(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】吻合術用の医療機器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/11 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
A61B17/11
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547709
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021054480
(87)【国際公開番号】W WO2021170595
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520228337
【氏名又は名称】ゼルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレイ、ヨナタン
(72)【発明者】
【氏名】エル-カルディ、モハメド
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC03
4C160CC06
4C160MM33
(57)【要約】
本発明によれば、吻合術用の医療機器が提供される。本発明の医療機器は、内側管状層と、外側管状層と、長手方向軸を規定する支持要素と、支持要素の一端において、支持要素の長手方向軸に対して鋭角の配向角度をなして配置された2つ以上の互いに独立したCリングを含み、支持要素及びCリングは、内側管状層と外側管状層との間に埋め込まれている。想定される用途の種類は、例えば、カスタマイズされた予め作製されたグラフトによる、近位吻合、遠位吻合、または側方吻合である。また、本発明の実施形態は、吻合用コネクタ機器の設計に組み込むこともできる。また、本発明の実施形態は、例えば、冠動脈バイパスグラフト(CABG)、透析アクセスグラフト、及び末梢血管の適用などの、(小口径)血管グラフトへの用途が想定される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吻合術用の医療機器であって、
(a)内側管状層と、
(b)外側管状層と、
(c)長手方向軸を規定する支持要素と、
(d)前記支持要素の一端において、前記支持要素の前記長手方向軸に対して鋭角の配向角度をなして配置された2つ以上の互いに独立したCリングと、を含み、
前記支持要素及び前記Cリングは、前記内側管状層と前記外側管状層との間に埋め込まれている、医療機器。
【請求項2】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記支持要素は、該支持要素の一端に取り付けられた端部リングを有し、
前記端部リングは、前記Cリングに対して、略平行に配置され、隣接し、かつ、独立している、医療機器。
【請求項3】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記内側管状層は、電界紡糸層である、医療機器。
【請求項4】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記外側管状層は、電界紡糸層である、医療機器。
【請求項5】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記Cリングは、円形または楕円形である、医療機器。
【請求項6】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記Cリングは、閉じたリングである、医療機器。
【請求項7】
請求項2に記載の医療機器であって、
前記端部リングは、楕円形の閉鎖型端部リング、楕円形の開放型端部リング、円形の閉鎖型端部リング、または、円形の開放型端部リングである、医療機器。
【請求項8】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記Cリングは、ニチノール製である、医療機器。
【請求項9】
請求項2に記載の医療機器であって、
前記支持要素に取り付けられた前記端部リングと、該端部リングに隣接する前記Cリングとの間の距離は、公称で0.5~1.5mmの範囲である、医療機器。
【請求項10】
請求項1に記載の医療機器であって、
2つ以上の互いに独立した前記Cリングにおける互いに隣接する2つのCリング間の距離は、公称で1.5~2.5mmの範囲である、医療機器。
【請求項11】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記鋭角の配向角度は、30~60°である、医療機器。
【請求項12】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記鋭角の配向角度は、15~90°である、医療機器。
【請求項13】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記支持要素は、ステント、ストレインリリーフシステム、コイル、ワイヤ、ブレイド、または、心臓血管インプラントに使用される任意の他の種類の支持構造体である、医療機器。
