IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メディヘルプライン カンパニー,リミテッドの特許一覧 ▶ パク,オク ナムの特許一覧

特表2023-519549炎症性疾患の治療または改善のための竜眼肉含有混合生薬抽出物を含む経口用組成物およびその使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】炎症性疾患の治療または改善のための竜眼肉含有混合生薬抽出物を含む経口用組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/77 20060101AFI20230501BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 36/69 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 36/236 20060101ALI20230501BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230501BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20230501BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20230501BHJP
   A23F 3/14 20060101ALI20230501BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20230501BHJP
【FI】
A61K36/77 ZNA
A61P29/00
A61P17/00
A61P27/02
A61P1/02
A61P11/02
A61P27/16
A61P11/04
A61P11/00
A61P1/04
A61P29/00 101
A61P17/10
A61P21/00
A61P1/16
A61P13/10
A61P13/12
A61P37/08
A61P19/06
A61K36/69
A61K36/236
A61P43/00 121
A23L33/105
A23L2/00 F
A23L2/52
A23F3/14
C12N15/09 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555655
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 KR2021003728
(87)【国際公開番号】W WO2021201502
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0040949
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032875
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Witepsol
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522362833
【氏名又は名称】メディヘルプライン カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522362844
【氏名又は名称】パク,オク ナム
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,オク ナム
(72)【発明者】
【氏名】リュ,ヘ イン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B027
4B117
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE04
4B018LE05
4B018LE06
4B018MD01
4B018MD10
4B018MD23
4B018MD29
4B018MD33
4B018MD34
4B018MD48
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF06
4B027FB01
4B027FB08
4B027FB10
4B027FE09
4B027FK08
4B027FP90
4B117LC04
4B117LE10
4B117LG05
4B117LG24
4B117LK08
4B117LK11
4B117LK14
4B117LP01
4B117LP14
4B117LP17
4B117LP20
4C088AB12
4C088AB40
4C088AB54
4C088BA08
4C088CA05
4C088CA06
4C088MA07
4C088MA52
4C088NA05
4C088ZA33
4C088ZA34
4C088ZA59
4C088ZA66
4C088ZA67
4C088ZA68
4C088ZA75
4C088ZA81
4C088ZA89
4C088ZA94
4C088ZB11
4C088ZB13
4C088ZB15
4C088ZC75
(57)【要約】
炎症に関与するサイトカイン(RPLPO、TSLP、GM-CSFおよびIL-1β)の発現阻害効果(実験例1);HT-29およびTHP-1細胞に対する細胞生存率試験(in vitro、実験例2);THP-1細胞における抗炎症活性(in vitro、実験例3);オートファジー活性抑制効果(in vitro、実験例4)などのin vitro実験だけでなく、関節炎誘発ラット動物モデルを用いた関節炎抑制効果(in vivo、実験例5)などのin vivo実験を行うことにより、本発明の組み合わせ組成物の抗炎症/抗リウマチ効果が強力であることが立証された。したがって、本発明の混合抽出物は、経口用医薬組成物の形態として炎症性疾患および関節炎疾患の改善または治療に非常に有用であることが確認された。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎、歯周炎、鼻炎、中耳炎、咽頭痛、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、リウマチ熱、狼瘡、線維筋痛症、腱炎、腱鞘炎、腱周囲炎、筋炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群、慢性炎症および急性炎症によって引き起こされる掻痒症の群から選択される炎症性疾患を予防および治療するための竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の混合生薬抽出物を有効成分として含む経口用医薬組成物。
【請求項2】
前記混合生薬抽出物は、(a)0.01-100:0.01-100:0.01-100重量部(w/w)の範囲の竜眼肉、藁本およびオンジの乾燥重量(w/w)を基準とした混合比を有する竜眼肉、藁本およびオンジの混合生薬抽出物、または(b)0.01-100:0.01-100:0.01-100重量部(w/w)の範囲の竜眼肉、藁本およびオンジの乾燥重量(w/w)を基準とした混合比を有する竜眼肉、藁本およびオンジの各抽出物の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の経口用医薬組成物。
【請求項3】
前記抽出物は、水、C-C低級アルキルアルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ヘキサン、ブチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリンから選択される1つ以上の溶媒で抽出されることを特徴とする、請求項1に記載の経口用医薬組成物。
【請求項4】
皮膚炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎、歯周炎、鼻炎、中耳炎、咽頭痛、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、リウマチ熱、狼瘡、線維筋痛症、腱炎、腱鞘炎、腱周囲炎、筋炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群、慢性炎症および急性炎症によって引き起こされる掻痒症の群から選択される炎症性疾患を予防および改善するための竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の混合生薬抽出物を有効成分として含む健康機能食品。
