(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(54)【発明の名称】振動触覚フィードバック構成
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20230502BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230502BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
A61B5/00 B
G06F3/01 560
G06F3/01 510
A61B5/107 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022506698
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 NL2020050489
(87)【国際公開番号】W WO2021020967
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522042924
【氏名又は名称】エリタック ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴォス ウーター カレル
(72)【発明者】
【氏名】スパイカー‐ティツィング ティネ ジョーク
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
5E555
【Fターム(参考)】
4C038VA06
4C038VB28
4C117XA05
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5E555AA08
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(57)【要約】
両側性前庭性難聴は慢性疾患であり、その原因は、耳毒性のもの、感染性のもの、外傷性のもの、自己免疫または先天的なものでありえる。本発明の目的は、振動触覚フィードバック構成の効果を改善することである。本発明は、人体に配置して使用され、周囲に対する人体の現在の姿勢を検知するよう設けられたセンサと、人体に姿勢偏差を知覚させるよう設けられた触覚アクチュエータと、人体との触覚コミュニケーションにおける触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、実質的に人体に対して固定された触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリアと、センサから現在の姿勢を受信し、人体の所望の姿勢と現在の姿勢との比較に基づき、姿勢偏差を判断し、姿勢偏差に基づき、起動信号を1つまたは複数の触覚アクチュエータに伝送するよう構成された、処理ユニットと、を備え、キャリアが使用中の場合、触覚アクチュエータが実質的に基準面に設けられるよう、触覚アクチュエータはキャリアに配置され、基準面は、人体の胴体の重心軸に対し機能的に垂直であり、基準面は、胴体に交差して周囲を画定し、触覚アクチュエータは周囲に配置され、キャリアは、触覚アクチュエータ同士間、及び/または、触覚アクチュエータとセンサとの間の相対距離が周囲の長さから独立して保たれるよう伸縮性材料を含む、振動触覚フィードバック構成を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体(10)に配置して使用するための振動触覚フィードバック構成(100)であって、前記周囲に対する前記人体の現在の姿勢を検知するよう設けられたセンサ(110)と、
前記人体に姿勢偏差(325)を知覚させるよう設けられた触覚アクチュエータ(120、120’、120’’、120’’’、120’’’’)と、
前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、前記人体に対して実質的に固定される前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリア(130)と、
処理ユニット(140)と、を備え、
該処理ユニットは、
前記センサから前記現在の姿勢を受信し、
前記人体の所望の姿勢と前記現在の姿勢との比較に基づき前記姿勢偏差を判断し、
前記姿勢偏差に基づき起動信号を1つまたは複数の前記触覚アクチュエータに伝送するよう構成され、
前記触覚アクチュエータは、前記キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面(20)に設けられるよう、前記キャリアに配置され、
前記基準面は、前記人体の胴体(11)の重心軸に対し機能的に垂直であり、前記基準面は、前記胴体に交差して周囲(21)を画定し、前記触覚アクチュエータは前記周囲に配置され、
前記キャリアは、前記触覚アクチュエータ同士間、及び/または、前記触覚アクチュエータと前記センサとの間の前記相対距離が、前記周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有する伸縮性材料であって、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料(131)を含む、振動触覚フィードバック構成。
【請求項2】
前記伸縮性材料(131)は、8%から25%の範囲の延伸を有する、先行する請求項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項3】
前記触覚アクチュエータは、前記周囲に亘って実質的に均等に分配され、及び/または、触覚アクチュエータ及びセンサは、前記周囲に亘って実質的に均等に分配される、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項4】
前記処理ユニットは、
前記姿勢偏差を前記周囲上の1点(322)と関連付け、
前記周囲上の前記1点に周囲的に最も近い前記触覚アクチュエータから第1触覚アクチュエータ(120’’’)を選択し、
起動信号を前記第1触覚アクチュエータへ伝送する、
ように構成された、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項5】
前記処理ユニットは、
前記第1触覚アクチュエータの反対の前記角度方向の前記周囲に沿った前記1点から始まる前記触覚アクチュエータから、第2触覚アクチュエータ(120’’’’)を選択し、
起動信号を前記第2触覚アクチュエータへ伝送する、
ように構成された、先行する請求項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項6】
前記処理ユニットは、
選択された前記アクチュエータそれぞれから前記周囲上の前記関連する点までの距離に基づき、選択された前記第1触覚アクチュエータ、及び、選択された前記第2触覚アクチュエータの前記起動信号を算出する、
ように構成された、先行する請求項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項7】
前記処理ユニットは、前記周囲の周囲モデル(300)を取得する、
ように構成されており、周囲モデルとは、二本線対称の連続した曲線であり、前記対称線は極座標系の前記起点で直交および交差し、前記起点は前記重心軸上の1点であり、前記極座標系における曲線の半径は連続関数であり、
前述の関連付けとは、前記姿勢偏差に関連する前記周囲モデル上の前記1点(322)を決定すること、を含む、先行する請求項4から請求項6のいずれかに記載の前記振動触覚フィードバック構成。
【請求項8】
アクチュエータの数は、4から20個の間であり、好ましくは6から16個であり、より好ましくは8から12個であり、最も好ましくは10個である、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項9】
前記触覚アクチュエータは振動アクチュエータである、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項10】
前記振動アクチュエータは、人体に実質的に垂直な方向で振動するよう構成される、先行する請求項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項11】
前記キャリアは軽量で、及び/または、柔軟性のある材料を含み、この材料は前記触覚アクチュエータを前記キャリアに連結することが好ましい、先行する請求項9から請求項10のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項12】
前記キャリアは、ベルト、ベスト、タクティカルベスト、肌に密着した衣服、パンツ、オーバーオール、負い革、レオタード、またはジャマーである、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項13】
1つまたは複数の前記前記触覚アクチュエータへの前記起動信号の前記強度は、前記姿勢偏差の大きさに基づく、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項14】
前記処理ユニットは、姿勢偏差の増加に応じ、前記起動信号の前記強度が増加し続けるように構成された、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項15】
前記処理ユニットは、前記姿勢偏差と事前に定義された偏差閾値とを比較し、
前記姿勢偏差が事前に定義された偏差閾値を下回っている場合は前記起動信号に非アクティブ値を割り当て、それ以外の場合は前記起動信号にアクティブ値を割り当てる、
ように構成された、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項16】
前記処理ユニットは、前記姿勢偏差の大きさの判定も、前記人体の前記所望の姿勢と前記現在の姿勢との前記差の前記変化、及び/または、変化の速度に基づくよう構成された、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項17】
前記姿勢は、垂線に対する角度偏差である、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項18】
前記処理ユニットは、事前に定義された時間にわたり、前記姿勢偏差が変化しない場合、1つまたは複数の前記触覚アクチュエータへの前記起動信号の前記伝送を停止するよう構成された、先行する請求項のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項19】
振動触覚フィードバックを人体に提供するための方法であって、
前記周囲に対する前記人体の現在の姿勢を検知すべく設けられたセンサから、前記周囲に対する前記人体の現在の姿勢を受信することと、
前記人体の所望の姿勢と前記現在の姿勢との比較に基づき、前記姿勢偏差を判断することと、
前記姿勢偏差に基づき、複数の触覚アクチュエータのうち1つまたはいくつかの前記触覚アクチュエータに起動信号を伝送すること、とを含み、
前記触覚アクチュエータは、前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、実質的に前記人体に対して固定された前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリア(130)に配置され、
前記触覚アクチュエータは、前記キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面(20)に設けられるよう、前記キャリアに配置され、
