(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】充電インフラを制御する方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230428BHJP
B25J 19/06 20060101ALI20230428BHJP
B25J 17/02 20060101ALI20230428BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20230428BHJP
B60L 53/35 20190101ALI20230428BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
B25J19/06
B25J17/02 G
H02J7/00 P
B60L53/14
B60L53/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022549843
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 NL2021050115
(87)【国際公開番号】W WO2021167462
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521468682
【氏名又は名称】ロクシス ビー.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】ROCSYS B.V.
【住所又は居所原語表記】Delftweg 65,2289 BA Rijswijk,the Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】ファン デア ヴェイデ,ヨハネス オーステン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドゥールツェン,カンター
(72)【発明者】
【氏名】バウマン,クレイン
【テーマコード(参考)】
3C707
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707DS01
3C707HS27
3C707HT11
3C707KS36
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3C707MS15
3C707MS27
3C707MS28
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125DD02
5H125FF14
(57)【要約】
本発明は、車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションを備える、充電インフラを制御する方法に関し、充電ステーションは、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットを備え、ロボットは、主基部、ならびに運動学的に、主基部とロボット側充電インタフェースとの間でコンプライアンスを実現するよう配置された、コンプライアンス組立体を備え、この方法は、順番に、ロボット側充電インタフェースが初期接続位置へ移動する、位置決め段階と、ロボット側充電インタフェースが、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立する、接続段階とを含み、位置決め段階において、コンプライアンスの値が位置決め介入値と比較され、コンプライアンスの値が位置決め介入値を超えると、位置決め命令が変更され、接続段階において、コンプライアンスの値が接続介入値と比較され、コンプライアンスの値が接続介入値を超えると、接続命令が変更され、位置決め介入値は、接続介入値とは異なる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションを備える、充電インフラを制御する方法であって、前記充電ステーションが、前記車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットを備え、前記ロボットが、主基部、ならびに前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間で、前記ロボット側充電インタフェースを、前記主基部に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構を備え、前記変位機構が、少なくとも1つのアクチュエータであって、前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間で、前記アクチュエータが作動時に変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された、少なくとも1つのアクチュエータを備え、前記ロボットが、前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間のアクチュエータと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体を備え、前記コンプライアンス組立体が、主フレームと前記ロボット側充電インタフェースとの間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成され、前記方法が、順番に、前記ロボット側充電インタフェースが、前記車両が前記充電ステーションに出入りできる、引戻し位置から、前記ロボット側充電インタフェースが、前記車両側充電インタフェースの前に、好ましくは前記車両側充電インタフェースと整列される初期接続位置へ移動する、位置決め段階、前記ロボット側充電インタフェースが、前記初期接続位置から、前記車両側充電インタフェースとの充電接続を確立する、接続段階、前記車両が、前記ロボット側充電インタフェースを介して、充電電流によって充電される、充電段階、および前記ロボット側充電インタフェースが、前記車両側充電インタフェースから外れ、前記引戻し位置に向かって引き戻される、切断段階を含み、前記位置決め段階において、前記アクチュエータが、位置決め命令に従って給電され、前記コンプライアンスが監視され、コンプライアンスの値が位置決め介入値と比較され、前記コンプライアンスの値が前記位置決め介入値を超えると、前記位置決め命令が変更され、前記接続段階において、前記アクチュエータが、接続命令に従って給電され、前記コンプライアンスが監視され、前記コンプライアンスの値が接続介入値と比較され、前記コンプライアンスの値が前記接続介入値を超えると、前記接続命令が変更され、前記位置決め介入値が、前記接続介入値とは異なり、前記位置決め介入値が、前記接続介入値よりも小さい、方法。
【請求項2】
前記位置決め介入値が、前記接続介入値の50%より小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置決め介入値が、前記接続介入値の25%より小さい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンプライアンスの値が、前記位置決め介入値を超えると、前記アクチュエータの作動を停止するように、前記位置決め命令が変更される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンプライアンスの値が前記位置決め介入値を超えると、前記位置決め命令が打ち切られ、前記ロボット側充電インタフェースを前記引戻し位置に向かって引き戻すために、前記アクチュエータが、引戻し命令に従って給電される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コンプライアンスの値が、前記接続介入値を超えると、前記アクチュエータの作動を停止するように、前記接続命令が変更される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記コンプライアンスの値が前記接続介入値を超えると、前記接続命令が打ち切られ、前記ロボット側充電インタフェースを前記引戻し位置に向かって、または前記初期接続位置へ引き戻すために、前記アクチュエータが、引戻し命令に従って給電される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記充電段階において、前記アクチュエータが、充電命令に従って給電され、前記コンプライアンスが監視され、前記充電命令が、前記コンプライアンスの値を、第1の充電介入値と、より低い第2の充電介入値との間にもってくるよう規定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記充電段階において、前記アクチュエータが、前記充電段階の開始時に、前記充電命令に従って給電され、好ましくは、前記充電段階の残りの期間、前記コンプライアンスの値が、前記第1の充電介入値と、前記の、より低い第2の充電介入値との間にある場合、前記アクチュエータがアイドリング状態である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コンプライアンスの値が、前記第1の充電介入値を超えるか、または前記第2の充電介入値を下回ると、前記コンプライアンスの値を、前記第1の充電介入値と前記第2の充電介入値との間にもってくるために、前記充電命令に従って、前記アクチュエータが給電される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記位置決め段階、前記接続段階、および前記充電段階において、介入命令に従って、前記アクチュエータに給電することができ、前記コンプライアンスの値が監視され、前記コンプライアンスの値が警告介入値と比較され、前記警告介入値を超えると、
- 前記ロボット側充電インタフェースを通る充電電流を遮断すること
- 音声警報をトリガすること
- 視覚警報をトリガすること
- 警報状態を、前記車両またはより上位の管理システムに通知すること
- 機械式ブレークアウト解除をトリガすること、および
- 前記ロボット側充電インタフェースを、前記車両側充電インタフェースから引き戻すこと
を含む群から選択される介入命令が開始される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
- 前記位置決め段階において、前記警告介入値が前記位置決め介入値よりも高く、
- 前記接続段階において、前記警告介入値が前記接続介入値よりも高く、ならびに/または
- 前記充電段階において、前記警告介入値が、前記第1の充電介入値より高いか、もしくは第2の充電介入値より低い、または前記警告介入値が、前記第1の充電介入値よりも高い第1の警告介入値、および前記第2の充電介入値よりも低い第2の警告介入値を有する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記位置決め段階が、前記車両側充電インタフェースの位置を判断するステップと、累積システム誤差を、前記車両側充電インタフェースの前記判断された位置に加算するか、または減算することによって、前記初期接続位置を判断するステップとを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションを備える、充電インフラであって、前記充電ステーションが、前記車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットを備え、前記ロボットが、主基部、ならびに前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間で、前記ロボット側充電インタフェースを、前記主基部に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構を備え、前記変位機構が、少なくとも1つのアクチュエータであって、前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間で、前記アクチュエータが作動時に変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された、少なくとも1つのアクチュエータを備え、前記ロボットが、前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間の、アクチュエータと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体を備え、前記コンプライアンス組立体が、主フレームと前記ロボット側充電インタフェースとの間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成され、前記充電インフラが、少なくとも前記ロボットに動作可能に接続され、請求項1から13のいずれか一項に記載の前記方法を実行するよう構成されている、コントローラをさらに備える、充電インフラ。
