IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソフトハレ エヌヴイの特許一覧

特表2023-519524少なくとも2つの液体組成物のエアロゾル送達
<>
  • 特表-少なくとも2つの液体組成物のエアロゾル送達 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】少なくとも2つの液体組成物のエアロゾル送達
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20230501BHJP
   A61M 11/00 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
A61M11/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554433
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2021058109
(87)【国際公開番号】W WO2021198154
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】20167140.1
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】63/002,836
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519084526
【氏名又は名称】ソフトハレ エヌヴイ
【氏名又は名称原語表記】SOFTHALE NV
【住所又は居所原語表記】Agoralaan building Abis, 3590 Diepenbeek Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェルト, ユーゲン
(72)【発明者】
【氏名】バルテルズ, フランク
(72)【発明者】
【氏名】ダドリー, スティーヴン
(57)【要約】
本発明は、液体の吸入方法および吸入装置の分野に関する。特に、本発明は、各々が異なる特性を有する少なくとも2つの液体組成物を別々に排出するように適合された吸入装置を使用する吸入方法、およびそのような吸入装置によって少なくとも2つの医薬製剤のエアロゾルを生成する方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの液体組成物のエアロゾルを生成するための吸入装置であって、少なくとも第1および第2の液体組成物(F1、F2)を収容する少なくとも第1および第2のリザーバ(2A、2B)と、但し前記吸入装置は、作動時に、前記第1のリザーバ(2A)からの前記第1の液体組成物(F1)の計量用量および前記第2のリザーバ(2B)からの前記第2の液体組成物(F2)の計量用量を放出するように適合されたポンプ作動式吸入器であり、前記第1および第2の液体組成物(F1、F2)を収容するための前記第1および第2のリザーバ(2A、2B)は、前記第1のポンプ室(3A)内の第1の圧力および前記第2のポンプ室(3B)内の第2の圧力を生成するための少なくとも第1および第2のポンプ室(3A、3B)に流体接続される、その各々が前記第1および第2のポンプ室(3A、3B)のリザーバに面する内側端部(4A’、4B’)で受容可能である、第1および第2のライザーパイプ(4A、4B)と、但し前記第1および第2のポンプ室(3A、3B)の前記内部容積は、前記第1および第2のライザーパイプ(4A、4B)に対する前記第1および第2のポンプ室(3A、3B)の相対運動によって変更可能である、前記吸入装置から前記第1および第2の液体組成物(F1、F2)を別々に排出するように適合された少なくとも第1の出口領域および第2の出口領域(5A、5B)と、前記第1のポンプ室(3A)の一端に結合された第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A)と、前記第2のポンプ室(3B)の一端に結合された第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6B)とを備える、吸入装置。
【請求項2】
別個のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A、6B)に結合された前記第1および第2のポンプ室(3A、3B)が、前記少なくとも2つの液体組成物を放出するための所望の圧力を生成する、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項3】
前記第1および第2のライザーパイプ(4A、4B)の各々は、不動であり、前記装置ならびに/または前記第1および第2の出口領域(5A、5B)にしっかりと取り付けられ、前記第1および第2のポンプ室(3A、3B)の各々は、前記装置ならびに/あるいは前記第1および第2の出口領域(5A、5B)に対して可動である、請求項1~2のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項4】
前記第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A)および前記第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6B)がそれぞれ同じ力を生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項5】
前記第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A)および前記第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6B)がそれぞれ異なる力を生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項6】
前記力が約5ニュートン(N)~約200ニュートン(N)である、請求項4または5に記載の吸入装置。
【請求項7】
前記第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A)および前記第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6B)がそれぞればねを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項8】
各ばねが、約50N/m~約5.000(5000)N/mの同じまたは異なるばね定数(k)を有する、請求項7に記載の吸入装置。
【請求項9】
前記第1の液体組成物(F1)の前記計量用量が、前記第2の液体組成物(F2)の前記計量用量と同じ体積を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項10】
前記第1の液体組成物(F1)の前記計量用量が、前記第2の液体組成物(F2)の前記計量用量と異なる体積を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項11】
前記第1の液体組成物が長時間作用型ベータアゴニストを含み、前記第2の液体組成物が吸入コルチコステロイドを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項12】
前記第1の液体組成物が長時間作用型ベータアゴニストと長時間作用型ムスカリンアンタゴニストとの混合物を含み、前記第2の液体組成物が吸入コルチコステロイドを含む、請求項11に記載の吸入装置。
【請求項13】
前記長時間作用型ベータアゴニストが、アルブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、インダカテロール、インダクテロール、イソエタリン、イソプレナリンレボサルブタモール、マブテロールメルカプアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール、ソテレノト、スルホンテロール、チアラムド、テルブタリンおよびテルブテロールからなる群から選択される、請求項11または12に記載の吸入装置。
【請求項14】
長時間作用型ムスカリンアンタゴニストが、アクリジニウムブロミド、グリコピロニウムブロミド、レブフェナシン、チオトロピウムブロミド、ウメクリジニウムブロミド、オキシトロピウムブロミド、フルトロピウムブロミド、イプラトロピウムブロミド、塩化トロスピウム、およびトルテロジンからなる群から選択される、請求項12または13のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項15】
前記吸入コルチコステロイドが、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコール・プロピオネート、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、デキサメタゾン、エチプレドノール-ジクロロアセテート、デフラザコート、エチプレドノール、ロテプレドノール、RPR-106541、NS-126およびST-26からなる群から選択される、請求項11~14のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項16】
前記長時間作用型ムスカリンアンタゴニストが臭化チオトロピウムであり、前記長時間作用型ベータアゴニストがオロダテロールであり、前記吸入コルチコステロイドがシクレソニドである、請求項12~15のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項17】
前記第1の液体組成物(F1)が水溶液を含み、前記第2の液体組成物(F2)が有機溶液または水溶液と有機溶液との混合物を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項18】
前記有機溶液がアルコール溶液を含む、請求項17に記載の吸入装置。
【請求項19】
前記第1の出口領域(5A)および前記第2の出口領域(5B)が単一のノズルに組み込まれる、請求項1~18のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項20】
