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特表2023-519765半導体反応チャンバ及び原子層プラズマエッチング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(54)【発明の名称】半導体反応チャンバ及び原子層プラズマエッチング装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230502BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20230502BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H01L21/302 101G
H05H1/46 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568410
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2021092080
(87)【国際公開番号】W WO2021227943
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】202010387430.9
(32)【優先日】2020-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520266443
【氏名又は名称】ベイジン・ナウラ・マイクロエレクトロニクス・イクイップメント・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing NAURA Microelectronics Equipment Co.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.8 Wenchang Avenue Beijing,Economic-Technological Development Area,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】マオ、シンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】小田桐 正弥
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、ガン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、グオドン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB11
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD38
2G084FF02
2G084FF14
2G084FF15
5F004AA16
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB28
5F004CA06
5F004DA04
5F004DA23
(57)【要約】
本開示は、半導体反応チャンバ及び原子層プラズマエッチング装置を提供する。半導体反応チャンバは、誘電体窓及び反応チャンバ本体を含む。スプレーヘッドが、誘電体窓と反応チャンバ本体の頂壁との間に配置され、プラズマ生成エリアを上部強プラズマエリアと下部弱プラズマエリアとに分割する。その上、複数の貫通孔が、スプレーヘッドの中心エリア中に分布し、強プラズマエリア中のプラズマが通過することを可能にするように構成される。第1のガス流路が、スプレーヘッドの縁部エリア中に配置される。プロセス反応ガス入口部材が、スプレーヘッドの第1のガス流路のガス入口端が位置する側上に位置する。第2のガス流路が、プロセス反応ガス入口部材中に配置される。第2のガス流路は、第1のガス流路にプロセス反応ガスを導入するように構成される。本開示は、低エネルギーを有するプラズマ源を提供し、プラズマ損傷を低減し、ガスの迅速且つ精密な制御及び投入を実現することができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体反応チャンバであって、
誘電体窓及び反応チャンバ本体と、ここで、前記誘電体窓は前記反応チャンバ本体の上方に配置され、プラズマ生成エリアが前記誘電体窓の下方に位置しており、
前記誘電体窓と前記反応チャンバ本体の頂壁との間に配置され、前記プラズマ生成エリアを上部における強プラズマエリアと下部における弱プラズマエリアとに分割するスプレーヘッドと、ここで、複数の貫通孔が、前記スプレーヘッドの中心エリア中に分布し、前記強プラズマエリア中のプラズマが通過することを可能にするように構成され、前記スプレーヘッドの縁部エリアに第1のガス流路を設けられ、前記第1のガス流路のガス出口端が、前記弱プラズマエリアと連通されており、
前記スプレーヘッドの前記第1のガス流路のガス入口端が位置する側上に位置するプロセス反応ガス入口部材と、ここで、第2のガス流路が、前記プロセス反応ガス入口部材中に配置され、前記第2のガス流路は、前記第1のガス流路中にプロセス反応ガスを導入するように構成されている、
を備える、半導体反応チャンバ。
【請求項2】
前記第1のガス流路は、前記スプレーヘッドの円周方向に沿って間隔を置いて配置された複数のガス孔を含み、
前記プロセス反応ガス入口部材は、ガス分配及び支持リングであり、前記ガス分配及び支持リングの少なくとも一部は、前記スプレーヘッドの上面上に積み重ねられ、前記第2のガス流路の複数のガス出口端が設けられ、前記ガス分配及び支持リングの、前記スプレーヘッドの前記上面と接触する表面上に位置し、1対1の対応で前記複数のガス孔のガス入口端と連通される、請求項1に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項3】
前記第2のガス流路は、1つのガス入口端を有し、前記ガス分配及び支持リングの上面上に位置し、
前記第2のガス流路は、前記ガス分配及び支持リングと同心であり、異なる半径を有する複数の弧形状の副ガス流路群と、複数の下部出口とを含み、前記複数の弧形状の副ガス流路群は、順番に連通され、2つの連通された弧形状の副ガス流路群では、下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路の数は、上流の弧形状の副ガス流路群の前記弧形状の副ガス流路の数の2倍であり、
最下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路のガス出口端の数は、前記ガス孔の数と同じであり、前記ガス出口端は、前記下部出口を通して1対1の対応で前記ガス孔と連通される、請求項2に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項4】
3つの弧形状の副ガス流路群は、ガス入口方向に第1の弧形状の副ガス流路群、第2の円弧形状の副ガス流路群、及び第3の円弧形状の副ガス流路群に含まれ、且つそれらを含み、前記第3の円弧形状の副ガス流路群の半径は、前記第2の円弧形状の副ガス流路群の半径よりも大きく、前記第1の弧形状の副ガス流路群の半径よりも小さく、
前記第1の弧形状の副ガス流路群は、1つの弧形状の副ガス流路を含み、前記第2の円弧形状の副ガス流路群は、中心対称の2つの弧形状の副ガス流路を含み、前記第3の円弧形状の副ガス流路群は、中心対称の4つの弧形状の副ガス流路を含み、前記弧形状の副ガス流路の各々は、中間位置に位置する1つのガス入口端を含み、前記弧形状の副ガス流路の各々は、両端に位置する2つのガス出口端を含む、請求項3に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項5】
前記半導体反応チャンバは、
前記スプレーヘッドの下方の周囲に配置されたガス分配リングを更に含み、複数の第3のガス流路が、前記ガス分配リングの円周方向に沿って間隔を置いて前記ガス分配リング中に配置され、前記第3のガス流路のガス入口端が、1対1の対応で前記ガス孔の前記ガス出口端と連通され、前記ガス孔の前記ガス出口端は、前記第3のガス流路を通して前記弱プラズマエリアと連通される、請求項2~4のいずれか一項に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項6】
前記第3のガス流路の各々のガス入口端は、前記ガス分配リングの上面上に位置し、前記第3のガス流路の各々のガス出口端は、前記ガス分配リングの内側壁上に位置し、