【請求項15】
前記コントローラが、電子コントローラであって、具体的には、前記コンプライアンスのストロークから、かつ/またはより具体的には、前記適用される個々の、または連結されたコンプライアンス組立体の、1つの方向(L)の前記コンプライアンスのストロークから、前記ロボット側充電インタフェースに作用する合力および/または合モーメントを判断するよう構成された、請求項14に記載の充電インフラ。
【請求項16】
キャリアと充電インタフェースとの間の、6自由度のコンプライアンスのデータを取得または導出するセンサ、具体的には、前記コンプライアンスのストロークに対する距離センサ、および/または具体的には、力もしくは圧力センサを備える、請求項14または15に記載の充電インフラ。
【請求項17】
具体的には端部止めの当接を検出するよう配置および構成された、かつ/または特定の極端な状況で、最終的に主制御システムに介入するか、もしくは無効にするための、冗長制御システムの一部として機能するよう配置および構成されたスイッチ、具体的には端部スイッチを備える、請求項14から16のいずれか一項に記載の充電インフラ。
【請求項18】
車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションを備える、充電インフラを制御する方法であって、前記充電ステーションが、前記車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットを備え、前記ロボットが、主基部、ならびに前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間で、前記ロボット側充電インタフェースを、前記主基部に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構を備え、前記変位機構が、少なくとも1つのアクチュエータであって、前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間で、前記アクチュエータが作動時に変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された、少なくとも1つのアクチュエータを備え、前記ロボットが、前記主基部と前記ロボット側充電インタフェースとの間のアクチュエータと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体を備え、前記コンプライアンス組立体が、主フレームと前記ロボット側充電インタフェースとの間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成され、前記方法が、順番に、前記ロボット側充電インタフェースが、前記車両が前記充電ステーションに出入りできる、引戻し位置から、前記ロボット側充電インタフェースが、前記車両側充電インタフェースの前に、好ましくは前記車両側充電インタフェースと整列される初期接続位置へ移動する、位置決め段階、前記ロボット側充電インタフェースが、前記初期接続位置から、前記車両側充電インタフェースとの充電接続を確立する、接続段階、前記車両が、前記ロボット側充電インタフェースを介して、充電電流によって充電される、充電段階、および前記ロボット側充電インタフェースが、前記車両側充電インタフェースから外れ、前記引戻し位置に向かって引き戻される、切断段階を含み、前記充電段階において、前記アクチュエータが、充電命令に従って給電され、前記コンプライアンスが監視され、前記充電命令が、コンプライアンスの値を、第1の充電介入値と、より低い第2の充電介入値との間にもってくるよう規定する、方法。
【請求項19】
前記充電段階において、前記アクチュエータが、前記充電段階の開始時に、前記充電命令に従って給電され、好ましくは、前記充電段階の残りの期間、前記コンプライアンスの値が、前記第1の充電介入値と、前記の、より低い第2の充電介入値との間にある場合、前記アクチュエータがアイドリング状態である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コンプライアンスの値が、前記第1の充電介入値を超えるか、または前記第2の充電介入値を下回ると、前記コンプライアンスの値を、前記第1の充電介入値と前記第2の充電介入値との間にもってくるために、前記充電命令に従って、前記アクチュエータが給電される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記位置決め段階、前記接続段階、および前記充電段階において、介入命令に従って、前記アクチュエータに給電することができ、前記コンプライアンスの値が監視され、前記コンプライアンスの値が警告介入値と比較され、前記警告介入値を超えると、
- 前記ロボット側充電インタフェースを通る充電電流を遮断すること
- 音声警報をトリガすること
- 視覚警報をトリガすること
- 警報状態を、前記車両またはより上位の管理システムに通知すること
- 機械式ブレークアウト解除をトリガすること、および
- 前記ロボット側充電インタフェースを、前記車両側充電インタフェースから引き戻すこと
を含む群から選択される介入命令が開始される、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
- 前記位置決め段階において、前記警告介入値が前記位置決め介入値よりも高く、
- 前記接続段階において、前記警告介入値が前記接続介入値よりも高く、ならびに/または
- 前記充電段階において、前記警告介入値が、前記第1の充電介入値より高いか、もしくは第2の充電介入値より低い、または前記警告介入値が、前記第1の充電介入値よりも高い第1の警告介入値、および前記第2の充電介入値よりも低い第2の警告介入値を有する、
請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションと、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットとを備える、充電インフラを制御する方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションと、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットとを備える、充電インフラに関する。
【背景技術】
【0003】
電動式車両は、頻繁に充電器に接続することにより、充電する必要がある。近年、たとえば、ロボット側充電インタフェースを車両側インタフェース内にもってくるようプログラムされた、動きが速く高精度のロボットを実装することにより、接続の確立を自動化する試みがなされてきた。しかし、この複雑なペグインホール作業には、充電インフラごとに非常に高精度で、よってコストが高いロボットの実装が必要であり、ロボットは、依然として、車両側充電インタフェースの位置のずれ、またはロボット側インタフェースと車両側インタフェースとの間の、物体との予期せぬ物理的接触など、不規則なものを安全に処理するのに適していない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ロボットを備えた充電インフラ、および上記のような不規則なものを安全に処理することができる、その充電インフラを制御する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションを備える、充電インフラを制御する方法を提供し、充電ステーションは、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットを備え、ロボットは、主基部、ならびに主基部とロボット側充電インタフェースとの間で、ロボット側充電インタフェースを、主基部に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構を備え、変位機構が、少なくとも1つのアクチュエータであって、主基部とロボット側充電インタフェースとの間で、アクチュエータが作動時に変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された、少なくとも1つのアクチュエータを備え、ロボットは、主基部とロボット側充電インタフェースとの間のアクチュエータと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体を備え、コンプライアンス組立体は、主フレームとロボット側充電インタフェースとの間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成され、この方法は、順番に、ロボット側充電インタフェースが、車両が充電ステーションに出入りできる引戻し位置から、ロボット側充電インタフェースが、車両側充電インタフェースの前に、好ましくは車両側充電インタフェースと整列される初期接続位置へ移動する、位置決め段階、ロボット側充電インタフェースが、初期接続位置から、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立する、接続段階、車両が、ロボット側充電インタフェースを介して、充電電流によって充電される、充電段階、およびロボット側充電インタフェースが、車両側充電インタフェースから外れ、引戻し位置に向かって引き戻される、切断段階を含み、位置決め段階において、アクチュエータが、位置決め命令に従って給電され、コンプライアンスが監視され、コンプライアンスの値が位置決め介入値と比較され、コンプライアンスの値が位置決め介入値を超えると、位置決め命令が変更され、接続段階において、アクチュエータが、接続命令に従って給電され、コンプライアンスが監視され、コンプライアンスの値が接続介入値と比較され、コンプライアンスの値が接続介入値を超えると、接続命令が変更され、位置決め介入値は、接続介入値とは異なる。
【0006】
本発明による充電インフラは、ロボット側充電インタフェースを動かすアクチュエータを有するロボットと、アクチュエータの動きの一部分を吸収するために、アクチュエータと運動学的に直列である、コンプライアンス組立体とを備える。コンプライアンスは、アクチュエータが依然として給電されている間の、ロボット側インタフェースの、予期せぬ物理的なものとの衝突を迅速に吸収することができ、これにより、制御システムに、応答する時間が与えられ、またコンプライアンスを使用して、ロボットの誤差を受動的に補償することにより、ロボット側充電インタフェースは、車両側充電インタフェースと適切な充電接続を確立することができる。コンプライアンスの値は、位置決め段階の間、位置決め介入値と比較され、またコンプライアンスの値は、接続段階の間、位置決め介入値とは異なる接続介入値と比較される。したがって、ロボットは、位置決め段階の間、どんな予期せぬ衝突に対しても非常に高感度であり得る。一方接続段階の間に意図的な物理的接触がある場合、たとえば、接続の確立に伴う、ロボット側充電インタフェースと車両側充電インタフェースとの間の摩擦に打ち勝つが、締付けによる損傷を防ぐために、より高い値が許容され得る。これにより、公共エリアで安全に動作できるロボットを、実現することができる。
【0007】
一実施形態では、位置決め介入値は、接続介入値よりも小さい。
【0008】
実際上の実施形態では、位置決め介入値は、接続介入値の50%より小さい。
【0009】
好ましい実際上の実施形態では、位置決め介入値は、接続介入値の25%より小さい。
【0010】
一実施形態では、位置決め命令は、コンプライアンスの値が位置決め介入値を超えると、アクチュエータの作動を停止するよう変更され、これにより、ロボット側充電インタフェースが及ぼす圧縮力は、コンプライアンス組立体によって吸収される量に制限されたままである。
【0011】
一実施形態では、コンプライアンスの値が位置決め介入値を超えると、位置決め命令が打ち切られ、アクチュエータは、ロボット側充電インタフェースを引戻し位置に向かって引き戻すために、引戻し命令に従って給電される。
【0012】
