(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】蛍光染料及びその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
C09B 55/00 20060101AFI20230428BHJP
C07D 233/70 20060101ALI20230428BHJP
C07D 233/84 20060101ALI20230428BHJP
C07D 401/06 20060101ALI20230428BHJP
C07D 413/06 20060101ALI20230428BHJP
C07D 403/06 20060101ALI20230428BHJP
C07D 455/04 20060101ALI20230428BHJP
C12Q 1/68 20180101ALI20230428BHJP
C12N 15/115 20100101ALN20230428BHJP
【FI】
C09B55/00 A
C07D233/70
C07D233/84
C07D401/06
C07D413/06
C07D403/06
C07D455/04
C12Q1/68 ZNA
C12N15/115 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557983
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 CN2021080926
(87)【国際公開番号】W WO2021190346
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】202010207772.8
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521398149
【氏名又は名称】フルオレッセンス ダイアグノシス(シャンハイ) バイオテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】チャン ダーシェン
【テーマコード(参考)】
4B063
4C063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR35
4B063QR55
4B063QR56
4B063QS32
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX01
4C063AA01
4C063BB03
4C063CC25
4C063CC29
4C063CC34
4C063CC54
4C063DD11
4C063DD12
4C063DD14
4C063DD25
4C063EE10
(57)【要約】
本発明は、蛍光染料及びその製造方法と使用であって、前記蛍光染料は、粘度応答に敏感かつ特異的であり、バックグラウンド蛍光が低いなどの利点を有し、更には、蛍光活性化発生型プローブとして、タンパク質、酵素又は核酸の蛍光標識、定量又は検出にも使用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される蛍光染料であって、
【化1】
式中、
Arは、アリーレン基又はヘテロアリーレン基であり、Arにおける水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよく、D-は、HO-又はN(X
1)(X
2)-であり、X
1、X
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル基又は変性アルキル基から選択され、X
1、X
2は互いに結合して、N原子と共に脂肪族複素環を形成してもよく、X
1、X
2は独立して、Arと脂肪族複素環を形成してもよく、
Yは、O又はSであり、
R
1は、水素又はアルキル基であり、
R
2は、ハロゲン原子、-OH又は-CNであり、
ただし、前記「アルキル基」は、C
1-C
10直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、C
1-C
6直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよく、C
1-C
4直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、イソアミル基、1-エチルプロピル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、イソヘキシル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基又は2,2,3-トリメチルブチルから選択されてもよく、
前記「変性アルキル基」はそれぞれ独立して、C
1-C
16直鎖又は分岐鎖のアルキル基の任意の炭素原子が、ハロゲン原子、-OH、-CO-、-O-、-CN、-SO
3H、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基から選択される1種又は複数種の基で置換された基であり、あるいは、その炭素-炭素単結合が独立して炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合で置換されてもよく、
前記炭素原子の置換とは、炭素原子が、あるいは炭素原子がその上の水素原子と共に、対応する基で置換されることであり、
前記「ハロゲン原子」はそれぞれ独立して、F、Cl、Br又はIであり、
前記「脂肪族複素環」は、環中にN、O、S又はSiのうちの1種又は複数種のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4~15員の単環又は多環脂肪族複素環であり、前記脂肪族複素環中にS原子を有する場合、-S-、-SO-又は-SO
2-であり、前記脂肪族複素環は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール又は変性アルキル基で置換されてもよく、
前記「アリーレン基」はそれぞれ独立して、5~13員(6員又は10員であってもよい)の単環又は二環又は縮合二環又は縮合多環のアリーレン基であり、
前記「ヘテロアリーレン基」はそれぞれ独立して、環中にN、O、S又はSiから選択される1種又は複数種のヘテロ原子を有する5~13員(6員又は10員であってもよい)の単環又は二環又は縮合二環又は縮合多環のヘテロアリーレン基であり、
前記「一級アミノ基」は、R’NH
2基であり、
前記「二級アミノ基」は、R’NHR’’基であり、
前記「三級アミノ基」は、R’NR’’R’’’基であり、
各R’、R’’、R’’’はそれぞれ独立して、一重結合、水素、アルキル基、アルキレン基であり、
前記「アルキレン基」は、C
1-C
10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、C
1-C
7直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であってもよく、C
1-C
5直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であってもよい、蛍光染料。
【請求項2】
前記「変性アルキル基」は、-OH、-O-、-NH
2、エチレングリコール単位(-(CH
2CH
2O)
n-)、-CN、-O-CO-、-NH-CO-、-SO
2-O-、-SO-、Me
2N-、Et
2N-、-CH=CH-、-C≡CH、F、Cl、Br、I、シアノ基から選択される1種又は複数種の基を有することを特徴とする請求項1に記載の蛍光染料。
【請求項3】
前記Arは、下式(II-1)~(II-7)から選択される構造であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光染料。
【化2】
【請求項4】
前記式(I)で示される化合物は、下式化合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の蛍光染料。
【化3】
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光染料を製造する方法であって、式(a)化合物と式(b)化合物がアルドール縮合反応を行う工程を含むことを特徴とする製造方法。
【化4】
【請求項6】
疾患の診断方法用ではない使用であって、請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光染料の、粘度測定、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出のための使用。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光染料の、粘度測定、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出用の試薬を製造するための使用。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光染料を含む蛍光活性化発生型プローブ。
【請求項9】
疾患の診断方法用ではない使用であって、請求項8に記載の蛍光活性化発生型プローブの、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出のための使用。
【請求項10】
請求項8に記載の蛍光活性化発生型プローブの、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出用の試薬を製造するための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光染料の技術分野に関し、詳しくは、粘度応答性で、バックグラウンド蛍光の低い蛍光染料及びその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光タンパク質の発色団は主に、イミダゾリノン系染料であり、この系の染料は、比較的良い生体適合性を有すると同時に、光安定性が良好で、蛍光性質が調整可能であるなどの利点を有する。研究では、この系の染料が1種の分子ローターであり、その蛍光性質は粘度変化に応じて変化し、光を照射して励起された後、遊離状態の分子ローターは、励起状態の分子内の歪みによって、励起状態エネルギーを非放射の形で放出する。分子が粘度の比較的大きい又は比較的剛性である環境にある場合には、励起状態の分子内の歪みが制限され、励起状態エネルギーは主に放射発光の形で放出し、蛍光が強まる性質を示すことを見出した。したがって、分子ローターは微環境の変化の検出などによく利用される。
【0003】
現在、分子ローターの分子内の歪みの制限による発光は、粘度測定に用いられる他、蛍光センサーの構築、タンパク質の標識、核酸の標識などにも広く応用されている。例えば、DCVJがBSAなどのタンパク質と結合した後、分子ローターの励起状態の分子内の歪みが制限され、励起状態エネルギーを放射発光の形で放出し、蛍光活性化を示すことによって、標的タンパク質の検出、定量などに利用される。チアゾールオレンジなどの染料はDNA、RNAと結合した後、分子立体配座が制限されることで、蛍光を発生することによって、DNA、RNAの無洗浄標識と検出に利用される。DHBIを標的分子として、SELEXによってスクリーニングしてそれと特異的に結合できるアプタマーを得て、蛍光アプタマーを構築し、天然蛍光RNAがないという課題を解決し、蛍光RNAの構築が可能となった。マラカイトグリーンなどを標的分子として、ファージディスプレイ技術によって、マラカイトグリーン誘導体と特異的に結合し蛍光を活性化することができる一本鎖抗体を得て、細胞膜タンパク質の標識に利用される。BODIPYなどの分子ローターは、アミロイドタンパク質、tuaタンパク質と結合し蛍光を発生することによって、アルツハイマー病、パーキンソン病などの疾患の研究などに利用される。
【0004】
しかし、完全に蛍光タンパク質発色団に由来するイミダゾリノン系分子ローターの種類が非常に限られているが、有機合成方法によって改造することで、イミダゾリノンのスペクトル範囲を極めて大幅に拡大すると同時に、他の性質、例えば、光安定性、油水分配係数などを効果的に調整できる。しかし、現状では、この方法で得られる分子ローターは、普遍的に蛍光バックグラウンドが高い欠点を有するため、検出の信号対雑音比が比較的低いことから、サンプル量が少なく、成分が複雑で、及び基質の存在量が比較的低いサンプル類の検出と標識に応用し難い。したがって、バックグラウンド蛍光が低いイミダゾリノン系分子ローターの開発が必需であり、これによってこの種の分子ローターの使用を拡大することができる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、粘度応答性を有し、バックグラウンド蛍光の低い蛍光染料を提供することであって、この種の分子ローターの粘度応答性の発現は、10-5molの条件で、グリセリンでの蛍光強度とメタノールでの蛍光強度との比が10よりも大きい。
