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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】車両のための駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20230428BHJP
   H02K 5/10 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02K5/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552634
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2021057685
(87)【国際公開番号】W WO2021191332
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】20460018.3
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522346121
【氏名又は名称】ヴァレオ、シーメンス、イーオートモーティブ、ポーランド、エスピー.ゼット、オー.オー.
【氏名又は名称原語表記】VALEO SIEMENS EAUTOMOTIVE POLAND SP. Z O.O.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ミロスワフ、チュラピービッチ
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン、ジュレク
(72)【発明者】
【氏名】ヤークプ、ミュナルスキ
【テーマコード(参考)】
5H605
5H770
【Fターム(参考)】
5H605AA02
5H605AA03
5H605CC06
5H605DD09
5H605DD17
5H605DD36
5H605EC01
5H605FF06
5H605FF08
5H770AA28
5H770BA02
5H770QA28
5H770QA31
5H770QA37
(57)【要約】
特に車両を駆動するための、駆動装置(1)であって、-電気機械と、-電気機械が配置されるハウジング(2)であって、ハウジング(2)は開口部(9)を有し、当該開口部(9)を通って電気機械のための供給ケーブル(30)が延びるハウジング(2)と、-貫通孔(17a)を有し且つ開口部(9)内に備え付けられるキャリア(13)と、貫通孔(17a)内に配置されるシーリングスリーブ(14)と、を有するシーリングデバイス(11)と、を備え、供給ケーブル(30)はシーリングスリーブ(14)を通って延び、キャリア(13)は、開口部(9)のエッジ(28)を覆うプレート部(25)を備え、貫通孔(17a)は、プレート部(25)からハウジング(2)の内側に向かって延びるキャリア(13)の円筒面(23)によって囲まれており、シーリングスリーブ(14)は、円筒面(23)と接する1又は複数の円周シーリング突出部(22)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両を駆動するための、駆動装置(1)であって、電気機械と、前記電気機械が配置されるハウジング(2)とを備え、前記ハウジング(2)は開口部(9)を有し、当該開口部(9)を通って前記電気機械のための供給ケーブル(30)が延び、
貫通孔(17a)を有し且つ前記開口部(9)内に設けられるキャリア(13)と、前記貫通孔(17a)内に配置されるシーリングスリーブ(14)とを有するシーリングデバイス(11)であって、前記供給ケーブル(30)が前記シーリングスリーブ(14)を通って延びるシーリングデバイス(11)によって駆動装置(1)が特徴付けられ、
前記キャリア(13)は、前記開口部(9)のエッジ(28)を覆うプレート部(25)を備え、前記貫通孔(17a)は、前記プレート部(25)から前記ハウジング(2)の内側に向かって延びる前記キャリア(13)の円筒面(23)により囲まれており、前記シーリングスリーブ(14)は、前記円筒面(23)と接する1又は複数の円周シーリング突出部(22)を備える、駆動装置(1)。
【請求項2】
