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▶ ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】開通器具を備える拡張セット
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20230508BHJP
   A61B 5/154 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61B5/154
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558267
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021022383
(87)【国際公開番号】W WO2021194785
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】62/993,674
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/195,184
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バークホルツ ジョナサン カール
(72)【発明者】
【氏名】シュリッチ メーガン
(72)【発明者】
【氏名】マー イーピン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C267
【Fターム(参考)】
4C038TA01
4C038UA10
4C038UD04
4C267AA14
4C267BB02
4C267BB10
4C267CC08
4C267GG03
4C267GG04
4C267GG05
4C267HH14
(57)【要約】
【課題】静脈内デバイスなどとインターフェースするための開通器具を備えた拡張セットを提供する。
【解決手段】拡張セットは、チューブを含み得て、チューブは遠位端部、近位端部、及び外面を含み得る。拡張セットは、チューブの遠位端部に結合された遠位コネクタ及び/又はチューブの近位端部に結合された近位コネクタを含み得る。拡張セットは、チューブ内に配置された開通性器具を含み得る。拡張セットは、チューブの外面に結合された並進ハンドルを含み得る。並進ハンドルは、チューブの外面に沿って近位位置と遠位位置との間で移動し、開通性器具の遠位端部を後退位置と前進位置との間で並進させるように構成され得る。開通性器具の遠位端部が前進位置にあることに応答して、開通性器具の遠位端部は、チューブの遠位端部を越えて延びることができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端部、近位端部、前記遠位端部と前記近位端部との間に延在する管腔、及び外面を含むチューブと、
前記チューブの前記遠位端部に結合される遠位コネクタと、
前記チューブの前記近位端部に結合される近位コネクタと、
前記チューブ内に配置される開通性器具と、
前記チューブの前記外面に結合される並進ハンドルであって、前記チューブの前記外面に沿って近位位置と遠位位置との間で移動し、前記開通性器具の前記遠位端部を後退位置と前進位置との間で並進させるように構成され、前記開通性器具の前記遠位端部が前記前進位置にあることに応答して、前記開通性器具の前記遠位端部が前記チューブの前記遠位端部を越えて延びる、並進ハンドルと、
を備える、拡張セット。
【請求項2】
前記開通性器具は前記チューブ内に配置された結合要素を含み、前記開通性器具は前記結合要素から遠位方向に延在し、前記並進ハンドルは、前記チューブの一部分を前記結合要素と前記並進ハンドルとの間で圧縮し、前記チューブの前記部分は、前記結合要素と係合し、その結果、前記チューブの前記外面に沿った前記並進ハンドルの動きが前記結合要素を前記チューブ内で並進させ、前記開通性器具の前記遠位端部が前記後退位置と前記前進位置との間で移動される、請求項1に記載の拡張セット。
【請求項3】
別のチューブを更に備え、ここで前記別のチューブは前記チューブ内に配置され、前記結合要素を通って延び、前記別のチューブと前記チューブとの間の空間は密閉されて、流体が前記空間に入るのを防止し、前記開通性器具は前記空間を通って延在する、請求項2に記載の拡張セット。
【請求項4】
前記チューブの前記遠位端部に隣接するシールを更に備え、ここで前記別のチューブ及び前記開通性器具は前記シールを通って延び、前記空間の遠位端部は前記シールによって密閉されて、流体が前記空間に入るのを防止する、請求項3に記載の拡張セット。
【請求項5】
前記開通性器具はガイドワイヤを含む、請求項1に記載の拡張セット。
【請求項6】
前記並進ハンドルは、複数のボールベアリング、複数のホイール、又は複数のスライダを含み、前記チューブを局所的に圧縮して前記結合要素と係合させる、請求項1に記載の拡張セット。
【請求項7】
遠位端部、近位端部、前記遠位端部と前記近位端部との間に延在する管腔、及び外面を含むチューブと、
前記チューブの前記遠位端部に結合される遠位コネクタと、
前記チューブの前記近位端部に結合される近位コネクタと、
前記チューブ内に配置される開通性器具と、
前記チューブの前記外面に結合される並進ハンドルであって、前記チューブの前記外面に沿って近位位置と遠位位置との間で移動し、前記開通性器具の前記遠位端部を後退位置と前進位置との間で並進させるように構成され、前記開通性器具の前記遠位端部が前記前進位置にあることに応答して、前記開通性器具の前記遠位端部は前記チューブの前記遠位端部を越えて延びる、並進ハンドルと、
前記チューブの壁内に配置される流体経路と、
を備える、拡張セット。
【請求項8】
