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特表2023-519055空気呼吸能力を備えた燃料電池充電システム、それを含む自律型無人潜水機(AUV)システム、および使用方法
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  • 特表-空気呼吸能力を備えた燃料電池充電システム、それを含む自律型無人潜水機(AUV)システム、および使用方法 図1
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  • 特表-空気呼吸能力を備えた燃料電池充電システム、それを含む自律型無人潜水機(AUV)システム、および使用方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】空気呼吸能力を備えた燃料電池充電システム、それを含む自律型無人潜水機(AUV)システム、および使用方法
(51)【国際特許分類】
   B63G 8/08 20060101AFI20230428BHJP
   B63C 11/00 20060101ALI20230428BHJP
   B63C 11/48 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
B63G8/08 A
B63C11/00 B
B63C11/48 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529574
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 US2021022510
(87)【国際公開番号】W WO2021188503
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/990,158
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522199077
【氏名又は名称】テラデプス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Terradepth, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100109139
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】ウルフェル,ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】カウフマン,ジャドソン
(72)【発明者】
【氏名】レスニック,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】チルドレス,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ピアソン,デイビッド
(57)【要約】
自律型無人潜水機(AUV)は、外気から空気を取り込み、搭載された貯蔵タンク内の圧縮水素の供給を行う空気呼吸サブシステム備えた発電サブシステムと、取り込み空気と水素を受け取る空気呼吸PEMFCであって、電気エネルギを生成し、廃水を生成するように動作可能なPEMFCと、廃水を船外に排出するための水抜きシステムとを含む燃料電池充電システムを含み得るものであり、前記燃料電池充電システムは、前記充電式電池サブシステムを充電するための電気エネルギを受け取るための充電式電池サブシステムを含む電力貯蔵サブシステムを有する。オンボードデータ処理システムのシステムマネージャは、前記燃料電池充電システムを制御するように構成することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型水中ビークル(AUV)100であって、
プロセッサを備え、システムマネージャモジュール160を提供するために前記プロセッサによって実行可能な命令を含むオンボードコンピューティングシステム150と、
前記AUVの動作ユニットに電力を供給する電力システム120であって、電力貯蔵サブシステム124と電気的に通信する発電サブシステム122を備え、充電サイクルで動作する前記電力システム120と、を備え、
前記発電サブシステム122は、燃料電池充電システム130を備え、前記燃料電池充電システム130は、開放状態と閉鎖状態との間で変更可能な空気呼吸サブシステム140を備え、
前記空気呼吸サブシステム140は、
前記開放状態では、前記AUV100が海面に位置するときに外気と開放的に連絡しており、前記外気から前記AUV100に渡される取り込み空気を含み、
前記閉鎖状態では、前記取り込み空気が前記外気から前記AUV100に入るのを防ぐために閉じられており、
前記燃料電池充電システム130は、燃料電池132に供給される水素ガス182の機内供給を含み、
前記燃料電池132は、前記取り込み空気を受け取り、前記水素ガスを受け取り、前記取り込み空気中の酸素および水素ガスを用いて燃料電池プロセス動作を実行し、前記燃料電池プロセス動作は、前記燃料電池132から出力される電気エネルギおよび廃水を生成しており、
前記電力貯蔵サブシステム124は、前記燃料電池132から出力された電気エネルギを貯蔵する充電式電池サブシステム136を備え、
前記システムマネージャモジュール160は、充電サイクルの充電期間を実行するために水中操作から水面に上昇するように前記AUV100を制御し、水面から水没操作に下降するように前記AUV100を制御し、前記AUV100の動作に電力を供給するために放電期間を実行する、
自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項2】
ガス状酸化剤の貯蔵タンクを省略した船体構造110を備える、
請求項1に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項3】
前記燃料電池132の動作によって生成された廃水を受け取るように構成された廃水収集器188を含む水抜きシステム170を備える、
請求項1に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項4】
収集された廃水をポンプで送って船体構造110の外に排出するために、廃水収集器188と連絡する水ポンプ192を備える水抜きシステム170を備える、
請求項3に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項5】
開放位置と閉鎖位置との間で動作可能な廃水排出弁190を備える水抜きシステム170と、開放位置にある廃水排出弁190とを備え、廃水は外向きに通過し、船体構造110の外に排出される、
請求項1に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項6】
前記水抜きシステム170は、空気呼吸サブシステム140と通信してウェットフィルタ597に廃水を提供するように選択的に動作可能であり、廃水は、ウェットフィルタ597の濾材として機能する、