前記基準面は、前記人体の胴体(11)の重心軸に対し機能的に垂直であり、前記基準面は前記胴体に交差して周囲(21)を画定し、前記触覚アクチュエータは前記周囲に配置され、
前記キャリアは、前記触覚アクチュエータ同士間、及び/または、前記触覚アクチュエータと前記センサとの間の前記相対距離が前記周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有する伸縮性材料であって、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料(131)を含む、方法。
【請求項20】
内部に具現化されたコンピュータ可読コード(1020)を有するコンピュータ可読媒体(1010)を備えるコンピュータプログラム製品(1000)であって、前記コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ、適切なプロセッサ、または適切な処理ユニットにより実行されると、前記コンピュータ、前記プロセッサ、または前記処理ユニットに先行する方法のステップを実施させるように構成された、コンピュータプログラム製品。
【請求項21】
振動触覚フィードバック構成(100)の使用方法であって、
前記方法は、使用者に前記振動触覚フィードバック構成を提供するステップと、
前記振動触覚フィードバック構成を前記使用者の前記人体(10)、例えば胴体(11)またはウエストに配置するステップと、
前記振動触覚フィードバック構成を校正するステップと、
校正後、前記触覚アクチュエータ(120、120’、120’’、120’’’、120’’’’)を介し、前記姿勢偏差(325)をフィードバックするステップと、
を含む、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記配置ステップは、ウエスト周りのすべての衣服の層、または1層を除くすべての衣服の層を除外するステップと、
除外した後、前記振動触覚フィードバック構成をウエスト周りに配置するステップと、
を含む、先行する請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、振動触覚フィードバック構成の分野に関する。
[発明の背景]
両側性前庭性難聴は慢性疾患であり、その原因は、耳毒性のもの、感染性のもの、外傷性のもの、自己免疫または先天的なものであり得る。また、かなりの数の症例において、原因は発見されていない。両側性前庭性難聴を患う患者は、不安定さを感じ、時には訳もなく転倒し、自らを負傷させてしまうことすらあり得る。
【0002】
近年、両側性前庭性難聴を患う人々が安定性を維持するのを支援するべく、バランスベルトが開発されている。バランスベルトは、基本的には、患者のウエストの周りに着用される重量のあるベルトである。該ベルトは、患者の直立姿勢を検知するセンサ及び、ベルトに配された複数の触覚アクチュエータを含む。そのようなベルトは、2018年12月5日に神経学ジャーナル(JOURNAL OF NEUROLOGY)で発表された「Vibrotactile feedback improves balance and mobility in patients with severe bilateral vestibular loss (振動触覚フィードバックが、重篤な両側性前庭性難聴のある患者におけるバランス及び可動性を向上させる)」との表題の記事にて記載の研究において、使用されている。
【0003】
更に、国際公開第2009/029834号においては、所定の動作を行おうとする対象者の試みに応じ、対象者に振動触覚フィードバックを提供することで、運動トレーニングが達成される。特に、少なくとも1つの所定の動作を行おうとする対象者の試みが、床反力計または慣性センサなどのセンサを使用してモニタリングされる。センサ信号は、少なくとも1つの所定の動作を行おうとする対象者の試みの結果を示し、そして、少なくとも1つの所定の動作と、少なくとも1つの所定の動作を行おうとする対象者の試みの結果との間の相違が求められる。その後、対象者に接続された1つまたは複数のアクチュエータを起動させることで、振動触覚信号は対象者へと送られるが、この1つまたは複数のアクチュエータは、対象者に対し空間的に配向され、1つまたは複数の方向を示す。振動触覚信号は、1つまたは複数の方向に対する相違を示す。
【0004】
既知のバランスベルトのデメリットは、製造が複雑なことである。既知のベルトの更なるデメリットは、ベルトがカスタムメイドであり、ベルトをより多くの人々に広めることの妨げとなっていることである。更なるデメリットは、既知のベルトは、何より、かさばりと重さによる不快さをもたらすことである。
[発明の概要]
本発明の目的は、振動触覚フィードバック構成の効果を向上させることである。本発明のもう1つの目的は、振動触覚フィードバック構成の製造を改善し、及び/または、単純化し、より多くの人々に広められるようにすることである。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、人体に配置して使用する振動触覚フィードバック構成(100)は、
周囲に対する人体の現在の姿勢を検知するよう設けられたセンサと、
人体に姿勢偏差を知覚させるよう設けられた触覚アクチュエータと、
人体との触覚コミュニケーションにおける触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、人体に対して実質的に固定される触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリアと、
処理ユニットと、を備え、
該処理ユニットは、
センサから現在の姿勢を受信し、
人体の所望の姿勢と現在の姿勢との比較に基づき姿勢偏差を判断し、
姿勢偏差に基づき起動信号を1つまたは複数の触覚アクチュエータに伝送する、よう構成され、
触覚アクチュエータは、キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面に設けられるよう、キャリアに配置され、
基準面は、人体の胴体の重心軸に対し機能的に垂直であり、基準面は、胴体に交差して周囲を画定し、触覚アクチュエータは周囲に配置され、
キャリアは、触覚アクチュエータ同士間、及び/または、触覚アクチュエータとセンサとの間の相対距離が周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有する伸縮性材料であって、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料を含む。
【0006】
振動触覚フィードバック構成は、該構成の着用者または使用者に触覚の形態でフィードバックを知覚させるために使用される。触覚フィードバックは通常、肌で感じられるため、該構成は、接触状態など、人体の肌とのコミュニケーション状態において使用される。通常、該構成は、人体の胴体に接触するなどして、胴体に設けられるか、その周りに位置する。
【0007】
センサは、周囲に対する人体の現在の姿勢を検知するよう設けられている。センサは、通常、人体または胴体の姿勢を検知するよう、人体または胴体に接触している。センサは、重力、及び/または地磁界を使用した傾斜センサまたは傾斜計であってもよい。または、センサは、GPSセンサまたは、地磁界センサなどの方位センサなど、位置センサであってもよい。
【0008】
触覚アクチュエータは、人体に姿勢偏差を知覚させるよう設けられる。触覚アクチュエータは、触覚情報を人体または胴体に伝達するため、人体または胴体と接触していることが好ましい。触覚アクチュエータは、振動部品など機械的手段を通じ、触覚情報を人体または胴体に伝えてもよい。もしくは、電気を使用して情報を伝えてもよい。その他の力覚または触覚アクチュエータが、本発明の範囲内である。
【0009】
長尺キャリアは、人体と触覚コミュニケーションを行う触覚アクチュエータ及びセンサを機能的に保持し、人体に対し、実質的に固定される。長尺キャリアは、触覚アクチュエータ及びセンサをキャリアに保持、固定または連結してもよい。更に、長尺キャリアは、触覚コミュニケーションのため、触覚アクチュエータを人体または胴体に保持、固定または連結する。触覚アクチュエータ及びセンサが実質的に人体または胴体に固定される場合、触覚アクチュエータ及びセンサは、より効果的となり得る。触覚アクチュエータ及びセンサの移動は、通常、振動触覚フィードバック構成の不正確さを引き起こすため、出来うる限り防止すべきものである。長尺キャリアは、長尺フレームまたは長尺ホルダの型であってもよい。
【0010】
処理ユニットは、センサを触覚アクチュエータに作動的に連結する。処理ユニットは、ソフトウエアを実行するプロセッサであってもよい。処理ユニットは、ソフトウエアを実行する幾つかのプロセッサを備えてもよく、該プロセッサは、振動触覚フィードバック構成に亘って分配される。あるいは、処理ユニットは、ステップを実行するための電子装置を備えてもよい。
【0011】
処理ユニットは、
センサから現在の姿勢を受信し、
人体の所望の姿勢と現在の姿勢との比較に基づき姿勢偏差を決定し、
姿勢偏差に基づき起動信号を1つまたは複数の触覚アクチュエータに伝送する、
よう構成される、またはこれらのステップを行うよう構成される。
【0012】
所望の姿勢は、通常、校正シーケンスの最中に設定される。もしくは、所望の姿勢は、追加のインターフェースを介し、振動触覚フィードバック構成へ導入されるように設定されてもよい。追加のインターフェースは、有線または無線接続であってもよい。追加のインターフェースは、ボタン、及び、ディスプレイ、LED、及び/または力覚フィードバックを備えたインターフェースであってもよい。
【0013】
触覚アクチュエータは、ある種の方向または姿勢表示を提供してもよい。触覚アクチュエータが基準面に設けられるか、実質的に基準面に設けられ、そして触覚センサが使用中の触覚コミュニケーションのために人体に設けられる場合、基準面は人体または胴体と交差する。人体または胴体と交差する基準面は、周囲を画定する。触覚アクチュエータをこの周囲に沿って配置するか、実質的にこの周囲に沿って配置することで、触覚アクチュエータが、改善された、または、より正確な方向または姿勢を使用者に有利に提供することが可能になる。
【0014】
人体または胴体には、重心軸、中心軸、頭尾軸または縦軸がある。基準面の位置を更に特定すると、クレームは、基準面を重心軸に垂直または十字に交わって配置または位置させる。よって、周囲とは、通常、胴体の周囲である。更により具体的には、基準面は、胴体のウエストの高さにあることが好ましい。この場合、キャリアはベルトの形状をとることが好ましい。
【0015】
人間はそれぞれ異なるため、人体もそれぞれ異なる。双子でさえ異なって発達する。それゆえ、上記で画定した周囲は、異なる長さを有することになる。この差異を長さに採用し、1つまたは限られた数のキャリアが周方向の長さ全てに合うべく製造されるよう、キャリアを伸縮性材料で作るというのは、発明者の知見である。また、触覚アクチュエータ同士間、及び/または触覚アクチュエータとセンサとの間の相対距離が、周囲の長さから独立して維持されるよう、キャリアは伸縮性材料を含む必要があるということも、発明者の更なる知見である。周囲に沿った相対的な分配が有利に保たれる場合、触覚センサの位置の校正を追加で行う必要はない一方、起動信号は高精度で提供される。よって、本発明は、校正の単純化、及び/または、製造の単純化という利点を提供する。
【0016】
