IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッドの特許一覧

特表2023-519501プレカリクレイン関連の状態を治療及び予防するための組成物及び方法
<>
  • 特表-プレカリクレイン関連の状態を治療及び予防するための組成物及び方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】プレカリクレイン関連の状態を治療及び予防するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7115 20060101AFI20230501BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230501BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20230501BHJP
【FI】
A61K31/7115
A61P7/10 ZNA
A61P27/02
A61K31/7088
C12N15/113 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552307
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 US2021022069
(87)【国際公開番号】W WO2021183857
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/989,427
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ユージン
(72)【発明者】
【氏名】バイニー,ニコラス・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー,ベロニカ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ボルドーネ,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,ケネス
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZA51
4C086ZA83
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、浮腫を改善させるためのISIS 721744を投与する方法、及びプレカリクレイン(PKK)RNA、タンパク質、または活性の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法である。特定の例では、方法は、遺伝性血管性浮腫の少なくとも1つの症状を改善するのに有用である。遺伝性血管性浮腫のこのような症状としては、限定するものではないが、悪心、嘔吐、かゆみ、頭痛、疲労、腹痛、息切れ、鼻炎、アナフィラキシー、気管支収縮、及び腫れが挙げられる。特定の例では、方法は、黄斑浮腫の少なくとも1つの症状を改善するのに有用である。黄斑浮腫のそのような症状としては、限定するものではないが、視力障害及び視力喪失が挙げられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化1】
(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化2】
(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療有効量のオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が、以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化3】
で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【請求項5】
浮腫が遺伝性血管浮腫であり、遺伝性血管浮腫の少なくとも1つの症状が改善される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの症状が、悪心、嘔吐、かゆみ、頭痛、疲労、腹痛、息切れ、鼻炎、アナフィラキシー、気管支収縮、及び腫れ、ならびにそれらの組み合わせから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
浮腫が黄斑浮腫であり、黄斑浮腫の少なくとも1つの症状が改善される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの症状が、かすみ目、波状視覚(wavy vision)、ゆがんだ視覚、及び視力喪失、ならびにそれらの組み合わせから選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
プレカリクレイン(PKK)RNAの低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化4】
(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項10】
前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
PKK RNAの低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化5】
(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項12】
PKK RNAの低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療有効量のオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化6】
で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【請求項13】
PKKタンパク質の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化7】
(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項14】
前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
PKKタンパク質の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化8】
(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項16】
PKKタンパク質の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療有効量のオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化9】
で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【請求項17】
PKK活性の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化10】
(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項18】
前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
PKK活性の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化11】
(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項20】
PKK活性の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療有効量のオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化12】
で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【請求項21】
前記治療有効量が20mgである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記治療有効量が40mgである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記治療有効量が60mgである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記治療有効量が80mgである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記治療有効量が100mgである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記治療有効量が5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、及び300mgのいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記治療有効量が、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、及び約300mgのいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記治療有効量が、75.0mg、75.1mg、75.2mg、75.3mg、75.4mg、75.5mg、75.6mg、75.7mg、75.8mg、75.9mg、76.0mg、76.1mg、76.2mg、76.3mg、76.4mg、76.5mg、76.6mg、76.7mg、76.8mg、76.9mg、77.0mg、77.1mg、77.2mg、77.3mg、77.4mg、77.5mg、77.6mg、77.7mg、77.8mg、77.9mg、78.0mg、78.1mg、78.2mg、78.3mg、78.4mg、78.5mg、78.6mg、78.7mg、78.8mg、78.9mg、79.0mg、79.1mg、79.2mg、79.3mg、79.4mg、79.5mg、79.6mg、79.7mg、79.8mg、79.9mg、80.0mg、80.1mg、80.2mg、80.3mg、80.4mg、80.5mg、80.6mg、80.7mg、80.8mg、80.9mg、81.0mg、81.1mg、81.2mg、81.3mg、81.4mg、81.5mg、81.6mg、81.7mg、81.8mg、81.9mg、82.0mg、82.1mg、82.2mg、82.3mg、82.4mg、82.5mg、82.6mg、82.7mg、82.8mg、82.9mg、83.0mg、83.1mg、83.2mg、83.3mg、83.4mg、83.5mg、83.6mg、83.7mg、83.8mg、83.9mg、84.0mg、84.1mg、84.2mg、84.3mg、84.4mg、84.5mg、84.6mg、84.7mg、84.8mg、84.9mg、及び85.0mgのいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記治療有効量が、約75.0mg、約75.1mg、約75.2mg、約75.3mg、約75.4mg、約75.5mg、約75.6mg、約75.7mg、約75.8mg、約75.9mg、約76.0mg、約76.1mg、約76.2mg、約76.3mg、約76.4mg、約76.5mg、約76.6mg、約76.6 約76.7mg、約76.8mg、約76.9mg、約77.0mg、約77.1mg、約77.2mg、約77.3mg、約77.4mg、約77.5mg、約77.6mg、約77.7mg、約77.8mg、約77.9mg、約78.0mg、約78.1mg、約78.2mg、約78.3mg、約78.4mg、約78.5mg、約78.6mg、約78.7mg、約78.8mg、約78.9mg、約79.0mg、約79.1mg、約79.2mg、約79.3mg、約79.4mg、約79.5mg、約79.6mg、約79.7mg、約79.8mg、約79.9mg、約80.0mg、約80.1mg、約80.2mg、約80.3mg、約80.4mg、約80.5mg、約80.6mg、約80.7mg、約80.8mg、約80.9mg、約81.0mg、約81.1mg、約81.2mg、約81.3mg、約81.4mg、約81.5mg、約81.6mg、約81.7mg、約81.8mg、約81.9mg、約82.0mg、約82.1mg、約82.2mg、約82.3mg、約82.4mg、約82.5mg、約82.6mg、約82.7mg、約82.8mg、約82.9mg、約83.0mg、約83.1mg、約83.2mg、約83.3mg、約83.4mg、約83.5mg、約83.6mg、約83.7mg、約83.8mg、約83.9mg、約84.0mg、約84.1mg、約84.2mg、約84.3mg、約84.4mg、約84.5mg、約84.6mg、約84.7mg、約84.8mg、約84.9mg、及び約85.0mgのいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記治療有効量が10mg~140mg、10mg~130mg、10mg~120mg、10mg~110mg、10mg~100mg、10mg~90mg、10mg~80mg、10mg~70mg、10mg~60mg、10mg~50mg、10mg~40mg、10mg~30mg、10mg~20mg、20mg~140mg、20mg~130mg、20mg~120mg、20mg~110mg、20mg~100mg、20mg~90mg、20mg~80mg、20mg~70mg、20mg~60mg、20mg~50mg、20mg~40mg、20mg~30mg、30mg~140mg、30mg~130mg、30mg~120mg、30mg~110mg、30mg~100mg、30mg~90mg、30mg~80mg、30mg~70mg、30mg~60mg、30mg~50mg、30mg~40mg、40mg~140mg、40mg~130mg、40mg~120mg、40mg~110mg、40mg~100mg、40mg~90mg、40mg~80mg、40mg~70mg、40mg~60mg、40mg~50mg、50mg~140mg、50mg~130mg、50mg~120mg、50mg~110mg、50mg~100mg、50mg~90mg、50mg~80mg、50mg~70mg、50mg~60mg、60mg~140mg、60mg~130mg、60mg~120mg、60mg~110mg、60mg~100mg、60mg~90mg、60mg~80mg、60mg~70mg、70mg~140mg、70mg~130mg、70mg~120mg、70mg~110mg、70mg~100mg、70mg~90mg、70mg~80mg、80mg~140mg、80mg~130mg、80mg~120mg、80mg~110mg、80mg~100mg、80mg~90mg、90mg~140mg、90mg~130mg、90mg~120mg、90mg~110mg、90mg~100mg、100mg~140mg、100mg~130mg、100mg~120mg、100mg~110mg、110mg~140mg、110mg~130mg、110mg~120mg、120mg~140mg、120mg~130mg、130mg~140mg、65mg~95mg、65mg~90mg、65mg~85mg、65mg~80mg、65mg~75mg、65mg~70mg、70mg~95mg、70mg~85mg、70mg~75mg、75mg~100mg、75mg~95mg、75mg~90mg、75mg~85mg、75mg~80mg、80mg~95mg、80mg~85mg、85mg~100mg、85mg~90mg、90mg~95mg、95mg~100mg、80mg~89mg、80mg~88mg、80mg~87mg、80mg~86mg、80mg~84mg、80mg~83mg、80mg~82mg、80mg~81mg、81mg~90mg、82mg~89mg、82mg~88mg、82mg~87mg、82mg~86mg、82mg~85mg、82mg~84mg、82mg~83mg、83mg~90mg、83mg~89mg、83mg~88mg、83mg~87mg、83mg~86mg、83mg~85mg、83mg~84mg、84mg~90mg、84mg~89mg、84mg~88mg、84mg~87mg、84mg~86mg、84mg~85mg、85mg~89mg、85mg~88mg、85mg~87mg、85mg~86mg、86mg~90mg、86mg~89mg、86mg~88mg、86mg~87mg、87mg~90mg、87mg~89mg、87mg~88mg、88mg~90mg、88mg~89mg、及び89mg~90mgのいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記治療有効量が、300mg未満、295mg未満、290mg未満、285mg未満、280mg未満、275mg未満、270mg未満、265mg未満、260mg未満、255mg未満、250mg未満、245mg未満、240mg未満、235mg未満、230mg未満、225mg未満、220mg未満、215mg未満、210mg未満、205mg未満、200mg未満、195mg未満、190mg未満、185mg未満、180mg未満、175mg未満、170mg未満、165mg未満、160mg未満、150mg未満、145mg未満、140mg未満、135mg未満、130mg未満、125mg未満、120mg未満、115mg未満、110mg未満、105mg未満、100mg未満、95mg未満、90mg未満、85mg未満、80mg未満、75mg未満、70mg未満、65mg未満、60mg未満、55mg未満、50mg未満、45mg未満、40mg未満、35mg未満、30mg未満、25mg未満、及び20mg未満のいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記治療有効量が、約300mg未満、約295mg未満、約290mg未満、約285mg未満、約280mg未満、約275mg未満、約270mg未満、約265mg未満、約260mg未満、約255mg未満、約250mg未満、約245mg未満、約240mg未満、約235mg未満、約230mg未満、約225mg未満、約220mg未満、約215mg未満、約210mg未満、約205mg未満、約200mg未満、約195mg未満、約190mg未満、約185mg未満、約180mg未満、約175mg未満、約170mg未満、約165mg未満、約160mg未満、約150mg未満、約145mg未満、約140mg未満、約135mg未満、約130mg未満、約125mg未満、約120mg未満、約115mg未満、約110mg未満、約105mg未満、約100mg未満、約95mg未満、約90mg未満、約85mg未満、約80mg未満、約75mg未満、約70mg未満、約65mg未満、約60mg未満、約55mg未満、約50mg未満、約45mg未満、約40mg未満、約35mg未満、約30mg未満、約25mg未満、及び約20mg未満のいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記治療有効量が、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも約100mg、少なくとも105mg、少なくとも115mg、少なくとも120mg、少なくとも125mg、少なくとも130mg、少なくとも135mg、少なくとも140mg、少なくとも145mg、及び少なくとも150mgのいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