請求項3に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項7】
前記電力貯蔵サブシステム125は、前記充電式電池サブシステム136と、前記充電式電池サブシステム136の充電および放電を制御する電池管理サブシステム126とを備える、
請求項1に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項8】
酸素貯蔵部とは独立したバラスト容積を備えるバラストシステム116を備える、
請求項1に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項9】
酸素貯蔵部とは独立した水素貯蔵部182の体積を含む、
請求項1に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項10】
搭載酸素貯蔵量に依存しないフォームファクタを有する船体構造110を備える、
請求項1に記載の自律型水中ビークル(AUV)100。
【請求項11】
外気から空気を取り込み、搭載された貯蔵タンクに圧縮水素を供給する空気呼吸サブシステムを有する燃料電池充電システムと、発電サブシステムとを備える自律型水中ビークル(AUV)であって、
前記取り込み空気と水素は、水密AUV船体構造に収容された空気呼吸PEMFCに供給され、
前記PEMFCは、前記AUVを操作するための電気エネルギを生成するように操作可能で、
前記PEMFCは廃水を生成し、
前記発電サブシステムは、廃水を船外に排出するための水抜きシステムを含み、
前記燃料電池充電システムは、電池管理サブシステムと通信する充電式電池サブシステムを含む電力貯蔵サブシステムを有する、
前記自律型水中ビークル(AUV)の使用方法であって、
オンボードコンピューティングシステムによって、前記燃料電池充電システムを制御するシステムマネージャを提供し(404)、
前記システムマネージャによって、前記AUVがいつ水没するかを判断し(408)
前記システムマネージャによって、前記AUVが水没するときに、前記PEMFCが充電式電池サブシステムを充電するのを停止し(412)、
前記システムマネージャが、空気呼吸サブシステムの吸気シュノーケルに接続された吸気弁を閉じる第1の閉鎖を行い(416)、
前記システムマネージャにより、前記水抜きシステムを閉じる第2の閉鎖を行い(420)、
前記システムマネージャによって、前記電池管理サブシステムと充電式電池サブシステムを充電モードから出力モードに切り替える第1の切替を行い(424)、
前記システムマネージャによって、前記AUVが浮上したことを検出し(432)、
前記システムマネージャによって、前記PEMFC充電システムの動作を開始し(432)、
前記システムマネージャによって、前記シュノーケルに接続された前記吸気弁を開く第1の開放を行い(436)、
前記システムマネージャによって、前記廃水排出弁を開く第2の開放を行い(440)、
前記システムマネージャによって、充電式電池サブシステムの充電するために、前記PEMFCの動作によって生成される電力出力を切り替える第2の切替を行う(444)、
使用方法。
【請求項12】
具体的に具体化され、そこからアクセス可能なプロセッサ実行可能命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、
データ処理システムの少なくとも1つのデータ処理装置によって実行されるとき、前記少なくとも1つのデータ処理装置に、請求項11の方法400を実行させる、
コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
自律型無人潜水機(AUV)の使用方法300であって、前記AUVには燃料電池充電システムが含まれており、
前記燃料電池充電システムには、外気から空気を取り込み、搭載された貯蔵タンクに圧縮水素を供給する空気呼吸サブシステムと、水密AUV船体構造に収容された空気呼吸PEMFCとを有する発電サブシステムが含まれており、
前記PEMFCは、前記取り込み空気と水素を受け取り、
前記PEMFCは、前記AUVを操作するための電気エネルギを生成するように操作可能であり、
前記PEMFCは、廃水を生成し、
前記発電サブシステムは、前記廃水を船外に排出するための水抜きシステムを備え、
前記燃料電池充電システムは、充電式電池サブシステムを充電するために電気エネルギを受け取るために発電サブシステムと電流通信する充電式電池サブシステムを含む電力貯蔵サブシステムを有し、
前記燃料電池充電システムは、充電式電池サブシステムの充電および放電を制御するように動作可能な電池管理サブシステムと通信する充電式電池サブシステムを含む電力貯蔵サブシステムを備え、
前記充電式電池サブシステムは、前記充電式電池サブシステムの充電および放電を制御するように動作可能な電池管理サブシステムと通信し、
前記方法300は、
プロセッサを含むオンボードコンピューティングシステムによって、前記燃料電池充電システムを制御するシステムマネージャを操作し、
前記システムマネージャによって、前記充電式電池サブシステムについて、所定の最小閾値に対する蓄積されたエネルギレベルを比較し(304)、
蓄積されたエネルギレベルが前記充電式電池サブシステムの所定の最小閾値に達したときに、前記システムマネージャによって、水中の場所から海面に前記AUVを浮上させ(308)、
前記AUVが海面にあるときに前記所定の最小閾値に達したときに、前記システムマネージャによって、前記燃料電池充電システムによる充電操作を開始し(312)、
前記システムマネージャによって、前記吸気弁を開いて大気を吸入し、取り込み空気として前記空気呼吸PEMFCに通すことにより、前記空気呼吸サブシステムを開く第1の開放(316)を行い、
前記システムマネージャによって、水素ガスが前記PEMFCに通過して反応し、前記PEMFCと電気通信する電力貯蔵サブシステムに供給される電気エネルギを生成することにより、前記充電式電池サブシステムを充電することを可能にする水素供給弁を開放することにより、前記水素供給サブシステムを開放する第2の開放(320)を行い、
前記システムマネージャによって、廃水排出弁を開いて前記水抜きシステムから廃水を排出できるようにすることにより、前記水抜きシステムを開く第3の開放(324)を行い、
前記システムマネージャによって、前記PEMFCの動作を制御して前記充電式電池サブシステムに供給される電気エネルギを生成することにより、前記充電式電池サブシステムを充電し(328)、
前記システムマネージャによって、前記充電式電池サブシステムへの電気エネルギの供給を中断することにより、前記充電式電池サブシステムの充電を終了し(332)、
前記システムマネージャによって、吸気弁を閉じることによって前記空気呼吸サブシステムを閉じて、前記空気呼吸PEMFCへの空気の取り込みと通過を停止する第1の閉鎖(336)を行い、
前記システムマネージャによって、水素ガスが前記PEMFCに入るのを防ぐために水素供給弁を閉鎖することによって前記水素供給サブシステムを閉鎖し、前記PEMFCの動作を停止する第2の閉鎖(340)を行い、
