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特表2023-519789部分的膝インプラントおよびこれを設置するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】部分的膝インプラントおよびこれを設置するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/15 20060101AFI20230508BHJP
   A61F 2/38 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
A61B17/15
A61F2/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022547838
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 US2021016082
(87)【国際公開番号】W WO2021158484
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】62/970,621
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/706,370
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516390026
【氏名又は名称】エンコア メディカル エル ピー
【氏名又は名称原語表記】Encore Medical, L.P.
【住所又は居所原語表記】9800 Metric Blvd Austin Texas 78758 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アクセルソン スチュアート エル
(72)【発明者】
【氏名】ロマノフ ヴァシリー
(72)【発明者】
【氏名】パテル ラシェル
(72)【発明者】
【氏名】ラ ローサ アンソニー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】メネギーニ ロバーツ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スポーラ スコット
(72)【発明者】
【氏名】タウントン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】キム レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ヤンキエヴィチ ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】マクブライド マーク
(72)【発明者】
【氏名】パルンボ ブライアン ティー
(72)【発明者】
【氏名】ブラドリー マイケル パトリック
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB04
4C097MM09
4C097SC09
4C097SC10
4C160LL12
4C160LL27
4C160LL28
(57)【要約】
本開示は、大腿骨準備ガイドおよび大腿骨準備ガイドに関する外科的構成要素のキットである。大腿骨準備ガイドは、顆が大腿顆インプラントを受容する外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するためのものである。大腿骨準備ガイドは、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分と、を含む。遠位部分は、後方部分に対して角度をなす。遠位部分は、顆の2つの切除を提供するカットツールを受容するための第1および第2の切除スロットを含む。第1および第2の切除スロットは、互いに対して角度をなす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、
前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、前記遠位部分が、前記後方部分に対して角度をなす、遠位部分と、
前記顆の2つの切除を提供するカットツールを受容するための前記遠位部分上の第1および第2の切除スロットであって、前記第1および第2の切除スロットが、互いに対して角度をなす、第1および第2の切除スロットと、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項2】
前記第1の切除スロットが、前記顆に第1の後方カットを作成するためのものであり、前記第2の切除スロットが、前記顆に第2の後方カットを作成するためのものであり、前記第2の後方カットが、前記第1の後方カットに対して角度をなす面取りカットを提供する、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項3】
前記第1の後方カットが、前記第2の後方カットを作成するためのクリアランスを提供する、請求項2に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項4】
前記大腿顆インプラントの一部分を受容する後方穴を作成するためのガイド穴をさらに含む、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項5】
前記遠位部分が、前記顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項6】
前記遠位部分および前記後方部分が、外周を画定し、前記外周の少なくとも一部分が、前記大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致して、前記大腿顆インプラントが後に前記顆上に設置されるときに、前記大腿顆インプラントの位置の指標を提供する、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項7】
前記後方部分が、前記大腿骨と対応する脛骨との間の関節空間を測定するためのガイダンスを提供するシムを受容するための領域を含む、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項8】
前記シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、請求項7に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項9】
前記遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、前記ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項10】
前記大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、前記キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項11】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、
前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、前記遠位部分が、前記後方部分に対して角度をなし、前記遠位部分および前記後方部分が、外周を画定し、前記外周の少なくとも一部分が、前記大腿顆インプラントが後に前記顆上に設置されるときに、前記顆上の前記大腿顆インプラントの位置の指標を提供するために、前記大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致する、遠位部分と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項12】
前記顆の2つの切除を提供するカットツールを受容するための前記遠位部分上の第1および第2の切除スロットであって、前記第1および第2の切除スロットは、互いに対して角度をなす、第1および第2の切除スロットと、をさらに含む、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項13】
前記第1の切除スロットが、前記顆に第1の後方カットを作成するためのものであり、前記第2の切除スロットが、前記顆に第2の後方カットを作成するためのものであり、前記第2の後方カットが、前記第1の後方カットに対して角度をなす面取りカットを提供する、請求項12に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項14】
前記第1の後方カットが、前記第2の後方カットを作成するためのクリアランスを提供する、請求項13に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項15】
前記大腿顆インプラントの一部分を受容する後方穴を作成するためのガイド穴をさらに含む、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項16】
前記遠位部分が、前記顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項17】
前記後方部分が、脛骨までの関節空間を測定するためのガイダンスを提供するシムを受容するための領域を含む、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項18】
前記シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、請求項17に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項19】
前記遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、前記ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項20】
大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、前記キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項21】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、
前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、前記遠位部分が、前記後方部分に対して角度をなす、遠位部分と、
前記後方部分および前記遠位部分の両方に対して角度付けられた前記顆上の面取り面を提供するカットツールを受容するための前記遠位部分上の面取り切除スロットと、
前記顆の前記面取り面上に位置するペグ穴を作成するドリルを受容するためのガイド穴と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項22】
前記顆の後方切除を提供するカットツールを受容するための前記遠位部分上に後方切除スロットをさらに含み、前記後方切除スロットが、前記面取り切除スロットに対して角度をなす、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項23】
前記後方切除スロットが、前記面取り面を提供する前記カットツールのためのクリアランスを提供するカットを提供する、請求項22に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項24】
前記遠位部分および前記後方部分が、外周を画定し、前記外周の少なくとも一部分が、前記大腿顆インプラントが後に前記顆上に設置されるときに、前記顆上の前記大腿顆インプラントの位置の指標を提供するために、前記大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致する、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項25】
前記遠位部分が、前記顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項26】
前記後方部分が、前記大腿骨と対応する脛骨との間の関節空間を測定するためのガイダンスを提供するシムを受容するための領域を含む、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項27】