前記第1の出口領域(5A)が第1のノズルに組み込まれ、前記第2の出口領域(5B)が第2のノズルに組み込まれる、請求項1~18のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項21】
前記第1の出口領域(5A)が、前記装置から前記第1の液体組成物(F1)を排出するための少なくとも2つのチャネルを含み、前記第2の出口領域(5B)が、前記装置から前記第2の液体組成物(F2)を排出するための少なくとも2つのチャネルを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項22】
前記第1のリザーバおよび前記第2のリザーバが、単一のカートリッジユニットに組み込まれる、請求項1~21のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項23】
前記第1のリザーバが第1のカートリッジユニットに組み込まれ、前記第2のリザーバが第2のカートリッジユニットに組み込まれる、請求項1~21のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項24】
前記吸入装置がソフトミスト吸入器である、請求項1~23のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項25】
前記ソフトミスト吸入器は、少なくとも2つの衝突型ノズルを備え、各衝突型ノズルは、2つの対応する噴出軌道を有する2つの噴出チャネルを有し、1つの衝突型ノズルの前記2つの噴出軌道は、前記2つの噴出軌道が交差する1つの衝突点を有する、請求項24に記載の吸入装置。
【請求項26】
疾患または状態の治療または予防に使用するための、請求項1~25のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項27】
肺の疾患または状態の治療または予防に使用するための、請求項1~26のいずれか一項に記載の吸入装置。
【請求項28】
前記肺の疾患または状態が喘息または慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)である、請求項27に記載の吸入装置。
【請求項29】
長時間作用型ベータアゴニストを含む第1の液体組成物を収容する第1のリザーバ、および吸入コルチコステロイドを含む第2の液体組成物を収容する第2のリザーバであって、前記第1および第2のリザーバが、請求項1~28のいずれか一項に記載の吸入装置と共に使用するように適合されている、第1のリザーバおよび第2のリザーバ。
【請求項30】
前記第1の液体組成物が、長時間作用型ムスカリンアンタゴニストをさらに含む、請求項29に記載のリザーバ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学的に活性な液体のための吸入装置の分野に関する。特に、本発明は、エアロゾルを生成するための吸入装置に関し、装置は、第1の液体組成物および第2の液体組成物を収容する少なくとも第1のリザーバおよび第2のリザーバを含む。
【背景技術】
【0002】
液体用のネブライザーまたは他のエアロゾル発生器は、古くから当技術分野で知られている。とりわけ、そのような装置は医学および治療において使用される。そこでは、それらは、エアロゾル、すなわち気体に埋め込まれた小さな液滴の形態の有効成分を適用するための吸入装置として機能する。そのような吸入装置は、例えば文献、欧州特許第0,627,230B1号明細書により知られている。この吸入装置の必須構成要素は、エアロゾル化される液体が収容され、噴霧するのに十分高い圧力を発生させるためのポンプユニット;ノズルの形態の霧化装置があるリザーバである。ポンプユニットは、流体材料を移動または圧縮することができ、少なくとも1つのポンプ室を備え、任意選択的に、本体、インターフェースなどの補助構成要素もさらに備えるユニットまたは装置構成要素として定義される。ポンプユニットによって、液体は、リザーバから離散した量で、すなわち連続的ではなく引き出され、ノズルに供給される。ポンプユニットは推進剤なしで作動し、機械的に圧力を発生させる。
【0003】
そのような吸入装置の既知の実施形態は、文献である国際公開第91/14468A1号パンフレットに提示されている。このような装置では、ハウジングに接続されたポンプ室内の圧力は、可動中空ピストンの移動によって生成される。ピストンは、不動のポンプ室内に移動可能に配置されている。中空ピストンの(上流に配置された)入口は、リザーバ(リザーバ管部分)の内部に流体接続されている。その(下流に配置された)先端はポンプ室に通じている。また、ピストンの先端部の内側には、リザーバへの液体の逆流を阻止する逆止弁が配置されている。
【0004】
ピストンを充填するために、ピストンは、その上流端部がリザーバに直接接続される。ポンプ室のピストンを引き出すことによって、その内部容積が拡大され、その結果、増加する相対負圧(すなわち、部分的な真空)がポンプ室の内部に蓄積される。この圧力は、中空ピストンを通ってリザーバに伝播し、液体がリザーバからピストンに吸引される。同時に、リザーバ内の圧力が(まだ空の)ポンプ室内よりも高いため、前記弁はその先端で開く。ポンプ室は充填されている。同時に、ばねが装填され、可動ピストンがその下死点に到達し、ポンプ室が充填されると、運動の終わりにロックされる。
【0005】
ばねは手動でロック解除することができる。その後、蓄積されたエネルギーが急激に放出される。ピストンは、ポンプ室の方向にポンプ室内に再び押し込まれ、したがってその内部容積を減少させる。ここで前述の逆止弁が閉じられ、液体がリザーバに逆流することが阻止されるため、ポンプ室の内部で圧力が上昇する。最終的に、この圧力により、ポンプ室の下流端に配置されたノズルから液体が噴出される。
【0006】
すでに放出された液体または外気さえもの逆流のリスクに直面するために、後に出口弁と呼ばれるさらなる逆止弁を、ノズルの直前のポンプ室の下流端に配置することができ、放出された液体を通過させるが、流入するガスを遮断することができる。
【0007】
ピストンは、螺旋ばねとして設計された圧力ばねの内側に配置され、したがってその外径を制限する。また、典型的に小さい容積(例えば、15μl)であるために、ピストンは薄い内径(および多くの場合外径も)で設計されている。
【0008】
可動ピストン(例えば、0.3から1.0mm)のこの典型的に小さい内径は、その中に配置される小さいサイズの逆止弁と共に、記載された構造の欠点である。小さい径は高い流動抵抗をもたらし、それにより、特に、より高い粘度の媒体がピストンに流入してピストンを通過するのが非常に遅くなる。言い換えれば、記載された構造は、特に低い粘度の(水性の)液体およびその低用量の放出に適している。さらに、小径の十分に密な逆止弁の製造は困難である。
【0009】
記載された解決策の別の欠点は、一度に、すなわちリザーバの内容物に応じて、1つのタイプの液体しか放出することができないことである。別の液体をエアロゾル化する場合、リザーバを交換しなければならず、吸入装置を再び使用することができる前にノズルを前の液体の残留物から洗浄しなければならない。
【0010】
欧州特許第1,747,035B1号明細書の文献により、上述の技術に基づくが、2つの別個のポンプ機構を介して2つの個々の吐出ノズルに接続された2つの別個のリザーバを備える吸入装置が知られている。これらのノズルは、前記2つの液体からなる2つの個々のスプレーを形成することができ、またはこれらの2つの液体からなる単一のスプレーを形成することができる。しかしながら、前述の欠点は依然として当てはまる。さらに、吸入装置は、リザーバおよびポンピング機構の両方のためのポテンシャルエネルギー源として機能する1つのユニット(例えば、ばね)のみを含む。結果として、分注される2つの液体は、2つの液体を排出する力が同じになるため、同様の特性、例えば粘度を有しなければならない。
【0011】
2つ以上の薬物の吸入療法も知られている。特に、慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)の患者を治療するために、長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(「LAMA」)、長時間作用型ベータアゴニスト(「LABA」)、および吸入コルチコステロイド(「ICS」)の3剤併用療法が開発されている。典型的には、LAMAおよびLABAの成分は水溶性であるが、ICSの成分は有機溶媒に可溶性であり、水溶液に不溶性である。したがって、3つの成分すべてを1つの溶液に組み合わせることは、成分のうちの少なくとも1つの沈殿がなければ不可能であるため、患者は、液体形態の成分を分注するために2~3つの異なる吸入器を使用する必要がある。あるいは、1つの装置で組み合わされる治療は、LAMA+LABA+ICSの三重溶液製剤の不適合性のために、乾燥粉末または粉末懸濁液に限定されてきた。
【0012】
本発明の目的は、現在知られている吸入療法の欠点の1つまたは複数を克服する、吸入によって、異なる特性および/または不適合成分を有する液体溶液を患者に送達するための改善された方法を提供することである。さらなる目的は、そのような改善された送達方法を可能にする吸入装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、本発明の以下の説明、実施例および特許請求の範囲に基づいて明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許第0,627,230B1号明細書
【特許文献2】国際公開第91/14468A1号パンフレット
【特許文献3】欧州特許第1,747,035B1号明細書
【発明の概要】
【0014】
第1の態様では、本発明は、エアロゾルを生成するための吸入装置に関し、装置は、第1の液体組成物および第2の液体組成物を収容する少なくとも第1のリザーバと第2のリザーバとを備え、吸入装置は、第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットおよび第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットの作動時に、第1の出口領域および第2の出口領域を通って第1のリザーバおよび第2のリザーバから第1の液体組成物および第2の液体組成物の計量用量を放出するように適合されたポンプ作動式吸入器である。別の態様では、本発明は、本明細書に記載の実施形態で定義される吸入装置と共に使用するように適合された第1のリザーバおよび第2のリザーバを提供する。