【請求項5】
前記健康機能食品は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、シロップ、ティーバッグ、浸出茶、または飲料の形態で提供されることを特徴とする、請求項4に記載の健康機能食品。
【請求項6】
皮膚炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎、歯周炎、鼻炎、中耳炎、咽頭痛、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、リウマチ熱、狼瘡、線維筋痛症、腱炎、腱鞘炎、腱周囲炎、筋炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群、慢性炎症および急性炎症によって引き起こされる掻痒症の群から選択される炎症性疾患を予防または改善するための竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の混合生薬抽出物を有効成分としてまたは主要成分として含む健康補助食品。
【請求項7】
竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の有効量の混合生薬抽出物またはその薬学的に許容される担体を哺乳動物に経口投与する段階を含む、哺乳動物の皮膚炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎、歯周炎、鼻炎、中耳炎、咽頭痛、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、リウマチ熱、狼瘡、線維筋痛症、腱炎、腱鞘炎、腱周囲炎、筋炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群、慢性炎症および急性炎症によって引き起こされる掻痒症の群から選択される炎症性疾患を治療または改善する方法。
【請求項8】
有効成分であって、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎、歯周炎、鼻炎、中耳炎、咽頭痛、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、リウマチ熱、狼瘡、線維筋痛症、腱炎、腱鞘炎、腱周囲炎、筋炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群、慢性炎症および急性炎症によって引き起こされる掻痒症の群から選択される炎症性疾患を治療または改善するために使用される経口用製剤を調製するための 竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の混合生薬抽出物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性疾患の治療または予防のための竜眼肉(Longanae Arillus)を含む混合生薬抽出物を含む経口用医薬組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、炎症反応とは、組織や細胞が侵襲を受け、組織や細胞に何らかの有機的変化が生じた場合に、浮腫や痛みなどを伴う人体の正常な反応である。近年、様々な種類のサイトカインが炎症性疾患に関与していることが明らかになった。
【0003】
したがって、好中球などのような炎症細胞によって分泌され、炎症、アレルギー反応、または喘息などの発生によって引き起こされるシステムである、ロイコトリエン生合成を引き起こす炎症細胞の活性化に関与するIL-4、IL-5、およびIL-13、および免疫グロブリンEなどの様々なサイトカインの産生を阻害することに有効な薬物を開発するため、多くの研究が進められてきた。
【0004】
炎症期がTNF-α、IL-1β、IL-6などのプロ炎症誘発性サイトカインとMMP(PDGF、VEGF、およびIGFなどのマトリックスメタロプロテイナーゼ)によって進行しているのに対し、成長因子の発現は減少することが知られている(Trengove NJ, Bielefeldt-Ohmann H, Stacey MC (2001) Mitogenic activity and cytokine levels in non-healing and healing chronic leg ulcers. Wound Repair and Regeneration. 8: 13-25.; Armstrong DG, Jude EB (2002) The Role of Matrix Metalloproteinases in Wound Healing. Journal of the American Podiatric Medical Association. 92:12-18.)。
【0005】
MMP(マトリックスメタロプロテイナーゼ)は、創傷部位のTIMP(メタロプロテイナーゼの組織阻害剤)によって制御され、これは細胞外基質を分解し、再上皮化(re-epithelialization)を可能にする(Martins VL, Caley M, O’ Toole EA (2013) Matrix metalloproteinases and epidermal wound repair. Cell and Tissue Research. 351:255-268)。
【0006】
特に、MMPの中でも慢性創傷に最も有害な影響を及ぼすとして知られているMMP-9についての研究が集中している(Jones JI, Nguyen TT, Peng Z, Chang M (2019) Targeting MMP-9 in Diabetic Foot Ulcers. Pharmaceuticals. 12: 79.; Reiss MJ, Han YP, Garcia E, Goldberg M, Yu H, Garner WL (2010) Matrix metalloproteinase-9 delays wound healing in a murine wound model. Surgery. 147:295-302.)。
【0007】
したがって、炎症性疾患を治療および改善する上で、天然由来原料から従来使用されてきた薬物よりも副作用が少ない、炎症性疾患を治療および改善するためのより効果的な薬物および化粧品を開発することが依然として必要とされている。
【0008】
ムクロジ科(Sapindaceae)に属するラムヤイ(Dimocarpus longan)、リュウガン(Euphoria longan)または同種の種皮である、竜眼肉(Longanae Arillus)は、グルコース、フルクトース、タンパク質などを含有し、心筋保護効果、食欲増進効果などを示すことが報告されている(Chung B. S et al, Dohaehyangyakdaesajeon,youngrimsa, 2nd Ed.p197-198,1998)。
【0009】
セリ科(Umbelliferae)に属するLigusticum tenuissimum Kitagawa、Ligusticum sinense Oliv、Ligusticum jeholense Nakai et Kitagawaまたは同種の根茎または根である藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)は、クニジリド(cnidilide)、3-ブチルフタリド(phthalide)などを含有し、抗菌効果などを示すことが報告されている(Chung B. S et al, Dohae-hyangyakdaesajeon,youngrimsa,2nd Ed.P428-429,1998)。
【0010】
