(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】カルーセルを伴う自動化された保管塔
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230508BHJP
B65G 1/133 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/133 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558438
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2021057502
(87)【国際公開番号】W WO2021197942
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファーゲルラン, イングヴァル
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022FF34
3F022JJ11
3F022MM01
(57)【要約】
保管塔(400)、自動化された保管および回収システム(1)、およびそれらを使用する方法が、開示される。保管塔(400)は、鉛直軸を有する、鉛直に延びている支持構造と、支持構造の鉛直軸に沿って配列され、鉛直間隔において分布する、水平に向けられた複数のコンテナ支持部(402a~m)とを備える。各コンテナ支持部(40a~m)は、支持構造に回転式に接続され、少なくとも1つの保管コンテナを支持するように構成される。各コンテナ支持部(402a~l)は、各々、少なくとも1つの開口部(403)を提示し、少なくとも1つの開口部(403)は、少なくとも、保管されるべき保管コンテナ(106)の最大水平断面であるサイズを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管コンテナ(106)を保管するための保管塔(400)であって、前記保管塔(400)は、
鉛直軸(A
v)を有する、鉛直に延びている支持構造(450)と、
前記支持構造(450)の前記鉛直軸に沿って配列され、コンテナ支持骨格(401)によって支持される、m個の水平に向けられたコンテナ支持部(402)であって、前記コンテナ支持部(402)は、保管コンテナ(106)が保管され得る異なる階層を提供するように、鉛直間隔(ΔdV)において分布し、mは、2またはそれより大きい正の整数であり、各コンテナ支持部(420)は、前記支持構造(450)に回転式に接続され、少なくとも1つの保管コンテナ(106)を支持するように構成される、コンテナ支持部(402)と
を備え、m-l個のコンテナ支持部(402)の残りの階層の上方に配列されているl個のコンテナ支持部(402a~l)の各階層は、各々、少なくとも1つの開口部(403)を提示し、前記少なくとも1つの開口部(403)は、少なくとも、保管されるべき前記保管コンテナ(106)の最大水平断面(A
f)であるサイズを有し、lは、1からm-1までの正の整数であり、
前記l個のコンテナ支持部(402a~l)は、前記l個のコンテナ支持部(402a~l)の各階層の少なくとも1つの開口部(403)が、前記コンテナ支持部(402a~l)の個々の回転によって前記l個のコンテナ支持部(402a~l)の他の階層の少なくとも1つの開口部と鉛直に整列可能であるように、前記鉛直軸(A
v)まわりに独立に回転させられ得る、保管塔(400)。
【請求項2】
前記保管塔(400)は、前記鉛直軸(A
v)に対して前記少なくとも1つのコンテナ支持部(402)を回転させるように構成される駆動機構(700)を備える、請求項1に記載の保管塔(400)。
【請求項3】
前記m個のコンテナ支持部(402a~n)の各々は、複数の第1のコンテナ空間(104a)を備え、前記複数の第1のコンテナ空間(104a)は、前記複数の第1のコンテナ空間(104a)が前記鉛直軸(A
v)から等しいか、またはほぼ等しい第1の半径方向距離(r
1)を伴って円周方向にオフセットされるように、前記コンテナ支持部(402)上に円弧状に分布する、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項4】
前記コンテナ支持部(402)の各々は、複数の第2のコンテナ空間(104b)をさらに備え、前記複数の第2のコンテナ空間(104b)は、前記複数の第2のコンテナ空間(104b)が前記鉛直軸(A
v)から等しいか、またはほぼ等しい第2の半径方向距離(r
2)を伴って円周方向にオフセットされるように、前記少なくとも1つの水平に向けられたコンテナ支持部(402)上に円弧状に分布し、前記第2の半径方向距離(r
2)は、前記第1の半径方向距離(r
1)より大きい、請求項3に記載の保管塔(400)。
【請求項5】
各コンテナ支持部(402)は、トロイド形状の水平断面を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項6】
前記支持構造(450)は、中心ポールまたは周辺筐体、または中心ポールおよび周辺筐体の組み合わせである、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項7】