【0015】
さらなる態様では、本発明は、疾患または状態、いくつかの実施形態では肺の疾患または状態の治療または予防に使用するための、本発明の第1の態様による、本明細書に記載の実施形態で定義される吸入装置に関する。なおさらなる態様では、本発明は、少なくとも2つの液体組成物を対象に送達する改善された方法を提供し、それにより、上述の吸入装置が、異なる特性および/または不適合成分を有する第1の液体組成物および第2の液体組成物の投与に使用される。なおさらなる態様では、本発明は、少なくとも2つの液体組成物を送達するそのような改善された方法に基づく、対象を治療する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項、後続の説明、および添付の図面に記載されている。
【0017】
はじめに、本明細書および特許請求の範囲を通して使用される用語のいくつかの定義を提示する。定義は、文脈が異なる意味を必要としない限り、それぞれの表現の意味を決定するために使用されるべきである。
【0018】
「吸入器」または「吸入器装置」または「吸入装置」は、吸入可能なミスト、蒸気、またはスプレーを生成するように構成および適合された装置である。
【0019】
属性または値に関連する「約」などの用語は、正確な属性または正確な値、ならびに技術分野に関連する通常のまたは許容される変動性の範囲内にあると通常考えられる任意の属性または値、および前記属性または値を測定または決定する方法を含む。
【0020】
吸入器の文脈における「霧化」および「噴霧化」は、液体の微細な吸入可能な液滴の生成を意味する。霧化された液滴の典型的な寸法は、数ミクロンの範囲である。
【0021】
「エアロゾル」は、気相での固相または液相の分散物である。分散相は、不連続相とも呼ばれ、複数の固体または液体粒子で構成される。本発明の吸入装置によって生成されるエアロゾルは、典型的には空気である気相中の吸入可能な液滴の形態の液相の分散物である。分散液相は、場合により、液体に分散した固体粒子を含み得る。
【0022】
「カートリッジ」は、装置から取り外され、リザーバが空になったときに交換され得る1つ以上のリザーバを収容するユニットである。例えば、カートリッジは、1つの液体組成物を収容する1つのリザーバを収容することができる。あるいは、カートリッジは、それぞれが液体組成物を含む少なくとも2つのリザーバを1つのユニットに収容してもよい。
【0023】
「出口領域」は、装置の作動時に液体が吸入器装置を出る場所である。複数の出口領域が単一のノズルユニットに含まれてもよい。あるいは、各出口領域は、それ自体の別個のノズルユニットに含まれてもよい。各出口領域は、デバイスから液体組成物を吐出するための1つ以上のチャネルを有してもよい。例えば、出口領域は、1つのチャネルのみを含んでもよく、または少なくとも2つのチャネルを含んでもよい。
【0024】
「液体」は、液体を保持するが圧力に関係なくほぼ一定の体積を保持する容器の形状にその形状を変えることができる流体材料である。液体は、単相液体溶液、または連続液相、および液体であってもなくてもよい分散相を有する分散液を、表し得る。
【0025】
「複数」は、2つ以上を意味する。
【0026】
「内部」とは、内側を意味するが、内側に向いていることも意味する。「外部」とは、外側を意味するが、外側に向いていることも意味する。
【0027】
「ノズル」は、液体の霧化/噴霧化に際し機能するユニットである。一般に、この用語は、ユニット全体を意味する。しかしながら、ノズルは、個々の、同一の、または異なるサブユニットの1つまたは複数のセットを含むことができる。ノズルは、本明細書に記載の液体組成物を放出するための複数の噴出チャネルを有することができる。
【0028】
ノズルの「主軸線」は、放出されたエアロゾルの大部分がノズルを出た後に移動する方向に対して平行または同一直線上にある、その中心軸線である。
【0029】
「噴出軌道」は、噴出チャネルの端部から始まる仮想的で比較的直線である。これは、吸入装置が動作するときに噴出チャネルから放出される液体の初期移動経路に似ている。ノズル(および吸入装置全体)は、放出された液体が前記直線状に鋭い流れで供給され得るように、例えば適切なチャネルの形状および十分に高い圧力によって、適合および構成されなければならないことは明らかである。
【0030】
2つ以上の噴出軌道が交差する場合、「衝突点」が形成される。
【0031】
「計量用量」という用語は、例えば、装置の単一の(1つの)作動の結果として吸入装置によって放出可能な液体組成物の量(例えば、μL、マイクロリットル)という観点で定義される量を指す。
【0032】
組成物に関する「単回用量」という用語は、投薬事象において対象に投与され、投薬レジメンの一部として投与される薬理学的に活性な組成物の完全な量を指す。本明細書で理解されるように、単回用量は、吸入装置の単回(1回)作動を介して対象に投与されてもよいか、あるいは、それはまた、吸入装置の複数回の作動、例えば装置の2回または3回または4回の作動にわたって、規定の使用法に従って投与されてもよく、それによって、個々の作動ごとに放出される計量用量が組み合わされて、必要な単回用量を供給する。
【0033】
「含む(comprising)」という用語および関連する「含む(comprise)」または「含む(comprises)」という用語は、この用語の前にある特徴に追加の特徴が存在し得ることを意味すると理解される。逆に、「からなる(consists)」という用語および関連する用語は、その用語の前に記載されているもの以外の他の特徴が存在せず、存在する場合には、本発明の目的に関して技術的利点または関連性を付与しないような微量または残留量でのみ存在することを意味すると理解される。
【0034】
さらなる定義は、後続の説明で提示される。
【0035】
第1の態様において、本発明は、少なくとも2つの液体組成物のエアロゾルを生成するための吸入装置であって、少なくとも第1および第2の液体組成物を収容する少なくとも第1および第2のリザーバと、但し吸入装置は、作動時に、第1のリザーバからの第1の液体組成物の計量用量および第2のリザーバからの第2の液体組成物の計量用量を放出するように適合されたポンプ作動式吸入器であり、第1および第2の液体組成物を収容するための第1および第2のリザーバは、第1のポンプ室内の第1の圧力および第2のポンプ室内の第2の圧力を生成するための少なくとも第1および第2のポンプ室に流体接続される、その各々が第1および第2のポンプ室のリザーバに面する内側端部で受容可能である、第1および第2のライザーパイプと、但し第1および第2のポンプ室の内部容積は、第1および第2のライザーパイプに対する第1および第2のポンプ室の相対運動によって変更可能である、吸入装置から第1および第2の液体組成物を別々に排出するように適合された少なくとも第1の出口領域および第2の出口領域と、第1のポンプ室の一端に結合された第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットと、第2のポンプ室の一端に結合された第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットとを備える、吸入装置に関する。
【0036】
本発明による吸入装置は、少なくとも2つの液体組成物(例えば、第1の液体組成物および第2の液体組成物)のエアロゾル、特に、それを必要とする対象、例えば温血動物またはヒト、特にヒト対象によって吸入され得るそのようなエアロゾルの生成に役立つ。好ましくは、吸入装置は、手持ち式および/または可搬式であるのに適しており、定められた指示に従って個々の対象自身が使用することもできる。いくつかの実施形態では、第1のリザーバおよび第2のリザーバは単一のカートリッジユニットに組み込まれるか、または第1のリザーバは第1のカートリッジユニットに組み込まれ、第2のリザーバは第2のカートリッジユニットに組み込まれる。そのようなカートリッジユニットは、使用後にリザーバが空になったときに装置から取り外され、交換され得る。
【0037】
吸入装置は、ポンプ作動式吸入器であり、本明細書で理解されるように、本発明による異なる特性および異なる有効成分、添加剤、および/または賦形剤をそれぞれ有する第1の液体組成物および第2の液体組成物などの液体および/または流体を移動または圧縮することが各々できる少なくとも2つの機械的に駆動されるポンプ装置またはユニットを含む吸入装置である。本発明の一実施形態では、ポンプ作動式吸入器は、少なくとも2つのピストンポンプシステムと、各々がピストンポンプシステムに結合された少なくとも2つのポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットとを有する、ピストンポンプ作動式吸入器である。
【0038】
ポンプ作動式吸入器は、それぞれが別個のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットに結合された少なくとも2つのポンプ装置またはユニットを備えてもよく、これらは、異なる特性および有効成分、添加剤、および/または賦形剤を有する少なくとも2つの組成物を放出するための所望の圧力を生成し、例えば本態様では、第1の出口領域および第2の出口領域を介して、少なくとも2つのエアロゾルストリームを生成する。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも2つのエアロゾルストリームは、有効成分、添加剤、および/または賦形剤の望ましくない化学的相互作用または沈殿を防止するために、注射時に分離される。少なくとも2つのポンプユニットによって、第1の液体組成物および第2の液体組成物のそれぞれは、第1のリザーバおよび第2のリザーバから離散した量で、すなわち連続的ではないよう引き出され、第1の出口領域および第2の出口領域に供給される。少なくとも2つのポンプユニットは、推進剤なしで作動し、機械的に圧力を発生させる。少なくとも2つのポンプユニットまたは装置はそれぞれ、好ましくは、ポンプ室と、ポテンシャルエネルギーを貯蔵するための手段とを備え、各装置は、ポンプ室に結合され、装填位置にロック可能であり、ロック解除時に、貯蔵されたエネルギーは、ポンプ室の運動に変換可能である。吸入器装置は、例えば、ばね、気体、または、磁力などを備える少なくとも2つのポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットを備える。各ポンプユニットは別個のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットに結合されているので、各ポンプユニットは、分配される個々の液体組成物の特性(例えば、粘度)のいずれかの差を補償するために、異なる力または異なる体積で各液体組成物を排出するように構成され得る。
