(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】撮像光学系、及び光学撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20230501BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523201
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(85)【翻訳文提出日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2021079394
(87)【国際公開番号】W WO2022183508
(87)【国際公開日】2022-09-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】有田 信一
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲シエン▼▲チャン▼
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087NA18
2H087PA08
2H087PA17
2H087PB08
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA17
2H087QA19
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA34
2H087RA43
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】
光学系が、負の屈折力を有し、像側の面が凹面である第一レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凹面である第二レンズと、正の屈折力を有し、像側の面が凹面である第三レンズと、正の屈折力を有し、像側の面が凸面である第四レンズと、正の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面である第五レンズと、負の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面である第六レンズと、正の屈折力を有し、物体側の面が、中心部が凸面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、且つ、像側の面が凸面である第七レンズと、物体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が、中心部が凹面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面である前記第八レンズと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側に向かう方向に順に並ぶ第一レンズと、第二レンズと、第三レンズと、第四レンズと、第五レンズと、第六レンズと、第七レンズと、第八レンズとを備え、
前記第一レンズは、負の屈折力を有し、像側の面が凹面であり、
前記第二レンズは、負の屈折力を有し、像側の面が凹面であり、
前記第三レンズは、正の屈折力を有し、像側の面が凹面であり、
前記第四レンズは、正の屈折力を有し、像側の面が凸面であり、
前記第五レンズは、正の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面であり、
前記第六レンズは、負の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面であり、
前記第七レンズは、物体側の面が、中心部が凸面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、且つ、像側の面が凸面であり、
前記第八レンズは、物体側の面が凹面であり、像側の面が、中心部が凹面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、
前記第一レンズの焦点距離をf1とし、前記第二レンズの焦点距離をf2とし、前記第一レンズと前記第二レンズとの合成焦点距離をf12とし、前記第三レンズの焦点距離をf3とし、前記第三レンズの前記像側の面から前記第四レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT34とし、前記第六レンズの前記像側の面から前記第七レンズの前記物体側の面までの光軸に沿った距離をT67としたときに、
|f1/f2|<6
|f12/f3|<0.5
0<T67/T34<1.0
を満たす、撮像光学系。
【請求項2】
前記第三レンズと前記第四レンズとの間に配置される開口絞りを備え、
前記第一レンズの物体側の面から結像面までの光軸に沿った距離をTLとし、最大像高をImgHとしたときに、
TL/ImgH<3
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項3】
前記第四レンズの物体側の面の曲率半径をR7とし、該第四レンズの像側の面の曲率半径をR8としたときに、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項4】
前記第一レンズの前記像側の面から前記第二レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT12とし、前記第二レンズの像側の面から前記第三レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT23とし、前記第三レンズの像側の面から前記第四レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT34としたときに、
0<T12/T23<3.0
0<T23/T34<2.0
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項5】
最大画角の半分をHFOVとし、絞り値をFnoとしたときに、
2.0<tan(HFOV)
1.4<Fno<3.0
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項6】
前記第一レンズの物体側の面の最大有効半径をY11とし、前記第八レンズの像側の面の最大有効半径をY82としたときに、
0.8<Y11/Y82<1.5
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項7】
前記第六レンズの分散係数をV6とし、前記第七レンズの分散係数をV7としたときに、
0<V6/V7<0.50
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項8】
該撮像光学系の焦点距離をfとし、前記第四レンズの焦点距離をf4とし、前記第五レンズの焦点距離をf5としたときに、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項9】
前記第六レンズの像側の面から前記第七レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT67とし、前記第七レンズの光軸に沿った厚さをCT7とし、前記第七レンズの像側の面から前記第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、前記第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
T67/CT7<0.50
T78/CT8<0.70
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項10】
前記第七レンズの物体側の面の曲率半径をR13とし、前記第七レンズの像側の面の曲率半径をR14とし、前記第八レンズの物体側の面の曲率半径をR15とし、前記第八レンズの像側の面の曲率半径をR16とし、前記第七レンズの光軸に沿った厚さをCT7とし、前記第七レンズの像側の面から前記第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、前記第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8とし、前記第一レンズの物体側の面から結像面までの光軸に沿った距離をTLとし、該撮像光学系全体の焦点距離をfとしたときに、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
0.6<|R14/R15|/1.3
2.0<TL/f<4.0
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項11】
前記第一レンズの物体側の面における光軸との交点から該物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag11とし、前記第三レンズの物体側の面における光軸との交点から該物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag31としたときに、
|Sag11/Sag31|<5.0
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項12】
最大像高の歪曲収差量をDST1.0とし、前記最大像高の70%像高の歪曲収差量をDST0.7とし、最大画角をFOVとしたときに、
|DST1.0/FOV|<0.5 (%/度)
|DST1.0/DST0.7|<10
を満たす、請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項13】
物体側から像側に向かう方向に順に並ぶ第一レンズと、第二レンズと、第三レンズと、第四レンズと、第五レンズと、第六レンズと、第七レンズと、第八レンズと、を備え、
前記第一レンズは、負の屈折力を有し、
前記第二レンズの像側の面は、凹面であり、
前記第三レンズの像側の面は、凹面であり、
前記第四レンズの像側の面は、凸面であり、
前記第五レンズは、正の屈折力を有し、像側の面が凸面であり、
前記第六レンズは、負の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面であり、
前記第七レンズは、正の屈折力を有し、物体側の面が、中心部が凸面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、
前記第八レンズは、像側の面が、中心部が凹面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、
前記第一レンズの焦点距離をf1とし、前記第二レンズの焦点距離をf2とし、前記第一レンズと前記第二レンズとの合成焦点距離をf12とし、前記第三レンズの焦点距離をf3とし、前記第一~第八レンズによって構成される光学系全体の焦点距離をfとし、前記第七レンズの光軸に沿った厚さをCT7とし、前記第七レンズの像側の面から前記第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、前記第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5
1.0<CT7/CT8<2.0
|f1/f2|<6
|f12/f3|<0.5
を満たす、撮像光学系。
【請求項14】
前記第一レンズの像側の面は、凹面であり、
前記第七レンズの物体側の面の曲率半径をR13とし、該第七レンズの像側の面の曲率半径をR14とし、前記第八レンズの物体側の面の曲率半径をR15とし、前記第八レンズの像側の面の曲率半径をR16とし、前記第七レンズの光軸に沿った厚さをCT7とし、前記第七レンズの像側の面から前記第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、前記第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
0.6<|R14/R15|/1.3
を満たす、請求項13に記載の撮像光学系。
【請求項15】
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5
を満たす、請求項13に記載の撮像光学系。
【請求項16】
前記第六レンズの焦点距離をf6としたときに、
0.5<f12/f6<1.5
を満たす、請求項13に記載の撮像光学系。
【請求項17】
開口絞りを備え、
前記開口絞りから前記第八レンズの像側の面までの光軸に沿った距離をSDとし、前記第一レンズの物体側の面から前記第八レンズの像側の面までの光軸に沿った距離をTDとし、前記第一レンズの物体側の面の最大有効半径をY11とし、前記第八レンズの像側の面の最大有効半径をY82としたときに、
0.45<SD/TD<0.65
0.8<Y11/Y82<1.5
を満たす、請求項13に記載の撮像光学系。
【請求項18】
前記第八レンズの像側の面の最大変曲点と光軸との該光軸と直交する方向の距離をYc82としたときに、
0.45<Yc82/f<0.75
を満たす、請求項13に記載の撮像光学系。
【請求項19】
最大像高の歪曲収差量をDST1.0とし、前記最大像高の70%像高の歪曲収差量をDST0.7とし、最大画角をFOVとしたときに、
|DST1.0/FOV|<0.5 (%/度)
|DST1.0/DST0.7|<10
を満たす、請求項13に記載の撮像光学系。
【請求項20】
物体側から像側に向かう方向に順に並ぶ第一レンズと、第二レンズと、第三レンズと、第四レンズと、第五レンズと、第六レンズと、第七レンズと、第八レンズと、を備え、
前記第一レンズは、負の屈折力を有し、
前記第二レンズの像側の面は、凹面であり、
前記第三レンズの物体側の面は、凸面であり、
前記第四レンズの物体側の面は、凸面であり、
前記第五レンズは、正の屈折力を有し、
前記第六レンズは、負の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面であり、
前記第七レンズは、正の屈折力を有し、像側の面が凸面であり、
前記第八レンズは、像側の面が、中心部が凹面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、
前記第一レンズの光軸に沿った厚さをCT1とし、前記第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
0.5<CT1/CT8<1.5
を満たす、撮像光学系。
【請求項21】
前記第一レンズと前記第二レンズとの合成焦点距離をf12とし、前記第五レンズの焦点距離をf5としたときに、
0.8<|f5/f12|<2.5
を満たす、請求項20に記載の撮像光学系。
【請求項22】
前記第一レンズの物体側の面における光軸との交点から該物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag11とし、前記第三レンズの物体側の面における光軸との交点から該物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag31としたときに、
|Sag11/Sag31|<5.0
を満たす、請求項20に記載の撮像光学系。
【請求項23】