前記開通性器具は前記チューブ内に配置された結合要素を含み、前記開通性器具は前記結合要素から遠位方向に延在し、前記並進ハンドルは、前記チューブの一部分を前記結合要素と前記並進ハンドルとの間で圧縮し、前記チューブの前記部分は、前記結合要素と係合し、その結果、前記チューブの前記外面に沿った前記並進ハンドルの動きが前記結合要素を前記チューブ内で並進させ、前記開通性器具の前記遠位端部が前記後退位置と前記前進位置との間で移動される、請求項7に記載の拡張セット。
【請求項9】
前記流体経路が前記チューブの前記管腔の中に突出部を形成し、前記結合要素の外面が前記突出部と整列した溝を含み、前記溝が前記結合要素を通って延在する、請求項8に記載の拡張セット。
【請求項10】
前記管腔は前記流体経路から密閉され、前記開通性器具は前記空間を通して延在する、請求項8に記載の拡張セット。
【請求項11】
前記チューブの前記遠位端部に隣接して配置されたシールを更に備え、ここで前記シールは前記流体経路と位置合わせされた穴を含み、前記開通性器具は前記シールを通って延在し、前記管腔は前記シールによって前記流体経路から密閉される、請求項10に記載の拡張セット。
【請求項12】
前記開通性器具はガイドワイヤを含む、請求項7に記載の拡張セット。
【請求項13】
前記並進ハンドルは複数のボールベアリング又は複数のホイールを含み、前記チューブを局所的に圧縮して前記結合要素に係合する、請求項7に記載の拡張セット。
【請求項14】
前記拡張セットは前記チューブの前記壁内に配置された複数の流体経路を含む、請求項7に記載の拡張セット。
【請求項15】
拡張セットをカテーテルアセンブリに結合する工程と、
この工程で前記拡張セットが、遠位端部、近位端部、前記遠位端部と前記近位端部との間に延在する管腔、及び外面を含むチューブと、
前記チューブの前記遠位端部に結合される遠位コネクタと、
前記チューブの前記近位端部に結合される近位コネクタと、
前記チューブ内に配置される開通性器具と、
前記チューブの前記外面に結合される並進ハンドルであって、前記チューブの前記外面に沿って近位位置と遠位位置との間で移動し、前記開通性器具の前記遠位端部を後退位置と前進位置との間で並進させるように構成され、ここで前記開通性器具の前記遠位端部が前記前進位置にあることに応答して、前記開通性器具の前記遠位端部は前記チューブの前記遠位端部を越えて延びる、並進ハンドルと、を含み、
前記拡張セットを前記カテーテルアセンブリに結合することが前記チューブの前記遠位端部を前記カテーテルアセンブリに結合することを含み、
前記並進ハンドルを前記チューブに沿って近位位置から遠位位置に移動させる工程と、を含み、この工程で前記並進ハンドルが前記遠位位置に移動することに応答して、前記開通性器具の前記遠位端部が前記チューブの前記遠位端部を越えて前記カテーテルアセンブリの中に延びることを特徴とする、
患者の血管系へのアクセスを提供するための方法。
【請求項16】
採血デバイスを前記近位コネクタに結合する前に、前記並進ハンドルを前記チューブに沿って近位位置から遠位位置まで移動させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
血液を前記採血デバイス内に採取した後に、前記並進ハンドルを前記遠位位置から前記近位位置へ移動させ、ここで前記並進ハンドルが前記遠位位置から前記近位位置まで移動することに応答して、前記開通性器具の前記遠位端部が前記チューブの中に引込まれることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記拡張セットは前記チューブの壁内に配置される流体経路を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記開通性器具は前記チューブ内に配置された結合要素を含み、前記開通性器具は前記結合要素から遠位方向に延在し、前記並進ハンドルは、前記チューブの一部分を前記結合要素と前記並進ハンドルとの間で圧縮し、前記チューブの前記部分は、前記結合要素と係合し、その結果、前記チューブの前記外面に沿った前記並進ハンドルの動きが前記結合要素を前記チューブ内で並進させ、前記開通性器具の前記遠位端部が前記後退位置と前記前進位置との間で移動される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記開通性器具はガイドワイヤを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静脈内デバイスなどとインターフェースするための開通器具を備えた拡張セットに関する。
【背景技術】
【0002】
開通性とは、患者の体内の流体チャネルが閉塞していない状態又は特性である。特に、静脈内(IV)デバイスは、血液又は薬剤などの流体がIVデバイスを通過し得る場合に一定レベルの開通性を有し得る。IVデバイスの使用中、IVデバイスは患者の血管の中に挿入され、いくつかの実施形態では、針がカテーテルから引き抜かれる一方で、カテーテルは患者の血管内に残留する。場合によっては、IVデバイスは患者の血管内に30日以上留まったままである。これにより、臨床医又は他の医療提供者(HCP)は、ケア中に患者の血流へ流体的にアクセスすることが可能である。患者の血流へのこの連続的な流体アクセスにより、臨床医又は他のHCPは、必要に応じて、1つ又は複数の血液サンプルを採取し、又は1つ以上の輸液、例えば生理食塩水、様々な薬剤、及び完全静脈栄養を投与できる。
【0003】
IVデバイスの開通性は、しかしながら、IVデバイスが患者の血管内にある間に損なわれる可能性がある。閉塞が続き、IVデバイスを不具合にさせて、別のIVデバイスを患者体内へ投与することが必要となる可能性がある。これにより、患者が感じる外傷が増加し、他の医学的問題、例えば他の医学的問題の中でも特に血管の炎症につながる場合がある。
【0004】
