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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】農業用流体付着助剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/00 20060101AFI20230501BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20230501BHJP
   A01N 47/06 20060101ALI20230501BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20230501BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20230501BHJP
   A01M 21/04 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A01N25/00 101
A01N43/80 101
A01N47/06 D
A01P13/00
A01P7/02
A01M21/04 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559506
(86)(22)【出願日】2021-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 CN2021085297
(87)【国際公開番号】W WO2021197475
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/083215
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508229301
【氏名又は名称】モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Momentive Performance Materials Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,フェンキ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ウィリアム,エル
(72)【発明者】
【氏名】ポリセッロ,ジョージ,エイ
(72)【発明者】
【氏名】ナウエ,ジェファーソン,エイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン,ロン
(72)【発明者】
【氏名】ツァォ,ゼンギャ
【テーマコード(参考)】
2B121
4H011
【Fターム(参考)】
2B121AA19
2B121CC05
2B121CC25
4H011AB01
4H011AC04
4H011BA01
4H011BB10
4H011BB12
4H011BC16
4H011DA14
4H011DG15
(57)【要約】
作物油濃縮物またはエステル化種子油濃縮物と組み合わせた、低分子量、低粘度のポリシロキサンを含む付着助剤が提供される。変性シリコーンを含む組み合わせは、葉への展着および/または接着を改善することができる。約5%から約20%の変性シリコーンを添加すると、展着および/または接着において割合を超える増加をもたらすことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)任意選択の油成分、(b)界面活性剤、および(c)約4,000g/モル以下の平均分子量および25℃で約50cSt以下の粘度を有するポリシロキサンの組み合わせを含む、オルガノシリコーンベースの農業用組成物であって、
ここでポリシロキサンは、任意選択の油成分が存在する場合、油成分に溶解性または分散性であり、そして一般式(I)を有し、
(I)
ここで
=RSiO1/2
=RSiO1/2
D=RSiO2/2
=R10SiO2/2
およびRは、ヒドロキシル(OH)、R、またはORから独立して選択され;
、R、RおよびRは、1から18個の炭素の一価のアルキル炭化水素ラジカル、および6から14個の炭素原子のアリールまたはアルカリール炭化水素ラジカルから独立して選択され;
は、ヒドロキシル(OH)、OR、1から4個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカル、-OSi(R、または-(OSiROSi(ROZから選択され、ここでZはHまたはRであり、そして下付き文字fは0から8であり;
は、1から4個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり;
およびR10は、1から18個の炭素の一価の炭化水素ラジカル、および6から14個の炭素原子のアリールまたはアルカリール炭化水素ラジカルから独立して選択され、そして
下付き文字xおよびyは独立して0から50であり、但しx+yは約1から50という条件である、農業用組成物。
【請求項2】
組成物の約5%から95%が油成分を含み、組成物の約1%から50%が界面活性剤を含み;そして組成物の約1%から95%がポリシロキサン成分を含む、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項3】
組み合わせが、ポリシロキサンが存在しない同じ組成物が葉に拡散または接着するよりも、葉表面への少なくとも、50%向上した展着、または50%向上した付着を示すことになる、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項4】
油成分が鉱油、パラフィン系作物油、植物油、またはエステル化種子油であり、そしてポリシロキサンがポリジメチルシロキサンまたは有機変性ポリシロキサンである、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項5】
が1から4個の炭素の一価の炭化水素ラジカルから選択される、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項6】
x+yが5から50である、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項7】
y=0であり、そしてxが3から50である、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項8】
からRがメチルである、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項9】
からRがメチルである、請求項7に記載の農業用組成物。
【請求項10】
y=0であり、そしてxが約5から25である、請求項9に記載の農業用組成物。
【請求項11】
ポリシロキサンが25℃で約20cSt以下の粘度を有する、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項12】
ポリシロキサンが約2,000g/モル以下の分子量を有する、請求項11に記載の農業用組成物。
【請求項13】
およびRが、1から18個の炭素の一価のアルキル炭化水素ラジカル、または6から14個の炭素原子のアリールもしくはアルカリール炭化水素ラジカルであり、そしてR、R、およびRからR10がメチルである、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項14】
x+yが5から50である、請求項12に記載の農業用組成物。
【請求項15】
10が1から18個の炭素の一価のアルキル炭化水素ラジカル、または6から14個の炭素原子のアリールもしくはアルカリール炭化水素ラジカルであり、そしてRからRがメチルである、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項16】
x+yが5から50である、請求項15に記載の農業用組成物。
【請求項17】
がOHであり、そしてRおよびRがメチルである、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項18】
およびRがOHであり、そしてRがメチルである、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項19】
、RおよびRがそれぞれOHである、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項20】
任意選択の油成分(a)が存在し、そしてR、RおよびRのそれぞれがOHではない、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項21】
組成物の約0%から95%が油成分(a)を含み、組成物の約1%から50%が界面活性剤(b)を含み;そして組成物の約1%から95%がポリシロキサン成分(c)を含み;
ここでRおよびRがヒドロキシル(OH)であり;
が、ヒドロキシル(OH)、または1から4個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルから独立して選択され;
が、1から4個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり;
xが4から50であり、そしてyが0である、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項22】
C4からC18アルコールアルコキシレート界面活性剤を含む、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項23】
d-リモネン、トリアセチン、ミリスチン酸イソプロピル、およびエステル化種子油から選択される溶媒を含む、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項24】
石油、鉱油、パラフィン系鉱油、植物油、エステル化植物油、エステル化種子油の群から選択される油担体を含む、請求項1に記載の農業用組成物。
【請求項25】
(a)油成分および(b)界面活性剤を含む農業用組成物の展着または付着特性を高める方法であって、ポリシロキサンまたはオルガノ変性ポリシロキサンが存在しない同じ配合物と比較した場合、組み合わせが10%向上した接着または展着を示すのに有効な量の約4,000g/モル未満の分子量を有する式(I)のポリシロキサンまたは有機変性ポリシロキサンを配合物に添加することを含む、方法。
