(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】搾乳装置
(51)【国際特許分類】
A01J 7/02 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
A01J7/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557652
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 SE2021050265
(87)【国際公開番号】W WO2021201750
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521499848
【氏名又は名称】デラバル ホールディング アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボスマ、イプケ
(72)【発明者】
【氏名】ルンドゥ、アンドレス
(57)【要約】
ミルク輸送ライン(1)、複数のミルクステーション、洗浄装置(4)であって、洗浄液をミルク輸送ライン(1)内に送達するように構成された送達装置(5)と、大気圧よりも高い圧力でミルク輸送ライン(1)を通って洗浄液をポンプ輸送し、それによって輸送ライン(1)を洗浄液で充填するように構成されたポンプ(6)と、を備える、洗浄装置(4)を備える、搾乳装置。制御ユニット(9)は、ポンプ始動の登録された第1の時点、ミルク輸送ライン(1)を通る洗浄液の通過の第2の時点、および第1の時点から第2の時点までにミルク輸送ラインに導入された液体の量に基づいて、ミルク輸送ライン(1)の容積および/または長さを判定するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搾乳装置であって、
-ミルク輸送ライン(1)と、
-前記ミルク輸送ライン(1)に接続された、複数のミルクステーション(2)と、
-ミルク容器(3)であって、前記ミルク輸送ライン(1)に接続され、前記ミルクステーション(2)から前記ミルク輸送ライン(1)を介して前記ミルク容器(3)に輸送されたミルクを受容するように構成された、ミルク容器(3)と、
-液体を前記ミルク輸送ライン(1)内に導入し、かつ前記ミルク輸送ライン(1)を通って前記液体を輸送するように構成された、洗浄装置(4)であって、前記洗浄装置(4)が、
-洗浄液を前記ミルク輸送ライン(1)内に送達するように構成された、送達装置(5)、
-大気圧よりも高い圧力で前記ミルク輸送ライン(1)を通って前記洗浄液をポンプ輸送し、それによって前記輸送ライン(1)を洗浄液で充填するように構成された、ポンプ(6)、
-前記送達装置(5)によって前記ミルク輸送ライン(1)内に送達された洗浄液の量を測定し、かつ洗浄液が前記ミルク輸送ライン(1)を通って流れ始める時点を検出するように構成された、第1のセンサ装置(7)、
-洗浄液が前記ミルク輸送ライン(1)を通って移動した前記時点を検出するように構成された、第2のセンサ装置(8)、
-前記送達装置(5)によって前記ミルク輸送ライン(1)内に送達された前記洗浄液の量、および洗浄液が前記ミルク輸送ライン(1)を通って流れ始める時点に関する前記第1のセンサ装置(7)からの入力を受信し、かつ洗浄液が前記ミルク輸送ライン(1)を通って移動した前記時点に関する前記第2のセンサ装置(8)からの入力を受信するように構成され、かつ、前記第1および第2のセンサ装置(7、8)から受信した前記入力に基づいて、前記送達装置(5)を制御するように構成された、制御ユニット(9)、を備える、洗浄装置(4)と、を備え、
前記搾乳装置は、前記制御ユニット(9)が、前記第1および第2のセンサ装置(7、8)からの前記入力に基づいて、前記ミルク輸送ライン(1)の容積および/または長さを判定するように構成されており、それに基づいて前記送達装置(5)を制御するように構成されていることを特徴としている、搾乳装置。
【請求項2】
前記搾乳装置が、前記ミルク容器(3)に隣接する前記ミルク輸送ライン(1)に設けられたバルブデバイス(10)を備え、前記洗浄装置(4)が、前記バルブデバイス(10)から前記送達装置(5)まで延在する洗浄戻りライン(11)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の搾乳装置。