【0006】
本発明の一側面では、式(I)で示される蛍光染料を提供することである。
【0007】
【0008】
式中:
Arは、アリーレン基又はヘテロアリーレン基であり、Arにおける水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよく、D-は、HO-又はN(X1)(X2)-であり、X1、X2はそれぞれ独立して、水素、アルキル基又は変性アルキル基から選択され、X1、X2は互いに結合して、N原子と共に脂肪族複素環を形成してもよく、X1、X2は独立して、Arと脂肪族複素環を形成してもよく、
Yは、O又はSであり、
R1は、水素又はアルキル基であり、
R2は、ハロゲン原子、-OH又は-CNであり、
ただし、前記「アルキル基」は、C1-C10直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、C1-C6直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよく、C1-C4直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、イソアミル基、1-エチルプロピル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、イソヘキシル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基又は2,2,3-トリメチルブチルから選択されてもよく、
前記「変性アルキル基」はそれぞれ独立して、C1-C16直鎖又は分岐鎖のアルキル基的の任意の炭素原子が、ハロゲン原子、-OH、-CO-、-O-、-CN、-SO3H、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基から選択される1種又は複数種の基で置換された基であり、あるいは、その炭素-炭素単結合が独立して炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合で置換されてもよく、
前記炭素原子の置換とは、炭素原子が、あるいは炭素原子がその上の水素原子と共に、対応する基で置換されることであり、
前記「ハロゲン原子」はそれぞれ独立して、F、Cl、Br又はIであり、
前記「脂肪族複素環」は、環中にN、O、S又はSiのうちの1種又は複数種のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4~15員の単環又は多環脂肪族複素環であり、前記脂肪族複素環中にS原子を有する場合、-S-、-SO-又は-SO2-であり、前記脂肪族複素環は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール又は変性アルキル基で置換されてもよく、
前記「アリーレン基」はそれぞれ独立して、5~13員(6員又は10員であってもよい)の単環又は二環又は縮合二環又は縮合多環のアリーレン基であり、
前記「ヘテロアリーレン基」はそれぞれ独立して、環中にN、O、S又はSiから選択される1種又は複数種のヘテロ原子を有する5~13員(6員又は10員であってもよい)の単環又は二環又は縮合二環又は縮合多環のヘテロアリーレン基であり、
前記「一級アミノ基」は、R’NH2基であり、
前記「二級アミノ基」は、R’NHR’’基であり、
前記「三級アミノ基」は、R’NR’’R’’’基であり、
各R’、R’’、R’’’はそれぞれ独立して、一重結合、水素、アルキル基、アルキレン基であり、
前記「アルキレン基」は、C1-C10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、C1-C7直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であってもよく、C1-C5直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であってもよく、
好ましくは、前記「変性アルキル基」は、-OH、-O-、-NH2、エチレングリコール単位(-(CH2CH2O)n-)、-CN、-O-CO-、-NH-CO-、-SO2-O-、-SO-、Me2N-、Et2N-、-CH=CH-、-C≡CH、F、Cl、Br、I、シアノ基から選択される1種又は複数種の基を有し、
好ましくは、Arは、下式(II-1)~(II-7)から選択される構造であり、
【0009】
【0010】
好ましくは、式(I)で示される化合物は、下式化合物から選択される。
【0011】
【0012】
本発明の第2の側面では、上記の蛍光染料を製造する方法であって、式(a)化合物と式(b)化合物がアルドール縮合反応を行う工程を含むことを特徴とする製造方法を提供することである。
【0013】
【0014】
本発明の第3の側面では、疾患の診断方法用ではない使用であって、上記の蛍光染料の、粘度測定、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出のための使用を提供することである。
【0015】
本発明の第4の側面では、上記の蛍光染料の、粘度測定、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出用の試薬を製造するための使用を提供することである。
【0016】
本発明の第5の側面では、上記蛍光染料を含む蛍光活性化発生型プローブを提供することである。
【0017】
本発明の第6の側面では、疾患の診断方法用ではない使用であって、上記の蛍光活性化発生型プローブの、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出のための使用を提供することである。
【0018】
本発明の第7の側面では、上記の蛍光活性化発生型プローブの、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出用の試薬を製造するための使用を提供することである。
【0019】
本発明による蛍光染料は、サンプルの粘度測定に使用でき、例えば、微視的粘度の測定に適する。別の側面の具体的な実施形態によれば、得られた蛍光染料は、対応する抗体、アプタマー又はアミロイドタンパク質などと特異的に結合でき、あるいはリガンド又は阻害剤を介してタンパク質タグ又は酵素と結合でき、一連の蛍光活性化発生型プローブを得て、タンパク質、酵素又は核酸の蛍光標識、定量又はモニタリングに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】分子ローターIV-1(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図2】分子ローターIV-2(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図3】分子ローターIV-3(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図4】分子ローターIV-4(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図5】分子ローターIV-5(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図6】分子ローターIV-6(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図7】分子ローターIV-17(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図8】分子ローターIV-18(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図9】分子ローターIV-19(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図10】分子ローターIV-20(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図11】分子ローターIV-21(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図12】分子ローターIV-22(1×10
-5M)の異なる粘度条件での蛍光放射強度図である。
【
図13】分子ローターIV-39、IV-40、IV-44とIV-1、IV-2、IV-3、IV-4、IV-5、IV-6、IV-7、IV-8(1×10
-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンド比較図である。
【
図14】分子ローターIV-41、IV-43とIV-17、IV-18、IV-19、IV-20、IV-21、IV-22(1×10
-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンド比較図である。
【
図15】分子ローターIV-42とIV-36(1×10
-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンド比較図である。
【
図16】分子ローターIV-45、IV-46とIV-3(1×10
-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンド比較図である。
【
図17】分子ローターIV-47、IV-48とIV-20(1×10
-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンド比較図である。
【
図18】分子ローターIV-49、IV-50とIV-5(1×10
-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンド比較図である。
【
図19】分子ローターIV-51とIV-1(1×10
-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンド比較図である。
【
図20】分子ローターIV-1、IV-2、IV-3、IV-4、IV-5、IV-6、IV-17、IV-18、IV-19、IV-20、IV-21、IV-22を細胞内RNAアプタマーの標識に使用し、そのうち、Aは標的RNAアプタマーを発現した細胞であり、Bは標的RNAアプタマーを発現していない細胞である。
【
図21】分子ローターIV-21とIV-41でmRNAを標識する検出フローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施例1:
化合物IV-1
【0022】
【0023】
化合物1(0.504g、2mmol)、p-シアノベンズアルデヒド(0.626g、5mmol)を250ml丸形フラスコに取り、100mlのテトラヒドロフランを加えて溶解し、Ar保護条件で、無水塩化亜鉛(0.545g、4mmol)を加えて、系を80℃条件でオイルバスで加熱還流し、TLCで測定し、反応終了後、溶媒を真空除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して目的の生成物(0.292g、40%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.07(s,1H),8.10(d,J=8.5Hz,2H),8.06(dd,J=7.8,2.1Hz,2H),8.03(s,1H),7.94(d,J=8.3Hz,2H),7.44(d,J=15.9Hz,1H),7.03(s,1H),3.29(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C20H13F2N3O2 365.0976;found 364.0902,[M-H]-。
【0024】
実施例2:
化合物IV-2
【0025】
【0026】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.475g、65%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.04(s,1H),8.49(d,J=1.9Hz,1H),8.21(dt,J=8.0,1.4Hz,1H),8.10-8.02(m,2H),8.00(s,1H),7.88(dt,J=7.7,1.4Hz,1H),7.67(t,J=7.8Hz,1H),7.43(d,J=16.0Hz,1H),7.01(s,1H),3.29(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C20H13F2N3O2 365.0976;found 364.0903,[M-H]-。