前記第一レンズの像側の面から前記第二レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT12とし、前記第二レンズの像側の面から前記第三レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT23とし、前記第三レンズの像側の面から前記第四レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT34とし、前記第四レンズの像側の面から前記第五レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT45とし、前記第五レンズの像側の面から前記第六レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT56とし、前記第六レンズの像側の面から前記第七レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT67とし、前記第七レンズの像側の面から前記第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78としたときに、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たす、請求項20に記載の撮像光学系。
【請求項24】
前記第一レンズ、前記第二レンズ、前記第三レンズ、前記第四レンズ、前記第五レンズ、前記第六レンズ、前記第七レンズ、及び前記第八レンズの各レンズにおける屈折率の最大値をNmaxとしたときに、
1.60<Nmax<1.72
を満たす、請求項20に記載の撮像光学系。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか1項に記載の撮像光学系と、
前記撮像光学系が有する前記第一~前記第八レンズの全部又は一部のレンズを駆動する駆動部と、
前記撮像光学系の結像面に配置される光電変換素子と、を備える光学撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のレンズを備える撮像光学系、及び前記撮像光学系を備えた光学撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像撮影装置の応用範囲は、ますます広範であり、車載用途、識別認識用途、娯楽用途、家電AI支援用途等の応用範囲が広く、科学技術発展に寄与している。特に民生用途として携帯端末は非常に重要なアイテムである。
【0003】
特に、携帯端末に搭載される画像撮影装置では、近年、三つ以上の撮像装置を備えていることが一般的になりつつある。
【0004】
例えば、一般的なズーム機構を有するカメラレンズ(撮像光学系)は、一つのレンズで、広角から望遠までのあらゆる画角を満たすような光学ズームレンズを搭載している。このズームレンズにおいて、最も広角な端から最も望遠側の端までの焦点距離の比をズーム倍率と呼ぶが、このズーム倍率は、ズームレンズの重要なパラメータである。
【0005】
しかし、光学ズームレンズの場合は、レンズ内部に光軸方向に移動するレンズ要素(群)が一般的に二つ以上必要となり、ズームレンズ自体の寸法が大きくなるため、可動スペースの確保の問題から、光学ズームレンズを携帯端末に搭載することは現実的ではない。
【0006】
このため、携帯端末に搭載される画像撮影装置では、それぞれ焦点距離の異なる単焦点レンズ(光学系)を備えた複数の撮像装置(例えば、超広角専用の撮像装置、標準画角専用の撮像装置、望遠専用の撮像装置)を配置し、各撮像装置から出力される出力画像を組み合わせることにより、電子的に光学ズームレンズ同様のズーム効果を実現している。
【0007】
この携帯端末において、一般的なカメラレンズ同様に、ズーム倍率の拡大が市場のニーズであり、各社、望遠専用のレンズとして、より焦点距離が長いレンズを搭載している。
【0008】
一方、広角専用のレンズとしては、画角(以下、「FOV」と称する。)が120°程度のレンズが搭載されており、この広角専用のレンズにおいても、各社いろいろな提案がなされている。
【0009】
例えば、特許文献1及び特許文献2では、監視カメラやアクションカム用のFOV130°以上の超広角レンズが提案されている。
【0010】
これらは、物体側(先頭)のレンズに大きな負の屈折力を有するメニスカスレンズと、該レンズの像側に正の屈折力を有するレンズとを配置すると共に、開口絞りを光学系の中間に配置し、球面ガラスレンズを多用した、いわゆる逆望遠式(レトロフォーカスタイプ/リバーステレフォーカスタイプ)の光学系である。このタイプの光学系では、画角の拡大が可能であると共に瞳倍率を拡大し易く、これにより、周辺光量の大幅な確保が可能である。しかし、レンズ(光学系)自体の全長と、バックフォーカス長を長くする必要からサイズが大きくなるため、携帯端末等に搭載することは困難である。
【0011】
一方、特許文献3及び特許文献4では、携帯端末に搭載可能なサイズで画角120°程度の広角レンズが提案されている。これらは、いわゆるテレフォトタイプと呼ばれる光学系であり、携帯端末において一般的に用いられている。このテレフォトタイプの広角レンズは、非球面レンズを多用して収差を除去しつつ、バックフォーカスを短くすることで全長を短くし、十分な撮像性能を確保できる。
【0012】
しかし、この光学系では、画角をより拡大した場合、Cos4乗則による周辺光量の減少を逆望遠式の光学系のように瞳倍率で補うタイプではないため、歪曲収差による光線集光度にて周辺光量の減少を補う構造が必要になる。この場合、本提案のレンズにおいて、L1、L4、L5、L6のレンズでは、光軸から離れた端部の形状を、中央付近に比べて大幅に変化させる必要があるため、レンズの成形が困難である。これにより、生産性が低下する上に結像性能の確保自体も難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】中国公開特許公報 CN107577031A
【特許文献2】中国公開特許公報 CN107305274A
【特許文献3】中国公開特許公報 CN108732716A
【特許文献4】中国公開特許公報 CN107957621A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本開示は、小型でありながら十分な結像性能を保持し且つ大きな画角を得られる撮像光学系、及びこの撮像光学系を備えた光学撮像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示に係る撮像光学系は、
【0016】
物体側から像側に向かう方向に順に並ぶ第一レンズと、第二レンズと、第三レンズと、第四レンズと、第五レンズと、第六レンズと、第七レンズと、第八レンズとを備え、
第一レンズは、負の屈折力を有し、像側の面が凹面であり、
第二レンズは、負の屈折力を有し、像側の面が凹面であり、
第三レンズは、正の屈折力を有し、像側の面が凹面であり、
第四レンズは、正の屈折力を有し、像側の面が凸面であり、
第五レンズは、正の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面であり、
第六レンズは、負の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面であり、
第七レンズは、物体側の面が、中心部が凸面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、且つ、像側の面が凸面であり、
第八レンズは、物体側の面が凹面であり、像側の面が、中心部が凹面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、
第一レンズの焦点距離をf1とし、第二レンズの焦点距離をf2とし、第一レンズと第二レンズとの合成焦点距離をf12とし、第三レンズの焦点距離をf3とし、第三レンズの像側の面から第四レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT34とし、第六レンズの像側の面から第七レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT67としたときに、
|f1/f2|<6
|f12/f3|<0.5
0<T67/T34<1.0
を満たす。
【0017】
撮像光学系は、
第三レンズと第四レンズとの間に配置される開口絞りを備え、
第一レンズの物体側の面から結像面までの光軸に沿った距離をTLとし、最大像高をImgHとしたときに、
TL/ImgH<3
を満たしてもよい。
【0018】
また、撮像光学系では、
第四レンズの物体側の面の曲率半径をR7とし、該第四レンズの像側の面の曲率半径をR8としたときに、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0
を満たしてもよい。
【0019】
また、撮像光学系では、
第一レンズの像側の面から第二レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT12とし、第二レンズの像側の面から第三レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT23とし、第三レンズの像側の面から第四レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT34としたときに、
0<T12/T23<3.0
0<T23/T34<2.0
を満たしてもよい。
【0020】
また、撮像光学系では、
最大画角の半分をHFOVとし、絞り値をFnoとしたときに、
2.0<tan(HFOV)
1.4<Fno<3.0
を満たしてもよい。
【0021】
また、撮像光学系では、
第一レンズの物体側の面の最大有効半径をY11とし、第八レンズの像側の面の最大有効半径をY82としたときに、
0.8<Y11/Y82<1.5
を満たしてもよい。
【0022】
また、撮像光学系では、
第六レンズの分散係数をV6とし、第七レンズの分散係数をV7としたときに、
0<V6/V7<0.50
を満たしてもよい。
【0023】
また、撮像光学系では、
該撮像光学系の焦点距離をfとし、第四レンズの焦点距離をf4とし、第五レンズの焦点距離をf5としたときに、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0
を満たしてもよい。
【0024】
また、撮像光学系では、
第六レンズの像側の面から第七レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT67とし、第七レンズの光軸に沿った厚さをCT7とし、第七レンズの像側の面から第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
T67/CT7<0.50
T78/CT8<0.70
を満たしてもよい。
【0025】
また、撮像光学系では、
第七レンズの物体側の面の曲率半径をR13とし、第七レンズの像側の面の曲率半径をR14とし、第八レンズの物体側の面の曲率半径をR15とし、第八レンズの像側の面の曲率半径をR16とし、第七レンズの光軸に沿った厚さをCT7とし、第七レンズの像側の面から第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8とし、第一レンズの物体側の面から結像面までの光軸に沿った距離をTLとし、該撮像光学系全体の焦点距離をfとしたときに、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
0.6<|R14/R15|/1.3
2.0<TL/f<4.0
を満たしてもよい。
【0026】
また、撮像光学系では、
第一レンズの物体側の面における光軸との交点から該物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag11とし、第三レンズの物体側の面における光軸との交点から該物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag31としたときに、
|Sag11/Sag31|<5.0
を満たしてもよい。
【0027】
また、撮像光学系では、
最大像高の歪曲収差量をDST1.0とし、最大像高の70%像高の歪曲収差量をDST0.7とし、最大画角をFOVとしたときに、
|DST1.0/FOV|<0.5 (%/度)
|DST1.0/DST0.7|<10
を満たしてもよい。
【0028】
また、本開示に係る撮像光学系は、
物体側から像側に向かう方向に順に並ぶ第一レンズと、第二レンズと、第三レンズと、第四レンズと、第五レンズと、第六レンズと、第七レンズと、第八レンズと、を備え、
第一レンズは、負の屈折力を有し、
第二レンズの像側の面は、凹面であり、
第三レンズの像側の面は、凹面であり、
第四レンズの像側の面は、凸面であり、
第五レンズは、正の屈折力を有し、像側の面が凸面であり、
第六レンズは、負の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面であり、
第七レンズは、正の屈折力を有し、物体側の面が、中心部が凸面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、
第八レンズは、像側の面が、中心部が凹面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、
第一レンズの焦点距離をf1とし、第二レンズの焦点距離をf2とし、第一レンズと第二レンズとの合成焦点距離をf12とし、第三レンズの焦点距離をf3とし、第一~第八レンズによって構成される光学系全体の焦点距離をfとし、第七レンズの光軸に沿った厚さをCT7とし、第七レンズの像側の面から第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5
1.0<CT7/CT8<2.0
|f1/f2|<6
|f12/f3|<0.5
を満たす。
【0029】
また、撮像光学系では、
第一レンズの像側の面は、凹面であり、
第七レンズの物体側の面の曲率半径をR13とし、該第七レンズの像側の面の曲率半径をR14とし、第八レンズの物体側の面の曲率半径をR15とし、第八レンズの像側の面の曲率半径をR16とし、第七レンズの光軸に沿った厚さをCT7とし、第七レンズの像側の面から第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
0.6<|R14/R15|/1.3
を満たしてもよい。
【0030】
撮像光学系では、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5
を満たしてもよい。
【0031】
また、撮像光学系では、
第六レンズの焦点距離をf6としたときに、
0.5<f12/f6<1.5
を満たしてもよい。
【0032】
また、撮像光学系は、
開口絞りを備え、
開口絞りから第八レンズの像側の面までの光軸に沿った距離をSDとし、第一レンズの物体側の面から第八レンズの像側の面までの光軸に沿った距離をTDとし、第一レンズの物体側の面の最大有効半径をY11とし、第八レンズの像側の面の最大有効半径をY82としたときに、
0.45<SD/TD<0.65
0.8<Y11/Y82<1.5
を満たしてもよい。
【0033】
また、撮像光学系では、
第八レンズの像側の面の最大変曲点と光軸との該光軸と直交する方向の距離をYc82としたときに、
0.45<Yc82/f<0.75
を満たしてもよい。
【0034】
また、撮像光学系では、
最大像高の歪曲収差量をDST1.0とし、最大像高の70%像高の歪曲収差量をDST0.7とし、最大画角をFOVとしたときに、
|DST1.0/FOV|<0.5 (%/度)
|DST1.0/DST0.7|<10
を満たしてもよい。
【0035】
また、本開示の撮像光学系は、
物体側から像側に向かう方向に順に並ぶ第一レンズと、第二レンズと、第三レンズと、第四レンズと、第五レンズと、第六レンズと、第七レンズと、第八レンズと、を備え、