【0039】
特定の実施形態では、少なくとも2つの、またはより具体的には、2つのポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットは、それぞればねの形態であってもよく、少なくとも2つの、またはより具体的には2つのばねのそれぞれは、同じまたは異なるばね定数(k)、好ましくは異なるばね定数を有してもよく、典型的には約50N/m(ニュートン/メートル)~約5.000(5000)N/m、例えば約100N/m~約2.000N/m、または約150N/m~約1.500N/mの範囲内で選択される。
【0040】
さらなる特定の実施形態では、2つのばねは、典型的には約5N~約200N(ニュートン)、または約10N~約100N、または約20N~約80N、または約30N~約70N、または約37N~約62Nの範囲の同じまたは異なる力を生成することができる。しかしながら、さらなる特定の実施形態では、2つのばねは、約80N~約120Nの範囲内で選択された力を有する第1のばねと、約40N~約80Nの範囲内で選択された力を有する第2のばねとによって、異なる力を生成し得る。
【0041】
2つのポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットは、特に渦巻きばねなどのばねの形態である場合、金属、例えば鋼、銅、ベリリウム・銅合金、ニッケル合金、特にインコネル(登録商標)などのニッケル・クロム合金などの適切な弾性材料で、または別の材料、例えば高分子またはセラミック材料、例えば酸化ジルコニアまたは酸化アルミニウムなど、またはゴム、例えばゴムばねから作製することができる。特定の実施形態では、2つのポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットは、好ましくは同じ材料から作製されてもよく、または2つの異なる材料から作製されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、吸入装置の少なくとも2つの出口領域は、それぞれの吐出軌道に沿って第1の液体組成物および第2の液体組成物をそれぞれ吐出する。いくつかの実施形態では、第1の出口領域および第2の出口領域は単一のノズルに組み込まれるか、または第1の出口領域は第1のノズルに組み込まれ、第2の出口領域は第2のノズルに組み込まれる。いくつかの実施形態では、第1の出口領域は、装置から第1の液体組成物を排出するための少なくとも2つのチャネルを含み、第2の出口領域は、デバイスから第2の液体組成物を排出するための少なくとも2つのチャネルを含む。いくつかの特定の実施形態では、第1の液体組成物は、それぞれが独自の噴出軌道を有する少なくとも2つの噴出チャネルから噴出され、第2の液体組成物は、それぞれが独自の噴出軌道を有し、第1の液体組成物の噴出チャネルとは独立している少なくとも2つの噴出チャネルから噴出され、1つの吸入器装置の合計で少なくとも4つの出口領域であるようにする。いくつかの特定の実施形態では、各液体組成物について、少なくとも2つの噴出チャネルは、衝突型(または衝突ベースの)エアロゾル形成が達成されるように、前記噴出軌道の少なくとも2つが衝突点で互いに交差するような角度で配向されてもよい。
【0043】
いくつかの好ましい実施形態では、出口領域および/またはノズルは、第1の液体組成物および第2の液体組成物を別々に排出して、液体組成物の潜在的に不適合な成分(例えば、有効成分、添加剤、および/または賦形剤)のいずれかの干渉、望ましくない化学的相互作用、または沈殿を回避するように適合される。いくつかの実施形態では、第1の液体組成物は、それ自体の噴出軌道、すなわち、それぞれ放出された液体の流れがそれに沿ってそのチャネルを離れる方向を有する1つの排出チャネルから排出され、第2の液体組成物は、それ自体の噴出軌道を有する別の排出チャネルから排出される。あるいは、第1の液体組成物は、それぞれが独自の噴出軌道を有する少なくとも2つの噴出チャネルから噴出され、第2の液体組成物は、それぞれが独自の噴出軌道を有する少なくとも2つの噴出チャネルから噴出される。好ましい実施形態では、出口領域および/またはノズルは、少なくとも2つの液体組成物のエアロゾルの流れの干渉が装置からの放出時に生じないように構成される。
【0044】
特定の実施形態では、本発明による吸入装置は、本明細書で使用される場合に「ソフトミスト吸入器」(SMI)という用語が、低速噴霧化特性を有する液体製剤用の、好ましくは非通電の移動式吸入装置を指す、ミスト吸入器に関してであってもよい。さらなる特定の実施形態では、そのような吸入装置、より具体的には、そのようなソフトミスト吸入器は、投与される医学的に活性な液体の噴霧化/エアロゾル化について、上述した少なくとも1つの衝突型ノズルを含む。
【0045】
したがって、さらなる特定の実施形態では、本発明による吸入装置は、ソフトミスト吸入器であり、上述のように少なくとも2つ、より具体的には2つの衝突型ノズルを備え、各衝突型ノズルは、2つの対応する噴出軌道を有する2つの噴出チャネルを有し、1つの衝突型ノズルの2つの噴出軌道は、2つの噴出軌道が交差する1つの衝突点を有する。さらなる特定の実施形態では、少なくとも2つの液体組成物、より具体的には第1および第2の液体組成物のそれぞれは、上述のように別個の衝突型ノズルによって分配または排出される。
【0046】
好ましくは、本発明による吸入装置および本明細書に記載の実施形態は、作動時に第1および第2の液体組成物の各々の計量用量を放出し、各計量用量は同じまたは異なる体積を有し、少なくとも約1μL(マイクロリットル)である。さらなる実施形態では、吸入装置の作動時に放出される第1および第2の液体組成物の計量用量のそれぞれは、同じまたは異なる体積を有してもよく、少なくとも約1μL、2μL、5μL、10μL、または15μL、または少なくとも約20μL、25μL、30μL、または50μLである。他の実施形態では、作動時に放出される第1および第2の液体組成物の計量用量の各々は、同じまたは異なる体積を有し得、約1μL~約50μL、または約5~約30μL、または約10~約20μLである。いくつかの実施形態では、作動時に放出される第1および第2の液体組成物の計量用量の各々は、約1μLの体積を有する。他の実施形態では、作動時に放出される第1および第2の液体組成物の計量用量の各々は、約10μLの体積を有する。さらに他の実施形態では、作動時に放出される第1および第2の液体組成物の計量用量の各々は、約15μLの体積を有する。
【0047】
本発明の別の実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物の単回用量は、吸入装置の1回(単一)の作動、または複数回の作動によって放出され得る。
【0048】
好ましくは、第1の液体組成物および第2の液体組成物の単回用量のそれぞれは、同じまたは異なる質量を有し得、少なくとも約0.1μg(マイクログラム)、例えば約0.1μg~約1.000μg、または約1μg~約250μg、または約1μg~約50μgの量の第1の有効成分、および少なくとも約0.1μg、例えば約0.1μg~約1.000μg、または約1μg~約250μg、または約1μg~約50μgの量の第2の有効成分を含む。他の実施形態では、第1の液体組成物は第1の有効成分を含み、第2の液体組成物は、同じまたは異なる質量を有し得て少なくとも1μg、2μg、2.5μg、5μg、10μg、20μg、50μg、または100μgの量を含む第2の有効成分を含む。なおさらなる実施形態では、第1の液体組成物の単回用量は、ある量の第1の有効成分を含み、第2の液体組成物は、約1~10μg、約2~30μg、または約2.5~25μgの範囲の同じまたは異なる質量を有し得るある量の第2の有効成分、および場合により第3の有効成分を含む。
【0049】
さらなる実施形態では、第1および/または第2の液体組成物は、場合によっては、2つ以上の有効成分、例えば上記の量または濃度の2つ以上の異なる有効成分の混合物を含み得る。
【0050】
さらなる実施形態では、吸入装置は片手で快適に保持することができる。吸入装置は、第1および第2の液体組成物を別々に貯蔵するための少なくとも2つのリザーバと、各々が前記ポンプ室内に圧力を発生させるためのポンプ室を含む少なくとも2つのポンプユニットとを備え、第1のポンプ室は、第1のリザーバの方向にブロックする第1の逆止弁を介して、任意選択的に第1のリザーバパイプ(またはリザーバパイプセクション)によって、第1のリザーバと流体接続される。同様に、第2のポンプ室は、第2のリザーバの方向にブロックする第2の逆止弁を介して、任意選択的に第2のリザーバパイプ(またはリザーバパイプセクション)によって、第2のリザーバと流体接続される。したがって、第1および第2の逆止弁は、第1および第2のリザーバから第1および第2のポンプ室への液体の流れを可能にし、反対方向の流れを遮断する。
【0051】
いくつかの実施形態では、吸入装置は、第1のポンプ室に収容することができる少なくとも1つのリザーバに面する内側端部と、第1のライザーパイプの外側端部に直接的または間接的に液密に接続された第1の出口領域とを有する第1のライザーパイプをさらに備える。同様に、吸入装置は、第2のポンプ室に収容することができる少なくとも1つのリザーバに面する内側端部と、第2のライザーパイプの外側端部に直接的または間接的に液密に接続された第2の出口領域とを有する第2のライザーパイプをさらに備える。