前記第3のガス流路の各々の前記ガス出口端のガス出口方向は、前記反応チャンバ本体の軸方向に対して垂直であるか、又は前記反応チャンバ本体の前記軸方向と所定の角度を形成する、請求項5に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項7】
前記スプレーヘッドは、円形平面部材と、前記スプレーヘッドに接続され、且つ前記円形平面部材を囲む環状部材とを含み、複数の貫通孔が、前記円形平面部材中に均等に分布し、複数のガス孔が、前記環状部材の円周方向に沿って間隔を置いて分布する、請求項5に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項8】
複数の前記円形平面部材が含まれ、互いに積み重ねられる、請求項7に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項9】
前記環状部材の厚さは、前記円形平面部材の厚さよりも大きく、前記環状部材の下面は、前記円形平面部材の下面と同一平面上にあり、前記環状部材は、前記反応チャンバ本体の内側上に位置し、環状フランジが、前記環状部材の外周壁の周囲に配置され、前記環状フランジは、前記反応チャンバ本体の頂部上に積み重ねられ、前記ガス孔の各々のガス入口端が、前記環状フランジの上面上に位置し、前記ガス孔の各々のガス出口端は、前記環状部材の下面上に位置し、
前記ガス分配リングは、前記反応チャンバ本体の前記内側上に位置し、前記環状部材の前記下面上に積み重ねられる、請求項7に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項10】
前記貫通孔の直径は、φ1mm~φ10mmの範囲であり、前記円形平面部材の気孔率は、10%~80%の範囲であり、
前記ガス孔の直径は、φ1mm~φ8mmの範囲である、請求項7に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項11】
半導体反応チャンバと、上部無線周波数システムと、下部無線周波数システムとを備える、原子層プラズマエッチング装置であって、前記半導体反応チャンバは、請求項1~10のいずれか一項に記載の前記半導体反応チャンバであり、ウェハを支えるように構成されたベースが、前記半導体反応チャンバ中に配置され、前記半導体反応チャンバは、前記反応チャンバ本体と、前記反応チャンバ本体から離れる方向に沿って順番に前記反応チャンバ本体の頂部上に積み重ねられた前記プロセス反応ガス入口部材及び前記誘電体窓とを含み、中心ノズルシステムが、前記誘電体窓上に配置され、前記プラズマ生成エリア中にプラズマ生成ガスを導入するように構成され、前記上部無線周波数システムは、前記誘電体窓の上方に配置され、前記プラズマ生成ガスを励起して前記プラズマを形成するように構成され、前記下部無線周波数システムは、前記ベースに電気的に接続され、バイアス電圧電力を負荷するように構成される、原子層プラズマエッチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に、半導体製造分野に属し、原子層プラズマエッチング技術に関し、より具体的には、半導体反応チャンバ及び原子層プラズマエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]エッチングは、チップ製造プロセス分野において必須のステップであり、主に、ウェハから材料を除去して、パターン化された特徴を形成することを含む。プラズマエッチング技術は、チップ製造プロセスにおいて広く使用されている。一般に、プロセスガスが反応チャンバに入った後、プロセスガスは、無線周波数電力によって励起されてイオン化され、プラズマを形成する。プラズマは、被エッチング材料の表面との物理的及び化学的反応を生成して、揮発性反応生成物を形成する。反応生成物は、被エッチング材料の表面から分離され、真空システムによって反応チャンバから吸い出される。
【0003】
[0003]プラズマエッチング技術は、プラズマエッチング装置に依拠することによって実現される。エッチング前に、プラズマエッチング装置の反応チャンバは真空状態であり、被加工ウェハが下部電極上に配置されている。エッチング加工が開始されると、ウェハは下部電極によって吸着される。プロセスガスは、誘電体窓の中心に位置するノズルを通って反応チャンバ中に注入される。反応チャンバ中のプロセスガスをイオン化してプラズマを形成し、パターンマスクの露光後にウェハのエッチングプロセスを完了するための高周波電源が、上部電極には載置される。
【0004】
[0004]しかしながら、既存のプラズマエッチング装置は、(アルゴンなどの)プラズマ生成ガスと(塩素などの)プロセス反応ガスとを同じ流路中に混入するように構成されており、それは、ガス注入を精密且つ迅速に制御することを困難にし、形成されるプラズマのエネルギー密度が高く、それは、過剰反応を形成しやすく、ウェハパターンの微細エッチングに影響を及ぼす。空間がほとんど又は全くない微小構造を加工するために、プラズマがウェハに衝突すると、微小構造は、ウェハ上で損傷を受け得る。
【発明の概要】
【0005】
[0005]既存の技術における問題を解決するために、本開示の実施形態は、半導体反応チャンバを提供し、それは、
誘電体窓及び反応チャンバ本体と、ここで、誘電体窓は、反応チャンバ本体の上方に配置され、プラズマ生成エリアが、誘電体窓の下方に位置し、
誘電体窓と反応チャンバ本体の頂壁との間に配置され、プラズマ生成エリアを上部における強プラズマエリアと下部における弱プラズマエリアとに分割するスプレーヘッドと、ここで、複数の貫通孔が、スプレーヘッドの中心エリア中に分布し、強プラズマエリア中のプラズマが通過することを可能にするように構成され、スプレーヘッドの縁部エリアが、第1のガス流路を設けられ、第1のガス流路のガス出口端が、弱プラズマエリアと連通され、
スプレーヘッドの第1のガス流路のガス入口端が位置する側上に位置するプロセス反応ガス入口部材と、ここで、第2のガス流路が、プロセス反応ガス入口部材中に配置され、第2のガス流路は、第1のガス流路中にプロセス反応ガスを導入するように構成され、
を備える。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、第1のガス流路は、スプレーヘッドの円周方向に沿って間隔を置いて配置された複数のガス孔を含み、
プロセス反応ガス入口部材は、ガス分配及び支持リングであり、ガス分配及び支持リングの少なくとも一部は、スプレーヘッドの上面上に積み重ねられ、第2のガス流路の複数のガス出口端が設けられ、ガス分配及び支持リングの、スプレーヘッドの上面と接触する表面上に位置し、1対1の対応で複数のガス孔のガス入口端と連通される。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態では、第2のガス流路は、1つのガス入口端を有し、それは、ガス分配及び支持リングの上面上に位置し、
第2のガス流路は、ガス分配及び支持リングと同心であり、異なる半径を有する複数の弧形状の副ガス流路群と、複数の下部出口とを含み、複数の弧形状の副ガス流路群は、順番に連通される。2つの連通された弧形状の副ガス流路群では、下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路の数は、上流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路の数の2倍であり、
最下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路のガス出口端の数は、ガス孔の数と同じであり、ガス出口端は、下部出口を通して1対1の対応でガス孔と連通される。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、3つの弧形状の副ガス流路群は、ガス入口方向に第1の弧形状の副ガス流路群、第2の円弧形状の副ガス流路群、及び第3の円弧形状の副ガス流路群に含まれ、且つそれらを含み、第3の円弧形状の副ガス流路群の半径は、第2の円弧形状の副ガス流路群の半径よりも大きく、第1の弧形状の副ガス流路群の半径よりも小さく、
第1の弧形状の副ガス流路群は、1つの弧形状の副ガス流路を含み、第2の円弧形状の副ガス流路群は、中心対称の2つの弧形状の副ガス流路を含み、第3の円弧形状の副ガス流路群は、中心対称の4つの弧形状の副ガス流路を含み、弧形状の副ガス流路の各々は、中間位置に位置する1つのガス入口端を含み、弧形状の副ガス流路の各々は、両端に位置する2つのガス出口端を含む。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、半導体反応チャンバは、