前記システムマネージャによって、前記廃水排出弁を閉じて前記水抜きシステムからの廃水の排出を停止し、前記AUV船体構造内への異物の逆流を防ぐ第3の閉鎖(344)を行う、
方法。
【請求項14】
具体的に具体化され、そこからアクセス可能なプロセッサ実行可能命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、
データ処理システムの少なくとも1つのデータ処理装置によって実行されるとき、前記少なくとも1つのデータ処理装置に、請求項13の方法300を実行させる、
コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2020年3月16日に出願され、「空気呼吸能力を備えた燃料電池充電システム、それを含む自律型無人潜水機(AUV)システム、および使用方法」と題された米国仮出願第62/990,158号に関連し、優先権を主張するものであり、ここに本明細書の一部を構成するものとして前記米国仮出願の全体の内容を援用する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、自律型水中ビークルシステム、特に自律型水中ビークルシステム用の燃料電池電力システム、および前述のものを使用する方法に関する。
【0003】
自律型無人潜水機(AUV)とも呼ばれる無人水中ビークル(UUV)(総称して、自律型無人潜水機(AUV)は、1957年に最初に開発され、1970年代半ばから運用されている。利用可能な電池システムによって蓄積される電力量の制限により、AUVを使用できるタスクのタイプが制限されている。電池システムが改善され、電源が改善され、電力要件が変更され、AUVの耐久性が改善された。この改善された耐久性は、AUVを使用する追加のアプリケーションに新しい機会をもたらした。既存の技術的進歩があっても、AUVは、電力需要の少ないアプリケーションでの動作がせいぜい数日に制限されている。AUVは、電力需要の高いアプリケーションでの動作が数時間に制限されている。そのような高電力需要アプリケーションは、例えば、ソナーシステムの展開を含み得る。電力が使い果たされると、AUVが水面に出て再充電されるか、新しい電池が再装着される可能性がある。
【0004】
対照的な海面で動作する自律型水上ビークル(ASV)は、風力、太陽エネルギ、波動エネルギなどの代替および/または環境的に利用可能な電源を利用できるが、ディーゼルや圧縮水素/酸素燃料電池など、電池システム以外の電源の展開は非常に限られており、通常、大排気量のAUVシステムでのみ利用できる。このような大排気量AUVシステムは、多くのアプリケーションにとって法外なコストがかかる。様々な政府が、タンクに貯蔵された圧縮水素と酸素を使用する燃料電池にいくらかの注意を払っている。圧縮水素と酸素の貯蔵タンクは、AUVプロトタイプに設置することに成功している。圧縮水素と酸素の貯蔵タンクが設置されている場合、AUVの範囲と耐久性が向上した。金属水素化物、アンモニア、水素化ホウ素ナトリウムなどの他の酸素源は、AUVの燃料電池の潜在的な酸化剤と見なされてきたが、顕著な欠点がある。
【発明の概要】
【0005】
上記の欠点、不利な点、および問題は、以下の明細書を読んで研究する際に、当業者によって理解され得るように、本明細書で扱われる。この簡単な説明は、以下の詳細な説明でさらに詳細に説明されている概念の選択を簡略化された形式で紹介するために提供されている。この簡単な説明は、クレームされた主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図したものではない。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術および本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈することはできない。
【0006】
実施形態では、AUVシステム(または「AUV」)は、AUVが数週間または数ヶ月の間、人間の介入なしに海上に配備されたままであることを可能にする燃料電池電力システムを含み得る。本明細書に開示されるような燃料電池電力システムを有するAUVシステムは、開示されるような燃料電池電力システムを欠く他のAUVシステムよりも有利な動作範囲を有し得る。本明細書に開示されるように、燃料電池電力システムを有するAUVは、他のAUVよりも大きな電力容量を有し得るものであり、したがって、本明細書に開示されているように、燃料電池電力システムを欠く他のAUVと同じくらい頻繁に、再充電または電池交換のために回収されることなく、高い電力需要を有する水路および水深測量ペイロードなどのハイエンドペイロードを展開および電力供給するために使用され得る。
【0007】
様々な範囲の装置、システム、および方法が本明細書に記載されている。これらの態様は、開示された主題が利用され得る様々な非限定的な方法を示しており、それらはすべて、開示された主題の範囲内にあることが意図されている。この概要に記載されている態様および利点に加えて、関連する図面、詳細な説明、および特許請求の範囲を参照することにより、さらなる態様、特徴、および利点が明らかになり得る。
【0008】
開示された主題自体、ならびにそのさらなる目的および利点は、添付の図面と併せて読まれる装置の実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態における、空気呼吸機能を備えた燃料電池充電システムを含む自律型水中ビークル(AUV)を示す簡略化された概略図である。
図2】一実施形態における、空気呼吸機能を備えた燃料電池充電システムを含む自律型水中ビークル(AUV)を示す簡略化された概略図である。
図3】一実施形態における、表面操作における自律型水中ビークル(AUV)の使用方法を示す簡略化されたフローチャートである。
図4】一実施形態における、沈んだ状態の海中操作における自律型水中ビークル(AUV)の使用方法を示す簡略化されたフローチャートである。
図5】一実施形態では、空気呼吸機能を備えた燃料電池充電システムを含む自律型水中ビークル(AUV)を示す簡略概略図であり、充電式電池サブシステムは、表面動作での燃料電池の動作によって充電される。
図6】一実施形態では、空気呼吸機能を備えた燃料電池充電システムを含む自律型水中ビークル(AUV)を示す簡略概略図であり、充電式電池サブシステムは、水中動作でAUVの電力動作に放電する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、その一部を形成し、実施され得る特定の実施形態を例示として示されている添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当技術分野の当業者が実施形態および開示を実施することを可能にするのに十分詳細に説明されている。他の実施形態を利用することができ、論理的、機械的、電気的、および他の変更を、実施形態および開示の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。上記を考慮して、以下の詳細な説明は、実施形態または開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0011】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」および/または「備える(comprising)」または「含む(includes)」および/または「含む(including)」という用語は、記載された特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素および/またはコンポーネントの存在を指定することがさらに理解され得るものであり、ただし、1つまたは複数の他の機能、領域、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。