【請求項26】
が1から4個の炭素の一価の炭化水素ラジカルから選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ポリシロキサンまたは有機変性ポリシロキサンが、25℃で約50cSt以下の粘度を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
生理活性成分および請求項1に記載の農業用組成物を含む農薬組成物。
【請求項29】
請求項28に記載の農薬組成物が適用された植物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、特定の流体の付着特性を改善できる添加剤に関し、より詳細には、農業目的で植物表面に噴霧される流体の付着特性を改善するための配合物および方法に関する。本発明による組成物は、農薬、より具体的には除草剤、殺虫剤、殺菌剤、生物製剤および成長調整剤に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
多くの化学配合物は、界面活性剤を含めることで恩恵を受けている。例えば、化学配合物に特定の界面活性剤を含めるにより、配合物の表面張力を効率的に下げることができる。これにより、配合物が適用される表面に接着する能力、および同じ量の配合物が表面のより広い領域に広がる能力を改善することができる。したがって、農業において、正しい界面活性剤を添加することは、配合物が適用される植物への配合物の付着の改善を促進することができ、そして同量の農薬配合物が植物のより広い領域をカバーするのを助けることができる。
【0003】
乳化性石油(作物油濃縮物またはCOC)および乳化性メチル化種子油(MSO)は、浸透性駆除剤および他の農薬の性能を高めるための農業用噴霧アジュバントとして長い間使用されてきている。作物油濃縮物およびメチル化種子油濃縮物は、一般に、乳化および付着特性を助けるように設計された界面活性剤パッケージを含んでいる。これらの油は通常、植物、菌類、昆虫への農薬の適用と浸透を促進するために使用されている。界面活性剤は、油の乳化に加えて、分散液またはエマルジョンの表面張力を低下させることによって噴霧付着特性を改善し、それによって葉面への液滴の接着を強化することができる。本明細書で使用する場合、界面活性剤という用語には、それらが添加される組成物の表面張力に影響を与える乳化剤、分散剤およびスプレッダーが含まれる。
【0004】
しかしながら、COCおよびMSOを含む農薬の展着、接着および他の特性をさらに改善することが望ましい。したがって、農業用駆除剤の接着および展着特性を、先行技術を使用して達成できるものを超えて改善することができるアジュバント組成物が望ましい。
【発明の概要】
【0005】
一般的に言えば、本発明によれば、展着および付着助剤が提供される。助剤は、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン、油、および界面活性剤を含むことができる。低分子量を有する低粘度ポリシロキサンが好ましく、例えば、約5000g/モル未満、好ましくは約4000g/モル未満、より好ましくは約2,000g/モル未満の分子量(本明細書で使用される場合、シリコーン油の分子量は、これらの油の数平均分子量を指す)を有するものである。好ましいポリシロキサンは、25℃で約100センチストークス(cSt)未満、好ましくは25℃で約50cSt未満、より好ましくは25℃で約20cSt未満の動粘度を有する(ASTM D445)。本発明による農業用組成物は、ポリシロキサン成分、任意選択の油成分、および界面活性剤を含む、本明細書で説明される展着および付着助剤と組み合わせた生理活性材料を含むことができる。本発明による農業用組成物は、作物油濃縮物(COC)またはメチル化種子油濃縮物(MSO)を含むことができる。それらは、20%以下、好ましくは10%以下のポリシロキサンを含むことができる。これらの組成物において、ポリシロキサンは、従来のCOCおよびMSO含有組成物と比較して、噴霧された農業用組成物の液滴の植生への付着および/または展着を著しく改善する働きをする。これらのポリシロキサン中の炭素対シロキサンの比率は、それらを油ベースストックに溶解または分散可能にするのに十分であるべきである。
【0006】
本発明による農業用途のためのオルガノシリコーンベースの農業用組成物は、(a)任意選択の油成分、(b)界面活性剤;および(c)約5,000未満、好ましくは約4,000g/モル未満の分子量を有し、そして25℃で約100未満、好ましくは約50cSt未満の粘度を有する約1%から95%のポリシロキサンであって、存在する場合、油成分に可溶性または分散性であるポリシロキサンを含む。
【0007】
本発明による組成物は、ポリシロキサンまたは有機変性ポリシロキサンが存在しない同じ配合物と比較した場合、農業用配合物の展着または接着特性を増加させることができる。
【0008】
本発明の油は、天然由来または合成的に調製されたC8からC18脂肪酸のメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルエステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、およびパルミチン酸メチル)を含む、石油、パラフィン系油、鉱油、植物油および/またはエステル化植物油(例えば、メチル化種子油、メチル化大豆油、メチル化ナタネ油、メチル化綿実油、メチル化パーム油、メチル化コーン油)であってよい。本発明の付着助剤の界面活性剤、分散剤および/またはスプレッダーは、第一級または第二級アルコールのエトキシル化またはアルコキシル化から誘導される少なくとも1つの界面活性剤を含むことができる。これには、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、および脂肪アルコールの混合ポリアルキレンオキシドアルコキシレートから選択される界面活性剤が含まれる。界面活性剤には、トリシロキサンアルコキシレート、アルキンジオールアルコキシレート、およびブロックまたはランダムポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーも含まれ得る。
【0009】
任意選択で、組成物は、d-リモネン、トリアセチン、ミリスチン酸イソプロピル、エステル化種子油または他の適切な溶媒から選択される溶媒も含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明をより完全に理解するために、添付の図面に関連して以下の説明を参照される。
【0011】
図1図1は、鉱油/シリコーン油混合物の平衡表面張力の例を示すグラフである。
【0012】
図2図2は、MO-1中のOSIL-1混合物の平衡表面張力の例を示すグラフである。
【0013】
図3図3は、大豆メチル/シリコーン油混合物の平衡表面張力の例を示すグラフである。
【0014】
図4図4は、COCの動的表面張力(DST)に対するPDMS添加の効果の例を示すグラフである。
【0015】
図5図5は、2つの例における0.5%分散液の拡散直径を示すグラフである。
【0016】
図6図6は、2つの例におけるエマルジョン安定性を示すグラフである。
【0017】
図7図7は、オルガノシリコーンスーパースプレッダーを含有するMSOアジュバントの泡体積に対する低MWPDMSの効果の例を示すグラフである。
【0018】
図8図8は、アルキルシリコーン/MO-1配合物の平衡表面張力の例を示すグラフである。
【0019】
図9図9は、例配合物のうち、ポインセチアの葉への液滴接着の例を示すグラフである。
【0020】
図10図10は、COCの動的表面張力に対するPDMの効果の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書および特許請求の範囲において、以下の用語および表現は示されているように理解されるべきである。
【0022】
単数形「a」、「an」、および「the」は複数形を含み、特定の数値への言及は、文脈が明確に指示しない限り、少なくともその特定の値を含む。
【0023】
実施例または別段の指示がある場合を除き、明細書および特許請求の範囲に記載された材料の量、反応条件、持続時間、材料の定量化された特性などを表すすべての数字は、全ての場合において用語「約」が修飾されているものとして理解されるべきである。
【0024】
本明細書に記載されたすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図しており、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。
【0025】
明細書中の文言は、特許請求されていない要素が本発明の実施に不可欠であることを示していると解釈されるべきではない。
【0026】
用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「特徴付けられる(characterized by)」、およびそれらの文法上の等価物は、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外しない包括的または制限のない用語であるが、「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consistingessentially of)」というより限定的な用語を含むと理解される。
【0027】
本明細書に記載される任意の数値範囲は、その範囲内のすべての下位範囲、およびそのような範囲または下位範囲の様々な端点の任意の組み合わせを含むことが理解される。
【0028】
本明細書で使用される場合、化学量論的下付き文字の整数値は分子種を指し、化学量論的下付き文字の非整数値は、分子量平均ベース、数平均ベース、またはモル分率ベースでの分子種の混合物を指す。
【0029】
さらに、構造的、組成的、および/または機能的に関連する化合物、材料、または物質の群に属するものとして明示的または黙示的に明細書に開示され、および/または特許請求の範囲に記載されている任意の化合物、材料、または物質には、群の個々の代表とそのすべての組合せが含まれることが理解されるであろう。
【0030】