スプレーヘッドの下方の周囲に配置されたガス分配リングを更に含み、複数の第3のガス流路が、ガス分配リングの円周方向に沿って間隔を置いてガス分配リング中に配置され、第3のガス流路のガス入口端が、1対1の対応でガス孔のガス出口端と連通され、ガス孔のガス出口端は、第3のガス流路を通して弱プラズマエリアと連通される。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、第3のガス流路の各々のガス入口端は、ガス分配リングの上面上に位置し、第3のガス流路の各々のガス出口端は、ガス分配リングの内側壁上に位置し、
第3のガス流路の各々のガス出口端のガス出口方向は、反応チャンバ本体の軸方向に対して垂直であるか、又は反応チャンバ本体の軸方向と所定の角度を形成する。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、スプレーヘッドは、円形平面部材と、スプレーヘッドに接続され、且つ円形平面部材を囲む環状部材とを含み、複数の貫通孔が、円形平面部材中に均等に分布し、複数のガス孔が、環状部材の円周方向に沿って間隔を置いて分布する。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態では、複数の円形平面部材が含まれ、互いに積み重ねられる。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態では、環状部材の厚さは、円形平面部材の厚さよりも大きく、環状部材の下面は、円形平面部材の下面と同一平面上にあり、環状部材は、反応チャンバ本体の内側上に位置し、環状フランジが、環状部材の外周壁の周囲に配置され、環状フランジは、反応チャンバ本体の頂部上に積み重ねられ、ガス孔の各々のガス入口端が、環状フランジの上面上に位置し、ガス孔の各々のガス出口端は、環状部材の下面上に位置し、
ガス分配リングは、反応チャンバ本体の内側上に位置し、環状部材の下面上に積み重ねられる。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、貫通孔の直径は、φ1mm~φ10mmの範囲である。円形平面部材の気孔率は、10%~80%の範囲であり、
ガス孔の直径は、φ1mm~φ8mmの範囲である。
【0015】
[0015]半導体反応チャンバと、上部無線周波数システムと、下部無線周波数システムとを備える、原子層プラズマエッチング装置であって、半導体反応チャンバは、本開示の実施形態の半導体反応チャンバであり、ウェハを支えるように構成されたベースが、半導体反応チャンバ中に配置され、半導体反応チャンバは、反応チャンバ本体と、反応チャンバ本体から離れる方向に沿って順番に反応チャンバ本体の頂部上に積み重ねられたプロセス反応ガス入口部材及び誘電体窓とを含み、中心ノズルシステムが、誘電体窓上に配置され、プラズマ生成エリア中にプラズマ生成ガスを導入するように構成され、上部無線周波数システムは、誘電体窓の上方に配置され、プラズマ生成ガスを励起してプラズマを形成するように構成され、下部無線周波数システムは、ベースに電気的に接続され、バイアス電圧電力を負荷するように構成される、原子層プラズマエッチング装置である。
【0016】
[0016]本開示の実施形態によって提供される半導体反応チャンバでは、プラズマ生成エリアは、スプレーヘッドを通して、上部における強プラズマエリアと、下部における弱プラズマエリアとに分割することができる。スプレーヘッドの中心エリア中に分布する複数の貫通孔は、強プラズマエリアから貫通孔に入るプラズマのエネルギーを低減することができる。このことから、弱プラズマエリアに入るプラズマは、低エネルギー密度プラズマであり得、それは、プラズマエッチング又は原子層エッチング用の低エネルギープラズマ源を提供して、プラズマ損傷を低減することができる。特に、空間がほとんど又は全くない微細構造を加工するとき、ウェハ上の微細構造は、損傷を受けることを防止され得る。加えて、スプレーヘッドの縁部エリア中の第1のガス流路と、プロセス反応ガス入口部材中の第2のガス流路との助けを借りて、弱プラズマエリア中にのみプロセス反応ガスを導入するように構成された投入流路を形成することができる。このことから、ガスの迅速且つ精密な制御及び投入が、原子層エッチングプロセスのガス迅速制御要件を満たすように実現され得る。
【0017】
[0017]本開示の実施形態の原子層プラズマエッチング装置は、本開示の実施形態の上述の半導体反応チャンバを使用することによって、低エネルギープラズマ源を提供し、プラズマ損傷を低減し、原子層エッチングプロセスのガス迅速制御要件を満たすようにガスの迅速且つ精密な制御及び投入を実現することができる。
【0018】
[0018]本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に関連して本開示の例証的な実施形態のより詳細な説明を実行することによってより明らかになるであろう。同じ参照番号は、一般に、本開示の例証的な実施形態における同じ部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】[0019]既存の誘導結合プラズマ(ICP)エッジング装置マグネトロン機構の概略構造図である。
図2】[0020]プラズマエッチング装置の概略構造図である。
図3】[0021]ガス分配デバイスの概略構造分解図である。
図4】[0022]本開示の第1の実施形態による半導体反応チャンバの概略構造図である。
図5A】[0023]本開示の第1の実施形態によるスプレーヘッドの概略断面図である。
図5B】[0024]本開示の第1の実施形態によるスプレーヘッドの概略上面図である。
図6A】[0025]本開示の第1の実施形態によるプロセス反応ガスのガス入口部材の概略断面図である。
図6B】[0026]本開示の第1の実施形態によるプロセス反応ガスのガス入口部材の概略上面図である。
図7】[0027]本開示の第1の実施形態によるプロセス反応ガスのガス入口部材の概略内部構造図である。
図8】[0028]本開示の第2の実施形態による半導体反応チャンバの概略構造図である。
図9A】[0029]本開示の第2の実施形態によるガス分配リングの概略上面図である。
図9B】[0030]図9の線A-Aに沿った概略断面図である。
図9C】[0031]図9BのエリアIの概略拡大図である。
図10】[0032]本開示の第3の実施形態による原子層プラズマエッチング装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0033]本開示の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明する。本開示の好ましい実施形態を添付の図面に示しているが、本開示は様々な形態で実装され得、本開示の実施形態によって限定されるべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本開示を徹底的且つ完全にし、当業者に本開示の範囲を十分に伝達するように提供される。
【0021】
[0034]図1に示すように、既存の誘導結合プラズマ(ICP)エッチング装置は、主に、チャンバ本体1、上部無線周波数システム2、誘電体窓3、ライナ4、及び静電チャック5、フォーカスリング6、静電チャックベース7、下部無線周波数システム8、圧力制御弁9、真空システム10、プロセスガスノズル11、ウェハ搬送ギャップ12を含む。
【0022】
[0035]誘電体窓3は、チャンバ本体1の頂部上に配置される。静電チャック5は、チャンバ本体1中に配置され、ウェハを支えるための静電チャックベース7上に配置される。誘電体窓3と静電チャック5との間のエリアは、プラズマ生成エリアである。プロセスガスノズル11は、誘電体窓3上に配置され、上述のプラズマ生成エリアにプロセスガスを移送するように構成される。上部無線周波数システム2は、誘電体窓3の上方に配置され、プロセスガスを励起してプラズマを形成するように構成される。下部無線周波数システム8は、静電チャック5に電気的に接続され、静電チャック5にバイアス電力を印加するように構成される。加えて、フォーカスリング6は、静電チャック5の周囲に配置される。ライナ4は、チャンバ本体1の上述のプラズマエリアの周囲に配置される。真空システム10は、チャンバ本体1の下部からの出口を通して排気される。
【0023】
