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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(54)【発明の名称】外科手術ロボットの制御システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20230502BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559765
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 GB2021050768
(87)【国際公開番号】W WO2021198664
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】2004752.8
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516210894
【氏名又は名称】シーエムアール・サージカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CMR SURGICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100187469
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 由子
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【弁理士】
【氏名又は名称】古後 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】モットラム・エドワード・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】タッカー・エドワード・ジェームズ・ワイルデイン
(57)【要約】
外科手術ロボットアームの制御システムであって、外科手術ロボットアームが、該外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、制御システムが、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように外科手術ロボットアームの構成を、1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、外部から加えられた力またはトルクに起因する、外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、該点で、取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している検知された力またはトルクの成分を決定するように、検知された力またはトルクを解くこと、およびロボットアームの構成が、解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を外科手術ロボットアームに送信してロボットアームを駆動することによって、制御するように構成されている、制御システム。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ロボットアームの制御システムであって、前記外科手術ロボットアームが、前記外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、前記ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、前記制御システムが、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、
前記点で、前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している前記検知された力またはトルクの成分を決定するように、前記検知された力またはトルクを解くこと、および
前記ロボットアームの前記構成が、前記解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動することによって、制御するように構成されている、制御システム。
【請求項2】
前記制御システムが、前記受信するステップ、前記解くステップ、および前記送信するステップを含む、制御ループを反復して実施するようにさらに構成されている、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御システムが、前記ロボットアームを、
前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具が患者の体の内側にある外科手術モード、および
前記外部から加えられた力またはトルクに応答して、前記外科手術器具が前記患者の体から回収可能である器具回収モードで動作させるように構成されている、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御システムが、
前記器具回収モードでは、前記解かれた力またはトルクの成分に依存して、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動するようにさらに構成されており、そのため、前記外科手術器具が、前記患者の体から、前記外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に回収可能である、請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御システムが、前記ロボットアームの前記遠位端に対して、または前記外科手術器具に対して、点を定義するようにさらに構成されている、請求項3または4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記外科手術ロボットアームが、1つ以上の位置センサをさらに備え、各位置センサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントの回転位置を検知するよう構成されており、前記制御システムが、前記器具回収モード初期化時に、
前記1つ以上の位置センサから、前記一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントの前記回転位置を示す官能データを受信することと、
前記官能データに依存して、前記定義された点の位置を決定することと、
前記官能データに依存して、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な方向を決定することであって、そのため、前記方向が、前記定義された点と交差する、決定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記官能データが、1つ以上のトルクセンサから受信され、かつ前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記ロボットアームの検知されたトルク状態を示し、前記制御システムが、
前記検知されたトルク状態を、候補のトルク状態のセットのうちの選択されたトルク状態にマッピングすること、および
前記選択されたトルク状態に対応する力を決定することであって、前記力が、前記外部から加えられた力またはトルクの結果として、前記定義された点で作用する力を示す、決定することによって、前記検知されたトルク状態を解くようにさらに構成されている、請求項5または6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記候補のトルク状態のセットの各トルク状態が、ある力に対応し、各トルク状態が、前記各トルク状態のそれぞれの力とヤコビ行列との積である、請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記候補のトルク状態のセットの各トルク状態が、前記ヤコビ行列の画像の要素である、請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記ヤコビ行列が、前記一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントのジョイント角度の変化が前記ロボットアームの前記点の前記位置をどのように変化させるかを表す、請求項8または9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記器具回収モードでは、前記制御システムが、前記ヤコビ行列に、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向を表す列ベクトルを乗算するように構成されており、そのため、前記1つ以上の力が、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向に沿って作用する力からなる、請求項8~10のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項12】
前記制御システムが、
前記ヤコビ行列のムーア-ペンローズの擬似逆行列を使用して、前記検知されたトルク状態を前記選択されたトルク状態にマッピングし、前記選択されたトルク状態に対応する前記力を決定するようにさらに構成されている、請求項8~11のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項13】
前記選択されたトルク状態が、前記検知されたトルク状態に対して最も低いユークリッド距離を有する前記候補のトルク状態のセットの前記トルク状態であるか、または前記選択されたトルク状態が、前記検知されたトルク状態に対して最も低い最小二乗距離を有する前記候補のトルク状態のセットの前記トルク状態である、請求項7~12のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項14】
前記制御システムが、
前記力および基準位置を使用して、前記定義された点の位置を決定することであって、それによって、前記外部から加えられた力またはトルクの結果として、前記定義された点で作用する前記力が、前記外科手術ロボットアームの前記構成を変更することによって補償されることになり、そのため、前記定義された点が、前記決定された位置に移動される、決定することと、
指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して、前記定義された点を前記決定された位置に駆動することと、
前記基準位置と前記決定された位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、前記基準位置を更新することと、を行うようにさらに構成されている、請求項7~13のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項15】
前記基準位置は、前記制御システムが、前記定義された点を、外部の力またはトルクが、前記定義された点で、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向に作用していないことを示す官能データが前記1つ以上のトルクセンサから受信されたときに駆動させるように構成されている、位置である、請求項14に記載の制御システム。
【請求項16】
前記制御システムが、前記定義された位置に依存して停止位置を定義するようにさらに構成されており、前記停止位置が、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向上の位置であり、前記停止位置では、前記制御システムが、前記定義された点を前記患者に向かってさらに駆動させてはならない、請求項6~15のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項17】
前記制御システムが、
前記外科手術器具を、前記一連のジョイントの各々の既知のジョイント範囲に対する前記一連のジョイントの前記ジョイントのうちの1つ以上の現在の回転位置を観察することによって、前記1つ以上の位置センサから受信した前記官能データに依存して、前記患者から完全に回収することができないと決定することと、
前記外科手術ロボットアームのユーザに通知することと、を行うようにさらに構成されている、請求項6~16のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項18】
前記制御システムが、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記一連のジョイントのうちの外旋ジョイントにおいて検知された力またはトルクを示す官能データを受信することであって、前記外旋ジョイントの回転軸が、前記外科手術器具の前記長手方向軸と平行である、受信すること、
基準角度位置を使用して前記外旋ジョイントの角度位置を決定することであって、それによって、前記検知された力またはトルクが、前記外旋ジョイントを前記決定された角度位置に移動させることによって補償されることになる、決定すること、
