(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】バングホルダを備えたバング穿孔機
(51)【国際特許分類】
A22B 5/00 20060101AFI20230508BHJP
A22C 17/14 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
A22B5/00
A22C17/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557707
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2021058266
(87)【国際公開番号】W WO2021198237
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522373323
【氏名又は名称】マレル・レッド・ミート・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Marel Red Meat B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ハイニンク,マールテン クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】ウーフィング,アルノ ヘルマヌス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヒーゼナール,ヤープ ベルナルドゥス
(57)【要約】
本発明は、肛門開口部および直腸端の周囲を切断することにより動物の枝肉の肛門開口部および直腸端を切り落とすためのバング穿孔機を提供するものであり、バング穿孔機は、開口した切断端を有する縦長の穿孔チューブと、穿孔チューブ内の中央に位置するマンドレルと、穿孔チューブ内に位置しマンドレルを取り囲むバングホルダと、を含む。枝肉の肛門開口部および直腸端の周囲を切り落とすとき、皮表面および肉表面が糞便によって汚染されることが問題となる。穿孔チューブ内に配置されるバングホルダは、肛門開口部周辺の皮表面に保持力を提供し、腸から出る糞便を受け止める容積を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肛門開口部および直腸端の周囲を切断することにより、枝肉の肛門開口部および直腸端を切り落とすためのバング穿孔機(1)であって、
外部との相対的な圧力差を保持することができ、開口した切断端(18)を有する縦長の穿孔チューブ(11)と、
穿孔チューブ(11)内の中央に位置するマンドレル(12)と、
穿孔チューブ(11)内に位置し、マンドレル(12)の少なくとも一部を取り囲むバングホルダ(13)と、
を含むバング穿孔機。
【請求項2】
バングホルダは、枝肉の外側に係合可能な保持手段(14)を有する、
請求項1に記載のバング穿孔機。
【請求項3】
バングホルダは、マンドレルの周りを回転することが可能である、及び/又はナイフに対して回転することが可能である、
請求項1又は2に記載のバング穿孔機。
【請求項4】
バングホルダは、穿孔チューブ内で軸方向にスライドできる、又はバングホルダとマンドレルは、穿孔チューブ内で軸方向に一緒にスライドできる、
請求項1~3のいずれか1つに記載のバング穿孔機。
【請求項5】
バングホルダの一部がマンドレルと接触し、バングホルダは、バングホルダの内側に第1の容積(21)を画定する、
請求項1~4のいずれか1つに記載のバング穿孔機。
【請求項6】
マンドレルは中空の円形チューブであり、少なくとも、マンドレルの先端から、バングホルダがマンドレルと接触するところまでの領域の部分に、開口部(15)を含む、
請求項1~5のいずれか1つに記載のバング穿孔機。
【請求項7】
マンドレルの内部から、及び/又は穿孔チューブの内部から、及び/又はバングホルダの内部から空気を吸引することが可能な吸引手段をさらに含む、
請求項1~6のいずれか1つに記載のバング穿孔機。
【請求項8】
少なくとも1つの空気バルブ(29)が、バングホルダ内の第1の容積(21)と穿孔チューブ内の第2の容積(20)との間でバングホルダ内に配置される、
請求項1~7のいずれか1つに記載のバング穿孔機。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つに記載されるバング穿孔機で肛門開口部および直腸端の周囲を切断することにより、動物の枝肉の肛門開口部および直腸端の周囲を切り落とす方法であって、
マンドレルの先端を動物の枝肉の肛門開口部および直腸端に進入させるステップと、
バングホルダと枝肉の肛門開口部周囲の皮との間に接触を生じさせるステップと、
穿孔チューブの切刃で肛門開口部の周囲と直腸端の一部を穿孔するステップと、
少なくとも穿孔中に、第1の容積から第2の容積に糞便が入り込まないようにしながら、バングホルダの内部に第1の容積を作り、穿孔チューブの内部とバングホルダの外部に第2の容積を作るステップと、
