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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】オストミー器具の出口バルブ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022549651
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 GB2021050392
(87)【国際公開番号】W WO2021165675
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】2002314.9
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2002316.4
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508080986
【氏名又は名称】コンバテック リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ホルロイド,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】タール,シュテファン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC18
4C098CD01
4C098CD10
(57)【要約】
オストミー器具(30)用の出口バルブ(1)は、オストミー器具(30)の面に取り付けるためのバルブベース(10)を含み、バルブベース(10)は、オストミー器具(30)からの液体出力を受けるためのベース開口部(15)を規定し、出口要素(20)は、バルブベース(10)に対して、ベース開口部(15)を介して受けた液体の排出が妨げられる閉鎖構成から、ベース開口部(15)を介して受けた液体の排出が可能になる開放構成に回転可能となるように構成されている。出口要素(20)は、バルブベース(10)に回転可能に取り付けられた相対的に硬い部品と、相対的に硬い部品に接着された相対的に軟らかい出口管部分(21a)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミー器具のための出口バルブであって、
オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミー器具からの液体出力を受けるためのベース開口部を規定するバルブベース;および、
ベース開口部を介して受けた液体の排出が妨げられる閉鎖構成からベース開口部を介して受けた液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成された出口要素;を含み、
出口要素は、バルブベースに回転可能に取り付けられた相対的に硬い部品と、相対的に硬い部品に固着された相対的に軟らかい出口管部分とを含む出口バルブ。
【請求項2】
開放状態において、相対的に硬い部品が、ベース開口部と相対的に軟らかい出口管部分との間に流体通路を規定する請求項1に記載の出口バルブ。
【請求項3】
開放状態において、相対的に硬い部品が、ベース開口部から直接液体を受け取り、その後、相対的に軟らかい出口管部分へ送るように構成されている請求項1または2に記載の出口バルブ。
【請求項4】
相対的に硬い部品は、管状で、概ねL字型の形状を有する請求項1~3のいずれかに記載された出口バルブ。
【請求項5】
相対的に軟らかい出口管部分は、相対的に硬い部品の上にオーバーモールドされた請求項1~4のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項6】
相対的に硬い部品は、使用時にユーザが把持するための突出したフランジを含む請求項1~5のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項7】
出口要素は出口管を含み、出口管が相対的に軟らかい出口管部分を含む請求項1~6のいずれかに記載された出口バルブ。
【請求項8】
相対的に硬い部品は、吸入管と相対的に硬い出口管部分とを含み、相対的に硬い出口管部分は相対的に軟らかい出口管部分に固着されている請求項7に記載の出口バルブ。
【請求項9】
吸入管と出口管は一緒になって、吸入開口部から、出口管の、吸入管から遠位の端部に配置された出口開口部まで液体を通過させるための連続した中空ボアを規定する請求項8に記載の出口バルブ。
【請求項10】
出口要素は、概ねL字型であり、吸入管は、任意的に、出口管に対して実質的に90度の角度で配置されている請求項9に記載の出口バルブ。
【請求項11】
ハウジングは、バルブベースの外面から突出し、ハウジングは、円筒形ボアを規定し、吸入管の一部は、円筒形ボアと一緒に回転可能に取り付けられる請求項9または10に記載の出口バルブ。
【請求項12】
相対的に軟らかい出口管部分は、変形可能な材料から形成され、変形可能な材料は、任意的に弾力性を有する請求項1~11のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項13】
相対的に硬い部品は、少なくとも50Aのショア硬度を有する材料から形成される請求項1~12のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項14】
出口要素は、バルブベースの取付面に概ね平行で、かつ使用時に概ね水平に配置された回転軸を中心に回転可能である請求項1~13のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項15】
コネクタ直径を有する相対的に硬いコネクタと共に使用するように構成され、相対的に軟らかい出口管部分は、使用に際して相対的に軟らかい出口管部分への相対的に硬いコネクタの挿入時に、相対的に軟らかい出口管部分が相対的に硬いコネクタを収容するために撓むようにコネクタ直径よりわずかに小さい出口直径を有する請求項1~14のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項16】
バルブベースは、相対的に軟らかい出口管部分よりも硬く、任意的に、相対的に硬い部品よりも硬くない材料で形成されている請求項1~15のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかに記載の出口バルブを含むオストミー器具。
【請求項18】
閉鎖構成では、出口要素は、実質的にオストミー器具の空洞を覆っており;そして、
開放構成では、出口要素の少なくとも一部が、オストミー器具の空洞の下縁を横切って延びる請求項17に記載のオストミー器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オストミー器具、特にオストミーバッグからの液体排出のための出口バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
オストミー器具は、液体を直接廃棄するために、または使用中にバルブに取り付けられるドレインバッグなどの追加の器具を介して、オストミー器具のバッグから液体を排出するための出口バルブを備え得る。簡単に排出できる器具を提供しようとするオストミー器具の多くの形態がある。
【0003】
US6021928は、タップをすぐに組み立てられる状態でバッグ材料に溶着することができる排液バッグ用タップを開示する。このタップは、一体型の取り付け部分とハウジングを含む。ハンドル付きのL字管状のタップ部材は、ハウジングの開口部に挿入され、開口部内で、出口が上方に向く閉位置と、出口が下方に向く開位置との間で回転可能である。閉位置では、取付部の周辺領域がタップ部材の四方を越えて突出し、組み立てられたタップをバッグ材料に溶着できる。
【0004】
GB2285496は、特に排尿バッグなどの医療用バッグの出口バルブとして使用され、その入口パイプと出口パイプがそれらの長手方向軸に垂直な軸を中心に相対回転することによって開閉されるバルブを開示する。入口パイプと出口パイプは、ハウジング部品から突出している。一方のハウジング部品は、他方のハウジング部品の内側にバレルフィッティングを有する。ハウジング部品はそれぞれ開口部を有し、パイプが整列したときに一直線になる。パイプが同じ方向を向いているとき、バルブは閉じる。開口部の形状は様々である。また、ボールが使用されてもよいし、各パイプハウジングと相互係合し、それにロストモーション駆動を有する別個のバレルがあってもよい。
【0005】
EP0680296は、ベース部材と、一緒に出口管またはホース部材を形成する少なくとも1つの可動手段と、停止バルブと、閉鎖バルブとからなる出口バルブを開示し、可動手段は、回転および/または直線的に変位可能で、その手段によって、バルブシステムを、停止バルブと閉鎖バルブの両方が開いている第1位置、停止バルブが閉じていて閉鎖バルブが開いている第2位置、および両方のバルブが閉じている第3位置に設定可能であることを開示する。回収バッグは上述のような出口バルブを備える。