前記シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、請求項26に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項28】
前記遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、前記ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項29】
前記大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、前記キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項30】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分であって、前記後方部分が、前記後方部分の下側面上に取り付け要素を有する、後方部分と、
前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分と、
前記取り付け要素に結合されて、前記大腿骨と対応する脛骨との間に適切な関節空間を提供するのに役立つシムであって、前記シムが、複数のシムから選択されており、前記複数のシムが、異なるサイズである、シムと、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項31】
前記シムおよび前記取り付け要素が、アリ継嵌合部分を含む、請求項30に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項32】
前記シムおよび前記取り付け要素が、嵌合特徴に係合する回転運動を介して結合される、請求項30に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項33】
前記嵌合特徴が、バヨネットキー嵌合部分である、請求項32に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項34】
前記シムが、前記顆の後方領域の半径に倣う湾曲した矢状面を含む、請求項30に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項35】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の上部にフィットするための本体であって、前記本体が、前記顆の1つ以上の切除カットをガイドするための1つ以上のスロットを有し、前記本体が、外周を有し、前記外周の少なくとも一部分が、(i)後に前記顆上に設置される前記大腿顆インプラントの内側外側位置、(ii)後に前記顆上に設置される前記大腿顆インプラントのサイズ、または(iii)(i)および(ii)の両方の指標を提供するために、前記大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分に実質的に一致する、本体と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項36】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための1つ以上の大腿骨準備構成要素を含むシステムであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記システムが、
(i)前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分、(ii)前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分、(iii)前記顆の切除を提供するカットツールを受容するための少なくとも1つの切除スロット、および(iv)前記顆上に位置する第1のペグ穴を作成するドリルを受容するための第1のガイド穴を有する、大腿骨準備ガイドと、
前記大腿骨準備ガイドで開発された前記切除後の前記顆の上部に配置するための大腿骨トライアルガイドであって、前記大腿骨トライアルガイドが、前記顆上に位置する第2のペグ穴を作成するドリルを受容するための第2のガイド穴を含み、前記第1および前記第2のペグ穴は、前記大腿顆インプラント上のペグを受容するためのものである、大腿骨トライアルガイドと、を備える、システム。
【請求項37】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための1つ以上の大腿骨準備構成要素を含むシステムであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記システムが、
前記顆の下の領域に位置決めされたスペーサー構成要素の上部をスライドする大腿骨切除ガイドブロックであって、前記大腿骨切除ガイドブロックが、前記顆の第1の切除を提供するカットツールを受容するための切除スロットを含む、大腿骨切除ガイドブロックと、
前記第1の切除の領域において前記顆に取り付けるための大腿骨準備ガイドであって、前記大腿骨準備ガイドが、前記顆の第2の切除および第3の切除を提供するカットツールを受容するための2つの切除スロットを有し、前記大腿骨準備ガイドが、前記顆上に位置する第1のペグ穴を作成するドリルを受容するための第1のガイド穴を含む、大腿骨準備ガイドと、
前記大腿骨準備ガイドで開発された前記切除後の前記顆の上部に配置するための大腿骨トライアルガイドであって、前記大腿骨トライアルガイドが、前記顆上に位置する第2のペグ穴を作成するドリルを受容するための第2のガイド穴を含む、大腿骨トライアルガイドと、を備える、システム。
【請求項38】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨トライアルガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨トライアルガイドが、
後に植え込まれる大腿顆インプラントの位置および運動の指標を提供するための前記大腿顆インプラントの外面を模倣する湾曲した外面と、
前記顆上に位置するペグ穴を作成するドリルを受容するためのガイド穴と、を備える、大腿骨トライアルガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2020年2月5日に出願された米国仮出願第62/970,621号および2020年8月12日に出願された米国仮出願第62/706,370の号の利益および優先権を主張し、各々が参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、インプラントおよび外科的方法、より具体的には、部分的膝インプラントおよびこれを器具を使用して設置するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
膝の痛みを経験している人は、部分的または完全な膝置換の外科手術によって緩和を見つけることができ、これは、人の解剖学的構造の1つ以上の部分を1つ以上のインプラント構成要素に置換する。本開示は、現在の膝インプラントおよびそのような膝インプラントの設置方法に伴う問題を解決および/または改善することを目的としている。
【0004】
人工膝関節単顆置換術(Unicompartmental-knee arthroplasty、UKA)の概念は、除去する骨を減らし、人の骨および解剖学的構造の大部分を維持しようとすることによって、従来の人工膝関節全置換よりも外傷または損傷を少なくするように設計された。この概念はまた、より小さなインプラントを使用し、それによって人の骨の大部分を維持するように設計され、その目的はより早く通常の機能にそれらを戻すことである。UKAの置換は、膝の1つの顆のみを置換することを伴う。これは、1つの顆(通常は内側)のみが関節炎のプロセスによって影響を受ける関節炎の初期の症例には良い選択肢である。このタイプの膝置換の利点は、関節炎の影響を受けない膝の部分(例えば、周囲の軟組織、十字靭帯および対側の健康な顆)を保持することである。
【0005】
当初、インプラントの設計が不十分であり、外科手術を必要とする人々が好適性について徹底的にはスクリーニングされておらず、最適な外科的技術が開発されていなかったため、UKAは必ずしも成功しなかった。インプラントの設計を改善するために進歩がなされた。適応症/禁忌に従うことによる適切な患者の選択、および外科手術をうまく実行することは、UKAの成功の重要な要素である。
【0006】
UKAは通常、痛みを伴う変形性関節症または外傷によって引き起こされる中等度の関節疾患、失敗した外科的処置の病歴、または他のタイプの膝外科手術を不可能にする貧弱な骨密度を有する人々に好適である。UKAの対象とならないことがある人には、膝関節内またはその近くでの活動性または疑わしい感染、デバイス材料に対する既知の感受性、新しいインプラントを骨に支持または固定することができなくなる骨感染または疾患、炎症性関節炎、膝の機械軸に影響を与える可能性のある主要な変形、運動制御および/または安定性を損なう可能性のある神経筋障害、肥満であるか、すね(脛骨)から大量の骨を失ったか、もしくは重度の脛骨変形を有する任意の精神性神経筋障害、膝関節の再発性亜脱臼、膝蓋骨および大腿骨関節(膝蓋大腿関節)への未治療の損傷、デバイスに置換されていない膝の対側の顆もしくは同側への未治療の損傷、および/またはUKAの術後安定性が損なわれるような膝靭帯の不安定性を有する個人が含まれる。
【0007】
UKAの潜在的な利点には、UKAインプラントが人工膝関節全置換よりも小さいため、切開がより小さいことが含まれ、外科医は切開を小さくすることができる。これは小さな傷につながることがある。別の潜在的な利点は、除去される骨が少なくなるため、術後の痛みが少なくなることである。また、より迅速な手術およびより短い回復期間は、手術中に除去される骨が少なくなる結果である可能性があり、軟組織が受ける外傷が少なくなることがある。また、リハビリテーションプロセスはより進歩的であることがある。UKAのより具体的な利点は、可動域を改善し、外科手術中の失血を減らし、病院で過ごす時間を減らし、コストを削減し得ることである。
【0008】
UKAまたは人工膝関節部分置換の最も重要な利点うちの2つは、(1)人工膝関節部分置換の被験者が、人工膝関節全置換と比較して、置換された膝が元の置換されていない膝のように感じること、および(2)人工膝関節部分置換がさらに進歩するために開かれている他の選択肢を残していることである。膝の残りの部分を金属およびプラスチックで置換しないことにより、これらの領域における関節炎に対して他の選択肢が数年以内に存在する場合、人工膝関節部分置換はそのブリッジを燃やさない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの実装形態によれば、本開示は、膝の屈曲において脛骨カットを最初に必要とする外科的アプローチを採用する。近位脛骨切除が、位置合わせシステムを使用して伸展において実行される。屈曲では、大腿骨のギャップが、伸展において遠位切除を実行する前に測定され、これは、外科医によって使用されるギャップバランシングプロセスが開始するときである。スペーサーブロックおよびシムビルドアップを使用して、最小限の脛骨インプラント(例えば、8mm)が屈曲空間にフィットすることを確実にする。屈曲空間のバランスが取れて、システム全体に必要な15mmの最小ギャップが得られたら、遠位大腿骨を切除することができる。伸長においては、遠位大腿骨が、モジュール式スライド切除ガイドブロック(複数のブロックで異なるカットレベル)を伴うスペーサーブロックシステムを使用して切除されて、屈曲空間との必要な相関に対処する。目標は、必要に応じて遠位大腿骨を十分に(または最小限に)切除して、結果として得られる伸展ギャップを測定された結果として生じる屈曲ギャップと等しくし、バランスの取れた膝を達成することである。次のステップは、多目的大腿骨準備ガイドおよびトライアル大腿骨構成要素を使用して、大腿骨切除およびペグ準備を完了することである。最後のステップは、脛骨のサイズを決定し、脛骨ペグ穴を開けるための外科的ガイドとして作用する脛骨テンプレートを使用して脛骨の準備を完了することである。次いで、トライアル大腿骨構成要素および脛骨テンプレートが除去され、最終的な脛骨ベースプレート、脛骨インサート、および大腿顆インプラントが設置される。
【0010】