【請求項3】
前記第2のセンサ装置(8)が、洗浄液が前記ミルク輸送ライン(1)を通り、かつ前記洗浄戻りライン(11)を通って移動した時点を検出するように構成されており、前記制御ユニット(9)が、前記第1および第2のセンサ装置(7、8)からの前記入力に基づいて、前記ミルク輸送ライン(1)および前記洗浄戻りライン(11)の容積を判定するように構成されており、それに基づいて前記送達装置(5)を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の搾乳装置。
【請求項4】
前記第1のセンサ装置(7)が流量計(12)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の搾乳装置。
【請求項5】
前記送達装置(5)が、トレイ(14)を備え、トレイ(14)を介して前記洗浄液が前記ミルク輸送ライン(1)に導かれ、前記第1のセンサ装置(7)が、前記トレイ(15)に配置されたレベルメータ(15)を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の搾乳装置。
【請求項6】
前記第1のセンサ装置(7)が前記ポンプ(6)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の搾乳装置。
【請求項7】
前記第2のセンサ装置(8)が、流量計、温度センサ、または電気伝導率センサのうちのいずれかを備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の搾乳装置。
【請求項8】
前記洗浄戻りライン(11)には、ドレン分岐(16)と、前記ドレン分岐(16)を通って洗浄液を排出するために開き、または、前記ドレン分岐(16)を閉じ、かつ前記洗浄液の前記送達装置(5)への戻りのために開くように構成された、バルブ装置(17)と、が設けられており、前記制御ユニット(9)が、前記ミルク輸送ライン(1)の前記判定された容積および/または長さに基づいて前記バルブ装置(17)を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の搾乳装置。
【請求項9】
前記洗浄装置(4)がパージ装置(18)を備え、前記制御ユニット(9)が、前記ミルク輸送ライン(1)の前記判定された容積に基づいて前記パージ装置(18)を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の搾乳装置。
【請求項10】
前記制御ユニット(9)が、前記ミルク輸送ライン(1)の前記容積および/または長さのその判定を繰り返し、好ましくは、各新規洗浄シーケンスの最初に実行するように構成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の搾乳装置。
【請求項11】
前記制御ユニット(9)が、前記搾乳システムのセットアップに関連して判定された前記ミルク輸送ライン(1)の前記容積および/または長さを読み取り可能メモリに保存し、かつ前記制御ユニット(9)によって実行された前記ミルク輸送ライン(1)の前記容積および/または長さのその後の判定を、前記セットアップに関連して判定された前記ミルク輸送ライン(1)の前記容積および/または長さと比較するように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の搾乳装置。
【請求項12】
前記搾乳装置が、複数のミルク輸送ライン(1、1’)を備え、各々が、複数の搾乳ステーション(2,2’)に接続されており、かつ互いに並列に接続されており、前記洗浄装置(4)に接続されており、前記制御ユニット(9、9’)が、前記第1および第2のセンサ装置(7、8)からの入力に基づいて、各ミルク輸送ライン(1)の容積および/または長さを判定するように構成されており、前記それぞれの輸送ライン(1)の前記判定された容積および/または長さに基づいて、前記それぞれの輸送ライン(1、1’)にその洗浄中に洗浄液を送達するための前記送達装置(5)を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の搾乳装置。
