IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧 ▶ ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.の特許一覧

特表2023-519091ヒートポンプシステム、表示装置、利用側ユニットおよび情報出力方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】ヒートポンプシステム、表示装置、利用側ユニットおよび情報出力方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/32 20180101AFI20230428BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20230428BHJP
   F24F 11/36 20180101ALI20230428BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
F24F11/32
F24F11/52
F24F11/36
F25B49/02 520M
F25B49/02 570Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547116
(86)(22)【出願日】2021-01-06
(85)【翻訳文提出日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 JP2021000139
(87)【国際公開番号】W WO2021157267
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】20155631.3
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510048875
【氏名又は名称】ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】DAIKIN EUROPE N.V.
【住所又は居所原語表記】Zandvoordestraat 300,Oostende 8400,Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】福田 和也
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB03
3L260BA52
3L260BA54
3L260GA17
(57)【要約】
通信網を形成する複数の利用側ユニット(220)を有するヒートポンプシステム(100)に関する情報を出力するための表示装置(400)を提供する。表示装置(400)は、モード管理部(462)とユニット側通信部(420)と表示装置出力部(440)とを備える。モード管理部(462)は、第一モードを含む表示装置の複数の動作モードからの選択を受けるよう構成される。ユニット側通信部(420)は、第一ユニット信号および第二ユニット信号を複数の利用側ユニットのうちの一つである所定の利用側ユニットから受信または取得するよう構成される。第一ユニット信号は所定の利用側ユニットによって生成される情報のために用いられ、第二ユニット信号は所定の利用側ユニットによって生成されない情報のために用いられる。表示装置出力部(440)は、表示装置が第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、警告情報を出力するよう構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプシステムに関する情報を出力するための複数の利用側ユニットおよび複数の表示装置を備えるヒートポンプシステムであって、
それぞれの利用側ユニットは、
第一ユニット信号および第二ユニット信号を前記複数の表示装置のうちの一つである所定の表示装置へ伝送するよう構成される、表示装置側通信部と、
ユニット間信号を他の利用側ユニットへ伝送するとともに他の利用側ユニットから受信するよう構成される、ユニット間通信部と、
警告情報を生成し、前記生成された警告情報を前記所定の表示装置へと第一ユニット信号を用いて送信し、そして前記生成された警告情報を前記他の利用側ユニットへとユニット間信号を用いて送信するよう構成される、情報生成部と、
警告情報を前記他の利用側ユニットからユニット間信号を用いて受信したときに、前記受信された警告情報を前記所定の表示装置へ第二ユニット信号を用いて転送し、そして、前記受信された警告情報を生成も受信もしていない利用側ユニットがまだ残っている場合には前記受信された警告情報を前記まだ残っている利用側ユニットへ他のユニット間信号を用いて転送するよう構成される、ユニット間信号処理部と、
を備え、
それぞれの表示装置は、
第一モードを含む表示装置の複数の動作モードからの選択を受けるよう構成される、モード管理部と、
第一ユニット信号および第二ユニット信号を前記利用側ユニットから受信または取得するよう構成される、ユニット側通信部と、
前記表示装置が前記第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、前記警告情報を出力するよう構成される、表示装置出力部と、
を備える、
ヒートポンプシステム。
【請求項2】
前記表示装置出力部は、さらに、警告情報が第一ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、前記警告情報を出力するよう構成されている、
請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項3】
通信網を形成する複数の利用側ユニットを有するヒートポンプシステムに関する情報を出力するための表示装置であって、
第一モードを含む表示装置の複数の動作モードからの選択を受けるよう構成される、モード管理部と、
第一ユニット信号および第二ユニット信号を前記複数の利用側ユニットのうちの一つである所定の利用側ユニットから受信または取得するよう構成され、前記第一ユニット信号は前記所定の利用側ユニットによって生成される情報のために用いられ、前記第二ユニット信号は前記所定の利用側ユニットによって生成されない情報のために用いられる、ユニット側通信部と、
前記表示装置が第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、前記警告情報を出力するよう構成される、表示装置出力部と、
を備える、
表示装置。
【請求項4】
前記表示装置出力部は、さらに、警告情報が第一ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、前記警告情報を出力するよう構成されている、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置が前記第一モードで動作していない際に情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときには、前記表示装置出力部が前記情報を出力することを抑制するよう構成される、ユニット信号処理部、
をさらに備える、
請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ユニット信号処理部は、さらに、前記表示装置が前記第一モードで動作している際に非警告情報が第一ユニット信号および第二ユニット信号のいずれかを用いて受信または取得されたときには、前記表示装置出力部が前記非警告情報を出力することを抑制するよう構成されている、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の動作モードにはさらに第二モードが含まれており、
前記ユニット信号処理部は、さらに、前記表示装置が前記第二モードで動作している際に非警告情報が第一ユニット信号を用いて受信または取得されたときには、前記表示装置出力部が前記非警告情報を出力することを抑制するよう構成されている、
請求項5または6に記載の表示装置。
【請求項8】
無線通信を用いて移動端末から端末信号を受信するよう構成される、端末側通信部、
をさらに備え、
前記モード管理部は、前記複数の動作モードからの選択の要求が端末信号を用いて受信されたときに前記要求を受けるよう構成されている、
請求項3~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記ユニット側通信部は、さらに、表示器信号を前記所定の利用側ユニットへ伝送するよう、そして、前記所定の利用側ユニットの識別情報として設定されるアドレス情報が端末信号を用いて受信されたとき前記アドレス情報を前記所定の利用側ユニットへ表示器信号を用いて転送するよう、構成されている、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記警告情報には、異常が発生した利用側ユニットの識別情報が含まれる、
請求項3~9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記異常には冷媒漏れが含まれる、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
ヒートポンプシステムの複数の利用側ユニットの一つとしての利用側ユニットであって、
第一ユニット信号および第二ユニット信号を表示装置へ伝送するよう構成される、表示装置側通信部と、
ユニット間信号を他の利用側ユニットへ伝送するとともに他の利用側ユニットから受信するよう構成される、ユニット間通信部と、
警告情報を生成し、前記生成された警告情報を前記表示装置へと第一ユニット信号を用いて送信し、そして前記生成された警告情報を前記他の利用側ユニットへとユニット間信号を用いて送信するよう構成される、情報生成部と、
警告情報を、ユニット間信号を用いて受信したときに、前記受信された警告情報を前記表示装置へ第二ユニット信号を用いて転送し、そして、前記受信された警告情報を生成も受信もしていない利用側ユニットがまだ残っている場合には前記受信された警告情報を前記まだ残っている利用側ユニットへ他のユニット間信号を用いて転送するよう構成される、ユニット間信号処理部と、
を備える、
利用側ユニット。
【請求項13】
前記表示装置側通信部は、さらに、前記表示装置から表示器信号を受信するよう構成されており、
前記利用側ユニットは、前記利用側ユニットの識別情報として設定されるアドレス情報が表示器信号を用いて受信されたとき前記アドレス情報を前記利用側ユニットの識別情報として設定するよう構成される、表示器信号処理部、
をさらに備え、
前記情報生成部は、異常が前記利用側ユニットで生じたとき前記設定された識別情報を含む警告情報を生成するよう構成されている、
請求項12に記載の利用側ユニット。
【請求項14】
通信網を形成する複数の利用側ユニットを有するヒートポンプシステムに関する情報を出力するための表示装置における情報出力方法であって、
第一モードを含む表示装置の複数の動作モードからの選択を受ける工程と、