前記シーリングスリーブ(14)は、前記キャリア(13)及び/又は前記供給ケーブル(30)よりも剛性が低い請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記シーリングスリーブは、前記ハウジング(2)の外側に面するそのサイドにおいて、角度がつけられた部分(19)を有する請求項1又は2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記シーリングスリーブ(14)は、前記供給ケーブル(30)の周囲で円周方向に延びるシーリングリップ(20)を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記角度がつけられた部分(19)は、前記シーリングリップ(20)と前記ハウジング(2)との間に配置される請求項3又は4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記シーリングスリーブ(14)は円周戻り止め部(21)を有し、当該円周戻り止め部(21)は、前記ハウジング(2)の内側に面するそのサイドにおいて前記キャリア(13)と重なる請求項1~5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記シーリングデバイス(11)は、前記キャリア(13)と前記開口部(9)との間に配置されるシーリングリング(27)を有する請求項1~6のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記キャリア(13)は、スナップ適合部によって前記ハウジング(2)に固定される請求項1~7のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記キャリア(13)及び/又は前記開口部(9)は、放射状の三角形の形状を有する請求項1~8のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記キャリア(13)は、1つ又は2つの更なる貫通孔(17b、17c)を有する請求項1~9のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項11】
- 更なるシーリングスリーブ(15、16)が更なる貫通孔(17b、17c)の各々に配置され、更なる供給ケーブル(31)が前記更なるシーリングスリーブ(15、16)を通って延び、又は
- 前記キャリア(13)は2つの更なる貫通孔(17b、17c)を有し、更なるシーリングスリーブ(15)が前記更なる貫通孔のうちの1つ(17b)に配置され、更なる供給ケーブル(31)が前記更なるシーリングスリーブ(15)を通って延び、前記他の更なる貫通孔(17c)は閉じられ、又は
- 前記1つの更なる貫通孔(17b)又は前記複数の更なる貫通孔(17b、17c)は閉じられる、
請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記ハウジング(2)は更なる開口部(10)を備え、当該更なる開口部(10)を通って前記電気機械のための供給ケーブル(32)が延び、更なるシーリングデバイス(12)が前記更なる開口部(10)に設けられる請求項1~11のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記1つの開口部(9)又は前記複数の開口部(9、10)は、前記ハウジング(2)の端部シールド部(4)内に配置される請求項1~12のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項14】
インバータを更に備え、
前記供給ケーブル又は各供給ケーブル(30、31、32)は、前記インバータと前記電気機械との間の電気的接続部の一部である請求項1~13のいずれか一項に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に車両を駆動するための、駆動装置に言及し、当該駆動装置は、電気機械と、電気機械が配置されるハウジングとを備え、ハウジングは、電気機械用の供給ケーブルが延びる開口部を有する。
【発明の概要】
【0002】
ハウジング内に配置された電気機械を備える駆動装置には、1又は複数の供給ケーブルによって電流が供給される必要がある。そのため、一般的には、ハウジングに開口部を設け、当該開口部を通じて供給ケーブルが延びることが知られている。
【0003】
特に駆動装置の自動車適用に関し、ハウジングの内部は水及び/又は埃の侵入から保護される必要がある。ハウジング内への供給ケーブルの挿入(feed-through)に関し、バルク成形コンパウンド(bulk molding compound)によるポッティング(potting)で供給ケーブルと開口部との間にシーリングを設けることが既に提案されている。しかし、ポッティングは駆動装置の製造工程の中で難しい工程であり、コンパウンドを扱う際に汚れをもたらす。
【0004】
本発明の目的は、供給ケーブルの挿入を介したハウジング内への水及び/又は埃の侵入に対する簡素化された保護を有する駆動装置を提供することである。