本明細書で特許請求される主題は、任意の不利益を解決する実施形態、又は上述のような環境においてのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、本明細書で説明されるいくつかの実装が実施され得る1つの例示的な技術分野を示すためにのみ提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、一般に、IVデバイスとインタフェースするために使用される拡張セットであって、IVデバイスへの流体経路を提供する一方で、IVデバイスが患者の血管内にある間にIVデバイスの開通性を定期的にチェック又は改善するために使用される開通性器具も提供する、拡張セットに関する。いくつかの実施形態では、拡張セットは、チューブを含み得て、チューブは、遠位端部、近位端部、遠位端部と近位端部との間に延びる管腔、及び外面を含み得る。いくつかの実施形態では、チューブは、貫通して延びる管腔を含む任意の適切なハウジングを含むか、又はそれに相当し得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、拡張セットは、チューブの遠位端部に結合された遠位コネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張セットは、チューブの近位端部に結合された近位コネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張セットは、チューブ内に配置された開通性器具を含み得る。いくつかの実施形態では、開通性器具は、ガイドワイヤ又は別の適切な開通性増強構造を含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、拡張セットは、チューブの外面に結合された並進ハンドルを含み得る。いくつかの実施形態では、並進ハンドルは、チューブの外面に沿って近位位置と遠位位置との間を移動し、開通性器具の遠位端部を後退位置と前進位置との間で並進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、開通性器具の遠位端部が前進位置にあることに応答して、開通性器具の遠位端部は、チューブの遠位端部を越えて延びることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、拡張セットは、チューブ内に配置された結合要素を含み得る。いくつかの実施形態では、開通性器具は、結合要素から遠位方向に延在し得る。いくつかの実施形態では、並進ハンドルは、チューブの一部分を結合要素と並進ハンドルとの間で圧縮し得る。いくつかの実施形態では、チューブの一部分は、結合要素と係合し、その結果、チューブの外面に沿った並進ハンドルの移動がチューブ内の結合要素を並進させ、開通性器具の遠位端部が後退位置と前進位置との間で移動される。いくつかの実施形態では、並進ハンドルは、複数のボールベアリング又は複数のホイールを含み、チューブの局所的な圧縮を提供して結合要素と係合し得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、拡張セットは別のチューブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、別のチューブは、貫通して延びる管腔を含む任意の適切なハウジングを含むか、又はそれに相当し得る。いくつかの実施形態では、別のチューブは、チューブ内に配置され、結合要素を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、別のチューブとチューブとの間の空間は密閉されて、流体が空間に入るのを防止する。いくつかの実施形態では、別のチューブは流体チャネルを形成することができ、空間は非流体チャネルに相当し得る。いくつかの実施形態では、開通性器具は、空間を通って延在し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、拡張セットは、チューブの遠位端部に隣接するシールを含み得る。いくつかの実施形態では、シールは、遠位コネクタ内、及び/又はチューブの遠位端部内に配置され得る。いくつかの実施形態では、他の管材及び開通性器具は、シールを通って延在し得る。いくつかの実施形態では、空間の遠位端部はシールによって密閉され得て、流体が空間に入るのを防止する。
【0011】
いくつかの実施形態では、拡張セットは、チューブの壁内に配置された1つ以上の流体経路を含み得る。いくつかの実施形態では、管腔は、流体チャネルに相当し得る流体経路から密閉され得て、開通性器具は、非流体チャネルに相当し得る管腔を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、流体経路は、チューブの管腔の中への突出部を形成する場合がある。いくつかの実施形態では、結合要素の外面は、突出部と整列された1つ以上の溝を含み得る。いくつかの実施形態では、溝は結合要素を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、シールは、流体経路と整列された穴を含み得て、管腔を流体経路から密閉し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、患者の血管系へのアクセスを提供する方法は、拡張セットをカテーテルアセンブリ又は別のIVデバイスに結合することを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張セットをカテーテルアセンブリに結合することは、チューブの遠位端部をカテーテルアセンブリに結合することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、並進ハンドルをチューブに沿って近位位置から遠位位置まで移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、並進ハンドルが遠位位置に移動することに応答して、開通性器具の遠位端部は、チューブの遠位端部を越えて、カテーテルアセンブリ及び/又は患者の血管系の中へ延びることができる。