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特表2023-519297削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ
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  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図1
  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図2
  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図3a
  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図3b
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  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図4b
  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図4c
  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図5
  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図6
  • 特表-削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグ
(51)【国際特許分類】
   E21B 44/02 20060101AFI20230428BHJP
   E21B 4/06 20060101ALI20230428BHJP
   E21B 19/08 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
E21B44/02
E21B4/06
E21B19/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558026
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 SE2021050236
(87)【国際公開番号】W WO2021194407
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】2050340-5
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398056193
【氏名又は名称】エピロック ロック ドリルス アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】アンデション,クリステル
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AB14
2D129BA01
2D129BA08
2D129BA13
2D129BA19
2D129CA04
2D129CA17
2D129CA29
2D129CA35
2D129CB11
2D129DA01
2D129DA22
2D129DB01
2D129DC01
2D129JA01
(57)【要約】
本発明は、削岩ユニット(8)における送り距離及び送り速度を制御する制御装置(100)により実行される方法に関する。前記削岩ユニット(8)は、少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)を軸線方向に送るための送り装置(42)、少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)の回転運動を生成するように構成された回転装置(44)、及び送り装置(42)によって駆動されるように構成された少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)と、制御装置(100)に接続された少なくとも一つのセンサ装置(62)とを備え、前記センサ装置(62)が、少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動を感知するように構成された距離及び速度測定装置(60、62)を備え、該方法は、前記送り装置(42)を軸線方向に移動するように制御するステップ(s101)、少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動に基づいて、送り装置(42)の第の位置からの送り距離及び送り速度を決定するステップ(s102)、及び決定した送り装置(42)の送り距離及び送り速度に応じて、送り装置(42)を制御するステップ(s103)を含む。また、本発明は、削岩ユニット(8)及び削岩リグ(5)にも関する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩ユニット(8)における送り距離及び送り速度を制御する制御装置(100)によって実行される方法であって、
前記削岩ユニット(8)が、
・少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)を軸線方向に送るための送り装置(42)、
・少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)の回転運動を生成するように構成された回転装置(44)、及び
・送り装置(42)によって駆動されるように構成された少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)と、制御装置(100)に接続された少なくとも一つのセンサ装置(62)とを備え、前記センサ装置(62)が、少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動を感知するように構成された距離及び速度測定装置(60、62)
を備え、
該方法が、
・前記送り装置(42)を軸線方向に移動するように制御するステップ(s101)、
・少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動に基づいて、送り装置(42)の第の位置からの送り距離及び送り速度を決定するステップ(s102)、及び
決定した送り装置(42)の送り距離及び送り速度に応じて、送り装置(42)を制御するステップ(s103)
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転方向に基づいて、送り装置(42)の軸線方向の送り方向を決定するステップ(s104)
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から送り装置(42)の送り距離及び送り速度を決定するステップ(s102)が、
少なくとも一つのセンサ装置(62)から少なくとも一つの信号を受信することを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
送り装置(42)の所定の位置で、第一位置からの送り距離をゼロにリセットするステップ(s105)、及び
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から、送り装置(42)の所定位置からの送り距離を決定するステップ(s106)
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
プログラムがコンピュータ(100;500)によって実行される時、コンピュータ(100;500)に前記請求項1~4の何れか一項に記載の方法を実行させる命令を含む
ことを特徴とするコンピュータプログラム(P)。
【請求項6】
コンピュータ(100;500)によって実行される時、コンピュータ(100;500)に請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含む
ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
・制御装置(100)、
・少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)を軸線方向に送る送り装置(42)、
・少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)の回転運動を生成するように構成された回転装置(44)、及び
・送り装置(42)によって駆動されるように構成された少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)と、制御装置(100)に接続された少なくとも一つのセンサ装置(62)とを備え、前記センサ装置(62)が、少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動を感知するように構成されている距離及び速度測定装置(60,62)
を備え、
前記制御装置(100)が、
・送り装置(42)を軸線方向に移動するように制御し、
・少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から、送り装置(42)の第の位置からの送り距離及び送り速度を決定し、かつ、
・決定された送り装置(42)の送り距離及び送り速度に応じて送り装置(42)を制御する
ように構成されている
ことを特徴とする削岩ユニット(8)。
