(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】レーダトランシーバ試験
(51)【国際特許分類】
G01S 7/40 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
G01S7/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560189
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-10-02
(86)【国際出願番号】 EP2020061772
(87)【国際公開番号】W WO2021219206
(87)【国際公開日】2021-11-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518238850
【氏名又は名称】ヴィオニア スウェーデン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ロレ、パスカル
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AF03
5J070AH31
5J070AH35
5J070AK33
(57)【要約】
本開示は、レーダトランシーバ(3)と、制御ユニット(4)と、を備える、車両(1)のためのレーダシステム(2)に関し、制御ユニット(4)は、送信されたレーダ信号(5)の初期信号電力レベル(P
i)を適用し、かつ少なくとも1つのオブジェクト(7)によって反射された反射レーダ信号(6)を受信するように、レーダトランシーバを制御するように適合されている。制御ユニット(4)は、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベル(L)を判定し、合計信号低減レベル(L)を閾値と比較し、かつ当該比較に依存して、レーダトランシーバ(3)が許容可能な様式で動いているか否かを判定するように、更に適合されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダトランシーバ(3)と、制御ユニット(4)と、を備える、車両(1)のためのレーダシステム(2)であって、前記制御ユニット(4)が、
-送信されたレーダ信号(5)の初期信号電力レベル(P
i)を適用し、かつ、
-少なくとも1つのオブジェクト(7)によって反射された反射レーダ信号(6)を受信するように、前記レーダトランシーバを制御するように適合されており、
前記制御ユニット(4)が、
-少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベル(L)を判定し、
-前記合計信号低減レベル(L)を閾値と比較し、かつ
-前記比較に依存して、前記レーダトランシーバ(3)が許容可能な様式で動いているか否かを判定するように適合されている、レーダシステム(2)。
【請求項2】
前記所定の基準が、受信信号品質及び/又は前記受信信号(6)に対応する検出の数のうちの少なくとも1つに関連する、請求項1に記載のレーダシステム(2)。
【請求項3】
前記制御ユニット(4)が、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない前記合計信号低減レベル(L)が取得されるまで、信号電力レベルの段階的な低減を適用するように、前記レーダトランシーバを繰り返し制御するように適合されている、請求項1又は2に記載のレーダシステム(2)。
【請求項4】
前記制御ユニット(4)が、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない前記合計信号低減レベル(L)が取得されるまで、以前の信号電力レベルの変化又は最大可能信号電力レベル低減の半分に依存して、前記信号電力レベルを段階的に低減又は段階的に増加させるように適合されている、請求項1又は2に記載のレーダシステム(2)。
【請求項5】
少なくとも1つのオブジェクトが、事前定義された目標位置データに関連付けられた事前定義された目標オブジェクト(7)である、請求項1~4のいずれか一項に記載のレーダシステム(2)。
【請求項6】
前記レーダトランシーバ(3)の視野、FOV(9)内の異なる方位角に位置決めされた複数の事前定義された目標オブジェクト(7、7’、7’’)が存在する、請求項5に記載のレーダシステム(2)。
【請求項7】
少なくとも1つのオブジェクトが、環境における未定義の目標オブジェクト(12、13、14)である、請求項1~6のいずれか一項に記載のレーダシステム(2)。
【請求項8】
いくつかの角度ゾーン(15、16、17、18)が、前記異なるゾーン(15、16、17、18)に関する別個の情報を取得することができるように、方位で提供されている、請求項7に記載のレーダシステム(2)。
【請求項9】
車両レーダトランシーバ(3)の機能を制御するための方法であって、
初期信号電力レベル(P
i)を使用して、レーダ信号(5)を送信すること(S100)と、
オブジェクト(7)によって反射された反射レーダ信号(6)を受信すること(S200)と、を含み、
前記方法が、
少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベル(L)を判定すること(S300)と、
前記合計信号低減レベル(L)を閾値と比較すること(S400)と、
前記比較に依存して、前記レーダトランシーバ(3)が許容可能な様式で動いているか否かを判定すること(S500)と、を更に含む、方法。
【請求項10】