[0036]しかしながら、既存のプラズマエッチング装置は、(アルゴンなどの)プラズマ生成ガスと(塩素などの)プロセス反応ガスとを同じ流路中に混入するように構成されており、それは、ガス注入を精密且つ迅速に制御することを困難にし、形成されるプラズマのエネルギー密度が高く、それは、過剰反応を形成しやすく、ウェハパターンの微細エッチングに影響を及ぼす。空間がほとんど又は全くない微小構造を加工するために、プラズマがウェハに衝突すると、微小構造は、ウェハ上で損傷を受け得る。
【0024】
[0037]図2は、プラズマエッチング装置の概略構造図である。図2を参照すると、装置は、反応チャンバ94を含む。石英カバー92は、反応チャンバ94の上方に配置される。ガス入口ノズル取り付け孔91が、石英カバー92のほぼ中心に配置される。ここに取り付けられたガス入口ノズルは、反応チャンバ94の下部に位置するガス分配チャンバ90中に反応チャンバ94の外側のプロセスガスを注入するように構成され得る。加えて、静電チャック97が、反応チャンバ94中に配置され、ウェハ99を吸着及び固定するように構成される。フォーカスリング98が、静電チャック97の周囲に配置され、プラズマによって衝突されることから下部電極部を保護するように構成される。ライナ93は、反応チャンバ94の内壁の周囲に配置され、反応チャンバ94の内壁がエッチング反応生成物によって汚染されることを防止するように構成される。加えて、複数の小孔が、ライナ93の底部に配置され、ガス抽出チャンバ95に反応チャンバ94中の反応生成物を移送し、ガス抽出チャンバ95のガス出口96から反応生成物を放出するように構成される。
【0025】
[0038]図3は、ガス分配デバイスの概略構造分解図である。図3を参照すると、ガス分配デバイス26は、上部位置に位置する支持プレート20と、下部位置に位置するスプレーヘッド電極22とを含み、それらは、共に組み立てられてガス分配チャンバを形成する。ガス流分配をより均一にするために、チョーク流れアセンブリが、上述のガス分配チャンバ中に配置され、それは、1つ以上のチョーク流れプレート(30A,30B,30C,...)を含む。ガス分配デバイスは、二重ゾーン(二重経路)ガス入口システムに特に適し得る。第1の経路のガス(即ち、中心ゾーンガス)は、支持プレート20上に配置された中心ガス入口パイプライン40を通ってデバイスに入り得る。第2の経路のガス(即ち、縁部エリア中のガス)は、支持プレート20上に配置された縁部ガス入口流路44からデバイスに入り得る。支持プレート20に最も近いチョーク流れプレート30Aでは、中心エリア42及び縁部エリア46は、封止リング38によって分離される。このことから、第1の経路のガスは、ガス分配チャンバの中心エリア42に入り得、第2の経路のガスは、ガス分配チャンバの縁部エリア46に入り得る。均一なガス分配は、スプレーヘッド電極22の背面28において最終的に得られ得る。次いで、ここで均一に分配されたガスは、スプレーヘッド電極22(半導体エッチング装置の上部電極)を通って反応チャンバに入り、反応チャンバ中の被加工ウェハの上方に均一なガス分配を形成し得る。加えて、上面及び下面に対して実質的に垂直であるガス孔流路52A、52B、52C、54、等が、上述のチョーク流れアセンブリ及びスプレーヘッド電極22上に均等に分布する。
【0026】
[0039]図2に示すガス分配チャンバ90は、プロセスガスを反応チャンバ94に均一に入らせるように構成される。図3に示すガス分配デバイスは、孔を有する4層のシーブプレートを通してガスを分配することによって、均一なガス拡散の目的を達成することができる。図2に示すガス分配チャンバ90及び図3に示すガス分配デバイスは、主に、プロセスガスを均一に分配するように構成されるが、いずれもプラズマのエネルギー密度を低減することができないことが分かる。
【0027】
[0040]第1の実施形態
【0028】
[0041]図4を参照すると、本実施形態は、誘電体窓108、反応チャンバ本体100、スプレーヘッド107、及びプロセス反応ガス入口部材106を含む半導体反応チャンバを提供する。誘電体窓108の材料は、セラミック材料又は石英材料であり得る。誘電体窓108は、反応チャンバ本体100の上方に配置される。プラズマ生成エリアは、誘電体窓108の下方にある。加えて、中心ノズルシステム109が、誘電体窓108上に配置され、上述のプラズマ生成エリア中に(アルゴンなどの)プラズマ生成ガスを導入するように構成される。加えて、チャンバ本体100は、ウェハ117を支えるように構成されたベース103を含む。ベース103は、例えば、静電チャックであり得る。静電チャックは、静電チャックベース102を通して反応チャンバ本体100中に配置される。
【0029】
[0042]図5A及び図5Bを共に参照すると、スプレーヘッド107は、例えば、金属材料から作られる。スプレーヘッド107は、誘電体窓108と反応チャンバ本体100の頂壁との間に配置され、上述のプラズマ生成エリアを、上部における強プラズマエリア128と下部における弱プラズマエリア129とに分割する。強プラズマエリア128は、プラズマ点火を容易にし得る。加えて、複数の貫通孔120が、スプレーヘッド107の中心エリア中に分布し、強プラズマエリア128中のプラズマが通過することを可能にするように構成される。貫通孔120は、強プラズマエリア128から貫通孔120に入るプラズマのエネルギーを低減することができる。このことから、弱プラズマエリア129に入るプラズマは、低エネルギー密度を有するプラズマであり得、それは、プラズマエッチング又は原子層エッチングなどのエッチングプロセス用の低エネルギーを有するプラズマ源を提供することができる。プラズマ損傷が、低減され得る。特に、空間がほとんど又は全くない微細構造が加工されるとき、ウェハ上の微細構造は、損傷を受けることを防止され得る。加えて、スプレーヘッドの縁部エリア中の第1のガス流路と、プロセス反応ガス入口部材中の第2のガス流路との助けを借りて、弱プラズマエリア中にのみプロセス反応ガスを導入するように構成された投入流路が形成され得る。このことから、ガスは、原子層エッチングプロセスのガス高速制御要件を満たすように、高速且つ精密に制御及び投入することができる。
【0030】
[0043]図4に示すように、第1のガス流路は、スプレーヘッド107の縁部エリア中に配置される。第1の空気流路のガス出口端は、弱プラズマエリア129と連通される。プロセス反応ガス入口部材106が、スプレーヘッド107の第1のガス流路のガス入口端が位置する側上に位置する。第2のガス流路が、プロセス反応ガス入口部材106中に配置される。第2のガス流路は、第1のガス流路に(塩素などの)プロセス反応ガスを導入するように構成され得る。スプレーヘッド107の縁部エリア中の第1のガス流路及びプロセス反応ガス入口部材106中の第2のガス流路の助けを借りて、弱プラズマエリア129中にのみプロセス反応ガスを導入するように構成された投入流路を形成することができ、それは、原子層エッチングプロセスのガス迅速制御要件を満たすようにガスの迅速且つ精密な制御及び投入を実現することができる。
【0031】
[0044]いくつかの実施形態では、図5A及び図5Bに示すように、上述の第1のガス流路は、スプレーヘッド107の円周方向に沿って間隔を置いて分布する複数のガス孔119を含み、それらは、プロセス反応ガスを均一に分配するように構成される。更に、いくつかの実施形態では、ガス孔119のガス入口端と上述の第2のガス流路のガス出口端との間の連通を容易にするために、ガス孔119のガス出口端は、弱プラズマエリア129と連通される。各ガス孔119は、斜めに配置され、即ち、各ガス孔119の軸線は、反応チャンバ本体100の軸線と夾角を形成する。ガス孔119のガス出口端は、ガス入口端よりも反応チャンバ本体100の軸線に近くあり得る。
【0032】
[0045]上述のスプレーヘッド107は、様々な構造を有し得る。例えば、図5A及び図5Bに示すように、スプレーヘッド107は、円形平面部材107aと、スプレーヘッド107に接続され、且つ円形平面部材107aを囲む環状部材107bとを含む。円形平面部材107aは、円板形状である。複数の貫通孔120は、円形平面部材107a上に均等に分布し、例えば、同心円状に円形平面部材107a上に均一に分布する。いくつかの実施形態では、貫通孔120の軸線は、円形平面部材107aが位置する平面に対して垂直である。複数のガス孔119は、環状部材107bの円周方向に沿って間隔を置いて分布する。
【0033】
