(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(54)【発明の名称】複合ウェブ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/53 20060101AFI20230502BHJP
A61F 13/531 20060101ALI20230502BHJP
D04H 3/16 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
A61F13/53 300
A61F13/531
D04H3/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559821
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 IB2021052609
(87)【国際公開番号】W WO2021198894
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】102020000006826
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102020000006835
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509349004
【氏名又は名称】ジーディーエム エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】GDM S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Battindarno, 91, I-40133 Bologna(IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】ザヴァッローニ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ピアントーニ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャルディーニ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】ロサーニ,マルコ
【テーマコード(参考)】
3B200
4L047
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA01
3B200BB03
3B200BB17
3B200DB02
3B200DB20
4L047AA13
4L047AA19
4L047AA29
4L047AB07
4L047AB08
4L047CA19
4L047CC04
4L047CC05
(57)【要約】
複合ウェブ(1)は、共に溶融され吹き付けられたエラストマーおよび親水性添加剤と、繊維の間に分散し且つ少なくとも部分的にそれに付着した粒状材料(4)とを含むメルトブローン繊維(3)の塊(2)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ウェブであって、
少なくとも、溶融され吹き付けられた第1の熱可塑性材料および前記第1の熱可塑性材料と共に溶融され吹き付けられた親水性添加剤を含むメルトブローン繊維(3)の塊(2)と、
前記繊維の間に分散し且つ少なくとも部分的に前記繊維に付着した粒状材料(4)と、を含み、
前記第1の熱可塑性材料はエラストマーであり、前記粒状材料(4)は吸収性または超吸収性材料を含む、複合ウェブ。
【請求項2】
前記エラストマーは、5重量%から30重量%の間の割合で前記繊維内に存在する、請求項1に記載の複合ウェブ。
【請求項3】
前記親水性添加剤は、1重量%から10重量%の間の割合で、好ましくは3重量%から6重量%の間の割合で存在する、請求項1または2に記載の複合ウェブ。
【請求項4】
前記粒状材料は、8から990gsmの間、好ましくは50から700gsmの間のグラム重で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合ウェブ。
【請求項5】
メルトブローン繊維(3)の前記塊(2)は、70重量%から95重量%の間の割合で存在する第2の熱可塑性材料を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合ウェブ。
【請求項6】
前記第2の熱可塑性材料は、1から2000の間のメルトフローレート、好ましくは1200のメルトフローレートを有する、請求項5に記載の複合ウェブ。
【請求項7】
前記第1の熱可塑性材料は、1から2000の間のメルトフローレート、好ましくは1200のメルトフローレートを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合ウェブ。
【請求項8】