本開示の一実装形態によれば、大腿骨準備ガイドが、顆が大腿顆インプラントを受容する外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するためのものである。大腿骨準備ガイドが、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、顆の遠位領域にフィットするための遠位部分とを含む。遠位部分が、後方部分に対して角度をなす。遠位部分が、顆の2つの切除を提供するカットツールを受容するための第1および第2の切除スロットを含む。第1および第2の切除スロットが、互いに対して角度をなす。
【0011】
本開示の別の実装形態によれば、大腿骨準備ガイドが、顆が大腿顆インプラントを受ける外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するためのものである。大腿骨準備ガイドが、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、顆の遠位領域にフィットするための遠位部分とを含む。遠位部分が、後方部分に対して角度をなす。遠位部分および後方部分が、外周を画定する。外周の少なくとも一部分が、大腿顆インプラントが後に顆上に設置されるときに、顆上の大腿顆インプラントの位置の指標を提供するために、大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致する。
【0012】
本開示のさらなる実装形態によれば、大腿骨準備ガイドが、顆が大腿顆インプラントを受容する外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するためのものである。大腿骨準備ガイドが、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、顆の遠位領域にフィットするための遠位部分とを含む。遠位部分が、後方部分に対して角度をなす。大腿骨準備ガイドが、後方部分および遠位部分の両方に対して角度付けられた顆の面取り面を提供するカットツールを受容するための遠位部分上の面取り切除スロットを含む。大腿骨準備ガイドがまた、顆の面取り面上に位置するペグ穴を作成するドリルを受容するためのガイド穴を含む。
【0013】
別の態様では、本開示は、顆が大腿顆インプラントを受容する外科的処置中に大腿骨の顆に使用される大腿骨準備ガイドである。大腿骨準備ガイドが、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分を含む。後方部分が、後方部分の下側面上に取り付け要素を有する。ガイドの遠位部分が、顆の遠位領域の上部にフィットする。大腿骨準備ガイドは、脛骨までの適切な関節空間を提供するために、取り付け要素に結合されたシムをさらに含む。シムは、サイズの異なる複数のシムから選択される。
【0014】
さらなる態様では、本開示は、顆が大腿顆インプラントを受容する外科的処置中に大腿骨の顆に使用される大腿骨準備ガイドである。大腿骨準備ガイドが、顆の上部にフィットするための本体を含む。本体が、顆の切除カットをガイドするためのスロットを有する。本体が、外周を有する。外周の少なくとも一部分は、(i)後に顆上に設置される大腿顆インプラントの内側外側位置、または(ii)後に顆上に設置される大腿顆インプラントのサイズのうちの少なくとも1つの指標を提供するために、大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致する。
【0015】
さらにさらなる態様では、本開示は、顆が大腿顆インプラントを受容する外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備構成要素のセットである。大腿骨準備構成要素は、大腿骨準備ガイドおよび大腿骨トライアルガイドを含む。大腿骨準備ガイドは、(i)顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分、(ii)顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分、(iii)顆の切除を提供するカットツールを受容するための少なくとも1つの切除スロット、および(iv)顆上に位置する第1のペグ穴を作成するドリルを受容するための第1のガイド穴を有する。大腿骨トライアルガイドが、大腿骨準備ガイドで開発された切除後の顆の上部に配置するためのものである。大腿骨トライアルガイドが、顆に位置する第2のペグ穴を作成するドリルを受容するための第2のガイド穴を含む。第1および第2のペグ穴は、大腿顆インプラントのペグを受容するためのものである。
【0016】
さらに別の態様では、本開示は、顆が大腿顆インプラントを受容する外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備構成要素のセットである。大腿骨準備構成要素が、大腿骨切除ブロック、大腿骨準備ガイドおよび大腿骨トライアルガイドを含む。大腿骨切除ガイドブロックが、顆の下の領域に位置決めされたスペーサー構成要素の上部をスライドする。大腿骨切除ガイドブロックが、顆の第1の切除を提供するカットツールを受容するための切除スロットを含む。大腿骨準備ガイドが、第1の切除領域において顆に取り付けるためのものである。大腿骨準備ガイドが、顆の第2の切除および第3の切除を提供するカットツールを受容するための2つの切除スロットを有する。大腿骨準備ガイドが、顆に位置する第1のペグ穴を作成するドリルを受容するための最初のガイド穴を含む。大腿骨トライアルガイドが、大腿骨準備ガイドで開発された切除後の顆の上部に配置するためのものである。大腿骨トライアルガイドが、顆に位置する第2のペグ穴を作成するドリルを受容するための第2のガイド穴を含む。
【0017】
別の態様では、本開示は、顆が大腿顆インプラントを受容する外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨トライアルガイドである。大腿骨トライアルガイドが、後に植え込まれる大腿顆インプラントの位置および運動の指標を提供するための大腿顆インプラントの外面を模倣する湾曲した外面を含む。大腿骨トライアルガイドはまた、顆上に位置するペグ穴を作成するドリルを受容するためのガイド穴を含む。
【0018】
本発明はまた、以下に説明される大腿骨準備構成要素および以下に説明される構成要素のキットを使用する方法を含む。
【0019】
本発明はまた、以下に説明される脛骨準備に関する構成要素のキットを含む。
【0020】
本発明はさらに、以下に説明される大腿骨の準備に関する構成要素と組み合わせて、以下に説明される脛骨の準備に関する構成要素のキットを含む。
【0021】
本開示の前述の、および、他の利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】本開示による、UKA処置を受ける膝を示す。
図1B】本開示による、図1Aの膝に設置する外科的構成要素を示す。
図1C】インプラント後の図1Bの外科的構成要素を伴う図1Aの膝を示す。
図2図1Bのシステムの脛骨ベースプレートを示す。
図3図1Bのシステムの脛骨インサートを示す。
図4図1Bのシステムの大腿顆インプラントを示す。
図5】脛骨に取り付けられた脛骨切除ガイドを示す。
図6】脛骨内に2つのカットを行うために使用されている図5の脛骨切除ガイドを示す。
図7図5~6の脛骨切除ガイドを使用により得られた脛骨プラトー内の2つのカットを示す。
図8A】システム内の複数の構成要素を取り付け/除去し、測定ツールに結合するために使用されるユニバーサルハンドルを示す。
図8B】切除された脛骨と大腿顆との間の屈曲ギャップを測定するためのスペーサーに取り付けられた図8Aのユニバーサルハンドルを示す。
図9】切除された脛骨と大腿顆との間の伸長ギャップを測定するためのスペーサーに取り付けられたユニバーサルハンドルを示す。
図10図8~9のスペーサーの上部の大腿骨切除ガイドブロックの配置を示す。
図11】大腿骨の顆にカットを行うために使用している図10の大腿骨切除ガイドブロックを示す。
図12】切除された脛骨と大腿顆の切除面とのギャップを測定するためのギャップスペーサーを示す。
図13図11で作成した切除した大腿顆に取り付けられている大腿骨準備ガイドを示す。
図14】ドリルを用いて大腿骨ペグ穴を作成するために使用されている、図13の大腿骨準備ガイドを示す。
図15】後方切除を作成するために使用されている、図13の大腿骨準備ガイドを示す。
図16】後方面取り切除を作成するために使用されている、図13の大腿骨準備ガイドを示す。
図17図11、15、および16のカットから得られた大腿顆上の3つの平坦な面を示す。
図18】大腿骨トライアルガイドを取り付けるために使用されているユニバーサルハンドルを示す。
図19】大腿顆に穴を作成するために使用されている大腿骨トライアルガイドを示す。
図20】切除された脛骨プラトーが、最終的な脛骨ベースプレートおよび脛骨外科的テンプレートの正しいサイズのために測定されていることを示す。
図21】屈曲および伸展におけるギャップおよび軟組織張力を測定するための脛骨スペーサーベースおよびシムを示す。
図22】切除された脛骨プラトーの脛骨外科的テンプレートに設置するために使用されている脛骨インパクターを示す。
図23図22のプロセス後の切除された脛骨プラトー上の脛骨外科的テンプレートを示す。
図24】切除された脛骨プラトーに穴を作成するために使用されている脛骨外科的テンプレートおよびドリルガイドを示す。
図25】最終的なインプラント構成要素を取り付ける前に、大腿骨トライアルガイドとの関係をテストするための脛骨外科的テンプレートおよび脛骨トライアルインサートを示す。
図26】脛骨外科的テンプレートから除去されている脛骨トライアルインサートを示す。
図27】大腿骨トライアルガイドを除去するために使用されているユニバーサルハンドルを示す。
図28】大腿顆において得られた3つの面と大腿骨ペグ穴、および脛骨プラトーにおいて得られた2つの面と脛骨ペグ穴を示す。
図29図2の脛骨ベースプレートを設置するために使用されている脛骨インパクターを示す。
図30図4の大腿顆インプラントを設置するために使用されている大腿インパクターを示す。
図31図3の脛骨インサートを設置するために使用されているインサートインパクターを示す。
図32A】対応する大腿顆インプラントに関連する図13の第1の大腿骨準備ガイドを示す。
図32B】対応する第2の大腿顆インプラントに関連する図13の第2の大腿骨準備ガイドを示す。
図32C】対応する第3の大腿顆インプラントに関連する図13の第3の大腿骨準備ガイドを示す。
図33A図13の大腿骨準備ガイドの大腿顆への取り付けの詳細を示す。
図33B図13の大腿骨準備ガイドの大腿顆への取り付けの詳細を示す。
図33C】ペグ穴を開けることをガイドするのを助けるための図13の大腿骨準備ガイドの使用を示す。
図33D】後方切除を作成する際の図13の大腿骨準備ガイドの使用をより詳細に示す。
図33E】後方面取り切除を作成する際の図13の大腿骨準備ガイドの使用をより詳細に示す。
図34A】脛骨プラトーに対して適切な間隔を作成するための図13の大腿骨準備ガイドの詳細を示す。
図34B】脛骨プラトーに対して適切な間隔を作成するための図13の大腿骨準備ガイドの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、様々な変更および代替形態を許容しているが、特定の実装形態が例示として図面に示されており、本明細書においてさらに詳細に説明されている。しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図されないことに理解するべきである。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような、本開示の趣旨および範囲内に入るすべての変更物、均等物、および代替物を包含するものである。
【0024】
本開示は、添付の図を参照して説明されており、同様の参照番号が、類似または同等の要素を示すために図全体で使用されている。図は原寸に比例して描かれておらず、単に本開示を説明するために提供されている。本開示のいくつかの態様は、説明のための例示的な用途を参照して以下に説明される。
【0025】
図1Aは、大腿骨12および脛骨14に対して外科的ステップを行うことによってUKA処置を受ける膝10を示している。図1Bは、本開示に従って図1Aの膝10に設置される最終的な外科的構成要素システムを示す。3つの構成要素は、脛骨ベースプレート20、脛骨インサート30、および大腿顆インプラント40を含む。図1Cでは、脛骨ベースプレート20、脛骨インサート30、および大腿顆インプラント40が、以下の図5~34で詳細に概説される様々な処置の後、脛骨12および大腿骨14上に示されている。脛骨ベースプレート20は、脛骨14上に装着されている。弾力性のある材料である脛骨インサート30は、脛骨ベースプレート20内で嵌合される。大腿顆インプラント40は、大腿骨12上に装着され、患者が膝を曲げるときに脛骨インサート30の上部を転がることによって脛骨インサート30に係合する。
