(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】コロナウイルス感染症およびレトロウイルス感染症ならびにC型肝炎を処置するための薬物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/115 20060101AFI20230508BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230508BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230508BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230508BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230508BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
A61K31/115
A61P37/02
A61P31/14
A61P1/16
A61K9/08
A61K47/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558419
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 RU2020050334
(87)【国際公開番号】W WO2021194375
(87)【国際公開日】2021-09-30
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522377789
【氏名又は名称】ラスカヴィー, ヴラディスラフ ニコラエヴィッチ
【氏名又は名称原語表記】LASKAVYI, Vladislav Nikolaevich
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ラスカヴィー, ヴラディスラフ ニコラエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】シュルドフ, ミハイル アルカデヴィッチ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076BB15
4C076CC07
4C076DD23
4C206AA01
4C206AA02
4C206CB02
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA86
4C206NA14
4C206ZA75
4C206ZB07
4C206ZB33
(57)【要約】
本発明は医学および獣医学に関し、より詳細には薬理学に関し、脂質エンベロープを有するRNAウイルスによって引き起こされたウイルス感染症、特にコロナウイルス感染症、AIDSおよびC型肝炎を処置するために使用され得る。本発明は、特許請求される目的のための薬物の範囲を拡大する。技術的な結果は、副作用および毒性作用を有しないヒトおよび動物の体内での内因性ホルムアルデヒドの産生を活性化させる、細胞内での防腐効果を有する薬物の創出である。技術的な結果は、コロナウイルス感染症およびレトロウイルス感染症ならびにC型肝炎を処置するために単独で5mlの注射投与量にて筋肉内注射するための薬物として、等張な塩化ナトリウム溶液中0.073~0.075%のホルムアルデヒドを含む免疫調節薬を使用することで達成される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロナウイルス感染症、レトロウイルス感染症およびC型肝炎の処置のための、注射につき5mLの単回用量で筋肉内注射するための薬剤としての、等張な塩化ナトリウム溶液中0.073~0.075%の量でギ酸アルデヒドを含有している免疫調節薬剤の使用。
【請求項2】
7日間にわたり1日1回前記薬剤を投与することによる、請求項1に記載の薬剤の使用。
【請求項3】
2回目が1回目の注射後7日目または1回目の注射後1ヶ月のいずれかで前記薬剤を2回導入することによる、請求項1に記載の薬剤の使用。
【請求項4】
前記1回目の注射後2日目、3日目および10日目に前記薬剤を導入することによる、請求項1に記載の薬剤の使用。
【請求項5】
各注射間12時間の間隔で3回、続いて1日または2日後に各注射間12時間の間隔でさらに5回前記薬剤を導入し、続いて最後の注射の1日後に単回注射を実施し、続いて3日後に繰り返し単回注射を実施し、最後の注射の5日後に前記薬剤の最後の単回投与を実施することによる、請求項1に記載の薬剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医学および獣医学に関し、より詳細には薬理学に関し、脂質エンベロープRNAウイルスによって引き起こされたウイルス感染症、特にコロナウイルス感染症、AIDSおよびC型肝炎を処置するために使用され得る。本発明により、特許請求されている目的向けの備蓄が拡大する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎を処置するための医薬が知られている(2005年1月20日に公開されたロシア国特許第2,244,554号明細書(特許分類IPC A61K35/78)を参照されたい)が、これは70%超のベツリン含有量を有するシラカバ抽出物および薬学的に許容される担体を含有する。この医薬は、経口で患者に投与されている。
