ヘッドと接触するためのガスケットと、を含み、前記バネと前記ガスケットはいずれも前記ハンドルスリーブ内に設けられ、前記バネ及び前記ガスケットはいずれも前記空気圧モジュールと前記ハンドルスリーブの先端との間に位置し、前記バネの第1端は前記空気圧モジュールに接続され、前記バネの第2端は前記ガスケットに接続されることを特徴とする請求項1に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項3】
前記空気圧モジュールはシリンダ体、ピストン体及び前記シリンダ体のキャビティに連通する空気源ジョイントを含み、前記シリンダ体は前記ハンドルスリーブ内に設けられ、前記ピストン体は前記シリンダ体のキャビティ内に設けられ、前記シリンダ体は前記ハンドルスリーブの先端に向かう開口を有することを特徴とする請求項1に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項4】
前記ハンドルスリーブはアウトハンドルスリーブ及びインナーハンドルスリーブを含み、前記インナーハンドルスリーブは前記アウトハンドルスリーブ内に設けられ、且つ前記アウトハンドルスリーブとの間に外気道を形成し、前記シリンダ体は前記インナーハンドルスリーブ内に設けられ、且つ前記インナーハンドルスリーブとの間に内気道を形成し、前記空気源ジョイントに第1空気孔及び第2空気孔が設けられており、前記第1空気孔は前記外気道に連通し、前記第2空気孔は前記内気道に連通し、
前記ピストン体に前記シリンダ体のキャビティに連通するための気体輸送通路が設けられ、前記インナーハンドルスリーブに前記外気道と前記気体輸送通路を連通するための第1空気口が設けられており、前記シリンダ体の壁に前記シリンダ体のキャビティと前記内気道を連通するための第2空気口が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項5】
前記気体輸送通路は第1開口及び第2開口を有し、前記第1開口は前記ピストン体の側壁に位置し、前記第2開口は前記ピストン体が前記シリンダ体の前記開口から離れる一端に位置し、又は、
前記第1空気口は前記シリンダ体が前記ハンドルスリーブの先端に向かう一端に位置し、前記第1空気孔は排気孔であり、前記外気道は排気通路であり、前記第1空気口は排気口であり、前記第2空気孔は吸気孔であり、前記内気道は吸気通路であり、前記第2空気口は吸気口であり、
又は、
前記内気道は互いに隔離された第1内気道セグメント及び第2内気道セグメントを含み、前記第1内気道セグメント及び前記第2内気道セグメントの第1端は前記インナーハンドルスリーブが前記シリンダ体の前記開口に近い一端に位置し、前記外気道は前記第2内気道セグメントに連通し、前記シリンダ体の壁に前記第2内気道セグメントと前記シリンダ体のキャビティを連通するための第3空気口が設けられており、前記第1空気孔は吸気孔であり、前記外気道と前記第2内気道セグメントは吸気通路を構成し、前記第2空気孔は排気孔であり、前記第1内気道セグメントは排気通路であり、前記第2空気口は排気口であり、前記第1空気口と前記第3空気口はいずれも吸気口であることを特徴とする請求項4に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項6】
前記ロックモジュールは、
チャック及び前記チャックに設けられたロック部材を含み、前記チャックは前記ハンドルスリーブの先端に設けられ、前記チャックに前記ヘッドを取り付けるための取り付け用貫通孔が開設されており、前記ロック部材は前記ヘッドを前記取り付け用貫通孔内に拘束するために用いられ、
前記空気圧モジュールが初期状態にある時、前記ヘッドの端部は前記取り付け用貫通孔内に挿入し、且つ前記弾性制御モジュールに接触することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項7】
前記ロック部材は前記チャックと相対的に運動するロックスリーブであり、前記チャックは取り付け部材及びリミットブロックを含み、前記取り付け用貫通孔は前記取り付け部材に開設されており、前記取り付け部材に前記取り付け用貫通孔の側壁に位置する貫通溝が開設されており、前記貫通溝は前記取り付け用貫通孔に連通し、前記リミットブロックは前記貫通溝内に設けられ、前記ロックスリーブは前記取り付け部材に嵌設されていることを特徴とする請求項6に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項8】
前記ロックスリーブは前記ハンドルスリーブの先端に弾性接続され、又は、
前記ロック部材は前記チャックと相対的に回転可能なロックスリーブであり、前記ロックスリーブは1つの突起を有し、前記突起は前記リミットブロックに適合するリミット面を有することを特徴とする請求項7に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項9】
前記ロック部材は押板機構及びリミット機構を含み、前記押板機構が前記リミット機構により回転可能に前記チャックの外部に設けられ、前記押板機構が前記取り付け用貫通孔内に挿入可能なフックを有し、前記フックは前記ヘッドをリミットするために用いられ、又は、
前記チャックは、チャックコアと、締め付けスリーブと、を含み、前記チャックコアの第1端は前記ハンドルスリーブの先端に接続され、前記チャックコアの第2端は前記締め付けスリーブに回転可能に接続され、前記取り付け用貫通孔は前記ハンドルスリーブの先端に近い第1貫通孔セグメント及び第2貫通孔セグメントを含み、前記第1貫通孔セグメントは前記チャックコアに開設され、前記第2貫通孔セグメントは前記締め付けスリーブに開設され、前記ロック部材は前記第1貫通孔段内に設けられ、
