(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】多層吸収性製品及び吸収層の作製方法
(51)【国際特許分類】
D06M 15/263 20060101AFI20230428BHJP
D06M 15/03 20060101ALI20230428BHJP
D06M 15/15 20060101ALI20230428BHJP
B32B 27/12 20060101ALI20230428BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20230428BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20230428BHJP
A61F 13/534 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
D06M15/263
D06M15/03
D06M15/15
B32B27/12
A61F13/514 321
A61F13/53 300
A61F13/534 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022550868
(86)(22)【出願日】2021-02-20
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 US2021018938
(87)【国際公開番号】W WO2021168378
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521204769
【氏名又は名称】ポリグリーン・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Polygreen Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャハール、シャイ
(72)【発明者】
【氏名】メイリ、ツビ
(72)【発明者】
【氏名】アシュ、ウーリ
(72)【発明者】
【氏名】テプリツキー、ピーター
【テーマコード(参考)】
3B200
4F100
4L033
【Fターム(参考)】
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3B200AA03
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4L033CA18
(57)【要約】
液体透過性又は液体不透過性のいずれかである第1の層と、処理された不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料又は処理されたテクスチャード加工プラスチック糸の層とを含む多層吸収性製品が提供される。テクスチャード加工プラスチック糸又は不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料の層は、非ポリマー架橋剤の非存在下で合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの均一に離間した堆積物を有し、堆積物のそれぞれは、堆積物の下のテキスタイル又はプラスチックを覆い、ポリマーネットワークを繊維ネットワーク又はプラスチック細孔壁のネットワークと相互接続するための足場として作用するテキスタイル繊維又はプラスチック細孔のネットワークを相互浸透する連続ポリマーネットワークである。均一に離間した堆積物を有するテキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸の層を作製するための方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層吸収性製品であって、
液体透過性又は液体不透過性である第1の層と、
(i)繊維のネットワークを含む不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料、又は(ii)表面細孔のネットワークを含み、前記第1の層の隣に配置されたテクスチャード加工プラスチック糸の層であって、前記テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチックの層が、前記繊維又は表面細孔のネットワーク上に非ポリマー架橋剤の非存在下で合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの均一に離間した堆積物を有する上面を有し、前記均一に離間した堆積物を有する上面が、前記第1の層の表面に対向して配置されている、層と
を含み、
ここで、合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの前記堆積物のそれぞれが、前記堆積物の下の繊維又は細孔壁を覆い、ポリマーネットワークを前記繊維又は細孔ネットワークと相互接続するための足場として作用する前記繊維のネットワーク又は細孔のネットワークに相互浸透する連続ポリマーネットワークであり、
(i)不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料、又は(ii)前記堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸の前記層が、前記堆積物を有しない同じ層の吸収性よりも少なくとも10%高い吸水性を有する、
多層吸収性製品。
【請求項2】
前記層が、繊維のネットワークを含む不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層である、請求項1に記載の多層吸収性製品。
【請求項3】
前記堆積物を有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層が、前記堆積物を有しない同じ層の吸収性よりも少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも80%、又は少なくとも100%高い、好ましくは少なくとも3倍高い又は少なくとも4倍高い、より好ましくは少なくとも5倍高い吸水性を有する、請求項2に記載の多層吸収性製品。
【請求項4】
前記堆積物を有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層が、前記層の少なくとも2グラム/グラム(g/g、gr/gr)、少なくとも5gr/gr、少なくとも10gr/gr、好ましくは少なくとも20gr/gr、より好ましくは少なくとも30gr/gr、少なくとも40gr/gr、少なくとも60gr/gr、最も好ましくは少なくとも80gr/gr又は少なくとも100gr/grの水を吸収することができる、請求項2に記載の多層吸収性製品。
【請求項5】
前記堆積物を有しない前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層が、20~150g/m
2、好ましくは20~60g/m
2、より好ましくは20~30g/m
2の密度を有する、請求項2~4のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項6】
前記テキスタイル材料に対する前記堆積物の重量が、100%~600%、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である、請求項2~5のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項7】
前記堆積物が、前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層上に、1~7mm、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している、請求項2~6のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項8】
前記テキスタイル材料及び繊維のネットワークがポリプロピレンである、請求項2~7のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項9】
前記堆積物が、前記テキスタイル材料上の円形ドット又は長方形の形状である、請求項2~8のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項10】
前記合成ポリマーが、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有し、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項2~9のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項11】
前記合成ポリマーが、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマー(例えば、ISOBAM(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマー(例えば、GANTREZ(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)である、請求項2~10のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項12】
前記天然ポリマーが、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニン(天然型であるか、又は化学的若しくは酵素的加水分解によって修飾されている);グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである、請求項2~11のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項13】
前記天然ポリマーが、高温条件下で選択された期間、前記合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する、請求項2~12のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項14】
前記第1の層が液体不透過性層である、請求項2~13のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項15】
前記第1の層が液体透過性層である、請求項2~13のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項16】
前記液体透過性層が、前記均一に離間した堆積物を有する上面を有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の第2の層であり、前記第2の層の前記上面が、前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の前記第1の層の前記上面に対向して、前記第1及び第2の層の前記上面上の前記均一に離間した堆積物が重ならないように配置される、請求項15に記載の多層吸収性製品。
【請求項17】
1つ以上の液体透過性層をさらに含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項18】
前記1つ以上の液体透過性層の少なくとも1つが、前記均一に離間した堆積物を有する上面を有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料のさらなる層である、請求項17に記載の多層吸収性製品。
【請求項19】
おむつ、クリーニングワイプ、家庭用又は施設用のクリーニング又はメンテナンス器具、ハンドワイプ、ハンドタオル、パーソナル、化粧用又は衛生用ワイプ、ベビーワイプ、フェイシャルティッシュ、衛生吸収パッド、パンティ、パンティライナー、創傷包帯などから選択される吸収性製品に使用するための、請求項2~18のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項20】
請求項2に記載の多層吸収性製品中の合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの均一に離間した堆積物を有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層を作製する方法であって、
繊維のネットワークを有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料上に、前記テキスタイル材料の吸水性を改善するのに使用するためのシロップの形態のポリマー複合水溶液の均一に離間した堆積物を堆積させることであって、前記ポリマー複合溶液が、天然ポリマーと、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有する合成ポリマーとを含み、前記複合溶液中の前記天然及び合成ポリマーが、温度及び時間の制御条件下で、非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けることができ、天然及び合成ポリマーの組合せの濃度が、前記ポリマー複合溶液の20~40%w/wの範囲内である、堆積させることと、
前記堆積物中の前記天然及び合成ポリマーが、前記堆積物中の非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けて、前記堆積物の下の繊維を覆い、ポリマーネットワークを繊維ネットワークと相互接続するための足場として作用する繊維のネットワークに相互浸透する連続ポリマーネットワークを形成するように、温度及び時間の制御条件下で均一に離間した堆積物をその上に有する前記テキスタイル材料を熱処理することと
を含む、方法。
【請求項21】
前記堆積工程において、前記均一に離間した堆積物が、穿孔シリンダを用いた回転スクリーン印刷によって不織布、織布又は編物テキスタイル材料の連続ロール上に堆積され、そこから均一に離間した堆積物をその上に有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の個々のシートが後で切断される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記熱処理工程の後に、前記連続ロールから均一に離間した堆積物を有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料の個々のシートを切断する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記堆積工程の前に、前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料が、20~150g/m
2、好ましくは20~60g/m
2、より好ましくは20~30g/m
2の密度を有する、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