【0026】
図2は、図1Bのシステムの脛骨ベースプレート20の詳細を示している。脛骨ベースプレート20はD字形状であり、その上部分に凹部22を含む。一対のペグ24は、脛骨ベースプレート20のその下部分から下向きに延在する。図2には示されていないが、キール(すなわち、延在した隆起部)は、D字形状の脛骨ベースプレート20の直線状の縁部に沿って、脛骨ベースプレート20の下部分から下向きに延在する。1つの好ましい実施形態では、脛骨ベースプレート20のサイジングおよび成形は、統計的形状モデルに従って最適化され、内側左インプラントは、外側右インプラントの鏡像である。
【0027】
図3は、図2の脛骨ベースプレート20の凹部22に挿入される脛骨インサート30を示している。脛骨インサート30は、脛骨ベースプレート20のくぼみ22内にしっかりとフィットする下部突起部32を含む。突起34は、脛骨インサート30の下部突起部32から水平に延在し、脛骨ベースプレート20上の保持を補助するために、脛骨ベースプレート20内の対応するアンダーカットに係合する。脛骨インサート30は、大腿顆インプラント40の係合面として機能するため、弾力性のある材料で作製されている。脛骨インサート30は、外科医によって選択されるように、患者の解剖学的構造に一致するのを助けるためにキットの一部として様々な厚さで提供される。1つの好ましい実施形態では、脛骨インサート30は、様々な厚さ(例えば、8mm、9mm、10mm)についてラベル付けされ、そのラベル付けされた厚さは、脛骨ベースプレート20および選択された脛骨インサート30の組み合わされた厚さに対応する。
【0028】
図4は、図1Cの大腿骨14に装着される大腿顆インプラント40を示している。大腿顆インプラント40は、交換される顆の骨の湾曲に倣う丸みを帯びた外面42を含む。下側は、遠位面44、中間面46、および近位面48を含む。下側は、遠位面44および中間面46から延びる2つのペグ49を含む。1つの好ましい実施形態では、大腿顆インプラント40のサイジングおよび成形は、統計的形状モデルに従って最適化され、内側左インプラントは、外側右インプラントの鏡像である。
【0029】
脛骨ベースプレート20、脛骨インサート30、および大腿顆インプラント40の設置の前に取られる骨の準備およびトライアル挿入のステップは、一般に、図5~34に関連して説明される。
【0030】
脛骨14を準備するために、脛骨切除ガイド50が、図5に示すように脛骨14に取り付けられている。脛骨切除ガイド50は、遠位体足首クランプ(図示せず)の使用により最初保持され、これは、患者の足首領域に固定され、膝に向かって延在するアームを含む。このクランプは、好ましくは、脛骨切除ガイド50を内側外側(ML)方向および前方後方(AP)方向に調整し、脛骨14上で提案者の位置合わせを達成するようにすることを可能にする調整特徴を含む。遠位体足首クランプは、脛骨切除ガイド50を所定の位置に保持して、外科医によって決定されるように、脛骨14からの適切な量の骨除去を提供する。
【0031】
適切に位置合わせされるように位置決めされた後、脛骨切除ガイド50は、次いで、脛骨切除ガイド50の穴52および54を通って延在する一時的なピンによって脛骨14に固定される。それはまた、脛骨14の周りに部分的に延在する湾曲部分56を含み、ある程度の横方向の安定性を同様に提供する。上面58は、脛骨の矢状切除のための位置合わせを提供する複数の溝59を含む。鋸は、図6に示すように、脛骨14の矢状切除を提供する鋸60に対するガイドとして機能するように、溝59のうちの1つ内にフィットする特徴を有し得る。図6はまた、脛骨14に横断切除を提供する鋸62に対するガイドとして機能する脛骨切除ガイド50の上面58を示している。
【0032】
図7は、図5~6の脛骨切除ガイド50の使用から得られた、脛骨プラトーにおける矢状切除カット72および横断切除カット74を示している。図7はまた、脛骨切除ガイド50を脛骨14に保持するために使用されたピン穴76を示している。
【0033】
図8Aは、処置中に様々な構成要素を保持するために使用されるユニバーサルハンドル80を示している。図8Bでは、ユニバーサルハンドル80は、横断切除カット74と大腿骨12上の対応する顆との間の屈曲ギャップを測定するために、スペーサーデバイス82に取り付けられている。一実施形態では、屈曲ギャップは少なくとも8mmでなければならない。屈曲ギャップは、脛骨ベースプレート20と脛骨インサート30とを組み合わせた厚さにほぼ対応する(図2および3)。
【0034】
図9では、ユニバーサルハンドル80が、横断切除カット74と大腿骨12上の顆の対応するセクションとの間の伸展ギャップを測定するために、スペーサーデバイス82に取り付けられている。スペーサーデバイス82は、図8Aと同じスペーサーデバイスである可能性があり、または異なるスペーサーである可能性もある。外科医は、様々なスペーサー(例えば、7mm、8mm、9mm、10mm)を使用して、屈曲ギャップおよび伸展ギャップの両方の最も正確な測定値を決定することができる。屈曲ギャップおよび伸展ギャップの相対的な測定値は、切除される大腿骨の量を規定する。
【0035】
図10は、図9のスペーサーデバイス82の上部をスライドする切除ガイドブロック100の配置を示している。切除ガイドブロック100は、屈曲ギャップおよび伸展ギャップの相対的な測定値に基づいて選択される。例えば、屈曲ギャップが8mmと測定され、伸展ギャップが9mmと測定される場合、-1mmの遠位切除ガイド100を使用して、結果として生じる8mmの伸展ギャップを達成するべきである。伸展ギャップが7mmである場合、+1mmの遠位切除ガイド100を使用して、結果として生じる8mmの伸展ギャップを達成するべきである。ユニバーサルハンドル80がスペーサーデバイス82および選択された遠位切除ガイド100を安定して保持している間、ピン102は、膝が伸展している間、遠位切除ガイド100を大腿骨12に保持するために大腿骨12に挿入される。
【0036】
図11は、ピン102が取り付けられ、ユニバーサルハンドル80が除去された後の、図10の選択された遠位切除ガイド100を示している。切除鋸110は、遠位切除ガイド100を通ってフィットし、大腿骨の顆の遠位部分に横断カットを作成する。
【0037】
図12は、横断切除カット74と、図11の切除鋸110によって作成された平坦な遠位面122との間のギャップを測定するためのギャップスペーサーブロック120を示している。ギャップスペーサーブロック120は複数のサイズで提供され、脛骨構造物の厚さに大腿骨構造物の厚さを加えたものと相関している。各ギャップスペーサーブロック120は、大腿顆インプラント40(例えば、7mm)および脛骨インサート30(例えば、8、9、10および12mm)のための組み合わされた厚さの提供を表す、複数の厚さ(例えば、パドルごとに2つ)を提供する。したがって、システムは2つのギャップスペーサーブロック120を含み、第1のブロックは15mmおよび16mmの厚さを有し、第2のブロックは17mmおよび19mmの厚さを有する。したがって、選択された大腿顆インプラント40(図4)が遠位顆および後方顆の両方において7mmの厚さを有し、選択された脛骨インサート30(脛骨ベースプレート20を伴う)が8mmの厚さを有する場合、15mmの厚さを有するギャップスペーサーブロック120が、図12におけるギャップを埋めるべきである。
【0038】
図13は、図11からの大腿顆の切除された遠位部分に取り付けられている大腿骨準備ガイド130を示している。大腿骨準備ガイド130は、顆の平坦な遠位面122の上部にフィットし、それに係合するための遠位部分131を含む。遠位部分131は、一連の貫通ボアによって平坦な遠位面122にピン留めされており、以下に説明するように、受けた鋸のための切除スロットを含む。大腿骨準備ガイド130の後方部分は、顆の後方領域の上部にフィットする下部スキッド133を含む。図示の実施形態では、遠位部分131の平坦な内面は、大腿骨準備ガイド130の後方部分のスキッド133の平坦な内面に対して90°の角度にある。ペグホールドリルテンプレート132は、遠位部分と後方部分との接合部の近くに位置している。大腿骨準備ガイド130の遠位部分は、面取り切除スロット134および後方切除スロット136を含む。これらの特徴の各々は、大腿骨準備ガイド130が、インプラントのサイジング、内側外側(ML)位置決め、骨切除、およびペグホール準備の機能を行う多目的構成要素であるため、大腿骨上で完成される準備作業のための機能を提供する。
【0039】
インプラントサイジングの機能に関して、大腿骨準備ガイド130は、大腿骨インプラント40(図4)の外側プロファイルを模倣する大腿骨準備ガイド130の遠位部分の外側プロファイルを使用して、外科医がサイズ選択を確定することを可能にする。目標は、大腿骨準備ガイド130の外側プロファイルを切除された遠位顆の外周と一致および/または相関させることである。大腿骨準備ガイド130のML位置は、遠位大腿顆の外周が大腿骨準備ガイド130の外側プロファイルと一致するまで調整される。このプロセスは、図33A~33Eに関してより詳細に説明される。
【0040】
大腿骨準備ガイド130のサイズは、アンダーキャッピングまたはオーバーハングがないように選択されている。わずかなアンダーキャッピングは受け入れ可能であるが、わずかなオーバーハングは好ましくなく、ほとんどの場合、受け入れ可能ではない。このように、大腿骨が大腿骨準備ガイド130の任意選択のサイズの間にあるときに、2つの大腿骨準備ガイド130(一方はサイズが小さく、もう一方はサイズが大きい)で大腿骨プロファイルを評価することができる。次に、オーバーハングがないように、小さい方の大腿骨準備ガイド130を選択すべきである。
【0041】
大腿骨準備ガイド130の骨切除およびペグ準備の機能に関して、大腿骨準備ガイド130の適切なサイズが選択された後、それは、その後方スキッドが後方顆に対して同一平面で座り、その遠位面が図11の鋸110を用いた切除によって作成された平坦な遠位面122上にある状態で(図11からの)遠位切除大腿顆上に最適に位置決めされる。大腿骨準備ガイド130は、好ましくは、以下のように骨に固定される。大腿骨準備ガイド130上の複数のドリルブッシング穴は、ねじ山付きの頭付き釘(例えば、サイズ3.2mm)を受け入れる。大腿骨準備ガイド130の穴への釘の固定は、最も前方に位置する穴から開始し、2番目に斜めの穴に、3番目に後方に位置する穴に対して行う(2つの穴のうちの1つの使用は、左または右の顆を交換されているかどうかに依存する)。一実施形態では、2つまたは3つのピンが使用される。前方および斜めのピン穴に位置するピンは、それ自体で、大腿骨準備ガイド130の固定に十分であってもよい。ただし、場合によっては、外科医が追加の固定が必要であると感じるとき(例えば、より柔らかい骨の際)、ハンドルアタッチメントの近くの最も内側のピン穴が任意選択で使用される。大腿骨準備ガイド130が取り付けられると、大腿骨準備ガイド130を使用する準備シーケンスが特定の順序で進行する。このプロセスは、図33A~33Eを参照して説明される。
【0042】
図14を参照すると、大腿骨準備ガイド130を使用して、ペグ穴ドリルテンプレート132の周りに取り付けられるドリルガイド140を用いて大腿骨ペグ穴を作成する。大腿骨準備ガイド130の後端から、ドリルガイド140内にフィットするドリル142でペグ穴が開けられる。ガイド140は、ドリル142上の停止要素がボスに係合するときに所望のペグ穴の深さを提供する上部ボスを有する。図17に示すように、ペグ穴は面取り面162上にある。
【0043】
図15を参照すると、鋸150を用いて後方顆の後方切除を作成するために使用される場合、大腿骨準備ガイド130。平坦な後方面152は、鋸150によって作成され、顆を横切って延在し、後方面取り切除プロセス(図16)のためのクリアランス開口部を提供する。図33E(以下に説明される)に最もよく示されるように、大腿骨準備ガイド130の後方部分(すなわち、下部スキッド)は、ガイド130の遠位垂直面に対して90度である。後方切除スロット136は、大腿骨準備ガイド130のこの後方下部スキッドから約5度の角度になっている。したがって、平坦な後方面152は、平坦な遠位面122に対してほぼ85°の角度にある。このクリアランス機能は、面取り鋸が顆を通って切断し続けて、大腿骨準備ガイド130の後方金属スキッドに侵入しないことを確実にするため重要である。この特徴および機能は、図33A~33Eにさらに詳細に示されている。