【0005】
本発明によれば、貫通孔を有し且つ開口部内に取り付けられるキャリアと、貫通孔内に配置されるシーリングスリーブと、を備えるシーリングデバイスであって、供給ケーブルがシーリングスリーブを通って延びるシーリングデバイスを更に備える最初に説明したような駆動配置によって、上記目的が解決される。
【0006】
発明は、開口部の具体的な形状に合わせて調整可能なキャリアによってハウジングの開口部を密閉すること、及び、供給ケーブルが延在するシーリングスリーブによってキャリアと供給ケーブルとの間のシーリングを実現することに対する考慮に基づいている。それにより、キャリアが電線に備え付けられてハウジングに取り付けられることができるので、開口部を通じた供給ケーブルの挿入が簡素化される。シーリングデバイスを形成するために、スリーブは供給ケーブル上にスライドされることができ、キャリアの貫通孔に配置されることができる。それによって、従来のポッティング技術に伴う自動化しにくい組み立て工程及び汚れを回避することができる。
【0007】
好ましくは、シーリングスリーブはキャリアよりも剛性が低い。これは、一方ではキャリアによる挿入の機械的安定性を実現することを可能にし、他方ではシーリングスリーブによるキャリアに対して供給ケーブルをシールする機能を実現することを可能にする。追加的に又は代替的に、シーリングスリーブは、供給ケーブルよりも剛性が低くてもよい。これは、特に車両を駆動する駆動装置を使用する場合に、大量の電流を流すことができるかなり剛性の大きい供給ケーブルに対するシーリングを提供することを可能にする。
【0008】
好ましくは、シーリングスリーブはゴムで作られ及び/又はキャリアは例えばポリアミドなどのプラスチックで作られる。
【0009】
有利には、シーリングスリーブは、ハウジングの外側に面するそのサイドにおいて、角度のついた部分を含む。それにより、駆動装置内の取り付けスペースを節約するために、供給ケーブルは開口部を通過した直後に折り曲げられることができる。その角度がついた部分は、30°~90°の角度を有していてもよい。
【0010】
好ましくは、シーリングスリーブは、供給ケーブルの周囲を円周方向に延びるシーリングリップを備える。それにより、シーリングスリーブと供給ケーブルとの間の効果的なシーリングを実現できる。シーリングリップは、シーリングスリーブの自由端に配置されてもよい。典型的には、角度がつけられた部分は、シーリングリップとハウジングとの間に配置される。
【0011】
発明による駆動装置に関し、シーリングスリーブは、ハウジングの内側に面するそのサイドにおいてキャリアに重なる円周戻り止め部(circumferential detent)を備えることが好ましい。これは、キャリアにおけるシーリングスリーブの簡素化された固定を可能にする。
【0012】
有利には、シーリングスリーブは、ハウジングの外側に面するそのサイドにおいてキャリアに重なる円周カラーを備える。それにより、組み立て時にシーリングスリーブがキャリアの貫通孔内に過度に押し込まれるのを防ぐことができる。
【0013】
好ましくは、キャリアは、開口部のエッジを覆うプレート部を含む。さらに、貫通孔は、プレート部からハウジングの内側に向かって延びるキャリアの円筒面によって、囲まれていてもよい。
【0014】
好ましい実施形態によれば、シーリングスリーブは、円筒面に接する1つ又は複数の円周シーリング突出部を含んでいてもよい。これは、キャリアとシーリングスリーブとの間の効果的な軸方向シーリングを実現する。典型的には、シーリング突出部は、供給ケーブルとキャリアとの間で弾性的に変形する。
【0015】
発明による駆動装置に関して、シーリングデバイスが、キャリアと開口部との間に配置されたシーリングリングを備えることがさらに好ましい。シーリングリングは、開口部とキャリアとの間に効果的な軸方向のシーリングを提供する。通常、シーリングリングは、貫通孔を囲む円筒面とは反対側の外面に沿って延びる。
【0016】
開口部内のシーリングデバイスの取り付けを簡単にするために、キャリアはスナップ適合部(snap-fit)によってハウジングに固定されることが好ましい。そこでは、1つ又は複数のスナップ手段が、キャリアから、特にプレート部から、ハウジングの内側に向かって延びうる。
【0017】
好ましくは、キャリア及び/又は開口部は、放射状三角形の形状を有する。これは、以下に詳述するように、電気機械の3相又は6相交流を提供することに関して、3つの供給ケーブルを使用する場合の挿入の最適化された形状を可能にする。
【0018】
好ましくは、キャリアは、1つ又は2つの更なる貫通孔を有する。
【0019】
より好ましくは、更なるシーリングスリーブが更なる貫通孔の各々に配置され、更なる供給ケーブルが更なるシーリングスリーブを通って延びる。