これらの実施形態では、開通性器具は、カテーテルアセンブリのカテーテルの遠位端部を越えて延びることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法は、採血デバイスを近位コネクタに結合する前に、並進ハンドルをチューブに沿って近位位置から遠位位置まで移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、血液を採血デバイス内に採取した後、並進ハンドルを遠位位置から近位位置に移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、並進ハンドルを遠位位置から近位位置に移動させることに応答して、開通性器具の遠位端部がチューブの中に引込まれ得る。
【0014】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例、及び説明であって、特許請求されるように本発明を限定するものではないことを理解する必要がある。様々な実施形態は、図面に示される構成及び手段に限定されないことを理解する必要がある。また、実施形態は組み合わせられてもよい、又は別の実施形態が利用されてもよいということ、また構造上の変更が、特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行われ得るということも理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、追加の特異性及び詳細とともに記載され説明される。
図1A】いくつかの実施形態による、後退位置にある例示的な開通性器具を示す、例示的な拡張セットの上方斜視図である。
図1B】いくつかの実施形態による、前進位置にある開通性器具を示す、図1Aの拡張セットの上方斜視図である。
図1C】いくつかの実施形態による、図1Aの拡張セットの一部分の断面図である。
図1D】いくつかの実施形態による、図1Bの線1D-1Dに沿った、図1Bの拡張セットの断面図である。
図2A】いくつかの実施形態による、後退位置にある例示的な開通性器具を示す、別の例示的な拡張セットの上方斜視図である。
図2B】いくつかの実施形態による、線2B-2Bに沿った、図2Aの拡張セットの断面図である。
図2C】いくつかの実施形態による、線2B-2Bに沿った、図2Aの拡張セットの他の断面図である。
図2D】いくつかの実施形態による、前進位置にある別の例示的な開通性器具、及び例示の目的のために取り外された例示的な遠位コネクタを示す、図2Aの拡張セットの上方斜視図である。
図2E】いくつかの実施形態による、線2E-2Eに沿った、図2Aの拡張セットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用される場合、「近位」及び「遠位」という用語は、カテーテルシステムを患者と接触させる臨床医に、それぞれ近づく方向及び離れる方向を指すことができる。したがって、例えば、患者の身体に最初に接触するカテーテルシステムの端部が遠位端部となり、カテーテルシステムの反対側の端部がカテーテルシステムの近位端部となる。
【0017】
ここで図1A図1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、拡張セット10は、チューブ12を含み得て、それは遠位端部14、近位端部16、遠位端部14と近位端部16との間に延在する管腔18,及び外面20を含み得る。いくつかの実施形態では、チューブ12は、貫通して延びる管腔を含む任意の適切なハウジングを含むか、又はそれに相当し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、拡張セット10は、チューブ12の遠位端部14に結合された遠位コネクタ22を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ22は、オス型ルアーコネクタ、メス型ルアーコネクタ、鈍型カニューレ及び対向するレバーアーム(例えば、図1A図1Bに示されるように)、又はカテーテルアセンブリ若しくは別のIVデバイスに結合するように構成された別の適切なコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張セット10は、チューブ12の近位端部16に結合された近位コネクタ24を含み得る。いくつかの実施形態では、近位コネクタ24は、オス型ルアーコネクタ、メス型ルアーコネクタ、無針アクセスコネクタ、鈍型カニューレ及び対向するレバーアーム(例えば、図1A図1Bに示されるように)、又は別の適切なコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、近位コネクタ24は、ルアーを含み得て、及び/又は、無針アクセスコネクタに、ねじ切り、接合、又は別の適切な方法などを介して結合され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、拡張セット10は、チューブ12内に配置された開通性器具26を含み得る。いくつかの実施形態では、開通性器具26は、ガイドワイヤ又は別の適切な開通性増強構造を含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、一般に、ワイヤ、ばね、ワイヤとばねの組み合わせ、及び/又は同様のものとして構成され得る。いくつかの実施形態では、拡張セット10は、チューブ12の外面20に結合された並進ハンドル28を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、並進ハンドル28は、任意の適切な並進ハンドル又はグリップを含み得て、開通性器具27は、任意の適切な開通性器具を含み得る。並進ハンドル28及び/又は開通性器具27は、例えば、2020年12月18日に、「FLUSH PATENCY INSTRUMENT WITH BLOOD EXPOSURE PROTECTION AND RELATED METHODS」と題して出願された米国特許出願第17/127,588号、及び2020年12月18日に、「MULTI-LUMEN EXTENSION SYSTEM」と題して出願された米国特許出願第17/127,623号に更に詳細に記載され、その全体は参照により援用される。