【請求項8】
前記制御装置(100)が、前記少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転方向に基づいて前記送り装置(42)の軸線方向の送り方向を決定するように構成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の削岩ユニット。
【請求項9】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から送り装置(42)の送り距離及び送り速度を決定することが、少なくとも一つのセンサ装置(62)から少なくとも一つの信号を受信することを含む
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の削岩ユニット。
【請求項10】
前記制御装置(100)が、
前記送り装置(42)の所定の位置で前記第一位置からの送り距離をゼロにリセットし、
前記少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から、前記送り装置(42)の所定の位置からの送り距離を決定する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか一項に記載の削岩ユニット。
【請求項11】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)がホースドラム(72)に接続され、前記ホースドラム(72)が送り装置(42)の運動によって回転駆動される
ことを特徴とする請求項7~10の何れか一項に記載の削岩ユニット。
【請求項12】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)が、油圧モータ(10)の駆動軸(17)に接続され、前記油圧モータ(10)が、送り装置(42)を駆動するように構成されている
ことを特徴とする請求項7~10の何れか一項に記載の削岩ユニット。
【請求項13】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)が、削岩ユニット(8)の細長いフレーム又はビーム(2)に、又は送り装置(42)上に接続され、
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)が、細長いフレーム又はビーム(2)に対する送り装置(42)の運動により駆動されるように構成されている
ことを特徴とする請求項7~10の何れか一項に記載の削岩ユニット。
【請求項14】
請求項7~13の何れか一項に記載の削岩ユニット(8)を備えている
ことを特徴とする削岩リグ(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御する制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグに関する。本発明は、さらに、コンピュータプログラム及びコンピュータ読取可能媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
岩石系材料の掘削作業を実行する際、一般的に特殊な削岩リグが使用される。削岩リグにはさまざまな種類があり、掘削作業によく使われるのは、DTH(ダウンザホール)削岩リグとトップハンマー型削岩リグがある。削岩リグは、削岩ユニットを有し得る。削岩ユニットには、送り装置が設けられ得る。送り装置は、ドリルビットを有するドリルロッドを軸線方向に送るように構成され得る。硬い材料に対して削岩を実行する場合、その作業用の特殊なドリルビットが使用される。しかし、これらのドリルビットは交換や再研磨などのメンテナンスが必要であり、そのために時々、ドリルビットを削岩リグから取り外し、装着する必要がある。このため、送り装置は、ドリルビットを備えたドリルロッド及びドリルビットを軸線方向の前方及び後方に送るように構成され得る。
【0003】
削岩リグには、ドリルロッドのマガジンを備えたロッドハンドリングシステムが設けられ得る。ドリルロッドは、ボーリング作業中に把持要素によってマガジンから持ち出され、ボアストリングにドリルロッドを組み付けて、岩盤をより深く掘削することを可能にする。ドリルビットの交換時には、ドリルロッドは互いに分解され、把持要素によって順次マガジンに戻される。
【0004】
従って、送り装置は、掘削作業中、ボアストリングの組立て中、及びドリルビットの交換中の両方において、ドリルロッド及びドリルビットを軸線方向に送るように構成され得る。送り装置は、油圧又は空気圧式アクチュエータによって、削岩ユニットに対して、ドリル中心軸線の方向に軸線方向に駆動され得る。ドリルロッド及びドリルビットの軸線方向への送り距離を測定するために、油圧又は空気圧式アクチュエータに距離センサが配置され得る。距離センサによって、ドリル孔の深さを決定することができる。
【0005】
送り装置が、その軸線方向端部位置の一方に達すると、アクチュエータは送り装置の軸線方向移動を停止させる。
【発明の概要】
【0006】
岩石系材料における掘削作業やドリルビットの取り扱いを取り巻く上記のような特性や状況のため、削岩リグで使用される距離測定装置は、岩石系材料での掘削作業の性能と関連する過酷な環境に対して敏感である。さらに、削岩ユニットで使用される距離測定装置は、製造コストが高く、また、岩石系材料の掘削作業の性能に関連する過酷な環境から保護するのが複雑である。送り距離測定に加え、孔掘削中の送り装置の軸線方向の送り速度も測定できると便利である。送り装置の軸線方向の送り速度、従って、軸線方向のドリルビットの送り速度を最適化することで、孔の品質が向上するとともに、ドリルビットに過大な負荷がかからなくなる。また、削岩リグ及び削岩ユニットの構成に依存して、過酷な環境にさらされにくい位置に距離・速度測定装置を配置することも有効である。
【0007】
従って、削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を測定するための方法を改良する必要がある。また、削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度の測定を行うように構成された改良された制御装置を開発する必要もある。また、そのような制御装置を備えた削岩ユニット、そのような削岩ユニットを備えた削岩リグ、その方法を実行するためのコンピュータプログラム及びコンピュータ読取可能な媒体を開発する必要もある。また、自律的に制御され得る削岩ユニット及び削岩リグの開発も必要である。
【0008】
従って、本発明の目的は、削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を測定するための改良された方法を提供することにある。さらなる目的は、削岩ユニット、そのような削岩ユニットを備えた削岩リグ、並びにその方法を実行するためのコンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体をそれぞれ開発することである。さらに、自律的に制御され得る削岩ユニット及び削岩リグを開発することを目的とする。
【0009】
これらの目的は、削岩ユニットにおいて送り距離及び送り速度を制御するための制御装置によって実行される方法、削岩ユニット及び削岩リグによって達成される。これらの目的は、添付の特許請求の範囲によるコンピュータプログラム及びコンピュータ読取可能な媒体によっても達成される。
本発明の一態様によれば、削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御するための制御装置によって実行される方法であって、
前記削岩ユニットが、
少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットを軸線方向に送るための送り装置、
少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットの回転運動を生成するように構成された回転装置、及び
送り装置によって駆動されるように構成されている少なくとも一つの回転ターゲットホイールと、制御装置に接続された少なくとも一つのセンサ装置とを備えた距離及び速度測定装置であって、前記センサ装置が少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を検知するように構成されている距離及び速度測定装置
を備え、
該方法が、
軸線方向に移動するように送り装置を制御すること、
少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動に基づいて第一位置からの送り距離及び送り装置の送り速度を検出すること、及び
送り装置の検出した送り距離及び送り速度に応じて送り装置を制御すること
を有する
ことを特徴とする方法が提供される。
【0010】