第一ユニット信号および第二ユニット信号のいずれかを前記複数の利用側ユニットのうちの一つである所定の利用側ユニットから受信または取得し、前記第一ユニット信号は前記所定の利用側ユニットによって生成される情報のために用いられ、前記第二ユニット信号は前記所定の利用側ユニットによって生成されない情報のために用いられる工程と、
前記表示装置が第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、前記警告情報を出力する工程と、
を備える、
情報出力方法。
【請求項15】
警告情報が第一ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、前記警告情報を出力する工程、
をさらに備える、
請求項14に記載の情報出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の利用側ユニットおよび複数の表示装置を備えるヒートポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017-53509号公報明細書には、ヒートポンプシステムに関する情報を出力するための複数の利用側ユニットおよび複数の表示装置を有するヒートポンプシステムが開示されている。表示装置はそれぞれ、利用側ユニットに接続される。冷媒漏れが発生したとき、接続している表示装置に警告情報を送信するよう、各利用側ユニットは構成される。接続している利用側ユニットから警告情報を受信すると警告情報をその表示部に出力するよう、各表示装置は構成される。これにより、冷媒漏れの発生の各利用側ユニットをユーザに通知することができる。
【0003】
一方、利用側ユニットのうちのいずれの警告情報であっても、一箇所に出力することが望ましい場合もある。例えば、ホテルの監視室(モニタリング室)において、監視者は、客室ごとに設置される空気調節装置のうちのいずれの警告情報であってもすぐに識別する必要がある。けれども、別々の場所に配置されている空気調節装置から情報を得るために、モニタリング室の情報出力デバイスを空気調節装置のそれぞれに接続するには費用(コスト)も手間もかかる。
【0004】
このため、特開2017-53509号公報明細書にも記載されている通り、複数の利用側ユニットは通信網(ネットワーク)を形成することができ、情報出力デバイスをこのネットワークに利用側ユニットのうちの一つを介して接続することができる。利用側ユニットのうちのいずれから発せられる情報であっても、ネットワークにおいて通信信号によって伝送されて、利用側ユニットのうちの一つを介して情報出力デバイスへと転送される。これにより、情報出力デバイスは、利用側ユニットのそれぞれからの情報を、それぞれ個別の接続がなくとも得ることができる。こうして、警告情報を、異常がある利用側ユニットに接続されている表示装置からだけでなく、情報出力デバイスからも出力することができる。
【0005】
しかしながら、表示装置とは異なる構成を有する情報出力デバイスを備えることによって、システムコストも増えてしまう。また、すべての警告情報を出力しなければならない場所を変更する必要がある場合、情報出力デバイスを移動させて再接続することは手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-53509号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明は、管理が非常に容易で非常に使いやすいヒートポンプシステムを低コストで提供することを目的とする。
【0008】
本発明の第一面では、ヒートポンプシステムに関する情報を出力するための複数の利用側ユニットおよび複数の表示装置を備えるヒートポンプシステムを提供する。それぞれの利用側ユニットは、表示装置側通信部と、ユニット間通信部と、情報生成部と、ユニット間信号処理部と、を有する。表示装置側通信部は、第一ユニット信号および第二ユニット信号を複数の表示装置のうちの一つである所定の表示装置へ伝送するよう構成される。ユニット間通信部は、ユニット間信号を他の利用側ユニットへ伝送するとともに他の利用側ユニットから受信するよう構成される。情報生成部は、警告情報を生成し、生成された警告情報を所定の表示装置へと第一ユニット信号を用いて送信し、そして生成された警告情報を他の利用側ユニットへとユニット間信号を用いて送信するよう構成される。ユニット間信号処理部は、警告情報を他の利用側ユニットからユニット間信号を用いて受信したときに、受信された警告情報を所定の表示装置へ第二ユニット信号を用いて転送し、そして、受信された警告情報を生成も受信もしていない利用側ユニットがまだ残っている場合には受信された警告情報をまだ残っている利用側ユニットへ他のユニット間信号を用いて転送するよう構成される。それぞれの表示装置は、モード管理部と、ユニット側通信部と、表示装置出力部と、を有する。モード管理部は、第一モードを含む表示装置の複数の動作モードからの選択を受けるよう構成される。ユニット側通信部は、第一ユニット信号および第二ユニット信号を利用側ユニットから受信または取得するよう構成される。表示装置出力部は、表示装置が第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、警告情報を出力するよう構成される。
【0009】
この第一面にかかるヒートポンプシステムにより、第一モードを選択するか否かだけで、表示装置に第一ユニット信号および第二ユニット信号を伝送する所定の利用側ユニット以外の利用側ユニットによって生成される警告情報を出力するか否かに関する各表示装置の動作を切り換えることができる。これにより、任意の表示装置に、警告情報を出力する機能を、その生成元に関係なく、容易にかつ自由に与えることができる。表示装置と異なる構成を有する、すべての警告情報を出力するために専用の情報出力デバイスはもはや必要ではない。また、情報出力デバイスが利用側ユニットのそれぞれに接続されているシステムと比較して、中央情報出力機能を容易に組み込むこと(インストール)ができる。したがって、管理が非常に容易で非常に使いやすい冷媒システムを低コストで提供することができる。
【0010】
上述の冷媒システムの好ましい態様では、表示装置出力部は、さらに、警告情報が第一ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、警告情報を出力するよう構成される。
【0011】
この構成により、警告情報が所定の利用側によって生成される場合、表示装置はその動作モードとは関係なく警告情報を出力することができる。例えば上述のホテルの場合においては、客室を使用している宿泊客にとって重要なのはその客室の空気調節装置によって生成される情報だけであり、一方で、屋内装置のうちのどの装置によって生成される警告情報であってもすべて監視者にとって重要な情報とできる。こうして、上記態様にかかるヒートポンプシステムによって、システム全体の管理者に向けた情報出力と、特定の利用側ユニットのユーザに向けた情報出力と、の両方を同じ表示装置によって行うことができ、これらの異なるタイプの情報出力を必要に応じて表示装置ごとに選択可能とできる。したがって、冷媒システムの使いやすさを低コストでさらに改善できる。
【0012】
本発明の第二面では、通信網を形成する複数の利用側ユニットを有するヒートポンプシステムに関する情報を出力するための表示装置を提供する。表示装置は、モード管理部とユニット側通信部と表示装置出力部とを備える。モード管理部は、第一モードを含む表示装置の複数の動作モードからの選択を受けるよう構成される。ユニット側通信部は、第一ユニット信号および第二ユニット信号を複数の利用側ユニットのうちの一つである所定の利用側ユニットから受信または取得するよう構成される。第一ユニット信号は所定の利用側ユニットによって生成される情報のために用いられ、第二ユニット信号は所定の利用側ユニットによって生成されない情報のために用いられる。表示装置出力部は、表示装置が第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、警告情報を出力するよう構成される。
【0013】
この第二面にかかる表示装置により、第一モードを選択するか否かだけで、表示装置に第一ユニット信号および第二ユニット信号を伝送する所定の利用側ユニット以外の利用側ユニットによって生成される警告情報を出力するか否かに関する各表示装置の動作を切り換えることができる。これにより、任意の表示装置に、警告情報を出力する機能を、その生成元に関係なく、容易にかつ自由に与えることができる。表示装置と異なる構成を有する、すべての警告情報を出力するために専用の情報出力デバイスはもはや必要ではない。したがって、管理が非常に容易で非常に使いやすい冷媒システムを低コストで提供することができる。
【0014】
上述の表示装置の好ましい態様では、表示装置出力部は、さらに、警告情報が第一ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、警告情報を出力するよう構成される。
【0015】
この構成により、警告情報が所定の利用側ユニットによって生成される場合、表示装置はその動作モードとは関係なく警告情報を出力することができる。したがって、冷媒システムの使いやすさを低コストでさらに改善できる。
【0016】
上述の表示装置の他の好ましい態様では、表示装置は、さらに、表示装置が第一モードで動作していない際に情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときには、表示装置出力部が情報を出力することを抑制するよう構成されるユニット信号処理部を備える。
【0017】
この構成により、表示装置は、第一モードが選択されておらず、かつ、警告情報がその所定の利用側ユニットによって生成されない場合、警告情報を出力しないが、他の情報を出力できる。言い換えれば、第一モードが選択されているときには表示装置は複数の利用側ユニットのうちのいずれの装置から生成された警告情報をも出力し、第一モードが選択されないときには警告情報が所定の利用側ユニットによって生成される場合にのみ表示装置はその警告情報を出力する。これにより、警告情報の出力を、表示装置の所定のユニットが警告情報を生成した場合と、第一モードが表示装置に選択された場合と、に制限しながら、表示装置からの種々の情報を出力することができる。したがって、冷媒システムの使いやすさを低コストでさらに改善できる。
【0018】
ユニット信号処理部を有する上述の表示装置のうちのいずれかの一つのさらなる他の好ましい態様では、ユニット信号処理部は、さらに、表示装置が第一モードで動作している際に非警告情報が第一ユニット信号および第二ユニット信号のいずれかを用いて受信または取得されたときには、表示装置出力部が非警告情報を出力することを抑制するよう構成される。
【0019】
この構成により、第一モードが選択された表示装置は情報を、その情報が警告情報でない限り、出力しない。これにより、第一モードで動作している表示装置が不必要な情報を出力することを防止できる。したがって、冷媒システムの使いやすさを低コストでさらに改善できる。
【0020】
ユニット信号処理部を有する上述の表示装置のうちのいずれかの一つのさらなる他の好ましい態様では、複数の動作モードにはさらに第二モードが含まれる。ユニット信号処理部は、さらに、表示装置が第二モードで動作している際に非警告情報が第一ユニット信号を用いて受信または取得されたときには、表示装置出力部が非警告情報を出力することを抑制するよう構成される。