【請求項14】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記Cリングは、予荷重がかかっている、医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器に関し、特に、吻合術用の医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈バイパスグラフト術(Coronary artery bypass graft:CABG)は、閉塞した冠動脈の血流を回復させる外科的処置である。CABG近位吻合を考慮する場合、グラフトの近位部分を約45°の公称角度でトリミングし、大動脈の穿孔に縫合する必要がある。近位吻合部で純ポリマーチューブを縫合する場合、つま先部の平坦化、及び/または、かかと部の座屈/楕円化/ねじれの懸念がある。吻合部の一部として、組み込み式の支持要素(例えば、ストレインリリーフシステム(Strain Relief System:SRS))が使用される場合、その支持要素もトリミングする必要があり、その場合は、入口でのフローパターンを悪化させる「つま先部の平坦化」が生じる恐れがある。加えて、吻合部に金属製支柱が組み込まれる場合、金属製支柱の鋭利な縁部による刺激や、断片の移動のリスクが潜在的に生じ、その結果、炎症反応や内膜過形成などの副作用を引き起こす恐れがある。ブレイドメッシュ(braided mesh)やニットメッシュ(knitted mesh)などのCABG機器に使用される他の金属製支持要素(構造体)は、吻合部に組み込むためにトリミングすると、容易にほどけてしまう。したがって、これらの懸念や問題の少なくとも一部を解決することができる新しい構造体を設計することが、当該技術分野で求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、吻合術用の医療機器を提供する。本発明の医療機器は、内側管状層と、外側管状層と、長手方向軸を規定する支持要素とを含む。また、本発明の医療機器は、支持要素の一端において、支持要素の長手方向軸に対して鋭角の配向角度をなして配置された2つ以上の互いに独立したCリングをさらに含む。支持要素及びCリングは、内側管状層と外側管状層との間に埋め込まれている。
【0004】
本発明の一態様では、支持要素は、支持要素の一端に取り付けられた端部リングを有する。端部リングは、Cリングに対して、略平行に配置され、隣接し、かつ、独立している。
【0005】
本発明の別の態様では、内側管状層及び/または外側管状層は、電界紡糸層である。
【0006】
本発明のさらに別の態様では、Cリングは、円形または楕円形である。
【0007】
本発明のさらに別の態様では、Cリングは、閉じたリングである。
【0008】
本発明のさらに別の態様では、端部リングは、楕円形の閉鎖型端部リング、楕円形の開放型端部リング、円形の閉鎖型端部リング、または円形の開放型端部リングである。
【0009】
本発明のさらに別の態様では、Cリングは、ニチノール製である。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、支持要素に取り付けられた端部リングと、該端部リングに隣接するCリングとの間の距離は、公称で0.5~1.5mmの範囲である。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、2つ以上の互いに独立したCリングにおける互いに隣接する2つのCリング間の距離は、公称で1.5~2.5mmの範囲である。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、Cリングは、予荷重がかかっている。
【0013】
本発明のさらに別の態様では、鋭角の配向角度は、30~60°、または、15~90°である。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、支持要素は、ステント、ストレインリリーフシステム(Strain Relief System:SRS)、コイル、ワイヤ、ブレイド、または、心臓血管インプラントに使用される任意の他の種類の支持構造体である。
【0015】
本発明の実施形態は、少なくとも以下の利点を有する。
・互いに独立したリングは、外科医が、近位端及び/または遠位端において所望のトリム長さでトリミングすることを可能となる。
・リング間で切断することにより、金属の切断を避けることができる。
・リングの形状及び互いに隣接する2つのリング間の間隔により、吻合部の付近で良好なねじれ性耐が得られる。
・互いに独立した各リングの開口部により、外科医は、グラフトを軸方向に切断して吻合部の面積を拡大し(つまり、「コブラヘッド」を形成する)、それにより、吻合部を通る流れを最適にし、内膜過形成を減少させるとともに、内膜過形成が生じた場合にもそれに対しての好適な対応を可能にする。
・吻合部に縫合された互いに独立したリングは、動脈圧に反応して径方向に徐々に拡張することができる。このことは、吻合部での過剰な剪断応力の軽減(及び内膜過形成の軽減)に役立つ。
・リングの硬い円形/楕円形の形状、及び、吻合部のつま先部における金属の剛性によって、ポリマーの座屈が防止され、つま先部の平坦化が低減される。
・Cリングは、径方向に開口しているので、グラフトの口径をグラフト本体部の内径よりも大きくすることができ、これにより、(吻合部の)慢性開存性の最適化するために血流を最適化する漏斗効果を作り出すことができる。
・必要に応じて、トリミング可能な部分をより長くするために、(モジュール式の製造ツール400を使用して:
図4及び
図5参照)使用されるリングの数を増やすことができる。
・互いに独立したリングのアレイは、小径の血管をバイパスする吻合部の多数の適用に対して十分なねじれ耐性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、支持要素130及び2つ以上の互いに独立したCリング140が埋め込まれた2つの管状層(内側管状層110、外側管状層120)を含む医療機器を示す(断面図)。
【
図2】
