(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】電気または電子デバイスのリサイクルプロセスから粉塵性物質混合物を分離する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
B09B 3/35 20220101AFI20230428BHJP
C22B 1/00 20060101ALI20230428BHJP
C22B 11/00 20060101ALI20230428BHJP
B09B 3/30 20220101ALI20230428BHJP
B09B 101/15 20220101ALN20230428BHJP
【FI】
B09B3/35 ZAB
C22B1/00 601
C22B11/00
B09B3/30
B09B101:15
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022558199
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2021056457
(87)【国際公開番号】W WO2021190964
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】102020108204.5
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522376508
【氏名又は名称】ショーンス・ゲオルク
【氏名又は名称原語表記】SCHONS,Georg
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100187469
【氏名又は名称】藤原 由子
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】ショーンス・マルク
(72)【発明者】
【氏名】レスケ・ヘンリク
【テーマコード(参考)】
4D004
4K001
【Fターム(参考)】
4D004AA22
4D004AC05
4D004BA05
4D004CA02
4D004CA04
4D004CA12
4D004CB13
4K001BA22
4K001CA01
4K001CA02
(57)【要約】
【課題】リサイクル可能な成分、特に金属および貴金属を濃縮することを可能にし、全体として経済的範囲内で粉塵状物質混合物またはダストをリサイクルすることを可能にする。
【解決手段】本発明は、繊維、好ましくはガラス繊維を含み、かつ重金属及び/又は貴金属を含む粉塵性材料混合物を電気又は電子装置のリサイクルプロセスから分離する方法及びシステムに関し、この方法は、繊維含有混合材料凝集体から粒子を機械的に乾燥状態で
デタッチさせる少なくとも一つのステップ(S1)、及び、繊維含有混合材料凝集体を機械的に乾燥状態でブレークアップする少なくとも一つのステップ(S2)を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気又は電子デバイスのリサイクルから生じる、繊維、好ましくはガラス繊維を含み、かつ重金属及び/又は貴金属を含む粉塵状物質混合物を分離する方法であって、該方法は、
繊維を含む混合材料凝集体から粒子を機械的にかつ乾燥状態でデタッチする少なくとも一つのステップ(S1);及び
繊維を含む混合材料凝集体を機械的にかつ乾燥状態でブレークアップする少なくとも1つのステップ(S2);
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記粒子をデタッチするステップ(S1)は、第1のステップとして実行されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
粒子をデタッチするステップ(S1)において、粒径に応じた分画、好ましくは3~8個への分画を同時に実施することを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、
粒径に応じた分画、好ましくは2~3個への分画が、ブレークアップ・ステップ(S2)において同時に実施されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、
繊維同士の接着を減少させる操作、特に繊維の表面操作、繊維の短縮化、及び/又は繊維の空間的分離、好ましくは材料混合物の予備分画された部分の操作が、ブレークアップ・ステップ(S2)において実施されることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法であって、
ブレークアップ・ステップ(S2)において、好ましくは前記材料混合物の予め分画された部分の粉砕工程および/または研削工程が実施されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、
少なくとも1つの他の分離工程及び/又は分画工程(S3、S4、S5)、好ましくは3つの他の分離工程及び/又は分画工程を有し、ブレークアップ・ステップ(S2)により生成された材料混合物、特にブレークアップ・ステップ(S2)により生成された材料画分は、好ましくは少なくとも1つの分画工程(S3)の材料投入物として供給されることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法であって、
