(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】吸入装置システム
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20230501BHJP
A61M 13/00 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
A61M13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554432
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2021058102
(87)【国際公開番号】W WO2021198151
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519084526
【氏名又は名称】ソフトハレ エヌヴイ
【氏名又は名称原語表記】SOFTHALE NV
【住所又は居所原語表記】Agoralaan building Abis, 3590 Diepenbeek Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェルト, ユーゲン
(72)【発明者】
【氏名】ダドリー, スティーヴン
(57)【要約】
本発明は、噴霧形態で医学的に活性な液体を吸入投与するための吸入装置システムを提供し、システムは、吸入装置と、医学的に活性な液体を保持するための交換可能なリザーバとを備え、吸入装置は、収容ユニットを有するハウジングであって、収容ユニットは、交換可能なリザーバの接続ポートに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニットを有し、収容ユニットは、交換可能なリザーバを収容して交換可能なリザーバに流体接続するように適合されている、ハウジング、医学的に活性な液体を噴霧するためのノズル、およびハウジング内に配置され、リザーバ(収容ユニットの接続ユニットを介して)およびノズルに流体接続されるように適合され、リザーバからノズルへ下流方向に医学的に活性な液体を搬送する(加圧、ポンピング)ように適合されたポンプユニットを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧形態の医学的に活性な液体を吸入投与するための吸入装置システム(10)であって、吸入装置(20)と、前記医学的に活性な液体を保持するための交換可能なリザーバ(30)とを備え、
前記吸入装置(20)は、
収容ユニット(23)を有するハウジング(21)であって、前記収容ユニットは、前記交換可能なリザーバ(30)の接続ポート(31)に解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニット(24)を有し、前記収容ユニット(24)は、前記交換可能なリザーバ(30)を収容して前記交換可能なリザーバ(30)に流体接続するように適合される、ハウジング、
前記医学的に活性な液体を噴霧するためのノズル(25)、および
前記ハウジング(21)内に配置され、前記リザーバ(30)および前記ノズル(25)に流体接続されるように適合され、前記リザーバ(30)から前記ノズル(25)へ下流方向に前記医学的に活性な液体を搬送するように適合されたポンプユニット(40)を備え、
前記交換可能なリザーバ(30)は、全体容積(V
o)を有し、前記医学的に活性な液体を保持するための有効容積(V
e)を有する容器部分(31)と、前記カートリッジシステム(30)を前記ポンプユニット(40)に解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポート(32)とを備えるカートリッジシステムの形態で提供され、前記カートリッジシステム(30)は、追加の容積(V
a)を有する延長要素(33)をさらに備え、前記延長要素(33)は、前記容器部分(31)の外面に取り付けられる、吸入装置システム(10)。
【請求項2】
前記容器部分(31)の前記有効容積V
eと、前記延長要素(33)の前記追加の容積V
aとの和が、前記カートリッジシステム(30)の前記全体容積V
oに等しい、請求項1に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項3】
前記交換可能なリザーバ(30)の前記容器部分(31)が、前記医学的に活性な液体を保持し、最大容積V
iを有する内側容器を備える、請求項1または2に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項4】
前記容器部分(31)の前記内側容器が、バッグの形態、具体的には折り畳み可能なバッグの形態で設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項5】
前記収容ユニット(23)が、規定の全長L
oおよび全体容積V
oを有する交換可能なリザーバ(30)を受容して流体接続するように適合され、前記交換可能なリザーバ(30)が、規定の全長L
oおよび全体容積V
oを有するカートリッジシステムの形態で設けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項6】
前記交換可能なリザーバ(30)が、有効長さL
eを有する容器部分(31)と、追加の長さL
aを有する延長要素(33)とを備え、前記容器部分(31)の前記有効長さL
eと前記延長要素(33)の前記追加の長さL
aとの和が、(組み立てられた状態の)前記カートリッジシステム(30)の前記全長L
oに等しい、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸入装置システム。
【請求項7】
前記カートリッジシステム(30)の前記延長要素(33)が、前記容器部分(31)の前記外面に取り外し可能に取り付けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項8】
前記延長要素(33)を前記容器部分(31)の前記外面から取り外すのに必要な力が、前記カートリッジシステム(30)を前記吸入装置(20)の前記収容ユニット(23)から取り外すのに必要な力よりも高い、請求項7に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項9】
前記カートリッジシステム(30)の前記延長要素(33)が、前記容器部分(31)の前記外面に恒久的に取り付けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項10】
前記容器部分(31)は、寸法的に安定した形態で設けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項11】
前記延長要素(33)が、寸法的に安定した形態で設けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項12】
前記延長要素(33)が、少なくとも1つの弾性部分を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項13】
前記延長要素(33)が、前記容器部分の上流端に位置する前記容器部分(31)の前記外面の一部に取り付けられる、請求項1から12のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項14】
前記交換可能なカートリッジシステム(30)(前記組み立てられた状態)は、前記カートリッジシステム(30)の下流端に位置する前記容器部分(31)の前記接続ポート(32)を、前記カートリッジシステム(30)の反対側の上流端に位置する前記カートリッジシステム(30)の前記底部と接続する中心長手方向軸(A)を有する円筒形状を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項15】
前記容器部分(31)が上流端(34)および下流端(35)を有し、前記接続ポート(32)が前記容器部分(31)の前記下流端(34)に位置し、前記延長要素(33)が前記容器部分の前記上流端(35)に取り付けられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項16】
前記延長要素(33)が、圧入または形状嵌合接続によって前記容器部分(31)の前記外面に取り付けられる、請求項1から15のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項17】
前記延長要素(33)が、前記カートリッジシステム(30)の前記容器部分(31)と実質的に同じ断面直径を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項18】
前記カートリッジシステム(30)の前記延長要素(33)および前記容器部分(31)は、円形の断面を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項19】
前記延長要素(33)は、前記下流端に開口部(37)を有し、前記開口部は、前記容器部分の前記上流端(34)の前記(外側)直径に対応する直径を有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項20】
前記カートリッジシステム(30)の前記延長要素(33)が、その中に機能要素が含まれていない中空体である、請求項1から19のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項21】
前記延長要素(33)が、投与される前記医学的に活性な液体または他の化合物を含まない、請求項1から20のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項22】
前記カートリッジシステム(30)の前記延長要素(33)が、前記容器部分(31)の前記外面に取り付けられたときに周囲大気への(前記延長要素(33)の前記内腔への)通気開口部(39)を有する、請求項1から21のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項23】
前記カートリッジシステム(30)に前記医学的に活性な液体を充填する前に、前記容器部分(31)および前記延長要素(33)が組み立てられ、滅菌される、請求項1から22のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項24】
前記延長要素(33)は、前記延長要素(33)の前記内腔に収容された機能要素を含む、請求項1から19および21から23のいずれか一項に記載の吸入装置システム。
【請求項25】
前記機能要素が、インジケータ装置、ブロック機構、電子インターフェース、電子符号化システム、電子データロガー、符号化要素、圧力リザーバ、および指示手段から選択される、請求項24に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項26】
前記カートリッジシステム(30)の前記延長要素(33)が、前記吸入装置または交換可能なリザーバの使用回数をカウントするためのインジケータ装置を備えない、請求項1から25のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項27】
前記交換可能なカートリッジ(30)が、約0.2mL~約30mLの範囲内で選択される全体容積V
oを有する、請求項1から26のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項28】
前記交換可能なカートリッジシステム(30)の前記容器部分(31)が、約0.1~約15mLの範囲内で選択される有効容積V
eを有する、請求項1から27のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項29】
前記延長要素(33)の前記追加の容積V
aが、約0.1ml~約25mLの範囲内で選択されてもよい、請求項1から28のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項30】
前記カートリッジシステム(30)は、延長要素のないカートリッジシステムと交換することができる、請求項1から29のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項31】
前記吸入装置(20)の前記ポンプユニット(40)が、
前記交換可能なリザーバ(30)に流体接続された上流端、
前記ノズル(25)に流体接続された下流端を備え、
前記ポンプユニットは、
(i)上流端を有するライザーパイプ(43)であって、
前記ポンプユニット内のピストンとして機能するように適合され、
前記ハウジング(21)に対して不動であるように、前記ハウジング(21)の使用者に向く側にしっかりと固定される、ライザーパイプ(43)、および
(ii)前記ライザーパイプ(44)の上流に位置する中空シリンダ(41)であって、前記ライザーパイプ(43)の前記上流端は、前記シリンダ(41)が前記ライザーパイプ(43)上で長手方向に移動可能であるように、前記シリンダ(41)内に挿入される、中空シリンダ、をさらに備える、請求項1から30のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項32】
前記ポンプユニット(40)は、
(iii)ロックされたときに位置エネルギー(46)を貯蔵し、ロック解除されたときに貯蔵エネルギーを放出するためのロック可能手段であって、前記手段(46)は、前記シリンダ(41)の外側に配置され、前記シリンダ(41)に機械的に結合され、前記手段(46)のロックを解除すると、前記ポンプユニットの下流端に向かって前記シリンダ(41)が長手方向に推進運動するようになる、ロック可能手段、を備える、請求項31に記載の吸入装置システム(10)。
【請求項33】
噴霧用の医学的に活性な液体を保持し、請求項1から32のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)において我々のために適合されるための交換可能なカートリッジシステム(30)であって、前記カートリッジシステム(30)は、全体容積V
oを有し、前記医学的に活性な液体を保持するための有効容積V
eを有する容器部分(31)と、前記カートリッジシステム(30)を吸入装置(20)の前記ポンプユニット(40)に解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニット(24)とを備え、前記カートリッジシステム(30)は、追加の容積V
aを有する延長要素(33)をさらに備え、前記延長要素(33)は、前記容器部分(31)の前記外面に取り付けられる、カートリッジシステム(30)。
【請求項34】
前記容器部分(31)の前記有効容積V
eと前記延長要素(33)の前記追加の容積V
aとの和が、(組み立てられた状態の)前記カートリッジシステム(30)の全体容積V
oに等しい、請求項33に記載の交換可能なカートリッジシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学的に活性な液体のための吸入装置の分野に関する。特に、本発明は、吸入装置と、医学的に活性な液体を保持するための交換可能なリザーバとを備える吸入装置システムに関し、交換可能なリザーバは、容器部分および延長要素を備えるカートリッジシステムの形態で提供される。