前記所定の基準が、受信信号品質及び/又は前記受信信号(6)に対応する検出の数のうちの少なくとも1つに関連する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
合計信号低減レベル(L)の前記判定(S300)が、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない前記合計信号低減レベル(L)が取得されるまで、信号電力レベルの段階的な低減を適用するように、前記レーダトランシーバ(3)を繰り返し制御すること(S301)を含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
合計信号低減レベル(L)の前記判定(S300)が、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない前記合計信号低減レベル(L)が取得されるまで、以前の信号電力レベルの変化又は最大可能低減の半分に依存して、前記信号電力レベルを段階的に低減又は段階的に増加させるように、前記レーダトランシーバ(3)を繰り返し制御すること(S302)を含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのオブジェクトが、事前定義された目標位置データに関連付けられた事前定義された目標オブジェクト(7)である、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記レーダトランシーバ(3)の視野、FOV(9)内の異なる方位角に位置決めされた複数の事前定義された目標オブジェクト(7、7’、7’’)が存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~8のいずれか一項に記載のレーダシステム(2)を備える、車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車用途に適合されたレーダシステムに関する。レーダトランシーバの機能特性を試験するためのレーダシステム及び方法が開示されている。
【背景技術】
【0002】
レーダトランシーバは、通常、専用レーダ周波数帯域におけるレーダ信号の送信及び受信のために配置されたデバイスである。レーダトランシーバは、車両周囲を監視するための車両に一般的に使用されている。自動巡行制御(Automatic Cruise Control、ACC)機能、緊急制動(Emergency Braking、EB)機能、高度なドライバ支援システム(Advanced Driver Assistance Systems、ADAS)及び自律ドライブ(Autonomous Drive、AD)は、レーダデータが車両制御に基づく重要な情報源を表すアプリケーションのいくつかの実施例である。
【0003】
レーダトランシーバは、様々な位置に位置決めされ、いくつかは、二次レードームとして機能する車両バンパーの後ろに位置決めされる。これらの場合、可能な閉塞を評価することができる必要があり得る。閉塞の典型的な場合は、車両が駐車されている間、レーダトランシーバの前のバンパーが修理される必要があり、新たな塗料が塗布される必要があるときの、バンパー上の雪又は他の堆積物などのオブジェクトによる閉塞である。
【0004】
後者の場合、再塗装されたバンパーの塗料特性を制御することは困難である。塗料は、残りの塗料と一致しなければならず、したがって、同じ色を達成するために様々な要素の混合物が、多くの場合必要とされる。新たな塗料の特性は、元の塗料の特性と異なってもよく、塗料が塗布される方法は、検出範囲に関する元のレーダトランシーバの性能及び方位角推定精度の両方に影響を与え得る。過剰な塗料は、時に、レーダと筋膜との間の反射からの信号のキャンセルによって引き起こされる狭いノッチの形態で、レーダの低減された範囲をもたらす。
【0005】
したがって、新たな塗料が範囲及び方位角推定性能に影響を与えるかどうか、及びその度合をチェックする必要がある。そのような方法は、車両が走行している間にデータを収集することによるそのような衝撃を検出するために、レーダの内側に実装することができる。しかしながら、修理店で車両を駆動することは、常に可能ではない。
【0006】
例えば、超音波プローブを使用する厚さの測定のための静的方法も存在する。このアプローチの問題は、性能が厚さに依存するだけでなく、塗装される材料にも依存することである。レーダトランシーバによっては、合格/不合格基準を定義することは常に可能ではない。
【0007】
静的方法の別の実施例は、レシーバ機器を使用する放射波の測定である。これは、比較的正確であるが、RF信号を測定できるように、適切な機器を必要とする。そのような機器は高価であり、全てのサービス店に展開することができない。
【0008】
したがって、特に、レーダトランシーバの特性が再塗装されたバンパーに対して変化したかどうか、及びその程度をチェックすることに対する更なる改善が必要である。そのような制御は、車両を移動させることなく、かつ低コストの機器を使用することによって、実行することが可能であるべきである。概して、例えば、上述の再塗装などの、トランシーバ自体又はその周囲に対して既知の変化が行われた後に、レーダトランシーバの機能性の改善された試験が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の目的は、例えば、再塗装されたバンパーにより、レーダトランシーバの機能特性がレーダトランシーバに対して変化するかどうか、及びその程度を制御するためのレーダシステム及び方法を提供することである。
【0010】