【0044】
次に、図16では、大腿骨準備ガイド130が鋸160と共に使用されて、後方面取り面162を作成する。面取り面162は、図17に最もよく示されているように、平坦な遠位面122と平坦な後方面152との間に延在する。図示の実施形態では、面取り面162は、平坦な遠位面122に対してほぼ45度の角度にある。図17はまた、大腿骨インプラント40(図4)のペグのうちの1つを受容するために後で使用される面取りペグ穴172を示している。さらに、面取りペグ穴172は、図18の大腿骨トライアルガイド180を受容するために使用される。これは、準備を完了する前に、外科医が大腿骨トライアルガイド180を使用して位置調整を実行できるようにするためである。
【0045】
図18は、大腿骨トライアルガイド180を取り付けるために使用されているユニバーサルハンドル80を示している。最終的な大腿骨の準備は、図19に示すように、遠位ペグ穴の準備の開発を支援するため、大腿骨トライアルガイド180を使用して完了する。大腿骨トライアルガイド180の下側には、平坦な遠位面122、平坦な後方面152、および面取り面162に係合する3つの平坦な面がある。大腿骨トライアルガイド180の下側はまた、面取りペグ穴172(図17)と嵌合するためのペグを含む。
【0046】
図19では、大腿骨トライアルガイド180は、ドリルガイド190と共に使用されるときに遠位ペグの準備を作成する機能を提供する。ドリルガイド190が大腿骨トライアルガイド180に取り付けられた後、ドリル192を使用して、大腿顆に遠位ペグ穴を作成する。大腿骨トライアルガイド180およびドリルガイド190は、ドリル192を用いたペグ穴の準備中に位置合わせおよび深さ制御を提供する。
【0047】
図20は、前方後方方向および内側外側方向の横断面74の寸法を測定する脛骨サイザー200の使用を示している。測定により、脛骨外科的テンプレート220(図20)および脛骨ベースプレート20(図2)の正しいサイズの選択が確実にされる。必要に応じて、適切な空間を確保するために、既存の矢状面74の遠位にある脛骨の追加の矢状カットが必要になることがある。
【0048】
図21は、脛骨14上の横断面74からトライアル大腿骨ガイド180までの空間を測定するために使用されるシム212を有する脛骨スペーサーベース210を示している。異なるサイズのシム212は、嵌合特徴をロックする回転運動(例えば、バヨネットキー接続など)またはアリ継接続を介して、脛骨スペーサーベース210にロックされてもよい。スペーサーベース210およびシム212を用いたこれらの測定により、脛骨外科的テンプレート220(図20)、脛骨ベースプレート20(図2)、および脛骨インサート30(図3)のサイズの適切な選択が確実にされる。
【0049】
図22は、脛骨インパクター222と共に設置されている、切除された脛骨プラトー上の脛骨外科的テンプレート220を示している。脛骨外科的テンプレート220は、設置中に脛骨インパクター222と一時的に嵌合することを可能にする特徴を含む。脛骨インパクター222は、可撓性アーム224およびハンドル226を含む。力がハンドル226に加えられるときに、力はアーム224に沿って伝達され、脛骨外科的テンプレート220の底部にあるキール(図示せず)などの突起を骨に押し込む。以下で論じられるように、脛骨外科的テンプレート220は、脛骨を準備するためのガイドとして作用し、また、脛骨ベースプレート20の最終的な設置の前のトライアル脛骨ベースプレートとしても機能する。
【0050】
図23は、図22の脛骨インパクター222によって配置された後の、切除された脛骨プラトー上の脛骨外科的テンプレート220を示している。脛骨外科的テンプレート220は、最終脛骨ベースプレート20(図2)上のペグ24と共に使用されるペグ穴の開発を可能にする開口部230、232を含む。それはまた、図26に示すように、トライアルインサートのより良い除去を可能にする側面開口部234を含む。側面開口部234はまた、ピン固定を提供し、これは、ペグの準備および試行の前に、近位骨面上で外科的テンプレート220を安定させる。
【0051】
図24は、脛骨外科的テンプレート220の開口部230と嵌合されたドリルガイド240を示している。ドリル242は、切除された脛骨プラトーに、最終的な脛骨ベースプレート20上のペグ24(図2)のうちの1つを受容するための穴を作成するために使用されるドリルガイド240を通して配置される。骨の第2のペグ穴は、ドリル242および開口部232上のドリルガイド240を使用することによって作成される。
【0052】
図25は、脛骨トライアルインサート250と共に使用されている脛骨外科的テンプレート220を示している。大腿骨トライアルガイド180は、大腿骨インプラント40(図4)を実質的に模倣し、脛骨外科的テンプレート220およびトライアル脛骨インサート250は、それぞれ脛骨ベースプレート20(図2)および脛骨インサート30(図3)を実質的に模倣するため、図25に示されている構成要素は、最終的なインプラントがそれらの最終的な設置の前にどのように作動するかについてのより良い理解を外科医に提供する。したがって、最終的な設置の前に、任意の骨または構成要素の調整を行うことができる。事実上、脛骨外科的テンプレート220および大腿骨ドリルガイド180は両方とも、穴を開けることおよびトライアルインプラントのための外科的テンプレートである。脛骨インサート250は、脛骨外科的テンプレート220からそれを除去することを可能にし、かつ脛骨外科的テンプレート220を骨に固着するピンのためのクリアランスを提供するために、様々な開口部およびカット252を含む。
【0053】
図26は、ツール260を使用することによって脛骨外科的テンプレート220から除去されている脛骨トライアルインサート250を示している。脛骨トライアルインサート250が除去された後、脛骨外科的テンプレート220は、コッハーなどの一般的な外科用ツールを使用することによって脛骨から除去することができる。図27は、大腿骨トライアルガイド180を大腿骨12から除去するために使用される際のユニバーサルハンドル80を示している。
【0054】
図28は、大腿骨トライアルガイド180および脛骨外科的テンプレート220が除去された後の大腿骨12および脛骨14の準備を示している。大腿顆は、3つの平坦な面(平坦な遠位面122、平坦な後方面152、面取り面162)ならびに2つのペグ穴172および284を含む。図14に示すように、第1の面取りペグ穴172は、ドリル142および大腿骨準備ガイド130を用いて作製されている。第2のペグ穴284は、図19のドリル190を伴う大腿骨トライアルガイド180によって生成されている。脛骨14は、横断面74および矢状面72、ならびに図24のドリル242および脛骨外科的テンプレート220によって作成された2つのペグ穴282を含む。
【0055】
図29~31は、最終的なインプラント構成要素の配置を示している。図29は、脛骨ベースプレート20を設置するために使用されている脛骨インパクター222を示している。1つの好ましい実施形態では、骨セメントが、ペグ穴282(図28)を含む、脛骨12の準備された骨面全体にわたって適用される。セメントは、ペグ穴282および他の突起(例えば、キール)にフィットするペグ24(図2)を含む、脛骨ベースプレート20の下側にも適用される。セメントは、骨へのインプラントの固定を最適化するようにこれらの面を十分にカバーするべきである。
【0056】
図30は、図4の大腿顆インプラント40を設置するために使用される大腿骨インパクター302を示している。セメントが、大腿骨の準備された骨面(平坦な遠位面122、平坦な後方面152、面取り面162)ならびに2つのペグ穴172および284の両方の全体にわたって適用される。セメントは、2つのペグ穴172および284内にフィットするペグ48(図4)を含む、大腿顆インプラント40の下側にも適用される。大腿骨インパクター302は、大腿顆インプラント40をその最終位置に強制するために使用される。
【0057】
図31は、脛骨インサート30を脛骨ベースプレート20に設置ために使用されるインサートインパクター312を示している。図3に示すように、脛骨インサート30は、脛骨インサート30が適切に保持されるように、脛骨ベースプレート20内の対応する特徴と嵌合することを可能にする構造34(図3を参照)を含む。この時点で、部分膝インプラントが患者に設置されている。
【0058】
図32A~32Cは、対応する大腿顆インプラント40a、40b、40cに関連する3つの大腿骨準備ガイド130a、130b、130cを示している。上記のように、大腿骨準備ガイド130は、大腿顆インプラント40の輪郭を模倣して、適切な大腿顆インプラント40が設置される前に、適切なインプラントサイジングおよびML位置決めを提供する。1つの好ましい実施形態では、各大腿骨準備ガイド130は、対応する単一の大腿顆インプラント40を有する。したがって、図32A~32Cに示すように、3つの大腿骨準備ガイド130a、130b、および130cは、それぞれ、3つの顆インプラント40a、40b、40cのみに対応する。本発明は、大腿骨準備ガイド130および顆インプラント40の3つより多い一致する対を有することを企図する。
【0059】
別の好ましい実施形態では、各大腿骨ガイド130は、2つの異なる大腿顆インプラント40の外周を表す形状およびサイズを有し、そのため、3つの大腿骨準備ガイド130a、130b、130cが、6つの大腿顆インプラント40で有用である。例えば、3つの大腿骨ガイド130a、130b、130cは、サイズ1、3および5であるが、顆インプラント40のサイズ1、2、3、4、5、6をカバーする。言い換えれば、各大腿骨ガイド130は、1つの顆インプラント40と同じサイズであり、次に大きいサイズの顆インプラント40に近いサイズである。小さな大腿骨ガイド130aは、顆インプラント40のサイズ1外周に一致するが、顆インプラント40のサイズ1および2をカバーする。中程度の大腿骨ガイド130bは、顆インプラント40のサイズ3外周に一致するが、顆インプラント40のサイズ3および4をカバーする。大きな大腿骨ガイド130cは、顆インプラント40のサイズ5外周に一致するが、顆インプラント40のサイズ5および6をカバーする。その結果、外科医は2つのサイズグループ間をすばやく評価できる。例えば、小さなガイド130aは、インプラントサイズ1と同じである。したがって、小さなガイド130aが小さすぎる場合、患者の膝は、顆インプラント40のサイズ2を必要とする可能性が高い。次に、中程度のガイド130b(サイズ3)を設置箇所の近くに配置することにより、外科医はサイズ3が大きすぎるかどうかを知ることができ、顆インプラント40のサイズ2が必要であることを確実に知ることにつながる。このように、外科医は、小さな準備ガイド130a(サイズ1)、大腿骨ドリルガイド180、およびサイズ2の顆インプラント40を使用する。
【0060】
図33A~33Eは、大腿骨準備ガイド130の大腿骨12への取り付けおよび大腿顆上でのその使用の詳細を示している。図33Aおよび33Bは、大腿骨準備ガイド130の遠位部分131の最も前方に位置する貫通ボア334への第1のピン332の最初の配置、および遠位部分131の斜めの貫通ボア338への第2のピン336の配置を示している。第2のピン336は、大腿骨準備ガイド130を複数の方向に保持するのを助けるために、第1のピン332とは異なる角度で斜めの貫通ボア338にガイドされる。図33A~33Bはまた、大腿骨準備ガイド130の後方スキッド133の凹部またはスロット339内で嵌合する特徴を含む1つのサイズのシム340を示している。これらは、図34A~34Bにおいて詳細に説明される。シム340が関節空間に押し込まれるときに、大腿骨準備ガイド130を固着するために、第1のピン332および第2の斜めのピン336のみの使用が必要とされる。骨が柔らかい(すなわち、骨減少症である)ときに、外科医は、遠位部分131の3つの下部穴のうちの1つに第3の固定ピンを使用することを選択してもよい。一般に、取り付けには、3つの下部穴の最も内側の穴に第3のピンを使用すれば十分である。
【0061】