熱処理された後、前記テキスタイル材料に対する前記堆積物の重量が、100%~600%、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記堆積物が、前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料上に、1~7mm、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記テキスタイル材料及び繊維のネットワークがポリプロピレンである、請求項20~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記堆積物が、前記テキスタイル材料上の円形ドット又は正方形の形状である、請求項20~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記合成ポリマーが、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有し、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項20~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記合成ポリマーが、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマー(例えば、ISOBAM(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマー(例えば、GANTREZ(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)である、請求項20~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記天然ポリマーが、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニン(天然型であるか、又は化学的若しくは酵素的加水分解によって修飾されている);グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである、請求項20~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記天然ポリマーが、前記合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する、請求項20~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記層が、表面細孔のネットワークを含むテクスチャード加工プラスチック糸の層である、請求項1に記載の多層吸収性製品。
【請求項33】
前記堆積物を有する前記テクスチャード加工プラスチック糸の層が、前記層の少なくとも2グラム/グラム(g/g、gr/gr)、少なくとも5gr/gr、少なくとも10gr/gr、好ましくは少なくとも20gr/gr、より好ましくは少なくとも30gr/gr、少なくとも40gr/gr、少なくとも60gr/gr、最も好ましくは少なくとも80gr/gr又は少なくとも100gr/grの水を吸収することができる、請求項32に記載の多層吸収性製品。
【請求項34】
前記堆積物を有しない前記テクスチャード加工プラスチック糸の層が、18~150gr/m
2、好ましくは18~77gr/m
2の密度を有する、請求項32~33のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項35】
前記堆積物を有しない前記テクスチャード加工プラスチック糸の層が、20~200マイクロメートル、好ましくは20~80マイクロメートルの厚さを有する、請求項32~33のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項36】
前記テクスチャード加工プラスチック糸に対する前記堆積物の重量が、100%~600%、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である、請求項32~35のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項37】
前記堆積物が、前記テクスチャード加工プラスチック糸の層上に、1~7mm、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している、請求項32~36のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項38】
前記プラスチック糸及び細孔壁のネットワークがポリエチレンである、請求項32~37のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項39】
前記堆積物が、前記テクスチャード加工プラスチック糸上の円形ドット又は長方形の形状である、請求項32~38のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項40】
前記合成ポリマーが、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有し、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項32~39のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項41】
前記合成ポリマーが、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマー(例えば、ISOBAM(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマー(例えば、GANTREZ(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)である、請求項32~40のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項42】
前記天然ポリマーが、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニン(天然型であるか、又は化学的若しくは酵素的加水分解によって修飾されている);グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである、請求項32~41のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項43】
前記天然ポリマーが、高温条件下で選択された期間、前記合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する、請求項32~42のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項44】
前記第1の層が液体不透過性層である、請求項32~43のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項45】
前記第1の層が液体透過性層である、請求項32~43のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項46】
前記第1の層が、水蒸気を透過させるが液体を透過させない層である、請求項32~43のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項47】
前記第1の層が、前記層にある程度の水蒸気及び液体水透過性を付与する孔で穿孔された液体不透過性層である、請求項32~43のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項48】
1つ以上の液体不透過性層をさらに含む、請求項44~47のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項49】
前記1つ以上の液体不透過性層の少なくとも1つが、前記均一に離間した堆積物を有する上面を有する前記テクスチャード加工プラスチック糸のさらなる層である、請求項48に記載の多層吸収性製品。
【請求項50】
屋外での貯蔵を可能にするために、飼料、乾草若しくは綿などの植物性農作物、又はわらなどの作物残渣の屋外被覆又はパッキング又は包装、並びに雨、雪又は地面の水分、及び結果として生じるそのような制御されていない湿度による損傷からのそれらの保護において使用するための、請求項32~49のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項51】
請求項32に記載の多層吸収性製品中の合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの均一に離間した堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸の層を作製する方法であって、
細孔の表面ネットワークを有するテクスチャード加工プラスチック糸上に、前記テクスチャード加工プラスチック糸の吸水性を改善するのに使用するためのシロップの形態のポリマー複合水溶液の均一に離間した堆積物を堆積させることであって、前記ポリマー複合溶液が、天然ポリマーと、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有する合成ポリマーとを含み、前記複合溶液中の前記天然及び合成ポリマーが、温度及び時間の制御条件下で、非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けることができ、天然及び合成ポリマーの組合せの濃度が、前記ポリマー複合溶液の20~40%w/wの範囲内である、堆積させることと、
前記堆積物中の前記天然及び合成ポリマーが、前記堆積物中の非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けて、前記堆積物の下の細孔壁を覆い、ポリマーネットワークを細孔ネットワークと相互接続するための足場として作用する細孔のネットワークに相互浸透する連続ポリマーネットワークを形成するように、温度及び時間の制御条件下で均一に離間した堆積物をその上に有する前記テクスチャード加工プラスチック糸を熱処理することと
を含む、方法。
【請求項52】
前記堆積工程において、前記均一に離間した堆積物が、穿孔シリンダを用いた回転スクリーン印刷によってテクスチャード加工プラスチック糸の連続ロール上に堆積され、そこから均一に離間した堆積物をその上に有する前記テクスチャード加工プラスチック糸の個々のシートが後で切断される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記熱処理工程の後に、前記連続ロールから均一に離間した堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸の個々のシートを切断する工程をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記堆積工程の前に、前記テクスチャード加工プラスチック糸が、18~150g/m
2、好ましくは18~77g/m
2の密度を有する、請求項51~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
熱処理された後、前記プラスチック糸に対する前記堆積物の重量が、100%~600%、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記堆積物が、前記テクスチャード加工プラスチック糸上に、1~7mm、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している、請求項51~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記テクスチャード加工プラスチック糸及び細孔壁のネットワークがポリエチレンである、請求項51~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記堆積物が、前記テクスチャード加工プラスチック糸上の円形ドット又は正方形の形状である、請求項51~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記合成ポリマーが、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有し、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項51~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記合成ポリマーが、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマー(例えば、ISOBAM(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマー(例えば、GANTREZ(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)である、請求項51~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記天然ポリマーが、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニン(天然型であるか、又は化学的若しくは酵素的加水分解によって修飾されている);グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである、請求項51~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記天然ポリマーが、前記合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する、請求項51~61のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布、織布若しくは他のテキスタイル材料タイプ、又はテクスチャード加工表面を有する吸水性プラスチック糸などの吸水性テキスタイル材料及び関連する吸収製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、吸収性テキスタイル材料を製造する既知の方法があり、これは、a)テキスタイル繊維及びポリマー吸収剤を用いる方法、b)予め製造されたテキスタイル材料及び反応性液体媒体を用いる方法の2つの異なるクラスに分けることができる。
【0003】
予め製造されたテキスタイル材料及び反応性液体媒体を用いる方法
これらの方法の特別な点は、不織布、織布、編物又は編組タイプのような従来の予め製造されたテキスタイル材料が、溶液、エマルジョン又は懸濁液形態の流体塊で含浸され、ポリマー吸収剤が、含浸された湿潤テキスタイル材料の乾燥中に、又は乾燥及び適切な熱処理の適用後にインサイチュで生成されることにある。当技術分野で公知の代表的な方法は、b1)重合性含浸塊を用いる方法及びb2)架橋性含浸塊を用いる方法である。
【0004】
重合性含浸塊を用いる方法
これらの方法では、含浸に使用される液体は、合成不織布基材上に直接部分的に中和された酸ビニルモノマーのインサイチュ重合を生成する。これらの方法は、米国特許第4,537,590号、同第4,540,454号、同第4,573,988号、同第4,676,784号、同第5,567,478号、同第5,962,068号、同第6,417,425号及び同第6,645,407号に見出すことができる。
【0005】
架橋性含浸塊を用いる方法
これらの方法では、不織布、織布又は他の既知のタイプとして予め製造されたテキスタイル材料は、溶解若しくは分散状態のポリマー、又は複数の温度で活性であり、ポリマー吸収剤のインサイチュでの生成を誘導する架橋剤である補助材料との混合物中のポリマーを含有する溶液又はエマルジョンの形態の流体塊で含浸される。このクラスでは、より多くの変形形態を見ることができる。
【0006】
