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▶ サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】カプセル切削用ナイフ
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/22 20060101AFI20230428BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20230428BHJP
   B26D 3/08 20060101ALI20230428BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
B26F1/22 ZAB
B26D3/00 601D
B26D3/08 Z
B26D7/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515957
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 IB2021052304
(87)【国際公開番号】W WO2021186403
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】102020000005920
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ペナッツィ,ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェントゥリーニ,マッテオ
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
【Fターム(参考)】
3C021JA10
3C060AA04
3C060AB02
3C060BA03
3C060BB03
3C060BB08
3C060BB19
3C060BC01
3C060BC26
3C060BG16
3C060BH01
(57)【要約】
カプセル7に切開線及び切削部を得るナイフ100;100’は、回転軸R中心の回転でカプセル7が前進方向Tの経路で移動してカプセルの側壁70を切削及び切開する層状構造の切削工具を備える。切削工具は、平面Pに平行でそれに直交する垂直軸Z方向に積み重さなる。層状構造は、カプセル内のタンパー・リング72画定のため垂直軸Zの第1高さで側壁を円周方向切削する第1水平切削工具10、垂直軸Zの第1高さと異なる第2高さで側壁を円周方向切削する第2水平切削工具20、及び側壁70を斜めに切削しタンパー・リングと側壁を接続する接続部分74a、74bを決定する第3切削工具30;30’を含む。第3切削工具は、異なる傾斜の刃先32a、34;32a’、34’を含む。傾斜は、垂直軸を通過し前進方向Tに接する基準面を示す。第3切削工具は、第1及び第2水平切削工具間に介在し、別の第3の切削工具との交換で接続部分の別形状を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削装置に取り付けられて、容器を閉じるように意図されたプラスチック製のカプセル(7)上に切開線及び切削部を得るように構成されるナイフ(100;100’)であって、回転軸(R)を中心に回転することによって前記カプセル(7)が前進方向(T)に前記ナイフ(100;100’)と相互作用する経路に沿って移動されるときに前記カプセル(7)の側壁(70)において切削及び切開を行うのに適しており、層状構造に配置された複数の切削工具を備え、前記切削工具は、平面(P)に平行であり、かつ前記平面(P)に直交する垂直軸(Z)の方向に積み重ねられ、前記層状構造は、
-前記カプセル(7)内にタンパー・リング(72)を画定するために、前記垂直軸(Z)の第1の高さで前記側壁(70)に円周方向の切削を実行するように配置された第1の水平切削工具(10)と、
-前記垂直軸(Z)の前記第1の高さとは異なる第2の高さで、前記側壁(70)にさらなる円周方向の切削を実行するように配置された第2の水平切削工具(20)と、
-前記側壁(70)に斜めの切削を実行し、使用時に、前記第2の水平切削工具(20)及び前記第1の水平切削工具(10)と共に、前記タンパー・リング(72)と前記側壁(70)とを接続する接続部分(74a、74b)を決定するように配置された第3の切削工具(30;30’)と
を含み、
前記第3の切削工具(30;30’)は、互いに異なる傾斜を有する少なくとも2つの傾斜した刃先(32a、34;32a’、34’)を含み、前記傾斜は、前記垂直軸(Z)を通過し、前記カプセル(7)の前記前進方向(T)に接する基準面を示し、前記第3の切削工具(30;30’)は、前記第1の水平切削工具(10)と前記第2の水平切削工具(20)との間に介在し、前記第3の切削工具(30;30’)は、異なる第3の切削工具と交換されて前記接続部分(74a、74b)の異なる形状を得るために、前記層状構造から分解されるように構成されることを特徴とする、ナイフ(100;100’)。
【請求項2】
前記第1の水平切削工具(10)は、
-第1の下面(14)及び第1の上面(15)であって、前記第1の上面(15)が前記第3の切削工具(30;30’)に接触するように成形されている、第1の下面及び第1の上面と、
-複数の第1の水平刃先(12a、12b、12c)が自由端に設けられた複数の第1のブレード(11a、11b、11c)と
を含み、
前記第1のブレード(11a、11b、11c)は1つまたは複数の第1の凹部(16a、16b)によって離隔されている、請求項1に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項3】
前記第2の水平切削工具(20)は、
-第2の下面(24)及び第2の上面(25)であって、前記第2の下面(24)が前記第3の切削工具(30、30’)に接触するように成形されている、第2の下面及び第2の上面と、
-前記平面(P)に平行な第2の平面に沿って延在する複数の第2の水平刃先(22a、22b)が自由端に設けられた複数の第2のブレード(21a、21b)と
を含み、
前記第2のブレード(21a、21b)は、1つまたは複数の第2の凹部(26)によって離隔されている、請求項1または2に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項4】
前記第3の切削工具(30;30’)が、第3の下面(37;37’)及び第3の上面(38;38’)を備え、前記第3の下面(37;37’)は前記第1の水平切削工具(10)に接触するように成形され、前記第3の上面(38;38’)は前記第2の水平切削工具(20)に接触するように成形される、請求項1から3のいずれか一項に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項5】
前記少なくとも2つの傾斜した刃先(32a、34;32a’、34’)のうちの1つの傾斜した刃先が上側にあるそれぞれのブレード(31a、33;31a’、33’)が、前記第3の下面(37;37’)の下に延び、それぞれの支持突起(39a、39b;39a’、39b’)によって支持され、前記支持突起(39a、39b;39a’、39b’)が前記第3の下面(37;37’)から前記第3の下面(37;37’)の下に突出する、請求項4に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項6】
前記それぞれの支持突起(39a、39b;39a’、39b’)が、前記1つまたは複数の第1の凹部(16a、16b)に収容されるように成形されている、請求項4が請求項2に付されているとき請求項5に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項7】