【0027】
実施例3:
化合物IV-3
【0028】
【0029】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.221g、31%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 10.94(s,1H),10.11(s,1H),8.07-8.01(m,2H),7.95(d,J=15.7Hz,1H),7.74(d,J=8.7Hz,2H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),6.90(s,1H),6.87-6.83(m,2H),3.26(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H14F2N2O3 356.0972;found 355.0901,[M-H]-。
【0030】
実施例4:
化合物IV-4
【0031】
【0032】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.207g、29%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 9.70(s,1H),8.05(d,J=8.9Hz,2H),7.98-7.89(m,1H),7.30(t,J=6.2Hz,1H),7.26(d,J=8.9Hz,1H),7.15(d,J=15.8Hz,1H),6.97(s,1H),6.87(d,J=7.5Hz,1H),3.27(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H14F2N2O3 356.0972;found 355.0900,[M-H]-。
【0033】
実施例5:
化合物IV-5
【0034】
【0035】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.186g、26%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.16(d,J=8.5Hz,2H),7.99-7.86(m,3H),7.31(t,J=8.9Hz,2H),7.18(d,J=15.9Hz,1H),6.95(s,1H),6.83-6.72(m,2H),3.59(t,J=5.9Hz,2H),3.51(t,J=5.9Hz,2H),3.27(s,3H),3.05(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H13F3N2O2 358.0929;found 357.0856,[M-H]-。
【0036】
実施例6:
化合物IV-6
【0037】
【0038】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.222g、31%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.02(s,1H),8.09-8.03(m,2H),8.01(d,J=15.8Hz,1H),7.85(dt,J=10.6,2.1Hz,1H),7.72(d,J=7.8Hz,1H),7.51(td,J=8.0,6.1Hz,1H),7.34(d,J=15.9Hz,1H),7.28(td,J=8.7、2.7Hz,1H),7.00(s,1H),3.28(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H13F3N2O2 358.0929;found 357.0857,[M-H]-。
【0039】
実施例7:
化合物2
【0040】
【0041】
化合物IV-5(0.716g、2.0mmol)、t-ブチルジメチルクロロシラン(0.450g、3.0mmol)、イミダゾール(0.204g、3.0mmol)を100ml丸形フラスコに取り、50mlの乾燥ジメチルホルムアミドを加えて溶解し、Ar保護条件で室温で撹拌し、TLCで測定し、反応終了後、系を150mlの水に注いで、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して化合物2(0.927g、98%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.16(d,J=8.5Hz,2H),7.99-7.86(m,3H),7.31(t,J=8.9Hz,2H),7.18(d,J=15.9Hz,1H),6.95(s,1H),6.83-6.72(m,2H),3.59(t,J=5.9Hz,2H),3.51(t,J=5.9Hz,2H),3.27(s,3H),3.05(s,3H),1.50(s,9H),0.2(s,6H).MS(ESI):m/z Calcd.For C25H28F3N2O2Si 473.2;found 473.2,[M+H]+。
【0042】
化合物IV-7
【0043】
【0044】
化合物2(0.473g、1mmol)、ローソン試薬(0.808g、2mmol)を250ml三つ口フラスコに取り、100mlのトルエンを加えて溶解し、アニリンを2滴加えて、Ar保護条件でオイルバスで加熱還流し、TLCで測定し、反応終了後、減圧で溶媒を除去し、残留物を50mlのジクロロメタンに溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.313g、1.2mmol)を加えて、Ar保護条件で室温で撹拌し、TLCで測定し、反応終了後、減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して化合物IV-7(0.209g、56%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.17(d,J=8.5Hz,2H),7.98-7.86(m,3H),7.31(t,J=8.9Hz,2H),7.18(d,J=15.9Hz,1H),6.95(s,1H),6.83-6.72(m,2H),3.59(t,J=5.9Hz,2H),3.51(t,J=5.9Hz,2H),3.27(s,3H),3.05(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H13F3N2NaOS 397.0598;found 397.0597,[M+Na]+。
【0045】
実施例8:
化合物3
【0046】
【0047】
化合物2の合成手順に従った(0.932g、99%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.10(d,J=8.5Hz,2H),8.06(dd,J=7.8,2.1Hz,2H),8.03(s,1H),7.94(d,J=8.3Hz,2H),7.44(d,J=15.9Hz,1H),7.03(s,1H),3.29(s,3H),1.51(s,9H),0.29(s,9H).MS(ESI):m/z Calcd.For C26H28F2N3O2Si 480.2;found 480.2,[M+H]+。
【0048】
化合物IV-8
【0049】
【0050】
化合物IV-7の合成手順に従った(0.332g、49%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.00(s,1H),8.11(d,J=8.5Hz,2H),8.07(dd,J=7.8,2.1Hz,2H),8.04(s,1H),7.94(d,J=8.3Hz,2H),7.44(d,J=15.9Hz,1H),7.03(s,1H),3.29(s,3H).HMS(ESI):m/z Calcd.For C20H13F2N3NaOS 404.0645;found 404.0646,[M+Na]+。
【0051】
実施例9:
化合物5
【0052】
【0053】
3-フルオロ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(0.560g、4.0mmol)を100ml丸形フラスコに取り、40mlの無水エタノールを加えて溶解し、10gの無水硫酸ナトリウム、5mlの33%メチルアミン水溶液を加えて、Ar保護条件で室温で24h撹拌し、ろ過し、加圧で有機溶媒を除去し、残留物を10mlの無水エタノールに溶解し、化合物4(0.790g、5.0mmol)を加えて、Ar保護条件で室温で一晩撹拌し、翌日にろ過し、冷エタノールで3回リンスして化合物5(0.796g、85%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 10.52(s,1H),8.19(m,1H),7.76(m,1H),6.99(t,J=8.8Hz,1H),6.89(s,1H),3.09(s,3H),2.34(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C12H10FN2O2 234.2;found 234.2,[M-H]-。
【0054】
化合物IV-9
【0055】
【0056】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.239g、21%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 10.52(s,1H),8.11(d,J=8.5Hz,2H),8.07(d,J=7.8Hz,2H),7.84(d,J=8.0Hz,1H),7.67(d,J=8.4Hz,1H),7.32(m,1H),6.99(t,J=8.8Hz,1H),6.89(s,1H),6.78(m,1H),2.34(s,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C20H13FN3O2 346.0997;found 346.0998,[M-H]-。
【0057】
実施例10:
化合物6
【0058】
【0059】
化合物5の合成手順に従った(0.812g、91%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.28(s,1H),7.19(d,J=8.0Hz,2H),3.59(t,J=5.6Hz,3H),3.12(s,3H),1.23(q,J=5.6Hz,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C13H11ClFN2O2 281.0;found 281.0,[M-H]-。
化合物IV-10
【0060】
【0061】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.239g、21%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.84(s,2H),7.28(s,1H),7.19(d,J=8.0Hz,2H),3.12(s,3H),1.23(q,J=5.6Hz,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C21H14ClFN3O2 395.0837;found 394.0764,[M-H]-。
【0062】
実施例11:
化合物7
【0063】
【0064】
化合物5の合成手順に従った(0.812g、91%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.28(s,1H),7.19(d,J=8.0Hz,2H),3.81(s,3H),3.12(s,3H),3.12(s,3H),1.58(m,1H),1.11(d,6H).MS(ESI):m/z Calcd.For C15H15BrFN2O2 353.0;found 3.0,[M-H]-。
【0065】
化合物IV-11
【0066】
【0067】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.209g、22%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 8.15(d,J=8.8Hz,2H),7.95(d,J=15.7Hz,1H),7.74(d,J=8.7Hz,2H),7.28(s,1H),7.19(d,J=8.0Hz,2H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),6.87-6.83(m,2H),3.12(s,3H),1.58(m,1H),1.11(d,6H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C23H19BrFN3O2 467.0645;found 466.0572,[M-H]-。