ある実施形態では、キャリアは、全体または実質的に全体が伸縮性材料で形成されていてもよい。この実施形態では、キャリアは、相対距離を維持するため、通常、1種類の伸縮性材料からなる。キャリアは、相対距離を維持するため、通常、周囲の全長に亘って伸縮性がある。また、伸縮性材料は、通常、柔軟性もある。伸縮性材料は、通常、二方向に伸縮性があり、伸縮方向は、少なくとも長尺キャリアの長尺軸に沿っており、それによってキャリアは周囲の長さに適応することができる。伸縮性材料の延伸は、通常、5%から25%の範囲の延伸であり、より具体的には5%から20%、更に具体的には5%から15%、それより更に具体的には実質的に約10%、好ましくは実質的に10%である。別の実施形態では、伸縮性材料は、四方向に伸縮性があってもよい。別の実施形態では、伸縮性材料の延伸は最少で5%であり、好ましくは7%、より好ましくは8%、更に好ましくは9%、最も好ましくは10%である。別の実施形態では、伸縮性材料の延伸は最大で30%であり、好ましくは25%、より好ましくは20%、更に好ましくは15%、最も好ましくは10%である。別の実施形態では、伸縮性材料の延伸は、前述した延伸の最小限度および最大限度の組み合わせである。延伸の範囲が高いことで、キャリアは更に異なる周囲に適応できるようになる。このように更に異なる周囲に採用することで、異なりつつ厳選された長さのキャリアが、少ない数でも、使用者の周囲の全体または実質的に全体の領域に適用できるようになる。比較的高い延伸を利用することで、キャリアの数が限られるため、製造は単純化される。そのような比較的高い延伸は、8%から25%の範囲の延伸であり、より具体的には9%から25%、更に具体的には10%から25%、それより更に具体的には実質的に10%以上、好ましくは、実質的に15%である。
【0017】
延伸及び周囲の長さの例として、異なる長尺キャリアに使用される、異なる長さを以下の表に示す。
【0018】
【0019】
延伸比または伸張比は、伸縮性材料の外延的または正常変形率の度合いである。伸縮性材料に働く引っ張り力がない場合、伸縮性材料は非変形の形態にある。最大引っ張り力が伸縮性材料に働く場合、伸縮性材料は恒久的に変形した形態になる。最大引っ張り力は、単に伸縮性材料を破いたり恒久的に変形させたりしない引っ張り力として定義され得る。最大引っ張り力の別の定義は、呼吸を可能としつつ、及び/または、快適な着用を可能とする最大引っ張り力として定義され得る。別の最大引っ張り力は、先の最大引っ張り力よりかなり低くてもよい。引っ張り力を別の最大引っ張り力より低く維持することで、延伸した材料は、通常、耐久性が上がる、または不朽になる等、寿命が長くなるという利点がある。比率は、変形した構成を変形していない構成で割ることによって定義される。材料の延伸は、この比率から100%を引くこととして定義されてもよい。
【0020】
本発明の実施形態では、触覚アクチュエータは、周囲に亘って実質的に均等に分配される。触覚アクチュエータのこの均等な分配または間隔により、周囲の長さ全体に亘って同じ精度で、人体または胴体に伝えられる周囲の長さに亘る姿勢偏差を触覚アクチュエータが示すことが可能になる。更に、この均等な分配のため、好ましくは長尺キャリアの全体または実質的に全体が同一の伸縮性材料などの伸縮性材料であるとともに触覚アクチュエータ同士間の相対距離をより簡単に維持することができる。
【0021】
本発明の実施形態において、触覚アクチュエータ及びセンサは、周囲に亘って実質的に均等に分配されている。この均等な分配により、触覚アクチュエータが充分な精度で姿勢偏差を伝えることができる程充分に分配される一方で、触覚アクチュエータによるセンサの計測への影響を最小限にすることができる。更に、この均等な分配のため、好ましくは長尺キャリアの全体または実質的に全体が伸縮性材料であるとともに触覚アクチュエータとセンサとの間の相対距離をより簡単に維持することができる。
【0022】
本発明の実施形態では、処理ユニットは、
姿勢偏差を周囲上の1点と関連付け、
周囲上の1点に周囲的に最も近い触覚アクチュエータから第1触覚アクチュエータを選択し、
起動信号を第1触覚アクチュエータへ伝送する、
ように構成されている。姿勢偏差は、方向、長さ、起点を有するベクトルで表されてもよい。起点は、重心軸であってもよい。ベクトルの長さは、所望の姿勢と現在の姿勢との差の大きさであってもよい。そして、姿勢偏差の方向は、方向を有するベクトルとして表される所望の姿勢と、方向を有するベクトルとして表される現在の姿勢ベクトルとの減算の方向であり得る。選択したモデルによっては、重心軸は周囲と交差してもよいし、または、重心軸は周囲の中心点と十字に交わってもよい。
【0023】
本発明の別の実施形態では、処理ユニットは、
第1触覚アクチュエータの反対の角度方向の周囲に沿った点から始まるアクチュエータから、第2触覚アクチュエータを選択し、
起動信号を第2触覚アクチュエータへ伝送する、
ように構成されている。通常、姿勢偏差は、触覚アクチュエータの周囲上の位置と一致しない、周囲上の1点に関連する。この場合、関連する点または仮想点は、後に作動のため選択される2つの触覚アクチュエータ同士の間に位置する。2つの触覚アクチュエータ同士を関連付けることは、周囲上に位置する触覚アクチュエータの2つの位置同士の間を補間していると見なされ得る。
【0024】
本発明の更なる実施形態において、処理ユニットは、
選択されたアクチュエータそれぞれから周囲上の関連する点または仮想点までの距離に基づき、第1触覚アクチュエータ、および、第2の選択された触覚アクチュエータの起動信号を算出する、
ように構成されている。関連する点または仮想点と2つの触覚アクチュエータそれぞれとの近接度が、2つの触覚アクチュエータそれぞれの作動の振幅または強度を決定してもよい。通常、知覚された触覚アクチュエータの振幅の2乗は、2つの起動した触覚アクチュエータの振幅の2乗を足したものに等しい、または換言すると、触覚アクチュエータの知覚されたエネルギは、2つの起動した触覚アクチュエータのエネルギを足したものに等しい。より具体的には、通常、知覚された振幅の2乗は、2つの起動した触覚アクチュエータの振幅の2乗を足したものに等しい。更に具体的には、通常、触覚アクチュエータのエネルギまたは振幅の2乗または2次式の関係を考慮に入れ、1Dの重心座標系が適用され得る。一例として、作動は、触覚アクチュエータと関連する点との距離に反比例し得る。以下、式の説明である。
【0025】
【0026】
本発明の実施形態では、処理ユニットは、
周囲の周囲モデルを取得する、
ように構成されている。周囲モデルとは、二本線対称の連続した曲線であり、対称線は極座標系の起点で直交および交差し、起点は重心軸上の1点であり、極座標系における曲線の半径は連続関数であり、
前述の関連付けとは、姿勢偏差に関連する周囲モデル上の1点を決定すること、を含む。触覚アクチュエータは、空間において位置と関連付けられる必要があるということは、発明者の知見である。参考として、重心軸を置く。センサは、重心軸上に位置してもよく、重心軸は脊椎近くに位置する。更に、重心軸は周囲と一致してもよい。もしくは、重心軸は周囲の中心点として位置してもよく、センサは、周囲上の、重心軸から距離を置いた場所に位置してもよい。モデルは、計測が簡単に行えるものを選択するのが好ましい。人間のウエストの一次近似は、円を周囲として選択されてもよい。人間のウエストの二次近似は、楕円を周囲として選択されてもよい。
【0027】
本発明の実施形態では、アクチュエータの数は、4から20個の間、好ましくは6から16個の間、より好ましくは8から12個の間、最も好ましくは10個である。アクチュエータの数を特定の範囲内で選定することで、複数の触覚アクチュエータを制御する複雑さの釣り合いをとるという利点をもたらす一方、姿勢偏差の方向が該構成の使用者に伝えられるのに充分な精度を提供する。触覚アクチュエータの数の増加は、これら全てのアクチュエータの制御をより複雑にする。触覚アクチュエータは、通常、デイジーチェーン接続されるか、直列に設けられる。触覚アクチュエータは、通常、伸縮性がないため、触覚アクチュエータの数の削減により、長尺キャリアの延伸する量が向上する。更に、触覚アクチュエータは、通常、振動触覚フィードバック構成における別の部品に比べ、比較的かさばり、重い。よって、触覚アクチュエータの数が少なければ、使用中の着用の快適さが向上する。精度は、周囲に沿って計測される、触覚アクチュエータ同士間の距離に等しい。この距離は、該構成を使用する人が正しく反応するために充分な精度で、姿勢偏差の方向が伝えられなくなるほど大きくなりすぎてはいけない。振動触覚フィードバック構成が、長尺キャリアの最大量の延伸を必要とする人に使用される場合に、精度をも満足することができるように、この精度は選択されるべきであるという更なる知見がある。更に、補間方法との組み合わせにおいて、アクチュエータ同士間のこの距離は、2つの触覚アクチュエータの作動が、これら2つの触覚アクチュエータ同士の間に位置する、1つの仮想触覚アクチュエータとして知覚されるよう選択されるべきである。
【0028】
本発明の実施形態では、触覚アクチュエータは振動アクチュエータである。本発明の更なる実施形態では、振動アクチュエータは、人体に実質的に垂直な方向で振動するよう構成される。振動、動作スイープ、または振動の偏差が人体に垂直または右にある場合に、該構成を使用する人に、振動の知覚が最も感じられるということは、発明者の知見である。
【0029】
更に、人体に垂直な振動により、騒音波は振動触覚フィードバック構成を通過する。騒音波は、振動触覚フィードバック構成の外部でノイズを発生させ、可聴信号を生じさせ得る。伸縮性材料を含む尺キャリアは、長尺キャリアにおける騒音波の伝送を弱めるか、更には妨げる。よって、伸縮性材料を含む長尺キャリアと、人体に垂直な振動との組み合わせは、振動知覚を最適化しつつ、ノイズを軽減するという利点をもたらす。
【0030】
本発明の実施形態では、キャリアは、軽量で、及び/または、柔軟性のある材料を含み、この材料は、触覚アクチュエータをキャリアに連結することが好ましい。キャリアは、全体または実質的に全体が、軽量で、伸縮性があり、及び/または、柔軟性のある材料から形成されることが好ましい。軽量で、及び/または、柔軟性のある材料は、更に、キャリア内での騒音波の伝送を低減し、それにより更に、触覚アクチュエータを作動させている間に該構成が出す可聴騒音を低減させる。具体的には、この材料によって触覚アクチュエータがキャリアに連結される場合、騒音波は主に触覚アクチュエータ自身に限定される。典型的な軽量で、及び/または、柔軟性のある材料とは、織布または布地であってもよい。この種類の材料を、伸縮性を持つようにしてもよい。
【0031】
本発明の実施形態では、キャリアは、ベルト、ベスト、タクティカルベスト、肌に密着した衣服、パンツ、オーバーオール、負い革、レオタード、コルセット、バンド、帽子、またはジャマーとして成形されていることが好ましい。
【0032】
本発明の実施形態では、1つまたは複数の触覚アクチュエータへの起動信号の強度は、姿勢偏差の大きさに基づく。更なる実施形態では、起動信号は、段階的に増加し、例えば、ある特定の大きさでは、触覚アクチュエータは、半分の強度のみに対してアクティブになり、ある特定の大きさでは、触覚アクチュエータは、フルの強度に対してアクティブになる。別の実施形態では、姿勢偏差の大きさによっては、起動信号の強度は、例えば直線状に上昇し続ける。起動信号の強度は、選択された触覚アクチュエータが、振動の振幅など、特定の振幅で作動するようでもよい。起動信号の強度は、選択された触覚アクチュエータが特定のデューティサイクルで作動するようでもよく、触覚アクチュエータは高周波で振動し、この振動は、ある特定のデューティサイクルでオンとオフとで切り替わる。起動信号の強度は、選択された触覚アクチュエータが特定の信号形状で作動するようでもよく、例えば、触覚アクチュエータは高周波で振動し、振動の振幅の包絡線は、小さい姿勢偏差に対しては三角形で、大きい姿勢偏差に対しては正方形で変化する。起動信号の強度は、選択された触覚アクチュエータが特定の信号周波数で作動するようでもよく、例えば、触覚アクチュエータは、小さい姿勢偏差に対しては低周波数で振動し、大きい姿勢偏差に対しては高周波で振動する。