大腿骨準備ガイド130の骨準備およびガイド安定性機能は、ガイド130を前方から後方シーケンスにおいて安定化および固定し、次いで、骨の実際の準備のために反対の順序(後方から前方)を使用することに少なくとも部分的に依存する。ガイドを固定するための特定のステップのシーケンス(前方から後方)およびその後の骨準備ステップ(後方から前方)は、大腿骨準備ガイド130が安定したままであることを確実にする。最も前方の第1のピン332を配置することによって、斜めのピン(ガイドねじ)336を配置する前に必要とされる必要な初期安定性を提供する。最も前方の第1のピン332がない場合、大腿骨準備ガイド130は、斜めのピン/ガイドねじ336を配置するときにシフトする傾向を有する。最も前方の貫通ボア334および斜めの貫通ボア338をピン留めした後、骨が柔らかいときに、第3のピンを3つの下部穴の最も内側の穴に使用することができる。ステップのシーケンスに加えて、矢状湾曲シム340の使用により、骨を準備するためのステップの安定性が容易にされる。特定のシーケンスにより、大腿骨トライアルガイドを通して開けられる最終的なペグ穴を含む、インプラント位置の最終的な調整も可能になる。面およびペグ穴の準備に関しては、骨切除が行われると、骨上の大腿骨準備ガイド130の正確な固定が犠牲になることがあるため、正確性を確実にするためにペグ穴を開けることを最初に完了することが好ましい。図33Eに示すように、後顆骨が除去された状態で、鋸刃の接触が大腿骨準備ガイド130の金属製後方スキッドにぶつかるかなり前に面取り切除が完了したときを外科医が感知できるため、後方切除は後方面取り切除の前に完了する。したがって、後方平坦面152を作成する後方切除は、面取り鋸160のためのクリアランスを提供する。
【0062】
図33Cは、ドリルガイド140およびドリル142を使用してペグ穴を開けるときに大腿骨準備ガイド130の使用を示している。第1のピン332および第2のピン336は、ドリル142が大腿骨12に前進するときにドリル142と干渉しない位置および角度に配置される。
【0063】
図33Dおよび33Eは、鋸150からの平坦な後方面152が、鋸160が面取り面162を作成することを可能にするクリアランス領域を作製することを示している。平坦な後方面152を最初に開発することにより、鋸160は、より少ない骨をカットする必要があり、深く挿入する必要がなく、それにより鋸160が大腿骨準備ガイド130の後方領域の下部スキッド133上の底をつく可能性を最小限に抑える。
【0064】
図33Eはまた、選択されたシム340を大腿骨準備ガイド130に取り付けるために使用される、大腿骨準備ガイド130の後方スキッド133上のスロット339を示している。本発明の一実施形態では、大腿骨準備ガイド130は、矢状面において湾曲したスペーサーシム340上の対応する嵌合突起を受容するためのスロット339(または他の取り付け特徴)を含む。スペーサーシム340は、選択されたシム340が、下部スキッド133において対応するアリ継スロット339にスライドされるアリ継形状の突起342(図34Bに示される)を有するアリ継嵌合接続を介して大腿骨準備ガイド130にロックされてもよい。下部スキッド133はまた、スロット339内に板ばねを含んでもよく、それが所定の場所にスライドされる際に、選択されたシム340とフィットするぴったりとした干渉を提供する。代替的には、スペーサーシム340は、例えば、バヨネットキー接続を用いて、回転運動を介して大腿骨準備ガイド130にロックされてもよい。
【0065】
図34Aおよび34Bは、脛骨プラトーに対して適切な間隔を作成するための大腿骨準備ガイド130の機能を示している。湾曲したスペーサーシム340は、関節空間を適切に充填するために、複数のサイズ(例えば、厚さおよび曲率)で利用可能である。1つの好ましい実施形態では、屈曲空間は約10mmであるべきである。しかしながら、場合によっては、屈曲が制限されているために屈曲空間が狭くなる(例えば、8~9mm)か、または過度の摩耗または靭帯が不安定になることのために、屈曲区間が緩くなる(例えば、11~12mm)ことがある。スペーサーシム340の曲率は、後方大腿顆の典型的な半径に倣う。この湾曲により、脛骨大腿骨の動き(つまり、わずかな屈曲)が可能になるが、長方形のスペーサーは、脛骨大腿骨の位置を(脛骨の傾斜に応じて)90~95度にしっかりと固定する。1つの好ましい実施形態では、下部スキッド133および選択されたシム340の組み合わされた厚さは、脛骨ベースプレート20および脛骨インサート30の組み合わされた厚さに対応する。例えば、大腿骨準備ガイド130の下部スキッド133は、厚さが約3mmであり、スペーサーシム340は、厚さが約5mmであると、約8mmの組み合わされた厚さにつながる。しかしながら、そのスペーサーシム340は、「8mmシム」としてラベル付けすることができ、それは、下部スキッド133と組み合わされた厚さが、8mmの組み合わされた合計厚さをもたらすことを知っている。
【0066】
図34A~34Bにおいて所望の矢状湾曲を有する大腿骨準備ガイド130上のスペーサーシム340の使用は、システム全体に重要な利点を提供する。第1に、湾曲したスペーサーシム340が屈曲空間を満たし、前頭面において長方形のバランスの取れた空間がもたらされる。第2に、湾曲したスペーサーシム340は、靭帯に加えられている張力を利用して、大腿骨位置決めガイドの全体的な固定をさらに安定させ、より正確で反復可能な準備を提供する。第3に、湾曲したスペーサーシム340は、これらの構成要素を伴うトライアルラン中の膝の微妙な動き(脛骨大腿骨関節)に対応する矢状湾曲態様を有する。すなわち、脛骨運動は、処置中の屈曲中(図34Aに示すように)85~95度以内であり、大腿骨準備ガイド130全体が骨から緩むのを防ぐ。大腿骨準備ガイド130の後方スキッド133に組み立てられるときに、シム340およびスキッド133は、脛骨インサート30および脛骨ベースプレート20(図3および31に示す)の組み合わされた厚さを表す。例えば、シム340は、脛骨インサート30と脛骨ベースプレート20のキットから利用可能な組み合わされた厚さに一致する、約8、9、10、および12mmの下部スキッド133との組み合わされた厚さをもたらしてもよい。言い換えれば、シム340は、それらが選択された脛骨インサート30の厚さに対応することを可能にする様々な厚さで利用可能である。
【0067】
代替的な実装形態
代替的な実装形態1.外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、大腿骨準備ガイドが、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、遠位部分が、後方部分に対して角度をなす、遠位部分と、顆の2つの切除を提供するカットツールを受容するための遠位部分上の第1および第2の切除スロットであって、第1および第2の切除スロットが、互いに対して角度をなす、第1および第2の切除スロットと、を備える、大腿骨準備ガイド。
【0068】
代替的な実装形態2.第1の切除スロットが、顆に第1の後方カットを作成するためのものであり、第2の切除スロットが、顆に第2の後方カットを作成するためのものであり、第2の後方カットが、第1の後方カットに対して角度をなす面取りカットを提供する、代替的な実装形態1に記載の大腿骨準備ガイド。
【0069】
代替的な実装形態3.第1の後方カットが、第2の後方カットを作成するためのクリアランスを提供する、代替的な実装形態2に記載の大腿骨準備ガイド。
【0070】
代替的な実装形態4.大腿顆インプラントの一部分を受容する後方穴を作成するためのガイド穴をさらに含む、代替的な実装形態1に記載の大腿骨準備ガイド。
【0071】
代替的な実装形態5.遠位部分が、顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、代替的な実装形態1に記載の大腿骨準備ガイド。
【0072】
代替的な実装形態6.遠位部分および後方部分が、外周を画定し、外周の少なくとも一部分が、大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致して、大腿顆インプラントが後に顆上に設置されるときに、大腿顆インプラントの位置の指標を提供する、代替的な実装形態1に記載の大腿骨準備ガイド。
【0073】
代替的な実装形態7.後方部分が、脛骨までの関節空間を測定するためのガイダンスを提供するシムを受容するための領域を含む、代替的な実装形態1に記載の大腿骨準備ガイド。
【0074】
代替的な実装形態8.シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、代替的な実装形態7に記載の大腿骨準備ガイド。
【0075】
代替的な実装形態9.遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、代替的な実装形態1に記載の大腿骨準備ガイド。
【0076】
代替的な実装形態10.大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、代替的な実装形態1に記載の大腿骨準備ガイド。
【0077】
代替的な実装形態11.外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、大腿骨準備ガイドが、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、遠位部分が、後方部分に対して角度をなし、遠位部分および後方部分が、外周を画定し、外周の少なくとも一部分が、大腿顆インプラントが後に顆上に設置されるときに、顆上の大腿顆インプラントの位置の指標を提供するために、大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致する、遠位部分と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【0078】
代替的な実装形態12.顆の2つの切除を提供するカットツールを受容するための遠位部分上の第1および第2の切除スロットであって、第1および第2の切除スロットは、互いに対して角度をなす、第1および第2の切除スロットと、をさらに含む、代替的な実装形態11に記載の大腿骨準備ガイド。
【0079】
代替的な実装形態13.第1の切除スロットが、顆に第1の後方カットを作成するためのものであり、第2の切除スロットが、顆に第2の後方カットを作成するためのものであり、第2の後方カットが、第1の後方カットに対して角度をなす面取りカットを提供する、代替的な実装形態12に記載の大腿骨準備ガイド。
【0080】
代替的な実装形態14.第1の後方カットが、第2の後方カットを作成するためのクリアランスを提供する、代替的な実装形態13に記載の大腿骨準備ガイド。
【0081】
代替的な実装形態15.大腿顆インプラントの一部分を受容する後方穴を作成するためのガイド穴をさらに含む、代替的な実装形態11に記載の大腿骨準備ガイド。
【0082】
代替的な実装形態16.遠位部分が、顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、代替的な実装形態11に記載の大腿骨準備ガイド。
【0083】
代替的な実装形態17.後方部分が、脛骨までの関節空間を測定するためのガイダンスを提供するシムを受容するための領域を含む、代替的な実装形態11に記載の大腿骨準備ガイド。
【0084】
代替的な実装形態18.シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、代替的な実装形態17に記載の大腿骨準備ガイド。
【0085】
代替的な実装形態19.遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、代替的な実装形態11に記載の大腿骨準備ガイド。
【0086】
代替的な実装形態20.大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、代替的な実装形態11に記載の大腿骨準備ガイド。
【0087】
代替的な実装形態21.外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、大腿骨準備ガイドが、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、遠位部分が、後方部分に対して角度をなす、遠位部分と、後方部分および遠位部分の両方に対して角度付けられた顆上の面取り面を提供するカットツールを受容するための遠位部分上の面取り切除スロットと、顆の面取り面上に位置するペグ穴を作成するドリルを受容するためのガイド穴と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【0088】
代替的な実装形態22.顆の後方切除を提供するカットツールを受容するための遠位部分上に後方切除スロットをさらに含み、後方切除スロットが、面取り切除スロットに対して角度をなす、代替的な実装形態21に記載の大腿骨準備ガイド。