【0012】
例示を単純化および明確にするために、適切であると考えられる場合、対応するまたは類似の要素を示すために、参照番号が図の間で繰り返され得ることが理解され得る。さらに、本明細書に記載されている実装の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、本明細書に記載の実施は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが当業者によって理解され得る。他の例では、本明細書で説明される実装を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素は詳細に説明されていない。また、この説明は、本明細書で説明される実装の範囲を制限するものと見なされるべきではない。添付の図面に関連して本明細書に記載される詳細な説明は、現在開示されている装置およびシステムが実施され得る例示的な実施形態の説明として意図されている。この説明全体で使用される「例示的」という用語は、「例、実例、または例示として役立つ」ことを意味し、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0013】
図1は、自律型水中ビークル(AUV)システム100(または、代替の「AUV100」または「システム100」)を示す簡略化された概略図である。一実施形態では、AUV100は、特に、海面で動作することも、深部で水中に沈めることもできる自律型水中/水上ビークル(AUSV)であり得る。以下、「AUV」という用語には、AUSVおよびその他のAUVのバリエーションが含まれる。
【0014】
図1を参照すると、AUV100は、一実施形態では、電力システム120を含み得る。一実施形態では、電力システム120は、空気呼吸サブシステム140を備えた燃料電池充電システム130を含み得る。AUV100は、海洋環境で動作し得る。この詳細な説明の目的のために、海洋環境は、海面環境領域、海面から離れた海底環境領域を有するものとして特徴付けられるか、または記述され得る。示されるような実施形態では、例えば、AUV100は、調査場所内の水柱および海底を含む海洋環境の自律的な海洋調査を実行するように構成され得る。AUV100は、他のAUV(図示せず)と、および無線通信システム(図示せず)を介して、リモートサーバまたはトランシーバなどのリモートユニットと通信するように構成され得る。AUV100は、船体はそれ自体が海面下に沈んだままであり、海面領域から離れた海底領域に完全に沈められたとき、マストが水面上に伸びて半水没し(図示せず)、海面領域の水中で交換可能に、ペアまたはグループ内の他のAUVと協調して動作するように構成され得るものである。一実施形態では、AUV100は、海面上で完全に水没したときに自律動作することができるAUSVであり得る。
【0015】
図1に示されるように、一実施形態では、AUV100は、プロセッサおよびプロセッサにアクセス可能なメモリを含むオンボードコンピューティングシステム150を含み得る。AUV100は、それぞれの適切な通信タイプおよびプロトコルに従って双方向無線通信リンクを実行および提供するために、プロセッサに関連して動作可能な無線通信インターフェースを含み得る。一実施形態では、無線通信インターフェースは、オフボードリモートサーバ(図示せず)とのデータ通信用に構成され得る。実施形態では、例えば、遠隔サーバは、有人であり得る陸上施設または遠隔指揮艦に配置され得る。通信プロトコルは、例えば、インターネットプロトコル(IP)などのネットワーク通信プロトコルまたは他の適切なパケット化されたデータ通信プロトコルであり得る。したがって、オンボードコンピューティングシステム150は、リモートサーバとの無線通信インターフェースを介したデータ通信用に構成することができる。一実施形態では、リモートサーバは、オンボードコンピューティングシステム150を監視するように構成され得る。リモートサーバは、海面環境に配置され、水上車両の役割で機能している場合、AUV100からステータスデータを受信し、AUV100にコマンドを送信することができる。
【0016】
AUV100は、それぞれがオンボードコンピューティングシステム150のプロセッサによって実行可能な命令を含む複数のモジュールを含み得る。各モジュールは、全体的であろうと部分的であろうと、ソフトウェア、ハードウェア、またはその両方で具体化され得ることが理解され得る。より具体的には、図1に示されるように、AUV100は、プロセッサによって実行可能な命令を含むシステムマネージャモジュール160を含み得る。一実施形態では、システムマネージャモジュール160は、オンボードコンピューティングシステム150のプロセッサによって実行可能なシステムマネージャアルゴリズムの命令を含み得る。システムマネージャモジュール160は、AUV100の動作を管理するように構成され得る。一実施形態では、システムマネージャモジュール160は、例えば、電力システム120、揚水システム170、および無線通信インターフェースを含む通信システムのいずれかを制御するように構成され得る。
【0017】
図1を参照すると、AUV100は潜水艦の船体構造110を含み得る。船体構造110は、すべてのオペレーティングユニット・インフラストラクチャを収容するように構成することができる。オペレーティングユニットのインフラストラクチャは、圧縮酸素などの圧縮ガス状酸化剤を貯蔵するためのタンクを省略している場合がある。船体構造110は、オペレーティングユニットインフラストラクチャを含むように定義されたフォームファクタおよび船体体積を有し得る。本明細書に開示される船体構造110の形状係数および船体体積は、圧縮ガス状酸化剤を貯蔵するためのタンクを収容しなければならない異なる船体構造と比較して有利であり得る。一実施形態では、船体構造110は、海底環境での水中操作と海面での水面操作の両方のために構成されたAUSVのハイブリッド設計であり得る。
【0018】