【0003】
この医薬は薬草の調合薬であることから、ウイルスに対する保護の活性化を可能とするだけでなく、ヒトおよび動物の体の恒常性もまた変化させ、アレルギー患者の可能性がある者や妊娠中および授乳中の女性において、ある成分に対するアレルギー反応を引き起こす可能性がある多成分系であり得る。これまでにベツリンと他の薬物との相互作用は確認されていないが、これが排除されてもいないことに留意されたい。
【0004】
少なくとも75重量%25±10ヌクレオチドのフラグメントを有し、好ましくは少なくとも99%の純度を有し、2:1~3:1の重量比でマンニトールと組み合わせられた高度に精製された酵母からのRNA抽出物に由来し(2016年9月10日に公開されたロシア国特許第2,597,150号明細書(特許分類IPC A61K31/7105)を参照されたい)、同時にこの酵母RNA抽出物が組成物の重量の少なくとも50%を構成している組成物が知られている。この組成物は、オルトミクソウイルス科、パラミクソウイルス科、肝炎ウイルス科、ヘルペスウイルス科のウイルス、ならびにエンテロウイルスおよびアデノウイルスによって引き起こされたウイルス性疾患の処置のために意図されている。加えて、修飾酵母RNAはインフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス、性器ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルスおよびコクサッキーウイルスB群の複製を阻害することが可能である。
【0005】
ただし、この薬物はこれらのウイルス全てを完全に除去することはできず、例えばC型肝炎ウイルスのウイルス量の減少のみが可能である。加えてRNAへのこうした深刻な干渉により、体の恒常性に確実に悪影響を与えてしまう。
【0006】
錠剤形状である重症型ウイルス感染症の処置のための組成物が知られている(2015年10月8日に公開されたロシア国特許第2,559,179号明細書(特許分類IPC A61K9/10)を参照されたい)が、これは組換えインターフェロン-α、組換えインターフェロン-β、組換えインターフェロン-γといった群から選択された組換えインターフェロン;メキシドール、エモキシピン、ジブノール、α-リポ酸、カルニチン塩酸塩といった群から選択された抗酸化剤;アセチルシステイン、システイン、リジン、アルギニンといった群から選択されたアミノ酸;オロト酸カリウム、リボキシン、メチルウラシルといった群から選択されるタンパク質同化作用再生剤、および成形基剤を含有している。
【0007】
ただし、こうした化合調合薬を使用する際には制限がある。薬物は、肝疾患、重度のうつ病および/または希死念慮、てんかんの病歴および妊娠においては注意して使用されなければならない。この薬物を用いた抗痙攣薬を投与している患者、NYHA分類による心不全ステージIII~IVの患者、および心筋症、骨髄不全、貧血または血小板減少の患者の処置においては慎重に実施されなければならない。
【0008】
インフルエンザに対する防腐剤が知られている(2009年5月20日に公開されたロシア国特許第2,355,391号明細書(特許分類IPC A61K31/045)を参照されたい)が、ある一定の成分の比で陽イオン界面活性剤、低分子量のグリコールまたはグリセロール、およびアンモニウム塩、および構成成分、尿素、ならびに追加的にはアンモニウム塩として硝酸アンモニウムを含有している。陽イオン界面活性剤としては、ドデシルジメチルアンモニウムブロミドまたはドデシルジメチルアンモニウムクロリドが使用される。低分子量グリコールとしては、トリエチレングリコール、または1,2-プロピレングリコール、またはポリプロピレングリコールが使用される。構成成分としては、水またはエチルもしくはイソプロピルアルコールの8~20%水溶液が使用される。この発明は、目的とする生成物の長期保存中の殺生物性活性の増加、作用スペクトルの拡大、刺激特性および毒性の低減を提供する。
【0009】
ただし、この薬物は体外のウイルスを死滅させるためのみに使用され得る。この薬物はウイルス性疾患を処置すると想定されてはいない。
【0010】
RNA含有ウイルス(好ましくはインフルエンザAウイルスまたはライノウイルス)により引き起こされたウイルス感染症の予防および処置向けの薬剤もまた知られている(2014年7月27日に公開されたロシア国特許第2,524,304号明細書(特許分類IPC A61M15/00)を参照されたい)。この薬剤は、活性部分としてはo-アセチルサリチル酸の塩を、目的とする添加剤としてはリジン、アルギニン、オルニチンおよびジアミノ酪酸を含む群から選択されたアミノ酸を、含有する。この薬剤は、鼻または口を通した吸入によるエアロゾル投与を意図している。
【0011】