【0021】
いくつかの実施形態では、並進ハンドル28は、チューブ12の外面20に沿って、近位位置と遠位位置との間で移動されて、開通性器具26の遠位端部30を後退位置と前進位置との間で並進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、開通性器具26の遠位端部30が前進位置にあることに応答して、開通性器具26の遠位端部30は、チューブ12の遠位端部14及び遠位コネクタ22を越えて延びることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、開通性器具26は、チューブ12内に配置された結合要素32から延びる。いくつかの実施形態では、開通性器具26の近位端部は、結合要素32内に固定され得る。いくつかの実施形態では、開通性器具26は、結合要素32から遠位方向に延びてもよい。いくつかの実施形態では、開通性器具26は、結合要素32から遠位方向に延びて、チューブ12内で開通性器具26を、直接接触する必要なく並進させるのを容易にし得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、並進ハンドル28は、チューブ12の一部分を、結合要素32と並進ハンドル28との間で圧縮し得る。いくつかの実施形態では、チューブ12の一部分は、結合要素32と係合し、その結果、チューブ12の外面20に沿った並進ハンドル28の移動は、チューブ12内で結合要素32を並進させ、開通性器具26の遠位端部30は、後退位置と前進位置との間で移動される。いくつかの実施形態では、並進ハンドル28は、複数の主要部34を含み得て、それはボールベアリング、ホイール、低摩擦スライダ、又は他の適切な特徴を含み、チューブの局所的な圧縮を提供して結合要素と係合し得る。いくつかの実施形態では、主要部34は、並進ハンドル28に結合され得る。いくつかの実施形態では、主要部34は、並進ハンドル28に直接結合され得る。いくつかの実施形態では、主要部34及び並進ハンドル28は、一緒に成形され、又は単一ユニットとしてモノリシックに形成され得る。いくつかの実施形態では、主要部34及び並進ハンドル28は、一体化されるか、又は一緒に嵌合され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、主要部34は、挟み持ち機構を含んでもよく、チューブ12の外面を挟む、又は押圧するように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、主要部34の1つ以上は、主要部34の1つ以上の他のものとして、対向するか、又はチューブ12の両側にあってもよい。いくつかの実施形態では、並進ハンドル28内のチューブ12の内面は、小さ過ぎて結合要素32がそこを通過できない場合がある。いくつかの実施形態では、主要部34は、ホイールを含み得て、ホイールは並進ハンドル28に回転可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、主要部34は、ボールベアリングを含み得て、ボールベアリングは並進ハンドル28に形成されたソケット内で回転可能であり得る。いくつかの実施形態では、主要部34は、スライダを含み得て、スライダは滑らかであり、及び/又はプラスチックで構成され得て、チューブ12に沿ってスライドし得る。いくつかの実施形態では、スライダは、並進ハンドルに対して固定又は静止していてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、並進ハンドル28は、チューブ12の周りに部分的に(例えば、Cチャネル)又は完全に延在し得る。いくつかの実施形態では、並進ハンドル28は、カラーを含み得る。いくつかの実施形態では、結合要素32は、チューブ12を介して並進ハンドル28に磁気的に引き付けられ、開通性器具26の移動を直接接触することなく容易にし得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、拡張セット10は別のチューブ36を含み得る。いくつかの実施形態では、別のチューブ36は、貫通して延びる管腔を含む任意の適切なハウジングを含むか、又はそれに相当し得る。いくつかの実施形態では、別のチューブ36は、チューブ12内に配置されてもよく、結合要素32を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、別のチューブ36とチューブ12との間の空間38は密閉され得て、流体が空間38に入るのを防止する。いくつかの実施形態では、別のチューブ36は流体チャネルを形成することができ、空間38は非流体チャネルに相当し得る。いくつかの実施形態では、開通性器具26は、空間38を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、空間38は、管腔18及び/又は環状の一部であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、拡張セット10は、チューブ12の遠位端部14に隣接するシール40を含み得る。いくつかの実施形態では、シール40はエラストマであり得る。いくつかの実施形態では、シール40は、遠位コネクタ22内、及び/又はチューブ12の遠位端部14内に配置され得る。いくつかの実施形態では、空間38の遠位端部は、シール40によって密閉され得て、流体が空間38に入るのを防止される。
