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特表2023-519823エネルギーのワイヤレス送信のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】エネルギーのワイヤレス送信のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20230508BHJP
   G01S 3/782 20060101ALI20230508BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20230508BHJP
   H02J 50/60 20160101ALI20230508BHJP
【FI】
H02J50/90
G01S3/782 A
H02J50/20
H02J50/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556197
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 EP2021056979
(87)【国際公開番号】W WO2021185978
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】102020107778.5
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509032955
【氏名又は名称】エンオーシャン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミット フランク
(72)【発明者】
【氏名】板垣 一美
(57)【要約】
本発明は、エネルギー送信ユニット(1)からエネルギー受信ユニット(2)にエネルギーを送信するためにエネルギービーム(1.4.1)を生成するように適合された放射線源(1.4)を有するエネルギー送信ユニット(1)に関する。本発明はさらに、エネルギー送信ユニット(1)のエネルギービーム(1.4.1)のエネルギーを受信し、前記エネルギーを電気エネルギーに変換するように適合されたエネルギー変換器(2.1)を有する、エネルギー受信ユニット(2)に関する。この方法によれば、互いに空間的に位置合わせされたエネルギー送信ユニット(1)およびエネルギー受信ユニット(2)のこのようなシステムにおいて、情報は、物体、人間(3.1)または動物(3.2の存在)、もしくは人間または動物の目の位置について、エネルギー受信ユニット(2)のマーカ(2.2)または反射器(2.3)を介して捕捉される。画定された基準は捕捉された情報に基づいてチェックされ、エネルギー送信ユニット(1)の放射線源(1.4)はエネルギー受信ユニット(2)の検出された位置に位置合わせされ、起動され、その結果、エネルギービーム(1.4.1)が放射線源(1.4)によって生成され、放射線源(1.4)によって生成されたエネルギービーム(1.4.1)のエネルギーがエネルギー受信ユニット(2)によって受信され得る。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー送信ユニット(1)であって、
-前記エネルギー送信ユニット(1)からエネルギー受信ユニット(2)にエネルギーを送信するために、エネルギービーム(1.4.1)を生成するように適合された放射線源(1.4)と、
-前記エネルギー送信ユニット(1)の周囲の画像または画像情報を取得または捕捉するように適合されたカメラ(1.7)と、
-前記カメラ(1.7)によって取得または捕捉された画像または画像情報を評価するためのパターン認識(1.3)の実装されたアルゴリズムと、を有し、
前記エネルギー送信ユニット(1)が、
-前記カメラ(1.7)で、少なくとも、
エネルギー受信ユニット(2)のマーカ(2.2)または反射器(2.3)の存在および位置、
人間および/または動物の眼の位置、の情報を捕捉することと、
-前記エネルギー受信ユニット(2)のマーカ(2.2)または反射器(2.3)の存在、および前記エネルギー受信ユニット(2)のエネルギー変換器(2.1)の位置と、必要な基準としての人間および/または動物の目との間の十分な安全距離をチェックすることと、
-これらの必要な基準が満たされる場合、前記エネルギー送信ユニット(1)の放射線源(1.4)を前記エネルギー受信ユニット(2)の検出された位置に位置合わせし、放射線源(1.4)を作動させて、エネルギービーム(1.4.1)が前記放射線源(1.4)によって生成されるようにすることと、の手段を実行するように適合される、エネルギー送信ユニット(1)。
【請求項2】
前記放射線源(1.4)は、不可視範囲または可視範囲の位相コヒーレント光(レーザ)を反射するように適合される、請求項1に記載のエネルギー送信ユニット(1)。
【請求項3】
前記放射線源(1.4)の前記エネルギービーム(1.4.1)を、光学素子(1.5.1)の手段によって、整形されたエネルギービーム(1.5.2)に変換または整形するように適合されたビーム整形ユニット(1.5)をさらに有する、請求項1または2に記載のエネルギー送信ユニット(1)。
【請求項4】
前記エネルギービーム(1.4.1)または整形されたエネルギービーム(1.5.2)の方向を制御するように適合された機械的アクチュエータ(1.6)をさらに有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギー送信ユニット(1)。
【請求項5】
複数の放射線源(1.4)と、前記複数の放射線源(1.4)を重ね合わせることによって、前記エネルギービーム(1.4.1)または整形されたエネルギービーム(1.5.2)の方向を制御するように適合された非機械的制御手段とをさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギー送信ユニット(1)。
【請求項6】