図2は、本発明の例示的な実施形態による、支持要素130と、支持要素130の一端に取り付けられた端部リング132とを含む医療機器を示す。この端部リング132は、2つ以上の互いに独立したCリング140に対して略平行に配置される。
【
図3】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、支持要素130と、支持要素130の一端に取り付けられた端部リング132とを含む医療機器を示す。この端部リング132は、2つ以上の互いに独立したCリング140に対して略平行に配置される。
【
図4】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、インプラント(支持要素)に対するCリングの距離を制御するだけでなく、Cリングの位置決めを補助することができるツールを示す。Cリングは、スペーシングワイヤ410を使用して過度に広げられる。スペーシングワイヤ410を除去した後、Cリングは、最終的な位置に配置される。
【
図5】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、インプラント(支持要素)に対するCリングの距離を制御するだけでなく、Cリングの位置決めを補助することができるツールを示す。Cリングは、スペーシングワイヤ410を使用して過度に広げられる。スペーシングワイヤ410を除去した後、Cリングは、最終的な位置に配置される。
【
図6】
図6は、吻合部にCリングが組み込まれた状態の、本発明の一実施形態による血管造影図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、吻合術用の支持要素を組み込んだ医療機器である。このような支持要素の例としては、ステント、ストレインリリーフシステム(Strain Relief System:SRS)、コイル、ワイヤ、ブレイド(braid)、または、心臓血管インプラントに一般的に使用される任意の他の種類の支持構造体などがある。本開示の医療機器は、支持要素130が埋め込まれる2つの管状層(内側管状層110及び外側管状層120)と、支持要素130の一端の近傍に配置された2つ以上の互いに独立した(別個の)Cリング140とを含む。Cリングは、完全に閉じていない円形または楕円形のリングと定義される。すなわち、Cリングは、Cリングの支柱を切断することなく、軸方向スリットを形成するための標準的な外科用ハサミをCリングの内側に出し入れするのに十分な大きさの開口部を有する。一実施形態では、2つ以上の互いに独立したCリングの開口部は、互いに整列させられる(
図4及び
図5を参照)。別の実施形態では、Cリングは、閉じたリングであってもよい。
【0018】
本開示の医療機器の長手方向軸を規定すると、本開示の医療機器は、支持要素が配置される本体部150と、本体部150の一端に隣接する近位端部160とに区別される。近位端部160には、2つ以上の互いに独立したCリング140が、長手方向軸線に対して鋭角の配向角度をなして配置される。用途に応じて、鋭角の配向角度は、15~90°、好ましくは30~60°、または公称で45°とすることができる。
【0019】
Cリング140は、内側管状層110と外側管状層120との間に、両層の層間剥離を防止するような方法で埋め込まれる。一実施形態では、Cリング140の鋭角の配向角度は、公称で約45度であり、この角度は、外科医が吻合処置のために医療機器を切断し、トリミングするのに用いられる一般的な角度と一致する。言い換えれば、最も外側のCリングを吻合部に組み込むことが好ましいので、外科医は、2つのCリングの間(すなわち、トリミング可能な先端部)で医療機器を切断する。すなわち、縫合糸をCリングの周囲に配置すれば、互いに隣接する2つのCリング間の間隔を調節することによって、グラフト吻合部のつま先部の平坦化及び/またはかかと部の座屈を排除/最小化することが可能となる。
【0020】
一実施形態では、支持要素130は、支持要素130の一端に取り付けられた(そして、支持要素130の一部をなす)楕円形または円形の端部リング132を有する。この端部リング132は、2つ以上の互いに独立したCリング140に対して略平行に配置される。
【0021】
好ましい実施形態では、内側管状層110及び外側管状層120は電界紡糸層であり、2つ以上の楕円形のCリングはニチノール製である。
【0022】
支持要素130の端部リング132と、端部リング132に隣接するCリング140との間の距離D1は、0.5~1.5mmの範囲、または0.5~2mmの範囲、好ましくは約1mmである。上記の例示的な距離D1は、直径の関数であり、上記の例では、内径4mmのグラフトに対して良好に機能する。より大きな直径のグラフト(例えば、胸部グラフト)の場合、距離D1は、最大で5mmとすることができる。
【0023】
2つ以上のCリング140における互いに隣接する2つのCリング140間の距離D2は、1.5~2.5mmの範囲、または1.5~3mmの範囲、好ましくは約2mmである。距離D2は、距離D1の場合と同様に、より大きなインプラントでは、より大きくすることができる。
【0024】
用途によるが、設計上、最初の自由リングが固定リングの内側に入り込むのを防ぐ必要があるので、距離D1は距離D2よりも常に小さいと考えるのが適切である。
【0025】
