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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】電力機器のモニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
   H02B 11/10 20060101AFI20230428BHJP
   H02B 11/12 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
H02B11/10 B
H02B11/12 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558206
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 KR2021003875
(87)【国際公開番号】W WO2021201539
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0041148
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ミンギュ
【テーマコード(参考)】
5G012
【Fターム(参考)】
5G012AA09
5G012HH09
(57)【要約】
本発明は、電力機器のモニタリングシステムに関し、後方側にクレードル端子が形成されるクレードルと、前記クレードル端子に機械的かつ電気的に接続又は分離される遮断器と、前記遮断器の内部に取り付けられて、遮断器本体の位置をリアルタイムで検出する少なくとも一つ以上の位置検出手段と、前記位置検出手段で検出された前記遮断器本体の移動特性を出力するディスプレイ部と、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方側にクレードル端子が形成されるクレードル;
前記クレードル端子に機械的かつ電気的に接続又は分離される遮断器;
前記遮断器の内部に取り付けられて、遮断器本体の位置をリアルタイムで検出する少なくとも一つ以上の位置検出手段;及び、
前記位置検出手段で検出された前記遮断器本体の移動特性を出力するディスプレイ部;を含む、
電力機器のモニタリングシステム。
【請求項2】
前記ディスプレイ部から出力する前記遮断器本体の移動特性は、前記遮断器本体の移動距離、接続又は分離位置までの残余距離、移動速度、移動速度の変化量、前記遮断器本体と前記クレードル端子との間の噛み量、前記遮断器本体の予想投入時間のうち少なくともいずれか以上である、
請求項1に記載の電力機器のモニタリングシステム。
【請求項3】
前記位置検出手段は、
前記遮断器本体の移動範囲に対応するように形成される少なくとも一つ以上のポジション感知領域部を含み、前記クレードルの前方側に固定設置されるガーダに一端が結合され、他端は、前記クレードルの後方側に自由端で形成されるポジションバー;
前記遮断器本体が積載され、前記ポジションバーが内側に挿入されて、前記クレードルの内部における前記ガーダから前記クレードル端子側に往復移動可能に形成されるトラックと、前記ポジション感知領域部に対向する少なくとも一つ以上のセンサが具備されて、前記トラックの内部に設置されるセンサモジュール;及び、
前記センサモジュールで感知された前記ポジション感知領域部の移動特性を受信し、これによって、前記遮断器本体の移動特性を検出する制御部;を含む、
請求項1に記載の電力機器のモニタリングシステム。
【請求項4】
前記位置検出手段は、
前記遮断器本体の両側面のうち少なくともいずれか側面に形成されるポジション感知領域部;
前記ポジション感知領域部に対向して、前記ポジション感知領域部の移動位置を感知して、前記遮断器本体の位置を検出する少なくとも一つ以上のセンサが具備されて、前記クレードル内側の両面のうち少なくともいずれか内側面に固定結合されるセンサモジュール;及び、
前記センサモジュールで感知された前記ポジション感知領域部の移動特性を受信し、これによって、前記遮断器本体の移動特性を検出する制御部;を含む、
請求項1に記載の電力機器のモニタリングシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記遮断器本体が接続位置にある場合、前記遮断器本体と前記クレードル端子との間の噛み量が、既設定された噛み量の許容範囲を超える場合、お知らせ警報を生成して、これを前記ディスプレイ部に出力する、
請求項3又は4に記載の電力機器のモニタリングシステム。
【請求項6】
前記制御部は、前記センサモジュールによって感知された前記ポジション感知領域部の移動特性のうち、同種の特性が二つ以上感知される場合、これらを対比して、既設定された誤差許容量が超える場合、お知らせ警報を生成して、これを前記ディスプレイ部に出力する、
請求項3又は4に記載の電力機器のモニタリングシステム。
【請求項7】
前記センサは、非接触式センサ又は接触式センサのうちいずれか以上であるか、非接触式センサと接触式センサをそれぞれ含めて二つ以上である、
請求項3又は4に記載の電力機器のモニタリングシステム。
【請求項8】
前記ポジション感知領域部は、
前記トラックの移動方向に陰影が変化するポジションステッカー;