【0068】
実施例12:
化合物8
【0069】
【0070】
化合物5の合成手順に従った(0.812g、91%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),6.95(s,1H),3.79(t,J=5.2Hz,2H),3.35(s,3H),2.39(t,J=4.8Hz,2H),1.40(m,2H),1.20(t,J=4.8Hz,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C14H214FIN2O2 388.0;found 388.0,[M-H]-。
【0071】
化合物IV-12
【0072】
【0073】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.156g、18%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),7.98-7.86(m,3H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),7.31(t,J=8.9Hz,2H),7.18(d,J=15.9Hz,1H),6.95(s,1H),3.79(t,J=5.2Hz,2H),3.35(s,3H),2.39(t,J=4.8Hz,2H),1.40(m,2H),1.20(t,J=4.8Hz,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C21H17ClFIN2O2 510.0007;found 408.9936,[M-H]-。
【0074】
実施例13:
化合物9
【0075】
【0076】
化合物5の合成手順に従った(0.732g、93%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),6.95(s,1H),3.10(s,3H),2.39(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C12H10Cl2N2O3 284.0;found 283.0,[M-H]-。
【0077】
化合物IV-13
【0078】
【0079】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.156g、18%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),8.07-8.01(m,2H),7.95(d,J=15.7Hz,1H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),6.95(s,1H),6.87-6.83(m,2H),3.10(s,3H),2.39(s,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C19H13BrCl2N2O2 449.9537;found 448.9455,[M-H]-。
【0080】
実施例14:
化合物10
【0081】
【0082】
化合物5の合成手順に従った(0.732g、93%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 10.52(s,1H),8.19(m,1H),7.76(m,1H),6.99(t,J=8.8Hz,1H),6.89(s,1H),3.01(q,J=4.8Hz,2H),2.34(s,3H),1.21(t,J=4.8Hz,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C13H13ClN2O2 264.1;found 263.1,[M-H]-。
【0083】
化合物IV-13
【0084】
【0085】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.156g、18%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 10.52(s,1H),8.19(m,1H),8.07-8.01(m,2H),7.95(d,J=15.7Hz,1H),7.76(m,1H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),6.99(t,J=8.8Hz,1H),6.89(s,1H),6.87-6.83(m,2H),3.01(q,J=4.8Hz,2H),2.34(s,3H),1.21(t,J=4.8Hz,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C21H13ClIN2O2 486.9716;found 486.9715,[M-H]-。
【0086】
実施例15:
化合物11
【0087】
【0088】
化合物5の合成手順に従った(0.732g、93%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),8.19(m,1H),7.76(m,1H),6.99(t,J=8.8Hz,1H),6.89(s,1H),3.05(s,3H),2.34(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C12H11BrN2O2 294.0;found 293.0,[M-H]-。
【0089】
化合物IV-15
【0090】
【0091】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.156g、18%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),8.19(m,1H),7.95(d,J=15.7Hz,1H),7.76(m,1H),7.49(m,1H),7.40-7.22(m,3H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),6.99(t,J=8.8Hz,1H),6.89(s,1H),3.05(s,2H),2.34(s,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C19H14BrClN2O2 415.9927;found 414.9854,[M-H]-。
【0092】
実施例16:
化合物9
【0093】
【0094】
化合物5の合成手順に従った(0.732g、93%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),6.95(s,1H),2.39(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C11H8Cl2N2O2 270.0;found 271.0,[M+H][M+H]-。
【0095】
化合物IV-16
【0096】
【0097】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.156g、18%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),8.07-8.01(m,2H),7.95(d,J=15.7Hz,1H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),6.95(s,1H),6.87-6.83(m,2H),2.39(s,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C18H11BrCl2N2O2 435.9381;found 436.9459,[M+H][M+H]-。
【0098】
実施例17:
化合物IV-17
【0099】
【0100】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.286g、28%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.15(d,J=8.6Hz,2H),7.82(d,J=15.8Hz,1H),7.31-7.22(m,2H),7.21-7.17(m,1H),7.10(d,J=15.8Hz,1H),6.94(s,1H),6.88-6.73(m,3H),3.59(t,J=5.8Hz,2H),3.51(t,J=6.0Hz,2H),3.26(s,3H),3.05(s,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C22H24N3O3 378.1818;found 378.1819,[M+H]+。
【0101】
実施例18:
化合物IV-18
【0102】
【0103】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.486g、60%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.43(d,J=1.8Hz,1H),8.16(t,J=8.5Hz,3H),7.93(d,J=15.9Hz,1H),7.85(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.66(t,J=7.8Hz,1H),7.40(d,J=15.9Hz,1H),6.98(s,1H),6.86-6.71(m,2H),3.60(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.9Hz,2H),3.28(s,3H),3.06(s,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C23H23N4O2 387.1821;found 387.1822,[M+H]+。
【0104】
実施例19:
化合物IV-19
【0105】
【0106】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.286g、38%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.17(d,J=8.6Hz,2H),7.91(d,J=15.8Hz,1H),7.79(dt,J=10.6,2.1Hz,1H),7.66(d,J=7.8Hz,1H),7.50(td,J=8.0,6.2Hz,1H),7.34-7.20(m,2H),6.97(s,1H),6.84-6.73(m,2H),3.59(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.9Hz,2H),3.27(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C22H23N3O3F 380.1774;found 380.1775,[M+H]+。
【0107】
実施例20:
化合物IV-20
【0108】
【0109】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.222g、30%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):8.14(d,J=8.5Hz,2H),7.84(d,J=15.7Hz,1H),7.68(d,J=8.4Hz,2H),6.97(d,J=15.8Hz,1H),6.88(s,1H),6.84(d,J=8.5Hz,2H),6.79(d,J=8.8Hz,2H),3.59(q,J=5.4Hz,2H),3.51(t,J=5.9Hz,2H),3.24(s,3H),3.05(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C22H24N3O3 378.1818;found 378.1819,[M+H]+。
【0110】
実施例21:
化合物IV-21
【0111】
【0112】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.352g、56%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.18(d,J=8.5Hz,2H),8.08-8.02(m,2H),7.98-7.90(m,3H),7.40(d,J=15.9Hz,1H),7.00(s,1H),6.86-6.72(m,2H),3.60(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.6Hz,2H),3.28(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C23H23N4O2 387.1821;found 387.1820,[M+H]+。
