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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(54)【発明の名称】一体側部ビア
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/861 20060101AFI20230502BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
H01L29/91 C
H01L29/91 F
H01L29/06 301M
H01L29/06 301V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542081
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 US2021024774
(87)【国際公開番号】W WO2021202447
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】16/838,114
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518066415
【氏名又は名称】マコム テクノロジー ソリューションズ ホールディングス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MACOM TECHNOLOGY SOLUTIONS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】100 Chelmsford Street, Lowell, MA 01851 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロズビッキ, アンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ピエルナ, ベリンダ シモーヌ エドメ
(72)【発明者】
【氏名】ホーグ, デヴィッド ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ブログレ, ジェームズ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ボールス, ティモシー エドワード
(57)【要約】
ダイオード半導体構造が記載される。1つの例において、ダイオードデバイスは、基板と、第1ドーピングタイプの第1半導体材料の層と、真性半導体材料の層と、第2ドーピングタイプの第2半導体材料の層と、を含む。また、ダイオードデバイスは、第1半導体材料の層の上に形成された金属コンタクトと、基板の裏面から、基板を貫通し、第1半導体材料の層を貫通して形成された金属ビアと、を含み、ここで、金属ビアは、第1半導体材料の層の上の金属コンタクトの底面に接触する。この構成において、例えば、金属エアブリッジのような、金属コンタクトへの追加の金属接続を必要とせずに、基板の裏面と第1半導体材料の層の上の金属コンタクトとの間に、直接、電気的な接続が達成できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイオード半導体構造であって、
基板と、
前記基板の上に形成された第1ドーピングタイプの第1半導体材料の層と、
前記第1半導体材料の層の上に形成された真性半導体材料の層と、
前記真性半導体材料の層の上に形成された第2ドーピングタイプの第2半導体材料の層と、
前記第1半導体材料の層の上に形成された第1金属コンタクトと、
前記第2半導体材料の層の上に形成された第2金属コンタクトと、
前記基板の裏面から、前記基板を貫通し、前記第1半導体材料の層を貫通して形成された金属ビアと、を含み、前記金属ビアは、前記第1金属コンタクトの底面に接触する、ダイオード半導体構造。
【請求項2】
請求項1に記載のダイオード半導体構造であって、
前記第1半導体材料の層は、前記ダイオード半導体構造のカソード層を含み、
前記第1半導体材料の層は、前記基板に形成されたアンダーカットの上方に延びるカソードメサとして形成される、ダイオード半導体構造。
【請求項3】
請求項2に記載のダイオード半導体構造であって、前記金属ビアは、前記カソードメサの下に形成される、ダイオード半導体構造。
【請求項4】
請求項3に記載のダイオード半導体構造であって、
前記第1金属コンタクトは、第1カソードコンタクトと第2カソードコンタクトとを含み、
前記第1カソードコンタクトは、前記第2金属コンタクトの一方の側で前記カソードメサの上に形成され、
前記第2カソードコンタクトは、前記第2金属コンタクトの他方の側で前記カソードメサの上に形成され、
前記金属ビアは、第1金属ビアと第2金属ビアとを含み、
前記第1金属ビアは、前記第2金属コンタクトの一方の側で前記カソードメサの下に形成され、
前記第2金属ビアは、前記第2金属コンタクトの他方の側で前記カソードメサの下に形成される、ダイオード半導体構造。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のダイオード半導体構造であって、
前記第2半導体材料の層は、前記ダイオード半導体構造のアノード層を含み、
前記真性半導体材料の層と前記第2半導体材料の層とは、前記第1半導体材料の層に形成されたアンダーカットの上方に延びるアノードメサとして形成される、ダイオード半導体構造。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のダイオード半導体構造であって、
前記第1半導体材料の層は、ガリウムヒ素(GaAs)半導体材料の層を含み、
前記第1ドーピングタイプは、N+ドーピングを含む、ダイオード半導体構造。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のダイオード半導体構造であって、
前記第1半導体材料の層は、前記ダイオード半導体構造のカソード層を含み、
前記第1金属コンタクトは、前記ダイオード半導体構造のカソードコンタクトを含む、ダイオード半導体構造。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載のダイオード半導体構造であって、
前記第2半導体材料の層は、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)半導体材料の層を含み、