【背景技術】
【0002】
液体用のネブライザまたは他のエアロゾル発生器は、当技術分野で長い間知られている。とりわけ、そのような装置は医学および治療において使用される。そこでは、エアロゾル、すなわち気体に埋め込まれた小さな液滴の形態の活性成分を適用するための吸入装置として機能する。そのような吸入装置は、例えば欧州特許第0,627,230号明細書から知られている。この吸入装置の必須構成要素は、エアロゾル化される液体が収容されるリザーバ、前記液体を噴霧するのに十分に高い圧力を発生させるためのポンピング装置と、ノズルの形態の霧化装置とを含む。ポンプ装置によって、液体は、リザーバから離散量で、すなわち連続的ではなく引き出され、ノズルに供給される。ポンプ装置は推進剤なしで作動し、機械的に圧力を発生させる。
【0003】
そのような吸入装置の既知の実施形態は、例えば国際公開第91/14468号パンフレットに提示されている。このような装置では、ハウジングに接続されたポンプ室内の圧力は、可動中空ピストンの移動によって生成される。ピストンは、不動のシリンダまたはポンプ室の内側に移動可能に配置される。中空ピストンの上流に配置された入口は、リザーバの内部に流体接続されている(すなわち、リザーバ管部分)。その下流に配置された先端はポンプ室に通じる。また、ピストンの先端部の内側には、リザーバへの液体の逆流を阻止する逆止弁が配置されている。
【0004】
さらなる吸入装置が国際公開第2018/197730号パンフレットから知られている。本明細書に開示される手持ち式吸入装置は、使用者に面する側を有するハウジング、少なくとも2つの液体ジェットの衝突によって噴霧エアロゾルを生成するための衝突型ノズルであって、ハウジングに対して不動であるようにハウジングの使用者に面する側にしっかりと取り付けられているノズル、ハウジング内に配置された流体リザーバ、およびハウジング内に配置されたポンプユニットを含み、ポンプユニットは、流体リザーバに流体接続された上流端、およびノズルに流体接続された下流端を有する。ポンプユニットは、流体リザーバからノズルに流体をポンピングするように適合され、ポンプユニットのピストンとして機能するように適合され、ハウジングに対して不動であるようにハウジングの使用者に向く側にしっかりと固定されたライザーパイプを備える。
【0005】
国際公開第2017/076938号パンフレットは、ネブライザを備えたシステム、ならびに流体を備えた容器およびそのようなネブライザ用のインジケータ装置を開示している。チェック方式は、ネブライザと共に既に使用されているか、またはネブライザと共に依然として使用することができる容器の数を示すために使用される。インジケータ装置は、現在の容器で実行された、または依然として可能な使用回数を示す。
【0006】
国際公開第2019/016409号パンフレットは、容器およびそのような容器から液体を噴霧するためのネブライザを開示している。ネブライザは、容器から投与量の液体を引き出し、噴霧のためにそれぞれの投与量を加圧するための流体ポンプを備える。容器は、容器内の液体を加圧して容器から液体を引き出すのを助けるためのピストン/シリンダ構成を有する空気ポンプを備える。制御弁は、液体に作用する空気圧を制限する。
【0007】
しかし、既知の吸入装置または吸入装置システムは、吸入装置に嵌合するように特別に適合された交換可能なカートリッジと共にのみ使用することができる。しかし、その中に含まれる医学的に活性な液体または医学的に活性な化合物の量および性質に応じて、異なるサイズで充填する体積が異なる交換可能なカートリッジを挿入して使用することができるシステムを提供することが望ましい場合がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、同じシステム内で異なる量の医学的に活性な液体の貯蔵および投与を可能にする交換可能なカートリッジシステムの使用を可能にする吸入装置システムを提供することである。本発明のさらなる目的は、本発明の以下の説明、実施例および特許請求の範囲に基づいて明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第0,627,230号明細書
【特許文献2】国際公開第91/14468号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2018/197730号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2017/076938号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2019/016409号パンフレット
【発明の概要】
【0010】
第1の態様では、本発明は、噴霧形態の医学的に活性な液体を吸入投与するための吸入装置システムであって、吸入装置と、医学的に活性な液体を保持するための交換可能なリザーバとを備え、
吸入装置は、
収容ユニットを有するハウジングであって、収容ユニットは、交換可能なリザーバの接続ポートに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニットを有し、収容ユニットは、交換可能なリザーバを受けて交換可能なリザーバに流体接続するように適合される、ハウジング、
医学的に活性な液体を噴霧するためのノズル、および
ハウジング内に配置され、リザーバおよびノズルに流体接続されるように適合され、リザーバからノズルへ下流方向に医学的に活性な液体を搬送するように適合されたポンプユニット、を備え、
交換可能なリザーバは、全体容積Voを有し、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分と、カートリッジシステムをポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポートとを備えるカートリッジシステムの形態で提供され、カートリッジシステムは、追加の容積Vaを有する延長要素をさらに備え、延長要素は、容器部分の外面に取り付けられる、吸入装置システムに関する。
【0011】
第2の態様では、本発明は、噴霧用の医学的に活性な液体を保持するための交換可能なカートリッジシステムであって、本発明の第1の態様による吸入装置システムにおいて使用するために好ましくは適合されており、カートリッジシステムは、全体容積Voを有し、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分と、カートリッジシステムを吸入装置のポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニットとを備え、カートリッジシステムは、追加の容積Vaを有する延長要素をさらに備え、延長ユニットは、容器部分の外面に取り付けられる、カートリッジシステムを提供する。
【0012】
第3の態様では、本発明は、全体容積Voを有するカートリッジシステムの形態の本発明の第1の態様の吸入装置システム用の交換可能なリザーバを提供するための方法であって、
a)カートリッジシステムを吸入装置システムのポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポート(好ましくはキャップの形態)を備える、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分を提供するステップ、
b)追加の容積Vaを有する延長要素を提供するステップ、および
c)延長要素を容器部分の外面に取り付けるステップ、を含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】カートリッジが吸入装置に挿入された吸入装置システムの断面図を示す。
【0014】
【
図2】カートリッジが吸入装置に挿入された吸入装置システムの断面図を示し、カートリッジは延長要素を含む。
【0015】
【
図3】分解状態の容器部分および延長要素を有する交換可能なカートリッジシステムを示す。
【0016】
【
図4】
図3に示すカートリッジシステムの異なる斜視図を示す。
【0017】
【
図5】組み立て状態の容器部分および延長要素を有する交換可能なカートリッジシステムを示す。
【0018】
【
図6】分解状態の拡大直径を有する延長要素を有する異なるカートリッジシステムを示す。
【0019】
【
図7】組み立てられた状態で拡大直径を有する延長要素を有する異なるカートリッジシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1の態様では、本発明は、噴霧形態の医学的に活性な液体を吸入投与するための吸入装置システムであって、吸入装置と、医学的に活性な液体を保持するための交換可能なリザーバとを備え、吸入装置は、
収容ユニットを有するハウジングであって、収容ユニットは、交換可能なリザーバの接続ポートに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニットを有し、収容ユニットは、交換可能なリザーバを受けて交換可能なリザーバに流体接続するように適合される、ハウジング、
医学的に活性な液体を噴霧するためのノズル、および
ハウジング内に配置され、(収容ユニットの接続ユニットを介して)リザーバおよびノズルに流体接続されるように適合され、リザーバからノズルへ下流方向に医学的に活性な液体を搬送する(加圧、ポンピング)ように適合されたポンプユニット、を備え、
交換可能なリザーバは、全体容積Voを有し、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分と、カートリッジシステムをポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポート(好ましくはキャップの形態)とを備えるカートリッジシステムの形態で提供され、カートリッジシステムは、追加の容積Vaを有する延長要素をさらに備え、延長要素は、容器部分の外面に取り付けられている、吸入装置システムに関する。
【0021】
本発明による吸入装置システムは、噴霧形態の医学的に活性な液体の吸入投与に適しており、本明細書で使用される「医学的に活性な液体」という用語は、薬理学的活性を有するか、または薬理学的活性を有し、対象、特に温血動物またはヒト、特にヒトの疾患、障害または状態、特に呼吸器系の疾患、障害または状態、例えば肺の疾患、障害または状態に関連する症状を改善または予防することができる化合物または組成物を含む液体化合物または組成物を指す。そのような疾患、障害または状態の具体例としては、限定されないが、喘息および/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特にCOPD、または肺および肺組織の間質に影響を及ぼす間質性肺疾患、例えば気道および/または空気の袋(肺胞)に関連するもの、例えば肺線維症、例えば特発性肺線維症(IPF)、間質性肺炎、またはサルコイドーシスなどの肺の疾患または状態が挙げられる。
【0022】
さらに、本明細書で使用される「吸入投与」という用語は、医学的に活性な液体が、対象による噴霧形態またはエアロゾル化形態の医学的に活性な液体を含む他のキャリアガスの空気流の吸入によって、呼吸器系、特に対象の肺などの下呼吸器系に輸送される投与経路を指す。本明細書で使用される「噴霧された」、「エアロゾル化された」または「霧化された」という用語は、同義的に、空気または別のキャリアガスなどの気体であり、小さな液滴の形態の分散液相を含む連続相、およびそれ自体が液体溶液、分散液、懸濁液、またはエマルジョンを表し得る液相、すなわち医学的に活性な液体という少なくとも2つの相を有するエアロゾルの形態で存在する、医学的に活性な液体の状態を指す。特定の実施形態では、そのようなエアロゾルは、好ましくはそれぞれ約10μm以下、特に約7μm以下、または約5μm以下の空気動力学的質量中央径(レーザ回折によって測定)を有する呼吸可能な粒子または液滴を有する。
【0023】
特定の実施形態では、本明細書で使用される「医学的に活性な液体」という用語は、少なくとも1つの活性医薬成分(API)、より具体的には少なくとも1つの吸入可能な活性医薬成分を含む医薬組成物の形態の医学的に活性な液体を指す。より具体的には、そのような少なくとも1つの吸入可能な活性医薬成分は、例えば、単独でまたは互いに組み合わせて、長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA)、長時間作用型ベータアゴニスト(LABA)および吸入可能な糖質コルチコステロイド(ICS)、ならびに鎮痛薬および抗糖尿病薬から選択されてもよい。
【0024】
長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA)の例としては、限定されないが、臭化アクリジニウム、臭化グリコピロニウムなどのグリコピロニウム塩、レベフェナシン、臭化チオトロピウムなどのチオトロピウム、臭化ウメクリジニウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化イプラトロピウム、塩化トロスピウム、トルテロジンが挙げられる。
【0025】
長時間作用型ベータアゴニスト(LABA)の例としては、限定されないが、アルブテロール、アロホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、インダカテロール、インダクテロール、イソエタリン、イソプレナリンレボサルブタモール、マブテロールメルアドリン、メタプロテレノール、オロダテロール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール、ソテレノト、スルホンテロール、チアラムド、テルブタリン、テルブテロールが挙げられる。
【0026】
吸入可能な糖質コルチコステロイド(ICS)の例としては、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコート・プロピオネート、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、デキサメタゾン、エチプレドニゾロン-ジクロロアセテート、デフラザコート、エチプレドノール、ロテプレドノール、RPR-106541、NS-126、ST-26が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
さらに、活性医薬成分は、オピオイド鎮痛薬(例えば、モルヒネ、フェンタニル)または非オピオイド鎮痛薬(例えばサリチル酸誘導体、例えばアセチルサリチル酸)またはカンナビノイド(例えばテトラヒドロカンナビノール)などの鎮痛薬、インスリンなどの抗糖尿病薬から選択されてもよい。
【0028】
本吸入装置システムによって噴霧またはエアロゾル化され得る医学的に活性な液体または液体医薬組成物は、上記の少なくとも1つの活性な薬学的成分を含み得るが、吸入によって投与され得る2つ以上の活性な薬学的成分の混合物も含み得る。
【0029】
本発明による吸入装置システムによってエアロゾル化することができる医学的に活性な液体または医薬組成物は、好ましくは、吸入での使用に適し、適合した組成物、換言すれば、吸入のために噴霧化またはエアロゾル化することができ、対象による吸入のために生理学的に許容される組成物として製剤化される。