指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して、前記決定された角度位置へと前記外旋ジョイントを駆動すること、および
前記基準角度位置と前記決定された角度位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、前記基準角度位置を更新することによって、制御するようにさらに構成されている、請求項14~17のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項19】
前記基準角度位置は、前記制御システムが、前記外旋ジョイントを、外部の力またはトルクが前記外旋ジョイントで作用していないことを示す前記官能データが前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから受信されたときに駆動させるように構成されている、位置である、請求項18に記載の制御システム。
【請求項20】
外科手術ロボットアームを制御する方法であって、前記外科手術ロボットアームが、前記外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、前記ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、前記方法が、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、
前記点で、前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している前記検知された力またはトルクの成分を決定するように、前記検知された力またはトルクを解くこと、および
前記ロボットアームの前記構成が、前記解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動することによって、制御することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科手術ロボットアームの制御システムに関する。
【0002】
外科手術ロボットシステムを使用して侵襲的医療処置を実施することができる。図1は、典型的な外科手術ロボットシステムを示す。手術台103の上に位置付けられた患者102に対して侵襲的医療処置を実施している外科手術ロボットシステム100が示されている。外科手術ロボットシステム100は、アーム101を備える。アーム101は、切断することもしくは把持することを実施するための用具、または内視鏡などの撮像装置といった、外科手術用具106を担持する。アーム101は、侵襲的処置の態様を実施するために、アーム101が担持する外科手術用具を操作してもよい。
【0003】
侵襲的外科処置の前に、手術室スタッフのメンバー(例えば、臨床看護師)は通常、外科手術ロボットシステム100のセットアップを支援する。侵襲的処置の間、外科手術ロボットシステムは通常、リモートコンソール(図示せず)により外科医によって制御される。多くの場合、手術室スタッフのメンバーが、患者の世話をする(例えば、外科手術部位を清浄する)ことができるように、侵襲的医療処置の間、手術台103に隣接して存在することも望ましい。侵襲的外科処置の後、手術室スタッフのメンバーは通常、外科手術ロボットシステム100の使用を停止することを支援する。
【0004】
したがって、侵襲的医療処置の前、間、および後に、手術室スタッフのメンバーが外科手術ロボットシステムと相互作用することができる安全性と容易さを改善することが重要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、外科手術ロボットアームの制御システムであって、外科手術ロボットアームが、該外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、制御システムが、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように外科手術ロボットアームの構成を、1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、外部から加えられた力またはトルクに起因する外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、該点で、取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している、検知された力またはトルクの成分を決定するように、検知された力またはトルクを解くこと、およびロボットアームの構成が、解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を外科手術ロボットアームに送信してロボットアームを駆動することによって、制御するように構成されている、制御システムが提供される。
【0006】
制御システムは、受信するステップ、解くステップ、および送信するステップを含む、制御ループを反復して実施するようにさらに構成され得る。
【0007】
制御システムは、ロボットアームを、取り付け部に取り付けられた外科手術器具が患者の体の内側にある外科手術モード、および外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術器具が患者の体から回収可能である器具回収モードで動作させるように構成され得る。
【0008】
制御システムは、器具回収モードでは、解かれた力またはトルクの成分に依存して、指令信号を外科手術ロボットアームに送信してロボットアームを駆動するようにさらに構成され得、そのため、外科手術器具は、患者の体から、外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に回収可能である。
【0009】
制御システムは、ロボットアームの遠位端に対して、または外科手術器具に対して、点を定義するようにさらに構成され得る。
【0010】
外科手術ロボットアームは、1つ以上の位置センサをさらに備えることができ、各位置センサは、一連のジョイントのうちのあるジョイントの回転位置を検知するよう構成されており、制御システムは、器具回収モード初期化時に、1つ以上の位置センサから、一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントの回転位置を示す官能データを受信することと、官能データに依存して、定義された点の位置を決定することと、官能データに依存して、外科手術器具の長手方向軸に平行な方向を決定することであって、そのため、方向が、定義された点と交差する、決定することと、を行うようにさらに構成され得る。
【0011】
官能データは、1つ以上のトルクセンサから受信され得、外部から加えられた力またはトルクに起因する、ロボットアームの検知されたトルク状態を示すことができ、制御システムは、検知されたトルク状態を、候補のトルク状態のセットのうちの選択されたトルク状態にマッピングすること、および選択されたトルク状態に対応する力を決定することであって、力が、外部から加えられた力またはトルクの結果として、定義された点で作用する力を示す、決定することによって、検知されたトルク状態を解くようにさらに構成され得る。
【0012】
検知されたトルク状態は、1つ以上のトルクセンサの各々から受信されたトルクデータを含む列ベクトルによって表され得る。
【0013】
候補のトルク状態のセットの各トルク状態は、ある力に対応し得、各トルク状態は、各トルク状態のそれぞれの力とヤコビ行列との積であってもよい。
【0014】
候補のトルク状態のセットの各トルク状態は、ヤコビ行列の画像の要素であってもよい。
【0015】
ヤコビ行列は、一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントのジョイント角度の変化が、ロボットアームの点の位置をどのように変化させるかを表し得る。
【0016】
器具回収モードでは、制御システムは、ヤコビ行列に、外科手術器具の長手方向軸に平行な方向を表す列ベクトルを乗算するように構成され得、そのため、1つ以上の力は、外科手術器具の長手方向軸に平行な方向に沿って作用する力からなる。
【0017】
制御システムは、ヤコビ行列のムーア-ペンローズの擬似逆行列を使用して、検知されたトルク状態を選択されたトルク状態にマッピングし、選択されたトルク状態に対応する力を決定するようにさらに構成され得る。
【0018】
選択されたトルク状態は、検知されたトルク状態に対して最も低いユークリッド距離を有する候補のトルク状態のセットのトルク状態であってもよい。
【0019】
選択されたトルク状態は、検知されたトルク状態に対して最も低い最小二乗距離を有する候補のトルク状態のセットのトルク状態であってもよい。
【0020】
制御システムは、力および基準位置を使用して、定義された点の位置を決定することであって、それによって、外部から加えられた力またはトルクの結果として、定義された点で作用する力が、外科手術ロボットアームの構成を変更することによって補償されることになり、そのため、定義された点が、決定された位置に移動される、決定することと、指令信号を外科手術ロボットアームに送信して、定義された点を決定された位置に駆動することと、基準角度位置と決定された角度位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、基準位置を更新することと、を行うようにさらに構成され得る。
【0021】
基準位置は、制御システムが、定義された点を、外部の力またはトルクが、定義された点で、外科手術器具の長手方向軸に平行な方向に作用していないことを示す官能データが1つ以上のトルクセンサから受信されたときに駆動させるように構成されている、位置であってもよい。
【0022】
制御システムは、定義された位置に依存して停止位置を定義するようにさらに構成され得、停止位置は、外科手術器具の長手方向軸に平行な方向上の位置であり、停止位置では、制御システムは、定義された点を患者に向かってさらに駆動させてはならない。
【0023】
制御システムは、外科手術器具を、一連のジョイントの各々の既知のジョイント範囲に対する一連のジョイントのジョイントのうちの1つ以上の現在の回転位置を観察することによって、1つ以上の位置センサから受信した官能データに依存して、患者から完全に回収することができないと決定することと、外科手術ロボットアームのユーザに通知することと、を行うようにさらに構成され得る。
【0024】
制御システムは、力センサまたはトルクセンサから、外部から加えられた力またはトルクに起因する一連のジョイントのうちの外旋ジョイントで検知された力またはトルクを示す官能データを受信することであって、外旋ジョイントの回転軸は、外科手術器具の長手方向軸に平行である、受信することと、基準角度位置を使用して外旋ジョイントの角度位置を決定することであって、それによって、検知された力またはトルクが、外旋ジョイントを決定された角度位置に移動させることによって補償されることになる、決定することと、指令信号を外科手術ロボットアームに送信して、決定された角度位置へと外旋ジョイントを駆動することと、基準角度位置と決定された角度位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、基準角度位置を更新することと、によって、外部から加えられた力またはトルクに応答して外科手術ロボットアームの構成が変更されるように制御するように、さらに構成され得る。
【0025】
基準角度位置は、制御システムが、外旋ジョイントを、外部の力またはトルクが外旋ジョイントで作用していないことを示す官能データが1つ以上の力センサまたはトルクセンサから受信されたときに駆動させるように構成されている、角度位置であってもよい。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、外科手術ロボットアームを制御する方法であって、外科手術ロボットアームが、該外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、方法が、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように外科手術ロボットアームの構成を、1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、外部から加えられた力またはトルクに起因する、外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、該点で、取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している検知された力またはトルクの成分を決定するように、検知された力またはトルクを解くこと、およびロボットアームの構成が、解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を外科手術ロボットアームに送信してロボットアームを駆動することによって、制御することを含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここで、添付図面を参照して、本発明を例として説明する。図は、以下の通りである。