これにより、制御装置は、決定された送り装置の送り距離及び送り速度に基づいて、送り装置の送り距離及び送り速度を制御し得るという利点がある。制御装置からの命令は、制御装置に接続された少なくとも一つのセンサ装置から受信した情報に基づき得る。制御装置は、送り装置の軸線方向への動きを開始させるように構成され得る。送り装置の軸線方向運動は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を発生させることになる。センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知する。また、センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールが回転しているか、静止しているかも感知する。回転ターゲットホイールの回転運動がない場合、送り装置の軸線方向の運動はない。送り装置の第一位置からの送り距離及び送り速度は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動から決定される。送り装置の第一の位置は、所定の位置であり得、掘削される岩石の表面に載っているドリルビットの位置、及び/又は特定の掘削操作に依存する位置であり得る。また、この方法は、回転ターゲットホイールを削岩リグ及び/又は削岩ユニットの様々な位置に配置する柔軟性を提供し、これらの位置は、過酷な環境に対する露出が少ない位置である。送り装置の送り距離及び送り速度の制御は、掘削作業中、ドリルストリングへのドリルロッドの追加中、及び/又はドリルビットの交換作業中に自動的に開始され得る。送り装置の送り距離及び送り速度の制御は、保守作業など、削岩リグ及び/又は削岩ユニットに関連する他の作業中にも自動的に開始され得る。
【0011】
本発明の一態様によれば、プログラムがコンピュータによって実行される時にコンピュータに該方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムである。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータによって実行される時に、コンピュータに本方法を実行させる命令を含む。本方法は、予めプログラムされたソフトウェアで構成され得、この方法を利用するのに適したドリルユニットに実装することができるという利点がある。
【0012】
本発明の一態様によれば、削岩ユニットが提供される。
前記削岩ユニットは、
・制御装置、
・少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットを軸線方向に送るための送り装置、
・少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットの回転運動を生成するように構成された回転装置、及び
・送り装置によって駆動されるように構成されている少なくとも一つの回転ターゲットホイールと、制御装置に接続されている少なくとも一つのセンサ装置とを備えた距離及び速度測定装置であって、前記センサ装置が、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知するように構成されている距離及び速度測定装置
を備え、
前記制御装置が、
・軸線方向に移動するように送り装置を制御し、
・少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動に基づいて、第一位置からの送り距離及び送り装置の送り速度を決定し、かつ、
・決定された送り装置の送り距離及び送り速度に応じて送り装置を制御する
ように構成されている。
【0013】
これにより、削岩ユニットの制御装置は、決定された送り装置の送り距離及び送り速度に基づいて、送り装置の送り距離及び送り速度を制御し得るという利点がある。削岩ユニットの制御装置からの命令は、制御装置に接続された少なくとも一つのセンサ装置から受信した情報に基づき得る。また、制御装置からの命令は、先の掘削作業からの経験値データに基づき得る。制御装置は、送り装置の軸線方向への動きを開始させるように構成され得る。送り装置の軸線方向の運動は、制御装置からの命令によって完全に操作され得る。送り装置の軸線方向運動は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を発生させることになる。センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知する。また、センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールが回転しているか、静止しているかも感知する。回転ターゲットホイールの回転運動がない場合、送り装置の軸線方向の運動はない。送り装置の第一位置からの送り距離及び送り速度は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動から決定される。送り装置の第一の位置は、所定の位置であり得、掘削される岩石の表面に載っているドリルビットの位置、及び/又は特定の掘削操作に依存する位置であり得る。回転ターゲットホイールは、削岩リグ及び/又は削岩ユニットの異なる位置に配置され得、これらの位置は、過酷な環境に対する露出度が低い。制御装置は、掘削作業中、ドリルストリングへのドリルロッドの追加中、及び/又はドリルビット交換作業中に、送り装置の送り距離及び送り速度を自動的に制御するように構成され得る。また、制御装置は、保守作業などの、削岩リグ及び/又は削岩ユニットに関連する他の作業中に、送り装置の送り距離及び送り速度を自動的に制御するようにも構成され得る。
【0014】
本発明の一態様によれば、本明細書に開示される削岩ユニットを備えた削岩リグが提供される。典型的な削岩の需要に応じて、様々なタイプの削岩リグが使用され得る。削岩リグは、垂直方向の掘削又は角度を付けた方向の掘削用に構成され得る。削岩リグは、トップハンマー型削岩リグ、DTH(ダウンザホール型)削岩リグ、又は削岩に適した他の削岩リグであり得る。
【0015】
本発明のさらなる目的、利点及び新規な特徴は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになり、また、本発明を実施することによっても明らかになる。以下、本発明の幾つかの実施例を説明するが、記載された具体的な内容に限定されるものではないことに留意されたい。本書の教示に接した専門家であれば、他の分野でのさらなる応用、修正及び組み込みを認識することになり、これらは本発明の範囲内である。
【0016】
本開示とそのさらなる目的及び利点の完全な理解のために、以下に記載される詳細な説明は、添付の図面と共に読まれるべきであり、図中、同一の符号は、他の図面における類似の構成要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施例による削岩リグの斜視図を示している。
図2】一実施例による削岩ユニットの概略側面図である。
図3図3a及び図3bは、異なる実施例による削岩ユニットに接続されるように構成された距離及び速度測定装置の側面図である。
図4図4a~図4cは、異なる実施例による削岩ユニットに接続されるように構成された距離及び速度測定装置の側面図である。
図5】一実施例による方法のフローチャートである。
図6】一実施例による方法のフローチャートである。
図7】一実施例による制御装置又はコンピュータを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図示実施例を参照した詳細な説明は、特定の特徴の組み合わせからなる実施例として捉えられるべきものであり、その特徴は上記で詳細に説明されている。従って、本明細書に描かれていない実施例に他の特徴を組み合わせることによって、追加の実施例が達成され得ることが理解される。図面は、実施例として描かれたものであり、相互に排他的な組み合わせではない。また、図示して説明された全ての図面は、模式的に表現されており、機械的な汎用部品は簡略化のために描かれていないことに留意する必要がある。
【0019】
本発明の一態様によれば、削岩ユニットにおける送り距離及び送り速度を制御するための制御装置によって実行される方法であって、
前記削岩ユニットが、
少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットを軸線方向に送るための送り装置、
少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットの回転運動を生成するように構成された回転装置、及び
送り装置によって駆動されるように構成されている少なくとも一つの回転ターゲットホイールと、制御装置に接続された少なくとも一つのセンサ装置とを備えた距離及び速度測定装置であって、前記センサ装置が少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を検知するように構成されている距離及び速度測定装置
を備え、
該方法が、
軸線方向に移動するように送り装置を制御すること、
少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動に基づいて第一位置からの送り距離及び送り装置の送り速度を検出すること、及び
送り装置の検出した送り距離及び送り速度に応じて送り装置を制御すること
を有する
ことを特徴とする方法が提供される。
【0020】
制御装置は、削岩ユニット上に配置されてもよいし、削岩ユニットから離れた場所に配置されてもよい。制御装置は、センサ装置に接続され、また、削岩ユニット上又は削岩ユニットに接続された部品に配置された他のセンサにも接続される。前記センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知するように構成され得る。しかし、他のセンサは、削岩ユニットや削岩ユニットに接続された部品の作動や特性を検出し得る。制御装置は、経験値データが記憶され得るメモリを有し得る。
【0021】
ドリルビットは、硬い材料での掘削に適合される。ドリルビットは、実行すべきボーリング作業に適合した形状に設計され、該形状が設けられ得る。ドリルビットには、ネジ部が設けられ得、該ネジ部は、ドリルロッド上の対応するネジ部に接続され、第一ネジ接続を形成するように適合されている。
【0022】