【請求項13】
前記制御ユニット(9)が、複数のサブ制御ユニット(9、9’)に細分され、各ミルク輸送ライン(1、1’)が、専用化される前記ミルク輸送ライン(1、1’)の前記洗浄を制御するように構成された、それ自体の専用化された制御サブユニット(9、9’)を有することを特徴とする、請求項12に記載の搾乳装置。
【請求項14】
搾乳装置を制御する方法であって、前記装置が、
-ミルク輸送ライン(1)と、
-前記ミルク輸送ライン(1)に接続された、複数のミルクステーション(2)と、
-ミルク容器(3)であって、前記ミルク輸送ライン(1)に接続され、前記ミルクステーション(2)から前記ミルク輸送ライン(1)を介して前記ミルク容器(3)に輸送されたミルクを受容するように構成された、ミルク容器(3)と、
-液体を前記ミルク輸送ライン(1)内に導入し、かつ前記ミルク輸送ライン(1)を通って洗浄液を輸送するように構成された洗浄装置(4)であって、前記洗浄装置(4)が、
-洗浄液を前記ミルク輸送ライン(1)内に送達するように構成された、送達装置(5)、
-大気圧よりも高い圧力で前記ミルク輸送ライン(1)を通って前記洗浄液をポンプ輸送し、それによって前記輸送ライン(1)を洗浄液で充填するように構成された、ポンプ(6)、
-前記送達装置(5)によって前記ミルク輸送ライン内に送達された洗浄液の量を測定し、かつ洗浄液が前記ミルク輸送ラインを通って流れ始める時点を検出するように構成された、第1のセンサ装置(7)、
-洗浄液が前記ミルク輸送ライン(1)を通って移動した前記時点を検出するように構成された、第2のセンサ装置(8)、
-読み取り可能ストレージメモリおよびプロセッサを備える、制御ユニット(9)、を備える、洗浄装置(4)と、を備え、
前記方法が、
-前記ミルク輸送ライン内への洗浄液の送達開始の第1の時点を登録し、前記登録を前記ストレージメモリに記憶するステップ(S1)と、
-前記第1の時点で前記ミルク輸送ラインに入る前記洗浄液が、前記ミルク輸送ラインを通って移動した第2の時点を登録し、前記登録を前記ストレージメモリに記憶するステップ(S2)と、
-前記第1の時点から前記第2の時点までに、前記ミルク輸送ライン内に送達された洗浄液の量を登録し、前記登録を前記ストレージメモリに記憶するステップ(S3)と、
-前記プロセッサの手段によって、前記登録に基づいて前記ミルク輸送ラインの容積および/または長さを判定するステップ(S4)と、
-前記判定された容積および/または長さに基づいて前記送達装置(5)の動作を制御するステップ(S5)と、を含むことを特徴としている、方法。
【請求項15】
前記方法が、
-前記ミルク輸送ラインを画定する配管の内径を前記メモリに記憶するステップ(S5a)と、
-前記ミルク輸送ライン(1)に沿って配置された任意のさらなる構成要素の内部容積を前記メモリに記憶するステップであって、前記さらなる構成要素が、前記ミルク輸送ラインの洗浄中に前記洗浄液で充填される構成要素である、記憶するステップ(S5b)と、
-前記プロセッサの手段によって、前記ミルク輸送ライン(1)の前記判定された容積および/または長さに基づく前記ミルク輸送ライン(1)の前記長さ、ならびにさらなる構成要素の前記内径および前記内部容積を判定するステップ(S5c)と、
-前記ミルク輸送ラインの前記判定された長さに基づいて前記送達装置(5)の前記動作を制御するステップ(S5d)と、をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のミルクステーションを有するミルク輸送ラインと、洗浄液送達装置、大気圧を上回る圧力でミルク輸送ラインを通って洗浄液をポンプ輸送するためのポンプ、ミルク輸送ライン内に送達された洗浄液の液体量の量、およびそのような送達の開始時間を検出するためのセンサ装置、ならびにセンサ装置への入力を受信するように構成された制御ユニットを備える洗浄装置と、を備える、搾乳装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄装置の設置に関連して、洗浄装置によって繰り返し洗浄されるミルク輸送ラインの配管の長さおよび容積を知ることは大きな関心事である。ミルク輸送ラインの容積および長さを知ることにより、洗浄液および洗剤の使用量、ならび洗浄時間などの洗浄パラメータが設定される。従来技術によれば、洗浄パラメータの設定は、手動プロセスであり、そこでは、ミルク輸送ラインの長さおよび容積が、ミルク輸送ラインの既知の別個の長さの配管を互いに追加することによって概算される。このような概算に基づいて、洗浄に使用される液体量、使用される洗剤の量、ポンプ出力などの洗浄パラメータを設定する。