【0028】
図1】典型的な外科手術ロボットシステムを示す。
図2】外科手術ロボットシステムを示す。
図3】外科手術ロボットシステムの外科手術ロボットアームを示す。
図4】外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施される第1の制御ループを示す流れ図である。
図5】外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施される第2の制御ループを示す流れ図である。
図6】検知されたトルク状態を、候補のトルク状態のセットのうちの選択されたトルク状態に二次元でマッピングすることを示す概略図である。
図7】器具回収モードにおいて、外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施される制御ループを示す流れ図である。
【0029】
図面の詳細な説明
以下の説明は、任意の当業者が本発明を作製および使用することを可能にするために提示され、特定の用途の文脈において提供される。開示される実施形態に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかであろう。
【0030】
本明細書に定義される一般原則は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用され得る。したがって、本発明は、示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理および特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0031】
図2は、外科手術ロボットシステムを示す。図2は、患者202に対して侵襲的医療処置を実施している外科手術ロボットシステム200を示す。患者202は、手術台203の上に位置付けられている。外科手術ロボットシステム100は、ロボットアーム201を備える。1つのロボットアーム201が図2に示されているが、外科手術ロボットシステムは任意の数のロボットアームを備え得ることが理解されるべきである。ロボットアーム201は、その近位端で基部209から延在する。ロボットアーム201は、ロボットアームの構成を変更することができる複数のジョイント204を備える。
【0032】
ロボットアーム201は、その遠位端に外科手術器具206のための取り付け部を備える。外科手術器具は、侵襲的処置の態様を実施するために、遠位端にエンドエフェクタを備える薄い細長いシャフトを有し得る。外科手術器具の薄い細長いシャフトは、外科手術器具の長手方向軸を画定し得る。外科手術器具は、例えば、切断もしくは把持装置、または撮像装置(内視鏡など)であってもよい。外科手術器具206は、患者の体202の中に挿入可能である。外科手術器具206は、ポートを介して患者の体202の中に挿入され得る。
【0033】
ロボットアーム201の構成は、リモート外科医コンソール220で受信された入力に応答してリモートで制御され得る。外科医は、リモートコンソール220に入力を提供し得る。リモート外科医コンソールは、1つ以上の外科医入力装置223を備える。例えば、これらは、ハンドコントローラおよび/またはフットペダルの形態をとり得る。外科医コンソールはまた、ディスプレイ221を備える。
【0034】
制御システム224は、外科医コンソール220を外科手術ロボットアーム201に接続する。制御システムは、外科医入力装置から入力を受信し、これらをロボットアーム201のジョイントおよび外科手術器具206を移動させるための制御信号に変換する。制御システム224は、これらの制御信号をロボットアームに送信し、それに応じて、対応するジョイントが駆動される。制御システム224は、リモート外科医コンソール220およびロボットアーム201から分離していてもよい。制御システム224は、リモート外科医コンソール220と併設され得る。制御システム224は、ロボットアーム201と併設され得る。制御システム224は、リモート外科医コンソール220とロボットアーム201との間に分散され得る。
【0035】
ロボットアーム201の構成は、そのロボットアームに直接加えられた外部からの力に応答して制御可能であってもよい。例えば、臨床チームのメンバー(例えば、手術室看護師)は、ロボットアームに(例えば、ロボットアームのジョイントを押すことによって)力またはトルクを直接加えることができる。この挙動について、本明細書でさらに詳細に説明する。
【0036】
図3は、ロボットアーム301の一例を示す。図2に示されるロボットアーム201は、図3に示されるロボットアーム301と同じ特徴を有し得る。
【0037】
ロボットアームは、基部309を備える。ロボットアームは、一連の剛性アーム部材を有する。一連のアーム部材の各々は、それぞれのジョイント304a~gによって前のアーム部材に接合されている。ジョイント304a~eおよび304gは、外旋ジョイントである。ジョイント304fは、フックスジョイントまたはユニバーサルジョイントのように、軸が互いに直交する2つの外旋ジョイントから構成されている。ジョイント304e~gの軸が交差する点は、「リスト」と呼ばれる場合がある。ロボットアームは、図3のアームとは異なる方法で接合され得る。例えば、ジョイント304dが省略される場合があり、かつ/またはジョイント304fが単一の軸の周りの回転を可能にする場合がある。ロボットアームは、ジョイントのそれぞれの側面の間の回転以外の動きを許容する、器具取り付け部をロボットアームのより近位にある部分に対して直線的に摺動させることができるプリズムジョイントなどの1つ以上のジョイントを含むことができる。
【0038】
ジョイントは、ロボットアームの構成を変更することにより、ロボットアームの遠位端330が、概して335で図示される三次元可動範囲内の任意の点へと移動することを可能にすることができるように構成されている。これを達成する1つの方法は、ジョイントが、図3に図示される配置を有することである。ジョイントの他の組み合わせおよび構成は、少なくともゾーン335内で、同様の動きの範囲を達成し得る。より多くのまたはより少ないアーム部材があってもよい。
【0039】
ロボットアーム330の遠位端は、取り付け部316を有し、取り付け部316によって、外科手術器具306を取り外し可能に取り付けることができる。外科手術器具は、直線的な剛性シャフト361、およびシャフトの遠位端にあるエンドエフェクタ362を有する。エンドエフェクタ362は、処置に従事するための装置、例えば、切断、把持、または撮像装置からなる。本明細書に記載されるように、末端ジョイント304gは、外旋ジョイントであってもよい。外科手術器具306および/または取り付け部316は、器具がロボットアームの末端ジョイント304gの回転軸と平行に直線的に延在するように構成され得る。この実施例では、器具は、ジョイント304gの回転軸と一致する軸に沿って延在する。
【0040】
ロボットアームのジョイント304eおよび304fは、ロボットアーム330の遠位端が可動範囲335内の任意の場所に保持された状態で、外科手術器具306が円錐体内の任意の方向に向けられ得るように構成されている。かかる円錐体は、概して336で図示されている。これを達成する1つの方法は、アームの末端部分が、上述のように軸が相互に配置されている一対のジョイント304eおよび304fを備えることである。実際に、ジョイント304eが外旋ジョイントであり、ジョイント304fが(本明細書に記載されるように)2つの外旋ジョイントから構成されている実施例では、このジョイント配置により、外科手術器具が球状の表面(図示せず)上で任意の方向に向けられることを可能にすることができる。他の機構も同様の結果を達成し得る。例えば、ジョイント304gは、器具がジョイント304gの軸と平行ではない方向に延在する場合、器具の姿勢に影響を与え得る。
【0041】
外科手術器具306は、ポート317を通して患者の体の中に挿入され得る。ポート317は、中空管317aを備え得る。中空管317aは、外科手術器具が挿入および除去されるとき、ならびに器具が患者の体の内で操作されるときに、患者の外部組織302を、これらの組織の破壊を限定するように、通過し得る。ポート317は、カラー317bを備え得る。カラー317bは、ポート317が患者の外部組織302を通ってあまりにも遠くに挿入されることを防止し得る。
【0042】
ロボットアーム301は、一連のモータ310a~hを備える。2つのモータによって支配される複合ジョイント304fを除き、各モータは、ロボットアームのそれぞれのジョイントの周りで回転を駆動するように配置されている。モータは、制御システム(図2に示される制御システム224など)によって制御される。制御システムは、中央コントローラ、1つ以上のアームコントローラ、および1つ以上のジョイントコントローラを備え得る。中央コントローラは、ロボット外科手術システム(例えば、1つ以上のロボットアームを含む)に対して制御を行使し得る。各ロボットアームコントローラは、ロボットアームに対して制御を行使し得る。各ジョイントコントローラは、ロボットアームの一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントに対して制御を行使し得る。中央コントローラ、アームコントローラ、およびジョイントコントローラの各々は、プロセッサおよびメモリを備え得る。メモリは、プロセッサによって実行され得るソフトウェアコードを非一時的な方法で記憶して、プロセッサに、本明細書に記載の様式で制御信号を出力させる。他の実施例では、制御システムは、本明細書に記載の中央コントローラ、1つ以上のアームコントローラ、および1つ以上のジョイントコントローラの機能を実施するように構成されている、単一のコントローラ、一対のコントローラ、または任意の他の数のコントローラを備え得る。
【0043】
ロボットアーム301はまた、一連のセンサ307a~hおよび308a~hを備え得る。これらのセンサは、各ジョイントに、ジョイントの回転位置を検知するための1つ以上の位置センサ307a~hと、ジョイントの回転軸の周りに加えられた力またはトルクを検知するための力センサまたはトルクセンサ308a~hと、を備え得る。複合ジョイント304fは、センサの2つのセットを有し得る。ジョイントの位置センサおよび/または力もしくはトルクセンサは、そのジョイントのモータと一体化され得る。一実施例では、各ジョイントは、モータにある第1の位置センサと、ジョイントに直接ある第2の位置センサと、を含む、2つの位置センサを備え得る。ロボットアームはまた、モータに実際に供給される電流が、そのモータに対する制御システムによって要求される電流に対応することを確保するために、モータ310a~hのうちの1つ以上に提供される電流を測定するための1つ以上の電流センサを備え得る。センサの出力は、制御システムに渡され、ここで、プロセッサのための入力を形成する。
【0044】
制御システムは、位置センサ307a~hおよび力センサまたはトルクセンサ308a~hから官能データを受信する。位置センサにより、制御システムは、ロボットアームの現在の構成を決定することができる。例えば、制御システムは、ロボットアームの各要素(例えば、ジョイントおよびアーム部材)、ならびに外科手術器具、外科手術器具の質量、ロボットアームの前のジョイントからの外科手術器具の重心の距離、および重心と前のジョイントの位置センサの位置出力との間の関係を記憶し得る。ロボットアームの現在の構成を、他の手段によって推測することができる。この情報を使用して、制御システムは、ロボットアームの現在の構成に対するロボットアームの構成要素に対する重力の影響をモデル化し、ロボットアームの各ジョイントに対する重力による力またはトルクを推定することができる。次いで、制御システムは、各ジョイントのモータ310a~hを駆動して、重力の作用にもかかわらずロボットアームの構成が維持されるように、計算された重力に正確に対抗する力またはトルクを加えることができる。
【0045】
手術室スタッフのメンバー(例えば、手術室看護師)は、侵襲的医療処置の前、間、および後に、外科手術ロボットアーム301と相互作用することができる。かかる相互作用が行われる容易さと安全性を改善するために、制御システム(例えば、図2の制御システム224)は、手術室スタッフのメンバーによって(例えば、ロボットアームのジョイントを押すことによって)ロボットアームに直接加えられた力に応答して、ロボットアーム301の構成を制御することができる。制御システム224は、力センサまたはトルクセンサ308a~hから、外部から加えられた力またはトルクに起因する外科手術ロボットアームで検知された力またはトルクを示す官能データを受信し、受信された官能データを処理し、ロボットアームの構成が、外部から加えられた力またはトルクに準拠するように変更されるように、指令信号を外科手術ロボットアームに送信してロボットアームを駆動するように構成されている。
【0046】
制御システムにより、外科手術ロボットアーム301を、外部から加えられた力またはトルクに対するロボットアームの指令応答が異なる、いくつかの異なるモードで動作させることができる。これを達成するために、受信された官能データに対して制御システムによって実施される処理は、これらのモードの各々で異なってもよい。かかるモードの3つの実施例は、準拠モード、外科手術モード、および器具回収モードである。これらのモードについて、本明細書でさらに詳細に説明する。
