(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】信号プロキシに基づく多目標一定誤警報確率検出方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/32 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
G01S7/32 220
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554626
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 CN2021109105
(87)【国際公開番号】W WO2022151708
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202110056412.7
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517312490
【氏名又は名称】ヂェァジァン ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.866,Yuhangtang Road,Xihu District,Hangzhou, Zhejiang China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ソン チュンイー
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ジーホイ
(72)【発明者】
【氏名】リー ジュンジエ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ユィイン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ ジーウェイ
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB17
5J070AH12
(57)【要約】
【課題】信号プロキシに基づく多目標一定誤警報確率検出方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、信号プロキシに基づく多目標一定誤警報確率検出方法を開示し、レーダ一定誤警報確率検出の技術分野に属する。前記方法は、レーダ信号の線形測定値とセンシング行列の相関関係を利用して目標をクラッターから区別し、次に検出された目標を元のバックグラウンドサンプルから除去して縮小サンプルを得る。最後に縮小サンプルについてバックグラウンドレベル推定を行って誤警報調整しきい値を得、しきい値を下回る目標を除去して、最後の一定誤警報確率検出結果を得る。本発明の方法は、信号のまばらさに適応することができ、目標検出を実現するために事前に推定された環境バックグラウンドレベルに依存する必要がなく、多目標遮蔽の影響を効果的に克服する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【請求項2】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave、FMCW)レーダの多目標一定誤警報確率(Constant False Alarm Rate、以下、CFARと略称する)検出の技術分野に属し、特に、信号プロキシに基づく多目標CFAR検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CFAR検出方法は、FMCWレーダシステムに安定した目標検出性能を持たせると同時に、過度の誤警報率によるレーダ受信機の故障を避けることができる。ただし従来のCFAR検出方法の多くは、目標クラッター環境バックグラウンドレベルの推定によって制限される。多目標の場合、干渉目標の存在は、バックグラウンドレベルの不正確な推定を引き起こし、これに伴いレーダ目標検出性能が低下する。したがって多目標シナリオでのCFAR検出方法に関する研究は、大きな注目を集めている。
【0003】
多目標シナリオに干渉目標が存在する場合、検出しきい値を正確に計算することは非常に困難である。従来のCFAR検出方法は、主に環境バックグラウンドレベルの推定を介して検出しきい値を決定するが、参照ユニット内の干渉目標によって引き起こされる多目標遮蔽の影響は、バックグラウンドレベルの正確な推定に影響を及ぼすため、レーダシステム検出性能の低下をもたらす。
【0004】
従来のCFAR検出方法の欠点に着目し、改善された検出方法は、バックグラウンドレベルの推定前に信号サンプルの異常なデータを切り捨てることで、レーダ在多目標シナリオでのレーダの検出性能を効果的に改善させることができる。ただし、目標の検出は、バックグラウンドレベルの事前推定によって決定される検出しきい値に依存し、直接干渉目標の影響を避けることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の不足に着目し、多目標検出時にバックグラウンドレベルの事前推定によって決定された検出しきい値に依存する必要がなく、目標を迅速かつ正確に検出できる信号プロキシに基づく多目標一定誤警報確率検出方法を提供する。具体的技術的手段は、次の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の効果】
【0017】
本発明の信号プロキシに基づく多目標一定誤警報確率検出方法は、FMCWレーダ多目標検出方法に着眼し、新しい検出アルゴリズムを使用することにより、環境バックグラウンドレベルの事前推定によって決定された検出しきい値に依存せずに目標検出を実現し、多目標遮蔽の影響を全面的かつ効果的に克服する。
【0018】
以下は、本発明の実施形態又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するため、実施形態又は従来技術の描写で使用される添付の図面を簡単に紹介する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係る多目標シナリオの概略図である。
【
図2】信号プロキシに基づく多目標一定誤警報確率検出方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の方法、性能の上限値及び従来のCFAR検出方法の性能比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的及び効果をより明確に理解するため、以下に図面及び好ましい実施例を参照しつつ本発明をさらに説明する。ここに明らかにされた具体的実施例は本発明の解釈を助けることを意図するが、本発明の範囲を如何とも限定することは意図しないことを理解されたい。
【0021】
本発明により提供される信号プロキシに基づく多目標一定誤警報確率検出方法は、多目標環境の下で、干渉目標により引き起こされるレーダシステム検出性能低下の問題を効果的に解決することができ、同時に適応的な誤警報調整しきい値を通じて一定誤警報確率を実現する。
【0022】
図1に示すように、多目標シナリオでは、ミリ波レーダを目標検出センサーとし、動作周波数帯域が76~81GHZの範囲にあり、レーダシステムは信号プロキシに基づく多目標一定誤警報確率検出方法を使用し、同じサイズの10個のレーダーリフレクターを目標とした。ミリ波レーダから発射された電磁波がシナリオ内の異なる距離にある目標によって反射された後、エコー信号がレーダに受信された。
【0023】
【0024】
図3は、このテストのシナリオにおける各検出方法のレーダ受信機動作特性(Receiver Operating Characteristic、ROC)曲線を比較するもので、結果は本発明の方法が従来のCFAR検出方法よりも優れており、性能の上限値に最も近いことを示している。これは、本発明におけるCFAR検出方法が多目標遮蔽の影響を効果的に克服し、多目標シナリオにおいてロバストな検出性能を有することを示している。
【0025】
上記は、発明の好ましい実施例にすぎず、発明を限定することを意図していないことは、当業者によって理解されるだろう。前述の実施例を参照しつつ本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、前述の各実施例に記載の技術的手段を修正できるか、その中の一部の技術的特徴を均等範囲で置き換えることができる。本発明の精神及び原則の範囲内で行われた全ての修正、均等物による置換などは本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】