記治療有効量が、少なくとも約10mg、少なくとも約15mg、少なくとも約20mg、少なくとも約25mg、少なくとも約30mg、少なくとも約35mg、少なくとも約40mg、少なくとも約45mg、少なくとも約50mg、少なくとも約55mg、少なくとも約60mg、少なくとも約65mg、少なくとも約70mg、少なくとも約75mg、少なくとも約80mg、少なくとも約85mg、少なくとも約90mg、少なくとも約95mg、少なくとも約100mg、少なくとも約105mg、少なくとも約115mg、少なくとも約120mg、少なくとも約125mg、少なくとも約130mg、少なくとも約135mg、少なくとも約140mg、少なくとも約145mg、及び少なくとも約150mgのいずれかである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記オリゴマー化合物を、4週間ごとに1回投与することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記オリゴマー化合物を、8週間ごとに1回投与することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記オリゴマー化合物を、約4週間ごとに1回投与することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記オリゴマー化合物を、約8週間ごとに1回投与することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記オリゴマー化合物を、4週間ごとに1回、5週間ごとに1回、6週間ごとに1回、7週間ごとに1回、8週間ごとに1回、9週間ごとに1回、10週間ごとに1回、11週間ごとに1回、12週間ごとに1回、13週間ごとに1回、14週間ごとに1回、15週間ごとに1回、16週間ごとに1回、17週間ごとに1回、18週間ごとに1回、19週間ごとに1回、または20週間ごとに1回投与することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記オリゴマー化合物を、約4週間ごとに1回、約5週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約7週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、約9週間ごとに1回、約10週間ごとに1回、約11週間ごとに1回、約12週間ごとに1回、約13週間ごとに1回、約14週間ごとに1回、約15週間ごとに1回、約16週間ごとに1回、約17週間ごとに1回、約18週間ごとに1回、約19週間ごとに1回、または約20週間ごとに1回投与することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記オリゴマー化合物の少なくとも2つの負荷用量、及び前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を投与することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記負荷用量が、80mgまたは約80mgの量である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記維持用量が、80mg未満の量である、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記維持用量が20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、または75mgである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記維持用量が約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、または約75mgである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記負荷容量を、4週間ごとに1回投与すること、及び少なくとも2回の維持用量を、5週間ごとに1回、6週間ごとに1回、7週間ごとに1回、8週間ごとに1回、9週間ごとに1回、10週間ごとに1回、11週間ごとに1回、12週間ごとに1回、13週間ごとに1回、14週間ごとに1回、15週間ごとに1回、16週間ごとに1回、17週間ごとに1回、18週間ごとに1回、19週間ごとに1回、または20週間ごとに1回投与することを含む、請求項41~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記負荷用量を、約4週間ごとに1回投与すること、及び少なくとも2回の維持用量を、約5週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約7週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、約9週間ごとに1回、約10週間ごとに1回、約11週間ごとに1回、約12週間ごとに1回、約13週間ごとに1回、約14週間ごとに1回、約15週間ごとに1回、約16週間ごとに1回、約17週間ごとに1回、約18週間ごとに1回、約19週間ごとに1回、または約20週間ごとに1回投与することを含む、請求項41~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記負荷容量を、2週間ごとに1回投与すること、及び少なくとも2回の維持用量を、5週間ごとに1回、6週間ごとに1回、7週間ごとに1回、8週間ごとに1回、9週間ごとに1回、10週間ごとに1回、11週間ごとに1回、12週間ごとに1回、13週間ごとに1回、14週間ごとに1回、15週間ごとに1回、16週間ごとに1回、17週間ごとに1回、18週間ごとに1回、19週間ごとに1回、または20週間ごとに1回投与することを含む、請求項41~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記負荷用量を、約2週間ごとに1回投与すること、及び少なくとも2回の維持用量を、約5週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約7週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、約9週間ごとに1回、約10週間ごとに1回、約11週間ごとに1回、約12週間ごとに1回、約13週間ごとに1回、約14週間ごとに1回、約15週間ごとに1回、約16週間ごとに1回、約17週間ごとに1回、約18週間ごとに1回、約19週間ごとに1回、または約20週間ごとに1回投与することを含む、請求項41~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記ヒト対象が、遺伝性血管浮腫またはそのリスクを有する、請求項1~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記遺伝性血管性浮腫が、I型HAEである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記遺伝性血管性浮腫が、II型HAEである、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記ヒト対象がSERPING1遺伝子に遺伝子変異を有する、請求項51または52に記載の方法。
【請求項54】
前記遺伝性血管性浮腫が、III型HAEである、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記ヒト対象が、F12、PLG、及びANGPT1から選択される遺伝子に遺伝子変異を有する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記対象が、F12、PLG、及びANGPT1から選択される遺伝子に遺伝子変異を有さない、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記ヒト対象が、少なくとも1つの抗浮腫剤に対して不応性である、請求項50~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、ヒスタミン阻害剤、C1エステラーゼ阻害剤、弱毒化アンドロゲン、抗線維素溶解剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンIIタイプ1受容体遮断薬、カリクレイン阻害剤、ブラジキニンB2受容体拮抗薬、またはそれらの組み合わせを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ヒト対象が、ヒスタミン阻害剤、抗線維素溶解剤、弱毒化アンドロゲン、C1エステラーゼ阻害剤、及びブラジキニンB2受容体拮抗薬に対して不応性である、請求項50~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記抗線維素溶解剤が、トラネキサム酸である、請求項58または59に記載の方法。
【請求項61】
前記弱毒化アンドロゲンがダナゾールである、請求項58~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記ブラジキニンB2受容体拮抗薬が、イカチバントである、請求項58~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与前に前記対象が経験した血管浮腫発作の発生と比較して、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与後、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4または少なくとも6か月にわたって測定された場合、前記対象が経験する血管浮腫発作の発生の約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満の低減を提供する、請求項57~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与後、約1時間、約2時間、約4時間、約8時間、約12時間、約24時間、または約48時間で、腫れを、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満、低減する、請求項57~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記ヒト対象が、投与前に少なくとも1、2、3、4、5、6、8、または12か月にわたって測定した場合、1か月に平均して少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、または少なくとも6回の血管浮腫発作を有する、請求項50~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記ヒト対象が、黄斑浮腫またはそのリスクを有する、請求項1~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記ヒト対象が、糖尿病、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、またはそれらの組み合わせを有する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
遺伝性血管浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による約80mgのオリゴマー化合物:
【化13】
(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項69】
前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
遺伝性血管浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による約80mgのオリゴマー化合物:
【化14】
(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項71】
遺伝性血管浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、約80mgのオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化15】
で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【請求項72】
80mgの前記オリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含む、請求項68~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
請求項68~71のいずれか1項に記載の方法であって、約4週間ごとに1回、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の用量を前記ヒト対象に投与すること、続いて、約4週間ごとに1回、約100mgの前記オリゴマー化合物を少なくとも2回の用量を投与することを含む、前記方法。
【請求項74】
請求項68~71のいずれか1項に記載の方法であって、4週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の用量を前記ヒト対象に投与すること、続いて、4週間ごとに1回、100mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の用量を投与することを含む、前記方法。
【請求項75】
前記ヒト対象が、80mgまたは約80mgの前記オリゴマー化合物を4週間ごとに1回または約4週間ごとに1回投与する間に、少なくとも1回の血管浮腫発作を起こす、請求項73または74に記載の方法。
【請求項76】
請求項68~71のいずれか1項に記載の方法であって、前記ヒト対象に対して、約4週間ごとに、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の負荷用量を、及び約8週間ごとに、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を、投与することを含む、前記方法。
【請求項77】
請求項68~71のいずれか1項に記載の方法であって、前記ヒト対象に対して、4週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の負荷用量を、及び8週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を、投与することを含む、前記方法。
【請求項78】
前記対象が、80mgまたは約80mgの前記オリゴマー化合物を4週間ごとに1回または約4週間ごとに1回投与する間に、血管浮腫発作が起きない、請求項75~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記遺伝性血管性浮腫が、I型HAE、II型HAE、またはIII型HAEである、請求項68~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記遺伝性血管浮腫が、III型HAEであり、前記ヒト対象がF12、PLG、及びANGPT1から選択される遺伝子に遺伝子変異を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記遺伝性血管浮腫が、III型HAEであり、前記ヒト対象がF12、PLG、及びANGPT1から選択される遺伝子に遺伝子変異を有さない、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記ヒト対象が少なくとも1つの抗浮腫剤に対して不応性である、請求項68~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、ヒスタミン阻害剤、C1エステラーゼ阻害剤、弱毒化アンドロゲン、抗線維素溶解剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンIIタイプ1受容体遮断薬、カリクレイン阻害剤、ブラジキニンB2受容体拮抗薬、またはそれらの組み合わせを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記ヒト対象が、ヒスタミン阻害剤、抗線維素溶解剤、弱毒化アンドロゲン、C1エステラーゼ阻害剤、及びブラジキニンB2受容体拮抗薬に対して不応性である、請求項68~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記抗線維素溶解剤が、トラネキサム酸である、請求項83または84に記載の方法。
【請求項86】
前記弱毒化アンドロゲンがダナゾールである、請求項83~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記ブラジキニンB2受容体拮抗薬が、イカチバントである、請求項83~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与前に前記対象が経験した血管浮腫発作の発生と比較して、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与後、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4または少なくとも6か月にわたって測定された場合、前記対象が経験する血管浮腫発作の発生の約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満の低減を提供する、請求項82~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与後、約1時間、約2時間、約4時間、約8時間、約12時間、約24時間、または約48時間で、腫れを、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満、低減する、請求項82~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記ヒト対象が、投与前に少なくとも1、2、3、4、5、6、8、または12か月にわたって測定した場合、1か月に平均して少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、または少なくとも6回の血管浮腫発作を有する、請求項82~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
黄斑浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による約80mgのオリゴマー化合物:
【化16】
(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項92】
前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
黄斑浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による約80mgのオリゴマー化合物:
【化17】
(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項94】
黄斑浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、約80mgのオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化18】