【0028】
いくつかの実施形態では、空間38などの管腔18は、通気を含んで、空気流が管腔18に出入りするのを可能にし、これにより、並進ハンドル28及び結合要素32の移動を容易にし得る。いくつかの実施形態では、通気を提供するための1つ以上の通気孔は、空気の移動を可能にする一方で、開通性器具26及び/又は拡張セット10の他の部分の良好な無菌保護を依然として維持するサイズに縮小され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、開通性器具26は、チューブ12内の中心に配置されてもよく、これは、開通性器具26の滑らかな前進を容易に得る。これら及び別の実施形態では、別のチューブ36は、チューブ12内で中心からずれていてもよい。いくつかの実施形態では、開通性器具26がチューブ12内で中心からずれていてもよく、及び/又は別のチューブ36がチューブ12内で中心に配置されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、結合要素32の外面及び/又はチューブ12の内面は、潤滑剤を含み、チューブ12内での開通性器具26の並進を容易にし得る。いくつかの実施形態では、チューブ12の外面及び/又は主要部34は、潤滑剤を含み得る。いくつかの実施形態では、結合要素32、チューブ12、及び主要部34のうちの1つ以上は、潤滑性材料、例えば、PEGポリウレタン、シリコーン化ポリウレタン、フッ素化ポリウレタン、シリコーン、又は摩擦を減らすための別の適切な材料から構成されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、チューブ12は可撓性であってもよい。いくつかの実施形態では、チューブ12の外面20は、1つ以上の視覚的マーキング又は触覚要素(戻り止め、溝、リブなど)を含み、IVデバイスに対する開通性器具26の位置に関するユーザフィードバックを提供し得る。いくつかの実施形態では、結合要素32の内面及び/又は別のチューブ36の外面は潤滑剤を含んでもよく、これは、静止していてもよい別のチューブ36に対する結合要素32の移動を容易にし得る。いくつかの実施形態では、別のチューブ36の遠位端部及び/又は近位端部は、拡張セット10内に固定され得る。いくつかの実施形態では、別のチューブ36の近位端部は、近位コネクタ24内に楔留めされ、又は固定され得て、その結果、血液は近位コネクタ24と別のチューブ36との間の空間8に流入できない。
【0032】
ここで図1Dを参照すると、いくつかの実施形態では、別のチューブ36及び開通性器具26は、シール40を通って延在し得て、シール40は別のチューブ36及び開通性器具26の辺縁に接触し得ることで、流体がシール40と別のチューブ36との間、及びシール40と開通性器具26との間を流れるのを防止する。いくつかの実施形態では、開通性器具26の遠位端部30は、並進ハンドル28が近位位置にあることに応じてシール40の近位側にあってもよく、近位位置は完全後退位置を含み得る。これら及び別の実施形態では、開通性器具26は、並進ハンドル28の近位位置から遠位位置への移動に応答して、シール40を通って延びる。
【0033】
ここで図2A図2Bを参照すると、いくつかの実施形態による拡張セット42が示される。いくつかの実施形態では、拡張セット42は、1つ以上の特徴及び/又は動作に関して、拡張セット10と同様又は同一であり得る。いくつかの実施形態では、拡張セット42は、チューブ12の壁46内に配置された1つ以上の流体経路44を含み得る。いくつかの実施形態では、管腔18は、流体チャネルに相当し得る流体経路44から密閉され得て、開通性器具26は、非流体チャネルに相当し得る管腔18を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、流体経路44は、壁46内の様々な位置及び構成に配置され得る。
【0034】
ここで図2B図2Cを参照すると、いくつかの実施形態では、流体経路44は、チューブ12の管腔18の中への突出部48を形成し得て、壁46の厚さは変化し得る。いくつかの実施形態では、流体経路44は、例えば壁46からチューブ12の中心軸に向かって内向きに、又は壁46から外向きにチューブ12の中心軸から離れて突出し得る。いくつかの実施形態では、結合要素32の外面50は、突出部48と整列する1つ以上の溝52を含み得る。いくつかの実施形態では、溝52は、結合要素32を通って延在してもよく、チューブ12内の結合要素32の移動及び/又は案内を容易にし得る。いくつかの実施形態では、壁46のより薄い部分は、開通性器具26を並進させるために必要とされる力を低減し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、チューブ12は、第1の材料と、第1の材料よりも硬い第2の材料とを含む共押出プロセスによって押し出され得る。いくつかの実施形態では、第1の材料は、主要部34によって挟まれるチューブ12の一部分を形成し得て、第2の材料は、流体経路44に近接する、及び/又は流体経路44を形成しているチューブ12の別の部分を形成し得る。いくつかの実施形態では、第1の材料及びチューブ12の一部分は、軟質又は可撓性であってもよい。いくつかの実施形態では、流体経路44は、マルチルーメン押出プロセスによって作成されてもよく、又は別個の押出チューブとして作成されてもよく、それは、より大きな非流体経路拡張管材のチューブ12の内径内に包囲される。いくつかの実施形態では、別個の押出チューブは、チューブ12の軸に同心的に整列又はオフセットされ得る。代替的に、いくつかの実施形態では、流体経路44は、拡張セット42の別の構成要素、例えば特定のコネクタ又はカニューレから延びることができる。いくつかの実施形態では、管腔18の容積は、流体経路44のそれぞれの容積よりも大きくてもよく、結合要素32を収容し得る。