前記繊維の直径は、0.1ミクロンから30ミクロンの間、好ましくは0.5ミクロンから10ミクロンの間である、請求項1から7のいずれか一項に記載の複合ウェブ。
【請求項9】
前記繊維のグラム重は、0.1gsmから300gsmの間、好ましくは1gsmから20gsmの間である、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合ウェブ。
【請求項10】
前記複合ウェブのグラム重は、50から1500gsmの間である、請求項1から9のいずれか一項に記載の複合ウェブ。
【請求項11】
前記粒状材料(4)が分散したメルトブローン繊維(3)の前記塊(2)に結合された少なくとも1つの補助ウェブ(5、6)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の複合ウェブ。
【請求項12】
前記補助ウェブ(5、6)は、不織布、例えばメルトブローンまたはスパンボンドである不織布の第1のウェブ(7)を含み、不織布の前記第1のウェブ(7)のグラム重は、好ましくは、1gsmから20gsmの間である、請求項11に記載の複合ウェブ。
【請求項13】
前記補助ウェブ(5、6)は、不織布、例えばエアスルーボンディング、ADL、ハイロフトである不織布の第2のウェブ(8)を含み、不織布の前記第2のウェブ(8)のグラム重は、好ましくは、10gsmから300gsmの間である、請求項11または12に記載の複合ウェブ。
【請求項14】
前記補助ウェブ(5、6)および/または不織布の前記第1のウェブ(7)および/または不織布の前記第2のウェブ(8)およびメルトブローン繊維(3)の前記塊(2)は、接着材料なしで接着されている、請求項11から13のいずれか一項に記載の複合ウェブ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の複合ウェブの片(103)を含む吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ウェブに関し、特に、溶融され吹き付けられた繊維および粒状材料、例えば吸収性または超吸収性材料を含む複合ウェブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において知られているのは、「メルトブローン」繊維として知られる溶融され吹き付けられた繊維と、粒状材料が、例えばばらばらの粒子の形態の粒状材料が閉じ込められたスパンボンドとを含む複合ウェブである。
【0003】
粒状材料は、例えば、吸収性または超吸収性ポリマー材料であってもよく、メルトブローン繊維およびばらばらの粒子を含む複合ウェブの例は、文献US6494974および文献EP0156160に記載および図示されている。
【0004】
吸収性(または超吸収性)材料とは、任意の液体を保持できる、または異物(固体、液体、または気体)を含む流体(液体または気体)を濾過できる材料を意味する。
【0005】
液体吸収性材料のばらばらの粒子が閉じ込められたメルトブローン繊維を含む複合ウェブに関して、同量の吸収性または超吸収性材料のばらばらの粒子が存在する場合の液体吸収能力を改善する、すなわち、吸収される液体の量を減らさずに使用される超吸収性材料のばらばらの粒子の量を減らす必要性が感じられる。
【発明の概要】
【0006】
これに関連して、本目的は、上記の必要性を満たすことができる、ばらばらの粒子、特に吸収性または超吸収性材料のばらばらの粒子が閉じ込められたメルトブローン繊維を含む複合ウェブを提案することである。
【0007】
より具体的には、本発明は、メルトブローン繊維と、ばらばらの粒子、例えば吸収性または超吸収性材料のばらばらの粒子とを含む複合ウェブであって、繊維内に分散して閉じ込められたばらばらの粒子の量が複合ウェブの期待される性能に従って最適化された複合ウェブを提供することを目的とする。
【0008】
この目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を含む複合ウェブによって達成される。従属請求項は、本発明の可能な種々の実施形態に対応する。
【0009】
一態様によれば、本発明は、溶融され吹き付けられた第1の熱可塑性材料を含むメルトブローン繊維の塊と、繊維の間に分散し且つ少なくとも部分的にそれに接着した粒状材料とを含む複合ウェブに関する。
【0010】
本開示の一態様によれば、第1の熱可塑性材料はエラストマーまたはエラストマー材料である。
【0011】
実際には、複合ウェブは、少なくとも1つの熱可塑性エラストマー材料から形成されたメルトブローンウェブである。
【0012】
一実施形態では、複合ウェブは、複合ウェブを親水性にするために、第1の熱可塑性材料と一緒に溶融され吹き付けられた親水性添加剤を含み得る。
【0013】
複合ウェブを親水性にするための添加剤は、有利なことに、特に粒状材料が吸収性または超吸収性材料を含む場合に使用可能である。
【0014】