【0089】
代替的な実装形態23.後方切除スロットが、面取り面を提供するカットツールのためのクリアランスを提供するカットを提供する、代替的な実装形態22に記載の大腿骨準備ガイド。
【0090】
代替的な実装形態24.遠位部分および後方部分が、外周を画定し、外周の少なくとも一部分が、大腿顆インプラントが後に顆上に設置されるときに、顆上の大腿顆インプラントの位置の指標を提供するために、大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致する、代替的な実装形態21に記載の大腿骨準備ガイド。
【0091】
代替的な実装形態25.遠位部分が、顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、代替的な実装形態21に記載の大腿骨準備ガイド。
【0092】
代替的な実装形態26.後方部分が、脛骨までの関節空間を測定するためのガイダンスを提供するシムを受容するための領域を含む、代替的な実装形態21に記載の大腿骨準備ガイド。
【0093】
代替的な実装形態27.シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、代替的な実装形態26に記載の大腿骨準備ガイド。
【0094】
代替的な実装形態28.遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、代替的な実装形態21に記載の大腿骨準備ガイド。
【0095】
代替的な実装形態29.大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、代替的な実装形態21に記載の大腿骨準備ガイド。
【0096】
代替的な実装形態30.外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、大腿骨準備ガイドが、顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分であって、後方部分が、後方部分の下側面上に取り付け要素を有する、後方部分と、顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分と、脛骨までの適切な関節空間を提供するために取り付け要素に結合されているシムであって、シムが、複数のシムから選択されており、複数のシムが、異なるサイズである、シムと、を備える、大腿骨準備ガイド。
【0097】
代替的な実装形態31.シムおよび取り付け要素が、アリ継嵌合部分を含む、代替的な実装形態30に記載の大腿骨準備ガイド。
【0098】
代替的な実装形態32.シムおよび取り付け要素が、嵌合特徴に係合する回転運動を介して結合される、代替的な実装形態30に記載の大腿骨準備ガイド。
【0099】
代替的な実装形態33.嵌合特徴が、バヨネットキー嵌合部分である、代替的な実装形態32に記載の大腿骨準備ガイド。
【0100】
代替的な実装形態34.シムが、顆の後方領域の半径に倣う湾曲した矢状面を含む、代替的な実装形態30に記載の大腿骨準備ガイド。
【0101】
代替的な実装形態35.外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、大腿骨準備ガイドが、顆の上部にフィットするための本体であって、本体が、顆の切除カットをガイドするためのスロットを有し、本体が、外周を有し、外周の少なくとも一部分が、(i)後に顆上に設置される大腿顆インプラントの内側外側位置、または(ii)後に顆上に設置される大腿顆インプラントのサイズのうちの少なくとも1つの指標を提供するために、大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分に実質的に一致する、本体と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【0102】
代替的な実装形態36.代替的な実装形態1~34のいずれかによる、特徴および/または機能を有する、代替的な実装形態35の大腿骨準備ガイド。
【0103】
代替的な実装形態37.外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備構成要素であって、顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、大腿骨準備構成要素が、(i)顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分、(ii)顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分、(iii)顆の切除を提供するカットツールを受容するための少なくとも1つの切除スロット、および(iv)顆上に位置する第1のペグ穴を作成するドリルを受容するための第1のガイド穴を有する、大腿骨準備ガイドと、大腿骨準備ガイドで開発された切除後の顆上に配置するための大腿骨トライアルガイドであって、大腿骨トライアルガイドが、顆上に位置する第2のペグ穴を作成するドリルを受容するための第2のガイド穴を含み、第1および第2のペグ穴は、大腿顆インプラント上のペグを受容するためのものである、大腿骨トライアルガイドと、を備える、大腿骨準備構成要素。
【0104】
代替的な実装形態38.代替的な実装形態1~34のいずれかによる、特徴および/または機能を有する、代替的な実装形態37の大腿骨準備構成要素。
【0105】
代替的な実装形態39.外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備構成要素であって、顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、大腿骨準備構成要素が、顆の下の領域に位置決めされたスペーサー構成要素の上部をスライドする大腿骨切除ガイドブロックであって、大腿骨切除ガイドブロックが、顆の第1の切除を提供するカットツールを受容するための切除スロットを含む、大腿骨切除ガイドブロックと、第1の切除の領域において顆に取り付けるための大腿骨準備ガイドであって、大腿骨準備ガイドが、顆の第2の切除および第3の切除を提供するカットツールを受容するための2つの切除スロットを有し、大腿骨準備ガイドが、顆上に位置する第1のペグ穴を作成するドリルを受容するための第1のガイド穴を含む、大腿骨準備ガイドと、大腿骨準備ガイドで開発された切除後の顆上に配置するための大腿骨トライアルガイドであって、大腿骨トライアルガイドが、顆上に位置する第2のペグ穴を作成するドリルを受容するための第2のガイド穴を含む、大腿骨トライアルガイドと、を備える、大腿骨準備構成要素。
【0106】
代替的な実装形態40.代替的な実装形態1~34のいずれかによる、特徴および/または機能を有する、代替的な実装形態39の大腿骨準備構成要素。
【0107】
代替的な実装形態41.外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨トライアルガイドであって、顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、大腿骨トライアルガイドが、後に植え込まれる大腿顆インプラントの位置および運動の指標を提供するための大腿顆インプラントの外面を模倣する湾曲した外面と、顆上に位置するペグ穴を作成するドリルを受容するためのガイド穴と、を備える、大腿骨トライアルガイド。
【0108】
代替的な実装形態42.代替的な実装形態1~41のいずれかに記述されている構成要素のうちの1つ以上を使用して大腿顆インプラントを受容するための顆を準備する方法。
【0109】
代替的な実装形態43.人工膝関節部分置換のために大腿骨および脛骨を準備するための構成要素のキットであって、キットが、脛骨外科的テンプレート、脛骨外科的テンプレートに嵌合する脛骨トライアルインサート、および代替的な実装形態1~41のいずれかに記述されている構成要素のうちの1つ以上を含む、キット。
【0110】
代替的な実装形態44.人工膝関節部分置換のために脛骨を準備するための構成要素のキットであって、図5、6、7、20~26のいずれかに対して説明された脛骨関連構成要素のうちの1つ以上を含む、キット。
【0111】
上記の代替的な実装形態1~44のいずれかのうちの1つ以上からの1つ以上の要素もしくは態様もしくはステップ、またはその任意の部分が、他の代替的な実装形態1~44のいずれかのうちの1つ以上からの1つ以上の要素もしくは態様もしくはステップ、もしくはその任意の部分、またはそれらの組み合わせと組み合わせて、本開示の1つ以上の追加的な実装形態および/または特許請求の範囲を形成することができる。
【0112】
本開示の様々な例が上で説明されてきたが、それらは単なる例として提示されたものであり、限定ではないと理解されたい。開示された例に対する多くの変更は、開示の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書の開示に従って行うことができる。したがって、本開示の幅および範囲は、上記の例のいずれによっても限定されるべきではない。むしろ、開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物に従って定義されるべきである。
【0113】
開示は、1つ以上の実装形態に関して図示および説明されているが、この明細書および添付の図面を読んで理解すると、同等の代替物および変更物が当業者に生じる。追加的に、開示の特定の特徴は、いくつかの実装形態のうちの1つに関してのみ開示されることがあるが、そのような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途にとって望ましくかつ有利であり得る他の実装形態のうちの1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32A
図32B
図32C
図33A
図33B
図33C
図33D
図33E
図34A
図34B
【手続補正書】
【提出日】2021-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分であって、前記後方部分が、前記後方部分の下側面上に取り付け要素を有する、後方部分と、
前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、前記遠位部分が、前記後方部分に対して角度をなす、遠位部分と、
前記顆の2つの切除を提供するカットツールを受容するための前記遠位部分上の第1および第2の切除スロットであって、前記第1および第2の切除スロットが、互いに対して角度をなす、第1および第2の切除スロットと、
前記取り付け要素に結合されて、前記大腿骨と対応する脛骨との間に適切な関節空間を提供するのに役立つシムと、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項2】
前記第1の切除スロットが、前記顆に第1の後方カットを作成するためのものであり、前記第2の切除スロットが、前記顆に第2の後方カットを作成するためのものであり、前記第2の後方カットが、前記第1の後方カットに対して角度をなす面取りカットを提供する、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項3】
前記第1の後方カットが、前記第2の後方カットを作成するためのクリアランスを提供する、請求項2に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項4】
前記大腿顆インプラントの一部分を受容する後方穴を作成するためのガイド穴をさらに含む、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項5】
前記遠位部分が、前記顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項6】
前記遠位部分および前記後方部分が、外周を画定し、前記外周の少なくとも一部分が、前記大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致して、前記大腿顆インプラントが後に前記顆上に設置されるときに、前記大腿顆インプラントの位置の指標を提供する、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項7】
前記取り付け要素が、前記大腿骨と前記対応する脛骨との間の関節空間を測定するためのガイダンスを提供する請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項8】