前記少なくとも2つの傾斜した刃先(32a、34;32a’、34’)のうちの1つの傾斜した刃先が上側にあるそれぞれのブレード(33;33’)が、前記第3の上面(38;38’)の上方に延在し、それぞれの支持突起部(39c’)によって支持され、前記支持突起部(39c’)は前記第3の上面(38;38’)から前記第3の上面(38;38’)の上方に突出する、請求項4から6のいずれか一項に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項8】
前記それぞれの支持突起部(39c’)が、前記1つまたは複数の第2の凹部(26)に収容される、請求項4が請求項3に付されているとき請求項7に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項9】
前記少なくとも2つの傾斜した刃先(32a、34;32a’、34’)は、反対の傾斜を有し、負の傾斜を有する第3の刃先(32a;32a’)と、正の傾斜を有する第3の刃先(34;34’)とをそれぞれ備え、前記負の傾斜は、その上端が前記前進方向(T)に沿ってその下端に対して後退している刃先に対応し、その逆も同様であり、前記正の傾斜は、その上端が前記前進方向(T)に沿ってその下端に対して前進している刃先に対応する、先行請求項のいずれかに記載のナイフ(100;100’)。
【請求項10】
前記正の傾斜を有する第3の刃先(34;34’)が、前記前進方向(T)に沿って前記負の傾斜を有する第3の刃先(32a;32a’)の下流に配置される、請求項9に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項11】
前記第3の切削工具(30;30’)は、前記2つの傾斜した刃先(32a、34;32a’、34’)に加えて、前記前進方向(T)に沿って前記2つの傾斜した刃先(32a、34;32a’、34’)の下流に配置されたさらなる第3の傾斜した刃先(32b、32c;32b’;32c’)をさらに含む、先行請求項のいずれかに記載のナイフ(100;100’)。
【請求項12】
前記さらなる第3の傾斜した刃先(32b、32c;32b’;32c’)が、前記基準面において負の傾斜を有し、前記負の傾斜が、前記前進方向(T)に沿って下端に対して後退した上端を有する刃先に対応する、請求項11に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項13】
前記さらなる第3の傾斜した刃先(32b’)が、前記第3の上面(38;38’)の上方に延在し、前記第3の上面(38;38’)から前記第3の上面(38;38’)の上方に突出するそれぞれの突出部(39c’)によって支持されるそれぞれの傾斜したブレード(31b’)上に得られる、請求項11が請求項4に付されているとき請求項11または12に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項14】
前記突出部(39c’)が前記支持突起部(39c’)内に得られる、請求項11が請求項7または8に付されているとき請求項13に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項15】
前記第3の切削工具(30;30’)が、前記前進方向(T)に沿って負の傾斜を有する前記さらなる第3の傾斜した刃先(31b;31b’)の下流に配置された、負の傾斜を有するさらにさらなる第3の傾斜した刃先(32c;32c’)をさらに備え、前記負の傾斜が、前記前進方向(T)に沿ってその下端に対してその上端が後退した刃先に対応する、請求項12から14のいずれか一項に記載のナイフ(100;100’)。
【請求項16】
前記少なくとも2つの傾斜した刃先(32a、34;34,32b;32a’、34’;34’、32b’)が、前記傾斜した刃先(32a、34;34,32b;32a’、34’;34’、32b’)が前記側壁(70)で実行する前記それぞれの斜めの切削の間にプラスチック材料で作られたブリッジを形成するように、予め設定された距離(35)だけ離れて配置されたそれぞれの下端及び/またはそれぞれの上端を含む、先行請求項のいずれかに記載のナイフ(100;100’)。
【請求項17】
前記少なくとも2つの傾斜した刃先(32a、34;32a’、34’)が、予め設定された距離だけ離れて配置されたそれぞれの下端部を備え、前記層状構造のさらなる切削工具(40)のさらなるブレード(41)が、前記それぞれの下端部の間に挿入される、先行請求項のいずれかに記載のナイフ(100’)。
【請求項18】
前記層状構造に配置された前記複数の切削工具が、前記垂直軸(Z)の前記第1の高さよりも低い高さで前記側壁(70)にさらなる円周方向の切削を実行するために前記第1の水平切削工具(10)の下方に配置された第4の水平切削工具(40)をさらに備える、先行請求項のいずれかに記載のナイフ(100’)。
【請求項19】
前記第4の水平切削工具(40)は、
-下部第4の面(44)及び第4の上面(45)であって、前記第4の上面(44)が前記第1の水平切削工具(10)と接触するように成形されている、下部第4の面及び第4の上面と、
-自由端に第4の水平刃先(42)が設けられた第4のブレード(41)と
を含み、
前記第4のブレード(41)は、前記さらなるブレードである、請求項17に付されるとき請求項18に記載のナイフ(100’)。
【請求項20】
前記層状構造に配置された前記複数の切削工具が、前記第2の水平切削工具(20)の上方に配置されて前記垂直軸(Z)の前記第2の高さより上の高さで前記側壁(70)にさらなる円周方向の切削を実行する第5の水平切削工具(50)をさらに備える、先行請求項のいずれかに記載のナイフ(100’)。
【請求項21】
前記第5の切削工具(50)は、
-第5の下面(54)及び第5の上面(55)であって、前記第5の下面(54)が前記第2の水平切削工具(20)と接触するように成形されている、第5の下面(54)及び第5の上面と、
-第5の刃先(52)が自由端に設けられた第5のブレード(51)と
を含み、
前記第5のブレード(51)は、前記支持突起部(39c’)上に載置される、請求項7または8に付されるとき請求項20に記載のナイフ(100’)。
【請求項22】
前記第3の切削工具(30;30’)は、前記少なくとも2つの傾斜した刃先(32a、34;32a’、34’)に加えて、使用時に前記タンパー・リング(72)と前記側壁(70)とを接続する3つの接続部分または4つの接続部分を決定するように配置されたさらなる刃先を含む、先行請求項のいずれかに記載のナイフ(100;100’)。
【請求項23】
前記構造の前記複数の切削工具が、前記第1の水平切削工具(10)、前記第2の水平切削工具(20)、及び前記第3の切削工具(30;30’)と協働し、存在する場合には前記追加の刃先とも協働して、使用時に、前記タンパー・リング(72)と前記側壁(70)とを接続する3つの接続部分または4つの接続部分を決定するように配置された追加の切削工具をさらに含む、先行請求項のいずれかに記載のナイフ(100;100’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばボトルなどの容器を閉じるために使用されるタイプのプラスチック製のカプセルまたはクロージャまたはキャップを切削するためのナイフに関する。特に、本発明は、カプセルの側壁を切削するように構成されたナイフに関し、そのような側壁に、タンパー・ストリップまたはリングと、タンパー・ストリップまたはリングをカプセルの異なる部分、例えばスカート、すなわちカプセルの閉鎖端を有する側壁の一部に接続するブレースまたはヒンジとしても知られる1つまたは複数の接続部分とを得るようになっている。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製の物体を設計することは、リサイクル可能な材料の選択及び使用後の物体の回収に向けていっそう指向されている。したがって、容器が開かれた後であってもそのタンパー・リングにクロージャを保持することを可能にするブレースを備えたクロージャは、容器クロージャ産業においてさえいっそう高い需要がある。