本明細書で使用される「農薬」または「農業化薬」という用語は、駆除剤、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、幼虫駆除剤、ダニ殺虫剤、殺卵子剤、植物成長調整剤、種子処理剤などの農業用途に適している、すべての生理活性化合物、その抽出物、分画および副産物を含む生物学的材料、微生物を含む生物などを指すと理解されるべきである。「農業用組成物」とは、植物、雑草、景観、草、木、牧草地、または他の農業用途に適用される組成物を指す。農業用組成物は、濃縮または希釈形態で提供することができる。農薬組成物は、農薬(農業化薬)を含んでも含まなくてもよい。
【0031】
本明細書で使用される「アジュバント」という用語は、組成物に機能的に有用な特性、例えば、分散、湿潤、展着などを付与する、および/またはそれが添加される農薬または活性物質の有効性を高める任意の組成物、材料または物質を含む組成物がすでにある程度保有している機能的に有用な特性を増強する任意選択の成分を含む。
【0032】
「生理活性」という用語は、生物活性、すなわち生体(植物、動物、細菌または原生動物)有機体に対する正または負の効果を有する、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、軟体動物駆除剤などの駆除剤;植物または動物の栄養素;枯れ葉剤;および植物または動物の成長調整剤を含むが、これらに限定されない、農業用化薬または材料を指す。
【0033】
「炭化水素基」または「炭化水素ラジカル」という表現は、1つまたは複数の水素原子が除去された任意の炭化水素を意味し、アルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、環状アルキニル、アリール、アラルキルおよびアレニル基であり、少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素基を含む。
【0034】
「アルキル」という用語は、任意の一価の飽和直鎖、分岐鎖または環状炭化水素基を意味し;「アルケニル」という用語は、基の結合部位が炭素-炭素二重結合またはその中の他の場所のいずれかであり得る、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含む任意の一価の直鎖、分岐、または環状炭化水素基を意味し;そして「アルキニル」という用語は、基の結合部位は炭素-炭素三重結合、炭素-炭素二重結合、またはその中の他の場所である、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合、および任意選択で1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含む任意の一価の直鎖、分岐、または環状炭化水素基を意味する。アルキルの例には、メチル、エチル、プロピルおよびイソブチルが含まれる。アルケニルの例には、ビニル、プロペニル、アリル、メタリル、エチリデニルノルボルナン、エチリデンノルボルニル、エチリデニルノルボルネンおよびエチリデンノルボルネニルが含まれる。アルキニルの例には、アセチレニル、プロパルギルおよびメチルアセチレニルが含まれる。
【0035】
本明細書で使用される「スーパースプレッダー」という用語は、「スーパースプレッディング」または「スーパーウェッティング」の特性を有するアジュバント界面活性剤を指す。スーパースプレッディング/スーパーウェッティングとは、スーパースプレッダー界面活性剤の溶液の液滴が、疎水性表面上で蒸留水滴の直径よりも大きく、また、水とスーパースプレッディングしない界面活性剤の溶液が疎水性表面に広がる直径よりも大きい直径に広がる能力である。
【0036】
「タンクミックス」という用語は、使用(適用)の時点で、少なくとも1つの農薬と水または油などの噴霧媒体との組み合わせを意味する。「缶入り」という用語は、少なくとも1つの農薬成分を含む配合物または濃縮物を指す。そして「缶入り」配合物は、使用時に、典型的にはタンクミックスでその適用濃度に希釈することができ、または希釈せずに使用することができる。
【0037】
作物油濃縮物(COC)とメチル化種子油(MSO)は、それぞれ石油と種子油のベースストックに基づく農業アジュバンドのクラスである。COCおよびMSOは、通常、製品の組成の5から40%を占める界面活性剤パッケージを含む。COCおよびMSOは原液で販売されており、エンドユーザーが噴霧する前に水で希釈される。界面活性剤パッケージは、油相を水に分散または乳化させ、噴霧されたエマルジョンまたは分散液の標的表面への付着(接着)および展着を助ける働きをする。COCおよびMSOは、浸透性駆除剤やその他の農薬の適用される植物、菌類、昆虫への浸透を促進する。
【0038】
本発明による低分子量ポリシロキサン(例えば、シリコーン油)の添加は、COCおよびMSOを製造するために使用される石油および種子油ベースストックの表面張力をさらに低下させることができることが判明している。COCおよびMSOに付与される利益(例えば、改善された液滴接着、展着(拡散)、および/またはエマルジョン安定性)、およびポリシロキサンの添加によるこれらのCOCおよびMSOを含有する得られる農業用組成物は、驚くべきことに、農業用配合物のみ、すなわちポリシロキサンを含まないものから予想されるものを超えることができる。
【0039】
驚くべきことに、ポリシロキサンを含む配合物の噴霧液滴は、それぞれの配合物の動的表面張力の関連する低下がなくても、植物(例えば、葉)の表面への接着性が改善されたことが判明している。さらに、改良されたエマルション安定性とともに、本明細書に記載されたエマルションの高い展着も全く驚くべきものであった。
【0040】
本発明による展着および付着助剤は、(a)5%から95%、好ましくは50%から90%の任意選択の油成分、(b)1%から50%、好ましくは5%から20%の乳化剤、界面活性剤、分散剤またはスーパースプレッダー成分;および(c)約1%から95%、好ましくは2%から20%、より好ましくは5%から15%の低分子量のポリシロキサンを組み合わせることによって形成することができる。好ましいポリシロキサンは、約5000g/モル以下、好ましくは約4000g/モル以下、より好ましくは2000g/モル以下の分子量を有する。ポリシロキサンは、25℃で約50cSt未満、好ましくは約20cSt未満の粘度を有するべきである。ポリシロキサンは、存在する場合、油成分に溶解性または分散性でなければならない。本発明による好ましい農業用組成物は、ポリシロキサンが存在しない同じ配合物が展着または付着するよりも、少なくとも10%良く、好ましくは20%以上良く、より好ましくは少なくとも50%良く葉の表面に展着または付着することができる。
【0041】
油成分は鉱油、パラフィン系作物油、植物油、またはエステル化種子油であり、ポリシロキサンはポリジメチルシロキサンまたは有機変性ポリシロキサンである。好ましい油成分には、鉱物油、パラフィン系油、種子油、大豆油、コーン油、キャノーラ油、なたね油、ひまわり油、パーム油、綿実油、メチル化種子油、メチル化大豆油、メチル化ナタネ油、メチル化綿実油、メチル化トウモロコシ種子油、部分メチル化種子油、部分メチル化大豆油、カプリル酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、およびステアリン酸メチルが含まれる。
【0042】
本発明の組成物は、任意選択で、水性農業用噴霧に組み込むことが知られている1つまたは複数の他のアジュバント成分と組み合わせることができる。多くの種類の任意選択のアジュバントの中には、オルガノシリコンおよび非オルガノシリコンタイプの両方の界面活性剤、消泡添加剤、およびステッカー、増粘剤、染料などの添加剤がある。
【0043】
許容可能な乳化剤および界面活性剤には、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性および双性イオン性界面活性剤が含まれる。適切な非イオン性界面活性剤の非限定的な例には、アルコールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、ブチレンオキシドとのアルキレンオキシドコポリマー、アルキルポリグリセロール、アセチレンジオールアルコキシレートなどが含まれる。適切な陰イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルキル硫酸塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエトキシ硫酸ナトリウムおよび2-エチルヘキシル硫酸塩)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、C-C18リン酸塩、アルキレンオキシドによるモノエステル、ジエステルおよびトリエステル、ナトリウムラウリルサルコシネートなどのアルキルサルコシネートなどが含まれる。適切なカチオン性界面活性剤の非限定的な例には、C-C18アルコキシル化脂肪族アミンおよびイミダゾリンが含まれる。適切な双性イオン界面活性剤の非限定的な例としては、C-C18アミドプロピルベタイン、例えば、限定されないが、ラウリルベタイン、ミリスチルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ソヤミドプロピルベタイン、ラウリルアミドベタイン、オレイルベタイン、レシチンなどが挙げられる。農業用組成物は、好ましくは、脂肪アルコールアルコキシレート界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、および脂肪アルコールの混合ポリアルキレンオキシドアルコキシレートを含むことができる。スーパースプレッディングを妨害しない短鎖疎水性物質を有する界面活性剤は、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,111,110号に記載され、また有用である。
【0044】