前記第2ドーピングタイプは、P+ドーピングを含む、ダイオード半導体構造。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のダイオード半導体構造であって、
前記第2半導体材料の層は、前記ダイオード半導体構造のアノード層を含み、
前記第2金属コンタクトは、前記ダイオード半導体構造のアノードコンタクトを含む、ダイオード半導体構造。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載のダイオード半導体構造であって、前記金属ビアは、前記基板を貫通し、前記第1半導体材料の層を貫通して、前記第1金属コンタクトの底面に接触する複数の金属ビアのうちの1つを含む、ダイオード半導体構造。
【請求項11】
半導体構造であって、
基板と、
前記基板の上の第1メサとして形成された第1半導体材料の層と、
前記第1半導体材料の層の上に形成された真性半導体材料の層と、
前記真性半導体材料の層の上に形成された第2半導体材料の層であって、前記真性半導体材料の層と前記第2半導体材料の層とは、前記第1半導体材料の層の上の第2メサとして形成される前記第2半導体材料の層と、
前記第1半導体材料の層の上に形成された第1金属コンタクトと、
前記基板を貫通し、前記第1半導体材料の層を貫通して、前記第1金属コンタクトの底面に接触する金属ビアと、を含む半導体構造。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体構造であって、
前記第1半導体材料の層は、カソード層を含み、
前記第1半導体材料の層は、前記基板に形成されたアンダーカットの上方に延びるカソードメサとして形成される、半導体構造。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体構造であって、前記金属ビアは、前記カソードメサの下に形成される、半導体構造。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体構造であって、
前記第1金属コンタクトは、第1カソードコンタクトと第2カソードコンタクトとを含み、
前記第1カソードコンタクトは、前記半導体構造のアノード金属コンタクトの一方の側で前記カソードメサの上に形成され、
前記第2カソードコンタクトは、前記アノード金属コンタクトの他方の側で前記カソードメサの上に形成され、
前記金属ビアは、第1金属ビアと第2金属ビアとを含み、
前記第1金属ビアは、前記アノード金属コンタクトの一方の側で前記カソードメサの下に形成され、
前記第2金属ビアは、前記アノード金属コンタクトの他方の側で前記カソードメサの下に形成される、半導体構造。
【請求項15】
請求項11乃至14の何れか1項に記載の半導体構造であって、前記第1半導体材料の層は、N+ドーピングのガリウムヒ素(GaAs)半導体材料の層を含む、半導体構造。
【請求項16】
請求項11乃至15の何れか1項に記載の半導体構造であって、
前記第1半導体材料の層は、前記半導体構造のカソード層を含み、
前記第1金属コンタクトは、前記半導体構造のカソードコンタクトを含む、半導体構造。
【請求項17】
請求項11乃至16の何れか1項に記載の半導体構造であって、前記第2半導体材料の層は、P+ドーピングのアルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)半導体材料の層を含む、半導体構造。
【請求項18】
請求項11乃至17の何れか1項に記載の半導体構造であって、
前記第2半導体材料の層は、前記半導体構造のアノード層を含み、
前記半導体構造は、前記アノード層の上に形成されたアノード金属コンタクトをさらに含む、半導体構造。
【請求項19】
PINダイオードであって、
基板と、
前記基板の上のカソード層と、
前記カソード層の上の真性層と、
前記真性層の上のアノード層と、
前記カソード層の上に形成されたカソード金属コンタクトと、
前記基板を貫通し、前記カソード層を貫通して、前記カソード金属コンタクトの底面に接触する金属ビアと、を含むPINダイオード。
【請求項20】
請求項19に記載のPINダイオードであって、前記金属ビアは、前記基板を貫通し、前記カソード層を貫通して、前記カソード金属コンタクトの底面に接触する複数の金属ビアのうちの1つを含む、PINダイオード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2020年4月2日に出願された米国特許出願第16/838,114号の優先権を主張する。この出願は、また、2020年4月2日に出願された米国特許出願第16/838,114号の継続出願であり、その出願日の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ダイオードは、多くの場合、様々な軍事アプリケーションおよび商業アプリケーションにおけるスイッチ素子として使用される。特に、アプリケーションは、自動車衝突回避システム(CAS)、パッシブ放射線イメージングおよびレーダシステム、および、コンピュータネットワークアプリケーションのためのスイッチマトリクスデバイスを含む。このような高周波(RF)およびマイクロ波アプリケーションに使用される多くのダイオードは、ホモ接合デバイスとして製造された。これらのデバイスは、約1メガヘルツ(MHz)から100ギガヘルツ(GHz)をはるかに超える範囲の高い周波数の動作において有用なスイッチ機能のために、ディスクリートおよび集積コンポーネントの両方の形で使用された。
【発明の概要】
【0003】
1つの例において、ダイオード半導体構造が記載される。ダイオード半導体構造は、基板と、基板の上に形成された第1ドーピングタイプの第1半導体材料の層と、第1半導体材料の層の上に形成された真性半導体材料の層と、真性半導体材料の層の上に形成された第2ドーピングタイプの第2半導体材料の層と、を含む。ダイオード半導体構造は、また、第1半導体材料の層の上に形成された第1金属コンタクトと、第2半導体材料の層の上に形成された第2金属コンタクトと、を含む。ダイオード半導体構造は、また、基板の裏面から、基板を貫通し、第1半導体材料の層を貫通して形成された金属ビアを含む。金属ビアは、第1金属コンタクトの底面に接触する。
【0004】