【0003】
しかしながら、そのようなシステムは、ミルク輸送ラインの長さ変化および漏れといったミルク輸送ラインの変化には適応しない。システムのユーザは、搾乳輸送ラインの容積と長さの手動チェックを繰り返し行うか、または、少なくともミルク輸送ラインの容積もしくは長さのわずかな変化、もしくはそこでのわずかな漏れの場合でも、十分な洗浄が可能になるように設定された洗浄パラメータに依拠するか、のいずれかを行う必要がある。したがって、そのような安全マージンを使用すると、変化が生じていない、そのような場合には、洗浄液および洗剤が過剰に使用されることになる。あるいは、時間のかかる手動測定を実行する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、搾乳装置のミルク輸送ラインの長さに関連付けられた洗浄装置の長さの手動設定、および/または動作パラメータの手動設定の必要性を排除する搾乳装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、搾乳装置の手段によって達成され、搾乳装置は、
-ミルク輸送ラインと、
-ミルク輸送ラインに接続された複数のミルクステーションと、
-ミルク容器であって、ミルク輸送ラインに接続されたミルク容器であって、ミルクステーションからミルク輸送ラインを介してミルク容器に輸送されたミルクを受容するように構成された、ミルク容器と、
-液体をミルク輸送ライン内に導入し、かつミルク輸送ラインを通って液体を輸送するように構成された洗浄装置であって、前述の洗浄装置が、
-洗浄液をミルク輸送ライン内に送達するように構成された、送達装置、
-大気圧よりも高い圧力でミルク輸送ラインを通って洗浄液をポンプ輸送し、それによって輸送ラインを洗浄液で充填するように構成された、ポンプ、
-送達装置によってミルク輸送ライン内に送達された洗浄液の量を測定し、かつ洗浄液がミルク輸送ラインを通って流れ始める時点を検出するように構成された、第1のセンサ装置、
-洗浄液がミルク輸送ラインを通って移動した時点を検出するように構成された、第2のセンサ装置、
-送達装置によってミルク輸送ライン内に送達された洗浄液の量、および洗浄液がミルク輸送ラインを通って流れ始める時点に関する第1のセンサ装置からの入力を受信し、かつ洗浄液がミルク輸送ラインを通って移動した時点に関する第2のセンサ装置からの入力を受信するように構成され、かつ前述の第1および第2のセンサ装置から受信した入力に基づいて、送達装置を制御するように構成された、制御ユニット、を備える、洗浄装置と、を備え、
前述の搾乳装置は、制御ユニットが、前述の第1および第2のセンサ装置からの前述の入力に基づいて、ミルク輸送ラインの容積および/または長さを判定するように構成されており、それに基づいて送達装置を制御するように構成されていることを特徴としている。
【0006】
特に、制御ユニットは、メモリおよびプロセッサを備える。ミルク輸送ラインを画定する配管の内径に関するデータ、およびミルク輸送ラインに沿って配置され、洗浄中に洗浄液で充填される熱交換器またはフィルタなどの可能性のあるさらなる構成要素の内部容積に関するデータが、前述のメモリに提供され、プロセッサは、前述のデータに基づいたミルク輸送ラインの長さ、ならびに前述の第1および第2のセンサ装置からの前述の入力に基づいて制御ユニットによって判定されたミルク輸送ラインの容積および/または長さを判定するように構成されている。
【0007】
一実施形態によれば、搾乳装置は、ミルク容器に隣接するミルク輸送ラインに設けられたバルブデバイスを備え、洗浄装置は、前述のバルブデバイスから送達装置まで延在する洗浄戻りラインを備える。
【0008】