光学媒体内の屈折率を制御または影響を与えることによって、前記エネルギービーム(1.4.1)または整形されたエネルギービーム(1.5.2)の方向を制御するように適合された非機械的制御手段をさらに有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギー送信ユニット(1)。
【請求項7】
前記エネルギー送信ユニット(1)の周囲から反射されたエネルギービームの割合を受信して評価するように適合された受信器(1.4.2)をさらに有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のエネルギー送信ユニット(1)。
【請求項8】
前記受信器(1.4.2)は、復調器として具現化され、または、前記エネルギー送信ユニット(1)の周囲から反射され変調されたエネルギービームの割合を受信し、復調するように適合された復調器を有する、請求項7に記載のエネルギー送信ユニット(1)。
【請求項9】
前記パターン認識(1.3)のアルゴリズムは、前記エネルギー送信ユニット内の1つまたは複数の実行可能プログラムまたはソフトウェアの形成で記憶される、請求項1から8のいずれか一項に記載のエネルギー送信ユニット(1)。
【請求項10】
エネルギー受信ユニット(2)であって、
-エネルギー送信ユニット(1)のエネルギービーム(1.4.1)のエネルギーを受信し、前記エネルギーを電気エネルギーに変換するように適合されたエネルギー変換器(2.1)と、
-前記エネルギー変換器(2.1)の近くまたは近傍に配置され、前記エネルギー送信ユニット(1)の前記エネルギービーム(1.4.1)を少なくとも部分的に反射するように適合された1つまたは複数の反射器(2.3)と、
-1つまたは複数の光学マーカ(2.2)であって、それらの機械的形状、色、パターンおよび/またはデジタルコードを用いた印刷、反射器(静的または変調可能)により、および/または、光源(不可視または可視スペクトル)の使用により、前記エネルギー送信ユニット(1)のカメラ(1.7)によって空間内の前記エネルギー受信ユニット(2)の位置、配向および/または相対的な位置を識別する、1つまたは複数の光学マーカ(2.2)と、を有する、エネルギー受信ユニット(2)。
【請求項11】
複数の反射器(2.3)が適合され、該反射器は、前記エネルギー変換器(2.1)を取り囲むように、円形に配置される、請求項10に記載のエネルギー受信ユニット(2)。
【請求項12】
前記反射器(2.3)は、その反射率が電気的に制御または変調され得るように適合される、請求項10または11に記載のエネルギー受信ユニット(2)。
【請求項13】
前記反射器(2.3)は、その反射率を制御または変調するための制御可能なLCD素子として適合される、請求項12に記載のエネルギー受信ユニット(2)。
【請求項14】
前記反射器(2.3)の反射率を制御または変調するように適合された素子(2.7)をさらに有する、請求項12または13に記載のエネルギー受信ユニット(2)。
【請求項15】
請求項1から9のいずれか一項に記載のエネルギー送信ユニット(1)と、請求項10から14のいずれか一項に記載のエネルギー受信ユニット(2)とを有するシステムであって、
前記エネルギー送信ユニット(1)および前記エネルギー受信ユニット(2)は、前記エネルギー送信ユニット(1)によって生成され、前記エネルギー受信ユニット(2)によって受信され、電気エネルギーに変換されるエネルギービーム(1.4.1)によって、前記エネルギー送信ユニット(1)によって前記エネルギー受信ユニット(2)にエネルギーを送信することができるように、互いに対して空間的に整列されるか、または整列することができる、システム。
【請求項16】
互いに対して空間的に整列されるか、または整列することができる、エネルギー送信ユニット(1)とエネルギー受信ユニット(2)との間でエネルギーを送信するための方法であって、
-前記エネルギー送信ユニット(1)のカメラ(1.7)で、少なくとも、
前記エネルギー受信ユニット(2)のマーカ(2.2)または反射器(2.3)の存在および位置、
人間および/または動物の眼の位置、の情報を捕捉することと、
-前記エネルギー受信ユニット(2)のマーカ(2.2)または反射器(2.3)の存在、および前記エネルギー受信ユニット(2)のエネルギー変換器(2.1)の位置と、必要な基準としての人間および/または動物の目との間の十分な安全距離をチェックすることと、
-これらの必要な基準が満たされる場合、前記エネルギー送信ユニット(1)の放射線源(1.4)を前記エネルギー受信ユニット(2)の検出された位置に位置合わせし、放射線源(1.4)を作動させて、エネルギービーム(1.4.1)が前記放射線源(1.4)によって生成されるようにすることと、
-前記エネルギー受信ユニット(2)によって前記放射線源(1.4)によって生成されたエネルギービーム(1.4.1)のエネルギーを受信することと、
-前記エネルギー受信ユニット(2)の前記エネルギー変換器(2.1)によって、前記受信されたエネルギーを電気エネルギーに変換することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記必要な基準のチェックは、十分な数の基準が満たされない限り継続される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記必要な基準のチェックは、所定の時間隔で周期的に継続され、
前記時間隔または時間基準は、
a)対象物、人間または動物の位置がまだ有意に変化していないように、および/または、