各コンテナ支持骨格(401a~m)は、複数のコンテナ支持部(402)を備え、前記複数のコンテナ支持部(402)は、同軸に配列され、相互に対して回転可能である、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項8】
少なくとも1つのコンテナ支持骨格(401)の前記複数の第1のコンテナ空間(104a)は、複数のコンテナ支持部(402)上に分布する、請求項3~7のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項9】
前記コンテナ支持骨格(401a~m)の各々は、非回転様式において前記支持構造(450)に接続されている静止部分をさらに備え、前記静止部分は、回転デバイス(406)を具備し、前記少なくとも1つの水平に向けられたコンテナ支持部(402)は、前記静止部分に回転式に結合されている、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項10】
前記回転デバイス(406)は、前記駆動機構(700)の一部を成す、請求項9に記載の保管塔(400)。
【請求項11】
前記静止部分は、前記支持構造(450)の前記鉛直軸(A
v)から半径方向に水平に延びているアーム(405)を形成し、前記回転デバイス(406)は、前記アーム(405)の遠位端に配列されている、請求項9または10に記載の保管塔(400)。
【請求項12】
各水平に延びているアーム(405)は、複数の回転デバイス(406)を備え、前記複数の回転デバイス(406)は、個々のコンテナ支持部(402)を支持し、相互に対する前記個々のコンテナ支持部(402)の回転を可能にするように構成される、請求項11に記載の保管塔(400)。
【請求項13】
前記水平に延びているアームは、異なる長さのセットにおいて提供され、各セットは、個々の同軸に配列されているコンテナ支持部(402)を支持するように構成される、請求項11に記載の保管塔(400)。
【請求項14】
前記コンテナ支持部(402)は、前記保管コンテナ(106)を前記コンテナ空間(104)上の定位置に誘導するためのガイドポスト(407)を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項15】
各コンテナ支持部(402)は、鉛直ガイドプレート(409)を備え、前記鉛直ガイドプレート(409)は、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの開口部(403)の各々の周辺の周囲に配列され、
前記鉛直ガイドプレート(409)は、前記個別の開口部(403)の中に上昇または降下させられる保管コンテナ(106)が前記水平平面において整列されるように構成される、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項16】
前記保管塔(400)は、第1の鉛直オフセット(V
r1)において最上コンテナ支持骨格(401a)または最上コンテナ支持部(402)の上方に配列されている輸送機構をさらに備え、前記第1の鉛直オフセット(V
r1)は、少なくとも、保管されるべき前記保管コンテナ(106)の最大高さである、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項17】
前記保管塔(400)は、前記最上コンテナ支持骨格(401a)または上側コンテナ支持部(402a)の上方に配列されているレールシステム(408)をさらに備える、前記請求項のいずれか1項に記載の保管塔(400)。
【請求項18】
前記レールシステム(408)は、第1の鉛直オフセット(V
r1)において前記最上コンテナ支持骨格(401a)または前記最上コンテナ支持部(402a)の上方に配列され、前記第1の鉛直オフセット(V
r1)は、少なくとも、保管されるべき前記保管コンテナ(106)の最大高さである、請求項17に記載の保管塔(400)。
【請求項19】
前記最上コンテナ支持骨格(401a)または前記最上コンテナ支持部(402a)は、いくつかの保管コンテナ(106)のスタック(107)の最大高さに等しいか、またはそれより高い高さに対応する距離において、前記上方の隣接するレールシステム(408)の下側縁の下方に配列されている、請求項17または18に記載の保管塔(400)。
【請求項20】
複数の保管コンテナ(106)を保管するように構成される自動化された保管および回収システム(1)であって、
請求項1~16のいずれか1項に記載の1つまたはそれより多くの保管塔(400)と、
前記複数のコンテナ支持部(402)上に支持される複数の保管コンテナ(106)と、
前記複数のコンテナ支持部(402)の少なくとも一部の上方で側方に移動するように構成される遠隔動作車両(201;301;602)であって、前記遠隔動作車両(201;301;602)は、リフティングデバイス(304)を備え、前記リフティングデバイス(304)は、保管コンテナ(106)を掴持し、鉛直に上昇させるように構成される、遠隔動作車両(201;301;602)と、
前記遠隔動作車両(201;301)の移動をワイヤレスで監視および制御するように構成される制御システム(500)と
を備える自動化された保管および回収システム(1)。
【請求項21】