i)自己架橋性合成ポリマーを含有する含浸塊を用いる方法。
実質的に直鎖のアクリルポリマーがそのペンダント基を介して架橋される様々な方法が記載されている。ペンダント基は、適切な加熱時に互いに反応する。このような反応を受けるモノマーの任意の組合せは、米国特許第4,057,521号、同第4,861,539号、同第4,962,172号、同第4,963,638号、同第5,280,079号及び同第5,413,747号に記載のように使用することができる。
【0007】
自己架橋性ポリマーに基づく含浸塊は、架橋が完全ではなく、この理由のために、重合中に使用されるモノマー、開始剤及び有機溶媒残渣の抽出に関連するプロセス中に最終生成物の10%超が失われるという欠点を有する。さらに、得られた架橋ポリマーの自由吸収性は低い値(0.9%NaCl溶液中で50g/g未満)を有し、生成物は安全ではない。
【0008】
ii)合成ポリマー及び架橋剤を含有する含浸塊を用いる方法
水膨潤性架橋カルボン酸コポリマーを調製できることが、米国特許第2,988,539号、同第3,393,168号及び同第3,514,419号からさらに知られている。しかしながら、これらの先行技術のコポリマーはすべて、共重合中に架橋されるか、又は重合後に架橋され、その後にカルボン酸基を中和して水膨潤性高分子電解質を形成し、したがってこれらの先行技術の高分子電解質は、基材上のコーティング又はその可撓性フィルムとしてインサイチュで架橋することができない。
【0009】
米国特許第3,926,891号、同第3,980,663号及び同第4,155,957号は、遊離カルボン酸化学官能基を有するポリマーのための架橋剤として使用することができる組合せの主要なクラスの化学構造を示している。また、架橋反応が、飽和炭素上の求核置換として知られている機構に基づいて起こることも示されている。ポリマー上のカルボキシラートイオンは求核剤として作用し、一方、架橋剤は求核攻撃の基質である。
【0010】
Chengらは、米国特許第5,693,707号において、水中に10~40重量%のポリマーを含む水性ポリマー組成物を提示しており、このポリマーは、20~90重量%のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸モノマー、10~80重量%の1つ以上の軟化性モノマーから本質的になり、水性組成物は、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物でpH4~6に調整され、さらに0.1~3重量%のジルコニウム架橋塩を含有する。そのような水性組成物は、吸収性テキスタイルウェブを作製するために不織布及び織布基材に塗布される。
【0011】
Goldsteinらは、米国特許第6,506,696号において、本発明の高性能不織布ウェブを形成する方法が、二重架橋性官能性を有するポリマーを含有する水性ポリマーエマルジョンを合成ベースの不織布ウェブに塗布することであって、二重架橋性ポリマーがアセトアセタート官能性及びカルボン酸官能性を組み込む、塗布することと、水を除去し、有効量のポリアルデヒド及び有効量のポリアジリジン化合物で架橋性ポリマーを架橋することとを含むことを示している。
【0012】
Soerens Dave Allenは、米国特許第7,205,259号において、約120℃以下の温度で、基材への塗布後に自発的架橋が可能な吸収性バインダー乾燥剤組成物を提示している。吸収性バインダー乾燥剤組成物は、カルボン酸、スルホン酸、若しくはリン酸、又はそれらの塩、又は第4級アンモニウム塩などのモノエチレン性不飽和ポリマーと、アルコキシシラン官能性を含有するアクリラート若しくはメタクリラートエステル、又はトリアルコキシシラン官能基を含有する化合物と共重合し、その後水と反応してシラノール基を形成することができるモノマーと、乾燥剤成分とを含む。吸収性バインダー乾燥剤組成物は、多種多様な湿度制御物品の製造における使用に特に適している。
【0013】
架橋反応の制御の複数の変形形態の他に、様々な化学組成物(ポリマー及び架橋剤)が、米国特許第3,983,271号、同第4,066,584号、同第4,320,040号、同第4,418,163号、同第4,731,067号、同第4,855,179号、同第4,880,868号、同第4,888,238号、同第5,698,074号、同第5,997,791号、同第6,150,495号、同第6,162,541号、同第6,241,713号、同第6,773,746号及び同第6,824,650号において当技術分野で見出されている。
【0014】
iii)バイオポリマー及び架橋剤を含有する含浸塊を用いる方法
Weerawarnaらは、米国特許第7,300,965号において、超吸収特性を有する混合ポリマーネットワークを提供している。組成物は、カルボキシアルキルセルロースと、カルボン酸又はカルボン酸誘導体置換基を有する合成水溶性ポリマーとを架橋剤と反応させることにより得ることができる。架橋剤は、カルボキシアルキルセルロース又は水溶性ポリマーの少なくとも1つと反応してネットワークを提供する。好適な架橋剤としては、カルボン酸基に対して反応性である架橋剤が挙げられる。
【0015】
カルボン酸基に対して反応性である代表的な有機架橋剤としては、ジオール及びポリオール、ジアミン及びポリアミン、ジエポキシド及びポリエポキシド、ポリオキサゾリン官能化ポリマー、並びに1つ以上のアミノ基及び1つ以上のヒドロキシ基を有するアミノールが挙げられる。
【0016】
カルボン酸基に対して反応性である代表的な無機架橋剤としては、多価カチオン及びポリカチオン性ポリマーが挙げられる。例示的な無機架橋剤としては、コハク酸(ジカルボン酸)、クエン酸(トリカルボン酸)、及びブタンテトラカルボン酸(テトラカルボン酸)などのカルボン酸配位子を含む又は含まない塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、及び炭酸ジルコニウムアンモニウムが挙げられる。3価の鉄並びに2価の亜鉛及び銅の水溶性塩を架橋剤として使用することができる。代表的なカルボン酸架橋剤としては、ジカルボン酸及びポリカルボン酸が挙げられる。米国特許第5,137,537号、同5,183,707号及び同第5,190,563号は、架橋剤として少なくとも3つのカルボキシル基を含有するC2~C9ポリカルボン酸(例えば、クエン酸及びオキシジコハク酸)の使用を記載している。好適なポリカルボン酸架橋剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、酒石酸モノコハク酸、マレイン酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、全シス-シクロペンタンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸、及びベンゼンヘキサカルボン酸が挙げられる。架橋は、架橋を達成するのに十分な温度及び期間で加熱することによって達成することができる。架橋剤又は合成水溶性ポリマー及び架橋剤を含有するカルボキシメチルセルロース溶液は、風乾させるか、又は溶媒を沈殿させた後に架橋することができる。架橋時間及び温度は、使用される架橋剤及びポリマーに依存する。
【0017】
Sunらは、米国特許第6,689,378号において、未錯化シクロデキストリン及び錯化シクロデキストリンを、共有結合によってセルロース繊維などの多糖含有基材に固定化する方法を提示している。セルロース/シクロデキストリン組成物は、ティッシュ及びパーソナルケア物品などのあらゆるタイプのセルロース繊維含有物品に使用することができる。
【0018】
有用なポリマーアニオン性反応性化合物は、基材のヒドロキシル基に共有結合する2つ以上のアニオン性官能基を含有する繰返し単位を有する化合物である。例示的なポリマーアニオン性反応性化合物としては、米国特許第4,210,489号に記載のエチレン/無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。ビニル/無水マレイン酸コポリマー及びエピクロロヒドリンと無水マレイン酸又は無水フタル酸とのコポリマーは、他の例である。ポリ(スチレン/無水マレイン酸)を含む、無水マレイン酸とオレフィンとのコポリマーも考慮することができる。
【0019】
使用することができる無水マレイン酸のコポリマー及びターポリマーは、米国特許第4,242,408号に開示されている。
【0020】
インサイチュでの重合性系と同様の架橋性含浸塊は、言及された熱処理の条件では架橋が完全ではないという欠点を有し、可溶性ポリマーに加えて架橋剤も抽出するためのテキスタイル製品の使用中に、これはモノマー又は重合補助残渣と比較してヒトの健康にとってより危険であるという可能性が永続的に存在する。テキスタイル材料を処理するための混合物中のバイオポリマーの存在は、架橋中に生じる化学変換収率の改善に寄与しない。高分子架橋剤の使用に関して、自身の順番が合成プロセスの結果であるこれらの製品は、膨潤媒体として使用される水溶液中でのそれらの純度又は抽出性について言及されていない。
【0021】
吸収性テキスタイルを得るための当技術分野における既知の方法の特定の欠点は、それらの製品が環境に優しいものではないことである。上記のポリマー吸収剤の大部分は合成製品であり、その化学構造のために、特定の活性生物学的媒体、すなわち家庭用コンポストにおける生分解能力を有さない。さらに、バイオポリマーを含有する吸収性テキスタイルは、生分解性であるが、小さな値の自由吸収性を有する。既知の吸収性テキスタイルの別の欠点は、そのようなテキスタイルに含まれるポリマーネットワークが、エンドユーザに健康被害を与える可能性がある架橋剤の使用によって得られたことである。
【0022】
本明細書における任意の文書の引用は、そのような文書が関連する先行技術であるか、又は本出願の任意の請求項の特許性にとって重要であると考えられることを認めるものではない。任意の文書の内容又は日付に関するいずれの記載も、出願時に出願人が入手可能な情報に基づくものであり、当該記載の正当性を認めるものではない。
【発明の概要】
【0023】
本発明は、テキスタイル材料又はテクスチャード加工糸を基材として処理するための新しい方法を提供し、改善された吸水度及び生分解性を有する処理されたテキスタイル材料又はテクスチャード加工糸をベースとして使用して多層吸収性製品を形成することによって、吸収性テキスタイル製品又は吸収性テクスチャード加工プラスチック糸製品を得るための当技術分野で公知の方法の欠点を排除する。新しい方法は、少なくとも2種類の可溶性ポリマー-合成ポリマー及び天然ポリマー-のシロップ(溶液中に高濃度、例えば少なくとも20%~40%のポリマーを含有する)の形態の水性テキスタイル含浸又はテクスチャード加工糸含浸ポリマー組成物を使用し、シロップ状溶液は別個の非ポリマー架橋剤を含まない。可溶性ポリマーのシロップは、均一に離間した堆積物をその上に有するテキスタイル材料又はテクスチャード加工糸が熱処理/加熱処理に曝されると、堆積物中のポリマーがテキスタイル材料又はプラスチック糸のテクスチャード加工表面を含浸し、テキスタイル材料のテキスタイル繊維のネットワーク又はプラスチック糸のテクスチャード加工ネットワークに相互浸透し、堆積物中の天然及び合成ポリマーの自己架橋を受けるように、テキスタイル材料又はテクスチャード加工糸上に均一に離間して堆積される。
【0024】
本発明はさらに、おむつ、女性用衛生吸収パッド、パンティライナー、クリーニングワイプ、家庭用又は施設用のクリーニング又はメンテナンス器具、ハンドワイプ、ハンドタオル、パーソナル、化粧用又は衛生用ワイプ、ベビーワイプ、フェイシャルティッシュ、衛生吸収パッド、パンティ、創傷包帯などの吸収性製品に使用するための多層吸収性製品を提供する。この多層吸収性製品は、液体透過性又は液体不透過性のいずれかである第1の層(例えば、下層)と、第1の層の隣に対向して配置された処理された不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層とを含む。不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層は、非ポリマー架橋剤の非存在下で合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの堆積物を上部に均一に離間して有する。架橋された天然及び合成ポリマーの堆積物のそれぞれは、堆積物の下のテキスタイルを覆い、ポリマーネットワークを繊維ネットワークと相互接続するための足場として作用するテキスタイル繊維のネットワークに相互浸透する連続ポリマーネットワークである。多層吸収性製品はまた、堆積物の高い生分解性を特徴とする。
【0025】
本発明はさらに、屋外での貯蔵を可能にするために、飼料、乾草若しくは綿などの植物性農作物、又はわらなどの作物残渣の屋外被覆又はパッキング又は包装、並びに雨、雪又は地面の水分、及び結果として生じるそのような制御されていない湿度による損傷からのそれらの保護において使用するための多層吸収性製品を提供する。この多層吸収性製品は、液体透過性又は液体不透過性のいずれかである第1の層(すなわち、上層)と、第1の層の隣に、下に、対向して配置された、テクスチャード加工表面を有する処理されたプラスチック糸の層とを含む。テクスチャード加工プラスチック糸の層は、非ポリマー架橋剤の非存在下で合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの堆積物を上部に均一に離間して有する。架橋された天然及び合成ポリマーの堆積物のそれぞれは、堆積物の下のテクスチャード加工糸を覆い、ポリマーネットワークをプラスチックテクスチャネットワークと相互接続するための足場として作用するテクスチャード加工プラスチック材料のネットワークに相互浸透する連続ポリマーネットワークである。多層吸収性製品はまた、堆積物の高い生分解性を特徴とする。
【0026】
次に、本発明を図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】SP-NP複合溶液の粘度、合成ポリマー(SP)の中和度及び溶液安定性の間の相関を示すグラフである。SPは、水酸化ナトリウムで中和した後の塩形態のSMAC(スチレンマレイン酸コポリマー)によって表される。天然ポリマー(NP)は、ゼラチンによって表される。以下のポリマー溶液を試験した。100%のSMAC、90%のSMAC及び10%のゼラチン、70%のSMAC及び30%のゼラチン。使用したSMACは、例1でさらに説明するように、異なる中和度を有していた。
図1から、合成ポリマーの中和度が30~60%である場合、天然ポリマーゼラチンの存在はポリマー複合溶液の粘度の低下をもたらすことに留意されたい。中和度が60%を超える場合、天然ポリマーの存在は、天然ポリマーを含まない同じ溶液と比較して、複合溶液の粘度値の増加を引き起こす。複合ポリマー溶液の安定性に関して、SMAC及びゼラチンを含有する複合溶液は、合成ポリマーSMACの中和度が30%を超える場合に安定であることに留意されたい。
【0028】
【
図2】合成ポリマー及びゼラチンを含有するポリマー複合溶液を含浸させた不織布サンプルが供される熱処理の相対吸収性RQ1に及ぼす影響を示すグラフである。
【0029】
【
図3】ポリマー複合材料を含浸させたテキスタイルと含浸させていないテキスタイルの吸水性に対する繊維のタイプの影響を示すグラフである。
【0030】
【