削岩ユニットは、細長いフレーム又はビームを有し得、その上に第一送り装置及び回転装置が配置され得る。削岩ユニットを、車両と掘削すべき岩石との関係において様々な位置に配置することができるように、削岩ユニットは、ブームによって車両上に配置され、車両に接続され得る。削岩ユニット、ブーム及び車両が一体となって削岩リグを構成している。削岩ユニットは、垂直方向に掘削するように構成されていてもよいし、垂直方向からずれた方向に掘削するように構成されていてもよい。従って、削岩ユニットは、傾けて鉛直線に対して角度のある方向に掘削することができるようにされ得る。
【0023】
送り装置は、掘削作業中及びドリルビットの交換中の両方において、ドリルロッド及びドリルビットを軸線方向に送るように構成されている。送り装置は、油圧又は空気圧式アクチュエータによって、削岩ユニットに対して、ドリル中心軸線の方向に軸線方向に駆動され得る。
【0024】
ドリルロッド及びドリルビットの回転運動を発生させるように構成された回転装置は、第一油圧式又は空気圧式装置によって駆動され得る。また、削岩ユニットには、少なくとも一本のドリルロッドに衝撃パルスを与えるための衝撃装置が設けられ得、ドリルビットは、第二油圧式又は空気圧式装置によって駆動され得る。従って、衝撃パルスはドリル中心軸線の方向でドリルロッドに与えられ、衝撃パルスはドリルロッドからドリルビットに伝達される。
【0025】
前記距離及び速度測定装置は、前記送り装置によって駆動されるように構成された少なくとも一つの回転ターゲットホイールを備えている。また、前記距離及び速度測定装置は、前記制御装置に接続された少なくとも一つのセンサ装置を備えている。前記センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知するように構成される。前記センサ装置は、回転ターゲットホイールに近接して配置され得る。前記センサ装置は、回転ターゲットホイールが一回転する毎に、多数の電子パルス、磁気パルス、又は光パルスを発生させる。さらに、第二回転ターゲットホイールは、送り装置によって駆動されるように構成され得る。前記センサ装置又は第二センサ装置は、第二回転ターゲットホイールの回転運動を感知するように構成され得る。二つのセンサ装置と、二つの回転ターゲットホイールとを配置することで、二つの利点が得られる。第一の利点は、二つの回転ターゲットホイールが回転している方向が、どちらのセンサ装置が先にトリガーされたかによって知ることができるようになることである。第二の利点は、各センサ装置によってパルスが生成され、それにより、パルス数が倍になり、距離及び速度の測定精度が向上することである。
【0026】
送り装置を軸線方向に移動するように制御する方法ステップによって、制御装置は、動作データが格納されているメモリから情報を受信し得る。選択的に、又は組み合わせて、制御装置は、動作データを提供する装置から情報を受信してもよい。動作データは、特定の掘削作業、ドリルストリングへのドリルロッドの追加、及び/又はドリルビット交換の何れか一つ又はその組み合わせからなるデータであってもよい。制御装置は、送り装置が軸線方向に自動的に移動するように制御を開始し得る。また、動作データは、掘削時間、前回のメンテナンス以降の掘削時間、変更が必要になるまでの残り予想時間、掘削した長さ、前回のメンテナンス以降の掘削した長さ、又はその他のデータ何れか一つ又は組み合わせからなるデータであり得る。
【0027】
少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動から、第一位置からの送り距離及び送り装置の送り速度を決定する方法ステップによって、制御装置は、センサ装置と通信し、送り距離及び送り速度を決定するための信号を受信する。
【0028】
決定した送り距離及び送り装置の送り速度に応じて送り装置を制御する方法ステップによって、制御装置は送り装置と通信し、送り装置を制御するための信号を送信する。送り装置の送り速度及び送り距離は、特定の掘削作業時、ドリルストリングへの掘削ロッドの追加時及び/又はドリルビット交換作業時、又はこれらの組み合わせ時において、決定した送り距離及び送り装置の送り速度に応じて制御され得る。ドリルストリングの長さ及び/又は岩盤に掘削された孔の深さのような他のパラメータも考慮され得る。また、ドリルビットの種類に応じて、送り装置の送り速度や送り距離を制御することもできる。
【0029】
第一の方法ステップにおいて、送り装置は軸線方向に移動するように制御されるが、送り装置の移動は、次の方法ステップで決定された送り距離及び送り速度から逸脱した送り距離及び送り速度をもたらすこともある。この偏差のフィードバックは、制御装置に伝達され得、その結果、送り装置の決定された送り距離及び送り速度に応じて送り装置を制御する第三の方法ステップに至る。
【0030】
従って、制御装置は、送り装置の軸線方向への移動を開始させるように構成され得る。送り装置の軸線方向運動は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を発生させることになる。センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知する。また、センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールが回転しているか、静止しているかを感知する。回転ターゲットホイールの回転運動がない場合、送り装置は軸線方向に移動しない。送り装置の第一位置からの送り距離及び送り速度は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動から決定される。送り装置の第一の位置は、所定の位置、即ち、掘削すべき岩石の表面に載っているドリルビットの位置、及び/又は特定の掘削操作に依存する位置であり得る。また、この方法は、回転ターゲットホイールを、削岩リグ及び/又は削岩ユニットの様々な位置に配置する柔軟性を提供し、これらの位置は、過酷な環境に対して露出が少ない位置である。送り装置の送り距離及び送り速度の制御は、掘削作業中、ドリルストリングへのドリルロッドの追加中、及び/又はドリルビットの交換作業中に自動的に開始され得る。また、送り装置の送り距離及び送り速度の制御は、保守作業等の削岩リグ及び/又は削岩ユニットに関連する他の作業中に自動的に開始されてもよい。
【0031】
一態様によれば、本方法は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転方向に基づいて送り装置の軸線方向の送り方向を決定するステップをさらに含む。
【0032】
この方法ステップでは、距離及び速度測定装置のセンサ装置が制御装置と通信し、回転ターゲットホイールの回転方向に関する情報を制御装置に提供する。送り装置の軸線方向運動は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を発生させることになる。センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知する。送り装置の第一の軸線方向供給方向において、回転ターゲットホイールは、第一の回転方向に回転することになる。送り装置の第一の軸線方向供給方向と反対方向の第二の軸線方向供給方向において、回転ターゲットホイールは、第一の回転方向とは反対方向の第二の回転方向に回転することになる。
【0033】
一態様によれば、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動から送り装置の送り距離及び送り速度を決定するステップは、少なくとも一つのセンサ装置から少なくとも一つの信号を受信することを含む。
【0034】
この方法ステップでは、距離及び速度測定装置のセンサ装置は、制御装置と通信し、制御装置に少なくとも一つの信号を提供する。センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知するように構成される。センサ装置は、回転ターゲットホイールに近接して配置され得る。センサ装置は、回転ターゲットホイールが一回転する毎に、多数の電子パルス、磁気パルス、及び/又は光パルスを発生させる。センサ装置で生成された電子パルス、磁気パルス及び/又は光パルスは、制御装置に伝達される信号である。センサ装置によって生成された少なくとも一つの信号は、送り装置の送り距離及び送り速度に対応し得る。さらに、センサ装置によって生成された少なくとも一つの信号は、送り装置の軸線方向の送り方向に対応し得る。
【0035】
一態様によれば、該方法は、送り装置の所定の位置で第一位置からの送り距離をゼロにリセットするステップと、送り装置の所定の位置からの送り装置の送り距離を少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動から決定するステップとをさらに含む。
【0036】
この方法ステップによって、制御装置は、送り装置が所定の位置にあるときに、センサ装置から情報を受信し得る。前記所定の位置は、ドリルビットが掘削すべき岩石の表面上に載っている位置及び/又は特定の掘削作業に依存する位置である削岩ユニットの位置であり得る。送り装置の所定位置で、第一位置からの送り距離はゼロにリセットされる。なお、送り距離は、所定位置から、そこからある距離離れた位置までに基づいて決められ得る。
【0037】
さらなるステップによれば、該方法は、送り装置の第一及び第二端部位置を決定するステップと、第一及び第二端部位置で停止するように送り装置を制御するステップとを有し得る。この方法はまた、決定された複数の送り距離を互いに加算して、総送り距離を得るステップを有し得る。