【0030】
本吸入装置システムによって投与され得るか、または対応する交換可能なリザーバ内に収容され得る医学的に活性な液体または医薬組成物は、分散液の形態、例えば液体連続相および固体分散相を有する懸濁液の形態または溶液の形態であり得る。
【0031】
さらなる実施形態では、上記の医学的に活性な液体または医薬組成物は、任意選択的に、吸入での使用に適した1つ以上の生理学的に許容される賦形剤を含んでもよい。組成物において特色とされ得る賦形剤には、溶液のpHを調節または制御するための1つまたは複数の緩衝剤、塩、矯味剤、界面活性剤、脂質、酸化防止剤、および共溶媒が含まれ得るが、これらに限定されず、これらは溶解度、例えばエタノールまたはグリコールを増強または改善するために使用され得る。
【0032】
特定の実施形態では、上記の医学的に活性な液体は、ヒドロフルオロアルカン(HFA)噴射剤などの噴射剤を本質的に含まなくてもよい。
【0033】
さらなる特定の実施形態では、上記の医学的に活性な液体は水溶液であってもよく、その中で上記の1つ以上の活性な薬学的成分は、水を含む液体担体溶液に溶解され、可溶化される。そのような水溶液はまた、場合により、上記の1つ以上の賦形剤を含んでもよい。
【0034】
本発明の吸入装置システムは、吸入装置と、医学的に活性な液体を保持するための交換可能なリザーバとを備える。本発明の吸入装置システムの吸入装置は、特定の実施形態では、手持ち式装置であってもよく、換言すれば、片手で便利に保持して使用することができ、吸入療法のために上述したように噴霧された医学的に活性なエアロゾルを送達するのに適したモバイル装置であってもよい。吸入療法に適しているために、装置は、その粒径が呼吸可能である、すなわち上述の範囲の呼吸可能な粒子で患者または使用者の肺によって取り込まれるのに十分小さい医学的に活性なエアロゾルを放出することができなければならない。この点で、吸入装置は、米国特許出願公開第2004/0068222号明細書に開示されているような、経口または経鼻投与用のスプレーを放出する装置とは実質的に異なる。
【0035】
本システムの吸入装置は、吸入装置の外側ケーシング、具体的には、吸入装置のさらなる構成要素が収容および/または取り付けられる外側ケーシングを画定するハウジングを備える。ハウジングは、特に上述の吸入投与のために、吸入装置の使用者が接触することができる使用者に面する側を有することができる。特定の実施形態では、使用者に面する側は、特に噴霧された医学的に活性な液体の吸入または投与のために、使用者の口に入れることができるマウスピースであってもよい。さらに、ハウジングは、ハウジングを開き、交換可能なカートリッジを挿入することができる収容ユニットへのアクセスを可能にするために、取り外し可能であり、少なくとも部分的に取り外され得る、好ましくは吸入装置の上流端に位置する下部を有してもよい。本明細書で使用される「上流」という用語は、本吸入装置、吸入装置システム、カートリッジシステム、または他の構成要素に関して、動作中に吸入装置によって医学的に活性な液体が搬送される方向または位置を意味する。これとは対照的に、本明細書で使用される「下流」という用語は、動作中に吸入装置によって医学的に活性な液体が搬送される反対の方向または位置を意味する。吸入装置、より具体的には、本吸入装置のハウジングは、以下でさらに詳細に説明するように、交換可能なリザーバまたはカートリッジシステムを受容するように適合された収容ユニットを備える。収容ユニットは、交換可能なリザーバの接続ポートに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニットを有する。本明細書で使用される「流体接続する」という用語は、2つの要素に関して、好ましくはガスまたは液体などの流体の一方の要素から他方の要素への移送を可能にする、好ましくは気密および/または液密接続が確立されるか、または確立されてもよく、好ましくはそのような流体が一方の要素から他方の要素に完全に移送される方法を意味する。
【0036】
ハウジングの収容ユニットは、以下でさらに詳細に説明するように、交換可能なリザーバを収容するか、またはいくつかの実施形態では、完全に収容して流体接続するように適合される。これは、特に本明細書で使用される「完全に収容された」という用語に関して、そのような交換可能なリザーバは、収容ユニットおよびハウジングが交換可能なリザーバを完全に封入または収容することができるように、好ましくは収容ユニットに導入されたときに交換可能なリザーバの表面が吸入装置のハウジングによって完全に封入されるように、ハウジングの収容ユニットに完全に導入され得ることを意味する。
【0037】
本発明のシステムの吸入装置は、医学的に活性な液体を噴霧するためのノズルをさらに備える。当業者は、衝突型ノズル、旋回ノズル、オリフィスノズル、表面衝突ノズルまたは多流体ノズルなど、本発明のシステムによって投与される医学的に活性な液体の噴霧、エアロゾル化または霧化に適した異なる種類のノズルを知っている。しかし、特定の実施形態では、本吸入装置のノズルは衝突型である。これは、ノズルが、衝突して小さなエアロゾル液滴に分解するように向けられた少なくとも2つの液体ジェットを放出するように適合されていることを意味する。特定の実施形態では、ノズルは、ハウジングに対して、または少なくとも使用者(例えば、患者)に面するハウジングの側面もしくは部分に対して不動であるか、または移動不能であるように、またはより具体的には、装置が使用されるときに使用者の口に導入されるように、ハウジング、特に吸入装置のハウジングの使用者に面する側にしっかりと固定される。
【0038】
本発明のシステムの吸入装置は、吸入装置のハウジング内に配置されたポンプユニットをさらに備える。ポンプユニットは、具体的には収容ユニットの接続ユニットを介してリザーバに流体接続されるように適合される。特定の実施形態では、ポンプユニットは、収容ユニットの接続ユニットを介してリザーバに流体接続される。さらに、ポンプユニットはまた、ノズルに流体接続されるように適合され、または特定の実施形態では、ノズルに接続され、さらに、リザーバからノズルへと下流方向に医学的に活性な液体を搬送する、言い換えればポンピングするように適合される。
【0039】
本発明の吸入装置に含まれるポンプユニットは、特定の実施形態では、噴霧された医学的に活性な液体を不連続な様式で、すなわち個別のユニットの形態で送達するように適合されており、ポンプサイクルごとに1ユニットが送達される。この態様では、吸入装置は、典型的には数秒から数分までの期間にわたって連続的に噴霧エアロゾルを生成および送達し、その結果、エアロゾルが、患者または使用者によって吸入されるために多数の連続的な呼吸操作を必要とするジェット式ネブライザ、超音波ネブライザ、振動メッシュ式ネブライザ、または電気流体力学的ネブライザなどの、一般的に知られているネブライザとは異なる。代わりに、本発明の吸入装置は、個別のエアロゾルユニットを生成して放出するように適合されており、各単位は、1回のポンピングサイクルでポンプユニットによってノズルにポンピングされる流体(すなわち、医学的に活性な液体)の量(すなわち、体積)に対応し、そこで直ちにエアロゾル化されて使用者または患者に送達される。逆に、1回のポンピングサイクルでポンプユニットによってポンピングされる液体の量は、患者が投与ごとに受け取る薬理学的に活性な薬剤の量を決定する。したがって、所望の治療効果を達成することに関して、ポンプユニットが正確に、確実に、再現可能に動作することが非常に重要である。高い精度および再現性を示すそのような吸入装置、具体的には以下でさらに詳細に説明するようなポンプユニットを組み込んだ吸入装置は、当業者に知られており、国際公開第2018/197730号パンフレットに記載されており、その開示はその全体が本明細書に組み込まれる。しかし、ポンプユニットの具体的な設計は変更されてもよく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0090603号明細書に記載されているユニットなどのさらなるポンプユニットも本発明の吸入装置に使用されてもよいことに留意されたい。
【0040】
特定の実施形態では、ポンプユニットはまた、ハウジング内に配置されてもよく、プランジャポンプとも呼ばれるピストンポンプとして機能するように適合されてもよく、ライザーパイプは、中空シリンダ内で長手方向に移動可能なピストンまたはプランジャとして機能する。ポンプユニットは、交換可能なリザーバに流体接続された上流端と、ノズルに流体接続された下流端とを有してもよい。さらなる特定の実施形態では、ポンプユニットは、ポンプユニット内のピストンとして機能するように適合され得るライザーパイプと、中空シリンダと、位置エネルギーを蓄積するためのロック可能手段とを備えてもよい。ロック可能手段は、ロックされたときに位置エネルギーを蓄積することができ、渦巻きばねまたは他の弾性要素などのロック解除されたときに蓄積エネルギーを放出するように適合され得る。ロック可能手段は、手段のロックを解除すると、ポンプユニットの下流端に向かってシリンダが長手方向に推進移動するように、中空シリンダの外側に配置され、中空シリンダに機械的に結合されてもよい。そのようなライザーパイプの上流端が移動するそのような中空シリンダの内側セグメントは、シリンダに対するライザーパイプの位置に応じて可変容積を有するポンプ室を形成する。
【0041】
ポンプ室を提供する中空シリンダは、任意選択のリザーバパイプ(またはリザーバパイプ部)などによって、直接的または間接的に、交換可能なリザーバに、またはより具体的には交換可能なリザーバの接続ポートに流体接続されてもよい。同様に、リザーバに面する、中空シリンダ内に収容することができる内部(上流)端部を有するライザーパイプは、その下流または外部端部において、直接的または間接的に、ノズルに液密に流体接続することができる。
【0042】
これに関連して、「中空シリンダ」という表現は、円筒形状を有するか、または円筒空間を有するセグメントを有する内部空隙を含むという意味で中空である部分または部材を指す。言い換えれば、他のタイプのピストンポンプに適用可能であるように、それぞれの部分または部材の外形が円筒形である必要はない。さらに、「中空シリンダ」という表現は、「中空」空間が材料、例えば噴霧される液体で満たされ得るそれぞれの部分または部材の動作状態を排除するものではない。
【0043】
本明細書で使用する場合、長手方向の動きは、中空シリンダの主軸に沿った動きであり、推進運動は、下流(または前方)方向の部分の動きである。
【0044】
特定の実施形態では、本発明の吸入装置のポンプユニットのライザーパイプは、シリンダの下流に配置されてもよく、ハウジングまたはハウジングの使用者に面する側を含むハウジングの少なくとも一部に対して不動であるように、ハウジングの使用者に面する側にしっかりと固定されてもよい。誤解を避けるために、「しっかりと固定される」という用語は、それぞれの部分間の相対移動を防止するように、直接的または間接的に(すなわち、1つまたは複数の接続部を介して)固定されることを意味する。ノズルはまた、好ましくは、ハウジングまたはハウジングのそれぞれの部分に対して不動であるので、ライザーパイプもまた、好ましくは、ノズルに対して不動であり、ポンピング作用は、これらの実施形態では、中空シリンダの長手方向の動きによってもたらされる。この実施形態ではライザーパイプに対して上流位置に配置されているシリンダの推進運動は、ポンプ室の容積の減少をもたらし、シリンダの反発運動は、容積の増加をもたらす。換言すれば、これらの実施形態では、ライザーパイプは、ハウジングに対するその位置を維持し、中空シリンダは、ハウジングに対するその位置を、特にその長手方向軸に沿って、可動円筒部材内の不動ライザーパイプのシリンダ内ピストン型移動を実行するように変更することができる。
【0045】
この配置は、米国特許出願公開第2012/0090603号明細書に開示されているように、ライザーパイプが上流位置にあるポンプユニット、およびライザーパイプが移動可能であり、円筒部材がハウジングに固定されている下流位置にある円筒部材に依存する他の衝突型吸入装置とは異なる。上述のような固定された上昇管を有する装置の重要な利点は、ポンプ室と交換可能なリザーバとの間の通路を、その寸法に関してより少ない制限で設計できることである。非常に大きな入口弁(逆止弁とも呼ばれる)を収容することが可能であり、狭いライザーパイプ内に収容する必要がないため、製造が容易である。代わりに、ポンプユニットの固定ライザーパイプ設計は、ハウジングの内部サイズまたは位置エネルギーを貯蔵する手段の寸法によってのみサイズが制限される逆止弁の使用を可能にする。言い換えれば、バルブ、ライザーパイプ、および使用される場合はリザーバ管の直径は、互いに一致する必要はない。さらに、この実施形態では、可動ピストンを交換可能なリザーバに接続する必要がないため、リザーバへの流体接続を成す構成要素は、可動構成要素、すなわち中空シリンダとは独立して設計することができ、個々の部分をそれぞれの個々の機能に適合するようにさせることができる。この点において、この特定の実施形態による固定ライザーパイプ設計は、可動中空シリンダが、その堅牢な構造および寸法に起因して、それほど堅牢ではない可動ライザーパイプよりも、リザーバとの機械的に安定した接続を設計するためのより良好な機会を提供するので、より高い設計柔軟性を提供する。また、この実施形態では、中空シリンダと交換可能なリザーバとの間の接続は、より速い流速および流体粘度が実現可能になるように、より大きな直径で設計することができる。さらに、交換可能なリザーバの支持体は、シリンダを含む任意の構成要素に一体化することができる。さらに、この実施形態では、交換可能なリザーバの圧力平衡のための任意の通気口は、リザーバ本体自体から離れて、例えば、交換可能なリザーバとポンプユニットの中空シリンダとの間の界面を形成するコネクタに移動することができ、したがって構造が容易になり、本質的に「開いた」リザーバ本体を設ける必要性が回避される。これは、リザーバが本発明の場合のように交換可能なリザーバとして設計されている場合に特に重要である。
【0046】
上述したように、位置エネルギーを蓄積するためのロック可能手段は、そのロック状態でエネルギーを蓄積し、ロック解除されたときに蓄積エネルギーを放出するように適合されてもよい。特定の実施形態では、ロック可能手段は、手段のロックを解除すると、ポンプユニットの下流端に向かって中空シリンダが長手方向に推進移動するように、中空シリンダに機械的に結合される。この移動中、シリンダの内部容積、すなわちポンプ室の容積は減少する。逆に、位置エネルギーを蓄積する手段がロック状態にあるとき、中空シリンダは、ポンプ室の容積が最大であるその最上流位置にある。ロック状態は、プライミング状態と考えることもできる。エネルギーを貯蔵する手段の状態が、装置のプライミングと呼ばれ得るロック解除状態からロック状態に変更されると、中空シリンダは、反発する長手方向移動、すなわち、その最も下流の位置からその最も上流の位置に向かって移動する。ポンピングサイクルは、中空シリンダの最も下流の位置からその最も上流の(またはプライミングされた)位置へと始まり、次にそのエネルギーを放出する位置エネルギーを貯蔵するためのロック可能手段によって駆動され、その最も下流の位置に戻る、中空シリンダの2つのその後の対向する移動からなる。
