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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】供給装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/20 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
B05B1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552896
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 US2021020518
(87)【国際公開番号】W WO2021178436
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】202010139401.0
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クオホア リウ
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033AA04
4F033BA02
4F033DA05
4F033EA06
4F033NA01
(57)【要約】
本出願は、電子部品を加工する供給装置を提供する。供給装置は、第1のトラック部品及び第2のトラック部品と、第1の流れ誘導部品及び第2の流れ誘導部品とを備え、第1の流れ誘導部品は、第1のトラック部品の頂部に配置され、第2の流れ誘導部品は、第2のトラック部品の頂部に配置され、第1の流れ誘導部品は、互いに連通する少なくとも1つの第1のガス入口及び少なくとも1つの第1のガス出口を有し、少なくとも1つの第1のガス入口は、清浄ガス源と連通し、第2の流れ誘導部品は、互いに連通する少なくとも1つの第2のガス入口及び少なくとも1つの第2のガス出口を有し、少なくとも1つの第2のガス入口は、第1のガス出口を向くように配置され、少なくとも1つの第2のガス出口はガス排出動力装置と連通し、その結果、清浄ガスは、少なくとも1つの第1のガス出口から少なくとも1つの第2のガス入口に向かって流れることができ、これにより、加工される電子部品の上に清浄ガス領域を形成し、加工中における不純物による汚染を避ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を加工する供給装置において、
並列に配置され、加工される電子部品を保持する第1のトラック部品(101)及び第2のトラック部品(102)と、
第1の流れ誘導部品(103)及び第2の流れ誘導部品(104)であって、該第1の流れ誘導部品(103)は、前記第1のトラック部品(101)の頂部に配置され、該第2の流れ誘導部品(104)は、前記第2のトラック部品(102)の頂部に配置され、該第1の流れ誘導部品(103)は第1の内側部(214)を有し、該第2の流れ誘導部品(104)は第2の内側部(314)を有し、該第1の内側部(214)及び該第2の流れ誘導部品の内側部(314)は互いに対面するように配置される、第1の流れ誘導部品(103)及び第2の流れ誘導部品(104)とを具備し、
前記第1の流れ誘導部品(103)は、互いに連通する少なくとも1つの第1のガス入口(202)及び少なくとも1つの第1のガス出口(204)を有し、前記少なくとも1つの第1のガス入口(202)は、清浄ガス源と連通し、前記少なくとも1つの第1のガス出口(204)は、前記第1の流れ誘導部品(103)の前記第1の内側部(214)に配置され、前記第2の流れ誘導部品(104)は、互いに連通する少なくとも1つの第2のガス入口(304)及び少なくとも1つの第2のガス出口(302)を有し、前記少なくとも1つの第2のガス入口(304)は、前記第2の流れ誘導部品(103)の前記第2の内側部(314)に配置され、前記少なくとも1つの第2のガス出口(302)はガス排出動力装置と連通し、その結果、清浄ガスは、前記少なくとも1つの第1のガス出口(204)から前記少なくとも1つの第2のガス入口(304)に向かって流れることができ、これにより、加工される前記電子部品の上に清浄ガス領域を形成することを特徴とする供給装置。
【請求項2】