第一レンズは、負の屈折力を有し、
第二レンズの像側の面は、凹面であり、
第三レンズの物体側の面は、凸面であり、
第四レンズの物体側の面は、凸面であり、
第五レンズは、正の屈折力を有し、
第六レンズは、負の屈折力を有し、物体側の面が凹面であり且つ像側の面が凸面であり、
第七レンズは、正の屈折力を有し、像側の面が凸面であり、
第八レンズは、像側の面が、中心部が凹面であると共に該中心部の周辺部に少なくとも一つの変曲点を有する非球面であり、
第一レンズの光軸に沿った厚さをCT1とし、第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
0.5<CT1/CT8<1.5
を満たす。
【0036】
撮像光学系では、
第一レンズと第二レンズとの合成焦点距離をf12とし、第五レンズの焦点距離をf5としたときに、
0.8<|f5/f12|<2.5
を満たしてもよい。
【0037】
また、撮像光学系では、
第一レンズの物体側の面における光軸との交点から該物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag11とし、第三レンズの物体側の面における光軸との交点から該物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag31としたときに、
|Sag11/Sag31|<5.0
を満たしてもよい。
【0038】
また、撮像光学系では、
第一レンズの像側の面から第二レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT12とし、第二レンズの像側の面から第三レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT23とし、第三レンズの像側の面から第四レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT34とし、第四レンズの像側の面から第五レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT45とし、第五レンズの像側の面から第六レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT56とし、第六レンズの像側の面から第七レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT67とし、第七レンズの像側の面から第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78としたときに、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たしてもよい。
【0039】
また、撮像光学系では、
第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ、第四レンズ、第五レンズ、第六レンズ、第七レンズ、及び第八レンズの各レンズにおける屈折率の最大値をNmaxとしたときに、
1.60<Nmax<1.72
を満たしてもよい。
【0040】
また、本開示に係る光学撮像装置は、
上記のいずれかの撮像光学系と、
撮像光学系が有する第一~第八レンズの全部又は一部のレンズを駆動する駆動部と、
撮像光学系の結像面に配置される光電変換素子と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る光学撮像装置の構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、前記光学撮像装置が備える光学系に含まれる第一レンズのパラメータY11に関する概略図である。
【
図3】
図3は、前記光学系に含まれる第八レンズのパラメータY82を説明するための図である。
【
図4】
図4は、前記光学系に含まれる第一レンズのパラメータSag11を説明するための図である。
【
図5】
図5は、前記光学系に含まれる第三レンズのパラメータSag31を説明するための図である。
【
図6】
図6は、前記光学系に含まれる第八レンズのパラメータYc82を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施例1の光学撮像装置の構成を示す模式図である。
【
図8】
図8は、実施例1の球面収差、非点収差、及びディストーションの収差図である。
【
図9】
図9は、実施例2の光学撮像装置の構成を示す模式図である。
【
図10】
図10は、実施例2の球面収差、非点収差、及びディストーションの収差図である。
【
図11】
図11は、実施例3の光学撮像装置の構成を示す模式図である。
【
図12】
図12は、実施例3の球面収差、非点収差、及びディストーションの収差図である。
【
図13】
図13は、実施例4の光学撮像装置の構成を示す模式図である。
【
図14】
図14は、実施例4の球面収差、非点収差、及びディストーションの収差図である
【
図15】
図15は、実施例5の光学撮像装置の構成を示す模式図である。
【
図16】
図16は、実施例5の球面収差、非点収差、及びディストーションの収差図である。
【
図17】
図17は、実施例6の光学撮像装置の構成を示す模式図である。
【
図18】
図18は、実施例6の球面収差、非点収差、及びディストーションの収差図である。
【
図19】
図19は、実施例7の光学撮像装置の構成を示す模式図である。
【
図20】
図20は、実施例7の球面収差、非点収差、及びディストーションの収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本開示の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0043】
本実施形態に係る光学撮像装置1(以下、単に「撮像装置」とも称する。)は、
図1に示すように、撮像光学系(以下、単に「光学系」とも称する。)10と、光学系10の結像面10aに配置される光電変換素子2と、を備える。具体的に、撮像装置1は、複数のレンズ11~18を有する光学系10と、光電変換素子2を保持するセンサーホルダー3と、光学系10を駆動する駆動部4と、を備える。本実施形態の撮像装置1は、光学系10と光電変換素子2との間に配置されるIRカットフィルタFも備える。
【0044】
センサーホルダー3は、光学系10の結像面10aに光電変換素子2が位置するように該光電変換素子2を保持する。具体的に、センサーホルダー3は、光学系10の光軸に対して光電変換素子2の受光面が直交するように光電変換素子2を保持している。この光電変換素子2は、入射した可視光からなる画像を電気信号に変換し、図示しない後段の画像処理プロセッサ等に伝達(出力)する。本実施形態の光電変換素子2は、CMOS等のイメージセンサーであり、センサーホルダー3又は光学系10の光軸に対する姿勢を調整した上でセンサーホルダー3に接着固定されてもよい。
【0045】
また、センサーホルダー3には、IRカットフィルタFも固定されている。このIRカットフィルタFは、光学系10を通過した光線のうち、画像形成上不要な赤外領域の光を除外し、且つ、可視光領域の光のみを通過させる。具体的に、IRカットフィルタFは、380nmから430nmの波長範囲内のいずれかの波長の光の透過率が50%(半値)であり、500nmから600nmの波長範囲の光の透過率が80%以上であり、730nmから800nmの波長範囲の光の透過率が10%以下となるような透過率特性を有している。このIRカットフィルタFは、赤外吸収ガラス基盤の表面にTiO2膜とSiO2膜とが交互に積層される多層構造としたマルチレイヤーコートを付加することによって形成されている。このIRカットフィルタFは、両側の面が略平面であるため、光学系10と、光電変換素子2との間に配置されても、光線の結像に影響しない。
【0046】
尚、IRカットフィルタは、一般的な透明なガラス平板(ショット社製D263Teco等)に対して、赤外吸収インクを塗布し、その上部から反射防止用のARコーティングを施したものであってもよい。このIRカットフィルタによっても、上記のIRカットフィルタFと同様の透過率特性を実現できる。
【0047】
駆動部4は、VCM(ボイスコイルモーター)等のアクチュエータであり、光学系10を光電変換素子2の受光面に対して略垂直な方向(光軸方向)に駆動する。
【0048】
光学系10は、複数のレンズを含むレンズ群と、レンズ間に配置される開口絞り5と、レンズ群を保持するレンズ保持部材(鏡筒)6と、を有する。また、光学系10は、物体側(入光側)の端部に配置される遮光部材7と、レンズ間に配置される少なくとも一つの遮光シート8と、レンズ保持部材6に対してレンズ群を押圧するレンズ押えリング9と、を有する。
【0049】
レンズ群は、物体側から像側に向かう方向に順に並ぶ第一レンズ11と、第二レンズ12と、第三レンズ13と、第四レンズ14と、第五レンズ15と、第六レンズ16と、第七レンズ17と、第八レンズ18と、を含む。本実施形態のレンズ群におけるレンズ総数は、八枚であり、第四~第六レンズ14~16が光学系10の結像性能を決定する主レンズ群を構成している。
【0050】
これら第一~第七レンズ11~17までの各レンズは、周辺部に、斜面を用いたスタック構造を有する。これら各レンズ11~17がレンズ保持部材6に保持される際に、隣り合うレンズ同士がこれらスタック構造を嵌合させることにより、各レンズ11~17を配置位置に精度良く配置できる。即ち、精度よくレンズ位置精度を出すことができる。また第七レンズ17と第八レンズ18の間には、不要外乱光をカットする機能と、像面湾曲を調整する為の遮光兼間隔調整スペーサー8aを備える。実際の量産においては、各種の公差エラーにより、像面湾曲量の悪化による画質の劣化が生じる。この像面湾曲を補正する為に、遮光兼間隔調整スペーサー8aの厚さを変えることで第七レンズ17と第八レンズ18の光軸方向の間隔を調整し、発生した像面湾曲を解消することができる。また、これら第一~第八レンズ11~18の詳細については、後述する。
【0051】
レンズ保持部材6は、筒状の部材であり、内部に第一~第八レンズ11~18を保持する。具体的に、レンズ保持部材6は、物体側から像側に向かって順に並ぶ、第一レンズ11と、遮光シート8と、第二レンズ12と、遮光シート8と、第三レンズ13と、開口絞り5と、第四レンズ14と、遮光シート8と、第五レンズ15と、遮光シート8と、第六レンズ16と、遮光シート8と、第七レンズ17と、遮光兼間隔調整スペーサー8aと、第八レンズ18と、を保持する。本実施形態のレンズ保持部材6では、これら第一~第八レンズ11~18と、複数の遮光シート8と、遮光兼間隔調整スペーサー8aとが、上記の順に内部に挿入された状態で、レンズ押えリング9がこれらを適切な圧力で抑えながらレンズ保持部材6に対してUV硬化樹脂等の接着剤によって固定されている。
【0052】
第三レンズ13と第四レンズ14の間に配置される開口絞り5は、光学系10全体の絞り値を決定する役割を持つ。また、遮光部材7は、筒状のレンズ保持部材6の前面(物体側)の開口部分に取り付けられ、これにより、画像周辺部分の不要な光線の光学系10への侵入を規制する。
【0053】
遮光シート8は、レンズ間の周辺部分に設置されることで、レンズ有効部の外側の構造内部で反射する不要な光線を除外する(即ち、外乱光を遮光する)役割を担う。これにより、撮像装置1によって撮像された画像等の品質が向上する。光学系10は、少なくとも一つの遮光シート8を有する。本実施形態の光学系10は、非常に薄い遮光シート8を複数(
図1に示す例では、五つ)有する。具体的に、遮光シート8は、第一レンズ11と第二レンズ12との間と、第二レンズ12と第三レンズ13との間と、第四レンズ14と第五レンズ15との間と、第五レンズ15と第六レンズ16と、第六レンズ16と第七レンズ17との間のそれぞれに配置されている。
【0054】
次に、各レンズ11~18の詳細について説明する。
【0055】
第一レンズ11と第二レンズ12とのそれぞれは、負の屈折力を有する。これら第一レンズ11と第二レンズ12とが合計して四つのレンズ界面11a、11b、12a、12bを有することにより、光学系10(撮像装置1)において、130度以上の視角が確保されると共に、所望の歪曲収差形状が得られる。仮に、第一レンズ11と第二レンズ12とが一枚の負の屈折力を有するレンズによって構成された場合は、レンズ界面が二面しかないため、光学系10に入射する光線画角に対応した所望の歪曲収差を得ることが難しくなる。
【0056】
第一レンズ11の物体側の面(レンズ界面)11aは、視野角を調整することに特化した面である。本実施形態の光学系10では、発生する歪曲収差のバランスは、第一レンズ11の物体側の面11aより像側にある面(レンズ界面)が分担する。
【0057】
また、第一レンズ11と第二レンズ12の像側の面11b、12bのそれぞれは、凹面(物体側に凹む面)である。これにより、各像側の面11b、12bで発生する負の歪曲収差を、各入射角度に対して調整することで、光学系10の小型化を図りつつ、立体的被写体の歪(パースペクティブ歪曲)を調整することができる。
【0058】
第二レンズ12の物体側の面12aは、第一レンズ11と第二レンズ12の間隔に応じて発生する収差を調整することができる。具体的には、第一レンズ11と第二レンズ12とのそれぞれを負の屈折力を有するレンズによって構成した場合は、光学系10(撮像装置1)全体が大きくなるが、第二レンズ12の物体側の面12aの形状に自由度を持たせることで、第一レンズ11と第二レンズ12の間隔が小さくても収差の発生を抑えることができる。
【0059】
第三レンズ13は、正の屈折力を有する。第三レンズ13の物体側の面13aは、凸面であり、第三レンズ13の像側の面13bは、凹面である。この第三レンズ13は、光学系10において第一レンズ11と第二レンズ12を透過した広範囲の画角の光線を収束することで、光学系10(撮像装置1)の小型化を補助する。
【0060】
この第三レンズ13の物体側の面13aを凸面とすることで、光学系10において、広範囲の画角の光線を受け取り易くなる。また、第三レンズ13の像側の面13bで反射した光線が物体側の面13aに逆行した場合に全反射が生じる可能性があるが、第三レンズ13の物体側の面13aを凸面にすることで、この不要な全反射光線が除去できる。
【0061】
また、第三レンズ13の像側の面13bを凹面とすることで、光学系10において、第四レンズ14以降のレンズ群による収差補正能力と光学系10全体の収差補正能力との好適なバランスが得られ、その結果、光学系10における結像品質が向上し、撮像をより鮮明にすることが可能となる。
【0062】
第四レンズ14は、正の屈折力を有する。第四レンズ14の物体側の面14aは、凸面であり、第四レンズ14の像側の面14bは、凸面である。この第四レンズ14は、該第四レンズ14の表面曲率が大き過ぎることに起因する過多の収差又は漂遊光を避けるために、正の屈折力を第五レンズ15と分担する。また、第四レンズ14の像側の面14bを凸面とすることで、第四レンズ14では、収差の発生が抑えられ、光学系10における対称性が向上する。
【0063】
第五レンズ15は、正の屈折力を有する。第五レンズ15の物体側の面15aは、凹面であり、第五レンズ15の像側の面15bは、凸面である。この第五レンズ15は、第四レンズ14と協同して十分な集光能力を確保する。また、第五レンズ15の像側の面15bを凸面とすることで、光学系10の画角範囲の周辺部分において十分な集光能力が得られ、その結果、大画角範囲の光学系10における周辺光量の確保が容易になる。
【0064】