このオブジェクトは、レーダトランシーバと、制御ユニットと、を備える、車両のためのレーダシステムによって、取得される。制御ユニットは、送信レーダ信号の初期信号電力レベルを適用し、かつ、少なくとも1つのオブジェクトによって反射された反射レーダ信号を受信するように、レーダトランシーバを制御するように適合されている。制御ユニットは、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルを判定し、合計信号低減レベルを閾値と比較し、かつ当該比較に依存して、レーダトランシーバが許容可能な様式で動いているか否かを判定するように、更に適合されている。
【0011】
これは、レーダトランシーバが装着されている車両を駆動する必要なく、レーダトランシーバの機能特性がレーダトランシーバに対して変化したかどうか、及びその度合を制御することが可能であることを意味する。特別なレーダ目標は必要なく、コーナー反射器などの低コストの目標で、又は全ての目標がなくても十分であり得る。
【0012】
いくつかの態様によれば、当該所定の基準は、受信信号品質及び/又は受信信号に対応する検出の数のうちの少なくとも1つに関連する。
【0013】
いくつかの態様によれば、制御ユニットは、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルが取得されるまで、信号電力レベルの段階的な低減を適用するように、レーダトランシーバを繰り返し制御するように適合されている。
【0014】
いくつかの態様によれば、制御ユニットは、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルが取得されるまで、以前の信号電力レベルの変化又は最大可能信号電力レベル低減の半分に依存して、信号電力レベルを段階的に低減又は段階的に増加させるように適合されている。
【0015】
これは、閾値の探索を、例えば、ステップによって、又はバイナリ探索アルゴリズムを使用して、信号ステップを下げることによって、多くの方法で実行することができることを意味する。好適な探索アルゴリズムを選択することにより、例えば、試験に必要な合計時間を減少させることができに関し得る。
【0016】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つのオブジェクトは、事前定義された目標位置データに関連付けられた事前定義された目標オブジェクトである。
【0017】
いくつかの態様によれば、レーダトランシーバの視野(field of view、FOV)内の異なる方位角に位置決めされた複数の事前定義された目標オブジェクトが存在する。
【0018】
これは、1つ以上の事前定義された目標を使用することができ、目標は、コーナー反射器などの低コストの目標によって構成され得ることを意味する。
【0019】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つのオブジェクトは、環境における未定義の目標オブジェクトである。
【0020】
これは、少なくとも1つの目標が、事前定義されたオブジェクトである必要がなく、コスト及び複雑さを低下させることを意味する。
【0021】
いくつかの態様によれば、いくつかの角度ゾーンが、異なるゾーンに関する別個の情報を取得することができるように、方位で提供されている。
【0022】
本明細書には、上述の利点に関連付けられた車両及び方法も開示されている。
【0023】
概して、特許請求の範囲で使用される全ての用語は、本明細書において別途明確に定義されない限り、技術分野における通常の意味に従って解釈されるべきである。「要素、装置、構成要素、手段、ステップ」などへの全ての言及は、特に明記しない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップなどのうちの少なくとも1つの実例を指すように、公然と解釈されるべきである。本明細書で開示されるいずれの方法のステップも、明示的に述べられない限り、開示された正確な順序で実行される必要はない。添付の特許請求の範囲及び以下の説明を研究すると、本開示の更なる特徴及び利点が明らかになるであろう。当業者は、本開示の異なる特徴を組み合わせて、本開示の範囲から逸脱することなく、以下に記載されるもの以外の実施形態を作成してもよいことを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】第1の実施例による車両の上面図を概略的に示す。
【
図2A】レーダトランシーバ及びバンパーの一部を概略的に示す。
【
図2B】部分的に再塗装されたレーダトランシーバ及びバンパーの一部を概略的に示す。
【
図3】第1の実施例による方法を示すフローチャートである。
【
図4】第2の実施例による車両の上面図を概略的に示す。
【
図5】第2の実施例による方法を示すフローチャートである。
【
図6】一般的な例による方法を示すフローチャートである。
【
図7】第3の実施例による方法を示すフローチャートである。
【
図9】例示的なコンピュータプログラム製品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の態様は、添付の図面を参照して、より十分に説明される。しかしながら、本明細書に開示される異なるデバイス及び方法は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載の態様に限定されるものとして解釈されるべきではない。図面中の同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0026】
本明細書で使用される用語は、本開示の態様のみを説明するためのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。
【0027】