【0033】
発明者の知見では、力覚、及び/または触覚フィードバックは、強度の変化、時間の変化、リズムの変化、または、期間の変化、及び/または、姿勢偏差の情報、または、振動触覚フィードバック構成のステータス情報を伝達する頻度の変化を含んでもよい。ステータス情報には、フィードバックの頻度または特定のデューティサイクルでの動作の変化など、触覚フィードバックの変化により使用者に伝えられる低バッテリ状態などの、バッテリのステータスが含まれ得る。
【0034】
本発明の実施形態では、処理ユニットは、
姿勢偏差と事前に定義された偏差閾値とを比較し、
姿勢偏差が事前に定義された偏差閾値を下回っている場合は起動信号に非アクティブ値を割り当て、それ以外の場合は起動信号にアクティブ値を割り当てる、
ように構成されている。そのため、姿勢偏差の大きさが偏差閾値を超える場合、起動信号は、1つまたは複数の触覚アクチュエータのための操作信号を含む。これにより、姿勢偏差が著しい値または大きさである場合にのみ、触覚アクチュエータが起動されるという利点がある。あるいは、いずれかの方向に多少の姿勢偏差は常にあるため、1つまたは複数の触覚アクチュエータが常にアクティブであり、該構成の使用者に不快感を起こし、触覚アクチュエータの操作はエネルギがかかるため、バッテリの消耗につながる。よって、この実施形態は、バッテリ温存という利点とともに、使用者にとっての快適さの向上をもたらす。偏差閾値の導入は、不感域の導入とも見なされ得る。
【0035】
本発明の別の実施形態では、処理ユニットは、姿勢偏差の増加に応じ、起動信号の強度が増加し続けるように構成されている。この実施形態は、姿勢偏差閾値の特徴と組み合わせる場合に特に有利である。増加は、線形、二次、指数、対数、またはその他の継続的に増加する関数であってもよい。
【0036】
本発明の実施形態において、1つまたは複数の触覚アクチュエータへの起動信号の強度は、姿勢偏差の大きさから独立している。これにより、該構成の実装が単純化されるという利点がもたらされる一方、強度の変化は、該構成を使用する人によって知覚されない可能性がある。この実施形態は、バッテリ電力を保持しながら、実装の容易さとの組み合わせを提供する姿勢偏差閾値の特徴と組み合わされた場合に特に有利である。
【0037】
本発明の実施形態において、姿勢偏差の大きさの判定が、人体の所望の姿勢と現在の姿勢との差の変化、及び/または、その変化の速度に基づくよう、処理ユニットは構成される。人体が所望の姿勢から特定の速度で移動しているとセンサが検知した場合、この速度は姿勢偏差、特に姿勢偏差の大きさの判定ステップ中に考慮され得る。人体が所望の姿勢から特定の加速度で加速しているとセンサが検知した場合、この加速度は、姿勢偏差、特に姿勢偏差の大きさの判定ステップにおいて考慮され得る。
【0038】
本発明の実施形態において、姿勢は、垂線に対する角度偏差である。
典型的な実施形態では、姿勢とは、空間における振動触覚フィードバック構成、具体的にはセンサの向き、傾向、態勢または位置として定義される。空間における向きまたは位置は、度やラジアルなどの角度の単位で表される垂線からの偏差として定義することができる。したがって、偏差は特定のタイプの姿勢偏差であり得る。垂線は、水平な地面に垂直として、または重力の影響下で方向を有するリード線として定義される。この偏差は、飛行機の姿勢を説明するために使用されるピッチとロールの組み合わせと比較することができ得る。振動触覚フィードバック構成のこの実施形態は、両側性前庭性難聴を患う患者にとって特に便利である。
【0039】
構成の構造によっては、偏差の方向または偏差の反対方向にある、1つまたは複数の触覚アクチュエータは、使用者に偏差情報を提供するために起動され得る。
【0040】
本発明の実施形態において、処理ユニットは、
事前に定義された時間にわたり、姿勢偏差が変化しない場合、1つまたは複数の触覚アクチュエータへの起動信号の伝送を停止する、
ように構成されている。姿勢偏差が一定期間変化しない場合、振動触覚フィードバック構成は使用されていないと結論付けられ、もっと悪いと、使用者が倒れたと結論付けられ得る。これらの場合、連続して触覚アクチュエータを作動することは、バッテリを消耗するとともに、後者の場合、倒れた使用者に不快感を引き起こす。それゆえ、伝送の停止は、バッテリ寿命の向上とともに使用者の快適さを有利に向上させる。
【0041】
本発明の実施形態において、振動触覚フィードバック構成は、
長尺キャリアの端部に設けられた閉手段と、
閉手段に対し、長尺キャリアの反対の端部に設けられた閉手段シートと、
閉手段が閉手段シートに設けられているかを検知するために設けられた閉手段センサと、を備え、
処理ユニットは、閉手段センサから閉手段シート情報を受信し、
閉手段シート情報により、閉手段シートに閉手段が着座していないと示されると、1つまたは複数の触覚アクチュエータへの起動信号の伝送を止める、
ように構成されている。振動触覚フィードバック構成は、使用者に着用されると、ベルトバックルやベルトバックルシートなど、閉手段及び閉手段シートが取り付けられ、閉手段を閉手段シートに着座させる。閉手段シート情報により、閉手段シートに閉手段が着座していないと示されると、触覚アクチュエータへの起動信号の伝送は禁止され、それによって、該構成が使用されていない、または使用者の人体に接触していない間、バッテリの消耗を有利に防ぐ。
【0042】
本発明の別の態様によれば、コンピュータプログラム製品は、内部に具現化されたコンピュータ可読コードを有するコンピュータ可読媒体を備え、該コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ、または適切なプロセッサ、または適切な処理ユニットにより実行されると、本発明による実施形態における、
第1比率信号を提供すること、
比較信号を生成すること、
制御信号を生成すること、
音源信号を出力すること、
制御信号を出力すること、
の方法のステップを、該コンピュータ、該プロセッサ、または該処理ユニットに実施させるよう構成されている。
【0043】
本発明の別の態様によれば、コンピュータプログラム製品は、内部に埋め込まれたコンピュータ可読コードを有するコンピュータ可読媒体を備え、該コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ、適切なプロセッサ、または適切な処理ユニットにより実行されると、該コンピュータ、該プロセッサ、または該処理ユニットに、本発明による実施形態で特定される方法を実施させるよう構成されている。
【0044】
本発明の別の態様によれば、これら実施形態のいずれかに記載の振動触覚フィードバック構成の使用方法は、
使用者に振動触覚フィードバック構成を提供するステップと、
振動触覚フィードバック構成を、使用者の人体、例えば胴体またはウエストに配置するステップと、
振動触覚フィードバック構成を校正するステップと、
校正後、触覚アクチュエータを介し、姿勢偏差をフィードバックするステップと、を含む。この方法により、使用者は、本発明による振動触覚フィードバック構成の全ての利点を体験することが可能になる。
【0045】
方法の実施形態において、設置のステップは、ウエスト周りの全ての衣服の層、または1層を除くすべての衣服の層を除外するステップと、
除外後、振動触覚フィードバック構成をウエスト周りに配置するステップと、を含む。人体との触覚コミュニケーションは、振動触覚フィードバック構成と、人が体または胴体の周りに着用し得る衣服、衣類、またはその他の物質の減衰効果を一周する人体の肌との直接的な接触により有利に向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明は、以下の説明において例として記載された実施形態の参照により、また添付の図面の参照により、明らかになり、更には解明されるであろう。
【
図1】人体における振動触覚フィードバック構成を概略的に示す。
【
図2】レイアウトされた振動触覚フィードバック構成を概略的に示す。
【
図4】振動触覚フィードバック構成の方法を概略的に示す。
【
図5】コンピュータプログラム製品の実施形態である。
【
図6】振動触覚フィードバックの人体への提供方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図は純粋に図式であり、縮尺どおりに描かれていない。図において、既に記載された要素に対応する要素は、同じ参照番号を有し得る。
[参照符号のリスト]
【0048】
【0049】
下記の図は、異なる実施形態を詳述し得る。実施形態を組み合わせて、強化または改善された技術的効果を得ることができる。これらの組み合わされた実施形態は、本文全体で明示的に言及され得るか、本文中で示唆され得るか、または暗黙的であり得る。異なる図において特徴の番号が同じであれば、同じ特徴が参照され得る。
【0050】
図1は、人体10、より具体的には、胴体11における振動触覚フィードバック構成100を概略的に示す。振動触覚フィードバック構成は、ベルトの形状をとり得る。胴体は、重心軸12を有する。胴体が直立している際、重心軸は、垂線25と重なるか一致する。胴体がある角度で位置する場合、重心軸は、垂線に対しこの角度を成す。また、基準面20が示されている。基準面は、重心軸に垂直であるか、十字に交わる。
【0051】
振動触覚フィードバック構成は、長尺キャリア130、センサ110(
図2参照)、及び触覚アクチュエータ120、120’(
図2参照)を備える。センサ及び触覚アクチュエータは、センサ及び触覚アクチュエータの両方が人体に最適に接触するようにして、通常、キャリアの内部に設けられる。
振動触覚フィードバック構成は、ベルトバックル132などの閉手段、及び、ベルトバックルシート133(
図2を参照)などの閉手段シートを備えてもよい。
【0052】
キャリアは、触覚アクチュエータ及びセンサを人体、この場合、胴体に、より具体的には、胴体のウエストに配置する。触覚アクチュエータ及びセンサは、人体と触覚コミュニケーションを行い、長尺キャリアによって実質的に人体に対して固定されている。センサに関しては、この触覚コミュニケーションにより、センサは全方向における垂線に対する重心軸の角度の変化を検知することができる。センサに関しては、更に、実質的な固定により、使用中の人体におけるセンサの移動に起因するセンサの測定誤差の発生を防ぐ。触覚アクチュエータに関しては、この触覚コミュニケーションにより、触覚アクチュエータが人体に触覚信号を提供することが可能になる。触覚アクチュエータに関しては、更に、実質的な固定により、触覚信号が人体に適用または提供される位置が、不正確になることを防ぐ。
【0053】
閉手段もまた、該構成をインターフェース接続し、及び/または、操作するためのインターフェース手段を備えてもよい。インターフェース手段は、1つまたは複数のボタン、ディスプレイ、及び/または、1つまたは複数のLEDを備えてもよい。インターフェース手段により、通常、該構成を、運転モード、オフモード、校正モードなどのモードで制御または設定することができる。もしくは、該構成は、好ましくは、提供された触覚信号で人体の非活動を検出するオーバールールスイッチ、及び/または、タイムアウトタイマーを使用しているインターフェース手段と組み合わせて、温度センサ、ハートレートセンサ、または、オンとオフの切り替えのため該構成が人体と接触しているかを検知するための、その他センサを備えてもよい。