前記トラックの移動方向に本数、形状、形成位置のうち少なくとも一つ以上が相違して形成される複数本のポジション突起;及び、
前記トラックの移動方向に一端が下向き又は上向きに斜めに形成されるポジション傾斜部;のうち少なくともいずれか以上を含む、
請求項3又は4に記載の電力機器のモニタリングシステム。
【請求項9】
前記ポジション傾斜部に接触して、前記傾斜部に高低を感知し、前記遮断器本体の位置を感知する接触式センサをさらに含む、
請求項8に記載の電力機器のモニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力機器のモニタリングシステムに関し、より詳細には、クレードル内で移動する遮断器本体の正確な位置を継続して感知及び検出することのできる電力機器のモニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電力機器とは、電力を受電、送電に変換できるあらゆる機器を意味する。
【0003】
図1は、これら従来の電力機器を示した斜視図である。
【0004】
図1を参照すると、従来の電力機器は、外部の電源又は負荷側電力線路を連結するクレードル端子110が形成されて、配電盤に固定されるクレードル100と、前記クレードル100の端子部に機械的かつ電気的に接続又は分離される遮断器本体200と、前記遮断器本体200を接続又は分離される位置に移動させる移送装置であるガーダ(girder)300と、トラック400と、を含む。
【0005】
ここで、前記接続位置とは、前記遮断器本体200が、前記クレードル端子110側に最大に近付いて電気的に接続された位置を意味する。
【0006】
また、前記分離位置とは、前記遮断器本体200が、前記クレードル端子110側と最大に離隔して電気的に分離された位置を意味する。
【0007】
一方、試験位置とは、前記接続位置から前記分離位置に変更されるか、前記分離位置から前記接続位置に変更される過程の位置を意味する。
【0008】
また、図2図3は、それぞれ図1における前記分離位置と接続位置による前記ガーダ300と前記トラック400を示した斜視図である。
【0009】
また、図4は、それぞれ従来の電力機器における分離、試験、接続位置による前記ガーダ300と前記トラック400の断面を示した断面図である。
【0010】
図2図4を参照すると、従来の電力機器における前記ガーダ300は、前面に形成される一対のハンドルバー310と、両側に形成される支持リブ320と、前面中央部に一端が回転可能であるように結合されるスピンドル330と、前記スピンドル330の一側に形成されるスイッチ作動バー340と、を含む。
【0011】
また、前記トラック400は、両側に形成される複数本のホイール410と、前記スイッチ作動バー340によって作動する複数本のマイクロスイッチ420とを含み、前記スピンドル330が回転することによって、図2図3に示されているように、前記ガーダ300との間隔が調節される。
【0012】
すなわち、前記スピンドル330を時計又は半時計方向に回転させることによって、前記トラック400と前記クレードル端子110との間隔が調節される。
【0013】
また、前記スイッチ作動バー340は、前記トラック400の移動範囲に対応するように形成される凹溝部341と、前記凹溝部341の一端側に形成される後端傾斜部342と、前記凹溝部341と前記後端傾斜部342を除く上面に形成される上部平面部343と、を含む。
【0014】
また、前記マイクロスイッチ420は、第1~第3のマイクロスイッチ421,422,423を含む。
【0015】
より詳細に、前記第1のマイクロスイッチ421は、下側に、前記スイッチ作動バー340に接触するように形成される第1接触レバー421aを含み、前記ガーダ300側に最も隣接するように形成される。
【0016】
また、前記第2のマイクロスイッチ422は、下側に、前記スイッチ作動バー340に接触するように形成される第2接触レバー422aを含み、前記第1のマイクロスイッチ421の後端側に隣接するように形成される。
【0017】
また、前記第3のマイクロスイッチ423は、下側に、前記スイッチ作動バー340に接触するように形成される第3接触レバー423aを含み、前記諸トラック400の後端側に形成される。
【0018】
これら従来の電力機器における前記トラック300によって、前記クレードル100の端子110側と前記遮断器本体200との間の相対的位置を検出するための方法は、下記のとおりである。
【0019】
図4の(a)を参照すると、従来の電力機器の分離位置における前記トラック400と前記ガーダ300との間隔は、最小となる。
【0020】
これによって、前記遮断器本体200と前記クレードル端子110との距離は、最大となる。
【0021】
また、前記第1接触レバー421aは、前記上部平面部343に接触して、前記第2接触レバー422aと前記第3接触レバー423aは、それぞれ前記凹溝部341に接触する。
【0022】
一方、図4の(b)を参照すると、従来の電力機器の試験位置における前記ガーダ300と前記トラック400との間の距離が離隔することによって、第1接触レバー421aと前記第2接触レバー422aは、それぞれ前記凹溝部341に接触する。
【0023】
また、前記第3接触レバー423aは、前記後端傾斜部342を経て、前記上部平面部343に接触する。
【0024】