【0021】
この構成により、表示装置は情報を、第二モードが選択される場合であって、かつ、その情報がその所定の利用側ユニットによって生成される情報であって警告情報ではない場合には、出力しない。これにより、任意の表示装置に、その所定の利用側ユニットによって生成される警告情報のみを出力する機能を、容易にかつ自由に与えることができる。所定の利用側ユニットのユーザは、所定の利用側ユニットによって生成される警告情報を識別することができ、他の不必要な情報に煩わされることがない。したがって、警告情報だけが必要とされる場合には、冷媒システムの使いやすさを低コストでさらに改善できる。
【0022】
上述の表示装置のうちのいずれかの一つのさらなる他の好ましい態様では、表示装置は、さらに、無線通信を用いて移動端末から端末信号を受信するよう構成される端末側通信部を有する。モード管理部は、複数の動作モードからの選択の要求が端末信号を用いて受信されたときに要求を受けるよう構成される。
【0023】
この構成により、移動端末から受信されるモード情報に応じて、第一モードで動作するか否かを変更できる。これにより、必要に応じて、移動可能でかつ表示装置とは異なる移動端末を用いて、第一モードを選択することができる。こうして、モードの選択を受けるだけの専用のヒューマン・インタフェースを、表示装置から省略できる。したがって、表示装置の生産コストを低減しながら、冷媒システムの使いやすさをさらに改善できる。
【0024】
端末側通信部を有する上述の表示装置のうちのいずれかの一つのさらなる他の好ましい態様では、ユニット側通信部は、さらに、表示器信号を所定の利用側ユニットへ伝送するよう、そして、所定の利用側ユニットの識別情報として設定されるアドレス情報が端末信号を用いて受信されたときアドレス情報を所定の利用側ユニットへ表示器信号を用いて転送するよう、構成される。
【0025】
この構成により、移動端末から受信されるアドレス情報は所定の利用側ユニットへ転送される。これにより、移動可能でかつ表示装置とは異なる移動端末を用いて、新しい識別情報を所定の利用側ユニットに設定できる。新しい識別情報の設定を受信するだけの専用のヒューマン・インタフェースを、表示装置から省略できる。したがって、表示装置の生産コストを低減しながら、冷媒システムの使いやすさをさらに改善できる。
【0026】
上述の表示装置のうちのいずれかの一つのさらなる他の好ましい態様では、警告情報には、異常が発生した利用側ユニットの識別情報が含まれる。
【0027】
この構成により、警告情報が受信または取得されるとき、異常の発生および異常が発生した利用側ユニットの識別情報を、表示装置はユーザに通知することができる。これにより、ユーザは、異常がどこで発生したかを認識することができる。したがって、ヒートポンプシステムの管理しやすさを低コストでさらに改善できる。
【0028】
警告情報に識別情報が含まれる、上述の表示装置のうちのいずれかの一つのさらなる他の好ましい態様では、異常には冷媒漏れが含まれる。
【0029】
この構成により、冷媒漏れの発生をユーザに通知することができる。したがって、冷媒システムの管理しやすさおよび安全性を低コストでさらに改善できる。
【0030】
本発明の第三面では、ヒートポンプシステムの複数の利用側ユニットの一つとしての利用側ユニットを提供する。利用側ユニットは、表示装置側通信部とユニット間通信部と情報生成部とユニット間信号処理部とを備える。表示装置側通信部は、第一ユニット信号および第二ユニット信号を表示装置へ伝送するよう構成される。ユニット間通信部は、ユニット間信号を他の利用側ユニットへ伝送するとともに他の利用側ユニットから受信するよう構成される。情報生成部は、警告情報を生成し、生成された警告情報を表示装置へと第一ユニット信号を用いて送信し、そして生成された警告情報を他の利用側ユニットへとユニット間信号を用いて送信するよう構成される。ユニット間信号処理部は、警告情報を、ユニット間信号を用いて受信したときに、受信された警告情報を表示装置へ第二ユニット信号を用いて転送し、そして、受信された警告情報を生成も受信もしていない利用側ユニットがまだ残っている場合には受信された警告情報をまだ残っている利用側ユニットへ他のユニット間信号を用いて転送するよう構成される。
【0031】
この第三面にかかる利用側ユニットでは、複数の利用側ユニットのいずれかにおいて生成される警告情報は、複数の利用側ユニットによって共有される。警告情報が利用側ユニット自体によって生成されたときには第一ユニット信号を用いて、警告情報が利用側ユニット自体によって生成されないときには第二ユニット信号を用いて、共用される警告情報はそれぞれの利用側ユニットによって表示装置へと送信される。これにより、すべての警告情報を、その生成元に関係なく、表示装置へと送信することができると同時に、送信された警告情報がその利用側ユニットによって生成されたか否かを表示装置が知ることができる。こうして、表示装置が、すべての共用される警告情報のなかから、出力すべき警告情報をその警告情報の生成元に応じて選択できる。
【0032】
上述の利用側ユニットの好ましい態様では、表示装置側通信部は、さらに、表示装置から表示器信号を受信するよう構成される。利用側ユニットは、利用側ユニットの識別情報として設定されるアドレス情報が表示器信号を用いて受信されたときアドレス情報を利用側ユニットの識別情報として設定するよう構成される表示器信号処理部をさらに備える。情報生成部は、異常がその利用側ユニットで生じたとき設定された識別情報を含む警告情報を生成するよう構成される。
【0033】
この構成により、利用側ユニットにおいて異常が生じたとき、所定の表示装置に、異常の発生および異常が発生した利用側ユニットの識別情報を、ユーザに通知させることができる。これにより、ユーザは、異常がどこで発生したかを認識することができる。したがって、ヒートポンプシステムの管理しやすさを低コストでさらに改善できる。
【0034】
本発明の第四面では、通信網を形成する複数の利用側ユニットを有するヒートポンプシステムに関する情報を出力するための表示装置における情報出力方法を提供する。情報出力方法は、選択受け付け工程と受信/取得工程と出力工程とを含む。選択受け付け工程において、第一モードを含む表示装置の複数の動作モードからの選択を受ける。受信/取得工程において、第一ユニット信号および第二ユニット信号のいずれかを複数の利用側ユニットのうちの一つである所定の利用側ユニットから受信または取得する。第一ユニット信号は所定の利用側ユニットによって生成される情報のために用いられ、第二ユニット信号は所定の利用側ユニットによって生成されない情報のために用いられる。出力工程において、表示装置が第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、警告情報を出力する。
【0035】
この第四面にかかる情報出力方法により、第一モードを選択するか否かだけで、表示装置に第一ユニット信号および第二ユニット信号を伝送する所定の利用側ユニット以外の利用側ユニットによって生成される警告情報を出力するか否かに関する各表示装置の動作を切り換えることができる。これにより、任意の表示装置に、警告情報を出力する機能を、その生成元に関係なく、容易にかつ自由に与えることができる。表示装置と異なる構成を有する、すべての警告情報を出力するために専用の情報出力デバイスはもはや必要ではない。したがって、管理が非常に容易で非常に使いやすい冷媒システムを低コストで提供することができる。
【0036】
上述の情報出力方法の好ましい態様では、情報出力方法は、さらに、警告情報が第一ユニット信号を用いて受信または取得されたときに、警告情報を出力する工程を含む。
【0037】
この構成により、警告情報が所定の利用側ユニットによって生成される場合、表示装置はその動作モードとは関係なく第一ユニット信号によって示される警告情報を出力することができる。したがって、冷媒システムの使いやすさを低コストでさらに改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明の実施形態にかかるヒートポンプシステムの概略的構成図である。
図2図2は、図1に示す表示装置の外観の一例を示す。
図3図3は、図1に示すユニット制御器の機能的な構成を示すブロック図である。
図4図4は、図1に示す表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図5図5は、ユニット制御器からの信号の受信に応じた表示装置の動作パターンを示す概略表である。
図6図6は、図1に示す移動端末の機能的な構成を示すブロック図である。
図7図7は、ユニット制御器の通信制御部によって実行されるプロセスを示すフローチャートである。
図8図8は、表示装置の表示装置制御部によって実行されるプロセスを示すフローチャートである。
図9図9は、ヒートポンプシステムの動作の一例を示すシーケンス図である
図10A-10F】図10A図10Fは、表示装置の表示状態の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
<好ましい実施形態の詳細な説明>
本発明にかかるヒートポンプシステムの好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
【0040】
<システム構成>
図1は、本発明の実施形態にかかるヒートポンプシステムの概略的構成図である。
【0041】
図1に示す通り、本実施形態にかかるヒートポンプシステム100は、熱源側ユニット210と、それぞれがユニット制御器300を有する複数の利用側ユニット220と、複数の表示装置400と、移動端末500と、を備える。例えば、ヒートポンプシステム100は空調システムである。また、熱源側ユニット210は屋外ユニットであり、利用側ユニット220は屋内ユニットである。
【0042】
本実施形態を、次の態様として説明する。第一ユニット制御器300_1を有する第一利用側ユニット220_1と第一表示装置(インジケータ)400_1とは、第一対象区域611_1に配置されている。第二ユニット制御器300_2を有する第二利用側ユニット220_2と第二表示装置400_2とは、第二対象区域611_1に配置されている。管理者使用インジケータ400_Sは、監視室612に配置されている。なお、これらのデバイスの構成はこれに限定されない。二つ以上の利用側ユニット220を同じ対象区域611に配置することもできる。二つ以上のインジケータ400を同じ対象区域611に配置することもできる。管理者使用インジケータ400_Sを、異なる場所(例えば対象区域611のうちの一つ)に配置することもできる。二つ以上の管理者使用インジケータ400_Sを提供することもできる。
【0043】