ヒメハギ科(Polygalaceae)に属するイトヒメハギ(Polygala tenuifolia Willd)または同種の根であるオンジ(Polygalae radix)は、様々なサポニンを含有し、去痰作用、抗菌作用などを示すことが報告されている(Chung B. S et al, Dohaehyangyakdaesajeon,youngrimsa,2nd Ed.P798-799,1998)。
【0011】
しかし、その開示内容が本発明に引用され含まれた上記引用文献のどこにも、炎症性疾患に対する強力な治療効果を示す竜眼肉、藁本およびオンジを経口用として適用する混合生薬抽出物の予防または改善活性についての報告または開示がされていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Trengove NJ, Bielefeldt-Ohmann H, Stacey MC (2001) Mitogenic activity and cytokine levels in non-healing and healing chronic leg ulcers. Wound Repair and Regeneration. 8: 13-25.; Armstrong DG, Jude EB (2002) The Role of Matrix Metalloproteinases in Wound Healing. Journal of the American Podiatric Medical Association. 92:12-18。
【非特許文献2】Martins VL, Caley M, O’ Toole EA (2013) Matrix metalloproteinases and epidermal wound repair. Cell and Tissue Research. 351:255-268。
【非特許文献3】Jones JI, Nguyen TT, Peng Z, Chang M (2019) Targeting MMP-9 in Diabetic Foot Ulcers. Pharmaceuticals. 12: 79.; Reiss MJ, Han YP, Garcia E, Goldberg M, Yu H, Garner WL (2010) Matrix metalloproteinase-9 delays wound healing in a murine wound model. Surgery. 147:295-302。
【非特許文献4】Chung B. S et al, Dohaehyangyakdaesajeon, youngrimsa, 2nd Ed. p197-198, 1998。
【非特許文献5】Chung B. S et al, Dohaehyangyakdaesajeon, youngrimsa, 2nd Ed. P428-429, 1998。
【非特許文献6】Chung B. S et al, Dohaehyangyakdaesajeon, youngrimsa, 2nd Ed. P798-799, 1998。
【非特許文献7】Jeong et al., 2019, J. Invest. Dermatol., May; 139 (5):pp1098-1109。
【非特許文献8】Kwon JY et al., Sci Rep. 2018 Sep 14;8(1):13832。
【非特許文献9】Bulstra SK et al., 1989, Clin Orthop Relat Res: 294-302。
【非特許文献10】Pritzker K.P.H. et al., 2006, Osteoarthritis Cartilage 14:13-29。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の混合生薬抽出物の抗炎症効果を調べるために、本発明者らは炎症に関与するサイトカイン(RPLPO,TSLP,GM-CSFおよびIL-1β)の発現阻害効果(実験例1);HT-29およびTHP-1細胞に対する細胞生存率試験(in vitro、実験例2);THP-1細胞における抗炎症活性(in vitro、実験例3);オートファジー活性抑制効果(in vitro、実験例4)などのin vitro実験だけでなく、関節炎誘発ラット動物モデルを用いた関節炎抑制効果(in vivo、実験例5)などのin vivo実験を含む様々な実験を集中的に行った。これらの調査の結果、本発明者らは、本発明の混合生薬抽出物が炎症疾患を大幅に抑制され、改善したことを確認したことによって最終的に本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0014】
背景技術の問題を解決するための技術的解決策は、炎症性疾患または関節炎疾患を治療および予防するための新規生薬剤形を開発することである。
【0015】
したがって、本発明の目的は、炎症性疾患を治療および改善するための、竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の混合生薬抽出物を有効成分として含む経口用医薬組成物を提供することである。
【発明の効果】
【0016】
上述したように、本発明者らは、皮膚炎症に関与するサイトカイン(RPLPO、TSLP、GM-CSF、IL-1β)の発現抑制試験(実験例1);HT-29およびTHP-1細胞に対する細胞生存率試験(in vitro、実験例2);THP-1細胞における抗炎症活性(in vitro、実験例3);オートファジー活性抑制効果(in vitro、実験例4)のようなin vitro実験だけでなく、関節炎誘発ラット動物モデルを用いた関節炎抑制効果(in vivo、実験例5)などのin vivo実験を行うことにより、本発明の混合組成物の抗炎症/抗リウマチ効果が強力であることが立証された。したがって、本発明の混合組成物が経口用医薬組成物の形態として炎症性疾患および関節炎疾患の改善または治療に非常に有用であることを確認した。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明で定義される用語「混合生薬抽出物」は、混合生薬抽出物、すなわち、(a)竜眼肉、藁本およびオンジの乾燥重量(w/w)を基準とした混合比が0.01-100:0.01-100:0.01-100重量部(w/w)、好ましくは、0.1-50:0.1-50:0.1-50重量部(w/w)、より好ましくは、0.1-10:0.1-10:0.1-10重量部(w/w)、さらに好ましくは、1-5:1-5:1-5重量部(w/w)、最も好ましくは、1-3:1-3:1-3重量部(w/w)である、竜眼肉、藁本およびオンジの混合生薬抽出物;又は(b)竜眼肉、藁本およびオンジの乾燥重量(w/w)を基準とした混合比が0.01-100:0.01-100:0.01-100重量部(w/w)、好ましくは、0.1-50:0.1-50:0.1-50重量部(w/w)、より好ましくは、0.1-10:0.1-10:0.1-10重量部(w/w)、さらに好ましくは、1-5:1-5:1-5重量部(w/w)、最も好ましくは、1-3:1-3:1-3重量部(w/w)である、竜眼肉、藁本およびオンジの各抽出物の混合物を含む。
【0018】
本発明に開示する用語「抽出物」は、水、C-C低級アルキルアルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、など、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ヘキサン、ブチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリン、好ましくは、水、メタノール、エタノール、より好ましくは、水または水中10~90%(v/v)エタノール、最も好ましくは、水または水中20~80%(v/v)エタノールから選択される1つ以上の溶媒で抽出することができる抽出物を含む。
【0019】