【0003】
使用時に、容器を閉じるために、例えばボトルなどの容器の口部に、タンパー・ストリップ及びブレースが設けられたキャップが適用されると、タンパー・ストリップは、容器の本体が設けられた2つの環状突起の間に一般に画定された座部に配置され、それがタンパー・リングの軸方向移動を制限する。クロージャのねじを緩めると、容器が開かれ、タンパー・ストリップがその座部に保持され、ブレースは、クロージャの閉鎖端部が容器の口部から離れて移動した後であっても、タンパー・リング、したがってボトルに結合されたカプセルを保持する。
【0004】
これにより、タンパー・リングをクロージャと共にボトルから同時に、すなわちクロージャのプラスチック材料を回収したい場合に分離できるとすると、プラスチックの効果的なリサイクルが可能になる。さらに、容器を開いた後であっても、クロージャをタンパー・リングに接続したままにすることは、カプセルが環境に分散するのを防止するのに寄与する。
【0005】
カプセルの側壁のブレースは、主に、2つのタイプの処理作業に従って、つまりブレースの形成、すなわちブレースを形成するように適切に成形された成形型を設けることによって、または先に形成されたカプセルの側壁の切削、すなわち切削及び切開の配置を設けることによって得られる切削及び切開は、カプセルの側壁の残りの部分から部分的に取り外し可能な側壁の部分を決定し、側壁のそのような部分は、タンパー・リング以外の接続部分またはブレースを画定する。カプセルを形成するための金型の特定の形状と、形成後にカプセル上に得られる所定の形状の切削とを組み合わせたブレースを製造するための技術も知られている。
【0006】
タンパー・ストリップと、カプセルの側壁の残りの部分、すなわちスカートとの間の脆弱化及び優先的分離のための円周の線を決定するように、その側壁のカプセルを切削または切開するのに適したナイフを備える切削デバイスが知られている。このようなタイプの切削は、水平切削という名称でも知られている。
【0007】
例えば、カプセルから残留物を除去するための洗浄手段のためのタンパー・ストリップまたはアクセスポイントの脆弱化領域を得るために、カプセルの軸に実質的に平行な方向に従ってカプセルの側壁を1つまたは複数の点または領域で切削及び切開するのに適した切削デバイスも知られている。このようなタイプの切削は、垂直切削という名称でも知られている。
【0008】
カプセルの半径方向位置に水平切削と垂直切削の両方で側壁を切開するのに適した切削デバイスも知られている。後者の切削デバイスは、概して、水平切削用のナイフを備え、その下流には、垂直切削によってカプセルを切開するための垂直ブレードを備えたインサートが配置される。
【0009】
接続部分またはブレースを得るための様々なブレードを含むナイフを有する切削デバイスも知られている。
【0010】
上述の様々な切削デバイスには、特定の切削形状及びカプセルの特定の寸法のために製造されたナイフが設けられている。これは、カプセルの製造業者が、カプセル製造バッチを変更する必要が生じるたびに切削デバイスに装備するため多数のナイフを調達し、その倉庫に保管しなければならないことを伴う。さらに、切削デバイスに新しいナイフを装備しなければならないことは、かなりの機械のダウンタイムを必要とし、これは高い生産コストを伴う。さらに、ブレースを得るために使用されるナイフは構造的に複雑であり、多数の部品を必要とし、これらは着用後に交換されなければならず、したがって、このような複雑な構造を有するキャップを製造することは製造コストを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、カプセル切削装置用の公知のタイプのナイフを改良することである。
【0012】
本発明の別の目的は、プラスチックカプセルの側壁のブレースまたは他の要素に切開を行うための、比較的単純な構造を有するカプセル切削装置用のナイフを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、様々な切削形状の切開をするためにわずかな変形を伴って使用することができる、公知のナイフよりも用途が広いナイフを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、付された特許請求の範囲によって定義されるナイフが提供される。
【0015】
本発明により、異なる傾斜に従って切削プロファイルが配置された切削工具を重ね合わせることによって、程度の差はあるが複雑な幾何学的形状を有する切開を行う層状構造を有するナイフを設けることが可能である。
【0016】
本発明により、層状構造に切削工具を追加及び/または交換することによって、カプセルに適用される切削形状を多様にすることを可能にする1つまたは複数の組み立て構成を提供することが可能である。
【0017】
これにより、同じナイフを使用して切削の形状を多様にすること、またはその中の限られた数の構成要素を交換することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、本発明のいくつかの実施形態が非限定的な例として示されている添付の図面を参照することにより、よりよく理解され、実施することができる。
図1】カプセル切削用のナイフの第1の実施形態の斜視図である。
図1A】2つの貫通孔を示す、図1のナイフの平面部分図である。
図2】第1の切削工具、第2の切削工具、及び第3の切削工具を示す、図1の詳細の図である。
図3】第1の切削工具を示す図1の詳細の図である。
図4】第2の切削工具を示す図1の詳細の図である。
図5】第3の切削工具を示す図1の詳細の図である。
図6図1のナイフのブレードの配置の概略図である。
図7A】カプセルの閉鎖構成における、図1のナイフによって切開されたカプセルの側壁の円筒状の投影図である。
図7B】カプセルの開放構成における、図1のナイフによって切開されたカプセルの側壁の円筒状の投影図である。
図8】第2の実施形態によるナイフのブレードの配置の概略図である。
図9A】カプセルの閉鎖位置にある、図8のブレードの配置を有するナイフによって切開されたカプセルの側壁の円筒状の投影図である。
図9B】カプセルの開封位置における、図8のブレードの配置を有するナイフによって切開されたカプセルの側壁の円筒状の投影図である。
図10図8のブレードの配置を有するカプセル切削用のナイフの第2の実施形態の斜視図である。
図10A】2つの貫通孔を示す、図10のナイフの平面部分図である。
図11】第1の切削工具、第2の切削工具、さらなる第3の切削工具、第4の切削工具及び第5の切削工具を示す、図10の詳細の図である。
図12】第4の切削工具及び第5の切削工具を示す、図10の詳細の図である。
図13】さらなる第3の切削工具を示す、図10の詳細の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図6図7A図7Bを参照して、カプセルまたはキャップまたはクロージャを切開するためのナイフ、すなわちカプセル7の側壁70を切削または切開するように構成されたナイフ100の第1の実施形態を説明する。カプセル7は、プラスチック製であり、例えばボトルなどの容器を閉じるように設計されている。カプセル7は、カップの形状の本体を有し、閉鎖端8及び開放端9を備える。
【0020】
ナイフ100は、切削装置に取り付けられて、カプセル7上に切開線及び切削を得るように構成される。
【0021】