図4】ポリマーネットワークがテキスタイル繊維ネットワーク又はプラスチック表面細孔に相互浸透するテキスタイル複合材料又は糸複合材料を提供するために、テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸のサンプルと、加熱条件下でその上に堆積されたポリマーネットワークとの間で生じるプロセスの概略図である。左側に、(1)はテキスタイル材料の概略図を示し、小縮尺(上)、大縮尺の上面図(中央)及び大縮尺の側面図(下)で繊維を示しており、繊維の層はほとんど見られず、ドットは面内繊維を表す。中央(2)には、ポリマー溶液が容器から穿孔ロールに供給され、そこからテキスタイル材料又はプラスチック糸の層上に堆積されるロール印刷のプロセスが示されている。層上のドットは円形の堆積物を表す。右側(3)には、基材テキスタイル層及び乾燥し加熱処理されたポリマーを含む完成した複合材料が示されている。小縮尺(上)は、繊維よりも大きく、それらを覆う堆積物を示し、大縮尺の上面図(中央)は、繊維上の1つの堆積物を示し、大縮尺の側面図(下)は、堆積物の下の繊維をラッピングする、ある程度の深さまでの繊維間のポリマーの相互浸透を示し、ポリマーと繊維又は細孔壁の複合材料のこのネットワークは、基材層の上部に堆積したポリマーを定位置に保持する足場として機能する。
【0031】
【
図5A】テキスタイル材料上の天然ポリマー及び合成ポリマーの濃縮溶液の均一に離間した堆積物を示す図であり、熱処理並びに天然及び合成ポリマーの自己架橋の前に、堆積物は半ドーム形状である。
【
図5B】テキスタイル材料上の天然ポリマー及び合成ポリマーの濃縮溶液の均一に離間した堆積物を示す図であり、堆積物は熱処理後に円形ドットになる(
図5Aとは異なるテキスタイル材料上の
図5Bである)。
【
図5C】熱処理後の長方形の堆積物を示す図である。
【0032】
【
図6A】本発明の2層吸収性製品の1つの構成の側面図(縮尺通りではない)を示す概略図であり、2つの層の一方は、一方の側に超吸収性ポリマー(SAP)の堆積物を有する不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸の層であり、他方の層は液体透過性層又は液体不透過性層である。
【
図6B】本発明の2層吸収性製品の1つの構成の側面図(縮尺通りではない)を示す概略図であり、2つの層の一方は、一方の側に超吸収性ポリマー(SAP)の堆積物を有する不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸の層であり、他方の層は液体透過性層又は液体不透過性層である。矢印は、液体の流れ/浸透の方向を表す。
【0033】
【
図7A】製品の1つ又は複数の外層として液体透過性層及び/又は液体不透過性層の追加の層(図示せず)を有してもよい、多層吸収性製品中に超吸収性ポリマー(SAP)の堆積物を有する不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸の2つの層を有する1つの実施形態の側面図(縮尺通りではない)を示す概略図である。
【
図7B】製品の1つ又は複数の外層として液体透過性層及び/又は液体不透過性層の追加の層(図示せず)を有してもよい、多層吸収性製品中に超吸収性ポリマー(SAP)の堆積物を有する不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸の3つの層を有する1つの実施形態の側面図(縮尺通りではない)を示す概略図である。矢印は、液体の流れ/浸透の方向を表す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、(おむつ又は女性用衛生パッド若しくはライナーの底部シート/層などの)液体透過性層又は液体不透過性層のいずれかである少なくとも「第1の」層と、第1の液体透過性層又は不透過性層の隣に対向して配置された繊維のネットワークから構成されるテクスチャード加工プラスチック糸又は不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料の層とから構成される多層吸収性製品を提供する。不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層は、(非ポリマー架橋剤の非存在下で)合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの連続ポリマーネットワークの均一に離間した堆積物が各堆積物の下のテキスタイル材料の上部繊維を覆い、足場として作用する繊維のネットワークに相互浸透する繊維の上部多孔質表面を有する。テクスチャード加工プラスチック糸の層はまた、上部多孔質表面を有するが、非貫通孔、窪み、凹み、開放気泡、及び発泡、エッチング、切断又は他のボイド成形方法によって形成された他の粗さ生成特徴によって生成されたものを有する。この表面多孔性ネットワークの深さは、各堆積物の下の表面細孔に相互浸透する(非ポリマー架橋剤の非存在下で)合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの連続ポリマーネットワークの均一に離間した堆積物の足場として作用するのに十分であるべきである。連続ポリマーネットワークによる繊維又はプラスチック細孔のネットワークのこの相互浸透は、ポリマーネットワークをテキスタイル繊維ネットワーク又はプラスチック糸の表面細孔とそれぞれ相互接続する。例えば、
図4の概略図を参照されたい。
図4では、連続ポリマーネットワークが、2つのネットワークを相互接続する、テキスタイル繊維のネットワーク又はテクスチャード加工プラスチック糸の細孔壁のネットワークに相互浸透する。直下のテキスタイル材料を覆う均一に離間した堆積物(含浸し、またその下の繊維ネットワークに相互浸透する)のそれぞれを
図5Bに示す。視覚的には、堆積物は、その下のテキスタイル材料に「付着」又は「接着」しているように見える。これは、堆積物が製造中の振動及び速度(剪断力)のために剥がれたり、脱落したりする危険性なしに、堆積物を下のテキスタイル材料基材の繊維ネットワークにしっかりと付着させる「グルーレス」方法を提供する。均一に離間した堆積物を有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層の上面は、第1の液体透過性層又は不透過性層の隣に対向して配置される。不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層の一方の表面(例えば、上面)上の乾燥した均一に離間した堆積物は、体液などの水性流体に曝された場合に、含浸テキスタイルに優れた自由吸収度を付与する。堆積物をその上に有する含浸テキスタイルが水性液体に曝されると、含浸テキスタイルは、液体の迅速なアクセス及び吸収を可能にする十分な自由空間を有する。
【0035】
天然及び合成ポリマー(すなわち、加熱処理して天然及び合成ポリマーを超吸収性ポリマー(SAP)のネットワークに自己架橋させる前)の濃厚で粘着性のシロップの堆積/塗布のための基材として機能する不織布、織布又は編物テキスタイル材料(堆積物を有しない)の密度は、20~150g/m2、好ましくは20~60g/m2、より好ましくは20~30g/m2の範囲である。連続ポリマーネットワークを構成する超吸収性ポリマー(SAP)の堆積物のための基材としてのテキスタイル材料には、合成繊維若しくは天然繊維又は合成繊維と天然繊維との混合物から形成される、不織布、織布又は当技術分野で公知であり市販されている任意の他のタイプなどの予め製造されたテキスタイル材料が含まれる。テキスタイル材料は、添加剤で前処理されてもよく、又は親水性、疎水性、又はテキスタイル製造の技術分野で公知の方法によって形成される任意の他の特徴などの追加の特徴をファブリックに付与し得る化学物質で表面処理されてもよい。担体/基材としてのテキスタイル材料中の繊維の非限定的な例としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリビニルアルコールなどの合成繊維、及びポリ乳酸(PLA)、セルロース、ビスコース、竹、綿、ウール、紙などの天然繊維が挙げられる。テキスタイル材料は、例えばPLAで作られている場合など、それ自体が生分解性であってもよく、又はSAPの乾燥堆積物が体液などの水性生物学的媒体との接触によって活性化されて、テキスタイル内及びその表面上で膨潤してゲル状材料に変化すると、生分解性になるものであってもよい。好ましくは、基材としてのテキスタイル材料は不織布である。不織布PPテキスタイル材料は、基材の好ましい実施形態である。好ましくは、テキスタイル材料は、多層吸収性製品を従来よりも薄くするという利点を有するように薄い、すなわち、三次元(3D)である従来のふわふわした媒体よりも二次元(2D)に見える。
【0036】
「材料」という用語と組み合わされていてもいなくても、ファブリック、テキスタイル、ウェブという用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0037】
天然及び合成ポリマー(すなわち、加熱処理して天然及び合成ポリマーを超吸収性ポリマー(SAP)のネットワークに自己架橋させる前)の濃厚で粘着性のシロップの堆積/塗布のための基材として機能するプラスチック糸(堆積物を有しない)の厚さは、20~200マイクロメートル、好ましくは20~80マイクロメートルの範囲である。プラスチック糸の密度は、18~150gr/m2、好ましくは18~77gr/m2の範囲である。連続ポリマーネットワークを構成する超吸収性ポリマー(SAP)の堆積物のための基材としてのプラスチック糸には、合成ポリマー若しくは天然ポリマーから作製された、押出成形によって、又は当技術分野で公知であり市販されている任意の他の方法によって製造してもよい予め製造されたプラスチック糸が含まれる。担体/基材糸を形成することができるプラスチック材料の非限定的な例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー、並びにポリ乳酸(PLA)及びセルロースなどの天然ポリマーが挙げられる。プラスチック糸は、生分解性でなくてもよく、又は例えばセルロースで作られている場合など、それ自体が生分解性であってもよく、又はSAPの乾燥堆積物が水との接触によって活性化されて、プラスチック糸内及びその表面上で膨潤してゲル状材料に変化すると、生分解性になるものであってもよい。プラスチック糸はまた、光及び空気への曝露などの長期の風化プロセス後に生分解性であってもよく、又はそのような処理後に非生分解性であってもよい。好ましくは、基材としてのプラスチック糸は、基材の好ましい実施形態であるポリエチレン(PE)から作られる。
【0038】
基材/担体としてのテキスタイル材料又はプラスチック糸に対する堆積物の重量は、100%~600%、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である。これは、テキスタイル材料基材/担体へのアドオン重量パーセント(percent add-on weight)であり、例えば、不織布テキスタイル材料基材/担体が22グラム/平方メートル(g/m2すなわちgsm)であり、88gsmの(SAPの)乾燥堆積物が基材/担体上に堆積している場合、総重量は110gsmであり、アドオン重量%(% add-on weight)は400%である。以下の例17の表5は、不織布基材上に堆積/印刷されたSAPのアドオン重量(add-on weight)が175%であるテキスタイル材料基材/担体の例を示す。SAP堆積物を有するテキスタイル材料は、人体と接触しても依然として安全であり、環境に優しく、使用されるテキスタイル材料に顕著な生態学的特徴を付与する。
【0039】
多層吸収性製品中の超吸収層としてSAPの堆積物を有するテキスタイル材料は、堆積物を有しない同じ層(すなわち、非含浸テキスタイル材料基材)の吸収性よりも少なくとも10%(例えば、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%)~10倍高い、好ましくは前記堆積物を有しない同じ層の吸収性よりも少なくとも2倍高い、好ましくは少なくとも3倍又は4倍、より好ましくは少なくとも5倍又は6倍、最も好ましくは少なくとも10倍の範囲の吸水性(自由吸収能力)を有する。
【0040】
吸収性の別の尺度では、超吸収層としてSAPの堆積物を有するテキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸は、層に基づいて少なくとも約2~100グラム/グラム(g/g、gr/gr)の範囲、例えば少なくとも3gr/gr、少なくとも4gr/gr、少なくとも5gr/gr、少なくとも6gr/gr、少なくとも7gr/gr、少なくとも8gr/gr、少なくとも9gr/gr、少なくとも10gr/gr、好ましくは少なくとも20、30、40、又は50gr/gr、より好ましくは少なくとも60gr/gr、70gr/gr、80gr/gr、又は90gr/gr、最も好ましくは少なくとも100gr/grの水を吸収することができる。
【0041】
テキスタイル材料基材又はプラスチック糸基材上のSAPの乾燥堆積物の好ましい実施形態は、基材上に堆積したSAPの約10%(例えば、±1%)が繊維のネットワーク(例えば、不織布中の繊維の絡合い)に相互浸透し、例えば、テキスタイル材料基材内又はプラスチック糸細孔内に少なくとも部分的に浸透し、SAPの残り(約90%±1%)がテキスタイル基材又はテクスチャード加工プラスチック糸基材の上部多孔質表面に付着して、繊維ネットワーク又は細孔のネットワークと相互接続する連続SAP架橋ポリマーネットワークを形成する(繊維ネットワーク又は細孔のネットワークに付着し、また相互浸透することによって)。SAPはその超吸収特性を利用するために水で膨潤する空間を必要とし、緩くて水で膨潤する空間を有するパルプ繊維とは異なり、基材として使用される不織布テキスタイル材料中の繊維は、絡み合った繊維のネットワーク内での限られた膨潤(「ブローアップ」)のみを可能にするように互いに絡み合っているため、繊維ネットワークへのSAPの相互浸透は、繊維のネットワーク内で膨潤する空間が繊維のネットワークに相互浸透するSAPの量、例えば約10%を制限しないようなものである。しかしながら、テキスタイル基材又はプラスチック基材の上部多孔質表面に付着した堆積物中のSAPは、膨潤する空間によって制約されない。
【0042】
不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層としてのテキスタイル材料基材上の堆積物は、1~7mm、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している。
【0043】
好ましくは、テキスタイル材料基材上の均一に離間した堆積物は、円形ドット又は長方形の形状であるが(
図5B及び
図5C)、機能的又は審美的な観点などから望ましい場合がある任意の形状又は色であり得る。堆積物のサイズは、堆積物の間の空間が、液体が接触するテキスタイル材料基材又はプラスチック糸基材の第1の層上の堆積物に接触するための液体(例えば、水又は体液、例えば尿、月経液などのもの)の迅速な浸透を可能にし、次いで、第1の層によって迅速に吸収されない過剰な液体の一部が、多層吸収性製品のテキスタイル材料基材又はプラスチック糸基材の任意の追加の後続の層上の堆積物に(液体の流れ又は浸透の方向に)移動することを可能にするようなサイズである。
【0044】
架橋された天然及び合成ポリマー(非ポリマー架橋剤の非存在下で架橋された)からのSAPの堆積物において、合成ポリマーは、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有し、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される。より好ましくは、合成ポリマーは、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマー(例えば、ISOBAM(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマー(例えば、GANTREZ(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)である。
