IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイトダンス インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-519760映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知
<>
  • 特表-映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知 図1
  • 特表-映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知 図2
  • 特表-映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知 図3
  • 特表-映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知 図4
  • 特表-映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知 図5
  • 特表-映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知 図6
  • 特表-映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(54)【発明の名称】映像ピクチャヘッダにおけるフィルタリングパラメータ信号通知
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/86 20140101AFI20230502BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20230502BHJP
   H04N 19/186 20140101ALI20230502BHJP
【FI】
H04N19/86
H04N19/70
H04N19/186
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565702
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2021029416
(87)【国際公開番号】W WO2021222260
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/017,499
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520477474
【氏名又は名称】バイトダンス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BYTEDANCE INC.
【住所又は居所原語表記】12655 West Jefferson Boulevard, Sixth Floor, Suite No. 137 Los Angeles, California 90066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン イェクイ
(72)【発明者】
【氏名】シュー ジジョン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA04
5C159MA05
5C159MC11
5C159ME01
5C159PP04
5C159PP16
5C159RB09
5C159RC11
5C159UA02
5C159UA05
5C159UA16
(57)【要約】
映像処理のための方法および装置が記載される。映像処理は、映像符号化、映像復号、又は映像コーディングを含み得る。一例の映像処理方法は、映像の映像ピクチャと映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。第1の映像ユニット内の1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、第1の映像ユニット内の1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の構文要素とが、ビットストリームに含まれていない第1の構文要素および第2の構文要素に応じて規則に従って決定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像の映像ピクチャと前記映像のビットストリームとの変換を行うこと、を含む映像処理方法であって、
前記変換は、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
映像処理方法。
【請求項2】
前記彩度成分はcb成分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記彩度成分はcr成分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の映像ユニットレベルはピクチャヘッダであり、前記第2の映像ユニットレベルはピクチャパラメータセットである、
請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1の映像ユニットはピクチャであり、前記第2の映像ユニットは1つ以上のピクチャを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の映像ユニットレベルはスライスヘッダであり、前記第2の映像ユニットレベルはピクチャヘッダである、
請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1の映像ユニットはスライスであり、前記第2の映像ユニットはピクチャである、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在することに応じて、前記構文フラグは1に等しい、
請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットから省略されることに応じて、前記構文フラグは0に等しい、
請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む、
請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記変換は、前記ビットストリームから前記映像を復号することを含む、
請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
映像の映像ピクチャから前記映像のビットストリームを生成すること、を含む映像のビットストリームを記憶する方法であって、
前記生成することは、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、映像のビットストリームを記憶する、
方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の方法を実装するように構成された処理装置を備える、
映像復号装置。
【請求項14】
請求項1~12のいずれかに記載の方法を実装するように構成された処理装置を備える、
映像符号化装置。
【請求項15】
コンピュータコードが記憶されたコンピュータプログラム製品であって、前記コードは、処理装置により実行されると、前記処理装置に、請求項1~12のいずれかに記載の方法を実装させる、
コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
映像処理装置で行われる方法により生成される映像のビットストリームを記憶する非一時的なコンピュータ可読記録媒体であって、
前記方法は、前記映像の映像ピクチャから前記映像のビットストリームを生成すること、を含み、
前記生成することは、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
非一時的なコンピュータ可読記録媒体。
【請求項17】
本明細書に記載の方法、装置またはシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
パリ条約に基づく適用可能な特許法および/または規則に基づいて、本願は、2020年4月29日出願の米国特許仮出願第63/017499号の優先権および利益を適時に主張することを目的とする。法に基づくすべての目的のために、上記出願の開示全体は、本明細書の開示の一部として参照により援用される。
【0002】
この特許明細書は、画像および映像コーディングおよび復号に関する。
【背景技術】
【0003】
デジタル映像は、インターネットおよび他のデジタル通信ネットワークにおいて最大の帯域幅の使用量を占めている。映像を受信および表示することが可能である接続されたユーザ機器の数が増加するにつれ、デジタル映像の使用に対する帯域幅需要は増大し続けることが予測される。
【発明の概要】
【0004】
本願は、コーディングされた表現の復号に有用な制御情報を使用して、映像のコーディングされた表現を処理するために、映像エンコーダおよびデコーダにより使用され得る技術を開示する。
【0005】
1つの例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像の映像ピクチャと映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。この変換は、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含む。第1の映像ユニット内の1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、第1の映像ユニット内の1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の構文要素とが、ビットストリームに含まれていない第1の構文要素および第2の構文要素に応じて規則に従って決定される。この規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、第2の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、
(2)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、第1の構文要素は、第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、第2の構文要素は、第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する。
【0006】
1つの例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上の映像ブロックを含む映像と映像のコーディングされた表現との変換を行うことを含み、この変換は、フォーマット規則に従ってコーディングされた表現において、そのパラメータが信号通知されるデブロッキングフィルタを用いて再構成された映像ブロックを選択的にフィルタリングするデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、フォーマット規則は、彩度成分に対して用いられるデブロッキングフィルタのパラメータがコーディングされた表現から推論される推論規則を含む。