分離工程及び/又は分画工程(S3、S4、S5)及びそこで生成されるフラクションが、分岐した材料フローをもたらし、その中で、異なる分画工程、特に異なる分画装置(04)からの2つ以上のフラクションが、少なくとも1点で合流することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の方法であって、
上記方法で製造されたフラクションは、特に金属および貴金属を回収するために、製錬に供されるか、または精製装置に供給される(S6)ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
少なくとも2つの分画ステップ、好ましくは各分画ステップ(S1、S3、S4、S5)において、1つの空間方向においてサイズが50μm未満の粒子の画分を生成し、それぞれの画分を選別するか、または精製装置への移送に供する(S6)ことを特徴とする方法。
【請求項11】
繊維、好ましくはガラス繊維を含み、かつ重金属及び/又は貴金属を含む粉塵状物質混合物を、電気または電子デバイスのリサイクルから分離するためのシステムであって、該システムは、
繊維を含む混合材料凝集体から粒子を機械的にかつ乾燥状態でデタッチするための少なくとも1つのデタッチ装置(03);および繊維を含む混合材料凝集体を機械的かつ乾式でブレークアップするための少なくとも1つの分離装置(05);
を備えるシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記粒子をデタッチするためのデタッチ装置(03)は、前記システム(01)の入口装置(02)として設けられ及び/又は配置されることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項11または12に記載のシステムであって、
前記デタッチ装置(03)は、前記材料混合物を、好ましくは粒径に応じて3~8個のフラクションへと分画する手段を同時に備えることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記デタッチ装置(03)は、タンブラースクリーンであることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記分離装置(05)は、前記材料混合物を、好ましくは2~3個のフラクションへと分画する手段を同時に備えることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記分離装置(05)は、繊維間の接着効果の破壊、特に繊維の表面操作、短繊維長化及び/又は繊維の空間的分離、好ましくは材料混合物の予備分画部分の分離を行う手段を含んでいることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項11から16のいずれか1項に記載のシステムであって、
分離装置(05)が、粉砕および/または研削するための手段、好ましくは材料混合物における予備分画された部分を粉砕および/または研削するための手段、を含むことを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項11から17のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記分離装置(05)は、バレル仕上げ装置及び/又はロッドミル装置であることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項11から18のいずれか1項に記載のシステムであって、
少なくとも1つの他の分離及び/又は分画装置(07)、好ましくは3つの他の分離及び/又は分画装置(07)を備え、分離装置(05)により生成された材料混合物、特に分離装置(05)により生成された材料画分(04)は、少なくとも1つの分離装置及び/又は分画装置(07)における材料投入物として供給されることが好ましいことを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項11から19のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記他の分離装置及び/又は分別装置(07)は、空気分離装置(06)及び/又はタンブラースクリーンであることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気または電子デバイスのリサイクルから、繊維、好ましくはガラス繊維を含み、重金属および/または貴金属を含む粉塵状物質混合物を分離するための方法に関するものである。さらに、本発明は、電気または電子デバイスのリサイクルから、繊維、好ましくはガラス繊維を含み、重金属および/または貴金属を含む粉塵物質混合物を分離するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気または電子機器のリサイクルは、健康や環境に有害な物質を安全に廃棄し、金属や貴金属などの有価物を回収し、製品・材料サイクルに戻すことを目的とした公知の解体工程を経て行われる。