【0052】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのポンプ室の内部容積は、ポンプ室のライザーパイプに対する相対運動によって変更可能であり、各ライザーパイプは、そのそれぞれのポンプ室に押し込まれることによって容積を増加させ、そのそれぞれのポンプ室から引き出されることによって容積を減少させる。「内部容積」という用語は、各ポンプ室のリザーバに面する入口から、それぞれのライザーパイプの内側端部が位置する場所まで延在する容積を表す。
【0053】
本発明の別の実施形態では、各ライザーパイプは不動であり、直接的または間接的に、および/または恒久的または取り外し可能に装置に取り付けられ、各ポンプ室は装置に対して移動可能である。言い換えれば、各ライザーパイプは、装置に対するその位置を維持し、各ポンプ室は、装置に対するその位置を、特にその長手方向軸に沿って、可動ポンプ室の不動のライザーパイプのシリンダ内ピストン型移動を実行するように変更することができる。そのような不動のライザーパイプは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2018/197730号パンフレットに詳細に記載されている。
【0054】
別の実施形態では、各ライザーパイプの不動性は、装置ではなく、主に出口領域に関連する。したがって、出口領域およびライザーパイプは、可動性の観点から、1つのユニットを形成する。しかしながら、出口領域自体が装置に対して不動である場合、これはライザーパイプにも当てはまり、したがって記載された実施形態に到達する。
【0055】
これらの特徴の利点は、ポンプ室とリザーバとの間の通路を、既知の技術と比較してより少ない制限で設計できることである。例えば、当技術分野で知られている中空ピストン内に収容される必要がないため、製造がより容易な大幅に大きい逆止弁を設計することが可能である。結果として、それぞれの逆止弁のサイズは、主に、装置の内部のサイズ、またはそのような構造が所望される場合には、ポンピングユニットを取り囲むポテンシャルエネルギー貯蔵ユニットの内部のサイズによってのみ制限される。当技術分野で知られているように、弁、ライザーパイプ、およびリザーバ管の直径の(おおよその)同一性は、陳腐化する。さらに、可動ピストンを各リザーバに接続する必要がないため、リザーバに入る構成要素と可動構成要素(すなわち、ポンプ室)とを互いに独立して設計することができ、個々の機能によりよく適合させることができる。この点において、本発明は、少なくとも2つの可動ポンプ室が、それらの堅牢な構造および寸法に起因して、リザーバとの機械的に安定した接続を設計するためのより良好な機会を、典型的にはそれほど堅牢ではないそれぞれの可動ライザーパイプがもたらすよりももたらすので、より高次の設計の柔軟性を与える。また、ポンプ室とリザーバとの間の接続は、より高い流速および流体粘度が実現可能になるように、より大きな直径で設計することができる。さらに、リザーバのための機械的支持体を、ポンプ室を含む構成要素に組み込むことができる。さらに、リザーバの圧力平衡のための通気口は、リザーバ本体自体から離れて、例えばリザーバとポンプ室との間の界面を形成するコネクタに移動することができ、構築を容易にし、本質的に「開いた」リザーバ本体を設ける必要性を回避する。
【0056】
一実施形態によれば、少なくとも2つの逆止弁の各々は、弁の上流側と下流側、すなわちリザーバとポンプ室側との間の圧力差が所定の閾値を上回る場合にのみ開くように適合され、圧力差が閾値を下回る限り閉じたままである。「圧力差」とは、具体的な圧力の値に関係なく、逆止弁が遮断するか開くかを決定するために、両側の相対圧力差のみが関連することを意味する。
【0057】
少なくとも2つのポンプユニットの各々の作動時に、高いポンプ室圧力を構築することによって、圧力差(ポンプ室内の圧力が高く、リザーバ内の圧力が著しく低いため、大きな圧力差が生じる)が十分に高くなり、圧力差の閾値を超え、その結果、少なくとも2つの逆止弁の各々が最終的に開き、圧力室がリザーバからの液体で満たされることを可能にする。
【0058】
さらなる実施形態によれば、吸入装置は、少なくとも2つの出口弁を備え、少なくとも2つのライザーパイプの各々の内側に1つずつ、液体または空気の外部端部への戻り流を回避する。
【0059】
別の実施形態によれば、吸入装置は、少なくとも2つのライザーパイプの各々と、少なくとも2つのライザーパイプの各々の外側端部に向かう液体または空気の戻り流を回避するための少なくとも2つの出口領域との間に、少なくとも2つの出口弁を備える。
【0060】
任意選択的に、少なくとも2つの出口弁の各々は、上述のように圧力差の閾値を下回ることを阻止する(および圧力差の閾値を上回ることを受け入れる)タイプのものとすることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1および第2の液体組成物の2つの出口の流れを分離するために、第1の出口領域および第2の出口が単一のノズルに組み込まれるか、または第1の出口領域が第1のノズルに組み込まれ、第2の出口領域が第2のノズルに組み込まれる。特定の実施形態では、ノズルは、比較的平坦なプレートのスタックとして構成される。このようなプレートは、好ましくは、エッチングなどの材料減算技術によって製造することができる。シリコン、ガラス、金属、セラミック、またはプラスチックなどの異なる材料のウエハが半製品を形成することができる。各出口領域に通じるチャネルは、基板の2つの平坦な側面のうちの1つに、または両側にさえもたらされる。次いで、このようなプレートのいくつかを積み重ねることによって、複数の噴出チャネル対を提供するノズルスタックを製造することができる。いくつかの実施形態では、各出口領域は、デバイスから液体組成物を排出するための少なくとも2つのチャネルを含む。
【0062】
他の実施形態では、ノズルは、三次元回転対称基本形状から構成される。そのような基本形状は、円錐、円筒、または角錐であり得る。典型的には、ベース形状の回転軸または対称軸は、完成したノズルの主軸と一致する。
【0063】
さらなる実施形態によれば、少なくとも2つのリザーバの各々は、ポンプ室にしっかりと取り付けられ、したがって装置内で移動可能である。これは、各噴出サイクルにおいて、第1のリザーバが第1のポンプ室と共に、第1のポンプ室がその最大内部容積を有する初期の位置から、それが最小である終了位置まで移動し、最終的に初期の位置に戻ることを意味する。同様に、第2のリザーバは、第2のポンプ室がその最大内部容積を有する初期の位置から、それが最小である終了位置まで、第2のポンプ室と共に移動し、最終的に初期位置に戻る。本明細書で使用される場合、「しっかりと取り付けられた」という表現は、永久的および非永久的(すなわち、解放可能である)の両方の取り付け形態を含む。この構造の利点の1つは、リザーバとポンプ室との間の可能な限り小さいデッドボリュームを提供することである。
【0064】
別の実施形態によれば、少なくとも2つのリザーバの各々は、例えばホースなどの可撓性要素によって少なくとも1つのポンプ室に接続され、装置にしっかりと取り付けられる。したがって、この実施形態によれば、第1および第2のリザーバの各々は、第1および第2のポンプ室と共に移動せず、デバイスにしっかりと(しかしながら、典型的には着脱可能で)取り付けられる。この構造の1つの利点は、ポテンシャルエネルギーの貯蔵手段をロック解除すると突然放出されるエネルギーが、第1および第2のポンプ室を加速するために第1および第2のポンプ室にのみ作用するが、通常、特にその使用の開始時に比較的大きな質量を有することができる第1および第2のリザーバにも作用しないことである。第1および第2のポンプ室のより高い加速、したがってより高い圧力が結果として生じる。
【0065】
別の態様では、本発明は、1つ以上の有効成分、添加剤、および/または賦形剤を含む第1の液体組成物を収容する第1のリザーバ、および1つ以上の有効成分、添加剤、および/または賦形剤を含む第2の液体組成物を収容する第2のリザーバに関し、第1および第2のリザーバのそれぞれが、本発明の第1の態様による吸入装置、または上述の装置の実施形態の組み合わせでの使用に適合される。第1および第2のリザーバは、吸入装置の他の特徴および構成要素と収容および一体化されるように適合され、標準化されてもよく、その場合複数のリザーバ(例えば、2つ以上)が吸入装置に収容および一体化され得る。前記第1のリザーバは、第1のポンプ室に接続可能であり、前記第2のリザーバは、第2のポンプ室に接続可能である。一実施形態では、本発明によるリザーバ(2A、2B)の各々は、ポンプ室(3A、3B)の各々にしっかりと取り付け可能であるように適合され、したがって装置内で移動可能である。別の実施形態では、リザーバ(2A、2B)の各々は、可撓性要素によってポンプ室(3A、3B)の各々に接続するように適合され、装置にしっかりと取り付けられる。
【0066】
収容され得る、すなわち第1および第2のリザーバに貯蔵され得る第1および第2の液体組成物の量は、装置の作動時に、第1および第2の液体組成物の少なくとも1つの計量用量の量が放出される量である。いくつかの実施形態では、第1および第2のリザーバの各々は、装置の複数の作動を介して投与され得る複数の単回用量を含むことを意味する複数用量リザーバである。代替的に表現すると、第1および第2のリザーバの各々は、好ましくは、吸入装置の多数または複数の作動に適合した量の第1および第2の液体組成物を含む。
【0067】
一実施形態では、吸入装置および/または吸入装置に適合した少なくとも2つのリザーバは、吸入装置の1から約120回、または1から約90回、または1から約60回、または1から約30回、または1から約20回、または約10から約90回、または約60回の作動に適した量の少なくとも2つの液体組成物、または1から120回、または1から90回、または1から60回、または1から30回、または1から20回、または約10から約60回、または約80回の計量用量のエーロゾル化された液体組成物の放出に適した量の少なくとも2つの液体組成物を含む。
【0068】
本発明のさらなる態様では、吸入器装置は、第1のリザーバ内の第1の液体組成物と、第2のリザーバ内の第2の液体組成物とを含む。第1および第2の液体組成物は、吸入での使用に適し、適合した組成物、換言すれば、吸入のために霧化されてもよく、対象による吸入のために生理学的に許容される組成物として製剤化される。
【0069】