第六レンズ16は、負の屈折力を有する。第六レンズ16の物体側の面16aは、凹面であり、第六レンズ16の像側の面は、凸面である。この第六レンズ16は、高分散性材料によって構成されることで、特に像高が高い部分の色収差(Lateral Chromatic Aberration)を良好に補正する。また、第六レンズ16において、物体側の面16aを凹面とし、且つ像側の面16bを凸面とすることで、第六レンズ16は、非点収差などの非軸収差にとって有利な構造となる。
【0065】
第七レンズ17は、正の屈折力を有する。第七レンズ17の物体側の面17aの中心部(中心近傍)171aは凸面であり、像側の面17bは凸面である。また、物体側の面17aは、中心部171aの周辺部172aに少なくとも一つの変曲点を有する非球面である。この第七レンズ17は、第八レンズ18と協同して非点収差を調整する。
【0066】
第八レンズ18は、負の屈折力を有する。第八レンズ18の物体側の面18aは凹面であり、像側の面18bの中心部(中心近傍)181bは凹面である。また、像側の面18bは、中心部181bの周辺部182bに少なくとも一つの変曲点を有する非球面である(
図3参照)。この第八レンズ18は、第七レンズ17と協同して非点収差を調整する。
【0067】
これらの第七レンズ17と第八レンズ18によれば、非点収差の調整を第七レンズ17と第八レンズ18との2枚のレンズで分担することによって、各レンズの形状を均一に成型することが容易になり、これにより、第七レンズ17及び第八レンズ18の成型性が良好になる。また、第七レンズ17の像側の面17bと、第八レンズ18の物体側の面18aとの間に構成される空気レンズによって、像面湾曲収差及び歪曲収差の調整が可能となるため、より鮮明な画像が得られる。
【0068】
さらに、第八レンズ18の像側の面18bが上記のような非球面であることにより、該第七レンズ17から光電変換素子2に到達する光線の角度(CRA)を最適化することができる。さらに、第八レンズ18において発生する歪曲収差と、第一レンズ11及び第二レンズ12において発生する歪曲収差を調整することで、撮像装置1のバックフォーカスを最適化すると共に、撮像装置1全体を小型化することができる。
【0069】
また、この光学系10において、開口絞り5が第三レンズ13と第四レンズ14との間に設けられることで、光学系10における対称性を向上させることができる。
【0070】
また、この光学系10において、第一レンズ11の焦点距離をf1とし、第二レンズ12の焦点距離をf2としたときに、
|f1/f2|<6
を満たすことが好ましい。この条件下において、第一レンズ11と第二レンズ12とが負の屈折力を分担することで、視野角の拡大と歪曲収差量の発生量の最適化とが図られる。さらに、サイズの大きな第一レンズ11の形状を平滑にすることができ、これにより、第一レンズ11の生産性が向上する。
【0071】
また、この光学系10において、第一レンズ11と第二レンズ12との合成焦点距離をf12とし、第三レンズ13の焦点距離をf3としたときに、
|f12/f3|<0.5
を満たすことが好ましく、
|f12/f3|<0.3
を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、第一レンズ11と第二レンズ12との二つのレンズによって得られる負の屈折力を十分に大きくすることができ、これにより、光学系10において十分な視野角度(FOV)が得られる。
【0072】
また、この光学系10において、第三レンズ13の像側の面13bから第四レンズ14の物体側の面14aまでの光軸に沿った距離をT34とし、第六レンズ16の像側の面16bから第七レンズ17の物体側の面17aまでの光軸に沿った距離をT67としたときに、
0<T67/T34<1.0
を満たすことが好ましく、
0<T67/T34<0.6
を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、光学系10における空間的配置が最適化されると共に、像面湾曲収差の補正能力が向上し、これにより、画像周辺部まで鮮明な画像が取られる。
【0073】
また、この光学系10において、光学系10全体の焦点距離をfとし、第七レンズ17の光軸に沿った厚さをCT7とし、第七レンズ17の像側の面から第八レンズ18の物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、第八レンズ18の光軸に沿った厚さをCT8としたときに、 0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5
1.0<CT7/CT8<2.0
を満たすことが好ましく、
0.8<f/(CT7+T78+CT8)<3.2
1.2<CT7/CT8<1.8
を満たすことがより好ましく、
1.5<f/(CT7+T78+CT8)<2.8
1.4<CT7/CT8<1.6
を満たすことが更に好ましい。この条件下において、第七レンズ17及び第八レンズ18の形状を最適化することで、非点収差を効果的に抑制することができる。また、量産における成型性も向上する。
【0074】
また、この光学系10において、第一レンズ11の光軸に沿った厚さをCT1とし、第八レンズ18の光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
0.5<CT1/CT8<1.5
を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、光学系10の最も物体側のレンズ(第一レンズ11)と最も像側のレンズ(第八レンズ18)との厚さが適正化されるため、非点収差が低減し、これにより、撮像装置1の安定性が向上する。
【0075】
また、この光学系10において、第一レンズ11の物体側の面11aから結像面10aまでの光軸にそった距離をTLとし、光学系10の最大像高をImgHとしたときに、
TL/ImgH<3
を満たすことが好ましく、
1.8<TL/ImgH<2.6
を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、光学系10(撮像装置1)の小型化が達成される。また、広角な撮像範囲を得つつも、周辺光束が増加することで画像品質が向上する。
【0076】
また、この光学系10において、第四レンズ14の物体側の面14aの曲率半径をR7とし、第四レンズ14の像側の面14bの曲率半径をR8としたときに、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0
を満たすことが好ましく、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<0.5
を満たすことがより好ましい。この条件下において、第四レンズ14の曲率半径を最適化することで、光学系10全体の形状対称性が得られ、これにより、球面収差の発生が低減し、その結果、画像品質が向上する。
【0077】
また、この光学系10において、第一レンズ11の像側の面11bから第二レンズ12の物体側の面12aまでの光軸に沿った距離をT12とし、第二レンズ12の像側の面12bから第三レンズ13の物体側の面13aまでの光軸に沿った距離をT23とし、第三レンズ13の像側の面13bから第四レンズ14の物体側の面14aまでの光軸に沿った距離をT34としたときに、
0<T12/T23<3.0、及び、0<T23/T34<2.0
を満たすことが好ましく、
0.8<T12/T23<2.2、及び、0.5<T23/T34<1.2
を満たすことがより好ましい。この条件下において、第一レンズ11の像側の面11bから第二レンズ12の物体側の面12aまでの光軸に沿った距離と、第二レンズ12の像側の面12bから第三レンズ13の物体側の面13aまでの光軸に沿った距離とのそれぞれを最適化することで、第一レンズ11と第二レンズ12との各レンズの有効半径をそれぞれ小さくすることができ、これにより、光学系10のサイズの最適化を図ることができる。
【0078】
また、この光学系10において、最大画角の半分をHFOVとしたときに、
2.0<tan(HFOV)
を満たすことが好ましく、
3.0<tan(HFOV)
を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、光学系10において広角レンズの特徴である広い撮影(撮像)範囲が得られる。
【0079】
また、この光学系10において、絞り値をFnoとしたときに、
1.4<Fno<3.0
を満たすことが好ましい。この条件下において、光電変換素子2に入射する光量を最適化することで、余分な光量による外乱光を制限しつつも十分な光量を得ることができる。
【0080】
また、光学系10において、
2.4<Fno<3.0
を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、被写界深度を深くすることが可能となり、これにより、レンズを光軸方向に駆動する構造(駆動部4)を廃止することが可能となるため、光学系10に対して光電変換素子2を固定することができる。
【0081】
また、光学系10において、
図2及び
図3に示すように、第一レンズ11の物体側の面11aの最大有効半径をY11とし、第八レンズの像側の面18bの最大有効半径をY82としたときに、
0.8<Y11/Y82<1.5
を満たすことが好ましく、
0.9<Y11/Y82<1.3
を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、光学系10における物体側の部位と像側の部位との大きさの不均一性が抑制され、光学系10全体の小型化が達成できる。尚、上記関係式の下限値を超える(下回る)場合には、物体側の面18aの非球面形状の変曲度が増大するために成型性が悪化し易く、さらに歪曲収差の劣化、及び周辺光量の低下を招く。一方、上記関係式の上限値を超える(上回る)場合には、光学系10が大きくなり過ぎる。
【0082】
また、光学系10において、第六レンズ16の分散係数をV6とし、第七レンズ17の分散係数をV7としたときに、
0<V6/V7<0.50
を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、光学系10の倍率色収差を低減することができ、これにより、三色、又は四色のカラーイメージセンサー信号を合成した際の画像信号のずれを低減することができる。
【0083】
また、光学系10において、光学系10全体の焦点距離をfとし、第四レンズ14の焦点距離をf4とし、第五レンズ15の焦点距離をf5としたときに、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0
を満たすことが好ましく、
0.3<(f/f4)-(f/f5)<1.0
を満たすことがより好ましい。この条件下において、第四レンズ14と第五レンズ15との屈折力の差を抑えることで、コマ収差の増大を抑えることができる。
【0084】
また、光学系10において、第六レンズ16の像側の面16bから第七レンズ17の物体側の面17aまでの光軸に沿った距離をT67とし、第七レンズ17の光軸に沿った厚さをCT7とし、第七レンズ17の像側の面17bから第八レンズ18の物体側の面18aまでの光軸に沿った距離をT78とし、第八レンズ18の光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
T67/CT7<0.50
T78/CT8<0.70
を満たすことが好ましく、
T67/CT7<0.30
T78/CT8<0.40
を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、光学系10の像側の空間を好適に利用することができるため、像側に配置される第七レンズ17及び第八レンズ18を小型化することができる。
【0085】
また、光学系10において、第七レンズ17の物体側の面17aの曲率半径をR13とし、第八レンズ18の像側の面18bの曲率半径をR16とし、第七レンズ17の光軸に沿った厚さ(中心厚)をCT7とし、第七レンズの像側の面から第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離をT78とし、第八レンズの光軸に沿った厚さをCT8としたときに、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
を満たすことが好ましい。この条件下において、第七レンズ17と第八レンズ18との合成形状を最適化することによって、第七レンズ17及び第8レンズ18による非点収差と像面湾曲の補正能力とを最適化することができる。
【0086】
また、光学系10において、第七レンズ17の像側の面17bの曲率半径をR14とし、第八レンズ18の物体側の面18aの曲率半径をR15としたときに、
0.6<|R14/R15|/1.3
を満たすことが好ましい。この条件下において、第七レンズ17と第八レンズ18との間の空気レンズ形状を最適化することによって、第七レンズ17及び第8レンズ18の特に周縁部における非点収差と像面湾曲の補正能力とを最適化することができる。
【0087】
また、光学系10において、第一レンズ11の物体側の面11aから結像面10aまでの光軸に沿った距離をTLとし、光学系10全体の焦点距離をfとしたときに、
2.0<TL/f<4.0
を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、光学系10の大きさと広角特性との最適な両立を実現しつつ、光学系10の光軸方向の薄型化も可能となる。
【0088】
また、光学系10において、
図4及び
図5に示すように、第一レンズ11の物体側の面11aにおける光軸との交点から物体側の面11aの最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag11とし、第三レンズ13の物体側の面13aにおける光軸との交点から物体側の面13aの最大有効半径位置までの光軸方向の変位量をSag31としたときに、
|Sag11/Sag31|<5.0
を満たすことが好ましく、
|Sag11/Sag31|<3.0
を満たすことがより好ましく、
|Sag11/Sag31|<2.0
を満たすことが更に好ましい。この条件下において、光学系10の物体側のレンズ開口の大きさを最適化することによって、レンズ鏡筒構造への負担を軽減させることができる。
【0089】
また、光学系10において、最大像高の歪曲収差量をDST1.0とし、最大像高の70%像高の歪曲収差量をDST0.7とし、最大画角をFOVとしたときに、
|DST1.0/FOV|<0.5(%/程度)
及び、|DST1.0/DST0.7|<10
を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、広角レンズで問題となりやすい、画像周辺部分の光量の低下を抑えつつ、立体物の被写体の歪(パースペクティブディストーション)を抑制することができる。
【0090】
また、光学系10において、光学系10全体の焦点距離をfとし、第一レンズ11と第二レンズ12との合成焦点距離をf12とし、第三レンズ13の焦点距離をf3としたときに、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5
を満たすことが好ましく、
0.5<|f/f12|+|f/f3|<1.3
を満たすことがより好ましく、
0.7<|f/f12|+|f/f3|<1.1
を満たすことが更に好ましい。この条件を満たすことで、光学系10の物体側に十分な屈折力が得られ、これにより、大きな視野角を確保することが可能となる。
【0091】
また、光学系10において、第一レンズ11と第二レンズ12との合成焦点距離をf12とし、第六レンズの焦点距離をf6としたときに、
0.5<f12/f6<1.5