を含む方法。
【請求項10】
真空は、マンドレルの内部で、及び/又は穿孔チューブ内の第2の容積で、及び/又はバングホルダ内の第1の容積で作られる、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
マンドレルからのみ空気を吸引することにより、真空は、マンドレルの内部で、バングホルダ内の第1の容積で、および穿孔チューブ内の第2の容積で作られる、
請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
バング穿孔システムであって、
少なくとも1つの産業用マニピュレータを有するロボットと、
少なくとも1つの産業用マニピュレータに接続された、請求項1~8のいずれか1つに記載される少なくとも1つのバング穿孔機と、
肛門開口部の外側の領域における枝肉の画像データを取得するための少なくとも1つのビジョンシステムと、
得られた画像データを処理するための、および画像データを含む情報に基づいて制御情報を計算するように構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサから少なくとも制御情報を取得し、少なくとも1つの産業用マニピュレータ及び少なくとも1つのバング穿孔機を制御して少なくとも1つの動物の枝肉を処理するように構成された少なくとも1つの制御装置と、
を含むシステム。
【請求項13】
産業用マニピュレータは、少なくとも2自由度で動作することが可能なロボットである、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
使用後にバング穿孔機を洗浄するための少なくとも1つの洗浄キャビネットを含む、
請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの洗浄キャビネットは、少なくとも1つの産業用マニピュレータに接続されている、
請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豚などの動物の枝肉(carcass)のバング(bung:栓)又は直腸端の周囲を穿孔して解放するためのバング穿孔機(driller)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屠殺された動物、例えば豚の枝肉を処理するとき、糞便のような胃や腸にある物質で肉が汚染されるリスクを回避するか著しく低減させることが重要である。肛門開口部の皮への腸の付着は切断されてもよく、腸の端(直腸端)は、内臓が完全に解放されて枝肉から除去されるまでの枝肉のさらなる処理中は、例えば閉鎖されるなどの対策がされ得る。バング穿孔機を使用して、肛門開口部の周囲の皮及びその下の構造を切断することができる。
【0003】
バング穿孔機は、穿孔チューブ(drilling tube)の先端に切刃を含んでもよく、マンドレルが穿孔チューブ内の中央に配置される。機能するとき、マンドレルの先端は、バング(肛門開口部と直腸の一部)に入れられ、切刃が肛門開口部と直腸端の周りを切断する。バング穿孔機には様々なタイプが存在する。
【0004】
WO2013119106(A1)には、直腸切断装置が記載されており、この装置は、担持部材に回転可能に取り付けられた切断部材を含み、この切断部材は、内部空間を囲み、切断縁を備えた上端を有する円筒壁部と、その自由端が切断縁を超えて到達する円筒壁部内に同軸に配置されたセンタリングマンドレルと、切断部材を搬送部材に対して回転させる回転駆動手段と、切断部材の内部空間内に軸方向に移動可能な排出部材と、排出部材を軸方向に移動させる排出駆動手段とを有し、切断部材の内部空間を真空にする吸引手段と、を含む。切断ステップでは、切断部材が起動し、直腸端部の周囲の組織を切断するように回転駆動する。この過程で、搬送部材は、切断部材を組織内により深く移動させるように移動する。切断中、吸引手段は切断部材の内部空間部を真空に保ち、この真空は可撓性膜を通過して吸引される空気により外側内部空間部へ移送される。直腸端部の切断されて切り離された部分は、それによって内部空間の外側部分へ吸引される。この切断工程は、直腸端部がその全長にわたって切断されて切り離されるまで継続される。
【0005】
先行技術のバング穿孔プロセスにおける真空は、ナイフが皮に切り込むことができるように、切断装置内の皮に保持力を与えるために用いられ、これにより、穿孔チューブが皮に切り込む代わりに皮を押すことを回避している。しかし、真空効果により、肛門が開かれたり、裏返ったりして、糞便が直腸から放出され、肛門周囲の皮に接触し、そこから微生物が拡散する可能性がある。これにより、食肉が汚染されるリスクが高まる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態の目的は、特に、肛門開口部の内側が裏返ることを減らすなどにより、汚染のリスクを減らすための改良されたバング穿孔装置を提供することである。本発明の実施形態のさらなる目的は、枝肉からバングを切り離す改良された方法を提供することである。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、肛門開口部および直腸端の周囲を切断することにより、枝肉の肛門開口部および直腸端を切り落とすためのバング穿孔機に関するものであり、このバング穿孔機は、以下を含む。