保管グリッド(100)をさらに備え、前記保管グリッド(100)は、
相互の上に保管コンテナ(106)をスタックするための複数の鉛直保管カラム(105)と、
レールシステム(108)と
を備え、複数のコンテナ荷役車両(201;301)が、前記レールシステム(108)上で動作させられ得、前記レールシステム(108)は、前記複数の保管カラム(105)の上方に配列され、
前記保管カラム(105)内に保管される保管コンテナ(106)は、前記コンテナ荷役車両(201;301)によって、前記レールシステム(108)内のグリッド開口部(115)を通してアクセス可能であり、
前記レールシステム(108)は、前記レールシステム(108)の水平範囲と前記複数の保管カラム(105)の水平範囲との間の差異に等しい水平範囲を伴うカンチレバー部分(CP)を備え、
前記保管塔(400)のうちの1つまたはそれより多くは、少なくとも部分的に、前記レールシステム(108)のカンチレバー部分(CP)の下方に配列され、前記l個のコンテナ支持部(402a~l)が前記鉛直軸まわりに独立に回転させられ得るように位置付けられ、それによって、前記l個のコンテナ支持部(402a~l)の各々の少なくとも1つの開口部(403)は、前記コンテナ支持部(402a~l)の回転によって前記l個のコンテナ支持部(402a~l)の他のものの少なくとも1つの開口部と鉛直に整列可能である、請求項20に記載の自動化された保管および回収システム(1)。
【請求項22】
前記システム(1)は、保管グリッド(100)をさらに備え、前記保管グリッド(100)は、
相互の上に保管コンテナ(106)をスタックするための複数の鉛直保管カラム(105)と、
輸送機構と
を備え、前記遠隔動作車両は、第1の方向(X)に対して平行に配列されている摺動バー(603)に沿って移動可能であるクレーン(602)であり、前記摺動バー(603)は、第2の方向(Y)に対して平行に配列されている2つの固定されたバー(604)に沿って移動可能である2つの両端を有し、前記輸送機構は、前記複数の保管カラム(105)の上方に配列され、前記輸送機構は、前記輸送機構の水平範囲と前記複数の保管カラム(105)の水平範囲との間の前記差異に等しい水平範囲を伴うカンチレバー部分(CP)を備え、
前記保管塔(400)のうちの1つまたはそれより多くは、少なくとも部分的に、前記走行クレーンシステム(108)のカンチレバー部分(CP)の下方に配列されている、請求項20に記載の自動化された保管および回収システム(1)。
【請求項23】
前記保管塔(400)は、第1の鉛直オフセット(V
r1)において前記最上コンテナ支持骨格(401a)または前記最上コンテナ支持部(402a)の上方に配列されているレールシステム(408)をさらに備え、前記第1の鉛直オフセット(V
r1)は、少なくとも、保管されるべき前記保管コンテナ(106)の最大高さである、請求項20に記載の自動化された保管および回収システム(1)。
【請求項24】
前記コンテナ支持骨格(401)のうちの少なくとも1つは、いくつかの保管コンテナ(106)のスタック(107)の最大高さに等しいか、またはそれより高い高さに対応する距離において、前記上方の隣接するレールシステム(408)の下側縁の下方に配列されている、請求項23に記載の自動化された保管および回収システム(1)。
【請求項25】
請求項20~24のいずれか1項に記載の自動化された保管および回収システム(1)から保管コンテナ(106)を保管および回収するための方法であって、
前記コンテナ支持部(402a~n)の各々は、複数の第1のコンテナ空間(104a)を備え、前記複数の第1のコンテナ空間(104a)は、前記複数の第1のコンテナ空間(104a)が前記鉛直軸(A
v)から等しいか、またはほぼ等しい第1の半径方向距離(r
1)を伴って円周方向にオフセットされるように、前記少なくとも1つの水平に向けられたコンテナ支持部(402)上に分布し、
前記方法は、
前記遠隔動作車両(201;301)または前記クレーン(602)を移動させるステップであって、そのリフティングデバイス(304)が、前記第1のコンテナ空間(104a)のうちの1つの上に位置付けられた標的保管コンテナ(106’)と鉛直に整列され得る位置まで、または、そのリフティングデバイスが、前記コンテナ支持部(402)の1つもしくはそれより多くの整列された開口部(403)と鉛直に整列され得る位置まで移動させるステップと、
必要である場合、前記標的保管コンテナ(106’)が支持されている前記コンテナ支持部(402)を回転させ、前記遠隔動作車両(201;301)または前記クレーン(602)の位置の下方に、鉛直整列において前記標的保管コンテナ(106’)を位置付けるステップと、
必要である場合、および、前記標的保管コンテナ(106’)が支持される前記コンテナ支持部(402)が、前記最上コンテナ支持部(402a)ではない場合、前記リフティングデバイス(340)が前記少なくとも1つの開口部(403)を通した前記標的保管コンテナ(106)への直接的な鉛直アクセスを有する円周方向位置まで、前記上方のコンテナ支持部(402)、または前記上方のコンテナ支持部(402)の各々を回転させるステップと、
前記リフティングデバイス(304)の使用によって、前記標的保管コンテナ(106’)を掴持し、上昇させるステップと、
