(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】裁断機用の裁断刃の案内点における機械的作用のトーサーの成分を決定する方法
(51)【国際特許分類】
G01L 5/167 20200101AFI20230508BHJP
B26D 5/00 20060101ALI20230508BHJP
B26D 7/08 20060101ALI20230508BHJP
B26D 5/20 20060101ALI20230508BHJP
G01L 5/00 20060101ALN20230508BHJP
【FI】
G01L5/167
B26D5/00 F
B26D7/08 D
B26D5/20 C
G01L5/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557643
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 FR2021050499
(87)【国際公開番号】W WO2021198586
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507289553
【氏名又は名称】レクトラ
【氏名又は名称原語表記】LECTRA
(71)【出願人】
【識別番号】516282684
【氏名又は名称】アンバロール
(71)【出願人】
【識別番号】521435097
【氏名又は名称】ユニヴェルシティ・ドゥ・ボルドー
(71)【出願人】
【識別番号】512082439
【氏名又は名称】アンスティテュ ポリテクニック ドゥ ボルドー
【氏名又は名称原語表記】Institut Polytechnique De Bordeaux
(71)【出願人】
【識別番号】514255523
【氏名又は名称】サントレ ナティオナル ド ラ ルシェルシェ シアンティフィク
(71)【出願人】
【識別番号】517386930
【氏名又は名称】エコール ナシオナル シュペリュール ダル エ メティエ
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャビラン-ガルソネ、ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】カユック、オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】コソン-コシュ、カンタン
(72)【発明者】
【氏名】ダルニ、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ラウルト、レイナルド
(72)【発明者】
【氏名】テッサンディエ、ドニ
【テーマコード(参考)】
2F051
3C024
【Fターム(参考)】
2F051AA11
2F051AB08
2F051BA07
2F051DA02
2F051DB03
3C024AA06
3C024CC01
(57)【要約】
本発明は、裁断機の裁断刃(L)の案内点における機械的作用のトーサーの成分を決定する方法であって、裁断刃は、裁断機の裁断ヘッドの押さえ金(P)で案内され、方法は、5成分動力計を押さえ金上に配置することであって、動力計は、裁断刃の正面力、横方向力、ローリングモーメント、ピッチングモーメント、およびヨーイングモーメントを決定するための複数のセンサを含むことと、動力計の較正行列を作成することと、センサによって得られた測定値と較正行列に基づいて、裁断刃が受ける3次元の力を決定することとを含む、方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
裁断機の裁断刃(L)の案内点における機械的作用のトーサーの成分を決定する方法であって、前記裁断刃は、前記裁断機の裁断ヘッドの押さえ金(P;P’;P’’)で案内され、前記方法は、
- 5成分動力計を前記押さえ金上に配置するステップであって、前記動力計は、前記裁断刃の正面力、横方向力、ローリングモーメント、ピッチングモーメント、およびヨーイングモーメントを決定することができる複数のセンサを含む、ステップと、
- 前記動力計の較正行列を作成するステップと、