で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【請求項95】
80mgの前記オリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含む、請求項91~94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
請求項91~95のいずれか1項に記載の方法であって、前記ヒト対象に対して、約2週間ごとに1回、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の負荷用量を、及び約4週間ごとに1回、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を、投与することを含む、前記方法。
【請求項97】
請求項91~95のいずれか1項に記載の方法であって、前記ヒト対象に対して、2週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の負荷用量を、及び4週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を、投与することを含む、前記方法。
【請求項98】
前記ヒト対象が糖尿病性黄斑浮腫を有する、請求項91~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記ヒト対象が、炎症状態、血栓塞栓状態、浮腫、またはそれらのリスクを有する、請求項1~98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記オリゴマー化合物が皮下注入によって投与される、請求項1~99のいずれかに記載の方法。
【請求項101】
前記オリゴマー化合物が自己投与される、請求項1~100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
PKK RNAが前記対象において低減される、請求項1~101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
PKKタンパク質が前記対象において低減される、請求項1~102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
PKK活性が前記対象において低減される、請求項1~103のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本願は、電子形式の配列表とともに出願されている。この配列表は、2021年3月10日に作成された、56KbのサイズのBIOL0377WOSEQ_ST25.txtという名前のファイルとして提供される。この配列表の電子形式の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で提供されるのは、浮腫の改善、プレカリクレイン(PKK)RNAの低減、PKKタンパク質の低減、及び/またはPKK活性の低減をそれを必要とするヒト対象において行うためのISIS 721744を投与する方法である。特定の例では、方法は、遺伝性血管性浮腫の少なくとも1つの症状を改善するのに有用である。遺伝性血管性浮腫のこのような症状としては、限定するものではないが、腫れ、悪心、嘔吐、かゆみ、頭痛、疲労、腹痛、息切れ、鼻炎、アナフィラキシー、及び気管支収縮が挙げられる。特定の例では、方法は、黄斑浮腫の少なくとも1つの症状を改善するのに有用である。黄斑浮腫のそのような症状としては、限定するものではないが、かすみ目、波状視覚(wavy vision)、ゆがんだ視覚、及び視力喪失が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
プレカリクレイン(PKK)は、KLKB1遺伝子によってコードされる糖タンパク質であり、第XII因子の活性化により、チモーゲン型から血漿カリクレイン(PK)と呼ばれる酵素型に切断される。PKは、炎症、血圧制御、凝固、及び疼痛に関与するキニン-カリクレイン経路のメンバーである。PKは、プラスミノーゲンからプラスミンを生成し、キニノーゲンからキニン(例えば、ブラジキニン)を遊離する。さらに、PKは、今度は、FXIIを相互に活性化し、それによってブラジキニンの放出を増強し得る。
【0004】
浮腫とは、四肢、胴体、及び気道(副鼻腔、口、喉、肺など)を含む、1つ以上の身体の部分の腫れに関する医学用語である。浮腫は、怪我、炎症、またはその他の状態(例えば、低アルブミン、アレルギー、うっ血性心不全、糖尿病、遺伝子変異)によって、小さな血管が近くの組織に液体を漏らしたときに発生する。浮腫には、限定するものではないが、遺伝性血管性浮腫(HAE)、肺水腫、脳浮腫、及び黄斑浮腫を含むさまざまな種類が挙げられる。
【0005】
HAEは、特に皮膚、胃系、口腔咽頭組織、及び喉頭粘膜の腫れの再発性でかつ予測不可能な発作を特徴とする、まれな常染色体優性疾患であり、生命を脅かす場合がある。HAEの典型的な腫れは、接触システムの構成要素の不適切な制御に起因する、過剰なブラジキニン形成に応答して、局所的に増加した血管透過性及び体液流出によって引き起こされる。ほとんどの場合、HAEは、キニン-カリクレイン経路を調節するC1エステラーゼ阻害剤(C1-INH)をコードする遺伝子であるSERPING1の遺伝子変異によって引き起こされる。これらの遺伝子変異は、C1-INH欠損症(I型HAE)または機能障害(II型HAE)を引き起こす。SERPING1遺伝子は、C1-エステラーゼ阻害剤(C1-INH)をコードする。
【0006】
まれな、第3のタイプのHAE、III型 HAE(正常レベル(nl)-C1-INH-HAEとしても公知)の患者は、正常レベルの機能性C1-INHを示し、多くの場合、より高い頻度の顔面、咽頭、及び舌の腫れを含む明確な臨床症状を示す。III型HAEには、以下の少なくとも4つのサブタイプがある:FXII遺伝子(F12)の遺伝子変異(例えば、Thr328Lys、Thr328Arg、Thr309Lys、Thr309Arg)に関連するサブタイプ(「HAE-FXII」としても公知)、プラスミノーゲン遺伝子(PLG)の遺伝子変異(例えば、Lys330Glu)に関連するサブタイプ(「HAE-PLG」としても知られる)、アンジオポエチン-1遺伝子(ANGPT1)の遺伝子変異(例えば、Ala119Ser)に関連するサブタイプ(「HAE-ANGPT1」としても公知)、ならびにF12、PLG、またはANGPT1の変異に関連しないサブタイプ(「HAE-UI」としても公知)。
【0007】
黄斑浮腫とは、黄斑を含む網膜に体液がたまり、視力がぼやけたり、ゆがんだり、または波打ったりする状態である。場合によっては、黄斑浮腫は、部分的または全体的な視力喪失につながり得る。黄斑浮腫とは、眼科手術、黄斑変性症、網膜血管閉塞、眼の感染症、及び眼の炎症によって引き起こされるか、またはそれらに関連している場合がある。黄斑浮腫とは、糖尿病性神経障害の結果として発生する場合が多く、糖尿病性神経障害は、網膜内及び/または網膜付近の血管の損傷及び漏出を特徴とする糖尿病の合併症である。糖尿病性神経障害に関連する黄斑浮腫は、糖尿病性黄斑浮腫(DME)と呼ばれる。DMEは、糖尿病性網膜症の患者の視力喪失または視力障害の最も一般的な原因である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、健康なボランティアにおけるISIS 721744の毎月の投与中の複数の時点でのベースラインからの変化率として、血漿中のPKKタンパク質の平均濃度を示している。図1Bは、健康なボランティアにおけるISIS 721744の毎月の投与中の複数の時点でのベースラインからの変化率として、平均血漿酵素前駆体活性化(ブラジキニンを生成する血漿の能力の尺度)を示している。
【0009】
発明の概要
本明細書で提供されるのは、浮腫の改善方法、ならびにPKK RNA、PKKタンパク質、及び/またはPKK活性の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法である。特定の実施形態では、浮腫とは遺伝性血管性浮腫を含む。特定の実施形態では、浮腫とは黄斑浮腫を含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量のオリゴマー化合物を投与することを含む。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、ISIS 721744である。特定の実施形態では、治療有効量は、約40mg~約120mgの範囲内である。特定の実施形態では、治療有効量は、約80mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、約100mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、約2週間ごとに1回投与される。特定の実施形態では、治療有効量は、約4週間ごとに1回投与される。特定の実施形態では、治療有効量は、約8週間ごとに1回投与される。特定の実施形態では、方法は、約4週間ごとに1回、約80mgの負荷用量のISIS 721744を投与すること、その後、約4週間ごとに1回、100mgのISIS 721744の維持用量を投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、約4週間ごとに1回、約80mgの負荷用量のISIS 721744を投与すること、その後、約8週間ごとに1回、80mgのISIS 721744の維持用量を投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、約2週間ごとに1回、約80mgの負荷用量のISIS 721744を投与すること、その後、約4週間ごとに1回、80mgのISIS 721744の維持用量を投与することを含む。
【0010】
発明を実施するための形態
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、いずれもあくまで例示的かつ説明的なものに過ぎず、限定的なものではない点を理解されたい。本明細書において、単数形の使用は、別途明確に記述されない限り、複数形を含む。本明細書で使用されるとき、「または」の使用は、別途定めのない限り、「及び/または」を意味する。さらに、「including(~を含む)」という用語、ならびに「includes(~を含む)」及び「含まれる」等の他の形態の使用は、限定的なものではない。また、「要素」または「成分」等の用語は、別途明確に記述されない限り、1つのユニットを含む要素及び成分、ならびに2つ以上のサブユニットを含む要素及び成分の両方を包含する。
【0011】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、あくまで構成上の目的のものであって、記載される発明の主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍、及び論文を含むが、これらに限定されない本出願において引用される全ての文書または文書の一部は、本明細書で論じられる文書の一部に対して、かつそれらの全体において参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0012】
定義
具体的な定義が与えられない限り、本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、ならびに医化学及び製薬化学に関連して用いられる命名法、ならびにそれらの手順及び技法は、周知のものであり、当技術分野で一般的に使用されているものである。容認される場合、本開示の全体を通じて参照される全ての特許、特許出願、特許出願公開、ならびに他の刊行物及び他のデータは、それらの全容を参照によって本明細書に援用する。
【0013】
別途示されない限り、以下の用語は、以下の意味を有する。
【0014】
本明細書で使用する場合、「2’-デオキシリボヌクレオシド」とは、2’-H(H)デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。特定の実施形態では、2’-デオキシリボヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシリボヌクレオシドであり、天然に存在するデオキシリボ核酸(DNA)にみられるようなβ-D立体配置を有する2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。特定の実施形態では、2’-デオキシリボヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含んでもよいし、またはRNA核酸塩基(ウラシル)を含んでもよい。
【0015】
本明細書で使用する場合、「2’-MOE」とは、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりの2’-OCHCHOCH基を意味する。「2’-MOE糖部分」とは、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりの2’-OCHCHOCH基を有する糖部分である。特に明記しない限り、2’-MOE糖部分は、β-D配置である。「MOE」とは、O-メトキシエチルを意味する。
【0016】
本明細書で使用する場合、「2’-MOEヌクレオシド」とは、2’-MOE糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0017】
本明細書で使用する場合、「5-メチルシトシン」とは、5位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは、修飾された核酸塩基である。
【0018】
本明細書で使用する場合、「約」とは、提供された値のプラスマイナス7%を意味する。
【0019】
本明細書で使用する場合、「投与する」とは、ヒト対象に医薬品を与えることを意味する。
【0020】
本明細書で使用する場合、治療に関連する「改善」とは、少なくとも1つの症状が、その治療を行わない場合の同じ症状と比べて改善することを意味する。特定の実施形態では、改善は、症状の重症度もしくは頻度の低減、または発症の遅延もしくは症状の重症度もしくは頻度の進行の遅延である。
【0021】
本明細書で使用する場合、「血管浮腫発作」とは、HAEを有する対象の身体部分の腫れを意味する。特定の実施形態では、対象は、腫れの発症時に傷害または感染症を有さない。本明細書で使用する場合、「ブレークスルー発作」とは、対象がHAEの予防的治療を受けているときに発生する血管浮腫発作を意味する。
【0022】
本明細書で使用する場合、「抗浮腫剤」とは、身体部分の浮腫の軽減、改善、または予防を、それを必要とする対象において行う医薬品を意味する。
【0023】
本明細書で使用する場合、「抗炎症剤」とは、炎症状態の改善または予防を、それを必要とする対象において行う医薬品を意味する。
【0024】
本明細書で使用する場合、「抗血栓剤」とは、血栓状態の改善または予防を、それを必要とする対象において行う医薬品を意味する。
【0025】
本明細書で使用する場合、「コンジュゲート基」とは、オリゴヌクレオチドに直接結合している原子団を意味する。コンジュゲート基は、コンジュゲート部分、及びコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合させるコンジュゲートリンカーを含む。
【0026】
本明細書で使用する場合、「コンジュゲートリンカー」とは、単結合、または例えばコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドと接続する少なくとも1つの結合を含む原子団を意味する。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、切断可能な部分を含む。
【0027】
本明細書で使用する場合、「コンジュゲート部分」とは、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合される原子団を意味する。特定の実施形態では、コンジュゲート部分は細胞標的化部分を含む。
【0028】
本明細書で使用する場合、「用量」とは、投与される医薬品の量を意味する。
【0029】
本明細書で使用する場合、「浮腫」とは、1つ以上の身体部分の腫れを意味する。特定の実施形態では、身体部分は、四肢、例えば、手、足、腕、脚、顔である。特定の実施形態では、身体部分は、四肢ではなく、例えば、腹部、舌、眼である。特定の実施形態では、例えば、肺、気管、副鼻腔などの身体部分は、呼吸を容易にする。
【0030】
本明細書で使用する場合、「PKK RNA」とは、ヒト遺伝子、KLKB1のRNA発現産物である。
【0031】
本明細書で使用する場合、「PKKタンパク質」とは、PKK RNAのタンパク質発現産物である。
【0032】
本明細書で使用する場合、「PKK活性」とは、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPPT)試験(対象の血液の凝固を特徴付ける試験)におけるPKKタンパク質の活性である。対象からの試験血漿試料中のPKK活性は、試験血漿試料を、PKKが免疫枯渇した対照血漿試料に添加すること、及び得られた組み合わせ試料の凝固(時間)を、参照量のPKKを有する1つ以上の参照血漿試料と比較して、相対的なPKK活性を決定することによって、aPPT試験でアッセイされる。
【0033】
本明細書で使用する場合、「炎症状態」とは、対象の身体部分が、発赤、腫れ、疼痛、機能不全、またはそれらの組み合わせになる状態を意味する。特定の実施形態では、炎症状態は、発赤(紅潮)、体温の上昇(熱)、腫れ(腫瘍)、疼痛(痛覚)、または身体部分の機能の喪失のいずれかを含む。特定の実施形態では、対象は、発熱(37℃を超える体温)を有する。特定の実施形態では、炎症状態は、糖尿病、関節炎、喘息、肝炎、潰瘍性大腸炎、及びクローン病、傷害、または感染症である。
【0034】
本明細書で使用する場合、「ヌクレオシド間結合」とは、オリゴヌクレオチド中の連続したヌクレオシド間の共有結合を意味する。本明細書で使用する場合、「修飾ヌクレオシド間結合」とは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を意味する。「ホスホロチオエートヌクレオシド間結合」とは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の非架橋酸素原子の1つが、硫黄原子で置換されている修飾ヌクレオシド間結合である。
【0035】
本明細書で使用する場合、「KLKB1遺伝子」とは、PKK RNAをコードするゲノム配列を指す。一般に、ヒトは、同じまたは異なる核酸塩基配列を有し得る2つのKLKB1遺伝子を有する。
【0036】
本明細書で使用する場合、「負荷用量」とは、医薬品の定常状態濃度が達成される初期投与段階の間に投与される治療有効量の医薬品を意味する。「初期負荷用量」とは、投与される最初の負荷用量を意味する。「最終負荷用量」とは、最初の維持用量を投与する前に最後に投与された負荷用量を意味する。
【0037】
本明細書で使用する場合、「維持用量」とは、医薬品の定常状態濃度が達成された後の投薬段階中に投与される医薬品の治療有効量を意味する。
【0038】
本明細書で使用する場合、「修飾オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも1つのヌクレオシドまたはヌクレオシド間結合が修飾されているオリゴヌクレオチドを意味する。
【0039】
本明細書で使用する場合、「核酸塩基」とは、非修飾核酸塩基または修飾核酸塩基を意味する。「非修飾核酸塩基」とは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)、またはグアニン(G)である。「修飾核酸塩基」とは、少なくとも1つの非修飾核酸塩基と対合し得る非修飾A、T、C、U、またはG以外の原子団である。「5-メチルシトシン」とは、修飾核酸塩基である。本明細書で使用する場合、「核酸塩基配列」とは、いずれの糖またはヌクレオシド間結合修飾とも無関係の標的核酸またはオリゴヌクレオチド中の連続的な核酸塩基の順序を意味する。
【0040】
本明細書で使用する場合、「ヌクレオシド」とは、核酸塩基と糖部分とを含む化合物を意味する。核酸塩基及び糖部分はそれぞれ独立して修飾されないかまたは修飾される。本明細書で使用する場合、「修飾ヌクレオシド」とは、修飾核酸塩基及び/または修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。「結合されたヌクレオシド」とは、連続した配列中で連結された(すなわち、結合されたヌクレオシド間にさらなるヌクレオシドが存在しない)ヌクレオシドである。本明細書で使用する場合、「オリゴヌクレオチド」とは、ヌクレオシド間結合を介して結合された結合ヌクレオシドの鎖を意味し、各ヌクレオシド及びヌクレオシド間結合は修飾されてもまたは修飾されなくてもよい。別途示されない限り、オリゴヌクレオチドは、8~50個の結合されたヌクレオシドで構成される。
【0041】
本明細書で使用する場合、「オリゴマー化合物」とは、オリゴヌクレオチド及びコンジュゲート基を含む化合物を意味する。
【0042】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される担体または希釈剤」とは、ヒト対象への投与における使用に適した任意の物質を意味する。特定のかかる担体は、医薬組成物を、例えば、ヒト対象による経口摂取のための錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、及びトローチ剤として製剤化することを可能にする。特定の実施形態では、薬学的に許容される担体または希釈剤とは、滅菌水、滅菌生理食塩水、または滅菌緩衝液である。
【0043】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」とは、化合物の生理学的及び薬学的に許容される塩を意味する。薬学的に許容される塩は、親化合物の望ましい生物学的活性を保持し、望ましくない毒物学的影響を親化合物に与えない。
【0044】
本明細書で使用する場合、「カリウム塩」とは、オリゴマー化合物の塩を意味し、塩の陽イオンは、カリウムである。
【0045】
本明細書で使用する場合、「不応性」とは、状態を治療するために使用される治療剤または医薬品に耐性があることを意味する。特定の実施形態では、治療剤または医薬品に不応性である対象は、その治療剤または医薬品を受けた後、その状態の1つ以上の症状を有する。特定の実施形態では、この状態の1つ以上の症状の重症度は、治療剤または医薬品によって軽減されない。特定の実施形態では、この状態の1つ以上の症状の発生は、治療剤または医薬品によって軽減されない。
【0046】
本明細書で使用する場合、「RNA」とは、RNA転写物を意味し、特に明記しない限り、プレmRNA及び成熟mRNAを含む。
【0047】
本明細書で使用する場合、「ナトリウム塩」とは、オリゴマー化合物の塩を意味し、塩の陽イオンは、ナトリウムである。
【0048】
本明細書で使用する場合、「対象」とは、ヒトまたは非ヒト動物を意味する。特定の実施形態では、対象はヒト対象である。「それを必要とする対象」とは、本明細書に開示されるオリゴマー化合物の投与から利益を得るであろう対象である。特定の実施形態では、それを必要とする対象は、浮腫を有する。
【0049】
本明細書で使用する場合、「糖部分」とは、非修飾糖部分または修飾糖部分を意味する。「非修飾糖部分」とは、RNAに見られるような2’-OH(H)β-Dリボシル部分(「非修飾RNA糖部分」)、またはDNAに見られるような2’-H(H)β-Dデオキシリボシル糖部分(「非修飾DNA糖部分」)を意味する。未修飾糖部分は、1’、3’、及び4’位の各々に1個の水素、3’位に1個の酸素、5’位に2個の水素を有する。「修飾糖部分」または「修飾糖」とは、修飾フラノシル糖部分または代用糖を意味する。
【0050】
本明細書で使用する場合、「症状」とは、疾患または障害の存在または程度を示すあらゆる物理的特徴または試験結果を意味する。特定の実施形態では、症状とは、対象にとって、または当該対象を検査または試験する医療専門家にとって明らかである。
【0051】
本明細書で使用する場合、「治療有効量」とは、ヒト対象に治療効果をもたらす医薬品の量を意味する。例えば、治療有効量は、疾患の症状を改善する。
【0052】
本明細書で使用する場合、「血栓塞栓状態」とは、血栓によって引き起こされる塞栓症を伴う任意の疾患または状態を意味する。そのような疾患及び状態の例としては、血栓症、塞栓症、及び血栓塞栓症のカテゴリーが挙げられる。血栓塞栓状態は、血栓塞栓事象または血栓性事象と呼ばれることもある。血栓塞栓症状態のリスクがある対象としては、限定するものではないが、高血圧、高コレステロール血症、心房細動、心臓弁膜症(heart valve disorder)、心臓弁膜症(valvular heart disease)、機械的心臓弁、手術、がん、妊娠、老年期、避妊薬の経口使用、不動、敗血症、心房細動、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患(CAD)、抗リン脂質症候群、血栓形成促進性凝固障害(例えば、第V因子ライデン血栓症)、またはそれらの組み合わせがある対象が挙げられる。
【0053】
本明細書において使用する場合、1「週間」とは、7日を意味する。
【0054】
特定の実施形態
本開示は、以下の非限定的な番号付けされた実施形態を提供するものである。
【0055】
実施形態1.浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化1】