【0036】
ここで図2Eを参照すると、いくつかの実施形態では、シール40は、流体経路44と位置合わせされた穴54を含んでもよく、流体経路44から管腔18を密閉してもよい。いくつかの実施形態では、シール40は、開通性器具26の辺縁と接触し得て、流体がシール40と開通性器具26との間を流れるのを防止する。
【0037】
いくつかの実施形態では、患者の血管系へのアクセスを提供する方法は、拡張セット(例えば、図1A図1Dに関して説明された拡張セット10、又は図2A図2Eに関して説明された拡張セット42など)をカテーテルアセンブリ又は別のIVデバイスに結合することを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、拡張セットがカテーテルアセンブリに結合されているとき、患者の血管系内に留置し得て、開通性器具26は、留置時間全体にわたってカテーテルアセンブリの開通性を増加させ得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、拡張セットをカテーテルアセンブリに結合することは、チューブ12の遠位端部14をカテーテルアセンブリに結合することを含み得る。いくつかの実施形態では、この方法は、並進ハンドル28をチューブ12に沿って近位位置から遠位位置まで移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、並進ハンドル28が遠位位置に移動することに応答して、開通性器具26の遠位端部30は、チューブ12の遠位端部14を越えて、カテーテルアセンブリ及び/又は患者の血管の中に延びることができる。これらの実施形態では、開通性器具26は、カテーテルアセンブリのカテーテルの遠位端部を越えて延在し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢IVカテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、又は正中カテーテルを含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、方法は、採血デバイスを近位コネクタ24に結合する前に、並進ハンドル28をチューブ12に沿って近位位置から遠位位置まで移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、採血デバイスは、任意の適切な採血デバイスを含み得て、例えば、ニュージャージ州フランクリンレイクスのBecton Dickinson and Companyから入手可能なVACUTAINER(登録商標)又はVACUTAINER(登録商標)LUER-LOK(商標)などである。いくつかの実施形態では、採血デバイスは、近位コネクタ24とともに一体化されてもよく、単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、この方法は、血液を採血デバイス内に採取した後、並進ハンドル28を遠位位置から近位位置に移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、並進ハンドル28を遠位位置から近位位置に移動させることに応答して、開通性器具26の遠位端部30はチューブの中に後退され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、拡張セットは、流体経路を介して採取された血液サンプルの溶血を低減し得て、これは、別のチューブ36(例えば、図1A図1Dに関して議論される)又は流体経路44を含み得る。いくつかの実施形態では、拡張セットは、適切な流体流量を提供し得る。血球は、流体経路を流れる際にせん断応力を受ける。最大のせん断応力は、血球の壁に沿った、すなわち壁面せん断応力である。血球上の壁面せん断応力は、血球への機械的損傷の主な原因と考えられる。円筒状の流体経路の場合、壁面せん断応力は通常次のように表される。
【数1】
ここでΔPは長さLと内部半径rを備える経路に沿った圧力損失である。kは収縮指数である。
【0042】
特定の容量の採血管Vを流量Qで満たすのに必要な時間は、次の式で簡単に評価され得る。
【数2】
ここで、μは流体の動的粘性である。溶血は通常、壁面せん断応力と、血球が壁面せん断応力に曝される時間との両方に関連付けられる。文献から、溶血指数は次の関数としてアプローチされ得ると広く考えられている。
【数3】
ここで、A、α、及びβは係数である。
【0043】
原則として、溶血指数は、圧力勾配及び断面特性寸法に関連する。
【数4】
【0044】
いくつかの実施形態では、別のチューブ36及び/又は流体経路44の長さは、以下の1つ以上に基づいて選択されてもよく、それは特定のカテーテルのゲージ、特定のカテーテルアセンブリ構成、又は臨床設定である。いくつかの実施形態では、開通性器具110は長さLを含んでもよい。いくつかの実施形態では、別のチューブ36及び/又は流体経路44は内径Dを含んでもよい。
【0045】
流体経路内の流体の流れ(別のチューブ36及び/又は流体経路44の流体の流れなど)は、流体経路が管状である場合、ポアズイユの式を使用して分析され得る。
【数5】
ここでΔPは、流体経路の長さにわたる圧力勾配の変化であり、DとLはそれぞれ流体経路の内径と長さであり、μは流体の粘性であり、R=128μL/πDは流体抵抗である。μは流体の粘性であり、拡張チューブのジオメトリの一部ではないため、幾何学的係数Gは、R(流体抵抗)がR=(128μL/π)×Gであるように定義され、ここでG=L/Dである。
【0046】
いくつかの実施形態では、流体経路は、長さ(L1、L2、L3)及び内径(D1、D2、D3)を有する複数のセクションを有してもよく、幾何学的係数は以下である。
【数6】