【0047】
準拠モード
準拠モードでは、制御システムは、構成が外部から加えられた力またはトルクに応答して変更され得るように、外科手術ロボットアームに指令する。このようにして、手術室看護師は、ロボットアームの任意の部分を所望の位置へと押すかまたは引っ張ることができ、その部分は、ロボットアームおよびロボットアームに依存する任意の部分に対する重力の影響にもかかわらず、その所望の位置へと移動し、その位置に留まる。このモードにおけるロボットアームの挙動は、準拠挙動と呼ばれる場合がある。準拠モードは、侵襲的医療処置の前または後に(例えば、手術室のセットアップまたは掃除の間に)、手術室スタッフのメンバーによって使用され得る。本明細書にさらに記載されるように、制御システムにより、ロボットアームの特定の部分が、侵襲的医療処置中に、準拠するような挙動(compliant-like behaviour)を呈する場合もある。
【0048】
例えば、準拠モードを使用して、外科手術器具を患者の体のポート317に挿入することができる。つまり、準拠モードを使用して、外科手術器具のエンドエフェクタ362をポート317に挿入することができる。図3を参照すると、オペレータ(例えば、手術室チームのメンバー)は、ロボットアーム301および外科手術器具306の一方または両方を把持し得る。次いで、オペレータは、器具のシャフト361の細長い軸がポート317の中空管317aを通る通路とほぼ整列するようにロボットアーム301の構成を変更することによって、制御システムが応答する外部からの力またはトルクを加えることができる。次いで、オペレータは、器具をその細長い軸とほぼ平行に、ポート317内の通路へと移動させることによって、制御システムが応答する外部からの力(例えば、押す力もしくは引っ張る力)またはトルク(例えば、ねじれ)をロボットアームおよび/もしくは器具に加えることができる。
【0049】
図4は、外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施されるステップの第1のセットを示す流れ図である。制御システムは、図4に示されるステップのセットを複数回反復して実施するように構成され得る。つまり、制御システムは、ステップ401、402、403、および404を順番に実施し、その後ステップ401に戻って、その順番を反復することができる。言い換えれば、図4は、外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施される第1の制御ループを示す流れ図である。
【0050】
ステップ401では、ロボットアーム上の1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、外部から加えられた力またはトルクに起因する外科手術ロボットアームのある部分で検知された力またはトルクを示す官能データが受信される。受信された官能データは、実際には、ロボットアームの一部分に対する重力の影響に起因する力またはトルク、ならびに外科手術ロボットアームの一部分における外部から加えられた力またはトルクに起因する力またはトルクを示し得る。受信された官能データはまた、ロボットアームの一部分における振動、慣性、および/または加速度、ならびに外科手術ロボットアームの一部分における外部から加えられた力またはトルクに起因する力またはトルクを示し得る。制御システムは、官能データをフィルタリングすることによって、ロボットアームの一部分における重力、外部からの力、ならびに振動、慣性、および/または加速度を区別することができる場合がある。例えば、アームの振動に関するトルク測定値は通常、重力および外部から加えられた力またはトルクに起因するものよりも周波数が高いため、ローパスフィルタを使用して、ロボットアームの一部分における振動を識別することができる。本明細書に記載されるように、制御システムは、ロボットアームの現在の構成に対するロボットアームの構成要素に対する重力の影響をモデル化し、かつそれによって、ロボットアームのある部分に対する重力による力またはトルクを推定することができる。したがって、官能データは最初に、ロボットアームの一部分に対する重力の影響によって引き起こされた力またはトルク、ならびに/またはロボットアームのその部分における任意の振動、慣性、および/もしくは加速度を斟酌するように調節され得る。例えば、ロボットアームの一部分に対する重力の影響を引き起こした力もしくはトルク、ならびに/またはロボットアームの一部分における振動、慣性、および/もしくは加速度を、官能データから減算することができる。代替的に、官能データを、外部から加えられた力またはトルクに起因する力またはトルクのみを考慮に入れるだけで、制御システムを用いて(例えば、本段落に記載されるように官能データをフィルタリングすることによって)デジタル分析することができる。
【0051】
制御システムは、ロボットアームの一連のジョイントの各ジョイントで独立して作用する力またはトルクを考慮し得る。この場合、ロボットアームの一部分は、一連のジョイントのうちのあるジョイントである。
【0052】
代わりに、ロボットアームの一部分が、ロボットアームに対して定義される点、または外科手術器具に対して定義される点であってもよい。ロボットアームに対して定義される点は、ロボットアーム上にあってもよく、またはロボットアーム上にはないが、ロボットアームに対して固定された空間的関係を有し得る。外科手術器具に対して定義される点は、外科手術器具上にあってもよく、または外科手術器具上にはないが、外科手術器具に対して固定された空間的関係を有し得る。例えば、点は、「リスト」であってもよい。
【0053】
ロボットアームまたは器具の定義された点における外部から加えられた力またはトルクは、ロボットアームの複数のジョイントにおける力またはトルクをもたらし得る。したがって、官能データは、定義された点における外部から加えられた力またはトルクに起因する力またはトルクを決定するように制御システムによって解かれる、複数の力センサまたはトルクセンサからのトルクデータの検知された力を含み得る。複数のジョイントの各々で局所的に作用する測定された力またはトルクから定義された点で結果として生じる力またはトルクを決定するために、広域的な基準系内の各ジョイントの回転軸の方向が考慮され得る。このようにして、順運動学を使用して、定義された点で作用する力またはトルクに対する、各ジョイントで測定された力またはトルクの寄与を決定することができる。制御システムが、定義された点および一連のジョイントのうちの特定のジョイントで作用する力またはトルクを同時に考慮することも可能である。つまり、制御システムは、並行して、(i)定義された点で作用する力またはトルク、および(ii)ロボットアームの一連のジョイントのうちの特定のジョイントで作用する力またはトルクを考慮し得る。
【0054】
ステップ402では、外科手術ロボットアームの一部分の位置が、基準位置を使用して決定され、それによって、検知された力またはトルクが、外科手術ロボットアームの一部分を決定された位置に移動させることによって補償されることになる。つまり、位置は、外部から加えられた力またはトルクに起因する検知された力またはトルクが、その決定された位置へと外科手術ロボットアームの一部分を移動させることによって準拠され得るか、適合され得るか、または(例えば、ゼロに)低減され得るように決定される。
【0055】
基準位置は、一部分において外部からの力またはトルクが作用していない場合に、制御システムが、外科手術ロボットアームの一部分を駆動されるように構成されている位置である。例えば、基準位置は、外部からの力が加えられる前のロボットアームの一部分の位置であってもよい。基準位置は、位置センサ307a~hを使用して最初に決定され得る。代替的に、基準位置は、例えば、外科医入力装置で受信された入力によって、最初にユーザ決定され得る。その後、基準位置は、本明細書にさらに記載されるように、反復して更新され得る。
【0056】
基準位置を使用して外科手術ロボットアームの一部分の位置を決定することは、基準位置および決定された位置に依存する位置項を有する質量-ばね-ダンパモデルを満たす位置を決定することを含み得る。実施例1および2は、ステップ402がどのように実施され得るかを図示する詳細な実施例である。
【0057】
実施例1
【数1】
【0058】
一連のジョイントの各ジョイントに対する角度位置は、実施例1に従って独立して決定され得る。
【0059】
実施例2
【数2】
【0060】
図4に戻ると、ステップ403では、指令信号を外科手術ロボットアームに送信して、決定された位置へと外科手術ロボットアームの一部分を駆動する。制御システムは、逆運動学を使用して、決定された位置に位置付けられる外科手術ロボットの一部分に必要なロボットアームの一連のジョイントのうちのジョイントの角度位置を決定することができる。制御システムは、外科手術ロボットアームの一部分を決定された位置へと駆動するように、モータ310a~hのうちの1つ以上を制御し得る。このようにして、臨床スタッフのメンバーは、実際には、ロボットアームのモータが運動を駆動している場合に、メンバーらが加えている力またはトルクに応答してロボットアームが自由に動いていると感じる場合がある。
【0061】
実施例1および2に戻ると、定数M、D、およびKは、ロボットアームと相互作用している手術室スタッフのメンバーに対する、ロボットアームの「感覚」に影響を与え得る。質量定数Mは、慣性項であり、制御システムが、力またはトルクに応答して、ロボットアームの一部分をどの程度容易に加速/減速させるかを決定し得る。減衰定数Dは、制御システムが、ロボットアームの一部分を変化する力またはトルクにどの程度容易に反応させるかを決定し得る。例えば、減衰定数Dは、制御システムが、臨床チームのメンバーによって加えられる押す力またはねじれなどのより低い周波数の力またはトルクとは対照的に、振動などの高い周波数の力またはトルクに応答して、ロボットアームを容易に移動させないように設定され得る。例えば、振動は、摩擦によって生じ得るモータ振動によって引き起こされ得る。制御システムが、これらの振動によって引き起こされた高い周波数の力またはトルクに応答して、ロボットアームの構成を変化させることは望ましくないであろう。したがって、定数MおよびDは、質量-ばね-ダンパモデルが、かかる高い周波数の力またはトルクをフィルタリングするデジタルフィルタとして作用するように選択され得る。ばね定数Kは、ロボットアームの一部分の位置の変化を引き起こすために制御システムに必要な力またはトルクの量を決定し得る。定数M、D、およびKは、あらかじめ決定され、制御システムによって入力として記憶され得る。定数M、D、およびKは、例えば、手術室スタッフのメンバーが、メンバーらの個人的な好みに応じて、ロボットアームの「感覚」を変更することができるように、ユーザ構成可能であってもよい。異なる定数M、D、およびKを、異なるモードで使用するように設定することができる。
【0062】
ステップ404では、基準位置と決定された位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、基準位置が更新される。基準位置と決定された位置との間の差が閾値変位よりも小さい場合、制御システムは、次のまたは後続の反復の間、制御ループの現在の反復のステップ402で使用された基準位置を維持する。本明細書に記載されるように、基準位置は、一部分において外部からの力が作用していない場合に、制御システムが、外科手術ロボットアームの一部分を駆動されるように構成されている位置である。したがって、このようにして、制御システムは、外部から加えられた力またはトルクに応答して、ロボットアームを「弾性的に」または「可塑的に」を挙動させ得る。弾性的な挙動とは、ロボットアームが、外部から加えられた力またはトルクに応答して、ある位置から変位するが、外部から加えられた力またはトルクが加えられなくなると、その位置に戻ることを意味する。弾性的な挙動は、基準位置が制御ループの連続的な反復で更新されないときに発生する。可塑的な挙動とは、ロボットアームが、外部から加えられた力またはトルクに応答して、ある位置から変位し、外部から加えられた力またはトルクが加えられなくなっても、その位置を保つことを意味する。可塑的な挙動は、基準位置が制御ループの連続的な反復で更新されたときに発生する。
【0063】
閾値変位は、あらかじめ決定され、制御システムによって入力として記憶され得る。閾値変位の大きさは、ロボットアームと相互作用している手術室スタッフのメンバーに対する、ロボットアームの「感覚」に影響を与え得る。つまり、閾値変位の大きさは、制御システムが、外部から加えられたトルクまたは力の量に応答して、ロボットアームを「弾性的に」または「塑性的に」挙動させるかどうかの決定要因であってもよい。異なる閾値変位を、異なるモードで使用するように設定することができる。閾値変位は、例えば、手術室スタッフのメンバーが、メンバーらの個人的な好みに応じて、ロボットアームの「感覚」を変更することができるように、ユーザ構成可能であってもよい。
【0064】
【数3】