b)時間の短さのために、眼の危険な曝露がエネルギービーム(1.4.1)において起こり得ないように、予め定義される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記放射線源(1.4)を起動した後に、前記必要な基準をチェックすることによって、十分な数の基準もはや満たされないことが明らかになった場合に、前記放射線源(1.4)を非作動にするか、または、その電力を低減する、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記エネルギービーム(1.4.1)は、ビーム整形ユニット(1.5)によって、整形されたエネルギービーム(1.5.2)に変換または整形される、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記エネルギービーム(1.4.1)または整形されたエネルギービーム(1.5.2)の方向は、機械的アクチュエータ(1.6)によっておよび/または非機械的制御手段によって制御される、請求項16から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記エネルギービーム(1.4.1)のエネルギーは前記エネルギー受信ユニット(2)の反射器(2.3)によって反射され、これらの反射は前記エネルギー送信ユニット(1)の受信器(1.4.2)によって受信され、評価される、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記エネルギー受信ユニット(2)の前記反射器(2.3)は前記反射を変調し、前記受信器(1.4.2)は復調器として機能し、前記変調された反射を受信し、復調する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記エネルギービーム(1.4.1)または整形されたエネルギービーム(1.5.2)の方向は、前記評価された反射に基づいて連続的に再調整される、請求項22または23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー送信ユニットおよびエネルギー受信ユニット、ならびにエネルギーを送信するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、エネルギーの無線送信は、ほとんどの場合、磁場(約100KHzの周波数から2桁のMHz範囲まで)または電波(100MHzの周波数から数GHzまで)によって実現される。この技術は一般に洗練されており、多くの市販の解決策がある。
【0003】
加えて、可視範囲内または可視範囲に近い光放射の手段によってエネルギーを送信するいくつかの装置および方法がすでに説明されており、特に、低い光線発散に起因して大きな間隔を橋絡することができるレーザ源からのコヒーレント放射が提案されている。
【0004】
しかしながら、従来の解決策には、いくつかの欠点がある。一方では、それらは危険なレベルのエネルギーまたは面積当たりの高いエネルギー密度を含む。可視又は不可視スペクトルにおける電磁波放射の手段によるエネルギーの送信は、安全上の理由から、人間、動物、特に眼を保護するために、面積当たりの最高エネルギー密度の法的に規定された限度を超えないことを必要とする。しかしながら、提案された解決策は、特に位相コヒーレント放射線源(LASER)が使用されるとき、単位面積当たりの高レベルのエネルギーでしばしば機能する。これは、例えば、出版物「レーザによる無線エネルギー送信の概念、レオポルド・サマーレル、オイスン・パーセル、ESA-Advanced Concepts Team Keplerlaan 1、NL-2201AZ Noordwijk、The Netherlands、Leopold.Summerer@ESA.int、31-71-565-6227」から知られている。地球と地球に近い軌道との間のレーザ手段によるエネルギー送信の基本を論じた。
【0005】
高エネルギー密度から人間および動物を保護するために、これまでに様々な方法が提案されている。ほとんどの場合、これらの方法は、様々なレーザ強度で動作し、エネルギー送信が確立されるまで、最初に小さな強度で動作が実行され、次いで、エネルギービームが中断されたかどうかについての消費者からのフィードバックの手段によって、常に試験される。
【0006】
次に、この基準を使用して、電力を迅速に低減する。これらの場合、例えば、無線送信の手段によって戻りチャンネルに提供される、受信器からの一定のアクティブなフィードバックが必要とされる。これは、同様に、送信されるエネルギーによって消費されなければならないエネルギー支出を必要とする。
【0007】
従来の解決策のさらなる欠点は、高い位置決め精度を必要とする非常に小さな領域である。典型的には、仕事は、エネルギービームの非常に小さな断面を有するレーザ源を用いて実行される。この結果、消費者を移動させる場合にエネルギー源の高い位置決め精度が必要となり、これは相応に達成することが困難である。すなわち、位置を追跡するために、一定のアクティブなフィードバックもここでは必要とされる。このプロセスはまた、送信されたエネルギーによって消費されなければならず、したがって、デバイスを供給する実際の目的のために利用可能ではないエネルギーを必要とする。
【0008】
従来の解決策のさらなる欠点は、エネルギー送信プロセスを開始することさえ可能にするために、方法が開始されるときに利用可能なエネルギーの最小量を受信器が常に有しなければならないことである。消費者のエネルギー蓄積器が空である場合、エネルギー送信を開始することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、従来の手法の示された欠点を克服する、エネルギー送信ユニット、エネルギー受信ユニット、ならびにエネルギーを送信するための方法を説明することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、最初に、請求項1に記載のエネルギー送信ユニットによって達成される。さらなる実施形態および実施方法は、関連する従属項に開示される。
【0011】
エネルギー送信ユニットは、エネルギー送信ユニットからエネルギー受信ユニットにエネルギーを送信するためにエネルギービームを生成するように適合された放射線源を有する。
【0012】