いくつかの実施形態では、流体経路は、流体経路の長さにわたって変化する内径を有することができ、幾何学的係数は以下である。
【数7】
いくつかの実施形態では、流体経路は、円形ではない断面を有してもよく、又は複雑な内径プロファイルを有してもよい。次に、幾何学的係数は、既知の粘性(μ)の流体を使用して、所与の圧力(ΔP)での流量(Q)を測定することにより決定され得る。
【数8】
【0047】
流体経路のG値は、各カテーテルゲージに対する最大せん断応力を低減するように選択され、以前は採血の絶対的基準と見なされた、BD21G VACUTAINER(登録商標)UltraTouch(商標)押しボタン式採血セット(ニュージャージ州フランクリンレイクスのBecton,Dickinson and Companyから入手可能)の最大せん断応力以下にすることができる。いくつかの実施形態では、流体経路のG値は、各カテーテルゲージの最大せん断応力を低減するように選択され、BD25G VACUTAINER(登録商標)UltraTouch(商標)押しボタン式採血セット(ニュージャージ州フランクリンレイクスのBecton,Dickinson and Companyから入手可能)の最大せん断応力以下にすることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、採血システムの流体経路は、採血デバイス、別のチューブ36及び/又は流体経路44、及びカテーテルアセンブリ(拡張チューブを含み得る)のうちの1つ以上を含み得て、採血経路全体を含むことができ、そこを通って血液は血管系を出た後、採血中に採血デバイスの中、又は採血デバイスを通って流れる。採血システムの拡張流体経路に対するシステム幾何学的係数Gfsは、前述の流体経路(別のチューブ36及び/又は流体経路44の場合など)と同様の方法で決定され得る。いくつかの実施形態では、システム幾何学的係数Gfsは、並進ハンドル28が遠位位置にあるとき、7.34E+06(1/in)以上であり得る。いくつかの実施形態では、Gfsは別の値を含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム幾何学的係数Gfsは、7.34E+06(1/in)プラスマイナス10パーセント、プラスマイナス25パーセント、プラスマイナス50パーセント、又はプラスマイナス75パーセントであり得る。いくつかの実施形態では、Gfsは、別の値を含み得て、それはカテーテルのゲージ及び/又は長さに基づいて選択され得る。
【0049】
本明細書に記載されるすべての例及び条件的な言語は、教育学的な目的として、本発明及び当技術分野の促進のために本発明者によってもたらされた概念を読者が理解するのを支援することを意図し、また、そのような具体的に記載される例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態が詳細に説明されてきたが、様々な変更、置換例、及び代替例は、開示された実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得るということを理解するべきである。
【符号の説明】
【0050】
10 拡張セット
12 チューブ
14 遠位端部
16 近位端部
18 管腔
20 外面
22 遠位コネクタ
24 近位コネクタ
26 開通性器具
28 並進ハンドル
32 結合要素
34 主要部
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
【手続補正書】
【提出日】2023-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
いくつかの実施形態では、並進ハンドル28は、任意の適切な並進ハンドル又はグリップを含み得て、開通性器具26は、任意の適切な開通性器具を含み得る。並進ハンドル28及び/又は開通性器具26は、例えば、2020年12月18日に、「FLUSH PATENCY INSTRUMENT WITH BLOOD EXPOSURE PROTECTION AND RELATED METHODS」と題して出願された米国特許出願第17/127,588号、及び2020年12月18日に、「MULTI-LUMEN EXTENSION SYSTEM」と題して出願された米国特許出願第17/127,623号に更に詳細に記載され、その全体は参照により援用される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
いくつかの実施形態では、チューブ12は可撓性であってもよい。いくつかの実施形態では、チューブ12の外面20は、1つ以上の視覚的マーキング又は触覚要素(戻り止め、溝、リブなど)を含み、IVデバイスに対する開通性器具26の位置に関するユーザフィードバックを提供し得る。いくつかの実施形態では、結合要素32の内面及び/又は別のチューブ36の外面は潤滑剤を含んでもよく、これは、静止していてもよい別のチューブ36に対する結合要素32の移動を容易にし得る。いくつかの実施形態では、別のチューブ36の遠位端部及び/又は近位端部は、拡張セット10内に固定され得る。いくつかの実施形態では、別のチューブ36の近位端部は、近位コネクタ24内に楔留めされ、又は固定され得て、その結果、血液は近位コネクタ24と別のチューブ36との間の空間38に流入できない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
いくつかの実施形態では、別のチューブ36及び/又は流体経路44の長さは、以下の1つ以上に基づいて選択されてもよく、それは特定のカテーテルのゲージ、特定のカテーテルアセンブリ構成、又は臨床設定である。いくつかの実施形態では、開通性器具26は長さLを含んでもよい。いくつかの実施形態では、別のチューブ36及び/又は流体経路44は内径Dを含んでもよい。
【国際調査報告】