他の態様において、第1半導体材料の層は、ダイオード半導体構造のカソード層として具現化されうり、第1半導体材料の層は、基板に形成されたアンダーカットの上方に延びるカソードメサとして形成される。金属ビアは、カソードメサの下に形成される。さらに別の態様において、真性半導体材料の層と第2半導体材料の層とは、第1半導体材料の層に形成されたアンダーカットの上方に延びるアノードメサとして形成される。
【0005】
別の態様において、ダイオードの第1金属コンタクトは、第1カソードコンタクトと第2カソードコンタクトとを含み、ダイオードの第2金属コンタクトは、アノードコンタクトを含む。第1カソードコンタクトは、アノード金属コンタクトの一方の側でカソードメサの上に形成され、第2カソードコンタクトは、アノード金属コンタクトの他方の側でカソードメサの上に形成される。追加して、金属ビアは、第1金属ビアと第2金属ビアとを含む。第1金属ビアは、アノード金属コンタクトの一方の側でカソードメサの下に形成され、第2金属ビアは、アノード金属コンタクトの他方の側でカソードメサの下に形成される。他の例において、ダイオードのアノード金属コンタクトのどちらかまたは両方の側に、ダイオードのカソードメサの下に、2つ以上の金属ビアが形成されうる。
【0006】
1つの例において、第1半導体材料の層は、ガリウムヒ素(GaAs)半導体材料の層を含み、第1ドーピングタイプは、N+ドーピングを含む。第2半導体材料の層は、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)半導体材料の層を含み、第2ドーピングタイプは、P+ドーピングを含む。
【0007】
別の態様において、第1半導体材料の層は、ダイオード半導体構造のカソード層を含み、第1金属コンタクトは、ダイオード半導体構造のカソードコンタクトを含む。第2半導体材料の層は、ダイオード半導体構造のアノード層を含み、第2金属コンタクトは、ダイオード半導体構造のアノードコンタクトを含む。
【0008】
他の例において、金属ビアは、基板を貫通し、第1半導体材料の層を貫通して、第1金属コンタクトの底面に接触する複数の金属ビアのうちの1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の態様は、以下の図面を参照することによって、よりよく理解されうる。図面中の要素は、必ずしも縮尺通りではなく、本実施形態の原理を明確に示すことに重点を置いていることに留意されたい。
【0010】
図1図1は、ダイオード半導体構造の一例の断面図を示す。
【0011】
図2図2は、図1に示されるダイオード半導体構造の一例の上面図を示す。
【0012】
図3図3は、本実施形態の種々の態様によるダイオード半導体構造の一例の断面図を示す。
【0013】
図4図4は、本実施形態の種々の態様による図3に示されるダイオード半導体構造の一例の上面図を示す。
【0014】
図5図5は、図1に示されるダイオード半導体構造の一例の断面図を含む写真である。
【0015】
図6図6は、本実施形態の種々の態様による図3に示されるダイオード半導体構造の一例の断面図を含む写真である。
【0016】
図7A】、
図7B】、
図7C図7A~7Cは、本実施形態の種々の態様による一体(unibody)ビアの別の配列を含むダイオード半導体構造の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
例えば、トランジスタデバイスやダイオードデバイスなど、より高集積化された半導体デバイスのニーズは、技術の新しい分野の出現とともに、著しく増大することが期待される。例えば、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)デバイスは、例えば、回路コンポーネントの中でもスイッチ、移相器、電流および電圧制御コンポーネント、リミッタなど、レーダシステムや通信フロントエンドモジュールとして一般に展開されている。例えば、メタマテリアル走査アレイの出現は、従来の電子的な走査アレイよりも、相当に低いコスト、サイズ、重量、および、所要電力のレーダシステムで新たな可能性を開くことによって、レーダ産業を再形成している。新しいメタマテリアル走査アレイは、吸収状態と反射状態との間のメタマテリアルを能動的に調整するために、アレイのユニットセル内に埋め込まれたダイオードに大きく依存する。
【0018】
ダイオードデバイスの分野において、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)PINダイオードが、成熟しつつあるアプリケーションと出現しつつあるアプリケーションとの両方のための良好な候補である。AlGaAsの広いバンドギャップは、非常に低いRFオン状態抵抗とオフ状態容量のAlGaAs PINダイオードをもたらす。AlGaAs PINダイオードは、110Ghz(およびそれ以上)までのすべての周波数において、より低い挿入損失を提供し、他の多くの市販されている製品をしのぐ。他の半導体デバイスと同様に、将来のニーズを満たすために、AlGaAs PINダイオードの歩留まりを最適化し、信頼性および性能を向上させ、AlGaAs PINダイオードの製造のためのプロセスを最適化することが望ましい。
【0019】
AlGaAs PINダイオードを形成するための1つのプロセスにおいて、PINダイオードのカソードとグランドパッドとの間の電気的な接続のために、シャントダイオードが、金属で形成された1つ以上のブリッジまたはエアブリッジを用いて形成される。N+ガリウムヒ素(GaAs)カソード層のエッチング速度がPINダイオード内の結晶配向によって変化し、PINダイオードの配向に関わらず金属ブリッジが形成されうるため、そのようなグランド接続のために、金属ブリッジが従来、用いられていた。したがって、金属ブリッジの使用は、PINダイオードの種々の回路配向および構成を容易にした。
【0020】
しかしながら、金属ブリッジの使用には複数の欠点がある。まず、金属ブリッジを適切に形成するために、側部ビアとPINダイオードとの間に最低限の距離が要求される。この最低限の距離の要求は、金属ブリッジの構造に固有の他のいくつかの制限と共に、達成できる集積度と熱性能とのレベルを著しく制限する。また、金属ブリッジに起因すると考えられる追加の直列抵抗とインダクタンスとは、グランド接続の品質を劣化させ、PINダイオードの高周波応答を制限しうる。金属ブリッジはまた、特に金属ブリッジに形成されるクラックの発生のために、ハイパワーアプリケーションに対して信頼性で懸念される。
【0021】