(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0056】
実施形態2.前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態1に記載の方法。
【0057】
実施形態3.浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化2】

(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0058】
実施形態4.浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療有効量のオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が、以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化3】

で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【0059】
実施形態5.浮腫が遺伝性血管浮腫であり、遺伝性血管浮腫の少なくとも1つの症状が改善される、実施形態1~4のいずれか1項に記載の方法。
【0060】
実施形態6.少なくとも1つの症状が、悪心、嘔吐、かゆみ、頭痛、疲労、腹痛、息切れ、鼻炎、アナフィラキシー、気管支収縮、及び腫れ、ならびにそれらの組み合わせから選択される、実施形態5に記載の方法。
【0061】
実施形態7.浮腫が黄斑浮腫であり、黄斑浮腫の少なくとも1つの症状が改善される、実施形態1~4のいずれか1項に記載の方法。
【0062】
実施形態8.少なくとも1つの症状が、かすみ目、波状視覚、ゆがんだ視覚、及び視力喪失、ならびにそれらの組み合わせから選択される、実施形態7に記載の方法。
【0063】
実施形態9.プレカリクレイン(PKK)RNAの低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化4】

(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0064】
実施形態10.前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態9に記載の方法。
【0065】
実施形態11.PKK RNAの低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化5】

(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0066】
実施形態12.PKK RNAの低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療有効量のオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化6】

で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【0067】
実施形態13.PKKタンパク質の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化7】

(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0068】
実施形態14.前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態13に記載の方法。
【0069】
実施形態15.PKKタンパク質の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化8】

(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0070】
実施形態16.PKKタンパク質の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療有効量のオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化9】

で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【0071】
実施形態17.PKK活性の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化10】

(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0072】
実施形態18.前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態17に記載の方法。
【0073】
実施形態19.PKK活性の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による治療有効量のオリゴマー化合物:
【化11】

(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0074】
実施形態20.PKK活性の低減を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療有効量のオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化12】

で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【0075】
実施形態21.前記治療有効量が20mgである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0076】
実施形態22.前記治療有効量が40mgである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0077】
実施形態23.前記治療有効量が60mgである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0078】
実施形態24.前記治療有効量が80mgである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0079】
実施形態25.前記治療有効量が100mgである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0080】
実施形態26.前記治療有効量が5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、及び300mgのいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0081】
実施形態27.前記治療有効量が、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、及び約300mgのいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0082】
実施形態28.前記治療有効量が、75.0mg、75.1mg、75.2mg、75.3mg、75.4mg、75.5mg、75.6mg、75.7mg、75.8mg、75.9mg、76.0mg、76.1mg、76.2mg、76.3mg、76.4mg、76.5mg、76.6mg、76.7mg、76.8mg、76.9mg、77.0mg、77.1mg、77.2mg、77.3mg、77.4mg、77.5mg、77.6mg、77.7mg、77.8mg、77.9mg、78.0mg、78.1mg、78.2mg、78.3mg、78.4mg、78.5mg、78.6mg、78.7mg、78.8mg、78.9mg、79.0mg、79.1mg、79.2mg、79.3mg、79.4mg、79.5mg、79.6mg、79.7mg、79.8mg、79.9mg、80.0mg、80.1mg、80.2mg、80.3mg、80.4mg、80.5mg、80.6mg、80.7mg、80.8mg、80.9mg、81.0mg、81.1mg、81.2mg、81.3mg、81.4mg、81.5mg、81.6mg、81.7mg、81.8mg、81.9mg、82.0mg、82.1mg、82.2mg、82.3mg、82.4mg、82.5mg、82.6mg、82.7mg、82.8mg、82.9mg、83.0mg、83.1mg、83.2mg、83.3mg、83.4mg、83.5mg、83.6mg、83.7mg、83.8mg、83.9mg、84.0mg、84.1mg、84.2mg、84.3mg、84.4mg、84.5mg、84.6mg、84.7mg、84.8mg、84.9mg、及び85.0mgのいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0083】
実施形態29.前記治療有効量が、約75.0mg、約75.1mg、約75.2mg、約75.3mg、約75.4mg、約75.5mg、約75.6mg、約75.7mg、約75.8mg、約75.9mg、約76.0mg、約76.1mg、約76.2mg、約76.3mg、約76.4mg、約76.5mg、約76.6mg、約76.6 約76.7mg、約76.8mg、約76.9mg、約77.0mg、約77.1mg、約77.2mg、約77.3mg、約77.4mg、約77.5mg、約77.6mg、約77.7mg、約77.8mg、約77.9mg、約78.0mg、約78.1mg、約78.2mg、約78.3mg、約78.4mg、約78.5mg、約78.6mg、約78.7mg、約78.8mg、約78.9mg、約79.0mg、約79.1mg、約79.2mg、約79.3mg、約79.4mg、約79.5mg、約79.6mg、約79.7mg、約79.8mg、約79.9mg、約80.0mg、約80.1mg、約80.2mg、約80.3mg、約80.4mg、約80.5mg、約80.6mg、約80.7mg、約80.8mg、約80.9mg、約81.0mg、約81.1mg、約81.2mg、約81.3mg、約81.4mg、約81.5mg、約81.6mg、約81.7mg、約81.8mg、約81.9mg、約82.0mg、約82.1mg、約82.2mg、約82.3mg、約82.4mg、約82.5mg、約82.6mg、約82.7mg、約82.8mg、約82.9mg、約83.0mg、約83.1mg、約83.2mg、約83.3mg、約83.4mg、約83.5mg、約83.6mg、約83.7mg、約83.8mg、約83.9mg、約84.0mg、約84.1mg、約84.2mg、約84.3mg、約84.4mg、約84.5mg、約84.6mg、約84.7mg、約84.8mg、約84.9mg、及び約85.0mgのいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0084】
実施形態30.前記治療有効量が10mg~140mg、10mg~130mg、10mg~120mg、10mg~110mg、10mg~100mg、10mg~90mg、10mg~80mg、10mg~70mg、10mg~60mg、10mg~50mg、10mg~40mg、10mg~30mg、10mg~20mg、20mg~140mg、20mg~130mg、20mg~120mg、20mg~110mg、20mg~100mg、20mg~90mg、20mg~80mg、20mg~70mg、20mg~60mg、20mg~50mg、20mg~40mg、20mg~30mg、30mg~140mg、30mg~130mg、30mg~120mg、30mg~110mg、30mg~100mg、30mg~90mg、30mg~80mg、30mg~70mg、30mg~60mg、30mg~50mg、30mg~40mg、40mg~140mg、40mg~130mg、40mg~120mg、40mg~110mg、40mg~100mg、40mg~90mg、40mg~80mg、40mg~70mg、40mg~60mg、40mg~50mg、50mg~140mg、50mg~130mg、50mg~120mg、50mg~110mg、50mg~100mg、50mg~90mg、50mg~80mg、50mg~70mg、50mg~60mg、60mg~140mg、60mg~130mg、60mg~120mg、60mg~110mg、60mg~100mg、60mg~90mg、60mg~80mg、60mg~70mg、70mg~140mg、70mg~130mg、70mg~120mg、70mg~110mg、70mg~100mg、70mg~90mg、70mg~80mg、80mg~140mg、80mg~130mg、80mg~120mg、80mg~110mg、80mg~100mg、80mg~90mg、90mg~140mg、90mg~130mg、90mg~120mg、90mg~110mg、90mg~100mg、100mg~140mg、100mg~130mg、100mg~120mg、100mg~110mg、110mg~140mg、110mg~130mg、110mg~120mg、120mg~140mg、120mg~130mg、130mg~140mg、65mg~95mg、65mg~90mg、65mg~85mg、65mg~80mg、65mg~75mg、65mg~70mg、70mg~95mg、70mg~85mg、70mg~75mg、75mg~100mg、75mg~95mg、75mg~90mg、75mg~85mg、75mg~80mg、80mg~95mg、80mg~85mg、85mg~100mg、85mg~90mg、90mg~95mg、95mg~100mg、80mg~89mg、80mg~88mg、80mg~87mg、80mg~86mg、80mg~84mg、80mg~83mg、80mg~82mg、80mg~81mg、81mg~90mg、82mg~89mg、82mg~88mg、82mg~87mg、82mg~86mg、82mg~85mg、82mg~84mg、82mg~83mg、83mg~90mg、83mg~89mg、83mg~88mg、83mg~87mg、83mg~86mg、83mg~85mg、83mg~84mg、84mg~90mg、84mg~89mg、84mg~88mg、84mg~87mg、84mg~86mg、84mg~85mg、85mg~89mg、85mg~88mg、85mg~87mg、85mg~86mg、86mg~90mg、86mg~89mg、86mg~88mg、86mg~87mg、87mg~90mg、87mg~89mg、87mg~88mg、88mg~90mg、88mg~89mg、及び89mg~90mgのいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0085】
実施形態31.前記治療有効量が、300mg未満、295mg未満、290mg未満、285mg未満、280mg未満、275mg未満、270mg未満、265mg未満、260mg未満、255mg未満、250mg未満、245mg未満、240mg未満、235mg未満、230mg未満、225mg未満、220mg未満、215mg未満、210mg未満、205mg未満、200mg未満、195mg未満、190mg未満、185mg未満、180mg未満、175mg未満、170mg未満、165mg未満、160mg未満、150mg未満、145mg未満、140mg未満、135mg未満、130mg未満、125mg未満、120mg未満、115mg未満、110mg未満、105mg未満、100mg未満、95mg未満、90mg未満、85mg未満、80mg未満、75mg未満、70mg未満、65mg未満、60mg未満、55mg未満、50mg未満、45mg未満、40mg未満、35mg未満、30mg未満、25mg未満、及び20mg未満のいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0086】
実施形態32.前記治療有効量が、約300mg未満、約295mg未満、約290mg未満、約285mg未満、約280mg未満、約275mg未満、約270mg未満、約265mg未満、約260mg未満、約255mg未満、約250mg未満、約245mg未満、約240mg未満、約235mg未満、約230mg未満、約225mg未満、約220mg未満、約215mg未満、約210mg未満、約205mg未満、約200mg未満、約195mg未満、約190mg未満、約185mg未満、約180mg未満、約175mg未満、約170mg未満、約165mg未満、約160mg未満、約150mg未満、約145mg未満、約140mg未満、約135mg未満、約130mg未満、約125mg未満、約120mg未満、約115mg未満、約110mg未満、約105mg未満、約100mg未満、約95mg未満、約90mg未満、約85mg未満、約80mg未満、約75mg未満、約70mg未満、約65mg未満、約60mg未満、約55mg未満、約50mg未満、約45mg未満、約40mg未満、約35mg未満、約30mg未満、約25mg未満、及び約20mg未満のいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0087】
実施形態33.前記治療有効量が、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも約100mg、少なくとも105mg、少なくとも115mg、少なくとも120mg、少なくとも125mg、少なくとも130mg、少なくとも135mg、少なくとも140mg、少なくとも145mg、及び少なくとも150mgのいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0088】
実施形態34.前記治療有効量が、少なくとも約10mg、少なくとも約15mg、少なくとも約20mg、少なくとも約25mg、少なくとも約30mg、少なくとも約35mg、少なくとも約40mg、少なくとも約45mg、少なくとも約50mg、少なくとも約55mg、少なくとも約60mg、少なくとも約65mg、少なくとも約70mg、少なくとも約75mg、少なくとも約80mg、少なくとも約85mg、少なくとも約90mg、少なくとも約95mg、少なくとも約100mg、少なくとも約105mg、少なくとも約115mg、少なくとも約120mg、少なくとも約125mg、少なくとも約130mg、少なくとも約135mg、少なくとも約140mg、少なくとも約145mg、及び少なくとも約150mgのいずれかである、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0089】
実施形態35.前記オリゴマー化合物を、4週間ごとに1回投与することを含む、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
【0090】
実施形態36.前記オリゴマー化合物を、8週間ごとに1回投与することを含む、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
【0091】
実施形態37.前記オリゴマー化合物を、約4週間ごとに1回投与することを含む、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
【0092】
実施形態38.前記オリゴマー化合物を、約8週間ごとに1回投与することを含む、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
【0093】
実施形態39.前記オリゴマー化合物を、4週間ごとに1回、5週間ごとに1回、6週間ごとに1回、7週間ごとに1回、8週間ごとに1回、9週間ごとに1回、10週間ごとに1回、11週間ごとに1回、12週間ごとに1回、13週間ごとに1回、14週間ごとに1回、15週間ごとに1回、16週間ごとに1回、17週間ごとに1回、18週間ごとに1回、19週間ごとに1回、または20週間ごとに1回投与することを含む、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
【0094】
実施形態40.前記オリゴマー化合物を、約4週間ごとに1回、約5週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約7週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、約9週間ごとに1回、約10週間ごとに1回、約11週間ごとに1回、約12週間ごとに1回、約13週間ごとに1回、約14週間ごとに1回、約15週間ごとに1回、約16週間ごとに1回、約17週間ごとに1回、約18週間ごとに1回、約19週間ごとに1回、または約20週間ごとに1回投与することを含む、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
【0095】
実施形態41.前記オリゴマー化合物の少なくとも2つの負荷用量、及び前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を投与することを含む、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
【0096】
実施形態42.前記負荷用量が80mgまたは約80mgの量である、実施形態41に記載の方法。
【0097】
実施形態43.前記維持用量が、80mg未満の量である、実施形態41または42に記載の方法。
【0098】
実施形態44.前記維持用量が20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、または75mgである、実施形態43に記載の方法。
【0099】
実施形態45.前記維持用量が約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、または約75mgである、実施形態43に記載の方法。
【0100】
実施形態46.前記負荷容量を、4週間ごとに1回投与すること、及び少なくとも2回の維持用量を、5週間ごとに1回、6週間ごとに1回、7週間ごとに1回、8週間ごとに1回、9週間ごとに1回、10週間ごとに1回、11週間ごとに1回、12週間ごとに1回、13週間ごとに1回、14週間ごとに1回、15週間ごとに1回、16週間ごとに1回、17週間ごとに1回、18週間ごとに1回、19週間ごとに1回、または20週間ごとに1回投与することを含む、実施形態41~45のいずれか1項に記載の方法。
【0101】
実施形態47.前記負荷用量を、約4週間ごとに1回投与すること、及び少なくとも2回の維持用量を、約5週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約7週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、約9週間ごとに1回、約10週間ごとに1回、約11週間ごとに1回、約12週間ごとに1回、約13週間ごとに1回、約14週間ごとに1回、約15週間ごとに1回、約16週間ごとに1回、約17週間ごとに1回、約18週間ごとに1回、約19週間ごとに1回、または約20週間ごとに1回投与することを含む、実施形態41~45のいずれか1項に記載の方法。
【0102】
実施形態48.前記負荷容量を、2週間ごとに1回投与すること、及び少なくとも2回の維持用量を、5週間ごとに1回、6週間ごとに1回、7週間ごとに1回、8週間ごとに1回、9週間ごとに1回、10週間ごとに1回、11週間ごとに1回、12週間ごとに1回、13週間ごとに1回、14週間ごとに1回、15週間ごとに1回、16週間ごとに1回、17週間ごとに1回、18週間ごとに1回、19週間ごとに1回、または20週間ごとに1回投与することを含む、実施形態41~45のいずれか1項に記載の方法。
【0103】
実施形態49.前記負荷用量を、約2週間ごとに1回投与すること、及び少なくとも2回の維持用量を、約5週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約7週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、約9週間ごとに1回、約10週間ごとに1回、約11週間ごとに1回、約12週間ごとに1回、約13週間ごとに1回、約14週間ごとに1回、約15週間ごとに1回、約16週間ごとに1回、約17週間ごとに1回、約18週間ごとに1回、約19週間ごとに1回、または約20週間ごとに1回投与することを含む、実施形態41~45のいずれか1項に記載の方法。
【0104】
実施形態50.前記ヒト対象が、遺伝性血管浮腫またはそのリスクを有する、実施形態1~49のいずれか1項に記載の方法。
【0105】
実施形態51.前記遺伝性血管性浮腫が、I型HAEである、実施形態50に記載の方法。
【0106】
実施形態52.前記遺伝性血管性浮腫が、II型HAEである、実施形態50に記載の方法。
【0107】
実施形態53。前記ヒト対象がSERPING1遺伝子に遺伝子変異を有する、実施形態51または52に記載の方法。
【0108】
実施形態54.前記遺伝性血管性浮腫が、III型HAEである、実施形態50に記載の方法。
【0109】
実施形態55.前記ヒト対象が、F12、PLG、及びANGPT1から選択される遺伝子に遺伝子変異を有する、実施形態54に記載の方法。
【0110】
実施形態56.前記対象が、F12、PLG、及びANGPT1から選択される遺伝子に遺伝子変異を有さない、実施形態54に記載の方法。
【0111】
実施形態57.前記ヒト対象が、少なくとも1つの抗浮腫剤に対して不応性である、実施形態50~56のいずれか1項に記載の方法。
【0112】
実施形態58.前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、ヒスタミン阻害剤、C1エステラーゼ阻害剤、弱毒化アンドロゲン、抗線維素溶解剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンIIタイプ1受容体遮断薬、カリクレイン阻害剤、ブラジキニンB2受容体拮抗薬、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態57に記載の方法。
【0113】
実施形態59.前記ヒト対象が、ヒスタミン阻害剤、抗線維素溶解剤、弱毒化アンドロゲン、C1エステラーゼ阻害剤、及びブラジキニンB2受容体拮抗薬に対して不応性である、実施形態50~58のいずれか1項に記載の方法。
【0114】
実施形態60.前記抗線維素溶解剤が、トラネキサム酸である、実施形態58または59に記載の方法。
【0115】
実施形態61.前記弱毒化アンドロゲンがダナゾールである、実施形態58~60のいずれか1項に記載の方法。
【0116】
実施形態62.前記ブラジキニンB2受容体拮抗薬が、イカチバントである、実施形態58~61のいずれか1項に記載の方法。
【0117】
実施形態63.前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与前に前記対象が経験した血管浮腫発作の発生と比較して、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与後、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4または少なくとも6か月にわたって測定された場合、前記対象が経験する血管浮腫発作の発生の約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満の低減を提供する、実施形態57~62のいずれか1項に記載の方法。
【0118】
実施形態64.前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与後、約1時間、約2時間、約4時間、約8時間、約12時間、約24時間、または約48時間で、腫れを、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満、低減する、実施形態57~63のいずれか1項に記載の方法。
【0119】
実施形態65.前記ヒト対象が、投与前に少なくとも1、2、3、4、5、6、8、または12か月にわたって測定した場合、1か月に平均して少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、または少なくとも6回の血管浮腫発作を有する、実施形態50~64のいずれか1項に記載の方法。
【0120】
実施形態66.前記ヒト対象が、黄斑浮腫またはそのリスクを有する、実施形態1~49のいずれか1項に記載の方法。
【0121】
実施形態67.前記ヒト対象が、糖尿病、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、またはそれらの組み合わせを有する、実施形態66に記載の方法。
【0122】
実施形態68.遺伝性血管浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による約80mgのオリゴマー化合物:
【化13】