【0047】
特定の実施形態では、ポンプユニットは高圧ポンプユニットであり、少なくとも約50バールの圧力で作動するか、または流体を排出するように適合されている。他の好ましい実施形態では、ポンプユニットの動作圧力は、それぞれ少なくとも約10バール、または少なくとも約100バール、または約2バール~約1000バール、または約50バール~約250バールである。本明細書で使用される場合、作動圧力は、ポンプユニットが、医学的に活性な液体の吸入可能な水性液体製剤などの投与される医薬的に活性な液体をそのポンプ室から下流方向に、すなわちノズルに向かって排出する圧力である。これに関連して、「動作するように適合されている」という表現は、ポンプユニットの構成要素が、指定された圧力での動作を可能にするように、材料、寸法、表面の品質および仕上げに関して選択されることを意味する。
【0048】
さらに、そのような高圧ポンプユニットは、位置エネルギーを蓄積するためのロック可能手段が、それぞれの圧力が得られるような力でシリンダの長手方向の推進運動を駆動するのに十分な量のエネルギーを蓄積および放出することができることを意味する。
【0049】
位置エネルギーを蓄積するためのロック可能手段は、引張または加圧ばねとして設計されてもよい。あるいは、金属体またはプラスチック体の他に、気体媒体または磁力利用材料もエネルギー貯蔵手段として使用することができる。圧縮または引張りによって、位置エネルギーが手段に供給される。手段の一端は、適切な位置でハウジングまたはハウジング内に支持されてもよい。したがって、この端部は本質的に不動である。他端は、ポンプ室を備えるポンプユニットの中空シリンダに接続されてもよい。したがって、この端部は本質的に可動であり得る。位置エネルギーを貯蔵するための手段は、十分な量のエネルギーを装填した後にロックすることができ、ロック解除が行われるまでエネルギーを貯蔵することができる。ロック解除されると、手段は、位置エネルギー(例えば、ばねエネルギー)をポンプ室を有するシリンダに解放することができ、ポンプ室はその後、(この場合、長手方向)運動を実行するように駆動される。典型的には、エネルギー放出は急激に起こるため、かなりの量の医学的に活性な液体が放出される前にポンプ室内に高圧が蓄積する可能性があり、これにより圧力が低下する。実際、放出相のかなりの部分の間、位置エネルギーの貯蔵手段によって送達される圧力と、既に放出された医学的に活性な液体の量との平衡が存在する。したがって、医学的に活性な液体の量は、この段階の間、本質的に一定のままであり、これは、文献米国特許出願公開第2005/0039738号明細書、米国特許出願公開第2009/0216183号明細書、米国特許出願公開第2004/0068222号明細書、または米国特許出願公開第2012/0298694号明細書に開示されている装置など、放出のために使用者の手動の力を使用する装置にとって大きな利点であり、これは、手動の力が個々の使用者または患者に依存し、放出段階の間に大きく変化する可能性が非常に高く、不均一な液滴の形成、サイズ、および量をもたらすためである。従来技術とは対照的に、本発明による手段は、吸入装置が高度に再現可能な結果をもたらすことを保証する。
【0050】
さらなる実施形態では、位置エネルギーを貯蔵するための手段はまた、高度に加圧されたガス容器の形態で提供されてもよい。適切な配置およびその反復可能な断続的な作動(すなわち、開口部)によって、ガス容器内に貯蔵されたエネルギーの一部をシリンダに放出することができる。このプロセスは、残りのエネルギーがポンプ室内に所望の圧力を再び構築するのに不十分になるまで繰り返すことができる。この後、ガス容器を補充または交換しなければならない。
【0051】
特定の実施形態では、位置エネルギーを蓄積するためのロック可能手段は、偏向状態で少なくとも10Nの荷重を有するばねである。好ましい実施形態では、位置エネルギーを蓄積する手段は、撓んだ状態で約1N~約500Nの荷重を有する鋼製の圧縮ばねである。他の好ましい実施形態では、鋼製の圧縮ばねは、その撓んだ状態で約2N~約200N、または約10N~約100Nの荷重を有する。
【0052】
1つの好ましい実施形態では、単回用量の薬剤(すなわち、医学的に活性な液体の噴霧エアロゾル)は、1ユニット、すなわち、1回のポンピングサイクルでエアロゾルを生成するためにポンプユニットからノズルに送達される量に含まれる。この場合、使用者または患者は、装置を1回だけプライミングおよび作動させ、放出されたエアロゾルを投与ごとに1回の呼吸操作で吸入する(すなわち、投与事象ごとに)。
【0053】
別の好ましい実施形態では、単回用量の薬剤は2ユニットのエアロゾルからなり、したがって2回のポンピングサイクルを必要とする。典型的には、使用者または患者は、吸入装置をプライミングし、エアロゾルの単位を放出して吸入するように吸入装置を作動させ、次いで手順を繰り返す。あるいは、3つ以上のエアロゾルユニットが単一の投与を構成してもよい。
【0054】
1回のポンピングサイクルで本吸入装置システムのポンプユニットによってポンピングされる流体(例えば、医学的に活性な液体)の体積は、好ましくは、約0.1μL~約1000μL、または約1μL~約250μL、または約2μL~約150μLの範囲であってもよい。特に、体積は、約2μL~約50μL、または約5μL~約25μL、より具体的には約10μL~約20μL、例えば約15μLの範囲であり得る。これらの体積範囲は、吸入装置によって生成されるエアロゾルの1ユニットに含まれる液相の体積とほぼ同じであり、おそらく装置内の液体の微小損失に起因してわずかな差がある。
【0055】
さらなる特定の実施形態では、吸入装置のポンプユニットは、中空シリンダ内に配置された、逆止弁または入口逆止弁とも呼ばれる入口弁を備える。この実施形態によれば、中空シリンダの内部空間、すなわちポンプ室は、入口逆止弁を介して流体リザーバと流体接続される。入口弁は、ポンプ室への液体の流入を可能にするが、交換可能な流体リザーバへの、または交換可能な流体リザーバへの医学的に活性な液体の逆流を防止する。好ましい実施形態では、入口弁の位置は、中空シリンダの内部容積のほぼ全体をポンプ室として機能するために利用可能にするように、シリンダの上流端またはその近くにあってもよい。あるいは、それは、シリンダの上流セグメントおよび下流セグメントを画定するように、中空シリンダの(長手方向の)主軸に沿ってより中央に配置されてもよく、上流セグメントは入口弁の上流にあり、下流セグメントは弁の下流にある。この場合、ポンプ室は下流セグメントに位置する。
【0056】
上述したように、固定または不動ピストンを有するポンプユニットの特定の実施形態の有利な効果の1つは、比較的大きな寸法を有する入口弁がこの位置、すなわちポンプ室の上流端に収容され得ることである。これは、弁内の流体導管の大きな寸法を可能にし、したがって吸入装置のプライミング中にポンプ室の急速な充填に移行する高い流体速度を可能にするので、特に有益である。さらに、可溶性活性成分の高濃度溶液など、吸入のための通常の液体製剤よりも高い粘度を有する医学的に活性な液体の使用が、吸入療法のために実現可能になる。
【0057】
さらなる実施形態では、入口弁は、弁の上流側と下流側、すなわち流体リザーバ側とポンプ室側との間の圧力差が所定の閾値を超えた場合にのみ開くように適合されてもよく、圧力差が閾値を下回る限り閉じたままである。これに関連して、「圧力差」という用語は、絶対圧力値に関係なく、2つの側の間の相対圧力差のみが、バルブがブロックするか開くかを決定するために関連することを意味する。例えば、上流(リザーバ)側の圧力が既に正(例えば、熱膨張による1.01バール)であるが、下流(ポンプ室)側の圧力が周囲圧力(例えば、1.0バール、装置の起動なし)である場合、圧力差(ここでは0.01バール)が閾値の値(例えば、20mbar)を下回っているため、開弁方向に正圧がかかっても弁は閉じたままである。これは、閾値圧力が満たされるまで逆止弁が閉じたままであり、したがって、例えば吸入装置が使用されていないときに、リザーバとポンプ室との間の通路を安全に閉じたままにすることを意味する。閾値圧力差の例は、1から1000mbarの範囲、より好ましくは約10から約500mbarの間、または約1から約20mbarの間である。
【0058】
本吸入装置システムの吸入装置を作動させるとき、位置エネルギーを蓄積する手段がその状態をロック状態からロック解除状態に変化させると、シリンダにその推進長手方向運動を実行させるエネルギーが放出され、ポンプ室内にかなりの圧力が蓄積される。これは、ポンプ室内の高圧および圧力差の閾値を超える流体リザーバの実質的に低い圧力に起因して顕著な圧力差を生成し、その結果、逆止弁が開き、圧力室が交換可能なリザーバからの医学的液体で満たされるようになる。
【0059】
そのような閾値圧力差で動作するように設計され得るバルブタイプは、ばねで予め荷重されたボールバルブである。ばねはボールをその座に押し込み、ばねの力に作用する圧力がばねの力を超える場合にのみ、ボールバルブが開く。その構造に応じて、そのような閾値圧力差で動作することができる他のバルブタイプは、ダックビル弁またはフラップ弁である。
【0060】
閾値の圧力差で動作するそのような弁の利点は、吸入装置がアクティブに使用されるまでリザーバを閉じたままにすることができ、したがって、装置輸送中にカートリッジシステムに貯蔵された医学的に活性な液体の望ましくない飛散、または装置の長期貯蔵中の蒸発を低減することである。
【0061】
さらなる特定の実施形態では、本発明によるシステムの吸入装置は、ライザーパイプから中空シリンダへの液体または空気の戻り流を回避するために、ライザーパイプの内側またはライザーパイプの端部に出口弁をさらに備えてもよい。多くの場合、そのような出口弁の使用が有利であることが判明する。典型的には、ライザーパイプの下流端は、ノズルの近くに配置される。ノズルは、外気と流体連通している。シリンダの長手方向の推進運動によって駆動される、ポンプユニットからノズルを通って送達される医学的に活性な液体の量をエアロゾル化された形態で放出した後、ポンプ室を再充填しなければならない。この目的のために、ポンプ室の内部容積が増加するように、ライザーパイプ上をその以前の上流位置(すなわち、反発的な長手方向の移動を実行する)にスライドして戻る。これに伴い、ポンプ室の内部に相対的な負圧「負圧」(時に「低圧」と呼ばれる)が発生し、ポンプ室の上流に位置する交換可能なリザーバからポンプ室に液体が吸引される。しかし、そのような相対的な負圧はまた、ライザーパイプを通ってノズルの外側まで下流に伝播し、それぞれ空気がノズルまたはノズル開口部を通って装置に吸い込まれることにつながる可能性がある。この問題は、ノズル開口部に向かって開き、反対方向にブロックする出口逆止弁とも呼ばれる出口弁を設けることによって回避することができる。
【0062】
任意選択的に、出口弁は、上記の入口弁の文脈で説明したように、閾値圧力差の下を遮断する(および上で開く)タイプのものである。ばねを備えたボールバルブが使用される場合、ポンプ室の内部圧力と周囲圧力との間の差が閾値圧力差の値を超えると、出口弁が開くように、ばねの力をポンプ室に向けなければならない。そのような弁の利点は、前述のそれぞれの利点に対応する。
【0063】
上述したように、出口弁は、上述したようなライザーパイプ内に配置されてもよい。あるいは、吸入装置は、ライザーパイプ内に一体化されておらず、ライザーパイプの一方の端部またはその近傍、特にその下流端部またはその近傍、例えばライザーパイプとノズルとの間の別個のコネクタまたはその近傍に配置された出口弁を備える。この実施形態は、特定の場合、例えば、弁の一体化を困難にする特に小さい直径を有するライザーパイプが必要な場合に有利であり得る。ライザーパイプの下流に出口弁を収容することにより、比較的大きな直径を有する弁を使用することができ、したがって弁の設計の要件が簡素化される。
【0064】
さらなる代替実施形態では、出口弁は存在しない。この実施形態は、衝突型ノズルの流体チャネルが比較的小さい断面を有することができ、吸入装置のプライミング中に所与の圧力条件で医学的に活性な液体のわずかなまたは非常に遅い逆流をもたらすので、実現可能であり得る。特定の製品用途を考慮して逆流の量が許容可能であると考えられる場合、吸入器の設計は、出口弁を回避することによって単純化され得る。
【0065】
いずれの場合でも、吸入装置が出口弁の有無にかかわらず設計でき、他の装置の特徴に関して説明した他のすべての選択肢および選好は、これらの代替実施形態の両方に適用可能である。
【0066】
本発明の吸入装置システムに含まれる医学的に活性な液体を保持するための交換可能なリザーバは、カートリッジシステムの形態で提供される。本発明のカートリッジシステムは、全体容積Voを有し、本明細書で使用される「全体容積」という用語は、カートリッジシステムの外壁などのそのすべての構成要素を含むカートリッジシステム全体の収容部を意味する。カートリッジシステム全体の全体容積Voは、典型的な実施形態では、約0.1mL~約100mL、または約0.1mL~約50mL、または約0.2mL~約30mL、例えば約2.5mL~約20mL、または約5mL~約15mLの範囲内で選択されてもよい。
【0067】
本発明の交換可能なカートリッジシステムは、上流端および下流端を有し、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分と、特に吸入装置の収容ユニットの接続ユニットを介してカートリッジシステムをポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポートとを備える。
【0068】
本交換可能なカートリッジシステムの容器部分は、典型的な実施形態では、約0.1~約50mL、または約0.1mL~約25mL、または約1mL~約15mL、または約1~約10mL、具体的には約3mL~約6mL、または約6mL~約9mL、より具体的には約4.0mL~約5.0mL、または約7.0mL~約8.0mLの範囲内で選択される有効容積Veを有する。
【0069】
特定の実施形態では、容器部分の接続ポートは、容器部分の下流端に取り付けられたキャップなどのキャップの形態であってもよい。接続ポートは、容器部分の内腔およびその中に収容された医学的に活性な液体への流体接続を確立することを可能にする開口部を有することができる。「有効容積」という用語は、容器部分の外壁またはキャップなどの接続ポートなどのそのすべての構成要素を含む容器部分全体の収容を意味する。容器部分、延長要素などの中空体に関連して本明細書で使用される「腔部」または「内腔」という用語は、そのような内部空間または空洞が前記中空体の外壁によって完全にまたは部分的にのみ囲まれているか否かにかかわらず、そのような中空体の内側の内部空間または空洞を意味する。
【0070】
さらなる特定の実施形態では、本交換可能なカートリッジシステムの容器部分は、可撓性容器の形態であってもよく、または剛性もしくは言い換えれば寸法的に安定した容器の形態であってもよい。本明細書で使用される「剛性」または「寸法的に安定」という用語は、その中に収容された医学的に活性な液体が本吸入装置システムの標準的な動作中に容器から排出されるとき、または換言すれば、医学的に活性な液体の噴霧および投与中にポンプユニットによって容器部分から医学的に活性な液体が引き出されるときに、容器部分がその形状または体積を変化しないことを意味する。本吸入装置システムの特定の実施形態では、本交換可能なカートリッジシステムの容器部分は、寸法的に安定した容器の形態である。さらなる特定の実施形態では、本交換可能なカートリッジシステムの容器部分は、以下でさらに詳細に説明するように、可撓性または折り畳み可能な内側容器を含む寸法安定性容器の形態であり、内側容器は、本発明の吸入装置システムによって投与される医学的に活性な液体を含む。