【0113】
実施例22:
化合物IV-22
【0114】
【0115】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.252g、32%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.16(d,J=8.5Hz,2H),7.93(t,J=4.4Hz,2H),7.90(d,J=6.1Hz,1H),7.31(t,J=8.9Hz,2H),7.18(d,J=15.9Hz,1H),6.95(s,1H),6.83-6.72(m,2H),3.59(t,J=5.9Hz,2H),3.51(t,J=5.9Hz,2H),3.27(s,3H),3.05(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C22H23FN3O2 380.1774;found 380.1775,[M+H]+。
【0116】
実施例23:
化合物13
【0117】
【0118】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.252g、32%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.43(d,J=1.8Hz,1H),8.16(t,J=8.5Hz,3H),7.93(d,J=15.9Hz,1H),7.85(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.66(t,J=7.8Hz,1H),7.40(d,J=15.9Hz,1H),6.98(s,1H),6.86-6.71(m,2H),3.60(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.9Hz,2H),3.28(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C23H23N4O2 387.2;found 387.2,[M+H]+。
【0119】
化合物14
【0120】
【0121】
化合物13(0.774g、2.0mmol)、炭酸カリウム(0.276g、2.0mmol)を250ml丸形フラスコに取り、100mlのアセトニトリルを加えて溶解し、Ar保護条件で2mlの臭化アリルを加えて、オイルバスで加熱還流し、TLCで測定し、反応終了後、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して化合物18(0.673g、79%)を得た。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.43(d,J=1.8Hz,1H),8.16(t,J=8.5Hz,3H),7.93(d,J=15.9Hz,1H),7.85(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.66(t,J=7.8Hz,1H),7.40(d,J=15.9Hz,1H),6.98(s,1H),6.86-6.71(m,2H),3.81(s,2H),3.60(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.9Hz,2H),3.41(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C26H27N4O2 427.2;found 427.2,[M+H]+。
【0122】
化合物IV-14
【0123】
【0124】
化合物IV-7の合成手順に従った(0.152g、72%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.43(d,J=1.8Hz,1H),8.16(t,J=8.5Hz,3H),7.93(d,J=15.9Hz,1H),7.85(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.66(t,J=7.8Hz,1H),7.40(d,J=15.9Hz,1H),6.98(s,1H),6.86-6.71(m,2H),3.81(s,2H),3.60(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.9Hz,2H),3.41(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C26H27N4OS 443.1906;found 443.1905,[M+H]+。
【0125】
実施例24:
化合物15
【0126】
【0127】
化合物5の合成手順に従った(0.692g、82%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ =8.02(d,J=2.4Hz,1H),7.44(dd,J=8.7Hz,J=2.4Hz,1H),7.09(s,1H),6.51(d,J=8.7Hz,1H),3.56(t,J HH=7.6Hz,2H),3.08(s,6H),1.66(m,2H),2.38(s,3H),0.95(t,J=7.6Hz,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C15H21N4O 273.2;found 273.2,[M+H]+。
【0128】
化合物16
【0129】
【0130】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.452g、34%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ =8.02(d,J=2.4Hz,1H),7.95(m,2H),7.68-7.50(m,1H),7.44(dd,J=8.7Hz,J=2.4Hz,1H),7.34-7.06(m,2H),7.09(s,1H),7.00(d,J=15.7Hz,1H),6.51(d,J=8.7Hz,1H),3.56(t,J HH=7.6Hz,2H),3.08(s,6H),1.66(m,2H),2.38(s,3H),0.95(t,J=7.6Hz,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C22H24FN4O 379.2;found 379.2,[M+H]+。
【0131】
化合物IV-24
【0132】
【0133】
化合物IV-7の合成手順に従った(0.152g、72%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ =8.02(d,J=2.4Hz,1H),7.95(m,2H),7.68-7.50(m,1H),7.44(dd,J=8.7Hz,J=2.4Hz,1H),7.34-7.06(m,2H),7.09(s,1H),7.00(d,J=15.7Hz,1H),6.51(d,J=8.7Hz,1H),3.56(t,J HH=7.6Hz,2H),3.08(s,6H),1.66(m,2H),2.38(s,3H),0.95(t,J=7.6Hz,3H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C22H24FN4S 395.1706;found 395.1705,[M+H]+。
【0134】
実施例25:
化合物17
【0135】
【0136】
化合物5の合成手順に従った(0.892g、80%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 8.41(d,J=1.5Hz,1H),7.97(d,J=1.5Hz,1H),7.31(s,1H),5.86(s,1H),3.46(t,J=6.6Hz,4H),3.15(s,3H),2.32(s,3H),1.61(m,4H),1.32(m,12H),0.89(t,6H).MS(ESI):m/z Calcd.For C22H36N5O 386.3;found 386.3,[M+H]+。
【0137】
化合物IV-25
【0138】
【0139】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.452g、34%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 8.41(d,J=1.5Hz,1H),7.97(d,J=1.5Hz,1H),7.85(d,J=15.7Hz,1H),7.49(m,1H),7.40-7.22(m,3H),7.31(s,1H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),5.86(s,1H),3.46(t,J=6.6Hz,4H),3.15(s,3H),2.32(s,3H),1.61(m,4H),1.32(m,12H),0.89(t,6H).MS(ESI):m/z Calcd.For C29H39ClN5O 508.2843;found 508.2842,[M+H]+。
【0140】
実施例26:
化合物18
【0141】
【0142】
化合物5の合成手順に従った(0.812g、81%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 7.93(s,2H),7.31(s,1H),4.24(t,J=6.8Hz,2H),3.44(s,3H),2.82(s,2H),2.43(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C14H17N6O 285.1;found 285.1,[M+H]+。
【0143】
化合物IV-25
【0144】
【0145】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.312g、26%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =8.02(d,J=15.7Hz,1H),7.93(m,3H),7.68-7.50(m,1H),7.31(s,1H),7.24-7.06(m,2H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),4.24(t,J=6.8Hz,2H),3.44(s,3H),2.82(s,2H),2.43(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C21H20lN6O 499.0743;found 499.0742,[M+H]+。
【0146】
実施例27:
化合物19
【0147】
【0148】
化合物5の合成手順に従った(0.932g、85%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =7.59(s,2H),6.71(s,1H),3.24(t,J=5.6Hz,4H),3.06(t,J=8.4Hz,2H),2.67(t,J=6.2Hz,4H),2.29(s,3H),1.86-1.82(m,4H),1.46(m,2H),1.21(t,J=8.4Hz,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C20H25N3O 323.2;found 324.2,[M+H]+。
【0149】
化合物IV-27
【0150】
【0151】
化合物5の合成手順に従った(0.932g、85%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =8.31(dd,J=8.3Hz,J=2.1Hz,1H),8.16(s,1H),7.94(d,J=8.3Hz,1H),7.95(d,J=15.7Hz,1H),7.59(s,2H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),6.71(s,1H),3.24(t,J=5.6Hz,4H),3.06(t,J=8.4Hz,2H),2.67(t,J=6.2Hz,4H),2.29(s,3H),1.86-1.82(m,4H),1.46(m,2H),1.21(s,J=8.4Hz,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C28H28N4O2 436.2263;found 437.2340,[M+H]+。
【0152】
実施例28:
化合物20
【0153】
【0154】