(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0123】
実施形態69. 前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態68に記載の方法。
【0124】
実施形態70.遺伝性血管浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による約80mgのオリゴマー化合物:
【化14】

(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0125】
実施形態71.遺伝性血管浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、約80mgのオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化15】

で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【0126】
実施形態72.80mgの前記オリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含む、実施形態68~71のいずれか1項に記載の方法。
【0127】
実施形態73.実施形態68~71のいずれか1項に記載の方法であって、約4週間ごとに1回、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の用量を前記ヒト対象に投与すること、続いて、約4週間ごとに1回、約100mgの前記オリゴマー化合物を少なくとも2回の用量を投与することを含む、前記方法。
【0128】
実施形態74.実施形態68~71のいずれか1項に記載の方法であって、4週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の用量を前記ヒト対象に投与すること、続いて、4週間ごとに1回、100mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の用量を投与することを含む、前記方法。
【0129】
実施形態75.前記ヒト対象が、80mgまたは約80mgの前記オリゴマー化合物を4週間ごとに1回または約4週間ごとに1回投与する間に、少なくとも1回の血管浮腫発作を起こす、実施形態73または74に記載の方法。
【0130】
実施形態76.実施形態68~71のいずれか1項に記載の方法であって、前記ヒト対象に対して、約4週間ごとに、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の負荷用量を、及び約8週間ごとに、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を、投与することを含む、前記方法。
【0131】
実施形態77.実施形態68~71のいずれか1項に記載の方法であって、前記ヒト対象に対して、4週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の負荷用量を、及び8週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を、投与することを含む、前記方法。
【0132】
実施形態78.前記対象が、80mgまたは約80mgの前記オリゴマー化合物を4週間ごとに1回または約4週間ごとに1回投与する間に、血管浮腫発作が起きない、実施形態75~77のいずれか1項に記載の方法。
【0133】
実施形態79.前記遺伝性血管性浮腫が、I型HAE、II型HAE、またはIII型HAEである、実施形態68~78のいずれか1項に記載の方法。
【0134】
実施形態80.前記遺伝性血管浮腫が、III型HAEであり、前記ヒト対象がF12、PLG、及びANGPT1から選択される遺伝子に遺伝子変異を有する、実施形態79に記載の方法。
【0135】
実施形態81.前記遺伝性血管浮腫が、III型HAEであり、前記ヒト対象が F12、PLG、及びANGPT1から選択される遺伝子に遺伝子変異を有さない、実施形態79に記載の方法。
【0136】
実施形態82.前記ヒト対象が少なくとも1つの抗浮腫剤に対して不応性である、実施形態68~81のいずれか1項に記載の方法。
【0137】
実施形態83.前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、ヒスタミン阻害剤、C1エステラーゼ阻害剤、弱毒化アンドロゲン、抗線維素溶解剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンIIタイプ1受容体遮断薬、カリクレイン阻害剤、ブラジキニンB2受容体拮抗薬、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態82に記載の方法。
【0138】
実施形態84.前記ヒト対象が、ヒスタミン阻害剤、抗線維素溶解剤、弱毒化アンドロゲン、C1エステラーゼ阻害剤、及びブラジキニンB2受容体拮抗薬に対して不応性である、実施形態68~83のいずれか1項に記載の方法。
【0139】
実施形態85.前記抗線維素溶解剤が、トラネキサム酸である、実施形態83または84に記載の方法。
【0140】
実施形態86.前記弱毒化アンドロゲンがダナゾールである、実施形態83~85のいずれか1項に記載の方法。
【0141】
実施形態87.前記ブラジキニンB2受容体拮抗薬が、イカチバントである、実施形態83~86のいずれか1項に記載の方法。
【0142】
実施形態88.前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与前に前記対象が経験した血管浮腫発作の発生と比較して、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与後、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4または少なくとも6か月にわたって測定された場合、前記対象が経験する血管浮腫発作の発生の約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満の低減を提供する、実施形態82~87のいずれか1項に記載の方法。
【0143】
実施形態89.前記少なくとも1つの抗浮腫剤が、前記少なくとも1つの抗浮腫剤の最初の投与後、約1時間、約2時間、約4時間、約8時間、約12時間、約24時間、または約48時間で、腫れを、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満、低減する、実施形態82~87のいずれか1項に記載の方法。
【0144】
実施形態90.前記ヒト対象が、投与前に少なくとも1、2、3、4、5、6、8、または12か月にわたって測定した場合、1か月に平均して少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、または少なくとも6回の血管浮腫発作を有する、実施形態82~87のいずれか1項に記載の方法。
【0145】
実施形態91.黄斑浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による約80mgのオリゴマー化合物:
【化16】

(配列番号4)、またはその塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0146】
実施形態92.前記塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態91に記載の方法。
【0147】
実施形態93.黄斑浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、以下の化学構造による約80mgのオリゴマー化合物:
【化17】

(配列番号4)を前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【0148】
実施形態94.黄斑浮腫の改善を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、約80mgのオリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含み、前記オリゴマー化合物が以下の化学表記(5’→3’):(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)を有し、(THA-GalNAc3)oが以下の構造:
【化18】

で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記方法。
【0149】
実施形態95.80mgの前記オリゴマー化合物を前記ヒト対象に投与することを含む、実施形態91~94のいずれか1項に記載の方法。
【0150】
実施形態96.実施形態91~95のいずれか1項に記載の方法であって、前記ヒト対象に対して、約2週間ごとに1回、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の負荷用量を、及び約4週間ごとに1回、約80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を、投与することを含む、前記方法。
【0151】
実施形態97.実施形態91~95のいずれか1項に記載の方法であって、前記ヒト対象に対して、2週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の負荷用量を、及び4週間ごとに1回、80mgの前記オリゴマー化合物の少なくとも2回の維持用量を、投与することを含む、前記方法。
【0152】
実施形態98.前記ヒト対象が糖尿病性黄斑浮腫を有する、実施形態91~97のいずれか1項に記載の方法。
【0153】
実施形態99.前記ヒト対象が、炎症状態、血栓塞栓状態、浮腫、またはそれらのリスクを有する、実施形態1~98のいずれか1項に記載の方法。
【0154】
実施形態100.前記オリゴマー化合物が皮下注入によって投与される、実施形態1~99のいずれかに記載の方法。
【0155】
実施形態101.前記オリゴマー化合物が自己投与される、実施形態1~100のいずれか1項に記載の方法。
【0156】
実施形態102.PKK RNAが前記対象において低減される、実施形態1~101のいずれか1項に記載の方法。
【0157】
実施形態103.PKKタンパク質が前記対象において低減される、実施形態1~102のいずれか1項に記載の方法。
【0158】
実施形態104.PKK活性が前記対象において低減される、実施形態1~103のいずれか1項に記載の方法。
【0159】
I.PKK
特定の実施形態では、本明細書に記載されるのは、対象の細胞または生体液中のPKK RNA及び/またはPKKタンパク質を低減する方法である。PKK RNAは、ヒト第4染色体上に位置するヒトKLKB1遺伝子によってコードされる。PKKタンパク質は、PKK RNAのタンパク質発現産物である。PKKタンパク質は、他の細胞型と比較して肝臓で高度に発現されている。ヒトKLKB1遺伝子の代表的な核酸塩基配列は、GENBANKアクセッション番号NT_016354.19(ヌクレオチド111693001から111730000まで短縮された)(配列番号1として本明細書に組み込まれる)で示される。ヒトPKK mRNAの代表的な核酸塩基配列は、本明細書に配列番号2として組み込まれるGENBANKアクセッション番号NM_000892.3で提供される。ヒトPKKタンパク質の代表的なタンパク質配列は、本明細書には配列番号3として組み込まれるGENBANKアクセッション番号NP_000883.2で示される。
【0160】
II.ISIS 721744
特定の実施形態では、本明細書に記載されるのは、オリゴマー化合物、ISIS 721744を、それを必要とする対象に投与する方法である。特定の実施形態では、ISIS 721744は、TGCAAGTCTCTTGGCAAACA(配列番号4として本明細書に組み込まれる)の配列(5’→3’)を有する5-10-5MOEギャップマーであって、ヌクレオシド1~5及び16~20(5’→3’)のそれぞれが2’-MOE修飾を含み、ヌクレオシド6~15のそれぞれが2’-デオキシリボヌクレオシドであり、ヌクレオシド3~4、4~5、16~17、及び17~18の間のヌクレオシド間結合が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり、ヌクレオシド1~2、2~3、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16、18~19、及び19~20の間のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが、5’-メチルシトシンであるものとして特徴付けられる。
【0161】
特定の実施形態では、ISIS 721744は、次の化学表記(5’→3’)で表される:(THA-GalNAc3)o Tes Ges mCeo Aeo Aes Gds Tds mCds Tds mCds Tds Tds Gds Gds mCds Aeo Aeo Aes mCes Ae(配列番号4)で表され、(THA-GalNAc3)oは次の構造:
【化19】

で表され、
Aが、アデニン核酸塩基であり、
mCが、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gが、グアニン核酸塩基であり、
Tが、チミン核酸塩基であり、
eが、2’-MOE糖部分であり、
dが、2’- 2’-β-D-デオキシリボシル糖部分であり、
sが、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、かつ
oが、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0162】
特定の実施形態では、ISIS 721744は、以下の化学構造によって表される:
【化20】

(配列番号4)。
構造1。ISIS 721744
【0163】
特定の実施形態では、ISIS 721744のナトリウム塩は、以下の化学構造によって表される:
【化21】