【0054】
基準面20は、実質的に中央にてキャリアまたはベルトに交差するよう設けられる。基準面は胴体11と交差し、周囲21を画定する。触覚アクチュエータ及びセンサは、この周囲に設けられることが好ましく、それにより触覚の方向感覚の利点を使用者に提供する。
【0055】
センサは、垂線に対する重心軸の角度変化を検知してもよい。該検知は、通常、重心軸からの角度偏差の全方向において行われる。現在の姿勢の検知および所望の姿勢との比較に基づき、触覚アクチュエータを起動信号で作動させてもよい。本発明の実施形態では、実質的に所望の姿勢から逸脱した方向の1つまたは複数の触覚アクチュエータが起動されてもよい。本発明の別の実施形態では、所望の姿勢からの逸脱の方向と実質的に反対の1つまたは複数の触覚アクチュエータが起動されてもよい。
【0056】
図2は、レイアウトされた振動触覚フィードバック構成100を概略的に示す。該構成は、長尺キャリア130を備える。該構成は、更に、長尺キャリアの反対側に設けられたベルトバックル132およびベルトバックルシート133を備えてもよい。キャリアは、柔軟性があるため、人体のウエストなど、胴体に巻き付けることができる。巻きつける際、ベルトバックル及びベルトバックルシートは、ともに結合してループを形成するように形を成す。ベルトバックル及びベルトバックルシート、またはより一般的な閉手段そして閉手段シートは、長尺キャリアとともにループを形成するための結合の機能を提供する限り、複数の実施形態に従って成形されてもよい。長尺キャリアは、実質的に全周に亘って伸縮性があるため、閉手段は、通常、伸縮性がない周囲に沿った部分である。伸縮性がある長尺キャリアの技術的効果を保証するため、閉手段が周囲に沿って延伸する長さは、現実的に可能な限り短く保たれるのが都合がよい。実際には、通常、閉手段は長尺キャリアとともに周囲をカバーする。長尺キャリアでカバーされる長さと、閉手段でカバーされる長さとの比率は、90%以上の範囲であり、好ましくは95%である。更に、異なる周囲長の歪み効果を最小限に抑えるため、閉手段は通常人体の前面に着用され、センサは脊椎に設けられる。該構成は、通常、処理ユニット140を備える。処理ユニットは、任意で他のいくつかの機能と統合されてもよい。処理ユニットは、特定のモードで該構成をインターフェース接続し、操作し、及び/または、設定し、及び/または、該構成の設定を調整するためのインターフェース手段を備えてもよい。処理ユニットは、通常、ソフトウエアを実行するプロセッサを備える。ソフトウエアは、本文全体で言及されている方法のうち1つを少なくとも部分的に実行するためのコマンドを含む。もしくは、処理ユニットは、FPGAなどのプログラマブルロジック、または、ASICなどの専用ロジックで、方法を実行する。
【0057】
該構成は、通常、1つのセンサ110を備える。センサは移動または接触による位置の変化に敏感なため、通常、脊椎との接触など、人体または胴体の背中など、移動または接触を比較的感じにくい場所に設けられる。該構成を簡単に閉じるため、閉手段および閉手段シートを前側に配置することが好ましいため、センサは、通常、長尺キャリアの途中に設けられる。更に、他の利点として、処理ユニットがインターフェース手段を備える場合、使用中に触れられたり押されたりする可能性があり、センサを処理ユニットの近くに配置するのに更に不利な位置になり得る。更に、腹部、とりわけ腹部の前方は、呼吸のために動くことがある一方、脊椎は、激しく呼吸しても比較的安定しているため、脊椎がセンサを配置するのに適した位置となる。
【0058】
センサと似たような形の他の物体は、触覚アクチュエータ120、120’であってもよい。触覚アクチュエータ及びセンサは、本実施形態では、等距離に設けられてもよい。好ましい実施形態では、触覚アクチュエータは等距離に設けられ、センサは、使用中は2つの触覚アクチュエータの間で脊椎に設けられることが好ましく、更に、触覚アクチュエータの数は10であることが好ましい。センサと、最も近い触覚アクチュエータとの間の距離が最大になるため、人体または胴体に方向感覚を提供するのに充分な精度を維持しながら、センサ測定に対する触覚アクチュエータの妨害が最小限に抑えられる。脊椎または背中は、通常、接触に対し比較的鈍感であり、センサを配置する位置として好ましい。センサを脊椎の隣に配置するデメリットは、使用者がバックパックを持っている場合であり、使用者が振動触覚フィードバック構成を個人的な誘導システムとして使用する場合に当てはまり得る。また、該構成がウエストの周りに設けられ、センサが脊椎に接触して位置する場合、脊椎は比較的安定した基盤を提供する。第1触覚アクチュエータからの振動は、更に、骨などの硬組織を通り、第2触覚アクチュエータへと移動し得る。更に、第1触覚アクチュエータからの振動は、脂肪及び/または厚い皮膚など、軟組織を介し、振動の吸収により、第2触覚アクチュエータに短い距離で移動し得る。この硬組織は、2つの近接した触覚アクチュエータから振動を起こし、2つの近接した触覚アクチュエータ同士は比較的離れている一方、重なり合って、2つの近接した触覚アクチュエータ同士の間に位置する人体に振動感覚を発生させる。組織、具体的には硬組織のデメリットは、振動が有害な方向に伝播し、望ましくない場所で触覚または力覚知覚を引き起こし、ユーザーを誤解させたり、知覚された方向の偏差を生じさせたりする可能性があるということである。よって、本発明は、硬組織などの組織において、できるだけ振動を制限する。2つの互いに近接した触覚アクチュエータ同士の距離に対する別の影響は、触覚、及び/または、力覚刺激に対する肌の感度である。この感度の重要な要素は、肌で終末する神経の量である。試験では、背中または脊椎の領域は比較的鈍感であり、通常は比較的硬い組織で構成されており、腹部または前部は比較的敏感で、通常は比較的軟組織で構成されていることが示されている。これら試験に従い、補間を背中に設けられた少数の触覚アクチュエータと組み合わせ、使用者が、補間触覚アクチュエータを、2つの別個の触覚アクチュエータとしてではなく、1つの触覚アクチュエータとして知覚できるようにしてもよい。更に、これら試験に従い、補間を前部に設けられた多数の触覚アクチュエータと組み合わせ、使用者が補間触覚アクチュエータを2つの別個の触覚アクチュエータとしてではなく、1つの触覚アクチュエータとして知覚できるようにしてもよい。よって、より好ましい実施形態では、振動触覚フィードバック構成は、不均等に分配された触覚アクチュエータを備え、触覚アクチュエータ同士の補間が周囲全体に亘って行われるようにしつつ、触覚アクチュエータの数を最小限にする。更に好ましい実施形態では、不均等な分配では8つの触覚アクチュエータを備え、背中または脊椎に設けられたセンサを有することが好ましい。触覚アクチュエータの小型化は、重量が減り、柔軟性に欠けるアクチュエータの数が減るため、使用者にとっての快適さを向上させるという効果がある。
使用者の組織、または、振動触覚フィードバック構成を介して移動する振動の効果により、触覚アクチュエータ同士間、または、触覚アクチュエータとセンサとの間に漏話が生じ得る。状況によっては、上述のように、補間のためなどに漏話を使用してもよいが、触覚アクチュエータとセンサとの間、または、特に、硬組織のある位置などには、好ましくないこともある。
【0059】
長尺キャリアは、柔軟性があり、また、伸縮性材料131から形成される。これにより、体のサイズが異なる使用者が構成を使用することができる。これにより、費用がかかるタイムリーな長尺キャリアの長さの調整の必要性がなくなるため、該構成の製造プロセスは更に複雑になる。更に、先行技術に調整手段が存在するのであれば、先行技術のベルトは、初回使用中に、使用者ごとの調整が必要となる。また、使用中、先行技術のベルトは、使用者のサイズの変更により調整が必要となり得る。更に悪いと、使用者は自身の体のサイズが変わった時に調整せず、先行技術のベルトの機能は低下し始めるか、完全に機能しなくなる。本発明による構成により、構成が人体または胴体の周りに設けられるごとにキャリアを使用者のサイズに調整することができる。
【0060】
触覚アクチュエータ同士間の相対距離、及び/または、触覚アクチュエータとセンサとの間の相対距離が周囲の長さから独立して維持されるよう、長尺キャリアは伸縮性材料を含む。更に、長尺キャリアは、実質的に伸縮性材料で形成されることが望ましい。伸縮性材料は、ランダムな長さに伸ばされた場合、触覚アクチュエータ同士、及び/または、触覚アクチュエータとセンサが、互いに相対的に移動しないか、実質的に移動しないようにするため、触覚アクチュエータの作動または作動の計算を単純化する。
【0061】
触覚アクチュエータ及びセンサを保持する長尺キャリアは、更に接続ワイヤ141を備えてもよい。接続ワイヤは、触覚アクチュエータとセンサと処理ユニットを接続することで、コミュニケーションを可能にし、また、それらの間で電力を分配することが好ましい。通常、接続ワイヤは、1つの要素を直列回路またはデイジーチェーンを形成する別の要素に接続するセグメントを備える。キャリアは伸縮性があるため、接続ワイヤのセグメントは、要素同士の間にループ142を形成し、この延伸を可能にする。別の実施形態では、接続ワイヤは伸縮性のある導電性材料から形成される。これにより、ループを小さくしたり、ループを省略したりすることすら可能になる。接続ポイントを触覚アクチュエータの反対側に設けることと、長尺触覚アクチュエータを長尺キャリアに設けることを組み合わせて、長尺キャリアを小さくすることができる。
【0062】
図3は、円または楕円310としてモデル化され得る周囲のモデル300を概略的に示す。楕円は、X軸311及びY軸312を有するユークリッド空間の起点として選択される中心点を有する。X軸は、楕円の中心点、及び、中心点から最も離れた楕円の2点と一致する。Y軸は、楕円の中心点、及び、中心点に最も近い楕円の2点と一致する。
【0063】
センサ110は、脊椎、すなわち人体の背中に設けられてもよい。センサは、通常、Y軸とY軸が一致するところに設けられる。閉手段及び閉手段シートは、通常、実質的に腹部の中央となる、周囲の反対側に設けられる。
【0064】
センサ及び触覚アクチュエータ120、120’、120’’、120’’’、120’’’’は、通常、周囲または楕円に沿って均等または実質的に均等に設けられる。第1触覚アクチュエータ120と第2触覚アクチュエータ120’との間の距離d1は、最初の点線の矢印で示される。第2触覚アクチュエータ120’と第3触覚アクチュエータ120’’との間の距離d2は、2つめの点線の矢印で示される。長尺キャリアは、周囲の長さと実質的に同じ長さを有する。更に、長尺キャリアは、伸縮性材料を含み、周囲の長さに適応する。よって、人体または胴体によって、楕円は拡大または縮小など、拡大縮小されてもよい。触覚アクチュエータ及びセンサがキャリアに保持されるため、触覚アクチュエータ及びセンサは移動したり、または中心点に対する距離が変化したりするが、触覚アクチュエータ及びセンサそれぞれの中心点、X軸、Y軸に対する角度は維持される。つまり、d1/d2として定義される相対距離は、周囲の長さが変化した場合、一定であるか維持される。触覚アクチュエータ同士、及び/または、触覚アクチュエータとセンサとの間の相対距離の維持は、それぞれ、第1触覚アクチュエータと第2触覚アクチュエータとの間の第1距離、そして第2触覚アクチュエータと第3触覚アクチュエータとの間の第2距離として定義されてもよく、ここで第2距離で割った第1距離は一定であり、及び/または、センサと第1触覚アクチュエータとの間の第1距離、そしてセンサと第2触覚アクチュエータとの間の第2距離として定義されてもよく、ここで第2距離で割った第1距離は一定である。