【0007】
さらに別の例示的な態様において、映像エンコーダ装置が開示される。この映像エンコーダは、上述した方法を実装するように構成された処理装置を備える。
【0008】
さらに別の例示的な態様において、映像デコーダ装置が開示される。この映像デコーダは、上述した方法を実装するように構成された処理装置を備える。
【0009】
さらに別の例示的な態様では、コードが記憶されたコンピュータ可読媒体が開示される。このコードは、本明細書に記載の方法の1つを処理装置が実行可能なコードの形式で実施する。
【0010】
これらのおよび他の特徴は、本明細書全体にわたって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】映像処理システム例を示すブロック図である。
図2】映像処理装置のブロック図である。
図3】映像処理方法の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明のいくつかの実施形態による映像コーディングシステムを示すブロック図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態によるエンコーダを示すブロック図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態によるデコーダを示すブロック図である。
図7】本技術にしたがって映像処理の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、理解を容易にするために章の見出しを使用しており、その技術および各章に記載された実施形態の適用可能性をその章のみに限定するものではない。さらに、H.266という用語は、ある説明において、理解を容易にするためだけに用いられ、開示される技術の範囲を限定するために用いられたものではない。このように、本明細書で説明される技術は、他の映像コーデックプロトコルおよび設計にも適用可能である。
【0013】
1. 概要
本明細書は、映像コーディング技術に関する。具体的には、デブロッキングパラメータの信号通知の改善に関する。この考えは、個々に又は様々な組み合わせで、マルチレイヤ映像コーディング、例えば、現在開発されているVVC(Versatile Video Coding)をサポートする任意の映像コーディング規格又は非標準映像コーデックに適用されてもよい。
【0014】
2. 略語
ALF Adaptive Loop Filter(適応ループフィルタ)
APS Adaptation Parameter Set(適応パラメータセット)
AU Access Unit(アクセスユニット)
AUD Access Unit Delimiter(アクセスユニット区切り文字)
AVC Advanced Video Coding(高度映像コーディング)
CLVS Coded Layer Video Sequence(コーディングされたレイヤ映像シーケンス)
CPB Coded Picture Buffer(コーディングされたピクチャバッファ)
CRA Clean Random Access(クリーンランダムアクセス)
CTU Coding Tree Unit(コーディングツリーユニット)
CVS Coded Video Sequence(コーディングされた映像シーケンス)
DCI Decoding Capability Information(復号能力情報)
DPB Decoded Picture Buffer(復号されたピクチャバッファ)
DU Decoding Unit(復号ユニット)
EOB End Of Bitstream(ビットストリーム終端)
EOS End Of Sequence(シーケンス終端)
GDR Gradual Decoding Refresh(漸次的復号リフレッシュ)
HEVC High Efficiency Video Coding(高効率映像コーディング)
HRD Hypothetical Reference Decoder(仮想参照デコーダ)
IDR Instantaneous Decoding Refresh(瞬時復号リフレッシュ)
JEM Joint Exploration Model(共同探索モデル)
LMCS Luma Mapping with Chroma Scaling(彩度スケーリングを伴う輝度マッピング)
MCTS Motion-Constrained Tile Sets(動き制約タイルセット)
NAL Network Abstraction Layer(ネットワーク抽象化レイヤ)
OLS Output Layer Set(出力レイヤセット)
PH Picture Header(ピクチャヘッダ)
PPS Picture Parameter Set(ピクチャパラメータセット)
PTL Profile, Tier and Level(プロファイル、層およびレベル)
PU Picture Unit(ピクチャユニット)
RADL Random Access Decodable Leading(Picture) (ランダムアクセス復号可能リード)(ピクチャ)
RAP Random Access Point(ランダムアクセスポイント)
RASL Random Access Skipped Leading(Picture) (ランダムアクセススキップリード)(ピクチャ)
RBSP Raw Byte Sequence Payload(生バイトシーケンスペイロード)
RPL Reference Picture List(参照ピクチャリスト)
SAO Sample Adaptive Offset(サンプル適応オフセット)
SEI Supplemental Enhancement Information(補足強化情報)
SPS Sequence Parameter Set(シーケンスパラメータセット)
STSA Step-wise Temporal Sublayer Access(段階的時間的サブレイヤアクセス)
SVC Scalable Video Coding(スケーラブル映像コーディング)
VCL Video Coding Layer(映像コーディングレイヤ)
VPS Video Parameter Set(映像パラメータセット)
VTM VVC Test Model(VVC試験モデル)
VUI Video Usability Information(映像ユーザビリティ情報)
VVC Versatile Video Coding(汎用映像コーディング)
【0015】
3. 初期の協議
映像コーディング規格は、主に周知のITU-TおよびISO/IEC規格の開発によって発展してきた。ITU-Tは、H.261およびH.263を作り、ISO/IECは、MPEG-1およびMPEG-4Visualを作り、両団体は、H.262/MPEG-2VideoとH.264/MPEG-4AVC(Advanced Video Coding)とH.265/HEV規格を共同で作った。H.262以来、映像コーディング規格は、時間予測と変換コーディングが利用されるハイブリッド映像コーディング構造に基づく。HEVCを超えた将来の映像コーディング技術を探索するため、2015年には、VCEGとMPEGが共同でJVET(Joint Video Exploration Team)を設立した。それ以来、多くの新しい方法がJVETによって採用され、JEM(Joint Exploration Model)と呼ばれる参照ソフトウェアに組み込まれてきた。JVETは四半期に1回開催され、新しいコーディング規格は、HEVCに比べて50%のビットレート低減を目指している。2018年4月のJVET会議において、新しい映像コーディング規格を「VVC(Versatile Video Coding)」と正式に命名し、その時、第1版のVVCテストモデル(VTM)をリリースした。VVCの標準化に寄与する努力が続けられているため、すべてのJVET会議において、VVC規格に新しいコーディング技術が採用されている。毎回の会議の後、VVC作業草案およびテストモデルVTMを更新する。VVCプロジェクトは、現在、2020年7月の会合における技術完成(FDIS)を目指している。
【0016】
3.1. パラメータセット
AVC、HEVC、VVCはパラメータセットを規定する。パラメータセットのタイプは、SPS、PPS、APS、VPS等である。SPS、PPSは、AVC、HEVC、VVCのすべてにおいてサポートされている。VPSは、HEVCから導入されたものであり、HEVCおよびVVCの両方に含まれる。APSは、AVCまたはHEVCに含まれていなかったが、最近のVVC草案のテキストに含まれている。
【0017】
SPSは、シーケンスレベルのヘッダ情報を伝送するように設計され、PPSは、頻繁に変化しないピクチャレベルのヘッダ情報を伝送送するように設計された。SPSおよびPPSを用いると、シーケンスまたはピクチャごとに頻繁に変化する情報を繰り返す必要がないので、この情報の冗長な信号通知を回避することができる。さらに、SPSおよびPPSを使用することは、重要なヘッダ情報の帯域外伝送を有効化し、それにより、冗長な伝送の必要性を回避するだけでなく、誤り耐性を改善する。
【0018】
VPSは、マルチレイヤのビットストリームのすべてのレイヤに共通するシーケンスレベルのヘッダ情報を伝送するために導入された。
【0019】
APSは、コーディングするためにかなりのビットを必要とし、複数のピクチャによって共有され得る、このようなピクチャレベルまたはスライスレベルの情報を伝送するために導入された。そして、シーケンスにおいて、非常に多くの異なる変形例が存在し得る。
【0020】
3.2. VVCにおけるスライスヘッダおよびピクチャヘッダ
HEVCと同様に、VVCにおけるスライスヘッダは、特定のスライスに関する情報を伝達する。これは、スライスアドレス、スライスタイプ、スライスQP、ピクチャオーダカウント(POC)最下位ビット(LSBs)、RPSおよびRPL情報、重み付け予測パラメータ、ループフィルタリングパラメータ、タイルのエントリオフセット、およびWPPなどを含む。
【0021】
VVCは、特定のピクチャのためのヘッダパラメータを含むピクチャヘッダ(PH)を導入した。各ピクチャは、1つのPHまたは1つのPHのみを有する必要がある。PHは、基本的に、PHが導入されなかったとした場合に、それぞれが1つのピクチャのすべてのスライスに対して同じ値を有するとき、スライスヘッダにあったであろうパラメータを伝送する。これらは、IRAP/GDRピクチャ指示、インター/イントラスライス許可フラグ、POC LSB、およびオプションとしてPOC MSB、RPL情報、デブロッキング、SAO、ALF、QPデルタ、および重み予測、コーディングブロック分割情報、仮想境界、同一位置ピクチャ情報等に関する情報等を含む。ピクチャのシーケンス全体における各ピクチャは、1つのスライスのみを含むことが多い。このような場合、各ピクチャに少なくとも2つのNALユニットを有することを許可しないために、PH構文構造は、PH NALユニット又はスライスヘッダのいずれかに含めることができる。