一実施形態では、接続命令は、コンプライアンスの値が接続介入値を超えると、アクチュエータの作動を停止するように変更され、これにより、接続の確立に伴う、ロボット側充電インタフェースと車両側充電インタフェースとの間の摩擦に打ち勝つが、コンプライアンスの値が接続介入値を超えた場合に起こり得る締付けによる損傷を防ぐために、ロボット側充電インタフェースが及ぼす一定量の圧縮力が許容される。
【0013】
一実施形態では、コンプライアンスの値が接続介入値を超えると、接続命令が打ち切られ、アクチュエータは、ロボット側充電インタフェースを引戻し位置に向かって、または初期接続位置に引き戻すために、引戻し命令に従って給電される。
【0014】
一実施形態では、充電段階において、アクチュエータが、充電命令に従って給電され、コンプライアンスが監視され、充電命令は、コンプライアンスの値を、第1の充電介入値と、より低い第2の充電介入値との間にもってくるよう規定する。具体的には、充電段階において、アクチュエータが、充電段階の開始時に、充電命令に従って給電され、好ましくは、充電段階の残りの期間、コンプライアンスの値が、第1の充電介入値と、より低い第2の充電介入値との間にある場合、アクチュエータはアイドリング状態である。コンプライアンス組立体は、この場合、コンプライアンスの値が、第1の充電介入値と第2の充電介入値との間になるように、釣合いが取られる。ロボット側充電インタフェースは、この場合、介入値を破ることなく、車両側充電インタフェースの予期せぬ動きに受動的に追従することができる。かかる予期せぬ動きは、たとえば、人が車両から降りることによって引き起こされる可能性がある。
【0015】
この一実施形態では、コンプライアンスの値が、第1の充電介入値を超えるか、または第2の充電介入値を下回ると、コンプライアンスの値を、第1の充電介入値と第2の充電介入値との間にもってくるために、充電命令に従ってアクチュエータが給電され、これにより、充電を、安全な形で続行することができる。
【0016】
一実施形態では、位置決め段階、接続段階、および充電段階において、介入命令に従って、アクチュエータに給電することができ、コンプライアンスの値が監視され、コンプライアンスの値が警告介入値と比較され、警告介入値を超えると、以下を含む群から選択される介入命令が開始される。
- ロボット側充電インタフェースを通る充電電流を遮断すること
- 音声警報をトリガすること
- 視覚警報をトリガすること
- 警報状態を、車両またはより上位の管理システムに通知すること
- 機械式ブレークアウト解除をトリガすること、および
- ロボット側充電インタフェースを、車両側充電インタフェースから引き戻すこと。
【0017】
一実施形態では、位置決め段階において、警告介入値は位置決め介入値よりも高く、接続段階において、警告介入値は接続介入値よりも高く、ならびに/または充電段階において、警告介入値は、第1の充電介入値より高いか、もしくは第2の充電介入値より低く、または警告介入値は、第1の充電介入値よりも高い第1の警告介入値、および第2の充電介入値よりも低い第2の警告介入値を有する。
【0018】
一実施形態では、位置決め段階は、車両側充電インタフェースの位置を判断するステップと、累積システム誤差を、車両側充電インタフェースの判断された位置に加算するか、または減算することによって、初期接続位置を判断するステップとを含む。発明者らは、これが、ロボット側充電インタフェースと車両側充電インタフェースとの間に物理的接触がないときで、ロボット側充電インタフェースが初期接続位置にあるか、または初期接続位置に接近しているときに、有益であることを発見したことに留意されたい。したがって、ロボット側充電インタフェースが初期接続位置に移動することで引き起こされる、車両の損傷が生じるのを防ぐことができる。
【0019】
第2の態様によれば、本発明は、車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションを備える、充電インフラを制御する方法を提供し、充電ステーションが、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットを備え、ロボットが、主基部、ならびに主基部とロボット側充電インタフェースとの間で、ロボット側充電インタフェースを、主基部に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構を備え、変位機構が、少なくとも1つのアクチュエータであって、主基部とロボット側充電インタフェースとの間で、アクチュエータが作動時に変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された、少なくとも1つのアクチュエータを備え、ロボットが、主基部とロボット側充電インタフェースとの間のアクチュエータと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体を備え、コンプライアンス組立体が、主フレームとロボット側充電インタフェースとの間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成され、この方法が、順番に、ロボット側充電インタフェースが、車両が充電ステーションに出入りできる引戻し位置から、ロボット側充電インタフェースが、車両側充電インタフェースの前に、好ましくは車両側充電インタフェースと整列される初期接続位置へ移動する、位置決め段階、ロボット側充電インタフェースが、初期接続位置から、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立する、接続段階、車両が、ロボット側充電インタフェースを介して、充電電流によって充電される、充電段階、およびロボット側充電インタフェースが、車両側充電インタフェースから外れ、引戻し位置に向かって引き戻される、切断段階を含み、充電段階において、アクチュエータが、充電命令に従って給電され、コンプライアンスが監視され、充電命令が、コンプライアンスの値を、第1の充電介入値と、より低い第2の充電介入値との間にもってくるよう規定する。
【0020】
この一実施形態では、充電段階において、アクチュエータが、充電段階の開始時に、充電命令に従って給電され、好ましくは、充電段階の残りの期間、コンプライアンスの値が、第1の充電介入値と、より低い第2の充電介入値との間にある場合、アクチュエータはアイドリング状態である。
【0021】
このさらなる一実施形態では、コンプライアンスの値が、第1の充電介入値を超えるか、または第2の充電介入値を下回ると、コンプライアンスの値を、第1の充電介入値と第2の充電介入値との間にもってくるために、充電命令に従ってアクチュエータが給電される。
【0022】
一実施形態では、位置決め段階、接続段階、および充電段階において、介入命令に従って、アクチュエータに給電することができ、コンプライアンスの値が監視され、コンプライアンスの値が警告介入値と比較され、警告介入値を超えると、以下を含む群から選択される介入命令が開始される。
- ロボット側充電インタフェースを通る充電電流を遮断すること
- 音声警報をトリガすること
- 視覚警報をトリガすること
- 警報状態を、車両またはより上位の管理システムに通知すること
- 機械式ブレークアウト解除をトリガすること、および
- ロボット側充電インタフェースを、車両側充電インタフェースから引き戻すこと。
【0023】
一実施形態では、位置決め段階において、警告介入値は位置決め介入値よりも高く、接続段階において、警告介入値は接続介入値よりも高く、ならびに/または充電段階において、警告介入値は、第1の充電介入値より高いか、もしくは第2の充電介入値より低く、または警告介入値は、第1の充電介入値よりも高い第1の警告介入値、および第2の充電介入値よりも低い第2の警告介入値を有する。
【0024】
第3の態様によれば、本発明は、車両側充電インタフェースを有する車両を充電する充電ステーションを備える、充電インフラを提供し、充電ステーションが、車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを担持するロボットを備え、ロボットが、主基部、ならびに主基部とロボット側充電インタフェースとの間で、ロボット側充電インタフェースを、主基部に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構を備え、変位機構が、少なくとも1つのアクチュエータであって、主基部とロボット側充電インタフェースとの間で、アクチュエータが作動時に変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された、少なくとも1つのアクチュエータを備え、ロボットが、主基部とロボット側充電インタフェースとの間の、アクチュエータと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体を備え、コンプライアンス組立体が、主フレームとロボット側充電インタフェースとの間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成され、充電インフラが、少なくともロボットに動作可能に接続され、本発明の第1の態様または第2の態様による方法を実行するよう構成されている、コントローラをさらに備える。
【0025】
第4の態様によれば、本発明は、コントローラまたはプロセッサによって実行されると、本発明の第3の態様による充電インフラに、本発明の第1の態様または第2の態様による方法を実行させる命令を有する、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0026】
本明細書で説明および図示されている様々な態様および特徴は、可能な限り個々に適用され得る。こうした個々の態様、具体的には、添付の従属請求項で説明される態様および特徴は、分割特許出願の対象とすることができる。
【0027】
本発明を、以下の添付図面に示される例示的な実施形態に基づいて、説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】電動式車両の車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを有する、本発明の第1の実施形態によるロボットを備える、充電ステーションの細部の側面図である。
【
図1B】電動式車両の車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを有する、本発明の第1の実施形態によるロボットを備える、充電ステーションの細部の等角背面図である。
【
図1C】電動式車両の車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを有する、本発明の第1の実施形態によるロボットを備える、充電ステーションの細部の等角正面図である。
【
図2A】電動式車両の車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを有する、本発明の第2の実施形態によるロボットを備える、充電ステーションの細部の側面図である。
【
図2B】電動式車両の車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを有する、本発明の第2の実施形態によるロボットを備える、充電ステーションの細部の等角図である。
【
図3A】電動式車両の車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを有する、本発明の第3の実施形態によるロボットを備える、充電ステーションの細部の等角側面図である。
【
図3B】電動式車両の車両側充電インタフェースとの充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェースを有する、本発明の第3の実施形態によるロボットを備える、充電ステーションの細部の等角背面図である。
【
図5A】充電接続を確立する直前に適切に整列された、
図1B、
図2B、および
図3Bに示された、ロボット側充電インタフェースおよび車両側充電インタフェースの部分縦断面図である。
【
図5B】充電接続を適切に確立した、
図5Aに示された、ロボット側充電インタフェースおよび車両側充電インタフェースの部分縦断面図である。
【
図5C】ロボットの制御下で許容可能な誤差を補正している間の、
図5Aに示されたロボット側充電インタフェースおよび車両側充電インタフェースの部分縦断面図である。
【
図5D】ロボットの制御下で許容可能な誤差を補正している間の、