化合物IV-21(0.792g、2.0mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(0.476g、2.5mmol)、及びトリエチルアミン(0.303g、3.0mmol)を250ml丸形フラスコに取り、100ml乾燥ジクロロメタンを加えて溶解し、Ar保護条件で室温で撹拌し、TLCで測定し、反応終了後、系を200mlの水に注いで、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して化合物27(0.822g、76%)を得た。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.18(d,J=8.5Hz,2H),8.08-8.02(m,2H),7.98-7.90(m,3H),7.40(d,J=15.9Hz,1H),7.18(d,J=8.2Hz,2H),7.00(s,1H),6.86-6.72(m,2H),6.47(d,J=8.2Hz,2H),4.06(t,J=6.1Hz,2H),3.49(t,J=6.1Hz,2H),3.28(s,3H),2.77(s,3H),2.31(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C30H29N4O4S 541.2;found 541.2,[M+H]+。
【0155】
化合物IV-28
【0156】
【0157】
化合物20(0.541g、1.0mmol)、亜硫酸ナトリウム(0.630g、5.0mmol)を100ml丸形フラスコに取り、20mlの無水DMFを加えて、Ar保護条件で50℃のオイルバスで24h加熱反応し、TLCで測定し、反応終了後、減圧で溶媒を除去し、残留物を逆相クロマトグラフィーで分離して生成物(0.301g、60%)を得た。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.18(d,J=8.5Hz,2H),8.08-8.02(m,2H),7.98-7.90(m,3H),7.40(d,J=15.9Hz,1H),7.00(s,1H),6.86-6.72(m,2H),3.85(m,4H),3.60(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.6Hz,2H),3.28(s,3H),3.16(m,4H),2.77(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C23H21N4O4S 499.1289;found 499.1288,[M-H]-。
【0158】
実施例29:
化合物IV-29
【0159】
【0160】
化合物IV-21(0.386g、1.0mmol)、化合物31(0.265g、1.2mmol)、EDCI(0.382g、2.0mmol)、DMAP(0.183g、1.5mmol)を100ml丸形フラスコに取り、30mlの無水DMFを加えて溶解し、Ar保護条件で室温で撹拌し、TLCで測定し、反応終了後、減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して生成物(0.490g、83%)を得た。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.18(d,J=8.5Hz,2H),8.08-8.02(m,2H),7.98-7.90(m,3H),7.40(d,J=15.9Hz,1H),7.00(s,1H),6.86-6.72(m,2H),4.17(s,2H),3.75(s,3H),3.6-3.7(m,10H),3.57(m,2H),3.52(t,J=5.6Hz,2H),3.38(s,3H),3.28(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C32H39N4O7S 591.2819;found 591.2820,[M+H]+。
【0161】
実施例30:
化合物22
【0162】
【0163】
化合物5の合成手順に従った(0.612g、87%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 8.15(d,J=9.0Hz,2H),8.14(d,J=9.0Hz,2H),7.21(s,1H),4.23(s,2H),4.11(s,3H),3.38(t,J=6.4Hz,2H),3.01(s,3H),2.92(t,J=6.4Hz,2H),2.41(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C18H25N4O3 345.2;found 345.2,[M+H]+。
【0164】
化合物IV-30
【0165】
【0166】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.422g、36%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 8.15(d,J=9.0Hz,2H),8.14(d,J=9.0Hz,2H),7.95(d,J=16.0Hz,1H),7.82(d,J=8.4Hz,2H),7.32(d,J=8.4Hz,2H),7.21(s,1H),7.01(d,J=16.0Hz,1H),4.23(s,2H),4.11(s,3H),3.38(t,J=6.4Hz,2H),3.01(s,3H),2.92(t,J=6.4Hz,2H).MS(ESI):m/z Calcd.For C25H28BrN4O3 511.1345;found 511.1344,[M+H]+。
【0167】
実施例31:
化合物23
【0168】
【0169】
化合物23の合成手順に従った(0.912g、89%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 8.17(d,J=8.6Hz,2H),7.91(d,J=15.8Hz,1H),7.79(dt,J=10.6,2.1Hz,1H),7.66(d,J=7.8Hz,1H),7.50(td,J=8.0,6.2Hz,1H),7.34-7.20(m,2H),7.18(d,J=8.2Hz,2H),6.97(s,1H),6.84-6.73(m,2H),6.47(d,J=8.2Hz,2H),4.06(t,J=6.1Hz,2H),3.49(t,J=6.1Hz,2H),3.27(s,3H),3.06(s,3H),2.77(s,3H),2.31(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C29H29FN3O4S 534.2;found 534.2,[M+H]+。
【0170】
化合物IV-31
【0171】
【0172】
化合物23(0.534g、1.0mmol)を100ml丸形フラスコに取り、35ml DMFを加えて溶解し、慎重にNaN3(0.195g、3.0mmol)を加えて、Ar保護条件で50℃のオイルバスで一晩加熱し、翌日に系を室温まで冷却し、100mlの水に注いで、DCMで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で2回洗浄し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、残留物を精製する必要がなく、そのまま次の反応に用いた。
【0173】
残留物を30ml THFに溶解し、Ph3P(0.524g、2.0mmol)、2mlの水を加えて、Ar保護条件で室温で一晩撹拌し、翌日に加圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して目的の生成物(0.301g、79%)を得た。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.17(d,J=8.6Hz,2H),7.91(d,J=15.8Hz,1H),7.79(dt,J=10.6,2.1Hz,1H),7.66(d,J=7.8Hz,1H),7.50(td,J=8.0,6.2Hz,1H),7.34-7.20(m,2H),6.97(s,1H),6.84-6.73(m,2H),3.38(t,J=6.4Hz,2H),2.92(t,J=6.4Hz,2H),3.27(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C22H24FN4O 379.1934;found 379.1935,[M+H]+。
【0174】
実施例32:
化合物IV-32
【0175】
【0176】
化合物24(0.534g、1.0mmol)を100ml丸形フラスコに取り、50mlのエタノールを加えて溶解し、33%のジメチルアミン溶液を加えて、Ar保護条件で90℃オイルバスで加熱還流し、TLCで測定し、反応終了後、系を室温に戻し、減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して目的の生成物(0.276g、68%)を得た。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.17(d,J=8.6Hz,2H),7.91(d,J=15.8Hz,1H),7.79(dt,J=10.6,2.1Hz,1H),7.66(d,J=7.8Hz,1H),7.50(td,J=8.0,6.2Hz,1H),7.34-7.20(m,2H),6.97(s,1H),6.84-6.73(m,2H),3.47(t,J=7.6Hz,2H),2.96(s,3H),2.49(t,J=7.6Hz,2H),2.31(s,6H).MS(ESI):m/z Calcd.For C24H28FN4O 407.2247;found 407.2246,[M+H]+。
【0177】
実施例33:
化合物25
【0178】
【0179】
化合物5の合成手順に従った(0.842g、89%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =7.97(d,J=8.6Hz,1H),7.88(s,1H),6.85(s,1H),6.56(d,J=8.6Hz,1H),5.40(s,1H),3.07(s,3H),2.84(s,3H),2.31(s,3H),1.94(s,3H),1.32(s,6H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H24N3O 310.2;found 310.2,[M+H]+。
化合物IV-33
【0180】
【0181】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.222g、21%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =7.97(d,J=8.6Hz,1H),7.90(d,J=16.0Hz,1H),7.88(s,1H),7.87(d,J=4.0Hz,2H),7.43(d,J=4.0Hz,2H),7.01(d,J=16.0Hz,1H),6.85(s,1H),6.56(d,J=8.6Hz,1H),5.40(s,1H),3.07(s,3H),2.84(s,3H),1.94(s,3H),1.32(s,6H).MS(ESI):m/z Calcd.For C27H26N4O 422.2107;found 423.2186,[M+H]+。
【0182】
実施例34:
化合物26
【0183】
【0184】
化合物5の合成手順に従った(0.732g、81%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =7.40(dd,J=8.32,1.93Hz,1H),7.29(d,J=1.89Hz,1H),7.15(s,1H),6.68(d,J=8.35Hz,1H),4.23-4.31(m,2H),3.40-3.49(m,2H),3.21(s,3H),3.03(s,3H),2.42(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C15H18N3O2 227.1;found 227.1,[M+H]+。
【0185】
化合物IV-34
【0186】
【0187】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.222g、21%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =7.95(d,J=16.0Hz,1H),7.87(d,J=4.0Hz,2H),7.43(d,J=4.0Hz,2H),7.40(dd,J=8.32,1.93Hz,1H),7.29(d,J=1.89Hz,1H),7.15(s,1H),7.01(d,J=16.0Hz,1H),6.68(d,J=8.35Hz,1H),4.23-4.31(m,2H),3.40-3.49(m,2H),3.03(s,3H),2.42(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C22H20FN3O2 377.1540;found 378.1681,[M+H]+。