エネルギー送信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、放射線源は不可視または可視範囲の位相コヒーレント光(レーザ)を放射するように適合される。
【0013】
エネルギー送信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー送信ユニットは、特に光学素子の手段によって、放射線源のエネルギービームを整形されたエネルギービームに変換または整形するように適合されたビーム整形ユニットを有する。
【0014】
エネルギー送信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー送信ユニットは、エネルギービームまたは整形されたエネルギービームの方向を制御するように適合された機械的アクチュエータを有する。
【0015】
エネルギー送信ユニットの様々な代替的または追加的な実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー送信ユニットは、複数の放射線源と、複数の放射線源を重ね合わせることによってエネルギービームまたは整形されたエネルギービームの方向を制御するように適合された非機械的制御手段とを有する。
【0016】
エネルギー送信ユニットの様々な代替的または追加的な実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー送信ユニットは、光学媒体内の屈折率を制御または影響を与えることによって、エネルギービームまたは整形されたエネルギービームの方向を制御するように適合された非機械的制御手段を有する。
【0017】
エネルギー送信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー送信ユニットは、エネルギー送信ユニットの周囲から反射されたエネルギービームの割合を受信し、評価するように適合された受信器を有する。
【0018】
エネルギー送信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、受信器は、復調器として具現化され、または、エネルギー送信ユニットの周囲から反射および変調されたエネルギービームの割合を受信し、復調するように適合された復調器を有する。
【0019】
エネルギー送信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー送信ユニットは、エネルギー送信ユニットの周囲の画像または画像情報を取得または捕捉するように適合されたカメラを有する。
【0020】
エネルギー送信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー送信ユニットは、カメラによって取得または捕捉された画像または画像情報を評価するための実装されたパターン認識アルゴリズムを有する。
【0021】
エネルギー送信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、パターン認識のアルゴリズムは、エネルギー送信ユニット内の1つまたは複数の実行可能プログラムまたはソフトウェアの形態で記憶される。
【0022】
様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー送信ユニットは、
-カメラで、少なくとも、
エネルギー受信ユニットのマーカまたは反射器の存在および位置、
人間および/または動物の眼の位置、の情報を捕捉することと、
-エネルギー受信ユニットのマーカまたは反射器の存在、およびエネルギー受信ユニットのエネルギー変換器の位置と、必要な基準としての人間および/または動物の目との間の十分な安全距離をチェックすることと、
-これらの必要な基準が満たされる場合、エネルギー送信ユニットの放射線源をエネルギー受信ユニットの検出された位置に位置合わせし、放射線源を作動させて、エネルギービームが放射線源によって生成されるようにすることと、の手段を実行するように適合される。
【0023】
さらに、上記の目的は、請求項10によるエネルギー受信ユニットによって達成される。さらなる実施形態および実施方法は、関連する従属項に開示される。
【0024】
エネルギー受信ユニットは、エネルギー送信ユニットのエネルギービームのエネルギーを受信し、前記エネルギーを電気エネルギーに変換するように適合されたエネルギー変換器を有する。エネルギー送信ユニットは例えば、上述したタイプのエネルギー送信ユニットに対応する。
【0025】
エネルギー受信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー受信ユニットは、エネルギー変換器の近くにまたはその近傍に配置され、エネルギー送信ユニットのエネルギービームを少なくとも部分的に反射するように適合された1つまたは複数の反射器を有する。
【0026】
エネルギー受信ユニットの様々な代替または追加な実施形態および/またはさらなる発展形態では、複数の反射器が適合され、これらの反射器はエネルギー変換器を取り囲むように、特に円形に配置される。
【0027】
エネルギー受信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、反射器はその反射率を電気的に制御または変調することができるように適合される。
【0028】
エネルギー受信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、反射器はその反射率を制御または変調するための制御可能なLCD素子として適合される。
【0029】
エネルギー受信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー受信ユニットは反射器の反射率を制御または変調するように適合された要素を有する。
【0030】