を満たすことが好ましい。この条件下において、光学系10の物体側と像側とにおける負の屈折力の配分を最適化することで、小型の広角レンズ(光学系10)が得られる。
【0092】
また、光学系10において、開口絞り5から第八レンズ18の像側の面18bまでの光軸に沿った距離をSDとし、第一レンズ11の物体側の面11aから第八レンズ18の像側の面18bまでの光軸に沿った距離をTDとしたときに、
0.45<SD/TD<0.65
を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、光学系10全体に占める光線の通過する範囲を大きくすることができ、これにより、光学系10を小型化すると共に光学性能を最適にすることができる。
【0093】
また、光学系10において、
図6に示すように、第八レンズ18の像側の面18bの最大変曲点と光軸との該光軸と直交する方向の距離をYc82とし、光学系10全体の焦点距離をfとしたときに、
0.45<Yc82/f<0.75
を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、光電変換素子2に入射する光線入射角度を適切に設定でき、さらに非点収差の発生を抑えることも可能となる。
【0094】
また、光学系10において、第一レンズ11と第二レンズ12との合成焦点距離をf12とし、第五レンズ15の焦点距離をf5としたときに、
0.8<|f5/f12|<2.5
を満たすことが好ましく、
1.0<|f5/f12|<2.0
を満たすことがより好ましい。この条件下において、第一レンズ11と第二レンズ12との屈曲力(負の成分)と、第五レンズ15の屈曲力(正の成分)との配分を適切にすることで、画像品質を向上することができる。
【0095】
また、光学系10において、第一レンズ11の像側の面11bから第二レンズ12の物体側の面12aまでの光軸に沿った距離をT12とし、第二レンズ12の像側の面12bから第三レンズ13の物体側の面13aまでの光軸に沿った距離をT23とし、第三レンズ13の像側の面13bから第四レンズ14の物体側の面14aまでの光軸に沿った距離をT34とし、第四レンズ14の像側の面14bから第五レンズ15の物体側の面15aまでの光軸に沿った距離をT45とし、第五レンズ15の像側の面15bから第六レンズ16の物体側の面16aまでの光軸に沿った距離をT56とし、第六レンズ16の像側の面16bから第七レンズ17の物体側の面17aまでの光軸に沿った距離をT67とし、第七レンズ17の像側の面17bから第八レンズ18の物体側の面18aまでの光軸に沿った距離をT78としたときに、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たすことが好ましい。この条件下を満たすことで、画角範囲の設定、像面湾曲収差の低減、適切な歪曲収差の設定の3つに支配的なT12+T23+T67+T78の間隔と、結像性能を左右する球面収差およびコマ収差の低減に支配的な、T34+T45+T56の間隔の双方を、効果的に補正することが可能になる。
【0096】
また、光学系10において、第一レンズ11、第二レンズ12、第三レンズ13、第四レンズ14、第五レンズ15、第六レンズ16、第七レンズ17、及び第八レンズ18の各レンズにおける屈折率最大値をNmaxとしたときに、
1.60<Nmax<1.72
を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、光学系10全体でのレンズのバランスをとることができると共に、収差を低減しつつ、成型しやすいレンズ形状を実現することができる。
【0097】
以上の光学系10が有する各レンズ11~18の材質は、プラスチックでもよく、ガラスでもよい。レンズの材質がプラスチックの場合は、材料費が安く、加工性に優れ、加工時間も短い為、生産コストを低減させることができる。また、レンズの材質がガラスの場合は、一般的にプラスチックに比べて屈折率が高いため、レンズの設計の自由度が向上し、さらなる高精細が実現、又は、さらなる小型化が実現可能となる。
【0098】
また、光学系10の各レンズ11~18の物体側の面11a~18a及び像側の面11b~18bは、球面に比べて飛躍的に自由度が大きな非球面とすることが好ましい。これにより、収差が低減し、撮像画像が高精細化し、又は光学系10全体の小型化が可能となる。
【0099】
以上の光学系10及び該光学系10を備える撮像装置1によれば、小型でありながら十分な結像性能を保持し且つ大きな画角が得られる。この画角については、従来120度程度であった広角レンズの画角が、例えば、150度程度まで大幅に拡大する。詳しくは、以下の通りである。
【0100】
第一レンズ11と第二レンズ12とのそれぞれを凹レンズとし、且つ、第三レンズ13を凸レンズとした構成(三枚の凹凹凸構成)により、光学系10において、超広角範囲の光線の入射(ワイドコンバータ)を実現できると共に、全画角150度程度においても所望の歪曲収差を確保することができる。
【0101】
さらに、光学系10では、第四~第六レンズ14~16が、光学系10(レンズ)の結像性能を決定する主レンズ群を構成している。そして、第四レンズ14を凸レンズ、第五レンズ15を凸レンズ、第六レンズ16を凹レンズとすると共に、各レンズ14、15、16の像側の面14b、15b、16bを光電変換素子2に対して凸面とすることで、光学系10における球面収差及びコマ収差が良好に補正される。
【0102】
また、第六レンズ16が高分散性材料によって形成されている場合、特に像高が高い部分の色収差(Lateral Chromatic Aberration)を良好に補正することができる。また、第六レンズ16において、物体側の面16aを凹面、像側の面16bを凸面とすることで、非点収差などの非軸収差にとって有利な構造となる。
【0103】
また、第七レンズ17を凸レンズとし、第八レンズ18を凹レンズとすることで、第七レンズ17と第八レンズ18とが協同して非点収差を調整する構成である。これらの第七レンズ17と第八レンズ18によれば、非点収差の調整を第七レンズ17と第八レンズ18との2枚のレンズで分担することによって、各レンズの形状を均一に成型することが容易になり、これにより、第七レンズ17及び第八レンズ18の成型性が良好になる。また、第七レンズ17の像側の面17bと、第八レンズ18の物体側の面18aとの間に構成される空気レンズによって、像面湾曲収差及び歪曲収差の調整が可能となるため、より鮮明な画像が得られる。
【0104】
さらに、第八レンズ18の像側の面18b(詳しくは、中心部181b)を凹面とすることで、該第七レンズ17から光電変換素子2に到達する光線の角度(CRA)を最適化することができる。さらに、第八レンズ18において発生する歪曲収差と、第一レンズ11及び第二レンズ12において発生する歪曲収差を調整することで、撮像装置1のバックフォーカスを最適化すると共に、撮像装置1全体を小型化することができる。
【0105】
また、本実施形態の光学系10及び撮像装置1では、アクションカム(例:商品名GoPro(登録商標))に搭載されている撮像装置と同じ画角スペックでありながら、携帯端末に搭載可能なサイズを実現することができるため、昨今の5G環境の拡大により、携帯端末からアクションカムと同様の超広角映像をリアルタイムで転送することが可能となり、携帯端末の利用用途の拡大を図ることができる。
【0106】
次に、本開示の光学撮像装置の実施例1~7について説明するが、先ず、共通の構成を説明した後、各実施例の構成を説明する。
【0107】
[共通の構成]
各実施例の光学撮像装置の基本的な構成は、上記実施形態の光学撮像装置1と同じである。具体的に、各実施例の光学撮像装置は、光学系と、駆動部と、IRカットフィルタと、光電変換素子と、を備える。
【0108】
光学系は、8枚のレンズを有する。具体的に、光学系は、物体側から像側に向かう方向に順に並ぶ第一レンズと、第二レンズと、第三レンズと、開口絞りと、第四レンズと、第五レンズと、第六レンズと、第七レンズと、第八レンズと、を有する。各実施例の光学系は、IRカットフィルタを通して、物体側の被写体情報(物体側からの光)を結像面としての光電変換素子の表面(受光面)に結像する。
【0109】
[実施例1]
図7は、本実施例1の光学撮像装置1の模式図であり、
図8は、左から右に順に、実施例1の光学系10における球面収差、非点収差、及びディストーション(歪曲収差)を示す収差図である。
【0110】
本実施例1の光学系10において、
第一レンズ11は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第一レンズ11において、物体側の面11aは凸面であり、像側の面11bは凹面である。この第一レンズ11の物体側の面11aと像側の面11bとは、いずれも非球面である。
第二レンズ12は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第二レンズ12において、物体側の面12aは凹面であり、像側の面12bは凹面である。この第二レンズ12の物体側の面12aと像側の面12bとは、いずれも非球面である。
第三レンズ13は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第三レンズ13において、物体側の面13aは凸面であり、像側の面13bは凹面である。この第三レンズ13の物体側の面13aと像側の面13bとは、いずれも非球面である。
第四レンズ14は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第四レンズ14において、物体側の面14aは凸面であり、像側の面14bは凸面である。この第四レンズ14の物体側の面14aと像側の面14bとは、いずれも非球面である。
第五レンズ15は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第五レンズ15において、物体側の面15aは凹面であり、像側の面15bは凸面である。この第五レンズ15の物体側の面15aと像側の面15bとは、いずれも非球面である。
第六レンズ16は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第六レンズ16において、物体側の面16aは凹面であり、像側の面16bは凸面である。この第六レンズ16の物体側の面16aと像側の面16bとは、いずれも非球面である。
第七レンズ17は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第七レンズ17において、物体側の面17aは凸面であり、像側の面17bは凸面である。この第七レンズ17の物体側の面17aと像側の面17bとは、いずれも非球面である。
第八レンズ18は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第八レンズ18において、物体側の面18aは凹面であり、像側の面18bは凹面である。この第八レンズ18の物体側の面18aと像側の面18bとは、いずれも非球面である。
【0111】
本実施例1の光学系10が有する各レンズ11~18の非球面式は、次に示す通りである。
【数1】
尚、本実施例1の表中の値を求める際には、式(1)の15次以上(n≧15)の項を0として計算している。
【0112】
また、下記表1ではレンズの構成、表2では各レンズ面の非球面係数、表3では本開示の条件式に対する実際の数値を列挙する。
【表1】
【表2】
【表3】
【0113】
表3の各数値が本開示の各条件式を満たすか否かを以下に示す。
・表3の|f1/f2|=1.713は、|f1/f2|<6を満たす。
・表3の|f12/f3|=0.201は、|f12/f3|<0.5を満たす。
・表3のT67/T34=0.328は、0<T67/T34<1.0を満たす。
・表3のTL/ImgH=2.556は、TL/ImgH<3を満たす。
・表3の(R7+R8)/(R7-R8)=0.379は、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0を満たす。
・表3のT12/T23=1.774は、0<T12/T23<3.0を満たす。
・表3のT23/T34=0.871は、0<T23/T34<2.0を満たす。
・表3のtan(HFOV)=2.228は、2.0<tan(HFOV)を満たす。
・表3のFno=2.80は、1.4<Fno<3.0を満たす。
・表3のY11/Y82=1.066は、0.8<Y11/Y82<1.5を満たす。
・表3のV6/V7=0.329は、0<V6/V7<0.50を満たす。
・表3の(f/f4)-(f/f5)=0.750は、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0を満たす。
・表3のT67/CT7=0.214は、T67/CT7<0.50を満たす。
・表3のT78/CT8=0.257は、T78/CT8<0.70を満たす。
・表3の(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)=3.900は、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
を満たす。
・表3の|R14/R15|=1.045は、
0.6<|R14/R15|<1.3を満たす。
・表3のTL/f=3.166は、2.0<TL/f<4.0を満たす。
・表3の|Sag11/Sag31|=0.277は、
|Sag11/Sag31|<5.0を満たす。
・表3の|DST1.0/FOV|=0.337は、
|DST1.0/FOV|<0.5を満たす。
・表3の|DST1.0/DST0.7|=2.173は、
|DST1.0/DST0.7|<10を満たす。
・表3f/(CT7+T78+CT8)7=2.049は、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5を満たす。
・表3のCT7/CT8=1.500は、1.0<CT7/CT8<2.0を満たす。
・表3の|f/f12|+|f/f3|=0.973は、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5を満たす。
・表3のf12/f6=0.953は、0.5<f12/f6<1.5を満たす。
・表3のSD/TD=0.558は、0.45<SD/TD<0.65を満たす。
・表3のYc82/f=0.524は、0.45<Yc82/f<0.75を満たす。
・表3のCT1/CT8=1.125は、0.5<CT1/CT8<1.5を満たす。
・表3の|f5/f12|=1.749は、
0.8<|f5/f12|<2.5を満たす。
・表3の(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)=1.097は、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たす。
・表3のNmax=1.680は、1.60<Nmax<1.72を満たす。
以上のように、実施例1の光学系10についての表3の各数値は、本開示の各条件式を満たしていることが確認できる。
【0114】
[実施例2]
図9は、本実施例2の光学撮像装置1の模式図であり、
図10は、左から右に順に、実施例2の光学系20における球面収差、非点収差、及びディストーション(歪曲収差)を示す収差図である。
【0115】
本実施例2の光学系20において、
第一レンズ21は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第一レンズ21において、物体側の面21aは凹面であり、像側の面21bは凹面である。この第一レンズ21の物体側の面21aと像側の面21bとは、いずれも非球面である。