本明細書に記載の実施形態の態様によれば、一体(unibody)側部ビア構成が、金属ブリッジの使用に関連する欠点を排除するために導入される。PINダイオード内に一体ビアを実装するために、PINダイオードのカソードメサが延ばされ、その直下にビアが形成される。この新しい構造の構成は、本明細書においてさらに詳細に記載される。
【0022】
1つの実施形態の例において、ダイオードデバイスは、基板と、第1ドーピングタイプの第1半導体材料の層と、真性半導体材料の層と、第2ドーピングタイプの第2半導体材料の層と、を含む。また、ダイオードデバイスは、第1半導体材料の層の上に形成された金属コンタクトと、基板の裏面から、基板を貫通し、第1半導体材料の層を貫通して形成された金属ビアと、を含み、ここで、金属ビアは、第1半導体材料の層の上の金属コンタクトの底面に接触する。この構成において、例えば、金属エアブリッジのような、金属コンタクトへの追加の金属接続を必要とせずに、基板の裏面と第1半導体材料の層の上の金属コンタクトとの間に、直接、電気的な接続が達成できる。
【0023】
金属ブリッジを有する同様のサイズの従来のPINダイオードと比較して、本実施形態による一体側部ビアを有するPINダイオードは、ダイオードを横切るビアの中心間のセパレーションが減少し、全体のサイズの著しい減少を示す。1つの例において、ダイオードを横切るビアのセンタ間のセパレーションが、208μmから115μmに減少した。一体側部ビアを組み込んだPINダイオードの他の利点は、金属ブリッジを排除することによる製造歩留まりの改善、PINダイオードのアノードにより近い金属ビアによる熱挙動の改善(放熱を容易にする)、潜在的により高い密度の回路をもたらす全体のサイズの減少、高周波性能およびグランド結合の向上、PINダイオードのアノードのみによって制限される電流処理能力を有するハイパワー製品設計のためのより少ない制限、および、PINダイオードの配向に関する制限がないことを含む。
【0024】
図面を参照すると、図1は、例示的なダイオード半導体構造100(“ダイオード100”)の断面図を示す。ダイオード100は、図1に代表的な例として示されている。ダイオード100の種々の層の形状および相対的なサイズは、必ずしも図1に縮尺通りに描かれていない。図1に示される層は、網羅的ではなく、ダイオード100は、いくつかの場合には別々に示されない他の層および素子を含みうる。追加して、ダイオード100は、他のデバイスおよび回路素子と組み合わせて、より大きな集積回路デバイスの一部として形成されうる。
【0025】
ダイオード100は、スイッチとして用いるのに適切な、2端子のヘテロ接合デバイスである。ダイオード100は、基板102と、基板102の上に形成された第1ドーピングタイプの第1半導体材料の層104(“第1層104”)と、第1層104の上に形成された真性半導体材料の層106(“真性層106”)と、真性層106の上に形成された第2ドーピングタイプの第2半導体材料の層108(“第2層108”)と、を含む。特定の例が図1に示され、以下で説明されるが、ダイオード100は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,794,734号に示され、説明されるダイオードデバイスの何れかを含む、様々な方法で具現化されうる。
【0026】
1つの例において、基板102は、適切な厚さのGaAs半導体基板として具現化されうる。第1層104は、ダイオード100のカソード層である。第1層104は、GaAs半導体材料の層として具現化されうり、第1ドーピングタイプは、シリコン(Si)の適切な濃度によって、(N+ GaAs半導体材料の層のための)N+ドーピングでありうるが、他のタイプの半導体材料およびドーピングタイプに依存してもよい。第1層104は、エピタキシャル堆積によって適切な厚さで基板102の上に直接形成されうる。図1に示されるように、第1層104は、エッチングによって、基板102に形成されたアンダーカット109の上方に延びるカソードメサ160として形成される。
【0027】
真性層106は、真性(例えば、ドープされていない、または、意図的にドープされていない)GaAs半導体材料の層として具現化されうる。真性層106は、エピタキシャル堆積によって適切な厚さで、第1層104の上に直接形成されうる。真性層106は、部分的に、ダイオード100の降伏電圧およびキャパシタンスを確立する。
【0028】
第2層108は、ダイオード100のアノード層である。第2層108は、AlGaAs半導体材料の層として具現化されうり、第2ドーピングタイプは、炭素(C)の適切な濃度によって、(P+ AlGaAs半導体材料の層のための)P+ドーピングを含みうるが、他のタイプの半導体材料およびドーピングタイプに依存してもよい。第2層108は、真性層106の上に直接形成されうる。図1に示されるように、真性層106および第2の層108は、エッチングによって、第1層104に形成されたアンダーカットの上方に延びるメサとして形成される。
【0029】
ダイオード100はまた、金属コンタクト110、112、120を含む。金属コンタクト110、112は第1層104の上に形成され、金属コンタクト120は第2層108の上に形成される。金属コンタクト110、112は、ダイオード100のカソードへのオーミックコンタクトを提供するために、第1層104の上面に配される。金属コンタクト120は、ダイオード100のアノードへのオーミックコンタクトを提供するために、第2層108の上面に配される。また、金属パッド140、142は、ダイオード100のカソードへの電気的な接続のために、基板102の上面に形成される。特に、金属ブリッジ130、132は、以下でさらに詳細に説明するように、金属パッド140、142を金属コンタクト110、112にそれぞれ電気的に接続するように形成される。
【0030】
ダイオード100において、第2層108のP+ AlGaAs半導体材料は、真性層106の真性GaAs半導体材料よりも広いバンドギャップを有する。第2層108および真性層106の半導体材料における伝導帯と価電子帯との間のエネルギの差は、アノード領域から真性領域への正孔の前方注入を促進し、かつ、真性領域からアノード領域への電子の後方注入を遅延させる適切な障壁高さの差を生じさせる結果になる。接合の注入キャリアは、バンドギャップの差に起因して閉じ込められ、ダイオード100の真性領域内の直列抵抗を効果的に減少させる。真性領域におけるキャリア濃度の増加は、真性領域における抵抗を減少させ、これはまた、分離を損なうことなく挿入損失の減少をもたらす。