【0006】
オストメイトのための使い勝手が向上したオストミー器具、特に、例えばドレインバッグのような追加の器具に出口バルブを接続する際の使い勝手の領域においてニーズが残っている。
【発明の概要】
【0007】
本明細書において、用語「ストーマ出力」は、ストーマから分泌され得る、またはストーマから出る、オストメイトによって生成される任意の気体または流体または固体をいう。
【0008】
本明細書では、「ストーマ」という用語は、体内の開口部を意味する。一般に、ストーマは、身体の胴体部にある外科的開口部である。いくつかの実施態様では、用語「ストーマ」は、開口部によって露出される内部組織、器官またはその一部も指す。非限定的な例として、内部組織は、結腸、回腸、小腸、大腸、空腸、および十二指腸、並びにそれらの組み合わせから選択されてもよい。内部組織は、小腸または大腸の端部またはループであってもよい。
【0009】
本明細書において、用語「オストメイト」は、本明細書に開示されるオストミー器具を使用する対象を指す。オストメイトは通常、外科的開口部を有する対象を指すが、本明細書で使用する場合、「オストメイト」は、ストーマが手術または他の手段によって作られたかどうかにかかわらず、ストーマを有する対象を指す場合がある。
【0010】
用語「ユーザ」は、オストメイト、または、例えばストーマの排出物を空洞から空にすることでオストメイトを補助する別の人を指してもよい。
【0011】
本明細書において、本明細書に開示されるオストミー器具は、例えば、食道瘻、胃瘻、胆嚢瘻、胆管瘻、セコーストミー、コロストミー、十二指腸瘻、回腸瘻、空腸瘻、盲腸瘻、気管瘻、尿道口、ネフロストミー、尿管口、または膀胱口によって作られたストーマの管理に使用することができる。本明細書に開示されるオストミー器具は、シャント、カテーテル、プラグまたは糞便管理システムを含むがこれらに限定されない追加の装置と共に使用され得る。
【0012】
有益には、本開示のオストミー器具は、先行技術の器具と比較して、各オストミー器具の使用期間を増加させることをオストメイトに可能にし得る。これは、いくつかの先行技術の器具と比較して、オストミー器具の再使用に対するオストメイトの信頼を高めるように、ストーマの出力の空洞を確実かつ衛生的に排水するための手段を提供することによって達成され得る。オストメイトは、本開示の各オストミー器具をより長く使用する傾向があり得るので、所定の期間においてオストメイトによって使用されるオストミー器具の総数が低減され得る。これは、環境廃棄物の生成量を減少させるという環境上の利点を生じ得る。
【0013】
本明細書では、特徴の位置および方向は、オストミー器具が「使用中」、「使用中であるような方向」等を参照して説明され得る。このような用語は、オストミー器具が現在そのような使用を実行しているかどうか、またはオストミーの実際の位置に関係なく、オストメイトが立った状態でオストメイトの身体に固着されるときのオストミー器具の意図された向きを指す。用語「上部」および「下部」および関連する用語は、使用中になるように方向付けられたときのオストミー器具の部分または部位の相対的な位置を指す。例えば、オストミー器具の頂点は、オストミー器具の使用時に「上側」頂点と呼ばれ得る。そのような例では、頂点は、起立したオストメイトの身体に取り付けられたときのオストミー器具の最も上の頂点(垂直方向において)であることが意図されるであろう。しかしながら、当業者は、オストメイトへの取り付け前は、頂点が常に最上部の頂点であるとは限らず、さらに、取り付けられたときに、オストメイトが例えば横たわるなど非立位を採用する場合には、頂点が常に最上部の頂点であるとは限らないことを理解するであろう。
【0014】
本明細書では、用語「外側」または「前方」は、オストミー器具が身体に取り付けられるときのオストミー器具の部分または部位の身体に対する相対位置をいう。「外側」または「前方」は、身体に相対的に近い比較位置よりもオストミメイトの身体から相対的に遠い位置を指す。同様に、「後方」は、「外側」または「前方」である比較位置よりもオストメイトの身体に相対的に近い位置を指す。
【0015】
本明細書において、用語「周辺領域」は、参照されるアイテムの端部上または端部に向かって位置する部分を指す。
【0016】
本明細書において、「貼り付け」という用語は、出口バルブの通常の使用中に、または部品を損傷することなく、部品を取り外すことができない接続を指すために使用される。
【0017】
本開示は、オストミーバッグ用の出口バルブであって、
オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミーバッグからの液体出力を受け取るためのベース開口部を規定するバルブベース;および、
ベース開口部を通して受け取った液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受け取った液体の排出が可能になる開放構成まで、バルブベースに対して回転可能に構成された出口要素;を含み、
出口要素とバルブベースの一方がディテントを含み、出口要素とバルブベースの他方が1つ以上の突起を含み、
回転中にディテントが1つまたはそれ以上の突起と接触してその上に乗って、出口要素の回転中にディテントが1つ以上の突起と係合するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、出口要素およびバルブベースの一方がディテントを含み、出口要素およびバルブベースの他方が2つ以上の突起を含んでもよい。従って、本発明の一実施形態では、以下を備えるオストミーバッグ用の出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミーバッグからの液体出力を受けるためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を介して受けた液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を介して受けた液体の排出が可能になる開放構成へバルブベースに対して回転可能に構成された出口要素;を含み、出口要素およびバルブベースの一方がディテントを含み、出口要素およびバルブベースの他方が2つ以上の突起を含み、出口要素の回転中にディテントが1つ以上の突起に接触して乗り越えるように、出口要素の回転中に、ディテントが1つ以上の突起と係合するように構成される、ことを特徴とする。好ましくは、この実施形態では、バルブベースがディテントを構成し、出口要素が2つ以上の突起を構成してもよい。このように、バルブは、出口要素の複数の位置で触覚フィードバックを提供し、バルブのより良い制御を可能にする。
【0019】
好ましくは、バルブベースがディテントを含み、出口要素が2つ以上の突起を含んでもよい。従って、本発明の一実施形態では、以下を含むオストミーバッグ用の出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミーバッグからの液体出力を受けるためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を通して受けた液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受けた液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成される出口要素;を含み、ここでバルブベースは、ディテントを備え、出口要素は、2以上の突起からなる、出口要素を含む。従って、バルブは、出口要素がバルブベースよりも2つ以上の突起からなることに適しており、ディテントが、出口要素の回転中に1つ以上の突起に接触して乗り上げるように係合するように構成されるので、より効果的に動作することができる。従って、出口要素は、バルブベースよりも2つ以上の突起から構成されるのに適しているため、バルブはより効果的に動作することができる。これは、出口要素の回転により、各突起が必要に応じてバルブベースと接触したり外れたりすることができるためである。
【0020】
出口要素は、出口管が回転円弧で移動するように回転可能であってもよく、回転円弧の第1の端部では、出口要素は閉鎖構成であってよく、回転円弧の第2の端部では、出口要素は開放構成であってよい。ディテントは、回転円弧の第1の端部に対応しない出口要素の回転中の時点で少なくとも1つの突起を係合するように構成されてもよい。従って、本発明の一実施形態では、以下を備えるオストミーバッグ用の出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミーバッグからの液体出力を受けるためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を通して受けた液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受けた液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成される出口要素;を含み、出口要素およびバルブベースのうちの一方がディテントを含み、出口要素およびバルブベースのうちの他方は1以上の突起を含み、ディテントが回転中に1つ以上の突起に接触してその上に乗るように、ディテントが出口要素の回転中に1つ以上の突起に係合するように構成され、出口要素は、出口管が回転円弧を通って移動するように回転可能であり、回転円弧の第1の端部において、出口要素は閉鎖構成にあり、回転円弧の第2の端部において、出口要素は開放構成にあり、ディテントは、回転円弧の第1の端部に対応しない出口要素の回転中の時点で、少なくとも1つの突起を係合するよう構成される。従って、ディテント/突起は、回転円弧の第1の端部に対応しない点で係合し、出口要素が閉位置から開位置へ、またはその逆へ移動するときに、ユーザがより良い制御/フィードバックを行うことを可能にする。