この薬物のデメリットは、アセチルサリチル酸の使用が重度の呼吸器刺激を引き起こす可能性があるという点である。アミノ酸とo-アセチルサリチル酸の塩との複合体を用いた治療によってこうした可能性を減少させたとしても、これはアレルギー反応の可能性を完全に除外するわけではない。
【0012】
蕁麻疹、アセチルサリチル酸および他のNSAIDを摂取することで引き起こされた鼻炎、血友病、出血傾向、低プロトロンビン血症、解離性大動脈瘤、門脈圧亢進症、ビタミンK欠乏症、肝機能不全および/または腎機能不全、グルコース-6-リン酸脱水素酵素の欠乏症、ライ症候群、小児の年齢(15歳まで、ウイルス性疾患の基礎環境にて高体温症を有する小児における、ライ症候群発症のリスク)、アセチルサリチル酸および他のサリチル酸に対する過敏症の病歴を有する人々には、この組成物を使用した際に高いリスクが存在している。
【0013】
アセチルサリチル酸は、少ない用量であったとしても体からの尿酸の排出を減少させる。これによって、素因がある患者に痛風の急性発作を引き起こす可能性が生じる。
【0014】
アセチルサリチル酸は多くの場合、例えばカルシウム摂取を制限もしくは体からのカルシウムの排出を増加させる薬物であるカルシウムチャネルブロッカーといった他の薬物と相互作用し、または利尿薬(スピロノラクトン、フロセミドなど)の有効性を減少させることに留意されたい。
【0015】
特許請求されているものに最も近いものは、有効成分および目的とする添加剤を含有する免疫調整薬剤である(1997年4月27日に公開されたロシア国特許第2,077,882号明細書(特許分類IPC A61K 31/115)を参照されたい)。有効成分としてはホルムアルデヒドを、目的とする添加剤としてはNaClおよび蒸留水を含むが、一方で0.07~0.24重量%のホルムアルデヒド、0.9~0.95重量%のNaCl、100%に達するまでの水を含有する注射液である。
【0016】
こうした類似物質は、抗ウイルス薬の設計が解決された課題とは全く異なっていることを示している。したがって、ウイルス感染症に対する保護の新規手段の探索は非常に意味のあることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】ロシア国特許第2,244,554号明細書
【特許文献2】ロシア国特許第2,597,150号明細書
【特許文献3】ロシア国特許第2,559,179号明細書
【特許文献4】ロシア国特許第2,355,391号明細書
【特許文献5】ロシア国特許第2,524,304号明細書
【特許文献6】ロシア国特許第2,077,882号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
特許請求されている発明の技術的な課題は、ヒトおよび動物におけるRNA含有ウイルスにより引き起こされた感染症の処置にとって効果的である注射可能な設計と、コロナウイルス感染症、レトロウイルス感染症およびC型肝炎に対する医薬品の備蓄の拡大である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
技術的な結果は、副作用および毒性作用がない状態でヒトおよび動物の体内で内因性ギ酸アルデヒドの産生を活性化させる、細胞内の防腐効果を有する薬剤の設計である。
【0020】
技術的な結果は、コロナウイルス感染症、レトロウイルス感染症およびC型肝炎の処置のための、注射につき5mLの単回用量で筋肉内注射するための薬剤として、等張な塩化ナトリウム溶液中0.073~0.075%の量でギ酸アルデヒドを含有している免疫調節薬剤を使用することで獲得される。疾患の重症度によっては、この薬剤は様々なスキームに従って投与される。すなわち、7日間にわたり1日につき1回または2回、2回目に関しては1回目の注射後7日目または1回目の注射後1ヶ月のいずれかである。この薬剤は1回目の注射後2日目、3日目および10日目に投与され得る。特に重篤な場合、この薬剤は各注射間12時間の間隔で3回投与され、続いて1日または2日後に各注射間12時間の間隔でさらに5回投与され、続いて最後の注射の1日後にこの薬剤は1回投与され、続いて3日後に2回目の単回注射を行い、この後、最後の注射の5日後にこの薬剤の最後の単回投与が実施される。
【0021】
著者らに知られている特許ならびに科学的情報および技術的情報の情報源は、細胞内内因性ギ酸アルデヒドの産生の活性化に基づくRNA含有ウイルス、特にヒトおよび動物におけるコロナウイルス感染症、AIDS、C型肝炎によって引き起こされたウイルス感染症の処置のための手段を何ら記載していない。この新たな機能および提案された目的は、既に知られている特性から明確に生じているわけではない。薬物の投与方法は、これまでどこかにて記載されてはいない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
現在、恒常性に悪影響を及ぼすことなく、ヒトおよび動物の体の細胞内部での感染性疾患(ウイルス)の病原体を破壊することができる一般的な防腐薬は存在しない。既存の防腐剤は、原則として、外部環境で病原体を不活化するために使用される。
【0023】