第二レンズ22は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第二レンズ22において、物体側の面22aは凹面であり、像側の面22bは凹面である。この第二レンズ22の物体側の面22aと像側の面22bとは、いずれも非球面である。
第三レンズ23は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第三レンズ23において、物体側の面23aは凸面であり、像側の面23bは凹面である。この第三レンズ23の物体側の面23aと像側の面23bとは、いずれも非球面である。
第四レンズ24は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第四レンズ24において、物体側の面24aは凸面であり、像側の面24bは凸面である。この第四レンズ24の物体側の面24aと像側の面24bとは、いずれも非球面である。
第五レンズ25は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第五レンズ25において、物体側の面25aは凹面であり、像側の面25bは凸面である。この第五レンズ25の物体側の面25aと像側の面25bとは、いずれも非球面である。
第六レンズ26は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第六レンズ26において、物体側の面26aは凹面であり、像側の面26bは凸面である。この第六レンズ26の物体側の面26aと像側の面26bとは、いずれも非球面である。
第七レンズ27は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第七レンズ27において、物体側の面27aは凸面であり、像側の面27bは凸面である。この第七レンズ27の物体側の面27aと像側の面27bとは、いずれも非球面である。
第八レンズ28は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第八レンズ28において、物体側の面28aは凹面であり、像側の面28bは凹面である。この第八レンズ28の物体側の面28aと像側の面28bとは、いずれも非球面である。
【0116】
本実施例2の光学系20が有する各レンズ21~28の非球面式は、実施例1の式(1)と同じである。尚、本実施例2においても、表中の値を求める際には、式(1)の15次以上(n≧15)の項を0として計算している。
【0117】
また、下記表4ではレンズの構成、表5では各レンズ面の非球面係数、表6では本開示の条件式に対する実際の数値を列挙する。
【表4】
【表5】
【表6】
【0118】
表6の各数値が本開示の各条件式を満たすか否かを以下に示す。
・表6の|f1/f2|=2.473は、|f1/f2|<6を満たす。
・表6の|f12/f3|=0.167は、|f12/f3|<0.5を満たす。
・表6のT67/T34=0.331は、0<T67/T34<1.0を満たす。
・表6のTL/ImgH=2.195は、TL/ImgH<3を満たす。
・表6の(R7+R8)/(R7-R8)=0.367は、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0を満たす。
・表6のT12/T23=1.391は、0<T12/T23<3.0を満たす。
・表6のT23/T34=0.951は、0<T23/T34<2.0を満たす。
・表6のtan(HFOV)=3.723は、2.0<tan(HFOV)を満たす。
・表6のFno=2.80は、1.4<Fno<3.0を満たす。
・表6のY11/Y82=1.042は、0.8<Y11/Y82<1.5を満たす。
・表6のV6/V7=0.329は、0<V6/V7<0.50を満たす。
・表6の(f/f4)-(f/f5)=0.637は、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0を満たす。
・表6のT67/CT7=0.200は、T67/CT7<0.50を満たす。
・表6のT78/CT8=0.238は、T78/CT8<0.70を満たす。
・表6の(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)=3.522は、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
を満たす。
・表6の|R14/R15|=0.839は、
0.6<|R14/R15|<1.3を満たす。
・表6のTL/f=3.010は、2.0<TL/f<4.0を満たす。
・表6の|Sag11/Sag31|=0.216は、
|Sag11/Sag31|<5.0を満たす。
・表6の|DST1.0/FOV|=0.422は、
|DST1.0/FOV|<0.5を満たす。
・表6の|DST1.0/DST0.7|=4.125は、
|DST1.0/DST0.7|<10を満たす。
・表6f/(CT7+T78+CT8)7=2.126は、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5を満たす。
・表6のCT7/CT8=1.531は、1.0<CT7/CT8<2.0を満たす。
・表6の|f/f12|+|f/f3|=0.920は、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5を満たす。
・表6のf12/f6=0.982は、0.5<f12/f6<1.5を満たす。
・表6のSD/TD=0.569は、0.45<SD/TD<0.65を満たす。
・表6のYc82/f=0.610は、0.45<Yc82/f<0.75を満たす。
・表6のCT1/CT8=1.200は、0.5<CT1/CT8<1.5を満たす。
・表6の|f5/f12|=1.410は、
0.8<|f5/f12|<2.5を満たす。
・表6の(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)=1.012は、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たす。
・表6のNmax=1.680は、1.60<Nmax<1.72を満たす。
以上のように、実施例2の光学系20についての表6の各数値は、本開示の各条件式を満たしていることが確認できる。
【0119】
[実施例3]
図11は、本実施例3の光学撮像装置1の模式図であり、
図12は、左から右に順に、実施例3の光学系30における球面収差、非点収差、及びディストーション(歪曲収差)を示す収差図である。
【0120】
本実施例3の光学系30において、
第一レンズ31は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第一レンズ31において、物体側の面31aは凸面であり、像側の面31bは凹面である。この第一レンズ31の物体側の面31aと像側の面31bとは、いずれも非球面である。
第二レンズ32は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第二レンズ32において、物体側の面32aは凸面であり、像側の面32bは凹面である。この第二レンズ32の物体側の面32aと像側の面32bとは、いずれも非球面である。
第三レンズ33は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第三レンズ33において、物体側の面33aは凸面であり、像側の面33bは凹面である。この第三レンズ33の物体側の面33aと像側の面33bとは、いずれも非球面である。
第四レンズ34は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第四レンズ34において、物体側の面34aは凸面であり、像側の面34bは凸面である。この第四レンズ34の物体側の面34aと像側の面34bとは、いずれも非球面である。
第五レンズ35は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第五レンズ35において、物体側の面35aは凹面であり、像側の面35bは凸面である。この第五レンズ35の物体側の面35aと像側の面35bとは、いずれも非球面である。
第六レンズ36は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第六レンズ36において、物体側の面36aは凹面であり、像側の面36bは凸面である。この第六レンズ36の物体側の面36aと像側の面36bとは、いずれも非球面である。
第七レンズ37は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第七レンズ37において、物体側の面37aは凸面であり、像側の面37bは凸面である。この第七レンズ37の物体側の面37aと像側の面37bとは、いずれも非球面である。
第八レンズ38は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第八レンズ38において、物体側の面38aは凹面であり、像側の面38bは凹面である。この第八レンズ38の物体側の面38aと像側の面38bとは、いずれも非球面である。
【0121】
本実施例の光学系30が有する各レンズ31~38の非球面式は、実施例1の式(1)と同じである。尚、本実施例3においても、表中の値を求める際には、式(1)の15次以上(n≧15)の項を0として計算している。
【0122】
また、下記表7ではレンズの構成、表8では各レンズ面の非球面係数、表9では本開示の条件式に対する実際の数値を列挙する。
【表7】
【表8】
【表9】
【0123】
表9の各数値が本開示の各条件式を満たすか否かを以下に示す。
・表9の|f1/f2|=2.416は、|f1/f2|<6を満たす。
・表9の|f12/f3|=0.235は、|f12/f3|<0.5を満たす。
・表9のT67/T34=0.395は、0<T67/T34<1.0を満たす。
・表9のTL/ImgH=2.208は、TL/ImgH<3を満たす。
・表9の(R7+R8)/(R7-R8)=0.409は、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0を満たす。
・表9のT12/T23=1.923は、0<T12/T23<3.0を満たす。
・表9のT23/T34=0.954は、0<T23/T34<2.0を満たす。
・表9のtan(HFOV)=3.721は、2.0<tan(HFOV)を満たす。
・表9のFno=2.80は、1.4<Fno<3.0を満たす。
・表9のY11/Y82=1.051は、0.8<Y11/Y82<1.5を満たす。
・表9のV6/V7=0.329は、0<V6/V7<0.50を満たす。
・表9の(f/f4)-(f/f5)=0.525は、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0を満たす。
・表9のT67/CT7=0.237は、T67/CT7<0.50を満たす。
・表9のT78/CT8=0.216は、T78/CT8<0.70を満たす。
・表9の(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)=3.581は、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
を満たす。
・表9の|R14/R15|=0.897は、
0.6<|R14/R15|<1.3を満たす。
・表9のTL/f=2.941は、2.0<TL/f<4.0を満たす。
・表9の|Sag11/Sag31|=0.439は、
|Sag11/Sag31|<5.0を満たす。
・表9の|DST1.0/FOV|=0.429は、
|DST1.0/FOV|<0.5を満たす。
・表9の|DST1.0/DST0.7|=7.363は、
|DST1.0/DST0.7|<10を満たす。
・表9f/(CT7+T78+CT8)7=2.229は、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5を満たす。
・表9のCT7/CT8=1.500は、1.0<CT7/CT8<2.0を満たす。
・表9の|f/f12|+|f/f3|=0.919は、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5を満たす。
・表9のf12/f6=1.089は、0.5<f12/f6<1.5を満たす。
・表9のSD/TD=0.558は、0.45<SD/TD<0.65を満たす。
・表9のYc82/f=0.616は、0.45<Yc82/f<0.75を満たす。
・表9のCT1/CT8=1.000は、0.5<CT1/CT8<1.5を満たす。
・表9の|f5/f12|=1.162は、
0.8<|f5/f12|<2.5を満たす。
・表9の(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)=1.225は、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たす。
・表9のNmax=1.680は、1.60<Nmax<1.72を満たす。
以上のように、実施例3の光学系30についての表9の各数値は、本開示の各条件式を満たしていることが確認できる。
【0124】
[実施例4]
図13は、本実施例4の光学撮像装置1の模式図であり、
図14は、左から右に順に、実施例4の光学系40における球面収差、非点収差、及びディストーション(歪曲収差)を示す収差図である。
【0125】
本実施例4の光学系40において、
第一レンズ41は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第一レンズ41において、物体側の面41aは凸面であり、像側の面41bは凹面である。この第一レンズ41の物体側の面41aと像側の面41bとは、いずれも非球面である。
第二レンズ42は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第二レンズ42において、物体側の面42aは凸面であり、像側の面42bは凹面である。この第二レンズ42の物体側の面42aと像側の面42bとは、いずれも非球面である。
第三レンズ43は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第三レンズ43において、物体側の面43aは凸面であり、像側の面43bは凹面である。この第三レンズ43の物体側の面43aと像側の面43bとは、いずれも非球面である。
第四レンズ44は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第四レンズ44において、物体側の面44aは凸面であり、像側の面44bは凸面である。この第四レンズ44の物体側の面44aと像側の面44bとは、いずれも非球面である。
第五レンズ45は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第五レンズ45において、物体側の面45aは凹面であり、像側の面45bは凸面である。この第五レンズ45の物体側の面45aと像側の面45bとは、いずれも非球面である。
第六レンズ46は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第六レンズ46において、物体側の面46aは凹面であり、像側の面46bは凸面である。この第六レンズ46の物体側の面46aと像側の面46bとは、いずれも非球面である。
第七レンズ47は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第七レンズ47において、物体側の面47aは凸面であり、像側の面47bは凸面である。この第七レンズ47の物体側の面47aと像側の面47bとは、いずれも非球面である。