【0022】
VVCにおいて、時間的動きベクトル予測に使用される同一位置のピクチャの情報は、ピクチャヘッダ又はスライスヘッダのいずれかにおいて信号通知される。
【0023】
3.3 VVCにおけるデブロッキングフィルタ(DB)
VVCにおいて、CU、TU、サブブロックの境界に隣接するサンプルにデブロッキングフィルタが適用されるが、境界がピクチャ境界でもある場合、またはスライス、タイル、サブピクチャの境界でデブロッキングが無効になっている場合(これはエンコーダから信号通知できるオプションである)は除く。デブロッキングフィルタリング処理は、CU境界と変換サブブロック境界には4x4グリッド、予測サブブロック境界には8x8グリッドで適用される。予測サブブロック境界には、SbTMVPモードとアフィンモードによってもたらされる予測単位境界が含まれ、変換サブブロック境界には、SBTモードとISPモードによって導入される変換ユニット境界と、大規模なCUの暗黙の分割による変換が含まれる。デブロッキングフィルタの処理順序は、HEVCと同様に、まずピクチャ全体の垂直方向のエッジに対して水平方向のフィルタリングを行い、次に水平方向のエッジに対して垂直方向のフィルタリングを行うように定義されている。この順序により、複数の水平フィルタリングまたは垂直フィルタリング処理を並列スレッドで適用したり、CTB単位で実装したりしてもわずかな処理遅延で済むようになる。
【0024】
VVCは、ロングデブロッキングフィルタを規定する。このフィルタリング処理は、HEVCと同様である。デブロッキングフィルタの境界フィルタ強度(bS)は、隣接する2つのブロックの複数の構文要素の値によって制御され、フィルタ強度と隣接ブロックの平均量子化パラメータに応じて、2つの閾値tCとβがあらかじめ定義されたテーブルから決定される。輝度サンプルについては、βとブロックサイズに基づいて、フィルタリングなし、弱フィルタリング、ショートストロングフィルタリング、ロングストロングフィルタリングの3つの4つのケースから1つを選択する。彩度サンプルに対して、フィルタリングなし、通常フィルタリング、強フィルタリングの3つのケースがある。VVCにおいて、HEVCと比較して、輝度サンプルに対するロングストロングフィルタリングと彩度サンプルに対する強フィルタリングが新たに導入される。ロング輝度ストロングフィルタリングは、境界の片側のサンプルが1つの大きなブロックに属する場合に使用される。大型ブロックに属するサンプルは、垂直エッジに対する幅が32以上、または水平エッジに対する高さが32以上として定義される。強フィルタでは、境界の片側で最大7サンプルまでフィルタリングされる。ストロング彩度フィルタリングは、彩度エッジの両側が8以上(彩度サンプルのユニットにおいて)である場合に適用され、左右各3つの彩度サンプルがフィルタリングされる。
【0025】
VVCにおける輝度適応型デブロッキングは、さらに、再構成されたサンプルの平均化輝度レベルに基づいて、デブロッキングフィルタのtCとβを調整する。輝度適応型デブロッキングが有効化された場合、フィルタリング境界付近の平均化輝度レベルに基づいて導出されるオフセットqpOffsetが、隣接する2つのブロックの平均量子化パラメータに加算される。qpOffset と輝度レベルのマッピング関数は、映像コンテンツの伝達特性(電気光学伝達関数(EOTF)、光学伝達関数(OOTF))に応じて導出する必要があり、SPSにおいて信号通知される。
【0026】
3.4 VVCにおけるデブロッキング信号通知
いくつかの実施形態におけるデブロッキング信号通知は、以下のように定義される。
【0027】
7.3.2.4 ピクチャパラメータセットRBSP構文
【0028】
【表1】
【0029】
7.4.3.4 ピクチャパラメータセットRBSP意味論
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】
【化3】
【0033】
pps_deblocking_filter_disabled_flagが0に等しい場合、以下の2つの条件のうちいずれかが成立するPPSを参照するスライスに対して、デブロッキングフィルタの動作を適用することを規定する。1)ph_deblockig_filter_disabled_flagとslice_deblocking_filter_disabled_flagが存在しない、2)ph_deblockig_filter_disabled_flagまたはslice_deblocking_filter_disabled_flagが存在し、かつ、0に等しいことを規定し、さらに、ph_deblockig_filter_disabled_flagまたはslice_deblocking_filter_disabled_flagが存在し、かつ、1に等しいPPSを参照しているスライスに対して、デブロッキングフィルタの動作を適用しないことを規定する。
存在しない場合、pps_deblocking_filter_disabled_flagの値は、0に等しいと推論される。
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
7.3.2.7 ピクチャヘッダ構造構文
【0039】
【表2】
【0040】
7.4.3.7 ピクチャヘッダ構造意味論
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
ph_deblocking_filter_disabled_flagが0に等しい場合、slice_deblocking_filter_disabled_flagがSHに存在せず0に等しいと推論される、または、SHに存在し0に等しいPHと関連するスライスに対してデブロッキングフィルタの動作が適用されることを規定するとともに、slice_deblocking_filter_disabled_flagがSHに存在せず1に等しいと推論される、または、SHに存在し1に等しいPHと関連するスライスに対してデブロッキングフィルタの動作が適用されないことを規定する。
ph_deblocking_filter_disabled_flagが存在しない場合、以下のように推論される。
- pps_deblocking_filter_disabled_flagとph_deblocking_filter_override_flagとがともに1に等しい場合、ph_deblocking_filter_disabled_flagの値は0と推論される。
- そうでない場合(pps_deblocking_filter_disabled_flag、または、ph_deblocking_filter_override_flagが0に等しい)、ph_deblocking_filter_disabled_flagの値はpps_deblocking_filter_disabled_flagに等しいと推論される。
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
7.3.7.1 一般スライスヘッダ構文
【0048】
【表3】
【0049】
7.4.8.1 一般スライスヘッダ意味論
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
- pps_deblocking_filter_disabled_flagと slice_deblocking_filter_override_flagとがともに1に等しい場合、slice_deblocking_filter_disabled_flagの値は0と推論される。
- そうでない場合(pps_deblocking_filter_disabled_flagまたはslice_deblocking_filter_override_flagが0に等しい)、slice_deblocking_filter_disabled_flagの値はph_deblocking_filter_disabled_flagに等しいと推論される。
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】
【化17】
【0056】
4. 開示される技術的解決策および実施例によって解決される技術的課題
いくつかの実施形態における既存の設計は、以下の課題を有する。
1)ph_cb_beta_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2が存在しない場合、推論において、pps_cb_beta_offset_div2およびpps_cb_tc_offset_div2の値を無意味にする。
2)ph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2が存在しない場合、推論は、pps_cr_beta_offset_div2およびpps_cr_tc_offset_div2の値を無意味にする。
3)slice_cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc_offset_div2が存在しない場合、推論において、ph_cb_beta_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2の値を無意味にする。
4)slice_cr_beta_offset_div2およびslice_cr_tc_offset_div2が存在しない場合、推論において、ph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2の値を無意味にする。
【0057】
5. 解決策および実施形態の一覧
上記課題を解決するために、以下に示す方法が開示されている。本発明は、一般的な概念を説明するための例と見なされるべきであり、狭義に解釈されるべきではない。さらに、本発明は、個々に適用されてもよいし、任意に組み合わせて適用されてもよい。
1)課題1を解決するために、ph_cb_beta_offset_divおよびph_cb_tc_offset_div2が存在しない場合の推論について、以下のように変更される。
存在しない場合、ph_cb_beta_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2の値は以下のように推論される。pps_chroma_tool_offsets_present_flagが0に等しい場合、ph_cb_beta_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2は、それぞれph_luma_beta_offset_div2およびph_luma_tc_offset_div2に等しいと推論される。そうでない場合、ph_cb_beta_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2は、それぞれpps_cb_beta_offset_div2およびpps_cb_tc_offset_div2に等しいと推論される。
2)課題2を解決するために、ph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2が存在しない場合の推論について、以下のように変更される。