本明細書で開示する用語「炎症性疾患」は、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎、歯周炎、鼻炎、中耳炎、咽頭痛、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、リウマチ熱、狼瘡、線維筋痛症、腱炎、腱鞘炎、腱周囲炎、筋炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群、慢性炎症および急性炎症によって引き起こされる掻痒症の群から選択される疾患を含む。
【0020】
本発明に開示する用語「抗リウマチ」 は、あらゆるリウマチを抑制するすべての機序を意味し、これらに限定されない。
【0021】
炎症は、病原体、損傷した細胞、または刺激物質などの有害な刺激に対する身体組織の複雑な生物学的反応の一部であり、熱、痛み、発赤、腫れなどの非特異的免疫応答を「炎症反応」と呼ぶ。
【0022】
炎症は、(a)有害な刺激に対する身体の初期反応である急性炎症であって、血液からの血漿および白血球(特に顆粒球)の損傷した組織への移動の増加によって達成され、その後、一連の生化学的事像が伝播され、そして局所血管系、免疫系、および損傷した組織内の様々な細胞に関連する炎症反応成熟によって達成される、炎症、および(b)慢性炎症として知られる炎症の長期化により、炎症部位に存在する細胞の種類、例えば、単核細胞の漸進的な変化をもたらし、炎症過程における組織の同時破壊および治癒を特徴とする、炎症として分類することができる。
【0023】
一般に、損傷した細胞のマクロファージは、様々なサイトカインを放出し、Tリンパ球を活性化し、リンパ球である肥満細胞は様々なヒスタミンを放出し、内部障壁反応を起こし、感染した細胞の炎症を誘導する。したがって、細胞サイトカインの発現レベルは、炎症反応の活性化(他の様態ら、抗炎症活性)の指標として用いることができる。本発明に開示される「抗炎症活性」は、様々な皮膚炎症に対する抑制活性を意味する。
【0024】
サイトカインは、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、およびマクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球、および肥満細胞などの免疫細胞だけでなく、内皮細胞を含む広範囲の細胞によって産生される腫瘍壊死因子、線維芽細胞、および様々な病原体、例えば、ウイルスなどの侵入によって引き起こされる免疫学的な進行を通じて放出される、多様な基質細胞を含むすべての免疫学的物質を意味する。
【0025】
一般に、サイトカインは 感染初期に放出されるが、免疫システムが異常に活性化されると、持続的に放出される。一週間以上などの長期間にわたって高レベルのサイトカインが放出された場合を、本発明者らは「サイトカインストーム(storm)」と呼んでいる。これは自然免疫系がサイトカインと呼ばれるプロ炎症性シグナル送達分子が抑制不能となり、過剰な放出を惹起する、また、免疫細胞が感染部位に極度に大量にホーミングすることで炎症を悪化させ、血管を弛緩させて血管外漏出を起こし、最悪の場合、死に至らしめる、生理的反応である。本発明に開示する用語「サイトカイン発現の抑制活性」は、サイトカインストームの予防、治療または改善として解釈することができる。
【0026】
本発明に開示する用語「サイトカイン」は、アトピー性皮膚炎などの皮膚炎に関与する様々なサイトカイン、具体的には、TLSP(胸腺間質リンホポエチン)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば、GM-CSF(顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子)、M-CSF(マクロファージコロニー刺激因子)、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)など、インターロイキン、例えばインターロイキン-1(IL-1)、IL-4、IL-10、IL-12、IL-13、IL-31、IL-33など、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、インターフェロンガンマ(IFNγ)などの群から選択されたサイトカインを含むが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本発明の抽出物は、以下の好ましい実施形態に従って調製することができる。
【0028】
本発明の場合、前記抽出物は、以下のように調製することができる。
【0029】
本発明で定義されている用語「竜眼肉、藁本、およびオンジの混合生薬抽出物」は;「竜眼肉、藁本、およびオンジ」をスライスして洗浄し、第1段階の基本抽出物質として使用する段階;0.01-100:0.01-100:0.01-100重量部(w/w)、好ましくは、0.1-50:0.1-50:0.1-50重量部(w/w)、より好ましくは、0.1-10:0.1-10:0.1-10重量部(w/w)、さらに好ましくは、1-5:1-5:1-5重量部(w/w)、最も好ましくは、1-3:1-3:1-3重量部(w/w)範囲の竜眼肉、藁本およびオンジの乾燥重量(w/w)を基準とした混合比でよく混ぜ合わせ、第2段階の混合物質を得る段階;第3段階において、水、C-C低級アルキルアルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、など、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ヘキサン、ブチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリン、好ましくは、水、メタノール、エタノール、より好ましくは、水または水中10~90%(v/v)エタノール、最も好ましくは、水または水中20~80%(v/v)エタノールからなる群から選択される抽出溶媒1~20倍体積(v/w)、好ましくは4~8倍体積(v/w)を混合物質に添加する段階;第4段階において、50℃~120℃、好ましくは、約80℃~100℃の温度範囲で1~24時間、好ましくは、2~12時間の範囲の間、熱水抽出、冷水抽出、還流抽出または超音波抽出、好ましくは、熱水抽出による抽出法で各溶液を抽出する段階;前記抽出過程を繰り返し、各濾液を濾過、凍結乾燥、自然乾燥または熱風乾燥過程を介した乾燥、好ましくは凍結乾燥過程により収集し、本発明の竜眼肉、藁本およびオンジの混合生薬抽出物を得る段階を含む手順によって調製することができる。
【0030】
本発明の別の目的は、上述のように、本発明の竜眼肉、藁本およびオンジの混合生薬抽出物を調製する方法を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、皮膚潰瘍を治療および改善するための上記のような方法で調製された竜眼肉、藁本およびオンジの混合生薬抽出物を有効成分として含む経口用医薬組成物を提供することである。
【0032】
本発明のまた別の態様によれば、有効量の竜眼肉、藁本およびオンジの混合生薬抽出物、およびその薬学的に許容される担体を哺乳動物に経口投与する段階を含む、哺乳動物の炎症性疾患を治療または改善する方法が提供される。
【0033】
本発明の別の態様によれば、ヒトを含む哺乳動物の炎症性疾患を治療または改善するために使用される経口製剤を調製するための竜眼肉、藁本およびオンジの混合生薬抽出物の有効成分としての使用もまた提供される。
【0034】
本発明のまた別の目的は、炎症性疾患の予防および治療のための上記のような方法により得られた上記生薬抽出物を有効成分として含有する医薬組成物または健康機能性食品を提供することである。
【0035】
本発明者らは、炎症に関与するサイトカイン(RPLPO、TSLP、GM-CSFおよびIL-1β)の発現抑制試験(実験例1);HT-29およびTHP-1細胞の細胞生存率試験(in vitro、実験例2);THP-1細胞における抗炎症活性(in vitro、実験例3);オートファジー活性抑制効果(in vitro、実験例4)などのin vitro実験だけでなく、関節炎誘発ラット動物モデルを用いた関節炎抑制効果(in vivo、実験例5)と同様のin vivo実験を行うことにより、本発明の組成物の抗炎症/抗リウマチ効果が強力であることが立証された。したがって、本発明の混合抽出物が、経口用医薬組成物の形態として炎症性疾患および関節炎疾患の改善または治療に非常に有用であることを確認した。