【0038】
本発明はまた、コンピュータプログラムに関し、該コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに上記に開示された方法を実行させる命令を含む。本発明は、さらに、コンピュータ読取可能媒体に関し、該コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに上記に開示された方法を実行させる命令を含む。本方法は、予めプログラムされたソフトウェアを有し得、該ソフトウェアは、本方法を利用するのに適した掘削ユニットに実装されていてもよい。予めプログラムされたソフトウェアは、制御装置に格納されていてもよい。また、制御装置から離れた場所にあるメモリやコンピュータにソフトウェアを格納してもよい。
【0039】
さらに、本発明は、削岩ユニットに関し、
該削岩ユニットは、
・制御装置、
・少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットを軸線方向に送るための送り装置、
・少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットの回転運動を生成するように構成された回転装置、及び
・送り装置によって駆動されるように構成されている少なくとも一つの回転ターゲットホイールと、制御装置に接続されている少なくとも一つのセンサ装置とを備えた距離及び速度測定装置であって、前記センサ装置が、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知するように構成されている距離及び速度測定装置
を備え、
前記制御装置が、
・軸線方向に移動するように送り装置を制御し、
・少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動に基づいて、第一位置からの送り距離及び送り装置の送り速度を決定し、かつ、
・決定された送り装置の送り距離及び送り速度に応じて送り装置を制御する
ように構成されていることを特徴とする。
【0040】
削岩ユニットの制御装置は、決定された送り装置の送り距離及び送り速度に基づいて、送り装置の送り距離及び送り速度を制御し得る。削岩ユニットの制御装置からの命令は、制御装置に接続された少なくとも一つのセンサ装置から受信した情報に基づき得る。また、制御装置からの命令は、先の掘削作業の経験値データに基づくものであってもよい。制御装置は、送り装置の軸線方向への運動を開始させるように構成され得る。送り装置の軸線方向への運動は、制御装置からの命令によって完全に処理することができる。送り装置の軸線方向運動は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を発生させることになる。センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動を感知する。また、センサ装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールが回転しているか、静止しているかを感知する。回転ターゲットホイールの回転運動がない場合、送り装置の軸線方向の運動もない。送り装置の第一位置からの送り距離及び送り速度は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動に基づいて決められる。送り装置の第一位置は、所定の位置であり得、具体的には、ドリルビットが掘削される岩石の表面に載っている位置、及び/又は特定の掘削操作に依存する位置であり得る。回転ターゲットホイールは、削岩リグ及び/又は削岩ユニットの異なる位置に配置してもよく、これらの位置は、過酷な環境に対する露出度が低い位置である。制御装置は、掘削作業時、ドリルストリングへのドリルロッドの追加時、及び/又はドリルビット交換作業時に、送り装置の送り距離及び送り速度を自動的に制御するように構成され得る。また、制御装置は、保守作業等の削岩リグ及び/又は削岩ユニットに関連する他の作業中に、送り装置の送り距離及び送り速度を自動的に制御するように構成されてもよい。
【0041】
制御装置によって実行される本開示の方法の態様について説明された全ての例は、本開示の削岩ユニット及び制御装置の態様にも適用できることは理解される。即ち、削岩ユニットの制御装置は、上述した様々な実施例による方法のステップのうちの何れか一つを実行するように構成されてもよい。従って、以下の態様によれば、削岩ユニットの制御装置は、上述した対応する実施例による方法ステップを実行するように構成されてもよい。
【0042】
従って、一態様によれば、制御装置は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転方向に基づいて、送り装置の軸線方向の送り方向を決定するように構成され得る。一態様によれば、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動から送り装置の送り距離と送り速度を決定することは、少なくとも一つのセンサ装置から信号を受信することを含む。さらなる態様によれば、制御装置は、送り装置の所定の位置で、第一位置からの送り距離をゼロにリセットし、かつ、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動から送り装置の所定の位置からの送り距離を決定するように構成され得る。
【0043】
さらなる態様によれば、少なくとも一つの回転ターゲットホイールは、ホースドラムに接続され、このホースドラムは、送り装置の運動によって回転駆動される。送り装置は、油圧又は空気圧式アクチュエータによって、削岩ユニットに対して、ドリル中心軸線の方向に軸線方向に駆動され得る。さらに、ドリルロッド及びドリルビットの回転運動を発生させるように構成された回転装置は、第一油圧又は空気圧式装置によって駆動されてもよい。少なくとも一つのドリルロッド及びドリルビットに衝撃パルスを与えるための削岩リグ上の可能な衝撃装置は、第二油圧又は空気圧式装置によって駆動され得る。前記アクチュエータ及び装置は、削岩ユニット上又は削岩ユニットから離れた場所に配置されたホースによって、油圧ポンプ又はコンプレッサに接続することができる。ホースは、ホースドラムに巻かれている場合もある。送り装置をホースドラムからの方向である第一の方向に供給する場合、ホースはホースドラムから巻き戻され、ホースドラムは第一の回転方向に回転することができる。送り装置をホースドラムからの方向である第一方向に送る場合、ホースはホースドラムから巻き解かれ得、ホースドラムは第一回転方向に回転し得る。送り装置をホースドラムに向かう方向である第二方向に送る場合、ホースはホースドラムに巻き取られ得、ホースドラムは第二回転方向に回転し得る。送り装置の送り距離及び送り速度は、ホースドラムの回転運動に対応し得る。ターゲットホイールは、ホースドラムの回転運動及び回転方向に追従し得る。ターゲットホイールは、ホースドラムの回転軸に直接配置され得る。代替的に、ターゲットホイールは、ホースドラムから距離を置いて配置され得、シャフトやベルトなどの伝達手段によってホースドラムに接続され得る。前記伝達手段はギア比を有し得る。一実施例によれば、G:1のギア比を有する回転ターゲットホイールに伝達手段が接続されている場合、ホースドラムが一回転する毎に回転ターゲットホイールのパルス数がGxとなり、送り装置の動きを非常に正確に制御することが可能となる。ホースドラムの回転運動は送り装置によって発生するので、少なくとも一つの回転ターゲットホイールを備えた距離及び速度測定装置は、送り装置によって駆動されるように構成され得る。
【0044】
さらなる態様によれば、少なくとも一つの回転ターゲットホイールは、油圧モータの駆動軸に接続され、この油圧モータは、送り装置を駆動するように構成される。送り装置は、油圧モータによって、削岩ユニットに対して、ドリル中心軸線の方向に軸線方向に駆動され得る。送り装置の送り動作中、油圧モータの駆動軸は、送り装置の送り方向に応じて第一方向又は第二方向に回転することになる。送り装置を第一方向に送る場合、油圧モータの駆動軸は、第一回転方向に回転し得る。送り装置を第二方向に送る場合、油圧モータの駆動軸は、第二回転方向に回転し得る。送り装置の送り距離及び送り速度は、ホースドラムの回転運動に比例し得る。ターゲットホイールは、油圧モータの駆動軸の回転運動及び回転方向に追従し得る。ターゲットホイールは、油圧モータの駆動軸に直接配置してもよい。代わりに、ターゲットホイールは油圧モータから距離を置いて配置され得、油圧モータの駆動軸に、シャフトやベルトなどの伝達手段によって接続され得る。前記伝達手段は、ギア比を有し得る。一実施例によれば、G:1のギア比を有する回転ターゲットホイールに伝達手段が接続されている場合、ホースドラムが一回転する毎に回転ターゲットホイールのパルス数がGxとなり、送り装置の動きを非常に正確に制御することが可能となる。油圧モータの駆動軸の回転運動が送り装置の運動を発生させ、かつ、送り装置が油圧モータを備えているので、少なくとも一つの回転ターゲットホイールを有する距離及び速度測定装置は、送り装置によって駆動するように構成され得る。
【0045】