【0188】
実施例35:
化合物28
【0189】
【0190】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.732g、39%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 8.19(d,J=8.5Hz,2H),8.07(m,4H),8.04(s,1H),7.94(d,J=8.3Hz,2H),7.44(d,J=15.9Hz,1H),7.03(s,1H),3.29(s,3H)..MS(ESI):m/z Calcd.For C20H15N4O3 359.1;found 359.1,[M+H]+。
【0191】
化合物IV-35
【0192】
【0193】
化合物28(0.718g、2.0mmol)、塩化第一スズ(0.758g、4.0mmol)を250ml丸形フラスコに取り、100mlの酢酸エチルを加えて溶解し、Ar保護条件で室温で撹拌し、TLCで測定し、反応終了後、系を150のml水に注いで、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離・精製して目的の生成物(0.586g、89%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 8.19(d,J=8.5Hz,2H),7.97(m,4H),8.04(s,1H),7.94(d,J=8.3Hz,2H),7.44(d,J=15.9Hz,1H),7.03(s,1H),3.29(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C20H17N4O 329.1402;found 329.1403,[M+H]+。
【0194】
実施例36:
化合物29
【0195】
【0196】
化合物5の合成手順に従った(0.756g、74%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 8.15(1H,s),7.81(2H,m),7.65(1H,d,J=9.0Hz),7.16(1H,dd,J=9.0,J=3.0Hz),6.95(s,1H),6.88(1H,d,J=3.0Hz),3.60(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.9Hz,2H),3.28(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H21N3O2 323.2;found 324.2,[M+H]+。
化合物IV-36
【0197】
【0198】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.272g、24%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 8.15(1H,s),7.81(2H,m),7.65(1H,d,J=9.0Hz),7.49(m,1H),7.40-7.22(m,3H),7.16(1H,dd,J=9.0,J=3.0Hz),6.95(s,1H),6.88(1H,d,J=3.0Hz),3.60(t,J=5.9Hz,2H),3.52(t,J=5.9Hz,2H),3.28(s,3H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C26H25N3O3 427.1896;found 428.1974,[M+H]+。
【0199】
実施例37:
化合物IV-37
【0200】
【0201】
化合物13の合成手順に従った(0.322g、79%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.16(d,J=8.5Hz,2H),7.93(t,J=4.4Hz,2H),7.90(d,J=6.1Hz,1H),7.31(t,J=8.9Hz,2H),7.18(d,J=15.9Hz,1H),6.95(s,1H),6.83-6.72(m,2H),4.21(s,2H),3.59(t,J=5.9Hz,2H),3.51(t,J=5.9Hz,2H),3.27(s,3H),3.05(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C25H25FN3O2 418.1931;found 418.1932,[M+H]+。
【0202】
実施例38:
化合物30
【0203】
【0204】
化合物5の合成手順に従った(0.816g、89%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 9.02(d,1H,J=2.1Hz),8.59(d,1H,J=2.1Hz),7.93(d,1H,J=9.1Hz),7.34(dd,1H,J=9.1,2.5Hz),7.21(s,1H),7.00(d,1H,J=2.5Hz),3.11(s,6H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C17H18N4O 294.1;found 295.1,[M+H]+。
【0205】
化合物IV-38
【0206】
【0207】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.272g、24%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =9.02(d,1H,J=2.1Hz),8.59(d,1H,J=2.1Hz),7.95(d,J=16.0Hz,1H),7.93(d,1H,J=9.1Hz),7.49(m,1H),7.40-7.22(m,3H),7.34(dd,1H,J=9.1,2.5Hz),7.21(s,1H),7.15(d,J=16.0Hz,1H),7.00(d,1H,J=2.5Hz),3.11(s,6H),3.06(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C25H21N5O 407.1821;found 408.1825,[M+H]+。
【0208】
比較例1:
化合物IV-39
【0209】
【0210】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.275g、75%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.00(s,1H),8.08-8.04(m,2H),8.02(d,J=15.9Hz,1H),7.92-7.87(m,2H),7.49-7.45(m,2H),7.26(d,J=15.9Hz,1H),6.98(s,1H),3.29(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H13F2N3O2 339.0951;found 339.0950,[M-H]-。
【0211】
比較例2:
化合物IV-40
【0212】
【0213】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.327g、55%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 9.70(s,1H),8.05(d,J=8.9Hz,2H),7.98-7.89(m,1H),7.30(t,J=6.2Hz,1H),7.26(d,J=8.9Hz,1H),7.15(d,J=15.8Hz,1H),6.97(s,1H),6.87(d,J=7.5Hz,1H),3.27(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C18H12F2N3O2 340.0903;found 340.090,[M-H]-。
【0214】
比較例3:
化合物IV-41
【0215】
【0216】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.342g、46%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=8.21(d,2H,J=8.8Hz),8.00(d,1H,J=16Hz),7.85(d,2H,J=8.0Hz),7.50-7.43(m,2H),7.42(d,J=2.6Hz,1H),7.24(s,1H),7.01(s,1H),6.92(d,2H,J=8.8Hz),3.85(t,2H,J=5.6Hz),3.60(t,2H,J=5.6Hz),3.10(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C22H24N3O2 362.1869;found 362.1868,[M+H]+。
【0217】
比較例4:
化合物IV-42
【0218】
【0219】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.312g、43%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ =8.15(1H,s),8.00(d,1H,J=16Hz),7.85(d,2H,J=8.0Hz),7.81(2H,m),7.65(1H,d,J=9.0Hz),7.20(s,1H),7.50-7.43(m,3H),7.42(d,1H,J=16Hz),7.16(1H,dd,J=9.0,J=3.0Hz),6.88(1H,d,J=3.0Hz),3.65(t,J=7.2Hz,2H),3.45(t,J=7.2Hz,2H),3.35(s,3H)3.03(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C26H26N3O2 412.2025;found 412.2026,[M+H]+。
【0220】
比較例5:
化合物IV-43
【0221】
【0222】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.412g、46%)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=8.72(s,2H),8.00(d,1H,J=16Hz),7.50-7.43(m,2H),7.42(d,J=2.6Hz,1H),7.24(s,1H),7.01(s,1H),6.92(d,2H,J=8.8Hz),3.75(t,J=6.8Hz,2H),3.60(t,2H,J=6.8Hz),3.05(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C21H21lN6O 373.1777;found 373.1778,[M+H]+。
【0223】
比較例6
【0224】
【0225】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.192g、33%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 7.96-7.99(m,4H),7.33-7.37(m,3H),6.98(s,1H),3.24(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H12F4N2O2 376.0835;found 376.0830,[M-H]-。
【0226】
比較例7
【0227】
【0228】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.192g、33%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 7.96-7.99(m,4H),7.33-7.37(m,3H),6.98(s,1H),3.24(s,3H).MS(ESI):m/z Calcd.For C19H12F4N2O2 376.0835;found 376.0830,[M-H]-。
【0229】
比較例8
【0230】
【0231】
化合物IV-1の合成手順に従った。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ ppm 10.70(s,1H),8.35(s,2H),8.15(s,2H),7.82(d,J=15.8Hz,1H),7.22(d,J=15.9Hz,1H),6.95(s,1H),3.27(s,3H);HRMS(ESI)m/z:546.8647 found(calcd for C19H12Br2Cl2N2O3,[M+H]+546.8644)。
【0232】
比較例9
【0233】
【0234】