エネルギー受信ユニットの様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー受信ユニットは、その機械的形状、色、パターンおよび/またはデジタルコードによる印刷、反射器(静的または変調可能)により、および/または、光源(不可視スペクトルまたは可視スペクトル)の使用により、空間内のエネルギー受信ユニットの位置、配向および/または相対的位置を識別するように構成された1つまたは複数の光学マーカを有する。
【0031】
上記の目的はさらに、請求項15に記載のシステムによって達成される。このシステムは、上記で説明したタイプのエネルギー送信ユニットと、上記で説明したタイプのエネルギー受信ユニットとを備える。エネルギー送信ユニットおよびエネルギー受信ユニットは、エネルギー送信ユニットによって生成されたエネルギービームによってエネルギーがエネルギー送信ユニットによってエネルギー受信ユニットに送信され得るように、互いに対して空間的に整列されるか、または整列され得る。エネルギーは、エネルギー受信ユニットによって受信され、電気エネルギーに変換され得る。
【0032】
上記の目的はさらに、請求項16に記載のエネルギーを伝達するための方法によって達成される。さらなる実施形態および実施方法は、関連する従属項に開示される。
【0033】
この方法は、エネルギー送信ユニットとエネルギー受信ユニットとの間でエネルギーを送信するために実施され、エネルギー送信ユニットとエネルギー受信ユニットは互いに対して空間的に整列されるか、または整列することができる。
【0034】
本方法は、以下のステップを含む:
-エネルギー送信ユニットのカメラによって以下の情報項目のうちの少なくとも1つを捕捉すること、
-エネルギー受信ユニットのマーカ又は反射器の存在および位置、
-物体、人間または動物の存在、
-人間および/または動物の目の位置、
-取得された情報、特にエネルギー受信ユニットのマーカまたは反射器の存在、および/またはエネルギー受信ユニットのエネルギー変換器の位置と人間および/または動物の目との間の十分な安全距離に基づいて定義された基準をチェックすること、
-すべての必要な基準が満たされている場合、エネルギー送信ユニットの放射線源をエネルギー受信ユニットの検出された位置に位置合わせし、放射線源を作動させて、エネルギービームが放射線源によって生成されるようにすること、
-エネルギー受信ユニットにより、放射線源により生成された前エネルギービームのエネルギーを受信すること、
-エネルギー受信ユニットのエネルギー変換器により、受信されたエネルギーを電気エネルギーに変換すること。
【0035】
本方法の様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、十分な数の基準が満たされない限り、定義されたまたは必要とされる基準のチェックが継続される。
【0036】
本方法の様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、定義されたまたは必要とされる基準のチェックが所定の時間隔で定期的に継続される。時間隔または時間基準は、
a)物体、人間または動物の位置が空間内でまだ著しく変化していないように、および/または、
b)時間の短さのために、特に眼の危険な曝露がエネルギービーム内で起こり得ないように、予め定義される。
【0037】
本方法の様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、定義されたまたは必要とされる基準のチェックが十分な数の基準もはや満たされていないことを明らかにする場合、放射線源が起動された後、放射線源が非作動にされるか、または放射線源の電力が低減される。
【0038】
本方法の様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギービームは、ビーム整形のためのユニットによって、整形されたエネルギービームに変換または整形される。
【0039】
本方法の様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギービームまたは整形されたエネルギービームの方向は、機械的アクチュエータによって、および/または非機械的制御手段によって制御される。
【0040】
本方法の様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギービームのエネルギーは、エネルギー受信ユニットの反射器によって反射される。これらの反射は、エネルギー送信ユニットの受信器によって受信され、評価される。
【0041】
本方法の様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギー受信ユニットの反射器が反射を変調する。受信器は復調器として機能し、変調された反射を受信し、復調する。
【0042】
本方法の様々な代替または追加の実施形態および/またはさらなる発展形態では、エネルギービームまたは整形されたエネルギービームの方向は、評価された反射に基づいて連続的に再調整される。
【0043】
本発明は、電子デバイスにエネルギーを無線で供給するという目的を達成し、電磁放射線は特に、エネルギーを送信するために使用される。それによって動作されるアプリケーションは例として、携帯型入力デバイス、コントローラ、携帯電話、およびモバイルコンピュータなどのモバイルまたは可動デバイス、ならびに補聴器、電子機能を有する衣服、ならびに周囲からパラメータを測定し、無線を介して送信するチェックカード、電子ラベル、および無線センサなどのデバイスを含む。しかしながら、同様に、用途はまた、例えば、電子制御式ドアロック、建物自動化のセンサおよびアクチュエータなどの可動または不可動部品を備えた、鉄道車両および道路車両、製造または医療技術、あるいは例えば、建物、トンネル、ダムおよび橋などの構造物に永久的に設置された装置である。
【0044】
従来技術からの解決策とは対照的に、本発明は、著しく高い周波数、具体的には約100nm~10μmの光波長範囲におけるエネルギーの透過に関し、可視スペクトルならびに可視スペクトルの上下の範囲を含む。
【0045】