吸入装置内、より具体的には第1および第2のリザーバ内に収容された第1および第2の液体組成物は、分散液、例えば液体連続相および固体分散相を有する懸濁液の形態であってもよい。しかしながら、好ましくは、第1および第2の液体組成物は溶液の形態であり、有効成分および他の材料が液体担体溶液に溶解および可溶化される。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1および第2の液体組成物は、液体担体と同じまたは異なる溶媒組成物を含む。しかし、特定の実施形態では、第1および第2の液体組成物は、液体担体として異なる溶媒組成物を含むことが好ましい。例えば、第1の液体組成物および第2の液体組成物は両方とも水溶液を含み得る。他の実施形態では、第1の液体組成物は水溶液を含んでもよく、第2の液体組成物は有機溶液または水溶液と有機溶液の混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、有機溶液は、エタノール溶液などのアルコール溶液を含む。
【0071】
さらなる特定の実施形態では、液体担体または溶媒は、水および/またはエタノール、好ましくはエタノールを含む。さらなる特定の実施形態では、そのような液体担体または溶媒は、エタノールまたはエタノールと水との混合物を含むか、または好ましくはエタノールまたはエタノールと水との混合物からなり、エタノールは少なくとも約50wt%、または少なくとも約60wt%または少なくとも約70wt%またはさらに多い量、また約50wt%以下または約40wt%以下、または約30wt%以下、またはさらに少ない対応する量の水を含み得る。特定の実施形態では、液体ビヒクルまたは溶媒は、約60~約80wt%の量のエタノール、例えば約70wt%、および約40~約20wt%の量の水、例えば約30wt%を含むかまたはこれからなる。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1の液体組成物は、好ましくは薬学的有効量の長時間作用型ベータアゴニスト(LABA)を含む。非限定的で例示的な長時間作用型ベータアゴニストには、アルブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、インダカテロール、インダクテロール、イソエタリン、イソプレナリンレボサルブタモール、マブテロールメルカプドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール、ソテレノト、スルホンテロール、チアラムデ、テルブタリンおよびテルブテロールが含まれる。いくつかの実施形態において、長時間作用型ベータアゴニストは、オロダテロールである。
【0073】
他の実施形態では、第1の液体組成物は、好ましくは薬学的有効量の長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA)を含む。非限定的で例示的な長時間作用型ムスカリンアンタゴニストとしては、臭化アクリジニウム、臭化グリコピロニウム、レブレフェナシン、チオトロピウム、例えば臭化チオトロピウム、臭化ウメクリジニウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化イプラトロピウム、塩化トロスピウムおよびトルテロジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、長時間作用型ムスカリンアンタゴニストは臭化チオトロピウムである。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1の液体組成物は、長時間作用型ベータアゴニストと長時間作用型ムスカリンアンタゴニストとの混合物を含む。いくつかの実施形態では、長時間作用型ベータアゴニストと長時間作用型ムスカリンアンタゴニストとの混合物は、オロダテロールおよびチオトロピウムブロミドを含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、第2の液体組成物は、吸入コルチコステロイド(ICS)を含む。非限定的で例示的な吸入コルチコステロイドとしては、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコルト(butixocort)プロピオネート、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン(フロ酸)、シクレソニド、ロフレポニド、デキサメタゾン、エチプレノール-ジクロロアセテート、デフラザコート、エチプレドノール、ロテプレドノール、RPR-106541、NS-126およびST-26が挙げられる。いくつかの実施形態において、吸入コルチコステロイドはシクレソニドである。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1の液体組成物は長時間作用型ベータアゴニストを含み、第2の液体組成物は吸入コルチコステロイドを含む。特定の実施形態では、長時間作用型ベータアゴニストはオロダテロールであり、吸入コルチコステロイドはシクレソニドである。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1の液体組成物は、長時間作用型ベータアゴニストと長時間作用型ムスカリンアンタゴニストとの混合物を含み、第2の液体組成物は、吸入コルチコステロイドを含む。特定の実施形態では、長時間作用型ベータアゴニストと長時間作用型ムスカリンアンタゴニストの混合物は、オロダテロールおよび臭化チオトロピウムを含み、吸入コルチコステロイドはシクレソニドである。
【0078】
さらなる実施形態では、第1および第2の液体組成物は、任意選択的に、吸入での使用に適した1つ以上の生理学的に許容される添加剤および/または賦形剤を含んでもよい。組成物において特色とされ得る賦形剤としては、限定されないが、溶液のpHを調節または制御するための1つまたはそれを超える緩衝剤、塩、矯味剤、界面活性剤、脂質、酸化防止剤、保存剤、例えば塩化ベンザルコニウム(BAC)、パラベン、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびその塩、ならびに共溶媒が挙げられ、それは溶解度を増強または改善するために使用され得、例えばエタノールまたはグリコールが挙げられる。いくつかの実施形態では、液体組成物は、ヒドロフルオロアルカン(HFA)噴射剤などの噴射剤も本質的に含まない。
【0079】
本発明のさらなる態様は、疾患または状態の治療および予防的治療における吸入装置の使用に関する。特定の実施形態では、疾患または状態は、肺または呼吸器の疾患または状態である。特に、本発明による吸入装置は、肺の疾患または状態の治療または予防に使用される。本明細書で理解されるように、肺疾患または肺状態は、対象の肺および関連する気道の1つまたは複数の解剖学的側面および/または機能に影響を及ぼし得る。
【0080】
治療は、疾患または状態の治療のための第1および第2の液体組成物の投与を指し、例えば、疾患または状態の少なくとも1つの症状の改善、減少もしくは軽減、または疾患または状態の少なくとも1つの症状の進行の停止もしくは遅延、例えば肺機能の維持をもたらす。疾患または状態の予防は、予防的治療であると理解され得、疾患または状態を発症していない可能性があるがリスクがあるか、または疾患または状態の影響を受けやすい対象への第1および第2の液体組成物の投与を指す。
【0081】
疾患または状態の治療または予防の両方において、第1および第2の液体組成物は、吸入装置および本明細書に記載の実施形態によって、治療有効量、例えば上記の量で投与される。
【0082】
特に好ましい実施形態では、疾患または状態は、例えば喘息または慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)などの肺疾患である。
【0083】
さらなる態様では、本発明は、任意の疾患または状態に関連してそれを必要とする対象を治療するための医薬品または医療機器の製造または調製における、上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1および第2の液体組成物を含む吸入装置またはリザーバの使用を提供し、また本発明の文脈で提供される。特定の実施形態では、疾患または状態は、肺の疾患または状態、例えば、喘息または慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)である。他の特定の実施形態では、第1の液体組成物は、長時間作用型ベータアゴニスト、例えばオロダテロールを含み、第2の液体組成物は、吸入コルチコステロイド、例えばシクレソニドを含む。さらに他の特定の実施形態では、第1の液体組成物は、臭化チオトロピウムなどの長時間作用型ムスカリンアンタゴニストをさらに含む。
【0084】
なおさらなる態様では、本発明はまた、それを必要とする対象の疾患または状態を治療または予防する方法であって、上記実施形態のいずれか1つまたは組み合わせに記載の吸入装置を使用して、計量用量の第1の液体組成物および第2の液体組成物を投与するステップを含む方法に関する。特定の実施形態では、疾患または状態は、肺の疾患または状態、例えば、喘息または慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)である。他の特定の実施形態では、第1の液体組成物は、長時間作用型ベータアゴニスト、例えばオロダテロールを含み、第2の液体組成物は、吸入コルチコステロイド、例えばシクレソニドを含む。さらに他の特定の実施形態では、第1の液体組成物は、臭化チオトロピウムなどの長時間作用型ムスカリンアンタゴニストをさらに含む。
【0085】
好ましくは、本明細書に記載の方法で使用される吸入装置は手持ち式、すなわち携帯型装置であり、これにより、第1および第2の液体組成物の投与および装置の作動は、ヒト対象または患者自身によって直接、装置に付随してもよい所定の指示に従って実行される。
【0086】
さらなる態様では、本発明は、液体組成物をそれを必要とする対象に送達する方法であって、上記の吸入装置を前記対象に提供するステップを含む方法を提供する。対象は、好ましくはヒト患者、特に疾患または状態、好ましくは喘息またはCOPDなどの肺疾患に罹患しているヒト患者である。患者には、装置を使用し、装置を作動させ、装置から放出されたエアロゾルを吸入するための指示をさらに提供することができる。
【0087】