【0071】
一般に、容器部分は、特に寸法的に安定した形態で提供される場合、容器部分またはそのような容器部分を含む交換可能なカートリッジシステム全体を本吸入装置システムの吸入装置に導入することを可能にする任意の適切な形状を有することができる。特定の実施形態では、適切な形状は、ボトル型または管状または円筒形を含むが、これらに限定されず、対称および非対称の形状を実装することができる。特に、その上流端の中心をその下流端の中心に接続する容器装置またはカートリッジシステムの主要な回転軸に関して、容器装置またはカートリッジシステム全体の軸対称性に関して、これは、容器装置またはカートリッジシステムが特定の向きのみで吸入装置に挿入されてもされなくてもよい有利な実施形態を可能にし得る。しかし、好ましい実施形態では、吸入装置またはカートリッジシステム全体は、容器装置またはカートリッジシステムが長手方向主軸線の周りの回転方向とは無関係に吸入装置に導入され得るように、実質的に円形の断面形状を有してもよい。
【0072】
さらなる実施形態では、容器部分は、貯蔵および投与される医学的に活性な液体を充填または排出するために、好ましくはその下流端に(主要な)開口部を有するボトルの形態であってもよい。しかし、容器部分は、例えば換気目的のためのさらなる(小さな)開口部を備えてもよいことに留意されたい。
【0073】
さらなる特定の実施形態では、本交換可能なカートリッジシステムの延長要素は、剛性の、言い換えれば寸法的に安定した容器または中空体の形態であってもよい。延長要素に関連して本明細書で使用される「剛性」または「寸法的に安定」という用語は、延長要素が、本吸入装置システムの標準的な動作中に、または換言すれば、医学的に活性な液体の噴霧および投与中にポンプユニットによって容器部分から引き出されるときに、その形状または体積を変化させないことを意味する。本吸入装置システムの特定の実施形態では、本交換可能なカートリッジシステムの延長要素は、寸法的に安定した中空体または容器の形態である。
【0074】
さらなる特定の実施形態では、本交換可能なカートリッジシステムの容器部分、および延長要素の両方は、寸法的に安定した形態、例えば寸法的に安定した容器要素または中空体の形態で提供される。
【0075】
一般に、容器部分および延長要素の両方は、特に寸法的に安定した形態で提供される場合、容器部分またはそのような容器部分を含む交換可能なカートリッジシステム全体を本吸入装置システムの吸入装置に導入することを可能にする任意の適切な形状を有することができる。特定の実施形態では、適切な形状は、ボトル型または管状または円筒形を含むが、これらに限定されず、対称および非対称の形状を実装することができる。特に、その上流端の中心をその下流端の中心に接続する容器装置またはカートリッジシステムの主要な回転軸に関して、容器装置またはカートリッジシステム全体の軸対称性に関して、これは、容器装置またはカートリッジシステムが特定の向きのみで吸入装置に挿入されてもされなくてもよい有利な実施形態を可能にし得る。しかし、好ましい実施形態では、吸入装置またはカートリッジシステム全体は、容器装置またはカートリッジシステムが長手方向主軸線の周りの回転方向とは無関係に吸入装置に導入され得るように、実質的に円形の断面形状を有してもよい。
【0076】
さらなる実施形態では、容器部分は、貯蔵および投与される医学的に活性な液体を充填または排出するために、好ましくはその下流端に(主要な)開口部を有するボトルの形態であってもよい。しかし、容器部分は、例えば換気目的のためのさらなる(小さな)開口部を備えてもよいことに留意されたい。
【0077】
さらなる特定の実施形態では、延長要素および容器部分は、互いに独立して、特に上述のように寸法的に安定した形態で提供される場合、少なくとも1つの弾性部分を含む容器または中空体の形態で提供されてもよい。この文脈において本明細書で使用される「弾性」という用語は、延長要素および/または容器部分の容器または中空体の少なくとも一部が、特にそのような容器または中空体の外壁に外力を加えることによって可逆的に変形することができ、それによって、一時的に変形した容器または中空体が、延長要素または容器部分に加えられた外力の除去後にその元の形状に弛緩して戻ることを意味する。例えば、容器部分および/または延長要素は、寸法的に安定した形態で提供されてもよく、例えば容器部分および/または延長要素のそのような部分または領域を手動で圧迫することによって、使用者によって変形され得る部分または領域を含んでもよい。これは、例えば、以下でさらに詳細に説明するように、延長要素を容器部分に取り付けるために有用であり得る。
【0078】
特定の実施形態では、容器部分および延長要素は、寸法的に安定した形態で提供され、少なくとも1つの弾性部分を含む。他の実施形態では、容器部分および延長要素の両方は、寸法的に安定した形態で提供され、容器部分または延長要素のみが少なくとも1つの弾性部分を含む。好ましくは、容器部分および延長要素は、寸法的に安定した形態で提供され、延長要素のみが少なくとも1つの弾性部分を備える。しかし、さらなる実施形態では、容器部分および延長要素は、寸法的に安定した形態で提供され、容器部分のみが少なくとも1つの弾性部分を含む。
【0079】
特定の実施形態では、交換可能なリザーバの容器部分は、医学的に活性な液体を保持し、最大内部容積Viを有する内側容器を含むことができる。容器部分に関連して本明細書で使用される「内部容積」(Vi)という用語は、液体、具体的には本発明による吸入装置システムによって投与される医学的に活性な液体で(部分的にまたは完全に)充填することができる容器部分の総内部容積を意味する。したがって、医学的に活性な液体で完全に充填された容器部分の内部容積Viは、そのような完全に充填された容器部分に含まれる医学的に活性な液体の容積に対応する。典型的な実施形態では、最大内部容積Viは、容器部分の有効容積Veにほぼ対応し、好ましくは0.1~約15mL、または約1~約10mL、具体的には約3mL~約6mL、または約6mL~約9mL、より具体的には約4.0mL~約5.0mL、または約7.0mL~約8.0mLの範囲内で選択されてもよい。しかし、さらなる実施形態では、任意選択の内側容器の最大内部容積Viは、容器部分の有効容積Veよりも小さくてもよく、その結果、容器部分の管腔全体が任意選択の内側容器で充填されない状況が生じる。
【0080】
例えば、リザーバの容器部分に収容され得る内側容器は、可撓性または弾性壁などによって折り畳み可能に設計されてもよい。そのような設計の効果は、リザーバを漸進的に空にすることを含む装置の繰り返し使用時に、可撓性または弾性の壁が座屈しまたは折り畳まれてリザーバの内部容積を減少させ、その結果、一定量の液体の抽出に必要な負圧が使用期間にわたって実質的に増加する必要がないことである。特に、交換可能なリザーバの任意選択の内側容器は、折り畳み式バッグとして設計されてもよい。折り畳み式バッグの利点は、リザーバ内の圧力が充填レベルとほとんど無関係であり、熱膨張の影響がほとんど無視できることである。また、そのようなリザーバタイプの構造はかなり単純であり、既に十分に確立されている。しかし、さらなる実施形態では、内側容器は、内部に貯蔵された医学的液体の投与中の周囲雰囲気との圧力平衡が、入口弁または可動ピストンなどの他の手段によって達成される非可撓性または剛性の形態を有してもよい。
【0081】
本発明の吸入装置システムのカートリッジシステムは、追加の容積Vaを有する延長要素をさらに備える。好ましい実施形態では、容器部分の有効容積Veと延長要素の追加の容積Vaとの和は、上記のようなカートリッジシステムの全体容積Voに等しく、具体的には以下でさらに詳細に説明するように組み立てられた状態にある。特定の実施形態では、有効容積Veは、容器部分の内部容積全体に対応し、追加の容積Vaは、延長要素の内部容積全体に対応する。典型的な実施形態では、延長要素の追加の容積Vaは、カートリッジシステムの特定の全長Loおよび容器部分の選択された有効容積Veを考慮して、必要に応じて約0.1mL~約100mLの範囲内で選択されてもよい。特定の実施形態では、延長要素の追加の容積Vaは、約0.1mL~約25mL、または約0.1mL~約10mL、または約0.2mL~約5.0mL、または約0.5mL~約3.5mLの範囲内で選択されてもよい。延長要素は、容器部分の外面に取り付けられてもよく、より具体的には、以下でさらに詳細に説明するように、容器部分の外面に取り付けられる。
【0082】
さらなる実施形態では、交換可能なカートリッジシステムは、組み立てられた状態、または換言すれば、容器部分がカートリッジシステムの延長要素に取り付けられた状態で、カートリッジシステムの上流端から下流端まで測定される交換可能なカートリッジシステムの長さに対応する全長Loを有する。さらなる実施形態では、容器部分は、容器部分の上流端から下流端まで測定した有効長さLeを有する。さらに別の実施形態では、延長要素は、延長要素の上流端から下流端まで測定した長さLa(追加の長さ)を有する。典型的な実施形態では、容器部分の有効長さLeは、約0.5cm~約20cm、または約1cm~約15cm、または約2.5cm~約10cm、または約4.0cm~約8.0cmの範囲内で選択されてもよい。さらに典型的な実施形態では、容器部分の追加の長さの追加の長さLaは、約0.5cm~約19.5cm、または約1.5cm~約10cm、または約2.5cm~約5.0cmの範囲内で選択されてもよい。
【0083】
特定の実施形態では、組み立てられた状態、すなわち、延長要素が容器要素の外面に取り付けられたまたは取り付けられた状態では、結果として得られる交換可能なカートリッジシステムの全長Loは、容器部分の有効長さLeと延長要素の追加の長さLaとの合計に等しい。さらに、カートリッジシステムの要素の関連する長さおよび体積は、組み立てられた状態の対応する値として理解されるべきであることを指摘しておくべきである。分解された状態では、これらの値は、以下でさらに詳細に説明するように、要素を互いに取り付けるために必要であり得る任意の追加の構成要素または構造に起因して異なり得る。
【0084】
特定の実施形態では、吸入装置の収容ユニットは、上述したように、交換可能なカートリッジシステムを受け取り、または完全に受け取り、流体接続するように適合されてもよい。これらの場合、収容ユニットは、好ましくは、規定の全長Loおよび全体容積Voを有する交換可能なリザーバを収容するように適合され、交換可能なリザーバは、上述のように規定の全長Loおよび全体容積Voを有するカートリッジシステムの形態で提供される。これらの場合、交換可能なリザーバは、有効長さLeを有する容器部分と、追加の長さLaを有する延長要素とを備え、容器部分の有効長さLeと延長要素の追加の長さLaとの合計は、(組み立てられた状態の)カートリッジシステムの全長Loに等しいことが有利であり得る。
【0085】
これにより、組み立てられた状態のカートリッジシステムの全長Loが、吸入装置の収容ユニットに導入され、吸入装置の収容ユニットによって受容され得るカートリッジシステムの全長に対応する限り、容器部分Leの長さおよび延長要素Laの長さを、必要とされる特定の有効容積に応じて変えることができる交換可能なカートリッジシステムの使用が可能になる。これは、異なる医学的に活性な液体または異なる量の特定の医学的に活性な液体を保持するカートリッジシステムなど、同じ全長Loを有するが、特定の有効長さLeを有する容器部分と延長要素の特定の追加の長さLaを有する延長要素との異なる組み合わせを有する異なるカートリッジシステムで吸入装置を使用できる場合に特に有利であり得る。これらの場合、貯蔵される医学的に活性な液体の個々の量に応じて有効容積Veの適合を可能にするカートリッジシステムを提供することが有利であり得る。さらに、投与される医学的に活性な液体またはその量に応じて自由に選択することができる有効容積を有するカートリッジシステムを受け入れる可能性を提供する吸入装置システムおよび対応する吸入装置を提供することが有利であり得る。
【0086】
上述したように、延長要素は、容器要素の外面に取り付けられてもよい。本明細書で使用される「に取り付けられる」または「に固定される」という用語は、標準的な動作時に互いに対するそれらの動きを実質的に防止するように、それぞれの部分が互いに取り付けられるまたは固定されることを意味する。言い換えれば、互いに固定された、または取り付けられた2つの部分は、一緒にのみ移動可能で、互いに対して、標準的な使用条件では移動不能または不動であってもよい。延長要素が容器部分に取り付けられているかまたは固定されている場合、これは、得られたカートリッジシステムが、カートリッジシステムを分解することなく、少なくとも吸入装置の収容ユニットに導入され得ることを意味する。
【0087】
特定の実施形態では、カートリッジシステムの延長要素は、容器部分の外面に恒久的に取り付けられる。本明細書でこの文脈で使用される「恒久的に取り付けられた」または「恒久的に固定された」という用語は、2つの構成要素間の恒久的な物理的接続を破壊することなく、2つの構成要素を互いに取り外したり除去したりすることができないように、延長要素が容器要素に取り付けられるまたは固定されることを意味し、その結果、さらなる技術的手段、器具または他の補助なしに接続を回復することはできない。例えば、恒久的な接続は、接着、溶接、またははんだ付け(金属部分の場合)によって達成されてもよい。
【0088】
代替的な特定の実施形態では、カートリッジシステムの延長要素は、容器部分の外面に除去可能に取り付けられる、言い換えれば取り外し可能に取り付けられる。本明細書で使用される「除去可能に取り付けられた」または「取り外し可能に取り付けられた」という用語は、容器部分と延長要素との間の物理的接続が、さらなる技術的手段、器具または他の補助を使用することなく、使用者によって確立および解放され得ることを意味する。特定の実施形態では、容器部分と延長要素との間の接続は、1回だけ確立および反転することができる。代替的な実施形態では、容器部分と延長要素との間の接続を確立し、繰り返し逆転させることができる。さらなる特定の実施形態では、延長要素は、延長要素または容器部分またはその両方を損傷または破壊することなく容器部分から取り外すことができ、その結果、以下でさらに詳細に説明するように、延長要素と容器部分との間の接続を再確立することができる。
【0089】
特定の実施形態では、延長要素は、本発明のカートリッジシステムを形成するために、外面の一部のみに、または容器部分の外面に配置された接続構造(粘着性または接着領域、ねじ山または面ファスナ要素など)に固定するまたは取り付けられてもよい。より具体的な実施形態では、延長要素は、特に容器部分が貯蔵および投与される医学的に活性な液体を充填または排出するため(主)開口部を好ましくはその下流端に有するボトルの形態で提供される場合、容器部分の上流端に位置する容器部分の外面の一部に取り付けられるまたは固定されてもよい。