【0031】
ダイオード100は、高周波スイッチとして動作可能である。真性領域の抵抗は、ダイオード100への直流(DC)バイアスのアプリケーションの機能として、何桁も変化させることができる。ダイオード100が“オフ”状態(例えば、順方向DCバイアスなし)にあるとき、ダイオード100は電気的にオープンで動作し、結合はキャパシタンスを介してのみ生じる。したがって、ダイオード100のオフ状態のキャパシタンスを小さくすることによって、結合は最小限であり、順方向DCバイアスなしに高周波でインピーダンスが高くなる。同時に、ダイオード100のオン状態の抵抗を小さくすることによって、ダイオード100の直列抵抗もまた、順方向DCバイアスが印加されたときに低い。
【0032】
ダイオード100と同様の多数のダイオードが基板102の上に形成されうり、ダイオードは、互いに、および、例えば、抵抗器、キャパシタ、インダクタなどの他の受動コンポーネントに種々の方法で電気的に接続されうり、より大きな回路を形成しうる。直列およびシャント接続ダイオードのための電気接続は、ダイオード間の相互接続に使用されるプロセスステップおよび構造に影響を与えうる。例えば、直列接続ダイオードの製造のために、基板102は、厚さ約8ミルとされうる。シャント接続されたダイオードの製造のために、基板102は、厚さ4ミルまで減らされうるが、他の適切な厚さに依存しうり、ビアホールが、基板102の裏面からエッチングされうる。
【0033】
図1に示されるように、ビアホールがエッチングされ、金属ビア150、152が、基板102の裏面から貫通して形成される。金属ビア150、152は、基板102を貫通して延び、基板102の上面に形成された金属パッド140、142とそれぞれ電気的に接続する。追加して、図1に示されるように、金属パッド140、142をそれぞれ金属コンタクト110、112に電気的に接続するために、金属ブリッジ130、132が形成される。このようにして、ダイオード100のカソード金属コンタクト110、112は、特にシャント接続されたダイオードの場合、基板102の下の電気的な接続によってグランドに接続されうる。
【0034】
ダイオード100への電気的な接続のための金属ブリッジ130、132の使用にはいくつかの欠点がある。まず、金属ブリッジ130、132を適切に形成するために、金属ビア150、152とダイオード100との間に、最低限の距離が要求される。この最低限の距離の要求は、金属ブリッジ130、132の構造に固有の他のいくつかの制限と共に、基板102の上に形成される他のダイオードの中で、ダイオード100に対して達成されうる集積度と熱性能とのレベルを制限する。また、金属ブリッジ130、132に起因すると考えられる追加の直列抵抗とインダクタンスとは、シャント接続されたダイオードに対するグランド接続の品質を劣化させ、ダイオード100の高周波応答を制限しうる。金属ブリッジ130、132はまた、特に金属パッド140、142に接触する部分で、金属ブリッジ130、132に形成されるクラックの発生のため、信頼性で懸念される。
【0035】
図2は、図1に示されるダイオード100の上面図を示す。図2において、第1層104上に形成される金属コンタクト110、112が示されており、カソードメサ160のエッジに向かって延びている。金属パッド140、142は、基板102の上面にも示されており、金属ビア150、152の位置は、隠線を用いて金属パッド140、142の下方に示されている。金属パッド140、142を含むダイオード100は、1つの次元に沿ったサイズで“W1”として測定されうる。
【0036】
金属トレース170は、ダイオード100のアノード金属コンタクト120との電気的なコンタクトとして依存される。金属ブリッジ130、132も、図2に示されており、金属パッド140、142をそれぞれダイオード100のカソードの金属コンタクト110、112に電気的に接続している。金属ブリッジ130、132は、金属パッド140、142から金属コンタクト110、112まで延びるいくつかのフィンガーを含むように示されている。いくつかの場合において、金属ブリッジ130、132が形成されるとき、金属ブリッジ130、132は、第1層104上の金属コンタクト110、112への接着または接触に失敗する。また、金属ブリッジ130、132において、特に金属ブリッジ130、132が金属パッド140、142に接触する部分では、クラックが発生しうる。
【0037】
1つ以上の一体側部ビアを組み込んだダイオードデバイスを含むがこれに限定されない半導体デバイスが、いくつの改良を提供するために本明細書に記載される。例えば、1つ以上の一体側部ビアを組み込んだPINダイオードは、金属ブリッジを使用することの欠点を克服し、デバイス性能を改善し、コストを低減し、信頼性を高め、他の利益を達成することに依存しうる。
【0038】
図3は、本実施形態の種々の態様によるダイオード半導体構造200(“ダイオード200”)の一例の断面図を示す。ダイオード200は、図3(および図4)に代表的な例として示されている。ダイオード200の種々の層の形状および相対的なサイズは、必ずしも図3に縮尺通りに描かれていない。図3に示される層は、網羅的ではなく、ダイオード200は、いくつかの場合には別々に示されない他の層および素子を含みうる。追加して、ダイオード200は、他のデバイスおよび回路素子と組み合わせて、より大きな集積回路デバイスの一部として形成されうる。
【0039】
ダイオード100と同様に、ダイオード200は、スイッチとして用いるのに適切な、2端子のヘテロ接合デバイスである。ダイオード200は、基板202と、基板202の上に形成された第1ドーピングタイプの第1半導体材料の層204(“第1層204”)と、第1層204の上に形成された真性半導体材料の層206(“真性層206”)と、真性層206の上に形成された第2ドーピングタイプの第2半導体材料の層208(“第2層208”)と、を含む。ダイオード200の一例が図3に示され、以下に説明する。より特定の場合において、ダイオード200は、一部には米国特許第6,794,734号に記載されているものと同様であるが、それに限定されない、いくつかの半導体材料層として具現化されうる。
【0040】