前記第1の流れ誘導部品(103)は、前記少なくとも1つの第1のガス出口(204)にそれぞれ対応する少なくとも1つの送出チャネル(405)を有し、該少なくとも1つの送出チャネル(405)は、前記少なくとも1つの第1のガス出口(204)から前記第1の流れ誘導部品(103)の内部へと延在するように形成され、前記第1のトラック部品(101)に垂直な長さ方向における前記送出チャネル(405)の高さは、前記少なくとも1つの第1のガス出口(204)から内側に向かって徐々に減少することを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のガス出口(204)は、複数のガス出口と、該複数のガス出口にそれぞれ対応する複数の送出チャネルとを含み、前記複数のガス出口は、前記第1の流れ誘導部品(103)の長さ方向において分散されることを特徴とする請求項2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記第1の流れ誘導部品(103)は第1の収容キャビティ(403)を有し、該第1の収容キャビティ(403)は、前記第1の流れ誘導部品(103)の長さ方向において延在し、前記少なくとも1つの第1のガス入口(202)及び前記少なくとも1つの送出チャネル(405)と連通することを特徴とする請求項2に記載の供給装置。
【請求項5】
前記第1の流れ誘導部品(103)の前記長さ方向における前記複数のガス出口のうちの最初のガス出口の外面と最後のガス出口の外面との間の距離は、加工される電子部品の長さ以上であることを特徴とする請求項3に記載の供給装置。
【請求項6】
前記第2の流れ誘導部品(104)は、前記少なくとも1つの第2のガス入口(304)に対応する少なくとも1つの導入チャネル(505)を有し、該少なくとも1つの導入チャネル(505)は、前記第2のガス入口(304)から前記第2の流れ誘導部品(104)の内部へと延在するように形成され、前記第2のトラック部品(102)に垂直な長さ方向における前記少なくとも1つの導入チャネル(505)の高さは、前記第2のガス入口(304)から内側に向かって徐々に減少することを特徴とする請求項2に記載の供給装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2のガス入口(304)は、複数のガス入口と、該複数のガス入口にそれぞれ対応する複数の導入チャネルとを含み、前記複数のガス入口は、前記第2の流れ誘導部品の長さ方向において分散され、
前記第2の流れ誘導部品(104)は、第2の収容キャビティ(503)を有し、該第2の収容キャビティ(503)は、前記第2の流れ誘導部品(104)の長さ方向において延在し、前記少なくとも1つの第2のガス出口(302)及び前記少なくとも1つの導入チャネル(505)と連通することを特徴とする請求項6に記載の供給装置。
【請求項8】
前記第1の流れ誘導部品(103)の内面と前記第2の流れ誘導部品(104)の内面との間の距離は、加工される前記電子部品の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項9】
入口端部(630)及び出口端部(640)を有する空気濾過装置(608)であって、前記入口端部(630)は空気源と連通し、前記出口端部(640)は前記少なくとも1つの第1のガス入口(202)と連通し、該空気濾過装置(608)は、清浄空気を前記第1の流れ誘導部品(103)に供給する空気濾過装置(608)を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項10】
前記第2のガス出口(303)と連通し、該第2のガス出口(302)から流出する空気を浄化可能なガス処理装置(720)を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2020年3月3日に出願された中国特許出願第202010139401.0号の利益を主張する。中国特許出願第202010139401.0号の全体が引用することにより明示的に本明細書の一部をなす。
【0002】