「切削」または「溝」という用語は、穿孔切削、すなわちナイフの作用によって材料の連続性が中断された貫通スリットが設けられたカプセル7の領域を示すために使用される。「切開」という用語は、材料の連続性を中断することなく、所与の深さまでの材料へのナイフの貫通によって引き起こされる薄い厚さを側壁70が有するカプセル7の領域を示すために使用される。
【0022】
ナイフ100は、第1の切削工具10と、第2の切削工具20と、第3の切削工具30とを備える。ナイフ100は、第1の切削工具10と第2の切削工具20との間に第3の切削工具30が配置された積層構造を有する。第1の切削工具10、第3の切削工具30及び第2の切削工具20は、後述するように、取り外し可能なアセンブリで互いに積み重ねられる。ナイフ100は、例えばねじ手段またはボルト手段などの図示されていない締結手段によって切削装置のフレームに取り外し可能に固定され、これによりさらに、切削工具10、20、30を互いにクランプして取り外し可能に固定することができる。図1を参照すると、切削工具10、20、30の各々は、特に、締結手段を受け入れるように配置された貫通型の少なくとも1つの穴91、92を備え、それにより、上から下への工具の積み重ね順に基づいて、前記切削工具10、20、30を層状構造から取り外すか、または層状構造に挿入することができる。図1Aを参照すると、少なくとも1つの穴91、92は、特に平面Pに平行な平面で、互いに独立して切削工具10、20、30の位置調整を可能にするように配置された少なくとも1つの偏心穴またはスロット92を含むことができる。少なくとも1つの穴91、92は、特に、各切削工具10、20、30の選択的な除去を可能にして、追加の切削工具の除去及び/または挿入を可能にし、例えば工具を摩耗した刃先と交換したり、刃先の配置を変更したりする。例えば、第3の切削工具30のみを交換し、第1の切削工具または第2の切削工具を交換することなく層状構造を復元することができる。
【0023】
ナイフ100の層状構造は、以下では刃先60の配置として示されるナイフ100の切削部分を画定する。本明細書では、刃先の配置という表現は、ナイフ100がカプセルを切開及び切削するための切削装置に取り付けられたときにナイフがカプセル7に切削及び/または切開を行うことを可能にする、ナイフが設けられる様々な形状及びサイズの刃先の配置または刃先の組を示すために使用される。
【0024】
図8図13を参照すると、ナイフの第2の実施形態、すなわちナイフ100’が示されている。ナイフ100’とナイフ100との間の違いは、2つの切削工具、すなわち第4の切削工具40及び第5の切削工具50を追加すること、ならびに切削工具30をさらなる切削工具30’に置き換えることにある。そのような層状構造は、ナイフ100’の切削部分、すなわち刃先60’の配置を画定する。
【0025】
ナイフ100、100’は、カプセル7内に(図7A図7B図9A図9B)タンパー・ストリップまたはリング72を形成するのに適している。ナイフ100、100’は、タンパー・リング72と側壁70との間に接続部分74a、74bを形成するのに適している。カプセル7の本体は、容器を開封して内容物を利用するために適用された容器の口部からカプセル7が取り外された場合、すなわちカプセルが開放構成D(図7B図9B)にある場合でも、カプセル7が接続部分74a、74bによってタンパー・リング72に接続されたままである。
【0026】
切削装置内のナイフ100、100’は、カプセル7の軸に平行または一致する回転軸Rの周りでカプセルを回転させることによって、カプセル7を把持する回転スピンドル(図示せず)と協働する。回転スピンドルは、カプセル7の側壁70をナイフ100、100’の切削部分に接触させ、ナイフ100、100’の切削部分に対してカプセルを回転させることによって、カプセル7を前進方向Tに、実質的に円周の円弧状の経路に沿って移動させ、カプセル7を回転軸R上で回転させる。公知のように、スピンドルまたは切削部分に対してカプセルが滑り得ることは望ましくない。
ナイフ100、100’の切削部分の刃先60、60’の配置に応じて、カプセル7の側壁70に対応する切開がある。換言すれば、刃先60、60’のそのような配置は、カプセル7の側壁70に負の様式で示されている。
【0027】
図1及び図10を参照すると、カプセル7の前進方向T及び回転方向Rは単なる指標であり、カプセル7に対するナイフ100、100’の効果は、カプセルの前進方向T及び回転方向Rの両方が反転した状態で得ることができるものに等しいことに留意されたい。
【0028】
図6図8図7B図9Bを参照すると、刃先60、60’の配置は、切削及び切開動作後の側壁70、すなわちスカート71及びタンパー・ストリップまたはリング72を画定する。以下の説明では、「スカート」という用語は、閉鎖端8を有する側壁部分70に関連し、「タンパー・ストリップ」または「タンパー・リング」という表現は、実質的に環状の開放端9を有する側壁部分70に関連する。
【0029】
スカート71及びタンパー・ストリップ72は、複数の接続部分またはブレース74a、74bによって、及び複数のブリッジ73、すなわち容器のクロージャにより改ざんを証明するためにカプセル7が適用される容器の第1の開口部で使用者によって壊れることを意図したプラスチック材料製の要素によって、互いに接続される。
【0030】
特に図7A及び図9Aを参照すると、側壁70が表示平面上で広げられて示されているカプセル7が、閉鎖構成C上に現れ、それにおいては、ブリッジ73が、全体的であり、タンパー・ストリップ72をスカート71に結合するためにブレース74a、74bに共に寄与する。容器に適用される前またはその適用後、及び容器が最初に開かれてカプセルが作動される前に、カプセルによって閉鎖構成Cがなされる。
【0031】
特に図7B及び図9Bを参照すると、側壁70が表現平面上で広げられて示されているカプセル7は、開放構成Dに現れ、それにおいてはブリッジ73が破壊され、スカート71がタンパー・ストリップ72から離隔され、タンパー・ストリップ72がブレース74a、74bのみによってスカート71に接続される。容器に適用されたカプセルによって、及びカプセルが移動する容器の最初の開口の後に、開放構成Dが取られる。
【0032】
再び図1図3、特に図3を参照すると、第1の切削工具10は、板状構造を有し、すなわち、第3の横方向の寸法、特に矩形のベースに対して2つの主要な寸法に沿って主に延在する。第1の切削工具10は、第1の下面14及び第1の上面15という、互いに実質的に平行で、第1の平面Pと平行な2つの平面を有する。
【0033】
第1の切削工具10は、第1の周辺領域17において、複数の第1のブレード11、例えば第1のブレード11a、11b、11cと、複数の第1の凹部16a、16bとを備える。第1の切削工具10の複数の第1のブレード11a、11b、11c及び第1の凹部16は、切削工具10の第1の周辺領域17に沿って交互に配置され、第1の切削工具10を平面P上に突出させることによって得られる窪んだまたは鋸歯状の輪郭を画定する。第1のブレード11a、11b、11cは、ブリッジ73を形成するように配置された1つ以上の第1のキャビティ13を備えてもよい。また、第1のブレード11a、11b、11cは、自由端に、第1の刃先12a、12b、12cが設けられている。
【0034】
第1の刃先12a、12b、12cは、平面Pに平行な同一の第1の平面上にあるので、切削工具10は水平切削工具である。平面Pに対して、平面Pに直交する垂直軸Z上で、第1の平面は所与の高さにある。複数の第1の刃先12a、12b、12cを接合することにより、平面Pに略直交する軸においてナイフ100、100’の外側に中心が位置する第1の略円周円弧状曲線を得ることができる。第1の切削工具10は、第2の切削工具20及び第3の切削工具30と共に側壁70上のブレース74a、74bの形成に寄与するように配置され、スカート71を分離してタンパー・ストリップ72を形成する切開及び切削を行う。第1のキャビティ13は、材料の連続性を妨げないように、例えば、局所的に変化しないように、またはカプセルの側壁70を切開するが穿孔しないようにして、ブリッジ73を形成することができるように、離隔され、適切に寸法決めされる。