1つの例において、基板202は、適切な厚さのGaAs半導体基板として具現化されうるが、他の種類の半導体基板に依存してもよい。第1層204は、ダイオード200のカソード層である。第1層204は、GaAs半導体材料の層として具現化されうり、第1ドーピングタイプは、シリコン(Si)の適切な濃度によって、(N+ GaAs半導体材料の層のための)N+ドーピングでありうるが、他のタイプの半導体材料およびドーピングタイプに依存してもよい。第1層204は、エピタキシャル堆積または別の適切な技術によって、適切な厚さで基板202の上に直接形成されうる。図3に示されるように、第1層204は、エッチングによって、基板202に形成されたアンダーカット209の上方に延びるカソードメサ260として形成される。
【0041】
真性層206は、例えば、他の半導体材料の中で真性(例えば、ドープされていない、または、意図的にドープされていない)のGaAs半導体材料の層として具現化されうる。真性層206は、エピタキシャル堆積または別の適切な技術によって、適切な厚さで第1層204の上に直接形成されうる。真性層206は、部分的に、ダイオード200の降伏電圧およびキャパシタンスを確立する。
【0042】
第2層208は、ダイオード200のアノード層である。第2層208は、例えば、AlGaAs半導体材料の層として具現化されうり、第2ドーピングタイプは、炭素(C)の適切な濃度によって、(P+ AlGaAs半導体材料の層のための)P+ドーピングを含みうるが、他のタイプの半導体材料およびドーピングタイプに依存してもよい。第2層208は、エピタキシャル堆積または別の適切な技術によって、真性層206の上に直接形成されうる。図3に示されるように、真性層206および第2層208は、エッチングによって、第1層204に形成されたアンダーカットの上方に延びるメサとして形成される。
【0043】
ダイオード200はまた、金属コンタクト210、212、220を含む。金属コンタクト210、212は第1層204の上に形成され、金属コンタクト220は第2層208の上に形成される。金属コンタクト210、212は、ダイオード200のカソードへのオーミックコンタクトを提供するために、第1層204の上面に配される。金属コンタクト220は、ダイオード200のアノードへのオーミックコンタクトを提供するために、第2層208の上面に配される。しかしながら、ダイオード200は、ダイオード200のカソードへの電気的な接続に関して、図1に示される金属パッド140、142に依存しない。同様に、ダイオード200は、図1に示される金属ブリッジ130、132に依存しない。
【0044】
ダイオード100と同様に、ダイオード200は、高周波スイッチとして動作可能である。真性領域の抵抗は、ダイオード200へのDCバイアスのアプリケーションの機能として、何桁も変化させることができる。ダイオード200が“オフ”状態(例えば、順方向DCバイアスなし)にあるとき、ダイオード200は電気的にオープンで動作し、結合はキャパシタンスを介してのみ生じる。したがって、ダイオード200のオフ状態のキャパシタンスを小さくすることによって、結合は最小限であり、順方向DCバイアスなしに高周波でインピーダンスが高くなる。同時に、ダイオード200のオン状態の抵抗を小さくすることによって、ダイオード200の直列抵抗もまた、順方向DCバイアスが印加されたときに低い。
【0045】
ダイオード200と同様の多数のダイオードが基板202の上に形成されうり、ダイオードは、互いに、および、例えば、抵抗器、キャパシタ、インダクタなどの他の受動コンポーネントに種々の方法で電気的に接続されうり、より大きな回路を形成しうる。直列およびシャント接続ダイオードのための電気接続は、ダイオード間の相互接続に使用されるプロセスステップおよび構造に影響を与えうる。例えば、直列接続ダイオードの製造のために、基板202は、厚さ8ミルとされうる。シャント接続されたダイオードの製造のために、基板202は、厚さ4ミルまで減らされうり、ビアホールが、基板202の裏面からエッチングされうる。
【0046】
図3に示されるように、ビアホールがエッチングされ、金属ビア250、252が、基板202の裏面から貫通して形成される。金属ビア250、252は、基板202を貫通して延び、金属コンタクト210、212の底面において、金属コンタクト210、212とそれぞれ電気的に接続する。特に、金属ビア250は、基板202の裏面から基板202を貫通し、第1層204を貫通して形成される。金属ビア250は、金属コンタクト210の底面に接触する。追加して、金属ビア252は、基板202の裏面から基板202を貫通し、第1層204を貫通して形成される。金属ビア250は、金属コンタクト210の底面に接触する。このようにして、ダイオード200のカソードの金属コンタクト210、212は、特にシャント接続されたダイオードの場合、基板102の下の電気的な接続によってグランドに接続されうる。
【0047】
ダイオード100と比較して、ダイオード200は、金属ブリッジの必要性を避けるように設計される。ダイオード200のカソードメサ260は、ダイオード100のカソードメサ160よりも大きく形成されるが、ダイオード200の全体のサイズはダイオード200よりも小さい。また、ダイオード200の金属コンタクト210、212は、いくつかの場合において、ダイオード100の金属コンタクト110、112よりも大きくなるように形成されうる。カソードメサ260の特定のサイズおよび形状は、実施形態によって異なりうるが、カソードメサ260は、一般に、基板202の下方から形成される1つ以上の金属ビアを収容するのに十分な大きさに形成される。金属コンタクト210、212のサイズおよび形状も変化しうるが、基板202の下方から形成される1つ以上の金属ビアとの接触を可能にするように形成される。
【0048】
図4は、図3に示されるダイオード200の上面図を示す。第1層204上に形成される金属コンタクト210、212は、図4に示されるように、カソードメサ260のエッジに向かって延びている。金属ビア250、252の位置は、隠線を用いて金属コンタクト210、212の下方に示されている。金属トレース270は、ダイオード200のアノード金属コンタクト220との電気的なコンタクトとして依存される。金属コンタクト210、212を含むダイオード200は、1つの次元に沿ったサイズで“W2”として測定されうる。図2に示されるダイオード100と比較して、“W2”は“W1”よりも小さく、図4に示されるダイオード200は著しく小さい。1つの例において、ダイオード100を横切るビア150、152間のビアのセンタ間のセパレーションが、ダイオード200を横切るビア250、252間のビアのセンタ間のセパレーションのために、208μmから115μmに減少した。