前記チャックコアの外壁に取り付け溝が開設され、前記チャックはさらに前記取り付け溝に弾性接続されたシフトブロックを含み、前記締め付けスリーブの内壁に前記シフトブロックと嵌合する複数のシフト溝が設けられ、複数の前記シフト溝は前記締め付けスリーブの周方向に間隔を置いて分布することを特徴とする請求項6に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の空気圧式ハンドルを含む歯科用エレベーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2020年05月29日に中国国家知識産権局に提出され、公開番号がCN213156588Uであり、公開名「空気圧式ハンドル及び歯科用エレベーター」の中国特許の優先権を主張し、その内容のすべては参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医療機器の技術分野に関し、特に空気圧式ハンドル及び歯科用エレベーターに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の抜歯術は、一般的には歯科用エレベーター、歯科用ハンドピースなどの器具を用いて、罹患歯の歯根膜、歯槽骨を破壊することにより、罹患歯の抜去を実現する。手術中に、歯科用エレベーターを歯と歯槽骨との間の歯根膜内に挿入し、歯周間隙を増大させ、歯を緩め、複雑な抜歯手術を行う時に、二人が協力し素手で操作する必要があり、歯科用エレベーターを歯周隙間に打ち込む力と角度などの要素が制御されにくい。力が小さすぎると、歯科用エレベーターが歯周隙間に入らなくなる。力が強すぎると、歯科用エレベーターが歯周隙間に入りすぎて骨組織を損傷する。角度がずれると、歯科用エレベーターが滑って隣接する軟組織を刺し、付加損傷を引き起こし、患者に苦痛を与える可能性がある。
【0004】
現在、上記抜歯術に存在する技術的問題に対し、関連する解決手段がないため、上記問題を解決するように有効な解決策が切望されている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、既存の歯科用エレベーターの使用中の安全性及び制御の容易性を向上させるための空気圧式ハンドル及び歯科用エレベーターを提供することである。
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、ヘッドと組み立てるための空気圧式ハンドルを提供し、前記空気圧式ハンドルは、
ハンドルスリーブであって、前記ハンドルスリーブの先端の内部に前記ヘッドの一端が取り付けられるハンドルスリーブと、
前記ヘッドをリミットするためのロックモジュールであって、前記ハンドルスリーブの先端に接続されるロックモジュールと、
前記ヘッドを前記ハンドルスリーブ内において伸縮するように駆動するための空気圧モジュールであって、前記ハンドルスリーブ内に設けられる空気圧モジュールと、
前記空気圧モジュールが前記ヘッドを駆動する打撃力値及び打撃頻度を制御するための弾性制御モジュールであって、前記ハンドルスリーブ内に設けられ、前記空気圧モジュールと前記ハンドルスリーブの先端との間に位置する弾性制御モジュール、を含む。
【0007】
従来技術に比べ、本開示の提供する空気圧式ハンドルには、ヘッドの一端がハンドルスリーブの先端内に取り付けられ、空気圧モジュールがハンドルスリーブ内に設けられ、使用中に、空気圧モジュールはヘッドを押して、ヘッドを往復運動させることができる。そして、ロックモジュールはハンドルスリーブの先端に接続されヘッドを拘束することで、ヘッドが往復運動する過程において、ハンドルスリーブの先端から脱出しないようにし、ヘッドが継続的に正常に動作できることを保証する。また、空気圧モジュールがヘッドを押す過程において、弾性制御モジュールは弾性減衰を生成することができる。当該弾性減衰はヘッドがハンドルに挿入し又はハンドルから延出する長さの大きさによって直感的に判断することができ、それにより使用者がヘッドの衝撃力を調整制御し、一定の範囲内でヘッドが生成する力値及び頻度を調整することを容易にする。ロックモジュールはハンドルスリーブの先端に接続され、それはヘッドをリミットすることができ、それによりヘッドがハンドルスリーブの先端の内部に取り付けられる場合、ロックモジュールはヘッドの運動方向及び運動距離を限定することができるだけでなく、さらに運動角度を限定することができる。以上から分かるように、本開示の提供する空気圧式ハンドルに対し、使用者はロックモジュール及び空気圧モジュールによってヘッドの最大移動距離及び打撃角度を調整することができ、また弾性制御モジュールによってヘッドの打撃力値及び打撃頻度を調整することができ、それにより歯科用エレベーターの安全性を向上させ、抜歯効率を向上させ、患者の治療体験を向上させる。
【0008】
本開示は、上記技術的解決手段の空気圧式ハンドルを含む歯科用エレベーターをさらに提供する。
【0009】
従来技術に比べ、本開示の提供する歯科用エレベーターの有益な効果は上記技術的解決手段の前記空気圧式ハンドルの有益な効果と同様であり、ここでは説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施例における歯科用エレベーターの構造概略図1である。
図2】本開示の実施例における歯科用エレベーターの構造概略図2である。
図3】本開示の実施例における歯科用エレベーターのロック部材の構造概略図1である。
図4】本開示の実施例における歯科用エレベーターのロックスリーブの側面図1である。