したがって、ロボットアームは、検知されたトルクが閾値期間にわたってトルク定数を超えると、可塑的に挙動し得る。閾値期間は、ロボットアームが決定された位置にどの程度迅速に到達するか(例えば、制御システムがロボットアームに移動するように指令する、本明細書に記載の質量-ばね-ダンパモデルの速度項および加速度項にそれぞれ依存し得る速度および加速度)、および制御システムが基準位置を更新するかどうかをどの程度頻繁に決定するかに依存する。例えば、制御システムは、基準位置が5kHzの周波数で更新されるべきかどうかを評価し得る。周波数は、あらかじめ決定され、制御システムによって入力として記憶され得る。周波数は、ロボットアームと相互作用している手術室スタッフのメンバーに対する、ロボットアームの「感覚」に影響を与え得る。異なる周波数を、異なるモードで使用するように設定することができる。
【0065】
図5は、外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施されるステップの第2のセットを示す流れ図である。図5を参照して説明されるステップのセットは、図4を参照して説明されるステップのセットと組み合わせて使用され得る。図5を参照して説明されるステップのセットはまた、図4を参照して説明されるステップのセットとは独立して使用され得る。
【0066】
制御システムは、図5に示されるステップのセットを複数回反復して実施するように構成され得る。つまり、制御システムは、ステップ501、502、および503を順番に実施し、その後ステップ501に戻って、その順番を反復することができる。言い換えれば、図5は、外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施される第2の制御ループを示す流れ図である。
【0067】
図5を参照して説明されるステップのセットは、ロボットアームが、1つ以上のトルクセンサ308a~hを備え、各トルクセンサが、ロボットアームの一連のジョイントのうちのあるジョイントのトルクを検知するように構成されている場合に、使用され得る。特定のトルクセンサによって提供される官能データには、ノイズなどの干渉が含まれ得る。つまり、官能データは、対象となるものの外部からの要因による、いくつかの変則的な値、外れ値、および/または誤った値を含み得る。したがって、(例えば、図4のステップ402において)トルクセンサによって出力された未加工の官能データを使用することが可能であるが、それに含まれるノイズの量を低減するために、官能データをさらに処理することが好ましい。
【0068】
ステップ501では、制御システムは、1つ以上のトルクセンサから、外部から加えられた力またはトルクに起因する外科手術ロボットアームの検知されたトルク状態を示す官能データを受信する。本明細書に記載されるように、受信された官能データは、実際には、ロボットアームの一部分に対する重力の影響に起因するトルク、ならびに/またはロボットアームのその部分における任意の振動、慣性、および/もしくは加速度、加えて外科手術ロボットアームの一部分における外部から加えられた力またはトルクに起因するトルクも示し得る。したがって、官能データは最初に、ロボットアームの一部分に対する重力の影響を引き起こしたトルク、ならびに/またはロボットアームのその部分における任意の振動、慣性、および/もしくは加速度に対して調節され得る。
【0069】
ステップ502では、検知されたトルク状態が、候補のトルク状態のセットのうちの選択されたトルク状態にマッピングされる。候補のトルク状態のセットは、ロボットアームに対する許容可能なトルク状態のセットであってもよい。候補のトルク状態のセットは、関数でエンコードされ得る。候補のトルク状態のセットは、あらかじめ決定され得る。
【0070】
図6は、検知されたトルク状態602を、候補のトルク状態601のセットのうちの選択されたトルク状態601に二次元でマッピングすることを示す概略図600である。図6では、候補のトルク状態のセットは、直線的な関数601でエンコードされている。検知されたトルク状態602は、直線的な関数601の解ではなく、例えば、関数がマッピングされる状態のセットの外側にある。検知されたトルク状態602は、その直線的な関数601に対する解である最も近いトルク状態、この場合では、選択されたトルク状態603にマッピングまたは投影される。選択されたトルク状態603は、検知されたトルク状態602に対して最も低いユークリッド距離または最小二乗距離を有する候補のトルク状態のセットのトルク状態であってもよい。選択されたトルク状態603は、候補のトルク状態のセットのトルク状態が、検知されたトルク状態602に対して最も低いユークリッド距離または最小二乗距離を有する近似値を反復して精密化することによって決定され得る。
【0071】
検知されたトルク状態は、1つ以上のトルクセンサの各々から受信されたトルクデータを含む列ベクトルによって表され得る。トルク状態は、任意の他の適切な方法で表され得る。候補のトルク状態のセットの各トルク状態は、それぞれの1つ以上の力に対応し得る。各トルク状態は、各トルク状態のそれぞれの1つ以上の力とヤコビ行列との積であってもよい。トルク状態は、ジョイント空間で表現され得る。力は、デカルト座標で表現され得る。ヤコビ行列は、ジョイント空間の変化をデカルト座標の変化に変換し得る。候補のトルク状態のセットの各トルク状態は、ヤコビ行列の画像の要素であってもよい。行列の画像は、その行列をマッピングすることができる値のセットである。
【0072】
実施例3は、ステップ502がどのように実施され得るかを図示する詳細な実施例である。
【0073】
実施例3
【数4】
【0074】
ヤコビアンJは、正味ジョイント角度θ=(θ,…,θ)の小さな変化が点pを移動させる程度を表す。ロボットアームの一連のジョイントのジョイントの各々が考慮され得る。つまり、列ベクトルは、ジョイント304a~gの各々でトルクセンサから受信されたトルクデータを含み得る。代替的に、ロボットアームの一連のジョイントのジョイントのサブセットが考慮され得る。例えば、定義された点pに隣接するジョイントのみ、または定義された点のいずれかの側にある任意の数のジョイントが考慮され得る。
【0075】
【数5】
【0076】
【数6】
【0077】
【数7】
【0078】
【数8】
【0079】
【数9】
【0080】
制御システムは、ロボットアームの構成が、決定された力fに準拠するか、当該力を補償するか、または当該力に適合するように変更されるように、指令信号を外科手術ロボットアームに送信してロボットアームを駆動することができる。例えば、力fは、図4および実施例2を参照して説明される質量-ばね-ダンパモデルへの入力として使用され得る。
【0081】
ステップ702に戻ると、実施例3のように、単一の点pで作用する力を決定するのではなく、制御システムは、代替的に、ロボットアームのn個の点の各々で作用する少なくとも1つの力であって、式中、n>1である、少なくとも1つの力を決定することができる。実施例4は、この方法でステップ502がどのように実施され得るかを図示する詳細な実施例である。
【0082】
実施例4
【数10】
【0083】
ヤコビアンは、正味ジョイント角度θ=(θ,…,θn)の小さな変化がn個の点の各々の位置を変化させる程度を表す。実施例4では、エルボおよびリストといった2つの点を考慮するが、任意の数の点を考慮することが可能である。例えば、器具先端に対して点を定義することができる。
【0084】
実施例4では、リストに加えられる力は、デカルト方向x、y、およびzの3つの方向に関して考慮される。ある点で作用する力は、任意の数の方向に関して考慮され得る。
【0085】
ロボットアームの一連のジョイントのジョイントの各々が考慮され得る。代替的に、ロボットアームの一連のジョイントのジョイントのサブセットが考慮され得る。例えば、各点(例えば、リストおよびエルボ)に隣接するジョイントのみ、またはこれらの点のいずれかの側にある任意の数のジョイントが考慮され得る。各点に対して、ジョイントの異なるサブセットが考慮され得る。実際には、これは、ゼロとは考慮されないジョイントに対応するヤコビアンへの入力を設定することによって達成され得る。
【0086】
実施例4では、検知されたトルク状態は、実施例3を参照して説明されるのと同じ方法で、選択されたトルク状態にマッピングされ得る。つまり、検知されたトルク状態は、候補のトルク状態のセットのうちの選択されたトルク状態にマッピングされる。選択されたトルク状態は、方程式5に示されるヤコビ行列の画像の要素である。選択されたトルク状態は、検知されたトルク状態に対して最も低いユークリッド距離または最小二乗距離を有する候補のトルク状態のセットのトルク状態であってもよい。
【0087】
【数11】
【0088】
【数12】
【0089】
【数13】
【0090】
任意選択で、ステップ501でロボットアームのトルク状態を示す官能データを受信した後、制御システムは、ロボットアームの現在の構成の推定値に依存して、ステップ502および503で外部から加えられた力またはトルクに応答して変更される外科手術ロボットアームの構成を、実施例3に従って決定されたロボットアームの単一の点で作用する力、もしくは実施例4)に従って決定されたロボットアームのn個の点の各々で作用する少なくとも1つの力に従って、または実施例3に従って決定されたロボットアームの単一の点で作用する力と、実施例4に従って決定されたロボットアームのn個の点の同じ点で作用する力との重み付けされた組み合わせを使用することによって、制御するかどうかを決定し得る。
【0091】
例えば、実施例4で使用されるヤコビ行列が、一連のジョイントのジョイントのサブセット(複数の定義された点に隣接するものなど)のみにおいてトルクセンサから受信される官能データを考慮する場合、実施例4を参照して説明されるアプローチがロボットアームの特定の部分で加えられた力またはトルクを解き得る精度は低減する。例えば、外部からの力またはトルクが実施例4を参照して説明されるアプローチを使用して正確に解くことができないロボットアームの特定の部分に加えられることが予想されるモードで制御システムが動作している場合、制御システムは、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更される外科手術ロボットアームの構成を、(実施例3を参照して説明されるように)ロボットアームの単一の点で作用する力に従って、かつ全てのトルクセンサから受信された官能データを考慮して、決定し得る。
【0092】
別の実施例では、ロボットアームの構成は、複数の定義された点において考慮される方向のうちの2つ以上(例えば、実施例4では、エルボ304dで考慮される方向、およびリストジョイント304e~gで考慮されるx、y、またはz方向のうちの1つ)が整列するようなものであってもよい。これは、ロボットアームの特異な構成と呼ばれる場合がある。ロボットアームが特異な構成をとる場合、実施例3および4を参照して説明されるアプローチのいずれかが、ある点(例えば、エルボなど)で作用する加えられた力またはトルクを解くことができる精度は低減する。したがって、このシナリオでは、制御システムは、外科手術ロボットアームの構成を制御するために使用されることになる、エルボで作用する力を決定するために、実施例3および4を参照して説明されるアプローチの各々を使用してロボットアームのある点(例えば、エルボ)で作用する力を推定し、これらの決定された力の間を補間することができる。例えば、方程式6を使用して、実施例3および4を参照して説明されるアプローチの各々を使用して決定された力の間を補間することができる。
【数14】
【0093】
式中、βは、正味ジョイント角度の小さな変化が複数の点の各々の位置を変化させる程度を表すヤコビ行列の決定子(例えば、方程式5のヤコビアン)によって変化する重み付け値である。このヤコビ行列の決定子は、ロボットアームの現在の構成の推定値を提供し得る。例えば、このヤコビアンの決定子が閾値(例えば、ゼロに近い)を下回る場合、制御システムは、実施例3を参照して説明されるアプローチを使用して、その点で作用していると決定された力により大きな重みを加え得る。このヤコビアンの決定子が閾値(例えば、ゼロから遠い)を上回る場合、制御システムは、実施例4を参照して説明されるアプローチを使用して、その点で作用していると決定された力により大きな重みを加え得る。
【0094】
ロボットアームが特異な構成をとる場合、制御システムは、方程式6に従って決定された力の間を補間する前に、実施例3および4を参照して説明されるアプローチの各々を使用して、ロボットアームの一連のジョイントのジョイントのより小さなサブセットを考慮するようにさらに構成され得る。考慮されるジョイントのサブセットは、ロボットアームの構成の特異性の性質、および力が解かれる点(例えば、その点の近くのジョイント)に依存し得る。
【0095】