許容される具体的な例としては、イソデシルアルコールエトキシレート(Alkosynt ID 30, Oxiteno, Rhodasurf DA 530,Solvay, Ethal DA-4, Ethox)、イソトリデシルアルコールエトキシレート(Genapol X 050, Genapol X 060, Genapol X 080,Clariant, Alkosint IT 60, Alkosint IT 120, Oxiteno)、トリデシルアルコールエトキシレート(Lutensol TDA 6, Lutensol TDA 9, LutensolTDA 10, BASF)、ゲルベアルコールアルコキシレート(LutenxolXL 50, Lutensol XP 50, Lutensol XL 60, Lutensol XP 60, Lutensol XL 80, LutensolXP 80, BASF)、第二級アルコールエトキシレート(Tergitol15-S-3, Tergitol 15-S-5, Tergitol 15-S-7, Tergitol 15-S-9, Dow Chemical)、ポリエチレングリコールトリメチルノニルエーテル(Tergitol TMN3, Tergitol TMN 6, Tergitol TMN 10, Dow Chemical)、アルキルアセチレンジオール(Surfynols, Air Products)、ピリロドンベースの界面活性剤(例えば、Surfadone LP 100, Ashland)、2-エチルヘキシルサルフェート、エチレンジアミンアルコキシレート(Tetronics, BASF)、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー(Pluronics,BASF)、ジェミニ型界面活性剤(Rhodia/Solvay)、およびジフェニルエーテルジェミニ型界面活性剤(DOWFAX, Dow Chemical)が含まれる。
【0045】
好ましい溶媒には、ミリスチン酸イソプロピル、d-リモネン、柑橘類テルペン油、またはトリアセチンが含まれる。
【0046】
好ましいスーパースプレッダーには、シロキサンポリアルキレンオキシドコポリマーが含まれる。非限定的な例としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ならびにトリシロキサン、テトラシロキサンおよびペンタシロキサンの混合ポリアルキレンオキシドアルコキシレートが含まれる。
【0047】
本発明によるポリシロキサンは、以下の一般式(I)、(II)または(III)を有することができる。ポリシロキサンの粘度は低くなければならず、約50cStまでとし得る。最も好ましいポリシロキサンは、粘度が例えば20cStまで、および/または平均MWが2000g/モルまでの低粘度ポリシロキサンである。3つの式のうち、最も好ましいのは、特に約20cSt以下の粘度を有する一般式(I)であり、
(I)
ここで
=RSiO1/2
=RSiO1/2
D=RSiO2/2
=R10SiO2/2
およびRは、ヒドロキシル(OH)、R、またはORから独立して選択され;
、R、RおよびRは、1から18個の炭素の一価のアルキル炭化水素ラジカル、および6から14個の炭素原子のアリールまたはアルカリール炭化水素ラジカルから独立して選択され;
は、ヒドロキシル(OH)、OR、1から4個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカル、-OSi(R、または-(OSiROSi(ROZから選択され、ここでZはHまたはRであり、そして下付き文字fは0から8であり;
は、1から4個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり;
およびR10は、1から18個の炭素の一価の炭化水素ラジカル、および6から14個の炭素原子のアリールまたはアルカリール炭化水素ラジカルから独立して選択され;そして
下付き文字xおよびyは独立して0から50であり、但しx+yは約1から50であるという条件である。
【0048】
式(I)の好ましい構造は、Y=0であり、すべてのR基がメチルであり、粘度が25℃で50cSt以下、好ましくは25℃で20cSt以下のものである。式Iの他の好ましい例には、x+yが5から50であるもの;またはy=0でありxが3から50であるもの;またはR、RおよびRが、ヒドロキシル(OH)またはメチルから独立して選択されるもの;またはR、R、R、RおよびRがメチルであるもの;RからRがメチルであるもの;またはy=0、x=3から50、およびRからRがメチルであるもの;またはy=0で、xは約5から25であり、そしてRからRがメチルであるもの;またはR10が、1から18個の炭素の一価のアルキル炭化水素ラジカル、または6から14個の炭素原子のアリールもしくはアルカリール炭化水素ラジカルであり、そしてRからRがメチルであるもの;またはRおよびRが、1から18個の炭素の一価のアルキル炭化水素ラジカル、または6から14個の炭素原子のアリールもしくはアルカリール炭化水素基であり、R、R、およびRからR10がメチルであるもの;またはR10が、1から18個の炭素の一価のアルキル炭化水素ラジカル、または6から14個の炭素原子のアリールもしくはアルカリール炭化水素ラジカルであるもの;またはRからRがメチルであるもの、を含む。式(I)の好ましい例において、RはOHであり、RおよびRはメチルである;RおよびRはOHであり、Rはメチルである;R、RおよびRはそれぞれOHである;またはR、RおよびRはそれぞれメチルである。
【0049】
本発明によるポリシロキサンは、構造(II)によっても定義することができ、
TS11TS (II)
ここで
TSおよびTSは、独立してR121314Si-O-Si(R)-O-SiR151617であり、
ここで
Siは一価のラジカルであり、R11はSiに結合し、
11は、4から18個の炭素の二価の炭化水素ラジカルから選択され、
、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は、1から4個の炭素の一価の炭化水素ラジカルから独立して選択される。
【0050】
式IIの好ましい例には、R11が4から18個の炭素を含む二価の炭化水素ラジカルであり、RおよびR12からR17がメチル(-CH)基である例が含まれる。
【0051】
本発明によるポリシロキサンは、構造(III)によっても定義することができ、
19-[Si(CH1/2-(D)z-O1/2Si(CH-R18-R20 (III)
ここで
19=H-、CH-、またはHR18
20=H-、または-Si(CH1/2-(D)z-O1/2Si(CHH、または、-Si(CH1/2-(D-O1/2Si(CHCH
18は、4から18個の炭素の二価の炭化水素ラジカルから選択され、
=R2122SiO2/2
21およびR22は、1から4個の炭素の一価の炭化水素ラジカルから独立して選択され、
z=2から20,および
w=1から20(w=1または2が好ましい)。
【0052】
式IIIの好ましい例には、w=1-10であり、R21およびR22がメチル(-CH)基である例が含まれる。
【0053】
農業用組成物は、好ましくは、d-リモネン、トリアセチン、ミリスチン酸イソプロピル、およびエステル化種子油から選択される溶媒を含むことができる。
【0054】
本発明による方法は、COCおよびMSOを含む、鉱油、パラフィン系作物油、エステル化種子油または植物油を含む農業用組成物の展着および/または接着特性を向上させることを含み、約5000g/モル未満、好ましくは約4000g/モル未満、より好ましくは約2,000g/モル未満の平均分子量を有する選択されたポリシロキサンまたはオルガノ変性ポリシロキサンの有効量を農業用組成物に添加することを含む。好ましいポリシロキサンは、25℃で約100センチストークス(cSt)未満、好ましくは25℃で約50cSt未満、より好ましくは25℃で約20cSt未満の動粘度を有する(ASTM D445)。好ましいポリシロキサンは、上記で定義した一般式I、IIまたはIIIを有する。この方法は、ポリシロキサンまたはオルガノ変性ポリシロキサンが存在しない同じ組成物と比較した場合、改善された接着および/または展着を示す組成物とするのに効果的であり得る。10%、20%、さらには50%以上増加の向上した展着および/または接着が可能である。
【0055】
本発明による付着助剤は、農業用組成物として、個々の成分から現場で混合する、またはそれらの組み合わせとして提供することができる。例えば、それらは、単離されたポリシロキサンとして提供され得、または鉱油、植物油、エステル化種子油、界面活性剤、および農薬などの他の材料と組み合わせてタンクミックスを形成し、その後、必要に応じて適用することができるよう提供され得る。
【0056】
特定の噴霧組成物および噴霧操作のためのポリシロキサン展着および付着助剤の最適量は、当技術分野で知られている日常的な実験試験手順を用いて容易に決定することができる。多くの噴霧組成物に対して、0.01から5、好ましくは0.05から1重量パーセントの範囲の本発明の組成物の量をその中に組み込むことができ、一般に良好な展着および接着結果が得られる。したがって、本発明は、本明細書に記載のポリシロキサンを、好ましくはMSOまたはCOC中に1-20%の濃度で含有するMSOおよび/またはCOCを含む。MSOまたはCOCは、エンドユーザーが農業目的で水で希釈して、エマルジョンまたは噴霧溶液を作ることができる。MSOまたはCOCは、典型的には、この最終用途のエマルジョンまたは噴霧溶液の0.1から2パーセントを構成することになる。
【0057】
農業用噴霧は、本発明の組成物に加えて、駆除剤、肥料、および微量栄養素などの農業用組成物の1つまたは複数の既知および従来の有効成分または農薬を含むことができる。
【0058】
駆除噴霧には、少なくとも1つの駆除剤が含まれる。任意選択で、駆除噴霧には、賦形剤、界面活性剤、溶媒、泡制御剤、付着助剤、生物学的製剤、微量栄養素、肥料などを含んでもよい。「駆除剤」という用語は、有害生物を破滅するために使用される任意の化合物、例えば、殺鼠剤、殺虫剤、殺ダニ剤、ダニ駆除薬、殺菌剤、除草剤などを意味する。使用できる駆除剤の具体例には、成長調節剤、光合成阻害剤、色素阻害剤、有糸分裂撹乱剤、脂質生合成阻害剤、細胞壁阻害剤、および細胞膜撹乱剤が含まれるが、これらに限定されない。噴霧組成物に使用される駆除剤の量は、駆除剤の特定のタイプによって異なることになる。
【0059】
噴霧組成物に組み込むことができる除草剤および植物成長調節剤化合物の具体例には、フェノキシ酢酸、フェノキシプロピオン酸、フェノキシ酪酸、安息香酸、トリアジンおよびs-トリアジン、置換尿素、ウラシル、ベンタゾン、デスメディファム、メタゾール、フェンメディファム、ピリデート、アミトロール、クロマゾン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジニトロアニリン、イソプロパリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、トリフルラリン、グリホサート、スルホニル尿素、イミダゾリノン、クレトジム、ジクロホップメチル、フェノキサプロプエチル、フルアジホップ-p-ブチル、ハロキシホップメチル、キザロホップ、セトキシジム、ジクロベニル、イソキサベン、ビピリジリウム化合物などが含まれるが、これらに限定されない。Common and Chemical Names of Herbicides Approvedby the Weed Science Society of America, Weed Science, 58:511-18 (2010)は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