- 外部との相対的な圧力差を保持することができ、開口した切断端を有する縦長の穿孔チューブと、
- 穿孔チューブ内の中央に位置するマンドレルと、
- 穿孔チューブ内に位置し、マンドレルの少なくとも一部を取り囲むバングホルダ。
【0008】
枝肉は、任意の動物のものであってよく、好ましくは食肉処理場で屠殺されたものである。動物は、例えば、豚、家禽、雄牛/雌牛、山羊、羊などであってもよい。好ましくは、バング穿孔機は豚の枝肉用である。
【0009】
穿孔チューブは、外部との相対的な圧力差を保持することができ、これは、穿孔チューブが枝肉と接触したときに、穿孔チューブの内部と外部の容積に圧力差が生じ、そのような圧力差を保持することができることを意味している。このような圧力差を確立するために、穿孔チューブは、チューブ本体(チューブ壁)に開口部又は切開部がないことを意味する、「無傷」又は気密であってもよいが、穿孔チューブの壁に小さい開口部又は切開部が存在しても、穿孔チューブが外部に対する圧力差を保持できる場合があり、そのような切開部は切刃に位置し得て、切刃をより効果的にする。圧力差は、例えば、穿孔チューブの内部を真空にすれば得られ得る。圧力差を保持できることで、穿孔チューブは、汚染物が穿孔チューブ内の容積から出ないようにすることが可能な容積を定義することもできる。
【0010】
穿孔チューブの前端部において、切断端は、好ましくは、鋸歯でないなど、無傷又は破損していない環状の切刃を含む。
【0011】
一実施形態において、バングホルダは、マンドレルの周りで円形又はカップ形状であり、全体の外径が穿孔チューブの内径よりも小さい。さらなる実施形態では、バングホルダの外径と穿孔チューブの内径との間に空間があり、これにより、一方の側でマンドレルの一部とともにバングホルダの外側と、他方の側で穿孔チューブの内側との間に空間ができる。好ましい実施形態では、バングホルダは、その全表面にわたって穿孔チューブの内側に向かう開口部がない。バングホルダは、穿孔チューブの開口した切断端に向かう領域において開口している。バングホルダは、好ましくは、穿孔チューブの内部の残りの容積とは別の内部容積を設け、それによって、想定される汚染物質を取り囲むことができる2つの異なる容積を提供し、特にバングホルダ内部の容積から穿孔チューブの内部への汚染物質の拡散を減少させることができる。
【0012】
一実施形態では、バングホルダは、枝肉の外側に係合可能な保持手段を有する。保持手段は、カップ状のバングホルダの端部、すなわちバングホルダの閉じた部分と開いた部分との間に配置されてもよい。バングホルダの保持手段は、枝肉の外側、すなわち枝肉の肛門開口部周辺の皮領域と係合可能である。バングホルダの保持手段は、バング穿孔機が皮に、そして穿孔工程が皮表面に回転力を与える枝肉に穿孔する際に、皮が回転しないように皮を保持することが可能である。保持手段の他の機能は、例えば、穿孔中に穿孔チューブ内に真空が作られ得る場合に、枝肉の肛門開口部が裏返らないようにすることである。それにより、少なくとも糞便の大部分は直腸内に保持される。別の実施形態では、バングホルダの保持手段は、枝肉の皮表面と係合可能な歯又は他の構造を含む。歯の機能は、皮の良好なグリップを得ることであり、良好なグリップを得るための任意の切断を除いて、皮に切り込まないことである。歯は、枝肉の皮と係合するのに適した任意の形状、例えば、尖った形状を有していてもよい。
【0013】
一実施形態では、バングホルダは、マンドレルの周りを回転するように構成されている。別の実施形態では、バングホルダは、穿孔チューブ内で軸方向にスライドすることができる。バングホルダは、好ましくは、穿孔チューブに対して回転することができ、穿孔プロセス中に非回転とすることができる。好ましい実施形態では、バングホルダとマンドレルは、穿孔チューブ内で軸方向にスライドできるように接続されている。これにより、バングホルダはマンドレルの長手方向に沿って固定位置に配置され得るが、バングホルダは依然としてマンドレルの周りをスライドすることができる。
【0014】