図1は、レーダシステム2を備える、車両1の上面図を示し、次いで、レーダシステム2は、レーダトランシーバ3と、制御ユニット4と、を備える。レーダトランシーバ3は、特定の視野(FOV)9を有し、ここでは、コーナーレーダトランシーバ3の形態である。
【0028】
レーダトランシーバ3は、レーダ信号5を送信し、オブジェクト7によって反射された反射レーダ信号6を受信するように適合されている。制御ユニット4は、レーダトランシーバ3、例えば、送信タイミング、送信周波数コンテンツ、及び実際の送信された時間波形を制御する。制御ユニット4はまた、検出されたオブジェクトに関連する目標データを抽出するために、信号処理、例えば、以前に周知の様式で範囲-ドップラーマトリックスを取得するためのFFT:sを実行するように適合されている。
【0029】
レーダトランシーバ3は、バンパー8の後ろ又は内側に位置決めされ、したがって、レーダトランシーバ3の外側レードームとして挙動する。これはまた、
図2Aに示されており、レーダトランシーバ3は、バンパー8の間に被毒されて示されており、バンパー8は、ベース材料層19と、外側塗料層23と、を備える。
【0030】
以下では、例えば、バンパー8の再塗装などの、レーダトランシーバ3自体又はその周囲に対して既知の変化が行われたため、レーダトランシーバ3の機能特性を試験することができる方法について説明する。そのような再塗装は、
図2Bに示されており、塗料層23を損傷した塗料スクラッチ部分21が存在し、再塗料部分22によって覆われている。
【0031】
本開示によれば、制御ユニット4は、特定の初期信号電力レベルPiを適用し、オブジェクト7によって反射された反射レーダ信号6から取得された目標データを収集及び記憶するように、レーダトランシーバ3を制御するように適合されている。制御ユニット4は、記憶された目標データを、特定の所定の基準と比較するように更に適合されている。
【0032】
所定の基準が満たされる場合、制御ユニット4は、第1の低減信号電力レベルPrlを適用するように、レーダトランシーバ4を制御するように適合されており、初期信号電力レベルPiと同じ方法で、目標データを再び収集及び記憶する。制御ユニット4は、記憶された目標データを、特定の所定の基準と比較するように再び適合されている。この手順は、所定の基準が満たされなくなるまで繰り返され、次いで、制御ユニット4は、合計信号低減レベルLを閾値と比較するように適合されている。比較の結果に依存して、結果が許容可能であるかどうか、例えば、バンパー再塗装21が許容可能であるどうかが、判定される。
【0033】
合計信号低減レベルLは、初期信号電力レベルPiと、現在の低減信号電力レベルPrnとの差であり、nは、実行された電力低減の数である。
【0034】
第1の実施例によれば、コーナー反射器又は他の反射アイテムなどの既知の目標オブジェクト7が使用される。目標オブジェクト7は、既知の位置に位置決めされ、制御ユニット4は、上記のステップを実行する試験モードに設定される。任意の低コストの目標オブジェクトを使用することができ、基本的な自己試験ルーチンを制御ユニット4で使用してもよい。この試験は、既存の装着角度チェックと同じ機器/設定によって実行することができる。
【0035】
より詳細には、フローチャートを示す
図3も参照すると、第1の実施例は、以下に概説される7つの基本的な方法ステップに従って説明することができ、いくつかの態様によるこのステップは、制御ユニットによって制御される。
【0036】
第1のステップ100では、試験モードが開始され、目標位置データは、外部コンピューティングデバイス、例えば、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)などの外部コンソール20から、又は内部プリセット値を使用することによって、受信される。試験モードを設定し、外部コンソール20から実行することもできる。例えば、目標位置データは、X/Y座標又は範囲/角度値などのパラメータとして与えられる。望ましくないレーダ検出は、任意の周知の様式でフィルタリングされる。初期信号電力レベルPiが設定される。
【0037】
第2のステップ200では、レーダ検出が収集され、所定の数Nのレーダサイクルのために記憶される。いくつかの態様によれば、N=100である。
【0038】
第3のステップ300では、第2のステップ200に記憶されたデータは、いくつかの態様による、以下のうちの1つ、又はその組み合わせによって、特定の所定の基準と比較される。
-目標が存在するレーダサイクルの数をチェックする。例えば、N=100の65回は65%であり、この比は、第1の設計閾値TD1と比較される。
-目標オブジェクト7によって直接反射された反射レーダ信号6の信号対雑音比(signal to noise ratio、SNR)又は信号振幅をチェックする。例えば、受信信号振幅が低い又は不安定であると判定された場合、それを第2の設計閾値TD2と比較する。
【0039】
第4のステップ400では、信号電力レベルが低減され、方法は、目標が識別可能でなくなることに対応するいくつかの態様によれば、記憶された目標データが、第3のステップに従って、特定の所定の基準を満たさなくなるまで、第2のステップ200から繰り返される。
【0040】
いくつかの態様によれば、信号レベルの低減は、以下の1つ又は組み合わせによって行うことができる:
-送信電力の低減。
-受信ゲインの低減。
-高速フーリエ変換(fast Fourier transform、FFT)ビット又はアナログ-デジタル変換器(analog to digital converter、ADC)ビットシフトの低減。
-デジタル可変ゲインを使用する。
-送信又は受信信号を変更するための任意の他の方法。
【0041】