【0045】
架橋された天然及び合成ポリマー(非ポリマー架橋剤の非存在下で架橋された)からのSAPの堆積物においても、天然ポリマー(NP)は、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;バイオポリエステル及びリグニン(天然型であるか、又は化学的若しくは酵素的加水分解によって修飾されている);グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである。天然ポリマーは、高温条件下で選択された期間、前記合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する。天然ポリマーは、合成ポリマーの架橋剤及び生分解プロセスの活性化剤の両方として機能するバイオポリマーである。したがって、天然ポリマーは合成ポリマーの生分解を活性化し、系に優れた生分解性を付与する。
【0046】
天然ポリマー(NP)は、好ましくは、以下のクラスの物質:タンパク質、炭水化物、バイオポリエステル又はリグニン(天然型として、又は化学的若しくは酵素的加水分解によって修飾されたものとして)に属する市販のバイオポリマーであり、好ましくは、タンパク質及び炭水化物は水に可溶性であり、以下の特徴を有する。
【0047】
a)5~100kDa、好ましくは25~50kDa、より好ましくは75~100kDaの平均分子量
【0048】
b)NH2;OH-CH2;OH-C6H3-5として;0.001~0.01mol/グラムの含有量を有する単一のタイプ又は複数のタイプとしての遊離化学官能基。
【0049】
本発明によるテキスタイル材料基材層に基づく多層吸収性製品は、おむつ、女性用衛生吸収パッド、パンティライナー、クリーニングワイプ、家庭用又は施設用のクリーニング又はメンテナンス器具、ハンドワイプ、ハンドタオル、パーソナル、化粧用又は衛生用ワイプ、ベビーワイプ、フェイシャルティッシュ、衛生吸収パッド、パンティ、創傷包帯などの吸収性製品に使用するためのものである。おむつなど、より多くの吸収層が必要とされる場合、SAPの均一に離間した堆積物をその上に有するテキスタイル材料の2つ以上の層を多層吸収性製品に使用してもよい。例えば、望ましい場合、多層吸収性製品には2~5層が存在してもよい。
【0050】
本発明によるテクスチャード加工プラスチック糸層に基づく多層吸収性製品は、屋外での貯蔵を可能にするために、飼料、乾草若しくは綿などの植物性農作物、又はわらなどの作物残渣の屋外被覆又はパッキング又は包装、並びに雨、雪又は地面の水分、及び結果として生じるそのような制御されていない湿度による損傷からのそれらの保護において使用するためのものである。激しい降雨を緩和するためなど、より多くの吸収層が必要とされる場合、SAPの均一に離間した堆積物をその上に有するテクスチャード加工プラスチック糸の2つ以上の層を多層吸収性製品に使用してもよい。例えば、望ましい場合、多層吸収性製品には2~5層が存在してもよい。
【0051】
多層吸収性製品中に2つの層のみが存在し(
図6A及び
図6B)、一方の層がSAPの均一に離間した堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸の層である場合、他方の層は液体透過性層又は液体不透過性層のいずれかである。液体透過性層又は液体不透過性層は、テキスタイル材料、織布、不織布若しくは編物、又はテクスチャード加工する若しくは滑らかにすることができる別のプラスチック糸のいずれかの技術分野で知られ使用される任意の液体透過性層又は液体不透過性層であり得る。第2の層として別のプラスチック糸が使用される場合、小さな貫通孔でプラスチック糸を穿孔することによって液体透過性を達成することができる。孔のサイズ、形状及び密度は、液体透過性又は不透過性を調整し、例えば、SAP堆積物を有しない第2の上層を通る水蒸気浸透を可能にする一方で、この層を通る液体水浸透をブロック又は最小化するために変えることができる。同様に、均一に離間したSAP堆積物を有する第1の層はまた、例えば、水蒸気浸透を可能にするが液体水透過性をブロック又は最小化する小さな貫通孔でそれを穿孔することによって、部分的に水透過性であり得る。
【0052】
多層吸収性製品中に2つの層のみが存在し(
図6A及び
図6B)、一方の層がSAPの均一に離間した堆積物を有するテキスタイル材料の層である場合、他方の層は液体透過性層又は液体不透過性層のいずれかである。液体透過性層又は液体不透過性層は、おむつ、女性用衛生吸収パッド、パンティライナー、クリーニングワイプ、家庭用又は施設用のクリーニング又はメンテナンス器具、ハンドワイプ、ハンドタオル、パーソナル、化粧用又は衛生用ワイプ、ベビーワイプ、フェイシャルティッシュ、衛生吸収パッド、パンティ、創傷包帯などの吸収性製品の技術分野で知られ使用される任意の液体透過性層又は液体不透過性層であり得る。2層吸収性製品の場合、液体透過性層は、SAPの均一に離間した堆積物を有するテキスタイル材料の別の層(第2の層)であってもよい。好ましくは、SAPの均一に離間した堆積物をその上に有するテキスタイル材料の2つの層は、第1及び第2の層の上面上の均一に離間した堆積物が互いに重なり合わず接触しないように、第2の層の上面が第1の層の上面に対向して配置されるように配置される(
図7A)。したがって、SAPの均一に離間した堆積物を有するテキスタイル材料の2つの層のこの配置は、ゲルブロッキング効果を回避する相補的な設計を提供し、ここで、液体の吸収からゲルへのSAP堆積物の膨潤は、堆積物間の空間などの層の領域を望ましくないように閉鎖(ブロック)し、それによって液体がさらなる吸収のために均一に離間した堆積物の次の層を通過することを可能にする。
【0053】
上述の本発明のテキスタイル材料に基づく多層吸収性製品の2つの層に加えて、1つ以上の追加の液体透過性層が存在してもよい。これらの追加の液体透過性層の少なくとも1つは、SAPの均一に離間した堆積物を有する上面を有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料のさらなる層であり得る。多層吸収性製品中にSAPの均一に離間した堆積物を有するテキスタイル材料の層が多いほど、液体を吸収するために利用可能なSAPの総量が高くなる。軽い月経流のための女性用ケア製品などの少量の液体/流体の場合、多層吸収性製品中のSAP堆積物を有する1つの層で十分な場合がある。しかしながら、おむつのように吸収する必要があるより多くの流体排出がある場合、より高い液体吸収性に利用可能なSAPのより高い総量を提供するために、SAP堆積物を有する3つ又はさらには4つの層が存在し得る。異なる層上にSAPの堆積物を有することは、テキスタイル材料の単一層上のSAPの堆積物のアドオン重量(add-on weight)を制限することによってゲルブロッキング効果を回避するのに役立ち得る。本発明の多層吸収性製品についてのSAP堆積物の高い総量、全吸収度及び吸収速度を最適化することにおける別の特徴は、SAP堆積物を有するが、異なる層において異なる堆積物サイズを有し、ゲルブロッキング効果を回避するために異なる層における堆積物の相対的な配置を有するより多くの層を有することである。例えば、異なる層上の異なるサイズの堆積物が互いに対して配置されている
図7Bを参照されたい。ゲルブロッキング効果を回避することにより、本発明の多吸収性製品の層中のSAPの最大量は、最小時間で最大量の液体を吸収することができる。
【0054】
SAPの均一に離間した堆積物を有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料の超吸収層は、軽量で薄く、販売されている女性用衛生製品に毎月の月経期間の最初及び最後の日に使用されて、そのような薄い女性用衛生製品において望ましくかつ有利なもののための薄いエアラブルな(airable)柔らかい皮膚に優しい溶液を提供することができ、SAP中の合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの存在が生分解性を提供するという追加の利点を有する。
【0055】
従来、おむつ及び女性用衛生パッドなどの吸収性製品を製造する方法は、ふわふわしたパルプ媒体の内側に粒状粉末形態の超吸収性ポリマーをランダムに分配及び混合して、厚い吸収性コアとして粒状SAPを含むふわふわしたパルプ層を作製することを含む。次いで、この吸収性コアは、不織布又は他のラッピング層でラッピングされて、さらに厚くラッピングされた吸収性コアを形成し、ラッピングされた吸収性コアは特定のサイズに切断される。サイズ決めされた吸収性コアは、不織布/他の材料のラッピングの追加の層に統合される。従来の方法では、SAPを形成するための架橋は「オフライン」で行われ、次いでふわふわしたパルプ媒体と混合される。対照的に、本発明は、ポリマーシロップ溶液が最初にテキスタイル材料に塗布され、次いでテキスタイル材料に「オフライン」ではなく「オンボード」で架橋(自己架橋)される方法を提供する。
【0056】
したがって、本発明は、おむつ及び女性用衛生パッドなどの多層吸収性製品に統合することができるテキスタイル材料に基づいた超吸収層を製造する方法を提供し、以下の追加の利点を有する。
衛生製造業者にとっての利点、例えば、
より薄い衛生製品-毛羽が不要、
より軽い衛生製品-製品のより単純な設計及びより少ない「包装」、
より「エアラブル(airable)」-通気性衛生製品、
吸収性コアの製造を排除する可能性がある-コア吸収剤の製造ボトルネックがなく、したがってより迅速な製造、
(1)SAPダスト(2)振動機械から落下して滑りやすい床環境を引き起こすSAP粒子(両方とも製造業者にとって主要な懸念として知られている)などの作業環境の危険性を排除する-本発明によるテキスタイル材料基材上に付着したSAP堆積物は、テキスタイル材料から剥がれたり、脱落したりしない、及び
より生分解性の高い溶液を提供する選択肢。
不織布製造業者にとっての利点、例えば、
不織布製造業者のための新しい製品機能性-「SAPのスマートな包装」から「機能的包装」へ-衛生製品のコア機能性にも関与する包装-液体を吸収するために
追加の機能性を提供することにより、不織布産業が衛生バリューチェーンにおいてより大きなシェアを占めることを可能にする。
【0057】
本発明による多層吸収性製品に使用される合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの均一に離間した堆積物を有する不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸の層を作製する方法は、テキスタイル材料の吸水性を改善するか、又はプラスチック糸の吸水性を作り出すのに使用するための濃厚で粘着性のシロップの形態のポリマー複合水溶液の均一に離間した堆積物を、(繊維又は細孔及び細孔壁のネットワークを有する基材としての)不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸に堆積させることを含む。ポリマー複合溶液は、天然ポリマーと、カルボン酸基又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有する合成ポリマーとを含み、複合溶液中の天然及び合成ポリマーは、温度及び時間の制御条件下で、非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けることができる。天然及び合成ポリマーの組合せの濃度は、ポリマー複合溶液の20~40%w/wの範囲である。均一に離間した堆積物をその上に有するテキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチック糸は、堆積物中の天然及び合成ポリマーが堆積物中の非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けて、堆積物の下の繊維又は細孔及び細孔壁を覆い、SAPポリマーネットワークを繊維ネットワーク又はプラスチック細孔壁のネットワークと相互接続するための足場として作用する繊維又は細孔壁のネットワークに相互浸透する連続ポリマーネットワークとしてSAPを形成するように、温度及び時間の制御条件下で乾燥され、次いで熱処理(熱硬化)される。
【0058】
堆積工程では、均一に離間した堆積物は、不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料の連続ロール上、又はテクスチャード加工プラスチック糸上に、好ましくは3Dドット印刷装置内の穿孔シリンダを用いた回転スクリーン印刷によって堆積(「印刷」)される。テキスタイル材料基材又はテクスチャード加工プラスチック糸の連続ロール上の均一に離間した堆積物としてのポリマーシロップの3D印刷は、好ましくは、穿孔シリンダを用いた回転スクリーン印刷が堆積物の乾燥及び熱硬化熱処理のための下流側オーブンなどの下流側連続加工と統合される装置を用いて行われる。
【0059】
堆積物中の天然及び合成ポリマーを自己架橋させるための熱処理工程の後、均一に離間した堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸又は不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料の個々のシートを連続ロールから切断し、本発明による多層吸収性製品への他の層との組立てのための超吸収層として使用することができる。あるいは、多層吸収性製品は、異なる層材料の連続ロールから組み立てられ、次いで切断されてもよい。切断及び/又は組立ては、3D印刷及び熱処理とは異なる設備で行われてもよい。
【0060】
堆積工程のための方法(すなわち、堆積前)で使用されるテクスチャード加工プラスチック糸又は不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料は、20~150g/m2、好ましくは20~60g/m2、より好ましくは20~30g/m2の密度を有する。
【0061】
本方法で熱処理された後、テキスタイル材料又はプラスチック糸に対する堆積物の重量は、100%~600%、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である。
【0062】
テキスタイル材料基材上に印刷された堆積物は、1~7mm、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間し、好ましくは半ドームとして印刷され、これは、乾燥及び熱処理されたときにテキスタイル基材の表面上に円形ドットになるか(
図5B)、又は長方形に印刷される。堆積物の印刷は、機能的又は審美的な観点などから望ましい場合がある任意の形状(又は着色剤を導入することによる色)であり得ることが当業者には理解されよう。所望の1つ又は複数の形状(複数の形状が存在してもよい)を有する回転スクリーン印刷用のシリンダを作製するだけでよい。
【0063】
堆積物中の天然ポリマーへの自己架橋に使用される合成ポリマー(SP)は、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有し、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される。
【0064】