図1を参照すると、AUV100は、操縦システムを含み得る。操縦システムは、推進システム、操舵システム、およびバラストサブシステムを含み得る。推進システムは、そこから電気エネルギを受け取るために、電力システム120に接続された電気モータ(図示せず)を含み得る。電気モータは、プロペラ175の回転を駆動することができる。バラストサブシステムは、船体構造110内に収容された複数のバラストタンクを含み得る。バラストタンクは、海洋環境の水と制御された流体連通を行い、そのような水で満たされ、バラストとして機能し、そのような水バラストをそこから排出できるようにし、また、表面操作中にバラストタンクを選択的に充填するために、空気の供給と制御された流体連通をとることができる。本明細書に開示されるAUV100のバラストタンクの容積は、圧縮されたガス状酸化剤を貯蔵するためのタンクを収容しなければならない異なるAUVと比較して、有利であり、より小さい可能性がある。AUV100のバラストタンクの容積は、AUV 100が選択された重心を持つことを可能にし得、これは、より大きなバラストタンクを必要とする別のAUVのそれとは異なり得る。
【0019】
図1を参照すると、AUV100は、オンボードで電気エネルギを生成し、こうして生成された電気エネルギをオンボードで貯蔵し、そして、それと電気的に通信しているAUV100の動作ユニット要素に電気エネルギを供給して、そのような動作ユニット要素の動作に電力を供給し、それによってAUV100を動作させるように構成されたオンボード電力システム120を含み得る。搭載された電力システム120は、海面上で、または完全に水没したときに交換可能に、AUV100のすべての動作に電力を供給することができ得る。
【0020】
電力システム120は、電気通信で接続された発電サブシステム122および電力貯蔵サブシステム124を含み得る。図1を参照すると、一実施形態では、電力システム120は、燃料電池充電システム130を含み得る発電サブシステム122を含み得る。一実施形態では、燃料電池充電システム130は、燃料電池132を含み得る。一実施形態では、燃料電池132は、ハイブリッドの密閉表面「空気呼吸」水素燃料プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)システム134であり得る。電力システム120は、船体構造110内のAUV100に搭載された圧縮水素の複数のボトル182を含み得る。電力システム120は、AUV100が海面で動作しているときに海面上の大気との選択可能な開放通信のために構成された吸気シュノーケル142、およびAUV100が水没したときに海水の望ましくない摂取を防ぐための選択可能なクロージャ(closure)を含み得る。燃料電池充電システム130は、交換可能に、海面上または完全に水没した状態でのAUV100の動作に電力を供給することができ得る。したがって、吸気シュノーケル142を有する電力システム120は、酸素などの圧縮ガス状酸化剤の船内貯蔵を省略してもよい。
【0021】
図1を参照すると、電力システム120は、システムマネージャモジュール160によって管理され得る。AUV100が海面上にあると判断されると、システムマネージャモジュール160は、燃料電池充電システム130を作動させて、空気呼吸サブシステム140のシュノーケル142を通して外気を引き込み、燃料電池132内で加圧水素と組み合わせることで電力を生成し、燃料電池132から電力を生成および出力する。したがって、システムマネージャモジュール160は、燃料電池132を含む発電サブシステム122を制御して、充電式電池サブシステム136を充電することができる電力を生成することができる。
【0022】
電力システム120は、電力貯蔵サブシステム124を含み得る。図1に示されるように、電力貯蔵サブシステム124は、発電サブシステム122と電気的に通信する充電式電池サブシステム136を含み得る。充電式電池サブシステム136は、例えば、複数のリチウムイオン電池、リチウムポリマ電池、または適切なエネルギ密度を有する充電式化学構造を含むアレイを含み得る。一実施形態では、例えば、電力貯蔵サブシステム124は、充電式蓄電池のアレイを含み得る。一実施形態では、電力貯蔵サブシステム124は、複数の充電式リチウムイオン電池からなるアレイを含み得る。
【0023】
電力貯蔵サブシステム124は、充電式電池サブシステム136に出入りする電力を制御するように構成された電池管理サブシステム126を含み得る。電池管理サブシステム126は、充電および放電中に充電式電池サブシステム136を監視し、それを管理して、充電式電池サブシステム136の所定の充電レベルを維持することができる。一実施形態では、燃料電池132は、AUV100が海面で動作している間も動作し、電力を供給し続け、充電式電池サブシステム136を充電して、充電レベルを維持することができる。一実施形態では、AUV100が海面から水没する前に、システムマネージャモジュール160は、燃料電池132をシャットダウンし、水没操作のために電力システム120を充電式電池サブシステム136からの電池電力のみに戻すことができる。システムマネージャモジュール160は、充電式電池サブシステム136が所定の最小充電レベルまで放電されるまで、AUV100が完全に水没したときに、AUV100および電力システム120が動作することを可能または管理することができる。システムマネージャモジュール160は、充電式電池サブシステム136が所定の最小充電レベルまで放電されると、AUV100を海面に戻すことができる。AUV100が再浮上すると、システムマネージャモジュール160は、燃料電池132を作動させ、吸気シュノーケル142を開いて、海面上から外気を取り込み、そして、燃料電池132において水素と結合させて、燃料電池132から電気エネルギを出力し得る。充電式電池サブシステム136を充電するために浮上するAUV100のこのサイクル、次いで、充電式電池サブシステム136によって動力を供給される水中の海中操作を実行するための水中または潜水は、所望の期間の操作を実行するために必要に応じて繰り返され得る。
【0024】
図1に示されるように、電力貯蔵サブシステム124は、発電サブシステム122と電気的に通信する充電式電池サブシステム136を含み得る。充電式電池サブシステム136は、複数のリチウムイオン電池、リチウムポリマ電池、または適切なエネルギ密度を備えたエネルギ貯蔵を提供する充電式化学構造を含み得る。一実施形態では、例えば、電力貯蔵サブシステム124は、充電式蓄電池のアレイを含み得る。一実施形態では、電力貯蔵サブシステム124は、複数の充電式リチウムイオン電池からなるアレイを含み得る。
【0025】
各充電サイクルにおいて、システムマネージャモジュール160が浮上すると、再び燃料電池132を作動させ、吸気シュノーケル142を開き、酸素が燃料電池132に導入されて、AUV100に搭載された圧縮水素貯蔵タンクからの水素と反応することを可能にする。海面充電入および海中操作のサイクルは、任務が完了するか、または搭載されている圧縮水素の供給182が使い果たされるまで繰り返され得る。海面充電および海中操作のサイクルは、AUV100に搭載された圧縮酸素の貯蔵タンクを必要とせずに、搭載された水素貯蔵タンク182から利用可能な水素の限界まで繰り返され得る。
【0026】