本出願は、供給装置に関し、特に、電子部品加工の分野において使用される供給装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電子部品加工の分野において、供給装置を使用して流体液滴を電子部品の表面上又は電子部品内に供給することが必要であり、流体供給工程において、流体又は加工が行われる電子部品の領域を塵又は不純物が汚染した場合、電子部品の加工品質に影響が及ぶ。したがって、塵又は不純物による汚染を可能な限り避けるために、電子部品の加工領域内の空気の清浄度を保証することが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、動作中における塵又は不純物による汚染を効果的に避けることができる供給装置を提供する。該供給装置は、並列に配置され、加工される電子部品を保持する第1のトラック部品及び第2のトラック部品と、第1の流れ誘導部品及び第2の流れ誘導部品であって、該第1の流れ誘導部品は、前記第1のトラック部品の頂部に配置され、該第2の流れ誘導部品は前記第2のトラック部品の頂部に配置され、該第1の流れ誘導部品は第1の内側部を有し、該第2の流れ誘導部品は第2の内側部を有し、該第1の内側部及び該第2の流れ誘導部品の内側部は、互いに対面するように配置される、第1の流れ誘導部品及び第2の流れ誘導部品とを備え、前記第1の流れ誘導部品は、互いに連通する少なくとも1つの第1のガス入口及び少なくとも1つの第1のガス出口を有し、前記少なくとも1つの第1のガス入口は、清浄ガス源と連通し、前記少なくとも1つの第1のガス出口は、前記第1の流れ誘導部品の前記第1の内側部に配置され、前記第2の流れ誘導部品は、互いに連通する少なくとも1つの第2のガス入口及び少なくとも1つの第2のガス出口を有し、前記少なくとも1つの第2のガス入口は、前記第2の流れ誘導部品の前記第2の内側部に配置され、前記少なくとも1つの第2のガス出口はガス排出動力装置と連通し、その結果、清浄ガスは、前記少なくとも1つの第1のガス出口から前記少なくとも1つの第2のガス入口に向かって流れることができ、これにより、加工される前記電子部品の上に清浄ガス領域を形成する。
【0005】
上記の供給装置において、前記第1の流れ誘導部品は、前記少なくとも1つの第1のガス出口にそれぞれ対応する少なくとも1つの送出チャネルを有し、該少なくとも1つの送出チャネルは、前記少なくとも1つの第1のガス出口から前記第1の流れ誘導部品の内部へと延在するように形成され、前記第1のトラック部品に垂直な長さ方向における前記送出チャネルの高さは、前記少なくとも1つの第1のガス出口から内側に向かって徐々に減少する。
【0006】
上記の供給装置において、前記少なくとも1つの第1のガス出口は、複数のガス出口と、該複数のガス出口にそれぞれ対応する複数の送出チャネルとを含み、前記複数のガス出口は、前記第1の流れ誘導部品の長さ方向において分散される。
【0007】
上記の供給装置において、前記第1の流れ誘導部品は、第1の収容キャビティを有し、該第1の収容キャビティは、前記第1の流れ誘導部品の長さ方向において延在し、前記少なくとも1つの第1のガス入口及び前記少なくとも1つの送出チャネルと連通する。
【0008】
上記の供給装置において、前記第1の流れ誘導部品の前記長さ方向における前記複数のガス出口のうちの最初のガス出口の外面と最後のガス出口の外面との間の距離は、加工される電子部品の長さ以上である。
【0009】
上記の供給装置において、前記第2の流れ誘導部品は、前記少なくとも1つの第2のガス入口に対応する少なくとも1つの導入チャネルを有し、該少なくとも1つの導入チャネルは、前記第2のガス入口から前記第2の流れ誘導部品の内部へと延在するように形成され、前記第2のトラック部品に垂直な長さ方向における前記少なくとも1つの導入チャネルの高さは、前記第2のガス入口から内側に向かって徐々に減少する。
【0010】
上記の供給装置において、前記少なくとも1つの第2のガス入口は、複数のガス入口と、該複数のガス入口にそれぞれ対応する複数の導入チャネルとを含み、前記複数のガス入口は、前記第2の流れ誘導部品の長さ方向において分散され、
前記第2の流れ誘導部品は第2の収容キャビティを有し、該第2の収容キャビティは前記第2の流れ誘導部品の長さ方向において延在し、前記少なくとも1つの第2のガス出口及び前記少なくとも1つの導入チャネルと連通する。
【0011】
上記の供給装置において、前記第1の流れ誘導部品の内面と前記第2の流れ誘導部品の内面との間の距離は、加工される前記電子部品の幅よりも小さい。
【0012】