【0090】
特定の実施形態では、延長要素は、スナップフィット接続などの圧入または形状嵌合接続によって容器部分の外面に取り付けられる。これらの場合、容器部分および延長要素の両方は、形状嵌合またはスナップフィット接続の確立を可能にするリングまたは突起または対応する窪みなどの対応する構造または要素を含む。そのような圧入、形状嵌合またはスナップフィット接続を確立または反転させるのに必要な物理的な力に応じて、そのような接続は、恒久的または可逆的であってもよく、言い換えれば、上述のように取り外し可能であってもよい。延長要素とカートリッジシステムの容器部分との間のほぼ可逆的で非恒久的な接続の場合、容器部分の外面から延長要素を取り外して除去するのに必要な力は、カートリッジシステムを吸入装置の収容ユニットから除去するのに必要な力よりも高いことが有利であり得る。これにより、例えば、特にカートリッジシステムが吸入装置の上流端から吸入装置の長手方向主軸線に沿って下流方向に導入または挿入され得る場合に、カートリッジシステムを吸入装置の収容ユニットから引き出すことによって、カートリッジシステムを吸入装置の収容ユニットから取り外すことが可能になる。
【0091】
しかし、代替的な実施形態では、延長要素を容器部分から取り外すのに必要な力は、カートリッジシステムを吸入装置の収容ユニットまたは接続ユニットからそれぞれ取り外すのに必要な力よりも低いことが有益であり得る。これにより、容器部分が吸入装置の収容ユニット内に留まる、収容ユニットからの延長要素の選択的な取り外しが可能になる。
【0092】
さらなる例示的な実施形態では、延長要素と容器部分との間の接続は、取り外し可能な接着剤、磁力、面ファスナ、ねじ、ねじ山、ルアー型ロックなどの他の可逆的な締結手段または材料によって確立されてもよい。しかし、これらの実施形態では、容器部分および/または延長要素は、可撓性部分を有することなく、寸法的に安定した形態で提供されることが有利であり得る。
【0093】
特定の実施形態では、(組み立てられた状態の)本吸入装置システムの交換可能なカートリッジシステムは、カートリッジシステムの下流端に位置する容器部分の接続ポートと、カートリッジシステムの反対側の上流端に位置するカートリッジシステムの底部とを接続する中心長手方向軸を有する略円筒形状を有してもよい。
【0094】
さらなる特定の実施形態では、容器部分は、上流端および下流端を有し、容器部分の接続ポートは、容器部分の下流端に位置してもよく、延長要素は、好ましくは圧入、形状嵌合またはスナップフィット接続によって、容器部分の上流端に取り付けられてもよい。
【0095】
カートリッジシステムの容器部分は、特定の実施形態では、ポリマー材料から、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリスチレンなどの熱可塑性ポリマーから作製または製造することができる。代替的な実施形態では、容器部分は、ステンレス鋼、アルミニウムまたは他の適切な金属またはそれらの混合物などの金属で作製されてもよい。しかし、好ましい実施形態では、容器部分は、ポリエチレンまたはポリプロピレン、好ましくはポリプロピレンで作られる。しかし、好ましくはキャップの形態の接続ポートなどの容器部分の別個の構造は、上述したのと同じまたは別の金属または非金属材料から形成されてもよいことに留意されたい。
【0096】
カートリッジシステムの延長ユニットは、特定の実施形態では、特に容器部分の上流端および延長要素の下流端に関して、カートリッジシステムの容器部分と実質的に同じ断面直径を有することができ、これは、特に2つの要素が形状嵌合、圧入、またはスナップフィット接続によって互いに取り付けまたは固定される場合に有益である。しかし、例えば、容器部分が延長要素の(例えば、下流端)の開口部への導入(例えば、容器部分の上流端の)によって延長要素に取り付けまたは固定される場合に、容器部分が延長要素よりも小さい断面の直径を有するさらなる実施形態が可能である。さらなる実施形態では、例えば、容器部分が容器部分の(例えば、上流端)の開口部への導入(例えば、延長要素の下流端の)によって延長要素に取り付けまたは固定される場合、容器部分が延長要素よりも大きい断面の直径を有する反対の構成が可能である。
【0097】
一般に、カートリッジシステムは、対称または非対称の断面形状を有してもよい。カートリッジシステムが特定の向きでのみ吸入装置の収容ユニットに導入または収容され得ることが重要であり得る場合、非対称断面が有利であり得る。一方、特に、例えば乳児または障害のある使用者のためのカートリッジシステムの挿入を容易にするために、カートリッジシステムは、円形断面(下流端を交換可能なカートリッジシステムの上流端と接続する主要の中心軸に垂直)などの対称的な断面を有することが有益であり得る。したがって、特定の実施形態では、カートリッジシステムの延長要素および容器部分の両方は、円形断面を有する。さらなる実施形態では、容器部分および/または延長要素は、組み立て後に円筒形カートリッジをもたらす全体にわたって一定の直径を有してもよい。しかし、代替的な実施形態では、容器ユニットおよび/または延長要素は、特に延長要素の上流端に向かって直径が広がることができる延長要素の場合、様々な直径を有する他の円筒形状を有することができる。
【0098】
特定の実施形態では、カートリッジシステムの延長要素もまた、上流端(すなわち、カートリッジシステムの上流端に対応する)および下流端を有し、下流端に開口部を有してもよく、開口部は、容器部分の上流端の外径に対応する内径を有する。上で概説したように、特に、延長要素が形状嵌合またはスナップフィット接続によって容器部分に取り付けられる場合、対応する突起または窪みのような追加の構造が、接触面に設けられることが有益であり得る。延長要素が圧入接続によって容器部分に取り付けられるさらなる実施形態では、そのような追加の構造が存在しないことが有益であり得る。例えば、容器部分の上流端が延長要素の下流端の対応する開口部に導入される場合、そのような開口部は、容器部分の(上流端)の外径と一致する内径を有する。
【0099】
延長要素は、特定の実施形態では、容器要素について上述したのと同じ材料から、または異なる材料から作製されてもよい。しかし、どちらの場合も、延長要素は、ポリマー材料、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリスチレンなどの熱可塑性ポリマーで作られてもよい。特定の実施形態では、ポリエチレンまたはポリプロピレン、特にポリプロピレンを使用することが有利であり得る。
【0100】
カートリッジシステムの延長要素は、特定の実施形態では、中空空間または内腔を有する中空体であってもよく、または内部空間のない充填体であってもよい。しかし、好ましい実施形態では、カートリッジシステムの延長要素は、内部に収容された少なくとも1つの内部空間または空洞を有する中空体であってもよい。これらの場合、特に容器部分が(実質的に)密閉容器の形態で提供され、延長要素が中空の内部空間を有する中空体の形態で提供される場合、得られるカートリッジシステムは、本吸入装置システムの異なる構成要素の貯蔵を可能にするカートリッジシステム内の少なくとも2つの別個の空間または区画を含む。さらに、さらなる実施形態では、例えば、延長要素が2つまたは複数の別個の中空空間または空洞を含むことが可能である。
【0101】
特定の実施形態では、少なくとも1つの内部空間または空洞は、機能的または非機能的な性質のさらなる要素を含んでもよい。この文脈で本明細書で使用される「機能要素」という用語は、本吸入装置システムによって分注される医学的に活性な液体の貯蔵以外に、延長要素またはカートリッジシステムに必要な要素、または延長要素またはカートリッジシステムの機能を生成することを可能にする要素を意味する。
【0102】
特定の実施形態では、延長要素は、その中に機能要素が含まれていない中空体であってもよい。しかし、代替的な実施形態では、カートリッジシステムの延長要素は、延長要素の内部空間内に収容された1つまたは複数の機能要素を含んでもよい。例示的な非限定的な実施形態では、そのような機能要素は、インジケータデバイス、ブロック機構、ブルートゥース(登録商標)インターフェースなどの電子インターフェース、電子コーディングシステム、電子データロガー、RFIDタグまたはチップなどのコーディング要素、圧力リザーバ、命令手段、視覚化要素、電気機械インターフェース、ディスプレイなどからなる群から選択されてもよい。特に、延長要素の内部空間または空洞がインジケータ装置、ブロック要素、または同等の機能を含む場合、前記内部空間は、ギアユニットなどの機械的要素、駆動軸などの駆動要素、歯車、押しボタンなどを含むことができる。これは、延長要素の内部空間または内腔に対応する空間または容積の効果的な使用を可能にし、多くの場合、好ましくは手持ち式の吸入装置システムの全体サイズを拡大する必要なしに、吸入装置システムへのさらなる機能の導入を可能にする。
【0103】
一方、特に、延長要素が滅菌中に反応性ガスまたは放射線への曝露などの潜在的に損傷する条件にさらされる可能性がある場合には、延長要素が機能要素を含まないことが有利であり得る。したがって、特定の実施形態では、カートリッジシステムの延長要素は、機能要素、特に電子デバイスまたはインターフェースを含まない。さらなる特定の実施形態では、延長要素は、吸入装置または交換可能なリザーバの使用回数をカウントするためのインジケータ装置を含まないか、または収容しない。
【0104】
上述の好ましい実施形態では、延長要素は、片側、具体的には延長要素の下流端に開口する内部空間または内腔を有する中空体であり、投与される医学的に活性な液体を保持する容器要素に恒久的または取り外し可能に固定または取り付けられるように適合される。したがって、特定の実施形態では、延長要素、より具体的には延長要素の内部空間は、医学的に活性な液体または投与される別の化合物を含まない。さらなる特定の実施形態では、カートリッジシステムの延長要素は、容器部分の外面に取り付けられたときに、延長要素の内部空間または内腔を周囲大気に接続するための通気開口部を有する。特に、カートリッジシステムが医学的に活性な液体で充填される前に滅菌される場合、これは、カートリッジシステムとして、またはより具体的には、容器部分および延長要素は、特に滅菌がエチレンオキシド、オゾン、または滅菌に適した他のガスなどの反応性ガスへの曝露によって行われる場合に、容器部分への医学的に活性な液体の充填前に互いに組み立てられ、または取り付けられ、または固定され得るので有利であり得る。したがって、特定の実施形態では、カートリッジシステムに医学的に活性な液体を充填する前に、容器部分および延長要素を組み立てて滅菌する。
【0105】
上記で概説したように、カートリッジシステムは、容器部分の有効容積Veおよび延長要素の追加の容積Vaを有する。例示的な実施形態では、延長要素の追加の容積Vaに対する容器部分の有効容積Veの比は、約20:1から約1:20、具体的には約10:1から約1:10、または約5:1から約1:5、または約2.5:1から約1:2.5、または約2:1から約1:1の範囲である。上記でも概説したように、カートリッジシステムは、容器部分の有効長さLeおよび延長要素の追加の長さLaを有する。例示的な実施形態では、容器部分の有効長さLeと延長要素の追加の長さLaとの比は、約20:1から約1:20、具体的には約10:1から約1:10、または約5:1から約1:5、または約2.5:1から約1:2.5、または約2:1から約1:1の範囲である。
【0106】
本吸入装置システムのさらなる利点は、容器部分および延長要素を含み、全長Loおよび容積Voを有するカートリッジシステムを、同じ全長Loおよび容積Voを有するが、延長要素を含まない、対応する(標準的な)カートリッジ、すなわち容器要素のみを含むカートリッジに、置き換えることができることである。このモジュール式の設計は、本吸入装置システム、より具体的には、本システムの吸入装置の適合性に関して最大の柔軟性を可能にし、本吸入装置は、取り外し可能または取り外し不能な延長要素を有さない規定の長さおよび容積の標準的な交換カートリッジと共に使用されても、されなくてもよい。したがって、本吸入装置システムの特定の実施形態では、カートリッジシステムは、延長要素のないカートリッジシステムに置き換えることができる。
【0107】
さらなる実施形態では、交換可能なカートリッジシステムはまた、吸入装置のハウジング、より具体的には、ハウジングの一部に取り付けられてもよい。例えば、カートリッジシステムは、ハウジングの取り外し可能な下部に取り付けまたは固定されてもよい。より具体的には、交換可能なカートリッジシステムは、延長要素を介してハウジングの下部に取り付けられてもよい。この接続は、例えば、延長要素の外面とハウジングの内面、特にハウジングの取り外し可能な下部の内面との間に確立されてもよく、「内面」という用語は、ハウジングまたは吸入装置の内部に面する表面を意味する。交換可能なカートリッジシステムとハウジング、具体的にはハウジングの下部との間の任意選択の接続であって、カートリッジシステムの延長要素は、恒久的または取り外し可能な接続であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、カートリッジシステムの延長要素は、上述のような圧入または形状嵌合接続などによって、吸入装置のハウジングに、取り外し可能に取り付けられてもよい。代替的な実施形態では、カートリッジシステムの延長要素は、ハウジング、好ましくはハウジングの取り外し可能な部分、に恒久的に取り付けられる、または固定されてもよい。
【0108】
しかし、好ましい実施形態では、延長要素は、吸入装置のハウジングに取り外し可能に取り付けられてもよい。これは、特定の延長要素、すなわち特定の追加の長さおよび容積を有する延長要素の、所与のサイズの容器部分に適合するために必要とされ得るような異なる追加の長さおよび体積を有する別の延長要素による交換を可能にするので、有利であり得る。この場合も、これにより、内部に貯蔵される医学的に活性な液体の量および性質に適合した異なるカートリッジシステムおよび容器部分で動作することができる本吸入装置システムのモジュール式設計が可能になる。
【0109】
延長要素が容器ユニットおよびハウジング、具体的にはハウジングの取り外し可能な下部の両方に取り外し可能に取り付けられるさらに好ましい実施形態では、延長要素を容器部分から取り外すのに必要な力、および延長要素をハウジングから取り外すまたは接続解除するのに必要な力が、カートリッジシステムを吸入装置の収容部から取り外すのに必要な力よりも大きいことが有利であり得る。これにより、ハウジングの取り外し可能な部分を1回の操作で吸入装置から取り外すことによって、カートリッジシステム全体を収容ユニットから取り外すことが可能になる。
【0110】
しかし、代替的な実施形態では、延長要素をハウジングから取り外すまたは接続解除するのに必要な力が、延長要素を容器部分から取り外すのに必要な力、およびカートリッジシステムを吸入装置の収容ユニットから取り外すのに必要な力よりも低いことも、有利であり得る。これにより、カートリッジシステムを吸入装置の収容ユニットから取り外すことなく、ハウジングの取り外し可能な部分を吸入装置から取り外すことが可能になる。さらなる代替の実施形態では、拡張ユニットを容器部分から取り外すのに必要な力は、容器部分を収容ユニットの接続ユニットから取り外すのに必要な力、および拡張ユニットをハウジングの取り外し可能な部分から分離するまたは接続解除するのに必要な力よりも小さいことが有利であり得る。これらの実施形態では、拡張ユニットと共に、しかし吸入装置の場合、収容ユニットから容器部分を取り外すことなく、ハウジングの取り外し可能な部分を取り外すことが可能である。