【0003】
リサイクル、特に電気または電子機器を機械的に解体すなわち分解すると、かなりの量の粉塵物質混合物が発生する。この混合物は、これまで全く再処理したり、さらに使用されたりせず、代わりに大部分が埋め立てられたか、または実質的な再処理工程なしに金属および貴金属を回収するための精錬工程に供給されていた。製錬された粉塵の場合、現在の、つまり変動する組成が収益性を左右する。製錬コストが粉塵1トンあたり約1000ユーロであるため、粉塵の組成によって異なる経済結果、さらには経済損失が発生する可能性がある。製錬されていない粉塵の組成物の価値は不明であり、一方では製錬コストが発生しないが、他方では潜在的に価値のある粉塵状物質(以下、ダストとも呼ぶ)がリサイクルされないことを意味する。
【0004】
前記ダストは、典型的には、サイズが10mmを超える粒子を1wt%~5wt%含み、その結果、サイズが10mm未満の粒子を95wt%~99wt%含む材料混合物である。前記ダストは、典型的には、シュレッダー、インパクトミル、カッティングミル、ハンマーミルまたは回転鋏を使用して電気または電子機器を破壊するときに発生する。電気または電子機器を処理する他の工程、特に機械的に破壊する工程も、上記の基本組成を有する粉塵性物質混合物またはダストの生成または発生につながる。
【0005】
上記で説明したように、先行技術では、ダストを経済的に処理またはさらに再利用できる方法又は装置は知られていない。したがって、特に金属や貴金属などの膨大な量の資源が熱利用または埋め立てられたダストの形で、毎年再処理またはさらなる使用のために失われている。前記資源は、一次採掘プロセスまたは一次生産プロセスを通じて多大な労力をかけて入手しなければならず、何もしなければリサイクルと比較して大きなCO2負荷を招くことになる。
【0006】
上記の原料は、廃棄ケーブルのリサイクルからの材料など、他の原料とは大きく異なる。後者の材料も繊維を含んでいるが、巨視的には、繊維を含む粒または粒子の混合物をより多く形成している。また、ケーブルのリサイクルでは、原料の潜在的な価値ある成分は、互いに付着した繊維、巻き込まれた繊維、もつれた繊維の中には含まれておらず、緩い繊維(losen Fasern)の中に含まれている。しかし、電気または電子機器のリサイクルからの繊維含有混合材料は、基本的に繊維強化回路基板に基づいて、価値のない繊維の種類を含み、さらに、繊維が機械的および化学的または静電気的に互いに付着し、さらに他の粒子を囲むか結合する塊を形成する強い傾向を有している。これらの構造体は、多少つながっているが、それでもつながっており、以下、混合材料アグロメレート(Mischmaterialagglormerate)と呼ばれる。アグロメレートという用語は、技術的プロセス、すなわちリサイクル、特に電気または電子デバイスの機械的解体および/または分解によって生じる、複合材料中の以前は緩かった構成要素が多少固まった集積物として理解される。
【0007】
その結果、例えば特許文献1に記載されている技術は、そこに記載されている装置、特にブリッスルカーペット又はブラシ状平面構造物が、塊状の材料混合物の処理に全く適していないので、電気または電子デバイスのリサイクルから繊維、好ましくはガラス繊維を含み、重金属及び/又は貴金属を含む粉塵性材料混合物を分離する方法を提案するには全く適さない。繊維を含む混合材料の凝集体が機械的かつ乾式にブレークアップ(mechanischen und trockenen Aufloesen)されることなく、たとえブリッスルカーペットやブラシのような平らな構造体が振動してセットされても、塊にさらされると、単に詰まったり覆われたりするだけである。結局のところ、その意図と記載内容はまさに、毛(Borsten)が繊維またはストランドをその間に捕捉し、既存の塊をブレークアップするのではなく、さらに固化させるというものである。問題のソース材料に関しては、ケーブルの絶縁体や他のケーブル部品が金属導体からデタッチしていない混合材料アグロメレートのみが、そもそも選択肢となる。しかし、これらの凝集体は、DE4041385A1の教示によっても、ブレークアップすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような背景から、本発明の目的は、リサイクル可能な成分、特に金属および貴金属を濃縮することを可能にし、したがって、全体として経済的範囲内で粉塵状物質混合物またはダストをリサイクルすることを可能にする、電気または電子デバイスのリサイクルから繊維、好ましくはガラス繊維を含み、重金属および/または貴金属を含むダスト状物質混合物を分離する方法およびシステムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の特徴を有する方法によって達成される。システムに関して、言及された目的は、請求項11の特徴を有するシステムによって達成される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0011】