図5】本開示の実施例における歯科用エレベーターのロック部材の構造概略図2である。
図6】本開示の実施例における歯科用エレベーターのロック部材のチャックの側面図である。
図7】本開示の実施例における歯科用エレベーターのロックスリーブの側面図2である。
図8】本開示の実施例における歯科用エレベーターのロック部材の構造概略図3である。
図9】本開示の実施例における歯科用エレベーターのロック部材の構造概略図4である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示が解決しようとする技術的問題、技術的解決手段及び有益な効果をより明確にするために、以下は図面及び実施例を参照し、本開示をさらに詳細に説明する。ここで説明した具体的な実施例は本開示を説明するためだけであり、本開示を限定するものではないことが理解されたい。
【0012】
なお、素子が他の素子に「固定されている」又は「設けられている」と称される場合、それは他の素子に直接又は間接的にあってもよい。ある素子が別の素子に「接続されている」と称される場合、それは別の素子に直接又は間接的に接続されていてもよい。
【0013】
また、用語「第1」、「第2」は説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を指示若しくは暗示し、又は指示された技術的特徴の数を暗黙的に指示すると理解することができない。これにより、「第1」、「第2」で限定される特徴は明示的又は暗黙的に1つ又は複数の当該特徴を含むことができる。本開示の説明において、「複数」の意味は、別途明確に定義されない限り、2つ以上である。「若干」の意味は、別途明確に定義されない限り、1つ以上である。
【0014】
本開示の説明において、理解すべきものとして、用語の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などに指示された方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づき、単に本開示を説明し説明を簡略化するためであり、指している装置又は素子は特定の方位を有する必要があり、特定の方位で構成及び操作することを指示又は示唆せず、したがって本開示を限定するものとして理解することができない。
【0015】
本開示の説明において、説明すべきものとして、他に明確な規定及び限定がない限り、用語の「取り付ける」、「連結する」、「接続する」は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよく、直接接続してもよいし、中間媒体を介して間接接続してもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0016】
図1は、本開示の一実施形態によって提供される歯科用エレベーターの構造概略図を示す。図1に示すように、本開示によって提供される歯科用エレベーターは、空気圧式ハンドルと、空気圧式ハンドルに取り付けられたヘッドと、を含む。当該歯科用エレベーターは空気圧方式によりヘッドを制御し、歯科手術を行うことができ、実際の操作における歯科用エレベーターの安全性及び制御の容易性を向上させる。
【0017】
図1に示すように、本開示によって提供される空気圧式ハンドルはヘッド11と組み立てるために用いられる。当該空気圧式ハンドルはハンドルスリーブA、ロックモジュールB、ヘッド11をハンドルスリーブA内において伸縮するように駆動するための空気圧モジュール及び前記空気圧モジュールがヘッド11を駆動する打撃力値及び打撃頻度を制御するための弾性制御モジュールIを含む。
【0018】
図1に示すように、ヘッド11の一端はハンドルスリーブAの先端内に取り付けられ、ロックモジュールBはヘッド11をリミットするために用いられる。ロックモジュールBはハンドルスリーブAの先端に接続され、空気圧モジュールはハンドルスリーブA内に設けられる。
【0019】
図1に示すように、ロックモジュールBの拘束で、空気圧モジュールがヘッド11の一端を、ハンドルスリーブAから離脱しない状況で、ハンドルスリーブA内において運動するように駆動し、且つ当該運動はロックモジュールBによって所定の角度及び方向に限定される。弾性制御モジュールIは空気圧モジュールがヘッド11を駆動する打撃力値及び打撃頻度を制御するために用いられる。ヘッド11は、空気圧モジュール、ロックモジュール及び弾性制御モジュールIの制御下で動作でき、さらには歯科手術を実施する。
【0020】
以上から分かるように、図1に示すように、本開示の提供する空気圧式ハンドルにおいて、ヘッド11の一端はハンドルスリーブAの先端内に取り付けられ、空気圧モジュールはハンドルスリーブA内に設けられ、使用中に、空気圧モジュールはヘッド11を押し、ヘッド11を往復運動させる。且つ、ロックモジュールBはハンドルスリーブAの先端に接続され且つヘッド11を拘束し、ヘッド11を往復運動する過程においてハンドルスリーブAの先端から脱出しないようにし、ヘッド11が継続的に正常に動作することを保証する。また、空気圧モジュールがヘッド11を押す過程において、弾性制御モジュールIによるヘッド11に対する押圧力の大きさは、ヘッド11がハンドルに挿入し又はハンドルから延出する長さの大きさによって直感的に判断することができ、それにより使用者がヘッド11の衝撃力を調整制御し、一定の範囲内でヘッド11が生成する力値及び打撃頻度を調整することを容易にする。ロックモジュールBはハンドルスリーブAの先端に接続され、それはヘッド11をリミットすることができ、それによりヘッド11がハンドルスリーブAの先端の内部に取り付けられる場合、ロックモジュールBはヘッド11の運動方向及び運動距離を限定することができるだけでなく、さらに運動角度を限定することができる。以上から分かるように、本開示の提供する空気圧式ハンドルに対し、使用者はロックモジュールBと空気圧モジュールによってヘッド11が運動する最大距離及び打撃角度を調整することができ、また弾性制御モジュールIによってヘッド11の打撃力値及び打撃頻度を調整することができ、それにより歯科用エレベーターの安全性を向上させ、抜歯効率を向上させ、患者の治療体験を向上させる。