[0046]いくつかの実施形態では、任意選択で、環状部材107bの厚さは、円形平面部材107aの厚さよりも大きくあり得る。環状部材107bの下面は、円形平面部材107aの下面と同一平面上にあり得る。環状部材107bは、反応チャンバ本体100の内側上に位置し得る。環状フランジが、環状部材107bの外周壁を囲むように配置され得る。環状フランジは、反応チャンバ本体100の頂部に積み重ねられて、環状部材107bと反応チャンバ本体100との間の固定接続を実現し得る。各ガス孔119のガス入口端は、上述の環状フランジの上面上に位置し得る。各ガス孔119のガス出口端は、環状部材107bの下面に位置し、それは、ガス孔119のガス入口端と第2のガス流路のガス出口端との連通を容易にする。ガス孔119のガス出口端は、弱プラズマエリア129と連通され得る。
【0034】
[0047]本実施形態では、1つの円形平面部材107aが含まれ得ることに留意されたい。しかしながら、本開示の実施形態は、これに限定されない。実際の適用では、複数の円形平面部材107aが設けられ、互いに積み重ねられ得る。
【0035】
[0048]いくつかの実施形態では、貫通孔120の直径は、φ1mm~φ10mmの範囲、好ましくはφ4mmであり得る。円形平面部材107aの気孔率は、10%~80%の範囲、好ましくは60%であり得る。貫通孔120の直径及び円形平面部材107aの気孔率を上記の2つの範囲内に設定することによって、弱プラズマエリア129に入るプラズマは、低エネルギー密度プラズマとなることを保証され得る。当然ながら、実際の適用では、貫通孔120の直径及び円形平面部材107aの気孔率は、スプレーヘッド107のガス流量及びプラズマ点火圧力などのパラメータに従って自由に設定することができる。
【0036】
[0049]いくつかの実施形態では、ガス孔119の直径は、φ1mm~φ8mmの範囲に設定することができる。いくつかの実施形態では、ノズルをガス孔119に配置することができる。ノズルの直径は、例えば、φ1mm~φ5mmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ガス孔119の数は、8であり得、ガス孔119の直径は、φ4mmに設定され得る。
【0037】
[0050]いくつかの実施形態では、任意選択で、スプレーヘッド107の円形平面部材107aの上面と誘電体窓108の下面との間の垂直距離は、20mm~200mm、好ましくは40mm~100mmの範囲であり得る。スプレーヘッドの円形平面部材107aの下面とベース103上に配置されたウェハの上面との間の垂直距離は、20mm~100mm、好ましくは30mm~80mmの範囲であり得る。例えば、スプレーヘッド107の円形平面部材107aの上面と誘電体窓108の下面との間の垂直距離は、60mmであり得る。スプレーヘッドの円形平面部材107aの下面とベース103上のウェハの上面との間の距離は、40mmであり得る。
【0038】
[0051]いくつかの実施形態では、任意選択で、上述のプロセス反応ガス入口部材106は、ガス分配及び支持リングであり得る。ガス分配及び支持リングは、主に、2つの機能を含み得、第1に、誘電体窓108のための支持部材として使用され、内部にチャンバを形成し、第2に、プロセス反応ガスを第2のガス流路を通って上述の第1のガス流路に入らせるためのガス分配機構として使用され得る。いくつかの実施形態では、ガス分配及び支持リングの少なくとも一部は、スプレーヘッド107の上面上に積み重ねられ、複数のガス孔119に対応し得る。上述の第2のガス流路の複数のガス出口端が、スプレーヘッド107の上面に接触するガス分配及び支持リングの表面上に設けられ且つ位置し、第2のガス流路を第1のガス流路と連通させるために1対1の対応で複数のガス孔119のガス入口端と連通され得る。
【0039】
[0052]いくつかの実施形態では、任意選択で、図6Bを参照すると、第2のガス流路の1つのガス入口端118aは、1つのガス入口端118aを有し、それは、ガス分配及び支持リングの上面上に位置し、ガス入口パイプライン118と連通するように構成される。図6Aに示すように、第2のガス流路は、上述のガス分配及び支持リングと同心であり、異なる半径を有する複数の弧形状の副ガス流路群と、複数の下部出口123とを含む。複数の弧形状の副ガス流路群が順番に連通され得る。2つの連通された弧形状の副ガス流路群では、下流の弧形状の副ガス流路群中の弧形状の副ガス流路の数は、上流の弧形状の副ガス流路群中の弧形状の副ガス流路の数の2倍であり得る。このことから、第2のガス流路のガス入口端118aから最上流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路に入る経路プロセス反応ガスは、複数の下流の弧形状の副ガス流路群中の対応する数の弧形状の副ガス流路によって平均して複数の副経路に順番に分割され得る。即ち、経路プロセス反応ガスは、まず、2つの副経路に分割され得、2つの経路は、次いで、4つの副経路に分割され得、以下同様である。最下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路のガス出口端の数は、ガス孔119と同じ数を有し得る。ガス出口端は、1対1の対応で複数の下部出口123を通してガス孔119と連通され得る。
【0040】
[0053]例えば、図6A及び図7に示すように、3つの弧形状の副ガス流路群が含まれ、ガス入口方向に第1の弧形状の副ガス流路群131、第2の弧形状の副ガス流路群132、及び第3の弧形状の副ガス流路群133を含む。第3の弧形状の副ガス流路群133の半径は、第2の弧形状の副ガス流路群132の半径よりも大きく、第1の弧形状の副ガス流路群131の半径よりも小さくあり得る。加えて、第1の弧形状の副ガス流路群131は、弧形状の副ガス流路を含み得る。第2の弧形状の副ガス流路群132は、2つの中心対称の弧形状の副ガス流路を含み得る。第3の弧形状の副ガス流路群133は、4つの中心対称の弧形状の副ガス流路を含み得る。各弧形状の副ガス流路は、1つのガス入口端を含み得、中間位置中に位置する。各弧形状の副ガス流路は、2つのガス出口端を含み、両端に位置し得る。具体的には、第1の弧形状の副ガス流路群131の弧形状の副ガス流路の中間位置における入口端は、第2のガス流路のガス入口端118aとして使用され得、ガス入口パイプライン118と連通され得る。弧形状の副ガス流路の両端における2つのガス出口端は、第2の弧形状の副ガス流路群132中の2つの弧形状の副ガス流路の中間位置におけるガス入口端とそれぞれ連通され得る。2つの弧形状の副ガス流路の両端における2つのガス出口端は、第3の弧形状の副ガス流路群133中の4つの弧形状の副ガス流路の中間位置におけるガス入口端と連通され得る。図6Aに示すように、4つの弧形状の副ガス流路の両端に位置する2つのガス出口端は、下部出口123と全て連通される。このことから、1つの経路プロセス反応ガスを、複数の副経路に均等に分割することができ、副経路のガス流経路は、同じであることを保証することができる。このことから、副経路中のプロセス反応ガスは、同時に下部出口123に到達することができる。いくつかの実施形態では、下部出口123の数は、4~12であり得る。このことから、1つの経路プロセス反応ガスは、これに対応して4~12個の部分に分割され得る。
【0041】
[0054]いくつかの実施形態では、任意選択で、耐プラズマスプレーなどの表面加工が、プラズマと接触する部分の表面に実行され得る。例えば、アルミニウム材料の場合、表面酸化加工及び酸化イットリウム溶射加工が必要とされ得る。
【0042】
[0055]第2の実施形態
【0043】
[0056]図8を参照すると、本実施形態の半導体反応チャンバは、上述の第1の実施形態と比較して、誘電体窓108、反応チャンバ本体100、スプレーヘッド107、及びプロセス反応ガス入口部材106も含む。これらの構成要素の構造及び機能は、上述の第1の実施形態において詳細に説明しているので、これらの構成要素の構造及び機能は、ここでは繰り返さない。本実施形態において提供される半導体反応チャンバと上述の第1の実施形態との間の差異のみを、以下に詳細に記載する。
【0044】
[0057]具体的には、半導体反応チャンバは、ガス分配リング110を更に含む。ガス分配リング110は、スプレーヘッド107の下方の周囲に配置される。図9A図9Cに示すように、複数の第3のガス流路が、ガス分配リング110中に円周方向に沿って間隔を置いて配置される。第3のガス流路のガス入口端は、1対1の対応でガス孔119のガス出口端と連通される。ガス孔119のガス出口端は、上述の第3のガス流路を通して弱プラズマエリア129と連通され得る。第3のガス流路は、複数の構造を含み得る。例えば、図9Cに示すように、第3のガス流路は、ガス分配リング110の軸方向に沿って配置された第1の貫通孔122と、ガス分配リング110の半径方向に沿って配置された第2の貫通孔121とを含む。第1の貫通孔122のガス入口端は、第3のガス流路のガス入口端として使用され得、ガス分配リング110の上面に位置し得る。第1の貫通孔122のガス出口端は、第2の貫通孔121のガス入口端と連通され得る。第2の貫通孔121のガス出口端は、第3のガス流路のガス出口端として使用され得、ガス分配リング110の内側壁上に位置し得る。