水平に異なる場所まで、前記標的保管コンテナ(106’)を伴う前記遠隔動作車両(201;301;602)を移動させるステップと
を含む、方法。
【請求項26】
前記遠隔動作車両(201;301)または前記クレーン(602)は、前記標的保管コンテナ(106’)の回収の前または後のいずれかにおいて、前記自動化された保管および回収システム(1)内に保管されるべき保管コンテナ(106)を搬送しており、前記方法は、
前記遠隔動作車両(201;301)または前記クレーン(602)を移動させるステップであって、そのリフティングデバイス(304)が、空のコンテナ空間(106’’)と鉛直に整列され得る位置まで、または、そのリフティングデバイスが、前記コンテナ支持部(402)の1つもしくはそれより多くの整列された開口部(403)と鉛直に整列され得る位置まで移動させるステップと、
必要である場合、前記空のコンテナ空間(106’’)のコンテナ支持部(402)を回転させ、前記遠隔動作車両(201;301)または前記クレーン(602)の位置の下方に、鉛直整列において前記空のコンテナ空間(106’’)を位置付けるステップと、
前記空のコンテナ空間(106’’)のコンテナ支持部(402)が、前記最上コンテナ支持部(402a)ではない場合、前記リフティングデバイス(340)が前記少なくとも1つの開口部(403)を通した前記空のコンテナ空間(106’’)への直接的な鉛直アクセスを有する円周方向位置まで、前記上方のコンテナ支持部(402)、または前記上方のコンテナ支持部(402)の各々を回転させるステップと、
前記リフティングデバイス(304)の使用によって、前記搬送された保管コンテナ(106)を前記空のコンテナ空間(106’’)上の定位置まで降下させるステップと
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記自動化された保管および回収システム(1)は、標的保管コンテナ(106’)を含む保管グリッド(100)を備え、前記方法は、
前記保管グリッド(100)から前記標的保管コンテナ(106’)を積み込むステップと、
請求項26に従って、前記保管塔(400)内に前記標的保管コンテナ(106’)を保管するステップと、
請求項25に従って、前記保管塔(400)から前記保管コンテナ(106’)を回収するステップと
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記保管塔(400)内に保管される前記保管コンテナ内に配列されたアイテムをエンドユーザに直接送達するための、請求項20~24のいずれか1項に記載の自動化された保管および回収システム(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管グリッドと、そのような保管グリッドから/へのコンテナの保管および回収のための自動化された保管および回収システムに関する。本発明はまた、コンテナをそのような保管グリッド内に保管および回収し、より時間効率のよい様式においてより深部に置かれたコンテナにアクセスするための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、骨格構造100を伴う、典型的な従来技術の自動化された保管および回収システム1を開示し、
図2および3は、そのようなシステム1上で動作するために好適な2つの異なる従来技術コンテナ荷役車両201、301を開示する。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102と水平部材103との間に列に配列されている保管カラム105を備える、保管容積とを備える。これらの保管カラム105では、容器としても公知である、保管コンテナ106が、相互の上にスタックされ、スタック107を形成する。部材102、103は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから成ってもよい。
【0004】
自動化された保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横断して配列されているレールシステム108を備え、そのレールシステム108上で、複数のコンテナ荷役車両201、301が、保管コンテナ106を保管カラム105から持上し、保管コンテナ106をその中に降下させ、また、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するように動作させられる。レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横断した第1の方向Xにおけるコンテナ荷役車両201、301の移動を誘導するように配列されている平行レールの第1のセット110と、第1の方向Xに対して直角である、第2の方向Yにおけるコンテナ荷役車両201、301の移動を誘導するための、レールの第1のセット110に対して直角に配列されている平行レールの第2のセット111とを備える。カラム105内に保管されるコンテナ106が、コンテナ荷役車両によって、レールシステム108内のアクセス開口部112を通してアクセスされる。コンテナ荷役車両201、301は、保管カラム105の上方で側方に、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行である平面内で移動することができる。