【0036】
上記目的の疾患を治療するための医薬組成物は、組成物の総重量基準で上記本発明の生薬抽出物を約0.01~99w/w%含有することができる。
【0037】
しかし、上記組成物の量および各成分は、患者の状態、患者の疾患の進行、病状の種類などによって変わり得る。
【0038】
本発明の組成物は、使用方法によって従来の担体、アジュバントまたは希釈剤をさらに含むことができる。
【0039】
本発明による生薬組成物は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾルなどの経口投与形態;局所製剤;または注射溶液として剤形化することができる。本発明による生薬組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバントまたは希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギン酸、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱物油を含む医薬組成物として提供されることができる。剤形は、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、希釈剤などの賦形剤をさらに含むことができる。固体経口投与形態は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などを含み、固体経口投与形態は、生薬抽出物にデンプン、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトースまたはゼラチンなどの少なくとも1つの賦形剤を添加することによって調製される。ステアリン酸マグネシウムまたはタルクなどの潤滑剤を使用することができる。水性経口投与形態は、懸濁液、経口溶液、エマルジョン、シロップを含み、水性経口投与形態は、湿潤剤、甘味料、香味料、防腐剤だけでなく、水、流動パラフィンなどのあらゆる賦形剤を含み得る。非経口投与形態は、滅菌水溶液、非水性溶媒、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥製剤、坐剤などを含む。担体の適切な例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物性油、エチルオレートなどの注射可能なエステルが含まれる。坐剤の基剤としては、ウィテプソル(witepsol)、マクロゴール(macrogol)、ツイン61(tween 61)、カカオバター、ラウリン(laurin)、グリセロゼラチンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本発明の組成物の好ましい用量は、対象体の状態および体重、重症度、薬物形態、投与経路および期間によって変わり、当業者によって選択され得る。しかし、好ましい効果を得るためには、一般に本発明の本組成物を0.01mg/kg~10g/kg、好ましくは、1mg/kg~1g/kg(重量/日) の範囲の量で投与することが推奨される。用量は、1日当たり1回または複数回の用量で投与することができる。
【0041】
本発明の医薬組成物は、様々な経路を介して哺乳動物(ラット、マウス、家畜またはヒト)などの対象体の動物に投与することができる。すべての投与方式が考えられ、例えば、投与は経口、直腸、または静脈内注射によって行うことができる。
【0042】
本発明の一態様によれば、本発明は、炎症性疾患の予防または改善のための竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の混合生薬抽出物を有効成分として含む健康機能食品を提供する。
【0043】
本明細書に開示する用語「健康機能食品」は、ヒトまたは哺乳動物の目的とする疾患を予防または改善するために従来の食品に本発明の抽出物を添加することにより、物理的機能性または生理的機能性などといった機能性が強化された機能性食品として、韓国健康機能食品法6727条によって規定されている。
【0044】
前記目的の疾患を予防および改善するための健康機能食品組成物は、組成物の総重量基準で約0.01~95w/w%、好ましくは1~80w/w%の前記本発明の生薬組成物を含有することができる。
【0045】
また、本発明の本抽出物は、炎症性疾患の予防または改善のための様々な健康機能食品および健康補助食品の製造時、主成分または添加剤および補助剤として使用することができる。
【0046】
本発明の健康機能食品は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、シロップなどの薬学的に許容される投与形態;またはティーバッグ、浸出茶、健康飲料形態などの健康機能食品形態で製造および加工することができる。
【0047】
本発明のまた別の目的は、炎症性疾患の予防または改善のための竜眼肉(Longanae Arillus)、藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)およびオンジ(Polygalae radix)の混合生薬抽出物を有効成分または主成分として含む健康補助食品を提供することである。
【0048】
上述の用語「主成分」とは、前記健康補助食品が組成物の総重量基準で約30~99(w/w%)、好ましくは50~99(w/w%)、より好ましくは70~99(w/w)の本発明の抽出物を含むことを意味する。
【0049】
本発明の混合生薬抽出物を健康機能飲料組成物の成分として使用する場合、健康機能性飲料組成物は、従来の飲料組成物と同様に制限なく香味剤または天然炭水化物などの他の成分を含むことができる。天然炭水化物としては、例えば、グルコース、フルクトースなどの単糖類;マルトース、スクロースなどの二糖類;および多糖類、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどの糖、および糖アルコール、例えば、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールが含まれる。健康機能性飲料組成物には、天然香料(タウマチン、ステビア抽出物(レバウジオサイドA、グリシリジンなど))および合成着香料(サッカリン、アスパルテームなど)を添加することができる。天然炭水化物の量は、一般に、本組成物100ml当たり約1~20g、好ましくは約5~12gの範囲である。
【0050】
本発明の混合生薬抽出物を健康食品の食品添加物として使用する場合、混合生薬抽出物をそのまま添加してもよく、一般工程に従って他の食品成分と併用してもよい。食品の例としては、目的とする疾患の予防または改善のために、肉製品、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ、スナック、クラッカー、ビスケット、ピザ、ラーメン、麺類、チューインガム、アイスクリームなどの乳製品、スープ、飲料(beverage)、お茶、飲料(drink)、酒類、ビタミン複合体などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
上記組成物以外の他の成分としては、各種栄養素、ビタミン、ミネラル又は電解質、合成香料、着色剤およびチーズの場合、改良剤、チョコレート等、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護コロイド接着剤、pH調整剤、安定化剤、保存剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭化剤などがある。上記成分以外の他の成分は、天然フルーツジュース製造用フルーツジュース、フルーツジュース飲料および野菜飲料であってもよく、これらの成分は単独でまたは組み合わせて使用することができる。成分の割合はそれほど重要ではないが、一般的には存在する組成物100w/w%当たり約0~20w/w%の範囲である。
【0052】