【0021】
可能な一実施形態では、図1に示すように、弾性制御モジュールIは、バネ6と、ヘッド11と接触するためのガスケット7と、を含む。バネ6及びガスケット7はいずれもハンドルスリーブA内に設けられ、且ついずれも空気圧モジュールとハンドルスリーブAの先端との間に位置する。バネ6の第1端は空気圧モジュールに接続され、バネ6の第2端はガスケット7に接続される。
【0022】
図1に示すように、使用者がハンドルに圧力を印加すると、ヘッド11はガスケット7をハンドルスリーブAの先端から離れる方向に移動させることで、ガスケット7に接続されたバネ6が圧縮され、変形が発生する。この時に使用者は押圧力の変化及びヘッド11がハンドルに挿入する長さの大きさに基づき、ヘッド11と空気圧モジュールとの距離を直感的に判断することができる。空気圧モジュールが運動中にヘッド11に生成する力値及び頻度は、低から高へ変化し、そして低へ変化する過程を有するため、使用者はヘッド11がハンドルの端部に挿入する距離、すなわちヘッド11と空気圧モジュールとの距離を制御することにより、歯科用エレベーターの衝撃力の力値及び頻度に対する制御を実現することができる。
【0023】
歯科用エレベーターの動作過程において、空気圧モジュールがヘッド11を打撃する力値及び頻度は打撃位置の変化(打撃位置が右から左へ)に伴って力値が小さく頻度が低いことから力値が大きく頻度が高くなるように、さらに力値が小さく頻度が高くなるような変化傾向を呈する。そのため、ガスケット7及びバネ6により空気圧モジュールによるヘッド11に対する打撃位置を制御し、打撃位置を右から左へ変化させる過程において、空気圧モジュールがヘッド11に対する衝撃力値及び頻度がまず徐々に増加し、続いて力値が減少し、頻度が増加し続ける。使用中に、使用者は力値曲線の一部又は全部を選択してハンドルに適用し、それによりヘッド11の打撃力値及び頻度の調整を実現する。
【0024】
可能な一実施形態では、図1に示すように、上記空気圧モジュールはシリンダ体4、ピストン体5及びシリンダ体4のキャビティに連通する空気源ジョイント1を含む。シリンダ体4はハンドルスリーブA内に設けられ、ピストン体5はシリンダ体4のキャビティ内に設けられる。シリンダ体4はハンドルスリーブAの先端に向かう開口を有する。空気源ジョイント1はハンドルスリーブAと螺着などの方式で接続することができる。シリンダ体4の前記開口に近い一端はハンドルスリーブAと密封接続することができる。バネ6の第1端はシリンダ体4に接続され、第2端はガスケット7に接続される。
【0025】
歯科用エレベーターの動作中に、使用者は空気源ジョイント1によりシリンダ体4に圧縮空気を供給して、圧縮空気によりピストン体5の運動を駆動し、ピストン体5はヘッド11を打撃し、それによりヘッド11の運動を実現する。なお、上記方式以外に、当業者は他の方式でピストン体5の運動を実現することができることを理解されたい。
【0026】
可能な一実施形態では、空気源ジョイント1及びハンドルスリーブAとシリンダ体4との間に吸気通路及び排気通路を構築して、ピストン体5の運動を実現することができ、以下、例示して説明する。
【0027】
図1に示すように、上記ハンドルスリーブAはアウトハンドルスリーブ2及びインナーハンドルスリーブ3を含み、インナーハンドルスリーブ3はアウトハンドルスリーブ2内に設けられ、且つアウトハンドルスリーブ2との間に外気道を形成する。シリンダ体4はインナーハンドルスリーブ3内に設けられ、且つインナーハンドルスリーブ3との間に内気道を形成する。空気源ジョイント1に第1空気孔12及び第2空気孔13が設けられている。第1空気孔12は外気道に連通し、第2空気孔13は内気道に連通する。理解されるように、インナーハンドルスリーブ3又はアウトハンドルスリーブ2のいずれであっても、その形状は円錐形とすることができる。インナーハンドルスリーブ3及びアウトハンドルスリーブ2は筒状構造であってもよい。本実施形態では、インナーハンドルスリーブ3がアウトハンドルスリーブ2の内部に設けられ且つアウトハンドルスリーブ2との間に外気道を形成すればよい。
【0028】
図1に示すように、ピストン体5にシリンダ体4のキャビティに連通するための気体輸送通路Cが設けられる。インナーハンドルスリーブ3に外気道と気体輸送通路Cを連通するための第1空気口14が設けられており、シリンダ体4の壁にシリンダ体4のキャビティと内気道を連通するための第2空気口15が設けられている。
【0029】
可能な一実施形態では、図1に示すように、気体輸送通路Cは第1開口16及び第2開口17を有する。第1開口16はピストン体5の側壁に位置し、第2開口17はピストン体5がハンドルスリーブAの先端から離れる一端に位置する。ここで、第1開口16は気体輸送通路Cの入口であり、第2開口17は気体輸送通路Cの出口であり、気流通路を形成する。
【0030】
可能な一実施形態では、第1空気口は前記シリンダ体がハンドルスリーブの先端に向かう一端に位置し、前記第1空気孔は排気孔であり、前記外気道は排気通路であり、前記第1空気口は排気口であり、前記第2空気孔は吸気孔であり、前記内気道は吸気通路であり、前記第2空気口は吸気口である。