なおさらなる態様では、本発明は、疾患または状態、好ましくは喘息またはCOPDなどの肺の疾患に罹患している対象を治療する方法であって、上述の装置を使用して第1および第2の液体組成物を前記対象に投与するステップを含む方法を提供する。やはり、患者には、装置を使用し、装置を作動させ、装置から放出されたエアロゾルを吸入するための指示を提供することができる。
【0088】
なおさらなる態様では、本発明は、疾患または状態、好ましくは喘息またはCOPDなどの肺の疾患に罹患している対象を治療する方法に使用するための第1および第2の液体組成物の組み合わせを提供し、第1および第2の液体組成物は、本発明の第1の態様による吸入装置を使用して対象に投与される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】本発明を実施するのに有用な吸入装置の主要な構成要素を示す。
【0090】
図1には、本発明を実施するのに有用な例示的な吸入装置の主要な構成要素が概略的に示されており、縮尺が一定ではなく、最初に使用する前の状況である。図示の装置は、本明細書に開示される本発明の吸入装置の非限定的な実施形態を表す。
【0091】
吸入装置はハウジング1を備え、ハウジング1は、片手で保持することができ、1本の指、例えば親指(図示せず)で操作することができるような形状および寸法であることが好ましい。装置は、医学的に活性な液体F1、F2をそれぞれ貯蔵するための2つのリザーバ2A、2Bをさらに備える。図示のリザーバ2A、2Bは、折り畳み可能に設計されている。これは、空にすることを進める間に、弾性壁または少なくとも石灰壁が座屈し、その結果、一定量の液体F1、F2の抽出に必要な相対負圧(すなわち、部分真空)が増加しない、またはほとんど増加しないことを意味する。同様の効果は、剛性の容器が可動の底部を有し、それによってそれぞれのリザーバの内部容積も連続的に減少させることができる代替実施形態(図示せず)によって達成することができる。
【0092】
さらに、吸入装置は、液体F1、F2を放出して噴霧するのに必要な所望の圧力を発生させるための2つのポンプ室3A、3Bを有するポンプユニットを備える。ポンプユニットはまた、図示されていない追加の構成要素(押しボタン、ロック装置など)を含むことができる。
【0093】
少なくとも2つのポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット6A、6B(例えば、ばね)が設けられ、その各々は、ポンプ室3A、3Bの一端(上向き)に結合され、ハウジング1(図の下部)で支持される。
【0094】
吸入装置は、前記ポンプ室3A、3Bに収容することができる少なくとも1つのそれぞれのリザーバに面する内側端部4A’、4B’を有する少なくとも2つのライザーパイプ4A、4Bをさらに備える。言い換えれば、ライザーパイプ4A、4Bは、ポンプ室3A、3Bの中に少なくとも部分的に押し込むことができ、ポンプ室3A、3Bの内部容積の減少をもたらす。「内部容積」という用語は、ポンプ室3A、3Bのリザーバに面する入口からライザーパイプ4A、4Bの内側端部4A’、4B’が位置する場所まで延在する容積を表す。
【0095】
好ましくは、ライザーパイプの受け入れに役立つ部分において、ポンプ室3A、3Bは、対応するライザーパイプ部分の(したがって)円形の外側断面に対応する円形の内側断面を有する部分を有する。もちろん、他の断面形状も可能である。
【0096】
さらに、吸入装置は、各々がライザーパイプ4A、4Bのそれぞれの外側端部4A’’、4B’’に液密に接続された2つの出口領域5A、5Bを備える。出口領域5A、5Bは、2つの衝突する液体ジェットの原理を使用して、単一の流れまたは少なくとも2つの流れで液体を噴霧/霧化するのに適している。例として示されている出口領域5A、5Bは、2つの別個のノズルユニットを含むが、出口領域5A、5Bはまた、1つのノズルユニット(図示せず)に含まれてもよい。2つの出口領域5A、5Bの各々は、個々のポンプ室3A、3B、したがって液体リザーバ2A、2Bに接続されている。各液体F1、F2は、望ましくなく混ざり合うのを回避するために、それ自体のポンプ室3A、3Bを有する。
【0097】
ライザーパイプ4A、4Bは、不動であり、装置にしっかりと取り付けられるように設計されている。ライザーパイプ4A、4Bはまた、出口領域5A、5Bにしっかりと取り付けられ、順次出口領域5A、5Bも同様に装置に取り付けられる。反対に、ポンプ室3A、3Bは、装置および出口領域5A、5Bに対して移動可能であるように設計されている。この設計の利点は既に説明されている。上記の各セクションを参照されたい。
項目のリスト
とりわけ、本発明は、以下の特定の実施形態に関する。
【0098】
1.少なくとも2つの液体組成物のエアロゾルを生成するための吸入装置であって、少なくとも第1および第2の液体組成物(F1、F2)を収容する少なくとも第1および第2のリザーバ(2A、2B)と、但し吸入装置は、作動時に、第1のリザーバ(2A)からの第1の液体組成物(F1)の計量用量および第2のリザーバ(2B)からの第2の液体組成物(F2)の計量用量を放出するように適合されたポンプ作動式吸入器であり、吸入装置は、第1のポンプ室(3A)内の第1の圧力および第2のポンプ室(3B)内の第2の圧力を生成するための少なくとも第1および第2のポンプ室(3A、3B)に流体接続される第1および第2の液体組成物(F1、F2)を収容するための第1および第2のリザーバ(2A、2B)を含み、その各々が第1および第2のポンプ室(3A、3B)のリザーバに面する内側端部(4A’、4B’)で受容可能である、第1および第2のライザーパイプ(4A、4B)と、但し第1および第2のポンプ室(3A、3B)の内部容積は、第1および第2のライザーパイプ(4A、4B)に対する第1および第2のポンプ室(3A、3B)の相対運動によって変更可能である、吸入装置から第1および第2の液体組成物(F1、F2)を別々に排出するように適合された少なくとも第1の出口領域および第2の出口領域(5A、5B)と、第1のポンプ室(3A)の一端に結合された第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A)と、第2のポンプ室(3B)の一端に結合された第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6B)とを備える、吸入装置。
【0099】
2.別個のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A、6B)に結合された第1および第2のポンプ室(3A、3B)が、少なくとも2つの液体組成物を放出するための所望の圧力を生成する、実施形態1に記載の吸入装置。
【0100】
3.第1および第2のライザーパイプ(4A、4B)の各々は、不動であり、装置ならびに/または第1および第2の出口領域(5A、5B)にしっかりと取り付けられ、第1および第2のポンプ室(3A、3B)の各々は、装置ならびに/あるいは第1および第2の出口領域(5A、5B)に対して可動である、実施形態1~2のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0101】
4.第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A)および第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6B)がそれぞれ同じ力を生成する、実施形態1~3のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0102】
5.第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A)および第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6B)がそれぞれ異なる力を生成する、実施形態1~3のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0103】
6.力が約5ニュートン(N)~約200ニュートン(N)である、実施形態4または5に記載の吸入装置。
【0104】
7.第1のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6A)および第2のポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット(6B)がそれぞればねを備える、実施形態1~6のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0105】
8.各ばねが、約50ニューロン/メートル(N/m)~約5.000ニューロン/メートル(N/m)の同じまたは異なるばね定数(k)を有する、請求項7に記載の吸入装置。
【0106】
9.第1の出口領域(5A)および第2の出口領域(5B)が単一のノズルに組み込まれる、実施形態1~8のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0107】
10.第1の出口領域(5A)が第1のノズルに組み込まれ、第2の出口領域(5B)が第2のノズルに組み込まれる、実施形態1~8のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0108】
11.第1の出口領域(5A)が、装置から第1の液体組成物(F1)を排出するための少なくとも2つのチャネルを含み、第2の出口領域(5B)が、装置から第2の液体組成物(F2)を排出するための少なくとも2つのチャネルを含む、実施形態1~10のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0109】
12.第1のリザーバおよび第2のリザーバは単一のカートリッジユニットに組み込まれるか、または第1のリザーバは第1のカートリッジユニットに組み込まれ、第2のリザーバは第2のカートリッジユニットに組み込まれる、実施形態1~11のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0110】
13.第1の液体組成物(F1)の計量用量が、第2の液体組成物(F2)の計量用量と同じ体積を有する、実施形態1~12のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0111】