第一ユニット制御器300_1および第二ユニット制御器300_2を含むすべてのユニット制御器300は、実質的に同じ構成を有する。したがって、説明がすべてのユニット制御器300に適用できる場合には、ユニット制御器300のそれぞれを単に「ユニット制御器300」という。同様に、説明がすべての利用側ユニット220に適用できる場合には、第一ユニット220_1および第二ユニット220_2を含む利用側ユニット220のそれぞれもまた単に「利用側ユニット220」という。第一インジケータ400_1、第二インジケータ400_2および管理者使用インジケータ400_Sを含むすべてのインジケータ400もまた、実質的に同じ構成を有する。したがって、本実施形態においては、説明がすべてのインジケータ400に適用できる場合には、インジケータ400のそれぞれもまた単に「インジケータ400」という。
【0044】
熱源側ユニット210は、冷媒パイプ(図示せず)を介して冷媒を循環させることによって、利用側ユニット220に冷たい温度および/または熱い温度を供給するよう構成される。熱源側ユニット210は、また、有線/無線通信経路231を介して利用側ユニット220と通信するよう構成される。こうした通信経路231は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)によって構築できる。
【0045】
利用側ユニット220は、熱源側ユニット210から供給された冷たい温度および/または熱い温度を利用するよう構成される。例えば、冷媒と対象区域611における空気との間に熱交換を実行するために、利用側ユニット220は熱交換器および空気送風機(図示せず)を有する。また、利用側ユニット220は、ユニット制御器300に加えて漏出センサ221を有する。
【0046】
漏出センサ221は、冷媒漏れが利用側ユニット220で発生したときこの冷媒漏れを検出してユニット制御器300に通知するよう、構成される。漏出センサ221は、冷媒に反応する半導体ガスセンサとでき、利用側ユニット220内部または外部に配置される。利用側ユニット220は、漏出センサ221を必ずしも有する必要はない、つまり、外部漏出センサを利用することもできる。この場合、ユニット制御器300は、外部漏出センサと通信して信号を伝送および/または受信するための有線/無線通信インタフェースを有する。
【0047】
利用側ユニット220のユニット制御器300は、有線/無線通信経路232を介して通信網を形成するよう構成される。この通信網は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)によって構築できる。例えば、ユニット制御器300は、図1に示す有線/無線通信経路232によって直列に接続される。本実施形態に関して、第一ユニット制御器300_1、第二ユニット制御器300_2および他のユニット制御器(図示せず)がこの順序で連続的に接続される態様として説明する。なお、ユニット制御器300の接続形態はこれには限定されない。
【0048】
ユニット制御器300は、一つ以上のインジケータ400と一つ以上の有線/無線通信経路233を介して通信するよう構成される。こうした通信経路233は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)によって構築できる。本実施形態に関して、第一インジケータ400_1および管理者使用インジケータ400_Sが第一ユニット制御器300_1に接続され、第二インジケータ400_2が第一ユニット制御器300_1に接続される態様として説明する。こうして、第一インジケータ400_1および管理者使用インジケータ400_Sは、第一ユニット制御器300_1と直接通信することができるが、他のユニット制御器300(例えば第二ユニット制御器300_2)とは直接通信することができない。第二インジケータ400_2は、第二ユニット制御器300_2と直接通信することができるが、他のユニット制御器300(例えば第一ユニット制御器300_1)とは直接通信することができない。
【0049】
以下では、説明するインジケータ400が他のユニット制御器300を介することなく通信することができるユニット制御器300を、必要に応じて「接続ユニット制御器300」ともいう。同様に、接続ユニット制御器300を有する利用側ユニット220を、必要に応じて「接続利用側ユニット220」ともいう。説明するユニット制御器300が他のユニット制御器300を介することなく通信することができるインジケータ400を、必要に応じて「接続インジケータ400」ともいう。
【0050】
また、ユニット制御器300は、接続インジケータ400から情報を受信し、その受信した情報に基づいて動作するよう、構成される。こうして、第一ユニット制御器300は、第一インジケータ400_1および管理者使用インジケータ400_Sから受信される情報に基づいて動作し、第二ユニット制御器300は、第二インジケータ400_2から受信される情報に基づいて動作する。なお、管理者使用インジケータ400_Sは、必ずしも、このような情報を第一インジケータ400_1に伝送する機能を有する必要はない。機能に関するこの限定は、第一モードの後述する設定によって達成できる。
【0051】
ユニット制御器300は、さらに、警告情報を生成し、ユニット制御器300によって形成される上述の通信網を用いて、生成された警告情報をすべての他のユニット制御器300と共有するよう、構成される。また、ユニット制御器300は、共有する警告情報を接続インジケータ400へと、その警告情報がユニット制御器300自体によって生成されたか否かにかかわらず、送信するよう構成される。
【0052】
例えば、第一ユニット制御器300_1が警告情報を生成したときに、第一ユニット制御器300_1は、生成した警告情報を第二ユニット制御器300_2、第一インジケータ400_1および管理者使用インジケータ400_Sへと伝送する。第二ユニット制御器300_2は、受信した警告情報を第二インジケータ400_2およびさらなる他のユニット制御器300(図示せず)へと転送する。一方、第二ユニット制御器300_2が警告情報を生成したときには、第二ユニット制御器300_2は、生成した警告情報を第一ユニット制御器300_1、さらなる他のユニット制御器(図示せず)および第二インジケータ400_2へと伝送する。第一ユニット制御器300_1は、受信した警告情報を第一インジケータ400_1および管理者使用インジケータ400_Sへと転送する。
【0053】
本実施形態に関して、ユニット制御器300は、ユニット制御器300が属する利用側ユニット220において冷媒漏れが生じたとき、例えば同じ利用側ユニット220に属する漏出センサ221が冷媒漏れを検出したとき、警告情報を生成するよう構成される態様として説明する。なお、警告情報を生成する切っ掛け(トリガ)は、これに限定されない。トリガを、他の異常(例えば冷媒圧力の過剰な上昇、空気抵抗の過剰な増加および/または利用側ユニット220の他の故障)の発生とすることもできる。
【0054】
インジケータ400は、ヒートポンプシステム100に関する情報を出力するよう構成される。より具体的には、インジケータ400は、接続ユニット制御器300から情報を受信または取得し、その受信または取得した情報を出力するよう、構成される。ここで、情報の出力には、情報の種類(タイプ)ならびに/もしくは内容を表すとともに情報の受信を示す、例えば図形(ピクチャ)、印(シンボル)、文字(テキスト)または光等の視覚的画像、ブザーまたは音声等の音、および/または振動の出力を含めることができる。一方、後述する通り、インジケータ400は、また、情報が接続ユニット制御器300によって生成されたか否かに応じて、情報が警告情報であるか否かに応じて、そして、インジケータ400が特定モードで動作しているか否かに応じて、情報出力を制限するよう構成される。
【0055】
さらに、インジケータ400は、無線通信経路234を介して移動端末500と通信するよう構成される。この無線通信は、好ましくは、一度にインジケータ400のうちの一つのみが移動端末500とのこの通信を構築することができる短距離無線通信である。例えば、移動端末500が第一対象区域611_1内にあるとき、インジケータ400のなかでも第一インジケータ400_1のみが移動端末500と通信することができる。インジケータ400は、移動端末500から情報を受信し、その受信した情報に応じて動作し、そして情報のタイプに応じてその受信した情報をユニット制御器300へとさらに転送するよう、構成される。
【0056】
図2は、インジケータ400の外観の一例を示す。
【0057】
図2に示す通り、インジケータ400は、筐体(ケーシング)401と、オン/オフ・ボタン402と、表示領域404および操作領域405を有する表示パネル403と、拡声器406と、LED(発光ダイオード)407と、を有することができる。
【0058】
ケーシング401は、板状の外形であり、壁等に取り付けられる背面と、背面とは反対側にある主面とが形成されている。ケーシング401は、インジケータ400の大部分を被覆する。オン/オフ・ボタン402は、ケーシング401の面のうちの一つに配置されるとともに、インジケータ400のオンとオフとを切り換えるユーザの操作を受け付けるよう構成される。表示パネル403は、ケーシング401の主面に配置されるとともに、テキスト、シンボル、図形等によって情報を表示するよう構成される。表示パネル403をタッチパネルディスプレイとすることもできる。表示領域404は、その表示内容を変更できるよう構成される。操作領域405は、インジケータ400による情報表示のオンとオフとを切り換えるユーザの操作を受け付けるよう構成される。また、操作領域405は、表示内容、インジケータ400の動作および利用側ユニット220の動作を変更するユーザの操作を受け付けるよう構成される。拡声器406は、音を用いて情報を出力するよう構成される。LED407は、光を用いて情報を出力するために構成される。
【0059】
図1の移動端末500は、移動端末500のユーザ620からヒートポンプシステム100に関する要求を受け付けるよう構成される。ユーザ620は、例えば、通常は監視室612にいるヒートポンプシステム100の監視者である。また、移動端末500は、受信した要求に基づいて、無線通信経路234を介して移動端末500に接続されるインジケータ400へと情報を伝送するよう構成される。移動端末500を、さらに、インジケータ400から情報を受信し、その受信した情報を視覚的画像、音および/または振動を用いて出力するよう構成することができる。移動端末500を、スマートフォン、タブレットデバイス等とすることができる。
【0060】
図示しないが、ユニット制御器300、インジケータ400および移動端末500は、それぞれが、CPU(中央処理装置)等の演算回路と、CPUによって用いられるRAM(ランダムアクセスメモリ)等の作業メモリと、CPUよって用いられる制御プログラムおよび情報を記憶するROM(読み出し専用メモリ)等の記録媒体と、を有する。ユニット制御器300、インジケータ400および移動端末500は、それぞれが、それぞれの機能および動作を達成するよう、動作を制御するために制御プログラムを実行するCPUによって情報処理および信号処理を行うように構成されている。
【0061】
上記のヒートポンプシステム100では、利用側ユニット220のいずれかに関する警告情報を含むヒートポンプシステム100に関する情報を、インジケータ400のいずれかから出力することができる。また、ユーザ620が、移動端末500を用いて、それぞれの利用側ユニット220およびそれぞれのインジケータ400を、例えば、最も近いインジケータ400から所望の情報が出力されるよう、動作させることができる。