任意選択で、制御システムは、1つ以上のトルクセンサが他のセンサよりも大きなノイズ干渉を経験すると決定し得る。このシナリオでは、制御システムは、より少ないノイズ干渉を経験すると決定されたセンサから受信された官能データに、より多くの重要性を割り当てることができる。これを達成するために、制御システムは、各トルクセンサから受信された官能データに重み付け値α,…,αを加えることができる。例えば、実施例3または4のいずれかで説明される逆ヤコビ行列は、トルク状態の値の各々に対応する重みを有する対角行列によって重み付けされ得る。つまり、各重み付け値αは、官能データθを提供するトルクセンサが関連付けられているジョイントjの角度τの変化に関する、逆ヤコビ行列の項に関連付けられ得る。ムーア-ペンローズの擬似逆行列を使用して、1つのステップで、検知されたトルク状態を選択されたトルク状態にマッピングし、選択されたトルク状態に対応する力を決定する実施例では、各トルクセンサから受信された官能データに加えられる重みをエンコードする対角重み付け行列が、ヤコビ行列のムーア-ペンローズの擬似逆行列内に統合され得る。制御システムは、
【数15】
の値がα,…,αに対して最小限になるように、各トルクセンサに加えられる重要性を決定することができ、式中、αは、n番目のトルクセンサから受信された官能データに加えられる重み付け値である。
【0096】
外科手術モード
侵襲的処置の間、外科手術ロボットアームは、外科手術モードで動作し得る。外科手術モードでは、外科手術器具は患者の体内にある。制御システムは、リモート外科医コンソール(図2に示されるリモート外科医コンソール220など)で受信された入力に応答して、構成を変更することができるように、外科手術ロボットアームに指令する。外科医は、例えば、1つ以上の外科医入力装置223を介して、リモートコンソール220に入力を提供し得る。
【0097】
外科手術モードで動作中の場合、制御システムにより、ロボットアームの特定の部分が、図4および5図を参照して説明されるものなどの、準拠するような挙動を呈することを引き起こすことができる。例えば、エルボジョイント304dの構成は、器具306の位置および向きが影響を受けない限り、本明細書に記載の方法で外部からの力に応答して変更することができる場合がある。ロボットアームが外科手術モードで動作している間に、かかる準拠するような挙動を可能にすることにより、例えば、手術室スタッフのメンバーが、処置中に患者にアクセスすることができるように、ロボットアームのエルボを移動させることが可能になる。かかる準拠するような挙動はまた、例えば、手術室スタッフのメンバーが外科手術ロボットアームに「衝突」した場合に、ロボットアームの構成を変更することを可能にする、有益な安全機能であってもよい。
【0098】
かかる準拠するような挙動を実装するために、制御システムは、ロボットの1つ以上の部分(例えば、リストジョイント304e~gのセット)に対して許容された面積または体積を定義することができ、それにより、外部から加えられた力またはトルクに応答するこれらの部分の運動は、許容された面積または体積内に制限される。許容された面積または体積は、外部から加えられた力またはトルクに応答する当該面積または体積内の運動が、器具306の位置および向きに影響を与えないように定義される。
【0099】
図4のステップ401を再び参照すると、外科手術モードでは、受信された官能データは、ロボットアームの一部分に対する重力の影響に起因する力またはトルク、ロボットアームのその部分における任意の振動、慣性、および/または加速度、外科手術ロボットアームの一部分における外部から加えられた力またはトルクに起因する力またはトルク、ならびにリモート外科医コンソールで受信された入力に応答して、制御システムによって駆動されるロボットアームに起因する、外科手術ロボットアームの一部分におけるさらなる力またはトルクを示し得る。したがって、官能データは最初に、ロボットアームの一部分に対する重力の影響によって引き起こされた力またはトルク、ならびに/またはロボットアームのその部分における任意の振動、慣性、および/もしくは加速度、ならびに/またはリモート外科医コンソールで受信された入力に応答して、ロボットアームを駆動するモータによって引き起こされたロボットアームの一部分における力またはトルクを斟酌するように調節され得る。例えば、ロボットアームの一部分に対する重力の影響を引き起こした力またはトルク、ならびにリモート外科医コンソールで受信された入力に応答して、ロボットアームを駆動するモータによって引き起こされた力またはトルクは、官能データから減算され得る。
【0100】
器具回収モード
器具回収モードは、患者の体から器具306を回収するために使用され得る。侵襲的処置が完了した後に、患者の体から器具を回収することが望ましい場合がある。処置中に患者の体から器具を回収することが望ましい場合もある。例えば、侵襲的処置中に外科手術ロボットアームに取り付けられた器具を変更または交換することが望ましい場合がある。つまり、異なる能力を有する異なる器具を使用するため、器具を変更することが望ましい場合があるか、またはロボットアームに取り付けられた器具に欠陥がある場合に器具を変更することが望ましい場合がある。
【0101】
器具回収モードでは、制御システムにより、外科手術ロボットアーム301が、図4および図5を参照して説明されるものなどの、準拠するような挙動を呈することを引き起こすことができる。制御システムにより、かかる準拠するような挙動を可能にすることができ、その結果、手術室スタッフのメンバーは、患者の体から器具を回収することができる。制御システムにより、ロボットアームの構成を、器具306が器具の長手方向軸と平行な軸に沿って患者の体から回収されることを可能にするように、外部から加えられた力またはトルク(例えば、手術室スタッフのメンバーによって加えられた手動の押す力または引っ張る力)に応答して変更させることができる。図3を参照すると、器具306の長手方向軸は、器具シャフト361と同一軸であってもよい。つまり、器具回収モードでは、制御システムは、ロボットアームの構成を、外部からの力に応答して変更させ得るが、外科手術器具がその長手方向軸に平行な方向および/または同一軸の方向に直線的にのみ移動し得るようにロボットアームの動きの自由度を制限し得る。器具306は、器具が回収されるときに患者の周囲組織への損傷または破壊を最小化または無効にするように、器具の長手方向軸と平行な軸に沿って患者の体から回収される。
【0102】
図7は、器具回収モードにおいて、外部から加えられた力に応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施されるステップのセットを示す流れ図である。制御システムは、図7に示されるステップのセットを複数回反復して実施するように構成され得る。つまり、制御システムは、ステップ701、702、および703を順番に実施し、その後ステップ701に戻って、その順番を反復することができる。言い換えれば、図7は、器具回収モードにおいて、外部から加えられた力またはトルクに応答して、外科手術ロボットアームの構成を変更するように制御システムによって実施される制御ループを示す流れ図である。
【0103】
器具回収モードを初期化すると、制御システムは、ロボットアームの一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントの回転位置を示す位置センサ307a~hのうちの1つ以上から官能データを受信し得る。その官能データを使用して、制御システムは、ロボットアームまたは器具のある点の位置、および定義された点と交差する外科手術器具の長手方向軸と平行な方向を決定し得る。点は、ロボットアームの遠位端に対して、または外科手術器具に対して定義され得る。
【0104】
ステップ701では、制御システムは、1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、外部から加えられた力またはトルクに起因する、定義された点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信する。本明細書に記載されるように、受信された官能データは、実際には、定義された点に対する重力の影響に起因する力またはトルク、ならびに/または定義された点における任意の振動、慣性、および/もしくは加速度、加えて定義された点における外部から加えられた力またはトルクに起因する力またはトルクも示し得る。したがって、官能データは最初に、ロボットアームの重力の影響を引き起こした力またはトルク、ならびに/またはロボットアームのその部分における任意の振動、慣性、および/もしくは加速度に対して調節され得る。
【0105】
ステップ702では、制御システムは、検知された力またはトルクの成分が、取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸に平行な方向に作用すると決定するように、検知された力またはトルクを解く。
【0106】
器具が、ジョイント304gの回転軸と一致する軸に沿って延在する実施例では、制御システムは、官能データを使用して、加えられた外部からの力が器具の長手方向軸と一致する(ひいては、長手方向軸と本質的に平行でもある)かどうかを決定することができる。器具が、ロボットアームの末端ジョイント304gの回転軸と平行に直線的に延在する(ただし、必ずしもその回転軸と同一軸である必要はない)実施例では、制御システムは、官能データを使用して、加えられた外部からの力が器具の長手方向軸に平行であるかどうかを決定することができる。
【0107】
検知された力またはトルクを解くために、制御システムは、図5を参照して説明されるものと同様の方法を実装し得る。つまり、官能データは、1つ以上のトルクセンサから受信され、外部から加えられた力またはトルクに起因する、定義された点における検知されたトルク状態を示し得る。次いで、制御システムは、検知されたトルク状態を、候補のトルク状態のセットのうちの選択されたトルク状態にマッピングすることによって、検知されたトルク状態を解くことができる。図5を参照して説明されるように、候補のトルク状態のセットの各トルク状態は、ヤコビ行列の画像の要素であってもよい。検知されたトルク状態を選択されたトルク状態にマッピングすると、制御システムは、外部から加えられた力またはトルクの結果として、定義された点において、外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用する力を示す、対応する力を決定することができる。器具回収モードでは、制御システムは、ヤコビ行列に、外科手術器具の長手方向軸に平行な軸の方向を表す列ベクトルを乗算するように構成され得、それにより、対応する力を決定する1つ以上の力は、外科手術器具の長手方向軸に平行な軸に沿って作用する力からなる(例えば、力のみを含む)。実施例5は、ステップ702がどのように実施され得るかを図示する詳細な実施例である。
【0108】
実施例5
【数16】
【0109】
図7に戻ると、ステップ703では、ロボットアームの構成が、解かれた力またはトルクの成分に準拠するか、当該成分を補償するか、または当該成分に適合するように変更されるように、指令信号を外科手術ロボットアームに送信してロボットアームを駆動する。例えば、実施例5に従って決定される力fは、外科手術ロボットアームの構成をどのように変更すべきかを決定するために、図4および実施例2を参照して説明される質量-ばね-ダンパモデルへの入力として使用され得る。力fは、定義された点において、外科手術器具の長手方向軸に平行な方向に作用する加えられた力またはトルクの成分のみを含み、実施例2に従って決定された、定義された点を駆動すべき位置は、外科手術器具の長手方向軸に平行な方向上にある。
【0110】
他のモード(本明細書では詳細に説明しない)では、1つ以上の異なる方向(例えば、器具シャフトの軸と直角をなす方向)に対して、図7を参照して説明される原理に従って、力を解くことができる。
【0111】
制御システムは、ロボットアームまたは器具上の定義された位置に依存して、停止位置を定義するようにさらに構成され得る。停止位置は、制御システムが、定義された点を患者に向かってさらに駆動することを許容しない、外科手術器具の長手方向軸と平行な方向上の位置であってもよい。停止位置の定義により、外科手術ロボットアームのオペレータ(例えば、臨床スタッフのメンバー)が、器具(例えば、回収中の器具、または回収された器具と交換された新しい器具)を患者の体内に押し込みすぎることを防止する。これにより、患者の損傷を防止することができる。
【0112】
制御システムは、外科手術器具を患者から完全に回収することができないと決定すると、任意選択で、外科手術ロボットアームのオペレータ(例えば、臨床スタッフのメンバー)に通知することができる。制御システムは、ジョイントのうちの1つ以上の現在の角度位置が、ジョイントの進行範囲の終わりに近すぎて、器具を患者の体から回収することができないということを、位置センサ307a~hからのデータを使用して決定することができる。制御システムは、器具回収モードが初期化されたとき、または器具回収モードの使用中に、この決定を行うことができる。器具回収モードを使用して、外科手術器具を患者から完全に回収することができない場合、制御システムにより、外科手術ロボットアームのジョイントのうちの1つ以上の位置を、器具の位置および向きが変化しないような方法で、ジョイントの進行範囲の中心に自動的に調節することができるか、または制御システムにより、外科手術ロボットアームを、1つ以上のジョイントがリモート外科医コンソール(図2に示されるリモート外科医コンソール220など)で受信された入力に応答して調節され得るように、外科手術モードで動作させることができる。