前記シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、請求項7に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項9】
前記遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、前記ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項10】
前記大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、前記キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、請求項1に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項11】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、
前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、前記遠位部分が、前記後方部分に対して角度をなし、前記遠位部分および前記後方部分が、外周を画定し、前記外周の少なくとも一部分が、前記大腿顆インプラントが後に前記顆上に設置されるときに、前記顆上の前記大腿顆インプラントの位置の指標を提供するために、前記大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致する、遠位部分と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項12】
前記顆の2つの切除を提供するカットツールを受容するための前記遠位部分上の第1および第2の切除スロットであって、前記第1および第2の切除スロットは、互いに対して角度をなす、第1および第2の切除スロットと、をさらに含む、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項13】
前記第1の切除スロットが、前記顆に第1の後方カットを作成するためのものであり、前記第2の切除スロットが、前記顆に第2の後方カットを作成するためのものであり、前記第2の後方カットが、前記第1の後方カットに対して角度をなす面取りカットを提供する、請求項12に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項14】
前記第1の後方カットが、前記第2の後方カットを作成するためのクリアランスを提供する、請求項13に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項15】
前記大腿顆インプラントの一部分を受容する後方穴を作成するためのガイド穴をさらに含む、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項16】
前記遠位部分が、前記顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項17】
前記後方部分が、脛骨までの関節空間を測定するためのガイダンスを提供するシムを受容するための領域を含む、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項18】
前記シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、請求項17に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項19】
前記遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、前記ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項20】
大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、前記キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、請求項11に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項21】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分と、
前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分であって、前記遠位部分が、前記後方部分に対して角度をなす、遠位部分と、
前記後方部分および前記遠位部分の両方に対して角度付けられた前記顆上の面取り面を提供するカットツールを受容するための前記遠位部分上の面取り切除スロットと、
前記顆の前記面取り面上に位置するペグ穴を作成するドリルを受容するためのガイド穴と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項22】
前記顆の後方切除を提供するカットツールを受容するための前記遠位部分上に後方切除スロットをさらに含み、前記後方切除スロットが、前記面取り切除スロットに対して角度をなす、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項23】
前記後方切除スロットが、前記面取り面を提供する前記カットツールのためのクリアランスを提供するカットを提供する、請求項22に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項24】
前記遠位部分および前記後方部分が、外周を画定し、前記外周の少なくとも一部分が、前記大腿顆インプラントが後に前記顆上に設置されるときに、前記顆上の前記大腿顆インプラントの位置の指標を提供するために、前記大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分と実質的に一致する、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項25】
前記遠位部分が、前記顆上の平坦な切除面に係合するための平坦な面を有する、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項26】
前記後方部分が、前記大腿骨と対応する脛骨との間の関節空間を測定するためのガイダンスを提供するシムを受容するための領域を含む、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項27】
前記シムが、異なるサイズの複数のシムのうちの1つから選択される、請求項26に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項28】
前記遠位部分が、ピンを受容するための複数のガイド穴を含み、前記ガイド穴が、互いに対して異なる角度をなす、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項29】
前記大腿骨準備ガイドが、大腿骨準備ガイドのキットの一部であり、前記キット内の各大腿骨準備ガイドが、特定のサイズの大腿顆インプラントに対応する、請求項21に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項30】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分であって、前記後方部分が、前記後方部分の下側面上に取り付け要素を有する、後方部分と、
前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分と、
前記取り付け要素に結合されて、前記大腿骨と対応する脛骨との間に適切な関節空間を提供するのに役立つシムであって、前記シムが、複数のシムから選択されており、前記複数のシムが、異なるサイズである、シムと、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項31】
前記シムおよび前記取り付け要素が、アリ継嵌合部分を含む、請求項30に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項32】
前記シムおよび前記取り付け要素が、嵌合特徴に係合する回転運動を介して結合される、請求項30に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項33】
前記嵌合特徴が、バヨネットキー嵌合部分である、請求項32に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項34】
前記シムが、前記顆の後方領域の半径に倣う湾曲した矢状面を含む、請求項30に記載の大腿骨準備ガイド。
【請求項35】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨準備ガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨準備ガイドが、
前記顆の上部にフィットするための本体であって、前記本体が、前記顆の1つ以上の切除カットをガイドするための1つ以上のスロットを有し、前記本体が、外周を有し、前記外周の少なくとも一部分が、(i)後に前記顆上に設置される前記大腿顆インプラントの内側外側位置、(ii)後に前記顆上に設置される前記大腿顆インプラントのサイズ、または(iii)(i)および(ii)の両方の指標を提供するために、前記大腿顆インプラントのインプラント外周の一部分に実質的に一致する、本体と、を備える、大腿骨準備ガイド。
【請求項36】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための1つ以上の大腿骨準備構成要素を含むシステムであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記システムが、
(i)前記顆の後方領域の上部にフィットするための後方部分、(ii)前記顆の遠位領域の上部にフィットするための遠位部分、(iii)前記顆の切除を提供するカットツールを受容するための少なくとも1つの切除スロット、および(iv)前記顆上に位置する第1のペグ穴を作成するドリルを受容するための第1のガイド穴を有する、大腿骨準備ガイドと、
前記大腿骨準備ガイドで開発された前記切除後の前記顆の上部に配置するための大腿骨トライアルガイドであって、前記大腿骨トライアルガイドが、前記顆上に位置する第2のペグ穴を作成するドリルを受容するための第2のガイド穴を含み、前記第1および前記第2のペグ穴は、前記大腿顆インプラント上のペグを受容するためのものである、大腿骨トライアルガイドと、を備える、システム。
【請求項37】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための1つ以上の大腿骨準備構成要素を含むシステムであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記システムが、
前記顆の下の領域に位置決めされたスペーサー構成要素の上部をスライドする大腿骨切除ガイドブロックであって、前記大腿骨切除ガイドブロックが、前記顆の第1の切除を提供するカットツールを受容するための切除スロットを含む、大腿骨切除ガイドブロックと、
前記第1の切除の領域において前記顆に取り付けるための大腿骨準備ガイドであって、前記大腿骨準備ガイドが、前記顆の第2の切除および第3の切除を提供するカットツールを受容するための2つの切除スロットを有し、前記大腿骨準備ガイドが、前記顆上に位置する第1のペグ穴を作成するドリルを受容するための第1のガイド穴を含む、大腿骨準備ガイドと、
前記大腿骨準備ガイドで開発された前記切除後の前記顆の上部に配置するための大腿骨トライアルガイドであって、前記大腿骨トライアルガイドが、前記顆上に位置する第2のペグ穴を作成するドリルを受容するための第2のガイド穴を含む、大腿骨トライアルガイドと、を備える、システム。
【請求項38】
外科的処置中に大腿骨の顆上で使用するための大腿骨トライアルガイドであって、前記顆が、大腿顆インプラントを受容するためのものであり、前記大腿骨トライアルガイドが、
後に植え込まれる大腿顆インプラントの位置および運動の指標を提供するための前記大腿顆インプラントの外面を模倣する湾曲した外面と、
前記顆上に位置するペグ穴を作成するドリルを受容するためのガイド穴と、を備える、大腿骨トライアルガイド。
【国際調査報告】