存在しない場合、ph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2の値は以下のように推論される。pps_chroma_tool_offsets_present_flagが0に等しい場合、ph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2は、それぞれph_luma_beta_offset_div2およびph_luma_tc_offset_div2に等しいと推論される。そうでない場合、ph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2は、それぞれpps_cr_beta_offset_div2およびpps_cr_tc_offset_div2に等しいと推論される。
3)課題3を解決するために、slice_cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc_offset_div2が存在しない場合の推論について、以下のように変更される。
存在しない場合、slice_cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc_offset_div2の値は、以下のように推論される。pps_chroma_tool_offsets_present_flagが0に等しい場合、slice_cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc_offset_div2は、それぞれslice_luma_beta_offset_div2およびslice_luma_tc_offset_div2に等しいと推論される。そうでない場合、slice_cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc_offset_div2は、それぞれph_cb_beta_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2に等しいと推論される。
4)課題4を解決するために、slice_cr_beta_offset_div2およびslice_cr_tc_offset_div2が存在しない場合の推論については、以下のように変更される。
存在しない場合、slice_cr_beta_offset_div2およびslice_cr_tc_offset_div2の値は、以下のように推論される。pps_chroma_tool_offsets_present_flagが0に等しい場合、slice_cr_beta_offset_div2およびslice_cr_tc_offset_div2は、それぞれslice_luma_beta_offset_div2およびslice_luma_tc_offset_div2に等しいと推論される。そうでない場合、slice_cr_beta_offset_div2およびslice_cr_tc_offset_div2は、それぞれph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2に等しいと推論される。
【0058】
6. 実施形態
【0059】
【化18】
【0060】
6.1. 第1の実施形態
本実施形態は1、2、3、および4項に対するものである。
【0061】
7.4.3.7 ピクチャヘッダ構造意味論
【0062】
【化19】
【0063】
【化20】
【0064】
ph_deblocking_filter_disabled_flagが0に等しい場合、slice_deblocking_filter_disabled_flagがSHに存在せず0に等しいと推論される、または、SHに存在し0に等しいPHと関連するスライスに対してデブロッキングフィルタの動作が適用されることを規定するとともに、slice_deblocking_filter_disabled_flagがSHに存在せず1に等しいと推論される、または、SHに存在し1に等しいPHと関連するスライスに対してデブロッキングフィルタの動作が適用されないことを規定する。
ph_deblocking_filter_disabled_flagが存在しない場合、以下のように推論される。
- pps_deblocking_filter_disabled_flagとph_deblocking_filter_override_flagとがともに1に等しい場合、ph_deblocking_filter_disabled_flagの値は0と推論される。
- そうでない場合(pps_deblocking_filter_disabled_flag、または、ph_deblocking_filter_override_flagが0に等しい)、ph_deblocking_filter_disabled_flagの値はpps_deblocking_filter_disabled_flagに等しいと推論される。
【0065】
【化21】
【0066】
【化22】
【0067】
【化23】
【0068】
[[存在しない場合、ph_cb_beta_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2の値は、それぞれph_luma_beta_offset_div2およびph_luma_tc_offset_div2に等しいと推論される。]]
【0069】
【化24】
【0070】
【化25】
【0071】
[[存在しない場合、ph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2の値は、それぞれph_luma_beta_offset_div2およびph_luma_tc_offset_div2に等しいと推論される。]]
...
【0072】
7.4.8.1 一般スライスヘッダ意味論
【0073】
【化26】
【0074】
【化27】
【0075】
slice_deblocking_filter_disabled_flagが存在しない場合、以下のように推論される。
- pps_deblocking_filter_disabled_flagと slice_deblocking_filter_override_flagとがともに1に等しい場合、slice_deblocking_filter_disabled_flagの値は0と推論される。
- そうでない場合(pps_deblocking_filter_disabled_flagまたはslice_deblocking_filter_override_flagが0に等しい)、slice_deblocking_filter_disabled_flagの値はph_deblocking_filter_disabled_flagに等しいと推論される。
【0076】
【化28】
【0077】
【化29】
【0078】
【化30】
【0079】
[[存在しない場合、slice_cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc_offset_div2の値は、それぞれslice_luma_beta_offset_div2およびslice_luma_tc_offset_div2に等しいと推論される。]]
【0080】
【化31】
【0081】
【化32】
【0082】
[[存在しない場合、slice_cr_beta_offset_div2およびslice_cr_tc_offset_div2の値は、それぞれslice_luma_beta_offset_div2およびslice_luma_tc_offset_div2に等しいと推論される。]]
【0083】
図1は、本明細書で開示される様々な技術が実装され得る例示的な映像処理システム1900を示すブロック図である。様々な実装形態は、システム1900のモジュールの一部又は全部を含んでもよい。システム1900は、映像コンテンツを受信するための入力ユニット1902を含んでもよい。映像コンテンツは、未加工または非圧縮フォーマット、例えば、8または10ビットのマルチコンポーネント画素値で受信されてもよく、または、圧縮または符号化フォーマットで受信されてもよい。入力ユニット1902は、ネットワークインターフェース、周辺バスインターフェース、または、ストレージインターフェースを表してもよい。ネットワークインターフェースの例は、イーサネット(登録商標)、パッシブ光ネットワーク(PON)等の有線インターフェース、およびWi-Fiまたはセルラーインターフェース等の無線インターフェースを含む。
【0084】
システム1900は、本明細書に記載される様々なコーディングまたは符号化方法を実装することができるコーディングコンポーネント1904を含んでもよい。コーディングコンポーネント1904は、入力1902からの映像の平均ビットレートをコーディングコンポーネント1904の出力に低減し、映像のコーディングされた表現を生成してもよい。したがって、このコーディング技術は、映像圧縮または映像トランスコーディング技術と呼ばれることがある。コーディングコンポーネント1904の出力は、コンポーネント1906によって表されるように、記憶されてもよいし、接続された通信を介して送信されてもよい。入力1902において受信された、記憶されたまたは通信された映像のビットストリーム(またはコーディングされた)表現は、コンポーネント1908によって使用されて、表示インターフェース1910に送信される画素値または表示可能な映像を生成してもよい。ビットストリーム表現からユーザが見ることができる映像を生成する処理は、映像展開と呼ばれることがある。さらに、特定の映像処理動作は「コーディング」動作またはツールと呼ばれるが、コーディングツールまたは動作は、エンコーダで使用され、コーディングの結果を逆にする復号ツール又は動作が、デコーダによって行われることが理解されよう。
【0085】
周辺バスインターフェースまたは表示インターフェースの例は、ユニバーサルシリアルバス(USB)またはハイビジョンマルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))またはディスプレイポート等を含んでもよい。ストレージインターフェースの例は、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)、PCI、IDEインターフェース等を含む。本明細書に記載される技術は、携帯電話、ノートパソコン、スマートフォン、またはデジタルデータ処理および/または映像表示を実施可能な他のデバイス等の様々な電子デバイスに実施されてもよい。
【0086】
図2は、映像処理装置3600のブロック図である。装置3600は、本明細書に記載の方法の1つ以上を実装するために使用してもよい。装置3600は、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、モノのインターネット(IoT)受信機等に実施されてもよい。装置3600は、1つ以上の処理装置3602と、1つ以上のメモリ3604と、映像処理ハードウェア3606と、を含んでもよい。1つ以上のプロセッサ3602は、本明細書に記載される1つ以上の方法を実装するように構成されてもよい。メモリ(複数可)3604は、本明細書で説明される方法および技術を実装するために使用されるデータおよびコードを記憶するために使用してもよい。映像処理ハードウェア3606は、本明細書に記載される技術をハードウェア回路にて実装するために使用してもよい。