さらなる態様によれば、少なくとも一つの回転ターゲットホイールは、削岩ユニットの細長いフレーム若しくはビームに接続され、又は、送り装置上に接続され、少なくとも一つの回転ターゲットホイールは、細長いフレーム又はビームに対する送り装置の運動によって駆動されるように構成される。送り装置は、油圧モータなどのアクチュエータによって、削岩ユニットの細長いフレーム又はビームに対して、ドリル中心軸線の方向に軸線方向に駆動され得る。送り装置の送り運動の間、送り装置と削岩ユニットの細長いフレーム又はビームとの間に相対運動が生じる。少なくとも一つの回転ターゲットホイールは、送り装置と削岩ユニットの細長いフレーム又はビームとの間の相対運動によって駆動される。送り装置の軸線方向運動は、摩擦ホイールなどの伝達手段によって、少なくとも一つの回転ターゲットホイールに伝達され得る。前記伝達手段は、送り装置上に回転可能に配置され、その周縁部で削岩ユニットの細長いフレーム又はビーム上に載っている。摩擦ホイールの回転運動は、シャフトやギアボックスなどの伝達手段によって摩擦ホイールから少なくとも一つの回転ターゲットホイールに伝達され得る。代わりに、少なくとも一つの回転ターゲットホイールには、削岩ユニットの細長いフレーム又はビームに直接載っている周辺摩擦面が設けられ得る。送り装置は、削岩ユニットの細長いフレーム又はビームに対して第一軸線方向又は第二軸線方向に移動し得る。送り装置を第一軸線方向に送る場合、少なくとも一つの回転ターゲットホイールは、第一回転方向に回転し得る。送り装置を第二軸線方向に送る場合、少なくとも一つの回転ターゲットホイールは、第二回転方向に回転し得る。送り装置の送り距離及び送り速度は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動に比例し得る。少なくとも一つの回転ターゲットホイールに接続された伝達手段は、ギア比を有し得る。一実施例によれば、G:1のギア比を有する回転ターゲットホイールに伝達手段が接続されている場合、油圧モータの駆動軸が一回転する毎に回転ターゲットホイールのパルス数がGxとなり、送り装置の動きを非常に正確に制御することが可能となる。少なくとも一つの回転ターゲットホイールの回転運動が送り装置の運動によって発生するので、少なくとも一つの回転ターゲットホイールを備えた距離及び速度測定装置は、送り装置によって駆動されるように構成され得る。
【0046】
さらに、本発明は、本明細書に開示された削岩ユニットを備える削岩リグに関する。本明細書に開示されるように、削岩リグは、削岩ユニットを有する。さらにまた、削岩リグは、車両などの掘削プラットフォームを有し得る。削岩ユニットを車両に接続することで、掘削作業の間に、削岩リグを別の場所や別の位置に容易に移動させることができる。削岩ユニットは、ブームを用いて車両上に配置され、車両に接続され得、それにより、削岩ユニットは、車両と掘削される岩石との関係において様々な位置に配置され得る。削岩リグは、垂直方向に掘削するように構成されていてもよいし、垂直線に対して角度をつけて掘削するように構成されていてもよい。
【0047】
前記削岩リグは、交換可能な複数のドリルロッドを有し、終端のドリルロッドの端部に、ドリルビットが配置され得る。ドリルビットは、ネジ接続によって前記端部に取り付けられ得る。削岩リグは、垂直掘削用に構成されている。しかし、削岩リグは、垂直方向の削岩から逸脱した方向に削岩するように構成されていてもよい。削岩リグは、トップハンマー型削岩リグであり得る。この場合、一般的に使用されている削岩リグが、少なくとも半自動でドリルビットを交換するためのドリルビットチェンジャを備えている場合があるという利点がある。一般的に使用されているトップハンマー型削岩リグには、当該削岩リグのドリルビットを交換するための信頼性が高く安全なシステムが設けられている場合がある。従って、効率的で信頼性の高い削岩リグが提供され、それに配置されたシステムにより、手動でドリルビットを交換する必要がないため、安全で便利な作業環境が提供される。
【0048】
次に、添付の図を参照して、本発明をさらに説明する。
【0049】
図1は、一実施例による削岩リグ5の斜視図である。削岩リグ5は、削岩ユニット8を備え、この削岩ユニット8は、細長いフレーム又はビーム2を有し得る。削岩ユニット8は、ブーム4を用いて車両6に配置され、車両6に連結されており、その結果、削岩ユニット8は、車両6及び掘削される岩石に対して様々な位置に配置することが可能である。削岩ユニット8、ブーム4及び車両6が一緒に削岩リグ5を形成している。削岩リグ5は、垂直掘削用に構成されており、これは、完全に垂直であるか、又はある程度垂直から逸脱していると認識されるべきである。削岩リグ5は、削岩リグ5の削岩ユニット8内でドリルストリングを形成するように配置された、交換可能な複数のドリルロッド7(図2)を有し得る。各ドリルロッド7は、掘削中のドリル孔50(図2)が深くなるにつれて、追加のドリルロッド7を接続するオプションとなるネジ部を備えている。そして、最後のドリルロッド7の端部にはドリルビット3が配置され、当該ドリルビット3は、第一ネジ式接続部40によって前記端部に取り付けられ得る。
【0050】
削岩リグ5は、少なくとも一つの回転ターゲットホイールを有する距離及び速度測定装置を備え、前記回転ターゲットホイールは、削岩ユニット8の様々な位置に配置され得る。
【0051】
削岩リグ5は、さらに、下部支持装置のような支持装置9をさらに有し得、前記支持装置は、削岩ユニット8の下部に配置され、ドリルビット3又はドリルロッド7を支持及び/又は保持/把持するために配置され得、メンテナンス及び/又は組立/分解又はそのような部品のために利用され得る。さらに、支持装置9は、ドリルロッド7をガイドし得る。図1に示す削岩リグ5は、ドリルビット3を自動的又は少なくとも半自動的に交換するためのドリルビットチェンジャ1をさらに備えていてもよい。削岩ユニット8は、ドリル中心軸線15を有する。ドリル中心軸線15という用語は、削岩リグ5によって掘削されるドリル孔50(図2)における中心線として認識され得る。
【0052】
図2は、一実施例による削岩ユニット8の側面図を模式的に示す図である。ドリルビット3は、第一ネジ接続部40によってドリルロッド7に接続されるように構成されている。削岩ユニット8は、少なくとも一つのドリルロッド7及びドリルビット3を軸線方向に送るように構成された送り装置42を備えている。回転装置44は、少なくとも一つのドリルロッド7及びドリルビット3の回転運動を発生させるように構成されている。衝撃装置46は、少なくとも一つのドリルロッド7及びドリルビット3に衝撃パルスを与えるように構成され得る。このような衝撃装置46は必須ではないが、掘削作業の種類によっては有用である。ドリルビットチェンジャ1は、ドリルロッド7上のドリルビット3を交換するために、削岩ユニット8上に配置されている。回転装置44及び衝撃装置46は、第一送り装置42に配置されている。回転装置44及び衝撃装置46は、第一送り装置42によって移動するように構成されている。第一送り装置42は、細長いフレーム又はビーム2上に配置されている。第一送り装置42は、掘削作業中及びドリルビット3の交換中の両方において、ドリルロッド7及びドリルビット3を軸線方向に送るように構成されている。第一送り装置42は、油圧又は空気圧アクチュエータ10によって、削岩ユニット8に対して、ドリル中心軸線15の方向に軸線方向に駆動され得る。油圧又は空気圧アクチュエータ10は、駆動軸17を備えた油圧モータ10であり得る。
【0053】
距離及び速度測定装置60及び62の回転ターゲットホイール60は、送り装置42上に配置され、送り装置42によって駆動される。回転ターゲットホイール60は、図2では、削岩ユニット8の細長いフレーム又はビーム2に、又は送り装置42上に接続されている。回転ターゲットホイール60は、細長いフレーム又はビーム2に対する送り装置42の運動によって駆動されるように構成されている。又は、若しくは選択的に、回転ターゲットホイール60は、図2に示されているように、油圧モータ66の駆動軸65に接続され得、前記油圧モータ66は、送り装置42を駆動するように構成されている。少なくとも一つのセンサ装置62が制御装置100に接続されており、前記センサ装置62は、少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動を感知するように構成されている。
【0054】
制御装置100は、送り装置42、回転装置44、衝撃装置46、及びドリルビットチェンジャ1に接続されている。制御装置100は、削岩ユニット8に配置された、又は、削岩ユニット8に接続された構成要素に配置されたセンサ11に接続され得る。制御装置100は、動作データが格納されたメモリ12から情報を受信し得る。
【0055】
制御装置100は、送り装置42を軸線方向に移動するように制御し、少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動から、送り装置42の第一位置からの送り距離及び送り装置42の送り速度を決定し、決定した送り装置42の送り距離及び送り速度に応じて送り装置42を制御するよう構成されている。さらに制御装置100は、少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転方向に基づいて、送り装置42の軸線方向の送り方向を決定するように構成されている。少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動から送り装置42の送り距離及び送り速度を決定することは、少なくとも一つのセンサ装置62から少なくとも一つの信号を受信することを含み得る。さらに、制御装置100は、ドリルビット3の交換に関する情報を受信し、ドリルビット3を交換するようにドリルビットチェンジャを制御するように構成され得る。
【0056】