一実施形態によれば、第2のセンサ装置は、洗浄液がミルク輸送ラインを通り、かつ洗浄戻りラインを通って移動した時点を検出するように構成されており、制御ユニットは、前述の第1および第2のセンサ装置からの前述の入力に基づいて、ミルク輸送ラインおよび洗浄戻りラインの容積および/または長さを判定するように構成されており、それに基づいて送達装置を制御するように構成されている。
【0009】
一実施形態によれば、第1のセンサ装置は、流量計を備える。
【0010】
一実施形態によれば、送達装置は、トレイを備え、それを介して洗浄液がミルク輸送ラインに導かれ、第1のセンサ装置が、前述のトレイに配置されたレベルメータを備える。
【0011】
一実施形態によれば、第1のセンサ装置は、ポンプを備える。
【0012】
一実施形態によれば、第2のセンサ装置は、流量計、温度センサ、または電気伝導率センサのうちのいずれかを備える。
【0013】
一実施形態によれば、洗浄戻りラインには、ドレン分岐と、ドレン分岐を通って洗浄液を排出するために開き、または、ドレン分岐を閉じ、かつ洗浄液の送達装置への戻りのために開くように構成された、バルブ装置と、が設けられており、制御ユニットは、ミルク輸送ラインの判定された容積および/または長さに基づいて前述のバルブ装置を制御するように構成されている。
【0014】
一実施形態によれば、洗浄装置は、パージ装置を備え、制御ユニットは、ミルク輸送ラインの判定された容積および/長さに基づいて前述のパージ装置を制御するように構成されている。
【0015】
一実施形態によれば、制御ユニットは、ミルク輸送ラインの容積および/または長さのその判定を繰り返して実行し、好ましくは、各新規洗浄シーケンスの最初に実行するように構成されている。
【0016】
制御ユニットは、搾乳システムのセットアップに関連して判定されたミルク輸送ラインの容積および/または長さを読み取り可能メモリに保存し、かつ制御ユニットによって実行されたミルク輸送ラインの容積および/または長さのその後の判定を、前述のセットアップに関連して判定されたミルク輸送ラインの容積および/または長さと比較するように構成されている。制御ユニット9のプロセッサは、後で判定された容積および/または長さと、セットアップに関連して判定されたミルク輸送ラインの容積および/または長さとの間の差が所定の値を上回る場合に警告を発するように構成されている。
【0017】
一実施形態によれば、搾乳装置は、複数のミルク輸送ラインを備え、各々が、複数の搾乳ステーションに接続されており、かつ互いに並列に接続されており、洗浄装置に接続されており、制御ユニットが、前述の第1および第2のセンサ装置からの入力に基づいて、各ミルク輸送ラインの容積および/または長さを判定するように構成され、かつ、それぞれのミルク輸送ラインの判定された容積および/または長さに基づいて、それぞれの輸送ラインにその洗浄中に洗浄液を送達するための送達装置を制御するように構成されている。
【0018】
一実施形態によれば、制御ユニットは、複数のサブ制御ユニットに細分され、各ミルク輸送ラインが、専用化されるミルク輸送ラインの洗浄を制御するように構成された、それ自体の専用化されたサブ制御ユニットを有する。
【0019】
本発明の目的はまた、搾乳装置を制御する方法の手段によって達成され、前述の装置は、
-ミルク輸送ラインと、
-ミルク輸送ラインに接続された複数のミルクステーションと、
-ミルク容器であって、ミルク輸送ラインに接続されたミルク容器であって、ミルクステーションからミルク輸送ラインを介してミルク容器に輸送されたミルクを受容するように構成されたミルク容器と、
-液体をミルク輸送ライン内に導入し、かつミルク輸送ラインを通って液体を輸送するように構成された洗浄装置であって、前述の洗浄装置が、
-洗浄液をミルク輸送ライン内に送達するように構成された、送達装置、
-大気圧よりも高い圧力でミルク輸送ラインを通って洗浄液をポンプ輸送し、それによって輸送ラインを洗浄液で充填するように構成された、ポンプ、
-送達装置によってミルク輸送ライン内に送達された洗浄液の量を測定し、かつ洗浄液がミルク輸送ラインを通って流れ始める時点を検出するように構成された、第1のセンサ装置、
-洗浄液がミルク輸送ラインを通って移動した時点を検出するように構成された、第2のセンサ装置、
-読み取り可能ストレージメモリおよびプロセッサを備える、制御ユニット、を備える、洗浄装置と、を備え、
前述の方法は、
-ミルク輸送ライン内への洗浄液の送達開始の第1の時点を登録し、前述の登録を前述のストレージメモリに記憶するステップ、