一実施形態において、バングホルダは、穿孔チューブの内側に向かって気密であり、これにより、バングホルダは、バングホルダの内側に第1の容積を画定し、この第1の容積は、保持手段が枝肉の外側と係合するときに閉じた容積となり得る。したがって、バング穿孔機は、枝肉皮の外側、マンドレルの外側、およびバングホルダの内側の間に位置する第1の容積を備えて構成することができる。この第1の容積は、肛門開口部のすぐ外側のマンドレルと肛門開口部を囲む枝肉皮の一部を取り囲む。バング穿孔機の一実施形態では、円形のマンドレルは、穿孔チューブの開放端に向かって又はその領域に位置する閉鎖端又は先端を有するロッド又はチューブである。マンドレルは、閉じた端部又は先端部が穿孔チューブの内側又は穿孔チューブの前に位置するように、穿孔チューブに沿って軸方向に移動することができる。別の実施形態では、マンドレルは中空であり、例えばマンドレルの閉鎖端と穿孔チューブの内側に向かって境界を構成するバングホルダの部分との間の領域などの、例えばマンドレルの閉鎖端とバングホルダの間の領域などの、閉鎖端の領域に開口部を有し、開口部は、マンドレルに沿って及び/又はバングホルダの第1の容積の内部に位置し得る。一実施形態では、マンドレルは、非充填又は開放された内部容積と、閉鎖端に向かう領域の少なくとも一部で開口部とを有する。マンドレルの最も外側の端部又は先端部、例えば最も外側の0.5cm、1cm、1.5cm、又は2cm内には開口部が配置されないことが好ましい。
【0015】
バング穿孔機の一実施形態では、マンドレルは、バング穿孔機が機能しているときに、バングホルダの第1の容積内及び/又は穿孔チューブの第2の容積内を真空にするために吸引手段に接続されている。第2の容積は、バングホルダの外側と穿孔チューブの内側、すなわちバングホルダと穿孔チューブの間の容積である。第2の容積内の真空は、穿孔チューブの内側の吸引手段によって行われることもある。吸引手段は、マンドレルの内部及び/又は穿孔チューブの内部及び/又はバングホルダの内部から空気を吸引することができ、その結果、真空を作り出すことができる。
【0016】
空気バルブは、バングホルダ内の第1の容積と穿孔チューブ内の第2の容積との間でバングホルダ内に配置されてもよい。このような空気バルブは、例えば汚染物質を含む空気を第1の容積から第2の容積に吸引させることができ、又は第2の容積からマンドレルの内部容積に吸引させることができる。バングホルダに配置された空気バルブを通る空気の流れ方向は、マンドレルに接続されてマンドレル内部の容積から空気を吸引する吸引手段又は穿孔チューブに接続されて第2の容積から空気を吸引する吸引手段の位置により決定されてもよい。
【0017】
一実施形態では、マンドレルの開口部は、これらがバングホルダの内側に位置する領域、すなわち第1の容積に位置し、処理する枝肉の腸又は直腸端に向けられる領域に位置するように作られる。好ましくは、マンドレルの外側の先端は、開口部を含まない。
【0018】
一実施形態では、開口部は、マンドレルの周りのリング状の位置に配置されるなど、マンドレルの領域に沿って配置される。開口部は、マンドレルに沿って、例えば前端に近い領域に配置されてもよく、開口部を有するリング状位置の、例えば4~8、例えば5~7などの、2~10に、例えば6つのリング状位置に存在してもよい。各リング状位置は、4~8個の開口部、例えば6個の開口部を含んでもよい。開口部の大きさは、処理する枝肉の種類に応じて決定することができる。腸又は直腸の端部の把持効果は、真空が確立されたときに得られ、バングホルダ内すなわち第1の容積内の真空もまた形成され得る。
【0019】
動物の枝肉を処理するためのバング穿孔機は、当業者に知られている。このため、当業者は、バング穿孔機の異なるユニットの材料は、好ましくは、屠殺場での使用が承認された金属などの材料であり、材料は、各使用後など、頻繁に洗浄することが可能であることを承知している。バング穿孔機の、ベアリングなどの部品やユニットは、高分子材料で作られてもよい。バング穿孔機の全体的なデザインおよび機能は既知であり、ここで説明する必要はない。
【0020】
本発明の第2の態様は、本明細書に記載されるようなバング穿孔機で肛門開口部および直腸端の周囲を切断して動物の枝肉の肛門開口部および直腸端の周囲を切り落とす方法に関し、本方法は以下の工程を含む。
- マンドレルの先端を動物の枝肉の肛門開口部および直腸端に進入させるステップと、
- バングホルダと枝肉の肛門開口部周囲の皮との間に接触を生じさせるステップと、
- 穿孔チューブの切刃で肛門開口部の周囲と直腸端の一部を穿孔するステップと、
- 少なくとも穿孔中に、第1の容積から第2の容積に糞便が入り込まないようにしながら、バングホルダの内部に第1の容積を作り、穿孔チューブの内部とバングホルダの外部に第2の容積を作るステップ。
【0021】
好ましい実施形態において、本方法は、本明細書に記載されるようなバング穿孔機によって実行されてもよい。より好ましい実施形態では、バング穿孔機は、マンドレルの内部から、及び/又は穿孔チューブの内部から、及び/又はバングホルダの内部から空気を吸引することができる吸引手段を含む。より好ましい態様では、空気は、第1の容積から第2の容積へ、又は第1の容積からマンドレルの内部へ吸引される。さらに好ましい方法は、吸引手段がマンドレルの容積のみから空気を吸引する方法であり、この容積は第1の容積及び/又は第2の容積と接触している。本明細書に記載されたバング穿孔機の異なる機能は、図面の説明において説明される通りである。
【0022】