いくつかの特徴が以下に列挙され、それらは、代替として、またはそれに加えて、それら自体で、または他の特徴もしくは実装と組み合わせて、本発明の様々な実装形態またはさらなる発展形態に列挙される。
【0046】
1.放射線源と、放射された電磁放射線を電気エネルギーに変換する放射線受信器と、を本質的に含む/からなる、有向電磁放射線によってエネルギーを伝達するための方法、
2.コヒーレント放射線の使用、
3.非コヒーレント放射線の使用、
4.レンズまたはミラーを通る面積当たりの非臨界エネルギー密度を達成するためのビーム整形、
5.可動または変形可能なレンズまたはミラーまたは可動放射線源を通るエネルギービームの位置合わせ、
6.周囲からの後方散乱放射の割合を受信し復調することができる、レーザ上の受信器の使用、
7.人および動物を認識し、目の位置を認識し、追跡するように適合され、さらに、光学マーカを認識するのに適した画像認識アルゴリズム(KI)と共に動作する少なくとも1つのカメラの使用、
8.エネルギーの受信器における光学マーカの使用:カラーマーキング、発光ダイオード、特殊形状、又はこれらの組み合わせ、
9.放射線エネルギーを電気エネルギーに変換するための光起電力セルの使用、
10.エネルギーの受信器上での反射器の使用であって、その反射器の反射率を変調することができ、例えば、電気的に制御可能なLCD素子によって形成される、
11.光起電力セルの周りの変調可能な反射器の配置、
12.エネルギー供給は、1つの供給源を有するいくつかのまたは多くの受信器からも供給される。
【0047】
上で説明したエネルギー送信ユニットまたはエネルギー受信ユニット、または上で説明したシステムの構造的特徴のすべては、対応する方法ステップまたは手段において明らかにすることができ、逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明は、複数の図面を用いて、例示的な実施形態に基づいて以下により詳細に説明される。
図1】エネルギー送信器のブロック図を示す。
図2】エネルギー受信器のブロック図を示す。
図3】エネルギーを送信する方法のフローチャートを示す。
図4】ゲームコントローラまたはゲームシステムの例を用いた概略化された空間配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1および図2は、エネルギーのワイヤレス送信のためのシステムにおける必須の構成要素を示す。
【0050】
図1は、エネルギー送信器1のブロック図を示す。図1は、エネルギー送信の送信器側を示す。エネルギー源1.1は、すべての構成要素に電気的動作エネルギーを供給する。エネルギー源1.1は、例えば、ローカル電源システムによって形成される。しかしながら、特定の用途に応じて、エネルギー源1.1として、代替的に又は追加的に、バッテリ、発電機、または例えば太陽エネルギーもしくは風力エネルギーなどの周囲エネルギーが使用される。
【0051】
さらに、本質的な要素は、好ましくは不可視範囲または可視範囲で位相コヒーレント光(レーザ)を放射する放射線源1.4である。半導体レーザまたは他の非コヒーレント半導体光源が使用されることが好ましい。
【0052】
ビーム整形ユニット1.5は、放射線源/レーザ装置1.4に接続される。これは、例えば、固定レンズ、変形可能なレンズ、もしくはミラー、またはこれらの構成要素の組合せなどの光学素子1.5.1の手段によって放射線源1.4のエネルギービーム1.4.1を整形することによって、人間の眼にとって危険ではないレベルまでエネルギー密度を低下させて、整形されたビーム1.5.2を生成するタスク/機能を有し、それによって、例えば、人間の瞳孔の面に当たることができるエネルギーは、少なくとも短時間の間、人間の瞳孔に無害である。ここで、ビーム整形1.5の手段によるエネルギービーム1.4.1の整形ビーム1.5.2への整形は、例えば、ビームの拡大(widening)、拡大(broadening)又は散乱を含む。代替的な実施態様では、ビーム整形1.5の手段によるエネルギービーム1.4.1の整形ビーム1.5.2への整形が、例えば、ビームの狭小化、集中、またはバンドリングを含む。
【0053】
同時に、第2の条件として、エネルギービームは受信器2のエネルギー変換器2.1に衝突したときに、エネルギービームが可能な限り最良の重畳を有するように整形される(図2参照)。これは、コヒーレント放射を使用するときだけでなく、非コヒーレント放射を使用するときにも適用することができ、提示される解決策の必須要素である。
【0054】
(任意に)実施される安全装置の一部は、レーザ装置1.4の分解またはビーム整形1.5または1.5.1の破壊/取り外しに対する保護である。これは、例えば、センサによって、または分解されたときにレーザ1.4を非作動にし、したがって、許容できない電力レベル1.4.1の漏れを防止する、遮断電源ラインによって達成される。
【0055】
この例示的な実施形態では、レーザ装置1.4の一部が同じ波長の放射のための受信器/復調器1.4.2でもあり、これは、周囲から反射された割合を受信し復調することができる。
【0056】
さらなる要素は、エネルギービーム1.4.1または1.5.2の方向を制御することができる機械的アクチュエータまたはモータ1.6である。この目的のために、例えば、放射線源1.4または光学素子1.5もしくは1.5.1またはその両方に作用する電気モータまたは圧電モータを使用することができる。さらに、エネルギービームの非機械的制御を使用することができ、これは、複数の放射線源を重ね合わせることによる方向の制御、または光学媒体における屈折率の制御と協働する。
【0057】
この実施形態のさらなる要素は、周囲の画像を取得するカメラ1.7である。周囲光が十分でない場合、周囲を赤外光源1.9で任意に照明することができる。さらなる任意の要素は、情報を送受信することができる無線送受信器1.8である。
【0058】
特に、この例示的な実施形態では、パターン認識1.3のアルゴリズムもまた、必要に応じて赤外光源1.9を利用して、カメラ1.7が周囲の画像を取得するために使用される。パターン認識1.3のアルゴリズムは、例えば、実行可能なプログラムまたはソフトウェアの形成で記憶される。