上記の供給装置は、入口端部及び出口端部を有する空気濾過装置であって、前記入口端部は空気源と連通し、前記出口端部は前記少なくとも1つの第1のガス入口と連通し、該空気濾過装置は清浄空気を前記第1の流れ誘導部品に供給する空気濾過装置を更に備える。
【0013】
上記の供給装置は前記第2のガス出口と連通し、該第2のガス出口から流出する空気を浄化可能なガス処理装置を更に備える。
【0014】
本出願において提供される供給装置は、塵及び不純物による汚染を避けるために、電子部品が加工される領域において清浄ガス領域を形成することができる。本出願において提供される供給装置は、一対の流れ誘導部品を備え、清浄ガスを有効利用し、使用する清浄ガスの量を削減し、加工領域内の空気の清浄度を保証することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本出願の一実施形態における供給装置の三次元概略図である。
図1B図1Aの供給装置の分解図である。
図2A図1Bの第1の流れ誘導部品103の三次元図である。
図2B】第1の流れ誘導部品103の別の実施形態の三次元図である。
図3図1Bの第2の流れ誘導部品104の三次元図である。
図4A】長さ方向に切断した図2Aの第1の流れ誘導部品の三次元図である。
図4B図2Aの第1の流れ誘導部品の断面図である。
図5A】半径方向に切断した図3の第2の流れ誘導部品の三次元図である。
図5B図3の第2の流れ誘導部品の軸方向断面図である。
図6図1Bのガス輸送組立体の三次元図である。
図7図1Bのガス排出組立体の三次元図である。
図8A図1Aの供給装置の部分の断面図である。
図8B図8Aの部分Cの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本明細書の一部をなす添付図面を参照しながら、本出願の種々の特定の実施形態を記載する。「正面」、「背面」、「上」、「下」、「左」、及び「右」等の方向を示す用語が、本出願の種々の実証的な構造部品及び要素を記述するために本出願において用いられているが、これらの用語は、本明細書において単に説明を容易にするために用いられているものであり、図面に示す実証的な方向に基づいて決定されていることが理解されるべきである。本出願に開示されている実施形態は、様々な方向に従って配置することができるので、方向を示すこれらの用語は、単に例示であり、限定とみなされるべきでない。
【0017】
図1Aは、本出願の一実施形態における供給装置である。図1Aにおいて、本出願の発明的な特徴をより明確に示すために、供給装置の一部のみを示す。図1Bは、図1Aの供給装置の分解図である。供給装置は、回路基板等の電子部品の加工に使用される。供給装置は、電子部品を加工するために、はんだペースト又はシリコーングリース等の流体を電子部品の上に供給し、流体を電子部品の表面上又は電子部品の内部に滴下又は拡散する。供給装置によって電子部品が加工される工程において、供給装置内側の空気は、塵等の不純物によって汚染するおそれがあるが、加工が行われる電子部品の領域には、清浄度が比較的高い空気が必要であり、したがって、空気中の塵が、加工が行われている電子部品の領域又は供給される流体に侵入した場合、電子部品の品質に影響が及ぶおそれがある。本出願において提供される供給装置は、この問題を軽減することができる。図1A、1Bは、供給装置の部分を示す。本出願の電子部品に近い空気の清浄度を改善することが可能な構造を示しやすくするために、図1A、1Bにおいては、供給装置の供給組立体、ハウジング及び他の組立体のうちの幾つかを省いている。図1A、1Bに示すように、供給装置は、基部105と、第1のトラック部品101及び第2のトラック部品102と、第1の流れ誘導部品103及び第2の流れ誘導部品104と、ガス輸送組立体110と、ガス排出組立体120とを備える。第1のトラック部品101及び第2のトラック部品102は、加工される電子部品140を保持及び搬送するために使用され、加工される電子部品140の2つの側部は、第1のトラック部品101及び第2のトラック部品102にそれぞれ接触する。基部105は、長さ方向L及び幅方向Wを有する。第1のトラック部品101及び第2のトラック部品102は、幅方向Wにおいて基部105上に並列に配置される。第2のトラック部品102は、固定式に基部105に接続され、基部105の1つの側縁部に配置される。基部105は、長さ方向Lにおいて延在する一対のスライドレール152を備える。第1のトラック部品101は、一対のスライドレール152によって基部105に摺動可能に接続され、種々の仕様の電子部品に適合するために、第1のトラック部品101は、基部105の長さ方向Lにおいて摺動し、これにより、第1のトラック部品101と第2のトラック部品102との間の幅を調整することができる。