-第1の時点でミルク輸送ラインに入る洗浄液が、ミルク輸送ラインを通って移動した第2の時点を登録し、前述の登録を前述のストレージメモリに記憶するステップ、
-第1の時点から第2の時点までに、ミルク輸送ライン内に送達された洗浄液の量を登録し、前述の登録を前述のストレージメモリに記憶するステップ、
-前述のプロセッサの手段によって、前述の登録に基づいて、ミルク輸送ラインの容積および/または長さを判定し、判定された容積および/または長さに基づいて、送達装置の動作を制御するステップ、を含むことを特徴とする。
【0020】
一実施形態によれば、本方法は、
-ミルク輸送ラインを画定する配管の内径を前述のメモリに記憶するステップと、
-ミルク輸送ラインに沿って配置された任意のさらなる構成要素の内部容積および/または長さを前述のメモリに記憶するステップであって、さらなる構成要素が、ミルク輸送ラインの洗浄中に洗浄液で充填される構成要素である、記憶するステップと、
-前述のプロセッサの手段によって、ミルク輸送ラインの判定された容積および/または長さに基づくミルク輸送ラインの長さ、ならびにさらなる構成要素の前述の内径および前述の内部容積を判定し、ミルク輸送ラインの判定された長さに基づいて送達装置の動作を制御するステップと、をさらに含む。
【0021】
図面の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】本発明による代替的な実施形態の搾乳システムの概略図である。
【
図3】本発明による方法の一実施形態を示すフロー図である。
【
図4】本方法の代替的な実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、ミルク輸送ライン1と、ミルク輸送ライン1に接続された複数のミルクステーション2と、を備える搾乳装置を示している。ミルクステーション2がそれに沿って配置されているミルク輸送ライン1の部分は、100メートルを超える長さを有し得る一方で、ミルク輸送ラインの残りの部分は、実質的により短くなっている。
【0024】
搾乳装置は、ミルク容器3をさらに備え、これは、ミルク輸送ライン1に接続され、ミルクステーション2からミルク容器3へミルク輸送ライン1を介して輸送されたミルクを受容するように構成されている。
【0025】
搾乳装置はまた、液体をミルク輸送ライン1に導入し、かつミルク輸送ライン1を通って液体を輸送するように構成された洗浄装置4を備える。
【0026】
洗浄装置4は、洗浄液をミルク輸送ラインに送達するように構成された送達装置5と、大気圧よりも高い圧力で洗浄液をミルク輸送ライン1にポンプ輸送し、それによって輸送ライン1を洗浄液で充填するように構成されたポンプ6と、を備える。ポンプ6によって生成される圧力は、洗浄液のカラムが、それが通過する配管を完全に満たし、洗浄シーケンスの開始時に、ミルク輸送ライン1を通って前進するようなものでなければならない。ポンプ6は、好ましくは遠心ポンプであり得る。
【0027】
第1のセンサ装置7も提供されており、送達装置5によってミルク輸送ライン1内に送達された洗浄液の量を測定し、かつ洗浄液がミルク輸送ライン1を通って流れ始める時点を検出するように構成されている。
【0028】
第1のセンサ装置に加えて、洗浄液がミルク輸送ライン1を通って移動した時点を検出するように構成された第2のセンサ装置8もある。
【0029】
さらに、送達装置5によってミルク輸送ライン1内に送達された洗浄液の量、および洗浄液がミルク輸送ライン1を通って流れ始める時点に関する第1のセンサ装置7からの入力を受信するように構成された制御ユニット9が設けられている。制御ユニット9は、1つ以上の物理的実体を備え得、読み取り可能メモリならびにプロセッサを備え得る。
【0030】
制御ユニット9はまた、洗浄液がミルク輸送ライン1を通って移動した時点に関する第2のセンサ装置からの入力を受信するように構成されている。
【0031】
制御ユニット9は、前述の第1のセンサ装置7および第2のセンサ装置8からの前述の入力に基づいて、ミルク輸送ライン1の容積および/または長さを判定するように構成されており、そのような入力に基づいて送達装置5を制御するように構成されている。
【0032】