また、図4の(c)を参照すると、従来の電力機器の接続位置における前記トラック400と前記ガーダ300との間隔は、最大となる。
【0025】
これによって、前記遮断器本体200は、前記クレードル端子110と接触して電気的に連結される。
【0026】
このとき、前記第1接触レバー421aは、前記凹溝部341に接触して、前記第2接触レバー422aは、前記後端傾斜部342を経て、前記上部平面部343に接触する。
【0027】
上記したように、従来は、前記スイッチ作動バー340が、前記ガーダ300に結合した状態で、前記トラック400との間隔が調節されることによって、前記トラック400に固定設置された前記複数本のマイクロスイッチ420の接触有無に基づいて、前記遮断器本体200の位置が検出される。
【0028】
これによって、従来は、分離、試験、接続位置それぞれに対して位置を検出することができるものの、前記遮断器本体200と前記クレードル端子110との間に変更される距離は、検出することができない問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明の目的は、比較的に簡単な構造により、遮断器本体の位置を動作区間全体にわたって線形的に感知及び検出することのできる電力機器のモニタリングシステムを提供することである。
【0030】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。
【0031】
また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上述した課題を解決するために本発明は、後方側にクレードル端子が形成されるクレードルと、前記クレードル端子に機械的かつ電気的に接続又は分離される遮断器と、前記遮断器の内部に取り付けられて、遮断器本体の位置をリアルタイムで検出する少なくとも一つ以上の位置検出手段と、前記位置検出手段で検出された前記遮断器本体の移動特性を出力するディスプレイ部と、を含む、電力機器のモニタリングシステムを提供する。
【0033】
より具体的に、前記ディスプレイ部から出力する前記遮断器本体の移動特性は、前記遮断器本体の移動距離、接続又は分離位置までの残余距離、移動速度、移動速度の変化量、前記遮断器本体と前記クレードル端子との間の噛み量、前記遮断器本体の予想投入時間のうち少なくともいずれか以上であってもよい。
【0034】
一方、前記位置検出手段は、前記遮断器本体の移動範囲に対応するように形成される少なくとも一つ以上のポジション感知領域部を含み、前記クレードルの前方側に固定設置されるガーダに一端が結合され、他端は、前記クレードルの後方側に自由端で形成されるポジションバーと、前記遮断器本体が積載され、前記ポジションバーが内側に挿入されて、前記クレードルの内部における前記ガーダから前記クレードル端子側に往復移動可能に形成されるトラックと、前記ポジション感知領域部に対向する少なくとも一つ以上のセンサが具備されて、前記トラックの内部に設置されるセンサモジュール、及び前記センサモジュールで感知された前記ポジション感知領域部の移動特性を受信し、これによって、前記遮断器本体の移動特性を検出する制御部を含むことができる。
【0035】
また、前記位置検出手段は、前記遮断器本体の両側面のうち少なくともいずれか側面に形成されるポジション感知領域部と、前記ポジション感知領域部に対向して、前記ポジション感知領域部の移動位置を感知して、前記遮断器本体の位置を検出する少なくとも一つ以上のセンサが具備されて、前記クレードル内側の両面のうち少なくともいずれか内側面に固定結合されるセンサモジュール、及び前記センサモジュールで感知された前記ポジション感知領域部の移動特性を受信し、これによって、前記遮断器本体の移動特性を検出する制御部を含むこともできる。
【0036】
より好ましく、前記制御部は、前記遮断器本体が接続位置にある場合、前記遮断器本体と前記クレードル端子との間の噛み量が、既設定された噛み量の許容範囲を超える場合、お知らせ警報を生成して、これを前記ディスプレイ部に出力することができる。
【0037】
また、前記制御部は、前記センサモジュールによって感知された前記ポジション感知領域部の移動特性のうち、同種の特性が二つ以上感知される場合、これらを対比して、既設定された誤差許容量が超える場合、お知らせ警報を生成して、これを前記ディスプレイ部に出力することもできる。
【0038】
より好ましく、前記センサは、非接触式センサ又は接触式センサのうちいずれか以上であるか、非接触式センサと接触式センサをそれぞれ含めて二つ以上であってもよい。
【0039】
また、前記ポジション感知領域部は、前記トラックの移動方向に陰影が変化するポジションステッカーと、前記トラックの移動方向に本数、形状、形成位置のうち少なくとも一つ以上が相違して形成される複数本のポジション突起と、前記トラックの移動方向に一端が下向き又は上向きに斜めに形成されるポジション傾斜部と、のうち少なくともいずれか以上を含むことができる。
【0040】
より好ましく、前記ポジション傾斜部に接触して、前記傾斜部に、高低を感知し、前記遮断器本体の位置を感知する接触式センサを含むこともできる。
【発明の効果】
【0041】
本発明による電力機器のモニタリングシステムは、遮断器本体の位置を動作区間全体にわたって線形的に感知及び検出することにより、遮断器本体の正確な位置をリアルタイムで把握できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】従来の電力機器を示した斜視図。