【0018】
第1の流れ誘導部品103は、第1のトラック部品101の頂部に接続され、第2の流れ誘導部品104は、第2のトラック部品102の頂部に接続される。ガス輸送組立体110は、第1の流れ誘導部品103と連通し、ガス輸送組立体110は、清浄空気を第1の流れ誘導部品103に供給することができる。ガス排出組立体120は、第2の流れ誘導部品104と連通し、ガス排出組立体120は、第2の流れ誘導部品104内のガスを吸い込んで排出することができる。電子部品140が加工中に塵等の不純物からの干渉を全く受けないか、又は可能な限りそのような干渉を受けないように電子部品140を保護するために、ガス輸送組立体110及びガス排出組立体120の作用下で、清浄空気が第1の流れ誘導部品103から第2の流れ誘導部品104に向かって流れ、加工される電子部品140の上に清浄空気領域を形成する。
【0019】
図2Aは、図1Bの第1の流れ誘導部品103の三次元図である。図2Aに示すように、第1の流れ誘導部品103は、実質的に長いストリップの形態であり、本体210と接続部218及び219とを有する。接続部218及び219は、それぞれ、本体210の長さ方向における2つの端部から外向きに延在し、接続部218及び219は、第1の流れ誘導部品103への接続に使用される。第1の流れ誘導部品103は、第1の内側部214を有する。第1の流れ誘導部品103が第1のトラック部品101に取り付けられると、第1の内側部214は、第2の流れ誘導部品104の方を向く。第1の流れ誘導部品103の本体210の長さ方向における2つの端部には、一対の第1のガス入口202が設けられ、第1の内側部214には、複数の第1のガス出口204が設けられる。一対の第1のガス入口202は、複数の第1のガス出口204と連通する。一対の第1のガス入口202は、清浄空気を第1の流れ誘導部品103へと導くように、ガス輸送組立体110と連通し、清浄空気を第1のガス出口204から排出することができる。
【0020】
本出願の一実施形態において、第1の流れ誘導部品103は、第1のトラック部品101と実質的に同じ長さである。複数の第1のガス出口204は、第1の流れ誘導部品103の長さ方向において分散される。複数のガス出口のうちの最初のガス出口及び最後のガス出口は、それぞれ、第1の流れ誘導部品103の長さ方向における2つの端部に近く、これにより、複数のガス出口204によって生成することができる清浄ガス領域の長さは、第1のトラック部品101の長さに近くなる。清浄ガス領域の長さは、加工される電子部品の上に十分に大きい清浄ガス領域が形成されることを保証するように、加工される電子部品の長さと少なくとも同等である。
【0021】
図2Bは、本出願の流れ誘導部品の別の実施形態であり、図2Aに示す実施形態と同様であり、相違点は、単一の第1のガス出口240が、第1の流れ誘導部品103の長さ方向において延在するように設けられ、これにより、長いストリップの形態で第1のガス出口を形成し、第1のガス出口の長さは、加工される電子部品の長さと同等であることである。この実施形態における第1のガス出口も、或る特定の清浄ガス領域を形成することができる。
【0022】
図3は、図1Bの第2の流れ誘導部品104の三次元図である。第2の流れ誘導部品104の構造は、第1の流れ誘導部品103の構造と同様である。図3に示すように、第2の流れ誘導部品104は、実質的に長いストリップの形態であり、本体310と接続部318及び319とを有する。接続部318及び319は、それぞれ、本体310の長さ方向における2つの端部から外向きに延在し、接続部318及び319は、第2の流れ誘導部品104への接続に使用される。第2の流れ誘導部品104は、第2の内側部314を有する。第2の流れ誘導部品104が第2のトラック部品102に取り付けられると、第2の内側部314は、第1の流れ誘導部品103の方を向く。すなわち、第1の内側部214及び第2の内側部314は、互いに対面するように配置される。