(配列番号4)。
構造2。ISIS 721744のナトリウム塩
【0164】
III.特定の医薬組成物
特定の実施形態では、オリゴマー化合物ISIS 721744を含む医薬組成物を対象に投与する方法を本明細書で記載する。特定の実施形態では、医薬組成物には薬学的に許容される希釈剤または担体が含まれる。特定の実施形態では、医薬組成物は、滅菌食塩水溶液及び ISIS 721744を含むか、または本質的にそれらからなる。特定の実施形態では、滅菌食塩水は、医薬品グレードの生理食塩水である。特定の実施形態では、医薬組成物は、生理食塩水及びISIS 721744を含むか、または本質的にそれらからなる。特定の実施形態では、滅菌水は、医薬品グレードの水である。特定の実施形態では、医薬組成物は、リン酸緩衝生理食塩水及びISIS 721744を含むか、または本質的にそれらからなる。
【0165】
特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の賦形剤及びISIS 721744を含む。特定のそのような実施形態では、賦形剤は、水、食塩水、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、滑石、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンから選択される。
【0166】
特定の実施形態では、オリゴマー化合物ISIS 721744を含む医薬組成物は、オリゴマー化合物ISIS 721744の任意の薬学的に許容される塩、ISIS 721744のエステル、またはかかるエステルの塩を包含する。特定の実施形態では、ISIS 721744を含む医薬組成物は、ヒト対象に投与される際、生物学的に活性な代謝物またはその残渣を(直接的または間接的に)与えることができる。したがって、例えば、本開示はまた、オリゴマー化合物ISIS 721744の薬学的に許容される塩、ISIS 721744のプロドラッグ、かかるプロドラッグの薬学的に許容される塩、及び他の生物学的等価物を対象とする。薬学的に許容される好適な塩としては、限定するものではないが、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。
【0167】
特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の脂質部分及びオリゴマー化合物ISIS 721744を含む。特定の実施形態では、脂質部分を用いて、特定の細胞または組織へのISIS 721744の分布を増加させる。特定のそのような方法では、ISIS 721744は、カチオン性脂質と中性脂質との混合物から作られた事前形成されたリポソームまたはリポプレックスに導入される。特定の方法において、モノまたはポリカチオン性脂質とのDNA複合体は、中性脂質の非存在下で形成される。
【0168】
特定の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は送達系を含む。送達系の例としては、限定されるものではないが、リポソーム及びエマルジョンが挙げられる。特定の送達系は、疎水性化合物を含むものを含む医薬組成物の調製に有用である。特定の実施形態では、ジメチルスルホキシド等の特定の有機溶媒が用いられる。
【0169】
特定の実施形態では、医薬組成物は、特定の組織または細胞型に、オリゴマー化合物ISIS 721744を送達するように設計された1つ以上の組織特異的送達分子を含む。例えば、特定の実施形態では、医薬組成物は、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームを含む。
【0170】
特定の実施形態では、医薬組成物は、共溶媒系を含む。特定のそのような共溶媒系は、例えば、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、及び水相を含む。特定の実施形態では、そのような共溶媒系は、疎水性化合物に用いられる。そのような共溶媒系の非限定的な例にはVPD共溶媒系があり、これは、3w/v%のベンジルアルコール、8w/v%の非極性界面活性剤ポリソルベート80(商標)、及び65w/v%のポリエチレングリコール300を含む無水エタノールの溶液である。そのような共溶媒系の割合は、それらの溶解度及び毒性特性を著しく変化させることなく大幅に変えることができる。さらに、共溶媒成分の同一性は変化し得、例えば、他の界面活性剤をポリソルベート80(商標)の代わりに使用してもよく、ポリエチレングリコールの画分サイズは変化してもよく、他の生体適合性ポリマーが、ポリエチレングリコール、例えば、ポリビニルピロリドンに取って代わってもよく、他の糖または多糖で、デキストロースを置き換えてもよい。
【0171】
特定の実施形態では、医薬組成物は、経口投与用に調製される。特定の実施形態では、医薬組成物は、口腔投与用に調製される。特定の実施形態では、医薬組成物は、注射投与(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内(IT)、脳室内(ICV))用に調製される。特定のそのような実施形態では、医薬組成物は、担体を含み、水溶液、例えば、水または生理学的に相溶性の緩衝液、例えば、ハンクス溶液、リンガー溶液、または生理学的生理食塩水緩衝液の中で製剤化される。特定の実施形態では、他の成分(例えば、溶解に役立つか、または防腐剤の役目を果たす成分)が含まれる。特定の実施形態では、注射可能な懸濁液は、適当な液体担体、懸濁化剤等を用いて調製される。注射用の特定の医薬組成物は、単位剤形で、例えば、アンプル単位で提供されるか、または多用量容器内に提供される。注射用の特定の医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンであり、懸濁化剤、安定化剤、及び/または分散剤等の製剤化剤を含有し得る。注射用の医薬組成物における使用に適した特定の溶媒としては、限定されるものではないが、親油性溶媒及び脂肪油、例えば、ゴマ油、合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド、及びリポソームが挙げられる。
【0172】
特定の条件下では、オリゴマー化合物ISIS 721744は酸として機能する。ISIS 721744は、プロトン化(遊離酸)形態で、またはイオン化されカチオンと会合した(塩)形態で図示または記載され得るが、ISIS 721744の水溶液は、かかる形態の間で平衡状態で存在する。例えば、水溶液中のISIS 721744のリン酸塩結合は、遊離酸形態、アニオン形態及び塩形態の間で平衡状態にある。特に明記されていない限り、「ISIS 721744」という用語は、そのような全ての形式を含むことを意図している。その上、ISIS 721744は、いくつかのかかる結合を有し、それらの各々が平衡状態である。故に、溶液中のISIS 721744は、複数の位置において全て平衡状態で、ある形態のアンサンブルとして存在する。「ISIS 721744」という用語は、そのような形態の全てを含むことを意図している。図示される構造は、必然的に単一の形態が描かれる。それでも、別途指示されない限り、かかる図面は同様に、対応する形態を含むことを意図する。本明細書において、ISIS 721744の遊離酸を描く構造に「またはその塩」という用語が続く場合、完全または部分的にプロトン化/脱プロトン化/カチオンと会合している場合がある、全てのかかる形態を明示的に含む。ある特定の事例では、1つ以上の特定のカチオンが特定される。
【0173】
特定の実施形態では、ISIS 721744は、ナトリウムを含む水溶液中にある。特定の実施形態では、ISIS 721744は、カリウムの水溶液中にある。特定の実施形態では、ISIS 721744は、PBS中にある。特定の実施形態では、ISIS 721744は、水中にある。特定のそのような実施形態では、溶液のpHは、所望のpHが得られるよう、NaOH及び/またはHClで調整される。
【0174】
本明細書において、特定の具体的用量について記載する。明確にするために、ミリグラム単位のISIS 721744の用量は、ISIS 721744の遊離酸型の質量を示している。上記のように、水溶液中では、遊離酸はアニオン型及び塩型と平衡状態にある。しかし、用量を計算する目的では、ISIS 721744は、無溶媒、酢酸ナトリウムフリーの、無水の遊離酸として存在していると仮定する。例えば、ISIS 721744がナトリウムを含む溶液(例えば、生理食塩水)にある場合、ISIS 721744は、部分的または完全に脱プロトン化され、Na+イオンと結合している場合がある。しかし、陽子の質量は、それにもかかわらず用量の重量にカウントされ、Na+イオンの質量は用量の重量にカウントされない。したがって、例えば、ISIS 721744の80mgの用量は、80mgの重量の完全にプロトン化された分子の数に等しい。これは、84mgの無溶媒、酢酸ナトリウムフリーの、無水ナトリウム化ISIS 721744に相当する。同様に、100mgのISIS 721744の用量は、105mgの無溶媒、酢酸ナトリウムフリーの、無水ナトリウム化ISIS 721744に相当する。
【0175】
IV.特定の投与量
特定の実施形態では、本明細書に記載されるのは、治療有効量のオリゴマー化合物ISIS 721744を対象に投与する方法である。特定の実施形態では、治療有効量は、約20mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、約40mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、約60mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、約80mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、約100mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、20mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、40mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、60mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、80mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、100mgである。
【0176】
特定の実施形態では、治療有効量は、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、及び300mgのいずれかである。
【0177】
特定の実施形態では、治療有効量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、及び約300mgのいずれかである。
【0178】
特定の実施形態では、治療有効量は、75.0mg、75.1mg、75.2mg、75.3mg、75.4mg、75.5mg、75.6mg、75.7mg、75.8mg、75.9mg、76.0mg、76.1mg、76.2mg、76.3mg、76.4mg、76.5mg、76.6mg、76.7mg、76.8mg、76.9mg、77.0mg、77.1mg、77.2mg、77.3mg、77.4mg、77.5mg、77.6mg、77.7mg、77.8mg、77.9mg、78.0mg、78.1mg、78.2mg、78.3mg、78.4mg、78.5mg、78.6mg、78.7mg、78.8mg、78.9mg、79.0mg、79.1mg、79.2mg、79.3mg、79.4mg、79.5mg、79.6mg、79.7mg、79.8mg、79.9mg、80.0mg、80.1mg、80.2mg、80.3mg、80.4mg、80.5mg、80.6mg、80.7mg、80.8mg、80.9mg、81.0mg、81.1mg、81.2mg、81.3mg、81.4mg、81.5mg、81.6mg、81.7mg、81.8mg、81.9mg、82.0mg、82.1mg、82.2mg、82.3mg、82.4mg、82.5mg、82.6mg、82.7mg、82.8mg、82.9mg、83.0mg、83.1mg、83.2mg、83.3mg、83.4mg、83.5mg、83.6mg、83.7mg、83.8mg、83.9mg、84.0mg、84.1mg、84.2mg、84.3mg、84.4mg、84.5mg、84.6mg、84.7mg、84.8mg、84.9mg、及び85.0mgのいずれかである。
【0179】
特定の実施形態では、治療有効量は、約75.0mg、約75.1mg、約75.2mg、約75.3mg、約75.4mg、約75.5mg、約75.6mg、約75.7mg、約75.8mg、約75.9mg、約76.0mg、約76.1mg、約76.2mg、約76.3mg、約76.4mg、約76.5mg、約76.6mg、約76.6 約76.7mg、約76.8mg、約76.9mg、約77.0mg、約77.1mg、約77.2mg、約77.3mg、約77.4mg、約77.5mg、約77.6mg、約77.7mg、約77.8mg、約77.9mg、約78.0mg、約78.1mg、約78.2mg、約78.3mg、約78.4mg、約78.5mg、約78.6mg、約78.7mg、約78.8mg、約78.9mg、約79.0mg、約79.1mg、約79.2mg、約79.3mg、約79.4mg、約79.5mg、約79.6mg、約79.7mg、約79.8mg、約79.9mg、約80.0mg、約80.1mg、約80.2mg、約80.3mg、約80.4mg、約80.5mg、約80.6mg、約80.7mg、約80.8mg、約80.9mg、約81.0mg、約81.1mg、約81.2mg、約81.3mg、約81.4mg、約81.5mg、約81.6mg、約81.7mg、約81.8mg、約81.9mg、約82.0mg、約82.1mg、約82.2mg、約82.3mg、約82.4mg、約82.5mg、約82.6mg、約82.7mg、約82.8mg、約82.9mg、約83.0mg、約83.1mg、約83.2mg、約83.3mg、約83.4mg、約83.5mg、約83.6mg、約83.7mg、約83.8mg、約83.9mg、約84.0mg、約84.1mg、約84.2mg、約84.3mg、約84.4mg、約84.5mg、約84.6mg、約84.7mg、約84.8mg、約84.9mg、及び約85.0mgのいずれかである。
【0180】
特定の実施形態では、治療有効量は、10mg~140mg、10mg~130mg、10mg~120mg、10mg~110mg、10mg~100mg、10mg~90mg、10mg~80mg、10mg~70mg、10mg~60mg、10mg~50mg、10mg~40mg、10mg~30mg、10mg~20mg、20mg~140mg、20mg~130mg、20mg~120mg、20mg~110mg、20mg~100mg、20mg~90mg、20mg~80mg、20mg~70mg、20mg~60mg、20mg~50mg、20mg~40mg、20mg~30mg、30mg~140mg、30mg~130mg、30mg~120mg、30mg~110mg、30mg~100mg、30mg~90mg、30mg~80mg、30mg~70mg、30mg~60mg、30mg~50mg、30mg~40mg、40mg~140mg、40mg~130mg、40mg~120mg、40mg~110mg、40mg~100mg、40mg~90mg、40mg~80mg、40mg~70mg、40mg~60mg、40mg~50mg、50mg~140mg、50mg~130mg、50mg~120mg、50mg~110mg、50mg~100mg、50mg~90mg、50mg~80mg、50mg~70mg、50mg~60mg、60mg~140mg、60mg~130mg、60mg~120mg、60mg~110mg、60mg~100mg、60mg~90mg、60mg~80mg、60mg~70mg、70mg~140mg、70mg~130mg、70mg~120mg、70mg~110mg、70mg~100mg、70mg~90mg、70mg~80mg、80mg~140mg、80mg~130mg、80mg~120mg、80mg~110mg、80mg~100mg、80mg~90mg、90mg~140mg、90mg~130mg、90mg~120mg、90mg~110mg、90mg~100mg、100mg~140mg、100mg~130mg、100mg~120mg、100mg~110mg、110mg~140mg、110mg~130mg、110mg~120mg、120mg~140mg、120mg~130mg、130mg~140mg、65mg~95mg、65mg~90mg、65mg~85mg、65mg~80mg、65mg~75mg、65mg~70mg、70mg~95mg、70mg~85mg、70mg~75mg、75mg~100mg、75mg~95mg、75mg~90mg、75mg~85mg、75mg~80mg、80mg~95mg、80mg~85mg、85mg~100mg、85mg~90mg、90mg~95mg、95mg~100mg、80mg~89mg、80mg~88mg、80mg~87mg、80mg~86mg、80mg~84mg、80mg~83mg、80mg~82mg、80mg~81mg、81mg~90mg、82mg~89mg、82mg~88mg、82mg~87mg、82mg~86mg、82mg~85mg、82mg~84mg、82mg~83mg、83mg~90mg、83mg~89mg、83mg~88mg、83mg~87mg、83mg~86mg、83mg~85mg、83mg~84mg、84mg~90mg、84mg~89mg、84mg~88mg、84mg~87mg、84mg~86mg、84mg~85mg、85mg~89mg、85mg~88mg、85mg~87mg、85mg~86mg、86mg~90mg、86mg~89mg、86mg~88mg、86mg~87mg、87mg~90mg、87mg~89mg、87mg~88mg、88mg~90mg、88mg~89mg、及び89mg~90mgのいずれかである。