いくつかの態様によれば、レーダトランシーバ3は、送信電力及び/又は受信ゲインの低減が、関連MMICを制御することによって実行されるモノリシックマイクロ波集積回路(Monolithic Microwave Integrated Circuit、MMIC)技術を含む。
【0042】
初期信号電力レベルPiからの信号電力レベル低減の累積量、合計信号電力レベル低減Lが、記憶される。
【0043】
第5のステップ500では、記憶された目標データが第3のステップ300に従って特定の所定の基準を満たさない合計信号電力レベル低減Lが、第1のレベル閾値TL1と比較される。第1のレベル閾値TL1は、例えば、設計及び検証に基づいて判定される固定値であり得る。
【0044】
第6のステップ600では、合計信号電力レベル低減Lが、第1のレベル閾値TL1を下回る場合、結果が許容可能ではない、例えば、バンパー再塗装は許容可能ではないと判定される。
【0045】
第7のステップ700では、合計信号電力レベル低減Lが、第1のレベル閾値TL1を超える場合、結果が許容可能である、例えば、バンパー再塗装は許容可能であると判定される。
【0046】
合計信号電力レベル低減Lが、第1のレベル閾値TL1に等しい場合、これは、別々に通信することができるか、又は第6のステップ600又は第7のステップ700のうちのいずれか1つをとることができる。
【0047】
いくつかの態様によれば、一般的に使用される単一のコーナー反射器(Corner Reflector、CR)が使用され、バンパー8の一部をチェックするために使用され得る。
【0048】
いくつかの態様によれば、いくつかのCR:7、7’、7’’は、異なる角度で、目標オブジェクトとして使用される。異なる目標オブジェクト位置によって、FOV9内の異なる方位角で減衰をチェックすることができる。
【0049】
いくつかの態様によれば、目標オブジェクトは、CRの形態である必要はないが、1つ以上の金属ポスト、ロッド又は金属プレートなどの任意の好適な種類の所定の単一の反射オブジェクト又は複数の反射オブジェクトであり得る。
【0050】
いくつかの態様によれば、CR又は金属ロッドなどの目標は、FOV9内の固定範囲10で移動することができる。利用可能な方位角スパン11内の異なる方位角の検出速度又はSNRをチェックすることができる。いくつかの角度での減衰が多すぎるときに、結果として生じる目標データにヌル又はディップが存在するであろう。このようにして、角度スパン11内の複数の角度をチェックすることができる。
【0051】
いくつかの態様によれば、第5のステップ500は、工場で、又はディーラーチェック中の較正手順として、使用することができる。ここで、第1のレベル閾値TL1設計によって設定することができ、又は較正値から導出することができる。例えば、
-車両1を出荷する前に、試験が実行される。
この試験は、デーラーでの各チェックで実行することもできる。これは、経年による劣化を追跡するのに役立つであろう。
-第3のステップ300の必要な結果及び合計信号電力レベル低減Lを、参照として記憶することができる。
-修理塗料が試験されるときに、結果として得られる値を比較のために使用して、レードームとしてバンパー減衰を提供することができる。
-バンパー減衰は、固定減衰閾値TAと比較することができる。
【0052】
第4のステップ400の信号レベル低減に使用される方法に依存して、第2のステップ200を再び実行する必要はない場合がある。
【0053】
例えば、送信電力又は受信機ゲインが変更された場合、基本データが変更され、必要な第2のステップが行われる。
【0054】
信号処理においてデジタルゲインが使用される場合、収集されたアナログデータは、記憶されるデジタルデータに変換される。記憶されたデータを再処理するときに、新たなデジタルデータを取得する必要はない。これは、
図3の破線の矢印Aで示されている。
【0055】
第2のステップ200が必要であると見なされるか、又は当然ながら、第2のステップの定義に依存する場合、そのような変動が可能である本技術分野の当業者によって容易に理解され得る。
【0056】
第2の実施例によれば、
図1に対応する
図4を参照して、既知の、十分に定義された目標オブジェクトは使用されない。制御ユニット400は、試験モードに設定され、特定の初期信号電力レベルP
iを使用して、環境における異なる目標オブジェクト12、13、14からのレーダ検出から、目標データを収集及び記憶するように適合されている。1つ以上の検出された目標オブジェクト12、13、14のレーダ検出の数Dが検出数閾値T
nを超える場合、信号電力レベルが低減され、レーダ検出からの目標データが再び収集及び記憶される。検出された目標の数が、検出数閾値T
Dを下回るまで、これを繰り返す。次いで、必要な合計信号低減レベルLを、第2のレベル閾値T
L2と比較する。
【0057】
より詳細には、
図5も参照すると、第2の実施例は、以下に概説される7つの基本的な方法ステップに従って説明することができ、いくつかの態様によるこのステップは、制御ユニット4によって制御される。
【0058】
第1のステップ100’では、試験モードが開始され、初期信号電力レベルが設定される。
【0059】
第2のステップ200’では、1つ以上の異なる目標オブジェクト12、13、14からの所定の数のレーダ検出が、レーダサイクルの所定の数N≧1のために収集及び記憶される。
【0060】
第3のステップ300では、第2のステップ200に記憶された検出データは、いくつかの態様による、以下のうちの1つ、又はその組み合わせによって、特定の所定の基準と比較される。
-レーダサイクルごとのレーダ検出Dの数をチェックし、この数を、検出数閾値Tnと比較する。