【0087】
図4は、本開示の技法を利用し得る例示的な映像コーディングシステム100を示すブロック図である。
【0088】
図4に示すように、映像コーディングシステム100は、送信元デバイス110と、送信先デバイス120と、を備えてもよい。送信元デバイス110は、映像符号化装置とも称され、符号化映像データを生成する。送信先デバイス120は、送信元デバイス110によって生成された、コーディング映像データを復号してよく、映像復号デバイスと呼ばれ得る。
【0089】
送信元デバイス110は、映像ソース112と、映像エンコーダ114と、入出力(I/O)インターフェース116と、を備えてもよい。
【0090】
映像ソース112は、映像キャプチャデバイスなどのソース、映像コンテンツプロバイダからの映像データを受信するためのインターフェース、および/または映像データを生成するためのコンピュータグラフィックスシステム、またはこれらのソースの組み合わせを含んでもよい。映像データは、1つ以上のピクチャを含んでもよい。映像エンコーダ114は、映像ソース112からの映像データを符号化し、ビットストリームを生成する。ビットストリームは、映像データのコーディングされた表現を形成するビットのシーケンスを含んでもよい。ビットストリームは、コーディングされたピクチャおよび関連付けられたデータを含んでもよい。コーディングされたピクチャは、ピクチャのコーディングされた表現である。関連付けられたデータは、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、および他の構文構造を含んでもよい。I/Oインターフェース116は、変復調器(モデム)および/または送信機を含んでもよい。符号化された映像データは、ネットワーク130aを介して、I/Oインターフェース116を介して送信先デバイス120に直接送信されてよい。符号化された映像データは、送信先デバイス120がアクセスするために、記録媒体/サーバ130bに記憶してもよい。
【0091】
送信先デバイス120は、I/Oインターフェース126、映像デコーダ124、および表示装置122を含んでもよい。
【0092】
I/Oインターフェース126は、受信機および/またはモデムを含んでもよい。I/Oインターフェース126は、送信元デバイス110または記憶媒体/サーバ130bから符号化された映像データを取得してもよい。映像デコーダ124は、符号化された映像データを復号してもよい。表示装置122は、復号された映像データをユーザに表示してもよい。表示装置122は、送信先デバイス120と一体化されてもよく、または外部表示装置とインターフェースで接続するように構成される送信先デバイス120の外部にあってもよい。
【0093】
映像エンコーダ114および映像デコーダ124は、高効率映像符号化(HEVC)規格、汎用映像符号化(VVVM)規格、および他の現在のおよび/または更なる規格等の映像圧縮規格に従って動作してもよい。
【0094】
図5は、映像エンコーダ200の一例を示すブロック図であり、図4に示されるシステム100における映像エンコーダ114であってもよい。
【0095】
映像エンコーダ200は、本開示の技術のいずれかまたは全部を行うように構成されてもよい。図5の実施例において、映像エンコーダ200は、複数の機能性モジュールを含む。本開示で説明される技法は、映像エンコーダ200の様々なモジュール間で共有されてもよい。いくつかの例では、処理装置は、本開示で説明される技術のいずれかまたはすべてを行うように構成してもよい。
【0096】
映像エンコーダ200の機能性モジュールは、分割ユニット201、予測ユニット202を含んでもよく、予測ユニット202は、モード選択ユニット203、動き推定ユニット204、動き補償ユニット205、およびイントラ予測ユニット206、残差生成ユニット207、変換ユニット208、量子化ユニット209、逆量子化ユニット210、逆変換ユニット211、再構成ユニット212、バッファ213、およびエントロピー符号化ユニット214を含んでもよい。
【0097】
他の例において、映像エンコーダ200は、さらに多くの、さらに少ない、または異なる機能コンポーネントを含んでもよい。一例において、予測ユニット202は、イントラブロックコピー(IBC)ユニットを含んでもよい。IBCユニットは、少なくとも1つの参照ピクチャが、現在の映像ブロックが位置するピクチャであるIBCモードにおいて予測を実行してもよい。
【0098】
さらに、動き推定ユニット204および動き補償ユニット205などのいくつかのモジュールは、高度に統合されてもよいが、説明のために、図5の例においては別個に表現されている。
【0099】
分割ユニット201は、ピクチャを1つ以上の映像ブロックに分割してもよい。映像エンコーダ200および映像デコーダ300は、様々な映像ブロックサイズをサポートしてもよい。
【0100】
モード選択ユニット203は、例えば、誤りの結果に基づいて、イントラまたはインターのコーディングモードのうちの1つを選択し、得られたイントラまたはインターコーディングされたブロックを残差生成ユニット207に供給し、残差ブロックデータを生成して再構成ユニット212に供給し、符号化されたブロックを参照ピクチャとして使用するために再構成してもよい。いくつかの例において、モード選択ユニット203は、インター予測信号およびイントラ予測信号に基づいて予測を行うCIIP(Combination of Intra and Inter Prediction)モードを選択してもよい。モード選択ユニット203は、インター予測の場合、ブロックのために動きベクトルの解像度(例えば、サブピクセル又は整数ピクセル精度)を選択してもよい。
【0101】
現在の映像ブロックに対してインター予測を行うために、動き推定ユニット204は、バッファ213からの1つ以上の参照フレームと現在の映像ブロックとを比較することにより、現在の映像ブロックに対する動き情報を生成してもよい。動き補償ユニット205は、動き情報および現在の映像ブロックに関連付けられたピクチャ以外のバッファ213からのピクチャの復号化されたサンプルに基づいて、現在の映像ブロックに対する予測映像ブロックを決定してもよい。
【0102】
動き推定ユニット204および動き補償ユニット205は、現在の映像ブロックがIスライスであるか、Pスライスであるか、またはBスライスであるかに基づいて、例えば、現在の映像ブロックに対して異なる動作を行ってもよい。
【0103】
いくつかの例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに対して単一方向予測を行い、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに対して、参照映像ブロック用のリスト0またはリスト1の参照ピクチャを検索してもよい。そして、動き推定ユニット204は、参照映像ブロックと、現在の映像ブロックと参照映像ブロックとの間の空間的変位を示す動きベクトルとを含む、リスト0またはリスト1における参照ピクチャを示す参照インデックスを生成してもよい。動き推定ユニット204は、参照インデックス、予測方向インジケータ、および動きベクトルを、現在の映像ブロックの動き情報として出力してもよい。動き補償ユニット205は、現在の映像ブロックの動き情報が示す参照映像ブロックに基づいて、現在のブロックの予測映像ブロックを生成してもよい。
【0104】
他の例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックを双方向予測してもよく、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに対する参照映像ブロックについて、リスト0から参照ピクチャを検索してもよく、また、現在の映像ブロックに対する別の参照映像ブロックについて、リスト1における参照ピクチャも検索してもよい。そして、動き推定ユニット204は、参照映像ブロックを含むリスト0およびリスト1における参照ピクチャを示す参照インデックスと、参照映像ブロックと現在の映像ブロックとの間の空間的変位を示す動きベクトルとを生成してもよい。動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックの動き情報として、現在の参照ブロックの参照インデックスと動きベクトルとを出力してもよい。動き補償ユニット205は、現在の映像ブロックの動き情報が示す参照映像ブロックに基づいて、現在の映像ブロックの予測映像ブロックを生成してもよい。
【0105】
いくつかの例において、動き推定ユニット204は、デコーダの復号化処理のために、動き情報のフルセットを出力してもよい。
【0106】
いくつかの例では、動き推定ユニット204は、現在の映像のための動き情報のフルセットを出力しなくてもよい。むしろ、動き推定ユニット204は、別の映像ブロックの動き情報を参照して、現在の映像ブロックの動き情報を信号通知してもよい。例えば、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックの動き情報が隣接する映像ブロックの動き情報に十分に類似していることを判定してもよい。
【0107】
一例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに関連付けられた構文構造において、現在の映像ブロックが別の映像ブロックと同一の動き情報を有することを映像デコーダ300に示す値を示してもよい。
【0108】
他の例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに関連付けられた構文構造において、別の映像ブロックと、動きベクトル差分(MVD;Motion Vector Difference)とを識別してもよい。動きベクトル差分は、現在の映像ブロックの動きベクトルと、指定された映像ブロックの動きベクトルとの差分を示す。映像デコーダ300は、指定された映像ブロックの動きベクトルと動きベクトル差分とを使用して、現在の映像ブロックの動きベクトルを決定してもよい。
【0109】
上述したように、映像エンコーダ200は、動きベクトルを予測的に信号通知してもよい。映像エンコーダ200によって実装され得る予測信号通知技術の2つの例は、高度動きベクトル予測(AMVP)およびマージモード信号通知を含む。
【0110】
イントラ予測ユニット206は、現在の映像ブロックに対してイントラ予測を行ってもよい。イントラ予測ユニット206が現在の映像ブロックをイントラ予測する場合、イントラ予測ユニット206は、同一ピクチャにおける他の映像ブロックの復号されたサンプルに基づいて、現在の映像ブロックに対する予測データを生成してもよい。現在の映像ブロックのための予測データは、予測された映像ブロックおよび様々な構文要素を含んでもよい。
【0111】