【0062】
一方、利用側ユニット220のうちのどれが生成した情報であろうと情報をすべて出力することが好ましくない場合がある。例えば、冷媒漏れが第二利用側ユニット220_2で生じたとき、警告情報を第二インジケータ400_2および管理者使用インジケータ400_Sから出力させなければならず、第一インジケータ400_1から出力させてはならない。これに対して、第一利用側ユニット220_1によって生成される情報は、第一インジケータ400_1および管理者使用インジケータ400_Sから出力させなければならず、第二インジケータ400_2から出力させてはならない。このことに関係して、ヒートポンプシステム100は、必要な情報出力だけがそれぞれのインジケータ400において実行されるよう、インジケータ400からの情報出力を制御するように構成される。
【0063】
<ユニット制御器の機能的構成>
図3は、ユニット制御器300の機能的構成を示しているブロック図である。
【0064】
図3に示す通り、利用側ユニット220は、システム側通信部310とインジケータ側通信部320とユニット間通信部330と動作制御部340と異常検出部350とユニット記憶部360と通信制御部370とを有する。
【0065】
熱源側ユニット210と通信するための熱源側ユニット210との通信経路231を構築する(図1参照)よう、システム側通信部310は構成される。
【0066】
インジケータ400(所定のインジケータ)と通信するためのインジケータ400(所定のインジケータ)との通信経路233を構築する(図1参照)よう、インジケータ側通信部320は構成される。特に、インジケータ側通信部320は、インジケータ400に第一ユニット信号および第二ユニット信号を伝送し、インジケータ400から表示器(インジケータ)信号を受信するよう、構成される。ここで、第一ユニット信号はユニット制御器300自体によって生成された情報に対して使用する信号であり、第二ユニット信号はユニット制御器300自体によって生成されていない情報に対して使用する信号である。第一ユニット信号および第二ユニット信号の詳細は後で説明する。インジケータ側通信部320を、複数のインジケータ400に接続することもできる。
【0067】
他のユニット制御器300と通信するための他のユニット制御器300との通信経路232を構築する(図1参照)よう、ユニット間通信部330は構成される。特に、ユニット間通信部330は、ユニット間信号を他の利用側ユニット220の他のユニット制御器300へ伝送するとともに他の利用側ユニット220の他のユニット制御器300から受信するよう、構成される。ユニット間通信部330を、複数の他のユニット制御器300に接続することもできる。
【0068】
システム側通信部310、インジケータ側通信部320およびユニット間通信部330は、LANインタフェースとすることができ、また、同じ通信プロトコルまたは異なる通信プロトコルを使用することができる。
【0069】
通信制御部370から提供される動作情報に基づいて熱源側ユニット210から供給される冷たい温度および/または熱い温度を利用するための利用側ユニット220の動作を制御するよう、動作制御部340は構成される。例えば、動作制御部340は、熱交換器における冷媒の流れおよび空気送風機の動作を制御するよう構成される。動作情報には、対象区域611の空気の目標温度を変更するための命令と、空気送風機の空気量レベルを変更するための命令と、冷却動作モードと加熱動作モードと間の動作モードや冷たい温度および/または熱い温度を利用する動作のオン/オフ等を切り換えるための命令と、を含めることができる。
【0070】
異常検出部350は、所定の異常が利用側ユニット220で生じたときにこの異常の発生を検出するよう構成される。例えば、異常検出部350は、冷媒漏れが発生したとき漏出センサ221から情報を受信する(図1を参照)よう、構成される。
【0071】
ユニット記憶部360は、通信制御部370によって読み込み可能かつ再書き込み可能な形式で、情報を記憶する。記憶される情報には、利用側ユニット220の識別(ID)情報が含まれる。ユニット記憶部360は、利用側ユニット220に予め設定された初期ID情報を記憶しておくこともできる。本実施形態においては、第一利用側ユニット220_1にはテキスト「01」が初期設定されており、第二利用側ユニット220_2にはテキスト「02」が初期設定されている。
【0072】
通信制御部370は、熱源側ユニット210と一つ以上の他のユニット制御器300と一つ以上の接続インジケータ400との通信を制御するよう、構成される。通信制御部370は、ユニット制御器300にインストールまたはアップデートされるアプリケーションソフトウェアによって、実現できる。通信制御部370は、表示器信号処理部371と情報生成部372とユニット間信号処理部373とを有する。
【0073】
表示器信号処理部371は、接続インジケータ400から伝送される表示器信号を、インジケータ側通信部320を介して受信し、その受信した表示器信号を処理するよう、構成される。より具体的には、表示器信号処理部371は、表示器信号を用いて動作情報を受信したとき、その受信した動作情報を動作制御部340へと送るよう、構成される。また、表示器信号処理部371は、表示器信号を用いてアドレス情報を受信したとき、ユニット記憶部360に記憶されているID情報をその取得したアドレス情報へと書き換えて、またはその取得したアドレス情報をユニット記憶部360に追加してそのアドレス情報を利用側ユニット220のID情報として設定するよう、構成される。
【0074】
また、表示器信号処理部371は、表示器信号を用いて表示情報を受信したとき、その受信した表示情報を情報生成部372へと送るよう、構成される。表示情報は、利用側ユニット220の動作状況(ステータス)を示しているステータス情報がインジケータ400から要求されていることを示す情報である。
【0075】
なお、信号を用いて送信、転送、受信または取得される情報は、信号に含まれる情報、信号によって特定される位置の情報、または、信号の発信器および信号の受信器によって予め共有されている識別(ID)の情報であって信号によって特定される識別(ID)の情報とできることを記載しておく。このように、信号を用いる情報の送信または転送には、情報自体を含んでいる信号の伝送、情報の位置を特定する信号の伝送、または情報の識別(ID)を特定する信号の伝送を含めることができる。信号を用いる情報の受信または取得には、信号に含まれる情報の抽出、情報を得るための信号によって特定された位置へのアクセス、または信号によって特定される識別(ID)からの情報の識別を含めることができる。情報を含んでいる、情報の位置を特定する、または情報の識別(ID)を特定する信号は、情報を「示している」信号と表現することもできる。
【0076】
情報生成部372は、警告情報を含む情報を生成するよう構成される。冷媒漏れの発生が漏出センサ221によって異常検出部350を介して通知されると、情報生成部372は上述の通り警告情報を生成することができる。情報生成部372は、さらに、生成した情報を接続インジケータ400へと第一ユニット信号によってインジケータ側通信部320を介して送信するとともに、また同じ生成した情報を他の利用側ユニット220へとユニット間信号によってユニット間通信部330を介して送信するよう、構成される。
【0077】
情報生成部372は、好ましくは、ユニット記憶部360から利用側ユニット220の最新のID情報を読み込んで、読み込んだID情報を警告情報に埋め込むよう、構成される。これにより、警告情報には、異常が発生した利用側ユニット220のID情報が含まれる。最新のID情報は、他のID情報が設定されていた場合には初期設定されたID情報とすることができ、またあるいは表示器信号処理部371によってその後、最後に設定されたID情報とすることもできる。
【0078】
また、情報生成部372は、ステータス情報を生成し、その生成したステータス情報をインジケータ400へと第一ユニット信号によってインジケータ側通信部320を介して送信するよう、構成される。ステータス情報は、利用側ユニット220の動作モード、目標温度、空気送風機の空気量レベル等を示すことができる。情報生成部372は、ステータス情報を自律的にかつ周期的に送信する、または表示器信号処理部371を介したインジケータ400からの表示情報の受信に応じてステータス情報を受動的に送信することができる。
【0079】
ユニット間信号処理部373は、他の利用側ユニット220のユニット制御器300から伝送されるユニット間信号を、ユニット間通信部330を介して受信して、その受信したユニット間信号を処理するよう、構成される。より具体的には、ユニット間信号処理部373は、ユニット間信号を用いて情報を受信したとき、その受信した情報をインジケータ400(所定のインジケータ)へと第二ユニット信号によってインジケータ側通信部320を介して送信するよう、構成される。このような情報は、他の利用側ユニット220のうちの一つによって生成される警告情報を含む。
【0080】
また、ユニット間信号処理部373は、利用側ユニット220がまだ残っている場合、その残っている利用側ユニット220へと他のユニット間信号によってユニット間通信部330を介して情報を転送するよう、構成される。ここで、「残っている利用側ユニット220」とは、そのユニット間信号処理部373が受信した情報を生成も受信もしていない他の利用側ユニット220を意味する。
【0081】
また、ユニット制御器300は、熱源側ユニット210からの指令(コマンド)に基づいて動作し、利用側ユニット220に関する情報を熱源側ユニット210へと送信するよう、構成できる。
【0082】
上記の構成により、ユニット制御器300は、ID情報を含む警告情報を生成し、警告情報を、その警告情報の生成元に関係なく、他のユニット制御器300および接続インジケータ400と共有できる。また、ユニット制御器300は、それ自体が生成した警告情報と他の警告情報とを、それ自体が生成した警告情報に対する第一ユニット信号と他の警告情報に対する第二ユニット信号とを用いて、区別することができる。
【0083】
第一ユニット信号と第二ユニット信号との差異は特定の形式に限定されないが、インジケータ400が第一ユニット信号と第二ユニット信号とを区別できるように、その差異を利用側ユニット220と接続インジケータ400とで予め共有しておく必要がある。例えば、第一ユニット信号および第二ユニット信号は、所定の異なるコマンドを使用して伝送される、伝送フレームにおいて所定の異なるタイミングで伝送される、かつ/または所定の異なるシンボルが付加される。インジケータ400は、接続利用側ユニット220に、情報の生成元を特定するための情報をインジケータ400に送信するよう、要求することもできる。この場合、接続利用側ユニット220を特定する要求に応答するよう伝送される信号を第一ユニット信号とすることができ、そして、接続利用側ユニット220を特定しない要求に応答するよう伝送される信号は第二ユニット信号とすることができる。
【0084】