例示的な実施形態では、設計上、Cリング140は、例えば直径4.5mmの内側管状層110上に取り付けたときに、約45度の角度をなして突出することができる。したがって、4.7mmの内側管状層110上への取り付けを考えた場合、内側管状層110がCリング140を押し返すために、Cリング140に「予荷重」がかかることになる。また、Cリング構造体(Cリング140)は、それに隣接する支持要素の近位端に、Cリング構造体に非常に類似した配向及び類似した幾何学的形状(例えば、支柱の幅、厚さ)を有するリングが組み込まれている限り、Cリング構造体の機能を維持すること、すなわち、グラフトの曲げ曲率に起因するねじれが生じないことに留意されたい。Cリング構造体は、大動脈切開部のサイズに適合するように半径方向に拡張することができ、理想的には、グラフトの入口を漏斗状にし、それによって、血行動態を改善する。この事象は、血管造影による慢性動物試験のフォローアップ中に、インビボで繰り返し観察された(
図6)。
【0026】
支持要素の端部が、互いに離間して配置された2つ以上の互いに独立したCリングのみを有し、ワイヤは存在しないため、外科医はワイヤを切断する必要がない。さらに、リングベースの支持要素が半径方向の変形を効果的に防止することができるので、Cリングの形状によって、吻合部における「つま先部の平坦化」及び「かかと部の座屈」を排除する。
【0027】
Cリングは、金属製のチューブまたは平板、好ましくはニチノールから、レーザー切断して製造することができる。Cリングの輪郭は、周辺組織との長期的な摩擦を引き起こす恐れのある鋭利な縁部となるのを避けるべきであり、そのため、(例えば、機械的または電気的な研磨によって)平滑化するべきである。Cリングの開口部は、エンドユーザがCリングを実際に切断することなく、一般的な血管外科技術としてリングを通して軸方向スリットを入れる(形成する)ことを可能にするのに十分な幅を有するべきである。
【0028】
本開示の医療機器は、内側管状層110を金属棒(図示せず)上で電界紡糸するプロセスによって製造することができる。続いて、支持要素130を、内側管状層110上に配置する。次に、Cリング140を、インプラント130の本体部150の端部への正確な距離及び配向を確実にするための制御された位置で、内側管状層110上に配置する。Cリング140は、専用のツール400を使用して配置することが好ましい(
図4及び
図5を参照)。ツール400は、Cリング140の輪郭を内側管状層110の外周を越えて広げること、及び、内側管状層110に密着させながらCリング140をその最終的な位置に確実にリリースすることを可能にする。アーム410(スペーシングワイヤ410)を、ツール400と一体化させることにより、Cリング140の開口部を制御することができる。そして、支持要素130及びCリング140を覆うように外側管状層120が電界紡糸され、これにより、内側管状層110の電界紡糸繊と外側管状層120の電界紡糸繊維との滑らかな接続が提供され、単一の電界紡糸管状アセンブリが形成される。
【0029】
本明細書で言及される電界紡糸材料は、ウレイド-ピリミジノン(UPy)四重水素結合モチーフ(「Sijbesma (1997), Science 278, 1601-1604」によって開発された)と、例えば、生分解性ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ(オルトエステル)、ポリホスホエステル、ポリ無水物、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、及びポリプロピレンフマレートからなる群から選択されるポリマー骨格とを含むことができる。ポリエステルの例としては、ポリカプロラクトン、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(DL-ラクチド)、ポリ(バレロラクトン)、ポリグリコリド、ポリジオキサノン、及びそれらのコポリエステルがある。ポリカーボネートの例としては、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(ジメチルトリメチルメチレンカーボネート)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)がある。
【0030】
特性を慎重に選択し、必要な表面特性が確保されるように材料を加工すれば、代替の非超分子ポリマーでも同じ結果を得ることが可能である。そのようなポリマーとしては、生分解性または非生分解性のポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ(オルトエステル)、ポリホスホエステル、ポリ無水物、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、及びポリプロピレンフマレートがある。ポリエステルの例としては、ポリカプロラクトン、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(DL-ラクチド)、ポリ(バレロラクトン)、ポリグリコリド、ポリジオキサノン、及びそれらのコポリエステルがある。ポリカーボネートの例としては、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(ジメチルトリメチルメチレンカーボネート)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)がある。
【0031】
用途の例
【0032】
想定される用途の種類は、例えば、カスタマイズされた予め作製されたグラフトによる、近位吻合、遠位吻合、または側方吻合である。また、本発明の実施形態は、吻合用コネクタ機器の設計に組み込むこともできる。また、本発明の実施形態は、例えば、冠動脈バイパスグラフト(CABG)、透析アクセスグラフト、及び末梢血管の用途などの(小口径)血管グラフトへの用途が想定され、これに限定しないが、例えば、重症肢虚血グラフト、フェムポップグラフト、またはBTKグラフトなどへの用途が想定される。
【国際調査報告】