電気または電子デバイスのリサイクルから、好ましくは繊維を含む粉塵状物質を分離するための本発明に係る方法は、繊維を含む混合材料凝集体から粒子を機械的かつ乾式にデタッチするための少なくとも1つの工程と、繊維を含む混合材料凝集体を機械的かつ乾式にブレークアップ(mechanischen und trockenen Aufloesen)するための少なくとも1つの工程とを提供する。
【0012】
本発明の背景にある考えは、特に繊維を含む相当数の混合材料凝集体が粉塵性材料混合物またはダスト中に存在し、材料凝集体は、その一部が、原則的にさらなる処理または再利用に適している粒子または粒を包含または結合するが、少なくともそのような材料粒子が選別されて分離することを妨げることを発見したことに基づいている。
【0013】
それに基づいて、本発明の背景にある考えは、結合しているか、選別できないか、および/または流動性のないこれらの粒子を、前述のステップによって混合材料凝集体からできるだけ多く解放または除去することであり、そのために、粒子を既存の凝集体からデタッチし、前記凝集体自体をブレークアップすることが意図されている。本発明によるこのステップの組み合わせは、驚くべきことに、そのような大量の流動可能で潜在的にリサイクル可能な粒子を混合材料凝集体から除去することを可能にし、次いで、粒子を分離または分画することができ、この分離画分は、したがってリサイクル可能材料、特に金属または貴金属の濃度が増加した1または複数の分離画分からなり、これは、経済的に再処理またはリサイクルを可能にするだけではなく、再処理またはリサイクルできない原料の部分を減少させることも可能である。
【0014】
繊維を含む混合材料凝集体は、特に、ガラス繊維のような繊維が、ガラス繊維強化プラスチック、好ましくはプリント回路基板または同様の部品の形態で現代の電気または電子デバイスに大量に使用されていることにより、ボールまたはダストバニーを形成する。塵に含まれるこれらの緩い繊維複合構造体は、ハウスダストバニーのように他の粒子や粒と結合したり、包囲したり、球状になったりすることがある。このことはまた、繊維を含む混合材料凝集体を機械的かつ乾式にブレークアップするステップが、主として繊維同士の分離を達成することを意味する。このことは、このステップが混合材料凝集体の拡散をもたらすことを意味する。
【0015】
本発明に係る方法の特別な達成は、本発明によるステップを、特に液体溶媒または液体輸送剤の添加を必要としない乾式ステップとして実施することにある。結局のところ、材料フラクションまたは廃棄されなければならない大きな塊または分離フラクションをその後に乾燥させるための追加のエネルギー投入に加えて、湿式方法またはステップはまた、液体媒体または溶媒または輸送剤による時には精巧な処理を必要とし、これは、湿式プロセスにおける経済的分離が、おそらく高い金属濃度を有する材料組成に対してのみ期待されることを意味している。さらに、湿式法では、貴重な貴金属の損失が大きくなる。
【0016】
各分離工程の前に、異なる粒径のそれぞれに分画される。しかし、これを実現するためには、材料が篩い分け可能であるか、または流動性があることが必要である。しかし、上記の電気または電子デバイスのリサイクルにより発生する未処理の粉塵には、まさに未だ適用できず、実現不可能となっている。
【0017】
これは、基本的に塊の形成またはボール化によって、他の粒子や粒子が埋め込まれた、または埋め込まれる可能性のある一種の材料マトリックスまたは材料スキャフォールドが提供され、その結果、それらはもはや篩い分け不能または流動不能となるためである。その結果、混合材料凝集体が形成される。したがって、本発明を実施するためには、個々の繊維を分離または保持するだけでは厳密には不十分である。その代わりに、篩い分け性及び/又は流動性の向上は、混合材料凝集体の球状化した部分の破壊、分離、断片化及び/又は緩みを伴い、そこから粒子を解放又はデタッチすることができるようにすることが必要である。
【0018】
したがって、繊維を含む混合材料凝集体を機械的かつ乾式でブレークアップするステップは、混合材料凝集体のボール状部分(Knaeuelanteil)のブレークアップ、分離、断片化、拡散および/または緩みが達成されるように正確に設計されている。
【0019】
塊や混合材料の凝集体を単に振動させたり誘導したりするだけでは、塊自体が静的または剛体構造ではなく、外部からの刺激を受けた場合に弾性変形や自然振動で反応し、顕著な破壊性がないため、この点では不十分である。
【0020】
そこで、本発明による方法の範囲内で、これまで分離に利用できなかった、繊維を含む混合材料凝集体中に結合した粒子のうちの大部分を、完全に分離に利用できるようにするか、または分離のために「可溶化」(aufgeschlossen)することを可能とした。このようにして、原材料、すなわち粉塵または粉塵性材料混合物の追加的および/または並行的な分離は、材料のより大きな部分が全体として流動可能な形状または流動可能な状態に移行し、それにより分離され、適切な乾燥分離プロセスにおいて、場合に応じて処理リサイクルまたは再処理することができる点で、より一層効果的にすることが可能である。