一実施形態では、例えば、マリナイズされた(marinized)プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)134は、搭載された圧縮水素貯蔵ボトル182から供給ラインを介して高圧水素ガスを供給され得えるものであり、酸素は、吸気シュノーケル142を介して海面でアクセスされる大気から引き込まれたり、取り込まれたりされ得る。システムマネージャモジュール160は、AUV100が浮上および水没したときにそれぞれPEMFC134を開始および停止するように構成され得る。AUV100が海面に位置している間にPEMFC134を操作することによって生成された電力は、同時に、ビークルが水没したときにAUV100にすべての電力を供給する充電式電池サブシステム136を充電することができる。充電式電池サブシステム136は、電池のみを有する他のAUVの性能と同等またはそれを超える期間、水中に沈められたときにAUV100が機能することを可能にするようなサイズにされ得ることが有利であり得る。そのようなAUV100は、海中操作から浮上し、充電式電池サブシステム136を再充電し、海中操作を再開することができ、別の電池を交換または再充電するための介入や回復を必要とせずに、このサイクルを数週間または数ヶ月繰り返すことができることが有利であり得る。
【0027】
一実施形態では、発電サブシステム122および燃料電池132の設計は、酸素などの加圧ガス状酸化剤の貯蔵ボトル、および関連するレギュレータおよび流量計などの関連機器を省略することによって簡略化できることが有利である可能性がある。加圧酸素貯蔵ボトルを省略すると、設計どおりにAUVの質量が変化するため、バラストタンクのサイズを縮小できる可能性がある。加圧酸素貯蔵ボトルを省略すると、船体の容積またはスペースを増やすことができ、圧縮水素貯蔵タンクの数と容積を増やすために使用できるため、AUVの耐久性が向上する。
【0028】
図1に示される特定の実施形態では、AUV100は、充電式電池を含む充電式電池サブシステム136を含み得る自律型水中/水上車両(AUSV)であり得る。AUV100は、船体構造110内に水密エンクロージャ178を含み得る。AUV100はさらに、空気呼吸PEMFC134を含む燃料電池充電システム130を含み得る。図1を参照すると、AUV100は、PEMFC134を収容する水密燃料電池キャニスタ180を含み得る。AUV100は、複数の水素貯蔵ボトル182、吸気弁184、充電式電池システム136、およびシステムマネージャモジュール160に圧縮水素燃料を含み得る。
【0029】
図1を参照すると、AUV100は、海面の上方の外部から空気を取り入れ、その空気をPEMFC134に送達するように構成された空気呼吸サブシステム140を含み得る。空気呼吸サブシステム140は、吸気口186および吸気弁184を有する吸気シュノーケル142を含み得る。
【0030】
図1を参照すると、AUV100は、PEMFC134から生成された廃水を除去するための水抜きシステム170を含み得る。水抜きシステム170は、廃水収集器またはサンプ188、廃水弁190(または「廃水排出弁190」)、および廃水ポンプ192を含み得る。吸気弁184は、船体構造110の外面に近接して配置された吸気口186を含む吸気シュノーケル142に結合することができる。吸気シュノーケル142は、AUV100が水面に配置され、吸気弁184が開いているときに、海面上のAUV100の外側から吸気口186に外気を運ぶように構成され得る。
【0031】
図1を参照すると、PEMFC134は、水素燃料と、海面上のAUVの外側から空気呼吸サブシステム140によって取り込まれることができる酸化剤とが供給されることによって動作し得る。水素ガスは、搭載された圧縮水素貯蔵ボトル182からPEMFC134に導入し得る。外気と水素は、廃水を生成するPEMFC134の動作によって消費される酸化剤と燃料として機能する。PEMFC 134の動作は、充電式電池サブシステム136に電力出力を提供して、それを充電する。
【0032】
図1を参照すると、PEMFC134の燃料電池プロセス動作から生成された廃水は、廃水収集器またはサンプ188に収集され、水抜きシステム170の廃水ポンプ192によって排出され得る。廃水弁190は、水抜きシステム170の廃水ポンプ192を、水密エンクロージャ178の外側に配置された排水ポート194に結合し得る。水抜きシステム170は、廃水弁190が開いているときに、廃水を排水ポート194からAUV船体の外側に経路を決めて輸送する。
【0033】
一実施形態(図示せず)では、空気呼吸サブシステム130は、空気呼吸サブシステム130を通過してPEMFC134に送られる吸入空気のウェットまたはドライエアフィルタリングを実行するように構成されたウェットまたはドライエアフィルタを含み得る。ウェットフィルタは、図5に示すAUV500のウェットフィルタ597と同じでも構わない。一実施形態では、燃料電池132によって生成された廃水は、湿式濾材に使用し得る。このような廃水は、ポンプによって燃料電池廃水排出口から、空気呼吸サブシステム130を通過する濾過されていない外気に溶解している可能性がある塩および他の汚染物質を除去するために外気を湿式濾過するように構成された湿式フィルターに循環させ得る。空気の湿式濾過に使用可能なユニットの例(図示せず)には、パッドを流れる水を有するエアフィルターパッド、ミストエアフィルター、バブリングエアフィルター、および濾過されていない空気を水性濾材などの液体濾材と接触させるように構成された他の任意の適切なユニットが含まれ得る。一実施形態では、濾材水は、燃料電池の動作から生成された新しい廃水で補充または交換し得るものであり、使用済み濾材水は、AUVから船外に排出し得る。排出され、使用された濾材水は、濾過されている空気から移動した粒子を含み得る。
【0034】
図1を参照すると、システムマネージャモジュール160は、AUVが水没することを判断し、PEMFC充電プロセスをシャットダウンし、吸気弁を閉じ、廃水弁を閉じ、そして電池システムへの電力出力を切り替えるように構成され得る。システムマネージャモジュール160はまた、AUVが浮上したことを検出するように構成され得る。AUVが浮上したことを検出すると、システムマネージャモジュール160は、空気呼吸PEMFC134を含む燃料電池充電システム130を起動し、吸気弁184を開き、廃水弁190開き、電源出力をPEMFC134切り替え、そして、充電式電池サブシステム136の充電を開始し得る。電池管理サブシステム126は、充電式電池サブシステム136の充電速度および電力レベルを制御し得る。システムマネージャモジュール160は、燃料電池132を介してオンボード発電を開始して、オンボード充電式電池サブシステム136を再充電するように構成され得る。システムマネージャモジュール160は、車両が水没した場合、AUV100を水没位置から海面に上昇させて、燃料電池132を介してオンボード発電を開始し得る。
【0035】