【0031】
歯科用エレベーターの動作中に、圧縮空気は第2空気孔13を経由して内気道に入り、インナーハンドルスリーブに設けられた第2空気口15を経由してピストン体5とシリンダ体4の右端に形成された前部空間に入って、ピストン体5を左(シリンダ体がハンドルスリーブAの先端から離れる方向)へ運動するように推進する。且つ、シリンダ体4に入った圧縮空気は気体輸送通路Cを経由してピストン体5とシリンダ体4の左端に形成された後部空間に入ることができる。後部空間に入る圧縮空気が徐々に多くなるにつれて、後部空間の気体によるピストン体5に対する作用力は前部空間内の気体によるピストン体5に対する作用力より大きい場合、ピストン体5は後部空間内の圧縮空気に推進されて右(シリンダ体がハンドルスリーブAの先端に近づく方向)に運動し、それによりピストン体5をヘッド11の尾部を打撃するように駆動し、ヘッド11の運動を推進することを実現する。実際には、前部空間と後部空間の気体圧力は同じであり、しかしながら気体がピストン体に作用する面積に対して、後部面積は前部面積より大きく、したがって、後部空間は前部空間よりもピストン体に対する気体の圧力が大きくなり、それにより気体はピストン体を右に移動するように推進することができる。
【0032】
ピストン体5が右へ運動する過程において、ピストン体5における第1開口16がシリンダ体4から離れた後、後部空間内の圧縮空気は第2開口17及び第1開口16を経由して、シリンダ体4から流出することができ、最後に第1空気口14を経由して外気道に流入し、且つ第1空気孔12を経由して空気源ジョイント1の排気管路から排出される。シリンダ体4から圧縮空気が徐々に流出する過程において、ピストン体5の運動速度は徐々に低下する。空気圧モジュールは運動中にヘッド11に生成する力値及び頻度は低から高へ変化し、そして低へ変化する過程を有するため、使用者はハンドルに圧力を印加することができ、それにより、ヘッド11はガスケット7をハンドルスリーブの先端から離れる方向に移動させ、且つガスケット7に接続されるバネ6が圧縮され、変形が発生する。使用者はヘッド11がハンドルの端部に挿入する距離を制御することにより、すなわちヘッド11と空気圧モジュールとの距離を制御することにより、歯科用エレベーターの衝撃力の力値及び頻度に対する制御を実現することができ、それにより歯科用エレベーターを異なるタイプの歯科手術に適用可能にする。
【0033】
上記空気圧式ハンドルにより、ヘッド11にピストン体5の打撃で衝撃力を発生させ、それにより歯科手術を実施することができ、ただし、排気通路がインナーハンドルスリーブ3とアウトハンドルスリーブ2との間の外気通路であるため、上記空気圧式ハンドルは使用時の騒音が大きい。
【0034】
上記問題を解決するために、可能な一実施形態では、図2に示されるように、上記内気道は、互いに隔離された第1内気道セグメントD及び第2内気道セグメントEを含む。第1内気道セグメントD及び第2内気道セグメントEの第1端、すなわち右端は、インナーハンドルスリーブ3がシリンダ体4の開口に近い一端に位置する。外気道は第2内気道セグメントEに連通し、シリンダ体4の壁に第2内気道セグメントEとシリンダ体4のキャビティを連通するための第3空気口18が設けられている。第1空気孔12は吸気孔であり、外気道と第2内気道セグメントEは吸気通路を構成する。第2空気孔13は排気孔であり、第1内気道セグメントDは排気通路であり、第2空気口15は排気口であり、第1空気口14と第3空気口18はいずれも吸気口である。
【0035】
本実施形態では、歯科用エレベーターの動作中に、図2に示すように、圧縮空気はまず第1空気孔12を経由して外気道に入り、続いてインナーハンドルスリーブ上の第1空気口14を経由して第2内気道セグメントEに入り、最後に第3空気口18を経由してピストン体5とシリンダ体4の右端に形成された前部空間に入って、ピストン体5を左(シリンダ体がハンドルスリーブAの先端から離れる方向)へ運動するように推進する。前部空間に入る圧縮空気が徐々に多くなるにつれて、ピストン体5の側壁に開設された第1開口16がシリンダ体の内部に移動した後、前部空間における圧縮空気は第1開口16及び第2開口17を経由して後部空間に入る。後部空間に入る圧縮空気が徐々に多くなるにつれて、後部空間内の気体によるピストン体に対する作用力は前部空間内の気体によるピストン体に対する作用力より大きい場合、ピストン体5は後部空間内の圧縮空気に推進されて右(シリンダ体がハンドルスリーブAの先端に近づく方向)に運動する。それによりピストン体5がヘッド11の尾部を打撃し、ヘッド11の運動を推進することを実現する。
【0036】
図2に示すように、ピストン体5が右へ移動する過程において、先にピストン体に遮断された第2空気口15は徐々に後部空間に露出し、後部空間内の圧縮気体は第2空気口15を経由して第1内気道セグメントDに入り、且つ第1内気道セグメントDに連通する第2空気孔13から排出される。シリンダ体4から圧縮空気が徐々に流出する過程において、ピストン体5の運動速度は徐々に低下する。空気圧モジュールは運動中にヘッド11に生成する力値及び頻度は低から高へ変化し、そして低へ変化する過程を有するため、使用者はハンドルに圧力を印加することができ、それによりヘッド11はガスケット7をハンドルスリーブの先端から離れる方向に移動させ、且つガスケット7に接続されるバネ6が圧縮され、変形が発生する。使用者はヘッド11がハンドルの端部に挿入する距離を制御することにより、すなわちヘッド11と空気圧モジュールとの距離を制御することにより、歯科用エレベーターの衝撃力の力値及び頻度に対する制御を実現することができ、それにより歯科用エレベーターを異なるタイプの歯科手術に適用可能にする。本実施形態では、圧縮気体は、内気道を経由して排出され、これは歯科用エレベーターの動作の騒音を低減し、使用体験を最適化することができる。