【0005】
骨格構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの持上およびその中へのコンテナの降下の間に、保管コンテナを誘導するために使用されてもよい。コンテナ106のスタック107は、典型的には、自立型である。
【0006】
各従来技術コンテナ荷役車両201、301は、車体201a、301aと、各々、X方向およびY方向におけるコンテナ荷役車両201、301の側方移動を可能にする、車輪の第1および第2のセット201b、301b、201c、301cとを備える。
図2および3では、各セット内の2つの車輪は、完全に可視である。車輪の第1のセット201b、301bは、レールの第1のセット110の2つの隣接するレールと係合するように配列され、車輪の第2のセット201c、301cは、レールの第2のセット111の2つの隣接するレールと係合するように配列されている。車輪のセット201b、301b、201c、301cのうちの少なくとも1つが、車輪の第1のセット201b、301bおよび/または車輪の第2のセット201c、301cが、どの時点においても、レールの個別のセット110、111と係合され得るように、上昇および降下させられることができる。
【0007】
各従来技術コンテナ荷役車両201、301はまた、保管コンテナ106の鉛直輸送、例えば、保管コンテナ106を保管カラム105から持上し、保管コンテナ106を保管カラム105の中に降下させるための、リフティングデバイス(図示せず)も備える。リフティングデバイスは、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zにおいて調節され得るように、保管コンテナ106に係合するように適合され、把持/係合デバイスが車両201、301から降下させられ得る、1つまたはそれより多くの把持/係合デバイスを備える。コンテナ荷役車両301の把持デバイスの一部が、
図3に示され、参照番号304とともに示される。コンテナ荷役デバイス201の把持デバイスが、
図2の車体301a内に位置する。
【0008】
従前のように、また、本願の目的のために、Z=1は、保管コンテナの最上層、すなわち、レールシステム108の直下にある層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別する等となる。
図1に開示される例示的従来技術では、Z=8は、保管コンテナの最下底部層を識別する。同様に、X=1...nおよびY=1...nは、水平平面における各保管カラム105の位置を識別する。その結果、実施例として、かつ
図1に示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、
図1において106’として識別される保管コンテナは、保管位置X=10、Y=2、Z=3を占有すると言え得る。コンテナ荷役車両201、301は、層Z=0内を走行すると言え得、各保管カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
骨格構造100の保管容積は、多くの場合、グリッド104と称されており、本グリッド内の可能性として考えられる保管位置は、保管セルと称される。各保管カラムは、XおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ数によって識別され得る。
【0010】
各従来技術コンテナ荷役車両201、301は、レールシステム108を横断して保管コンテナ106を輸送するとき、保管コンテナ106を受容および収容するための、保管コンパートメントまたは空間を備える。保管空間は、
図2に示されるように、かつ例えば、第WO2015/193278A1号(特許文献1)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、車体201a内の中心に配列されている空洞を備えてもよい。
【0011】
図3は、カンチレバー構造物を伴う、コンテナ荷役車両301の代替構成を示す。そのような車両は、例えば、第NO317366号(その内容もまた、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳細に説明される。
【0012】
図2に示される中心空洞コンテナ荷役車両201は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、概して、保管カラム105の側方範囲に等しい、XおよびY方向における寸法を伴う面積を被覆する、占有面積を有してもよい。本明細書で使用される用語「側方」は、「水平」を意味し得る。
【0013】
代替として、中心空洞コンテナ荷役車両101は、例えば、第WO2014/090684A1号(特許文献2)に開示されるように、保管カラム105によって画定される側方面積より大きい占有面積を有してもよい。
【0014】
レールシステム108は、典型的には、車両の車輪が延設される溝を伴うレールを備える。代替として、レールは、上向きに突出する要素を備えてもよく、車両の車輪は、脱線を防止するための、フランジを備える。これらの溝および上向きに突出する要素は、集合的に、軌道として公知である。各レールは、1つの軌道を備えてもよい、または各レールは、2つの平行な軌道を備えてもよい。