残差生成ユニット207は、現在の映像ブロックから現在の映像ブロックの予測された映像ブロックを減算することによって(例えば、マイナス符号によって示されている)、現在の映像ブロックに対する残差データを生成してもよい。現在の映像ブロックの残差データは、現在の映像ブロックにおけるサンプルの異なるサンプル成分に対応する残差映像ブロックを含んでもよい。
【0112】
他の例において、例えば、スキップモードにおいて、現在の映像ブロックに対する残差データがなくてもよく、残差生成ユニット207は、減算動作を行わなくてもよい。
【0113】
変換処理ユニット208は、現在の映像ブロックに関連付けられた残差映像ブロックに1つ以上の変換を適用することによって、現在の映像ブロックのための1つ以上の変換係数映像ブロックを生成してもよい。
【0114】
変換処理ユニット208が現在の映像ブロックに関連付けられた変換係数映像ブロックを生成した後、量子化ユニット209は、現在の映像ブロックに関連付けられた1つ以上の量子化パラメータ(QP:Quantization Parameter)値に基づいて、現在の映像ブロックに関連付けられた変換係数映像ブロックを量子化してもよい。
【0115】
逆量子化ユニット210および逆変換ユニット211は、変換係数映像ブロックに逆量子化および逆変換をそれぞれ適用し、変換係数映像ブロックから残差映像ブロックを再構成してもよい。再構成ユニット212は、予測ユニット202によって生成された1つ以上の予測映像ブロックに対応するサンプルに再構成された残差映像ブロックを追加して、バッファ213に格納するための現在のブロックに関連付けられた再構成された映像ブロックを生成してもよい。
【0116】
再構成ユニット212が映像ブロックを再構成した後、映像ブロックにおける映像ブロッキングアーチファクトを縮小するために、ループフィルタリング動作が行われてもよい。
【0117】
エントロピーエンコーディングユニット214は、映像エンコーダ200の他の機能コンポーネントからデータを受信してもよい。エントロピーエンコーディングユニット214がデータを受信すると、エントロピーエンコーディングユニット214は、1つ以上のエントロピーエンコーディング動作を行い、エントロピーエンコードされたデータを生成し、エントロピーエンコードされたデータを含むビットストリームを出力してもよい。
【0118】
図6は、映像デコーダ300の一例を示すブロック図であり、映像デコーダ300は、図4に示すシステム100における映像デコーダ114であってもよい。
【0119】
映像デコーダ300は、本開示の技術のいずれかまたは全てを行うように構成されてもよい。図6の実施例において、映像デコーダ300は、複数の機能性モジュールを含む。本開示で説明される技法は、映像デコーダ300の様々なモジュール間で共有されてもよい。いくつかの例では、処理装置は、本開示で説明される技術のいずれかまたはすべてを行うように構成してもよい。
【0120】
図6の実施例において、映像デコーダ300は、エントロピー復号ユニット301、動き補償ユニット302、イントラ予測ユニット303、逆量子化ユニット304、逆変換ユニット305、および再構成ユニット306、並びにバッファ307を含む。映像デコーダ300は、いくつかの例では、映像エンコーダ200(図5)に関して説明したエンコーディングパスとほぼ逆のデコーディングパスを行ってもよい。
【0121】
エントロピー復号ユニット301は、符号化されたビットストリームを取り出す。符号化されたビットストリームは、エントロピーコーディングされた映像データ(例えば、映像データの符号化されたブロック)を含んでもよい。エントロピー復号ユニット301は、エントロピーコーディングされた映像データを復号し、エントロピー復号された映像データから、動き補償ユニット302は、動きベクトル、動きベクトル精度、参照ピクチャリストインデックス、および他の動き情報を含む動き情報を決定してもよい。動き補償ユニット302は、例えば、AMVPおよびマージモードを行うことで、このような情報を決定してもよい。
【0122】
動き補償ユニット302は、動き補償されたブロックを生成してもよく、場合によっては、補間フィルタに基づいて補間を行う。構文要素には、サブピクセルの精度で使用される補間フィルタのための識別子が含まれてもよい。
【0123】
動き補償ユニット302は、映像ブロックの符号化中に映像エンコーダ200によって使用されるような補間フィルタを使用して、参照ブロックのサブ整数画素のための補間値を計算してもよい。動き補償ユニット302は、受信した構文情報に基づいて、映像エンコーダ200により使用される補間フィルタを決定し、予測ブロックを生成に補間フィルタを使用してしてもよい。
【0124】
動き補償ユニット302は、エンコードされた映像シーケンスのフレームおよび/またはスライスをエンコードするために使用されるブロックのサイズを判定するための構文情報、エンコードされた映像シーケンスのピクチャの各マクロブロックがどのように分割されるかを記述する分割情報、各分割がどのようにエンコードされるかを示すモード、各インターエンコードされたブロックに対する1つ以上の参照フレーム(および参照フレームリスト)、およびエンコードされた映像シーケンスをデコードするための他の情報のうちいくつかを使用してもよい。
【0125】
イントラ予測ユニット303は、例えば、ビットストリームにおいて受信したイントラ予測モードを使用して、空間的に隣接するブロックから予測ブロックを形成してもよい。逆量子化ユニット303は、ビットストリームに提供され、エントロピー復号ユニット301によって復号された量子化映像ブロック係数を逆量子化(すなわち、逆量子化)する。逆変換ユニット303は、逆変換を適用する。
【0126】
再構成ユニット306は、残差ブロックと、動き補償ユニット202またはイントラ予測ユニット303によって生成された対応する予測ブロックとを合計し、復号されたブロックを形成してもよい。所望であれば、ブロックアーチファクトを除去するために、復号されたブロックをフィルタリングするためにデブロッキングフィルタも適用してもよい。復号された映像ブロックは、バッファ307に記憶され、バッファ307は、後続の動き補償/イントラ予測のために参照ブロックを提供し、表示装置に表示するために復号された映像を生成する。
【0127】
次に、いくつかの実施形態において好適な解決策を列挙する。
【0128】
以下の解決策は、前章(例えば、項目1から4)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0129】
1.1つ以上の映像ブロックを含む映像と映像のコーディングされた表現との変換を行うこと(3002)を含み、この変換は、フォーマット規則に従ってコーディングされた表現においてパラメータが信号通知されるデブロッキングフィルタを用いて再構成された映像ブロックを選択的にフィルタリングするデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、フォーマット規則は、彩度成分に対して用いられるデブロッキングフィルタのパラメータがコーディングされた表現から推論される推論規則を含む、映像処理方法(例えば、図3に示す方法3000)。
【0130】
2.彩度成分がcr成分である解決策1に記載の方法。
【0131】
3.彩度成分がcb成分である解決策1~2のいずれかに記載の方法。
【0132】
4.前記推論規則は、前記デブロッキングフィルタのベータパラメータおよび前記デブロッキングフィルタのオフセットパラメータを、前記コーディングされた表現に含まれるフラグの値に基づいて推論することを規定する、解決策1~3のいずれかに記載の方法。
【0133】
5.前記推論規則は、前記フラグの第1の値に対して、前記ベータパラメータおよび前記オフセットパラメータがゼロであると推論されることを規定する、解決策4に記載の方法。
【0134】
6.前記推論規則は、前記フラグの第2の値に対して、ベータパラメータおよびオフセットパラメータが、対応する輝度ブロックのベータおよびオフセットパラメータから導出されることを規定する、解決策4~5のいずれかに記載の方法。
【0135】
7.前記変換は、前記映像を前記コーディング表現に符号化することを含む、解決策1~6のいずれかに記載の方法。
【0136】
8.前記変換は、前記映像の画素値を生成するために前記コーディング表現を復号することを含む、解決策1~6のいずれかに記載の方法。
【0137】
9.解決策1~8の1つ以上に記載の方法を実行するように構成された処理装置を備える、映像復号装置。
【0138】
10.解決策1~8の1つ以上に記載の方法を実行するように構成された処理装置を備える、映像符号化装置。
【0139】
11.コンピュータコードが記憶されたコンピュータプログラム製品であって、前記コードは、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、解決策1~8のいずれかに記載の方法を実行させるコンピュータプログラム製品。
【0140】
12.本明細書に記載の方法、装置またはシステム。
【0141】
図7は、本技術にしたがって映像処理の方法700を示すフローチャートである。この方法700は、工程710において、映像の映像ピクチャと映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。この変換は、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含む。第1の映像ユニット内の1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、第1の映像ユニット内の1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の構文要素とが、ビットストリームに含まれていない第1の構文要素および第2の構文要素に応じて規則に従って決定される。この規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、第2の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、第1の構文要素は、第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、第2の構文要素は、第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する。
【0142】
いくつかの実施形態において、前記彩度成分はcb成分である。いくつかの実施形態において、前記彩度成分はcr成分である。いくつかの実施形態において、前記第1の映像ユニットレベルは、ピクチャヘッダであり、前記第2の映像ユニットレベルは、ピクチャパラメータセットである。いくつかの実施形態において、前記第1の映像ユニットはピクチャであり、前記第2の映像ユニットは1つ以上のピクチャで構成される。いくつかの実施形態において、前記第1の映像ユニットレベルは、スライスヘッダであり、前記第2の映像ユニットレベルは、ピクチャヘッダである。いくつかの実施形態において、前記第1の映像ユニットはスライスであり、前記第2の映像ユニットはピクチャである。
【0143】