化合物IV-1の合成手順に従った。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ ppm 10.38(s,1H),8.18(d,J=2.0Hz,2H),8.12(s,2H),7.81(d,J=4.8Hz,1H),7.18(d,J=4.8Hz,1H),6.93(s,1H),6.78(d,J=2.0Hz,2H),3.25(s,3H),3.04(s,6H);HRMS(ESI)m/z:505.9855 found(calcd for C21H19Br2N3O2,[M+H]+505.9896)。
比較例10
【0235】
【0236】
化合物IV-1の合成手順に従った。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ ppm 10.38(s,1H),8.16(d,J=2.0Hz,2H),8.11(s,2H),7.80(d,J=4.8Hz,1H),7.18(d,J=4.8Hz,1H),6.91(s,1H),6.74(d,J=2.0Hz,2H),3.44(d,J=4.8Hz,2H),3.25(s,3H),1.14(t,J=4.8Hz,6H);HRMS(ESI)m/z:534.0154 found(calcd for C23H23Br2N3O2,[M+H]+534.0209)。
【0237】
比較例11
【0238】
【0239】
化合物IV-1の合成手順に従った(0.156g、18%)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 10.52(s,1H),8.07-8.01(m,2H),7.95(d,J=15.7Hz,1H),7.76(d,J=8.5Hz,2H),7.01(d,J=15.7Hz,1H),6.95(s,1H),6.87-6.83(m,2H),4.12(s,3H),3.62(s,3H),1.50(s,9H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C24H21F3N2O4 457.5381;found 457.5380,[M-H]-。
【0240】
比較例12
【0241】
【0242】
文献に開示された方法に従って合成した(JACS,2018,140,7381-7384.)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 8.17(d,J=8.3Hz,2H),7.79(d,J=15.6Hz,1H),7.55(d,J=8.8Hz,2H),6.84(s,1H),6.80(dd,J=9.9,2.8Hz,2H),6.75(dd,J=8.8,5.6Hz,2H),6.66(d,J=15.6Hz,1H),4.82(s,2H),4.38(s,2H),3.59-3.43(m 8H),3.41-3.35(m,2H),3.20-3.13(m,2H),3.04(s,6H),2.12-1.17(m,18H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C37H44ClF3N4O6 732.2901;found 733.2980,[M-H]-。
【0243】
比較例13
【0244】
【0245】
文献に開示された方法に従って合成した(JACS,2018,140,7381-7384.)。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 8.17(d,J=8.3Hz,2H),7.79(d,J=15.6Hz,1H),7.55(d,J=8.8Hz,2H),6.84(s,1H),6.80(dd,J=9.9,2.8Hz,2H),6.75(dd,J=8.8,5.6Hz,2H),6.66(d,J=15.6Hz,1H),4.82(s,2H),4.38(s,2H),3.59-3.43(m 8H),3.41-3.35(m,2H),3.20-3.13(m,2H),3.04(s,6H),2.12-1.17(m,18H).HR-MS(ESI):m/z Calcd.For C38H44ClF3N5O6 739.2948;found 740.3026,[M+H]-。
【0246】
試験例1:
実施例1-38で製造された蛍光染料IV-1-IV-38(分子ローター)のそれぞれを、ジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が1×10-2Mの母液をそれぞれ調製し、各母液をそれぞれグリセリン及びメタノールに加えて、均一に混合し、最終濃度が1×10-5Mの溶液をそれぞれ調製した。蛍光染料によって、順次に各蛍光染料の最大励起波長を用いて同じ条件でその蛍光放射スペクトルを測定し、結果は表1に示されたとおりであり、本発明の蛍光染料が粘度変化への応答が敏感であることを示している。
【0247】
【0248】
試験例2:
分子ローターIV-1、IV-2、IV-3、IV-4、IV-5、IV-6、IV-17、IV-18、IV-19、IV-20、IV-21、IV-22を、ジエチレングリコール-グリセリン混合溶液に加えて、最終濃度が1×10
-5Mの溶液を調製し、480nmで励起し、異なる粘度条件での蛍光放射スペクトルを
図1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12に示し、同じ濃度の分子ローターの異なる粘度条件での蛍光強度が次第に増加することから、分子ローターの蛍光強度が環境粘度の増大につれて増すことが分かり、分子ローターは粘度反応が敏感であり、1種の分子ローターであることを証明している。
【0249】
試験例3:
分子ローターIV-39、IV-40、IV-44とIV-1、IV-2、IV-3、IV-4、IV-5、IV-6、IV-7、IV-8とを、IV-41、IV-43とIV-17、IV-18、IV-19、IV-20、IV-21、IV-22とを、IV-42とIV-36とを、IV-45、IV-46とIV-3とを、IV-47、IV-48とIV-20とを、IV-49、IV-50とIV-5とを、IV-51とIV-1とを、DMSOに溶解し、1×10
-3Mの母液を調製し、上記母液のそれぞれを取ってPBS溶液に加えて、最終濃度が1×10
-6Mの溶液を調製し、各化合物の最大励起波長をそれぞれ用いて励起し、PBSでの蛍光強度を測定し、各組の最強蛍光を100として各サンプルを正規化し、それぞれを
図13、
図14、
図15、
図16、
図17、
図18、
図19に示した。
図13、
図14、
図15の結果では、電子求引基上の芳香環中に置換がない分子ローターと比較して、本発明の電子求引基上の芳香環中にヒドロキシル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子の置換を有する分子ローターが、より低いバックグラウンド蛍光を有することを示している。
図16、
図17の結果では、電子求引基上の芳香環中に複数の置換を有する分子ローターと比べて、単置換の分子ローターがより低いバックグラウンド蛍光を有することを示しており、その理由としては、多置換が電子求引基上の芳香構造の電子雲分布を変えることによって、蛍光バックグラウンドが向上すると考えられる。
図18、
図19の結果では、R
1箇所がシンプルなアルキル基置換である場合、バックグラウンド蛍光がより低いことを示しており、その理由としては、R
1の体積が比較的大きい、あるいは、変性アルキル基上のヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子)と電子求引基上の芳香環とが微弱な相互作用を有することで、当該箇所の二重結合の回転などの放射エネルギーを消耗しない挙動が制限されることによって、化合物の蛍光バックグラウンドが向上すると考えられる。
【0250】
試験例4:
化合物IV-1、IV-2、IV-3、IV-4、IV-5、IV-6、IV-17、IV-18、IV-19、IV-20、IV-21、IV-22は、RNAアプタマー(UUGCCAUGUGUAUGUGGGAGGAAGAUUGUAAACACGCCGGAAGAUUGUAAACACGCCGGAAGAUUGUAAACACGCCGGAAGAUUGUAAACACGCCGAAAGGCGGACACUUCCGGCGGACACUUCCGGCGGACACUUCCGGCGGACACUUCCUCCCACAUACUCUGAUGAUCCUUCGGGAUCAUUCAUGGCAA)と特異的に結合し、結合後の化合物蛍光が顕著に活性化し、適切な波長の励起光に励起されて明るい蛍光を発光した。結合後の光学性質を表2に示した。化合物は、細胞内の当該アプタマーとも結合でき、当該RNAアプタマーを発現している細胞は、
図20Aに示されるように、明るい蛍光を有するが、当該RNAアプタマーを発現していない細胞は、
図20Bに示されるように、蛍光がないことから、この一連の染料を核酸の標識に使用できることを証明している。
【0251】
【0252】
注:蛍光量子収率は、ローダミン6Gを基準(QY=0.94)として、相対法を用いて測定された。
【0253】
試験例5:
RNAアプタマー(AUGGAUGAUGAUAUCGCCGCGCUCGUCGUCGACAACGGCUCCGGCAUGUGCAAGGCCGGCUUCGCGGGCGACGAUGCCCCCCGGGCCGUCUUCCCCUCCAUCGUGGGGCGCCCCAGGCACCAGGGCGUGAUGGUGGGCAUGGGUCAGAAGGAUUCCUAUGUGGGCGACGAGGCCCAGAGCAAGAGAGGCAUCCUCACCCUGAAGUACCCCAUCGAGCACGGCAUCGUCACCAACUGGGACGACAUGGAGAAAAUCUGGCACCACACCUUCUACAAUGAGCUGCGUGUGGCUCCCGAGGAGCACCCCGUGCUGCUGACCGAGGCCCCCCUGAACCCCAAGGCCAACCGCGAGAAGAUGACCCAGAUCAUGUUUGAGACCUUCAACACCCCAGCCAUGUACGUUGCUAUCCAGGCUGUGCUAUCCCUGUACGCCUCUGGCCGUACCACUGGCAUCGUGAUGGACUCCGGUGACGGGGUCACCCACACUGUGCCCAUCUACGAGGGGUAUGCCCUCCCCCAUGCCAUCCUGCGUCUGGACCUGGCUGGCCGGGACCUGACUGACUACCUCAUGAAGAUCCUCACCGAGCGCGGCUACAGCUUCACCACCACGGCCGAGCGGGAAAUCGUGCGUGACAUUAAGGAGAAGCUGUGCUACGUCGCCCUGGACUUCGAGCAAGAGAUGGCCACGGCUGCUUCCAGCUCCUCCCUGGAGAAGAGCUACGAGCUGCCUGACGGCCAGGUCAUCACCAUUGGCAAUGAGCGGUUCCGCUGCCCUGAGGCACUCUUCCAGCCUUCCUUCCUGGGCAUGGAGUCCUGUGGCAUCCACGAAACUACCUUCAACUCCAUCAUGAAGUGUGACGUGGACAUCCGCAAAGACCUGUACGCCAACACAGUGCUGUCUGGCGGCACCACCAUGUACCCUGGCAUUGCCGACAGGAUGCAGAAGGAGAUCACUGCCCUGGCACCCAGCACAAUGAAGAUCAAGAUCAUUGCUCCUCCUGAGCGCAAGUACUCCGUGUGGAUCGGCGGCUCCAUCCUGGCCUCGCUGUCCACCUUCCAGCAGAUGUGGAUCAGCAAGCAGGAGUAUGACGAGUCCGGCCCCUCCAUCGUCCACCGCAAAUGCUUCUAGCACUCGCUAGAGCAUGGUUAAGCUUGGAAGAUUGUAAACACGCCGGAAGAUUGUAAACACGCCGGAAGAUUGUAAACACGCCGGAAGAUUGUAAACACGCCGAAAGGCGGACACUUCCGGCGGACACUUCCGGCGGACACUUCCGGCGGACACUUCC)で標識されたmRNAを持続的に発現している細胞骨格タンパク質の安定細胞株(293T/17)と、対照細胞(293T/17)とを用いて、通常の哺乳類細胞の培養条件(37℃、5%二酸化炭素、100%相対湿度)で、細胞コンフルエンスが90%になるまで成長した後、消化して細胞を取り、800rpmで遠心して、0.2μM IV-21とIV-41分子を含むPBSで細胞を再懸濁させて5分間インキュベートした後、流体測定を行い、測定結果は、
図21に示した。IV-21分子は、標的RNAを発現している細胞株においてACTBのmRNAを特異的に標識でき、かつ明らかなバックグラウンド蛍光がなく(
図21A)、一方で、IV-41分子のバックグラウンド蛍光がIV-21より高く、ACTBを発現しているか否かを明確に区別することができない(
図21B)。
【配列表】
【国際調査報告】