合成ポリマーの他の好ましい実施形態は、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマー(例えば、ISOBAM(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマー(例えば、GANTREZ(商標)の商品名で販売されている市販のコポリマー)である。
【0065】
好ましくは、合成ポリマーは、ポリ(デシルビニルエーテル-alt-無水マレイン酸)、ポリ(エチルビニルエーテル-alt-無水マレイン酸)、ポリ(マレイン酸-co-プロペン)、ポリ(n-ブチルビニルエーテル-alt-無水マレイン酸)、ポリ(オクタデセン-alt-無水マレイン酸)、ポリ(プロピレン-alt-マレイン酸)又はポリ(マレイン酸-co-ドデシルメタクリラート)である。
【0066】
合成ポリマー(SP)は、以下の特徴を有する市販のポリマーであってもよい。
【0067】
a)カルボン酸基を含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する又は関連しない、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーを含有する直鎖コポリマー又は分岐グラフトホモポリマー若しくはコポリマー。
【0068】
b)0.009~0.0095mol/グラム~0.01~0.015mol/グラムの総遊離カルボン酸基含有量
【0069】
c)合成ポリマーSPの遊離カルボン酸基は、49~99%、好ましくは60~95%、最も好ましくは65~90%の中和度に相当する塩状態である。
【0070】
d)合成ポリマーの塩状態は、リチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの水酸化物、重炭酸塩又は炭酸塩などの強力な無機塩基物質、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの水酸化物を使用することによって得られる。
【0071】
e)合成ポリマーSPの平均分子量は、50kDa~1,000kDa、好ましくは100kDa~750kDa、最も好ましくは150kDa~500kDaである。
【0072】
堆積物中の合成ポリマーへの自己架橋に使用される天然ポリマー(NP)は、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニン(天然型であるか、又は化学的若しくは酵素的加水分解によって修飾されている);グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである。天然ポリマーは、高温条件下で選択された期間、前記合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する。
【0073】
天然ポリマーNPは、好ましくは、以下の特徴の少なくとも1つを有する、レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミンなどのポリペプチド若しくはタンパク質;又は、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類である。
【0074】
a)5~100kDa、好ましくは25~50kDa、より好ましくは75~100kDaの平均分子量。
【0075】
b)0.001~0.01モル/グラムNPの相対濃度のアミン又はヒドロキシルなどの遊離化学基。
【0076】
c)親水性であり、水性環境でヒドロゲルを形成することができ、テキスタイル繊維内に統合することができる。
【0077】
好ましい実施形態によれば、本発明で使用されるバイオポリマーは、高温条件下で選択された期間、合成ポリマー中のCOOH基に架橋するそのNH2又はOH基に起因して、ポリマー骨格間にエステル及びアミド結合を形成する架橋能力を有する。さらに、バイオポリマーは、SP及びNPの複合ポリマー溶液を含浸させたテキスタイルの生分解を活性化する。
【0078】
不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料の層又は多層吸収性製品の一部である合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの均一に離間した堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸の層を作製するための本発明による方法で使用されるポリマー複合水溶液は、以下のように調製することができる。
【0079】
a)アルカリ塩基溶液の調製
【0080】
b)1%~10%、好ましくは2~5%(重量基準)の濃度で、塩形態を得るために(a)からのアルカリ溶液でその後処理される、酸性形態の合成ポリマー(SP)の水溶液の調製、
【0081】
c)1%~10%、好ましくは2~5%(重量基準)の濃度の天然ポリマー(NP)水溶液の加熱下での調製
【0082】
d)(b)で得られた塩形態のSP溶液を(c)で得られたNP溶液と加熱撹拌下で混合して、テキスタイル材料に高い吸水度を付与する含浸塊として使用するのに適したポリマーの水性安定複合溶液を得ること
【0083】
及び場合により、
【0084】
e)(d)で得られた複合水溶液に、可塑剤、表面剤、脱臭剤、香料及び防腐剤のリストから選択される少なくとも1つの補助材料を添加すること。
【0085】
使用されるポリマー複合溶液は、貯蔵又は後加工(ulterior processing)の条件下で相分離することなく、ポリマー材料SP及びNPの安定な溶液であり、吸収性以外の他の特性と相関し、テキスタイル材料の吸水性能又は生分解性に影響を与えない量で、可塑剤、染料、抗菌剤、界面活性剤、脱臭剤、香料、防腐剤などのテキスタイル産業で使用される少なくとも1つの相溶性添加剤をさらに含有してもよい。ポリマー複合溶液は、ファブリックへの含浸に適しており、温度及び時間の制御条件下での自己架橋にも適している。
【0086】
理論に拘束されるものではないが、ポリマー複合溶液は、100~250℃の温度及び好ましくは2~30分の時間での熱処理条件下で、テキスタイル繊維又はテクスチャード加工プラスチック糸の細孔壁内に相互浸透し、自己架橋することができる。
【0087】
テキスタイル材料の含浸は、当技術分野で公知の任意の装置、例えば噴霧装置;フラール(foulard);ロールコーティング;リバースロールコーティング;ナイフ装置など、好ましくは3Dドットプリンタ装置における穿孔シリンダを用いた回転スクリーン印刷を使用して行われる。
【0088】
例
試験方法
1.合成ポリマー、天然ポリマー及び補助材料を含有するポリマー溶液の特性評価
溶液の粘度は、25℃の温度でスピンドルL1のタイプと相関する溶液の体積を使用して、粘度計ViscoStar Plus(Fungilab、スペイン)を使用して評価した。
【0089】
含浸に使用されるポリマー溶液の安定性は、分析物溶液が5000rpmで30分間の体積25mlの溶液の遠心分離後に沈殿を示した場合に安定又は不安定であると評価された。試験は、実験室用遠心分離機GLC-2B Sorvall、Thermo Scientificを用いて周囲温度で行った。
【0090】
2.自由吸収性
以下の測定を行う。
【0091】
Mtex、[グラム]、半分析天秤で秤量することによる、含浸に使用した乾燥テキスタイル材料の質量
【0092】
Mtwstart、[グラム]-サンプルを秤量することによる湿潤出発物質の質量
【0093】
Mtid-[グラム]-含浸後の排出されたテキスタイル材料の質量
【0094】
MIC-[グラム]-以下の式によって評価される含浸後のテキスタイル中に見出される乾燥ポリマー複合材料の質量:
【0095】
MIC=Mtex*IMD/100、グラム
【0096】
テキスタイル材料の含浸度は、以下の式を使用して確立される。
【0097】
[IMD]dry=MIC/(Mtex+MIC)*100、%
【0098】
テキスタイル材料の吸収性評価:
2.1 非含浸テキスタイル材料Q1の吸収性は、テキスタイル材料の表面全体が液体によって覆われ、接触が60分間振盪することなく維持されるように、吸収度値が所望される150ml体積の液体にテキスタイルサンプルM-texを導入することからなる。後に、材料は液体から除去され、垂直位置に垂れ下がって過剰な液体を15分間排出する。排出されたテキスタイル材料サンプルを秤量し、得られた値をM-tex-wetとして記録する。
【0099】
非含浸テキスタイル材料Q1の吸収性は、以下の式を使用することによって得られる。
Q1=(M-tex wet-M-tex)/M-tex、(g/g)
【0100】
2.2 含浸テキスタイル材料Q2の吸収性
テキスタイルサンプルを技術天秤で秤量し、値Mtexを得る。次いで、実験室用噴霧装置を使用することによって、選択された質量の液体、すなわち蒸留水、含浸溶液又は他のタイプの溶液を含浸させる。このようにして得られた湿潤材料を再び秤量し、値をMtwstartとする。この値が含浸度(IMD)よりも高い場合、予め確立された湿潤サンプルは、ガラスロッドを用いた圧搾プロセスに供されて過剰の含浸液が排除され、最終的に質量Mtidを有する湿潤サンプルが得られる。次に、液体の蒸発を避けるために、湿潤サンプルを密閉ガラスビーカー内で30分間保持する。
テキスタイル材料サンプルの吸収性は、以下の式で得られる。
Q2-TEXIC=[Mtid-(Mtex+MIC)]/(Mtex+MIC)、(g/g)
【0101】
2.3.相対吸収性
RQは、含浸されたテキスタイル材料Q2の吸収性と、含浸されていない同じテキスタイル材料Q1の吸収性との比を表す。
【0102】
相対吸収性は、以下の式を使用して計算される。
【0103】
[RQ]1=Q2/Q1又は
【0104】
[RQ]2=[(RQ1)-1]*100,(%)
【0105】
ここで本発明を一般的に説明したが、これは、例示として提供され、本発明を限定することを意図するものではない以下の例を参照することによってより容易に理解されるであろう。
【0106】
例1
合成ポリマー、天然ポリマー及び無機塩基のストック溶液を以下のように調製する。
【0107】
a)合成ポリマー溶液のストック:
0.0091mol/gの遊離カルボン酸基を含有する平均分子量45万Daの8%含水量を有する粉末形態のSMAcスチレン/マレイン酸コポリマー[米国特許第7,985,819号のように調製]42.6gを脱塩水358gと共に撹拌しながら混合容器に添加し、内容物を80℃で1時間混合して合成ポリマーの溶解を完了させ、ポリマー溶液を40℃に冷却することによって終了させる。最後に、乾燥重量で10%のSMAcポリマー溶液400gが得られる。
【0108】
b)水酸化ナトリウム溶液のストック
加熱-冷却ジャケットを取り付けた撹拌付き混合容器を使用して、乾燥重量で10%のNaOH溶液400g(98.9%純粋水酸化ナトリウムペレットから)及び脱塩水を調製する。
【0109】
c)天然ポリマー溶液のストック
200ブルーム及び乾燥重量で10%の14%含水量(天然ポリマー-NPとして)を有するゼラチンタイプA溶液400gを、天然ポリマー46.5gを脱塩水354gに混合容器を使用して60rpm以下のローター速度で、溶液の完全な均質化を確実にするように40℃の温度で1時間撹拌することによって調製した。
【0110】
さらに、上記で調製した3種類の溶液を用いて、以下のようにストック溶液を脱塩水で希釈することにより、3セットの複合溶液を調製した。
【0111】
合成ポリマーが0%~110%の異なる中和度を有する、3%濃度の12個の溶液で構成されたゼラチンを含まないセットSOL1。
【0112】
合成ポリマーが0%~110%の異なる中和度を有する3%濃度の12個の溶液からなるSMAcに対して10%の割合でゼラチンを含有するセットSOL-2、及び合成ポリマーが0%~110%の範囲の異なる中和度を有する3%濃度の12個の溶液からなるSMAcに対して30%の割合でゼラチンを含有するセットSOL-3。
【0113】
3つのセットに対応するすべての複合溶液は、不溶性相を含む場合にサンプルが不安定であり、不溶性相を含まない均一溶液である場合にサンプルが安定であるという意味で、それらの粘度及び安定性に関して特徴付けられた。得られた結果を表1及び
図1に示す。
【0114】
表1 乾燥重量で3%の溶液の粘度[h、(cP)]に対する合成ポリマーSPSの中和度及び組成物SP:NP中の天然ポリマーNP含有量(200ブルームを有するゼラチンタイプAとして)の影響。
【表1】
【0115】
図1から、合成ポリマーの中和度が30~60%である場合、天然ポリマーの存在は合成ポリマーの粘度の低下をもたらすことに留意されたい。中和度が60%を超える場合、バイオポリマーの存在が複合溶液の粘度値の増加を決定する。複合溶液の安定性の観点から、これは合成ポリマーの中和度に依存する。SMAc及びゼラチンを含有する複合系は、合成ポリマーの中和度が30%を超える場合に安定であることが注目されている。
【0116】
例2~5
これらの例では、NaOHで生成された59%の中和度を有するSMAc(例1に記載)及び様々な値のゼラチン含有量を含有し、ポリマー組成物の含有量に対して乾燥重量で1.5%をさらに含有する、1%(重量基準)のポリマー溶液の濃度の異なる含浸度を有する50g/m2の密度を有するビスコース繊維を含有するいくつかの不織布の脱塩水(導電率2マイクロS)に対する吸収値が示される。
【0117】
実験は以下のように行った。
0.5gの質量を有するテキスタイル材料に、実験装置を用いて噴霧することによって例1に記載の方法に従って調製された複合溶液を含浸させて、最終的に乾燥したファブリック材料のサンプルの乾燥質量に対する予め確立された含浸度IMDを得た。さらに、湿潤テキスタイルサンプルを、空気循環を備えたオーブン内に吊り下げ状態で配置し、180℃に予熱し、この温度で4分間維持した。最後に、サンプルをオーブンから取り出し、周囲温度で冷却した。次いで、テキスタイル材料を、「試験方法」の章に記載された方法に従って吸収性試験に供した。
実験条件及び結果を表2に示す。
【表2】
【0118】
例6~12
これらの例では、先の例に記載の空気循環を備えた同じオーブンを使用して、200℃で100秒間の熱処理で、含浸度20%でポリマー複合材料に対してNaOH、3.6%ゼラチンを使用することによって行われた、64%の中和度を有する合成ポリマーSMAcの溶液を使用した、密度50g/m
2のビスコース繊維からなるテキスタイル材料の含浸が示される。最後に、テキスタイルサンプルの吸収性を、人体によって分泌された模擬流体(Margareth R.C.Marquesら、Simulated Biological Fluids with Possible Application in Dissolution Testing、Dissolution Technologies 2011年8月,1)によって表される様々な液体媒体に対して評価した。
結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0119】
例13
この例では、吸収性テキスタイル材料を得るために50g/m
2の密度を有するテキスタイル材料のサンプルに供されるものでの熱処理の温度及び時間の相対吸収RQ1に対する影響が示される。結果を
図2に示す。
【0120】
得られたデータは、含浸ファブリックの熱処理は吸収性の最高値を得るような方法でなければならないことを示している。最大値のより低い値は、低い架橋度のため、又はポリマー複合材料の架橋度が高すぎるためのいずれかにより生じる。
【0121】
例14
この例は、ファブリックが含浸に供される繊維のタイプの影響を示す。
【0122】
この目的のために、Exp-2と一致する化学組成を有する複合ポリマー溶液を使用した。
【0123】