【0059】
さらなる必須の要素は、マイクロコントローラ1.2であり、ここでは、例として、個々の構成要素を調整および制御する、またはプログラムまたはソフトウェアを実行するすべてのタスクを実行し、特に、カメラ1.7からのデータストリーム、無線送受信器1.8、および復調器1.4.2からのレーザの後方散乱信号を処理することができる。マイクロコントローラは、例えば、パターン認識1.3のアルゴリズムを実行するようにも適合される。
【0060】
パターン認識1.3のアルゴリズムは、例えば、
a)人間およびペットを周囲から識別することができ、および/又は、
b)特に、目の位置を識別することができ、および/又は、
c)受信装置上に位置するマーカ(図2参照)、を認識することができるように構成される。
【0061】
図2は、エネルギー受信器2の必須要素を示す。したがって、2.1は、受け取った放射線(受け取ったエネルギービーム1.4.1または1.5.2)を電気エネルギーに変換するエネルギー変換器である。放射線の波長に応じて最適化された太陽電池、例えば、850nmの波長に対して最適化されたGaAS太陽電池が、このために使用できることが望ましい。
【0062】
反射器2.3は、その反射率を電気的に制御または変調することができ、エネルギー変換器2.1の近傍に任意に配置される。これは、例えば、LCD素子のおかげで、特に省エネルギーの方法で可能である。図2による例示的な実施形態では、エネルギー変換器2.1は円形であり、複数の反射器2.3がエネルギー変換器2.1を円形に取り囲むように配置される。他の実施形態では、反射器2.3の代替構成が提供される。
【0063】
さらなる要素は、デバイス2上に配置され、エネルギー送信器1の遠隔カメラ1.7によって容易に識別することができる光学マーカ2.2である(図1および上記の説明を参照されたい)。これらのマーカ2.2は、それらの機械的形状、色、パターンおよび/またはデジタルコードを用いた印刷、反射器(静的または変調可能)、および/または光源(不可視スペクトルまたは可視スペクトル)の使用によって構成することができる。
【0064】
エネルギー蓄積器2.5の充電管理を引き継ぐ電子回路2.4は、エネルギー変換器2.1に割り当てられる。この実施形態では、このエネルギー蓄積器2.5は、動作されるべきデバイスのための必須のエネルギー源を形成し、放射線受信器/エネルギー受信器2を備え、このデバイスはエネルギーを収集するための追加の機能を有する。さらに、図示の実施形態では、放射がエネルギー変換器2.1に衝突するとすぐに反射器2.3の変調を制御する素子2.7がある。この例では素子2.7が専用の電子回路2.7であり、これは特に低電流消費の利点を提供し、空のエネルギー蓄積器2.5と共に、必要であれば、エネルギーが太陽電池/エネルギー変換器2.1に到達するとすぐに、マイクロコントローラ/コントローラ2.6を使用することなく機能する。代替の実施形態では、素子2.7のこの機能がマイクロコントローラ2.6によって仮定される。素子2.7は省くことができる。
【0065】
さらに、エネルギー受信器2は、エネルギー送信器1の送受信器1.8とデータを交換することができる無線送受信器2.8を有する(図1および上記の説明を参照されたい)。
【0066】
図3は、エネルギーを送信するための方法のフローチャートを示す。図示された必須なステップは、典型的には例えば、上述のタイプのエネルギー送信器1(図1参照)およびエネルギー受信器2(図2参照)から構成されるシステムを動作させるときに実行される。
【0067】
エネルギー送信器1がスイッチオンされると、カメラ1.7が最初に起動される。これは、画像処理アルゴリズム1.3を用いて分析される、周囲からの画像を供給する。以下の情報が特に得られる:
-マーカ2.2または反射器2.3の存在および位置、
-人間または動物の存在、
-人間や動物の目の位置。
【0068】
次に、レーザ1.4を作動させることができる前に満たさなければならない基準のセットがチェックされる。これらの基準は、少なくともマーカ2.2の存在、およびエネルギー受信器2のエネルギー変換器/太陽電池2.1の位置と人間および動物の目との間の十分な安全距離を含む。
【0069】
十分な数の基準が満たされない場合、カメラ画像のチェックが継続される。修正されたアルゴリズム1.3も使用することができ、これは、オブジェクトが識別されると、オブジェクトが空間内を移動する際に追跡されることを可能にする。
【0070】
基準のチェックは、結果にかかわらず、周期的に継続され、時間基準は、a)空間内の物体の位置がまだ著しく変化していないことを保証し、および/または、b)時間の短さのために、特に目の危険な曝露が起こり得ないことを保証する。
【0071】
すべての必要な基準が満たされるとすぐに、レーザ1.4は、マーカ2.2によって確立された位置に向けられ、起動される。エネルギー受信器2のエネルギー変換器2.1を囲む変調可能な反射器2.3は、エネルギービーム1.4.1または1.5.2が当たるとすぐに反射する。これらの反射は、例えば、送信器(レーザ1.4)およびカメラ1.7の近傍に構造的に配置された特定の素子1.4.2などの反射された割合の受信器によって受信され、評価される。エネルギー変換器2.1を用いてエネルギービーム1.4.1または1.5.2の正確な重ね合わせを外挿することが今や可能である。この情報は、送信器(レーザ1.4)のビーム制御によってエネルギービーム1.4.1または1.5.2の方向を連続的に再調整するために利用される。ビームは、例えば、素子1.6および/または素子1.5を介して制御される。
【0072】
光学マーカ2.2または反射器2.3の方法が不正確である可能性があるために、対応する変調が到着する反射割合がない場合、エネルギー変換器2.1の計算された位置のより近い環境は、対応する変調が現れ、正確な位置を示すまで、エネルギービーム1.4.1または1.5.2で走査することができる。