第八レンズ48は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第八レンズ48において、物体側の面48aは凹面であり、像側の面48bは凹面である。この第八レンズ48の物体側の面48aと像側の面48bとは、いずれも非球面である。
【0126】
本実施例の光学系40が有する各レンズ41~48の非球面式は、実施例1の式(1)と同じである。尚、本実施例4においても、表中の値を求める際には、式(1)の15次以上(n≧15)の項を0として計算している。
【0127】
また、下記表10ではレンズの構成、表11では各レンズ面の非球面係数、表12では本開示の条件式に対する実際の数値を列挙する。
【表10】
【表11】
【表12】
【0128】
表12の各数値が本開示の各条件式を満たすか否かを以下に示す。
・表12の|f1/f2|=2.312は、|f1/f2|<6を満たす。
・表12の|f12/f3|=0.180は、|f12/f3|<0.5を満たす。
・表12のT67/T34=0.379は、0<T67/T34<1.0を満たす。
・表12のTL/ImgH=2.181は、TL/ImgH<3を満たす。
・表12の(R7+R8)/(R7-R8)=0.422は、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0を満たす。
・表12のT12/T23=1.596は、0<T12/T23<3.0を満たす。
・表12のT23/T34=0.904は、0<T23/T34<2.0を満たす。
・表12のtan(HFOV)=3.738は、2.0<tan(HFOV)を満たす。
・表12のFno=2.56は、1.4<Fno<3.0を満たす。
・表12のY11/Y82=0.999は、0.8<Y11/Y82<1.5を満たす。
・表12のV6/V7=0.329は、0<V6/V7<0.50を満たす。
・表12の(f/f4)-(f/f5)=0.645は、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0を満たす。
・表12のT67/CT7=0.231は、T67/CT7<0.50を満たす。
・表12のT78/CT8=0.218は、T78/CT8<0.70を満たす。
・表12の(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)=3.593は、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
を満たす。
・表12の|R14/R15|=0.924は、
0.6<|R14/R15|<1.3を満たす。
・表12のTL/f=2.927は、2.0<TL/f<4.0を満たす。
・表12の|Sag11/Sag31|=0.400は、
|Sag11/Sag31|<5.0を満たす。
・表12の|DST1.0/FOV|=0.428は、
|DST1.0/FOV|<0.5を満たす。
・表12の|DST1.0/DST0.7|=7.403は、
|DST1.0/DST0.7|<10を満たす。
・表12f/(CT7+T78+CT8)7=2.212は、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5を満たす。
・表12のCT7/CT8=1.500は、1.0<CT7/CT8<2.0を満たす。
・表12の|f/f12|+|f/f3|=0.855は、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5を満たす。
・表12のf12/f6=1.079は、0.5<f12/f6<1.5を満たす。
・表12のSD/TD=0.565は、0.45<SD/TD<0.65を満たす。
・表12のYc82/f=0.617は、0.45<Yc82/f<0.75を満たす。
・表12のCT1/CT8=1.196は、0.5<CT1/CT8<1.5を満たす。
・表12の|f5/f12|=1.272は、
0.8<|f5/f12|<2.5を満たす。
・表12の(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)=1.059は、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たす。
・表12のNmax=1.680は、1.60<Nmax<1.72を満たす。
以上のように、実施例4の光学系40についての表12の各数値は、本開示の各条件式を満たしていることが確認できる。
【0129】
[実施例5]
図15は、本実施例5の光学撮像装置1の模式図であり、
図16は、左から右に順に、実施例5の光学系50における球面収差、非点収差、及びディストーション(歪曲収差)を示す収差図である。
【0130】
本実施例5の光学系50において、
第一レンズ51は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第一レンズ51において、物体側の面51aは凸面であり、像側の面51bは凹面である。この第一レンズ51の物体側の面51aと像側の面51bとは、いずれも非球面である。
第二レンズ52は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第二レンズ52において、物体側の面52aは凸面であり、像側の面52bは凹面である。この第二レンズ52の物体側の面52aと像側の面52bとは、いずれも非球面である。
第三レンズ53は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第三レンズ53において、物体側の面53aは凸面であり、像側の面53bは凹面である。この第三レンズ53の物体側の面53aと像側の面53bとは、いずれも非球面である。
第四レンズ54は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第四レンズ54において、物体側の面54aは凸面であり、像側の面54bは凸面である。この第四レンズ54の物体側の面54aと像側の面54bとは、いずれも非球面である。
第五レンズ55は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第五レンズ55において、物体側の面55aは凹面であり、像側の面55bは凸面である。この第五レンズ55の物体側の面55aと像側の面55bとは、いずれも非球面である。
第六レンズ56は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第六レンズ56において、物体側の面56aは凹面であり、像側の面56bは凸面である。この第六レンズ56の物体側の面56aと像側の面56bとは、いずれも非球面である。
第七レンズ57は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第七レンズ57において、物体側の面57aは凸面であり、像側の面57bは凸面である。この第七レンズ57の物体側の面57aと像側の面57bとは、いずれも非球面である。
第八レンズ58は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第八レンズ58において、物体側の面58aは凹面であり、像側の面58bは凹面である。この第八レンズ58の物体側の面58aと像側の面58bとは、いずれも非球面である。
【0131】
本実施例の光学系50が有する各レンズ51~58の非球面式は、実施例1の式(1)と同じである。尚、本実施例5においても、表中の値を求める際には、式(1)の15次以上(n≧15)の項を0として計算している。
【0132】
また、下記表13ではレンズの構成、表14では各レンズ面の非球面係数、表15では本開示の条件式に対する実際の数値を列挙する。
【表13】
【表14】
【表15】
【0133】
表15の各数値が本開示の各条件式を満たすか否かを以下に示す。
・表15の|f1/f2|=3.439は、|f1/f2|<6を満たす。
・表15の|f12/f3|=0.181は、|f12/f3|<0.5を満たす。
・表15のT67/T34=0.324は、0<T67/T34<1.0を満たす。
・表15のTL/ImgH=2.156は、TL/ImgH<3を満たす。
・表15の(R7+R8)/(R7-R8)=0.440は、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0を満たす。
・表15のT12/T23=1.604は、0<T12/T23<3.0を満たす。
・表15のT23/T34=0.866は、0<T23/T34<2.0を満たす。
・表15のtan(HFOV)=3.750は、2.0<tan(HFOV)を満たす。
・表15のFno=2.38は、1.4<Fno<3.0を満たす。
・表15のY11/Y82=0.992は、0.8<Y11/Y82<1.5を満たす。
・表15のV6/V7=0.329は、0<V6/V7<0.50を満たす。
・表15の(f/f4)-(f/f5)=0.628は、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0を満たす。
・表15のT67/CT7=0.195は、T67/CT7<0.50を満たす。
・表15のT78/CT8=0.284は、T78/CT8<0.70を満たす。
・表15の(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)=3.506は、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
を満たす。
・表15の|R14/R15|=0.943は、
0.6<|R14/R15|<1.3を満たす。
・表15のTL/f=2.872は、2.0<TL/f<4.0を満たす。
・表15の|Sag11/Sag31|=0.545は、
|Sag11/Sag31|<5.0を満たす。
・表15の|DST1.0/FOV|=0.430は、
|DST1.0/FOV|<0.5を満たす。
・表15の|DST1.0/DST0.7|=6.983は、
|DST1.0/DST0.7|<10を満たす。
・表15f/(CT7+T78+CT8)7=2.175は、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5を満たす。
・表15のCT7/CT8=1.500は、1.0<CT7/CT8<2.0を満たす。
・表15の|f/f12|+|f/f3|=0.843は、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5を満たす。
・表15のf12/f6=1.096は、0.5<f12/f6<1.5を満たす。
・表15のSD/TD=0.569は、0.45<SD/TD<0.65を満たす。
・表15のYc82/f=0.614は、0.45<Yc82/f<0.75を満たす。
・表15のCT1/CT8=1.125は、0.5<CT1/CT8<1.5を満たす。
・表15の|f5/f12|=1.217は、
0.8<|f5/f12|<2.5を満たす。
・表15の(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)=1.057は、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たす。
・表15のNmax=1.680は、1.60<Nmax<1.72を満たす。
以上のように、実施例5の光学系50についての表15の各数値は、本開示の各条件式を満たしていることが確認できる。
【0134】
[実施例6]
図17は、本実施例6の光学撮像装置1の模式図であり、
図18は、左から右に順に、実施例6の光学系60における球面収差、非点収差、及びディストーション(歪曲収差)を示す収差図である。
【0135】
本実施例6の光学系60において、
第一レンズ61は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第一レンズ61において、物体側の面61aは凸面であり、像側の面61bは凹面である。この第一レンズ61の物体側の面61aと像側の面61bとは、いずれも非球面である。
第二レンズ62は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第二レンズ62において、物体側の面62aは凹面であり、像側の面62bは凹面である。この第二レンズ62の物体側の面62aと像側の面62bとは、いずれも非球面である。
第三レンズ63は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第三レンズ63において、物体側の面63aは凸面であり、像側の面63bは凹面である。この第三レンズ63の物体側の面63aと像側の面63bとは、いずれも非球面である。
第四レンズ64は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第四レンズ64において、物体側の面64aは凸面であり、像側の面64bは凸面である。この第四レンズ64の物体側の面64aと像側の面64bとは、いずれも非球面である。
第五レンズ65は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第五レンズ65において、物体側の面65aは凹面であり、像側の面65bは凸面である。この第五レンズ65の物体側の面65aと像側の面65bとは、いずれも非球面である。
第六レンズ66は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第六レンズ66において、物体側の面66aは凹面であり、像側の面66bは凸面である。この第六レンズ66の物体側の面66aと像側の面66bとは、いずれも非球面である。
第七レンズ67は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第七レンズ67において、物体側の面67aは凸面であり、像側の面67bは凸面である。この第七レンズ67の物体側の面67aと像側の面67bとは、いずれも非球面である。
第八レンズ68は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第八レンズ68において、物体側の面68aは凹面であり、像側の面68bは凹面である。この第八レンズ68の物体側の面68aと像側の面68bとは、いずれも非球面である。
【0136】
本実施例の光学系60が有する各レンズ61~68の非球面式は、実施例1の式(1)と同じである。尚、本実施例6においても、表中の値を求める際には、式(1)の15次以上(n≧15)の項を0として計算している。
【0137】
また、下記表16ではレンズの構成、表17では各レンズ面の非球面係数、表18では本開示の条件式に対する実際の数値を列挙する。
【表16】
【表17】
【表18】
【0138】
表18の各数値が本開示の各条件式を満たすか否かを以下に示す。
・表18の|f1/f2|=5.660は、|f1/f2|<6を満たす。
・表18の|f12/f3|=0.208は、|f12/f3|<0.5を満たす。
・表18のT67/T34=0.270は、0<T67/T34<1.0を満たす。
・表18のTL/ImgH=2.216は、TL/ImgH<3を満たす。
・表18の(R7+R8)/(R7-R8)=0.416は、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0を満たす。
・表18のT12/T23=1.681は、0<T12/T23<3.0を満たす。