14.第1の液体組成物(F1)の計量用量が、第2の液体組成物(F2)の計量用量と異なる体積を有する、実施形態1~12のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0112】
15.第1の液体組成物(F1)および第2の液体組成物(F2)が、同じまたは異なる溶媒組成物を含む、実施形態1から14のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0113】
16.第1の液体組成物(F1)が水溶液を含み、第2の液体組成物(F2)が有機溶液または水溶液と有機溶液との混合物を含む、実施形態15に記載の吸入装置。
【0114】
17.有機溶液がアルコール溶液を含む、実施形態16に記載の吸入装置。
【0115】
18.第1の液体組成物が長時間作用型ベータアゴニストを含み、第2の液体組成物が吸入コルチコステロイドを含む、実施形態1~17のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0116】
19.長時間作用型ベータアゴニストを含む第1の液体組成物の計量容量が少なくとも1μLの体積を有し、吸入コルチコステロイドを含む第2の液体組成物の計量用量が少なくとも1μLの体積を有する、実施形態18に記載の吸入装置。
【0117】
20.第1の液体組成物の計量用量が、少なくとも1μgの量の長時間作用型ベータアゴニストを含み、第2の液体組成物の計量用量が、少なくとも1μgの量の吸入コルチコステロイドを含む、実施形態19に記載の吸入装置。
【0118】
21.第1の液体組成物が長時間作用型ベータアゴニストと長時間作用型ムスカリンアンタゴニストとの混合物を含み、第2の液体組成物が吸入コルチコステロイドを含む、実施形態18~20のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0119】
22.長時間作用型ベータアゴニストおよび長時間作用型ムスカリンアンタゴニストを含む第1の液体組成物の計量用量が少なくとも1μLの体積を有し、吸入コルチコステロイドを含む第2の液体組成物の計量用量が少なくとも1μLの体積を有する、実施形態21に記載の吸入装置。
【0120】
23.第1の液体組成物の計量用量が、少なくとも1μgの量の長時間作用型ベータアゴニスト、および少なくとも1μgの量の長時間作用型ムスカリンアンタゴニストを含み、第2の液体組成物の計量用量が、少なくとも1μgの量の吸入コルチコステロイドを含む、実施形態22に記載の吸入装置。
【0121】
24.長時間作用型ベータアゴニストが、アルブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、インダカテロール、インダクテロール、イソエタリン、イソプレナリンレボサルブタモール、マブテロールメルカプアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール、ソテレノト、スルホンテロール、チアラムド、テルブタリンおよびテルブテロールからなる群から選択される、実施形態18~23のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0122】
25.長時間作用型ベータアゴニストがオロオデテロールである、実施形態18から24のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0123】
26.長時間作用型ムスカリンアンタゴニストが、アクリジニウムブロミド、グリコピロニウムブロミド、レブフェナシン、チオトロピウムブロミド、ウメクリジニウムブロミド、オキシトロピウムブロミド、フルトロピウムブロミド、イプラトロピウムブロミド、塩化トロスピウム、およびトルテロジンからなる群から選択される、実施形態21~25のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0124】
27.長時間作用型ムスカリン拮抗薬が臭化チオトロピウムである、実施形態21~26のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0125】
28.吸入コルチコステロイドが、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコール・プロピオネート、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、デキサメタゾン、エチプロドール-ジクロロアセテート、デフラザコート、エチプレドノール、ロテプレドノール、RPR-106541、NS-126およびST-26からなる群から選択される、実施形態18~27のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0126】
29.吸入コルチコステロイドがシクレソニドである、実施形態18~28のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0127】
30.長時間作用型ムスカリンアンタゴニストが臭化チオトロピウムであり、長時間作用型ベータアゴニストがオロダテロールであり、吸入コルチコステロイドがシクレソニドである、実施形態21~29のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0128】
31.第1のリザーバ(2A)が第1のポンプ室(3A)にしっかりと取り付けられ、第2のリザーバ(2B)が第2のポンプ室(3B)にしっかりと取り付けられ、したがって装置の内部で移動可能であるか、または、第1のリザーバ(2A)が第1の可撓性要素を用いて第1のポンプ室(3A)に接続され、第2のリザーバ(2B)が第2の可撓性要素を用いて第2のポンプ室(3B)に接続され、第1および第2のリザーバ(2A、2B)がそれぞれ装置にしっかりと取り付けられている、実施形態1~30のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0129】
32.第1の液体組成物および第2の液体組成物の各々が、1つ以上の賦形剤、緩衝剤、および/または共溶媒をさらに含む、実施形態1~31のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0130】
33.疾患または状態の治療または予防に使用するための、実施形態1~32のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0131】
34.肺の疾患または状態の治療または予防に使用するための、実施形態1~33のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0132】
35.肺の疾患または状態が喘息または慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)である、実施形態34に記載の吸入装置。
【0133】
36.長時間作用型ベータアゴニストが第1の液体組成物に溶解され、吸入コルチコステロイドが第2の液体組成物に溶解される、実施形態18~35のいずれか一項に記載の吸入装置。
【0134】
37.第1の液体組成物が、第1の液体組成物に溶解した長時間作用型ムスカリンアンタゴニストをさらに含む、実施形態36に記載の吸入装置。
【0135】
38.疾患または状態に罹患している対象を治療する方法であって、実施形態1から37いずれか一項に記載の装置を使用して有効量の少なくとも2つの有効成分を前記対象に投与することを含む、方法。
【0136】
39.疾患または状態が肺の疾患または状態である、実施形態38に記載の方法。
【0137】
40.少なくとも2つの有効成分が、長時間作用型ベータアゴニストおよび吸入コルチコステロイドを含む、実施形態38~39のいずれか一項に記載の方法。
【0138】
41.少なくとも2つの有効成分が、長時間作用型ベータアゴニスト、長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト、および吸入コルチコステロイドを含む、実施形態40に記載の方法。
【0139】
42.肺の疾患または状態が喘息または慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)である、実施形態39~41のいずれか一項に記載の方法。
【0140】
43.疾患または状態に罹患している対象を治療する方法であって、有効量の、それぞれが有効成分を含む少なくとも2つの液体組成物を、実施形態1~37のいずれか一項に記載のデバイスを使用して前記対象に投与するステップを含む、方法。
【0141】
44.少なくとも2つの液体組成物を、それを必要とする対象に送達するための方法であって、実施形態1~37のいずれか一項に記載の吸入装置を前記対象に準備するステップを含む、方法。
【0142】
45.前記少なくとも2つの液体組成物が、長時間作用型ベータアゴニストおよび吸入コルチコステロイドを含む、実施形態43~44のいずれか一項に記載の方法。
【0143】
46.少なくとも2つの液体組成物が、長時間作用型ベータアゴニストおよび長時間作用型ムスカリンアンタゴニストを含む第1の液体組成物と、吸入コルチコステロイドを含む第2の液体組成物とを含む、実施形態45に記載の方法。
【0144】
47.長時間作用型ベータアゴニストを含む第1の液体組成物を収容する第1のリザーバ、および吸入コルチコステロイドを含む第2の液体組成物を収容する第2のリザーバであって、前記第1および第2のリザーバが、実施形態1~37のいずれか一項に記載の吸入装置と共に使用するように適合されている、第1のリザーバおよび第2のリザーバ。
【0145】
48.第1の液体組成物が、長時間作用型ムスカリンアンタゴニストをさらに含む、実施形態47に記載のリザーバ。
【符号の説明】
【0146】
1 ハウジング
2A、2B 第1および第2のリザーバ
3A、3B 第1および第2のポンプ室
4A、4B 第1および第2のライザーパイプ
4A’、4B’ 内部端部
4A’’、4B’’ 外部端部
5A、5B 第1の出口領域および第2の出口領域
6A、6B ポテンシャルエネルギー貯蔵ユニット
F1、F2 第1および第2の液体組成物

図1
【国際調査報告】