図3aは、第一実施例による削岩ユニット8に接続されるように構成された距離及び速度測定装置60及び62の側面図である。センサ装置62は、回転ターゲットホイール60の回転運動を感知するように構成されている。センサ装置62は、回転ターゲットホイール60に近接して配置され得る。センサ装置62は、回転ターゲットホイール60が一回転する毎に、多数の電子パルス、磁気パルス、又は光パルスを発生させることになる。図3aに示す実施例では、回転ターゲットホイール60の外周に多数の磁石64が配置されている。
【0057】
図3bは、第二実施例による削岩ユニット8に接続されるように構成された距離及び速度測定装置60及び62の側面図である。回転ターゲットホイール60の外周には、歯車と同様の突起部66と凹部68が多数配置されている。二つのセンサ装置62及び62'を回転ターゲットホイール60に近接して配置してもよい。これにより、距離及び速度の測定精度が向上し得る。さらに、回転ターゲットホイール62の回転方向を検出してもよい。
【0058】
さらに、第二回転ターゲットホイール60'は、送り装置42によって駆動されるように構成され得る。第二回転ターゲットホイール60'は、第一回転ターゲットホイール60と同じ回転軸70に配置され得る。センサ装置62及び/又は第二のセンサ装置62'は、第二回転ターゲットホイール60'の回転運動を感知するように構成され得る。二つのセンサ装置62及び62'と二つの回転ターゲットホイール60及び60'を配置することで、二つの利点が得られる。第一の利点は、二つの回転ターゲットホイール60及び60'が回転している方向は、どちらのセンサ装置62及び62'が最初にトリガーされるかによって知ることができるようになることにある。第二の利点は、各センサ装置62及び62'によってパルスが発生され、それによってパルスの数が二倍になり、距離及び速度の測定精度が向上することにある。
【0059】
図4aは、第一実施例による削岩ユニット8に接続されるように構成された距離及び速度測定装置60及び62の側面図を模式的に示している。回転ターゲットホイール60は、ホースドラム72に接続されており、このホースドラム72は、送り装置42の運動によって回転駆動される。送り装置42は、油圧又は空気圧モータ10によって、削岩ユニット8の細長いフレーム又はビーム2に対して、ドリル中心軸線15の方向に軸方向に駆動され得る。モータ10は、削岩ユニット8上又は削岩ユニット8から離れた場所に配置されたホース76によって、油圧ポンプ74又はコンプレッサに接続され得る。ホース76は、ホースドラム72に巻き取られ得る。送り装置の送り動作中、ホース76は、送り装置42の送り方向に応じて、ホースドラム72から巻き解かれ、また、ホースドラム72に巻き取られ得る。送り装置42をホースドラム72からの方向である第一方向に送る場合、ホース76はホースドラム72から巻き解かれ得、ホースドラム72は第一回転方向に回転し得る。また、送り装置をホースドラム72へ向かう方向であり得る第二方向に送る場合、ホース76はホースドラム72に巻き取られ、ホースドラム72は第二回転方向に回転し得る。回転ターゲットホイール60は、ホースドラム72の回転運動及び回転方向に追従することになる。回転ターゲットホイール60は、ホースドラム72の回転軸に直接配置され得る。代わりに、ターゲットホイール60は、ホースドラム72から距離を置いて配置され得、シャフトやベルトなどの伝達手段78によってホースドラム72に接続され得る。
【0060】
図4bは、第二実施例による削岩ユニット8に接続されるように構成された距離及び速度測定装置60及び62の側面図を模式的に示している。回転ターゲットホイール60は、油圧モータ10の駆動軸17に接続されており、この油圧モータ10は、送り装置42を駆動するように構成されている。送り装置42は、油圧モータ10によって、削岩ユニット8に対して、ドリル中心軸線15の方向に軸方向に駆動され得る。送り装置42の送り距離及び送り速度は、駆動軸17の回転運動に応じたものであり得る。回転ターゲットホイール60は、油圧モータ10の駆動軸17の回転運動及び回転方向に追従することになる。回転ターゲットホイール60は、油圧モータ10の駆動軸17に直接配置され得る。代わりに、回転ターゲットホイール60は、油圧モータ10から距離をおいて配置され得、伝達手段78によって油圧モータ10の駆動軸17に接続され得る。
【0061】
図4cは、第三実施例による削岩ユニット8に接続されるように構成された距離及び速度測定装置60及び62の側面図を模式的に示している。回転ターゲットホイール60は、削岩ユニット8の細長いフレーム又はビーム2に、又は送り装置42上に接続され、この回転ターゲットホイール60は、細長いフレーム又はビーム2に対する送り装置42の運動によって駆動されるように構成され得る。送り装置42は、油圧モータ10などのアクチュエータによって、削岩ユニット8の細長いフレーム又はビーム2に対して、ドリル中心軸線15の方向に軸方向に駆動され得る。送り装置42の送り運動の間、送り装置42と削岩ユニット8の細長いフレーム又はビーム2との間の相対運動が生じることになる。少なくとも一つの回転ターゲットホイール60は、送り装置42と削岩ユニット8の細長いフレーム又はビーム2との間の相対運動によって駆動され得る。送り装置42の軸線方向運動は、摩擦ホイール80によって少なくとも一つの回転ターゲットホイール60に伝達され得、前記摩擦ホイール80は、送り装置42上に回転可能に配置され、その周縁で削岩ユニット8の細長いフレーム又はビーム2上に載っている。摩擦ホイール80の回転運動は、シャフトやギアボックスなどの伝達手段78によって、摩擦ホイール80から少なくとも一つの回転ターゲットホイール60に伝達され得る。代わりに、回転ターゲットホイール60には、削岩ユニット8の細長いフレーム又はビーム2に直接載っている周辺摩擦面が設けられ得る。送り装置42は、削岩ユニット42の細長いフレーム又はビーム2に対して第一又は第二の軸線方向に移動することができる。送り装置42を第一の軸線方向に送る場合、少なくとも一つの回転ターゲットホイール60は、第一回転方向に回転し得る。送り装置42を第二の軸線方向に送る場合、少なくとも一つの回転ターゲットホイール60は、第二回転方向に回転し得る。送り装置42の送り距離及び送り速度は、少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動に比例していてもよい。
【0062】
図5は、一実施例による方法のフローチャートである。本方法は、削岩ユニット8における送り距離及び送り速度を制御する制御装置100によって実行される。従って、本方法は、図1図4に示した削岩ユニット8における送り距離及び送り速度の制御に関するものである。
削岩ユニット8は、
少なくとも一つのドリルロッド7及びドリルビット3を軸線方向に送るための送り装置42と、
少なくとも一つのドリルロッド7及びドリルビット3の回転運動を生成するように構成されている回転装置44と、
送り装置42によって駆動されるように構成された少なくとも一つの回転ターゲットホイール60、及び制御装置100に接続された少なくとも一つのセンサ装置62を備えた距離及び速度測定装置60、62と
を備え、
前記センサ装置62は少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動を感知するように構成されている。
【0063】
本方法は、
送り装置42を軸線方向に移動するように制御するステップs101と、
少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動から、送り装置42の第一位置からの送り距離及び送り速度を決定するステップs102と、
送り装置42の決定した送り距離及び送り速度に応じて送り装置42を制御するステップs103と
を備えている。
【0064】
図6は、一実施例による方法のフローチャートである。本方法は、削岩ユニット8における送り距離及び送り速度を制御する制御装置100によって実行される。従って、本方法は、図1図4に示した削岩ユニット8における送り距離及び送り速度の制御に関するものである。
本方法は、
軸線方向に移動するように送り装置42を制御するステップs101と、
少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動から、送り装置42の第一位置からの送り距離及び送り速度を決定するステップs102と、
決定された送り装置の送り距離及び送り速度に応じて、送り装置42を制御するステップs103と
を有する。
【0065】
本方法は、少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転方向に基づいて送り装置42の軸線方向の送り方向を決定するステップs104を有する。
【0066】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動から送り装置42の送り距離及び送り速度を決定するステップs102は、少なくとも一つのセンサ装置62から少なくとも一つの信号を受信することを含む。
【0067】
本方法は、さらに、
送り装置42の所定の位置で第一位置からの送り距離をゼロにリセットするステップs105と、
少なくとも一つの回転ターゲットホイール60の回転運動から送り装置42の所定の位置からの送り距離を決定するステップs106と
を含む。
【0068】
図7は、装置500の一実施例を示す図である。
図2及び図3を参照して説明した制御装置100は、この実施例では、装置500を構成し得る。装置500は、不揮発性メモリ520、データ処理装置510、及び読み書き可能なメモリ550を備えている。不揮発性メモリ520は、装置500の機能を制御するためのコンピュータプログラム、例えばオペレーティングシステムが格納されている第一のメモリ素子530を有する。装置500は、さらに、バスコントローラ、シリアル通信ポート、I/O手段、A/D変換器、日時入力・送信ユニット、イベントカウンタ、及び割り込みコントローラ(図示せず)を備えている。また、不揮発性メモリ520は、第二記憶素子540を有する。