いくつかの実施形態において、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセット内に存在することに応じて、前記構文フラグは1に等しい。いくつかの実施形態において、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットから省略されていることに応じて、前記構文フラグは0に等しい。
【0144】
いくつかの実施形態において、前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む。いくつかの実施形態において、前記変換は前記ビットストリームから前記映像を復号することを含む。
【0145】
本明細書では、「映像処理」という用語は、映像符号化、映像復号、映像圧縮、または映像展開を指してよい。例えば、映像圧縮アルゴリズムは、映像の画素表現から対応するビットストリーム表現への変換、またはその逆の変換中に適用されてもよい。現在の映像ブロックのビットストリーム表現は、例えば、構文によって規定されるように、ビットストリーム内の同じ場所または異なる場所に広がっているビットに対応していてもよい。例えば、1つのマクロブロックは、変換およびコーディングされた誤り残差値の観点から、かつ、ビットストリームにおけるヘッダおよび他のフィールドにおけるビットを使用して符号化されてもよい。さらに、変換中、デコーダは、上記解決策で説明されているように、決定に基づいて、いくつかのフィールドが存在しても存在しなくてもよいという知識を持って、ビットストリームを構文解析してもよい。同様に、エンコーダは、特定の構文フィールドが含まれるべきであるか、または含まれないべきであるかを判定し、構文フィールドをコーディング表現に含めるか、またはコーディング表現から除外することによって、それに応じてコーディング表現を生成してもよい。
【0146】
本明細書に記載された開示された、およびその他の解決策、実施例、実施形態、モジュール、および機能動作の実装形態は、本明細書に開示された構造およびその構造的等価物を含め、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで実施されてもよく、またはそれらの1つ以上の組み合わせで実施してもよい。開示された、およびその他の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置によって実装されるため、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実施することができる。このコンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもたらす物質の組成物、またはこれらの1つ以上の組み合わせであってもよい。「データ処理装置」という用語は、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサ、若しくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、および機械を含む。この装置は、ハードウェアの他に、問題になっているコンピュータプログラムの実行環境を作るコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはこれらの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝播信号は、人工的に生成された信号、例えば、機械で生成した電気、光、または電磁信号であり、適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される。
【0147】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイルされた言語または解釈された言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、また、それは、スタンドアロンプログラムとして、またはコンピューティング環境で使用するのに適したモジュール、成分、サブルーチン、または他のユニットとして含む任意の形式で展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステムにおけるファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つ以上のスクリプト)に記録されていてもよいし、問題になっているプログラム専用の単一のファイルに記憶されていてもよいし、複数の調整ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を格納するファイル)に記憶されていてもよい。コンピュータプログラムを、1つのコンピュータで実行するように展開することができ、あるいは、1つのサイトに位置する、または複数のサイトにわたって分散され通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータで実行するように展開することができる。
【0148】
本明細書に記載された処理およびロジックフローは、入力データに対して動作し、出力を生成することによって機能を行うための1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブル処理装置によって行うことができる。処理およびロジックフローはまた、特定用途のロジック回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって行うことができ、装置はまた、特別目的のロジック回路として実装することができる。
【0149】
コンピュータプログラムの実行に適した処理装置は、例えば、汎用および専用マイクロ処理装置の両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上の処理装置を含む。一般的に、プロセッサは、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの本質的な要素は、命令を行うためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスとである。一般的に、コンピュータは、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを含んでもよく、またはこれらの大容量記憶デバイスからデータを受信するか、またはこれらにデータを転送するように動作可能に結合されてもよい。しかしながら、コンピュータは、このようなデバイスを有する必要はない。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、あらゆる形式の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスを含み、例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュ記憶装置、磁気ディスク、例えば内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスク等の半導体記憶装置を含む。処理装置およびメモリは、特定用途のロジック回路によって補完されてもよく、または特定用途のロジック回路に組み込まれてもよい。
【0150】
本特許明細書は多くの詳細を含むが、これらは、任意の主題の範囲または特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、特定の技術の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明と解釈されるべきである。本特許文献において別個の実施形態のコンテキストで説明されている特定の特徴は、1つの例において組み合わせて実装してもよい。逆に、1つの例のコンテキストで説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別個にまたは任意の適切なサブコンビネーションで実装してもよい。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上記に記載され、最初にそのように主張されていてもよいが、主張された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから抜粋されることができ、主張された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0151】
同様に、動作は図面において特定の順番で示されているが、これは、所望の結果を達成するために、このような動作が示された特定の順番でまたは連続した順番で行われること、または示された全ての動作が行われることを必要とするものと理解されるべきではない。また、本特許明細書に記載されている例における様々なシステムの構成要素の分離は、全ての実施形態においてこのような分離を必要とするものと理解されるべきではない。
【0152】
いくつかの実装形態および例のみが記載されており、この特許文献に記載され図示されているコンテンツに基づいて、他の実施形態、拡張および変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像の映像ピクチャと前記映像のビットストリームとの変換を行うこと、を含む映像処理方法であって、
前記変換は、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
映像処理方法。
【請求項2】
前記彩度成分はCb成分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記彩度成分はCr成分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の映像ユニットレベルはピクチャヘッダであり、前記第2の映像ユニットレベルはピクチャパラメータセットである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の構文要素は、現在のピクチャに対する彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを示し、前記第2の構文要素は、前記現在のピクチャに対する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを示す、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の映像ユニットはピクチャであり、前記第2の映像ユニットは1つ以上のピクチャを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の映像ユニットレベルはスライスヘッダであり、前記第2の映像ユニットレベルはピクチャヘッダである、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の映像ユニットはスライスであり、前記第2の映像ユニットはピクチャである、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の構文要素は、現在のスライスに対する彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを示し、前記第2の構文要素は、前記現在のスライスに対する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを示す、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在することに応じて、前記構文フラグは1に等しい、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットから省略されることに応じて、前記構文フラグは0に等しい、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記変換は、前記ビットストリームから前記映像を復号することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサと、命令を有する非一時的メモリとを備える映像データを処理する装置であって、前記プロセッサによる実行時に、前記命令が、前記プロセッサに以下を実行させ、