【0015】
第WO2018146304号(特許文献3)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、レールと、X方向およびY方向の両方における平行軌道とを備えるレールシステム108の典型的構成を図示する。
【0016】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管される、カラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。
図1では、カラム119および120は、保管コンテナ106が、保管コンテナ106が骨格構造100の外側からアクセスされる、または骨格構造100の外もしくはその中に移送され得る、アクセスステーション(図示せず)に輸送され得るように、それらを積み降ろす、および/または積み込むためのコンテナ荷役車両201、301によって使用される、そのような特殊目的カラムである。当技術分野内では、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、その中にポートが位置する、カラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、水平、斜め、および/または鉛直である、任意の方向にあってもよい。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に設置され、次いで、任意のコンテナ荷役車両によって積み込まれ、アクセスステーションへのさらなる輸送のために、ポートカラム119、120に輸送されてもよい。用語「斜め」が、水平と鉛直との間のある場所に一般的な輸送の向きを有する、保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ荷役車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を積み降ろし得る、専用の積降ポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナ荷役車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されている保管コンテナ106を積み込み得る、専用の積込ポートカラムであってもよい。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが保管コンテナ106から除去される、またはその中に位置付けられる、ピッキングステーションまたは備蓄ステーションであってもよい。ピッキングステーションまたは備蓄ステーションでは、保管コンテナ106は、通常、自動化された保管および回収システム1から除去されないが、いったんアクセスされると、再度骨格構造100の中に戻される。保管コンテナを別の保管設備に(例えば、別の骨格構造に、または別の自動化された保管および回収システムに)、輸送車両(例えば、電車もしくは大型トラック)に、または生産設備に移送するために、ポートもまた、使用されることができる。
【0019】
コンベヤを備える、コンベヤシステムが、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために採用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが、異なる階層に位置する場合、コンベヤシステムは、保管コンテナ106をポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で鉛直に輸送するための鉛直コンポーネントを伴う、リフティングデバイスを備えてもよい。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、第WO2014/075937A1号(特許文献4)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような、異なる骨格構造間で保管コンテナ106を移送するように配列されてもよい。
【0022】
図1に開示されるカラム105のうちの1つの中に保管される保管コンテナ106が、アクセスされるべきであるとき、コンテナ荷役車両201、301のうちの一方が、標的保管コンテナ106をその位置から回収し、それを積降ポートカラム119に輸送するように命令される。本動作は、コンテナ荷役車両201、301を、その中に標的保管コンテナ106が位置付けられる、保管カラム105の上方の場所に移動させ、コンテナ荷役車両201、301のリフティングデバイス(図示せず)を使用して、保管コンテナ106を保管カラム105から回収し、保管コンテナ106を積降ポートカラム119に輸送することを伴う。標的保管コンテナ106が、スタック107内の深くに位置する、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が、標的保管コンテナ106の上方に位置付けられた状態である場合、動作はまた、標的保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させることに先立って、上方に位置付けられる保管コンテナを一時的に移動させることを伴う。