ポリプロピレン繊維(PP繊維)、ポリエステル繊維(PET繊維)ビスコース繊維(ビスコース繊維)からのテキスタイル材料が使用されている。
【0124】
【0125】
例15~16
これらの例では、例1の複合材料の作製技術及び例3のテキスタイル材料の含浸方法を使用して、本発明による複合材料の作製に使用されるバイオポリマーのタイプがテキスタイル材料の吸収性に及ぼす影響が示される。
【0126】
ゼラチンの代わりに、グアーガム(G4129 Sigma Aldrich)及び可溶性デンプン(S9765 Sigma Aldrich)を使用している。
【表4】
例17
【表5】
【0127】
ポリマー複合溶液は、塩(SP)、天然ポリマー(NP)、添加剤(A)及び水(W)の形態の合成ポリマーを含む。
【0128】
テキスタイル材料TEX(処理前)と含浸組成物IC[IC=SP+NP+A]との比は、乾燥重量で85:25~99:1%である。
【0129】
塩形態の合成ポリマー(SP)と天然ポリマー(NP)との比SP/NP、乾燥重量で70:30~95:5%である。
【0130】
ポリマーに対する添加剤(A)の比A/(SP+NP)は、乾燥重量で0.5~5%である。
【0131】
複合ポリマー溶液中の含水量は、79~99%(重量基準)である。
【0132】
湿潤テキスタイル材料のさらなる加工は、材料の初期密度及びそのように選択された含浸度に依存する。例えば、
【0133】
a)テキスタイル材料の密度が最初に70g/m2よりも高い場合、湿潤テキスタイル材料は、最初に50~90℃の温度、好ましくは55~85℃の温度、最も好ましくは60~80℃の温度の熱風の流れで乾燥され、その結果、固体複合材料(テキスタイル+複合ポリマー)は、12%未満(重量基準)、好ましくは10%未満(重量基準)、最も好ましくは8%未満(重量基準)の湿度含有量を有し、次いで、90~180℃の温度、好ましくは100~170℃の温度、最も好ましくは110~160℃の温度の熱風スチーム中で、5~180分間、好ましくは10~150分間、最も好ましくは15~120分間、補助的熱処理が行われる。
【0134】
b)テキスタイル材料の密度が最初に70g/m2未満であった場合、湿潤テキスタイル材料は、100~150℃の温度で180~300秒間、好ましくは140~180℃の温度で60~180秒間、より好ましくは200~250℃の温度で30~120秒間の単一の熱処理に供される。
【0135】
熱処理後、テキスタイル材料を室温で冷却させ、最後にパッキングする。
【0136】
ここで本発明を十分に説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、また、過度の実験をすることなく、広範囲の同等のパラメータ、濃度、及び条件内で本発明を実施することができることが当業者には理解されよう。
【0137】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、さらなる変更が可能であることが理解されよう。本出願は、一般に、本発明の原理に従って、本発明が関係する技術分野内の既知の又は慣習的な実施の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲において以下のように先に記載された本質的な特徴に適用され得るような本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の変形、使用、又は適合を網羅することを意図している。
【0138】
本明細書に引用されたすべての参考文献(雑誌論文又は要約、公開された又は対応する米国若しくは外国の特許出願、発行された米国若しくは外国の特許、又は任意の他の参考文献を含む)は、引用された参考文献に提示されたすべてのデータ、表、図、及びテキストを含む参照により本明細書に完全に組み込まれる。さらに、本明細書に引用された参考文献内で引用された参考文献の全内容もまた、参照により完全に組み込まれる。
【0139】
既知の方法工程、従来の方法工程、既知の方法又は従来の方法への言及は、本発明の任意の態様、説明又は実施形態が関連技術において開示、教示又は示唆されることを決して自認するものではない。
【0140】
特定の実施形態の前述の説明は、本発明の一般的な性質を十分に明らかにするので、他の者は、当業者の技術の範囲内の知識(本明細書で引用される参考文献の内容を含む)を適用することによって、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、過度の実験なしに、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書に提示された教示及びガイダンスに基づいて、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現又は用語は、限定ではなく説明のためのものであり、本明細書の用語又は表現は、当業者の知識と組み合わせて、本明細書に提示された教示及びガイダンスに照らして当業者によって解釈されるべきであることを理解されたい。
【0141】
【手続補正書】
【提出日】2022-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層吸収性製品であって、
液体透過性又は液体不透過性である第1の層と、
(i)繊維のネットワークを含む不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料、又は(ii)表面細孔のネットワークを含み、前記第1の層の隣に配置されたテクスチャード加工プラスチック糸の層であって、前記テキスタイル材料又はテクスチャード加工プラスチックの層が、前記繊維又は表面細孔のネットワーク上に非ポリマー架橋剤の非存在下で
合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する天然ポリマーに架橋した、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有する合成ポリマーの均一に離間した超吸収性ポリマー(SAP)堆積物を有する上面を有し、前記均一に離間した堆積物を有する上面が、前記第1の層の表面に対向して配置されている、層と
を含み、
ここで、
テクスチャード加工プラスチック糸の層は、非貫通孔、窪み、凹み、開放気泡によって生成された多孔質表面、及び発泡、エッチング、切断又はボイド成形方法によって形成された他の粗さ生成特徴を有し、
前記テクスチャード加工プラスチック糸又は不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料は、前記SAP堆積物の堆積の前に20~150g/m
2
の密度を有し、
前記テキスタイル材料又は前記テクスチャード加工プラスチック糸に対する前記SAP堆積物の重量が、100%~600%の範囲であり、
基材としての前記テキスタイル材料又は前記テクスチャード加工プラスチック糸上に印刷された前記SAP堆積物が、1~7mmの範囲の間隔で均一に離間し、
合成ポリマーに架橋した天然ポリマーの前記SAP堆積物は、前記SAP堆積物の下の繊維又は細孔壁を覆い、SAP架橋ポリマーネットワークを繊維又は細孔のネットワークと相互接続するための足場として作用する繊維のネットワーク又は細孔のネットワークに相互浸透する、連続SAP架橋ポリマーネットワークを形成し、前記SAP堆積物のそれぞれの約10%±1%が繊維のネットワーク又は細孔のネットワークを相互浸透し、前記SAP堆積物のそれぞれの約90%±1%の残りが前記テキスタイル材料又は前記テクスチャード加工プラスチック糸の上部多孔質表面に付着し、
(i)不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料、又は(ii)前記
SAP堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸の前記層が、前記
SAP堆積物を有しない同じ層の吸収性よりも少なくとも10%高い吸水性を有する、
多層吸収性製品。
【請求項2】
前記層が、繊維のネットワークを含む不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層である、請求項1に記載の多層吸収性製品。
【請求項3】
前記堆積物を有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層が、前記堆積物を有しない同じ層の吸収性よりも少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも80%、又は少なくとも100%高い、好ましくは少なくとも3倍高い又は少なくとも4倍高い、より好ましくは少なくとも5倍高い吸水性を有する、請求項2に記載の多層吸収性製品。
【請求項4】
前記堆積物を有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層が、前記層の少なくとも2グラム/グラム(g/g、gr/gr)、少なくとも5gr/gr、少なくとも10gr/gr、好ましくは少なくとも20gr/gr、より好ましくは少なくとも30gr/gr、少なくとも40gr/gr、少なくとも60gr/gr、最も好ましくは少なくとも80gr/gr又は少なくとも100gr/grの水を吸収することができる、請求項2に記載の多層吸収性製品。
【請求項5】
前記堆積物を有しない前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層が
、好ましくは20~60g/m
2、より好ましくは20~30g/m
2の密度を有する、請求項2~4のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項6】
前記テキスタイル材料に対する前記堆積物の重量が
、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である、請求項2~5のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項7】
前記堆積物が、前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層上に
、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している、請求項2~6のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項8】
前記テキスタイル材料及び繊維のネットワークがポリプロピレンである、請求項2~7のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項9】
前記堆積物が、前記テキスタイル材料上の円形ドット又は長方形の形状である、請求項2~8のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項10】
前記合成ポリマーが
、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項2~9のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項11】
前記合成ポリマーが、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマ
ー又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマ
ーである、請求項2~10のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項12】
前記天然ポリマーが、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニ
ン;グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである、請求項2~11のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項13】
前記天然ポリマーが、高温条件下で選択された期間、前記合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する、請求項2~12のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項14】
前記第1の層が液体不透過性層である、請求項2~13のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項15】
前記第1の層が液体透過性層である、請求項2~13のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項16】
前記液体透過性層が、前記均一に離間した堆積物を有する上面を有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の第2の層であり、前記第2の層の前記上面が、前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の前記第1の層の前記上面に対向して、前記第1及び第2の層の前記上面上の前記均一に離間した
SAP堆積物が重ならないように配置される、請求項15に記載の多層吸収性製品。
【請求項17】
1つ以上の液体透過性層をさらに含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項18】
前記1つ以上の液体透過性層の少なくとも1つが、前記均一に離間した
SAP堆積物を有する上面を有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料のさらなる層である、請求項17に記載の多層吸収性製品。
【請求項19】
おむつ、クリーニングワイプ、家庭用又は施設用のクリーニング又はメンテナンス器具、ハンドワイプ、ハンドタオル、パーソナル、化粧用又は衛生用ワイプ、ベビーワイプ、フェイシャルティッシュ、衛生吸収パッド、パンティ、パンティライナー、創傷包帯などから選択される吸収性製品に使用するための、請求項2~18のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項20】
請求項2に記載の多層吸収性製品中の合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの均一に離間した堆積物を有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料の層を作製する方法であって、
繊維のネットワークを有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料上に、前記テキスタイル材料の吸水性を改善するのに使用するためのシロップの形態のポリマー複合水溶液の均一に離間した堆積物を堆積させることであって、前記ポリマー複合溶液が
、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有する合成ポリマーと
合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する天然ポリマーとを含み、前記複合溶液中の前記天然及び合成ポリマーが、温度及び時間の制御条件下で、非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けることができ、天然及び合成ポリマーの組合せの濃度が、前記ポリマー複合溶液の20~40%w/wの範囲内であ
り、不織布、織布若しくは編物テキスタイル材料は、堆積の前に、20~150g/m
2
の密度を有する、堆積させることと、