図5Aに示されたロボット側充電インタフェースおよび車両側充電インタフェースの部分縦断面図である。
【
図6A】
図4に示されたコンプライアンス組立体を用いた、充電接続の確立の監視、および充電接続の確立に対する、様々な起こり得る応答を示すグラフである。
【
図6B】
図4に示されたコンプライアンス組立体を用いた、充電接続の確立の監視、および充電接続の確立に対する、様々な起こり得る応答を示すグラフである。
【
図6C】
図4に示されたコンプライアンス組立体を用いた、充電接続の確立の監視、および充電接続の確立に対する、様々な起こり得る応答を示すグラフである。
【
図6D】
図4に示されたコンプライアンス組立体を用いた、充電接続の確立の監視、および充電接続の確立に対する、様々な起こり得る応答を示すグラフである。
【
図6E】
図4に示されたコンプライアンス組立体を用いた、充電接続の確立の監視、および充電接続の確立に対する、様々な起こり得る応答を示すグラフである。
【
図6F】
図4に示されたコンプライアンス組立体を用いた、充電接続の確立の監視、および充電接続の確立に対する、様々な起こり得る応答を示すグラフである。
【
図7】以前の図によるロボットの、動作中に実行されるステップの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1A、
図1B、および
図1Cは、本発明の第1の実施形態による充電ステーション1を示している。充電ステーション1は、電動式車両10、この例では乗用車を充電するための車両エリア2を有する。車両10は、完全に電動式であってもよく、または電気式駆動が燃料燃焼と組み合わされた、ハイブリッド駆動装置を有していてもよい。車両10は、車輪12上の車両本体11と、この例では、車両本体11の右側の、後輪12のうちの一方の上にある、車両本体11によって担持される車両側充電インタフェース20とを有する。
【0030】
図1A、
図1B、および
図1Cに示されているように、充電ステーション1は、車両側充電インタフェース20との充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェース100を有する、ロボット50を備える。ロボット側充電インタフェース100は、図示されていない充電器と電気的に接続されている。
【0031】
ロボット側充電インタフェース100および車両側充電インタフェース20の具体的なピン配置は、IEC/SAE規格などの公的な規格で説明されているような、どんな既知のタイプのものであってもよい。ロボット側充電インタフェース100および車両側充電インタフェース20は、いわゆるMennekes、Yazaki、Schuko、もしくはComboタイプの、または他の任意の電気自動車充電専用のコネクタであり得る。
図1Bおよび
図5Aに示されているように、車両側充電インタフェース20は、この例では、通常充電および高速充電の両方に対応するComboのCCS-2インレットである。車両側充電インタフェース20は、周方向の内面22へ内向きに連結された前面21を備える。内面22は、第1のソケット24および第2のソケット31が突出する底面23に連結している。第1のソケット24は、5つの凹んだ通常充電用コネクタ27が延在する5つの第1のチャネル26と、2つの制御用コネクタ29が延在する2つの第2のチャネル28とを有する、電気絶縁材料のソケット本体25を備える。第2のソケット31は、2つの高速充電用コネクタ34が延在する2つの第3のチャネル33を有する、電気絶縁材料のソケット本体32を備える。内面22およびソケット本体25、32は、一体に、ソケット24、31の周囲に溝30を画定する。溝30、第1のチャネル26、第2のチャネル28、および第3のチャネル33は、設計により、第1のチャネル26、第2のチャネル28、および第3のチャネル33に平行な、受容方向Rを有する。
【0032】
図1Cおよび
図5Aに示されているように、ロボット側充電インタフェース100は、この例では、通常充電用のいわゆるMennekesタイプのもの(IEC62196に基づくタイプ2コネクタ)である。ロボット側充電インタフェース100は、車両側充電インタフェース20の溝30と嵌合し、その内側にぴったり合うシールド101と、車両側充電インタフェース20の第1のチャネル26および第2のチャネル28とそれぞれ嵌合し、その内側にぴったり合う、複数の第1のブッシュ102および第2のブッシュ103とを備える。ロボット側充電インタフェース100は、ブッシュ102、103の内側に凹設され、充電接続が確立されると、車両側充電インタフェース20のコネクタ27、29と電気的に接続される、充電コネクタを備える。シールド101、第1のブッシュ102、および第2のブッシュ103は、設計により、充電コネクタと平行な挿入方向Pを有する。挿入方向Pは、設計により、車両側充電インタフェース20の受容方向Rと完全に平行であり、受容方向Rと整列している。
【0033】
車両側充電インタフェース20およびロボット側充電インタフェース100は、典型的には、最初の相互接触において、受容方向Rを斜めに横切る最大約0.1~0.3ミリメートルのわずかなずれ、または手動で互いに差し込んだときの最大1~2度のわずかな位置ずれしか許容しない、非常に厳密な嵌込みの幾何形状を有する。かかる最小の位置ずれは、充電インタフェース20、100の自己探索する形状の特徴のおかげで自動的に補正され、これにより、充電インタフェース20、100は適切に、相互に係合するようになる。車両側充電インタフェース20のコネクタ27、29、34、およびロボット側充電インタフェース100のコネクタ102、103は、接触するコネクタ間で、上述のわずかな位置ずれがある場合でも、初期設定の嵌合シーケンスを強いるために、挿入方向Pおよび受容方向Rに相異なる長さまたは位置を有している場合がある。これにより、たとえば、電力接続が行われる前に、確実に接地接続または制御接続が確立される。車両側充電インタフェース20は、車両側充電インタフェース100への挿入方向Pに、適切な挿入のための設計深さに達すると終了する挿入ストロークにわたって、挿入される。車両側充電インタフェース20およびロボット側充電インタフェース100には、車両側充電インタフェース20を、車両側充電インタフェースの設計深さで係止するための、遠隔制御係止部が設けられている。これは、高充電電流の印加中に、適切に接続された充電インタフェース20、100が外れるのを、物理的に防止するためである。
【0034】
充電ステーション1のロボット50は、
図1Aに示されているように、この例では、地上の、車両エリア2の横の、車両側充電インタフェース20に近い側部に配置された主フレーム52を有する、概略的に示されている台座または主基部51を備える。ロボット50は、車両側充電インタフェース20の場所によっては、車両10のどちらの側部にでも、または前側もしくは後側に配置することができる。ロボット50は、別法として、車両10の底部側にある車両側充電インタフェース20に届くように、床上もしくは床下に配置されるか、またはロボット50は、車両10の上側または屋根の上にある車両側充電インタフェース20に届くように、車両10の上方に吊り下げられている。
【0035】
図1A~
図1Cに示されているように、ロボット50は、ロボット側充電インタフェース100を担持するキャリア・フレーム61を有する、可動キャリア60を備える。ロボット50は、主基部51に対して、可動キャリア60を、ひいてはロボット側充電インタフェース100を動かすことができる、任意の構成であり得る。数学的に、ロボット側充電インタフェース100の位置が関係付けられた、主基部51に結合される、直交座標系Oが画定される。ロボット側充電インタフェース100は、直交する3つの方向X、Y、Z(横方向、縦方向、および垂直方向)のいずれかに平行移動でき、また主基部51に対して、これらの軸を中心に回転できる(ピッチ、ロール、ヨー)ので、ロボットの特定の駆動チェーンの構成に応じて、合計6自由度(6-DOF)以下である。
【0036】
ロボット50は、この例では、直交座標系OのZ軸に対応する、垂直の第1の軸Dを中心に回転するように、第1の回転アクチュエータ53を介して主フレーム52に接続された、ロボット基部54を備える。ロボット50は、主フレーム52に対して、水平の第2の軸Eを中心に回転するように、一方の端部が第2の回転アクチュエータ55を介して、ロボット基部54に接続された、第1のロボット・アーム56を備える。第1のロボット・アーム56は、第2のアーム58を、第1のアーム56に対して、第3の水平の軸Fを中心に回転させるように、第1のロボット・アームの反対側の端部が、第3の回転アクチュエータ57を介して、第2のロボット・アーム58の一方の端部に接続されている。第2のロボット・アーム58の反対側の端部は、可動キャリア60を、第2のアーム58に対して、水平の第4の軸Gを中心に、また互いに直交する第5の軸Hおよび第6の軸Jを中心に回転させるように、第4の回転アクチュエータ59を介して、可動キャリア60と接続されている。
【0037】
ロボット50は、
図4に最もよく示されているように、可動キャリア60とロボット側充電インタフェース100との間で直列であり、ひいてはロボット側充電インタフェース100および駆動チェーンの回転アクチュエータ53、55、57、59のうちの少なくとも1つと、運動学的に直列である、第1のコンプライアンス組立体90aを備える。数学的には、ロボット側充電インタフェース100に結合され、コンプライアンスが関係付けられる、直交座標系Cが画定され、ここでY軸は、好ましくは挿入方向Pに平行である。コンプライアンス組立体90aは、駆動チェーンとロボット側充電インタフェース100との間の機械的コンプライアンスを実現する。
【0038】
コンプライアンス組立体90aは、この例では、キャリア・フレーム61に装着された外側チューブ91と、この例では滑り軸受93を用いて、外側チューブ91の内部で直線的に案内される、接続ロッド92とを備える。接続ロッド92は、部分的に外側チューブ91から突出し、第1のコンプライアンス組立体90aは、この例では、キャリア・フレーム61に対する接続ロッド92の所定の最も外側の位置を決定するために、滑り軸受93の後ろに留まる、接続ロッド92の端部にある端部止め94、ならびにこの例ではバネである、可逆的な可撓性要素、具体的には、端部止め94とキャリア・フレーム61との間で、端部止め94を滑り軸受93に当接させ続けるよう付勢される、コイル・バネ95を備える。接続ロッド92は、この例では、コイル・バネ95の付勢に打ち勝つ、所定の閾値の力を超えると、コイル・バネ95を用いて、方向Lに可動キャリア60へ向かって、コンプライアンスのストロークにわたり、弾力的かつ可逆的に滑動して戻ることができる。したがって、第1のコンプライアンス組立体90aは、方向Lへの第1のコンプライアンスを実現する。回転アクチュエータ53、55、57、59は、ロボット側充電インタフェース100に変位を加えて、コンプライアンス組立体90aの閾値の力を超えない限り、ロボット側充電インタフェース100は回転アクチュエータに追従する。
【0039】
説明されている実施形態では、第1のコンプライアンス組立体90aは、滑り軸受93へ、また滑り軸受93に対して付勢されている。別法として、コイル・バネ95または他の任意の弾力的な要素は、閾値の力を満たすことの有無にかかわらず、反対方向への弾力性をもたらし、これにより接続ロッド92は、弾力的かつ可逆的に、可動キャリア60に向かって押され、また可動キャリア60から引き離され得る。両方の実施形態が、1自由度のコンプライアンスのストロークを実現する。
【0040】
図4に示されているように、第1のコンプライアンス組立体90aは、第1の電気ケーブル111を介して電気信号を供給するよう配置および構成された、概略的に示されている距離センサ110を備える。この電気信号は、可動キャリア・フレーム61に対する端部止め94の距離を、したがって、方向Lの第1のコンプライアンスの長さ、および方向Lに加えられる外部の力を示す。第1のコンプライアンス組立体90aは、第1のコンプライアンスの長さが最長に達した状況を示す、端部止め94の当接を検出するよう配置および構成された、端部スイッチ115を備える。端部スイッチ115は、次いで、第2の電気ケーブル116を介して対応する信号を供給する。
【0041】
図2Aおよび
図2Bは、本発明の第2の実施形態によるロボット250を備える充電ステーション201を示す。第1の実施形態に対応する部品には、同じ参照番号が与えられている。これ以降、差のある部分だけが論じられる。