【0037】
可能な一実施形態では、図1に示すように、ロックモジュールBはチャック10及びチャック10に設けられたロック部材を含む。チャック10はハンドルスリーブAの先端に設けられ、且つヘッド11を取り付けるための取り付け用貫通孔が開設されている。ロック部材はヘッド11を取り付け用貫通孔内に拘束するために用いられる。空気圧モジュールが初期状態にある時、ヘッド11はシリンダ体4がハンドルスリーブAの先端から離れる開口端に向かう方向に沿って取り付け用貫通孔から延出する。なお、ヘッド11はリミット溝を有し、当該リミット溝はロック部材に合わせて動作することにより、ヘッドを拘束するという目的を達成する。
【0038】
図1に示すように、チャック10はハンドルスリーブAの先端に螺着することができる。チャック10の中央部にヘッド11を取り付ける取り付け用貫通孔が開設されている。空気圧モジュールが初期状態にある時に、ヘッド11は左へ取り付け用貫通孔内に挿入し、且つ取り付け用貫通孔の左端から取り付け用貫通孔の外部へ延出する。チャック10における取り付け用貫通孔は、ヘッド11の運動角度及び方向を限定することができ、それにより空気圧式ハンドルは使用時により安全で、制御可能になる。ヘッド11による歯根膜に対する過度の破壊を防止するために、ロック部材はヘッド11の運動中に操作者がヘッド11の移動距離を合理的に制御できるように設計されており、それにより歯科用エレベーターの安全性を向上させる。
【0039】
可能な一実施形態では、図1に示すように、上記ロック部材はチャック10と相対的に運動するロックスリーブ8である。チャック10は取り付け部材及びリミットブロック9を含む。取り付け用貫通孔は取り付け部材に開設されている。取り付け部材に取り付け用貫通孔の側壁に位置する貫通溝が開設されている。貫通溝は取り付け用貫通孔に連通する。リミットブロック9は貫通溝内に設けられる。ロックスリーブ8は取り付け部材に嵌設されている。
【0040】
ロックスリーブ8は複数の異なるロック方式を有することができる。例えば、第1の例では、図1に示すように、ロックスリーブ8はハンドルスリーブAの端部に弾性接続され、且つチャック10と軸方向に沿って相対的に移動することができる。ロックスリーブ8はリミットブロック9の移動を制限することができる。具体的には、ロックスリーブ8はバネによってハンドルスリーブAの端部に接続することができ、バネ6が復帰動力を提供する。リミットブロック9は取り付け部材に開設された貫通溝内に位置し、ヘッド11のリミット溝と嵌合する。ピストン体5がヘッド11を打撃してヘッド11を右側(ハンドルの先端から離れる側)に運動させる過程において、リミットブロック9はヘッド11の運動距離を制限する。この場合に、ヘッド11の最大運動距離はヘッド11のリミット溝の長さに関連する。リミットブロック9の動作はバネによって復帰するロックスリーブ8によって制御される。ヘッド11を交換する時、左へロックスリーブ8を引っ張ると、ロックスリーブ8によるリミットブロック9に対するリミット作用がなくなり、リミットブロック9はヘッド11のリミット溝から離れることができ、この時にヘッド11はチャック10から離脱可能である。交換が完了した後、ロックスリーブ8を緩め、ロックスリーブ8はバネ6の作用で復帰する。ロックスリーブ8、リミットブロック9及び取り付け用貫通孔の側壁に位置する貫通溝により、ヘッド11は一定の距離範囲内に限定されて往復運動を行い、それにより歯科用エレベーターの安全性及び制御性を向上させる。また、ロックモジュールBにより、使用者はさらに異なる使用要求に応じて、適切なヘッド11を迅速且つ容易に交換することができる。
【0041】
第2の例では、図3及び図4に示すように、ロックスリーブ8を軸方向に沿う移動ロックから周方向に沿う回転ロックに変更することができる。当該ロックスリーブ8は復帰可能である。ロックスリーブ8の回転はねじりバネによって復帰することができ、減衰を増加することによって位置決めすることもできる。使用中に、使用者はロックスリーブ8をロック位置に回転することにより、リミットブロック9を固定し、それによりリミットブロック9はヘッド11に対して限定作用を果たすことができる。ヘッド11を交換する時、ロックスリーブ8を非ロック位置まで回転すればよい。この時に、リミットブロック9は可動的に取り付け部材に開設された貫通溝内に位置する。本例の提供する回転ロック方式は、使用者が、空気圧式ハンドルを操作する時に、誤ってロックスリーブ8を引っ張ることによるヘッド11が不意に脱出する現象を低減することができ、また、本例の提供する回転ロック構造は、さらにチャック10の直径を小さくすることに役立つ。
【0042】
第3の例では、図5図7に示すように、上記ロック部材はチャック10と相対的に移動可能なロックスリーブ8である。ロックスリーブ8は1つの突起Fを有する。突起Fはリミットブロック9に適合するリミット面を有する。本例はチャック10とロックスリーブ8との嵌合部分にリミット面を設けることにより、ロックスリーブ8の円周方向における回転を制御することを実現する。具体的には、ロックスリーブ8における突起Fのリミット面がリミットブロック9に接触すると、リミットブロック9はヘッド11に対して限定作用を果たす。ヘッド11を交換する必要がある場合、使用者はロックスリーブ8を引っ張ることにより、突起Fをリミットブロック9から離脱させることができる。本例の提供する引っ張りによるアンロック方式は、使用者が空気圧式ハンドルを操作する時に、誤ってロックスリーブ8を回転することによるヘッド11が不意に脱出する現象を低減することができ、また、本例の提供する回転ロック構造は、さらにチャック10の直径を小さくすることに役立つ。