【0021】
ディテントは、出口要素の回転中に、回転円弧の第2の端部に対応する点で少なくとも1つの突出部と係合するように構成されてもよい。従って、出口要素は、閉鎖構成に確実に保持される。
【0022】
ディテントは、出口要素が限界位置にあるとき、または限界位置の近くにあるときに、少なくとも1つの突起を係合するように構成されてもよい。限界位置は、出口要素が第1の端部から最も離れており、かつ、まだ閉鎖構成にある回転の弧上の点として定義されてもよい。従って、ユーザは、バルブが開こうとするタイミングを容易に判断することができ、従って、バルブをより効率的かつ効果的に制御することができる。
【0023】
以上のように、本発明におけるディテント/突起は、バルブの使い勝手を向上させるために配置されるものである。従って、本発明の好ましい実施態様においては、以下を備えるオストミーバッグ用の出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミーバッグからの液体出力を受けるためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を通して受けた液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受けた液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成される出口要素;を含み、出口要素およびバルブベースのうちの一方がディテントを含み、出口要素およびバルブベースのうちの他方は1以上の突起を含み、ディテントが回転中に1つ以上の突起に接触してその上に乗るように、ディテントが出口要素の回転中に1つ以上の突起に係合するように構成され、バルブベースはディテントを含み、出口要素は2つ以上の突起を含み、回転円弧を移動するように出口要素は回転可能であり、回転円弧の第1の端部で出口要素が閉鎖構成にあり、回転円弧の第2の端部で出口要素が開放構成にあり、ディテントは、回転円弧の第1の端部に対応する出口要素の回転中の時点において、少なくとも1つの突起に係合するように構成され、出口要素が限界位置にあるとき、または限界位置の近くにあるときに、ディテントが少なくとも1つの突起に係合するように構成され、限界位置は、出口要素が第1の端部から最も遠く、かつまだ閉鎖構成にある回転円弧上の点として定義される。
【0024】
いくつかの実施形態では、出口要素は、その遠位端に出口管を含んでも良い。出口管は、バルブベースの取付面に対して概ね垂直な面内で回転可能であってもよい。出口要素は、出口管が回転円弧を通って移動するように、回転可能であってもよく、
回転円弧の第1の端部では、出口要素は閉鎖構成になり、回転円弧の第2の端部では、出口要素は開放構成になり、
出口管の限界位置は、出口要素が閉鎖構成にある第1の端部から最も遠い回転円弧上の点で定義され、そして、
1つ以上の突起のうちの1つの突起が、出口要素が回転中に限界位置またはその近くにあるときに突起がディテントに接触するように配置されている。
【0025】
出口要素は、限界位置において、使用時に、出口管が概ね上向きに、バルブベースに対して鋭角になるように構成されてもよい。
【0026】
出口要素は、出口管と流体連通する吸入開口部を規定してもよく、
開放構成では、ベース開口部と吸入開口部は、液体がベース開口部から吸入開口部に入り、出口管を通って排出されるように、部分的または完全に整列し、そして、
閉鎖構成では、ベース開口部と吸入開口部は、ベース開口部から受け取った液体の排出が防止されるように、整列していない。吸入開口部は、出口要素の湾曲した側壁に配置されてもよい。
【0027】
出口要素は、吸入管をさらに含んでもよく、吸入管および出口管は、吸入開口部から、吸入管の遠位の出口管の端部に配置された出口開口部に液体を通すための連続中空ボアを一緒に規定する。
【0028】
出口要素は概ねL字型の形状を有していてもよく、吸入管は任意に出口管に対して実質的に90度の角度で配置されている。ハウジングは、バルブベースの外面から突出していてもよく、ハウジングは、円筒形ボアを規定し、吸入管の一部は、円筒形ボアと共に回転可能に取り付けられる。ディテントは、ハウジングに隣接してバルブベースの外側面に配置されてもよく、1つ以上の突起は、ハウジングに隣接して吸入管に配置される。
【0029】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、出口要素は、使用時に、バルブベースの取付面に概ね平行に、概ね水平に配置された回転軸を中心に回転してもよい。
【0030】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、ディテントがバルブベース上に配置され、1つ以上の突起が出口要素上に配置されてもよい。
【0031】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、閉鎖構成において、ベース開口部は、出口要素の壁によって妨害されてもよい。
【0032】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、ディテントは、1つ以上の突起を形成する材料よりも剛性が低い材料で形成されてもよい。
【0033】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、ディテントはバルブベースと一体に形成されてもよく、オプションとして、バルブベースとディテントは単一の成形品として形成されてもよい。
【0034】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、1つ以上の突起は、出口要素と一体的に形成されてもよく、任意に、出口要素および1つ以上の突起は、単一の成形品として形成されてもよい。
【0035】
本開示はまた、上述のような出口バルブと、オストミーバッグとを含むオストミー器具を提供し、出口バルブは、オストミーバッグの外面に取り付けられる。
【0036】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、閉鎖構成では、出口要素は、オストミーバッグの空洞を実質的に覆ってもよく;そして、開放構成では、出口要素の少なくとも一部は、オストミーバッグの空洞の下縁を横切って延在してよい。
【0037】
本開示はまた、
オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミー器具からの液体出力を受け取るためのベース開口部を規定するバルブベース;および、
ベース開口部を通して受容された液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受容された液体の排出が可能になる開放構成まで、バルブベースに対して回転可能に構成された出口要素、を含み、
出口要素は、バルブベースに回転可能に取り付けられた相対的に硬い部品と、相対的に硬い部品に取り付けられた相対的に軟らかい出口管部分とを含む、オストミー器具を提供する。
【0038】
開放構成では、相対的に硬い構成要素は、ベース開口部と相対的に軟らかい出口管との間に流体通路を規定することができる。従って、1つの実施形態において、以下を含むオストミー器具のための出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミー器具からの液体出力を受け取るためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を通して受け取った液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受け取った液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成されている出口要素;を含み、出口要素は、バルブベースに回転可能に取り付けられた相対的に硬い構成要素と、相対的に硬い構成要素に取り付けられた相対的に軟らかい出口管部分とを含み、開放構成では、相対的に硬い構成要素が、ベース開口部と相対的に軟らかい出口管との間に流体通路を規定するように配置される。従って、相対的に硬い部品は、流体を相対的に軟らかい出口管部分まで運ぶ。これによって、バルブをユーザが容易に操作することができ(相対的に硬い部品を回転させることによって)、バルブの操作中にバルブベースに嵌合する出口要素の部分が変形するのを避けることができる。