【0045】
[0058]いくつかの実施形態では、スプレーヘッドが、第3のガス流路に配置され得る。スプレーヘッドの直径は、例えば、φ2mmであり得る。
【0046】
[0059]一方では、ガス分配リング110は、弱プラズマエリア129にプロセス反応ガスを均一且つ制御可能に移送するように構成され得る。他方では、ガス分配リング110は、反応チャンバ本体100の内部チャンバを満たし得る。弱プラズマエリア129は、スプレーヘッド107、ガス分配リング110、及びベース103によって形成され、且つ取り囲まれ得る。従来の反応チャンバ本体100と比較して、弱プラズマエリア129の体積が大幅に低減され得、それは、ガス流滞留時間を低減し、エッチング加工及び補助時間の切り替え効率を改善し、原子層プラズマエッチング用のハードウェア基盤を提供するのに有益である。
【0047】
[0060]例えば、ガス分配リング110は、上述の反応チャンバ本体100の内側に位置し、スプレーヘッド107の環状部材107bの下面上に積み重ねられ得る。
【0048】
[0061]本実施形態では、第2の貫通孔121は、ガス分配リング110の半径方向に沿って配置され得ることに留意されたい。しかしながら、本開示の実施形態は、これに限定されない。実際の適用では、第2の貫通孔121はまた、所望のガス入口方向を得るために、反応チャンバ本体100の軸方向と所定の夾角を有し得る。
【0049】
[0062]本実施形態では、第3のガス流路は、第1の貫通孔122及び第2の貫通孔121を含み得る。しかしながら、本開示の実施形態は、これに限定されない。実際の適用では、第3のガス流路はまた、傾斜しており、且つ反応チャンバ本体100の軸方向又は任意の他の構造と所定の角度を有する貫通孔であり得る。
【0050】
[0063]本実施形態の他の構成要素の構造及び機能は、上述の第1の実施形態のものと同じであり得る。他の構成要素の構造及び機能は、上述の第1の実施形態において詳細に説明しているので、他の構成要素の構造及び機能は、ここでは繰り返さない。
【0051】
[0064]上述の第1及び第2の実施形態では、任意選択で、半導体反応チャンバは、フォーカスリング105及びライナ101を更に含み得る。フォーカスリング105は、ベース103(例えば、静電チャック)の外側に配置され、下部構成要素を保護するように構成され得る。ライナ101は、エッチング反応生成物が反応チャンバを汚染することを防止するために、ガス分配リング110とベース103との間及び反応チャンバ本体100の内壁の周囲に配置され得る。ライナ101の下部及び側部は、ガス流を容易にするために格子孔を設けられ得る。
【0052】
[0065]いくつかの実施形態では、半導体反応チャンバは、ベースリング104を更に含み得る。ベースリング104は、ベース103の周囲に配置され得る。フォーカスリング105は、ベースリング104上に配置され得る。
【0053】
[0066]加えて、開口部111が、ライナ101及び反応チャンバ本体100上に配置され、ウェハ117を搬送するように構成され得る。開口部111は、内部ドアを設けられ得る(ギャップは、搬送が完了した後に閉鎖される)。ウェハ117が搬送されるとき、内部ドアが開放され得る。ウェハ117が静電チャック上に載置された後、内部ドアが閉鎖されて、封止エリア中にプラズマエリアが形成される。搬送プラットフォームと半導体反応チャンバとの間のウェハ117の搬送は、真空マニピュレータ116によって達成することができる。
【0054】
[0067]要約すると、本開示の実施形態の半導体反応チャンバでは、プラズマ生成エリアは、スプレーヘッドを通して、上部における強プラズマエリアと、下部における弱プラズマエリアとに分割され得る。スプレーヘッド中の中間エリアに分布する複数の貫通孔は、強プラズマエリアから貫通孔に入るプラズマのエネルギーを低減するように構成され得る。このことから、弱プラズマエリアに入るプラズマは、低エネルギー密度を有するプラズマであって、プラズマエッチング又は原子層エッチングのエッチングプロセス用の低エネルギープラズマ源を提供し、プラズマ損傷を低減し得る。特に、空間がほとんど又は全くない微細構造が加工されるとき、ウェハ上の微細構造は、損傷を受けることを防止され得る。加えて、スプレーヘッドの縁部エリア中の第1のガス流路と、プロセス反応ガス入口部材中の第2のガス流路との助けを借りて、投入流路が、弱プラズマエリア中にのみプロセス反応ガスを導入するように構成される。このことから、ガスの迅速且つ精密な制御及び投入が達成され得、それは、原子層エッチングプロセスのガス迅速制御要件を満たす。
【0055】
[0068]第3の実施形態
【0056】
[0069]本実施形態は、原子層プラズマエッチング装置を提供する。プラズマエッチング装置は、従来の低密度プラズマエッチング加工を完了し、原子層エッチングの原理と組み合わせて原子層エッチング加工を実行するように構成することができる。
【0057】
[0070]図10を参照すると、プラズマエッチング装置は、半導体反応チャンバ、上部無線周波数システム112、及び下部無線周波数システム113を含む。上述の半導体反応チャンバは、本開示の実施形態の半導体反応チャンバである。ウェハを支えるように構成されたベース103が、半導体反応チャンバ中に配置される。半導体反応チャンバは、反応チャンバ本体100と、反応チャンバ本体100から離れる方向に沿って反応チャンバ本体100の頂部上に順番に積み重ねられたプロセス反応ガス入口部材106及び誘電体窓108とを含む。加えて、スプレーヘッド107は、誘電体窓108と反応チャンバ本体100の頂壁との間に配置され、上述のプロセス反応ガス入口部材106の内側上に位置する。いくつかの実施形態では、ガス分配リング110は、スプレーヘッド107の下方の周囲に配置される。
【0058】
[0071]加えて、中心ノズルシステム109が誘電体窓108上に配置され、プラズマ生成エリア中にプラズマ生成ガスを導入するように構成され得る。上部無線周波数システム112は、誘電体窓108の上方に配置され、プラズマ生成ガスを励起してプラズマを形成するように構成され得る。下部無線周波数システム113は、ベース103に電気的に接続され、バイアス電力を負荷するように構成され得る。例えば、上部無線周波数システム112は、高周波電源を提供し、ガスをイオン化してプラズマを生成するように構成され得る。下部無線周波数システム113は、ベース103にバイアス電力を印加し得、それは、ウェハ117の表面に向かって移動するようにプラズマを加速させて、ウェハ117のプラズマエッチング加工を実現することができる。圧力制御弁114及び真空ポンプシステム115が、反応チャンバ本体100の下部に配置され、反応チャンバ本体100中の圧力及び排気を制御するように構成され得る。真空ポンプシステム115は、ガスを排出するように構成されたガス排出開口部130を含み得る。
【0059】
[0072]加えて、開口部111が、ライナ101及び反応チャンバ本体100上に配置され、ウェハ117を搬送するように構成され得る。開口部111は、内部ドアを設けられ得る(開口部111は、移送が完了した後に閉鎖される)。ウェハ117が搬送されるとき、内部ドアが開放され得る。ウェハ117がベース103上に載置された後、内部ドアが閉鎖されて、封止エリア中にプラズマエリアが形成され得る。搬送プラットフォームと反応チャンバとの間のウェハ117の搬送は、真空マニピュレータ116によって達成され得る。
【0060】
[0073]上述のプラズマエッチング装置を使用して原子層エッチングを実行する主なプロセスは、以下を含む。
【0061】
[0074]1)ガス入口パイプライン118によって提供されるプロセス反応ガスは、プロセス反応ガス入口部材106の第2の流路に入る。第2の流路中に均等に分配された後、プロセスガスは、スプレーヘッド107のガス孔119を通ってガス分配リング110の第3の流路中に流入し、第3の流路を通って弱プラズマエリア129中に流入する。被エッチング材料と化学的に反応する(除去する)ことができるガスの層は、ウェハ117の被エッチング表面(マスクなし)中に吸収され得る。反応が生じて、反応生成物が形成される。これは、塩素ガス、テトラフルオロシクロブタン、等を含むが、これらに限定されない。