殺菌組成物の具体例としては、アルディモルフ、トリデモルフ、ドデモルフ、ジメトモルフ;フルシラゾール、アザコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、プロピコナゾール、テブコナゾールなど;イマザリル、チオファネート、ベノミルカルベンダジム、クロロチアロニル、ジクロラン、トリフロキシストロビン、フルオキシストロビン、ジモキシストロビン、アゾキシストロビン、フルカラニル、プロクロラズ、フルスルファミド、ファモキサドン、キャプタン、マネブ、マンゼブ、ドディシン、ドジン、メタラキシルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
水性噴霧組成物に組み込むことができる殺虫剤、殺幼虫剤、殺ダニ剤および殺卵剤化合物の具体例には、Bacillus thuringiensis(またはBt)、スピノサド、アバメクチン、ドラメクチン、レピメクチン、ピレトリン、カルバリル、プリミカルブ、アルジカルブ、メトミル、アミトラズ、ホウ酸、クロルジメホルム、ノバルロン、ビストリフルオロン、トリフルムロン、ジフルベンズロン、イミダクロプリド、ダイアジノン、アセフェート、エンドスルファン、ケレバン、ジメトエート、アジンホスエチル、アジンホスメチル、イゾキサチオン、クロルピリホス、クロフェンテジン、ラムダシハロトリン、ペルメトリン、ビフェントリン、シペルメトリンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
肥料および微量栄養素には、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸アンモニウム、尿素、尿素アンモニウム態窒素、チオ硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸尿素、硝酸カルシウム、ホウ酸、ホウ酸のカリウム塩およびナトリウム塩、リン酸、水酸化マグネシウム、炭酸マンガン、多硫化カルシウム、硫酸銅、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸カルシウム、モリブデン酸ナトリウム、塩化カルシウムなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
緩衝剤、防腐剤、および当技術分野で知られている他の標準的な農業用賦形剤も、噴霧組成物に含めることができる。
【0064】
農業用噴霧組成物は、上記の噴霧成分の1つまたは複数と本発明の組成物とを水中で混合するなど、当技術分野で知られている方法で任意の組み合わせおよび/または順序で組み合わせることによって、タンクミックス、または「缶入り」配合物のいずれかとして製造することができる。
【0065】
本発明はまた、作物、景観および観葉植物、樹木および牧草地に適用され、それらを処理するために使用される本発明の農業用組成物を含む。それらはまた、いくつかの例を挙げると、林業用途やゴルフコースでも使用できる。作物には、例えば、ブロッコリー、キャベツ、ケール、ほうれん草、タマネギ、ペッパーなどの野菜作物;豆、レンズ豆、えんどう豆、大豆などの豆類;小麦、とうもろこし、大麦、ライ麦、米、オートムギなどの穀物;バラ、チューリップ、ヒナギク、水仙、ガーベラ、ヒマワリ、ラン、ジャスミン、カーネーションなどの花の作物;ジャガイモ、ビート、カブ、パースニップ、ラディッシュ、ニンジンなどの根菜類が含まれる。作物には、さらに、果物、例えば、柑橘類、リンゴ、トマト、ブドウ、スイカ、ナシ、ラズベリー、ブルーベリー、プラム、モモ、バナナ、パイナップル、イチゴ、オオバコ、キウイ、マンゴー;ナッツの木、例えばアーモンド、栗、ヘーゼルナッツ、ヒッコリーナッツ、マカダミアナッツ、ピーカン、松の実、ピスタチオ、クルミが含まれ得る。農業用組成物はまた、クローバー、アルファルファおよび牧草などの牧草地、ならびにカボチャ、塊茎、ズッキーニ、カボチャ、ならびにココナツ、ヤシおよびカカオの木などの作物に適用および使用することができる。
【0066】
本発明の農業用組成物は、除草剤と組み合わせて、以下に挙げるものなどの雑草を防除するために適用および使用することができる:アノダ (Anoda cristata)、ツルレイシ(Momordica charantia)、大麦(Hordeum vulgare)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ホウキギ(Bassia hyssopifolia)、ミチタネツケバナ (Cardamine spp.)、ナガハグサ(Poa bulbosa)、ブロム(Bromus tectorum)、スズメノチャヒキ(Bromus japonicas)、キンポウゲ (Ranunculus spp.)、カルフォルニアフォックステイル(Alopecuruscarolinianus)、アメリカフウロ(Geranium carolinianum)、トウゴマ(Ricinus communis)、カモミール(Anthemis cotula)、チート(Bromus secalinus)、チャービル(Anthriscus cerefolium)、ハコベ(Cerastium vulgatum)、オナモミ(Xanthiumstrumarium)、ハルシャギク(Coreopsis tinctoria)、ボランティアコーン(Zea mays)、メヒシバ(Digitaria spp.),ドワーフダンデライオン (Krigia virginica)、イースタンマンナグラス (Glyceriaspp.)、タカサブロウ(Eclipta prostrata)、フェールスダンデライオン(Pyrrhopappus carolinianus)、フェールスフラックス(Camelinamicrocarpa)、フィドルネック(Amsinckia spp.)、グンバイナズナ (Thlaspi arvense)、ヒメジョオン(Erigeron annuus)、アレチノギク(Conyza bonariensis)、ヘラバヒメジョオン(Erigeronstrigosus)、フロリダパスレイ(Richardia scabra)、フォックステイル (Setaria spp.)、ヤギムギ(Aegilops cylindrical)、オヒシバ(Eleusine indica)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、ヒメムカシヨモギ(ConyzaCanadensis)、イッチグラス (Rottboellia cochinchinensis)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、ジャングルライス(Echinochloacolona)、ノットウィード(Polygonum spp)、ホウキギ(Kochia scoparia)、シロザ (Chenopodium album)、メデューサヘッド (Taeniatherum caput-medusae)、アサガオ (Ipomoeaspp.)、マスタードブルー(Chorispora tenella)、ハタザオガラシ(Sisymbrium altissimum)、マスタードワイルド(Sinapisarvensis)、カラスムギ(Avena fatua)、オオクサキビ (Panicum dichotomiflorum)、アオゲイトウ(Amaranthusretroflexus)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ハマビシ(Tribulus terrestris)、スベリヒユ(Portulaca oleracea)、ブタクサ(Ambrosiaartemisiifolia)、オオブタクサ(Ambrosia trifida)、ホソエガラシ(Sisymbrium irio)、オカヒジキ(Salsola tragus)、ライムギ(Secale cereal)、ライグラスイタリアン(Lolium perenne)、クリノイガ(Cenchrus spinifex)、セスバニアヘンプ(Sesbaniaherbacea)、シャッターケーン(Sorghum bicolor)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、エビスグサ (Sennaobtusifolia)、シグナルグラスブロードリーフ(Urochloa platyphylla)、スマートウィード(Pennsylvania Polygonum pensylvanicum)、ノゲシ(Sonchusoleraceus)、コバノセンダングサ (Bidens bipinnata)、タチイヌノフグリ(Veronica arvensis)、ムシクサ(Veronica peregrina)、スプランジトップ(Leptochloa spp.)、スパージアニュアル(Chamaesyce spp.)、スパージプロストレート(Chamaesyce humistrata)、スパージスポッテッド(Chamaesycemaculate)、スプリーアンブレラ(Holosteum umbellatum)、スティンクグラス(Eragrostis cilianensis)、ヒマワリ(Helianthusannuus)、タンシマスタードピネート(Descurainia pinnata)、ティーウィード/シダプリックリー(Sida spinosa)、テキサスパニカム(Panicum spp.)、イチビ(Abutilon theophrasti)、マメグンバイナズナ(Lepidiumvirginicum)、小麦(Triticum aestivum)、ウィッチグラス(Panicum capillare)、ウーリーカップグラス(Eriochloavillosa)、ハルザキヤマガラシ(Barbarea vulgaris)。
【0067】
本発明による農業用組成物の適用を受ける追加の植物には、多年生植物、例えば、アルファルファ、アニス/フェンネル、ブルーグラス、ケンタッキー、クローバー、タンポポ、ツタウルシ、トウワタ、ドクニンジン、アザミおよび草が含まれる。樹木には、アルダー、アッシュ、ビーチ、アスペン、チェリー、エルダーベリー、ニレ、ヒッコリー、スイカズラ、クズ、カエデ、オーク、マツ、トウヒ、ウルシ、シダ、クリーパー、ポプラが含まれる。