【0039】
開放構成では、相対的に硬い構成要素は、ベース開口部から直接液体を受け取り、その後、相対的に軟らかい出口管部分に液体を送り出すように構成されてもよい。従って、1つの実施形態において、以下を備えるオストミー器具のための出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミー器具からの液体出力を受け取るためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を通して受け取った液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受け取った液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成されている出口要素を含み、出口要素は、バルブベースに回転可能に取り付けられた相対的に硬い部品と、相対的に硬い部品に取り付けられた相対的に軟らかい出口管部分とを含み、開放構成では、相対的に硬い部品が、ベース開口部から直接液体を受け取り、次にそれを相対的に軟らかい出口管に送るように構成される。これにより、液体はベース開口部を通って相対的に硬い部品に流れ、つまり、相対的に硬い部品がバルブの開閉を制御し、出口要素を容易に回転させることができるようにする。次に、相対的に硬い部品は、流体を相対的に軟らかい出口管部分に送る。これにより、柔軟な部品は、バルブベースからさらに離れて設けられることができ、これによりバルブをより使いやすくすることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、相対的に硬い構成要素は、管状の形態を有してもよい。それは、概ねL字型の形態を有してもよい。従って、一実施形態では、以下を含むオストミー器具のための出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミー器具からの液体出力を受け取るためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を通して受け取った液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受け取った液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成されている出口要素を含み、出口要素は、バルブベースに回転可能に取り付けられた相対的に硬い部品と、相対的に硬い部品に取り付けられた相対的に軟らかい出口管部分とからなり、相対的に硬い部品は、管状で概ねL字型の形状を有する。従って、相対的に硬い構成要素は、流体を相対的に軟らかい出口管部分に効果的に伝達することができ、バルブを操作するためにユーザによって容易に把持される形状を有することができ、他の器具に接続するために便利な位置に相対的に軟らかい出口管を提示することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、相対的に軟らかい出口管部分は、変形可能な材料から形成されてもよく、変形可能な材料は、任意的に弾力性がある。
【0042】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、相対的に硬い構成要素は、少なくとも50Aのショア硬度(Shore hardness)を有する材料から形成されてもよい。
【0043】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、出口要素は出口管を含んでよく、出口管は相対的に軟らかい出口管部分5を含んでもよい。相対的に硬い部品は、吸入管および相対的に硬い出口管部分を含んでよく、相対的に硬い出口管部分は、相対的に軟らかい出口管部分に貼り付けられている。吸入管および出口管は、吸入開口部から、吸入管から遠位の出口管の端部に配置された出口開口部まで、液体を通過させるための連続中空ボアを一緒に定めてもよい。出口要素は、概してL字形の形態を有してもよく、吸入管は、任意に、出口管に対して実質的に90度の角度で配置されている。バルブベースの外面からハウジングが突出していてもよく、ハウジングは円筒形ボアを規定し、吸入管の一部は円筒形ボアと共に回転可能に取り付けられている。
【0044】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、出口要素は、バルブベースの取付面に概ね平行に配置された回転軸を中心に回転可能であり、使用時には概ね水平に配置されてもよい。
【0045】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、出口バルブは、コネクタ直径を有する相対的に硬いコネクタと共に使用するように構成されてもよく、相対的に軟らかい出口管部分は、使用時に相対的に軟らかい出口管部分への相対的に硬いコネクタの挿入時に、相対的に軟らかい出口管部分が相対的に硬いコネクタを収容するために撓むようにコネクタ直径よりもわずかに小さい出口直径を有する。
【0046】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、相対的に軟らかい出口管部分は、相対的に硬い構成要素上にオーバーモールドされ得る。従って、1つの実施形態において、以下を含むオストミー器具のための出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミー器具からの液体出力を受けるためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を通して受けた液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受けた液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成された出口要素を含み、出口要素は、バルブベースに回転可能に取り付けられた相対的に硬い部品と、相対的に硬い部品に取り付けられた相対的に軟らかい出口管部分とを含み、相対的に軟らかい出口管部分は相対的に硬い部品にオーバーモールドされている。
【0047】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、バルブベースは、相対的に軟らかい出口管部分よりも剛性が高く、任意に相対的に硬い構成要素よりも剛性が低い材料で形成されてもよい。
【0048】
加えて、または代替的に、いくつかの実施形態では、相対的に硬い構成要素は、使用時にユーザによって把持されるための突出したフランジを含んでいてもよい。従って、1つの実施形態において、以下を含むオストミー器具のための出口バルブが提供される。即ち、オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミー器具からの液体出力を受けるためのベース開口部を規定するバルブベース;および、ベース開口部を通して受けた液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部を通して受けた液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成された出口要素を含み、出口要素は、バルブベースに回転可能に取り付けられた相対的に硬い構成要素と、相対的に硬い構成要素に取り付けられた相対的に軟らかい出口管部分とを含み、相対的に硬い構成要素は、使用時にユーザによって把持されるための突出したフランジを含む。
【0049】
本開示はまた、上述のような出口バルブを含むオストミー器具を提供する。即ち、閉鎖構成では、出口要素は、オストミー器具の空洞を実質的に覆っていてもよく;開放構成では、出口要素の少なくとも一部は、オストミー器具の空洞の下縁を横切って延在していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本開示の1つ以上の態様が、次に、添付の図面を参照して、例示的にのみ説明される。
【0051】
図1】回転円弧の第1の端部において閉鎖構成にある出口要素を有する、本開示の第1の態様にかかるオストミー器具のための出口バルブの概略斜視図を示す。
図2】回転円弧の第2の端部において開放構成にある出口要素を有する、図1の出力バルブの概略斜視図を示す。
図3図1の出口バルブの出口要素の概略斜視図を示す。
図4図3の出口要素のさらなる概略斜視図を示す。
図5図1の出口バルブのバルブベースの概略斜視図を示す。
図6図5のバルブベースの更なる概略斜視図を示す。
図7】回転円弧の第1の端部において閉鎖構成にある出口要素を有する、本開示の第2の態様にかかるオストミー器具のための出口バルブの概略斜視図を示す。
図8】回転円弧の第2の端部において開放構成にある出口要素を備えた、図7のアウトレットバルブの概略斜視図を示す。