制御ユニット9は、ミルク輸送ラインの容積および/または長さを繰り返して、好ましくは洗浄シーケンスが開始されるたびに判定するように構成され得る。
【0033】
したがって、例えば、ミルク輸送ライン1に沿った漏れによって引き起こされた、前述の洗浄シーケンスからの判定された容積および/または長さの逸脱が検出され得、制御ユニットは、好ましくは、そのような逸脱があると、ユーザに警告を与えるように構成されている。制御ユニット9は、搾乳システムのセットアップに関連して制御ユニット9によって判定されたミルク輸送ラインの容積および/または長さを読み取り可能メモリに記憶し、かつ制御ユニット9によって実行された後の判定を上述のセットアップに関連して判定されたミルク輸送ラインの容積および/または長さと比較するように構成されている。制御ユニット9のプロセッサは、後で判定された容積および/または長さと、セットアップに関連して判定されたミルク輸送ラインの容積および/または長さとの間の差が所定の値を上回る場合に警告を発するように構成されている。
【0034】
搾乳装置は、ミルク容器3に隣接するミルク輸送ライン1に設けられたバルブデバイス10をさらに備え、洗浄装置4は、前述のバルブ10デバイスから送達装置5まで延在する洗浄戻りライン11を含む。
【0035】
第2のセンサ装置8は、洗浄液がミルク輸送ライン1通って、かつ、洗浄戻りライン11を通って移動した時点を検出するように構成されている。制御ユニット9は、前述の第1のセンサ装置7および第2のセンサ装置8からの前述の入力に基づいて、ミルク輸送ライン1および洗浄戻りライン11の容積および/または長さを判定するように構成されている。洗浄液戻りライン11の内部容積および長さは、通常、ミルク輸送ライン1の内部容積および長さよりも実質的に短い。ミルク輸送ライン1の長さは、洗浄戻りライン11よりも10倍以上長くなり得る。通常、ミルク輸送ライン1は、100メートルを上回る長さを有する。洗浄戻りラインの容積および長さは、制御ユニット9の読み取り可能メモリに記憶された事前設定されたデータであり得る。したがって、第2のセンサ装置が配置されている場所に応じて、制御ユニット9は、ミルク輸送ラインの容積および/または長さを判定するときに洗浄液戻りライン11の容積を考慮に入れるように構成され得る。
【0036】
図1に示される実施形態では、第1のセンサ装置7は、水源(図示せず)に接続された送達ライン13に設けられた流量計12を備える。
【0037】
しかしながら、流量計は、代替として、ポンプ6によって具現化され得、ポンプ6は、それを通って流れる液体量を測定するように構成されている。
【0038】
ポンプ6の始動はまた、洗浄液がいつミルク輸送ライン1に流入し始めたかを示す第1の時点の表示であり得る。ポンプ6とミルク輸送ライン1との間の所定の内部容積の配管(以下、さらなる配管と称される)の距離がある場合、そのようなさらなる配管の容積は、制御ユニット9のストレージメモリ内の事前設定されたデータであり得、制御ユニット9は、ミルク輸送ライン1の容積および/または長さを判定するときに、そのようなさらなる配管の容積を考慮に入れるように構成され得る。
【0039】
送達装置5は、トレイ14を備え、それを介して送達ライン13からの洗浄液がミルク輸送ライン1に導かれる。第1のセンサ装置7はまた、前述のトレイ14に接続して配置されたレベルメータ15を備え、レベルメータ15は、送達ライン13に配置された流量計12を補助する。
【0040】
第2のセンサ装置8は、いつ洗浄液の前面が、そのセンサの位置に到達したかを検出することができるセンサを備える。例示的な実施形態では、第2のセンサ装置は、温度センサを備える。センサ装置8はまた、センサが洗浄液の前面を検出する時点を認識する時間カウンタを備える。
【0041】
洗浄戻りライン11には、ドレン分岐16と、ドレン分岐16を介して洗浄液を排出するために開くように、または、ドレン分岐16を閉じるように、かつ洗浄液を送達装置5のトレイ14に戻すために開くように構成された、バルブ装置17と、が設けられている。制御ユニット9は、ミルク輸送ライン1の判定された容積および/または長さに基づいて、前述のバルブ17装置を制御するように構成されている。
【0042】