第2の流れ誘導部品104の本体310の長さ方向における2つの端部には、一対の第2のガス出口302が設けられ、第2の内側部314には、複数の第2のガス入口304が設けられる。一対の第2のガス出口302は、複数の第2のガス入口304と連通する。一対の第2のガス出口302は、ガス排出組立体120と連通し、これにより、清浄空気は、第2のガス入口304を通して第2の流れ誘導部品104へと導かれ、第2のガス出口302から排出されるようになっている。第2の流れ誘導部品104及び第1の流れ誘導部品103は、構造的に対称であるが、内部ガス流れ方向が異なる。
【0023】
本出願においては、第2の流れ誘導部品104及び第1の流れ誘導部品103は、対称的に配置されるが、他の実施形態においては、第2の流れ誘導部品は第1の流れ誘導部品103とは構造的に異なってもよい。例えば、第2のガス入口304の数及びサイズは、第2のガス入口304が第2の内側部314に配置される限り、第1のガス出口204の数及びサイズとは異なる。第2のガス入口304は、長さ方向において延在する単一の入口としてもよく、又は異なるサイズの複数の入口の組み合わせとしてもよい。
【0024】
図4Aは、長さ方向に切断した図2Aの第1の流れ誘導部品の三次元図であり、図4Bは、線A-Aに沿って切断した図2Aの第1の流れ誘導部品の横断面図である。図4Aに示すように、第1の流れ誘導部品103は、第1の収容キャビティ403と複数の送出チャネル405とを有する。第1の収容キャビティ403は、複数の送出チャネル405と連通する。複数の送出チャネル405は、対応する第1のガス出口204から内向きに第1の収容キャビティ403まで延在する。2つの第1のガス入口202は、第1の収容キャビティ403の2つの端部に配置され、複数の第1のガス出口204のそれぞれは、対応する送出チャネル405及び第1の収容キャビティ403によって第1のガス入口202と連通する。第1のガス入口202の位置及び数は設計要件に従って設定することができることは説明しておかなければならない。1つ以上の第1のガス入口を設けてもよく、これらが第1の収容キャビティ403と連通する限り、第1の流れ誘導部品103の表面の任意の領域に配置してもよい。
【0025】
図4Bに示すように、送出チャネル405は、対応する第1のガス出口204から内側に向かって(すなわち、第1の収容キャビティ403に向かって)徐々に狭まり、送出チャネル405は、サイズが内側から外側まで徐々に増大するフレア形状を有する。このことは、ガスが第1のガス出口204を離れる際に発散形態を有し、電子部品の上の空間を可能な限り充填することができるようにする助けとなる。送出チャネル405は、第1のトラック部品101に垂直な長さ方向における高さが外側から内側まで徐々に減少する限り、規則的なフレア形状を有する必要はない。すなわち、送出チャネル405が、第1の流れ誘導部品103の軸方向断面において内側から外側までサイズが徐々に減少する場合、ガス流の誘導効果を達成することができる。
【0026】
図5Aは、半径方向に切断した図3の第2の流れ誘導部品の三次元図であり、図5Bは、線B-Bに沿って切断した図3の第2の流れ誘導部品の軸方向断面図である。図3並びに図5A、5Bに示すように、第1の流れ誘導部品103と同様に、第2の流れ誘導部品104は、第2の収容キャビティ503と複数の導入チャネル505とを有する。第2の収容キャビティ503は、複数の導入チャネル505と連通する。複数の導入チャネル505は、対応する第2のガス入口304から内向きに(すなわち、第2の収容キャビティ503に向かって)第2の収容キャビティ503まで延在する。2つのガス出口302は、第2の収容キャビティ503の2つの端部に配置され、複数の第2のガス入口304のそれぞれは、対応する導入チャネル505及び第2の収容キャビティ503によって第2のガス出口302と連通する。第2のガス出口302の位置及び数は設計要件に従って設定することができることは説明しておかなければならない。1つ以上の第2のガス出口を設けてもよく、これらが第2の収容キャビティ503と連通する限り、第2の流れ誘導部品104の表面の任意の領域に配置してもよい。
【0027】