<インジケータの機能的構成>
図4は、インジケータ400の機能的構成を示しているブロック図である。
【0085】
図4に示す通り、インジケータ400は、端末側通信部410とユニット側通信部420とインジケータ入力部430とインジケータ出力部440とインジケータ記憶部450とインジケータ制御部460とを有する。
【0086】
移動端末500と通信するための移動端末500との通信経路234を構築する(図1参照)よう、端末側通信部410は構成される。特に、端末側通信部410は、移動端末500から端末信号を受信するよう構成される。端末側通信部410を短距離無線通信インタフェース機器(デバイス)とすることができる。
【0087】
ユニット制御器300(所定の利用側ユニット)と通信するためのユニット制御器300(所定の利用側ユニット)との通信経路233を構築する(図1参照)よう、ユニット側通信部420は構成される。特に、ユニット側通信部420は、ユニット制御器300にインジケータ信号を伝送し、ユニット制御器300から第一ユニット信号および第二ユニット信号を受信または取得するよう、構成される。システム側通信部310をLANインタフェースとすることができる。
【0088】
インジケータ入力部430は、インジケータ400へのユーザ操作を受け付けるよう構成される。インジケータ入力部430を機械式(メカニカル)キー、機械式ダイヤル、タッチパネル、マイクロホン等とすることができる。インジケータ入力部430は、上述のオン/オフ・ボタン402および/または操作領域405(図2を参照)を有することができる。
【0089】
インジケータ出力部440は、インジケータ制御部460から提供される情報を視覚的画像および/または音によって出力するよう、構成される。出力される情報には警告情報およびステータス情報が含まれる。インジケータ出力部440を、拡声器、表示(ディスプレイ)デバイス、電灯、振動器(バイブレータ)等とすることができる。インジケータ出力部440は、上述の表示領域404、拡声器406および/またはLED407を有することができる。
【0090】
インジケータ記憶部450は、インジケータ制御部460によって読み込み可能かつ再書き込み可能な形式で、情報を記憶する。記憶される情報には、複数の所定の動作モードのうちどれがインジケータ400に設定されているかを示すモード設定情報が含まれる。異なる所定の動作モードにおいて、インジケータ400は対応する異なる方式で動作する。
【0091】
本実施形態においては、所定の動作モードには、第一モードと第二モードと第三モードが含まれる。第一モードは、情報を、情報の生成元に関係なく、インジケータ400から出力するための動作モードである。第二モードは、接続ユニット制御器300によって生成される警告情報のみを出力するための動作モードである。第三モードは、接続ユニット制御器300によって生成される情報のみを出力するための動作モードである。なお、所定の動作モードは、これらのモードに限定されない。例えば、所定の動作モードには、第一モードおよび第二モードのみを、または第一モードおよび第三モードのみを含めることができる。インジケータ記憶部450は、インジケータ記憶部45に予め設定された初期動作モードとして第三モードを示すモード設定情報を記憶することができる。
【0092】
インジケータ制御部460は、接続ユニット制御器300との通信と移動端末500との通信とインジケータ400の動作とを制御するよう、構成される。インジケータ制御部460は、インジケータ400にインストールまたはアップデートされるアプリケーションソフトウェアによって、実現できる。インジケータ制御部460は、端末信号処理部461とモード管理部462とユニット信号処理部463とを有する。
【0093】
端末信号処理部461は、移動端末500から伝送される端末信号を、端末側通信部410を介して受信し、その受信した表示器信号を処理するよう、構成される。より具体的には、端末信号処理部461は、端末信号を用いてモード情報を受信したときその受信したモード情報をモード管理部462へと送るよう、構成される。モード情報は、上述の所定の動作モードからの選択の要求を、つまり、第一モードから第三モードのうちのどれをインジケータ400に設定すべきかを、示す情報である。
【0094】
また、動作情報、アドレス情報および表示情報のうちのいずれか一つを、端末信号を用いて受信したとき、端末信号処理部461は、接続ユニット制御器300へと表示器信号によって端末側通信部410を介して転送するよう、構成される。
【0095】
モード管理部462は、インジケータ400の上述の所定の動作モードからの選択を受けるよう、構成される。より具体的には、モード情報が端末信号処理部461から受信されたとき、モード管理部462は、インジケータ記憶部450に記憶されているモード設定情報を書き直す、または受信したモード情報によって示される通りにモード設定情報をインジケータ記憶部450に追加するよう、構成される。これにより、モード管理部462は、受信したモード情報に基づいて動作モードをインジケータ400に設定する。例えば、受信したモード情報が第一モードを示す場合、モード管理部462は第一モードをインジケータ400に設定する。また、モード管理部462は、インジケータ入力部430を介してユーザ620から動作モード選択の要求(図1を参照)を受けることができる。
【0096】
ユニット信号処理部463は、上述の第一ユニット信号および第二ユニット信号を含みユニット側通信部420を介して接続ユニット制御器300から伝送されたユニット信号を受信または取得し、その受信したユニット信号を処理するよう、構成される。より具体的には、情報が第一ユニット信号および第二ユニット信号のうちのいずれか一方を用いて受信されたとき、ユニット信号処理部463は、その受信した情報をインジケータ出力部440へと送り、その情報が出力されるよう、構成される。また、ユニット信号処理部463は、インジケータ400に必要な情報のみが出力されるよう、インジケータ出力部440からの情報出力を制御するように、構成される。
【0097】
図5は、ユニット制御器からの信号の受信に応じたインジケータ400の動作パターンを示す概略表である。
【0098】
図5の概略表464に示す通り、ユニット信号処理部463は、第一ユニット信号および第二ユニット信号のどちらを受信したか、受信したユニット信号が示す情報が警告情報であるか否か、そして、第一モード~第三モードのうちのどれがインジケータ400に設定されているかに応じて動作を切り換える。
【0099】
インジケータ400が第一モードで動作する場合、受信した第二ユニット信号によって示される情報および警告情報でない情報(以下「非警告情報」という)をインジケータ出力部440が出力しないよう、ユニット信号処理部463は構成される。一方、受信した信号が警告情報を示す場合、受信信号が第一ユニット信号または第二ユニット信号であるかどうかにかかわらず、ユニット信号処理部463は、インジケータ出力部440が警告情報を出力することを可能とする。
【0100】
インジケータ400が第二モードで動作する場合、インジケータ出力部440が第一ユニット信号によって示される情報および非警告情報を出力しないよう、ユニット信号処理部463は構成される。一方、受信した信号が警告情報を示す第一ユニット信号である場合、ユニット信号処理部463は、インジケータ出力部440が警告情報を出力することを可能とする。
【0101】
インジケータ400が第三モードで動作する場合、インジケータ出力部440が第二ユニット信号によって示される情報を出力しないよう、ユニット信号処理部463は構成される。一方、受信した信号が第一ユニット信号である場合、ユニット信号処理部463は、第一ユニット信号によって示される情報に基づいて動作するよう構成される。例えば、ユニット信号処理部463は、インジケータ出力部440が第一ユニット信号によって示される警告情報およびステータス情報を出力することを可能とする。
【0102】
言い換えれば、インジケータ400が第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号によって受信または取得されたとき、または第一ユニット信号を用いて警告情報が受信または取得されたとき、インジケータ出力部440が警告情報を出力することを可能とするよう、ユニット信号処理部463は構成される。したがって、利用側ユニット220から受信または取得したユニット信号によって示される情報を、そのユニット信号が警告情報を示している第二ユニット信号でありかつインジケータ400が第一モードで動作している際に受信または取得されたという条件で、またはそのユニット信号が警告情報を示している第一ユニット信号であるという条件で、出力するよう、インジケータ出力部440は構成される。ユニット信号処理部463は、インジケータ記憶部450に記憶されているモード設定情報を参照することによって、どのモードがインジケータ400に設定されているか(すなわちインジケータ400がどのモードで動作しているか)を判断することができる。
【0103】
上記の構成によって、インジケータ400の動作モードを、所望に応じて、生成元に関係なく警告情報が出力される第一モードと、接続ユニット制御器300によって生成される警告情報だけが出力される第二モードと、接続ユニット制御器300によって生成される情報だけが出力される第三モードと、の間で切り換えることができる。例えば、第一モードは、管理者使用インジケータ400_Sに適している。また、第三モードは、第一インジケータ400_1および第二インジケータ400_2に適している。そして、第二モードは、第一ユニット制御器300_1または第二ユニット制御器300_2(図1を参照)へと追加的に接続されるインジケータ400(図示せず)に適している。
【0104】
<移動端末の機能的構成>
図6は、図1に示す移動端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【0105】
図6に示す通り、移動端末500は、端末通信部510と端末入力部520と端末制御部530とを有する。
【0106】
インジケータ400と通信するためのインジケータ400との通信経路234を構築する(図1参照)よう、端末通信部510は構成される。特に、端末通信部510は、インジケータ400へと端末信号を伝送するよう構成される。端末通信部510は、さらに、インジケータ400から信号を受信するよう構成できる。端末通信部510を短距離無線通信インタフェース機器(デバイス)とすることができる。
【0107】
端末入力部520は、移動端末500へのユーザ操作を受け付けるよう構成される。端末入力部520を、タッチパネルディスプレイ、メカニカルキー、マイクロホン等とすることができる。
【0108】
端末制御部530は、ユーザ620からのヒートポンプシステム100に関する要求を、端末入力部520を介して受け付け、受け付けた要求に基づいて情報をインジケータ400へと端末通信部510を介して端末信号によって送信するよう、構成される。
【0109】