また、上記の抽出物は、目的とする障害の予防および改善のために食品または飲料に添加することができる。健康機能食品または健康補助食品としての食品または飲料における上記抽出物の含有量は、一般に、健康機能性食品組成物用食品の総重量の約0.01~15w/w%の範囲であってもよい。また、本発明の抽出物は、健康飲料組成物100ml当たり0.02~5g、好ましくは0.3~1gを添加することができる。
【0053】
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の組成物、用途および製剤に様々な変更および変形を行うことができることは当業者にとって自明なことであろう。
【0054】
本発明は、以下の実施例によってより具体的に説明される。しかし、本発明はいかなる方法でもこれらの実施形態に限定されないものであることを理解すべきである。
【実施例
【0055】
以下の実施例および実験例は、本発明の範囲を限定することなく本発明をさらに例示するためのものである。
【0056】
実施例1.本発明の混合抽出物(1)の調製
乾燥竜眼肉(Longanae Arillus)(Buyoung Yakup Co.Ltd.)20g、乾燥藁本(Ligustici Tenuissimi Rhizoma)(Buyoung Yakup Co.Ltd.)20gおよび乾燥オンジ(Polygalae radix)(Buyoung Yakup Co.Ltd.)20gを小片に切断した後、6倍体積(v/w)の20%エタノール水溶液と混合し、その混合物を90±5℃で3日間還流抽出した。抽出物をろ紙(孔径10μm未満)を通して濾過させ、残渣を除去した後、残りの残渣を4倍体積(v/w)の20%エタノール水溶液でさらに2回抽出し、抽出物をろ紙(孔径、10μm未満)を通して濾過した。
【0057】
収集した抽出物を一緒に混合し、真空下で濃縮し(16-21ブリックス)濃縮抽出物を得た。濃縮した抽出物を凍結乾燥過程により乾燥させ、粉砕し(50メッシュ未満)、本発明の混合抽出物(1)(以下、「WIN-1001X」と表す)20.5gを得た(乾燥基準粉末、収率33.4%)。
【0058】
実施例2-6.本発明の混合抽出物(2)-(6)の調製
実施例1に開示されたものとは異なる混合比および異なる溶媒を用いたことを除いては、全ての手順が実施例1と同様であり、竜眼肉(LA)、藁本(LT)およびオンジ(PR)の様々な本発明の混合抽出物、すなわち、本発明の混合抽出物(2)ないし本発明の混合抽出物(6)を得た。これを以下の実験にて試験試料として使用する。
【0059】
【表1】
【0060】
実験例1.サイトカイン発現に対する抑制効果(in vitro)
本発明の抽出物の抗炎症活性を決定するために、文献(Jeong et al.,2019,J.Invest.Dermatol.,May;139 (5):pp1098-1109)に記載された手順に従って、HaCaT細胞を用いた以下のサイトカイン発現抑制試験を行った。
【0061】
10%ウシ胎児血清、100単位/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン(D6429、Sigma-Aldrich Co.Ltd)を含有するDMEM培地にHaCaT細胞(ヒト表皮角化細胞、300493、CLS)を接種し、最適湿度(85~95%)および5%のCO雰囲気を維持しながらインキュベーター(HERA cell 150i, Thermo Fisher Scientific Co. Ltd.)でインキュベートした。
【0062】
遺伝子発現試験を行うために、インキュベートした細胞を12ウェルに移し、50ng/mlのTNFアルファ(RC214-12, Biobasic Co. Ltd)をそれと共に1時間処理し、炎症反応を誘導した。デキサメタゾン(200nM、陽性対照群、「DEX」、D4902,Sigma-Aldrich Co.Ltd.)および蒸留水(陰性対照群、「DIW」)を比較対照群として使用した。
【0063】
炎症誘発1時間後、実施例で調製した本発明の抽出物1μg/mlを同じ培地で処理し、1時間インキュベートした。インキュベーションした後、細胞からRNA(FATRR-001、Favorgen)を抽出し、cDNA合成キット(RRO36A、TAKARA)を用いてRNAからcDNAを合成した。合成されたcDNAとSybrgreenキット(RT500M、Enzynomics)を用いて重合反応を行った後、表2に示すような皮膚炎症に関与する様々なサイトカインに対するプライマー(RPLPO、TSLP、GM-CSF、およびIL-1β)を用いてリアルタイムPCRを行った。
【0064】
【表2】
【0065】
RT-PCRの定量的結果を示す表3から分かるように、本発明の抽出物で処理された試験試料群は、蒸留水(DIW)で処理した陰性対照群に比べて炎症に関与する様々なサイトカインの発現レベルが大幅に抑制されており、炎症に関与する様々なサイトカインの発現に対する試験試料の抑制活性は、デキサメタゾン(DEX)で処理した陽性対照群と同等であることが確認された。
【0066】
したがって、実施例1~6で調製された各種の本発明の混合抽出物は、炎症に対する強力な抑制効果があることが確認された。
【0067】
【表3】
【0068】
実験例2:HT-29およびTHP-1細胞に対する細胞生存率試験(in vitro)
HT-29細胞およびTHP-1細胞に対する本発明の抽出物の細胞毒性を確認するために、HT-29細胞およびTHP-1細胞を用いた以下の細胞生存率は、当技術分野における既知の手順に従った。
【0069】
2-1.手順
HT-29細胞(ヒト結腸上皮細胞、韓国細胞株バンク、韓国細胞株研究財団、ソウル市鍾路区大学路101、03080、韓国)を10%小胎児血清と1%ペニシリン-ストレプトマイシン溶液を含有するDMEM培地に接種し、THP-1細胞(ヒト単核球細胞、韓国細胞株バンク、韓国細胞株研究財団、ソウル市鍾路区大学路101、03080、韓国)を10%小胎児血清および1%ペニシリン-ストレプトマイシン溶液を含有するRPMI培地に接種し、インキュベートした。
【0070】
25、50、100、250、500および1000μg/mLの試験試料をHT-29細胞およびTHP-1細胞に添加した。インキュベーション24時間後にCCK-8(細胞計数キット-8、Dojindo Molecular Technologies, Inc.)を添加し、450nmでの吸光度(光学密度)を測定し、細胞生存率を測定した。
【0071】
2-2.試験結果
表4に示すように、HT-29細胞において本発明の抽出物(25~1000μg/mL)で処理した試験試料群の細胞生存率が培地のみで処理された陰性対照群と同様の細胞生存率を示しており、THP-1細胞では、500および1000μg/mL濃度でそれぞれ90.5%および26.5%を示し、陰性対照群と多少の差を示すことが確認され、500μg/mL未満の試験試料を以下の試験に適用した。
【0072】
【表4】
【0073】
実験例3.THP-1細胞における抗炎症活性(in vitro)
本発明の抽出物の抗炎症活性を決定するために、THP-1細胞を用いた以下のプロ炎症性サイトカインレベルの抑制試験を、当技術分野における既知の手順に従って行った。
【0074】
3-1.IL-1ベータ数値の測定
3-1-1.試験手順
10、20、50、100、および500μg/mL脂質多糖類類(LPS)をヒト単核球細胞株(THP-1細胞韓国細胞株バンク、韓国細胞株研究財団、ソウル鍾路区大学路101、03080、韓国)に添加し、炎症モデルを作製した。
【0075】
LPS処理24時間後、採取した細胞上清液中の炎症性サイトカインであるIL-1ベータの数値を測定した。
【0076】
また、THP-1細胞において、10、25、50、および100μg/mLの試験試料を4時間処理した後、これでLPSを処理し、試験試料の抗炎症効果を確認した。
【0077】
LPS処理24時間後、ELISAリーダー(IL-1ベータ/IL-1F2 IL-1F2 Duo set ELISA, R&D Systems)を用いてプロ炎症性サイトカインであるIL-1ベータの数値を測定した。
【0078】
3-1-2.試験結果
表5に示すように、実施例で調製された試験試料は、LPSを用量依存的に増加させながら増加したIL-1ベータの数値を大幅に減少させたことが確認できた。