【0113】
制御システムにより、任意選択で、器具および/または器具取り付け部を、器具回収モードにあるときに回転可能にすることができる場合がある。つまり、器具を回収する際に、制御システムにより、器具の長手方向軸に平行な回転軸を有する一連のジョイントのうちのジョイント、例えば、ジョイント304gを回転させることができる場合がある。この回転の自由度により、手術室スタッフのメンバーが器具を除去および変更するのを助けることができる。例えば、オペレータが、器具を患者から回収しているときに、エンドエフェクタに対する障害物を取り除くように、器具を回転させることができることが望ましい場合があるか、またはオペレータが、代替の器具のための器具の変更を容易にするように、器具取り付け部を回転させることができることが望ましい場合がある。
【0114】
これを達成するために、制御システムは、ジョイント、例えば、ジョイント304gの角度変位を制御するために、図4および実施例1を参照して説明される方法を実施することもできる。制御システムは、この方法を、器具の長手方向軸に平行な方向に沿って定義された点の直線的な変位を制御することと独立して(例えば、別々に、しかし同時に)実施することができる。これは、ジョイント(例えば、ジョイント304g)が、定義された点よりも遠位に位置する場合に特に好適である場合がある。これは、そのジョイントの角度位置の変化が、定義された点の変位または向きの変化を引き起こさないためである。
【0115】
例えば、制御システムは、力またはトルクセンサから、外部から加えられた力またはトルクに起因する一連のジョイントのうちの外旋ジョイントで検知された力またはトルクを示す官能データを受信するようにさらに構成することができ、外旋ジョイントの回転軸は、外科手術器具の長手方向軸に平行である。任意選択で、制御システムは、図5を参照して説明される方法に従って、受信されたトルクの値を処理することができる。次いで、制御システムは、基準角度位置を使用して外旋ジョイントの角度位置を決定することができ、それによって、検知された力またはトルクが、外旋ジョイントを決定された角度位置に移動させることによって補償される。基準角度位置は、外旋ジョイントにおいて外部からの力が検知されない場合に、制御システムが、外旋ジョイントを駆動させるように構成されている角度位置である。制御システムは、実施例1を参照して説明される質量-ばね-ダンパモデルを使用して、角度位置を決定することができる。制御システムは、実施例1を参照して説明される質量-ばね-ダンパモデルを使用して、その位置へとジョイントを移動させる速度および加速度を決定することができる。制御システムは、指令信号を外科手術ロボットアームに送信して、決定された角度位置へと外旋ジョイントを駆動するように構成され得る。外旋ジョイントの「弾性的」および「可塑的」な挙動は、図4を参照して本明細書に記載されるように実装され得る。
【0116】
本明細書に記載のロボットアームは、外科手術以外の目的のために使用され得る。例えば、ポートは、自動車エンジンなどの製造品内の検査ポートであってもよく、ロボットは、エンジン内部を視認するための視認器具を制御し得る。
【0117】
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴および2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴または組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴または特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴または特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ロボットアームの制御システムであって、前記外科手術ロボットアームが、前記外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、前記ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、前記制御システムが、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、
前記点で、前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している前記検知された力またはトルクの成分を決定するように、前記検知された力またはトルクを解くこと、および
前記ロボットアームの前記構成が、前記解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動することによって、制御するように構成されている、制御システム。
【請求項2】
前記制御システムが、前記受信するステップ、前記解くステップ、および前記送信するステップを含む、制御ループを反復して実施するようにさらに構成されている、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御システムが、前記ロボットアームを、
前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具が患者の体の内側にある外科手術モード、および
前記外部から加えられた力またはトルク3に応答して、前記外科手術器具が前記患者の体から回収可能である器具回収モードで動作させるように構成されており、任意選択で、前記制御システムが、
前記器具回収モードでは、前記解かれた力またはトルクの成分に依存して、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動するようにさらに構成されており、そのため、前記外科手術器具が、前記患者の体から、前記外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に回収可能である、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御システムが、前記ロボットアームの前記遠位端に対して、または前記外科手術器具に対して、点を定義するようにさらに構成されており、任意選択で、前記外科手術ロボットアームが、1つ以上の位置センサをさらに備え、各位置センサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントの回転位置を検知するよう構成されており、前記制御システムが、前記器具回収モード初期化時に、
前記1つ以上の位置センサから、前記一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントの前記回転位置を示す官能データを受信することと、
前記官能データに依存して、前記定義された点の位置を決定することと、
前記官能データに依存して、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な方向を決定することであって、そのため、前記方向が、前記定義された点と交差する、決定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記官能データが、1つ以上のトルクセンサから受信され、かつ前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記ロボットアームの検知されたトルク状態を示し、前記制御システムが、
前記検知されたトルク状態を、候補のトルク状態のセットのうちの選択されたトルク状態にマッピングすること、および
前記選択されたトルク状態に対応する力を決定することであって、前記力が、前記外部から加えられた力またはトルクの結果として、前記定義された点で作用する力を示す、決定することによって、前記検知されたトルク状態を解くようにさらに構成されている、請求項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記候補のトルク状態のセットの各トルク状態が、ある力に対応し、各トルク状態が、前記各トルク状態のそれぞれの力とヤコビ行列との積であり、任意選択で、
前記候補のトルク状態のセットの各トルク状態が、前記ヤコビ行列の画像の要素である、および/または
前記ヤコビ行列が、前記一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントのジョイント角度の変化が前記ロボットアームの前記点の前記位置をどのように変化させるかを表す、請求項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記器具回収モードでは、前記制御システムが、前記ヤコビ行列に、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向を表す列ベクトルを乗算するように構成されており、そのため、前記1つ以上の力が、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向に沿って作用する力からなる、請求項に記載の制御システム。
【請求項8】
前記制御システムが、
前記ヤコビ行列のムーア-ペンローズの擬似逆行列を使用して、前記検知されたトルク状態を前記選択されたトルク状態にマッピングし、前記選択されたトルク状態に対応する前記力を決定するようにさらに構成されている、請求項6または7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記選択されたトルク状態が、前記検知されたトルク状態に対して最も低いユークリッド距離を有する前記候補のトルク状態のセットの前記トルク状態であるか、または前記選択されたトルク状態が、前記検知されたトルク状態に対して最も低い最小二乗距離を有する前記候補のトルク状態のセットの前記トルク状態である、請求項5~8のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項10】
前記制御システムが、
前記力および基準位置を使用して、前記定義された点の位置を決定することであって、それによって、前記外部から加えられた力またはトルクの結果として、前記定義された点で作用する前記力が、前記外科手術ロボットアームの前記構成を変更することによって補償されることになり、そのため、前記定義された点が、前記決定された位置に移動される、決定することと、
指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して、前記定義された点を前記決定された位置に駆動することと、
前記基準位置と前記決定された位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、前記基準位置を更新することと、を行うようにさらに構成されている、請求項5~9のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項11】
前記基準位置は、前記制御システムが、前記定義された点を、外部の力またはトルクが、前記定義された点で、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向に作用していないことを示す官能データが前記1つ以上のトルクセンサから受信されたときに駆動させるように構成されている、位置である、請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記制御システムが、前記定義された位置に依存して停止位置を定義するようにさらに構成されており、前記停止位置が、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向上の位置であり、前記停止位置では、前記制御システムが、前記定義された点を前記患者に向かってさらに駆動させてはならず、ならびに/または前記制御システムが、
前記外科手術器具を、前記一連のジョイントの各々の既知のジョイント範囲に対する前記一連のジョイントの前記ジョイントのうちの1つ以上の現在の回転位置を観察することによって、前記1つ以上の位置センサから受信した前記官能データに依存して、前記患者から完全に回収することができないと決定することと、
前記外科手術ロボットアームのユーザに通知することと、を行うようにさらに構成されている、請求項4~11のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項13】
前記制御システムが、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記一連のジョイントのうちの外旋ジョイントにおいて検知された力またはトルクを示す官能データを受信することであって、前記外旋ジョイントの回転軸が、前記外科手術器具の前記長手方向軸と平行である、受信すること、
基準角度位置を使用して前記外旋ジョイントの角度位置を決定することであって、それによって、前記検知された力またはトルクが、前記外旋ジョイントを前記決定された角度位置に移動させることによって補償されることになる、決定すること、
指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して、前記決定された角度位置へと前記外旋ジョイントを駆動すること、および