このような用途では、繊維の親水性により、ウェブに吸収されなければならない液体が繊維の間に分散した吸収性または超吸収性材料、例えば超吸収性ポリマー(SAP)に効果的に達することが可能になる。
【0015】
エラストマーは、繊維を適切に弾性にする、すなわち、SAPが吸収して膨張するときにSAPに追従するのに十分な柔軟性を持たせると同時に、それを繊維マトリクス内に保持してそれが失われるのを防ぐ。
【0016】
そのように、例えば、本開示による複合ウェブが衛生用途向けの吸収性製品(おむつ)の吸収性パッドを製造するために使用される場合、とりわけ、パッドの完全性が有利なことに改善される。
【0017】
さらに、エラストマーの特性のおかげで、繊維はより大きく変形でき、したがって、自由に膨張でき、繊維が拘束されている場合よりも多くの液体を吸収できる。したがって、同量の液体を吸収するのに必要なSAPは少なくなる。
【0018】
本開示の一態様によれば、繊維の適切に縮小された直径は、SAPの膨張に追従するのに十分な弾性を付与することに寄与する。
【0019】
本開示の一態様によれば、繊維の適切な密度、すなわち、複合ウェブに存在する繊維の数により、ウェブはSAPの膨張に、より追従できるようになる。実際には、SAP粒子は、それらの周りに分散した繊維が少ないほど、より自由に膨張できる。
【0020】
本開示の一態様によれば、複合ウェブは、繊維内に第2の熱可塑性材料を含む。
【0021】
本開示の一態様によれば、複合ウェブは、粒状材料が分散したメルトブローン繊維の塊に結合された補助ウェブを含む。
【0022】
有利なことに、繊維内に存在するエラストマーのおかげで、膠も接着剤も使用せずに、補助ウェブとメルトブローン繊維の塊とを結合することができる。実際には、特に押し出しおよび吹き付け中、エラストマーは、粘着性を持ち、繊維が補助ウェブに付着するのを可能にする。
【0023】
繊維内に超吸収性材料が分散している場合、一般的に言えば、補助ウェブは、超吸収性材料を組み込んだ繊維の塊とパッドとを共に保持するのに寄与する。
【0024】
一態様によれば、本開示は、本開示に従って製造された複合ウェブの一片を含む吸収性パッドを備えた吸収性物品、例えばおむつに関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、メルトブローン繊維および粒状材料を含む複合ウェブの好ましいが非排他的な実施形態についての以下の例示的、したがって非限定的な説明においてより明らかである。
【0026】
本明細書は、本発明の範囲を制限することなく例示の目的でのみ提供される添付の図面を参照して以下に説明される。
【
図1】メルトブローン繊維およびその中に分散した粒状材料を含む複合ウェブの概略側面図を示す。
【
図2】メルトブローン繊維およびその中に分散した粒状材料を含む複合ウェブの、第1の動作状態における顕微鏡画像を示す。
【
図3】第2の動作状態における
図1の複合ウェブを示す。
【
図4】メルトブローン繊維およびその中に分散した粒状材料を含む複合ウェブを含む吸収性物品の概略平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付の図面を参照すると、数字1は、本開示による複合ウェブを示す。
【0028】
ウェブ1は、メルトブローンまたはスパンボンドとして知られるタイプのものであり、すなわち、熱可塑性材料を押し出し吹き付けることによって得られる。
【0029】
ウェブ1は、メルトブローン繊維3の塊またはバルクまたはマトリクス2を含む。
【0030】
好ましい実施形態では、繊維3の直径は、0.1ミクロンから30ミクロンの間、好ましくは0.5ミクロンから10ミクロンの間である。
【0031】
好ましい実施形態では、繊維3のグラム重は、0.1gsmから300gsmの間、好ましくは1gsmから20gsmの間である。
【0032】
繊維3は、少なくとも1つのメルトブローン熱可塑性材料、すなわちウェブ1を作るために押出機に入れられる熱可塑性材料を含む。
【0033】
好ましい実施形態では、熱可塑性材料は、好ましくはポリマー、例えば、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)であり、好ましくは70重量%から95重量%の間の割合で繊維3内に存在する。
【0034】
熱可塑性材料は、1から2000の間、好ましくは1200のメルトフローレートを有する。
【0035】
本発明によれば、繊維3はエラストマー、すなわち、機械的応力下での変形に対する抵抗を減少させるという意味で繊維3の弾性を減少させることができる物質を含む。
【0036】
エラストマーは、個別に溶融され吹き付けられ(したがって、熱可塑性材料のすべてを構成し)てもよいし、別の熱可塑性材料と共に溶融され吹き付けられてもよいし、または2つ以上の熱可塑性材料と共に溶融され吹き付けられてもよい(すなわち、エラストマーはメルトブローンウェブ1を作るために押出機に入れられる)。
【0037】