最も関心が高いのは、自然界で最も単純な化合物の1つであるギ酸アルデヒド(ホルムアルデヒド)である。この物質は、外部環境にて感染性疾患の病原体を破壊する化学的性質の防腐薬(有機化合物)として、組織学および病理解剖学における細胞および組織の化学防腐剤として、分類されている。
【0024】
生体中に内因性ホルムアルデヒドが存在することが現在確認されているが、これは天然の代謝産物であり、多くの体の生化学反応に関与している。内因性ホルムアルデヒドの濃度は0.2~0.5mMに達することがあり、血液中でのその含有量は0.05~0.1mMであり得る(M.Casanova,H.D.Heck,J.I.Everitt,W.W.Harrington,J.A.Popp.Formaldehyde concentrations in the blood of Rhesus monkeys after inhalation exposure//Food Chem.Toxicol.Int.J.Publ.Br.Ind.Biol.Res.Assoc.1988,26,715;X.Song,X.Han,F.Yu,J.Zhang,L.Chen,C.Lv,A reversible fluorescent probe based on C=N isomerization for the selective detection of formaldehyde in living cells and in vivo.//The Analyst 2018,143,429;Human Endogenous Formaldehyde as an Anticancer Metabolite:Its Oxidation Downregulation May Be a Means of Improving Therapy Yuri L.Dorokhov Ekaterina V.Sheshukova Tatiana E.Bialik Tatiana V.Komarova//BioEssays 2018,1800136)。ホルムアルデヒドは、全ての細胞へと容易に浸透し、その濃度が生理学的な基準を超える場合には容易に除去されることで知られている。体内のホルムアルデヒドの生理学的レベルは、P450モノオキシゲナーゼ、ミトコンドリアA1DH2およびADH5またはホルムアルデヒド脱水素酵素をコードする遺伝子を含む3つの別個の経路にてホルムアルデヒドを酸化する細胞酵素が連続して作用することで終始維持されている(Dorokhov Y.L.Metabolic methanol:molecular pathways and physiological role//Physiol.Rev.2015.95(2),603-644;Yuri L.Dorokhov Ekaterina V.Sheshukova Tatiana E.Bialik Tatiana V.Komarova Human Endogenous Formaldehyde as an Anticancer Metabolite:Its Oxidation Downregulation May Be a Means of Improving Therapy//BioEssays 2018,1800136)。ホルムアルデヒドは、メタンおよびメチルメタクリラートのジハロゲン誘導体を生体内変換する間、ミクロソームジメチラーゼの作用の下で肝臓にて形成される(Malyutina N.N.,Taranenko L.A.Pathophysiological and clinical aspects of the effects of methanol and formaldehyde on the human body//Modern problems of science and education.-2014.-No.2[Russ.];URL:http://science-education.ru/ru/article/view?id=12826(date of access:17.03.2020))。ホルムアルデヒドは、チミジン、プリンおよび他の酸を合成するために体に使用され、セリンおよびそれよりは少ない程度である他のアミノ酸を破壊する間に形成される。ホルムアルデヒドが一連の酵素変換反応を通じて血液に入ると、肝臓内で酸化されてギ酸となり、一方でメチルアルコールが肝臓内で形成される。さらには、ギ酸はギ酸デヒドロゲナーゼの作用の下で代謝されてCO2となる、または一炭素残基の交換におけるテトラヒドロ葉酸系に関与している。ホルムアルデヒドは、タンパク質、アミン、アミド、各タンパク質および核酸と容易に相互作用する(Malyutina N.N.,Taranenko L.A.Pathophysiological and clinical aspects of the effects of methanol and formaldehyde on the human body//Modern problems of science and education.-2014.-No.2[Russ.];URL:http://science-education.ru/ru/article/view?id=12826(date of access:17.03.2020))。
【0025】