【0049】
金属ビア250、252は、ダイオード200と一体であり、ダイオード200のカソードメサ層204の下に形成される。金属ビア250、252は、基板202を貫通して延び、金属コンタクト210、212の底面において、金属コンタクト210、212とそれぞれ電気的に接続する。特に、金属ビア250は、金属コンタクト210の底面に接触し、金属ビア250は、金属コンタクト210の底面に接触する。図5図6に示されるダイオード200の構造構成において、金属ビア250、252と金属コンタクト210、212との間の電気的な接続を金属ブリッジに頼る必要はない。したがって、金属ブリッジに固有の故障モードは、ダイオード200に起因すると考えられない。
【0050】
全体として、その他の利点の中で、ダイオード200は、より高密度のMMICのために、ビアのセンタ間のセパレーションが減少するとともに、全体のサイズが著しく減少することを示す。ダイオード200は、金属ブリッジを排除することによって、歩留まりを向上させて製造されうる。ダイオード200は、アノードにより近い金属ビアを有する改善された熱挙動を示す。ダイオード200は、改善された高周波性能およびグランド結合を示し、より高い電流処理能力に基づくハイパワー製品設計のための制限がより少ない。また、ダイオード200は、基板の配向に関して制限なく製造されうる。
【0051】
図5は、図1に示されるダイオード100の一例の断面図を含む写真である。示されるように、ビアホールがエッチングされ、金属ビア150、152が、基板102の裏面から貫通して形成される。金属ビア150、152は、基板102を貫通して延び、基板102の上面に形成された金属パッド140、142とそれぞれ電気的に接続する。追加して、金属パッド140、142をそれぞれ金属コンタクト110、112に電気的に接続するために、金属ブリッジ130、132が形成される。このようにして、ダイオード100のカソード金属コンタクト110、112は、特にシャント接続されたダイオードの場合、基板102の下の電気的な接続によってグランドに接続されうる。金属ビア150、152の両方は、ダイオード100のアノードから離れたダイオード100の第1層104の外側(すなわち、下側ではない)に形成される。
【0052】
図6は、本実施形態の種々の態様による図3に示されるダイオード200の断面図を含む写真である。示されるように、ビアホールがエッチングされ、金属ビア250、252が、基板202の裏面から貫通して形成される。金属ビア250、252は、基板202を貫通して延び、金属コンタクト210、212の底面において、金属コンタクト210、212とそれぞれ電気的に接続する。特に、金属ビア250は、基板202の裏面から基板202を貫通し、第1層204を貫通して形成される。金属ビア250は、金属コンタクト210の底面に接触する。追加して、金属ビア252は、基板202の裏面から基板202を貫通し、第1層204を貫通して形成される。金属ビア250は、金属コンタクト210の底面に接触する。金属ビア250、252の両方は、第1層204の下で、ダイオード200のアノードにより近接して形成され、金属ビア250および252は本明細書ではその構造構成のための一体側部ビアとして参照される。金属ビア250、252は、ダイオード100と比較して、ダイオード200のアノードから熱を伝導することがよりできる。
【0053】
ダイオード200は、アノード金属コンタクト220の一方の側に第1金属ビア250を含み、アノード金属コンタクト220の他方の側に第2金属ビア252を含むが、一体ビアの他の配置は本実施形態の範囲内である。その文脈において、図7A~7Cは、本実施形態の種々の態様による一体ビアの別の配列を含むダイオード半導体構造の上面図を示す。図7A~7Bは、一体側部ビアを含むダイオードの異なる形状および構成の例を示すが、他の形状、スタイル、および、構成が本実施形態の範囲内であるため、実施例は限定的なものではない。
【0054】
図7Aにおいて、ダイオード300は、カソード金属コンタクト310と、アノード金属コンタクト320と、カソードメサ360と、を含み、示される。追加して、1つの一体金属ビア350の位置は、隠線を用いてカソード金属コンタクト310の下方に示される。金属ビア350の上部は、本明細書に記載の実施形態と一致して、カソード金属コンタクト310の底面に接触する。図示の例において、ダイオード300のアノード層およびカソード層は、円形ではなく、湾曲したコーナーを有する矩形に形成されている。また、ダイオード300は、アノード金属コンタクト320の片側に1つのみのカソード金属コンタクト310と1つのみの金属ビア350とを含む。
【0055】
図7Bにおいて、カソード金属コンタクト410と、アノード金属コンタクト420と、カソードメサ460と、を含むダイオード400が示される。追加して、2つの一体金属ビア450、452の位置は、隠線を用いてカソード金属コンタクト410の下方に示される。金属ビア350、352は、本明細書に記載の実施形態と一致して、カソード金属コンタクト410の底面に接触する。図示の例において、ダイオード400のアノード層およびカソード層は、円形ではなく、湾曲したコーナーを有する矩形に形成されている。また、ダイオード100は、1つのカソード金属コンタクト310を含むが、アノード金属コンタクト420の一方の側に2つの金属ビア450、452を含む。
【0056】
図7Cにおいて、カソード金属コンタクト510、512と、アノード金属コンタクト520と、カソードメサ560と、を含むダイオード500が示される。追加して、3つの一体金属ビア551~553の位置は、隠線を用いてカソード金属コンタクト510の下方に示され、3つの一体金属ビア554~556の位置は、隠線を使用してカソード金属コンタクト512の下方に示される。金属ビア551~553は、カソード金属コンタクト510の底面に接触し、金属ビア554~556は、カソード金属コンタクト512の底面に接触する。図示の例において、ダイオード500のアノード層およびカソード層は、円形ではなく、湾曲したコーナーを有する矩形に形成されている。ダイオード500は、アノード金属コンタクト520の反対の側に2つのカソード金属接点510、512と、アノード金属コンタクト520の反対の側にそれぞれ3つの金属ビア551~553、554~556と、を含む。
【0057】