図2】従来の電力機器における分離位置によるガーダとトラックを示した斜視図。
図3】従来の電力機器における接続位置によるガーダとトラックを示した斜視図。
図4】それぞれ従来の電力機器における分離、試験、接続位置によるガーダとトラックを示した断面図。
図5】本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムの構成を示した斜視図。
図6】本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおける遮断器本体がクレードルから分離された状態を示した斜視図。
図7】本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおける分離位置によるガーダとトラックを示した斜視図。
図8】本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおける接続位置によるガーダとトラックを示した斜視図。
図9】それぞれ本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおけるポジションバーを示した斜視図。
図10】それぞれ本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおけるセンサモジュールの上面と底面を示した斜視図。
図11】本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおける分離位置による側断面図。
図12】本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおける接続位置による側断面図。
図13】それぞれ本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおけるポジション感知領域部を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明を説明することにおいて、本発明に係る公知の技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0044】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0045】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載した場合、上記構成要素は、互いに直接連結されるか又は接続されてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されてもよいと理解しなければならない。
【0046】
本明細書で使われる単数の表現は、文脈上明らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。
【0047】
本願における「構成される」又は「含む」等の用語は、明細書上に記載した複数の構成要素又は複数の段階を必ずしも全て含むものと解釈してはならず、そのうち一部の構成要素又は一部の段階は含まれなくてもよいか、または、追加の構成要素又は段階をさらに含むことができると解釈しなければならない。
【0048】
全明細書における「A及び/またはB」とするとき、これは特に逆に記載されない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に逆に記載されない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0049】
以下では、本発明の幾つかの実施形態による電力機器のモニタリングシステムを説明することとする。
【0050】
本発明による電力機器のモニタリングシステムにおける従来の電力機器と同じ構成には、同じ図面符号を付している。
【0051】
図5は、本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムの構成を示した斜視図である。
【0052】
また、図6は、本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおける遮断器本体がクレードルから分離された状態を示した斜視図である。
【0053】
図5図6を参照すると、本発明による電力機器のモニタリングシステムは、クレードル端子110が形成されるクレードル100と、前記クレードル100に固定設置されるガーダ300と、前記ガーダ300との間隔が調節されるように移動可能に形成されるトラック400と、前記トラック400に積載されて、前記クレードル端子110に接続又は分離される遮断器本体200と、を含む。
【0054】
また、本発明による電力機器のモニタリングシステムにおいて、遮断器は、前記遮断器本体200と、前記ガーダ300と、前記トラック400と、を含む。
【0055】