【0035】
図1図2、及び図4を参照すると、第2の切削工具20は、平面Pに平行に延在する板状構造、特に矩形ベースを有する。第2の切削工具20は、互いに実質的に平行で、平面Pに対して略平行な2つの平面、すなわち第2の下面24及び第2の上面25を有する。
【0036】
第2の切削工具20は、第2の周辺領域27において、例えば第2のブレード21a、21b及び複数の第2の凹部26を含む複数の第2のブレード21を備える。第2のブレード21a、21b及び第2の凹部26は、切削工具20の第2の周辺領域27に沿って交互に配置され、平面Pの直交突出部において窪んだ輪郭を画定する。第2のブレード21a、21bは、第2のブレード21a、21bの所定の位置に配置された1つ以上の第2のキャビティ23を備えてもよい。第2のブレード21a、21bは、自由端に、第2の刃先22a、22bが設けられている。
【0037】
第2の刃先22a、22bは、平面Pに平行な同じ第1の平面にあるので、切削工具20は水平切削工具である。複数の第2の刃先22a、22bを接合することにより、平面Pに略直交する第2の軸においてナイフ100の外側に中心が位置する第2の略円周円弧状曲線を得ることができる。複数の第2の刃先22a、22bによって画定される第2の曲線は、垂直軸Zにおいて、第1の高さとは異なる第2の高さで、平面Pに平行な第2の平面に位置する。第2の切削工具20は、第1の切削工具10及び第3の切削工具30と共に、カプセルの側壁70のブレース74a、74bの形成に寄与するように配置される。第2のキャビティ23は、材料の連続性を妨げないように、例えば、局所的に変化させないように、またはカプセルの側壁70を切開するが穿孔しないようにして、ブリッジ73を形成することができるように、離隔され、適切に寸法決めされる。
【0038】
図1図2、及び図5を参照すると、第3の切削工具30は、平面Pに平行な板状構造、特に矩形ベースを有する。第3の切削工具30は、互いに実質的に平行な2つの平面、すなわち第3の下面37及び第3の上面38を有する。
【0039】
第3の切削工具30は、側壁70に斜めの切削を行うように配置される。その周辺領域36において、第3の切削工具30は、それぞれの傾斜した刃先32a、32b、32c、34が設けられた1つまたは複数の第3の傾斜ブレード31a、31b、31c、33を備える。少なくとも2つの傾斜した刃先32a、34は、垂直軸Zを通り前進方向Tに接する基準平面を基準として、互いに異なる傾きを有する。
【0040】
特に、傾斜した刃先32aは負の傾斜を有し、傾斜した刃先34は正の傾斜を有する。負の傾斜は、その上端が前記前進方向Tに沿ってその下端に対して後退している刃先に対応し、その逆も同様であり、前記正の傾斜は、その上端が前記前進方向Tに沿ってその下端に対して前進している刃先に対応する。実際、傾斜した刃先32aは、その上端92及びその下端91を含み、前進方向Tを考慮すると、上端92は下端91に対して後退しており、したがって傾斜した刃先32aは負の傾斜を有する。同様に、傾斜した刃先34は、その上端94及びその下端93を含み、前進方向Tを考慮すると、上端94は下端93に対してより前進しているため、傾斜した刃先34は正の傾斜を有する。
【0041】
異なる相互傾斜を有する少なくとも2つの傾斜した刃先32a、34に加えて、第3の切削工具30は、負の傾斜を有する傾斜した刃先のそれぞれの自由端に設けられた、負の傾斜を有するさらなる第3のブレードを31b、31c備え、それぞれの垂直な刃先を有する1つまたは複数の第3の垂直ブレード(図示せず)を備えてもよい。
【0042】
したがって、平面Pに直交する垂直軸Zと、実質的に前進方向Tとして配向された軸とによって形成されるデカルト平面に関して、前進方向Tの任意の点から開始して、第3の傾斜ブレードの傾斜した刃先は、以下の代替的な方法で周辺領域36に配向してもよい。
-例えば負の傾斜31a、31b、31cを有する第3のブレードなどの負の傾斜を有する。
-例えば正の傾斜を有する第3のブレード33などの正の傾斜を有する。
-垂直に(図示せず)、すなわち軸Zに平行になるようにする。
【0043】
第3の切削工具30の周辺領域36は、第3の平面にある第3の実質的に円周の円弧状の曲線を画定し、円周の中心は、平面Pに実質的に直交する第3の軸においてナイフ100の外側に位置する。周辺領域36は、ナイフ100が側壁70に切開及び切削を行う間にカプセル7の側壁70をその回転軸Rで回転させることができる第3の切削工具30の表面を、さらに画定する。換言すれば、周辺領域36によって画定される第3の湾曲は、前進方向Tにおいてナイフ100と相互作用するためにカプセル7をその経路に沿って誘導するのに寄与する。
【0044】
負の傾斜31a、31b、31cを有する第3のブレード、及び正の傾斜33を有する第3のブレードは、離隔され、適切に寸法決めされたキャビティ(図示せず)を含むことができ、材料の連続性を妨げないように、例えば、局所的に変化させないように、またはカプセルの側壁70を切開するが穿孔しないようにして、ブリッジ73を形成することができるようにする。
【0045】
図5を参照すると、プラスチック材料で作られたブリッジは、傾斜した刃先のそれぞれの下端及び/またはそれぞれの上端によって画定されたキャビティ35で、カプセル7に形成されてもよく、そのような上下端は、所定の距離、特にかなり短い距離だけ離れて配置される。例えば、傾斜した一対の刃先32a、34を考察すると、それぞれの下端91及び93は限定された距離だけ離れており、ナイフ100の作用によって対応するブリッジ75(図7A、7B)をカプセル7に形成するキャビティ35を形成し、これは、閉鎖構成Cからカプセル7の開放構成Dに通過するときに、ブリッジ73と同様に壊れる。切削している最中に、正の傾斜34を有する刃先の上端94と、負の傾斜32bを有する刃先のそれぞれの上端との間で、同様のブリッジが形成される。
【0046】
第3の傾斜ブレード31aは、第3の切削工具30の第3の下面37の下方に延在し、第3の下面37からその下方に突出する支持突起39aによって支持される。図示されていないバージョンでは、第3の傾斜ブレード31aは、第3の切削工具30の厚さに横方向に収容されてもよく、すなわち、その下端は第3の下面37から突出しない。このバージョンでは、支持突起39aは存在しなくてもよい。
【0047】
第3の傾斜ブレード31bは第3の切削工具30の第3の下面37の下方に延在し、これはまた、その下方の第3の下面37から突出するさらなる支持突起39bによっても支持される。さらなる支持突起39bは、支持突起39aにおいて得ることができる。図示されていないバージョンでは、第3の傾斜ブレード31bは、第3の切削工具30の厚さに全体的に収容されてもよく、すなわち、その下端は第3の下面37から突出しない。このバージョンでは、支持突起39bは存在しなくてもよい。
【0048】
各支持突起39a、39bは、第1の切削工具10に存在する凹部に受け入れられるように成形されている。特に、支持突起39a、39bは、両方とも第1の切削工具10の凹部16aに受け入れられる。
【0049】
第3の切削工具30は、カプセル7の側壁70に斜めの切削79を形成するように配置され、斜めの切削はまた垂直切削を含む。
【0050】
さらに図1図5を参照すると、ナイフ100の組み立て構成は、以下に説明するように、第1の切削工具10と第2の切削工具20との間に第3の切削工具30を介在させる。
【0051】
ナイフ100のこのような組み立て構成では、
-第2の下面24は第3の上面38と接している。
-第3の下面37は、第1の上面15と接している。
【0052】
さらに、ナイフ100のこのような組み立て構成では、