ホルムアルデヒドは、少量にてヒトおよび動物の全ての内液中で確認されており、尿中でのみ、例えば血液中よりも20%を超えている。これは、ホルムアルデヒドが体から排出される主要な方法を指している。
【0026】
試験は、低濃度のホルムアルデヒド(例えば、10mmol/L)がHeLa細胞の増殖を促進することを示している。ただし、ホルムアルデヒド濃度が62.5mmol/Lに達していると、これは細胞成長を阻害する。
【0027】
一定の体内ホルムアルデヒド濃度は、内因性ホルムアルデヒドは重要な代謝産物であることから細胞の生命活動にとって重要である。ただし、ホルムアルデヒド濃度が顕著に増加した場合には、これは遺伝毒性物質としても作用する可能性がある(Richard J.Hopkinson,Christopher J.Schofield.Deciphering Functions of Intracellular Formaldehyde:Linking Cancer and Aldehyde Metabolism// Biochemistry 2018,57,6,904-906)。
【0028】
コロナウイルス感染症に属するブタ伝染性胃腸炎ウイルスの例を使用した場合、ホルマリンは0.01%の濃度でウイルスを不活化することが確認された(Stepanek J.,Mensik J.,Pospisil Z.,Rozkony V.Vlev formalinu a betapropiolaktonuna infekcnost a antigenicitu puvodce virovegastroenterit du prasat(VGR)//Veter.Med.(CSSR).-1973.-V.18.-#5.-P.269-280)。37℃のホルマリンの影響下では、このウイルスはちょうど150分後にはその病原性を失った((古典的な腸内バリアント)//Virus Infec.Procines.Amsterdam ect.-1989.-P.139-153)。他のコロナウイルス感染症(マウスの肝炎ウイルス、ニワトリの感染性気管支炎、ネコの感染性腹膜炎、ウシの胃腸炎および呼吸性感染症のウイルス、ヒト胃腸炎など)もまたホルムアルデヒドに感受性がある。
【0029】
開発された薬剤は、等張な塩化ナトリウム溶液中のギ酸アルデヒド溶液である。これは一般的な調製方法を用いて取得され、有効成分は非常に低用量で担体中に溶解され、使用された濃度では正常な細胞には毒性作用を何ら引き起こさない。
【0030】
薬剤は体に複数の効果をもたらし、恒常性を維持する一助となる。この薬剤は、抗原特異免疫反応の活性化を促進する新規分類の薬物に属し、この開発によって体から病原体を完全に排除した状態とすることができる。
【0031】
本発明者らの意見では、外因性ギ酸アルデヒド(ホルムアルデヒド)の非経口投与により、ヒトリンパおよび血液中での濃度上昇がもたらされる。次にこれは、体の細胞から細胞内の空間へのホルムアルデヒドの流出を妨ぐ。このことによって、Le Chatelier-Brownの法則のうち1つに従い、細胞内部のホルムアルデヒド量の上昇がもたらされる。これは、反応生成物のうちの1つの濃度が上昇することで、内因性ホルムアルデヒドの形成に(左方に)シフトすることを示している。これによって、細胞内部のウイルスの不活化が発生する。
【0032】
ギ酸アルデヒド水溶液は独特の刺激臭を有し、どの比率でも水とアルコールを混和可能である、透明で無色の液体である。
【0033】
ギ酸アルデヒド(HCOH)は、アルデヒドの部類の代表例である。これは、刺激臭を有する無色の気体であり、30.03のモル重量、20℃での密度が0.815、融点が92℃、沸点が19.2℃である。これは水、アルコールによく溶解する。
【0034】
注射用の等張な塩化ナトリウム溶液は、0.85~0.95%の濃度で塩化ナトリウムを含み、塩味がある無色透明な液体である。この溶液は無菌であり、発熱性ではない。
【0035】
塩化ナトリウムは、塩味があり無臭の立方晶または白色の結晶粉末である。これは水に可溶である(1:3)。
【0036】
特許請求されている薬剤は、わずかに塩味があり、透明、無色、無臭の液体である。
【0037】
この薬剤は以下のように調製される。
【0038】
36.5~37.5%のギ酸アルデヒドの薬液を2部(重量)取り分け、薬剤中のギ酸アルデヒド濃度が0.073~0.075%になるまで、無菌の注射用の0.85~0.95%の塩化ナトリウム溶液(無菌)998部(重量)にこれを加える。生成物は、15~35℃の範囲内の温度で暗所にて保存する。
【0039】
実施例1.37%のギ酸アルデヒドの薬液を0.2mL取り分け、無菌の0.9%(または0.95%)の等張な塩化ナトリウム溶液99.8mlにこれを加える。溶液の混合物を十分に撹拌させる。得られる生成物のギ酸アルデヒドの最終濃度は0.074重量%になる。
【0040】
実施例2.36.5%のギ酸アルデヒドの薬液を0.2mL取り分け、無菌の0.9%(または0.95%)の等張な塩化ナトリウム溶液99.8mlにこれを加える。溶液の混合物を十分に撹拌させる。得られる生成物のギ酸アルデヒドの最終濃度は0.073重量%になる。
【0041】
実施例3.