【0042】
ロボット250は、可動キャリア60とロボット側充電インタフェース100との間に、複数の、この実施形態では6つの、コンプライアンス組立体90a~90fを備える。図では、6つのコンプライアンス組立体のうちの3つだけが、詳細に示されている。可動キャリア60は、キャリア・フレーム61上に、同一平面内にあり3角形の構成で対を形成する、合計6つの脚支持体97a~97fを備える。ロボット250は、ロボット側充電インタフェース100上に、同一平面内にあり、3角形の構成で対を形成する、合計6つの脚支持体96a~96fを備える。コンプライアンス組立体90a~90fの外側チューブ91は、可動キャリア60の脚支持体97a~97fと接続される、2自由度を有する自在回転継手として具現化される、第1の結合部98を備える。コンプライアンス組立体90a~90fの接続ロッド92は、充電インタフェース100の脚支持体96a~96fと接続される、3自由度を有する自在回転継手として具現化される、第2の結合部99を備える。6つのコンプライアンス組立体90a~90fは、この例では、ロボット側充電インタフェース100と可動キャリア60との間に、6自由度のコンプライアンスを実現する、6脚機構を形成する。別法として、組み立てられた6つのコンプライアンス組立体90a~90fが、ロボット側充電インタフェース100と可動キャリア60との間で、スチュワート・プラットフォームを形成する。したがって、コンプライアンス組立体90a~90fは、互いに平行に、かつロボット側充電インタフェース100および駆動チェーンの回転アクチュエータ53、55、57、59のうちの少なくとも1つと直列に、構成される。個々のコンプライアンス組立体90a~90f内のコイル・バネ95は、たとえば、ロボット側充電インタフェース100およびコンプライアンス組立体90a~90fに存在する様々な構成要素の、相異なる個々の重量に起因して不均一な重量分布となることによって、垂れ下がることなく、可動キャリア60に対するロボット側充電インタフェース100の初期設定位置を確保するために、相異なるインピーダンス、この例では相異なる剛性を有することができる。各コンプライアンス組立体90a~90fは、距離センサ110および端部スイッチ115が設けられている。回転アクチュエータ53、55、57、59は、車両側充電インタフェース100に変位を加え、コンプライアンス組立体90a~90fのうちのどの1つに対しても閾値の力を超えない限り、車両側充電インタフェース100は回転アクチュエータに追従する。
【0043】
図3Aおよび
図3Bは、本発明の第3の実施形態による、ロボット350を備える充電ステーション301を示している。第1の実施形態に対応する部品には、同じ参照番号が与えられている。これ以降、差のある部分だけが論じられる。
【0044】
ロボット350は、この例では、車両エリア2の横の、車両側充電インタフェース20に近い側にあるコンソール3によって支持された、主基部51を備える。主基部51は、主フレーム52と、主フレーム52上に、同一平面内にあり、3角形の構成で対を形成する、合計6つの脚支持体353a~353fとを備える。ロボット350は、キャリア・フレーム61を有する可動キャリア60と、キャリア・フレーム61上に、同一平面内にあり、3角形の構成で対を形成する、合計6つの脚支持体364a~364fとを備え、脚支持体364a~364fの対間の距離は、主基部51の脚支持体353a~353fの対間の距離よりも短い。キャリア60は、ロボット側充電インタフェース100を担持する。
【0045】
ロボット350は、この例では、主基部51の脚支持体353a~353fと可動キャリア60の脚支持体364a~364fとの間に延在する、6本の脚371a~371fとして具現化される合計6つの平行変位組立体を、主基部51と可動キャリア60との間に備える。脚371a~371fは、構造が同一であり、これ以降、第1の脚371aを参照して詳細に説明される。
【0046】
第1の脚371aは、2自由度を有する自在回転継手として具現化される第1の結合部388を介して、主基部51の第1の脚の脚支持体353aに接続された、第1の脚の底端部にある外側チューブ381を有する、直線運動アクチュエータ380を備える。直線運動アクチュエータ380は、この例では、外側チューブ381に装着された電気モータ383を有する。直線運動アクチュエータ380は、外側チューブ381の内部を直線状に案内され、外側チューブ381から部分的に突出する、駆動ロッド382を有する。駆動ロッド382は、たとえばスピンドルを介して、電気モータ383と動作可能に接続される。これにより駆動ロッド382は、
図3Aに示されているように、電気モータ383に給電することに応じて、第1の結合部388に対して方向Mに、変位ストロークにわたって、直線状に往復運動可能である。直線運動アクチュエータ380は、スピンドル上の回転センサまたは回転カウンタなど、外側チューブ381に対する駆動ロッド382の位置を測定する、内部センサを有する。したがって、各脚371a~371fは、かかるセンサを有する。
【0047】
脚371a~371fはそれぞれ、直線運動アクチュエータ380と直列に、それぞれのコンプライアンス組立体90a~90fを備え、外側チューブ91は、駆動ロッド382に固定され、接続ロッド92は、キャリア・フレーム61上の脚支持体364a~364fに接続された、3自由度を有する自在回転継手として具現化される、それぞれの第2の結合部396を備える。個々の脚371a~371fのコンプライアンス組立体90a~90fのコイル・バネ95は、たとえば、ロボット50に存在する様々な構成要素の、相異なる個々の重量に起因して不均一な重量分布となることによって、垂れ下がることなく、ロボット側充電インタフェース100の初期設定位置を確保するために、相互に異なるインピーダンス、この例では相異なる剛性を有することができる。
【0048】
6本の脚371a~371fは、この例では、主基部51と可動キャリア60との間に、6脚機構70を形成する。別法として、組み立てられた6本の脚371a~371fが、スチュワート・プラットフォームを形成する。直線運動アクチュエータ380は、第1の結合部388と第2の結合部396との間に変位を加え、コンプライアンス組立体90の閾値の力を超えない限り、可動キャリア60、ひいては車両側充電インタフェース100は、直線運動アクチュエータに追従する。これにより可動キャリア60は、直交する3つの方向X、Y、Z(横方向、縦方向、および垂直方向)に平行移動させることができ、またこれらの軸(ピッチ、ロール、ヨー)を中心に回転させることができるので、合計6自由度(6-DOF)である。第1の結合部388と第2の結合部396との間に加えられた変位の一部は、閾値の力を超えると、コンプライアンス組立体90a~90fによって可逆的に吸収され得る。
【0049】
代替的に、またはこれに追加して、可動キャリア60は、
図3Aに示されているように、キャリア・フレーム61とロボット側充電インタフェース100との間に、上述の6自由度のコンプライアンスのデータを取得または導出する、圧力センサ・マトリックスなどのセンサ366を備える。
【0050】
上述の実施形態では、回転アクチュエータ53、55、57、59、またはモータ383が、位置決めする実施形態を形成する。適用されるコンプライアンス組立体90a~90fは、回転アクチュエータまたはモータと直列に、コンプライアンスの実施態様を形成する。
【0051】
充電ステーション1、201、301は、充電ステーション1の動作を制御する、電子制御システムを備える。電子制御システムは、ステレオ・カメラを形成するビデオ・カメラもしくは複数のカメラなどの、1つもしくは複数の撮像検出器130、または充電ステーション1内の、車両の車両側充電インタフェース20の位置を検出するLIDAR、レーダ、もしくはLEDベースのセンサなどの、距離センサを備えることができる。したがって、撮像検出器130は、視覚システムの一部を形成する。撮像検出器130は、主基部51などの基部に装着されてもよく、または図示のように、ロボット側充電インタフェース100などのロボット50によって担持されてもよい。
【0052】
制御システムは、回転アクチュエータ53、55、57、59、または電気モータ383に接続され、給電して、回転アクチュエータまたは電気モータの回転を制御する、電子コントローラを備える。電子コントローラは、検出器130、第1の電気ケーブル111を介して距離センサ110、および第2の電気ケーブル116を介して端部スイッチ115に接続される。充電ステーション1、201、301は、端部スイッチ115に接続された冗長電子制御システムを備えることもでき、ここで上述の制御システムは、1次制御システムである。冗長制御システムは、最終的には、端部スイッチ115によって検出されるような特定の極端な状況で、主制御システムに介入するか、または無効にすることができる。制御システムは、充電器に接続され、ブッシュ102、103を介して充電を作動させ、たとえば、車両側充電インタフェース20内部の接触するコネクタ、およびロボット側充電インタフェース20の、嵌合順序を検出することによる、ロボット側充電インタフェース100の車両側充電インタフェース20への適切な挿入を示すフィードバックを、ロボット側充電インタフェースから受信することができる。電子コントローラは、車両側充電インタフェース100とロボット側充電インタフェース100との間の、遠隔制御係止部と通信し、係止部の実際の状態を判断するか、車両10の充電中に、適切に挿入されたロボット側充電インタフェース100を係止するか、または不適切もしくは不完全な挿入を検出することができる。
【0053】
電子コントローラは、充電ステーション1内の車両側充電インタフェース20の、空間位置および向きを判断するよう構成される。これは、上述の視覚システムを用いて実行することができるか、駐車車両10の特定の位置データを含む、既知の車両の車両側充電インタフェース100の位置データを含む、データベースから導出できるか、または車両10との通信によって、もしくは補助制御システムによって導出することができる。数学的に、車両側充電インタフェース20に結合される座標系Sが画定され、3つの直交方向X、Y、Zにおける車両側充電インタフェースの位置、およびX、Y、Z軸を中心とする任意の回転方向を判断する。ここでY軸は、好ましくは、受容方向Rに平行である。
【0054】
電子コントローラは、適用される個々のコンプライアンス組立体90a~90fの、方向Lのコンプライアンスのストロークから、ロボット側充電インタフェース100に作用する合力および合モーメントを判断するよう構成される。数学的には、これは、以下の剛性マトリックスおよび座標系Cを用いて表される。
│Fx│ │kx 0 0 0 0 0 ││Δx│
│Fy│ │0 ky 0 0 0 0 ││Δy│
│Fz│=│0 0 kz 0 0 0 ││Δz│
│Mx│ │0 0 0 krx 0 0 ││ΔΦ│
│My│ │0 0 0 0 kry 0 ││ΔΘ│
│Mz│ │0 0 0 0 0 krz││ΔΨ│
【0055】
この行列において、Fx、Fy、Fzは、ニュートン単位の、座標系の軸に沿った力成分、Mx、My、Mzは、ニュートンメートル単位の、座標系の軸を中心とするモーメント、Δx、Δy、Δzは、メートル単位の変位成分、ΔΦ、ΔΘ、ΔΨは、ラジアン単位の回転成分であり、すべて座標系Cで表される。6自由度の剛性成分kx、ky、kz、krx、kry、krzは、ニュートン/メートル単位で、またニュートンメートル/ラジアン単位で、適用されるコイル・バネ95の剛性特性に関係し、特定の構成およびコンプライアンスのストロークの現在の値によって変わる。特定の構成においてコンプライアンスが制約され、これにより、適用されるコンプライアンスが最大である6自由度よりも少ない自由度を有する場合、実質的により高い剛性成分が適用される。
【0056】
ロボット側充電インタフェース100に作用する、またはロボット50、250、350によって充電インタフェース100に加えられる力成分およびモーメント成分は、座標系Cの変位および回転方向で画定されるコンプライアンスのストロークと、定量的に関係する。以下の典型的な、定量的関係が適用される。
【0057】
下記の定量化は、座標系Cの方向ごとに、本発明による実施形態の剛性およびコンプライアンスのストロークがある、可能性がある剛性の範囲および可能性があるコンプライアンスのストロークの範囲を画定する。コンプライアンスのストロークは、それぞれメートルまたは度単位で表される。剛性は、それぞれ、キロニュートン/メートルおよびキロニュートンメートル/ラジアンで表される。