より具体的には、インジケータ400に対する所定の動作モードのうちの一つを設定する要求を受け付けたとき、端末制御部530はその要求内容を示すモード情報を送信するよう構成される。ユーザ側ユニット220に設定するアドレス情報の選択または入力を設定する要求を受け付けたとき、端末制御部530はその要求内容を示すアドレス情報を送信するよう構成される。ある特定の方式で利用側ユニット220の動作を制御するための要求を受け付けたとき、端末制御部530はその要求内容を示す動作情報を送信するよう構成される。利用側ユニット220の動作に関するある特定の情報を出力する要求を受け付けたとき、端末制御部530はその要求内容を示す動作情報を送信するよう構成される。また、端末制御部530を、インジケータ400から受信した信号を出力するまたはインジケータ400から受信した信号に応答するよう構成することもできる。端末制御部530は、移動端末500にインストールまたはアップデートされるアプリケーションソフトウェアによって、実現できる。
【0110】
上記の構成により、移動端末500は、ユーザ620による操作に基づいて利用側ユニット220およびインジケータ400の動作を制御するための情報を送信することができる。こうして、移動端末500は、ユーザ620が、インジケータ400の動作モードを選択し、利用側ユニット220のID情報を変更し、利用側ユニット220の動作を制御し、利用側ユニット220の動作ステータスを知ることを可能とする。その結果、インジケータ400のヒューマン・インタフェースを簡単化できるとともに、ユーザ620はインジケータ400に触れることなく上記の操作をすることができる。
【0111】
二つのタイプの端末制御部530があることが好ましい。第一タイプは、管理のために用いるものであり、上記情報のうちの少なくともモード情報およびアドレス情報を送信するよう構成される。第一タイプは、個々に用いるものであり、上記情報のうちの少なくとも動作情報および表示情報を送信するよう構成される。この場合でも、権限が付与された人または権限が付与されたデバイスによってのみ、端末制御部530をこれらのタイプ間で切り換えることが好ましい。
【0112】
<ユニット制御器の動作>
図7は、ユニット制御器300の通信制御部370によって実行されるプロセスを示すフローチャートである。
【0113】
ステップS1010において、表示器信号処理部371は、表示器信号が受信されたか否かを判断する。表示器信号が受信された場合(S1010:Yes)、表示器信号処理部371はステップS1020へと進み、そうでなければ(S1010:No)後述するステップ1080へと進む。
【0114】
ステップS1020において、表示器信号処理部371は、受信した表示器信号がアドレス情報を示すか否かを判断する。アドレス情報が示されている場合(S1020:Yes)、表示器信号処理部371はステップS1030へと進み、そうでなければ(S1020:No)後述するステップ1040へと進む。ステップ1030において、表示器信号処理部371は、示されているアドレス情報を利用側ユニット220のID情報として設定する。
【0115】
ステップS1040において、表示器信号処理部371は、受信した表示器信号が動作情報を示すか否かを判断する。動作情報が示されている場合(S1040:Yes)、表示器信号処理部371はステップS1050へと進み、そうでなければ(S1040:No)後述するステップ1060へと進む。ステップ1050において、表示器信号処理部371は、示されている動作情報を動作制御部340へと送り、その動作情報に基づいて利用側ユニット220が制御される。
【0116】
ステップS1060において、表示器信号処理部371は、受信した表示器信号が表示情報を示すか否かを判断する。表示情報が示されている場合(S1060:Yes)、表示器信号処理部371はステップS1070へと進み、そうでなければ(S1060:No)後述するステップ1080へと進む。ステップ1080へと進む前に、表示器信号処理部371は、受信した表示器信号に基づいてある特定のプロセスを実行することができる。ステップ1070において、表示器信号処理部371は、示されている表示情報を情報生成部372へと送り、これにより、利用側ユニット220のステータス情報が生成され、そして第一ユニット信号によってインジケータ400へと送信される。
【0117】
ステップS1080において、ユニット間信号処理部373は、ユニット間信号が受信されたか否かを判断する。ユニット間信号が受信された場合(S1080:Yes)、ユニット間信号処理部373はステップS1090へと進み、そうでなければ(S1080:No)後述するステップ1100へと進む。ステップS1090において、ユニット間信号処理部373は、受信したユニット間信号によって示されている情報をインジケータ400へと第二ユニット信号によって転送する。利用側ユニット220がまだ残っている場合、ユニット間信号処理部373は同じ情報をその残っている利用側ユニット220へも転送する。
【0118】
ステップS1100において、情報生成部372は、警告情報を出力する必要があるか否かを、例えば冷媒漏れ等の異常が利用側ユニット220で生じたか否かを判断する。警告情報を出力する必要がある場合(S1100:Yes)、情報生成部372はステップS1110へと進み、そうでなければ(S1100:No)後述するステップ1120へと進む。ステップS1110において、情報生成部372は警告情報を生成する。言い換えれば、情報生成部372は、利用側ユニット220のID情報を含む警告情報をインジケータ400へと第一ユニット信号によって送信し、同じ情報を他のユニット制御器300(他の利用側ユニット220)へと送信する。
【0119】
情報生成部372は、発生した異常のタイプに応じて他のプロセスを実行することもできる。例えば、冷媒漏れが発生したとき、利用側ユニット220の冷媒バルブ(図示せず)を閉じるよう、フラッシュもしくはブザーを利用側ユニット220から出力するよう、かつ/または熱源側ユニット210へと動作を停止させる要求を送信するよう、情報生成部372は動作制御部340を制御することができる。
【0120】
ステップS1120において、通信制御部370は、動作の終了が指定されたか否かを判断する。指定は、ユーザ操作、他のデバイスまたは通信制御部370自体によって行うことができる。動作の終了が指定されていない場合(S1120:No)、通信制御部370はステップS1010へと戻り、指定されている場合(S1120:Yes)、その動作を終了する。
【0121】
上記のプロセスによって、利用側ユニット220は、信号受信および異常発生に適切にかつ速やかに対応することができる。なお、上述した、ステップS1010~S1070と、ステップS1080およびS1090と、ステップS1100およびS1110と、の実行順序を変更できることを記載しておく。また、ステップS1020およびS1030と、ステップS1040およびS1050と、ステップS1060およびS1070と、の実行順序も変更できる。
【0122】
<インジケータの動作>
図8は、表示装置(インジケータ)400の表示装置(インジケータ)制御部460によって実行されるプロセスを示すフローチャートである。
【0123】
ステップS2010において、端末信号処理部461は、端末信号が受信されたか否かを判断する。端末信号が受信された(S2010:Yes)場合、端末信号処理部461はステップS2020へと進み、そうでなければ(S2010:No)後述するステップ2060へと進む。
【0124】
ステップS2020において、端末信号処理部461は、受信した端末信号がモード情報を示すか否かを判断する。モード情報が示されている場合(S2020:Yes)、端末信号処理部461はステップS2030へと進み、そうでなければ(S2020:No)後述するステップ2040へと進む。ステップ2030において、表示器信号処理部461は、示されているモード情報をモード管理部462へと送り、そのモード情報によって要求される通りにインジケータ400の動作モードを設定する。言い換えれば、インジケータ400は、ユーザ620から、インジケータ400の複数の動作モードからの選択を受け付ける。
【0125】
ステップS2040において、端末信号処理部461は、受信した端末信号が、アドレス情報、動作情報および表示情報のうちの一つを示すか否かを判断する。アドレス情報、動作情報および表示情報のうちの一つが示されている場合(S2040:Yes)、端末信号処理部461はステップS2050へと進み、そうでなければ(S2040:No)後述するステップ2060へと進む。ステップ2060へと進む前に、端末信号処理部461は、受信した端末信号に基づいてある特定のプロセスを実行することができる。ステップ2050において、端末信号処理部461は、示されている情報を利用側ユニット220へと転送する。
【0126】
ステップS2060において、ユニット信号処理部463は、第一ユニット信号が受信されたか否かを判断する。第一ユニット信号が受信された(S2060:Yes)場合、ユニット信号処理部463は、ステップS2070と進み、そうでなければ(S2060:No)後述するステップ2100へと進む。
【0127】
ステップS2070において、ユニット信号処理部463は、受信した第一ユニット信号が警告情報を示すか否かを判断する。警告情報が示されている場合(S2070:Yes)、ユニット信号処理部463は、後述するステップS2120へと進み、そうでなければ(S2070:No)ステップ2080へと進む。ステップ2080において、インジケータ400が第一モードおよび第二モードのうちのいずれか一方で動作しているか否かを、ユニット信号処理部463は判断する。インジケータ400が第一モードおよび第二モードのうちのいずれか一方で動作している場合(S2080:Yes)、ユニット信号処理部463は、後述するステップS2100へと進み、そうでなければ(S2080:No)ステップS2090へと進む。
【0128】
ステップS2090において、ユニット信号処理部463は、受信した第一ユニット信号がステータス情報を示すか否かを判断する。ステータス情報が示されている場合(S2090:Yes)、ユニット信号処理部463は、後述するステップS2120へと進み、そうでなければ(S2080:No)ステップ2100へと進む。ステップ2120へと進む前に、ユニット信号処理部463は、受信した第一ユニット信号に基づいてある特定のプロセスを実行することができる。
【0129】
ステップS2100において、ユニット信号処理部463は、第二ユニット信号が受信されたか否かを判断する。第二ユニット信号が受信された(S2100:Yes)場合、ユニット信号処理部463は、ステップS2110と進み、そうでなければ(S2100:No)後述するステップ2130へと進む。
【0130】
ステップS2110において、受信した第二ユニット信号が警告情報を示し、かつインジケータ400が第一モードで動作しているか否かを、ユニット信号処理部463は判断する。警告情報が示されており、かつインジケータ400が第一モードで動作している場合(S2110:Yes)、ユニット信号処理部463は、ステップS2120へと進み、そうでなければ(S2110:No)後述するステップS2130へと進む。ステップ2130へと進む前に、ユニット信号処理部463は、受信した第二ユニット信号に基づいてある特定のプロセスを実行することができる。