一実施形態では、バング穿孔機の機能は、バング穿孔機の内部で真空を作ることがない。この方法の別の実施形態では、真空が、穿孔チューブ内の第2の容積で作られる。この方法のさらなる実施形態では、真空は、バングホルダ内の第1の容積で作られる。好ましくは、マンドレルの内部容積を真空にすることによって、第1の容積を真空にする。この方法の別の実施形態では、第1の容積と第2の容積で真空が作られる。
【0023】
本方法の一実施形態では、切断された直腸端は、落下させるか、又は他の方法で枝肉の内側に送られる。
【0024】
方法の一実施形態では、肛門開口部および直腸端が切り離され、真空は、バングホルダ内の第1の容積及び/又は第2の容積に保持される。これにより、直腸端部は穿孔チューブ内に保持され、直腸端部を保持するバング穿孔機は枝肉から取り外すことができ、直腸端部は、閉鎖材料で包むなど、さらなる処理のために枝肉の外側及び近くの場所に送ることができる。
【0025】
本発明の第3の態様は、以下を備えるバング穿孔システムに関する。
- ロボットアームなどの少なくとも1つの産業用マニピュレータを有するロボットと、
- 少なくとも1つの産業用マニピュレータに接続された本明細書に記載の少なくとも1つのバング穿孔機と、
- 肛門開口部の外側の領域における枝肉の画像データを取得するための少なくとも1つのビジョンシステムと、
- 得られた画像データを処理するための、および画像データを含む情報に基づいて制御情報を計算するように構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
- 少なくとも1つのプロセッサから少なくとも制御情報を取得し、少なくとも1つのロボットアームなどの少なくとも1つの産業用マニピュレータ及び少なくとも1つのバング穿孔機を制御して動物の枝肉を処理するように構成された少なくとも1つの制御装置。
【0026】
異なるアイテムが、例えばロボット、産業用マニピュレータ、ロボットアーム、ビジョンシステム、プロセッサおよび制御装置として、バング穿孔システムに含まれ得る。当業者は、このような異なるシステム、及び画像データを取得し、このようなデータを処理し、ロボット又はロボットアームを制御して、本明細書に記載されているように動物の枝肉をバング穿孔機で処理するシステムを構成するためにそれらの異なるシステムを接続するべき方法について知っている。産業用マニピュレータが動作可能な軸の数又は自由度は、例えば、システムが肛門開口部の位置を特定し始めてから穿孔工程後にバング穿孔機が取り外されるまでの工程中に、例えば動物の枝肉が輸送中であるか否かに応じて設定され得る。したがって、産業用マニピュレータは、セットアップに依存して、1、2、3、4、5、6である自由度の数で動作する産業用マニピュレータであってもよい。好ましいのは、少なくとも2自由度、例えば、少なくとも4自由度である。
【0027】
画像データから、例えば肛門開口部、尾部、性別などの位置や大きさに関する情報などの異なる情報を得ることが可能であり、これらの情報は画像処理に含まれ、それに基づいて、肛門開口部の周りを切断するためにバング穿孔機をどこに配置すべきか、産業用マニピュレータをどう制御すべきかを計算することが可能である。
【0028】
システムの一実施形態において、産業用マニピュレータは、例えば3自由度、例えば6軸ロボットマニピュレータであるような、例えば5自由度で機能することが可能であってもよい。
【0029】
システムの一実施形態では、システムは、使用後にバング穿孔機を洗浄するための少なくとも1つの洗浄キャビネットを含む。好ましくは、そのような洗浄キャビネットは、水接続部、石鹸アプリケータ、加熱装置及び/又は乾燥装置を含む。水は、水接続部を介して温水に接続して適用されてもよく、これにより加熱装置および石鹸アプリケータは、洗浄キャビネットの外側に配置されてもよい。当業者は、食肉処理場における洗浄装置の要件を知っている。
【0030】
システムの一実施形態では、少なくとも1つの洗浄キャビネットは、ロボットアームなどの少なくとも1つの産業用マニピュレータに接続されている。これにより、1つの産業用マニピュレータ又はロボットアームは、少なくとも1つのバング穿孔機と洗浄キャビネットを保持することができ、バング穿孔機は枝肉と接触した後に洗浄されることができる。
【0031】
システムの一実施形態では、少なくとも1つの産業用マニピュレータ又はロボットアームは、少なくとも2つのバング穿孔機と少なくとも1つの洗浄キャビネットを含む。この設計では、1つの産業用マニピュレータ又はロボットアームは、2つのバング穿孔機と洗浄キャビネットを保持することができ、バング穿孔機は、枝肉と接触した後に洗浄され、一方のバング穿孔機が洗浄されている間に他方のバング穿孔機が機能し得るようにすることができる。
【0032】
例えば3つ又は4つのように、2つ以上のバング穿孔機が1つの産業用マニピュレータ又はロボットアームに配置されてもよい。また、1つ、2つ、又は3つの洗浄キャビネットと組み合わせてもよい。
【0033】
システムの一実施形態では、ロボットアームのような産業用マニピュレータ2つが、それぞれ少なくとも1つのバング穿孔機を保持してシステム内に配置される。
【0034】