方向 剛性 ストローク
X [0.25,40] [0.005,0.1]
Y [0.25,40] [0.005,0.1]
Z [0.25,40] [0.005,0.1]
RX [0.005,6] [0.5,15]
RY [0.005,6] [0.5,15]
RZ [0.005,6] [0.5,15]
【0058】
下記の定量化は、座標系Cの方向ごとに、本発明による実施形態の剛性およびコンプライアンスのストロークがある、剛性の最大範囲およびコンプライアンスのストロークの最大範囲を画定する。コンプライアンスのストロークは、それぞれメートルまたは度単位で表される。剛性は、それぞれ、キロニュートン/メートルおよびキロニュートンメートル/ラジアンで表される。
方向 剛性 ストローク
X [0.1,200] [0.002,0.25]
Y [0.1,200] [0.002,0.25]
Z [0.1,200] [0.002,0.25]
RX [0.001,24] [0.25,30]
RY [0.001,24] [0.25,30]
RZ [0.001,24] [0.25,30]
【0059】
電子コントローラは、回転アクチュエータ53、55、57、59、またはモータ383、コンプライアンス組立体90a~90fのフィードバックから、また視覚システムを使用することによって、座標系Oにおける、ロボット側充電インタフェース100の位置および向きを判断するよう構成される。
【0060】
充電ステーション1は、電子コントローラと通信し、電子コントローラを構成する、遠隔コンピュータ・サーバを有する充電インフラの一部を形成する。電子制御システムには、電子コントローラのプロセッサによって実行されるソフトウェアがロードされ、これにより、充電ステーション1は、これ以降で説明されるような、以下の動作を実行する。
【0061】
充電ステーション1、201、301の動作の説明は、ロボット50、250、350が完全な引戻し位置にあることから始まり、これによりロボット側充電インタフェース100は、車両エリア2から引っ込められ、車両10が充電ステーション1、201、301に入ることを可能にする、待機位置にある。
図1Aに概略的に示されているように、ロボット側充電インタフェース100は、車両10から、具体的には、車両エリア2に駐車される車両側充電インタフェース20から、概略的に示された距離Qにある、この完全な引戻し位置にある。これ以降、第1の実施形態による充電ステーション1を参照して動作を説明し、第2および第3の実施形態による充電ステーション201、301との相違点を適宜説明する。
図6Aは、第1の実施形態による、充電ステーション1の唯一の、第1のコンプライアンス組立体90aによって実現される、または第2および第3の実施形態による、複数のコンプライアンス組立体90a~90fによって実現される、たとえばミリメートル単位の第1のコンプライアンスの値C1を、縦軸に沿って示す図である。ここでは、例示の目的で、第1のコンプライアンス組立体90aおよび第2のコンプライアンス組立体90bだけの、第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2がグラフに描かれている。横軸は、秒単位の、経過時間を示している。
【0062】
図6Aの図では、コンプライアンスの特定の基準値がグラフに描かれている。図では、ノイズ閾値CNは、ロボット50、250、350の適切な機能に影響を与えないので、無視されるべき第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2の最大値を示す。コンプライアンスC1、C2のこうした小さな値は、通常、コンプライアンス組立体90a~90fのうちの1つまたは複数を介してロボット側車両インタフェース100に作用する、ロボット50、250、350の駆動チェーンの振動によって引き起こされる可能性がある。他の値CP、CC、CH1、CH2は、これ以降で説明されるように、超過した場合に特定の介入をトリガする最大値または最小値を示す。
【0063】
これ以降で、最初に、
図6Aおよび
図7を参照して、外部の影響によって、または係合する充電インタフェース20と100との間の障害物によって妨げられていない、理想的な充電サイクルについて説明する。
【0064】
第1のステップ310では、車両エリア2における特定の車両10の存在が、撮像検出器130を用いて、他の任意の適切なセンサによって、車両10と充電ステーション1との間の任意のタイプのデータ通信によって、任意のタイプの遠隔トリガ・システムによって、車両10の運転者による登録によって、または充電ステーション1の現場の人間の操作者によって通知される。
【0065】
車両10の存在または車両が近づいていることが通知されると、第2のステップ320で、充電ステーション1内での、車両側充電インタフェース20の空間位置および向きが、撮像センサ130を用いて、もしくは既知の車両20の車両側充電インタフェース20の位置データを含むデータベースから判断されるか、車両20との通信から導出されるか、または補助制御システムから取得される。これは、直交する3つの方向X、Y、Zにおける位置と、X、Y、Z軸を中心とした任意の回転方向とを含む。
【0066】
第3のステップ330では、車両側充電インタフェース20に対するロボット側充電インタフェース100の、対応する特定の初期接続位置が判断される。初期接続位置は、ロボット側充電インタフェース100が、車両側充電インタフェース20の前にあるが、まだ接触していない位置として画定される。初期接続位置は、車両側充電インタフェース20の位置を判断し、続いてセンサおよびアクチュエータの誤差など、最大の累積システム誤差を、車両側充電インタフェース20の判断した空間位置および向きから減算および/または加算することによって、判断される。初期接続位置において、数学的に、ロボット側充電インタフェース100の任意の物理的部分と車両側充電インタフェース20との間のユークリッド距離Tは、最大10ミリメートル、好ましくは最大5ミリメートルである。ロボット側充電インタフェース100は、初期接続位置において、車両側充電インタフェース20と整列され、受容方向Rに対して横方向に位置ずれする距離は、最大5ミリメートル、好ましくは最大3ミリメートルである。ロボット側充電インタフェース100は、初期接続位置において、最大3~5度、好ましくは2度、より好ましくは最大1度の角度ずれで、車両側充電インタフェース20と整列される。こうしたずれは、これ以降に説明される、適用されるコンプライアンスの下で補正され得る、充電インタフェース20、100の自己検索する形状の特徴で許容されるずれよりも、大きい場合がある。初期接続位置では、人間の手など、間に物理的な障害物が存在することは、実際上不可能である。
【0067】
第4のステップ340において、回転アクチュエータ53、55、57、59、またはモータ383が、個々に給電され、一方回転アクチュエータまたはモータの回転位置は、駆動チェーン内での、位置判断の最大の累積システム誤差を考慮しながら、ロボット側充電インタフェース100を、判断された初期接続位置にもってくるよう制御される。
【0068】
第2のステップ320、第3のステップ330、および第4のステップ340は、充電インタフェース100を初期接続位置にもってくるように、これらのステップが繰り返され得る、位置決め段階P1の一部を形成する。ロボット側充電インタフェース100は、この位置決め段階P1では、車両10に向かって、理想的には、ノイズ閾値CNを超える値の、コンプライアンス組立体90aのどんなコンプライアンスのストロークもなしに、比較的大きな移動ストロークを生じさせる。位置決め段階P1は、撮像支援による位置決め段階P1Vと、それに続く視覚によらない位置決め段階P1Bとで構成され得る。ロボット側充電インタフェース100は、撮像支援による位置決め段階P1Vでは、完全な引戻し位置から、撮像検出器130が、接近するロボット50、250、350の一部の存在のせいで、もはや車両側充電インタフェース20の位置を明確に判断できなくなる位置まで、移動される。
【0069】
第6のステップ360において、回転アクチュエータ53、55、57、59、またはモータ383が、個々に給電され、一方回転アクチュエータまたはモータの回転位置は、ロボット側充電インタフェース100を、
図5Aに示された初期接続位置から、
図5Bに示された、車両側充電インタフェース20に対するロボット側充電インタフェース100の適切な最終係合位置にもってくるよう、制御される。充電インタフェース20、100が適切に係合した後、遠隔制御係止部が作動して係合状態を係止する。第6のステップ360は、接続段階P2の一部を形成する。ロボット側充電インタフェース100の座標系Cは、数学的に、車両側充電インタフェース20の座標系Sと同じ位置にある。
【0070】
接続段階P2の間、ロボット側充電インタフェース100を、摩擦に打ち勝って、正確に嵌合する車両側充電インタフェース20内にもってくるために、圧縮力が必要となるので、ある程度のコンプライアンスが期待される。接続段階P2の間、第1のコンプライアンスCW1の値と第2のコンプライアンスCW2の値との間で、若干の差異が生じる場合があり、この差異から、補正可能なずれが導出され、接続命令によって判断されたときと同様に、ずれの補正が誘導または検出される。たとえば、
図5Cに示されるような第1の物理的接触200は、ロボット側充電インタフェース100を車両側充電インタフェース20に対して、強制的に傾けるか、または滑動させることができる一方で、押す力が、主基部51から付勢されたコイル・バネ95を介して伝達される。コイル・バネ95は、コイル・バネの所定の閾値の力を超えると圧縮することができ、これは、センサ66、96、110を用いて監視される。個々のコイル・バネ95によってもたらされるコンプライアンスは、車両側充電インタフェースの自己探索する形状の特徴を用いて、ロボット側充電インタフェース100の、車両側充電インタフェース20に沿った方向Vへの滑動を誘導することができ、かつ/またはセンサ66、96、110の信号に基づいて、電気モータ383の補正のための起動が判断される。
図5Cでは、図示されている位置ずれは、同じ平面内での平行移動および回転を含んでいる。6自由度すべてにおけるどんな位置ずれも、発生する可能性があり、回転アクチュエータ53、54、56、59、383の、対応する補正措置によって、検出して補正できることが明らかであろう。これは、車両側充電インタフェース20に対するロボット側充電インタフェース100の、適切な、最終係合位置に到達するまで繰り返される。この繰返しでは、
図5Dに示されているように、さらに物理的接触201が検出され、W方向への滑動を誘導することで補正され得る。この繰返しのおかげで、充電インタフェース20、100の自己探索する形状の特徴で許容されるずれよりも大きいずれを、補償することが可能である。ロボット50のストロークは、第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2が、コンプライアンスのストロークの最大長さの約半分に相当する値となるように終了する。これにより、ロボット側充電インタフェース100は、第1および第2の実施形態によるロボット50、250では、弾力的に、可動キャリア60に近づき、また可動キャリアから離れるよう動くことができ、第3の実施形態によるロボット350では、可動キャリア60は、車両側充電インタフェース20の動きに追従することができる。
【0071】
第8のステップ380では、充電が起動される。第8のステップ380は、充電段階P3の一部を形成する。車両10は、充電段階P3の間、ロボット50に対してわずかに動くので、コンプライアンスの値にいくらかの変化が生じる可能性がある。車両10のわずかな動きは、乗降する乗員、または車両10に作用する風によって引き起こされる可能性がある。
【0072】
第10のステップ400では、遠隔制御係止部が解除され、充電インタフェース20、100の係合が係止解除される。ロボット側充電インタフェース100は、回転アクチュエータ53、54、56、59、またはモータ383の対応する作動によって引き戻され、車両側充電インタフェース20から切断される。第10のステップ400は、切断段階P4の一部を形成する。
【0073】
第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2は、充電段階P3の間、距離センサ110を用いて連続的に測定され、監視される。充電段階P3の間、ノイズ閾値CNを下回る値のどんなコンプライアンスも、無視される。