【0062】
[0075]2)残りの過剰なプロセス反応ガスは、真空ポンプシステム115によって引き出される。
【0063】
[0076]3)プラズマ生成ガス(例えば、アルゴン)は、誘電体窓108上に配置された中心ノズルシステム109を通って強プラズマエリア128中に移送される。圧力制御弁114が、反応チャンバ本体100中の圧力を制御し、上部無線周波数システム112が、高周波無線周波数電力を供給し、イオン化されたガスが点火されて、高密度の強プラズマが生成される。真空ポンプシステム115の高真空機能を通して、プラズマの一部は、強プラズマエリア128から弱プラズマエリア129に移動するように駆動される。プラズマは、ウェハ117のマスクされていない表面に衝突する。ウェハは、エッチングプロセスガスと反応して、反応生成物を生成する。反応生成物は、剥ぎ取られる。
【0064】
[0077]4)真空ポンプシステム115は、反応チャンバ本体100から反応チャンバ本体100中の全てのガス及び反応生成物を引き出すように構成される。上記の4つのステップを1つのサイクルとすることによって、被エッチング材料の原子層厚さの材料が、1つのサイクルで除去され得る。所定のターゲット材料エッチングは、複数のサイクルを通して実現される。
【0065】
[0078]本実施形態において提供される原子層プラズマエッチング装置では、半導体反応チャンバは、本開示の第1の実施形態又は第2の実施形態の半導体反応チャンバであり得ることに留意されたい。
【0066】
[0079]本開示の実施形態の原子層プラズマエッチング装置は、低エネルギープラズマ源を提供し、プラズマ損傷を低減し、本開示の様々の実施形態の半導体反応チャンバを通したガスの迅速且つ精密な制御及び投入を実現することができる。このことから、原子層エッチングプロセスのガス迅速制御要件が満され得る。
【0067】
[0080]本開示の様々な実施形態を上記で説明しており、上記の説明は、例証的であり、網羅的ではなく、開示した実施形態を限定しない。修正及び変形が、説明した実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者に明らかであり得る。本明細書で使用された専門用語は、実施形態の原理、実際の適用、若しくは市場における技術的改善を最も良く説明するために、又は本明細書で開示した様々な実施形態を当業者が理解することを可能にするために選択される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体反応チャンバであって、
誘電体窓及び反応チャンバ本体と、ここで、前記誘電体窓は前記反応チャンバ本体の上方に配置され、プラズマ生成エリアが前記誘電体窓の下方に位置しており、前記誘電体窓はプレート形状であり、
前記誘電体窓と前記反応チャンバ本体の頂壁との間に配置され、前記プラズマ生成エリアを上部における強プラズマエリアと下部における弱プラズマエリアとに分割するスプレーヘッドと、ここで、中心ノズルシステムが前記誘電体窓上に配置され、前記強プラズマエリア中にプラズマ生成ガスを導入するように構成され、複数の貫通孔が、前記スプレーヘッドの中心エリア中に分布し、前記強プラズマエリア中のプラズマが通過することを可能にするように構成され、前記スプレーヘッドの縁部エリアに第1のガス流路が設けられ、前記第1のガス流路のガス出口端が、前記弱プラズマエリアと連通されており、
前記スプレーヘッドの前記第1のガス流路のガス入口端が位置する側上に位置するプロセス反応ガス入口部材と、ここで、第2のガス流路が、前記プロセス反応ガス入口部材中に配置され、前記第2のガス流路は前記第1のガス流路と連通され、前記弱プラズマエリア中にプロセス反応ガスを導入するように構成されており、前記プラズマ生成ガスは前記プロセス反応ガスとは異なる
を備える、半導体反応チャンバ。
【請求項2】
前記第1のガス流路は、前記スプレーヘッドの円周方向に沿って間隔を置いて配置された複数のガス孔を含み、
前記プロセス反応ガス入口部材は、ガス分配及び支持リングであり、前記ガス分配及び支持リングの少なくとも一部は、前記スプレーヘッドの上面上に積み重ねられ、前記第2のガス流路の複数のガス出口端が設けられ、前記ガス分配及び支持リングの、前記スプレーヘッドの前記上面と接触する表面上に位置し、1対1の対応で前記複数のガス孔のガス入口端と連通される、請求項1に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項3】
前記第2のガス流路は、1つのガス入口端を有し、前記ガス入口端は、前記ガス分配及び支持リングの上面上に位置し、
前記第2のガス流路は、前記ガス分配及び支持リングと同心であり、異なる半径を有する複数の弧形状の副ガス流路群と、複数の下部出口とを含み、前記複数の弧形状の副ガス流路群は、順番に連通され、2つの連通された弧形状の副ガス流路群では、下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路の数は、上流の弧形状の副ガス流路群の前記弧形状の副ガス流路の数の2倍であり、
最下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路のガス出口端の数は、前記ガス孔の数と同じであり、前記ガス出口端は、前記下部出口を通して1対1の対応で前記ガス孔と連通される、請求項2に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項4】
3つの弧形状の副ガス流路群は、ガス入口方向に第1の弧形状の副ガス流路群、第2の円弧形状の副ガス流路群、及び第3の円弧形状の副ガス流路群に含まれ、且つそれらを含み、前記第3の円弧形状の副ガス流路群の半径は、前記第2の円弧形状の副ガス流路群の半径よりも大きく、前記第1の弧形状の副ガス流路群の半径よりも小さく、
前記第1の弧形状の副ガス流路群は、1つの弧形状の副ガス流路を含み、前記第2の円弧形状の副ガス流路群は、中心対称の2つの弧形状の副ガス流路を含み、前記第3の円弧形状の副ガス流路群は、中心対称の4つの弧形状の副ガス流路を含み、前記弧形状の副ガス流路の各々は、中間位置に位置する1つのガス入口端を含み、前記弧形状の副ガス流路の各々は、両端に位置する2つのガス出口端を含む、請求項3に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項5】
前記スプレーヘッドの下方の周囲に配置されたガス分配リング、前記ガス分配リングの円周方向に沿って間隔を置いて前記ガス分配リング中に配置される複数の第3のガス流路、1対1の対応で前記ガス孔の前記ガス出口端と連通される第3のガス流路のガス口端、前記第3のガス流路を通して前記弱プラズマエリアと連通される前記ガス孔の前記ガス出口端とを、さらに備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項6】
前記第3のガス流路の各々のガス入口端は、前記ガス分配リングの上面上に位置し、前記第3のガス流路の各々のガス出口端は、前記ガス分配リングの内側壁上に位置し、
前記第3のガス流路の各々の前記ガス出口端のガス出口方向は、前記反応チャンバ本体の軸方向に対して垂直であるか、又は前記反応チャンバ本体の前記軸方向と所定の角度を形成する、請求項5に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項7】
前記スプレーヘッドは、円形平面部材と、前記スプレーヘッドに接続され、且つ前記円形平面部材を囲む環状部材とを含み、複数の貫通孔が、前記円形平面部材中に均等に分布し、複数のガス孔が、前記環状部材の円周方向に沿って間隔を置いて分布する、請求項5に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項8】
複数の前記円形平面部材が含まれ、互いに積み重ねられる、請求項7に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項9】
前記環状部材の厚さは、前記円形平面部材の厚さよりも大きく、前記環状部材の下面は、前記円形平面部材の下面と同一平面上にあり、前記環状部材は、前記反応チャンバ本体の内側上に位置し、環状フランジが、前記環状部材の外周壁の周囲に配置され、前記環状フランジは、前記反応チャンバ本体の頂部上に積み重ねられ、前記ガス孔の各々のガス入口端が、前記環状フランジの上面上に位置し、前記ガス孔の各々のガス出口端は、前記環状部材の下面上に位置し、