-第1の切削工具10の第1の刃先12a、12b、12cによって画定される第1の湾曲の第1の軸、
-第2の切削工具20の第2の刃先21a、21bによって画定される第2の湾曲の第2の軸、及び
-第3の切削工具30の周辺領域36によって画定される第3の湾曲の第3の軸は、
互いに実質的に一致している。
【0053】
さらに、ナイフ100のそのような組み立て構成において、
-第1のブレード11a、11b、11c、
-第2のブレード21a、21b、
-負の傾斜を有する第3のブレード31a、31b、31c、
-正の傾斜を有する第3のブレード33、及び
-可能な第3の垂直ブレードの間の相対的な位置が、
ナイフ100の刃先60の配置を画定する。
【0054】
ここで、図6を参照すると、ナイフ100の刃先60の配置が、
-第1の刃先12a、12b、12cが平面Pに平行な第1の平面にある、
-第2の刃先22a、22bが平面Pに平行な第2の平面にある、
-負の傾斜を有する第3の刃先32a、32b、32cと、正の傾斜を有する第3の刃先34とが、平面Pに対して斜めに配置されている、ということによって定められる。
刃先60の配置は、平面Pに直交する可能な第3の垂直な刃先を含むことができる。
【0055】
すでに上述したように、第1の刃先12a、12b、12c及び第2の刃先22a、22bは、垂直軸Zに沿って異なる高さで、すなわち平面Pから異なる距離だけ離れて、互いに対して配置される。
【0056】
図7A及び図7Bを参照すると、切削工具の刃先間の相対位置に応じて、ナイフ100は、カプセル7の側壁70に、以下の様々な要素を形成する。
-同じ平面に配置され、側壁70の厚さを通過する第1の刃先12a、12b、12cの貫通によって得られる1つまたは複数の意図された分離線78a、78b、78c、
-1つまたは複数の接続部分、またはブレース74a、74bであって、各々が、ひいては、
-第1の刃先12a、12b、12c及び第2の刃先22a、22bが貫通して得られる中央部77a、77b、及び
-第2の刃先22a、22b及び負の傾斜の第3の刃先32a、32b、32c及び正の傾斜の第3の刃先34の貫通により得られる接合部分76a、76b、
-負の傾斜を有する第3のブレード31a、31b、31c及び正の傾斜を有する第3のブレード34の貫通による、1つまたは複数の斜めの切削79を含む。
【0057】
詳細には、図6を参照すると、前進方向Tに続いて、ナイフ100は、以下を含む。
-平面Pに平行な第1の平面にある第1の刃先12aを含む開口形成部68a。開口形成部68aは、例えばナイフ100の長さの50%程度延在している。相対的に意図される離脱ライン78aは、カプセル7の開口形成部68aに対応する(図7A、7B)。
-接続形成部64a。接続形成部64aは、例えば、ナイフ100の長さの10%程度延びている。ブレース74aは、カプセル7における接続形成部64aに相当する。接続形成部64aは、ひいては以下を含む。
-接続形成中央部67aであって、第1の刃先12aの最後の部分が、第2の平面にある、すなわち第1の刃先12aに対してより高い第2の刃先22aの最初の部分に、垂直軸Zに沿って重ね合わされている、接続形成中央部。接続形成中央部67aは、例えば、接続形成部64aの2/3程度延びている。ブレース77aのそれぞれの中央部は、接続形成中央部67aに対応する。
-接続形成中央部67aの下流にある、接合形成部66aであって、第2の刃先22aの短い部分があり、その端部が負の傾斜を有する第3の刃先32aの最初の端部にある、接続形成中央部。言い換えれば、接合形成部66aは、第2の刃先22a及び負の傾斜を有する第3の刃先32aの最終部分を含む。接合形成部66aは、例えば、接続形成領域64aの1/3程度にわたって延びている。各接合部分76aは、カプセル7における接合形成部66aに対応する。
-ブレース形成中央部69であって、負の傾斜を有する前記第3の刃先32aの最終端部は、第1の刃先12aが位置する第1の平面に平行な平面の高さ以下の高さとすることができる高さで終端する、ブレース形成中央部。正の傾斜を有する第3の刃先34の最初の端部は、負の傾斜を有する第3の刃先32aの最終端部に位置する。正の傾斜を有する第3の刃先34は、第2の刃先22aが位置する第2の平面の高さと等しい高さで終わるが、それより高くてもよい。正の傾斜を有する第3の刃先34の最終上端は、傾いている負の傾斜を有する第3の刃先32bの初期上端にある。ブレース形成中央部69は、正の傾斜を有する第3の刃先34と、負の傾斜を有する第3の刃先32bとをさらに備える。1つ以上の斜めの切削79は、側壁70のブレース形成中央部69に対応する。ブレース形成中央部69は、例えばナイフ100の長さの5%から10%の間で延在する。
-第1の平面に位置する第1の刃先12bを備える、さらなる開口形成部68b。さらなる開口形成部68bは、例えば、ナイフ100の長さの5%~10%の間で延在する。相対的に意図される離脱ライン78bは、さらなる開口形成部68bに対応する。
-さらなる接続形成部64b。さらなる接続形成部64bは、例えば、ナイフ100の長さの10%程度延びている。ブレース74bは、さらなる接続形成部64bに相当する。さらなる接続形成部64bは、ひいては以下を含む。
-さらなる接続形成中央部67bであって、第1の刃先12aの最後の部分が、第2の平面にある、すなわち、例えば第1の刃先12bに対してより高い第2の刃先22bの最初の部分に、垂直軸Zに沿って重ね合わされている、さらなる接続形成中央部。さらなる接続形成中央部67bは、例えば、さらなる接続形成部64bの2/3程度延びている。それぞれのブレース中央部分77bは、さらなる接続形成中央部67bに対応する。
-さらなる接続形成中央部67bの下流にある、さらなる接続形成部66bであって、第2の刃先22bの短い部分があり、その端部が負の傾斜を有する第3の刃先32cの最初の端部にある、さらなる接続形成部。言い換えれば、さらなる接続形成部66bは、第2の刃先22b及び負の傾斜を有する第3の刃先32cの最終部分を含む。さらなる接続形成部66bは、例えば、さらなる接続形成部64bの1/3程度延びている。各接合部分76bは、カプセル7におけるさらなる接続形成部66bに対応する。
-負の傾斜を有する第3の刃先32cの最終端部に、前進方向Tに沿って例えばナイフ100の長さの約20%にわたって延びる第1の平面に位置する第1の刃先12cが位置する、さらなる開口形成部68c。個々の意図される離脱ライン78cは、依然、さらなる開口形成部68cに対応する。
【0058】
刃先60の配置は、実質的に円筒対称性を有する物体を切削するのに適しているため、連続性が満たされていれば、上述の刃先60の配置の部分の異なる順序を有してもよいことに留意されたい。例えば、刃先60の配置の開口形成部68a及び68cは、前進方向Tに沿った刃先60の配置の最初または最後の部分として一緒に配置された単一の開口形成部に組み込まれてもよい。
【0059】
本発明の文脈において、「最初/最終」、「開始/終了」、「上流/下流」という用語は、前進方向Tに沿った刃先の端部の突出部が見出せる順序を示すために使用される。
【0060】
ナイフの層状構造及び相対的な組み立て配置は、組み立て構成において切削工具を追加及び/または交換することによって、カプセルに切開される刃先の配置を変更することを可能にする。特に、水平切削部がカプセルの所与の寸法にわたって維持され得ることを考慮すると、第3の切削工具を交換して、第1の切削工具及び第2の切削工具も交換する必要なく、同じ寸法のカプセル上に、異なる形状のブレースを生成することができる。これは、ブレースの形状が、第3の切削工具に設けられる異なる傾斜を有する刃先によって実質的に決定されるという事実によって可能になる。
【0061】