一般的に言えば、熱可塑性材料は、溶融され吹き付けられるのに適した熱可塑性材料である。好ましくは、熱可塑性材料または複数の熱可塑性材料は、非網羅的な例として、次の材料群から選択され得る。すなわち、ポリプロピレンおよび誘導体、ポリエチレンおよび誘導体、ポリ乳酸および誘導体、ポリヒドロキシアルカノエートおよび誘導体、セルロースおよび誘導体、セルロースアセテートおよび誘導体、デンプンおよび誘導体、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、熱可塑性バイオポリマー全般、ポリオキシメチレンおよび誘導体、ポリスルホンおよび誘導体、メタクリレートおよび誘導体から選択され得る。
【0038】
エラストマーは、少なくとも1つの別の熱可塑性材料と共に押し出される場合、すなわち、それ自体が熱可塑性材料を構成する場合、特に繊維3の弾性を低下させる、すなわち繊維3をより柔軟で成形し易くする働きをする。
【0039】
好ましい実施形態では、繊維3は、上述のように、特に弾性を有するように、弾性熱可塑性材料、例えばVistamaxx(登録商標)から完全に作られてもよい。
【0040】
言い換えれば、好ましい実施形態では、エラストマー自体が第1の熱可塑性材料を構成する、すなわち、塊2は、実質的に完全にエラストマーでできていてもよい。
【0041】
一実施形態では、エラストマーは、繊維内に5重量%から30重量%の間の割合で存在し、少なくとも1つの他の熱可塑性材料と組み合わされる。
【0042】
ウェブ1は、繊維3の間に分散し且つ少なくとも部分的に繊維3に付着した粒状材料4を含む。
【0043】
粒状材料は、8から990gsmの間、好ましくは50から700gsmの間のグラム重で複合ウェブ1内に存在する。
【0044】
好ましい実施形態では、粒状材料4は、本質的に液体を吸収することを意図した吸収性または超吸収性材料、例えばSaviva B3などのSAPを含む。
【0045】
有利なことに、繊維3内に存在する、または繊維自体を構成するエラストマーは、特にメルトブロー中に、繊維を特に粘着性にする。
【0046】
このようにして、粒状材料4は繊維により良く付着し、繊維によって保持される。
【0047】
繊維3のグラム重および直径は、粒状材料の保持に寄与するそれらの分散を少なくとも部分的に決定する。
【0048】
好ましい実施形態では、繊維3は、繊維を親水性にする親水性添加剤を含む。
【0049】
親水性添加剤は、押出機に加えられてもよいし、例えば、メルトブロープロセス後に塊2に噴霧されてもよい。
【0050】
親水性添加剤が押出機に加えられる場合、親水性添加剤は水性であっても非水性であってもよい。
【0051】
好ましくは、親水性添加剤は、熱可塑性材料およびエラストマーと共に押し出される。
【0052】
親水性添加剤は、繊維3内に1重量%から10重量%の間の割合で、好ましくは3重量%から6重量%の間の割合で存在する。
【0053】
複合ウェブ1は、全体として、好ましくは50から1500gsmの間のグラム重を有する。
【0054】
例示的な実施形態では、繊維3はポリマー材料、親水性添加剤およびエラストマーを含み、粒状材料は吸収性または超吸収性材料を含む。ウェブ1は、例えば、乾燥状態および液体を吸収した後の湿潤状態をそれぞれ示す
図2および
図3に示される複合メルトブローン吸収性ウェブを規定する。
【0055】
このようにして製造された複合ウェブ1は、例えば、吸収性衛生用品、さらには食品関連または医療用途向けの吸収性パッドを製造するために使用され得る。
【0056】
有利なことに、上述のように、繊維3は、別の例では、エラストマーのみをメルトブローすることによって製造されてもよい。
【0057】
繊維3内に存在するエラストマー、したがって、その弾性、グラム重および直径は、吸収性材料が膨張したときに吸収性材料を共に保持するのに寄与し、したがって、湿潤完全性(wet integrity)と呼ばれるものを最適化して、これは例えば、従来のセルロース製パッドの値が10から80の間であるのに対し、100を超えた値に十分に達し得る。
【0058】
弾性および/または繊維の直径および/または繊維の密度の減少は、アクティブなSAPの割合を最大化し、それに対する制約を減らし、液体の吸収中に損失なく自由に膨張させることに寄与する。
【0059】
以下に説明するように、SAPに対する制約の低減は、従来技術の解決策と比較して高い「自由吸収」および「遠心分離保持容量」(CRC)として知られるものを測定することによって、したがって、SAPの使用量が向上していることを割合で示すことによって、出願人によって確認された。
【0060】
したがって、有利なことに、複合ウェブ1の吸収能力は、従来の吸収ウェブの同量の吸収性材料よりも改善される。
【0061】
SAP損失はまた、非常に限られており、つまり、乾燥完全性(dry integrity)が1%未満に大幅に改善されている。
【0062】