【0065】
操作中、センサは、現在の姿勢を計測してもよい。現在の姿勢は、まず所望の姿勢と比較され、その結果が姿勢偏差となる。この比較は、所望の姿勢からの現在の姿勢の減算であってもよい。姿勢偏差は、通常、方向であり、任意で強さまたは強度である。姿勢偏差は、第1の変換320にて楕円の中心点に位置する。姿勢偏差は、第2の変換321にて中心点から楕円上の1点に位置する。第2の変換は、中心点から離れる方向に従い、最終点322または変換の関連する点を定義する楕円と一致する。変換された姿勢偏差325は、最終点に表される。変換された姿勢偏差は、通常は方向を有し、任意で変換前の姿勢偏差に等しい強さまたは強度を有する。
【0066】
最終点は、第4触覚アクチュエータ120’’’への周囲に沿った第3距離d3を有する。最終点は、更に、第5触覚アクチュエータ120’’’’への周囲に沿った第4距離d4を有する。この例では、第3距離d3は、第4距離d4に比べて小さい。ある実施形態において、処理ユニットは、その後、第4触覚センサのみを作動させてもよい。触覚アクチュエータの作動は、通常、姿勢偏差の強さに依存しない。この作動は、不感域の実装を含んでもよい。もしくは、触覚アクチュエータの作動は姿勢偏差の強さに依存する。この作動は、不感域の実装を含んでもよい。最終点から第4触覚アクチュエータまでの距離d3で示される方向は、周囲に沿った第1の角度方向として分類されてもよい。最終点から第5触覚アクチュエータまでの距離d4で示される方向は、周囲に沿った第2の角度方向として分類されてもよい。第2の角度方向は、第1の角度方向の反対である。
【0067】
別の実施形態では、処理ユニットは、その後、第4触覚アクチュエータおよび第5触覚アクチュエータを作動させてもよい。これは補間と称され得る。通常、2つの触覚アクチュエータの作動は、姿勢偏差の強さに依存しない。この作動は、不感域の実装を含んでもよい。もしくは、触覚アクチュエータの作動は、姿勢偏差の強さに依存する。第4アクチュエータおよび第5アクチュエータの作動の強度は、逆の順序で第4距離及び第3距離それぞれに依存し得る。平均的な強度はその後維持されてもよく、最終点に最も近いアクチュエータ、この場合、第4アクチュエータが、第5アクチュエータに比べて高い強度で作動されるよう、強度は2つのアクチュエータに分配される。このように複数のアクチュエータを作動させることで、システムが、アクチュエータの数に比べ、はるかに高い精度で人体に方向知覚を提供することが可能になる。この作動は、不感域の実装を含んでもよい。
【0068】
本発明による伸縮性材料を使用する利点により、処理ユニットの計算を変更することなく、このモデルが計測を行うことができるため、処理が単純化される。具体的には、この利点は、上述したような計測を可能とするモデルで達成され得る。典型的なモデルは、X軸及びY軸回りで対称である。
【0069】
図4は、振動触覚フィードバック構成100のための方法400を概略的に示す。該方法は、処理ユニットに部分的または完全に実装され得る。該方法は、始動410のステップで始まる。該構成の始動の間、具体的には処理ユニットは起動し、校正の準備のモードで設定される。
【0070】
始動ステップが完了し次第、該方法は、415に移行し校正420のステップに移行する。校正ステップは、所望の姿勢の設定を含んでもよい。所望の姿勢は、所定の時間直立することで設定され得る。所望の姿勢は、入力装置または通信装置など、外部ソースからこの姿勢を受信することで設定され得る。所望の姿勢は、地理的位置であってもよい。校正ステップが完了した後、該構成は、人体に対し触覚的な表示、または人体の目に対し視覚的な表示を提供して、校正完了のフィードバックを提供してもよい。
【0071】
校正ステップは、検証ステップを備えてもよい。検証ステップは、触覚アクチュエータの振動が人体により知覚され得ることを、個々の触覚アクチュエータが、例えば次の作動で検証できるようにすることを含み得る。その後、事前に定義された時間の間、触覚アクチュエータを作動することで、触覚アクチュエータのうち1つが機能しなくなったり、振動しなくなったりした場合に、この振動のギャップが人体によって気付かれるという利点がもたらされる。
【0072】
校正ステップの完了後、方法は、425に移行し動作430のステップに移行する。動作中、現在の姿勢が所望の姿勢から逸脱する場合、該構成は、明細書および請求項に記載のフィードバックを提供する。
【0073】
該構成がもはや人体に接触していない、または、事前に定義された時間の間、姿勢偏差が減少しないと検知した場合、該構成は、435に移行し校正ステップへと移行し得る。もしくは、該構成は、スリープモード又は低電力モードへと移行し得る。また、アクティビティが検知された場合、該構成は、動作可能になる前の最初の校正のため、校正モードへと移行し得る。
【0074】
また、使用者は、ボタンがある場合、ボタンを短く押すだけで、435に移行し、動作430から校正420に該構成を移行させ得る。また使用者は、ボタンがあってオンである場合、ボタンを例えば3秒より長い間長押しすることで、該構成をオフに切り替え得る。また使用者は、ボタンがあってオフである場合、ボタンを例えば3秒より長い間長押しすることで、該構成をオンに切り替え得る。
【0075】
図5は、コンピュータプログラム製品、コンピュータ可読媒体、及び/または、プロセッサシステムに本発明による方法を実行させるための命令を含むコンピュータプログラム1020を含む、書き込み領域1010を有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体1000の実施形態を概略的に示す。
【0076】
図6は、振動触覚フィードバックを人体に提供するための方法500を概略的に示す。該方法は、周囲に対する人体の現在の姿勢を検知すべく設けられたセンサから、周囲に対する人体の現在の姿勢を、受信(510)することで、開始(505)する。姿勢が受信(515)された場合、方法は、姿勢偏差校正が準備完了(425)の時に決定される校正値となり得る人体の所望の姿勢と、現在の姿勢との比較に基づき、判定(520)を継続する。姿勢偏差が決定(525)されると、方法は、姿勢偏差に基づき、複数の触覚アクチュエータのうち1つまたはいくつかの触覚アクチュエータに起動信号を伝送(530)し続ける。方法は、通常、伝送ステップの完了後に受信ステップにループバックする。バッテリ電力を節約するため、ループバックは、時間的に遅れ得る。遅延は、人体が比較的静止している時にバッテリ電力が維持されるように、そして、人体が動いているか、通常の閾値を超える姿勢偏差を有する時にフィードバック速度及び/または精度が増加するように適応可能であってもよい。
【0077】
図は純粋に図式であり、縮尺どおりに描かれていないことに留意されたい。これらの図において、既述されている要素に対応する要素は、同一の参照符号を有する。
【0078】
評価されるべきことに、本発明は、発明を実行に移すために適合されたコンピュータプログラム、特に、キャリア上またはキャリア内のコンピュータプログラムにも適用できる。該プログラムは、部分的にコンパイルされた形式、または、本発明による方法を実行する際の使用に適したその他の形式などで、ソースコード、オブジェクトコード、コード中間ソース、及び、オブジェクトコードの形態であってもよい。また、そのようなプログラムは、多くの異なる構築デザインを有し得ることも評価されるべきである。例えば、本発明による方法またはシステムの機能を実行するプログラムコードは、1つまたは複数の複数のサブルーティーンへと細分化されてもよい。これらサブルーティーンのうち、機能を分配する多くの異なる方法は、当業者には明白であろう。サブルーティーンは、1つの実行可能ファイルに一緒に格納して、自己完結型プログラムを形成してもよい。そのような実行可能ファイルは、コンピュータ実行可能命令、例えば、プロセッサ命令、及び/または、インタプリタ命令(例えば、Javaインタプリタ命令)を含んでもよい。もしくは、1つまたは複数の、または全てのサブルーティーンは、少なくとも1つの外部ライブラリファイルに格納され、例えば実行時に、静的または動的にメインプログラムにリンクされ得る。メインプログラムは、少なくとも1つのサブルーティーンへの、少なくとも1つの呼び出しを含む。サブルーティーンは、また、相互の関数呼び出しを含んでもよい。コンピュータプログラム製品に関する実施形態は、本明細書に記載の方法の少なくとも1つの各処理段階に対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの指示は、サブルーティーンへと細分化される、及び/または、静的または動的にリンクされ得る、1つまたは複数のファイルに保存されてもよい。コンピュータプログラム製品に関する別の実施形態は、本明細書に記載のシステム及び/または製品の少なくとも1つの各手段に対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーティーンに細分されたり、及び/または、静的または動的にリンクされた1つまたは複数ファイルに保存されたりしてもよい。
【0079】
コンピュータプログラムのキャリアは、プログラムを保持することができる任意のエンティティまたはデバイスであってもよい。例えば、キャリアは、例えば、CD-ROMまたは半導体ROMなどのROM、フラッシュメモリ、または磁気記録媒体、例えば、ハードディスクなどのデータストレージを含んでもよい。更に、キャリアは、電気または光ケーブルを介して、または無線または他の手段によって伝達され得る電気信号または光信号などの伝送可能なキャリアであってもよい。プログラムがそのような信号で具体化される際、キャリアは、そのようなケーブルまたは他のデバイスまたは手段によって構成されてもよい。もしくは、キャリアは、プログラムが埋め込まれており、関連する方法を実行するように適合されているか、またはその実行に使用される集積回路であってもよい。
【0080】
ここで、「実質的な全ての放出」または「実質的に構成される」などの本明細書における「実質的に」という用語は、当業者によって理解されるであろう。「実質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全て」などを使う実施形態も含み得る。したがって、実施形態では、実質的にという形容詞も除去され得る。該当する場合、「実質的に」という用語は、90%以上、例えば95%以上、特に99%以上、更に具体的には100%を含む99.5%以上にも関連し得る。「備える、含む」という用語は、「備える」という用語が「から形成される、から成る」を意味する実施形態も含む。
【0081】
上記の実施形態は、本発明を限定するのではなく例示し、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替の実施形態を設計することができることに留意されたい。請求項で、括弧の間に設けられた参照記号は、請求項を制限するものと解釈されないものとする。「備える、含む」という動詞とその活用形の使用は、請求項に記載されているもの以外の要素または段階の存在を排除するものではない。要素に先行する冠詞「a」または「an」は、複数のそのような要素の存在を排除するものではない。本発明は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアによって、および適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙する装置クレームでは、これらの手段のいくつかは、1つの同じハードウェアアイテムによって具体化されてもよい。特定の措置が相互に異なる従属請求項に記載されているということは単なる事実であり、これらの措置の組み合わせを、利益をもたらすために使用できないことを示すものではない。実質的に、とは、述べられた特徴のおおまかな範囲として理解されるべきものである。この範囲は、現在最も一般的な製造技術によって提供される製造バラツキを含むものとして定義され得る。機能的には、これらの特徴が特定の機能を実行できるように、2つの特徴を相互に関連付けることとして理解されるべきある。