14Cで標識したホルムアルデヒドで細胞をインキュベートすることにより、内因性ホルムアルデヒドの産生を活性化させる外因性ホルムアルデヒドの能力を試験した。1.7TBq/Mの比放射能および10.1GBq/L(5.9mM溶液)の放射能濃度および98%の放射化学的純度で標識したホルムアルデヒドを使用した。新しい37%のホルムアルデヒド(Sigma,USA)を使用し、必要とされる濃度の溶液を得た。
【0042】
ネガティブコントロールとして、放射線標識したホルムアルデヒドでインキュベートされていない細胞試料を使用した。
【0043】
ULTIMA GOLD LLTシンチレータ(PerkinElmer,USA)のTri-Carb 2800 TR β-カウンタ(PerkinElmer,USA)で試料の放射能を測定した。試料のアリコート(0.1mL)をシンチレータ(0.9mL)と十分に混合し、混合物を調製した後わずかに2時間以内に放射能を測定した。
【0044】
48ウェルのポリスチレンプレートの表面上で細胞を培養した。
【0045】
初代ヒト歯肉線維芽細胞および頚部腺がんHeLa細胞を細胞培養物として使用した。6%のCO2の雰囲気、37℃にて、10%のウシ胎児血清および抗生物質(ペニシリンおよびストレプトマイシン)を追加したIMDM培地で細胞を培養した。
【0046】
実験中、細胞を1cmのウェル径を有する48ウェルのポリスチレンプレートへ、ウェルあたり12,000個の細胞の量で、それぞれのタイプの試料について3回反復して(0.5mlの培地に)入れた。細胞を播種して24時間インキュベートした後、培地を除去し、細胞を0.5mLの生理食塩水ですすぎ、ホルムアルデヒドを含まない生理食塩水またはこれを含む生理食塩水をコントロールおよび実験ウェルに加え、30分、1時間および2時間インキュベートさせた(最終濃度は0.11%、0.074%、0.014%、0.0028%および0.00056%、5倍希釈、10,000ppm/ウェル)。培地中でのホルムアルデヒドの効果を試験するため、生理食塩水中のホルムアルデヒド溶液50μl(1/10の体積)を、450μlの培地(ホルマリン濃度は、これまでに言及したものよりも10倍高く、結果として、生理食塩水中で細胞インキュベーションをした場合と同じ濃度のホルムアルデヒド溶液を得た)とともにコントロールおよび実験ウェルに加えた。インキュベート後、培地の2つのアリコート100μl(倍量)を上清から取り分け、取り入れた総放射能を測定した。続いてホルムアルデヒド溶液を除去し、リン酸塩緩衝液で細胞を2回洗浄し、培養プラスチック面から細胞を解離するため、0.25%のトリプシン溶液(Sigma,USA)で処理した。800gで10分間、遠心分離によって細胞懸濁液を沈降させ、トリプシン上清からアリコートを取り分けた。220μlの生理食塩水中に細胞沈殿物を再懸濁し、2つのアリコート100μlを取り分け、試料の放射能を測定した。
【0047】
試料の放射能に関するデータを取得した後、試料の比放射能および初期体積に基づき、画分中のホルムアルデヒドの割合を算出(calculeted)した。ホルムアルデヒド溶液のモル比放射能に基づき、画分中のホルムアルデヒド濃度を分析した。
【表1】
【0048】
表1から確認され得るように、0.074%の濃度で生理食塩水中に溶解されたホルムアルデヒドで細胞をインキュベートすることで、0.11%のホルムアルデヒド溶液中での細胞インキュベーションと比較すると、初代ヒト歯肉線維芽細胞中および頚部の腺がん中の内因性ホルムアルデヒドの産生をそれぞれ18.4%および32%活性化する。
【0049】
培地中で希釈されたホルムアルデヒドで細胞をインキュベートした場合、同様の結果が得られたことに留意されたい。例えば、0.074%のホルムアルデヒド溶液で細胞をインキュベーションすることで、0.11%のホルムアルデヒド溶液中での細胞インキュベーションと比較すると(表2)、初代ヒト歯肉線維芽細胞および頚部の腺がん中の内因性ホルムアルデヒドの産生をそれぞれ20.6%および30.2%活性化する。
【表2】
【0050】
したがって、試験は他の濃度(0.11%、0.028%、0.00052%および0.014%)と比較した場合、使用した0.074%のホルムアルデヒドのみが初代ヒト線維芽細胞および頚部HeLaの腺がん中の内因性ホルムアルデヒドの産生を活性化することができる。これは、Le Chatelier-Brownの法則に対応している。これは、反応生成物のうち1つの濃度の上昇に関して(本発明者らの場合には、0.074%の濃度の外因性ホルムアルデヒド)、平衡は細胞中の初期段階の(内因性)ホルムアルデヒドの形成を増加させる方向にシフトしたことを示している。
【0051】