また、本発明による電力機器のモニタリングシステムは、前記トラック400の移動範囲に対応するように、前記遮断器本体200又はガーダ300に形成される少なくとも一つ以上のポジション感知領域部500,500’と、前記トラック400又は前記クレードル100に固定設置されて、前記ポジション感知領域部500,500’に移動特性をリアルタイムで感知する少なくとも一つ以上のセンサモジュール600,600’と、前記センサモジュール600,600’で感知された前記ポジション感知領域部500,500’の移動特性を受信し、これによって、前記遮断器本体200の移動特性を検出する制御部800と、前記制御部800で検出された前記遮断器本体200の移動特性を出力するディスプレイ部900と、を含む。
【0056】
このとき、前記センサモジュール600,600’と前記制御部800との間の連結と、前記制御部800と前記ディスプレイ部900との間の連結は、様々な有無線通信網を適用することができる。
【0057】
また、前記ディスプレイ部900は、管理者の携帯用端末で形成されてもよい。
【0058】
一方、本発明による電力機器のモニタリングシステムにおいて、分離位置とは、前記遮断器本体200が、前記クレードル端子110側と最大に離隔して電気的に分離された位置を意味する。
【0059】
すなわち、前記分離位置は、前記ガーダ300と前記トラック400との間隔が最小化した状態である。
【0060】
また、本発明による電力機器のモニタリングシステムにおいて、接続位置とは、前記遮断器本体200が、前記クレードル端子110側に最大に近付いて電気的に接続された位置を意味する。
【0061】
すなわち、前記接続位置は、前記ガーダ300と前記トラック400との間隔が最大化した状態であって、前記遮断器本体200に形成される端子が、前記クレードル端子110に結合した状態である。
【0062】
また、本発明による電力機器のモニタリングシステムにおいて、運転位置とは、前記接続位置から前記分離位置に変更されるか、前記分離位置から前記接続位置に変更される過程で、前記ガーダ300と前記トラック400との間隔が調節される状態を意味する。
【0063】
前記ガーダ300は、前面に形成される一対のハンドルバー310と、両側に形成される支持リブ320と、前面中央部に一端が回転可能であるように結合されるスピンドル330と、を含む。
【0064】
より具体的に、前記ハンドルバー310は、前記ガーダ300と前記トラック400を前記クレードル100に取り付けるか分離させるとき、作業者が把持する部分であって、様々な形態に形成されてもよい。
【0065】
また、前記ガーダ300は、前記支持リブ320が、前記クレードル100の両側に挿入固定されることで、前記クレードル100に固定される。
【0066】
また、前記スピンドル330は、一端が、前記ガーダ300の中央部に結合されて、他端が、前記クレードル端子110側に向かうように前記トラック400に結合される。
【0067】
これによって、前記スピンドル300が時計又は半時計方向に回転する場合、前記ガーダ300と前記トラック400との間隔が調節されるように形成されてもよい。
【0068】
また、前記スピンドル330の回転は、前記ガーダの前面に形成されている接続口に接続器具を締結して、作業者が手動で作動させるか、駆動モータ等によって自動で行われてもよい。
【0069】
一方、前記ディスプレイ部900から出力する前記遮断器本体200の移動特性は、前記遮断器本体200の移動距離、接続又は分離位置までの残余距離、移動速度、移動速度の変化量、前記遮断器本体200と前記クレードル端子110との間の噛み量のうち少なくともいずれか以上であるのが好ましい。
【0070】
より好ましく、前記ディスプレイ部900から出力する前記遮断器本体200の移動特性は、管理者が容易に把握できるように、数値を含むグラフや図面等で出力されてもよい。
【0071】
また、前記制御部800は、前記遮断器本体200が接続位置にある場合、前記遮断器本体200と前記クレードル端子110との間の噛み量が、既設定された噛み量の許容範囲を超える場合、お知らせ警報を生成して、これを前記ディスプレイ部900に出力することができる。
【0072】
一方、前記遮断器本体200と前記クレードル端子110との間の噛み量は、前記遮断器本体200及び前記クレードル100の大きさが用途によって変更し得るため、前記遮断器本体200及び前記クレードル100の大きさと前記クレードル端子110の仕様を入力すれば、前記制御部800における前記遮断器本体200と前記クレードル100との間の距離によって自動で抽出されるように構成するのが好ましい。
【0073】
これによって、本発明による電力機器のモニタリングシステムは、前記遮断器本体200と前記クレードル端子110との間の不正確な結合によって発生する発熱、機器の破損、安全事故等を最小化することができる。
【0074】
また、前記制御部800は、前記センサモジュール600によって感知された前記ポジション感知領域部500の移動特性のうち、同種の特性が二つ以上感知される場合、感知された特性間の誤差が既設定された誤差許容量を超える場合、お知らせ警報を生成して、これを前記ディスプレイ部900に出力することもできる。
【0075】
より具体的に、前記制御部800は、複数本のポジション感知領域部500にそれぞれ対向して形成される複数本のセンサモジュール600で感知された移動特性を比較し合って、相違する場合、前記ディスプレイ部900に出力されるお知らせ警報によって管理者が、前記ポジション領域感知部500と前記センサモジュール600を含む位置検出手段及び機器全体の点検を行えるように誘導することができる。