搾乳装置は、残留液体がないようにミルク輸送ラインを吹き飛ばすように構成されたパージ装置18を含み、制御ユニット9は、ミルク輸送ライン1の判定された容積および/または長さに基づいて前述のパージ装置18を制御するように構成されている。
【0043】
ミルク輸送ライン1を画定する配管の内径に関するデータ、およびミルク輸送ライン1に沿って配置され、洗浄中に洗浄液で充填された熱交換器20またはフィルタ21などの可能性のあるさらなる構成要素の内部容積に関するデータが制御ユニット9のメモリに提供されており、プロセッサは、前記データに基づいたミルク輸送ライン1の長さ、および前述の第1のセンサ装置7および第2のセンサ装置8からの前述の入力に基づいた制御ユニットによって判定されたミルク輸送ライン1の容積および/または長さを判定するように構成されている。
【0044】
図2は、一実施形態を示し、そこでは、搾乳装置が、複数の、この場合は2つのミルク輸送ライン1、1’を備え、各々が、複数の搾乳ステーション2、2’に接続されており、洗浄装置4との関係で、互いに並行に接続されており、洗浄装置4に接続されている。
【0045】
制御ユニットは、複数のミルク輸送ライン1、1’のうちの各々に1つずつ、制御サブユニット9、9’に細分されている。各制御サブユニット9、9’は、前述の第1の装置7および第2の装置8からの入力に基づいて、それぞれのミルク輸送ライン1、1’の容積および/または長さを判定するように構成されている。各制御サブユニット9、9’は、それぞれの輸送ライン1、1’の判定された容積および/または長さに基づいて、その洗浄中にそれぞれの輸送ライン1、1’に洗浄液を送達するための送達装置5を制御するように構成される。各ミルク輸送ライン1、1’は、専用のパージ装置18、18’を有する。各ミルク輸送ライン1、1’は、専用のバルブ装置10、10’を介して、ミルクタンク3および戻りライン11に個別に選択的に接続できる。洗浄装置4は、それぞれのバルブ19、19’を介して、それぞれのミルク輸送ライン1、1’に選択的に接続可能である。したがって、個々のミルク輸送ラインは、別のミルク輸送ラインが、そのミルクステーションからミルクを収穫し、それをミルクタンク3に送達している間に、洗浄装置4によって洗浄され得る。
【0046】
図3は、
図1に示される搾乳装置に、または
図2に示される搾乳装置内のミルク輸送ライン1、1’、1”のうちの各々に適用されるような本発明による方法の実施形態を示すフロースキームを示している。
【0047】
本方法は、
S1:第1のセンサ装置7の手段によって、ミルク輸送ラインへの洗浄液の送達開始の第1の時点を登録し、前述の登録を前述のストレージメモリに記憶するステップと、
S2:第2のセンサ装置8の手段によって、第1の時点でミルク輸送ラインに入る洗浄液がミルク輸送ラインを通って移動した第2の時点を登録し、前述の登録を前述のストレージメモリに記憶するステップと、
S3:第1のセンサ装置7の手段によって、第1の時点から第2の時点までに、ミルク輸送ライン1内に送達された洗浄液の量を登録し、前述の登録を前述のストレージメモリに記憶するステップと、
S4:制御ユニット9(または
図2に示される実施形態にある、それぞれの制御サブユニット)の前述のプロセッサの手段によって、前述の登録に基づいてミルク輸送ライン1の容積および/または長さを判定するステップと、
S5:判定された容積および/または長さに基づいて送達装置5の動作を制御するステップと、を含む。
【0048】
本方法は、
図4に示す代替案として、
図3のステップS5を置き換える以下のステップを含み得、それらは、
S5a:ミルク輸送ライン1を画定する配管の内径を制御ユニット9のメモリに記憶するステップと、
S5b:ミルク輸送ライン1に沿って配置された任意のさらなる構成要素の内部容積を制御ユニット1の前述のメモリに記憶するステップであって、さらなる構成要素が、ミルク輸送ラインの洗浄中に洗浄液で充填される構成要素である、記憶するステップと、
S5c:前述のプロセッサの手段によって、ミルク輸送ライン1の判定された容積および/または長さに基づくミルク輸送ライン1の長さ、ならびにさらなる構成要素の前述の内径と前述の内部容積を判定するステップと、
S5d:制御ユニット9の手段によって、ミルク輸送ライン1の判定された長さに基づいて送達装置5の動作を制御するステップ、である。
【国際調査報告】