- 前記センサによって得られた測定値と前記較正行列に基づいて、前記裁断刃が受ける3次元の力を決定するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記動力計の前記較正行列を作成する前記ステップは、前記動力計の前記6つの成分の関数として、様々な理論的応力での前記動力計の前記センサの理論的較正行列を作成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記動力計の前記較正行列を作成する前記ステップは、前記理論的較正行列および前記動力計の前記センサの実際の応答測定値に基づいて、前記動力計の前記6つの成分の関数として、様々な実際の応力での前記動力計の前記センサの応答行列を計算するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記動力計の前記センサの前記応答行列は、線形最適化法によって計算される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記動力計は、前記刃の縦軸(Z)の周りに分布した、前記押さえ金(P)に取り付けられた3つの三軸圧電センサ(1、2、3)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記動力計は、少なくとも3つのフルブリッジを形成するために、前記刃の縦軸(Z)の周りに規則的に分布した、前記押さえ金(P’)のアーム上に取り付けられた、少なくとも3つの連結されたひずみゲージブリッジ(J1~J3)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記動力計は、6つのフルブリッジを形成するために、前記刃の前記縦軸(Z)の周りに規則的に分布した6つのひずみゲージブリッジを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記動力計は、前記押さえ金(P’’)に取り付けられた少なくとも5つの分離されたひずみゲージブリッジ(P1~P5)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記動力計の前記センサの前記測定値の送信は、非接触または有線で行われる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単層または多層の形態で裁断テーブル上に配置された可撓性素材を振動刃によって自動裁断する一般的な分野に関する。より正確には、本発明は、そのような裁断刃の案内点における機械的作用のトーサー(torsor)の成分を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の適用分野は、特に衣料品、家具、または自動車内装産業における、柔軟な織物または非織物素材(皮革など)のパーツの自動裁断の分野である。
【0003】
柔軟な素材のパーツを自動的に裁断する既知の方法は、裁断テーブルの固定式または可動式の裁断支持体上に素材を、マットレスを形成する単層または多層の形態で提供し、テーブルの裁断支持体の上を移動する裁断ヘッドによってパーツを裁断することからなる。裁断ヘッドは、特に、素材を裁断するために刃先の方向に垂直に振動する振動鋼刃を支持する。
【0004】
この垂直方向の振動中および素材の裁断中に、裁断刃は、パーツの刃先の品質に影響を与える多くの力を受ける。特に、これらの力は、素材(特に、これが多層から形成されている場合)の高さ全体にわたる裁断品質および裁断パーツの形状に直接影響を及ぼす。
【0005】
また、裁断パラメータと刃の方向に作用できるようにするためには、裁断刃が受けるひずみを可能な限り知る必要がある。
【0006】
この趣旨で、裁断ヘッドの押さえ金上に曲げセンサを配置することが知られている。このようにして、このセンサは裁断刃の横方向の曲がりに関するデータを収集し、それを修正するために裁断パラメータと刃の方向に作用することができる。例えば、Morgan Tecnica名義の伊国特許出願第2017000023745号明細書を参照することができる。
【0007】
しかしながら、これらのデータは十分ではなく、裁断刃が受けるすべての力を考慮していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の主な目的は、裁断のより細かく、より自律的な制御を可能にするために、裁断刃が受けるすべての力を決定する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この目的は、裁断機の裁断刃の案内点における機械的作用のトーサーの成分を決定する方法であって、裁断刃は、裁断機の裁断ヘッドの押さえ金で案内され、方法は、