図9】本開示の第3の態様にかかる、オストミー器具のための出口バルブの概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下の説明において、同様の参照数字は、同様または類似の特徴を示すために、異なる態様において使用される。
【0053】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、請求された主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。前述の開示の概要および以下の実施例は、例示的および説明的なものであり、請求される任意の主題を制限するものではないことが理解される。
【0054】
以下の説明は、本開示の例示的な態様に関する。態様の説明は、添付の特許請求の範囲で請求される本開示の可能な態様のすべてを含むことを意図していない。以下の態様に明示的に記載されていない多くの変更、改良、および等価物は、添付の請求項の範囲に含まれ得る。ある態様の一部として記載された特徴は、文脈から明らかにそうでないことが要求されない限り、1つまたは複数の他の態様の特徴と組み合わされてもよい。
【0055】
本明細書において、単数形の使用は、文脈上明らかに他に指示されない限り、複数形を含む。本明細書において、「または」の使用は、特に断らない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」などの他の形態と同様に、限定的なものでない。
【0056】
本明細書で使用されるように、範囲および量は、特定の値または範囲の「約」として表現することができる。「約」には、正確な量も含まれる。例えば、「約5mm」は、「約5mm」および「5mm」を意味する。一般に、「約」という用語は、実験誤差の範囲内であることが予想される量を含む。用語「約」は、提供された値より10%小さい値から10%大きい値の範囲内にある値を含む。例えば、「約50%」とは、「45%以上55%以下」を意味する。また、例として、「約30」とは、「27以上33以下」を意味する。
【0057】
本開示によるオストミー器具のための第1の例の出口バルブ1が図1図6に示されている。オストミー器具は、オストミーバッグ(図1および図2に示す)および出口バルブ1を含んでよく、出口バルブ1は、オストミーバッグ30の外面、好ましくはオストミーバッグ30の外壁の外面に取り付けられる。
【0058】
出力バルブは、バルブベース10と出口要素20とからなる。バルブベース10および出口要素20は、図1および図2において組み立てられた状態で示され、図3図6において分解された状態で示されている。分解された構成要素は、明確にするためにのみ示されている。出口バルブ1は、通常の使用において分解されるように構成されていない。
【0059】
図1、2、5および6に示すように、バルブベース10は、オストミーバッグ30の外面に取り付けるように構成され、バルブベース10の裏面(すなわち、使用時にオストミーの身体に近接するように構成された面)に配置された概して平面状の取付面12を有するバッキングフランジ11からなることができる。概ね平面状の取付面12は、例えば溶接によって、または接着剤を用いて、オストミーバッグ30の外面に取り付け可能であってよい。
【0060】
バルブベース10のハウジング13は、バッキングフランジ11の外側面18から突出していてもよい。ハウジング13は、例えば成形によって、バッキングフランジ11と一体的に形成されてもよい。ハウジング13は、使用時に出口要素20に回転可能に取り付けるための概ね円筒形のボア14を規定してもよい。
【0061】
オストミーバッグ30からの液体出力を受けるためのベース開口部15が、バルブベース10を貫通して設けられている。オストミーバッグ30の壁には、オストミーバッグ30からベース開口部15に液体が出力され得るオストミーバッグ開口部が設けられてよく、出口バルブ1は、オストミーバッグ開口部の上に配置される。ベース開口部15は、ベース開口部15がオストミーバッグ30の空洞と液体連通するように、ハウジング13の円筒形ボア14内に配置されてもよい。ベース開口部15は、好ましくは、出口要素20の回転軸25に対してその細長い方向に概ね平行な細長い形状を有する。ベース開口部15は、好ましくは角が丸くなった概ね矩形の形状を有する。
【0062】
ベース開口部15の周りの概ね平面状の取付面12に、凹部16が形成されてもよい。凹部16の存在により、ハウジング13が、他の必要な特徴を提供しながら概ね一定の壁厚を有することができ、それによって、ハウジング13の成形が容易になる場合がある。
【0063】
バッキングフランジ11の外側面18には、閉鎖構成にあるときに出口要素20の一部と接するためのリッジ17が設けられる。リッジ17は、閉鎖構成にあるときに出口要素20の少なくとも一部へのアクセスを制限する障壁を提供し、それによって出口要素20の意図しない回転を回避できる。リッジ17はまた、ノズルが閉鎖構成にあることを示す表示を提供してもよい。
【0064】
出口要素20は、ベース開口部15を介して受容された液体の排出が防止される閉鎖構成から、ベース開口部15を介して受容された液体の排出が可能となる開放構成まで、バルブベース10に対して回転可能に構成される。
【0065】
出口要素20は、ハウジング14に回転可能に取り付けられてもよく、使用時にベース開口部15と整合してそこから液体を受け取るように構成された吸入開口部23を規定してもよい。図1図4に示すように、出口要素20は、使用時に出口バルブ1から外部へまたは出口管20に取り付けられる更なる電気器具へ液体を排出するための出口管21を含んでもよい。出口管21は、吸入管22に流体接続されてもよい。吸入管22および出口管21は、一緒になって、吸入開口部23から、吸入管22から遠位の出口管21の端部に配置された出口開口部24への液体の通過のための連続した中空ボアを規定してもよい。
【0066】
出口要素20は、バルブベース10に回転可能に取り付けられた相対的に硬い構成要素と、相対的に硬い構成要素に貼り付けられた相対的に軟らかい出口管部分21aとから構成されてもよい。相対的に軟らかい出口管部分21aは、弾力的に変形可能な材料から形成されてもよい。相対的に軟らかい出口管部分21aは、吸入管22の遠位にある出口管21の一部を形成してもよく、出口開口部24を構成してもよい。
【0067】
相対的に硬い構成要素は、少なくとも約50Aのショア硬度を有する材料から形成されてもよい。相対的に硬い部品は、吸入管22と相対的に硬い出口管部分21bとを含んでもよく、相対的に軟らかい出口管部分21aは、例えば相対的に硬い出口管部分21b上にオーバーモールドすることによって、相対的に硬い出口管部分21bに貼り付けられる。
【0068】
吸入管22の一部は、ハウジング15の円筒形ボア14と共に回転可能に取り付けられてもよい。従って、出口要素20は、円筒形ボア14の長手方向軸である回転軸25を中心に回転してもよい。使用時、出口バルブ1は、閉鎖構成では出口管21が出口開口部24を上方に向けて配置され、開放構成では出口管21が出口開口部24を下方に向けるようにオストミーバッグ30上に配置されてもよい。
【0069】
吸入管22の開放端は、ハウジング13の隣接する壁と接触することによって流体的に密閉されてもよい。
【0070】
吸入管21は、吸入管22上に配置された環状凹部29aと、円筒形ボア14内のハウジングの壁上に配置された対応する環状突出部とからなる保持特徴部29によってハウジング13内に保持されてもよい。保持特徴部29は、円筒形ボア14と吸入管22の外面との間にシールを形成してもよい。保持特徴部29は、回転中にバルブベース10に対する出口要素20の軸方向移動を防止してもよい。
【0071】
回転軸25は、バルブベース10の取付面12に対して概ね平行に配置されてもよく、使用時には概ね水平であってもよい。出口要素20は、L字形状を有してもよく、吸入管22は、出口管21に対して実質的に90度の角度で配置されている。従って、出口管21は、バルブベース10の取付面12に対して概ね垂直な平面内で回転可能であってよく、使用時には概ね垂直であってよい。
【0072】
出口要素20は、出口管21が、図1に示す上向き位置(すなわち出口開口部24が最も上にある状態)から、図2に示すように回転円弧の第1の端部にある下向き位置まで回転円弧を移動するように、回転可能であってもよい。
【0073】
吸入開口部23は、吸入管22と出口管21とを貫通して配置された中空ボアを介して出口開口部24と流体連通するように、吸入管22に配置されてもよい。図3に示すように、吸入開口部23は、使用時に吸入開口部23がベース開口部15と整列して回転することができるように、ハウジング13に受け入れられた吸入管22の湾曲側壁の一部に配置されてもよい。吸入開口部23は、好ましくは、出口要素20の回転軸25に対してその細長い方向に概ね平行な細長い形状を有してもよい。吸入開口部23は、好ましくは角が丸くなった概ね長方形の形状を有していてもよい。吸入開口部23は、ベース開口部15と一致する形状を有してもよい。
【0074】