【0021】
本方法の第1の有利な実施形態によれば、繊維を含む混合材料凝集体から粒子をデタッチするステップは、例えば、第1ステップとして実行することが可能である。これにより、繊維を含む混合材料凝集体にあまり強固に結合していないまたは強固に埋め込まれていない粒子を、デタッチおよび/または分離させることができる。これは、ついで、本発明による混合材料凝集体を機械的にブレークアップするステップと、その後の分離ステップまたは分画ステップの両方で、他のステップにおいてはより低い材料処理能力を達成するはずであるという利点を有する。
【0022】
有利には、粒径に応じた分画、好ましくは3~8個の分画を、混合材料凝集体から粒子をデタッチするステップにおいて同時に実施することができる。これは、分画、特に投入材料の前分画または第1分画が、混合材料凝集体から粒子をデタッチするのと同時に実施される。すなわち、このようにして生成された分画に対して選択的に更なる加工または更なる処理が実施され得るという利点を有する。好ましくは、混合材料凝集体からの粒子の分画及びデタッチの両方を可能にする共通又は一体のシステム装置をこの目的のために使用することができる。
【0023】
貴金属は、好ましくは粒径<300μmのフラクションに含まれる。重金属は、好ましくは300μm~1000μmの粒径の画分に見出される。粗い貴重な粒子は一般的に粉砕しやすく、過度に粉砕すると貴金属を含有しない粒子の部分が増加し、したがって最終的にリサイクルコストが増加することになる。したがって、300μm未満の画分と遊離粒子を先に分離することが有利であり、これによっても有価物粒子の濃度がさらに高くなる。特に好ましくは、100μmまで、好ましくは50μmまでの画分は、この画分に平均以上の濃度の有価物粒子が存在するため、製錬のために直接分離することができる。これは、例えば、タンブラースクリーン(Taumelsieb)によって行うことができる。大きな構造物や凝集体に囲まれた小さな/微細な粒子だけが、分離装置によって穏やかに剥がされ、その後スクリーンにかけることができるはずである。以下では、分離装置または粉砕装置を流動性ボックス(Flowability-Box)とも呼ぶことにする。これは、分離を実現するための様々なアプローチや機構があることを意味する。
【0024】
例えば、最初に実行される混合材料凝集体から粒子をデタッチするステップは、例えば、6つの異なるスクリーン画分を有するタンブラースクリーンでダストを処理することによって実施することができる。このプロセスでは、特に振動によって粒子を混合材料凝集体からデタッチすることができる。したがって、振動に長く晒されると、粒子のそれに応じてより大きな部分が混合材料凝集体からデタッチされるので、前記処理または前記ステップの実行は、できるだけ長く行われることも有利であり得る。上述したように、タンブラースクリーンでのスクリーニングによって粒子を機械的または乾式でデタッチするためのステップのこのような実行は、混合材料凝集体から粒子をデタッチするだけでなく、有利には、同時に異なる粒子サイズを有するフラクションへの第1の分画などの分画を効果的に行うことができる。これらのフラクションは、選択的に更なる処理に供することができる。例えば、少なくとも1つの次元又は空間方向において、例えば100μm未満、好ましくは50μm未満の粒径を有するスクリーン画分は、その微細な又は細粒の材料が相対的に多くのリサイクル可能な部分、特に貴金属部分を有するので、最終画分又は再処理画分に直接的に分離又は分別され得る。
【0025】
中粒度の画分、例えば100μm~300μm、好ましくは50μm~300μmのサイズの粒子を有する画分に、追加の機械的および乾式分離方法を適用して、潜在的によりリサイクル可能または再処理可能な成分濃度を有する画分を生産または取得することができる。
【0026】
本方法の別の特に好ましい実施形態によれば、混合粒子凝集体をブレークアップするステップにおいて、粒子径に応じた分画、好ましくは2~3個の分画を同時に実施することができる。このようにして、前記ステップはまた、特に有利には、混合材料凝集体から粒子、特にリサイクル可能または再利用可能な粒子をさらにデタッチするための前提条件を提供するだけでなく、同時に分離または分画を行うことができ、これは、混合材料凝集体から解放、剥離またはその他の方法でデタッチした粒子の早期分離を少なくとも部分的に効果的にするものである。繊維を含む混合材料凝集体がブレークアップすることによって、そうでなければアクセスできないか、或いは結合した複数の粒子が流動可能な(ひいてはさらに加工可能な)、特に分離可能な状態に移行するという事実は、特に有利である。
【0027】
特に好ましくは、繊維同士の付着を減らす操作、特に繊維の表面操作及び/又は繊維の短縮化及び/又は繊維の空間的分離、好ましくは材料混合物又は粉塵の予め分画された部分の操作が、混合材料凝集体をブレークアップするステップで実施される。この文脈において、繊維の表面を操作すること、特に繊維の表面を滑らかにすること、繊維自体を短くすること、および混合材料凝集体の分断と組み合わせて、繊維を互いに空間的に分離することが、特に効果的であることが判明している。これら全ての操作は、個別に、及び互いに組み合わせて、混合材料凝集体を全体として効果的に分解することを可能にし、その結果、混合材料凝集体に封入又は結合した粒子が放出されるか又は放出可能となっている。