【0074】
上記の理想的な充電サイクルにおいて、第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2は両方とも、位置決め段階P1の間、位置決め介入値CPを下回ったままの値を有する。第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2は両方とも、接続段階P2の間、より高い接続介入値CCを下回ったままの値を有する。第1のコンプライアンスC1と第2のコンプライアンスC2は、充電段階P3の間、たとえば接続介入値CCに等しい第1の充電介入値CH1、およびたとえば位置決め介入値CPより高く、接続介入値CCより低い第2の充電介入値CH2の範囲内で、釣合いが取れたままである値を有する。
【0075】
これ以降で、
図6A~
図6Eを参照して、充電ステーション1の安全な動作を可能にするために、電子制御システムが特定の介入を誘導する、いくつかのずれのシナリオについて論じる。
【0076】
図6Bは、位置決め段階P1の間に、第1のコンプライアンスC1または第2のコンプライアンスC2が、位置決め介入値CPを超える値を有するシナリオを示している。この場合、予期せぬ物理的なもの、たとえば、ロボット50、250、350と車両10との間に立っている人との、衝突が起きたと結論付けられる。次いで、第5のステップ350で、回転アクチュエータ53、54、56、59、またはモータ383は、停止されるか、またはロボット側充電インタフェース100を、ロボット側充電インタフェースの完全な引戻し位置に引き戻すよう作動される。
【0077】
図6Cは、接続段階P2の開始時に、第1のコンプライアンスC1または第2のコンプライアンスC2が、接続介入値CCを超える値を有するシナリオを示している。この場合、ロボット側充電インタフェース100が、車両側充電インタフェース20と、もはや適切に接続できない程度まで予想外に位置ずれしていると結論付けられる。加えられた圧縮力が、許容される挿入力を超えている。これは、たとえば、接続段階P2の間の、車両10の予想外の動きによって引き起こされる可能性がある。次いで、第7のステップ370で、回転アクチュエータ53、54、56、59、またはモータ383は、ロボット側充電インタフェース100を、ロボット側充電インタフェースの完全な引戻し位置に向けて、または初期接続位置へ、引き戻すよう作動される。
【0078】
図6Dは、接続段階P2の開始時に、第1のコンプライアンスC1と第2のコンプライアンスC2との間に、大きな相互の差異が存在するシナリオを示している。この場合、ロボット側充電インタフェース100が、車両側充電インタフェース20に対して、予想外に回転したと結論付けられる。これは、たとえば、接続段階P2の間の、車両10の予想外の動きによって引き起こされる可能性がある。次いで、第7のステップ370で、回転アクチュエータ53、55、57、59、またはモータ383は、ロボット側充電インタフェース100を、ロボット側充電インタフェースの完全な引戻し位置に向けて、または初期接続位置へ、引き戻すよう作動される。
【0079】
図6Eは、接続段階P2の間に、第1のコンプライアンスC1または第2のコンプライアンスC2が、接続介入値CCを超える値を有するシナリオを示している。これは、たとえば、ロボット側充電インタフェース100を車両側20に挿入する間の、コネクタの妨害物によって引き起こされる可能性がある。次いで、第7のステップ370で、回転アクチュエータ53、55、57、59、またはモータ383は、ロボット側充電インタフェース100を、ロボット側充電インタフェースの完全な引戻し位置に向けて、または初期接続位置へ、引き戻すよう作動される。
【0080】
図6Fは、充電段階P3の間に、第1のコンプライアンスC1または第2のコンプライアンスC2が、第1の充電介入値CC1を超える値を有するか、または第2の充電介入値CC2を下回る値を有するシナリオを示している。これは、たとえば、多数の乗客が車両10に乗り込み、コンプライアンス組立体90a~90fによる安全な吸収の限界に達する程度まで、可動プラットフォーム60に向けて車両側充電インタフェース20を押すことに起因する、車両10の激しい動きによって引き起こされる可能性がある。次いで、第9のステップ390において、第1または第2の実施形態によるロボット50、250の回転アクチュエータ53、55、57、59が作動され、車両10に対する可動プラットフォーム60の位置を戻し、これにより第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2が、再び第1の充電介入値CC1と第2の充電介入値CC2との間で釣合いの取れた値を有するか、または第3の実施形態によるロボット350のモータ383が、コンプライアンス組立体90a~90fが同じ効果で再び釣合いを取るように、作動される。
【0081】
すべてのシナリオにおいて、第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2の値は、距離センサ110を用いて、第1の警告介入値CW1を超えるか、監視される。第1の警告介入値CW1は、位置決め介入値CP、接続介入値CC、および第1の充電介入値CC1よりも高い。第1のコンプライアンスC1または第2のコンプライアンスC2が、第1の介入値CW1を超える値を有する場合、位置決め段階P1または接続段階P2の間にアクティブになると、回転アクチュエータ53、54、56、59、またはモータ383は直ちに停止され、充電段階P3の間にアクティブになると、充電電流は遮断される。第1のコンプライアンスC1または第2のコンプライアンスC2が、第1の介入値CW1を超える値を有する場合、音声警報または視覚警報がトリガされる。
【0082】
すべてのシナリオにおいて、第1のコンプライアンスC1および第2のコンプライアンスC2の値は、端部スイッチ115を用いて、第2の警告介入値CW2を超えるか、監視される。第2の警告介入値CW2は、第1の警告介入値CW1よりも高い。第1のコンプライアンスC1または第2のコンプライアンスC2が、第2の警告介入値CW2を超える値を有する場合、位置決め段階P1または接続段階P2の間にアクティブになると、回転アクチュエータ53、54、56、59、またはモータ383は直ちに停止され、充電段階P3の間にアクティブになると、充電電流は遮断される。第1のコンプライアンスC1または第2のコンプライアンスC2が、第2の警告介入値CW2を超える値を有する場合、音声警報または視覚警報がトリガされる。第1コンプライアンスC1または第2コンプライアンスC2が、第2の警告介入値CW2を超える値を有する場合、ロボット側充電インタフェース100と車両側充電インタフェース20とを係止する遠隔制御係止部が解除され、充電インタフェース20、100が、互いに受動的に外れるか、または回転アクチュエータ53、54、56、59、もしくはモータに適宜給電することにより、能動的に外されることが可能となる。
【0083】
実際には、第1の位置決め介入値は、第1の接続介入値の50%以下、好ましくは25%以下である。説明された実施形態では、第1の充電介入値CH1は、充電介入値CCに等しい。
【0084】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を説明するために含まれており、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。上記の議論から、当業者には、本発明の範囲にさらに包含される多くの変形形態が明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側充電インタフェース(20)を有する車両を充電する充電ステーション(1)を備える、充電インフラを制御する方法であって、前記充電ステーション(1)が、前記車両側充電インタフェース(20)との充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェース(100)を担持するロボットを備え、前記ロボットが、
主基部(51)、
前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェース(100)との間で、前記ロボット側充電インタフェース(100)を、前記主基部(51)に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構であって、前記変位機構が、前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェース(100)との間で、作動時に、変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された少なくとも1つのアクチュエータ(53、55、57、59、380)を備える、変位機構、ならびに
前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェースとの間の、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体であって、前記コンプライアンス組立体が、前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェース(100)との間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成される、コンプライアンス組立体
を備え、前記方法が、順番に、
- 前記ロボット側充電インタフェース(100)が、前記車両が前記充電ステーションに出入りできる、引戻し位置から、前記ロボット側充電インタフェース(100)が、前記車両側充電インタフェース(20)の前に、好ましくは前記車両側充電インタフェースと整列される初期接続位置へ移動する、位置決め段階、
- 前記ロボット側充電インタフェース(100)が、前記初期接続位置から、前記車両側充電インタフェース(20)との充電接続を確立する、接続段階、
- 前記車両が、前記ロボット側充電インタフェース(100)を介して、充電電流によって充電される、充電段階、および
- 前記ロボット側充電インタフェース(100)が、前記車両側充電インタフェース(20)から外れ、前記引戻し位置に向かって引き戻される、切断段階
を含み、
前記位置決め段階において、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つが、位置決め命令に従って給電され、前記コンプライアンスが監視され、コンプライアンスの値が位置決め介入値と比較され、前記コンプライアンスの値が前記位置決め介入値を超えると、前記位置決め命令が変更され、
前記接続段階において、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つが、接続命令に従って給電され、前記コンプライアンスが監視され、前記コンプライアンスの値が接続介入値と比較され、前記コンプライアンスの値が前記接続介入値を超えると、前記接続命令が変更され、
- 前記位置決め介入値が、前記接続介入値とは異なり、および
- 前記位置決め介入値が、前記接続介入値よりも小さい