出口要素20の開放構成では、液体がベース開口部15から吸入開口部23に受け取られ、出口管21を通って排出され得るように、ベース開口部15および吸入開口部23は部分的または完全に整列する。閉鎖構成では、ベース開口部15と吸入開口部23は、ベース開口部15から受け取った液体の排出が防止されるように整列しない。閉鎖構成において、ベース開口部15から吸入管22への液体の通路は、吸入管23の壁の隣接部分によって妨害される可能性がある。
【0075】
ベース開口部15および吸気開口部23は、出口要素20が回転円弧の第1の端部に配置されるとき、出口要素20が閉鎖構成にあるように配置されてもよい。使用時には、出口要素20は、回転円弧の第1の端部から離れるように下方に回転されてもよい。吸気開口部23は、出口要素が回転するにつれて、ベース開口部15に近づくように移動してもよい。出口管21の限界位置では、出口要素20がまだ閉鎖構成にある、その第1の端部から最も遠い回転円弧上の点で定義されてもよい。出口要素20が第1の端部から離れて限界位置を超えてさらに回転すると、ベース開口部15が吸入開口部23と整列し始め、その後徐々に整列して、液体がベース開口部15から吸入開口部23に通過し、従って出口要素20を開放構成にできる。出口要素20を第1の端部から離れるように回転させ続けると、ベース開口部15と吸入開口部23との整列が進み、その結果、ベース開口部と吸入開口部を通る流路の断面積を増大できる。回転円弧の第2の端部では、出口要素20は、ベース開口部15と吸入開口部23とが完全に整列した開放構成であってもよい。
【0076】
出口バルブ1は、使用時の限界位置において、出口管21が概ね上方に、バルブベース10の取付面12に対して鋭角になるように構成されてもよい。
【0077】
出口要素20は、ハウジング13の円筒ボア14内に受容された吸入管22の部分に隣接して、吸入管22の外側面の円周上に配置された第1の突起27および第2の突起26を含んでもよい。第1および第2の突起26、27は、吸入管22と一体的に形成されてもよく、例えば吸入管22と一体の成形品で形成されてもよい。また、第1の突起27と第2の突起26とは、吸入管22に沿って同じ距離に配置されてもよく、吸入管22の周方向に間隔をあけて配置されてもよい。
【0078】
バルブベース10は、バッキングフランジ11の外側面18の上で、ハウジング13の外側かつ隣接して配置された細長い突出部の形態のディテント19を含んでもよい。ディテント19は、円筒形ボア13の開口に隣接していてもよい。ディテント19は、円筒形ボア14の長手方向軸、従って出口要素20の回転軸25と整列してもよい。
【0079】
ディテント19および第1の突起27は、出口管21の回転円弧の第1の端部から離れる回転時に、第1の突起26がディテント19に接触して乗り、それによって、出口管21がその最初の収納位置から移動したことをユーザに聴覚的および/または触覚的に確認できるように位置決めされても良い。
【0080】
ディテント19および第2の突起26は、限界位置またはその近くへの出口要素の回転時に、第1の突起26がディテント19に接触してその上に乗るように配置されてもよく、それによって、出口管21が限界位置に達したまたは近づいているという聴覚的および/または触覚的な確認をユーザに提供することができる。
【0081】
バッキングフランジ11は、回転軸25からその上縁までの長さが、回転軸から出口開口部24までの出口管20の長さよりも短くてもよい。従って、出口開口部24は、図1に示すように、出口要素20がその回転円弧の第1の上端において閉鎖構成にあるとき、バッキングフランジ11のフットプリントの外側に配置されてもよい(すなわち、バッキングフランジ11を覆い隠さない)。
【0082】
相対的に硬い出口管部分21bは、その回転軸25から相対的に軟らかい出口管部分21aまでの長さが、回転軸25に平行な線からバッキングフランジ11の下端までのバッキングフランジ11の長さよりも短く、その回転の円弧の第2の下端で相対的に硬い出口管部分21bの遠位端(吸入管22の遠位)がバッキングフランジ11に乗るようにしてもよい。相対的に軟らかい出口管部分121aは、相対的に硬い出口管部分21bの遠位端から延びてもよい。従って、相対的に軟らかい出口管部分21aの一部は、出口要素20がその回転円弧の第2の下端にあるときに、相対的に軟らかい出口管部分21aの遠位部分がバッキングフランジ11のフットプリントの外に配置され得るようにバッキングフランジ11の下縁を横断して配置されてもよい。出口バルブ1は、出口要素20がその回転円弧の第2の下端にあるときに、相対的に軟らかい出口管部分21aの全てがオストミーバッグ30のフットプリントの外側に配置され得るように、オストミーバッグ30の下縁または下頂点に隣接して配置されてもよい。
【0083】
使用において、出口バルブ1は、オストミーバッグ30の外側面(図1および図2に示される)に取り付けられてもよい。出口バルブ1は、オストミーバッグ30の下縁または下頂点に隣接して取り付けられてもよい。閉鎖構成では、出口要素20は、オストミーバッグ30の空洞を実質的に覆ってもよい。開放構成では、その回転円弧の第2の端部において、出口要素20の少なくとも一部は、オストミーバッグ30の空洞の下縁を横切って延びてもよい。図2に示すように、相対的に軟らかい出口管および/または出口管の相対的に硬い部分は、出口要素20がその回転円弧の第2の端部で開放構成にあるときに、出口開口部24がオストミーバッグ30のキャビティに乗らないようにキャビティの下縁を横切って延在してもよい。
【0084】
開放構成と閉鎖構成の間で出口要素20を回転させるためにユーザが把持するためのグリップフランジ28が、出口要素20に取り付けられてもよい。フランジ28は、出口管21から横方向に延びてもよい。フランジ28は、出口要素20の剛性部分と一体的に形成されてもよい。フランジ28は、概ね三角形の形態を有していてもよく、ユーザによるフランジの把持を補助するための表面特徴を備えていてもよい。バッキングフランジ11は、グリップフランジ28に対して出力バルブの反対側に横方向に延びる横方向フランジを含んでよく、それによって、グリップフランジ28を使用して出口要素20を移動する間にユーザが押すまたは保持するためのグリップ面を提供することができる。
【0085】
本開示による出口バルブのさらなる例を以下に説明する。この態様では、前の態様と比較して異なる特徴のみを、以下の説明で詳細に説明する。1つ以上の態様に共通する特徴については、全体として説明を参照されたい。
【0086】
本開示によるオストミー器具のための第2の例の出口バルブ101が、図7および図8に示されている。
【0087】
バッキングフランジ111は、回転軸25に平行な線からその上縁までの長さが、回転軸から出口開口部24までの出口管120の長さよりも長くなってもよい。従って、出口開口部24は、図8に示すように、出口要素120がその回転円弧の第1端にあるときに、バッキングフランジ111のフットプリントの内部に配置されてもよい(即ち、バッキングフランジ111を覆っていてもよい)。
【0088】
相対的に硬い出口管部分121bは、その回転円弧の第2の下端において、相対的に硬い出口管部分121bの遠位端(吸入管22の遠位)がバッキングフランジ111の下端を超えて配置されるように、回転軸25からその下端までのバッキングフランジ111の長さと同じかそれより長い、相対的に軟らかい出口管部分121aまでの長さを有してもよい。従って、出口要素120がその回転円弧の第2の下端にあるとき、相対的に軟らかい出口管部分121aの全てが、バッキングフランジ111のフットプリントの外側に配置されてもよい。出口バルブ101は、出口要素120がその回転円弧の第2の下端にあるときに、相対的に軟らかい出口管部分121aの全てがオストミーバッグ30のフットプリントの外側に配置され得るように、オストミーバッグ30の下縁または下頂点に隣接して配置されてもよい。
【0089】
グリップフランジ128は、概ね矩形の形態を有してもよい。概ね矩形のグリップフランジ128は、丸みを帯びた角部を有してもよい。
【0090】
本開示にかかるオストミー器具のための第3の例の出口バルブ201は、図9に、その回転円弧の第2の、より低い端部における開放構成で示されている。
【0091】
出口バルブ201のバルブベース210は、バッキングフランジ211と、軸部213の形態のハウジングとから構成されてもよい。軸部213は、オストミーバッグ30から液体を受け取るための中空ボアと、軸部213の壁に配置されたベース開口部とから構成される。
【0092】
出口バルブ201は、使用時に回転軸225がバルブベース210のバッキングフランジ211の取付面212に対して概ね水平に構成されるが、しかし垂直に配置されるように構成されてもよい。
【0093】
出口バルブ201の出口要素220は、出口管221と、キャップ222の形態の吸気部分とから構成されてもよい。キャップ222は、軸部213と同心円状に配置されてもよい。キャップ222は、出口要素220を閉鎖構成から開放構成に移動させるために、軸部213の周りに回転可能であってもよい。キャップ222は、ベース開口部から出口管221までの間に流路が開かれるように、出口要素220の回転によってベース開口部と整列させられることができる吸気開口を構成していてもよい。