-N>1の場合、検出された目標オブジェクト12、13、14が存在するレーダサイクルの数をチェックする。例えば、N=100の65回の時間は65%を与え、これは第2の設計閾値TD2と比較される。
【0061】
第4のステップ400’では、信号電力レベルが低減され、方法は、目標が識別可能でなくなることに対応するいくつかの態様によれば、記憶された目標データが、第3のステップ300’に従って、特定の所定の基準を満たさなくなるまで、第2のステップ200’から繰り返される。
【0062】
いくつかの態様によれば、第1の実施例と同様に、信号レベルの低減は、以下の1つ又は組み合わせによって行うことができる:
-送信電力の低減。
-受信ゲインの低減。
-高速フーリエ変換(FFT)ビット又はアナログ-デジタル変換器(ADC)ビットシフトの低減。
-デジタル可変ゲインを使用する。
-送信又は受信信号を変更するための任意の他の方法。
【0063】
いくつかの態様によれば、レーダトランシーバ3は、送信電力及び/又は受信ゲインの低減が、関連MMICを制御することによって実行されるモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)技術を含む。
【0064】
信号電力レベル低減の累積量、合計信号電力レベル低減Lが、記憶される。
【0065】
第5のステップ500’では、記憶された目標データが第3のステップ300’に従って特定の所定の基準を満たさない合計信号電力レベル低減Lが、第2のレベル閾値TL2と比較される。第2のレベル閾値TL2は、例えば、設計及び検証に基づいて判定される固定値であり得る。
【0066】
第6のステップ600’では、合計信号電力レベル低減Lが、第2のレベル閾値TL2を下回る場合、結果が許容可能ではない、例えば、バンパー再塗装は許容可能ではないと判定される。
【0067】
第7のステップ700’では、合計信号電力レベル低減Lが第2のレベル閾値TL2を超える場合、結果が許容可能である、例えば、バンパー再塗装は許容可能であると判定される。
【0068】
合計信号電力レベル低減Lが、第1の第2の閾値TL2に等しい場合、これは、別々に通信することができるか、又は第6のステップ600’又は第7のステップ700’のうちのいずれか1つをとることができる。
【0069】
いくつかの態様によれば、第2のステップ200’について、データをフィルタリングすることができる。例えば、静止として分類されるレーダ検出、及び/又は品質ビットセットを有するレーダ検出、及び/又はマルチパス問題を低減するために特定の範囲で現れるレーダ検出のみが使用される。
【0070】
いくつかの態様によれば、第2のステップについて、方位のいくつかの角度ゾーンを提供することができる。例えば、方位角間隔-70°~-25°における第1のゾーン15、方位角間隔-25°~0°における第2のゾーン16、方位角間隔0°~25°における第3のゾーン17、及び方位角間隔25°~70°における第4のゾーン18。これは、異なるゾーン15、16、17、18に関する別個の情報を提供することができる。
【0071】
いくつかの態様によれば、開放空間で試験を行うときに、ランダムな場所で目標になるオブジェクトを追加することが可能である。そのようなオブジェクトは、例えば、コーナー反射器、又は単にツールボックスであり得る。金属オブジェクトが当然のことながら好ましい。
【0072】
いくつかの態様によれば、第5のステップ500’は、工場で、又はディーラーチェック中の較正手順として使用することができる。ここで、第2のレベル閾値TL2は、設計によって設定することができ、又は較正値から導出することができる。例えば、
-車両1を出荷する前に、試験が実行される。
この試験は、デーラーでの各チェックで実行することもできる。これは、経年による劣化を追跡するのに役立つであろう。
-第3のステップ300’の必要な結果及び合計低減量Lを参照として保存することができる。
-修理塗料が試験されるときに、結果として得られる値を比較のために使用して、レードームとしてバンパー減衰を提供することができる。
-バンパー減衰は、固定減衰閾値TAと比較することができる。
【0073】
いくつかの態様によれば、この試験は、IG-OFF(点火オフ)の前に実行される。必要な減衰量は、IG-OFFの前に保存される。IG-ON(点火オン)では、同じ試験が実行され、減衰の差がチェックされる。これは、修理、及び車両の寿命中の多くの他の閉塞状況についても使用することができる。
【0074】
これは、運転者が車両1にいない間にバンパー8に起こり得るもの(泥、擦り傷)のチェックを実行することが可能であることを意味する。IG-OFFでは、ECUをオフにする前に、上記の試験手順を実行し、合計信号電力レベル低減Lを記憶することができる。次のIG-ONでは、上記による試験手順を再度実行し、合計信号電力レベル低減Lの新たな値を取得し、以前のものと比較する。車両が停止されたため、停止の直前及び後の環境条件が非常に類似していると仮定することができる。
【0075】
第1の実施例と同様に、第4のステップ400’の信号レベル低減に使用される方法に依存して、第2のステップを再び実行する必要はない場合がある。信号処理においてデジタルゲインが使用される場合、収集されたアナログデータは、記憶されるデジタルデータに変換される。記憶されたデータを再処理するときに、新たなデジタルデータを取得する必要はない。これは、
図5の破線の矢印Aで示されている。
【0076】
第2のステップ200’が必要であると見なされるか、又は当然ながら、第2のステップの定義に依存する場合、そのような変動が可能である本技術分野の当業者によって容易に理解され得る。
【0077】