図2に示されているのは、一実施形態におけるAUV200である。AUV200は、本明細書で他に図示または説明されている場合を除いて、図1に示されているAUV 100と同一であり得る。AUV200は、電力システム220を含み得る。電力システム220は、燃料電池充電システム230を含む発電サブシステム222を含み得る。燃料電池充電システム230は、吸気シュノーケル242を有する空気呼吸サブシステム240を含み得る。燃料電池充電システム230は、空気呼吸サブシステム240と通信する空気呼吸PEMFC234を含み得る。PEMFC234は、燃料電池キャニスタ280を取り囲む水密エンクロージャ278に封入され得る。発電サブシステム222は、複数の圧縮水素貯蔵ボトル282、吸気弁284、充電式電池サブシステム236、およびシステムマネージャモジュール260(図2)を含み得る。空気呼吸サブシステム230は、吸気シュノーケル240および吸気弁284を含み得る。水抜きシステム270は、廃水収集器またはサンプ288、廃水排出弁290、および廃水ポンプ292を含み得る。吸気弁284は、吸気口286を、水密水中エンクロージャ278の外面上の吸気シュノーケル242に結合する。空気呼吸サブシステム230は、UAV200が海面に位置するときに、吸気弁284が開いているときに、水密エンクロージャ278の外面から吸気口286に空気を輸送するように構成される。接続された圧縮水素貯蔵ボトル282からの水素ガスは、水素供給ライン281を介してPEMFC234に供給される。搭載された水素貯蔵ボトル282からの外気と水素ガスの混合物は、充電式電池サブシステム236を充電するための電力出力を提供するPEMFC234の動作に燃料を供給する。PEMFC234から充電式電池サブシステム236に供給される充電の速度およびレベルは、電池管理サブシステム226によって制御される。
【0036】
図2を参照すると、吸気弁284、廃水排出弁290、および廃水ポンプ292を含む水抜きシステム270は、システムマネージャモジュール260によって制御される。PEMFC234の動作から生成された廃水は、廃水収集器またはサンプ288に収集され、廃水ポンプ292によって電力システム220から排出され得る。廃水排出弁290は、廃水ポンプ292を水密エンクロージャ278の外面に結合することができ、そして、廃水排出弁290が開いているときに、廃水を排水ポート294から水密エンクロージャ278の外面に輸送するように構成し得る。
【0037】
図2を参照すると、システムマネージャモジュール260は、水密エンクロージャ278を含む船体構造210が水没することを判断し、充電プロセスを停止し、吸気弁284を閉じ、廃水排出弁290を閉じ、そして、電力出力を充電式電池サブシステム236に切り替えるようにPEMFC234を制御するように構成され得る。システムマネージャモジュール260はまた、水密エンクロージャ278を含む船体構造210が浮上したことを検出し、空気呼吸PEMFC234を制御して電源を入れ、動作を開始し、吸気弁284を開き、廃水排出弁290を開き、電源出力をPEMFC234に切り替え、そして、充電式電池サブシステム236の充電を開始するように構成され得る。
【0038】
図3は、空気呼吸サブシステムを有する燃料電池充電システムを含むAUVを使用するための方法300を示している。AUV、燃料電池充電システム、および空気呼吸サブシステムは、本明細書に開示される実施形態と同一であり得る。
【0039】
図3に示されるように、方法300は、システムマネージャによって、充電式電池サブシステムについて、所定の最小閾値に対する蓄積されたエネルギレベルを比較すること304を含み得る。システムマネージャは、オンボードデータ処理システムによって提供される場合がある。一実施形態では、オンボードデータ処理システムは、データ処理システムのデータ処理デバイスによって実行されると、データ処理デバイスに方法300を実行させることができるプロセッサ実行可能命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。システム管理者は、電池管理サブシステムと対話して、蓄積されたエネルギレベルを判断し、充電を制御し、充電式電池サブシステムの放電を制御することができる。蓄積されたエネルギのレベルは、電力貯蔵サブシステムに蓄積されたレベルであり得ることが理解されよう。所定の最小閾値は、満たされると、システムマネージャモジュールを自動的にトリガして、充電式電池サブシステムの充電サイクルを開始する最小蓄積エネルギレベルであり得る。
【0040】
図3に示されるように、方法300は、蓄積されたエネルギレベルが充電式電池サブシステムの所定の最小閾値に達したときに、システムマネージャによって、水中の場所から海面にAUVを浮上させること308を含み得る。蓄積されたエネルギレベルは、比較すること304によって、所定の最小閾値に対して判断され得る。
【0041】
図3に示されるように、方法300は、所定の最小閾値が満たされ、AUVが浮上すること308によって海面に配置されたときに、システムマネージャによる燃料電池充電システムによる充電操作の開始312を含み得る。
【0042】
図3を参照すると、方法300は、システムマネージャ、空気呼吸サブシステム、特にその吸気弁による第1の開放316を含み得る。吸気弁の第1の開放316は、外気を海面上の大気の上から吸気を通して取り入れて、吸気シュノーケルを通過させ、そして、空気呼吸サブシステムとの開放連通において、取り入れた空気を空気呼吸PEMFCに渡すことを可能にする。
【0043】
図3を参照すると、方法300は、システムマネージャによる、特にその水素供給ラインと連絡している水素供給弁を含む水素供給サブシステムの第2の開放320を含み得る。水素供給弁の第2の開放320は、水素ガスが、搭載された圧縮水素貯蔵タンクから水素供給ラインを通って通過し、PEMFC内の吸入空気中の酸素と混合および反応することを可能にする。PEMFC内の酸素と水素との間の反応は、充電式電池サブシステムを充電するために、PEMFCと電気的に通信する電力貯蔵サブシステムに供給される電気エネルギを生成する。
【0044】
図3を参照すると、方法300は、システムマネージャによる第3の開放324を含み得るものであり、水抜きシステムは、特にその廃水排出弁を含み、そこでの開放連通を可能にし、その廃水ポンプを操作することによって、水抜きシステムからの廃水の排出を可能にする。
【0045】
図3に示されるように、方法300は、システムマネージャによる、充電可能電池サブシステムに供給される電気エネルギを生成するためにPEMFCの動作を制御することによる充電可能電池サブシステムの充電328を含み得る。
【0046】
図3に示されるように、方法300は、システムマネージャによる、PEMFCの動作中に充電式電池サブシステムへの電気エネルギの供給を停止するように電気エネルギを制御することによる充電式電池サブシステムの充電328を終了すること332を含み得る。
【0047】
図3を参照すると、方法300は、システムマネージャによる、空気呼吸サブシステム、特にその吸気弁の第1の閉鎖336を含み得る。吸気弁の第1の閉鎖336は、空気吸入サブシステムを閉じることによって、吸気口および吸気シュノーケルを介した内向きの外気の取り込みを無効にして停止し、空気呼吸PEMFCへの、取り込んだ空気の連通および通過を停止する。
【0048】
図3を参照すると、方法300は、システム管理者による、特にその水素供給ラインと通信している水素供給弁を含む水素供給サブシステムによる第2の閉鎖340を含み得る。水素供給弁の第2の閉鎖340は、水素ガスがPEMFCに入るのを防ぎ、したがって、PEMFCの動作を停止する。