【0094】
出口要素220およびバルブベース210の一方は、ディテントを構成してもよく、出口要素220およびバルブベース210の他方は、1つまたは複数の突起を構成してもよい。ディテントは、出口要素の回転中に、ディテントが1つまたは複数の突起に接触し、その上に乗るように、1つまたは複数の突起に係合するように構成されていてもよい。ディテントは、キャップ222上に配置されてもよい。1つ以上の突起は、軸部213上またはバルブベース210のバッキングフランジ211上に配置されてもよい。
【0095】
出口要素220は、相対的に軟らかい出口管部分を含んでもよい。相対的に軟らかい出口管部分221aおよび相対的に硬い出口管部分221bは、本開示の上述の態様で説明した通りであってもよい。
【0096】
使用において、本開示による出口バルブを備えるオストミー器具から液体を排出するために、ユーザは、グリップフランジを握り、出口要素をその回転円弧の第1の上方端から離れる方向に回転させてもよい。第1の突出部およびディテントは、バッグの移動時に、上方位置からの出口要素の移動を確認するために、聴覚的および/または触覚的なフィードバックがユーザに提供されるように位置決めされ得る。限界位置またはその付近で、第2の突出部がディテントに接触し、ベース開口部と入口開口部が整合し始め、ベース開口部から出口管への流体経路を開く回転円弧の限界点を示すことができる。限界位置では、出口管は、上方に、かつ、ユーザの身体から離れるように角度を付けてもよく、それによって、出口管が開放構成に移動する前に、ナイトバッグなどの排水器具を出口管に取り付けるための便利な位置を提供し、それによって、出力液体がこぼれる可能性を制限することができる。次に、出口管をさらに回転させ、第2の突起がディテントを通過して、ベースおよび吸入開口部の整列を増加させ、それにより、バルブからより多くの液体が流れ出るようにし、ナイトバッグまたは外部への排水に便利なように出口管を下方に向けるようにしてもよい。
【0097】
オストミーバッグの排水後、またはユーザが出口バルブからの液体の流れを中断したいとき、ユーザは出口管を上方に回転させることができる。限界位置に達するか通過すると、第2の突起がディテントに接触し、ベース開口部と吸入開口部がもはや整列していないことをユーザに確認させることができる。使用する場合、排出要素が閉鎖構成になると、夜間用排水バッグや他の器具を出口管から外すことができ、こぼれるのを避けることができる。回転を続けると、第1の突起とディテントは、出口要素が回転円弧の上端に達したときに聴覚的および/または触覚的なフィードバックを提供し、出口開口部が上を向き、出口バルブが確実に閉じていることをユーザに確認させることができる。
【0098】
本開示の任意の態様による出口バルブは、例えば、出口バルブを排水バッグまたは他の器具に接続するための相対的に硬いコネクタと共に使用するように構成されてもよい。相対的に硬いコネクタは外径を有し、出口バルブの相対的に軟らかい出口管部分は、使用時にコネクタを相対的に軟らかい出口管部分に挿入する際に、相対的に軟らかい出口管部分がコネクタを収容するように撓み、それによって有効なシールを形成するように、コネクタ外径よりわずかに小さい出口径を有してもよい。
【0099】
本開示の好ましい態様を説明してきたが、これらは例示であり、非限定的なものである。当業者には、本開示の範囲内で多くの代替案が可能であることが理解されよう。例えば、1つの態様の一部として記載された特徴は、文脈が明らかにそうでないことを要求しない限り、1つまたは複数の他の態様の特徴と組み合わされてもよい。さらに、以下の特徴は、本開示の任意の態様に適用可能である。
【0100】
上述のように、本明細書では、特徴の位置および方向は、オストミー器具が「使用中」、「使用中であるような方向づけ」または同様のものであることを参照して説明され得る。このような用語は、オストミーが立った状態でオストミーの身体に固着されるときのオストミー用器具の意図された向きを指す。
【0101】
出口要素の回転軸は、バルブベースの取付面に対して概ね平行に配置されてもよく、例えば図1図8に示す態様のように、使用時に概ね水平であってもよい。吸入管またはキャップは、中央長手方向軸を有してもよい。従って、出口要素の回転軸は、吸入管またはキャップの中心回転軸であってもよい。
【0102】
出口要素は、L字形状を有していてもよく、吸入管は、出口管に対して実質的に90度の角度で配置されている。従って、出口管は、出口管の長手方向軸に垂直な軸を中心に、バルブベースの取付面に対して概ね垂直で、使用時には概ね垂直な平面内で回転可能であってもよい。
【0103】
従って、吸気開口部とその周囲のシール面は、出口バルブの取付面に平行な軸に沿って配置され、その周りを回転することができる。これは、吸入開口部およびそれを囲むシール面が出口バルブの取付面に垂直な軸に沿って配置され、その周りを回転する出口バルブと比較すると、出口要素がその回転円弧の第1の端部で収納位置にあるとき、バルブのプロファイル深さを後ろから前へ減少させることができる。
【0104】
吸入管は、吸入管が出口管から回転できないように、または出口管に対して回転できるように、出口管の少なくとも一部と固定的に取り付けられるかまたは一体的に形成されることができる。
【0105】
使用時、出口開口部は、出口要素がその回転円弧の第1の端部で閉鎖構成にあるときは概ね上向きに、出口開口部がその回転円弧の第2の端部で開放構成にあるときは概ね下向きに配向されてもよい。
【0106】
回転円弧の第1の端部において、出口管は、出力バルブが取付面から必要以上に突出しないように、実質的にその長さの全てに沿ってバッキングフランジと接触して横たわっていてもよい。
【0107】
出口管は、使用時に、出口管の回転平面がユーザの矢状面と概ね平行または鋭角になるように、バルブベースの取付面に対して概ね垂直な平面内で回転してよい。
【0108】
出口要素は、使用時の限界位置において、出口管が概ね上方に、かつ、ユーザの身体から離れるように(すなわち、バルブベースの取付面に対して鋭角に)角度を付けられるように構成されてもよい。
【0109】
使用時、ベース開口部と吸気開口部が少なくとも部分的に整列しているとき、出口要素は開口構成にある。出口管がその限界位置から回転円弧の第2の端部に向かって移動すると、開口部は徐々に整列し、両方の開口部が整列する完全な開放構成に達するまで開口部の開放部分の面積を徐々に増加させることになる。出口要素が完全な開放構成にある位置、すなわち、ベースおよび吸入開口部が完全に整列している位置は、回転円弧の第2の端部と一致することができる。
【0110】
本開示によるオストミー器具のオストミーバッグは、出口バルブに液体を通すためにバッグの開口部に隣接して、かつその下に配置された溶接線または他の封止線を含んでよく、それによってオストミーバッグの内部の開口部の下に集まる液体の量を制限している。
【0111】
出口要素は、ナイトバッグのような排液器具に出口管を取り付けるための相対的に軟らかい出口管部分を含んでもよい。あるいは、出口管要素は、その出口端に相対的に硬い部分を含んでもよい。存在する場合、可撓性出口管部分は、可撓性部品を剛性部品にオーバーモールドすることによって、相対的に硬い出口管部分に取り付けられてもよい。
【0112】
出口管は、第1および第2の図示された態様に示されるように、出口端部において概ね円形の断面を有してもよい。あるいは、出口管は、異なる断面形状から構成されてもよい。例えば、出口管は、出口傾向において概ね楕円形であってもよいし、概ね平坦化されていてもよい。断面は、短い湾曲した端部によって結合された2つの概ね平行な長い辺を有する細長い形状であってもよく、長い辺は使用時にバルブベースの取付面に対して概ね平行に配置され、それによって出口バルブのプロファイルを減少させることができる。
【0113】
出口要素は、1つ以上の保持機能によってハウジングの中または周囲に保持されてもよい。保持機能は、1つ以上の環状凹部と対応する環状突起から構成されてもよい。保持機能は、1つまたは複数のディテントと対応する突起から構成されてもよい。保持機能は、出口要素とハウジングとの間にシールを形成してもよい。
【0114】
相対的に軟らかい出口管部分は、弾力性のある管状形態を有してよく、出口管の相対的に硬い部分に永久的に貼り付けられ、吸入部分/開口部から出口端部までの液体の通過のための連続ボアを規定することができる。
【0115】
相対的に軟らかい出口管部分は、製造中に柔軟な材料を硬い材料の上にオーバーモールドすることによって相対的に硬い出口管部分に取り付けられ、それによって相対的に軟らかい出口管部分を恒久的に固定することができる。あるいは、相対的に軟らかい出口管部分は、例えば接着剤を使用するなど、他の手段によって取り付けられてもよい。
【0116】
1つ以上のディテントは、部品の表面から延びる更なる突起の形態であってもよい。使用中、1つ以上のディテントは、1つ以上の突起に接触し、その上を通過することができ、それによって、バルブベースに対する出口管の位置を確認する触覚的および/または聴覚的フィードバックをユーザに提供することができる。