【0028】
この文脈において、好ましくは材料混合物の予め分画された部分の破砕および/または粉砕および/または粉砕プロセスが、ブレークアップ工程で実施されると特に有利であり得る。それ自体既知の異なる破砕および/または粉砕工程および/または研削工程を採用することができる。しかしながら、冒頭で説明したように、このための前提条件は、前記工程が乾式で、すなわち溶媒または輸送剤の形態の液体を加えることなく実行され得ることである。異なるプロセスやセットアップが特に有利であることが証明されている。例えば、ロッドミル装置で処理することにより、混合材料凝集体を効果的にブレークアップすることができる。ロッドミル装置は、繊維の表面特性に対する効果、特に平滑化効果と、繊維を互いに空間的に分離させる混合材料凝集体に対する効果とを併せ持つ。同様に、特に有利なプロセスは、改良されたバレル仕上げ装置、特に乾式運転に適合したバレル仕上げ装置によって達成することができる。この種のバレル仕上げ装置は、円形振動機または円筒研削機としても知られており、これらは、しかし、典型的には湿式で、すなわち液体、好ましくは水性の添加剤を用いて操作される。この場合、異なる材料、好ましくは鉱物材料で作られ、異なる形状または表面を有する研磨製品を使用することができる。
【0029】
本方法の別の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの他の分離及び/又は分画ステップ、好ましくは3つの他の分離及び/又は分画ステップを実施することができ、混合材料凝集体をブレークアップするステップによって生成された材料混合物、特に前記ステップで生成された材料画分は、少なくとも1つの分離及び/又は分画ステップにおいて材料投入物として供給されることが好ましい。比重に基づいて分離する方法、例えば、重い画分と軽い画分に分離するための方法は、分離ステップと理解することができる。また、粒径ごとに分離する方法は、分級工程と理解することができる。材料投入物としてのこの材料又はこの材料画分は、別の材料画分、例えば、本発明による繊維を含む混合材料凝集体から粒子を機械的及び乾式にデタッチするステップからの材料画分と接合、結合又は混合することができる。他の分離及び/又は分画ステップも、方法全体を乾燥した状態で維持又は実行するように、乾燥した状態で、すなわち液体溶媒又は輸送剤を用いずに実施される。例えば、他の分離及び/又は分画ステップは、空気分離テーブル及び/又はタンブラースクリーニング装置によって実施することができる。
【0030】
本方法の別の特に好ましい実施形態によれば、分離及び/又は分画ステップ及びそこで生成されるフラクションは、異なる分離及び/又は分画ステップ、特に異なる分離及び/又は分画装置からの2以上のフラクションが少なくとも1点で合流する、枝分かれした材料流(veraestelter Materialfluss)を導くか又は生成することができる。これにより、材料フロー全体と、リサイクル可能な材料、特に貴金属の濃縮が特に効果的に行われる。また、これにより、組成が再処理またはリサイクルを保証せず、したがって埋立または熱利用される材料成分またはフラクションを、特に効果的に廃棄または分別することができる。
【0031】
本方法の別の好ましい実施形態によれば、本方法において生産されたフラクション、特に100μm未満、好ましくは50μm未満の粒子径を有するフラクションは、特に金属および貴金属を回収するために製錬に付すかまたは精製所に供給することができる。
【0032】
電気又は電子デバイスのリサイクルから、繊維、特にガラス繊維を含み、重金属及び/又は貴金属を含む粉塵状材料混合物を分離するシステムに関して、繊維、好ましくはガラス繊維を含む混合材料凝集体から粒子を機械的にかつ乾燥状態でデタッチするためのデタッチ装置、並びに繊維、好ましくはガラス繊維を含む混合材料凝集体を機械的にかつ乾燥状態でブレークアップする少なくとも一つの分離装置が設けられることによって上記目的は解決される。
【0033】
装置は、原則として、互いに空間的に距離を置いて配置または形成することができる。あるいは、システムは統合的に構成することができ、デバイスは互いに接続され、または互いに統合される。システムの本発明による装置と好ましくは提供され得るシステムの他の装置との間に、直接材料フローまたは直接材料輸送を確立することができる。同様に、粉塵性材料混合物または粉塵の個々の部分、特に個々の画分が、本発明によるシステムの適切な地点で、すなわち適切な装置によってさらに処理されるか、またはシステムから除去されるまで、装置の1つで使用するための投入材料として適切な容器に貯蔵および/または一時的に保管されることもまた可能である。上述したように、電気または電子装置のリサイクルから特にガラス繊維を含む粉塵性材料混合物または埃を分離するためのシステムにおいて、繊維、好ましくはガラス繊維を含む混合材料凝集体のデタッチ装置と分離装