【0073】
以下、様々な用途における使用について説明する。
I.ゲームコントローラの適用例:
図4は、ゲームコントローラに基づいて上で説明された構成要素、システム、および方法の1つの例示的な適用例を示す。図4は、ゲームコンソール3.5を制御するゲームコントローラ3.4のためのエネルギー送信のサンプル適用を使用する構成要素の一般的な空間配置を示し、その画像は画面3.3に表示される。
【0074】
この場合、エネルギー送信器/エネルギー送信装置1の必須部分は、ここでは一例として、スクリーン3.3の近傍に収容されるが、一般に、ゲームコンソール3.5またはスクリーン3.3などの他のデバイスに統合することもできる。
【0075】
この例では、エネルギー送信装置1は、図1でより詳細に説明され、上で説明された機能ブロック、ここで図4に見られるカメラ(図1の1.7を参照)および放射線源(図1の1.4/1.5を参照)を有し、これらは(整形された)エネルギービーム1.4.1または1.5.1を放出し、整列させる。人間3.1、ペット3.2、特に眼の位置が認識され、記載された方法で考慮される。眼の位置は、原則として、危険でない電力密度のエネルギービーム1.4.1または1.5.1が高表面電力でレンズ、ミラー、望遠鏡などの光学的補助具によって束ねられることもできるので、重要である。
【0076】
例えば、人が双眼鏡で放射線源を見て眼を覆っていたとしても、上記のような手段や特徴により、身体に対する位置を認識又は知ることができ、エネルギー送信装置1は、エネルギーの放出を防止することができる。
【0077】
この例では、ゲームコントローラ3.5がエネルギー受信装置2である。それは外部に固定されたマーカ2.2を有し、それらの特に高いコントラストのために、エネルギー送信器1の画像認識アルゴリズム1.3によって容易かつ極めて正確に認識され得る。これは、平面/空間におけるゲームコントローラ3.5の迅速かつ正確な位置特定を可能にする。さらに、例えば、短い光パルスの通過時間を評価することによって、または異なる/可変に変調された光を利用することによって、マーカ2.2とカメラ1との間の距離を決定することが可能である(図1の1.7参照)。
【0078】
上述のように、人間3.1およびペット3.2およびその目を認識し、安全基準のリストをチェックした後、エネルギー送信を開始することができ、エネルギービーム1.4.1または1.5.2は光電池/エネルギー変換器2.1に衝突し、エネルギービーム1.4.1または1.5.2の正確なアライメントは、反射器2.3によって変調されたエネルギービーム1.4.1または1.5.2の比率を評価することによって再調整することができる(図2および上記の説明を参照されたい)。カメラ1による位置の評価(図1の1.7参照)と比較して、この評価は著しく迅速であり、また、エネルギー供給が中断されることなくコントローラ3.4の迅速な移動が可能である。
【0079】
II.無線センサおよびアクチュエータのエネルギー供給の適用例:
上記で説明した構成要素、システム、および方法のさらなる例示的な適用を以下に説明する。
【0080】
無線を介してデータまたは動作コマンドを送信する無線センサおよび無線アクチュエータは、今日すでに広く使用されている。エネルギー供給は、特に、バッテリの交換が高価である(アクセスが困難)か、または周囲エネルギーが利用可能でない(特に、光が不十分であるだけ)場合に、重要な点である。
【0081】
例は:
-構造パラメータ、温度、湿度、空気質を測定し、交通を監視する、トンネル内の無線センサ、
-例えば、力、トルク、距離、温度を測定する、可動又は回転機械部品上の無線センサ、
-生産物流または倉庫内の物品のレベルを、例えば、組み立てラインまたは高所倉庫内の物品のためのキャリアを追跡することによって監視し、報告する無線センサ、
-自動車又は鉄道車両等の車両に搭載され、定置式のエネルギー送信器によりエネルギーが供給され、かつ、輸送車両の識別および条件に関するデータを、車両が通過する際に読み取り可能なものとする無線センサ、
-航空機上であって、例えば、安全に関連する測定値を内側翼から得るのに役立ち、それにより、ケーブル/重量を節約するセンサ、
-アクセス情報を処理し、および/またはアクセスシステムをロック/ロック解除する無線センサ/無線アクチュエータ。これは例えば、一方ではドアの状態(開いている、閉じている、ロックされている)を報告するが、電気機械アクチュエータの手段によってドアをロックまたはロック解除するように無線を介して指示することもできる、ドア内の無線センサを意味する。
【0082】
III.モバイルデバイスのエネルギー供給の適用例:
上記で説明した構成要素、システム、および方法のさらなる例示的な適用を以下に説明する。
【0083】
携帯電話、モバイルコンピュータ、および同様のデバイスは、ケーブルを差し込む必要なく、および/または、例えば、充電パッドまたは充電ドック上での正確な位置決めを必要とせずに、上述の構成要素、システム、および方法で充電することができる。この目的のために、エネルギー送信器1は、部屋の中央で天井に取り付けることができる。
【0084】
IV.ポータブルデバイス(ウェアラブル)のためのエネルギー供給の適用例:
上記で説明した構成要素、システム、および方法のさらなる例示的な適用を以下に説明する。
【0085】
フィットネストラッカー、医療デバイス、スマートウォッチ、補聴器、ビデオ機能を有する電子眼鏡、衣類に接続されたバーチャルリアリティ眼鏡または電子機器などのウェアラブルデバイス(ウェアラブル)は、上記の構成要素、システム、および方法でエネルギーを供給することができる。これは、インフラストラクチャがこの利用が必要であるか、または特に可能性が高い場所でエネルギー送信器1に設置される場合、特に実現可能な方法で可能である。
【0086】
図示の実施形態は、例として選択されているに過ぎない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】