前記堆積物中の前記天然及び合成ポリマーが、前記堆積物中の非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けて、前記
SAP堆積物の下の繊維を覆い、
SAP架橋ポリマーネットワークを繊維ネットワークと相互接続するための足場として作用する繊維のネットワークに相互浸透する連続
SAP架橋ポリマーネットワークを形成するように、温度及び時間の制御条件下で均一に離間した堆積物をその上に有する前記テキスタイル材料を熱処理すること
であって、前記SAP堆積物のそれぞれの約10%±1%が繊維のネットワークを相互浸透し、前記SAP堆積物のそれぞれの約90%±1%の残りが前記テキスタイル材料の上部多孔質表面に付着し、前記テキスタイル材料に対する前記SAP堆積物の重量が、100%~600%の範囲であり、基材としての前記テキスタイル材料又は前記テクスチャード加工プラスチック糸上に印刷された前記SAP堆積物が、1~7mmの範囲の間隔で均一に離間している、と
を含む、方法。
【請求項21】
前記堆積工程において、前記均一に離間した堆積物が、穿孔シリンダを用いた回転スクリーン印刷によって不織布、織布又は編物テキスタイル材料の連続ロール上に堆積され、そこから均一に離間した
SAP堆積物をその上に有する前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料の個々のシートが後で切断される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記熱処理工程の後に、前記連続ロールから均一に離間した
SAP堆積物を有する不織布、織布又は編物テキスタイル材料の個々のシートを切断する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記堆積工程の前に、前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料が
、好ましくは20~60g/m
2、より好ましくは20~30g/m
2の密度を有する、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
熱処理された後、前記テキスタイル材料に対する前記堆積物の重量が
、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記堆積物が、前記不織布、織布又は編物テキスタイル材料上に
、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記テキスタイル材料及び繊維のネットワークがポリプロピレンである、請求項20~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記堆積物が、前記テキスタイル材料上の円形ドット又は正方形の形状である、請求項20~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記合成ポリマーが
、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項20~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記合成ポリマーが、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマ
ー又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマ
ーである、請求項20~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記天然ポリマーが、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニ
ン;グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである、請求項20~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記層が、表面細孔のネットワークを含むテクスチャード加工プラスチック糸の層である、請求項1に記載の多層吸収性製品。
【請求項32】
前記
SAP堆積物を有する前記テクスチャード加工プラスチック糸の層が、前記層の少なくとも2グラム/グラム(g/g、gr/gr)、少なくとも5gr/gr、少なくとも10gr/gr、好ましくは少なくとも20gr/gr、より好ましくは少なくとも30gr/gr、少なくとも40gr/gr、少なくとも60gr/gr、最も好ましくは少なくとも80gr/gr又は少なくとも100gr/grの水を吸収することができる、請求項
31に記載の多層吸収性製品。
【請求項33】
前記堆積物を有しない前記テクスチャード加工プラスチック糸の層が、18~150gr/m
2、好ましくは18~77gr/m
2の密度を有する、請求項
31~
32のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項34】
前記堆積物を有しない前記テクスチャード加工プラスチック糸の層が、20~200マイクロメートル、好ましくは20~80マイクロメートルの厚さを有する、請求項
31~
32のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項35】
前記テクスチャード加工プラスチック糸に対する前記
SAP堆積物の重量が
、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である、請求項
31~
34のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項36】
前記
SAP堆積物が、前記テクスチャード加工プラスチック糸の層上に
、好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している、請求項
31~
35のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項37】
前記プラスチック糸及び細孔壁のネットワークがポリエチレンである、請求項
31~
36のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項38】
前記
SAP堆積物が、前記テクスチャード加工プラスチック糸上の円形ドット又は長方形の形状である、請求項
31~
37のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項39】
前記合成ポリマーが
、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項
31~
38のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項40】
前記合成ポリマーが、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマ
ー又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマ
ーである、請求項
31~
39のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項41】
前記天然ポリマーが、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニ
ン;グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである、請求項
31~
40のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項42】
前記天然ポリマーが、高温条件下で選択された期間、前記合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する、請求項
31~
41のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項43】
前記第1の層が液体不透過性層である、請求項
31~
42のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項44】
前記第1の層が液体透過性層である、請求項
31~
42のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項45】
前記第1の層が、水蒸気を透過させるが液体を透過させない層である、請求項
31~
42のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項46】
前記第1の層が、前記層にある程度の水蒸気及び液体水透過性を付与する孔で穿孔された液体不透過性層である、請求項
31~
42のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項47】
1つ以上の液体不透過性層をさらに含む、請求項
43~
46のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項48】
前記1つ以上の液体不透過性層の少なくとも1つが、前記均一に離間した
SAP堆積物を有する上面を有する前記テクスチャード加工プラスチック糸のさらなる層である、請求項
47に記載の多層吸収性製品。
【請求項49】
屋外での貯蔵を可能にするために、飼料、乾草若しくは綿などの植物性農作物、又はわらなどの作物残渣の屋外被覆又はパッキング又は包装、並びに雨、雪又は地面の水分、及び結果として生じるそのような制御されていない湿度による損傷からのそれらの保護において使用するための、請求項
31~
48のいずれか一項に記載の多層吸収性製品。
【請求項50】
請求項
31に記載の多層吸収性製品中の合成ポリマーに架橋された天然ポリマーの均一に離間した堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸の層を作製する方法であって、
細孔の表面ネットワークを有するテクスチャード加工プラスチック糸上に、前記テクスチャード加工プラスチック糸の吸水性を改善するのに使用するためのシロップの形態のポリマー複合水溶液の均一に離間した堆積物を堆積させることであって、前記ポリマー複合溶液が
、カルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するモノマーを有する合成ポリマーと
合成ポリマー中のCOOH基に架橋することができるアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する天然ポリマーとを含み、前記複合溶液中の前記天然及び合成ポリマーが、温度及び時間の制御条件下で、非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けることができ、天然及び合成ポリマーの組合せの濃度が、前記ポリマー複合溶液の20~40%w/wの範囲内であ
り、テクスチャード加工プラスチック糸は、非貫通孔、窪み、凹み、開放気泡によって生成された多孔質表面、及び発泡、エッチング、切断又はボイド成形方法によって形成された他の粗さ生成特徴を有し、堆積の前に、20~150g/m
2
の密度を有する、堆積させることと、
前記堆積物中の前記天然及び合成ポリマーが、前記堆積物中の非ポリマー架橋剤の非存在下で自己架橋を受けて、前記
SAP堆積物の下の細孔壁を覆い、
SAP架橋ポリマーネットワークを細孔ネットワークと相互接続するための足場として作用する細孔のネットワークに相互浸透する連続
SAP架橋ポリマーネットワークを形成するように、温度及び時間の制御条件下で均一に離間した堆積物をその上に有する前記テクスチャード加工プラスチック糸を熱処理すること
であって、前記SAP堆積物のそれぞれの約10%±1%が細孔のネットワークを相互浸透し、前記SAP堆積物のそれぞれの約90%±1%の残りが前記テクスチャード加工プラスチック糸の上部多孔質表面に付着し、前記テクスチャード加工プラスチック糸に対する前記SAP堆積物の重量が、100%~600%の範囲であり、基材としての前記テクスチャード加工プラスチック糸上に印刷された前記SAP堆積物が、1~7mmの範囲の間隔で均一に離間している、と
を含む、方法。
【請求項51】
前記堆積工程において、前記均一に離間した堆積物が、穿孔シリンダを用いた回転スクリーン印刷によってテクスチャード加工プラスチック糸の連続ロール上に堆積され、そこから均一に離間した
SAP堆積物をその上に有する前記テクスチャード加工プラスチック糸の個々のシートが後で切断される、請求項
50に記載の方法。
【請求項52】
前記熱処理工程の後に、前記連続ロールから均一に離間した
SAP堆積物を有するテクスチャード加工プラスチック糸の個々のシートを切断する工程をさらに含む、請求項
51に記載の方法。
【請求項53】
熱処理された後、前記プラスチック糸に対する前記堆積物の重量が
、好ましくは200%~600%、より好ましくは400%~600%の範囲である、請求項
50~
52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記堆積物が、前記テクスチャード加工プラスチック糸上
に好ましくは1~6mm、より好ましくは約2mmの範囲の間隔で均一に離間している、請求項
50~
53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記テクスチャード加工プラスチック糸及び細孔壁のネットワークがポリエチレンである、請求項
50~
54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記
SAP堆積物が、前記テクスチャード加工プラスチック糸上の円形ドット又は正方形の形状である、請求項
50~
55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記合成ポリマーが
、好ましくは、場合によりカルボン酸官能基を必ずしも含有しない他のタイプのビニル系モノマーと関連する、アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのビニル酸性モノマーから作製された直鎖又は分岐グラフトホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項
50~
56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記合成ポリマーが、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸に基づくコポリマー、好ましくはスチレン無水マレイン酸(SMA)のコポリマー、イソブチレンと無水マレイン酸のコポリマ
ー又はメチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマ
ーである、請求項
50~
57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記天然ポリマーが、セルロース、アルギナート、デキストラン、キトサンなどの多糖類;ポリエステル及びリグニ
ン;グアー;デンプン;レシチンなどの水溶性リン脂質;ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、コラーゲン、コラーゲン性バイオポリマー、コラーゲン加水分解物及びカゼインなどのポリペプチド又はタンパク質から選択されるバイオポリマーである、請求項
50~
58のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】