【0020】
あるいは、更なるシーリングスリーブが更なる貫通孔のうちの1つに配置され、更なる供給ケーブルが更なるシーリングスリーブを通って延び、他の貫通孔が閉じられる。あるいは、1又は複数の更なる貫通孔は閉じられる。それにより、電気機械の異なる相構成に対して統一されたハウジングを適応させうる。貫通孔はプラグによって閉じられてもよい。
【0021】
例えば、キャリアは2つの更なる貫通孔を持つ。この場合、更なるシーリングスリーブが更なる貫通孔の各々に配置され、更なる供給ケーブルが更なるシーリングスリーブを通って延びる。あるいは、更なるシーリングスリーブが更なる貫通孔のうちの1つに配置され、更なる供給ケーブルが更なるシーリングスリーブを通って延び、他の更なる貫通孔が閉じられる。他の代替として、複数の更なる貫通孔は閉じられる。
【0022】
一般に、その貫通孔又は各貫通孔は放射状の三角形のコーナー部に配置される。
【0023】
ハウジングが、電気機械用の供給ケーブルが延びる更なる開口部を有し、更なるシーリングデバイスが更なる開口部に取り付けられることが可能である。そこで、6本の供給ケーブルが提供されてもよく、3本の供給ケーブルは第1開口部を通って延び、3本の供給ケーブルは更なる開口部まで延びる。それにより、6相電気機械を供給することができる。或いは、3本の供給ケーブルが提供され、1本の供給ケーブルが開口部のうちの1つを通って延びてもよく、2本の供給ケーブルが他の開口部を通って延びる。それにより、三相電気機械を供給することができる。
【0024】
開口部、供給ケーブル、シーリングスリーブ及びシーリングデバイスに言及するすべての記述は、それぞれ、更なる開口部、更なる供給ケーブル、更なるシーリングスリーブ又は更なるシーリングデバイスに対応して適用されうる。
【0025】
さらに、駆動装置は、インバータをさらに含んでもよく、その供給ケーブル又は各供給ケーブルは、インバータと電気機械との間の電気的接続部の一部である。好ましくは、その1又は複数のシーリングデバイスはメンテナンスボックス内に配置され、メンテナンスボックスはハウジング外面及び取り外し可能なカバー要素によって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
更なる詳細及び利点は、以下の実施形態に開示されており、図面に対する参照がなされる。図面は概略的であり、以下を示す:
図1】発明による駆動装置の第1実施形態の斜視図
図2】第1実施形態に係るハウジングの開口部の詳細図
図3】第1実施形態に係るハウジングの正面図
図4図3に描かれたシーリングデバイスの断面図
図5図4に描かれたシーリングデバイスのシーリングスリーブの詳細図
図6図4に描かれたシーリングデバイスのキャリアの第1の詳細図
図7図4に描かれたシーリングデバイスのキャリアの第2の詳細図
図8図4に描かれたシーリングデバイスのシーリングリングの詳細図
図9】第2実施形態によるシーリングデバイスの斜視図
図10】第3実施形態に係るシーリングデバイスの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、駆動装置1の第1実施形態を示す斜視図である。駆動装置1は、バッテリ電気車両又はハイブリッド車両などの車両を駆動するように構成される。
【0028】
駆動装置1は、電気機械(図1では隠れている)と、電気機械が配置されたハウジング2とを備える。電気機械とギアボックス(図1では隠れている)をつなぐシャフト3が図1では見えており、それはハウジング2の端部シールド部4内に配置されたベアリングによって支持される。駆動装置1のメンテナンスボックス5は、ハウジング2の外周面6(図3参照)及び着脱可能なカバー7によって形成される。さらに、駆動装置1はインバータボックス8を含み、当該インバータボックス8は、ハウジング2の更なる外面(図1では隠れている)及び更なる取り外し可能なカバー9によって形成される。インバータボックス8内には、電気機械の固定子巻線に供給するための多相交流電流を供給するインバータ(図1では隠れている)が配置されている。
【0029】
図2は、第1実施形態に係るハウジング2の開口部9、10の詳細図である。見て分かるように、ハウジングは、放射状の三角形の形状を持つ第1開口部9及び第2開口部10を備える。開口部9、10を通じて、電気機械用の供給ケーブル(図1図8では図示せず)が延びる。本実施形態において、供給ケーブルは、インバータと電気機械との間の電気的接続部の一部である。本実施形態では、電気機械は6相同期機であり、それによって6本の供給ケーブルが与えられる。
【0030】
図3は、第1実施形態に係るハウジング2の正面図である。