【実施例
【0068】
本発明の態様および好ましい実施形態の属性を、以下の例を参照して説明するが、これらは例示のみを目的として提示されており、限定と解釈されるべきではない。さらに、別段の指示がない限り、これらの実施例で使用されているように、RからR10のそれぞれはメチルであるとみなすことができる。
製品説明
表1-4では、以下の例で使用される製品について説明する。
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
展着判定
さまざまな組成物および配合物の展着能力を、評価するエマルジョン(または他の材料)の一滴(10マイクロリットル)を清潔で平らなポリスチレン皿に付着させることによって評価した。得られた液滴の直径を30秒後に測定した。各溶液を2から4回試験し、平均直径を計算した。あるいは、葉の表面に評価対象のサンプルを一滴(10マイクロリットル)付着させることによって、展着能力も評価した。特に明記しない限り、得られた滴の面積を3分後に測定した。各サンプルを2から4回試験し、平均拡散領域を計算した。
【0073】
油ベースストックと配合した場合の表面張力に対するPDMS油の影響
低い表面張力は、液滴の付着と展着の改善と相関するため、農業用駆除剤の用途に有益である。ポリジメチルシロキサン(PDMS)油をさまざまな油ベースストックと配合したときの表面張力への影響を評価し、結果を図1、2、および3に示し、これらの結果は対数スケールであり、直線は実際には非線形の結果を示す。したがって、結果は、少量のシリコーン油の添加が平衡表面張力の不釣り合いに大きな減少をもたらすことを実証した。
【0074】
図1に示すように、油MO-1の表面張力は、20をわずかに下回っている平衡表面張力を有する要素1410Aとして識別される10cStのポリジメチルシロキサン(PDMS)油であるOSIL-2を1%添加するだけで、30から26mN/mに低下した(10%以上の減少)。わずか10%のOSIL-2シリコーン油を添加しただけで、混合物の表面張力は、表面張力の差(30と20)の半分以上の23mN/mに減少した。本明細書で使用される場合、すべてのパーセンテージは重量ベースで計算される。同様に、図2に示すように、5cStのPDMS油であるOSIL-1の10%(重量)をMO-1に添加すると、製品の平衡表面張力が29.1mN/mから24.3mN/mに減少した。20cStのPDMS油である10重量%のOSIL-3をMO-3に添加すると、製品の表面張力が30mN/mから22.8mN/mに低下した。
【0075】
図3は、低分子量シリコーン油OSIL-2をエステル化種子油MS-1に添加すると、比較的少量のシリコーン油で表面張力が大幅に低下することを示している。1%のOSIL-1の添加は、大豆メチルの表面張力を約30mN/mから約26N/mに低下させ、10%はそれを約23mN/mに低下させた。
【0076】
作物油濃縮物(COC)を配合して、本発明による低分子量、低粘度のPDMS油がそれらの葉面展着および動的表面張力に及ぼす影響を評価した。表5に定義された界面活性剤混合物SURF-1を各配合物に使用した。市販の非イオン性界面活性剤、Tergitol(登録商標)15-S-5を2つのサンプルに添加して、界面活性剤パッケージのHLB値を増加させた。Tergitol(登録商標)15-S-3およびTergitol(登録商標)15-S-5は、それぞれ3および5モルのC11-C15の二級アルコールの混合物のエトキシレートである。Tergitol(登録商標)TMN-3は、3モルのトリメチルノニルアルコールのエトキシレートである。結果を表6にまとめる。
【0077】
【表5】
【0078】
表6のデータは、本発明によるPDMS油(OSIL-2)の作物油濃縮物(COC)配合物への添加が、驚くべきことに、ポインセチアおよびフィロデンドロンの葉の両方での展着において有意な、時には非常に大きな増加をもたらしたことを示している。COCまたはMSO分散液の展着は通常、分散油相の平衡表面張力ではなく、噴霧された液滴の水相の表面張力によって駆動されるため、これは驚くべきことであった。図4に示すように、SIL-1からSIL-5までの噴霧水溶液の動的表面張力曲線(DST)はすべて本質的に同じであり、すべてCOC-1分散液のDST曲線よりも大幅に低かった。したがって、SIL-1からSIL-5までが植物の葉に同様の拡散領域を与えると予想し、5つすべてがCOC-1分散液よりも大幅に広がると予想した。予想どおり、COC-1分散液は最も効果の低いスプレッダーであった。しかし、驚くべきことに、ポリシロキサンOSIL-2を含む配合物はすべて、シリコーン油を含まない対応する配合物よりも大幅に広がった。
【0079】
ベンチマークとなる作物油濃縮物であるSIL-3は、11.25%のSURF-1界面活性剤パッケージをMO-1に配合することによって作成された。SIL-1では、同量のMO-1を置き換えて、10%OSIL-2が添加された。表6において、OSIL-2を含有するSIL-1は、ポインセチアに対するSIL-3ベンチマークの展着をほぼ2倍にし、フィロデンドロンの葉に対する展着を12.5パーセント増加させたことが分かる。
【0080】
第2のベンチマークCOC配合物であるSIL-5が配合された。SIL-5は、界面活性剤パッケージ全体のHLB(親水性から親油性へのバランス)を高めるために、SURF-1界面活性剤パッケージと少量の界面活性剤NIS-2を含む。ポリシロキサンOSIL-2をこの配合物に添加して、COC配合物SIL-2を作製した。SIL-4は、SURF-1、NIS-2、およびOSIL-2を含む同様の配合物である。表6から、ポリシロキサン含有配合物SIL-2およびSIL-4は、ポリシロキサン油を含まないベンチマークであるSIL-5で達成されるよりも、ポインセチアの葉では7.6から8倍の展着、フィロデンドロンの葉では1.7から3.6倍の展着を示すことが理解し得る。
【0081】
【表6】

要約すると、実験用COC配合物SIL-1からSIL-5はすべて、市販の作物油濃縮物であるCOC-1の1%溶液と比較して、大幅に高められた拡散を示した。さらに、SIL-1からSIL-5までの動的表面張力曲線は本質的に同じであるが、ポリシロキサンを含む配合物では、予想外に大幅に改善された拡散特性が観察された。これは、改善された展着が単に表面張力の減少の結果ではなく、特に界面活性剤NIS-2と組み合わせた場合の本発明のシリコーン油の予想外の結果であることを示している。したがって、OSIL-2の添加は、これらの実験用COCの1%溶液のDST(動的表面張力)に有意な影響を与えなかったが、予想外に展着が増加した(表6を参照)。
【0082】
以下の表7および8は、異なる界面活性剤と組み合わせた、実験的COC配合物における葉面展着に及ぼす本発明による異なるPDMS油の効果を示す。これらの表に示されるように、フィロデンドロン、竹、ブロッコリー、およびポインセチアの葉で試験した場合、本発明によるシリコーン油の添加は、すべての界面活性剤での展着において有意な改善をもたらした。COC配合物SIL-21およびSIL-22は、OSIL-2の添加により見られる展着の改善が、COCが異なる油ベースストック、この場合はOrchex(登録商標)796(MO-1)の代わりにParol(登録商標)80(MO-2)で配合された場合にも生じることを実証している。
【0083】
シリコーン油を界面活性剤NIS-2(SIL-7およびSIL-8)、NIS-1(SIL 16)、NIS-4(SIL-10)およびNIS-6(SIL-18)と組み合わせた場合、葉面展着の最大の増加が見られた。SIL-7とSIL-8を比較するとわかるように、配合物SIL-8で使用される50cStPDMS油(OSIL-4、要素14 PDMS 50)は、OSIL-2よりも優れていないとしても、少なくとも同程度の効果があるように見えた。しかしながら、粘度の高いシリコーン油は、作物油濃縮配合物中で可溶化および/または乳化するのがより困難である。
【0084】
【表7】

【表8】
【0085】
表9のデータは、OSIL-1を含有するCOC配合物であるSIL-23が、シリコーン油を含まないベンチマークであるSIL-6と比較して、竹、フィロデンドロン、およびポインセチアの葉の表面への拡散を約3倍増加させたことを示している。
【0086】
【表9】
【0087】
以下の表10は、SIL-6およびSIL-7(Calumet Specialty ChemicalsのMO-1、パラフィン系炭化水素油、Orchex 796で作られたCOC)およびSIL-24およびSIL-25(ChemicalAssociates, A Division of Univar USA, IncのMS-1、大豆メチル、CA3050で作られたMSO)の0.5%溶液を用いて実施された展着例の結果をまとめたものである。両方のベースストックについて、本発明に従ってシリコーン油(OSIL-2)を添加すると、製品の葉面展着特性が著しく改善された。
【0088】
【表10】
【0089】
表11は、OSIL-3、20cStのポリジメチルシロキサン(PDMS)油、および2つの異なる鉱物油(MO-1およびMO-3)中のNIS-2を含有する配合物の1.0%溶液で実施された展着例の結果をまとめている。SIL-6およびSIL-7は、配合物SIL-26のベンチマークとして使用された。これら3つの製品はすべてMO-1に基づいている。配合物SIL-27は、SIL 28のベンチマークとして使用された。これらの製品はどちらもMO-3に基づいている。両方の油ベースストックで、本発明によるシリコーン油の添加は、非イオン性界面活性剤NIS-2のみを含む同じ鉱油と比較して、製品の葉面展着特性を著しく改善した。
【0090】
【表11】
【0091】
Sil-6およびSIL-7の0.5%水溶液を用いて実施した接着試験は、葉における本発明による配合物の接着の著しい増強を実証した。溶液の液滴は、シリンジポンプと、内径0.41mmのノズルを使用するNisco Encapsulation Unit (Var J1) J1を使用して生成された。表12のデータは、PDMS油OSIL-2をCOC配合物(SIL-6)に添加すると、草の葉面に接着した滴の数が16.3%(SIL-6)から45.9%(SIL-7)の約3倍に増加したことを示している。図10に見られるように、これらのCOC配合物の両方が本質的に同じ動的表面張力を示した。したがって、動的表面張力(DST)の減少に伴って液滴の接着が増加するという理解に基づくと、ここで見られる増強した接着の結果は予想外であった。