いくつかの態様によれば、第1の実施例及び第2の実施例を組み合わせることができ、それにより、少なくとも1つの事前定義された目標オブジェクト7、7’、7’’、及び環境における少なくとも1つの未定義の目標オブジェクト12、13、14の両方が存在する。
【0078】
本開示は、信号電力レベルを低下させる直接的なアプローチを用いて、閾値を探索することを含む。一般的なフローチャートが
図6に示され、信号電力レベルの低下プロセスに関連するステップ300、400、300’400’は、前述の所定の基準が満たされていない信号電力レベルが導出される探索ループを含む、1つの一般的な信号探索ステップ30で一般化される。
【0079】
言い換えれば、一般的な例を示す
図6を参照すると、通常の動作と比較して、合計信号低減レベルLについて探索が実行され、その合計信号低減レベルLの所定の基準は満たされていない。これは、目標データを収集し200、200’、目標データを、検出基準と比較し、それに応じて信号電力レベルを修正すること30によって、達成される。これは、必要な低減Lが見出されるまで繰り返され、次いで、合計信号低減レベルLは、閾値と比較される500、500’。この比較の結果に依存して、バンパー再塗装が許容可能であるかどうかが判定される600、600’、700、700’。
【0080】
この探索ループ30は、信号電力レベルがステップで減少する前述の2つの線形例として、多くの方法で形成することができる。
図3及び
図5に示されるような2つの実施例では、前述の所定の基準が満たされていない信号電力レベルが導出される探索ループを含む、第1の信号探索ステップ30Aが存在する。
【0081】
いくつかの態様のバイナリ探索アルゴリズムによれば、所望の結果を達成するために、信号探索ステップ30において、他のアルゴリズムを使用することができる。
【0082】
2つの前の実施例の概念に適用可能である信号探索ステップ30のためのバイナリ探索アルゴリズムの実施例は、第3の実施例を示す
図7に示され、2つの第1のステップ100、100’;200、200’は、前述のサンプルのいずれか1つに従って実行することができ、目標データは、第2のステップ200、200’において、収集及び記憶される。
【0083】
目標データが、所定の基準を満たすかどうかを判定すること800を含む、共通の信号探索ステップ30Bが存在する。この場合、信号電力レベルは、以前の変化の半分だけ変化し900、変化は、信号電力の増加又は低減のいずれかであり得る。そうでない場合、信号電力レベルは、以前の変化の半分だけ増加する1000。第1の反復の場合、以前の低減がないときは、低減は、最大可能信号電力レベル低減の半分である。
【0084】
共通の信号探索ステップ30Bは、信号電力レベルの変化が前回と同じであるかどうか、すなわち、探索が収束しているどうかを判定すること1100を更に含む。そうでない場合、手順は、第2のステップ200、200’から繰り返され、そうでなければ、手順は、前の実施例のように、第5のステップ500、500’、第6のステップ600、600’、及び第7のステップ700、700’に続く。
【0085】
前の実施例のように、破線矢印Aで示されるように、第2のステップ200、200’から手順を繰り返す必要がない場合がある。上述されるように、第3の実施例は、第1の実施例及び第2の実施例に適用可能である。
【0086】
図8は、一実施形態による、記載の電子制御ユニット4に対応する、制御ユニット70の構成要素を、いくつかの機能ユニットの観点から概略的に示す。処理回路71は、コンピュータプログラム製品に記憶されたソフトウェア命令を、例えば、記憶媒体73の形態で実行することができる好適な中央処理装置(central processing unit、CPU)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、専用ハードウェアアクセラレータなどのうちの1つ以上の任意の組み合わせを使用して提供される。処理回路71は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)として更に提供されてもよい。
【0087】
特に、処理回路71は、70制御ユニットに、一連の動作又はステップを実行させるように構成される。これらの動作又はステップは、様々なレーダトランシーバ及び方法に関連して上述された。例えば、記憶媒体73は一連の動作を記憶することができ、処理回路71は、記憶媒体73から一連の動作を検索して制御ユニット70に一連の動作を実行させるように構成することができる。動作のセットは、実行可能命令のセットとして提供されてもよい。したがって、処理回路71は、本明細書に開示される方法及び動作を実行するように構成される。
【0088】
記憶媒体73はまた、例えば、磁気メモリ、光学メモリ、固体メモリ、若しくは遠隔搭載メモリのいずれか1つ又はその組み合わせであり得る永続的ストレージを備え得る。
【0089】
制御ユニット70は、少なくとも1つの他のユニットと通信するための通信インターフェース72を更に備えてもよい。したがって、レーダインターフェース72は、アナログ及びデジタル構成要素、並びに有線又は無線通信のための好適な数のポートを備える、1つ以上の送信機及び受信機を備えてもよい。
【0090】
処理回路71は、例えばデータ及び制御信号を外部ユニット及び記憶媒体73に送信することにより、外部ユニットからデータ及びレポートを受信することにより、並びに記憶媒体73からデータ及び命令を取り出すことにより、制御ユニット70の一般的な動作を制御するように適合されている。本明細書で提示される概念を不明瞭にしないために、制御ユニット70の他の構成要素、及び関連する機能は省略されている。
【0091】