【0076】
これによって、本発明による電力機器のモニタリングシステムは、前記位置検出手段に誤りや、前記センサモジュール600の不良、前記トラック400の移送の不良によって発生する前記遮断器本体200の移動特性の出力誤りを短時間内に把握することができる。
【0077】
一方、図7図8は、それぞれ本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおける分離位置と接続位置によるガーダとトラックを示した斜視図である。
【0078】
また、図9は、それぞれ本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおけるポジションバーを示した斜視図であり、図10は、それぞれ本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおけるセンサモジュールの上面と底面を示した斜視図である。
【0079】
図7図10を参照すると、本発明による電力機器のモニタリングシステムにおいて、前記ポジション感知領域部500は、前記ガーダ300に一端が結合され、他端は、前記クレードル端子110側自由端で形成されるポジションバー350に形成され、前記センサモジュール600は、前記トラック400の一側に固定結合されて、前記ポジション感知領域部500の移動特性を感知することができる。
【0080】
より具体的に、前記ポジションバー350は、前記スピンドル330と平行であるように、一端が前記ガーダ300に結合されて、他端は自由端で形成される。
【0081】
また、前記センサモジュール600は、前記ポジション感知領域部500に対向するように形成される非接触式センサ610と、前記ポジション感知領域部500に接触するように形成される接触式センサ620のうち少なくとも一つ以上を含むことができる。
【0082】
このとき、前記非接触式センサ610は、光センサであって、前記ポジション感知領域部500のうち一定領域の陰影や距離、形状等を感知するように形成されてもよい。
【0083】
また、前記接触式センサ620は、図10の(b)に示されているように、FPCB(Flexible Printed Circuit Board)又は弾性部材等によって、前記ポジションバー350側に延びるように形成されて、前記ポジションバー350と接触し得る。
【0084】
一方、前記ポジション感知領域部500は、上記したように、前記トラック400の移動範囲によって形成されて、より好ましくは、図9の(a)に示されているように、グラデーションテープのように、位置によって陰影が変化するポジションステッカー510で形成されてもよい。
【0085】
このとき、前記ポジションステッカー510は、図9の(b)に示されているように、三角形等のように、前記遮断器本体200の移動方向に面積が変化する多角形で形成されてもよい。
【0086】
一方、前記ポジション感知領域部500は、図9の(c)に示されているように、一端が、前記ポジションバー350の上面よりも突出又は陷沒するように形成されるポジション傾斜部520を含むこともできる。
【0087】
このとき、前記ポジション傾斜部520の上面には、上記したように、陰影が変化するグラデーションテープが付着していてもよい。
【0088】
また、前記ポジション感知領域部500は、図9の(d)に示されているように、一定間隔離隔して形成される複数本のポジション突起530を含むこともできる。
【0089】
より好ましく、前記ポジション突起530は、前記センサモジュール600によって、前記遮断器本体200の位置が検出されるように、前記トラック400の移動方向に本数、形成位置、形状等が徐々に変更するように形成されてもよい。
【0090】
また、前記ポジション感知領域部500は、前記ポジション突起530と前記ポジションテープ510とが混用して形成されてもよい。
【0091】
一方、本発明による電力機器のモニタリングシステムにおいて、前記トラック400には、前記ポジションバー350の両側面に隣接又は接触するように形成される複数本のポジションバーガイド430を含むことができる。
【0092】
また、前記ポジションバーガイド430には、図6に示されているように、前記ポジション感知領域部500に積層される埃や異物等を除去できるブラシタイプのクリーナー700が形成されるのが好ましい。
【0093】
これによって、本発明による電力機器のモニタリングシステムは、前記ポジション感知領域部500に積層される異物による前記センサモジュール600の感知誤りを最小化することができる。
【0094】
また、前記接触式センサ620は、前記ポジション傾斜部520に接触して、前記ポジション傾斜部520の高さが変更されることを感知し、前記遮断器本体200の位置を感知することもできる。
【0095】
一方、図11図12は、それぞれ本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおける分離位置と接続位置による側断面である。
【0096】
また、図13は、それぞれ本発明の一実施形態による電力機器のモニタリングシステムにおけるポジション感知領域部を示した側面図である。
【0097】