システムの一実施形態では、肛門開口部の腹側で肉を切断するために、固定ナイフがシステム内に配置されてもよい。このような切断は、切断されて離されたバングを枝肉の腹側に引っ張ることによって、枝肉からバングを除去する前に実行されてもよい。
【0035】
本明細書において、いずれかの態様又は図に関して説明した特徴は、他の態様の実施形態と組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながらさらに説明する。
【0037】
【
図1】
図1は、バングを切断する先行技術による方法を示す。
【
図2】
図2は、本願発明に係るバング穿孔機を示す。
【
図3】
図3は、穿孔チューブを備えないバング穿孔機を示す。
【
図4】
図4は、バング穿孔機の長手方向断面を示す。
【
図5】
図5は、マンドレルが前進位置にあるバング穿孔機を示す。
【
図6】
図6は、マンドレルが中間位置にあるバング穿孔機を示す。
【
図7】
図7は、マンドレルが格納された位置にあるバング穿孔機を示す。
【
図8】
図8は、真空を使わないバング穿孔方法を示す。
【
図10】
図10は、バング穿孔機内に生成された真空と、真空によって引かれる空気の流れ方向を示す。
【
図11】
図11は、別の方法によりバング穿孔機内に生成され得る真空と、真空によって引かれる空気の流れ方向を示す。
【
図12】
図12は、さらに別の方法によりバング穿孔機内に生成され得る真空と、真空によって引かれる空気の流れ方向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の精神と範囲内での様々な変更および修正は、この詳細な説明から当業者に明らかになるので、詳細な説明および特定の例は、本発明の実施形態を示しながら、例示のためにのみ与えられていることを理解されたい。
【0039】
図1は、バング切断方法の先行技術を示す。枝肉3の肛門開口部2の周辺外側に、バング穿孔機1が配置されている。バング穿孔機1のマンドレル4の前端は、動物の枝肉の腸/直腸端5内に配置される。バング穿孔機1の内部は、切断中にバング穿孔機1によって皮4に加えられる力によって枝肉3の皮9が枝肉3に押し込まれないようにするために真空(図示せず)が確立されている。バング穿孔機1の外側の皮9には通常のすなわち大気圧(図示せず)が存在し、枝肉3の内部にも通常の気圧が存在する。バング穿孔機1内部の真空のため、腸壁6はバング穿孔機1内に吸い込まれ、ここに裏返されて開かれ、糞尿7(図示は囲んでいる)が腸5からバング穿孔機1内部の空間に漏れ、そこでバング穿孔機1内部に位置する皮9を汚染するかもしれない。
【0040】
図2は、本発明に係るバング穿孔機10を示す斜視図である。図示されているのは、マンドレル12を囲む穿孔チューブ11であり、これらの間には、バングホルダ13が配置されている。バングホルダ13は、枝肉の肛門開口部の周囲の皮と係合可能な歯14を有している。開口部15がマンドレル12内に配置されている。バング穿孔機10は、後端部16においてロボットツール(図示せず)に装着することができる。
【0041】
図3は、
図2のバング穿孔機10から穿孔チューブ11を除いた状態を示している。図示されているのは、開口部15を有するマンドレル12と、歯14を有するバングホルダ13である。バングホルダ13は、マンドレル12の周囲に配置された管状ピストン17に接続されている。
【0042】
図4は、本発明に係るバング穿孔機10を長手方向に切断した図である。図示されているのは、マンドレル12を取り囲む穿孔チューブ11であり、これらの間には、ピストン17に取り付けられたバングホルダ13が配置されている。バングホルダ13は、枝肉の肛門開口部の周囲の皮と係合可能な歯14を有する。開口部15は、マンドレル12に配置されている。図示されているのはまた、切刃18、又は穿孔チューブ11のエッジ、マンドレル12の内部の容積19、および穿孔チューブ11の内部の第2の容積20である。第1の容積21は、バングホルダ13の内部に位置し、バング穿孔機が機能するとき、好ましくは第2の容積20の真空と独立して真空を確立することができる。マンドレルの端部がその前部にあたるマンドレルの最も後部の開口部(すなわち、バングホルダの内部の開口部)は、好ましくは第2の容積20に接続されている。他の場所で説明したように、吸引手段(図示せず)をマンドレル及び/又は穿孔チューブに接続し、穿孔チューブ内の容積から及び/又は穿孔チューブ内の第2の容積20から空気を吸引することが可能である。
【0043】
図5は、マンドレル12が前進位置にある状態のバング穿孔機10の長手方向断面図である。この位置で、バング穿孔機10は、枝肉の肛門開口部に挿入される準備が整っており、マンドレル12の外側すなわち穿孔チューブ11の前方の部分が肛門開口部に挿入されることができる。これは、好ましくは、バング穿孔機10に真空がない状態で行われる。存在する場合のバングホルダ13の歯14は、枝肉の肛門開口部の周りの皮表面と係合する準備が整った位置にある。バングホルダ13の内部には、バング穿孔機が機能しているときに、第2の容積20内の真空とは独立して真空を確立することができる第1の容積21が配置されている。