図示の第2の実施形態では、ナイフ100’は、カプセル7の側面70を切開するように配置された追加の切削工具、すなわち第4の切削工具40及び第5の切削工具50を含む。ナイフ100’の実施形態では、第1の切削工具10及び第2の切削工具20も存在するが、切削工具30’は、以下に説明するように、異なる配置を有する図1図6によるバージョンと同じ数のブレードを有する。第4の切削工具40、第1の切削工具10、第3の切削工具30’、第2の切削工具20、及び第5の切削工具50は、取り外し可能な組み立てで互いに積み重ねられる。ナイフ100’は、例えばねじ手段またはボルト手段などの図示されていない締結手段によって切削装置のフレームに取り外し可能に固定され、これによりさらに、切削工具10、20、30’、40、50を互いにクランプして取り外し可能に固定することができる。図10を参照すると、切削工具10、20、30’、40、50の各々は、特に、締結手段を受け入れるように配置された貫通型の少なくとも1つの穴91’、92’を備え、それにより、上から下への工具の積み重ね順に従い、前記切削工具10、20、30’、40、50を層状構造から取り外すか、または層状構造に挿入することができる。図10Aを参照すると、少なくとも1つの穴91’、92’は、特に平面Pに平行な平面で、互いに独立して切削工具10、20、30’の位置調整を可能にするように配置された少なくとも1つの偏心穴またはスロット92’を含むことができる。少なくとも1つの穴91’、92は、特に、各切削工具10、20、30’の選択的な除去を可能にして、追加の切削工具の除去及び/または挿入を可能にし、例えば、工具を摩耗した刃先と交換したり、刃先の配置を変更したりする。例えば、第3の切削工具30’のみを交換し、他の切削工具を交換することなく層状構造を復元することが可能である。
【0062】
図12を参照すると、第4の切削工具40は、平面Pに平行な板状構造、特に矩形ベースを有する。第4の切削工具40は、互いに実質的に平行な2つの平面、すなわち第4の下面44及び第4の上面45を有する。
【0063】
第4の切削工具40は、第4の周辺領域47に、第4のブレード41を備える。第4のブレード41は、自由端に、第4の刃先42が設けられている。第4の刃先42、またはその少なくとも一点は、第4の実質的に円周の円弧状の湾曲に位置し、その中心は平面Pに実質的に直交する第4の軸において、ナイフ100’の外側に位置する。第4の湾曲、したがって第4の刃先42は、第1の刃先12aよりも低い高さで第4の平面にある。第4の刃先42は、処理されるカプセルの側壁70の周囲よりも小さい長手方向の延長部を有する。第4の切削工具40は、カプセルの側壁70に補助溝75’(図9A及び図9B)を形成するように配置される。第4の切削工具40は、第5の切削工具50及び第3の切削工具30’と協働してブレース74a、74bを形成する。第4のブレード41は、材料の連続性を妨げないように、例えば、局所的に変化させないように、またはカプセルの側壁70を切開するが穿孔しないようにして、ブリッジ73を形成することができるように、離隔され、適切に寸法決めされた1つまたは複数の第4のキャビティ43を含むことができる。特に、第4の刃先42は、ただ1つのキャビティ43を備える。
【0064】
さらに図12を参照すると、第5の切削工具50は、平面Pに平行な板状構造、特に矩形ベースを有する。第5の切削工具50は、互いに実質的に平行で、平面Pに対して略平行な2つの平面、すなわち第5の下面55及び第5の上面55を有する。
【0065】
第5の切削工具50は、第5の周辺領域57に、第5のブレード51を備える。第5のブレード51の自由端には、第5の刃先52が設けられている。第5の刃先52、またはその少なくとも一点は、第5の実質的に円周の円弧状の湾曲に位置し、その中心は平面Pに実質的に直交する第5の軸において、ナイフ100’の外側に位置する。第5の湾曲は第5の平面上にある。第5の刃先52は、処理されるカプセルの側壁70の周囲よりも小さい延長部を有する。第5の切削工具50は、カプセルの側壁70にさらなる補助溝79’(図9A及び図9B)を形成するように配置される。第5の切削工具50は、第4の切削工具40及び第3の切削工具30’と協働してブレース74a、74bを形成する。
【0066】
第5のブレード51は、材料の連続性を妨げないように、例えば、局所的に変化させないように、またはカプセルの側壁70を切開するが穿孔しないようにして、ブリッジ73を形成することができるように、離隔され、適切に寸法決めされた1つまたは複数の第5のキャビティ53を含むことができる。特に、第5の刃先51は、ただ1つのキャビティ53を備える。
【0067】
図13を参照すると、さらなる第3の切削工具30’は、前述の第3の切削工具30の構造と同様の構造を有し、これは簡潔にするために繰り返さない。したがって、形状及び機能の他の類似の部分は、図面において同じ参照番号で示されている。さらなる第3の切削工具30’と第3の切削工具30との間の違いは、負の傾斜を有するさらなる第3のブレード31a’、31b’、及び正の傾斜を有するさらなる第3のブレード33’の配置にある。実際には、以下で詳細に説明するように、負の傾斜を有する第3の刃先32a’、32b’の端部及び正の傾斜を有する第3の刃先34’の端部は、第4の刃先42及び/または第5の刃先52の前進方向Tに沿った延びにほぼ等しい量だけ離隔されてもよい。
【0068】
第3の切削工具30’は、側壁70に斜めの切削を行うように配置される。その周辺領域36’において、第3の切削工具30は、それぞれの傾斜した刃先32a’、32b’、32c’、34’が設けられた1つまたは複数の第3の傾斜ブレード31a’、31b’、31c’、33’を備える。少なくとも2つの傾斜した刃先32a’、34’は、垂直軸Zを通り前進方向Tに接する基準平面を基準として、互いに異なる傾きを有する。
【0069】
特に、傾斜した刃先32a’は負の傾斜を有し、傾斜した刃先34’は正の傾斜を有する。負の傾斜は、その上端が前記前進方向Tに沿ってその下端に対して後退している刃先に対応し、その逆も同様であり、前記正の傾斜は、その上端が前記前進方向Tに沿ってその下端に対して前進している刃先に対応する。実際、傾斜した刃先32a’は、その上端92’及びその下端91’を含み、前進方向Tを考慮すると、上端92’は下端91’に対して後退しており、したがって傾斜した刃先32a’は負の傾斜を有する。同様に、傾斜した刃先34’は、その上端94及びその下端93を含み、前進方向Tを考慮すると、上端94’は下端93’に対してより前進しており、したがって、傾斜した刃先34’は正の傾斜を有する。
【0070】
傾斜した刃先32aと同様に、傾斜した刃先32a’は、第3の下面37’の高さより下に延び、支持突起39a’によって支持されている。傾斜した刃先34’でさえ、第3の下面37’の高さより下に延び、さらなる支持突起39b’によって支持されている。さらに、傾斜した刃先34’は、第3の上面38’の高さよりも上まで延在し、それに重ね合わされた第3の上面38’から突出する支持突起部39c’によって支持される。
【0071】
したがって、第5のブレード51は、図11に示すように、支持突起部39c’に載置される。支持突起部39c’は、第2の切削工具20の1つまたは複数の第2の凹部26に収容することができる。第3の傾斜した刃先32b’は、それぞれの傾斜したブレード31b’上に得られ、第3の上面38’の上方に延在し、第3の上面38’から前記第3の上面38’の上方に突出するそれぞれの突出部によって支持される。突出部は、支持突起部39c’に得ることができ、例えば、支持突起部39c’を有する単独の本体とすることができる。
【0072】
上述の突出部及び突起は、ナイフ100のバージョンで設けられるものと同様の第1の及び第2の切削工具の凹部に収容される。
【0073】
図10図11を参照すると、ナイフ100の組み立て構成は、以下に説明するように、第1の切削工具10と第2の切削工具20との間に、また第4の切削工具40と第5の切削工具50との間に、第3の切削工具30を介在させる。