【0111】
第2の態様では、本発明は、噴霧用の医学的に活性な液体を保持するための交換可能なカートリッジシステムであって、本発明の第1の態様による吸入装置システムにおいて使用するために好ましくは適合されており、カートリッジシステムは、全体容積Voを有し、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分と、カートリッジシステムを吸入装置のポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニットとを備え、カートリッジシステムは、追加の容積Vaを有する延長要素をさらに備え、延長ユニットは、容器部分の外面に取り付けられる、カートリッジシステムを提供する。本発明のこの第2の態様の好ましい実施形態では、容器部分の有効容積Veと延長要素の追加の容積Vaとの和は、(組み立てられた状態の)カートリッジシステムの全体容積Voに等しい。
【0112】
特定の実施形態では、本発明のこの第2の態様の交換可能なカートリッジシステムは、本発明の第1の態様による吸入装置システムに含まれる交換可能なリザーバとして特に適している。
【0113】
本発明の第1の態様に関連して上述したすべての実施形態、特徴および範囲、ならびにすべての好ましい特徴、実施形態、範囲、ならびにそれらの組み合わせは、本発明の第2の態様ならびにそれに応じた本発明のすべてのさらなる態様に適用または組み合わせられ得ることに留意されたい。
【0114】
第3の態様では、本発明は、全体容積Voを有する、カートリッジシステムの形態、具体的には本発明の第2の態様の交換可能なカートリッジシステムの形態の、本発明の第1の態様の吸入装置システム用の交換可能なリザーバを提供するための方法であって、
a)カートリッジシステムを吸入装置システムのポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポート(好ましくはキャップの形態)を備える、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分を提供するステップ、
b)追加の容積Vaを有する延長要素を提供するステップであって、好ましくは、容器部分の有効容積Veと延長要素の追加の容積Vaとの合計が、(組み立てられた状態の)カートリッジシステムの全体容積Voに等しい、提供するステップ、および
c)延長要素を容器部分の外面に取り付けるステップ、を含む方法に関する。
【0115】
本発明のこの態様の方法のステップa)によれば、カートリッジシステムを吸入装置システムのポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポート(好ましくはキャップの形態)を備える、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分が提供される。
【0116】
本発明のこの第3の態様の好ましい実施形態では、容器部分は、寸法的に安定した容器の形態で、より具体的には、下流端に接続ポート(カートリッジシステムを吸入装置システムのポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合されている)を有する安定した中空体または容器の形態で提供され、容器の反対側の上流端に、解放可能または恒久的に、好ましくは延長要素に解放可能に接続するように適合された表面部分を有する。
【0117】
ステップb)によれば、追加の容積Vaを有する延長要素が提供され、好ましくは、容器部分の有効容積Veと延長要素の追加の容積Vaとの合計が、(組み立てられた状態の)カートリッジシステムの全体容積Voに等しい。
【0118】
本発明のこの態様のさらなる実施形態では、延長要素は、寸法的に安定した中空体の形態で提供され、好ましくは、延長要素の下流端に開口部または他の接続手段を有する。本発明の第1の態様の吸入装置システムに関連して上で詳細に説明したように、延長要素は、例えば、解放可能または恒久的に、好ましくは容器部分に解放可能に接続するように適合された締結手段を有する開口部または別の表面領域を有することができる。好ましい実施形態では、この開口部または他の締結手段は、延長要素の下流端に配置される。
【0119】
本発明のこの態様のステップc)によれば、延長要素は、容器部分の外面に取り付けられる。特定の実施形態では、延長要素は、例えば、延長要素の表面の開口部または他の接続手段を、容器部分の対応する表面部分または接続手段と接触させることによって、容器部分の外面に解放可能に取り付けられる。特定の実施形態では、延長要素の締結手段は、対応する締結手段または容器部分の外面に、手動で押圧されてもよい。しかし、代替的な実施形態では、延長要素は、容器部分の外面の対応するねじ山にねじ込まれてもよい。
【0120】
さらなる特定の実施形態では、本発明のこの態様の方法は、ステップa)の後に追加のステップa1)をさらに含み、その後にステップb)が続く:
【0121】
a1)本発明の第1の態様の吸入装置システムの収容ユニットに容器部分を導入し、任意選択的に、容器部分の接続ポートを吸入装置システムのポンプユニットに接続するステップ。
【0122】
この実施形態では、本方法は、ステップb)に続く追加のステップb1)と、それに続くステップc)とをさらに含む。
b1)延長要素を吸入装置の収容ユニットに導入するステップをさらに含む。
【0123】
図面の詳細な説明
図1は、吸入装置(20)と、吸入装置に挿入されるカートリッジシステム(30)(カートリッジシステムの異なる要素は図示せず)の形態の交換可能なリザーバとを備える吸入装置システム(10)を示す。吸入装置(20)は、下部(22)を有するハウジング(21)を有し、下部は、吸入装置(20)から分離して取り外してハウジング(21)を開き、交換可能なカートリッジシステム(30)を挿入することができる収容ユニット(23)へのアクセスを可能にすることができる。収容ユニット(23)は、交換可能なリザーバの接続ポート(32)に解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニット(24)をさらに有する。
【0124】
吸入装置(20)は、医学的に活性な液体を噴霧するために吸入装置の下流端に配置されたノズル(25)をさらに有する。吸入装置は、ハウジング(21)内に配置されたポンプユニット(40)をさらに有する。上記で詳細に説明したように、ポンプユニットは、リザーバ(収容ユニット(23)の接続ユニット(24)を介して)およびノズル(25)に流体接続され、リザーバ(30)からノズル(25)へと下流方向に医学的に活性な液体をポンピングするように適合される。
【0125】
ポンプユニット(40)が、交換可能なリザーバ(30)に流体接続された上流端(41)、ノズル(25)に流体接続された下流端(42)を有し、ポンプユニット(40)は、(i)上流端(44)を有するライザーパイプ(43)であって、ポンプユニット(40)内のピストンとして機能するように適合され、ハウジング(21)に対して不動であるように、ハウジング(21)の使用者に向く(下流)側にしっかりと固定される、ライザーパイプ(43)、および(ii)ライザーパイプ(43)の上流に位置する中空シリンダ(45)であって、ライザーパイプ(43)の上流端は、シリンダ(45)がライザーパイプ(44)上で長手方向に移動可能であるように、シリンダ(45)内に挿入されている、中空シリンダ、をさらに備える。
【0126】
図1にまた示すように、ポンプユニット(40)は、(iii)ロックされたときに位置エネルギー(46)を貯蔵し、ロック解除されたときに貯蔵エネルギーを放出するためのロック可能手段であって、手段(46)は、シリンダ(41)の外側に配置され、シリンダ(45)に機械的に結合され、手段(46)のロックを解除すると、ポンプユニット(42)の下流端に向かってシリンダ(45)が長手方向に推進運動するようになる。
【0127】
図2は、吸入装置システム(10)は、同じ吸入装置(20)と共に示されているが、異なる角度から見ており、
図1について説明した要素の参照符号は部分的に省略されている。本明細書で分かるように、吸入装置のハウジング(21)は、閉状態にあるときに、下流端(27)、言い換えれば、ハウジングの使用者に向く側に配置され、それを覆うキャップ(26)を備える。ハウジング(21)は、吸入装置の反対側の上流端に位置する取り外し可能な下部(22)をさらに有する。ハウジングの取り外し可能な下部(22)は、吸入装置から取り外されると、カートリッジシステム(30)を長手方向主軸線(A)に沿った移動によって挿入するまたは取り外すことができる収容ユニット(23)へのアクセスを可能にする。
図4を参照されたい。
【0128】
図2にまた示すように、カートリッジシステムという形態の交換可能なリザーバ(30)は、キャップの形態の接続ポート(32)を有する容器部分(31)を有する。容器部分(31)はまた、医学的に活性な液体を保持することができる可撓性バッグなどの内側容器(図示せず)を有することができる。接続ポート(32)は、カートリッジシステム(30)をポンプユニット(40)に解放可能かつ流体接続するように適合される。吸入装置システム(10)のカートリッジシステム(30)は、容器部分(31)の外面、より具体的には容器部分の上流端(34)に取り付けられた延長要素(33)をさらに備える。
図2から分かるように、容器部分(31)の有効長さL
eと延長要素(33)の追加の長さL
aとの和は、図示のように組み立てられた状態のカートリッジシステム(30)の全長L
oに等しく、この場合、
図1に示すカートリッジの全長に対応する。
図2にもまた示すように、容器部分(31)は有効容積V
eを有し、延長要素(33)は追加の容積V
aを有し、容器部分(31)の有効容積V
eと延長要素(33)の追加の容積V
aとの和は、組み立てられた状態のカートリッジシステム(30)の全体容積V
oに等しい。さらに、(
図1のように)
図2は、中空シリンダの上流端に位置する入口逆止弁(47)を示す。
【0129】
図3は、分解状態または組み立て前の交換可能なカートリッジシステム(30)の側面図をそれぞれ示す。カートリッジシステム(30)は、容器部分(31)の下流端(35)に配置され取り付けられたキャップの形態の接続ポートまたはユニット(32)を有する容器部分(31)を有する。容器部分は、略円筒形状を有する。図示の例では、容器部分の上流端(34)で直径が狭くなり、形状嵌合またはスナップフィットによって延長要素(33)への接続を確立するための突起(36)を有する。
【0130】
図4は、組み立て前または分解後の容器部分(31)の下流端(35)に配置され取り付けられたキャップの形態の接続ポートまたはユニット(32)を有する、
図3のカートリッジシステム(30)の斜視図を示す。図から分かるように、延長要素(33)は、延長要素(33)の下流端の開口部(37)と、内腔、空間、または空洞(39b)とを有する中空体の形態である。延長要素(33)の内面では、図示の例では、延長要素の開口部(37)は、窪み(38)によって囲まれて、容器部分(31)の対応する突起(36)への形状またはスナップフィット接続を確立する。しかし、逆の構成では、窪みに容器部分を設けることができ、対応する突起に延長要素を設けることができることに留意されたい。いずれの場合でも、接続は、例えば、開口部(37)を、または換言すれば、容器部分(31)の上流端(34)における延長要素(33)の下流端を手で押すことによって、確立され得る。突起(36)および窪み(38)の具体的な形状および構造に応じて、恒久的であるか、または、例えば、延長要素(33)を容器部分(31)から手動で取り外すかまたは引き離すことによって反転させることができる形状またはスナップフィット接続を確立することができることに留意されたい。
図4にまた見られるように、延長要素は、カートリッジシステム(30)の組み立て後に延長要素(33)の内腔(39b)と周囲大気との間の流体接続を確立する小さな通気開口部(39)を有する。さらに、
図4は、キャップ(32)の形態のカートリッジシステムの下流端の中心をカートリッジシステムの上流端の中心と、より具体的には、延長要素(33)の上流端の中心と接続する長手方向主軸線(A)を示す。
【0131】
図5は、有効長さL
eを有するキャップ(32)の形態の接続ポートまたはユニット(32)を有する容器部分(31)が、追加の長さL
aを有する延長要素(33)に取り付けまたは固定されている組み立てられた状態のカートリッジシステム(30)を示す。見て分かるように、この例では、結果として得られるカートリッジシステム(30)は、容器部分(31)および延長要素(33)が同じ直径を有する略円筒形状を有する。通気開口部(39)により、組み立てられたカートリッジシステム(30)は、医学的に活性な液体を容器部分(31)または存在する場合には内側容器にそれぞれ充填する前に、ガス滅菌によって滅菌することができる。
【0132】
図6は、分解された状態で拡大された直径を有する延長要素(33)を有するカートリッジシステム(30)の別の例を示す。この例では、延長要素(33)は、その下流端に、形状嵌合またはスナップフィット接続を確立するための容器部分(31)の上流端(34)の直径に対応する直径を有する。この例では、延長要素(33)は、部分的に大延ばした直径に起因して、(容器部分(31)と同じ直径を有する延長要素(33)と比較して)より大きい追加の容積V
aを有し、これは、特にインジケータ装置、ブロック機構、電子インターフェース、電子コードシステム、電子データロガー、コード要素、圧力リザーバ、指示手段などの1つまたは複数の機能要素が延長要素(33)内に配置される場合に有利であり得る。図示された延長要素(33)は、延長要素(33)に任意選択的に配置された機能的要素への物理的または視覚的なアクセスを可能にする窓(39a)の形態のさらなる開口部をさらに有する。
【0133】
図7は、組み立てられた状態の
図6のカートリッジシステム(30)を示す。
【符号の説明】
【0134】
10 吸入装置システム
20 吸入装置
21 ハウジング
22 ハウジングの下部
23 収容ユニット
24 接続ユニット
25 ノズル
26 キャップ
30 交換可能なカートリッジシステム
31 容器部分
32 接続口
33 延長要素
34 容器部分の上流端
35 容器部分の下流端
36 突起
37 延長要素の開口部
38 窪み
39 通気開口部
39a 窓
39b 内側空間、延長要素の管腔
40 ポンプユニット
41 ポンプユニットの上流端
42 ポンプユニットの下流端
43 ライザーパイプ
44 ライザーパイプの上流端
45 ポンプユニットの中空シリンダ
46 位置エネルギーを蓄積するロック可能手段
47 入口逆止弁
A カートリッジシステムの中心軸
Le 容器部分の有効長さ
La 延長要素の追加の長さ
Lo カートリッジシステムの全長
Ve 容器部分の有効容積
Va 延長要素の追加の容積
Vo カートリッジシステムの全体容積
【0135】
以下は、本発明に含まれる番号付けされた実施形態E1~E30のリストである。