【0079】
したがって、実施例で調製された本発明の混合抽出物は、炎症反応に対する強力な抑制効果を有することが確認された。
【0080】
【表5】
【0081】
3-2.IL-10の数値測定
3-2-1.試験手順
10、20、50、100、および500μg/mLの脂質多糖類(LPS)をヒト単核球細胞株(THP-1細胞韓国細胞株バンク、韓国細胞株研究財団、ソウル鍾路区大学路101、03080、韓国)に添加し、炎症モデルを作製した。
【0082】
LPS処理24時間後、採取した細胞上清液中の炎症性サイトカインであるIL-10の数値を測定した。
【0083】
また、THP-1細胞において、10、25、50、および100μg/mLの試験試料を4時間処理した後、これでLPSを処理し、試験試料の抗炎症効果を確認した。
【0084】
LPS処理24時間後、ELISAリーダー(IL-10、Duoset ELISA、R&D Systems)を用いてプロ炎症性サイトカインであるIL-10の数値を測定した。
【0085】
3-2-2.試験結果
表6に示すように、実施例で調製された試験試料は、LPSを用量依存的に増加させながら増加したIL-10の数値を大幅に減少させることが確認できた。
【0086】
したがって、実施例で調製された本発明の混合抽出物は、炎症反応に対する強力な抑制効果を有することが確認された。
【0087】
【表6】
【0088】
実験例4.オートファジー活性抑制効果(in vitro)
本発明の抽出物が免疫細胞における炎症性因子の発現に及ぼす効果を測定するために、THP-1細胞を用いた以下の試験を、当技術分野における既知の手順に従って行った。
【0089】
4-1.試験手順
抗炎症活性とオートファジー経路の相関関係を確認するために、10、20、50、100、および500μg/mLの脂質多糖類(LPS)をヒト単核球細胞株(THP-1細胞韓国細胞株バンク、韓国細胞主研究財団、ソウル鍾路区大学路101、03080、韓国)に添加し、炎症モデルを作製した。
【0090】
10、25、50、および100μg/mLの試験試料を処理した後、20および100μg/mLの脂質多糖類(LPS)を添加し、抗-Beclin
【0091】
1抗体(Abcam)およびLC3B-抗体(Cell Signaling)をそれぞれ用いたイムノブロッティング試験により、Beclin 1とLC3B(オートファジーマーカー)の発現を確認した。
【0092】
ChemiDocTMMPImagingSystem(Biorad)で得られた感光性フィルムをスキャンして、Beclin 1およびLC3Bの発現レベルを定量化した。
【0093】
4-2.試験結果
表7に示すように、試験試料と100μg/mLの脂質多糖類(LPS)で処理した試験群がLC3B-1とBeclin1の発現に対して用量依存的に増加する効果を示すことが確認された。
【0094】
【表7】
【0095】
実験例5.関節炎抑制効果(in vivo)
本発明の抽出物の関節炎抑制効果を確認するために、関節炎誘導性ラット動物モデルを用いた動物モデル実験を、当技術分野における既知の手順に従って行った。
【0096】
5-1.試験手順
MIA(ヨード酢酸モノナトリウム)誘導性変形性関節炎ラットモデルに対する試験試料の効能を評価するために、韓国、ソウルST.ソウル聖母病院カトリック大学に位置する「関節免疫疾患T2Bセンター(院長パク・ソンファン)」にて、以下の試験を行った。
【0097】
5-1-1.試験プロトコル
5-1-1-1.動物モデル試験手順
(1)試験動物:12時間間隔で明暗サイクル(08:00~20:00)、温度21±2℃、相対湿度50±20%を維持しながら、ラット(オスウィスタラット、中央研究所動物、ソウル、韓国、7~8週齢、200~250g)をポリスルホン製ケージ(ケージ当たり2~3匹のマウス)で適切に管理された飼育室で飼育し、周囲の環境に順応させた。
【0098】
試験方法:3mg/kgのヨウ素酢酸ナトリウム(MIA、I2512、Sigma、Poole、UK)を、実験当日(0日)に60mg/mlの濃度に達するように注射食塩水に溶解した。各群に分けた後、実験動物を麻酔室に入れ、ジエチルエーテルで麻酔させた。変形性関節症を誘発するために、1ccシリンジ(26.5ゲージ)を用いて、膝蓋靱帯を通して50μLのMIA(3mg/body)を右膝関節に注射した。
(2)試験試料:実施例で調製した本発明の抽出物
(3)陽性対照群:セレコシブ(Celecoxib)(ハンリム製薬、ソウル、韓国)
(4)治療経路:変形性関節炎誘発後3日目に経口投与(1日1回)
(5)試験群の設定:表8参照。
【0099】
5-1-1-2.投与経路および試験期間
(1)投与経路
MIAで変形性関節症を誘発した後、試験試料をビヒクル(食塩水)で処方された用量に応じて均質化し、1日1回1mLの試験試料を経口投与し、試験試料処理群(G2、G3)を調製した。
【0100】
陰性対照群(G1)は、ビヒクルのみで処理し、試験物質投与により試料スケジュールに従って1日1回経口投与した。
【0101】
陽性対照群(G4)は、処方された用量に従ってビヒクルに均質化し、1日1回経口投与した。
【0102】
(2)試験期間
24匹のラットを6匹当たり4つの群に分け、試験試料と陽性対照群物質を所定の時間に経口投与した。
【0103】
【表8】
【0104】
5-2.評価内容
5-2-1.痛みの閾値の測定
5-2-1-1.痛みの閾値の測定方法
痛みの閾値(侵害受容潜伏期、閾値)は、痛みの閾値を測定するためのvon Freestyle評価方法に従い、一定期間、雄ウィスタラットの肢に加えられる力を徐々に増加させる装置である、ダイナミックプランター・エステシオメータ(Ugo Basile, 37400, Comerio, Italy)を用いて測定を行った(Kwon JY et al., Sci Rep. 2018 Sep 14;8(1):13832)。
【0105】
測定前に、動物を金網ベンチ付きアクリルボックスに入れ、5分間順応させた。
【0106】
各動物の右後肢の中央に金属製フィラメントを用いて10秒間にわたって0~50gのゆっくりとした力を加え、動物が肢を引っ込める肢の引っ込め行動を示す体重を測定し、痛みの閾値を測定した。
【0107】
組織の損傷を避けるために、カットオフ閾値(cut-off threshold)を50gに設定し、測定時間をMIA治療による変形性関節症の誘発日の前日に設定し、正常対照群(G1)、試験試料群(G2、G3)および陽性対照群(G4)の基準線値を算出し、基準線(3日目)で同じ値が得られた。
【0108】
試験試料の処理前(3日目)同じ値を測定し、試験試料をラットの関節腔内に投与し、週1回特定時間に値を測定した。
【0109】
痛みの閾値の試験結果は、(a)肢引っ込め潜期(秒)および(b)肢引っ込め閾値(g)に従って計算した。
【0110】
5-2-1-2.痛みの閾値測定試験の結果
痛みの測定試験の結果、100および150mg/kgの試験試料で処理した試験試料群は、用量依存的にビヒクルで処理した陰性対照群と比較して、強力な痛み抑制効果を示すことが確認された(表9-10)。
【0111】
【表9】
【0112】
【表10】
【0113】
5-2-2.体重負荷測定に対する試験
5-2-2-1.体重負荷の測定
正常な後肢(左)と関節炎誘発後肢(右)間の体重の変化(または体重分布)を測定するために、文献(Kwon JY et al.,Sci Rep.2018 Sep 14;8(1):13832)に記載の方法に従って試験装置(モデル600、IITC、USA)を用いて両後肢の負荷を測定した。
【0114】
動物の肢の位置によって荷重が変わる可能性があるので、試験動物をホルダーに正しく配置させ、両肢が対称になるように固定する。なるべくあり得る誤差を減らすために特定人が固定する。
【0115】
各動物がホルダーに正確に配置すると、機械を作動させ、各群の体重負荷を1回の測定につき5秒間2回測定した。
【0116】
各試験結果の平均値は、各肢の体重負荷(g)でデジタル化した。
【0117】
MIA治療前の基準値(0日目)を得た後、正常対照群(G1)、試験試料群(G2、G3)および陽性対照群(G4)の体重負荷を週2回特定時間に試験試料測定前3日前に決定した(3日目)。