図5Bに示すように、第1の流れ誘導部品103と対称をなすように、導入チャネル505は、対応する第2のガス入口304から内側に向かって徐々に狭まり、導入チャネル505は、サイズが内側から外側まで徐々に増大するフレア形状を有する。このことは、ガスを電子部品の上の大きい範囲内に収集しやすくする。同様に、導入チャネル505は、第2のトラック部品102に垂直な長さ方向における高さが外側から内側まで徐々に減少する限り、規則的なフレア形状を有する必要はない。すなわち、導入チャネル505が、第2の流れ誘導部品104の軸方向断面において内側から外側までサイズが徐々に減少する場合、ガス収集の簡易化効果を達成することができる。第2の流れ誘導部品104の導入チャネル505を、内径が均一なチャネルとしてもよいことを説明しておかなければならない。この理由は、第1の流れ誘導部品103の送出チャネル405の形状により、清浄ガスが電子部品の上の領域まで拡散することができることを既に保証することができ、加工の要件が満たされ、第2の流れ誘導部品104は、ガスのこの部分を流出するように誘導することができるだけで済むからである。
【0028】
図6は、図1Bのガス輸送組立体110である。図1Bに示すように、ガス輸送組立体110は、空気濾過装置608と、入口端部630と出口端部640とを備える。入口端部630は、空気を空気濾過装置608内に送達するために、一端が空気濾過装置608と連通し、他端が送風装置と連通する。入口端部630は、入口ダクト635と、流れ調節弁637と、圧力調節弁638とを備え、流れ調節弁637及び圧力調節弁638は、ダクト上に接続され、それぞれ、空気濾過装置608に流入するガスの流量及び圧力を調節する。出口端部640は、出口ダクト645を備える。出口ダクト645は、主管641及び分岐管642を含む。主管641は、一端が空気濾過装置608と連通し、他端が第1の流れ誘導部品103の第1のガス入口202のうちの一方と連通する。分岐管642は、一端が主管641と連通し、他端が第1の流れ誘導部品103の第1のガス入口202のうちの他方と連通する。したがって、環境内の空気は、空気濾過装置608による濾過の後に清浄空気になり、この清浄空気は第1の流れ誘導部品内に送達される。第1の流れ誘導部品103は、高圧清浄空気源と直接連通してもよく、この場合、送風装置及び空気フィルターを更に設ける必要がなくなることを説明しておかなければならない。第1の流れ誘導部品103に流入するガスが、或る特定の圧力を有する清浄空気である限り、本出願の技術的効果を達成することができる。
【0029】
図7は、ガス排出組立体120の三次元図である。図7に示すように、ガス排出組立体120は、ガス排出ダクト740と、真空発生器710と、ガス処理装置720とを備える。ガス排出ダクト740は、主管741及び分岐管742を含む。主管741は、一端が真空発生器710と連通し、他端が第2の流れ誘導部品104の第2のガス出口302と連通する。分岐管742は、一端が主管741と連通し、他端が第2のガス出口302と連通する。真空発生器710は、第2の流れ誘導部品内で或る特定の程度の真空を形成し、これにより、第2の流れ誘導部品のガス出口302を通してガスを流出するように誘導することができる。ガス処理装置720は、真空発生器710と連通し、第2の流れ誘導部品104から流出するガスを濾過して処理する。ガス処理装置720は、供給装置の外側に配置することができる。本出願の一実施形態において、真空発生器はベンチュリチューブであり、或る程度の真空を発生させるように、ガス排出ダクト740及び外部高圧ガス源と別々に連通する。他の実施形態において、真空発生器は、真空ポンプ又は別のガス排出装置としてもよい。
【0030】
図8Aは、図1Aの供給装置の断面図であり、図8Bは、図8Aの供給装置の部分Cの部分拡大図である。図8A、8Bに示すように、第1のトラック部品101及び第2のトラック部品102は、それぞれ、第1のコンベヤベルト811及び第2のコンベヤベルト812を備える。電子部品140は、第1のコンベヤベルト811及び第2のコンベヤベルト812によって保持及び搬送される。第1のコンベヤベルト811及び第2のコンベヤベルト812が電子部品140を加工位置まで搬送すると、電子部品140の2つの側部の縁部が、第1の流れ誘導部品103及び第2の流れ誘導部品104の下側部に当接するまで、クランプ部品(図示せず)は、電子部品140を持ち上げ、このとき、電子部品140は動かなくなり、電子部品140の上に位置する供給組立体(図示せず)は、電子部品140の上面に流体を供給する。