映像の映像ピクチャと前記映像のビットストリームとの間で変換することと、
前記変換が、再構築された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
装置。
【請求項15】
プロセッサに実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読記憶装置であって、
映像の映像ピクチャと前記映像のビットストリームとの変換を行うこと、
前記変換は、再構築された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うこと、を含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
非一時的なコンピュータ可読記憶装置。
【請求項16】
映像処理装置で行われる方法により生成される映像のビットストリームを記憶する非一時的なコンピュータ可読記録媒体であって、
前記方法は、前記映像の映像ピクチャから前記映像のビットストリームを生成すること、を含み、
前記生成することは、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
非一時的なコンピュータ可読記録媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願の相互参照
願は、2020年4月29日出願の米国特許仮出願第63/017499号の優先権および利益を適時に主張する、2021年4月27日出願の国際特許出願第PCT/US2021/029416号に基づく。前述の特許出願はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像の映像ピクチャと前記映像のビットストリームとの変換を行うこと、を含む映像処理方法であって、
前記変換は、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、かつ、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
映像処理方法。
【請求項2】
前記彩度成分はCb成分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記彩度成分はCr成分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の映像ユニットレベルはピクチャヘッダであり、前記第2の映像ユニットレベルは前記ピクチャパラメータセットである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の構文要素は、現在のピクチャに対する彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを示し、前記第2の構文要素は、前記現在のピクチャに対する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを示す、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の映像ユニットはピクチャであり、前記第2の映像ユニットは1つ以上のピクチャを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の映像ユニットレベルはスライスヘッダであり、前記第2の映像ユニットレベルはピクチャヘッダである、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の映像ユニットはスライスであり、前記第2の映像ユニットはピクチャである、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の構文要素は、現在のスライスに対する彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを示し、前記第2の構文要素は、前記現在のスライスに対する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを示す、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在することに応じて、前記構文フラグは1に等しい、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットから省略されることに応じて、前記構文フラグは0に等しい、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記変換は、前記ビットストリームから前記映像を復号することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサと、命令を有する非一時的メモリとを備える映像データを処理する装置であって、前記プロセッサによる実行時に、前記命令が、前記プロセッサに以下を実行させ、
映像の映像ピクチャと前記映像のビットストリームとの間で変換することと、
前記変換が、再構築された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、かつ、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
装置。
【請求項15】
前記第1の映像ユニットはピクチャであり、前記第2の映像ユニットは1または複数のピクチャを含み、前記第1の構文要素は、現在のピクチャ内のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定し、前記第2の構文要素は、前記現在のピクチャ内のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の映像ユニットはスライスであり、前記第2の映像ユニットはピクチャであり、前記第1の構文要素は、現在のスライスの彩度成分に適用されるβを2で割った前記デブロッキングパラメータオフセットを指定し、前記第2の構文要素は、前記現在のスライスに対する前記彩度成分に適用されるtCを2で割った前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する、
請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在することに応じて、前記構文フラグは1に等しい、
請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットから省略されることに応じて、前記構文フラグは0に等しい、
請求項14に記載の装置。
【請求項19】
プロセッサに実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読記憶装置であって、
映像の映像ピクチャと前記映像のビットストリームとの変換を行うこと、
前記変換は、再構築された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うこと、を含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、かつ、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
非一時的なコンピュータ可読記憶装置。
【請求項20】
映像処理装置で行われる方法により生成される映像のビットストリームを記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記方法は、前記映像の映像ピクチャ前記映像の前記ビットストリームを変換すること、を含み、
前記生成することは、再構成された映像ブロックの少なくとも一部のサンプルが、そのパラメータが示されたデブロッキングフィルタを用いて選択的にフィルタリングされるデブロッキングフィルタリング動作を行うことを含み、
第1の映像ユニットにおける1つ以上のスライスの彩度成分に適用される2で割ったβに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する第1の映像ユニットレベルの第1の構文要素と、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第2の構文要素とが、前記ビットストリームに含まれない前記第1の構文要素および前記第2の構文要素に応じて規則に従って決定され、かつ、
前記規則は、(1)構文フラグが、彩度ツールオフセットがピクチャパラメータセットに存在することを示す場合、前記第1の構文要素は、第2の映像ユニットに関連する彩度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する第2の映像ユニットレベルの第3の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第2の映像ユニットに関連する前記彩度成分に適用される2で割ったtCに対するデブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第2の映像ユニットレベルの第4の構文要素に等しく、かつ、(2)前記構文フラグが、前記彩度ツールオフセットが前記ピクチャパラメータセットに存在しないことを示す場合、前記第1の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスに対する輝度成分に適用される2で割ったβに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第5の構文要素に等しいとともに、前記第2の構文要素は、前記第1の映像ユニットにおける前記1つ以上のスライスの前記輝度成分に適用される2で割ったtCに対する前記デブロッキングパラメータオフセットを規定する前記第1の映像ユニットレベルの第6の構文要素に等しい、ことを規定する、
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】