【0181】
特定の実施形態では、治療有効量は、300mg未満、295mg未満、290mg未満、285mg未満、280mg未満、275mg未満、270mg未満、265mg未満、260mg未満、255mg未満、250mg未満、245mg未満、240mg未満、235mg未満、230mg未満、225mg未満、220mg未満、215mg未満、210mg未満、205mg未満、200mg未満、195mg未満、190mg未満、185mg未満、180mg未満、175mg未満、170mg未満、165mg未満、160mg未満、150mg未満、145mg未満、140mg未満、135mg未満、130mg未満、125mg未満、120mg未満、115mg未満、110mg未満、105mg未満、100mg未満、95mg未満、90mg未満、85mg未満、80mg未満、75mg未満、70mg未満、65mg未満、60mg未満、55mg未満、50mg未満、45mg未満、40mg未満、35mg未満、30mg未満、25mg未満、及び20mg未満のいずれかである。
【0182】
特定の実施形態では、治療有効量は、約300mg未満、約295mg未満、約290mg未満、約285mg未満、約280mg未満、約275mg未満、約270mg未満、約265mg未満、約260mg未満、約255mg未満、約250mg未満、約245mg未満、約240mg未満、約235mg未満、約230mg未満、約225mg未満、約220mg未満、約215mg未満、約210mg未満、約205mg未満、約200mg未満、約195mg未満、約190mg未満、約185mg未満、約180mg未満、約175mg未満、約170mg未満、約165mg未満、約160mg未満、約150mg未満、約145mg未満、約140mg未満、約135mg未満、約130mg未満、約125mg未満、約120mg未満、約115mg未満、約110mg未満、約105mg未満、約100mg未満、約95mg未満、約90mg未満、約85mg未満、約80mg未満、約75mg未満、約70mg未満、約65mg未満、約60mg未満、約55mg未満、約50mg未満、約45mg未満、約40mg未満、約35mg未満、約30mg未満、約25mg未満、及び約20mg未満のいずれかである。
【0183】
特定の実施形態では、治療有効量は、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも約100mg、少なくとも105mg、少なくとも115mg、少なくとも120mg、少なくとも125mg、少なくとも130mg、少なくとも135mg、少なくとも140mg、少なくとも145mg、及び少なくとも150mgのいずれかである。特定の実施形態では、治療有効量は、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、または約400mgを超えない。
【0184】
特定の実施形態では、治療有効量は、少なくとも約10mg、少なくとも約15mg、少なくとも約20mg、少なくとも約25mg、少なくとも約30mg、少なくとも約35mg、少なくとも約40mg、少なくとも約45mg、少なくとも約50mg、少なくとも約55mg、少なくとも約60mg、少なくとも約65mg、少なくとも約70mg、少なくとも約75mg、少なくとも約80mg、少なくとも約85mg、少なくとも約90mg、少なくとも約95mg、少なくとも約100mg、少なくとも約105mg、少なくとも約115mg、少なくとも約120mg、少なくとも約125mg、少なくとも約130mg、少なくとも約135mg、少なくとも約140mg、少なくとも約145mg、及び少なくとも約150mgのいずれかである。特定の実施形態では、治療有効量は、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、または約400mgを超えない。
【0185】
V.特定の投薬レジメン
特定の実施形態では、本明細書に記載されるのは、治療有効量のオリゴマー化合物ISIS 721744を1回以上対象に投与する方法である。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、約2週間ごとに1回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、約3週間ごとに1回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、約4週間ごとに1回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、約8週間ごとに1回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、2週間ごとに1回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、3週間ごとに1回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、4週間ごとに1回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、8週間ごとに1回投与することを含む。
【0186】
特定の実施形態では、方法は、治療有効量を、約1日ごと、約2日ごと、約3日ごと、約4日ごと、約5日ごと、約6日ごと、約7日ごと、約8日ごと、約9日ごと、約10日ごとに投与することを含む。
【0187】
特定の実施形態では、方法は、約1週間ごと、約2週間ごと、約3週間ごと、約4週間ごと、約5週間ごと、約6週間ごと、約7週間ごと、約8週間ごと、約9週間ごと、約10週間ごと、約11週間ごと、約12週間ごと、約13週間ごと、約14週間ごと、約15週間ごと、約16週間ごと、約17週間ごと、約18週間ごと、約19週間ごと、または約20週間ごとに治療有効量を投与することを含む。
【0188】
特定の実施形態では、方法は、治療有効量を少なくとも約1か月、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも約4か月、少なくとも約5か月、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月、または少なくとも約12か月の間投与することを含む。
【0189】
負荷用量及び維持用量
特定の実施形態では、治療有効量は、負荷用量及び/または維持用量として投与される。特定の実施形態では、方法は、負荷用量(複数可)を投与すること、及びそれに続いて維持用量(複数可)を投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、約3週間ごとに1回、負荷用量を投与すること、その後、約4週間ごとに1回、維持用量を投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、約4週間ごとに1回、負荷用量を投与すること、その後、約8週間ごとに1回、維持用量を投与することを含む。
【0190】
特定の実施形態では、方法は、少なくとも2つの負荷用量、少なくとも3つの負荷用量、少なくとも4つの負荷用量、少なくとも5つの負荷用量、または少なくとも6つの負荷用量を投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16回の負荷用量を投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、約1週間ごとに1回、約2週間ごとに1回、約3週間ごとに1回、約4週間ごとに1回、約5週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、7週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、約9週間ごとに1回、約10週間ごとに1回、約11週間ごとに1回、または約12週間ごとに1回、負荷用量(複数可)を投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、初期負荷用量を投与すること、及び最初の負荷用量を投与してから約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、または約12週間後に第2の負荷用量を投与することを含む。
【0191】
特定の実施形態では、方法は、少なくとも2回の維持用量、少なくとも3回の維持用量、少なくとも4回の維持用量、少なくとも5回の維持用量、または少なくとも6回の維持用量を投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16回の維持用量を投与することを含む。いくつかの場合には、方法は、維持用量(複数可)を、約4週間ごとに1回、約5週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約7週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、約9週間ごとに1回、約10週間ごとに1回、約11週間ごとに1回、約12週間ごとに1回、約13週間ごとに1回、約14週間ごとに1回、約15週間ごとに1回、約16週間ごとに1回、約17週間ごとに1回、約18週間ごとに1回、約19週間ごとに1回、または約20週間ごとに1回投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、第1の維持用量を投与すること、及び第2の維持用量を、最初の維持用量を投与してから約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、または約20週間後に投与することを含む。
【0192】
特定の実施形態では、方法は、第1の維持用量(複数可)を、最後の負荷用量を投与してから約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、または約20週間後に投与することを含む。
【0193】
VI.効力及び有効性
特定の実施形態では、本明細書に記載されるのは、ヒト対象の細胞または生体液中のPKK RNA、PKKタンパク質、及び/またはPKK活性を低減する方法であり、この方法は、治療有効量のISIS 721744を対象に投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、ヒト対象の血液中のPKK RNA、PKKタンパク質、及び/またはPKK活性を低減する。特定の実施形態では、方法は、ヒト対象の肝臓中のPKK RNA、PKKタンパク質、及び/またはPKK活性を低減する。例えば、投与前に得られた第1の生物学的試料中の第1の量のPKK RNA、PKKタンパク質、及び/またはPKKの活性を検出/定量すること、ならびに投与後に得られた第2の生物学的試料中の第2の量のPKK RNA、PKKタンパク質、及び/またはPKKの活性を検出/定量化すること、ならびにこの第1の量と第2の量とを比較することによりPKK RNA、PKKタンパク質、及び/またはPKKの活性の低減を検出または定量化することによって、方法が、PKK RNA、PKKタンパク質、及び/またはPKKの活性を低減するか否かを決定し得る。
【0194】
特定の実施形態では、方法は、PKK RNA、PKKタンパク質、PKK活性、またはそれらの組み合わせを1~100%、またはこれらの値のいずれか2つによって定義される範囲低減することを含む。特定の実施形態では、方法は、PKK RNA及び/またはPKKタンパク質を1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%低減することを含む。
【0195】
特定の実施形態では、方法は、細胞または対象において、PKK RNA、PKKタンパク質、PKK活性、またはそれらの組み合わせを、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約5%低減することを含む。20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%低減することを含む。
【0196】
特定の実施形態では、方法は、細胞または対象において、PKK RNA、PKKタンパク質、PKK活性、またはそれらの組み合わせを、約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、約45%~約50%、約50%~約55%、約55%~約60%、約60%~約65%、約65%~約70%、約70%~約75%、約75%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~100%低減することを含む
特定の実施形態では、方法は、対象にISIS 721744を投与すること、及び対象の細胞または生体液中でPKK RNA、PKKタンパク質、PKK活性、またはそれらの組み合わせを検出または定量化することを含む。特定の実施形態では、方法は、投与前に得られた第1の生物学的試料において、PKK RNA、PKKタンパク質、PKK活性、またはそれらの組み合わせを検出/定量化すること;投与後に得られた第2の生物学的試料中のPKK RNA、PKKタンパク質、PKK活性、またはそれらの組み合わせを検出/定量化すること;ならびに第1の量を第2の量と比較することによって、PKK RNA、PKKタンパク質、PKK活性、またはそれらの組み合わせの低減を検出または定量化すること、を含む。特定の実施形態では、第2の生物学的試料は、投与後約24時間以内に得られる。特定の実施形態では、第2の生物学的試料は、投与後約1週間以内に得られる。特定の実施形態では、第2の生物学的試料は、投与から約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、または約18週間後に、得られる。特定の実施形態では、方法は、第1の量を第2の量と比較した後に用量を増加または低減することを含む。特定の実施形態では、方法は、第1の量を第2の量と比較した後に、より頻繁にまたはより少ない頻度で投与することを含む。
【0197】
ISIS 721744の有効性の評価
A.遺伝性血管浮腫
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、ヒト対象において遺伝性血管浮腫の少なくとも1つの症状を改善または予防するのに十分に効果的である。特定の実施形態では、遺伝性血管浮腫の少なくとも1つの症状は、腫れ、悪心、嘔吐、かゆみ、頭痛、疲労、腹痛、息切れ、鼻炎、アナフィラキシー、及び気管支収縮、ならびにそれらの組み合わせから選択される。
【0198】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、HAEを有する対象において血管浮腫発作の発生を低減するのに十分に効果的である。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、血管浮腫発作の発生を、少なくとも約1か月、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも約4か月、約5か月、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月、少なくとも約12か月にわたって測定した場合、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%低減する。特定の実施形態では、血管浮腫発作は、ブレークスルー発作を含む。
【0199】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、HAEを有する対象において血管浮腫発作の重症度を低減するのに十分に効果的である。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、血管浮腫発作を有する対象の身体部分の腫れを10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは99%、またはこれらの値のいずれか2つで定義される範囲低減するのに十分に効果的である。腫れの低減は、例えば、オリゴマー化合物ISIS 721744を投与する前後に、体の一部(例えば、腹部、腕、手首、足首、首)の周りを巻尺で測定し得る。特定の実施形態では、血管浮腫発作は、ブレークスルー発作である。
【0200】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、抗浮腫剤に不応性であるHAEを有する対象において血管浮腫発作の重症度または発生を軽減するのに十分に効果的である。特定の実施形態では、抗浮腫剤に不応性である対象は、少なくとも1つの抗浮腫剤による治療前と比較して、少なくとも1つの抗浮腫剤での治療後、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月または少なくとも6か月にわたって測定された場合、血管浮腫発作の頻度において、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満の低減を経験する。特定の実施形態では、少なくとも1つの抗浮腫剤に不応性である対象は、少なくとも1つの抗浮腫剤による治療前と比較して、少なくとも1つの抗浮腫剤による治療の後、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月または少なくとも6か月にわたって測定した場合、血管浮腫発作の頻度の低減を経験しない。特定の実施形態では、抗浮腫剤に不応性である対象は、少なくとも1つの抗浮腫剤による治療前と比較して、少なくとも1つの抗浮腫剤による治療後、約1時間、約2時間、約4時間、約8時間、約12時間、約24時間、または約48時間測定した場合、腫れの約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満の低減を経験する。特定の実施形態では、抗浮腫剤に不応性である対象は、少なくとも1つの抗浮腫剤による治療の約1時間、約2時間、約4時間、約8時間、約12時間、約24時間、または約48時間後に観察されるように、血管浮腫発作の少なくとも1つの症状を有し続ける。特定の実施形態では、不応性である対象は、1つ以上の抗浮腫剤で予防的に治療された場合、遺伝性血管浮腫の1つ以上の症状を有し続ける。特定の実施形態では、不応性である対象は、1つ以上の抗浮腫剤で予防的に治療された場合、血管浮腫発作を有し続ける。特定の実施形態では、血管浮腫発作は、ブレークスルー発作を含む。