- 6成分動力計を押さえ金上に配置するステップであって、動力計は、裁断刃の正面力、横方向力、ローリングモーメント、ピッチングモーメント、およびヨーイングモーメントを決定することができる複数のセンサを含む、ステップと、
- 動力計の較正行列を作成するステップと、
- センサによって得られた測定値と較正行列に基づいて、裁断刃が受ける3次元の力を決定するステップとを含む、方法によって達成される。
【0010】
本発明に係る方法は、裁断ヘッドの押さえ金に取り付けられた動力計に基づいて、刃が3方向に受ける力を決定できることを特徴とする。特に、刃の案内点での機械的作用のトーサーの6つの成分のうちの5つ、つまり正面力、横方向力、ローリングモーメント、ピッチングモーメント、およびヨーイングモーメント(刃の主軸に沿った力は除外される)を決定できる。このようにして、これらのデータに基づいて、不具合を修正するために裁断パラメータを特に正確かつ自律的に制御することが保証される。
【0011】
動力計の較正行列を作成するステップは、動力計の6つの成分の関数として、様々な理論的応力での動力計のセンサの理論的較正行列を作成するステップを含むのが好ましい。
【0012】
動力計の較正行列を作成するステップは、同様に、理論的較正行列および動力計のセンサの実際の応答測定値に基づいて、動力計の6つの成分の関数として、様々な実際の応力での動力計のセンサの応答行列を計算するステップをさらに含むのが好ましい。
【0013】
動力計のセンサの応答行列は、線形最適化法によって計算される。
【0014】
一実施形態では動力計は、刃の縦軸の周りに分布した、押さえ金に取り付けられた3つの三軸圧電センサを含む。
【0015】
第2の実施形態では、動力計は、少なくとも3つ(好ましくは6つ)のフルブリッジを形成するために、刃の縦軸の周りに規則的に分布した、押さえ金のアーム上に取り付けられた、少なくとも3つ(好ましくは6つ)の連結されたひずみゲージブリッジを含む。
【0016】
第3の実施形態では、動力計は、押さえ金に取り付けられた、分離されたひずみゲージの少なくとも5つのフルブリッジを含む。
【0017】
どのような実施形態であっても、動力計のセンサからの測定値の送信は、非接触で、または有線で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る方法の実装の第1の実施形態を示す概略図である。
【
図2】本発明に係る方法の実装の第2の実施形態を示す概略図である。
【
図3】本発明に係る方法の実装の第3の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、単層または多層の形態を有する可撓性素材のパーツの自動裁断に適用される。
【0020】
このような裁断操作は、一般的に、裁断される柔軟な素材が上に提供される水平裁断支持体を備えた裁断機によって行われる。
【0021】
振動刃を支持する裁断ヘッドがガントリーに取り付けられ、ガントリーは裁断支持体に沿って移動し、同時に裁断ヘッドはガントリーに沿って移動するため、裁断ソフトウェアによって計算された様々な裁断経路をたどることができる。
【0022】
典型的には、裁断中に裁断支持体上の柔軟な素材に制御された力を印加するために、
図1に示されるような押さえ金が裁断ヘッドの下部に取り付けられ、この押さえ金の位置は、裁断支持体上に置かれた柔軟な素材の高さに応じて調節可能である。したがって、押さえ金は、柔軟な素材のできるだけ近くに保持される裁断刃の案内を可能にする。
【0023】
本発明は、そのような裁断ヘッドの振動刃の案内点における機械的作用のトーサーの成分を決定する方法を提案する。
【0024】
本発明に係る方法のいくつかの実装の代替が可能である。
【0025】
図1に概略的に示される一実施形態によれば、この方法は、裁断ヘッドの押さえ金P上に5成分圧電動力計を配置することを想定している。
【0026】
より正確には、圧電動力計は、押さえ金Pに取り付けられた3つの3軸圧電センサ1~3を含み、好ましくは、裁断刃Lの縦軸Zの周りに規則的に分布する。
【0027】
圧電センサ1~3は有利には、動力計の中心から等距離である120°に分布する。
図1に示すように、それらのZ軸(それぞれ、Z
1、Z
2、およびZ
3)は、下向きに(言い換えれば、裁断支持体に向かって)向けられ、それらのY軸(それぞれ、Y
1、Y
2、およびY