本明細書に記載されるPINダイオード構造およびデバイスは、リミッタ、スイッチおよび他の回路を含む多種多様の有用な集積回路を製造するために使用されうる。PINダイオード構造はまた、マイクロ波回路のアプリケーションに適切なモノリシック回路形式で、種々のコンポーネントと集積化されうる。本明細書では実施形態を詳細に説明してきたが、説明は一例である。本明細書に記載の概念は、PINダイオードの改良にも限定されない。この概念は、種々のタイプのダイオード、トランジスタ、制御整流器、サイリスタ、半導体レーザ、フォトセルおよび他のデバイスなど、他のタイプの半導体デバイスにも適用されうる。
【0058】
本明細書に記載の実施形態の特徴は代表的なものであり、代替の実施形態では、特定の特徴および要素を追加または省略することができる。追加して、本明細書に記載される実施形態の態様に対する修正は以下の特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって行うことができ、その範囲は、修正および同等の構造を包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
【手続補正書】
【提出日】2022-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板と、
前記基板の上の第1半導体材料の層と、
前記第1半導体材料の層の上の第2半導体材料の層と、
前記第1半導体材料の層の上の第1金属コンタクトと、
前記第2半導体材料の層の上の第2金属コンタクトと、
前記基板の裏面から、前記基板を貫通し、前記第1半導体材料の層を貫通して延び、前記第1金属コンタクトの底面に接触する金属ビアと、を含む半導体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記第1半導体材料は、第1ドーパントを含み、
前記第2半導体材料は、第2ドーパントを含む、半導体デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第1半導体材料の層は、前記基板のアンダーカットの上方に延びるメサを含む、半導体デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第2半導体材料の層は、前記第1半導体材料の層の上のメサを含む、半導体デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第2半導体材料の層は、前記第1半導体材料の層の上の円形のメサを含む、半導体デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第2半導体材料の層は、前記第1半導体材料の層の上の丸いコーナーを有する矩形のメサを含む、半導体デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第1金属コンタクトは、前記半導体デバイスの共有の電極の第1オーミックコンタクトと第2オーミックコンタクトとを含む、半導体デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、前記第2半導体材料の層は、前記第1オーミックコンタクトと前記第2オーミックコンタクトとの間に、前記第1半導体材料の層の上のメサを含む、半導体デバイス。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体デバイスであって、
前記金属ビアは、第1金属ビアと第2金属ビアとを含み、
前記第1金属ビアは、前記基板の前記裏面から、前記基板を貫通し、前記第1半導体材料の層を貫通して延び、前記メサの一方の側で前記第1オーミックコンタクトの底面に接触し、
前記第2金属ビアは、前記基板の前記裏面から、前記基板を貫通し、前記第1半導体材料の層を貫通して延び、前記メサの他方の側で前記第2オーミックコンタクトの底面に接触する、半導体デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第1半導体材料の層と前記第2半導体材料の層との間の第3半導体材料の層をさらに含む、半導体デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記金属ビアは、前記半導体デバイスと一体であり、前記半導体デバイスの下に位置する、半導体デバイス。
【請求項12】
半導体構造であって、
基板の上の第1半導体材料の層と、
前記第1半導体材料の層の上の第1金属コンタクトと、
前記第1半導体材料の層の上で、前記第1金属コンタクトの一方の側に位置する第2半導体材料の層と、
前記基板の裏面から前記第1金属コンタクトの底面まで延びる金属ビアと、を含む半導体構造。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体構造であって、前記第1半導体材料の層は、前記基板のアンダーカットの上方に延びるメサを含む、半導体構造。
【請求項14】
請求項12に記載の半導体構造であって、前記第2半導体材料の層は、前記第1半導体材料の層の上で、前記第1金属コンタクトの前記一方の側に位置するメサを含む、半導体構造。
【請求項15】
請求項12に記載の半導体構造であって、前記第2半導体材料の層は、前記第1半導体材料の層の上の円形のメサを含む、半導体構造。
【請求項16】
請求項12に記載の半導体構造であって、前記第2半導体材料の層は、前記第1半導体材料の層の上の丸いコーナーを有する矩形のメサを含む、半導体構造。
【請求項17】
請求項12に記載の半導体構造であって、前記第1金属コンタクトは、前記半導体構造の共有の電極の第1オーミックコンタクトと第2オーミックコンタクトとを含む、半導体構造。
【請求項18】
請求項17に記載の半導体構造であって、前記第2半導体材料の層は、前記第1オーミックコンタクトと前記第2オーミックコンタクトとの間に、前記第1半導体材料の層の上のメサを含む、半導体構造。
【請求項19】
請求項18に記載の半導体構造であって、
前記金属ビアは、第1金属ビアと第2金属ビアとを含み、
前記第1金属ビアは、前記基板の前記裏面から前記メサの一方の側で前記第1オーミックコンタクトの底面まで延び、
前記第2金属ビアは、前記基板の前記裏面から前記メサの他方の側で前記第2オーミックコンタクトの底面まで延びる、半導体構造。
【請求項20】
請求項12に記載の半導体構造であって、前記金属ビアは、前記半導体構造と一体であり、前記半導体構造の下に位置する、半導体構造。
【国際調査報告】