【0131】
ステップS2120において、ユニット信号処理部463は、示された情報をインジケータ出力部440へと送り、その情報がインジケータ400から出力される。言い換えれば、警告情報が第一ユニット信号によって受信または取得されたとき、インジケータ400が第三モードで動作している際にステータス情報を示す第一ユニット信号が受信または取得されたとき、そしてインジケータ400が第一モードで動作している際に警告情報が第二ユニット信号によって受信または取得されたときには、インジケータ400は情報を出力する。
【0132】
ステップS2130において、インジケータ制御部460は、動作の終了が指定されたか否かを判断する。指定は、ユーザ操作、他のデバイスまたはインジケータ制御部460自体によって行うことができる。動作の終了が指定されていない場合(S2130:No)、インジケータ制御部460はステップS2010へと戻り、指定されている場合(S2130:Yes)、その動作を終了する。
【0133】
上記のプロセスによって、利用側ユニット400は、信号受信に適切にかつ速やかに対応することができ、特にその情報出力を適切に制御することができる。なお、上述した、ステップS2010~S2050と、ステップS2060~S2090と、ステップS2100およびS2110と、の実行順序を変更できることを記載しておく。また、上述した、ステップS2020およびS2030と、ステップS2040およびS2050と、の実行順序を変更できる。
【0134】
<移動端末の動作>
上述したヒートポンプシステム100に対する要求がユーザ620によって入力されたか否かを、移動端末500の端末制御部530は、繰り返し判断し、要求が入力されたときには、モード情報、アドレス情報、動作情報および表示情報を含む対応する情報をインジケータ400へと伝送する。これにより、移動端末500は、ユーザ620の意図に基づく要求を適切にかつ速やかに行うことができる、特にそれぞれのインジケータ400の動作モードを適切に選択しID情報をそれぞれの利用側ユニット220に設定することができる。
【0135】
<システムの動作>
図9は、ヒートポンプシステム100の動作の一例を示すシーケンス図である
【0136】
図9に示す通り、第二モードがインジケータ400_S、400_1、400_2に設定されており、そして、例えば、ID情報「0001」が利用側ユニット220_1、200_2に設定されている。移動端末500において第一モードを設定する要求が行われると、移動端末500が管理者使用インジケータ400_Sの近くにある(S4110)場合には、移動端末500は、第一モードを示すモード情報を管理者使用インジケータ400_Sに送信する(S4120)。その結果、管理者使用インジケータ400_Sは、第一モードを管理者使用インジケータ400_S自体に設定する(S4130)。
【0137】
そして、移動端末500が第二インジケータ400_2の近くへと持って来られ、アドレス「0001」を設定する要求が移動端末500において行われると(S4210)、移動端末500はアドレス「0001」を示すアドレス情報を第二インジケータ400_2へと送信する(S4220)。第二インジケータ400_2(S4220)はこのアドレス情報を第二利用側ユニット220_2へと転送し(S4230)、第二利用側ユニット220_2はアドレス「0001」を新しいID情報として設定する(S4240)。これらのステップS4110~S4240は、適切な情報出力を達成するヒートポンプシステム100の設定段階にある。
【0138】
上記の設定段階の後、もしも第二利用側ユニット220_2において異常が生じた場合(S4310)、第二利用側ユニット220_2は警報情報を生成し、その警報情報を第二インジケータ400_2へと第一ユニット信号によって送信するとともに第一利用側ユニット220_1へとユニット間信号によって送信する(S4320)。その結果、警告情報が第一ユニット信号によって示されたことにより、第二インジケータ400_2はブザーを出力するとともにテキスト「0001」を表示する(S4320)。
【0139】
第一利用側ユニット220_1は、警告情報を第一インジケータ400_1および管理者使用インジケータ400_Sへと第二ユニット信号によって転送する(S4340)。けれども、警告情報が第二ユニット信号によって示されており、第一インジケータ400_1は第二モードで動作しているので、第一インジケータ400_1はブザーを出力することもテキスト「0001」を表示することもない(S4350)。一方、管理者使用インジケータ400_Sは第一モードで動作しているので、管理者使用インジケータ400_Sはブザーを出力するとともにテキスト「0001」を表示する(S4360)。これらのステップS4310~S4360は、必要に応じて情報を出力するヒートポンプシステム100の使用段階にある。
【0140】
こうして、インジケータ400は、どの動作モードが設定されているか、そして、情報が接続利用側ユニット220によって生成されたか否かに応じて、異なる方式で情報を出力するよう動作できる。
【0141】
図10A図10Dは、インジケータ400の表示状態の例を示す平面図である。
【0142】
インジケータ400は、動作していないまたはどの情報も受信していないときには、図10Aに示す通り、情報を表示しない。インジケータ400は、ステータス情報(例えば第一ユニット信号による目標温度)を受信したとき、図10Bに示す通り、その受信した情報を表示する。第一モードで動作しているインジケータ400が警告情報を受信したとき、そのインジケータ400は、その受信した情報を、生成した利用側ユニット220が初期設定されたID情報のまま保持している場合には図10Cに示す通り、表示する。一方、生成した利用側ユニット220がアドレス情報に基づいてID情報を変更している場合には、その新しいID情報が図10Dに示す通り、表示される。
【0143】
このように、インジケータ400に表示されるID情報は、ユーザ620の所望に応じて変更できる。これにより、ヒートポンプシステム100の監視者としてのユーザ620が、表示された警告情報とその警告情報の生成元である利用側ユニット220との関係を把握しやすくなる。例えば、どの利用側ユニット220で異常が生じたかを、ユーザ620は速やかに知ることができる。
【0144】
なお、複数の利用側ユニット220は、利用側ユニット220が同じ方式または協働方式で動作するユニットグループを形成することもできる。このようなユニットグループでは、複数のインジケータ400は、そのユニットグループを表すとともに、そのユニットグループの外部へと向けた警告情報を生成し、そのユニットグループの外部からの警告情報を転送する主利用側ユニット220を有することができる。この場合、ID情報変更の要件を、主利用側ユニット220に対してのみの変更とすることもできる。一般的には、複数の利用側ユニット220は、初期設定において、ユニットグループ内でID情報としての連続的なシリアルナンバが割り当てられる。このようにして、主利用側ユニット220以外の利用側ユニット220に接続されるインジケータ400は、図10Eに示す通り、このような初期ID情報を表示でき、管理者使用インジケータ400_Sは、図10Dに示す通り、主利用側ユニット220の新しいID情報を表示する。このインジケータ400が第一モードで起動するときには、図10Fに示す通り、警告標識(マーク)を表示することができる。
【0145】
<利点のある効果>
ヒートポンプシステム100によれば、複数の利用側ユニット220のうちの一つによって生成される警告情報を、その警告情報を生成した利用側ユニット220に直接接続されているインジケータ400および他の任意に選択されたインジケータ400だけから出力することができる。また、このように制御された情報出力を、インジケータ400とは異なる構成を有する情報出力デバイスを提供することなく、達成することができる。したがって、冷媒システム100の管理しやすさおよび使いやすさを低コストで改善できる
【0146】
<変形例>
警告情報のトリガとなる異常は上述した異常に限定されない。例えば、熱源側ユニット210における異常を警告情報の生成のトリガとすることもできる。このような異常には、熱源側ユニット210の冷媒圧縮機(図示せず)の吐出温度が所定の値を超えた場合、冷媒圧縮機の回転速度が所定の値を超えた場合等を含めることができる。この場合、熱源側ユニット210および利用側ユニット220のいずれかの一方が異常の発生を検出して、警告情報を生成することができる。いずれの場合も、生成ユニットは、異常が発生した位置として熱源側ユニット210を示す警告情報を生成する必要がある。インジケータ400は、異常が熱源側ユニット210において生じたことを示す警告情報を出力する。第一モードで動作しているインジケータ400だけがこのような警告情報を出力することが好ましい。
【0147】
本発明の説明のためにいくつかの実施例が選択されたに過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変更、変形ができることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、特に記載しない限り、必要に応じておよび/または所望により、種々のコンポーネントの大きさ、形状、配置、向きを、変更によりそれらの意図する機能を損なわない限り、変更できる。特に記載しない限り、直接的に接続された、または互いが接触しているよう示した二つのコンポーネントは変更によりそれらの意図する機能を損なわない限り、それらの間に中間構造を有することができる。特に記載しない限り、一つのエレメントの機能は二つによって達成することができ、またその逆の場合も同様である。一の態様の構造および機能を他の態様に適用することもできる。すべての利点が必ずしも同時に特定の態様にもたらされる必要はない。したがって、本発明にかかる実施形態の上記説明は例示のためのみのものである。
【符号の説明】
【0148】
100 ヒートポンプシステム
210 熱源側ユニット
220 利用側ユニット
221 漏出センサ
231,232,233,234 通信経路
300 ユニット制御器
310 システム側通信部
320 インジケータ側通信部
330 ユニット間通信部
340 動作制御部
350 異常検知部
360 ユニット記憶部
370 通信制御部
371 表示器信号処理部
372 情報生成部
373 ユニット間信号処理部
400 インジケータ
401 ケーシング
402 オン/オフ・ボタン
403 表示パネル
404 表示領域
405 動作領域
406 拡声器
407 LED
410 端末側通信部
420 ユニット側通信部
430 インジケータ入力部
440 インジケータ出力部
450 インジケータ記憶部
460 インジケータ制御部
461 端末信号処理部
462 モード管理部
463 ユニット信号処理部
464 概略表
500 移動端末
510 端末通信部
520 端末入力部
530 端末制御部
611 対象区域
612 監視室
620 ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
【国際調査報告】