置との組み合わせは、これがリサイクル可能材料、特に貴金属の著しく大きな部分を移送するという驚くべき効果を有する。その結果、電気又は電子機器のリサイクル、特に機械的リサイクルにおいて発生する大量のダスト又はダスト状物質混合物を著しく良好に分離することができ、したがって、ダストのリサイクル可能な成分又は構成要素の著しく良好な濃度を達成し、その結果、前記ダストを経済的に再処理又はリサイクルすることができるという効果がある。
【0034】
本発明によれば、分離装置およびデタッチ装置は、いずれも乾式で作動する装置、すなわち、搬送液や分離液の添加や投入の必要がない装置として構成されている。
【0035】
本発明によるシステムの特徴および利点に関して、冗長性を避けるために、本発明による方法の先行説明を全体的に参照する。方法に関連して開示された特徴は、本発明によるシステムに関連して開示されたともみなされるものとし、その逆もまた同様である。
【0036】
システムの第1の有利な実施形態によれば、粒子をデタッチするためのデタッチ装置は、システムの入口装置として提供および/または配置することができる。これは、電気または電子機器のリサイクルに由来するダストまたは粉塵状物質混合物が、最初に定義されたようにデタッチ装置に供給され、そこで繊維を含む混合物質凝集体に結合した粒子の少なくとも一部が機械的にデタッチされ、それにより分別を可能にする流動性状態に移行されることを意味する。
【0037】
さらに、デタッチ装置は、有利には、材料混合物を、好ましくは粒子サイズに応じて3~8個の分画に分画する手段も含むことができる。可能であれば、繊維を含む混合材料凝集体からの粒子のデタッチまたは解放に加えて、これにより、それ自体は緩く結合しまたは結合していない状態で存在する粒子と、混合材料凝集体から機械的にデタッチ、解放または除去された粒子の両方の早期分離または分画が可能となり、それぞれの分画はその後、効果的にさらに処理または使用することが可能である。
【0038】
特に好ましくは、デタッチ装置はタンブラースクリーンとすることができる。タンブラースクリーンに使用されるスクリーンは、異なるメッシュ幅を有することができ、それぞれの洗浄機構を提供することができる。より粗いスクリーンによって、ボールの洗浄を行うことができる。より微細なスクリーンは、超音波洗浄で清浄または操作することができる。
【0039】
さらに、分離装置または流動性ボックスは、材料混合物を分画する手段、好ましくは2~3個の分画に分画する手段を含むこともできる。これも、繊維を含む混合材料アグロメレートが分断されるだけでなく、こうして混合材料凝集体からデタッチまたは解放され、流動可能な状態にある粒子が既に対応して設けてあるフラクションに分かれ、さらなる処理を容易にし、または向上させることを保証するものである。
【0040】
特に有利には、分離装置は、互いの繊維付着の分離、特に繊維の表面操作および/または繊維の短縮化および/または繊維の空間的分離、好ましくは材料混合物の予備分画部分の分離をもたらす手段を含むことが可能である。繊維同士の付着力を低下させることにより、繊維を含む混合材料凝集体のブレークアップを特に効果的に行うことができる。
【0041】
特に好ましくは、分離装置は、材料又は粉塵、好ましくは材料混合物の予備分画された部分を粉砕するための手段を含むことができる。
【0042】
特に好ましくは、分離装置は、乾式運転用に改良されたバレル仕上げ装置及び/又はロッドミル装置とすることができる。前記装置は、繊維、特にガラス繊維を含む混合材料凝集体のブレークアップに関して、特に効果的であることが証明されている。明らかに、バレル仕上げ装置およびロッドミル装置の両方は、繊維、特にガラス繊維の表面を効果的に平滑化し、繊維を短縮化し、および/または繊維を互いから分離する能力が特に高く、各工程、特に前記工程の組み合わせが、繊維、特にガラス繊維を含む混合材料凝集体の効果的なブレークアップをもたらす。前記バレル仕上げ装置、円筒研削機および円形振動機は、例えば空間方向あたり5mm~15mのサイズ範囲の星形研磨製品で作動させることができる。吸引、特に、最小の粒子を除去および/または分離する吸引装置を設けることができる。
【0043】
さらに、システムは、有利には、少なくとも1つの他の分離および/または分画装置、好ましくは3つの他の分離および/または分画装置を含むことができ、分離装置によって生成された材料混合物、特に分離装置によって生成された材料フラクションは、好ましくは少なくとも1つの分離および/または分画装置における材料投入物として供給される。特に有利な態様では、これにより、分離装置で製造され、繊維、特にガラス繊維を含む混合材料凝集体が適宜分解または分断され、したがって対応する粒子または材料混合物が放出または解放された材料混合物、特に画分が、リサイクル可能または処理可能な材料または材料画分の有効濃度が確保される結果、再びまたはもう一度分離および/または分別に付されることが可能になる。
【0044】