【0074】
ナイフ100’のこのような組み立て構成では、
-第5の下面54は第2の上面25と接している。
-第2の下面24は第3の上面38’と接している。
-第3の下面37’は第1の上面15と接触している。
-第1の下面14は第4の上面45と接触している。
【0075】
さらに、ナイフ100’のこのような組み立て構成では、
-第1の切削工具10の第1の刃先12a、12b、12cによって画定される第1の湾曲の第1の軸、
-第2の切削工具20の第2の刃先21a、21bによって画定される第1の湾曲の第2の軸、
-第3の切削工具30’の周辺領域36’によって画定される第3の湾曲の第3の軸、
-第4の刃先42の少なくとも一点が位置する第4の湾曲の第4の軸、
-第5の刃先52の少なくとも一点が位置する第5の湾曲の第5の軸は、
互いに実質的に一致している。
【0076】
さらに、この組み立て構成では、ナイフ100’、第1のブレード11a、11b、11c、第2のブレード21a、21b、負の傾斜を有する第3のブレード31a’、31b’、31c’、正の傾斜を有する第3のブレード33’、及び可能な第3の直交ブレードの間の相対位置は、ナイフ100’の刃先60’の配置を画定する。
【0077】
図8を参照すると、ナイフ100’の刃先60’の配置が、
-第1の刃先12a、12b、12cが平面Pに平行な第1の平面にある、
-第1の平面に平行な第2の平面にある第2の刃先22a、22b、
-負の傾斜を有するさらなる第3の刃先32a’、32b’、32c’、及び平面Pに対して斜めに配置された正の傾斜34’を有する第3の刃先、及び/または平面Pに直交する可能な第3の刃先、
-平面Pに平行な第4の平面にある第4の刃先42、
-平面Pに平行な第5の平面にある第5の刃先52により画定される。
【0078】
負の傾斜を有する第3の刃先32a’、32b’、32c’の端部及び正の傾斜を有する第3の刃先34’の端部は、近接または接触して、他の刃先の端部に、例えば、刃先12a、12b、12cの端部、及び/または刃先22a、22bの端部、及び/または負の傾斜を有する第3の刃先32a’、32b’、32c’の端部、及び正の傾斜を有する第3の刃先34’の端部、及び/または第4の刃先42の端部、及び/または第5の刃先52の端部に、近接または接触して配置される。負の傾斜を有する刃先32a’、32b’の端部及び正の傾斜を有する第3の刃先34’の端部が、刃先の他方の端部の近くに配置された場合、材料の連続性を妨げないように、例えば、局所的に変化させないように、またはカプセルの側壁70を切開するが穿孔しないようにして、ブリッジを形成することができるように、離隔され、適切に寸法決めされた第3のキャビティが識別される。
【0079】
図9A及び図9Bを参照すると、切削工具の刃先間の相対位置に応じて、ナイフ100’は、カプセル7の側壁70上に、負の傾斜を有する第3のブレード31a’、31b’、及び正の傾斜を有する第3のブレード33’、第4のブレード41、及び第5のブレード51の貫通によって得られる、図示のものとは異なり得る斜めの切削79’の配置を形成する。
【0080】
詳細には、図8図9A図9B及び図10を参照すると、前進方向Tに沿った経路をたどって、ナイフ100’は、
-付属中央部69’を含む。付属中央部69’は、第4の刃先42と、正の傾斜を有する第3の刃先34’と、第5の刃先52と、負の傾斜を有する第3の刃先32b’とを備え、負の傾斜を有する第3の刃先32a’の最終端部は、第1の刃先12aが位置する第1の平面Pに平行な平面の高さ以下であり得る高さで終端する。第4の平面にある、すなわち平面Pの高さよりも低い高さにある第4の刃先42の最初の端部は、負の傾斜を有する第3の刃先32a’の最終端部に位置する。第4の刃先42の最終端部は、傾斜した、または垂直な配置である、正の傾斜を有する第3の刃先34’の最初の端部に位置するか、または接触している。正の傾斜を有する第3の刃先34’は、第2の刃先22aが位置する第2の平面の高さ以上であり得る高さで終端する。正の傾斜を有する第3の刃先34’の最終端部は、第5の平面にある第5の刃先52の最初の端部に近いかまたはそれと接触しており、すなわち、第2の刃先22aが位置する第2の平面の高さよりも高くてもよい高さにある。第5の刃先52の最終端部は、負の傾斜を有する第3の刃先32b’に位置する。付属中央部69’は、複数の斜めの切削及び平坦な切削に対応し、その平坦な切削は、側壁70の異なる傾斜の2つの斜め切削の間に挟まれている。複数の斜めの切削及び平坦な切削は、2つのブレース74a、74bを互いに分離することを可能にする。付属中央部69’は、例えばナイフ100’の長さの5%から10%の間で延在する。
【0081】
ナイフ100、100’の形状により、第3の切削工具30、30’を積層構造から取り外し、異なる第3の切削工具と交換して、接続部分またはブレース74a、74bの異なる形状を得ることができる。これにより、切削装置が簡素化され、切削装置に異なるナイフを装備するための機械のダウンタイムが短縮される。さらに、切削装置はまた、少数の切削工具を交換してカプセルの切削部の幾何学的形状を変更できるナイフで切削を行うことが可能であることを考慮すると、特定の柔軟性を維持する。
【0082】
図示の例は、カプセルの開放構成Dから分かるように、前進方向Tに対して両方とも負の傾斜で傾斜した2つのブレースを有する溝付きカプセルを示している。様々な組み合わせに従って負及び/または正の傾斜で傾斜した、2つを超える複数のブレース、例えば3つまたは4つのブレースを有するカプセルを切削するために、ナイフ100、100’の刃先の数及び配置を当業者が変更することに、困難がないことは、明らかである。
【0083】
同じ傾斜で配置された3つの傾斜したブレース、または特定の傾斜を有する1つのブレースとその反対の傾斜を有する2つの連続するブレース、または交互の傾斜を有する3つのブレースを形成するように組み合わされた正及び負の傾斜を有する複数の刃先の配置を設けることが可能である。刃先の別の異なる配置を設けることも可能であり、その正負の傾斜の組み合わせは、すべて同じ傾斜で傾斜して配置された4つのブレース、または反対の傾斜を有する2つのブレースが2組、または交互の傾斜で傾斜した4つのブレース、または同じ傾斜で傾斜した3つの連続するブレースとその反対の傾斜で傾斜した1つのブレースを、形成することができる。
【0084】
タンパー・リング72と側壁70とを接続する3つまたは4つの接続部分-またはブレース-を得るために、第3の切削工具30、30’における2つの傾斜した刃先32a、34、32a’、34’に加えて、使用時に3つの接続部分または4つの接続部分を決定するように配置されたさらなる刃先が設けられてもよい。
【0085】
3つの接続部分または4つの接続部分を得るために、第3の切削工具30、30’のさらなる刃先の代わりに、またはそれに加えて、ナイフ100、100’は、その構造の複数の切削工具において、第1の水平切削工具10と協働するように配置されるさらなる切削工具、第2の水平切削工具20、及び第3の切削工具30、30’、及び存在する場合には追加の刃先を含めて、使用中に、タンパー・リング72と側壁70とを接続する3つの接続部分または4つの接続部分を決定することができる。
【符号の説明】
【0086】
7 カプセル
10,20,30,30’ 切削工具
11a,11b,11c,21a,21b,31a,33,31a’,33’ ブレード
12a,12b,12c 刃先
14,24,37,37’ 下面
15,25,38,38’ 上面
22a,22b,32a,34,32a’,34’ 刃先
72 タンパー・リング
100,100’ ナイフ
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図10A
図11
図12
図13
【国際調査報告】