図11図13を参照すると、本発明による電力機器のモニタリングシステムにおける前記ポジション感知領域部500’は、前記遮断器本体200の側面に形成され、前記センサモジュール600’は、前記クレードル100の内側面に固定結合されて、前記ポジション感知領域部500’の移動特性を感知することもできる。
【0098】
このとき、前記ポジション感知領域部500’は、図13の(a)に示されているように、グラデーションテープのように、位置によって陰影が変化するポジションステッカー510’で形成されてもよい。
【0099】
また、前記ポジションステッカー510’は、図13の(b)に示されているように、三角形等のように、前記遮断器本体200の移動方向に面積が変化する多角形で形成されてもよい。
【0100】
一方、前記ポジション感知領域部500’は、図13の(c)に示されているように、一端が、前記遮断器本体200の側面よりも突出又は陷沒するように形成されるポジション傾斜部520’を含むこともできる。
【0101】
このとき、前記ポジション傾斜部520’の上面には、上記したように、陰影の変化するグラデーションテープが付着していてもよい。
【0102】
また、前記ポジション感知領域部500’は、図13の(d)に示されているように、一定間隔離隔して形成される複数本のポジション突起530’を含むこともできる。
【0103】
より好ましく、前記ポジション突起530’は、前記センサモジュール600によって、前記遮断器本体200の位置が検出されるように、前記トラック400の移動方向に本数、形成位置、形状等が徐々に変更するように形成されてもよい。
【0104】
また、前記ポジション感知領域部500’は、前記ポジション突起530’と、前記ポジションテープ510’とが混用して形成されてもよい。
【0105】
一方、本発明による電力機器のモニタリングシステムは、前記ポジション感知領域部500’が前記クレードル100の内側面に形成されて、前記センサモジュール600’が前記遮断器本体200の側面に形成されてもよい。
【0106】
しかし、前記センサモジュール600’の連結配線と制御、点検等のため、前記センサモジュール600’は、上記したように、前記クレードル100に形成されるのがより好ましい。
【0107】
このとき、前記センサモジュール600’に備えられたセンサが、無線通信手段を含む光センサである場合は、設計仕様に応じて、前記ポジション感知領域部500’が前記クレードル100の内側面に形成されて、前記センサモジュール600’が前記遮断器本体200の側面に形成されてもよい。
【0108】
より具体的に、前記遮断器本体200が、電気的及び機械的に接続される前記クレードル端子110が3相(R、S、T)で形成される場合、これら端子110間の接続が同時に行われない場合、電力機器の損傷及び電力事故が発生するおそれがある。
【0109】
よって、本発明による電力機器のモニタリングシステムは、前記クレードル端子110が3相である場合、各端子間の接続又は分離が同時に行われるように、前記ポジション感知領域部500’が前記遮断器本体200の両側面に形成され、これによって、前記センサモジュール600’が前記クレードル100両側の内面に形成されるのが好ましい。
【0110】
また、前記二つのセンサモジュール600’それぞれから感知された前記遮断器本体200の位置が一致しない場合、前記ディスプレイ部900でお知らせ警報を発生し得る。
【0111】
これによって、本発明による電力機器のモニタリングシステムは、前記遮断器本体200が、前記クレードル端子110に一定に接続又は分離されて、機器の破損及び電力事故を防止することができる。
【0112】
一方、前記センサモジュール600’は、図6に示されているように、前記ポジション感知領域部500’に対向するように形成される非接触式センサ610’と、前記ポジション感知領域部500’に接触するローラータイプに形成される接触式センサ620’のうち少なくとも一つ以上を含むことができる。
【0113】
また、前記センサモジュール600’の前方又は後方側に、前記ポジション感知領域部500’の表面に付着する埃又は異物を除去するために、ブラシ又はローラータイプのクリーナー700’を含むこともできる。
【0114】
一方、前記クリーナー700は、前記センサモジュール600の前方に設置されるのがより好ましい。
【0115】
前記クリーナー700が前記クレードル端子110側に隣接する場合、アーク等によって、前記クリーナー700が破損するか、電気的問題が発生し得るため、前記クリーナー700は、前記クレードル端子110側と最大限に離隔して形成されるのが好ましい。
【0116】
以上のように、本発明について例示した図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書に開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者によって様々な変形が行われることは自明である。さらに、本発明の実施形態を前述しつつ、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図5
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】
図9(d)】
図10(a)】
図10(b)】
図11
図12
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図13(d)】
【国際調査報告】