他の分離及び/又は分別装置は、有利には、空気分離器、好ましくは空気分離テーブル、及び/又はタンブラースクリーンであるとしてもよい。これらの装置は、特に積極的かつ効果的な方法で本発明に係るシステムに組み込むことができ、潜在的にリサイクル可能な材料混合物全体の効果的な濃縮につながることが見出されている。空気分離テーブルの特別な利点は、導入された材料を、互いに異なる相対密度に基づき、軽い画分と重い画分とに分離することである。この分離は、貴金属または重金属の場合に存在するような高い相対密度を有する粒子の濃縮を可能にするので、本発明による方法の他のステップにおける粒径に基づく分画に対し、特に積極的に追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
以下、本発明の利点および実施形態について、概略図を参照しながら説明する。
【
図1】本発明に係る方法のステップの概略図を含む、本発明によるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、電気または電子デバイスのリサイクルから、好ましくは繊維、特にガラス繊維を含む粉塵状物質混合物を分離するための、本発明に係るシステム01を示す。システム01は、入口装置02としてのデタッチ装置03からなり、デタッチ装置03は既に、乾燥機械処理によって第1ステップS1で繊維を含む混合材料凝集体から粒子をデタッチし、同時に異なるサイズ画分04への分画を達成する。
【0047】
このようにして生成されたサイズ画分04は、ステップS2およびS3においてさらに選択的に使用することができる。デタッチ装置03は、例えば、タンブラースクリーンとすることができる。タンブラースクリーンでは、繊維を含む混合材料凝集体に作用する機械的振動が、混合材料凝集体から粒子を離脱させる。デタッチ装置03で生成された最も微細なまたは最も細かい粒の画分は、その後の製錬のために直接分離されるか、または別の分画装置07に供給されて別の分画を作用させる。例えば、分画装置07は、ステップS3において軽いフラクションと重いフラクションが生成され、フィルタに収集されたサイクロンダストを有するフラクションが吸引によって追加的に分離される空気分離テーブル06であり得る。
【0048】
入口装置02であるデタッチ装置03で生成された他のフラクションは、一緒にまたは1つ後に分離装置05に供給することができ、分離装置05は、ステップS2において、特に繊維の表面に影響を与え、特に好ましくは表面を平滑化し、繊維を短くしおよび/または繊維を互いから空間的に離すことによって繊維、特にガラス繊維同士の付着を低減するように構成されている。分離装置05は、好ましくは、乾式で運転されるバレル仕上げ装置またはロッドミル装置とすることができる。
【0049】
分離装置05は、ステップS2においても、異なるサイズのフラクション04の分別を追加的に達成することができる。例えば、分離装置05も、最も細かいダスト粒子を吸引するための吸引手段、および他のスクリーニングまたは分離手段によって構成することができる。分離装置05では、繊維を含む混合材料凝集体の主要部分が分解されるか、少なくとも小さくされ、その結果、そうでなければ混合材料凝集体に結合または埋め込まれた相当量の粒子が放出されて流動性状態に移行し、したがって全体として分離または分画が可能となる状態に移行する。分離装置05で生成されたフラクションのうち、特に多くの流動性粒子からなるものは、例えばステップS3の分画装置07からのフラクションと共に別の分画装置07に供給することができ、別の分画装置07はタンブラースクリーン03とすることができ、ステップS4でさらなる分画を作用させる。この分画装置07で得られたフラクションはまた、選択的にさらに処理することができる。一部は、ステップS6で製錬所での製錬または処理のために直接分離することができ、他のフラクションは、ステップS7で熱廃棄または埋立に直接供給することができる。別のフラクションは、別の分画装置07、例えば別の空気分離装置06によってステップS5でもう一度分割または分画することができ、これらのフラクションはその一部を廃棄工程S7または製錬工程S6に供給することができる。
【0050】
本発明に係る方法の試験により、金属価値の90%から95%を、投入混合物の質量の30%未満にまで、濃縮できることが示された。この部分つまり濃縮物が冶金的に利用されるため、投入混合物の質量の約70%だけが埋立てに使われることになる。
【0051】
本発明に係る方法の別のステップでは、埋め立てられるべき塊の部分がさらに減少される。これは、高い発熱量を有する細粒の材料であるため、ごみ固形燃料として使用するのに適している。
【0052】
粉体塗装の残渣も発熱量が高く、ダストとして処理しなければならず、高コストであることが知られている。粉体塗装は、例えばポリエステル樹脂からなり、マトリックスによって圧縮されると流動し始め、それにより液化してプラスチックの塊となる。電気または電子機器のリサイクルにより生じるダスト、例えば粒径3mm未満、好ましくは0.1mm以上の粒子、および粉体塗装のリサイクルにより生じるダストの適切な混合物が形成されると、ペレットのようなごみ由来の燃料は、その結果、圧縮によってシンプルに製造することができる。
【符号の説明】
【0053】
01 システム
02 インレットデバイス
03 デタッチ装置
04 サイズフラクション
05 分離装置
06 空気分離装置
07 分別装置
【国際調査報告】