【0092】
【表12】
【0093】
OSIL-2(それぞれSIL-24およびSIL-25)を含む場合と含まない場合の両方で、メチル化種子油(MSO)配合物を使用して、同様の液滴接着研究を実施した。キャベツの葉面から53cmの高さに直径約400μmの液滴を生じさせた。葉は22.5度の斜面に取り付けられた。次に、キャベツの葉面に接着した衝突液滴のパーセントを測定した。表12の石油(鉱物油)ベースのCOCの場合と同様に、MSOへのシリコーン油の添加は、予想外に、キャベツの葉面への液滴の接着を大幅に改善した。結果を以下の表13に要約する。
【0094】
【表13】
【0095】
以下の表14を参照すると、Silwet641(OSS-1)は、スーパースプレッダー(トリシロキサンアルコキシレート)オルガノシリコーンおよびいくつかの非イオン性界面活性剤に基づく界面活性剤混合物である。通常、10から20%の範囲の濃度でMSOベースストックに添加される。表14のサンプルSIL-29は、20重量%のOSS-1と80重量%のMS-1の配合物である。サンプルSIL-30は、20重量%のOSS-1、70重量%のMS-1および10重量%のOSIL-2を含む配合物である。Silwet641はしばしばスーパースプレッダーと呼ばれ、最高の展着特性を提供すると考えられている。表14のデータおよび図5および6は、本発明によるシリコーン油の添加が平衡表面張力を低下させ、それが添加されたMSO濃縮物のエマルジョン安定性を増加させ、そして驚くべきことに製品の拡散直径を増加させたことを示している。図6において、TSIはエマルジョンの分離を測定し、TSIが低いほどエマルジョンの安定性が高いことに対応することに留意されたい。
【0096】
【表14】
【0097】
MSOアジュバント配合物にシリコーン油を添加し、製品の噴霧範囲を評価することにより、同様の研究が行われた。疎水性表面上の拡散直径を測定する代わりに、サンプルSIL-31およびSIL-32の0.5%噴霧溶液を使用して12回の噴霧を実行した。Unijet(登録商標)8002Eフラットファンノズルを使用して、溶液を20psigの圧力で噴霧した。これらの噴霧条件は、100L/haの圃場噴霧量に相当する。各噴霧について、正方形の感水紙上で達成された被覆率を測定した。次に、各製品の平均噴霧被覆率を計算した。結果を表15にまとめる。データは、本発明による低分子量シリコーン油(ポリシロキサン)をSIL-32(OSIL-2を含む)を含むMSO配合物に添加することにより、噴霧被覆率の増加が達成され、PDMS油が含まれていないSIL-31よりも良好な被覆率を提供したことを示している。
【0098】
【表15】
【0099】
噴霧溶液の液滴接着に対する本発明の組成物の影響を、Gaskinet al. (Stevens, PJ, Kimberley, MO, Murphy, DS, & Policello, GA; Adhesionof spray droplets to foliage: the role of dynamic surface tension andadvantages of organosilicone surfactants, Pesticide Science, Vol. 38, 1993, pp.237-245. Forster, WA, Mercer, GN and Schou, WC,Process-driven models for spraydroplet shatter, adhesion or bounce, In: Baur P,Bonnet M, editors. Proceedings 9th International Symposium on Adjuvants andAgrochemicals. ISAA978-90-815702-1-3; 2010)の前記の方法論に従って、濡れにくいイヌビエ(Echinochloa crus-galli)で試験した。直径約400μmの液滴が、53cmの高さから、水平から22.5度に取り付けられた葉に衝突した。液滴の接着は、それぞれの配合物の動的表面張力と比較された。サンプルSIL-33からSIL-36の組成を表16に示す。
【0100】
【表16】
【0101】
イヌビエの向軸葉面は非常に濡れにくい。したがって、これは比較液滴接着研究の良い標的である。表17は、葉の表面に保持された衝突液滴のパーセンテージとして報告された液滴接着を示す。表17に見られるように、本発明の組成物は、市販のベンチマークであるAgroSpred820(20重量%のSilwet 641、80重量%のMSO)と比較して、およびPDMS油を含まないSIL-34ベンチマークと比較して、予想外に大きな液滴接着の増加をもたらした。この予想外の改善は、10cStのPDMS油OSIL-2の使用に関連している。典型的な衝突時間(50から250ミリ秒の間)でDSTに観察されるわずかな差から取るに足らない差を考えると、液滴接着の2倍の増加を超える改善レベルは驚くべき予想外の結果である。
【0102】
【表17】

MSO濃縮物の泡体積に対する低MW PDMS油の効果も試験した。図7は、スパージ試験によって測定された泡体積を示している。この試験では、金属フリットを用いて噴霧溶液中に窒素を1.0L/分の速度で1分間バブリングする。泡体積は、初期(泡立ちが止まる時点)、1、2、5、および10分で測定される。見てわかるように、低分子量PDMS油は、高性能消泡剤(例えば、Momentive Performance Materialsから入手可能なSAG-1572)を使用して達成できるレベルよりも低く泡レベルを低下させた。トリシロキサンアルコキシレートの存在により、一般的な使用率では市販の消泡剤の効果がなくなるため、この結果は予想外であり、オルガノシリコーンスーパースプレッダーによってもたらされる低い平衡表面張力に関連する結果である。
【0103】
上記のように低濃度(1-20%)の低分子量、低粘度の本発明によるポリジメチルシロキサン(シリコーン油)をCOCおよびMSOへ添加すると、石油と種子油ベースストックの表面張力を大幅に低下させた。シリコーン油の存在は、噴霧されたCOCとMSO液滴の葉面への接着も強化した。さらに、これらの低分子量シリコーン油を作物油濃縮物およびMSOに添加すると、予想外にも、さまざまな葉の表面上での展着が大幅に改善され、同時にエマルジョンの安定性が改善され、泡体積が減少した。
【0104】
制限要因は、作物油ベースストックでのPDMS油の溶解性の低さであり得ることに注意すべきである。以下の結果は、COCおよびMSOの性能に対するさまざまなアルキルシリコーン油の影響の調査を示している。ここで評価したすべてのアルキル-シリコーン油は、鉱油とメチル化種子油の両方に良好な溶解性を示し、結果として得られるCOCとMSOの平衡表面張力を大幅に低下させた。さらに、アルキル-シリコーン油のすべてが、植物の葉へのCOCおよびMSOの展着を促進した。試験したアルキル変性シリコーンを以下に示す。
【0105】
アルキル変性シリコーン。アルキル基は、C8またはC12のいずれかである。
【化1】

【化2】
【0106】
典型的な鉱物油およびメチル化種子油中のアルキルシリコーン油の溶解性が最初に測定された。次いで、作物油ベースストックとの配合物の平衡表面張力に対するアルキル-シリコーンの効果を測定した。最後に、アルキル変性シリコーン油を含む単純なCOCおよびMSO配合物の展着特性が測定された。
【0107】
OSIL-5、OSIL-6、OSIL-7、およびOSIL-8はすべて、MO-1に対して良好な溶解性を示した。次に、これらの純粋なアルキルシリコーン油の平衡表面張力を測定した。それらは、22から23mN/mの間の表面張力を有し(表18を参照)、これは、29.9mN/mである純粋なMO-1の表面張力よりも著しく低い。
【0108】
MO-1の平衡表面張力に対するアルキルシリコーン濃度の影響を測定した。MO-1に10%OSIL-5を添加すると、表面張力が29.9から約26mN/mに大幅に低下した。OSIL-6からOSIL-8では、MO-1に10%のアルキルシリコーンを添加すると、表面張力が24mN/m未満に低下した。これは、OSIL-2をMO-1に添加したときに達成される表面張力の低下に似ている。本発明の組成物は、純粋な油配合物の平衡表面張力を低下させることができるにもかかわらず、このような減少は、それぞれの油ベースの配合物の水性分散液で常に観察されたわけではないことが観察された。さらに、本発明の組成物を含むまたは含まないCOCまたはMSOを含有する噴霧溶液の動的表面張力(DST)に有意な変動は観察されない。液滴の接着は通常、動的表面張力と相関するため、当業者は、これらの配合物の液滴の接着が同等であると予想するが、本発明の組成物を組み込むと、DSTの有意な減少はなかったにもかかわらず、液滴接着が増加した。この観察は予想外であり、驚くべきものであった。MSOおよびEST測定におけるアルキルシリコーンの溶解性のデータを表18にまとめる。表面張力対アルキルシリコーン濃度曲線を図8に示す。
【0109】
【表18】
【0110】
MO-1および10%の非イオン性界面活性剤NIS-2に基づく作物油濃縮物(COC)のサンプルを配合して、展着における本発明によるアルキルシリコーンの効果を測定した。ベンチマークとして、油中の界面活性剤の10:90配合物を使用した。COC配合物およびこれらの製品の1%分散液の展着を表19に示す。アルキルシリコーン油を含むすべてのCOC配合物は、NIS-2/MO-1対照(SIL-41)よりも、フィロデンドロンと竹の葉に著しく拡散した。
【0111】
【表19】
【0112】
これら4つのアルキルシリコーンがMS-1でどのように挙動するかを確認するために、同様のデータセットが生成された。表20は、MS-1と配合されたアルキルシリコーンの溶解性と平衡表面張力を示している。4つの製品はすべて、大豆メチルベース油に良好な溶解性を示した。異なる濃度のアルキルシリコーンOSIL-6およびOSIL-7がMS-1の平衡表面張力に及ぼす影響が測定され、両方のアルキルシリコーンがCA-1の表面張力を濃度10パーセントで5mN/mを超えて低下させた。
【0113】
【表20】
【0114】
MS-1に基づくメチル化種子油濃縮物(MSO)を調製した。それらは、10重量%のNIS-2、10重量%のアルキルシリコーン、および80重量%のMS-1を含んでいた。種子油MS-1中の界面活性剤NIS-2の10:90配合物をベンチマークとして使用した。MSO配合物およびこれらの製品の1%分散液の展着を表21に示す。アルキルシリコーンを含む両方のMSO配合物は、展着の15分間および120分間後、SIL-44ベンチマークよりも大幅に良好に拡散した(2時間後のフィロデンドロンに対する対照と同等であったSIL-42分散液を除く)。