【0043】
第4の例では、図8に示すように、上記ロック部材は押板機構19及びリミット機構Gを含む。押板機構19は回転可能にチャック10の外部に設けられる。押板機構19はチャック10に弾性接続され、且つ押板機構19は取り付け用貫通孔内に挿入可能なフックHを有する。フックHはヘッド11をリミットするために用いられる。理解されるように、チャック10に貫通溝が開設され、フックHを取り付け用貫通孔内に挿入させることができる。
【0044】
具体的には、図8に示すように、押板機構19のフックHはチャック10における貫通溝を経由して取り付け用貫通孔内に挿入し、ヘッド11のリミット溝と嵌合し、それによりヘッド11に対してリミットの役割を果たすことができる。リミット機構Gはリミット部材20及び復帰バネ21を含むことができる。復帰バネ21はチャック10と押板機構19に接続される。例示的に、リミット部材20はリミットピンであってもよい。復帰バネ21はリミットピンの下側(取り付け用貫通孔に近い側)に固定接続することができる。使用中に、ヘッド11が取り付け用貫通孔に挿入する時に、ヘッド11は押板機構19の取り付け用貫通孔に挿入するフックHを押し上げることができる。ヘッド11におけるリミット溝がフックHと係合すると、ロックを実現し、ヘッドの運動距離を制限する。ヘッド11を取り外し、交換する時に、使用者は押板機構19のフロントエンド(図8において、押板機構19の右端)を押し下げ、フックHはヘッド11のリミット溝から離れ、この時ヘッド11はロックが解除され、チャック10から抜き又ははじき出すことができる。本例の提供する構造に基づき、ヘッド11は直接チャックに挿入すればロックすることができ、使用者は押板機構19を押圧すればロックを解除することができ、ヘッド11を取り出すことができる。上記操作が簡単で便利であり、ヘッド11の取り付けと取り外しが便利である。
【0045】
第5の例では、図9に示すように、チャック10は、チャックコア22と、締め付けスリーブ23と、を含む。チャックコア22の第1端はハンドルスリーブの先端に接続され、チャックコア22の第2端は締め付けスリーブ23に回転可能に接続される。取り付け用貫通孔はハンドルスリーブの先端に近い第1貫通孔セグメント及び第2貫通孔セグメントを含む。第1貫通孔セグメントはチャックコア22に開設され、第2貫通孔セグメントは締め付けスリーブ23に開設される。ロック部材は第1貫通孔セグメント内に設けられる。チャックコア22の外壁に取り付け溝が開設されている。チャック10は取り付け溝に弾性接続されたシフトブロック24をさらに含む。締め付けスリーブ23の内壁にシフトブロック24と嵌合する複数のシフト溝が設けられ、複数のシフト溝は締め付けスリーブ23の周方向に間隔を置いて分布する。
【0046】
具体的には、図9に示すように、チャックコア22の第2端はねじ山によって締め付けスリーブ23に接続することができる。チャック10の回転過程において、第1貫通孔セグメントと第2貫通孔セグメントとの軸方向平行又はずれによりロックとアンロックの過程を実現し、それによりヘッド11の運動範囲を制限する。第1貫通孔セグメントと第2貫通孔セグメントが平行である場合(すなわちアンロック状態である場合)、ヘッド11を挿入し引き抜くことができ、ヘッド11の交換を実現する。第1貫通孔セグメントと第2貫通孔セグメントとがずれている場合(すなわちロック状態である場合)、ヘッド11はチャック10内にロックされる。チャック10が回転すると、第2貫通孔セグメントの右端面のピストン体5に対する位置が変化し、それにより第2貫通孔セグメントの右端面によって位置決めされるヘッド11とピストンロッド5の打撃位置が変化し、さらに弾性制御モジュールIが打撃力値及び頻度変化を制御する機能を実現する。
【0047】
上記実施形態の説明において、具体的な特徴、構造、材料又は特性はいずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。
【0048】
以上に記載の内容は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者が本開示に開示された技術的範囲内で容易に想到し得る変更又は置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれる。したがって、本開示の保護範囲は前記請求項の保護範囲を基準とすべきである。
符号の説明
1...空気源ジョイント、2...アウトハンドルスリーブ、3...インナーハンドルスリーブ、4...シリンダ体、5...ピストン体、6...バネ、7...ガスケット、8...ロックスリーブ、9...リミットブロック、10...チャック、11...ヘッド、12...第1空気孔、13...第2空気孔、14...第1空気口、15...第2空気口、16...第1開口、17...第2開口、18...第3開口、19...押板機構、20...リミット部材、21...復帰バネ、22...チャックコア、23... 締め付けスリーブ、24...シフトブロック、A...ハンドルスリーブ、B...ロックモジュール、C...気体輸送通路、D...第1内気道セグメント、E...第2内気道セグメント、F...突起、G...リミット機構、H...フック、I...弾性制御モジュール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドと組み立てるための空気圧式ハンドルであって、前記空気圧式ハンドルは、