【0049】
図3を参照すると、方法300は、システムマネージャによる第3の閉鎖344を含み得るものであり、特にその廃水排出弁を含む水抜きシステムは、それを通る開放連通を無効にし、水抜きシステムからの廃水の排出を停止し、したがって、 水抜きシステムを閉じ、水抜きシステムを介した逆流によって外部の海水がAUVに入るのを防ぐ。
【0050】
図4は、空気呼吸サブシステムを有する燃料電池充電システムを含むAUVを使用するための方法400を示している。AUV、燃料電池充電システム、および空気呼吸サブシステムは、本明細書に開示される実施形態と同一であり得る。方法400は、ステップ、機能、および結果に互換性があり得る範囲で、上記の方法300と同一であるか、またはそのステップを含み得る。図4に示されるように、方法400は、データ処理システムによって、本明細書に開示される実施形態による、燃料電池充電システムと共に使用するように構成されたシステムマネージャを提供すること404を含み得る。これには、外気を取り込む空気呼吸サブシステム、搭載された貯蔵タンク内の圧縮水素の供給を備えた発電サブシステムが含まれる場合がある。これらは、水密AUVエンクロージャまたは船体構造に収容された空気呼吸PEMFCに供給され、
これにより、廃水が生成され、AUVを操作するための電気エネルギが生成され、水抜きシステムは、AUVの船外で廃水を除去する。燃料電池充電システムはまた、充電式電池サブシステムおよび電池管理サブシステムを含む電力貯蔵サブシステムを含み得る。
【0051】
図4に示されるように、方法400は、PEMFCに通信可能に結合されたシステムマネージャにより、AUVが水没するかどうかの判断408を含み得る。方法400は、AUVが水没するときに、システムマネージャによって、PEMFCの充電式電池サブシステムへの充電の停止412をさらに含み得る。方法400は、システムマネージャにより、空気呼吸サブシステムの吸気シュノーケルに接続された吸気弁の第1の閉鎖416を含み得る。方法400はさらに、システムマネージャによる、水抜きシステムの、廃水収集器または水抜きシステムのサンプに接続された廃水排気弁を閉じることによる、第2の閉鎖420を含み得る。方法400はまた、システムマネージャ、電池管理サブシステム、および充電可能電池サブシステムにより、充電モードから出力モードへの第1の切替424を含み得る。方法400は、システムマネージャによって、さらに、AUVが浮上したことの検出428を含み得る。方法400はさらに、システムマネージャにより、PEMFC充電システムの動作の開始432を含み得る。方法400は、システムマネージャモジュールによって、シュノーケルに接続された吸気弁の第1の開放436をさらに含み得る。方法400はさらに、システムマネージャにより、廃水排出弁の第2の開放440を含み得る。方法400は、システムマネージャにより、PEMFCの動作によって生成された電力出力を、そのような電力出力を供給し、充電式電池サブシステムの充電を開始するための、第2の切替444をさらに含み得る。
【0052】
図5に示されているのは、一実施形態では、空気呼吸機能を備えた燃料電池充電システム530を含むAUV500の簡略概略図であり、充電式電池サブシステム540は、海面動作での燃料電池532の動作によって充電される。AUV500は、本明細書で他に図示または説明されている場合を除いて、図1に示されているAUV100、または図2に示されているAUV200と同一であり得る。吸気弁584は、開放位置に示されており、開放連通および外部からの大気の取り込みを可能にして、吸気シュノーケル542を通して取り込んだ空気を送り込み、取り込んだ空気を燃料電池532に送達する。ウェットフィルタ597が示されている。水抜きシステム580は、供給弁570を開き、廃水をウェットフィルタ597に向けるように操作される。水抜きシステム580はまた、水密船体構造510の外に廃水を排出するように作動される。電池管理サブシステム526は、燃料電池充電システム530の動作によって、充電式電池サブシステム536の充電を可能にする。
【0053】
図6は、一実施形態では、空気呼吸機能を備えた燃料電池充電システム630を含むAUV600を示す簡略概略図であり、充電式電池サブシステム640は、水中動作でAUV600の電力動作に放電する。AUV600は、本明細書で他に図解または説明されている場合を除いて、図1に示されるAUV 100、図2に示されるAUV200、または図5に示されるAUV500と同一であり得る。吸気弁684は、空気呼吸サブシステム640を閉じるために閉じた位置に示されている。電池管理サブシステム626および充電式電池サブシステム636は、水中にある間、充電式電池サブシステム636の電力を受電システムに放電するように動作する。
【0054】
本開示の実施形態による装置、方法およびシステムが記載されている。特定の実施形態が本明細書に例示および記載されているが、同じ目的を達成するために計算される任意の構成が、示される特定の実施形態の代わりになり得ることが当業者には理解され得る。このアプリケーションは、実施形態および開示の任意の適合または変形をカバーすることを意図している。たとえば、当技術分野、本明細書に記載の例示的な実施形態、システム、方法および装置に共通の用語や用語で説明されているが、当業者は、必要な機能を提供する他の技術分野、システム、装置、または方法のために実装が行われる可能性があることを理解し得る。したがって、本発明は、上記の実施形態、方法、および例によって限定されるべきではなく、本発明の範囲および精神内のすべての実施形態および方法によって限定されるべきである。
【0055】
特に、当業者は、方法および装置の名称が実施形態または開示を限定することを意図していないことを容易に理解することができる。さらに、追加の方法、ステップ、および装置をコンポーネントに追加することができ、機能をコンポーネント間で再配置することができ、実施形態および開示の範囲から逸脱することなく、実施形態で使用される将来の拡張および物理デバイスに対応する新しいコンポーネントを導入することができる。当技術分野の技術者の1人は、実施形態が将来のシステム、将来の装置、将来の方法、および異なる材料に適用可能であることを容易に認識することができる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、適切な順序で実行することができる。ありとあらゆる例、または例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に開示をよりよく説明することを意図しており、別段の請求がない限り、開示の範囲に制限を課さない。本明細書のいかなる文言も、本明細書で使用される開示の実施に不可欠であるとして請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。本開示で使用される用語は、本明細書で説明されるのと同じ機能を提供するすべての環境および代替技術を含むことを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】