【0115】
【表21】
【0116】
表22は、MO-1の平衡表面張力に対するOSIL-9およびOSIL-10の効果を示す。これらのアルキルシリコーンはどちらも、比較的低濃度で油の表面張力を大幅に低下させる。
【0117】
【表22】
【0118】
OSIL-9およびOSIL-10を含む作物油濃縮物のサンプルを作成した。MO-1中のNIS-2の10:90配合物を再びベンチマークとして使用した。これらの製品の1%分散液の展着は、ポリスチレンプレート、フィロデンドロンの葉、および竹の葉で測定された。結果を表23にまとめる。本発明の組成物であるSIL-45は、ベンチマークサンプルであるSIL-47よりも非常に優れた展着を示した。本発明の組成物でもあるSIL-46は、葉の表面上でSIL-47ベンチマークよりも著しく良好な展着を示した。
【0119】
【表23】
【0120】
OSIL-9およびOSIL-10もMS-1で評価した。両方の製品は、種子油に良好な溶解性を示した。大豆メチルの平衡表面張力に対するこれら2つのアルキルシリコーンの異なる濃度の影響が測定され、表24に示されている。
【0121】
【表24】
【0122】
MSO濃縮物は、10wt%のNIS-2、10wt%のOSIL-10、および80wt%のMS-1で配合された。種子油MS-1中のNIS-2界面活性剤の10:90配合物を対照として使用した。配合物とこれらの製品の1%分散液の展着を表24に示す。アルキルシリコーン含有配合物SIL-48は、試験したすべての表面で非常に良好な展着を示し、対照配合物SIL-49よりもはるかに優れていた。
【0123】
【表25】
【0124】
図9は、ポインセチアの葉で試験された本発明の組成物のいくつかの液滴接着を示す。結果は、葉の表面に保持された衝突液滴の平均パーセントとして表される。理解できるように、本発明の組成物は、基準となるCOC配合物よりも著しく高い液滴接着率をもたらす。
【0125】
以下の例は、オルガノシリコーンスーパースプレッダーを含有するMSO配合物中のアルキルシリコーンを含む。評価されたMSOサンプルは、70wt%のMS-1、20wt%のOSS-1、および10wt%のアルキル変性シリコーンで構成されていた。これらのMSO組成物を表26に示す。表26はまた、オルガノシリコーンスーパースプレッダーを含有する種子油濃縮物の泡体積に対するアルキルシリコーンの効果を示す。理解されるように、本発明の組成物は、種子油濃縮物中のオルガノシリコーンスーパースプレッダーと組み合わされたときに、より低い泡容積をもたらす。
【0126】
【表26】
【0127】
例A.低HLBエトキシル化アルコールおよび作物油中のシラノールの溶解性
様々な非イオン性界面活性剤中の本発明のシラノール成分(RおよびRがOHである)の溶解性の実例を、以下の表27に示す。シラノール(式1および表1から)とアルコールエトキシレート(表2からのNIS)を含む配合物は、2つの成分を1:1の比率で50mLジャー内で物理的に組み合わせ、そして均質になるまで(周囲温度で約10分間)磁気撹拌棒で混合することによって作成できる。混合物は、初期外観および24時間後の相安定性を視覚的に観察した。
【0128】
表27は、シラノール成分が45cSt未満の粘度を有する場合(すなわちOSIL-12)、HLBが9.0以下のNISが清澄(外観)で安定した(相分離のない)混合物を提供することを示している。さらに、粘度が45から85cSt(OSIL-13)の間のシラノール成分を含む組成物は、9.0以下のHLBを有するNIS成分と配合された場合、清澄な初期外観を与えた。しかしながら、OSIL-13とNIS-9を含む配合物は24時間後も安定していたが、配合物は24時間後に分離の兆候を示した。さらに、OSIL-14(90から120cStの間の粘度)とNIS成分から構成される配合物はすべて、24時間後にかすんだ外観と分離を示した。これは、NISのHLBならびに本発明のシラノール成分の粘度が、混合物溶解性において役割を果たすことを示している。さらに、Si-OH含有量が粘度の低下とともに増加し、それによりNISのアルキレンオキシド基と結合する極性基が提供されることから、シラノール成分の粘度が溶解性に間接的に寄与していることがあり得る。
【0129】
【表27】
【0130】
例B.農業油への溶解性
さらに、本発明のシラノール成分は、粘度が≦85cSt(OSIL-12およびOSIL-13)である場合、メチル化種子油中に50%で溶解性を示し、粘度が90cStを超える場合(OSIL-14)、不溶性を示す。しかしながら、パラフィン系鉱油(MO-1)中に50%で溶解するシラノール成分はなかった(表28)。
【0131】
【表28】
【0132】
例C.シラノール/界面活性剤配合物の展着特性
本発明のシラノール成分と様々なNIS成分との1:1混合物の展着特性は、ポリスチレンペトリ皿(低エネルギー表面)上に0.25%水性分散液の10μL滴を適用し、1分後の拡散直径を測定することによって評価された。以下の表29は、本発明のシラノール成分をNIS成分に添加すると(1:1)、展着が14%から28%増加することを示している。0.25%分散液でもたらされる全NISはわずか0.125%NISであるが、展着は高められ、本発明のシラノール成分がNISを含む水性分散液の展着を促進することを示している。
【0133】
【表29】
【0134】
例D.イヌビエにおけるトプラメゾンの性能に対する油配合物の影響
トプラメゾン30%OD配合物(除草剤)の性能に対するアジュバントの影響を、イヌビエ(Echinachloa crus-galli)で測定した。イヌビエ(BYDG)は20から25℃の環境チャンバーで栽培された。植物は、0.33%の除草剤のみを含む噴霧溶液、または0.2%または0.4%のいずれかのアジュバントを含む噴霧溶液で処理された。(表30を参照)。処理は450L/haの噴霧量相当で適用され、植物は4、7、13、および15DAT(処理後の日数)で雑草防除(未処理のチェックと比較)について評価された。雑草防除は、0から100%の尺度で「未処理チェック」と比較して目視観察によって決定された。
【0135】
表30は、本発明の組成物が農業用油として使用され、それによって植物油をオルガノシリコーン油(この例では、OSIL-11)で置き換えることができることを示している。アジュバントを含むすべての処理により、除草剤配合物の性能が向上した。しかしながら、本発明のアジュバント組成物を含む処理6および11によって最も強い反応が得られた。
【0136】
【表30】
【0137】
例E.ミカンハダニ(Paonychuscitri)への噴霧試験
柑橘類の木(オレンジ)に対する噴霧試験を実施し、本発明の組成物(OSIL-11/NIS-11)の、ミカンハダニ(Panonychus citri)の防除に対する影響を、作物油製剤、作物油A(鉱油(90%)および10%の非イオン性界面活性剤を含むトリシロキサンアルコキシレートの混合物)と比較して決定した。さらに、(OSIL-11/NIS-11)+Movento殺虫剤とMovento単独の比較が行われた。Movento(Bayer Crop Science)の有効成分はスピロテトラマト(22.4%SC)である。したがって、柑橘類の木は、0.5%の作物油A(処理A)、または0.2%、0.1%、および0.067%のOSIL-11/NIS-11の1:1配合物(処理1-3)のいずれかの水性分散液で処理された。さらに、0.067%のOSIL-1/NIS-11を有する殺虫剤Movento(0.025%)配合物(処理4)、またはMovento単独(処理5)を使用して処理を行った。処理6は未処理のチェックであった。
【0138】
噴霧処理は、1回の処理につき3回の繰り返しで、無作為ブロックデザインで2L/木で適用された。以下の表31は、作物油AまたはOSIL-11/NIS-11配合物のいずれかを含むすべての処理が、1、3、および7DAT(処理後の日数)でMovento殺虫剤単独よりも有意な改善をもたらしたことを示している。しかしながら、OSIL-11/NIS-11を最低用量(0.067%、処理3および4)で単独またはMoventoとともに含む処理は、14DATでMovento単独と変わらなかった。
【0139】
さらに、処理1-3は作物油Aと同様の結果をもたらしたが、濃度は半分未満であった(すなわち、処理2は5倍少ない)。
【0140】
【表31】
【0141】
例F.表面張力に対するポリシロキサンの効果
ポリシロキサン(シラノール)がメチルソイエート(MSO)の表面張力に及ぼす影響を、センサーとして白金ブレードを備えたKruss表面張力計を使用して、WilhelmyPlate法によって評価した。本発明のMSOと種々の割合のシラノール成分(OSIL-12およびOSIL-13)との混合物は、ビーカー内で2つの成分を合わせ、均質になるまで混合することによって作製した。
【0142】
以下の表32は、OSIL-12またはOSIL-13のいずれかを1%でも含めると、MSOの表面張力が大幅に低下することを示している。表面張力は、シラノール成分の対応する増加とともに減少した。油相の低い表面張力を得ることは、上記の段落00124「油ベースストックと配合した場合の表面張力に対するPDMS油の影響」および図2;また段落00124および図9も参照)で示したように、噴霧液滴の接着にとって重要であり得る。上記の段落00124で説明したように、図9は、ポインセチアの葉で試験された本発明の組成物のいくつかの液滴接着を示す。結果は、葉の表面に保持された衝突液滴の平均パーセントとして表された。理解できるように、本発明の組成物は、ベンチマークのCOC配合物よりも著しく高い液滴付着率をもたらす。
【表32】
【0143】
本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、均等物をその要素に置き換えることができることを理解するであろう。本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むことが意図されている。
図1
図2
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図4
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図9
図10
【国際調査報告】