【0117】
図示された形態では、単一のディテントと複数の突起が提供されている。任意の態様において、異なる数のディテントおよび/または突起が提供されてもよい。
【0118】
図示された態様では、ディテントと突起は、ハウジングの円筒形ボアの外側に配置されている。ディテントは、バルブベースの外側で、ハウジングに隣接する外面に配置されてもよい。ハウジングの円筒形ボアの外側に回り止めを配置することにより、円筒形ボアにおける吸入管の嵌合に影響を与えることを防止し、密封性を向上させることができる。任意の態様において、ディテントおよび/または突起は、図示の態様に示される位置以外の位置に設けられてもよい。
【0119】
バルブベースは、相対的に軟らかい出口管部分よりも相対的に硬く、出口要素の相対的に硬い構成要素よりも硬くない材料で形成されてもよい。ディテントは、使用時にディテントと突起の相互の上を通過することを容易にするために、突起を形成する材料よりも相対的に硬くない材料で形成されてもよい。
【0120】
バルブベースおよび出口要素の相対的に硬い構成要素は、例えば、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン(HDPE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはポリカーボネートから形成されてもよい。バルブベースと出口要素の相対的に硬い部品の材料は、これら2つの部品の熱間組立を可能にするために、収縮率が異なるものを選択し、従って漏れを防止することができる。異なる材料の使用は、経時的に2つの構成要素間の固着を回避するためにも異なるものでなければならない。
【0121】
相対的に軟らかい出口管部分は、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)または熱可塑性エラストマー(TPE)から形成されてもよく、出口管の相対的に硬い部分上にオーバーモールドされてもよい。
【0122】
ディテントは、バルブベースと一体的に形成されてもよい。バルブベースとディテントは、単一の成型品として形成されてもよい。1つ以上の突起は、出口要素と一体的に形成されてもよい。出口要素と1つまたは複数の突起は、単一の成形品として形成されてもよい。
【0123】
任意の態様において、1つ以上の止め具が、止め具または突起または他の出口要素に接触して、出口要素の回転円弧の両端を超える回転を防止するために提供されてもよい。
【0124】
ディテントは、出口要素が回転円弧の第1の端部でその収納位置から離れて回転するとき、および限界位置へまたは限界位置から移動するときに、突起に係合することができる。収納位置から離れる出口要素の移動を示すように配置された突起は、ユーザによって意図的に回転させられるまで出口要素を収納位置に保持するのを助けることもできる。限界位置への移動または限界位置からの移動に際して出口要素の移動を示すように配置された突起は、出口要素が限界位置または限界位置の近くにあるときにディテントに接触するように配置されてもよい(出口要素がこの突起を越えて移動しても流路が直ちに開放されないように、ディテントに接触してから少しの回転量の間、閉鎖構成に留まることができるような)。
【0125】
ディテントは、出口要素の突起に接触したときに邪魔にならないように撓むことができるバルブベースの部分に配置されてもよく、これによりディテントは永久に変形するのではなく、撓んで離れることができる。これにより、ディテントおよび突起の摩耗を低減することができる。
【0126】
吸入管は、冷却時にハウジングが収縮した後、吸入管がハウジング内に保持されるように、熱間組立方法を用いてハウジングまたは軸部と組み立てられてもよい。
【0127】
出口要素は、上述のように、グリップフランジを含んでもよい。グリップフランジは、相対的に硬い部品と一体的に形成されてもよいし、例えば接着剤によって取り付けられてもよい。
【0128】
回転を容易にし、密封性を向上させるために、回転する構成要素の間に潤滑剤が提供されてもよい。
【0129】
本開示の任意の態様において、出口要素は、回転中に出口要素とバルブベースとの間に軸方向の相対移動がないように、ハウジングに対して軸方向に保持されてもよい。
【0130】
オストミー器具の他の特徴、例えば、オストミー器具の内壁および外壁並びに快適層の形状および構造は、図示された態様に示されるものと異なってもよい。
【0131】
本開示の出口バルブは、本明細書において、オストミーバッグを構成するオストミー器具に適しているものとして説明される。本開示の任意の態様による出口バルブは、他の用途、例えばドレナージバッグまたはカテーテル収集バッグに使用するのに適している場合もある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミー器具のための出口バルブであって、
オストミー器具の面に取り付けるためのバルブベースであって、オストミー器具からの液体出力を受けるためのベース開口部を規定するバルブベース;および、
ベース開口部を介して受けた液体の排出が妨げられる閉鎖構成からベース開口部を介して受けた液体の排出が可能になる開放構成に、バルブベースに対して回転可能に構成された出口要素;を含み、
出口要素は、バルブベースに回転可能に取り付けられた相対的に硬い部品と、相対的に硬い部品に固着された相対的に軟らかい出口管部分とを含み、
開放状態において、相対的に硬い部品が、ベース開口部と相対的に軟らかい出口管部分との間に流体通路を規定し、
開放状態において、相対的に硬い部品が、ベース開口部から直接液体を受け取り、その後、相対的に軟らかい出口管部分へ送るように構成されている出口バルブ。
【請求項2】
相対的に硬い部品は、管状で、概ねL字型の形状を有する請求項1に記載された出口バルブ。
【請求項3】
相対的に軟らかい出口管部分は、相対的に硬い部品の上にオーバーモールドされた請求項1または2に記載の出口バルブ。
【請求項4】
相対的に硬い部品は、使用時にユーザが把持するための突出したフランジを含む請求項1~のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項5】
出口要素は出口管を含み、出口管が相対的に軟らかい出口管部分を含む請求項1~のいずれかに記載された出口バルブ。
【請求項6】
相対的に硬い部品は、吸入管と相対的に硬い出口管部分とを含み、相対的に硬い出口管部分は相対的に軟らかい出口管部分に固着されている請求項に記載の出口バルブ。
【請求項7】
吸入管と出口管は一緒になって、吸入開口部から、出口管の、吸入管から遠位の端部に配置された出口開口部まで液体を通過させるための連続した中空ボアを規定する請求項に記載の出口バルブ。
【請求項8】
出口要素は、概ねL字型であり、吸入管は、任意的に、出口管に対して実質的に90度の角度で配置されている請求項に記載の出口バルブ。
【請求項9】
ハウジングは、バルブベースの外面から突出し、ハウジングは、円筒形ボアを規定し、吸入管の一部は、円筒形ボアと一緒に回転可能に取り付けられる請求項7または8に記載の出口バルブ。
【請求項10】
相対的に軟らかい出口管部分は、変形可能な材料から形成され、変形可能な材料は、任意的に弾力性を有する請求項1~9のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項11】
相対的に硬い部品は、少なくとも50Aのショア硬度を有する材料から形成される請求項1~10のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項12】
出口要素は、バルブベースの取付面に概ね平行で、かつ使用時に概ね水平に配置された回転軸を中心に回転可能である請求項1~11のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項13】
コネクタ直径を有する相対的に硬いコネクタと共に使用するように構成され、相対的に軟らかい出口管部分は、使用に際して相対的に軟らかい出口管部分への相対的に硬いコネクタの挿入時に、相対的に軟らかい出口管部分が相対的に硬いコネクタを収容するために撓むようにコネクタ直径よりわずかに小さい出口直径を有する請求項1~12のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項14】
バルブベースは、相対的に軟らかい出口管部分よりも硬く、任意的に、相対的に硬い部品よりも硬くない材料で形成されている請求項1~13のいずれかに記載の出口バルブ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の出口バルブを含むオストミー器具。
【請求項16】
閉鎖構成では、出口要素は、実質的にオストミー器具の空洞を覆っており;そして、
開放構成では、出口要素の少なくとも一部が、オストミー器具の空洞の下縁を横切って延びる請求項15に記載のオストミー器具。
【国際調査報告】