前記基準角度位置と前記決定された角度位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、前記基準角度位置を更新することによって、制御するようにさらに構成されている、請求項10~12のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項14】
前記基準角度位置は、前記制御システムが、前記外旋ジョイントを、外部の力またはトルクが前記外旋ジョイントで作用していないことを示す前記官能データが前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから受信されたときに駆動させるように構成されている、位置である、請求項13に記載の制御システム。
【請求項15】
外科手術ロボットアームを制御する方法であって、前記外科手術ロボットアームが、前記外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、前記ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、前記方法が、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、
前記点で、前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している前記検知された力またはトルクの成分を決定するように、前記検知された力またはトルクを解くこと、および
前記ロボットアームの前記構成が、前記解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動することによって、制御することを含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴および2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴または組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴または特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴または特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
外科手術ロボットアームの制御システムであって、前記外科手術ロボットアームが、前記外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、前記ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、前記制御システムが、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、
前記点で、前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している前記検知された力またはトルクの成分を決定するように、前記検知された力またはトルクを解くこと、および
前記ロボットアームの前記構成が、前記解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動することによって、制御するように構成されている、制御システム。
[態様2]
前記制御システムが、前記受信するステップ、前記解くステップ、および前記送信するステップを含む、制御ループを反復して実施するようにさらに構成されている、態様1に記載の制御システム。
[態様3]
前記制御システムが、前記ロボットアームを、
前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具が患者の体の内側にある外科手術モード、および
前記外部から加えられた力またはトルクに応答して、前記外科手術器具が前記患者の体から回収可能である器具回収モードで動作させるように構成されている、態様1または2に記載の制御システム。
[態様4]
前記制御システムが、
前記器具回収モードでは、前記解かれた力またはトルクの成分に依存して、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動するようにさらに構成されており、そのため、前記外科手術器具が、前記患者の体から、前記外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に回収可能である、態様3に記載の制御システム。
[態様5]
前記制御システムが、前記ロボットアームの前記遠位端に対して、または前記外科手術器具に対して、点を定義するようにさらに構成されている、態様3または4に記載の制御システム。
[態様6]
前記外科手術ロボットアームが、1つ以上の位置センサをさらに備え、各位置センサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントの回転位置を検知するよう構成されており、前記制御システムが、前記器具回収モード初期化時に、
前記1つ以上の位置センサから、前記一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントの前記回転位置を示す官能データを受信することと、
前記官能データに依存して、前記定義された点の位置を決定することと、
前記官能データに依存して、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な方向を決定することであって、そのため、前記方向が、前記定義された点と交差する、決定することと、を行うようにさらに構成されている、態様5に記載の制御システム。
[態様7]
前記官能データが、1つ以上のトルクセンサから受信され、かつ前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記ロボットアームの検知されたトルク状態を示し、前記制御システムが、
前記検知されたトルク状態を、候補のトルク状態のセットのうちの選択されたトルク状態にマッピングすること、および
前記選択されたトルク状態に対応する力を決定することであって、前記力が、前記外部から加えられた力またはトルクの結果として、前記定義された点で作用する力を示す、決定することによって、前記検知されたトルク状態を解くようにさらに構成されている、態様5または6に記載の制御システム。
[態様8]
前記候補のトルク状態のセットの各トルク状態が、ある力に対応し、各トルク状態が、前記各トルク状態のそれぞれの力とヤコビ行列との積である、態様7に記載の制御システム。
[態様9]
前記候補のトルク状態のセットの各トルク状態が、前記ヤコビ行列の画像の要素である、態様8に記載の制御システム。
[態様10]
前記ヤコビ行列が、前記一連のジョイントのうちの1つ以上のジョイントのジョイント角度の変化が前記ロボットアームの前記点の前記位置をどのように変化させるかを表す、態様8または9に記載の制御システム。
[態様11]
前記器具回収モードでは、前記制御システムが、前記ヤコビ行列に、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向を表す列ベクトルを乗算するように構成されており、そのため、前記1つ以上の力が、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向に沿って作用する力からなる、態様8~10のいずれか一項に記載の制御システム。
[態様12]
前記制御システムが、
前記ヤコビ行列のムーア-ペンローズの擬似逆行列を使用して、前記検知されたトルク状態を前記選択されたトルク状態にマッピングし、前記選択されたトルク状態に対応する前記力を決定するようにさらに構成されている、態様8~11のいずれか一項に記載の制御システム。
[態様13]
前記選択されたトルク状態が、前記検知されたトルク状態に対して最も低いユークリッド距離を有する前記候補のトルク状態のセットの前記トルク状態であるか、または前記選択されたトルク状態が、前記検知されたトルク状態に対して最も低い最小二乗距離を有する前記候補のトルク状態のセットの前記トルク状態である、態様7~12のいずれか一項に記載の制御システム。
[態様14]
前記制御システムが、
前記力および基準位置を使用して、前記定義された点の位置を決定することであって、それによって、前記外部から加えられた力またはトルクの結果として、前記定義された点で作用する前記力が、前記外科手術ロボットアームの前記構成を変更することによって補償されることになり、そのため、前記定義された点が、前記決定された位置に移動される、決定することと、
指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して、前記定義された点を前記決定された位置に駆動することと、
前記基準位置と前記決定された位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、前記基準位置を更新することと、を行うようにさらに構成されている、態様7~13のいずれか一項に記載の制御システム。
[態様15]
前記基準位置は、前記制御システムが、前記定義された点を、外部の力またはトルクが、前記定義された点で、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向に作用していないことを示す官能データが前記1つ以上のトルクセンサから受信されたときに駆動させるように構成されている、位置である、態様14に記載の制御システム。
[態様16]
前記制御システムが、前記定義された位置に依存して停止位置を定義するようにさらに構成されており、前記停止位置が、前記外科手術器具の前記長手方向軸に平行な前記方向上の位置であり、前記停止位置では、前記制御システムが、前記定義された点を前記患者に向かってさらに駆動させてはならない、態様6~15のいずれか一項に記載の制御システム。
[態様17]
前記制御システムが、
前記外科手術器具を、前記一連のジョイントの各々の既知のジョイント範囲に対する前記一連のジョイントの前記ジョイントのうちの1つ以上の現在の回転位置を観察することによって、前記1つ以上の位置センサから受信した前記官能データに依存して、前記患者から完全に回収することができないと決定することと、
前記外科手術ロボットアームのユーザに通知することと、を行うようにさらに構成されている、態様6~16のいずれか一項に記載の制御システム。
[態様18]
前記制御システムが、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記一連のジョイントのうちの外旋ジョイントにおいて検知された力またはトルクを示す官能データを受信することであって、前記外旋ジョイントの回転軸が、前記外科手術器具の前記長手方向軸と平行である、受信すること、
基準角度位置を使用して前記外旋ジョイントの角度位置を決定することであって、それによって、前記検知された力またはトルクが、前記外旋ジョイントを前記決定された角度位置に移動させることによって補償されることになる、決定すること、
指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して、前記決定された角度位置へと前記外旋ジョイントを駆動すること、および
前記基準角度位置と前記決定された角度位置との間の差が閾値変位よりも大きい場合、前記基準角度位置を更新することによって、制御するようにさらに構成されている、態様14~17のいずれか一項に記載の制御システム。
[態様19]
前記基準角度位置は、前記制御システムが、前記外旋ジョイントを、外部の力またはトルクが前記外旋ジョイントで作用していないことを示す前記官能データが前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから受信されたときに駆動させるように構成されている、位置である、態様18に記載の制御システム。
[態様20]
外科手術ロボットアームを制御する方法であって、前記外科手術ロボットアームが、前記外科手術ロボットアームの構成を変更することができる一連のジョイントと、前記ロボットアームの遠位端の外科手術器具のための取り付け部と、1つ以上の力センサまたはトルクセンサと、を備え、各力センサまたはトルクセンサが、前記一連のジョイントのうちのあるジョイントにおいて力またはトルクを検知するように構成されており、前記方法が、外部から加えられた力またはトルクに応答して変更されるように前記外科手術ロボットアームの前記構成を、
前記1つ以上の力センサまたはトルクセンサから、前記外部から加えられた力またはトルクに起因する、前記外科手術ロボットアームのある点で検知された力またはトルクを示す官能データを受信すること、
前記点で、前記取り付け部に取り付けられた外科手術器具の長手方向軸と平行な方向に作用している前記検知された力またはトルクの成分を決定するように、前記検知された力またはトルクを解くこと、および
前記ロボットアームの前記構成が、前記解かれた力またはトルクの成分に準拠するように変更されるように、指令信号を前記外科手術ロボットアームに送信して前記ロボットアームを駆動することによって、制御することを含む、方法。
【国際調査報告】