以下は様々なウイルス感染症用の薬剤の使用例である。
【0052】
治療目的のため、薬剤を1回の注射で5mL筋肉内投与するが、投与スキームは異なっていてもよい。すなわち:
-第1のスキームによれば、薬剤は1回目の注射後、1日目および7日目の2回投与し、
-第2のスキームによれば、1ヶ月の間隔をあけて2回、
-第3のスキームによれば、1回目の注射後、2日目、3日目および10日目、
-第4のスキームによれば、薬剤を各注射間12時間の間隔で3回投与し、続いて1~2日後に各注射間12時間の間隔で5回以上投与する。続いて最後の注射の1日後、薬剤を1回投与し、続いて3日後に繰り返し単回注射を実施し、最後の注射の5日後に最後の単回注射を実施する。
-第5のスキームによれば、7日間にわたり1日につき1回、投与する。
【0053】
プロトコルの注射の数は、疾患の重症度によって増加させてもよい。
【0054】
実施例4.雌ブタ、乳飲み仔ブタおよび離乳仔ブタについて、ブタのコロナウイルス感染症(ブタ伝染性胃腸炎)を記録する。
【0055】
伝染性胃腸炎が好ましくない飼育場では、雌ブタは分娩後に肺の疾患を示し、肺と腸の疾患が離乳仔ブタで記録され、乳飲み仔ブタでは腸の疾患が記録されている。
【0056】
伝染性胃腸炎を記録した女王細胞のうち1つにおいて、153頭の新生仔ブタとともに16頭の雌ブタ類似体に関して実験を行った。この実験を行うために0.074%のギ酸アルデヒド溶液を調製した。動物の第1群(8頭の雌ブタと75頭の新生仔ブタ)に、雌ブタ1頭あたり5mL、仔ブタ1頭あたり2mLの割合で0.074%のギ酸アルデヒド溶液を注射した。コントロール群(8頭の雌ブタと78頭の新生仔ブタ)に、同量の生理食塩水を注射した。薬剤を2回、すなわち1日目と1回目の注射後7日目に投与した。
【0057】
動物を最大2週齢まで臨床的に観察し、伝染性胃腸炎の臨床症状および動物の死亡を記録した。得られた結果を表3に示す。
【表3】
【0058】
本発明者らによる試験の結果は、雌ブタおよび新生仔ブタに0.074%のギ酸アルデヒド溶液を同時に導入することで、伝染性胃腸炎による乳飲み仔ブタの発症率および死亡率を有意に減少させたことを示していた。2つの関連性(雌ブタおよび新生仔ブタ)におけるこの作用は、2つの観点から考慮されなければならない。雌ブタへの薬剤の1回目の投与により、母親の体内の病原体数を減少させ、新生児に対する感染用量を減少させた。仔ブタへの薬物の導入は、治療効果をもたらした。
【0059】
表から確認され得るように、発症率は50%(74.4~24.0)減少した。これは、母親のウイルス量を減少させる予防効果に関連していた。死亡率は、仔ブタへの薬物の投与後の治療効果により6倍減少した。
【0060】
実施例5.レトロウイルス感染症(AIDS)の例における薬剤の防腐効果試験。6人のボランティアに試験を実施した。
【0061】
最初の5人の患者には、1回目の注射後、2日目、3日目および10日目に5mLの用量で薬物を投与し、最後の(6番目の)患者には、5mLの用量で2回(1回目の導入後1ヶ月に2回目)薬物を投与した。
処置結果:
【0062】
患者1、初期ウイルス量は750,000RNA/mL、処置後2ヶ月のウイルス量は2,187RNA/mLであり、342分の1のウイルス量の減少が認められた。
【0063】
患者2、初期ウイルス量は150,201RNA/mL、処置後2ヶ月のウイルス量は1,230RNA/mLであり、122分の1のウイルス量の減少が認められた。
【0064】
患者3、初期ウイルス量は97,171RNA/mL、処置後2ヶ月のウイルス量は1,101RNA/mLであり、ウイルス量の減少は88分の1であった。
【0065】
患者4、初期ウイルス量は78,122RNA/mL、処置後2ヶ月のウイルス量は1,037RNA/mLであり、75分の1のウイルス量の減少が認められた。
【0066】
患者5、初期ウイルス量は78,122RNA/mL、処置後2ヶ月のウイルス量は1,837RNA/mLであり、42.5分の1のウイルス量の減少が認められた。
【0067】
患者6、初期ウイルス量は11,182RNA/mL、処置後2ヶ月のウイルス量は1,165RNA/mLであり、9分の1のウイルス量の減少が認められた。
【0068】
全ての患者は、体に悪影響を及ぼすことなくかつ毒性作用なく、細胞レベルでの薬剤の防腐効果によりウイルス量の急激な減少を示した。
【0069】
実施例6.ウイルス性C型肝炎の例における薬剤の防腐効果試験。10人のボランティアに処置を実施した。
【0070】
全ての患者はウイルス複製の再発性変化を示し、ウイルス量は1~3ヶ月ごとに1常用対数で変動していた(周期的に減少および上昇)。3人の患者においては、この患者らの疾患の血清反応陰性期に処置を開始した。