【0136】
E1
噴霧形態の医学的に活性な液体を吸入投与するための吸入装置システム(10)であって、吸入装置(20)と、医学的に活性な液体を保持するための交換可能なリザーバ(30)とを備え、
吸入装置(20)は、
収容ユニット(23)を有するハウジング(21)であって、収容ユニットは、交換可能なリザーバ(30)の接続ポート(31)に解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニット(24)を有し、収容ユニット(24)は、交換可能なリザーバ(30)を受けて交換可能なリザーバ(30)に流体接続するように適合される、ハウジング、
医学的に活性な液体を噴霧するためのノズル(25)、および
ハウジング(21)内に配置され、リザーバ(30)およびノズル(25)に流体接続されるように適合され、リザーバ(30)からノズル(25)へ下流方向に医学的に活性な液体を搬送するように適合されたポンプユニット(40)、を備え、
交換可能なリザーバ(30)は、全体容積Voを有し、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分(31)と、カートリッジシステム(30)をポンプユニット(40)に解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポート(32)とを備えるカートリッジシステムの形態で提供され、カートリッジシステム(30)は、追加の容積Vaを有する延長要素(33)をさらに備え、延長要素(33)は、容器部分(31)の外面に取り付けられる、吸入装置システム(10)。
【0137】
E2
容器部分(31)の有効容積Veと、延長要素(33)の追加の容積Vaとの和が、カートリッジシステム(30)の全体容積Voに等しい、実施形態E1に記載の吸入装置システム(10)。
【0138】
E3
交換可能なリザーバ(30)の容器部分(31)が、医学的に活性な液体を保持し、最大容積Viを有する内側容器を備える、実施形態E1またはE2に記載の吸入装置システム(10)。
【0139】
E4
容器部分(31)の内側容器が、バッグの形態、具体的には折り畳み可能なバッグの形態で設けられる、実施形態E1からE3のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0140】
E5
容器部分(31)は、寸法的に安定した形態で設けられる、実施形態E1からE4のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0141】
E6
延長要素(33)が、寸法的に安定した形態で設けられる、実施形態E1からE5のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0142】
E7
容器部分(31)と延長要素(33)が、寸法的に安定した形態で設けられる、実施形態E1からE6のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0143】
E8
容器部分(31)は、少なくとも1つの弾性部分を含む、実施形態E1からE7のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0144】
E9
延長要素(33)が、少なくとも1つの弾性部分を備える、実施形態E1からE8のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0145】
E9
延長要素(33)および容器部分(31)は、少なくとも1つの弾性部分を含む、実施形態E1からE8のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0146】
E10
延長要素および容器部分は、寸法的に安定した形態で提供され、延長要素および容器部分は、少なくとも1つの弾性部分を含む、実施形態E1からE9のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0147】
E11
収容ユニット(23)が、規定の全長Loおよび全体容積Voを有する交換可能なリザーバ(30)を受容して流体接続するように適合され、交換可能なリザーバ(30)が、規定の全長Loおよび全体容積Voを有するカートリッジシステムの形態で設けられる、実施形態E1からE10のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0148】
E12
交換可能なリザーバ(30)が、有効長さLeを有する容器部分(31)と、追加の長さLaを有する延長要素(33)とを備え、容器部分(31)の有効長さLeと延長要素(33)の追加の長さLaとの和が、(組み立てられた状態の)カートリッジシステム(30)の全長Loに等しい、実施形態E1からE11のいずれか一項に記載の吸入装置システム。
【0149】
E13
カートリッジシステム(30)の延長要素(33)が、容器部分(31)の外面に取り外し可能に取り付けられる、実施形態E1からE12のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0150】
E14
延長要素(33)が、容器部分の外面の一部のみに取り付けられる、実施形態E1からE13のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0151】
E15
延長要素(33)が、容器部分の上流端に位置する容器部分(31)の外面の一部に取り付けられる、実施形態E1からE14のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0152】
E16
延長要素(33)を容器部分(31)の外面から取り外すのに必要な力が、カートリッジシステム(30)を吸入装置(20)の収容ユニット(23)から取り外すのに必要な力よりも高い、実施形態E13からE15のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0153】
E17
カートリッジシステム(30)の延長要素(33)が、容器部分(31)の外面に恒久的に取り付けられる、実施形態E1からE12のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0154】
E18
交換可能なカートリッジシステム(30)(組み立てられた状態)は、カートリッジシステム(30)の下流端に位置する容器部分(31)の接続ポート(32)を、カートリッジシステム(30)の反対側の上流端に位置するカートリッジシステム(30)の底部と接続する中心長手方向軸(A)を有する円筒形状を有する、実施形態E1から17のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0155】
E19
容器部分(31)が上流端(34)および下流端(35)を有し、接続ポート(32)が容器部分(31)の下流端(34)に位置し、延長要素(33)が容器部分の上流端(35)に取り付けられる、実施形態E1からE18のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0156】
E20
延長要素(33)が、圧入または形状嵌合接続によって容器部分(31)の外面に取り付けられる、実施形態E1からE19のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0157】
E21
延長要素(33)が、カートリッジシステム(30)の容器部分(31)と実質的に同じ断面直径を有する、実施形態E1からE20のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0158】
E22
カートリッジシステム(30)の延長要素(33)および容器部分(31)は、円形の断面を有する、実施形態E1からE21のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0159】
E23
延長要素(33)は、下流端に開口部(37)を有し、開口部は、容器部分の上流端(34)の(外側)直径に対応する直径を有する、実施形態E1からE22のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0160】
E24
カートリッジシステム(30)の延長要素(33)が、その中に機能要素が含まれていない中空体である、実施形態E1からE23のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0161】
E25
延長要素(33)が、投与される医学的に活性な液体または他の化合物を含まない、実施形態E1からE24のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0162】
E26
カートリッジシステム(30)の延長要素(33)が、容器部分(31)の外面に取り付けられたときに周囲大気への(延長要素(33)の内腔への)通気開口部(39)を有する、実施形態E1からE25のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0163】
E27
カートリッジシステム(30)に医学的に活性な液体を充填する前に、容器部分(31)および延長要素(33)が組み立てられ、滅菌される、実施形態E1からE26のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0164】
E28
延長要素(33)は、延長要素(33)の内腔に収容された機能要素を含む、実施形態E1からE27のいずれか一項に記載の吸入装置システム。
【0165】
E29
機能要素が、インジケータ装置、ブロック機構、電子インターフェース、電子符号化システム、電子データロガー、符号化要素、圧力リザーバ、および指示手段から選択される、実施形態E1からE28に記載の吸入装置システム(10)。
【0166】
E30
カートリッジシステム(30)の延長要素(33)が、吸入装置または交換可能なリザーバの使用回数をカウントするためのインジケータ装置を備えない、実施形態E1からE29のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0167】
E31
交換可能なカートリッジ(30)が、約0.2mL~約30mLの範囲内で選択される全体容積Voを有する、実施形態E1からE30のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0168】
E32
交換可能なカートリッジシステム(30)の容器部分(31)は、約1mL~約15mL、または約1~約10mL、具体的には約3mL~約6mL、または約6mL~約9mL、より具体的には約4.0mL~約5.0mL、または約7.0mL~約8.0mLの範囲内で選択される有効容積Veを有する、実施形態E1からE31のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0169】
E33
延長要素(33)の追加の容積Vaが、約0.1ml~約25mL、または約0.2mL~約5.0mL、または約0.5mL~約3.5mLの範囲内で選択されてもよい、実施形態E1からE32のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0170】
E34
カートリッジシステム(30)は、延長要素のないカートリッジシステムと交換することができる、実施形態E1からE33のいずれか一項に記載の吸入装置システム(10)。
【0171】
E35
吸入装置(20)のポンプユニット(40)が、
交換可能なリザーバ(30)に流体接続された上流端、
ノズル(25)に流体接続された下流端を備え、
ポンプユニットは、
(i)上流端を有するライザーパイプ(43)であって、
ポンプユニット内のピストンとして機能するように適合され、
ハウジング(21)に対して不動であるように、ハウジング(21)の使用者に向く側にしっかりと固定される、ライザーパイプ(43)、および
(ii)ライザーパイプ(44)の上流に位置する中空シリンダ(41)であって、ライザーパイプ(43)の上流端部は、シリンダ(41)がライザーパイプ(43)上で長手方向に移動可能であるように、シリンダ(41)内に挿入される、中空のシリンダ(41)をさらに備える、実施形態E1から実施形態E34に記載の吸入装置(10)。
【0172】
E36
ポンプユニット(40)は、
(iii)ロックされたときに位置エネルギー(46)を貯蔵し、ロック解除されたときに貯蔵エネルギーを放出するためのロック可能手段であって、手段(46)は、シリンダ(41)の外側に配置され、シリンダ(41)に機械的に結合され、手段(46)のロックを解除すると、ポンプユニットの下流端に向かってシリンダ(41)が長手方向に推進運動するようになる、ロック可能手段、を備える、実施形態35に記載の吸入装置システム(10)。
【0173】
E37
噴霧用の医学的に活性な液体を保持し、実施形態E1からE36のいずれかによる吸入装置システム(10)において我々のために適合されるための交換可能なカートリッジシステム(30)であって、カートリッジシステム(30)は、全体容積Voを有し、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分(31)と、カートリッジシステム(30)を吸入装置(20)のポンプユニット(40)に解放可能かつ流体接続するように適合された接続ユニット(24)とを備え、カートリッジシステム(30)は、追加の容積Vaを有する延長要素(33)をさらに備え、延長要素(33)は、容器部分(31)の外面に取り付けられる、カートリッジシステム(30)
【0174】
E38
容器部分(31)の有効容積Veと延長要素(33)の追加の容積Vaとの和が、(組み立てられた状態の)カートリッジシステム(30)の全体容積Voに等しい、実施形態E37に記載の交換可能なカートリッジシステム。
【0175】
E39
カートリッジシステムの形態、具体的には、全体容積Voを有する実施形態37または38に記載の交換可能なカートリッジシステムの形態の、実施形態E1からE36のいずれか一項に記載の吸入装置システム用の交換可能なリザーバを提供するための方法であって、
a)カートリッジシステムを吸入装置システムのポンプユニットに解放可能かつ流体接続するように適合された接続ポート(好ましくはキャップの形態)を備える、医学的に活性な液体を保持するための有効容積Veを有する容器部分を提供するステップ、
b)追加の容積Vaを有する延長要素を提供するステップであって、好ましくは、容器部分の有効容積Veと延長要素の追加の容積Vaとの合計が、(組み立てられた状態の)カートリッジシステムの全体容積Voに等しい、提供するステップ、および
c)延長要素を容器部分の外面に取り付けるステップ、を含む方法。
【0176】
E40
実施形態39に記載の方法であって、
a1)本発明の第1の態様の吸入装置システムの収容ユニットに容器部分を導入し、任意選択的に、容器部分の接続ポートを吸入装置システムのポンプユニットに接続するステップをさらに含む方法。
【0177】
E41
実施形態40に記載の方法であって、
b1)延長要素を吸入装置の収容ユニットに導入するステップをさらに含む方法。
【国際調査報告】