3)は、ケーブルの通過を容易にするために、動力計の外側に向かって向けられる。それらのX軸(それぞれ、X
1、X
2、およびX
3)は、動力計の半径に平行である。
【0028】
この配置により、押さえ金の良好な剛性を保証しながら、押さえ金の周囲にセンサを良好に組み込むことが可能になる。
【0029】
上板(
図1には図示せず)は、押さえ金に組み込まれた動力計を閉じる。上板にはネジを通すための穴があり、上板と押さえ金の底との間でネジを押し付けることでセンサを付勢することができる。
【0030】
裁断刃が受ける力を3Dで決定するための本発明に係る方法の第1のステップは、このように押さえ金に取り付けられた圧電動力計の較正を行うことである。
【0031】
この較正は、圧電センサ1~3によって送信された様々な測定電圧を機械力として解釈することを可能にする較正行列を作成することにある。
【0032】
第一に、センサの向きと形状に敏感な理論的または全体的な較正行列を生成する必要がある。第二に、この理論的な較正行列を改良して、実際の較正行列に対応する応答行列を生み出す必要がある。
【0033】
軸の理想的な配置に従って、すべての幾何学的形状が完全で欠陥がないと想定される状況で、理論的な較正行列の検討が行われます。3つの3軸センサの配置を空間(X、Y、Z)で表すと、センサに取り付けられた機械的作用のトーサーを表現するのに役立つ。
【0034】
直交基準座標系(xi,yi,zi)は、各センサiの中心Oiに取り付けられる。したがって、Oiでのアクションのトーサーは次のように記述できる。
【数1】
【0035】
各センサの基本トーサーを動力計Oの基準座標系の原点に移動することにより、全体の力の読み取りにおける各センサの各測定方向の寄与を決定することができる。
【0036】
次に、これらの様々な式に基づいて、理論的または全体的な較正行列が計算される。
【0037】
各センサの中心Oiの位置は、距離OOiに対応する半径Rと角度βiによって円筒座標系で定義される。各センサには独自の直接基準座標系(Oi、xi、yi、zi)があり、それらのx軸は直線(OOi)と同一直線上にある。
【0038】
各センサのトーサーの原点への、動力計の基準座標系内での移動は、次の式で与えられる。
【数2】
【0039】
基準座標系の様々な変更は次の通りである。
【数3】
【数4】
【数5】
【0040】
単純化した後、動力計の原点と基準座標系における各センサのトーサーの式を次のように書くことができる。
【数6】
【0041】
この較正行列は理論上のものである。それは、動力計の力の測定におけるセンサの様々な軸の寄与を表す。これらの測定値は、使用される圧電センサの感度Kに依存する。生産に細心の注意を払ったにもかかわらず、製造プロセスが何であれ、幾何学的な欠陥が現れるため、実際には、行列のどの項もゼロではない。ただし、優勢な項は識別可能でなければならない。
【0042】
理論的な較正行列が書き込まれると、較正を実行できる。それは、動力計に印加される制御された単位負荷を、3軸センサによって送られる様々な電気信号と相関させることにある。
【0043】
動力計の理論的応答が既知の重要な点で特定された荷重を印加すると便利である。線形最適化により、センサの値を期待値と相関させることができる。較正行列は、試験キャンペーンによって決定される。
【0044】
線形最適化の結果から、次の実際の較正行列が得られる。
【数7】
【0045】
図2は、本発明の実装の第2の実施形態を示しており、この方法は、連結されたゲージを備えた動力計を配置することを想定している。
【0046】
より正確には、動力計は、少なくとも3つ、好ましくは6つのフルブリッジを形成するために、刃Lの縦軸Zの周りに分布する、押さえ金P’のアームに取り付けられた、少なくとも3つ、好ましくは6つの連結されたひずみゲージブリッジを含む。
【0047】
力の良好な読み取りを保証するために、動力計は刃の軸の周りに120°間隔でアームを配置して構築されている。6つのゲージブリッジを形成する3つのゲージJ1~J3は、好ましくは刃の軸から等距離に、傾斜面に接着され、その延長部は力の印加点で交わる。
【0048】
縦横二重ひずみゲージJ1~J3を用い、各ハーフブリッジが対向するように各アームの各面に配置する。この動力計の計装には、合計で少なくとも3つのフルブリッジが必要である。
【0049】
較正は、既知の作用のトーサーをゲージブリッジによって測定されたひずみの値と一致させることにある。
【0050】