ハンドルスリーブであって、前記ハンドルスリーブの先端の内部に前記ヘッドの一端が取り付けられるハンドルスリーブと、
前記ヘッドをリミットするためのロックモジュールであって、前記ハンドルスリーブの先端に接続されるロックモジュールと、
前記ヘッドを前記ハンドルスリーブ内において伸縮するように駆動するための空気圧モジュールであって、前記ハンドルスリーブ内に設けられる空気圧モジュールと、
前記空気圧モジュールが前記ヘッドを駆動する打撃力値及び打撃頻度を制御するための弾性制御モジュールであって、前記ハンドルスリーブ内に設けられ、前記空気圧モジュールと前記ハンドルスリーブの先端との間に位置する弾性制御モジュールと、を含み、
前記空気圧モジュールはシリンダ体、ピストン体及び前記シリンダ体のキャビティに連通する空気源ジョイントを含み、前記シリンダ体は前記ハンドルスリーブ内に設けられ、前記ピストン体は前記シリンダ体のキャビティ内に設けられ、前記シリンダ体は前記ハンドルスリーブの先端に向かう開口を有し、
前記ハンドルスリーブはアウトハンドルスリーブ及びインナーハンドルスリーブを含み、前記インナーハンドルスリーブは前記アウトハンドルスリーブ内に設けられ、且つ前記アウトハンドルスリーブとの間に外気道を形成し、前記シリンダ体は前記インナーハンドルスリーブ内に設けられ、且つ前記インナーハンドルスリーブとの間に内気道を形成し、前記空気源ジョイントに第1空気孔及び第2空気孔が設けられており、前記第1空気孔は前記外気道に連通し、前記第2空気孔は前記内気道に連通し、
前記ピストン体に前記シリンダ体のキャビティに連通するための気体輸送通路が設けられ、前記インナーハンドルスリーブに前記外気道と前記気体輸送通路を連通するための第1空気口が設けられており、前記シリンダ体の壁に前記シリンダ体のキャビティと前記内気道を連通するための第2空気口が設けられており、
前記気体輸送通路は第1開口及び第2開口を有し、前記第1開口は前記ピストン体の側壁に位置し、前記第2開口は前記ピストン体が前記シリンダ体の前記開口から離れる一端に位置し、前記内気道は互いに隔離された第1内気道セグメント及び第2内気道セグメントを含み、前記第1内気道セグメント及び前記第2内気道セグメントの第1端は前記インナーハンドルスリーブが前記シリンダ体の前記開口に近い一端に位置し、前記外気道は前記第2内気道セグメントに連通し、前記シリンダ体の壁に前記第2内気道セグメントと前記シリンダ体のキャビティを連通するための第3空気口が設けられており、前記第1空気孔は吸気孔であり、前記外気道と前記第2内気道セグメントは吸気通路を構成し、前記第2空気孔は排気孔であり、前記第1内気道セグメントは排気通路であり、前記第2空気口は排気口であり、前記第1空気口と前記第3空気口はいずれも吸気口であることを特徴とする空気圧式ハンドル。
【請求項2】
前記弾性制御モジュールは、バネと、前記ヘッドと接触するためのガスケットと、を含み、前記バネと前記ガスケットはいずれも前記ハンドルスリーブ内に設けられ、前記バネ及び前記ガスケットはいずれも前記空気圧モジュールと前記ハンドルスリーブの先端との間に位置し、前記バネの第1端は前記空気圧モジュールに接続され、前記バネの第2端は前記ガスケットに接続されることを特徴とする請求項1に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項3】
前記ロックモジュールは、
チャック及び前記チャックに設けられたロック部材を含み、前記チャックは前記ハンドルスリーブの先端に設けられ、前記チャックに前記ヘッドを取り付けるための取り付け用貫通孔が開設されており、前記ロック部材は前記ヘッドを前記取り付け用貫通孔内に拘束するために用いられ、
前記空気圧モジュールが初期状態にある時、前記ヘッドの端部は前記取り付け用貫通孔内に挿入し、且つ前記弾性制御モジュールに接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項4】
前記ロック部材は前記チャックと相対的に運動するロックスリーブであり、前記チャックは取り付け部材及びリミットブロックを含み、前記取り付け用貫通孔は前記取り付け部材に開設されており、前記取り付け部材に前記取り付け用貫通孔の側壁に位置する貫通溝が開設されており、前記貫通溝は前記取り付け用貫通孔に連通し、前記リミットブロックは前記貫通溝内に設けられ、前記ロックスリーブは前記取り付け部材に嵌設されていることを特徴とする請求項に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項5】
前記ロックスリーブは前記ハンドルスリーブの先端に弾性接続され、又は、
前記ロック部材は前記チャックと相対的に回転可能なロックスリーブであり、前記ロックスリーブは1つの突起を有し、前記突起は前記リミットブロックに適合するリミット面を有することを特徴とする請求項に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項6】
前記ロック部材は押板機構及びリミット機構を含み、前記押板機構が前記リミット機構により回転可能に前記チャックの外部に設けられ、前記押板機構が前記取り付け用貫通孔内に挿入可能なフックを有し、前記フックは前記ヘッドをリミットするために用いられことを特徴とする請求項に記載の空気圧式ハンドル。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の空気圧式ハンドルを含む歯科用エレベーター。
【国際調査報告】