【0082】
例、実施形態、または任意の特徴は、非限定的であると示されているかどうかにかかわらず、請求項に係る本発明を限定するものと理解されるべきではない。
【0083】
【手続補正書】
【提出日】2022-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に配置して使用するための振動触覚フィードバック構成であっ
て、周囲に対する前記人体の現在の姿勢を検知するよう設けられたセンサと、
前記人体に姿勢偏差を知覚させるよう設けられた触覚アクチュエータと、
前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、前記人体に対して実質的に固定される前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリアと、
処理ユニットと、を備え、
該処理ユニットは、
前記センサから前記現在の姿勢を受信し、
前記人体の所望の姿勢と前記現在の姿勢との比較に基づき前記姿勢偏差を判断し、
前記姿勢偏差に基づき起動信号を前記触覚アクチュエータに伝送するよう構成され、
前記触覚アクチュエータは、前記
長尺キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面に設けられるよう、前記
長尺キャリアに配置され、
前記基準面は、前記人体の胴体の重心軸に対し機能的に垂直であり、前記基準面は、前記胴体に交差して周囲を画定し、前記触覚アクチュエータは前記周囲に配置され、
前記
長尺キャリアは、前記触覚アクチュエータ同士間、及び、前記触覚アクチュエータと前記センサとの間
の相対距離が、前記周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有する伸縮性材料であって、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料を含む、振動触覚フィードバック構成。
【請求項2】
前記伸縮性材料は、8%から25%の範囲の延伸を有する、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項3】
前記触覚アクチュエータは、前記周囲に亘って実質的に均等に分配される、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項4】
前記処理ユニットは、
前記姿勢偏差を前記周囲上の1点と関連付け、
前記周囲上の前記1点に周囲的に最も近い前記触覚アクチュエータから第1触覚アクチュエータを選択し、
前記起動信号を前記第1触覚アクチュエータへ伝送する、
ように構成された、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項5】
前記処理ユニットは、
前記第1触覚アクチュエータの反対
の角度方向の前記周囲に沿った前記1点から始まる前記触覚アクチュエータから、第2触覚アクチュエータを選択し、
前記起動信号を前記第2触覚アクチュエータへ伝送する、
ように構成された、請求項4に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項6】
前記処理ユニットは、
選択された前記
第1触覚アクチュエータ
及び前記第2触覚アクチュエータそれぞれから前記周囲上の前記関連する点までの距離に基づき、選択された前記第1触覚アクチュエータ、及び、選択された前記第2触覚アクチュエータの前記起動信号を算出する、
ように構成された、請求項5に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項7】
前記処理ユニットは、前記周囲の周囲モデルを取得する、
ように構成されており、
前記周囲モデルとは、二本線対称の連続した曲線であり
、対称線は極座標系
の起点で直交および交差し、前記起点は前記重心軸上の1点であり、前記極座標系における曲線の半径は連続関数であり、
前述の関連付けとは、前記姿勢偏差に関連する前記周囲モデル上の前記1点を決定すること、を含む、先行する請求項4に記載の前記振動触覚フィードバック構成。
【請求項8】
前記触覚アクチュエータの数は、6から16個である、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項9】
前記触覚アクチュエータは振動アクチュエータであり、前記振動アクチュエータは、人体に実質的に垂直な方向で振動するよう構成される、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項10】
前記
長尺キャリアは軽量で、及び、柔軟性のある材料を含み、この材料は前記触覚アクチュエータを前記
長尺キャリアに連結する、請求項9に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項11】
前記
長尺キャリアは、ベルト、ベスト、タクティカルベスト、肌に密着した衣服、パンツ、オーバーオール、負い革、レオタード、またはジャマーである、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項12】
前記触覚アクチュエータへの前記起動信号
の強度は、前記姿勢偏差の大きさに基づき、
前記処理ユニットは、
前記姿勢偏差の増加に応じ、前記起動信号の前記強度が増加し続けるように構成された、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項13】
前記処理ユニットは、前記姿勢偏差と事前に定義された偏差閾値とを比較し、
前記姿勢偏差が事前に定義された偏差閾値を下回っている場合は前記起動信号に非アクティブ値を割り当て、それ以外の場合は前記起動信号にアクティブ値を割り当てる、
ように構成された、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項14】
前記処理ユニットは、前記姿勢偏差の大きさの判定も、前記人体の前記所望の姿勢と前記現在の姿勢との前記差の前記変化に基づくよう構成された、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項15】
前記姿勢は、垂線に対する角度偏差である、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項16】
前記処理ユニットは、事前に定義された時間にわたり、前記姿勢偏差が変化しない場合、前記触覚アクチュエータへの前記起動信号の前記伝送を停止するよう構成された、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項17】
振動触覚フィードバックを人体に提供するための方法であって、
周囲に対する前記人体の現在の姿勢を検知すべく設けられたセンサから、前記周囲に対する前記人体の現在の姿勢を受信することと、
前記人体の所望の姿勢と前記現在の姿勢との比較に基づき、前記姿勢偏差を判断することと、
前記姿勢偏差に基づき、複数の触覚アクチュエータのうち前記触覚アクチュエータに起動信号を伝送することと、を含み、
前記触覚アクチュエータは、前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、実質的に前記人体に対して固定された前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリアに配置され、
前記触覚アクチュエータは、前記
長尺キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面に設けられるよう、前記
長尺キャリアに配置され、
前記基準面は、前記人体の胴体の重心軸に対し機能的に垂直であり、前記基準面は前記胴体に交差して周囲を画定し、前記触覚アクチュエータは前記周囲に配置され、
前記
長尺キャリアは、前記触覚アクチュエータ同士間
の相対距離が前記周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有する伸縮性材料であって、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料を含む、方法。
【請求項18】
内部に具現化されたコンピュータ可読コードを有するコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読コードは、適切なプロセッサにより実行されると、前記プロセッサに振動触覚フィードバックを人体に提供するための方法のステップを実施させるように構成され、該方法は、
周囲に対する前記人体の現在の姿を検知するよう設けられたセンサから、前記
周囲に対する前記人体の現在の姿勢を受信することと、
前記人体の所望の姿勢と前記現在の姿勢との比較に基づき、前記姿勢偏差を判断することと、
前記姿勢偏差に基づき、複数の触覚アクチュエータのうち前記触覚アクチュエータに起動信号を伝送することと、を含み、
前記触覚アクチュエータは、前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、実質的に前記人体に対して固定された前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリアに設けられ、
前記触覚アクチュエータは、前記
長尺キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面に設けられるよう、前記
長尺キャリアに設けられ、
前記基準面は、前記人体の胴体の重心軸に対し機能的に垂直であり、前記基準面は前記胴体に交差して周囲を画定し、前記触覚アクチュエータは前記周囲に配置され、
前記
長尺キャリアは、前記触覚アクチュエータ同士間
の相対距離が前記周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有し、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項19】
人体に配置して使用される振動触覚フィードバック構成の使用方法であって、
該振動触覚フィードバック構成は
、周囲に対する前記人体の現在の姿勢を検知するよう設けられたセンサと、
前記人体に姿勢偏差を知覚させるよう設けられた触覚アクチュエータと、
前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、実質的に前記人体に対して固定された前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリアと、
処理ユニットと、を備え、
該処理ユニットは、
前記センサから前記現在の姿勢を受信し、
前記人体の所望の姿勢と前記現在の姿勢との比較に基づき前記姿勢偏差を判断し、
前記姿勢偏差に基づき前記触覚アクチュエータに起動信号を伝送するよう構成され、
前記触覚アクチュエータは、前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、実質的に前記人体に対して固定された前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリアに配置され、
前記触覚アクチュエータは、前記