図9は、本明細書に開示される方法のうちのいずれかを実行するための、コンピュータ可読媒体83に配置された、コンピュータ実行可能命令82を含むコンピュータプログラム製品81を示す。
【0092】
図10を参照すると、本開示は、車両レーダトランシーバ3の機能を制御するための方法に関する。方法は、初期信号電力レベルP
iを使用して、レーダ信号5を送信することS100と、オブジェクト7によって反射された反射レーダ信号6を受信することS200と、を含む。方法は、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルを判定することS300と、合計信号低減レベルを閾値と比較することS400と、当該比較に依存して、レーダトランシーバ3が許容可能な様式で動いているか否かを判定することS500と、を更に含む。
【0093】
いくつかの態様によれば、当該所定の基準は、受信信号品質及び/又は受信信号6に対応する検出の数のうちの少なくとも1つに関する。
【0094】
いくつかの態様によれば、合計信号低減レベルLの判定S300は、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルLが取得されるまで、信号電力レベルの段階的な低減を適用するように、レーダトランシーバ3を繰り返し制御することS301を含む。
【0095】
いくつかの態様によれば、合計信号低減レベルLの判定S300が、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルLが取得されるまで、以前の信号電力レベルの変化又は最大可能低減の半分に依存して、信号電力レベルを段階的に低減又は段階的に増加させるように、レーダトランシーバ3を繰り返し制御することS302を含む。
【0096】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つのオブジェクトは、事前定義された目標位置データに関連付けられた事前定義された目標オブジェクト7である。
【0097】
いくつかの態様によれば、レーダトランシーバ3の視野、FOV9内の異なる方位角に位置決めされた複数の事前定義された目標オブジェクト7、7’、7’’が存在する。
【0098】
本開示は、論じられた実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲内で自由に変化し得る。例えば、レーダトランシーバは、任意の好適な種類であり得、いくつかの態様によれば、アンテナ、トランスミッタ、レシーバ、制御ユニットなどの好適なデバイスを含むことができる。
【0099】
制御ユニット4、70は、1つのユニットによって、又は2つ以上の分散サブユニットによって構成されてもよい。
【0100】
この文脈では、検出は、オブジェクト7によって反射された受信レーダ信号に対応する。複数のそのような受信レーダ信号は、複数の検出に対応する。複数の検出は、1つのオブジェクト又は2つ以上のオブジェクトから生じ得る。
【0101】
当然のことながら、レーダトランシーバ3の試験は、再塗装されたバンパーのためだけでなく、多くの理由でその機能をチェックするために実行され得る。
【0102】
本開示は、レーダシステム2に含まれる任意の好適なレーダトランシーバ又はレーダトランシーバ(複数)に適用することができる。
【0103】
概して、本開示は、レーダトランシーバ3と、制御ユニット4と、を備える、車両1のためのレーダシステム2に関する。制御ユニット4は、送信レーダ信号5の初期信号電力レベルPiを適用し、かつ、少なくとも1つのオブジェクト7によって反射された反射レーダ信号6を受信するように、レーダトランシーバを制御するように適合されている。制御ユニット4は、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルLを判定し、総信号低減レベルLを閾値と比較し、かつ又は当該比較に依存して、レーダトランシーバ3が許容可能な様式で動いているか否かを判定するように、更に適合されている。
【0104】
いくつかの態様によれば、当該所定の基準は、受信信号品質及び/又は受信信号6に対応する検出の数のうちの少なくとも1つに関する。
【0105】
いくつかの態様によれば、制御ユニット4は、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルLが取得されるまで、信号電力レベルの段階的な低減を適用するように、レーダトランシーバを繰り返し制御するように適合されている。
【0106】
いくつかの態様によれば、制御ユニット4は、少なくとも1つの所定の基準が満たされていない合計信号低減レベルLが取得されるまで、以前の信号電力レベルの変化又は最大可能信号電力レベル低減の半分に依存して、信号電力レベルを段階的に低減又は段階的に増加させるように適合されている。
【0107】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つのオブジェクトは、事前定義された目標位置データに関連付けられた事前定義された目標オブジェクト7である。
【0108】
いくつかの態様によれば、レーダトランシーバ3の視野、FOV9内の異なる方位角に位置決めされた複数の事前定義された目標オブジェクト7、7’、7’’が存在する。
【0109】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つのオブジェクトは、環境における未定義の目標オブジェクト12、13、14である。
【0110】
いくつかの態様によれば、いくつかの角度ゾーン15、16、17、18が、異なるゾーン15、16、17、18に関する別個の情報を取得することができるように、方位で提供されている。
【国際調査報告】