【0044】
図6は、
図5のバング穿孔機10を示す図であり、マンドレル12が中間位置にある状態である。これは、穿孔チューブ11の切刃18が肛門開口部及び直腸端周辺の枝肉に切り込んでいる位置である。切削は、モータ(図示せず)によるドリル11の回転によって行われ、第1の容積及び/又は第2の容積において真空が生成されてもよい。
【0045】
図7は、
図5及び
図6のバング穿孔機10を示し、マンドレル12が格納された位置にあることを示している。これは、肛門開口部および直腸端の周囲の切断が枝肉内部で最終的に行われる位置である。切断されて離された直腸端は、(バング穿孔機に存在する場合)吸引を停止し、それによって真空をなくすことによって、枝肉内に落下させることができる。しかし、切断された直腸端は、真空によって穿孔チューブ11の内部に保持され、直腸端は穿孔チューブ11とともに枝肉から引き出され、枝肉の外部で取り扱われることもある。
【0046】
図8は、真空を用いずに行うバング穿孔方法を説明する図である。図示されているのは、穿孔チューブ11が皮24に穿孔を開始し、その後、肛門又は腸壁26および腸/直腸端23の周囲の枝肉25に穿孔する直前の状況である。この状態では、切刃18は、枝肉25の外側の皮24上に位置している。マンドレル12の先端は、バングホルダ13の歯14が枝肉25の皮24の外側に位置するように、腸壁26に囲まれた肛門開口部および腸/直腸端23に進入される。第1の容積21は、皮24に向かってバングホルダ13の内側に設けられ、マンドレル12を取り囲んでいる。第2の容積20は、枝肉25の皮24の外側で、バングホルダ13と穿孔チューブ11との間に設けられ、穿孔チューブ11はバングホルダ13を囲み、それにより第2の容積20はバングホルダ13とマンドレル12の一部とを取り囲んでいる。バングホルダ13には糞便22が通過できる開口部はなく、それにより第1の容積21と第2の容積20は互いに分離されている。糞便22は、腸/直腸端23の内部、マンドレル12の先端の周囲、およびバングホルダ13によって設けられた第1の容積21の内部に小さな点として図示されている。バングホルダ13の第1の機能は、肛門開口部の縁すなわち皮24レベルの腸壁26が裏返らないように皮24の外側への力の付加を実行し、糞便物質22の量をマンドレル12の先端を通過して肛門開口部を介して腸/直腸端23から外に逃がすようにすることである。バングホルダ13の第2の機能は、糞便22によって汚染される可能性のある皮24の領域が先行技術のシステムと比較して大幅に減少するように、肛門開口部を通って逃げる可能性のある糞便22を第1の容積21の内部に保持することである。本方法は真空なしで実行されるように説明されているが、第2の容積20から空気を吸引するための吸引手段を含むことによって改善することができる。皮24の外側に作られるこのような真空は、肛門開口部及び直腸端の周りでよりきれいな切断を行うことによって、切断の質を高めることができる。
【0047】
図9は、真空を用いて行うバング穿孔方法を説明する図である。真空を用いる方法は、3つの異なる方法で実行することができる。図示されているのは、
図8と同様の状況、すなわち、穿孔チューブ11が皮24への穿孔を開始し、その後、肛門開口部および腸/直腸端23の周囲の枝肉25への穿孔を開始する直前である。この状態では、切刃18は、枝肉25の外側で皮24上に位置している。マンドレル12の先端は、バングホルダ13の歯14が枝肉25の皮24の外側に位置するように、肛門開口部および腸/直腸端23に進入される。第1の容積21は、皮24に向かってバングホルダ13の内側に設けられ、マンドレル12を取り囲んでいる。第2の容積20は、枝肉25の皮24の外側で、バングホルダ13と穿孔チューブ11との間に設けられ、穿孔チューブ11はバングホルダ13を囲み、それにより第2の容積20はバングホルダ13とマンドレル12の一部とを取り囲んでいる。第1の容積と第2の容積との間には、糞便22が通過可能な開口部がバングホルダ13に存在せず、それにより第1の容積21と第2の容積20とが互いに分離される。マンドレル12は、開放された内部容積28と、マンドレル12においてバングホルダ13の内部にあり、バングホルダが枝肉の皮24の外側に接触して第1の容積21を構成する領域に位置する開口部15とを含む。真空作成システム(図示せず)は、バング穿孔機の一部であり、第2の容積20の内部及び/又はマンドレルの内部容積28の内部に真空を作るように構成及び制御され、これは、マンドレル12の開口部のために第1の容積21と連通しており、それにより第1の容積21の内部にも真空を確立することができる。バング穿孔機は、バング穿孔機が第2の容積20においてのみ、第1の容積21においてのみ、又は第1の容積21および第2の容積20の両方において真空を生成することができるように、マンドレル12の内部容積28を有さないか又は有するように設計されてもよい。糞便22は、腸/直腸端23の内部及びバングホルダ13によって設けられた第1の容積21の内部に小さなドットで図示されている。バングホルダ13の機能の一部は、