・表18のT23/T34=0.875は、0<T23/T34<2.0を満たす。
・表18のtan(HFOV)=3.700は、2.0<tan(HFOV)を満たす。
・表18のFno=2.20は、1.4<Fno<3.0を満たす。
・表18のY11/Y82=1.232は、0.8<Y11/Y82<1.5を満たす。
・表18のV6/V7=0.329は、0<V6/V7<0.50を満たす。
・表18の(f/f4)-(f/f5)=0.619は、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0を満たす。
・表18のT67/CT7=0.167は、T67/CT7<0.50を満たす。
・表18のT78/CT8=0.250は、T78/CT8<0.70を満たす。
・表18の(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)=3.394は、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
を満たす。
・表18の|R14/R15|=0.791は、
0.6<|R14/R15|<1.3を満たす。
・表18のTL/f=2.953は、2.0<TL/f<4.0を満たす。
・表18の|Sag11/Sag31|=0.333は、
|Sag11/Sag31|<5.0を満たす。
・表18の|DST1.0/FOV|=0.428は、
|DST1.0/FOV|<0.5を満たす。
・表18の|DST1.0/DST0.7|=6.213は、
|DST1.0/DST0.7|<10を満たす。
・表18f/(CT7+T78+CT8)7=2.202は、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5を満たす。
・表18のCT7/CT8=1.500は、1.0<CT7/CT8<2.0を満たす。
・表18の|f/f12|+|f/f3|=0.856は、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5を満たす。
・表18のf12/f6=1.084は、0.5<f12/f6<1.5を満たす。
・表18のSD/TD=0.553は、0.45<SD/TD<0.65を満たす。
・表18のYc82/f=0.644は、0.45<Yc82/f<0.75を満たす。
・表18のCT1/CT8=1.202は、0.5<CT1/CT8<1.5を満たす。
・表18の|f5/f12|=1.222は、
0.8<|f5/f12|<2.5を満たす。
・表18の(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)=1.088は、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たす。
・表18のNmax=1.680は、1.60<Nmax<1.72を満たす。
以上のように、実施例6の光学系60についての表18の各数値は、本開示の各条件式を満たしていることが確認できる。
【0139】
[実施例7]
図19は、本実施例7の光学撮像装置1の模式図であり、
図20は、左から右に順に、実施例7の光学系70における球面収差、非点収差、及びディストーション(歪曲収差)を示す収差図である。
【0140】
本実施例7の光学系70において、
第一レンズ71は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第一レンズ71において、物体側の面71aは凸面であり、像側の面71bは凹面である。この第一レンズ71の物体側の面71aと像側の面71bとは、いずれも非球面である。
第二レンズ72は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第二レンズ72において、物体側の面72aは凹面であり、像側の面72bは凹面である。この第二レンズ72の物体側の面72aと像側の面72bとは、いずれも非球面である。
第三レンズ73は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第三レンズ73において、物体側の面73aは凸面であり、像側の面73bは凹面である。この第三レンズ73の物体側の面73aと像側の面73bとは、いずれも非球面である。
第四レンズ74は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第四レンズ74において、物体側の面74aは凸面であり、像側の面74bは凸面である。この第四レンズ74の物体側の面74aと像側の面74bとは、いずれも非球面である。
第五レンズ75は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第五レンズ75において、物体側の面75aは凹面であり、像側の面75bは凸面である。この第五レンズ75の物体側の面75aと像側の面75bとは、いずれも非球面である。
第六レンズ76は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第六レンズ76において、物体側の面76aは凹面であり、像側の面76bは凸面である。この第六レンズ76の物体側の面76aと像側の面76bとは、いずれも非球面である。
第七レンズ77は、正の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第七レンズ77において、物体側の面77aは凸面であり、像側の面77bは凸面である。この第七レンズ77の物体側の面77aと像側の面77bとは、いずれも非球面である。
第八レンズ78は、負の屈折力を有し、プラスチック材料によって形成されている。第八レンズ78において、物体側の面78aは凹面であり、像側の面78bは凹面である。この第八レンズ78の物体側の面78aと像側の面78bとは、いずれも非球面である。
【0141】
本実施例の光学系70が有する各レンズ71~78の非球面式は、実施例1の式(1)と同じである。尚、本実施例7においても、表中の値を求める際には、式(1)の15次以上(n≧15)の項を0として計算している。
【0142】
また、下記表19ではレンズの構成、表20では各レンズ面の非球面係数、表21では本開示の条件式に対する実際の数値を列挙する。
【表19】
【表20】
【表21】
【0143】
表21の各数値が本開示の各条件式を満たすか否かを以下に示す。
・表21の|f1/f2|=5.803は、|f1/f2|<6を満たす。
・表21の|f12/f3|=0.212は、|f12/f3|<0.5を満たす。
・表21のT67/T34=0.270は、0<T67/T34<1.0を満たす。
・表21のTL/ImgH=2.200は、TL/ImgH<3を満たす。
・表21の(R7+R8)/(R7-R8)=0.415は、
0<(R7+R8)/(R7-R8)<1.0を満たす。
・表21のT12/T23=1.578は、0<T12/T23<3.0を満たす。
・表21のT23/T34=0.869は、0<T23/T34<2.0を満たす。
・表21のtan(HFOV)=3.702は、2.0<tan(HFOV)を満たす。
・表21のFno=2.08は、1.4<Fno<3.0を満たす。
・表21のY11/Y82=1.214は、0.8<Y11/Y82<1.5を満たす。
・表21のV6/V7=0.329は、0<V6/V7<0.50を満たす。
・表21の(f/f4)-(f/f5)=0.615は、
0<(f/f4)-(f/f5)<2.0を満たす。
・表21のT67/CT7=0.167は、T67/CT7<0.50を満たす。
・表21のT78/CT8=0.250は、T78/CT8<0.70を満たす。
・表21の(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)=3.385は、
2.0<(|R13|+|R16|)/(CT7+T78+CT8)<4.5
を満たす。
・表21の|R14/R15|=0.787は、
0.6<|R14/R15|<1.3を満たす。
・表21のTL/f=2.940は、2.0<TL/f<4.0を満たす。
・表21の|Sag11/Sag31|=0.326は、
|Sag11/Sag31|<5.0を満たす。
・表21の|DST1.0/FOV|=0.427は、
|DST1.0/FOV|<0.5を満たす。
・表21の|DST1.0/DST0.7|=6.346は、
|DST1.0/DST0.7|<10を満たす。
・表21f/(CT7+T78+CT8)7=2.195は、
0.3<f/(CT7+T78+CT8)<3.5を満たす。
・表21のCT7/CT8=1.500は、1.0<CT7/CT8<2.0を満たす。
・表21の|f/f12|+|f/f3|=0.853は、
0.3<|f/f12|+|f/f3|<1.5を満たす。
・表21のf12/f6=1.082は、0.5<f12/f6<1.5を満たす。
・表21のSD/TD=0.556は、0.45<SD/TD<0.65を満たす。
・表21のYc82/f=0.645は、0.45<Yc82/f<0.75を満たす。
・表21のCT1/CT8=1.205は、0.5<CT1/CT8<1.5を満たす。
・表21の|f5/f12|=1.216は、
0.8<|f5/f12|<2.5を満たす。
・表21の(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)=1.051は、
(T12+T23+T67+T78)/(T34+T45+T56)<1.5
を満たす。
・表21のNmax=1.680は、1.60<Nmax<1.72を満たす。
以上のように、実施例7の光学系70についての表21の各数値は、本開示の各条件式を満たしていることが確認できる。
【0144】
本開示を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本開示を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更及び/又は改良することは容易に成し得ることであると認識すべきである。従って、当業者が実施する変更形態又は改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態又は当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0145】
1…光学撮像装置
2…光電変換素子
3…センサーホルダー
4…駆動部
5…開口絞り
6…レンズ保持部材
7…遮光部材
8…遮光シート
8a…遮光兼間隔調整スペーサー
9…レンズ押えリング
F…IRカットフィルタ
10、20、30、40、50、60、70…撮像光学系
10a…結像面
11、21、31、41、51、61、71…第一レンズ、
11a、21a、31a、41a、51a、61a、71a…第一レンズの物体側の面
11b、21b、31b、41b、51b、61b、71b…第一レンズの像側の面
12、22、32、42、52、62、72…第二レンズ、
12a、22a、32a、42a、52a、62a、72a…第二レンズの物体側の面
12b、22b、32b、42b、52b、62b、72b…第二レンズの像側の面
13、23、33、34、35、36、37…第三レンズ、
13a、23a、33a、43a、53a、63a、73a…第三レンズの物体側の面
13b、23b、33b、43b、53b、63b、73b…第三レンズの像側の面
14、24、34、44、45、46、47…第四レンズ、
14a、24a、34a、44a、54a、64a、74a…第四レンズの物体側の面
14b、24b、34b、44b、54b、64b、74b…第四レンズの像側の面
15、25、35、45、55、56、57…第五レンズ、
15a、25a、35a、45a、55a、65a、75a…第五レンズの物体側の面
15b、25b、35b、45b、55b、65b、75b…第五レンズの像側の面
16、26、36、46、56、66、67…第六レンズ、
16a、26a、36a、46a、56a、66a、76a…第六レンズの物体側の面
16b、26b、36b、46b、56b、66b、76b…第六レンズの像側の面
17、27、37、47、57、67、77…第七レンズ、
17a、27a、37a、47a、57a、67a、77a…第七レンズの物体側の面
17b、27b、37b、47b、57b、67b、77b…第七レンズの像側の面
171a…第七レンズの物体側の面の中心部
172a…第七レンズの物体側の面の周辺部
18a、28a、38a、48a、58a、68a、78a…第八レンズの物体側の面
18b、28b、38b、48b、58b、68b、78b…第八レンズの像側の面
181b…第八レンズの像側の面の中心部
182b…第八レンズの像側の面の周辺部
f…光学系全体の焦点距離
Fno…絞り値
FOV…最大画角
HFOV…最大画角の半分
TL…第一レンズの物体側の面から結像面までの光軸に沿った距離
ImgH…光学系の最大像高
f1…第一レンズの焦点距離
f2…第二レンズの焦点距離
f3…第三レンズの焦点距離
f4…第四レンズの焦点距離
f5…第五レンズの焦点距離
f6…第六レンズの焦点距離
f12…第一レンズと第二レンズとの合成焦点距離
SD…絞りから第八レンズの像側の面までの光軸に沿った距離
TD…第一レンズの物体側の面から第八レンズの像側の面までの光軸に沿った距離
CT1…第一レンズの中心厚
CT7…第七レンズの中心厚
CT8…第八レンズの中心厚
T12…第一レンズの像側の面から第二レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離
T23…第二レンズの像側の面から第三レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離
T34…第三レンズの像側の面から第四レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離
T45…第四レンズの像側の面から第五レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離
T56…第五レンズの像側の面から第六レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離
T67…第六レンズの像側の面から第七レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離
T78…第七レンズの像側の面から第八レンズの物体側の面までの光軸に沿った距離
R7…第四レンズの物体側の面の曲率半径
R8…第四レンズの像側の面の曲率半径
R13…第七レンズの物体側の面の曲率半径
R14…第七レンズの像側の面の曲率半径
R15…第八レンズの物体側の面の曲率半径
R16…第八レンズの像側の面の曲率半径
V6…第六レンズの分散係数
V7…第七レンズの分散係数
Y11…第一レンズの物体側の面の最大有効半径
Y82…第八レンズの像側の面の最大有効半径
Yc82…第八レンズの像側の面の最大変曲点と光軸との該光軸と直交する方向の距離
Sag11…第一レンズの物体側の面における光軸との交点から第一レンズの物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量
Sag31…第三レンズの物体側の面における光軸との交点から第三レンズの物体側の面の最大有効半径位置までの光軸方向の変位量
DST1.0…最大像高の歪曲収差量
DST0.7…最大像高の70%像高の歪曲収差量
Nmax…第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ、第四レンズ、第五レンズ、第六レンズ、第七レンズ、第八レンズの屈折率最大値
【国際調査報告】