電子部品140が加工されると、クランプ部品(図示せず)は下に移動し、電子部品140は第1のコンベヤベルト811及び第2のコンベヤベルト812と再び接触し、これにより、供給装置から離れるように搬送される。この実施形態において、第1の流れ誘導部品103の第1の内側部214と、第2の流れ誘導部品104の第2の内側部314との間の距離は、電子部品140の幅よりも小さく、第1の流れ誘導部品103及び第2の流れ誘導部品104は、クランプ部品(図示せず)と協働して、加工が行われる位置に電子部品140を固定する。別の実施形態において、電子部品140は、別の対応する機械的構造とクランプ部品(図示せず)との協働によって、加工が行われる位置に固定してもよい。このとき、第1の流れ誘導部品103及び第2の流れ誘導部品104は、加工される電子部品140と接触しないが、第1の流れ誘導部品103と第2の流れ誘導部品104との間の幅は、加工される電子部品の幅と実質的に同様である。第1の流れ誘導部品103と第2の流れ誘導部品104との間の妥当な距離により、使用する清浄空気の量を削減するために電子部品140の加工要件を満たしながら、電子部品140の上の清浄空気領域は、清浄空気が必要ない周辺領域には拡散する量が可能な限り少ないことを保証することができる。
【0031】
別の実施形態において、第1のトラック部品101及び第2のトラック部品102は、コンベヤベルトを備える必要はない。電子部品140を加工が行われる位置に置くために、電子部品140を対応する機械装置によって把持してもよい。
【0032】
電子部品140が、加工が行われる位置に達して締められると、清浄ガスは、第1の流れ誘導部品103の第1の内側部214の第1のガス出口204を通して排出される。送出チャネル205がフレア状であるため、ガスは、矢印802によって示す方向において流出し、これにより、電子部品140の上に清浄ガス領域801が形成される。清浄ガス領域801内のガスの大半は、矢印803に沿って第2の流れ誘導部品104の第2の内側部314を通して吸入され、ガス処理装置720内で処置された後に排出される。第1の流れ誘導部品103と第2の流れ誘導部品104との協働により、電子部品140の上に形成される清浄ガス領域801は、比較的集中している。清浄ガス領域801は、供給部品が加工中に流体を供給する領域であり、清浄ガス領域801は加工品質を保証することができる。第1の流れ誘導部品103と第2の流れ誘導部品104との協働は結果として、清浄ガス領域の範囲が小さくなり、比較的集中することになり、他の不要な領域への清浄ガスの拡散が避けられ、清浄ガスの利用度が高く、使用する清浄ガスの量が少なくなるため、エネルギー損失を削減することができる。
【0033】
本出願の一部の特徴しか本明細書には図示及び記載されていないが、当業者であれば、多くの改良及び変更を行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本出願の本質的な趣旨の範囲内に含まれる上述の改良及び変更の全てを包含するように意図されている。
【符号の説明】
【0034】
101 第1のトラック部品
102 第2のトラック部品
103 誘導部品
104 誘導部品
105 基部
110 ガス輸送組立体
120 ガス排出組立体
140 電子部品
152 スライドレール
202 第1のガス入口
204 第1のガス出口
205 送出チャネル
210 本体
214 第1の内側部
218 接続部
219 接続部
240 第1のガス出口
302 第2のガス出口
303 第2のガス出口
304 第2のガス入口
310 本体
314 第2の内側部
318 接続部
319 接続部
403 第1の収容キャビティ
405 送出チャネル
503 第2の収容キャビティ
505 導入チャネル
608 空気濾過装置
630 入口端部
635 入口ダクト
637 調節弁
638 圧力調節弁
640 出口端部
641 主管
642 分岐管
645 出口ダクト
710 真空発生器
720 ガス処理装置
740 ガス排出ダクト
741 主管
742 分岐管
801 清浄ガス領域
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
【国際調査報告】