【0069】
削岩リグ5を制御するためのルーチンを有するコンピュータプログラムPが提供される。プログラムPは、メモリ560及び/又は読み書き可能なメモリ550に、実行可能な形態で、又は圧縮された形態で格納され得る。
【0070】
データ処理装置510がある機能を実行する場合、データ処理装置510は、メモリ560に格納されたプログラムのある部分、又は読み書き可能なメモリ550に格納されたプログラムのある部分を実行する。
【0071】
データ処理装置510は、データバス515を介して、データポート599と通信することができる。不揮発性メモリ520は、データバス512を介して、データ処理装置510と通信するためのものである。分離型メモリ560は、データバス511を介してデータ処理装置510と通信するようになっている。読み書き可能なメモリ550は、データバス514を介してデータ処理装置510と通信するように適合されている。
【0072】
データポート599にデータが受信されると、データは第二記憶素子540に一時的に記憶される。受信した入力データが一時的に記憶されると、データ処理装置510は、上述したようにコード実行を実現するための準備を行う。
【0073】
本明細書に記載された方法の一部は、メモリ560又は読み書き可能なメモリ550に格納されたプログラムを実行するデータ処理装置510を用いて、装置500によって実現され得る。装置500がプログラムを実行すると、本明細書で説明した方法が実行される。
【0074】
前述の実施形態の説明は、例示及び説明の目的で提供されたものである。また、網羅的に説明することを意図したものではなく、実施形態を記載された変形例に限定するものでもない。当業者であれば、多くの修正と変形が明らかになる。実施形態は、原理及び実際の応用を最もよく説明し、それによって当業者が、その様々な実施形態の観点から、及びその意図する用途に適用可能な様々な変更を伴って本発明を理解できるように、選択及び説明されている。上記で規定された構成要素及び特徴は、本開示の範囲内で、異なる実施形態間で組み合わせてもよい。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩ユニット(8)における送り距離及び送り速度を制御する制御装置(100)によって実行される方法であって、
前記削岩ユニット(8)が、
・少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)を軸線方向に送るための送り装置(42)、
・少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)の回転運動を生成するように構成された回転装置(44)、及び
・送り装置(42)によって駆動されるように構成された少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)と、制御装置(100)に接続された少なくとも一つのセンサ装置(62)とを備え、前記センサ装置(62)が、少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動を感知するように構成された距離及び速度測定装置(60、62)
を備え、
該方法が、
・前記送り装置(42)を軸線方向に移動するように制御するステップ(s101)、
・少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動に基づいて、送り装置(42)の第の位置からの送り距離及び送り速度を決定するステップ(s102)、及び
決定した送り装置(42)の送り距離及び送り速度に応じて、送り装置(42)を制御するステップ(s103)
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転方向に基づいて、送り装置(42)の軸線方向の送り方向を決定するステップ(s104)
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から送り装置(42)の送り距離及び送り速度を決定するステップ(s102)が、
少なくとも一つのセンサ装置(62)から少なくとも一つの信号を受信することを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
送り装置(42)の所定の位置で、第一位置からの送り距離をゼロにリセットするステップ(s105)、及び
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から、送り装置(42)の所定位置からの送り距離を決定するステップ(s106)
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
プログラムがコンピュータ(100;500)によって実行される時、コンピュータ(100;500)に前記請求項1~4の何れか一項に記載の方法を実行させる命令を含む
ことを特徴とするコンピュータプログラム(P)。
【請求項6】
コンピュータ(100;500)によって実行される時、コンピュータ(100;500)に請求項1~4のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含む
ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
・制御装置(100)、
・少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)を軸線方向に送る送り装置(42)、
・少なくとも一つのドリルロッド(7)及びドリルビット(3)の回転運動を生成するように構成された回転装置(44)、及び
・送り装置(42)によって駆動されるように構成された少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)と、制御装置(100)に接続された少なくとも一つのセンサ装置(62)とを備え、前記センサ装置(62)が、少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動を感知するように構成されている距離及び速度測定装置(60,62)
を備え、
前記制御装置(100)が、
・送り装置(42)を軸線方向に移動するように制御し、
・少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から、送り装置(42)の第の位置からの送り距離及び送り速度を決定し、かつ、
・決定された送り装置(42)の送り距離及び送り速度に応じて送り装置(42)を制御する
ように構成されている
ことを特徴とする削岩ユニット(8)。
【請求項8】
前記制御装置(100)が、前記少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転方向に基づいて前記送り装置(42)の軸線方向の送り方向を決定するように構成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の削岩ユニット。
【請求項9】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から送り装置(42)の送り距離及び送り速度を決定することが、少なくとも一つのセンサ装置(62)から少なくとも一つの信号を受信することを含む
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の削岩ユニット。
【請求項10】
前記制御装置(100)が、
前記送り装置(42)の所定の位置で前記第一位置からの送り距離をゼロにリセットし、
前記少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)の回転運動から、前記送り装置(42)の所定の位置からの送り距離を決定する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか一項に記載の削岩ユニット。
【請求項11】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)がホースドラム(72)に接続され、前記ホースドラム(72)が送り装置(42)の運動によって回転駆動される
ことを特徴とする請求項7~10の何れか一項に記載の削岩ユニット。
【請求項12】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)が、油圧モータ(10)の駆動軸(17)に接続され、前記油圧モータ(10)が、送り装置(42)を駆動するように構成されている
ことを特徴とする請求項7~10の何れか一項に記載の削岩ユニット。
【請求項13】
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)が、削岩ユニット(8)の細長いフレーム又はビーム(2)に、又は送り装置(42)上に接続され、
少なくとも一つの回転ターゲットホイール(60)が、細長いフレーム又はビーム(2)に対する送り装置(42)の運動により駆動されるように構成されている
ことを特徴とする請求項7~10の何れか一項に記載の削岩ユニット。
【請求項14】
請求項7~13の何れか一項に記載の削岩ユニット(8)を備えている
ことを特徴とする削岩リグ(5)。
【国際調査報告】