前記ガス分配リングは、前記反応チャンバ本体の前記内側上に位置し、前記環状部材の前記下面上に積み重ねられる、請求項7に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項10】
前記貫通孔の直径は、φ1mm~φ10mmの範囲であり、前記円形平面部材の気孔率は、10%~80%の範囲であり、
前記ガス孔の直径は、φ1mm~φ8mmの範囲である、請求項7に記載の半導体反応チャンバ。
【請求項11】
半導体反応チャンバと、上部無線周波数システムと、下部無線周波数システムとを備える、原子層プラズマエッチング装置であって、前記半導体反応チャンバは、請求項1~10のいずれか一項に記載の前記半導体反応チャンバであり、ウェハを支えるように構成されたベースが、前記半導体反応チャンバ中に配置され、前記半導体反応チャンバは、前記反応チャンバ本体と、前記反応チャンバ本体から離れる方向に沿って順番に前記反応チャンバ本体の頂部上に積み重ねられた前記プロセス反応ガス入口部材及び前記誘電体窓とを含み、中心ノズルシステムが、前記誘電体窓上に配置され、前記プラズマ生成エリア中にプラズマ生成ガスを導入するように構成され、前記上部無線周波数システムは、前記誘電体窓の上方に配置され、前記プラズマ生成ガスを励起して前記プラズマを形成するように構成され、前記下部無線周波数システムは、前記ベースに電気的に接続され、バイアス電圧電力を負荷するように構成される、原子層プラズマエッチング装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
[0080]本開示の様々な実施形態を上記で説明しており、上記の説明は、例証的であり、網羅的ではなく、開示した実施形態を限定しない。修正及び変形が、説明した実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者に明らかであり得る。本明細書で使用された専門用語は、実施形態の原理、実際の適用、若しくは市場における技術的改善を最も良く説明するために、又は本明細書で開示した様々な実施形態を当業者が理解することを可能にするために選択される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 半導体反応チャンバであって、
誘電体窓及び反応チャンバ本体と、ここで、前記誘電体窓は前記反応チャンバ本体の上方に配置され、プラズマ生成エリアが前記誘電体窓の下方に位置しており、
前記誘電体窓と前記反応チャンバ本体の頂壁との間に配置され、前記プラズマ生成エリアを上部における強プラズマエリアと下部における弱プラズマエリアとに分割するスプレーヘッドと、ここで、複数の貫通孔が、前記スプレーヘッドの中心エリア中に分布し、前記強プラズマエリア中のプラズマが通過することを可能にするように構成され、前記スプレーヘッドの縁部エリアに第1のガス流路を設けられ、前記第1のガス流路のガス出口端が、前記弱プラズマエリアと連通されており、
前記スプレーヘッドの前記第1のガス流路のガス入口端が位置する側上に位置するプロセス反応ガス入口部材と、ここで、第2のガス流路が、前記プロセス反応ガス入口部材中に配置され、前記第2のガス流路は、前記第1のガス流路中にプロセス反応ガスを導入するように構成されている、
を備える、半導体反応チャンバ。
[2] 前記第1のガス流路は、前記スプレーヘッドの円周方向に沿って間隔を置いて配置された複数のガス孔を含み、
前記プロセス反応ガス入口部材は、ガス分配及び支持リングであり、前記ガス分配及び支持リングの少なくとも一部は、前記スプレーヘッドの上面上に積み重ねられ、前記第2のガス流路の複数のガス出口端が設けられ、前記ガス分配及び支持リングの、前記スプレーヘッドの前記上面と接触する表面上に位置し、1対1の対応で前記複数のガス孔のガス入口端と連通される、[1]に記載の半導体反応チャンバ。
[3] 前記第2のガス流路は、1つのガス入口端を有し、前記ガス分配及び支持リングの上面上に位置し、
前記第2のガス流路は、前記ガス分配及び支持リングと同心であり、異なる半径を有する複数の弧形状の副ガス流路群と、複数の下部出口とを含み、前記複数の弧形状の副ガス流路群は、順番に連通され、2つの連通された弧形状の副ガス流路群では、下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路の数は、上流の弧形状の副ガス流路群の前記弧形状の副ガス流路の数の2倍であり、
最下流の弧形状の副ガス流路群の弧形状の副ガス流路のガス出口端の数は、前記ガス孔の数と同じであり、前記ガス出口端は、前記下部出口を通して1対1の対応で前記ガス孔と連通される、[2]に記載の半導体反応チャンバ。
[4] 3つの弧形状の副ガス流路群は、ガス入口方向に第1の弧形状の副ガス流路群、第2の円弧形状の副ガス流路群、及び第3の円弧形状の副ガス流路群に含まれ、且つそれらを含み、前記第3の円弧形状の副ガス流路群の半径は、前記第2の円弧形状の副ガス流路群の半径よりも大きく、前記第1の弧形状の副ガス流路群の半径よりも小さく、
前記第1の弧形状の副ガス流路群は、1つの弧形状の副ガス流路を含み、前記第2の円弧形状の副ガス流路群は、中心対称の2つの弧形状の副ガス流路を含み、前記第3の円弧形状の副ガス流路群は、中心対称の4つの弧形状の副ガス流路を含み、前記弧形状の副ガス流路の各々は、中間位置に位置する1つのガス入口端を含み、前記弧形状の副ガス流路の各々は、両端に位置する2つのガス出口端を含む、[3]に記載の半導体反応チャンバ。
[5] 前記半導体反応チャンバは、
前記スプレーヘッドの下方の周囲に配置されたガス分配リングを更に含み、複数の第3のガス流路が、前記ガス分配リングの円周方向に沿って間隔を置いて前記ガス分配リング中に配置され、前記第3のガス流路のガス入口端が、1対1の対応で前記ガス孔の前記ガス出口端と連通され、前記ガス孔の前記ガス出口端は、前記第3のガス流路を通して前記弱プラズマエリアと連通される、[2]~[4]のいずれか一項に記載の半導体反応チャンバ。
[6] 前記第3のガス流路の各々のガス入口端は、前記ガス分配リングの上面上に位置し、前記第3のガス流路の各々のガス出口端は、前記ガス分配リングの内側壁上に位置し、
前記第3のガス流路の各々の前記ガス出口端のガス出口方向は、前記反応チャンバ本体の軸方向に対して垂直であるか、又は前記反応チャンバ本体の前記軸方向と所定の角度を形成する、[5]に記載の半導体反応チャンバ。
[7] 前記スプレーヘッドは、円形平面部材と、前記スプレーヘッドに接続され、且つ前記円形平面部材を囲む環状部材とを含み、複数の貫通孔が、前記円形平面部材中に均等に分布し、複数のガス孔が、前記環状部材の円周方向に沿って間隔を置いて分布する、[5]に記載の半導体反応チャンバ。
[8] 複数の前記円形平面部材が含まれ、互いに積み重ねられる、[7]に記載の半導体反応チャンバ。
[9] 前記環状部材の厚さは、前記円形平面部材の厚さよりも大きく、前記環状部材の下面は、前記円形平面部材の下面と同一平面上にあり、前記環状部材は、前記反応チャンバ本体の内側上に位置し、環状フランジが、前記環状部材の外周壁の周囲に配置され、前記環状フランジは、前記反応チャンバ本体の頂部上に積み重ねられ、前記ガス孔の各々のガス入口端が、前記環状フランジの上面上に位置し、前記ガス孔の各々のガス出口端は、前記環状部材の下面上に位置し、
前記ガス分配リングは、前記反応チャンバ本体の前記内側上に位置し、前記環状部材の前記下面上に積み重ねられる、[7]に記載の半導体反応チャンバ。
[10] 前記貫通孔の直径は、φ1mm~φ10mmの範囲であり、前記円形平面部材の気孔率は、10%~80%の範囲であり、
前記ガス孔の直径は、φ1mm~φ8mmの範囲である、[7]に記載の半導体反応チャンバ。
[11] 半導体反応チャンバと、上部無線周波数システムと、下部無線周波数システムとを備える、原子層プラズマエッチング装置であって、前記半導体反応チャンバは、[1]~[10]のいずれか一項に記載の前記半導体反応チャンバであり、ウェハを支えるように構成されたベースが、前記半導体反応チャンバ中に配置され、前記半導体反応チャンバは、前記反応チャンバ本体と、前記反応チャンバ本体から離れる方向に沿って順番に前記反応チャンバ本体の頂部上に積み重ねられた前記プロセス反応ガス入口部材及び前記誘電体窓とを含み、中心ノズルシステムが、前記誘電体窓上に配置され、前記プラズマ生成エリア中にプラズマ生成ガスを導入するように構成され、前記上部無線周波数システムは、前記誘電体窓の上方に配置され、前記プラズマ生成ガスを励起して前記プラズマを形成するように構成され、前記下部無線周波数システムは、前記ベースに電気的に接続され、バイアス電圧電力を負荷するように構成される、原子層プラズマエッチング装置。
【国際調査報告】