長尺キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面に設けられるよう、前記
長尺キャリアに設けられ、
前記基準面は、前記人体の胴体の重心軸に対し機能的に垂直であり、前記基準面は前記胴体に交差して周囲を画定し、前記触覚アクチュエータは前記周囲に配置され、
前記
長尺キャリアは、前記触覚アクチュエータ同士間
の相対距離が前記周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有し、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料を含み、
前記方法は、使用者に前記振動触覚フィードバック構成を提供するステップと、
前記振動触覚フィードバック構成を前記使用者の前記人体に配置するステップと、
前記振動触覚フィードバック構成を校正するステップと、
校正後、前記触覚アクチュエータを介し、前記姿勢偏差をフィードバックするステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記配置
するステップは、ウエスト周りのすべての衣服の層を除外するステップと、
除外した後、前記振動触覚フィードバック構成をウエスト周りに配置するステップと、
を含む、請求項
19に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に配置して使用するための振動触覚フィードバック構成(100)であって、
周囲に対する前記人体の現在の姿勢を検知するよう設けられたセンサ(110)と、
前記人体に姿勢偏差(325)を知覚させるよう設けられた触覚アクチュエータ(120,120’,120’’,120’’’,120’’’’)と、
前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、前記人体に対して実質的に固定される前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリア(130)と、
処理ユニット(140)と、を備え、
該処理ユニット(140)は、
前記センサから前記現在の姿勢を受信し、
前記人体の所望の姿勢と前記現在の姿勢との比較に基づき前記姿勢偏差を判断し、
前記姿勢偏差に基づき起動信号を1つ以上の前記触覚アクチュエータに伝送するよう構成され、
前記触覚アクチュエータは、前記長尺キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面(20)に設けられるよう、前記長尺キャリアに配置され、
前記基準面は、前記人体の胴体(11)の重心軸に対し機能的に垂直であり、前記基準面は、前記胴体に交差して周囲(21)を画定し、前記触覚アクチュエータは前記周囲に配置され、
前記長尺キャリアは、前記触覚アクチュエータ同士間、及び/又は、前記触覚アクチュエータと前記センサとの間の相対距離が、前記周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有する伸縮性材料(131)であって、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料を含む、
振動触覚フィードバック構成。
【請求項2】
前記伸縮性材料(131)は、8%から25%の範囲の延伸を有する、請求項1に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項3】
前記触覚アクチュエータは、前記周囲に亘って実質的に均等に分配され、及び/又は前記触覚アクチュエータ及び前記センサは、前記周囲に亘って実質的に均等に分配される、請求項1又は2に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項4】
前記処理ユニットは、
前記姿勢偏差を前記周囲上の1点(322)と関連付け、
前記周囲上の前記1点に周囲的に最も近い前記触覚アクチュエータから第1触覚アクチュエータ(120’’’)を選択し、
前記起動信号を前記第1触覚アクチュエータへ伝送する、
ように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項5】
前記処理ユニットは、
前記第1触覚アクチュエータの反対の角度方向の前記周囲に沿った前記1点から始まる前記触覚アクチュエータから、第2触覚アクチュエータ(120’’’’)を選択し、
前記起動信号を前記第2触覚アクチュエータへ伝送する、
ように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項6】
前記処理ユニットは、
選択された前記第1触覚アクチュエータ及び前記第2触覚アクチュエータそれぞれから前記周囲上の前記関連する点までの距離に基づき、選択された前記第1触覚アクチュエータ、及び、選択された前記第2触覚アクチュエータの前記起動信号を算出する、
ように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項7】
前記処理ユニットは、前記周囲の周囲モデルを取得する、ように構成されており、前記周囲モデル(300)とは、二本線対称の連続した曲線であり、対称線は極座標系の起点で直交及び交差し、前記起点は前記重心軸上の1点であり、前記極座標系における曲線の半径は連続関数であり、
前述の関連付けとは、前記姿勢偏差に関連する前記周囲モデル上の前記1点(322)を決定すること、を含む、請求項4に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項8】
前記触覚アクチュエータの数は、4から20個の範囲であり、好ましくは6から16個であり、より好ましくは8から12個であり、最も好ましくは10個である、請求項1~7のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項9】
前記触覚アクチュエータは振動アクチュエータである、請求項1~8のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項10】
前記振動アクチュエータは、人体に実質的に垂直な方向で振動するよう構成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項11】
前記長尺キャリアは、軽量及び/又は柔軟性のある材料を含み、好ましくはこの材料は前記触覚アクチュエータを前記長尺キャリアに連結する、請求項9又は10に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項12】
前記長尺キャリアは、ベルト、ベスト、タクティカルベスト、肌に密着した衣服、パンツ、オーバーオール、負い革、レオタード、又はジャマーである、請求項1~11のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項13】
1つ以上の前記触覚アクチュエータへの前記起動信号の強度は、前記姿勢偏差の大きさに基づく、請求項1~12のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項14】
前記処理ユニットは、前記姿勢偏差の増加に応じ、前記起動信号の前記強度が増加し続けるように構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項15】
前記処理ユニットは、
前記姿勢偏差と事前に定義された偏差閾値とを比較し、
前記姿勢偏差が事前に定義された偏差閾値を下回っている場合は前記起動信号に非アクティブ値を割り当て、それ以外の場合は前記起動信号にアクティブ値を割り当てる、
ように構成されている、請求項1~14のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項16】
前記処理ユニットは、前記姿勢偏差の大きさの判定も、前記人体の前記所望の姿勢と前記現在の姿勢との前記差の変化及び/又は前記変化の速さに基づくよう構成されている、請求項1~15のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項17】
前記姿勢は、垂線に対する角度偏差である、請求項1~16のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項18】
前記処理ユニットは、事前に定義された時間にわたり、前記姿勢偏差が変化しない場合、1つ以上の前記触覚アクチュエータへの前記起動信号の前記伝送を停止するよう構成されている、請求項1~17のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成。
【請求項19】
振動触覚フィードバックを人体に提供するための方法であって、
周囲に対する前記人体の現在の姿勢を検知すべく設けられたセンサから、前記周囲に対する前記人体の現在の姿勢を受信することと、
前記人体の所望の姿勢と前記現在の姿勢との比較に基づき、前記姿勢偏差を判断することと、
前記姿勢偏差に基づき、複数の触覚アクチュエータのうち1つ以上の前記触覚アクチュエータに起動信号を伝送することと、を含み、
前記触覚アクチュエータは、前記人体との触覚コミュニケーションにおける前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するため、及び、実質的に前記人体に対して固定された前記触覚アクチュエータ及びセンサを保持するための長尺キャリア(130)に配置され、
前記触覚アクチュエータは、前記長尺キャリアが使用中の場合、該触覚アクチュエータが実質的に基準面(20)に設けられるよう、前記長尺キャリアに配置され、
前記基準面は、前記人体の胴体(11)の重心軸に対し機能的に垂直であり、前記基準面は前記胴体に交差して周囲(21)を画定し、前記触覚アクチュエータは前記周囲に配置され、
前記長尺キャリアは、前記触覚アクチュエータ同士間及び/又は前記触覚アクチュエータと前記センサとの間の相対距離が前記周囲の長さから独立して保たれるよう、5%から25%の範囲での延伸を有する伸縮性材料(131)であって、実質的に全周に亘って伸縮可能な伸縮性材料を含む、方法。
【請求項20】
内部に具現化されたコンピュータ可読コード(1020)を有するコンピュータ可読媒体(1010)を備えるコンピュータプログラム製品(1000)であって、前記コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ、適切なプロセッサ、又は適切な処理ユニットにより実行されると、前記コンピュータ、前記プロセッサ、又は前記処理ユニットに請求項19に記載の方法のステップを実施させるように構成されている、コンピュータプログラム製品。
【請求項21】
請求項1~18のいずれか1項に記載の振動触覚フィードバック構成(100)の使用方法であって、
前記使用方法は、
使用者に前記振動触覚フィードバック構成を提供するステップと、
前記振動触覚フィードバック構成を、前記使用者の前記人体(10)、例えば胴体(11)又はウエスト、に配置するステップと、
前記振動触覚フィードバック構成を校正するステップと、
校正後、前記触覚アクチュエータ(120、120’、120’’、120’’’、120’’’’)を介し、前記姿勢偏差(325)をフィードバックするステップと、
を含む、使用方法。
【請求項22】
前記配置するステップは、ウエスト周りのすべての衣服の層を除外するステップと、
除外した後、前記振動触覚フィードバック構成をウエスト周りに配置するステップと、
を含む、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】