【0201】
B.黄斑浮腫
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、ヒト対象において黄斑浮腫の少なくとも1つの症状を改善するのに十分に効果的である。特定の実施形態では、黄斑浮腫の少なくとも1つの症状は、かすみ目、波状視覚、ゆがんだ視覚、視力の喪失、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0202】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、(中心)中心窩網膜厚としても公知の中心サブフィールド厚(CST)によって評価されるように、黄斑浮腫を有する対象の視力を改善するのに十分に効果的である。CSTとは、直径1mmの黄斑の最も中央の領域にある黄斑の平均厚さであり、Zeiss Cirrus機器またはHeidelberg Spectralis機器を使用して測定され得る。特定の実施形態では、黄斑浮腫を有する対象は、投与前に、少なくとも約300μm、少なくとも約310μm、少なくとも約320μm、少なくとも約330μm、少なくとも約340μm、または少なくとも約350μmのCSTを有する。特定の実施形態では、方法は、対象のCSTを少なくとも約10μm、少なくとも約20μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、または少なくとも約60μm低減する。
【0203】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、スネレン視力表、スローンチャートまたはEarly Treatment Diabetic Retinopathy Study(ETDRS)チャートによって評価されるとおり、黄斑浮腫を有する対象の視力または最良矯正視力(BCVA)を改善するのに十分に効果的である。これらのチャートは複数の行に文字を示すものであり、この文字は下の行ごとに徐々に小さくなる。このチャートは、対象から離れたところにあり、対象は文字を読むように求められる。この対象は、複数の行に並んだ文字を読む能力に基づいてスコアを受け取る。特定の実施形態では、黄斑浮腫を有する対象は、スネレン視力表、またはスローンチャートもしくはETDRSチャートの同等のスコアによって評価した場合、20/25未満、20/32未満、20/40未満、20/50未満、または20/63未満という視力スコアを有する。特定の実施形態では、方法は、これらのチャートのいずれか1つで、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10文字、視力を増大させる。
【0204】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、黄斑浮腫を有する対象の視力を改善するのに十分に効果的であり、カラー眼底写真によって評価される糖尿病性網膜症重症度スケール(DRSS)での対象の評価を改善する。DRSSは、Staurenghi et al.,Br J Ophthalmol.2018;102:954-958によってより詳細に説明されている。特定の実施形態では、方法は、対象のDRSSスコアの少なくとも2段階の改善を提供する。
【0205】
VII.特定の併用療法
特定の実施形態では、方法は、ISIS 721744を、少なくとも1つの他の医薬品と同時投与することを含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の医薬品が浮腫を改善する。特定の実施形態では、浮腫とは遺伝性血管性浮腫である。特定の実施形態では、浮腫とは黄斑浮腫である。特定の実施形態では、ISIS 721744は、組み合わせ効果を生み出すために、少なくとも1つの他の医薬品と同時投与される。特定の実施形態では、ISIS 721744は、相乗効果を生み出すために、少なくとも1つの他の医薬品と同時投与される。
【0206】
特定の実施形態では、ISIS 721744及び少なくとも1つの他の医薬品が同時に投与される。特定の実施形態では、ISIS 721744及び少なくとも1つの他の医薬品が異なる時点で投与される。特定の実施形態では、ISIS 721744及び少なくとも1つの他の医薬品は、単一の製剤で一緒に調製される。特定の実施形態では、ISIS 721744及び少なくとも1つの他の医薬品が投与され、別々に調製される。
【0207】
特定の実施形態では、ISIS 721744は、HAEを有する対象に抗浮腫剤と同時投与される。抗浮腫剤の非限定的な例としては、C1-INHタンパク質、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンIIタイプ1受容体遮断薬(ARB)、抗ヒスタミン、コルチコステロイド、抗線維素溶解剤(例えば、トラネキサム酸)、ブラジキニン阻害剤、ブラジキニン2型受容体遮断薬(例えば、イカチバント)、カリクレイン阻害剤(例えば、ラナデルマブ、エカランチド、BCX7353)、及び弱毒化アンドロゲン(例えば、ダナゾール、スタノゾロール、オキサンドロロン)が挙げられる。特定の実施形態では、抗浮腫剤は、血漿由来のC1-INH濃縮物または組換えC1-INH濃縮物である。特定の実施形態では、対象は女性であり、抗浮腫剤は、対象のエストロゲンを枯渇させるか、またはエストロゲン活性を阻害し得るゴナドトロピン放出ホルモンまたはその類似体を含む。
【0208】
特定の実施形態では、ISIS 721744は、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、及び血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤(例えば、抗VEGF抗体)のうち少なくとも1つと、黄斑浮腫の対象に同時投与される。
【0209】
特定の実施形態では、ISIS 721744の抗血栓剤との同時投与を、それを必要とする対象に行う。抗血栓剤の非限定的な例としては、非ステロイド性抗NSAID、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、アスピリン)、アデノシン二リン酸(ADP)受容体阻害剤(例えば、クロピドグレル及びチクロピジン)、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、シロスタゾール)、糖タンパク質IIB/IIIA阻害剤(例えば、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、及びデフィブロチド)、アデノシン再取り込み阻害剤(例えば、ジピリダモール)、クマリン類(例えば、ワルファリン)、ヘパリン及びその誘導体(例えば、エノキサパリン)、直接トロンビン阻害剤(例えば、レピルジン、ビバリルジン)、アピキサバン、及び特定の凝固因子の酵素作用を直接妨害する低分子化合物(例えば、第Xa因子を妨害するリバロキサバン)が挙げられる。
【0210】
特定の実施形態では、ISIS 721744の抗炎症剤との同時投与を、それを必要とする対象に行う。抗炎症剤の非限定的な例としては、メトトレキサート、アバタセプト、インフリキシマブ、シクロホスファミド、アザチオプリン、コルチコステロイド、シクロスポリンA、アミノサリチル酸塩、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、エタネルセプト、エファリズマブ、6-メルカプトプリン(6-MP)、及び腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、及び他のサイトカイン遮断薬または拮抗薬が挙げられる。特定の実施形態では、抗炎症剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含む。NSAIDSとしては、限定するものではないが、アセチルサリチル酸、コリンサリチル酸マグネシウム、ジフルニサル、サリチル酸マグネシウム、サルサレート、サリチル酸ナトリウム、ジクロフェナク、エトドラック、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メクロフェナメート、ナプロキセン、ナブメトン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、Cox-2阻害剤、メロキシカム、及びトラマドールが挙げられる。
【0211】
特定の実施形態では、方法は、ISIS 721744を、それを必要とする対象に投与すること、及び投与前、投与中、及び/または投与後に対象に対して血漿交換を実施することを含む。
【実施例
【0212】
以下の実施例は、本開示の特定の実施形態を例示するものであって、限定するものではない。さらに、特定の実施形態が提供される場合、本発明者らは、それらの特定の実施形態の一般的適用を企図している。例えば、特定のモチーフを有するオリゴヌクレオチドの開示は、そのモチーフまたは同様のモチーフを有するさらなるオリゴヌクレオチドへの合理的な支持を提供する。同様に、例えば、特定の高親和性修飾が特定の位置にみられる場合、同じ位置における他の高親和性修飾も、別途示されない限り、適当とみなされる。
【0213】
実施例1:ISIS 721744を使用した第1相ヒト臨床試験
ISIS 721744は、100mg/mLの濃度の滅菌生理食塩水で提供された。ISIS 721744のさまざまな用量を、無作為化二重盲検プラセボ対照試験で試験し、健康なボランティアにおけるISIS 721744の安全性、忍容性、薬物動態、及び薬力学を評価した。対象は、プラセボまたはISIS 721744を毎月4回皮下注射し、各注射は20、40、60、または80mgの用量であった。
【0214】
ISIS 721744は、血漿PKKタンパク質(図1A)濃度及び酵素前駆体活性化(図1B)の用量依存的な平均低減をもたらした。酵素前駆体の活性化は、Ferrone et al.,“IONIS-PKKRx a Novel Antisense Inhibitor of Prekallikrein and Bradykinin Production,”2019,Nucleic Acid Ther.,(29):82-91に記載のとおり測定した。用量群全体の血漿PKKレベルの平均低減は、ベースラインを52.9%~93.6%下回った。80mg群では、血漿PKKタンパク質レベルは、最後の投与から2週間後にベースラインからの平均(±SD)低減93.6%(±2.3)を示した。薬理作用は、この用量群の最後の投与後3か月間持続し、PKKレベルのベースラインから平均74.7%(±12.7)低減した。同様に、血漿酵素前駆体活性化は、80mg用量群の最後の投与後、2週間で98.6%(±2.0)、及び3か月で76.6%(±13.4)というベースラインからの平均(±SD)低減を示した。
【0215】
重篤な有害事象は発生せず、治療に起因する有害事象(TEAE)に起因して投与を中止した対象はいなかった。凝固、aPTT及びプロトロンビンの臨床検査では、用量または時間依存性の変化はなかった。
【0216】
実施例2:I型HAE患者における有効性の概念実証研究
ISIS 721744の臨床的有効性及び忍容性を評価するために、I型HAEの患者を選んだ。この患者は、平均して月に2回、生命を脅かす血管性浮腫発作の病歴があった。この患者はまた、トラネキサム酸、弱毒化アンドロゲン、及びC1阻害剤濃縮物など、HAEの治療が承認されている医薬品に対する不耐性も報告されている。
【0217】
以前の予防的治療が中止されてから8週間後、患者はISIS 721744を80mgの用量で皮下投与された。この用量は、8か月間毎月投与された。血漿PKK活性は、少なくとも毎月測定された。簡単に説明すると、患者の血漿試料を、PKK欠損血漿に添加し、得られた試料を、血液の凝固を特徴付ける血液検査である活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)試験で既知のPKK濃度の試料と比較した。表1によって、血漿PKK活性(以前の予防的治療のベースラインと比較して)がISIS 721744による治療の過程で低減したことが示される。血漿PKK活性は、ISIS 721744による治療の6か月後に約4分の1に低減した。ISIS 721744による治療の8か月間、血管浮腫発作は報告されなかった。他の予防的HAE療法は、そのような期間の全てのブレークスルー発作を排除することは報告されていない。治療は忍容性が高く、注射部位での有害事象は報告されなかった。
【表1】
【0218】
実施例3:III型HAE患者における有効性の概念実証研究
ISIS 721744の臨床的有効性及び忍容性を評価するために、III型HAEの患者を選んだ。この患者は、C1-INHのレベル及び機能が正常であり、nl-C1-INH-HAEの典型的な変異はなかった。この患者は、アルブミン/NaCl溶液との毎週の血漿交換を含む、全ての利用可能な治療オプションにもかかわらず、生命を脅かす血管浮腫発作(月に6~10回の発作)という病歴があった。この患者は、ヒスタミン阻害剤、抗線維素溶解剤(トラネキサム酸)、弱毒化アンドロゲン(ダナゾール)、C1阻害剤濃縮物、及びブラジキニンB2受容体拮抗薬(イカチバント)に対して不応性であるか、または不耐性であった。
【0219】
以前の予防的治療が中止されてから7週間後、患者に、ISIS 721744を、80mgの用量で皮下投与した。この用量を4週間後に再び投与した。その後の数週間で、呼吸不全を伴うH.インフルエンザ肺炎、カテーテル関連血流感染、及び手術に起因する複数の入院に続いて、一連の重度の血管浮腫発作が報告された。投与間隔は、最初のISIS 721744投与から7週間後に発生した最初の入院中に、3週間ごとに1回まで増大された。前述の入院とは別に、ISIS 721744が投与された9か月にわたって測定されたとき、発作の頻度は、1か月に1回の発作まで低減した。毎週の血漿交換は、最後の入院から8週間後に首尾よく中止された。表2によって、血漿PKK活性(以前の予防的治療のベースラインと比較して)が、ISIS 721744による治療の過程で低減したことが示される。血漿PKK活性は、実施例2に記載されているように測定された。ISIS 721744の投与は、十分に許容され、注射部位反応は見られなかった。
【表2】
【0220】
実施例4:HAEに対するISIS 721744の第2相ヒト臨床試験
ISIS 721744は、I型HAE、II型HAE、またはIII型HAEの患者を対象とした、第2相多施設無作為化プラセボ対照試験で評価されている。III型HAEの患者は、F12、PLG、及びANGPTL1から選択された遺伝子に変異がある場合とない場合がある。8週間のスクリーニング期間で、患者は、少なくとも2回の血管浮腫発作を経験しなければならない。患者は、少なくとも12週間にわたって、4週間ごとに80mgのISIS 721744またはプラセボによる皮下治療を受けるように無作為化される。これらの12週間の間に発作がない患者は、100mgの用量に切り替えられる。これらの12週間の間に発作がない患者は、投与の頻度が8週間ごとに減らされる。
【0221】
薬力学及び有効性は、切断された高分子キニノーゲン(cHK)レベル及び/または血漿中のPKK活性の変化率の測定を含む、複数の時点で評価される。PKK活性は、実施例2で説明されているように決定される。主要評価項目は、1か月あたりの血管浮腫発作の時間正規化数である。試験期間中は、患者の安全性を綿密にモニタリングする。安全性及び忍容性の評価としては、例えば、身体診察、バイタルサイン、有害事象、併用薬、及び血漿臨床検査が挙げられる。
【0222】
実施例5:黄斑浮腫に対するISIS 721744の第2相ヒト臨床試験
糖尿病性黄斑浮腫患者におけるISIS 721744の安全性及び有効性は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照第2相試験で評価される。一部の患者は、以前に黄斑浮腫の別の治療、例えば、抗VEGF抗体または他のVEGF阻害剤治療を受けた場合がある。患者を、1、3、5、9、及び13週目に、80mgのISIS 721744またはプラセボによる皮下治療を受けるように無作為化する。
【0223】
薬力学及び有効性を複数の時点で評価する。主要評価項目は、初回投与から17週間及び25週間で、中心網膜サブフィールド厚(CST)の低減が60μmを超える患者の割合である。副次的評価項目は、初回投与から17週間及び25週間で、平均増加が5以上の最高矯正視力(BCVA)を示す患者の割合である。追加の探索的な評価項目としては、CST及びBCVAスコアの平均変化、糖尿病性網膜症重症度スケール(DRSS)の2段階以上の改善、Cirrusでは<300μm、またはHeidelberg Spectralis機器では<320μmにCSTとして定義された黄斑浮腫の解像度、10文字(2行のゲイン)または15文字(3行のゲイン)という視力文字スコアの改善、血漿PKK RNA濃度及び/または血漿PKKタンパク質濃度の経時的な絶対的低減及び相対的低減が挙げられる。試験期間中は、患者の安全性を綿密にモニタリングする。安全性及び忍容性の評価としては、例えば、身体診察、バイタルサイン、有害事象、併用薬、及び血漿臨床検査が挙げられる。
図1
【配列表】
2023519501000001.app
【国際調査報告】