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記位置決め介入値が、前記接続介入値の50%より小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置決め介入値が、前記接続介入値の25%より小さい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンプライアンスの値が、前記位置決め介入値を超えると、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つの作動を停止するように、前記位置決め命令が変更される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンプライアンスの値が前記位置決め介入値を超えると、前記位置決め命令が打ち切られ、前記ロボット側充電インタフェース(100)を前記引戻し位置に向かって引き戻すために、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つが、引戻し命令に従って給電される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コンプライアンスの値が、前記接続介入値を超えると、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つの作動を停止するように、前記接続命令が変更される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記コンプライアンスの値が前記接続介入値を超えると、前記接続命令が打ち切られ、前記ロボット側充電インタフェース(100)を前記引戻し位置に向かって、または前記初期接続位置へ引き戻すために、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つが、引戻し命令に従って給電される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記充電段階において、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つが、充電命令に従って給電され、前記コンプライアンスが監視され、前記充電命令が、前記コンプライアンスの値を、第1の充電介入値と、より低い第2の充電介入値との間にもってくるよう規定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記充電段階において、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つが、前記充電段階の開始時に、前記充電命令に従って給電され、次いで好ましくは、前記充電段階の残りの期間、前記コンプライアンスの値が、前記第1の充電介入値と、前記の、より低い第2の充電介入値との間にある場合、アイドリング状態である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コンプライアンスの値が、前記第1の充電介入値を超えるか、または前記第2の充電介入値を下回ると、前記コンプライアンスの値を、前記第1の充電介入値と前記第2の充電介入値との間にもってくるために、前記充電命令に従って、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)の少なくとも1つが給電される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記位置決め段階、前記接続段階、および前記充電段階において、介入命令に従って、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つに給電することができ、前記コンプライアンスの値が監視され、前記コンプライアンスの値が警告介入値と比較され、前記警告介入値を超えると、
- 前記ロボット側充電インタフェースを通る充電電流を遮断すること
- 音声警報をトリガすること
- 視覚警報をトリガすること
- 警報状態を、前記車両またはより上位の管理システムに通知すること
- 機械式ブレークアウト解除をトリガすること、および
- 前記ロボット側充電インタフェース(100)を、前記車両側充電インタフェース(20)から引き戻すこと
を含む群から選択される介入命令が開始される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
- 前記位置決め段階において、前記警告介入値が前記位置決め介入値よりも高く、
- 前記接続段階において、前記警告介入値が前記接続介入値よりも高く、ならびに/または
- 前記充電段階において、前記警告介入値が、前記第1の充電介入値より高いか、もしくは第2の充電介入値より低い、または前記警告介入値が、前記第1の充電介入値よりも高い第1の警告介入値、および前記第2の充電介入値よりも低い第2の警告介入値を有する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記位置決め段階が、前記車両側充電インタフェース(20)の位置を判断するステップと、累積システム誤差を、前記車両側充電インタフェース(20)の前記判断された位置に加算するか、または減算することによって、前記初期接続位置を判断するステップとを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
車両側充電インタフェース(20)を有する車両を充電する充電ステーション(1)を備える、充電インフラであって、前記充電ステーション(1)が、前記車両側充電インタフェース(20)との充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェース(100)を担持するロボットを備え、前記ロボットが、
主基部(51)、
前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェースとの間で、前記ロボット側充電インタフェース(100)を、前記主基部(51)に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構であって、前記変位機構が、前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェースとの間で、作動時に、変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された少なくとも1つのアクチュエータ(53、55、57、59、380)を備える、変位機構、ならびに
前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェースとの間の、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体であって、前記コンプライアンス組立体が、前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェース(100)との間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成される、コンプライアンス組立体
を備え、前記充電インフラが、
少なくとも前記ロボットに動作可能に接続され、請求項1から13のいずれか一項に記載の前記方法を実行するよう構成されている、コントローラ
をさらに備える、充電インフラ。
【請求項15】
前記コントローラが、電子コントローラであって、具体的には、前記コンプライアンスのストロークから、かつ/またはより具体的には、前記適用される個々の、または連結されたコンプライアンス組立体の、1つの方向(L)の前記コンプライアンスのストロークから、前記ロボット側充電インタフェース(100)に作用する合力および/または合モーメントを判断するよう構成された、請求項14に記載の充電インフラ。
【請求項16】
キャリア(60)と前記ロボット側充電インタフェース(100)との間の、6自由度のコンプライアンスのデータを取得または導出するセンサ(366)、具体的には、前記コンプライアンスのストロークに対する距離センサ、および/または具体的には、力もしくは圧力センサを備える、請求項14または15に記載の充電インフラ。
【請求項17】
具体的には端部止めの当接を検出するよう配置および構成された、かつ/または特定の極端な状況で、最終的に主制御システムに介入するか、もしくは無効にするための、冗長制御システムの一部として機能するよう配置および構成されたスイッチ(115)、具体的には端部スイッチを備える、請求項14から16のいずれか一項に記載の充電インフラ。
【請求項18】
車両側充電インタフェース(20)を有する車両を充電する充電ステーション(1)を備える、充電インフラを制御する方法であって、前記充電ステーション(1)が、前記車両側充電インタフェース(20)との充電接続を確立するための、ロボット側充電インタフェース(100)を担持するロボットを備え、前記ロボットが、
主基部(51)、
前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェース(100)との間で、前記ロボット側充電インタフェース(100)を、前記主基部(51)に対して少なくとも3自由度で移動させる変位機構であって、前記変位機構が、前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェース(100)との間で、作動時に、変位ストロークにわたって変位を加えるよう構成された少なくとも1つのアクチュエータ(53、55、57、59、380)を備える、変位機構、ならびに
前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェースとの間の、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つと運動学的に直列に配置されたコンプライアンス組立体であって、前記コンプライアンス組立体が、前記主基部(51)と前記ロボット側充電インタフェース(100)との間で、コンプライアンスのストロークにわたって、変位を弾力的に吸収または解放することによるコンプライアンスを実現するよう構成される、コンプライアンス組立体
を備え、前記方法が、順番に、
- 前記ロボット側充電インタフェース(100)が、前記車両が前記充電ステーションに出入りできる、引戻し位置から、前記ロボット側充電インタフェース(100)が、前記車両側充電インタフェース(20)の前に、好ましくは前記車両側充電インタフェースと整列される初期接続位置へ移動する、位置決め段階、
- 前記ロボット側充電インタフェース(100)が、前記初期接続位置から、前記車両側充電インタフェース(20)との充電接続を確立する、接続段階、
- 前記車両が、前記ロボット側充電インタフェースを介して、充電電流によって充電される、充電段階、および
- 前記ロボット側充電インタフェース(100)が、前記車両側充電インタフェース(20)から外れ、前記引戻し位置に向かって引き戻される、切断段階
を含み、
前記充電段階において、前記少なくとも1つのアクチュエータ(53、55、57、59、380)が、充電命令に従って給電され、前記コンプライアンスが監視され、
前記充電命令が、コンプライアンスの値を、第1の充電介入値、およびより低い第2の充電介入値と比較することを規定し、前記充電命令が、前記コンプライアンスの値が前記第1および第2の充電介入値で規定される範囲外に移動すると変更され、これにより前記コンプライアンスの値が、前記少なくとも1つのアクチュエータ(53、55、57、59、380)を用いて、前記第1の充電介入値と、前記の、より低い第2の充電介入値との間で能動的に維持される
ことを特徴とする、方法。
【請求項19】
前記充電段階において、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つが、前記充電段階の開始時に、前記充電命令に従って給電され、次いで好ましくは、前記充電段階の残りの期間、前記コンプライアンスの値が、前記第1の充電介入値と、前記の、より低い第2の充電介入値との間にある場合、アイドリング状態である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コンプライアンスの値が、前記第1の充電介入値を超えるか、または前記第2の充電介入値を下回ると、前記コンプライアンスの値を、前記第1の充電介入値と前記第2の充電介入値との間にもってくるために、前記充電命令に従って、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)の少なくとも1つが給電される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記位置決め段階、前記接続段階、および前記充電段階において、介入命令に従って、前記アクチュエータ(53、55、57、59、380)のうちの少なくとも1つが給電され、前記コンプライアンスの値が監視され、前記コンプライアンスの値が警告介入値と比較され、前記警告介入値を超えると、
- 前記ロボット側充電インタフェースを通る充電電流を遮断すること
- 音声警報をトリガすること
- 視覚警報をトリガすること
- 警報状態を、前記車両またはより上位の管理システムに通知すること
- 機械式ブレークアウト解除をトリガすること、および
- 前記ロボット側充電インタフェース(100)を、前記車両側充電インタフェース(20)から引き戻すこと
を含む群から選択される介入命令が開始される、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】