ゲージブリッジが試験体のアームの中心にあることが理想的であることを考慮すると、各アームに配置されたブリッジOi(i=i:6)のそれぞれの中心は一致している。それらは、センサの中心Oから値rだけ離れており、角度αに向けられている。最後に、刃にかかる力の印加点は、軸Zに沿って点Qまで-hだけ移動する。
【0051】
次の既知の作用のトーサー[T]が、点Qに適用される。
【数8】
【0052】
ゲージブリッジの各測定点でのこのトーサー[T]の動きにより、力の読み取りにおけるブリッジの各軸の寄与を知ることができる。
【0053】
ねじりモーメントMzを測定するために、距離lのレバーアームを使用して点Qで軸Yに沿って力が印加される。
【0054】
分かりやすくするために、グループ化された基準座標系は次のように名前が変更される。
【数9】
【0055】
これらのトランスポートは次を提供する。
【数10】
【0056】
これらの値は、理論的な較正行列の成分を与える。ここで、ひずみゲージがZ軸に沿ってのみ反応するという事実を考慮することで、行列を単純化することができる。それは次のように記述される。
【数11】
【0057】
Kは、(ここでは共通と仮定された)各ゲージブリッジの感度を表し、Fiは、ゲージブリッジiによって測定されたひずみである。
【0058】
実際の較正行列を作成する次のステップは、明確に定義された軸に沿って既知の力を印加し、各ハーフブリッジの応答を記録することにある。
【0059】
この較正方法は、特定の最適化を課す非常に多数のデータを提供する。信号と負荷の関係は線形であると仮定し、最小二乗法に基づく直接法が適用される。
【0060】
このアプローチは、線形応答モデルに従って、課された値と測定値との差の最小二乗を最小化することを目的としている。この趣旨で、n個の異なるトーサー[T
j]を提供するn個の測定値[m
i]を使用して、較正行列[A
i,j]を表現することを試みる。式は、次のように記述できる。
【数12】
【0061】
次の形式化により、線形最適化法を使用して解行列[A]
tの項aijを計算でき、これは、前出の方程式の正規方程式の解と同じである。
【数13】
【0062】
例として、各センサについてこのように得られた行列は、次のように与えられる。
【数14】
【0063】
センサはすべて、機械加工およびゲージの接着における固有の変動性に応じて異なっており、同一の行列を取得することは不可能である。しかしながら、各行列に対する各センサの反応は良好である。各センサの挙動を平滑化する行列を取得することができ、この行列は、統合行列と呼ばれ、3つのセンサの較正測定のすべてが考慮される(以下の例を参照)。
【数15】
【0064】
チェック後、この行列に対する3つのセンサの応答は一般的に非常に近く、測定偏差が非常に低いことが観察されている。
【0065】
図3は、本発明の実装の第3の実施形態を示しており、この方法は、分離されたゲージを備えた動力計を配置することを想定している。
【0066】
この図、
図3に示すように、動力計は、押さえ金P’’に取り付けられたフルブリッジとして5つのゲージブリッジを含む。使用されるゲージは、2つの可能な曲げ方向の力の読み取りを保証するために、ハーフブリッジロゼットである(分かりやすくするために、5つのゲージブリッジP1~P5のみが
図3に示されている)。
【0067】
実際の較正行列は、ひずみゲージの位置でひずみを測定し、ブリッジの配線に関する計算を行うことによって得られる。例として、以下の表に結果を示す。
【表1】
【0068】
得られる最大のカップリングは、モーメントMyの印加中にブリッジ1によって読み取られる5.61%のひずみであることが観察される。
【0069】
この実施形態は、理論的較正行列を作成する前のステップを必要としないことも観察される。
【0070】
どのような実施形態であっても、動力計のひずみセンサからの測定値の送信は、非接触または有線で行われることに留意されたい。
【0071】
どのような実施形態であっても、一組の電子カードが、圧電センサまたはひずみゲージブリッジと、受信した情報を利用するコンピュータステーションとの間に提供されることにも留意されたい。これらの電子カードは、次の機能:センサからの(これらのセンサのタイプの関数として)信号の供給と調整、アナログ-デジタルコンバーターの入力範囲に適した信号のフィルタリングと増幅、アナログからデジタルへの変換、シリアル化、およびコンピュータステーションへのデータの送信を実行する。
【国際調査報告】