図8に関連して説明したとおりである。真空を作り出すシステムにより、第2の容積20の内部及び/又はマンドレル12の内部容積28の内部で矢印27によって示される方向に空気を吸引することによって真空を作り出すことが可能であり、それはまたマンドレル12の開口部15によって第1の容積21の内部に真空を作り出すものである。
【0048】
バングホルダ13は、
図8に関して説明したように、肛門開口部の周囲の皮24を所定の位置に保持する。第2の容積21及びマンドレル12の内部容積28に生じる真空によって、糞便22は、マンドレル12の内部容積28を通って第2の容積21から除去され、バング穿孔機から取り出され得る。第2の容積20内の真空は、
図8に関して説明したように、皮24にカウンターホールドを形成する。バング穿孔システムは、ここに、第2の容積20内の真空によって生じる皮24に対するカウンターホールドを実行して、穿孔プロセス中に穿孔チューブ11によって生まれる力の影響を最小化すると同時に、バングホルダ13によって、糞便22によって汚染される危険のある皮24の領域を減らし、また内部容積28内、したがって第1の容積21内に確立した真空によって第1の容積21内に位置する糞便22の少なくとも一部を除去できるようにする。
【0049】
図10は、マンドレルの開口部がバングホルダ13の内部に配置されていないバング穿孔機の一実施形態を示す図である。開口部15は、バングホルダ13の前方、すなわち動物の直腸端と接触する部分にのみ配置される。バング穿孔機は、マンドレルとともに動物の直腸端の内側に配置される。切断プロセスの直前及び切断プロセス中に、皮24は、切刃18及びバングホルダ13に向かって真空で引かれ、バングホルダ13の内部に閉じた第1の容積21、及び穿孔チューブの内部に閉じた第2の容積20を確立し、第2の容積20がマンドレルを取り囲む。ここで「閉じた」とは、皮がバングホルダ13の開放端と穿孔チューブ11の開放端を閉じていることを意味する。穿孔チューブ11のベース部に接続された吸引手段(図示せず)は、直腸端の内部に位置する開口部15を介して空気を吸引することにより、マンドレル内部の容積19を真空状態にし、空気はマンドレル19を通して吸引される。マンドレルの周囲の第2の容積20に位置する空気は、吸引手段(図示せず)により、バング穿孔機の前端から離れるように吸引される。第1の容積21内の空気は、バルブ29を通って第2の容積20に吸引され、取り除かれる。矢印は、空気が吸引される道筋を示す。この実施形態では、第2の容積20とマンドレル内部の容積19との間には開口部が配置されていない。
【0050】
図11は、バングホルダ13の内部のマンドレルに、容積19と第1の容積21との間に開口部15が配置されているバング穿孔機の実施形態を示す図である。穿孔チューブ11のベース部に接続された吸引手段(図示せず)は、マンドレル内部の容積19を真空状態にし、直腸端内部に位置する開口部15から空気を吸引し、空気はマンドレル19を通過して吸引される。第1の容積21内の空気は、バングホルダ13の内側に位置する開口部15を通って、マンドレル内部の容積19に吸引される。マンドレルの周囲の第2の容積20に位置する空気は、吸引手段(図示せず)により、バング穿孔機の前端から離れるように吸引される。矢印は、空気が吸引される道筋を示す。この実施形態では、第2の容積20とマンドレル内部の容積19との間に開口部は配置されていない。
【0051】
図12は、バング穿孔機において真空を確立することができるさらに別の方法と、真空で引かれる空気の流れ方向を説明する図である。穿孔チューブ11のベース部に接続された吸引手段(図示せず)は、マンドレル内の容積19を真空状態にし、直腸端からマンドレル19内を通って開口部15から空気を吸引し、また第1の容積21内からの空気を、マンドレル内に位置する第1の容積21と容積19との間に位置する開口部から吸引する。マンドレル内部の容積19と第2の容積20との間に位置するバルブ29は、第2の容積20内を真空にして、第2の容積内の空気がこれらのバルブを通って容積19内に吸引されて取り除かれるようにするために使われる。第1の容積21内の空気は、バングホルダ13に位置する開口部15を通って、マンドレルの内側の容積19内に吸引されて取り除かれる。矢印は、空気が吸引される方向を示している。また、バングホルダ13によって囲まれた開口部15のみを有する、すなわち図に示されるように枝肉の直腸端の内部と接触する開口部15を有しないバング穿孔機を製造することも可能である。このような実施形態については、枝肉から離れる空気を吸引するときに、第1の容積21とマンドレル内部の容積19との間にのみ開口部が存在するか、第2の容積20とマンドレル内部の容積19との間にのみ存在するか、又はこれらのタイプの開口部の両方が存在し、バルブ29が空気を通すことができる方法によって、異なる流れ方向が確立され得る。
【国際調査報告】