実際には、従来技術の解決策と比較して、SAP損失(乾燥完全性)、SAP使用容量および湿潤完全性は、単一の製品において、すべて非常に限られている。
【0063】
ウェブを親水性にするために使用される添加剤は、押出中に加えられる代わりにメルトブローンウェブに噴霧されてもよい。粒状材料がSAPなどの超吸収性材料である場合、超吸収性材料自体と相互作用しないように、添加剤は非水性でなければならない。
【0064】
図1に破線で示されるように、好ましい実施形態では、複合ウェブ1は、粒状材料4が分散したメルトブローン繊維の塊2に結合された少なくとも1つの補助ウェブ5および/または6を含み得る。
【0065】
複合ウェブ1が補助ウェブ5および6の両方を含む実施形態では、これらは、特に複合ウェブ1が吸収性タイプのもの、好ましくは上記のような吸収性タイプのものである場合に、「コアカバー」として知られるものを形成し得る。
【0066】
そのような場合、ウェブ5および6は、粒状材料4を保持することおよび複合ウェブ1の強度に寄与する。
【0067】
好ましくは、補助ウェブ5および/または6は、例えばメルトブローンまたはスパンボンドの不織布のウェブ7を含み、不織布のウェブ7は、好ましくは1gsmから20gsmの間のグラム重を有する。
【0068】
一実施形態では、複合ウェブ1は、例えば吸収分散層(ADL)またはハイロフトタイプの不織布のウェブ8を含む少なくとも1つの補助ウェブ5または6を含む。
【0069】
好ましくは、不織布のウェブ8は、10gsmから300gsmの間のグラム重を有し、SAPを保持して複合ウェブ1の強度および柔軟性を高め、吸収された液体を分配する働きをし得る。
【0070】
有利なことに、一実施形態では、補助ウェブ5および/または6、すなわち不織布のウェブ7、8と繊維3の塊2とは、接着剤なしで結合される。
【0071】
より具体的には、繊維3内に存在するエラストマーは、塊2を補助ウェブ5および/または6に接合することを可能にする。
【0072】
好ましくは、そのような場合、繊維3が溶融され吹き付けられるときに、繊維3は、補助ウェブ5または6上に直接堆積されて、例えば、複合ウェブ1を含む吸収性パッドにおける表面層または吸収層として機能する支持層を規定する。
【0073】
一実施形態では、補助ウェブ5および/または6はセルロースを含む。
【0074】
以下に記載するのは、好ましくは吸収性パッドまたはコアを作ることを意図した、本開示による複合ウェブの3つの例である。
【0075】
各例について、出願人が検出した特徴および関連する性能特性の概要が提供される。
【0076】
「SAPの使用量」として知られているものは、複合ウェブの遠心分離保持容量(CRC)と純粋なSAPのCRCとの間の割合で表される比率、および/または、複合ウェブによって得られた自由吸収と純粋なSAPの自由吸収との間の割合で表される比率として推定された。
【0077】
遠心分離保持容量はEdana標準法 NWSP 2410R2に従って測定され、自由吸収はEdana標準法 NWSP 2400R2に従って測定された。以下の表は、ウェブのCRC/純粋なSAPのCRCとして計算されたSAPの使用量を示す。
【0078】
引張強度は、Edana標準法 110.4.R0で測定された。
【0079】
湿潤完全性は、吸収性コアの完全性を試験するための標準的な実験方法がないので、業界でよく知られているPhilip Hardyの装置を使用して、社内の方法に従って試験された。
【0080】
この場合、各試験片の重量を量り、塩化ナトリウム(NaCl)50mlをその上に注いだ後、15分間静置した。試験片を試験装置に吊るし、吸収性構造の破損および破損が始まった時間を記録した。
【0081】
乾燥完全性も、出願人の社内の方法を使用して試験され、ドライ製品中のSAP損失が測定された。
【0082】
試験片またはサンプルは複合ウェブ1から切り出されて量られた。
【0083】
試験片は3回振られて、落ちたSAPの量が測定された。SAP損失は、落ちたSAPと試験片の総重量との比率として計算された。
【0084】
有利なことに、本開示による複合ウェブは、湿潤完全性および乾燥完全性の両方に関して優れた結果を得た。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
図4を参照すると、数字100は、本発明を理解するために必要な範囲でのみ説明される、本開示による吸収性物品(例えばおむつ)を示す。
【0089】
吸収性物品100は、吸収性部分またはパッド101と、吸収性パッド101が配置されたフレーム102とを含む。
【0090】
パッド101は、前述の複合ウェブ1の片103を含む。
【0091】
より具体的には、片103は、繊維の塊内に少なくとも1つのエラストマーと、繊維内に分散した粒状材料の形態の超吸収性材料とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】US6494974
【特許文献2】EP0156160
【国際調査報告】