【0118】
体重負荷測定の試験結果を下記数式1に従って各体重負荷率に変換した。
【0119】
[数式1]
重量比(%)={右後肢の重量/(右後肢の重量+左後肢の重量)}×100
【0120】
5-2-2-2.体重負荷試験の結果
表11に示すように、試験試料群は、陰性対照群と比較して、両肢のバランス能力が大幅に向上されることが確認された。
【0121】
【表11】
【0122】
5-2-3.骨損傷抑制試験(組織学的解析、マイクロCT)
本発明の抽出物の骨損傷抑制効果を決定するために、文献(Kwon JY et al.,Sci.Rep.2018 Sep 14;8(1):13832)に記載された公知の方法に従って組織学的解析を行った。
【0123】
5-2-3-1.変形性関節症による骨損傷抑制効果(組織学的解析、マイクロCT)
本発明の抽出物の変形性関節症による骨損傷に対する抑制効果を確認するために、犠牲にしたラット(雄ウィスタラット)の右膝関節にMIAと試験試料を投与し、ホルマリンで固定した。
【0124】
3匹のラットからなる各群において、膝関節の大腿骨領域周辺の骨損傷の程度は、X線源(70kV、142uA、AI 0.5mmフィルター、回転ステップ0.6°)と動物用スキャナー(SKYSCAN1272 ex-vivo micro-CT, Bruker micro CT, Belgium)、断面形成(NRecon)、断面回転(Data Viewer)、データ解析(CTAN)、ボリュームレンダリング生成(CTVox)、および表面レンダリング(CTAN + CTVol)を含むピクセル解像度15μmでマイクロCT撮影を行った。
【0125】
5-2-3-2.組織学的解析の試験結果(マイクロ-CT)
表12に示すように、100および150mg/kgの試験試料で処理した試験試料群がマイクロCT撮影の試験結果を通じて陰性対象群(ビヒクル群)と比べて強力な骨損傷抑制効果を示すことが確認された。
【0126】
【表12】
【0127】
5-2-4.骨損傷抑制試験(組織病理学的解析)
本発明の抽出物の骨損傷抑制効果を決定するために、文献(Kwon JY et al.,Sci Rep.2018 Sep.14;8(1):13832)に公知された方法に従って以下の組織病理学的解析を行った。
【0128】
5-2-3-1.変形性関節症による骨損傷抑制効果(組織病理学的解析)
本発明の抽出物の変形性関節症による骨損傷に対する抑制効果を確認するために、犠牲にしたラット(雄ウィスタラット)の右膝関節にMIAと試験試料を投与し、ホルマリンで固定されたラットの右膝関節をスライスし、Safranin Oで染色した。
【0129】
組織病理学的解析は、膝関節の大腿骨領域(x200倍)を撮影することによって行った。試験結果は、総マンキンスコア(Bulstra SKら、1989、Clin Orthop Relat Res:294-302)およびOARSIスコア(Pritzker KPHら、2006、Osteoarthritis Cartilage 14 :13-29)を含む公知の方法に従って計算および評価した。
【0130】
5-2-3-2.組織病理学的解析試験の結果
表13(総マンキンスコア法)および表14(OARSIスコア)からわかるように、100および150mg/kgの試験試料で処理した試験試料群は、組織病理学的解析結果を通じた陰性対照群群(ビヒクル群)に比べて骨損傷に対する強力な抑制効果を示すことが確認された。
【0131】
【表13】
【0132】
【表14】
【0133】
統計解析
すべてのデータは、平均および標準偏差(平均±SD)で表され、GraphPad PRISMバージョン5.0(USA)解析プログラムにより、二元配置分散分析(two-way ANOVA)、一元配置分散分析(one-way ANOVA)を用いて統計的有意性検証が有意であると判断(P<0.05)された。
【0134】
以下、賦形剤の剤形化方法および種類について説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。代表的な調製例は、以下のように説明される。
【0135】
注射液の調製
WIN-1001Xエキス:100mg
メタ重亜硫酸ナトリウム:3.0mg
メチルパラベン:0.8mg
プロピルパラベン:0.1mg
注入用蒸留水:最適量
有効成分を溶解させ、pHを約7.5に調整した後、全成分を2mlアンプルに充填し、従来の注射剤調製法により滅菌して注射剤を調製した。
【0136】
散剤の調製
WIN-1002Xエキス:500mg
トウモロコシデンプン:100mg
ラクトース:100mg
タルク:10mg
上記の成分を混合し、密封パッケージに充填することにより散剤の製剤を調製した。
【0137】
錠剤の調製
WIN-1003Xエキス:200mg
トウモロコシデンプン:100mg
ラクトース:100mg
ステアリン酸マグネシウム:最適量
前記の成分を混合し、錠剤化することにより錠剤の製剤を調製した。
【0138】
カプセルの調製
WIN-1004Xエキス:100mg
ラクトース:50mg
トウモロコシデンプン:50mg
タルク:2mg
ステアリン酸マグネシウム:最適量
上記の成分を混合し、ゼラチンカプセルを従来のゼラチン製造方法により充填して錠剤の製剤を調製した。
【0139】
液体の調製
WIN-1005Xエキス:1000mg
糖:20g
多糖類:20g
レモン風味:20g
有効成分を溶解させた後、全成分を1000mlのアンプルに充填し、従来の液体の調製法で滅菌し、調製液を調製した。
【0140】
健康食品の製造
WIN-1001Xエキス:1000mg
ビタミン混合物:最適量
ビタミンAアセテート:70g
ビタミンE:1.0mg
ビタミンB10:13mg
ビタミンB:0.15mg
ビタミンB:0.5mg
ビタミンB:20.2g
ビタミンC:10mg
ビオチン:10g
アミドニコチン酸:1.7mg
葉酸:50g
パントテン酸カルシウム:0.5mg
ミネラル混合物:最適量
硫酸第一鉄:1.75mg
酸化亜鉛:0.82mg
炭酸マグネシウム:25.3mg
リン酸一カリウム:15mg
リン酸二カルシウム:55mg
クエン酸カリウム:90mg
炭酸カルシウム:100mg
塩化マグネシウム:24.8mg
上記のビタミンとミネラルの混合物は、あらゆる方法で多様にできる。このような変形は、本発明の精神および範囲から逸脱するとみなされるべきではない。
【0141】
健康飲料の調製
WIN-1002Xエキス:1000mg
クエン酸:1000mg
オリゴ糖:100g
アプリコット濃度:2g
タウリン:1g
蒸留水:900ml
有効成分を溶解させて混合し、85℃で1時間撹拌した後、濾過した後、全成分を1000mlアンプルに充填し、既存の健康飲料の調製方法で滅菌し、健康飲料の製剤を調製した。
【0142】
したがって、上述の本発明は多様な方法で変形可能であることが明らかである。このような変形は、本発明の精神および範囲から逸脱するものと見なされてはならず、当業者にとって自明であるような全ての変形は、下記特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明に記載されているように、本発明は、竜眼肉、藁本およびオンジの混合生薬抽出物を含む経口用医薬組成物を提供し、本発明者らは、炎症に関与するサイトカイン(RPLPO、TSLP、GM-CSF、およびIL-1ベータ)の発現抑制試験(実験例1);HT-29およびTHP-1細胞に対する細胞生存率試験(in vitro、実験例2);THP-1細胞における抗炎症活性(in vitro、実験例3);オートファジー活性抑制効果(in vitro、実験例4)などのin vitro実験だけでなく、関節炎誘発ラット動物モデルを用いた関節炎抑制効果(in vivo、実験例5)のようなin vivo実験を行うことにより、本発明の混合組成物の抗炎症/抗リウマチ効果が強力であることを立証した。したがって、本発明の混合抽出物が経口用医薬組成物の形態として炎症疾患および関節炎疾患の改善または治療に非常に有用であることを確認した。
【配列表】
2023519549000001.app
【国際調査報告】