【0071】
7人の患者では、ウイルス量の最小化が観察された。すなわち、最終レベルは1,000RNAコピー/mLであり、一方で初期レベルは2,500,000RNAコピー/mLであった。
【0072】
疾患の血清反応陰性期における治療開始時には、3症例でPCRが陰性であると認められた。
【0073】
ウイルス性肝炎に罹患している全ての患者は、自身の全身状態、睡眠、気分の改善、能力の上昇、および身体活動に対する許容性の良好化が認められた。患者の社会的活動は増加し、家族内および仕事における関係性は改善した。
【0074】
実施例7.患者M、46歳、SARS-CoV-2コロナウイルス感染症(既往歴、臨床徴候およびX線写真に基づく)。
【0075】
臨床徴候:高熱(38~39.2℃)、無益でしつこい咳、胸痛を伴う呼吸不全、倦怠感および中等度の頭痛。
【0076】
胸腔のX線パターン:肺野周辺部における炎症の小さな病巣の存在。
【0077】
抗生物質を用いた3日間にわたる処置は効果がなかった。
【0078】
以下のスキームに従い、処置を行った。5mLの用量で薬剤を投与した。12時間ごとに薬剤を3回注射し、続いて翌日12時間ごとに薬剤を5回以上注射した。続いて翌日に薬物を1回注射で投与し、3日後にさらに注射で投与し、前回の注射の5日後に最後の注射で投与した。
【0079】
結果:臨床徴候は消失;X線写真では炎症の病巣は存在しなかった。薬物の副作用および毒性作用はなかった。
【0080】
実施例8.患者S、35歳-コロナウイルス感染症(既往歴および臨床徴候に基づく)。
【0081】
臨床徴候:体温37.2~37.7℃、無益でしつこい咳、倦怠感および中等度の頭痛。患者はコロナウイルス感染症の確定診断を受けた人々との接触があった。抗生物質を用いた10日間にわたる処置は効果がなかった。
【0082】
処置の過程は、以下のスキームに従って行った:7日間にわたり1日1回、5mLの用量で筋肉内投与した。
【0083】
結果:臨床徴候は消失し、完全に回復した。薬物の副作用および毒性作用が存在しなかったことが認められた。
【0084】
実施例9.患者S、56歳、COVID-19と診断された(PCR法)。
【0085】
処置開始時の臨床徴候:体温39.2℃、コンピュータ断層撮影(CT)による両側の肺損傷(各側で25%)、乾性咳、胸痛、全身脱力感、発汗、嗅覚が働かない。疾患の1日目から、この患者は目に見える結果は得られなかったが抗生物質を摂取した。
【0086】
疾患の3日目には、以下のスキームに従い、特許請求されている薬剤を用いた処置を開始した:24時間の間隔で7日間にわたり、毎日5mL薬剤を投与した。抗生物質は何ら使用しなかった。
結果。
【0087】
2日目には、咳が激しくなり、湿性咳の段階に変わった。体温は37.4℃に低下し、頭痛が消失した。治療開始から3日目には体温は平熱(36.6℃)に戻り、いずれの疼痛症状も消失した。全身状態は改善した。患者は抵抗力の変動を認め、発汗がなくなった。7日目には、患者は客観的に完全な回復を記録した。
【0088】
特許請求されている薬剤を用いて治療を開始した14日目に、肺のCTスキャンを行った。実験結果に基づいた結論は「健康」である。炎症の徴候または残留している症状は何ら見られなかった。コントロールPCR試験は陰性であった。
【0089】
実施例10.患者R、46歳、COVID-19と診断された(PCR法)。
【0090】
処置開始時の臨床徴候:体温39.6℃、CTによる両側の肺損傷(それぞれ、20%および30%)、乾性咳、胸骨後の疼痛、全身脱力感、発汗、不断の頭痛、嗅覚が働かない。
【0091】
特許請求されている薬剤を用いた処置を疾患の5日目に開始した。薬剤を24時間の間隔で7日間にわたり毎日5mL投与した。抗生物質は何ら使用しなかった。
結果。
【0092】
特許請求されている薬剤を用いた処置の開始から2日目には、咳が激しくなり、湿性咳の段階に変わった。体温は37.0℃に低下し、頭痛が消失した。治療開始から3日目には体温は平熱(36.6℃)に戻り、いずれの疼痛症状も消失した。全身状態は改善した。患者は、自身の肺からの痰の能動的な排出、抵抗力の変動および発汗の消失を認めた。7日目には、客観的に、患者は完全な回復を記録した。
【0093】
特許請求されている薬剤を用いて治療を開始した14日目に、肺のCTスキャンを行った。実験結果に基づいた結論は「健康」である。炎症の徴候または残留している症状は何ら見られなかった。コントロールPCR試験は陰性であった。
【0094】
したがって、薬剤は細胞内の防腐効果を有し、副作用および毒性作用がない状態で、ヒトおよび動物の体内にて内因性ギ酸アルデヒドの産生を活性化させる。
【国際調査報告】