【0031】
駆動装置1は、第1開口部9(図2参照)内に取り付けられた第1シーリングデバイス11と、第2開口部10内に取り付けられた第2シーリングデバイス12とを備える。シーリングデバイス11、12は実質的に同一であるので、それらは、第1シーリングデバイス11のみを参照して詳細に説明される。
【0032】
シーリングデバイス11は、キャリア13、第1シーリングスリーブ14、第2シーリングスリーブ15、及び第3シーリングスリーブ16を備える。電気機械を接続するために、各シーリングスリーブ14、15、16を通して、供給ケーブルがハウジング2の外側からハウジング2の内側に延びる。各シーリングスリーブ14、15、16は、シーリングデバイス11の3つの貫通孔17a、17b、17c(図6参照)のうちの1つの内部に配置される。シーリングスリーブ14、15、16はゴムで作られるのに対し、キャリア13はポリアミドで作られるため、シーリングスリーブ14、15、16より剛性が高い。
【0033】
図4は、シーリングデバイス11の断面図である。以下では、図5においても斜視図で示されるシーリングスリーブ14が、シーリングデバイス11の他のシーリングスリーブ15、16に関して代表的に説明される。
【0034】
シーリングスリーブ14は角度がつけられた部分19を備え、当該角度がつけられた部分19は、その中を延びる高剛性ケーブルの対応の角度がつけられた形状に、シーリングスリーブ14が追従することを可能にする。シーリングスリーブ14は、電気機械と反対側になるようなハウジングのサイドにおいて、及びその自由端においてシーリングリップ20を備える。そこでは、角度がつけられた部分19は、シーリングリップ20とハウジング2との間に配置される。
【0035】
シーリングスリーブ14の他方の自由端は、ハウジング2の内側に面するそのサイドにおいてキャリア13に重なる円周戻り止め部を備える。さらに、シーリングスリーブ14は、キャリア13の円筒面23に当接する2つの円周シーリング突出部22を備える。さらに、シーリングスリーブ14は、ハウジング2の外側に面するそのサイドにおいてキャリア13に重なる円周カラー24を備える。
【0036】
図6及び図7は、各々、キャリア13の斜視図である。見て分かるように、キャリア13はプレート部25を備え、当該プレート部25から、各貫通孔17a、17b、17cに関して、円筒面23がハウジング2の内部に延びる。ハウジング2の内部に面するそのサイドにおいて、キャリア13は、貫通孔17a、17b、17cの周囲を部分的に囲む外側面26を備える。
【0037】
再び図4を参照すると、図8に斜視図で示されているシーリングリング27が、キャリア13と開口部9のエッジ28との間に配置されていることが分かる。シーリングリング27は、シーリングデバイス11の外面26に沿って配置される。
【0038】
シーリングデバイス11はスナップ適合部によってハウジング2に固定され、当該スナップ適合部は、外面26間に配置される3つのスナップ手段29(図7参照)によって実現される。
【0039】
図9は、駆動装置1の第2実施形態によるシーリングデバイス11、12の斜視図である。以下、特に言及しない限り、第2実施形態は、第1実施形態に対応する。
【0040】
第2実施形態では、電気機械が三相同期機であるため、3本の供給ケーブル30、31、32が設けられる。そこでは、供給ケーブル30が第1貫通孔17aを通って延び、供給ケーブル31が第1シーリングデバイス11の第2貫通孔17bを通って延びる。第3貫通孔17cは、プラグ33によって閉じられる。供給ケーブル32は、第2シーリングデバイス12の第1貫通孔17aを貫通して延びる。第2シーリングデバイス12の第3貫通孔17c及び第2貫通孔17bは、プラグ33によって閉じられる。したがって、6相電気機械及び3相電気機械に関して同じハウジング2及び同じキャリア13を使用することができる。
【0041】
図10は、駆動装置1の第3実施形態によるシーリングデバイス11、12の斜視図である。以下、特に言及しない限り、第2実施形態は、第1実施形態に対応する。
【0042】
第1シーリングデバイス11の第3貫通孔17c及び第2シーリングデバイス12の第2及び第3貫通孔17b、17cを閉じるためのプラグ33を用いる代わりに、それぞれのシーリングデバイス11、12の貫通孔17a、17bの数は、シーリングデバイス11,12が取り付けられる開口部9、10を通って延びる供給ケーブル30、31、22の数に対応する。それぞれのキャリア13のプレート部25は、貫通孔が設けられていないそれぞれのコーナー部において閉じられて延びる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】