時として、当技術分野内では「掘出」と称される、本ステップは、続いて、標的保管コンテナを積降ポートカラム119に輸送するために使用される、同一のコンテナ荷役車両を用いて、または1つまたは複数の他の協働するコンテナ荷役車両を用いて、実施されてもよい。代替として、または加えて、自動化された保管および回収システム1は、保管コンテナを保管カラム105から一時的に除去するタスクに具体的に専用のコンテナ荷役車両を有してもよい。いったん標的保管コンテナ106が、保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナは、元の保管カラム105の中に再度位置付けられることができる。しかしながら、除去された保管コンテナは、代替として、他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0023】
保管コンテナ106が、カラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ荷役車両201、301のうちの一方が、保管コンテナ106を積込ポートカラム120から積み込み、それをそれが保管されるべき保管カラム105の上方の場所に輸送するように命令される。保管カラムスタック107内の標的位置またはその上方に位置付けられる任意の保管コンテナが、除去された後、コンテナ荷役車両201、301は、保管コンテナ106を所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナは、次いで、保管カラム105の中に戻るように降下させられる、または他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0024】
自動化された保管および回収システム1を監視および制御する、例えば、所望の保管コンテナ106が、コンテナ荷役車両201、301が相互に衝突することなく、所望の時間に所望の場所に送達され得るように、骨格構造100内の個別の保管コンテナ106の場所、各保管コンテナ106の内容物、およびコンテナ荷役車両201、301の移動を監視および制御するために、自動化された保管および回収システム1は、典型的には、コンピュータ化され、典型的には、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを備える、制御システム500を備える。
【0025】
図4は、保管コンテナ106内に保管される製品アイテム80の実施例を示す。
図4に図示される保管コンテナ106は、高さHfと、幅Wfと、長さLfとを有する。保管コンテナ106は、水平断面Afを有する。
【0026】
各スタック内に多数の容器を含むシステムに関して、上記に述べられる「掘出」は、標的容器がグリッド内の深部に位置するとき、時間および空間の両方を多く要することを証明し得る。例えば、標的容器が、場所Z=5を有する場合、車両は、標的容器が到達され得る前に、4つの非標的容器を上昇させ、それらを他の位置、多くの場合、グリッド(Z=0)の上に設置しなければならない。グリッドの中に戻るように再設置される前に、非標的容器は、他のロボットに、それらの個別の動作を実行するために最適化されていない経路を選定することを余儀なくさせ得る。
【0027】
本発明の目的は、したがって、従来技術システムと比較して、より時間効率のよい保管および回収方法を提供し得る、保管塔と、そのような保管塔を使用する保管および回収システムとを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号
【特許文献2】国際公開第2014/090684号
【特許文献3】国際公開第2018/146304号
【特許文献4】国際公開第2014/075937号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、独立請求項に記載されており、従属請求項は、本発明のある随意の特徴を説明する。
【0030】
特に、本発明は、保管コンテナを保管するための保管塔に関する。保管塔は、鉛直軸を有する、鉛直に延びている支持構造と、m個の水平に向けられたコンテナ支持部とを備え、mは、2またはそれより大きい正の整数である。
【0031】
コンテナ支持部は、支持構造の鉛直軸に沿って配列され、コンテナ支持骨格によって支持され、保管支持部は、保管コンテナが保管され得る異なる階層を提供するように、鉛直間隔において分布し、各コンテナ支持部は、支持構造に回転式に接続され、少なくとも1つの保管コンテナを支持するように構成されてもよい。
【0032】
m-l個のコンテナ支持部の残りの階層の上方に配列されている、コンテナ支持部のうちのl個の各階層は、各々、少なくとも1つの開口部を提示し、少なくとも1つの開口部は、少なくとも、保管されるべき保管コンテナの最大水平断面であるサイズを有し、lは、1からm-1までの正の整数である。
【0033】
l個のコンテナ支持部は、l個のコンテナ支持部の各階層の少なくとも1つの開口部が、コンテナ支持部の個々の回転によってl個のコンテナ支持部の他の階層の少なくとも1つの開口部と鉛直に整列可能であるように、鉛直軸まわりに独立に回転させられることができる。
【0034】
好ましくは、保管塔の全てのコンテナ支持部が、コンテナ支持部の各階層の少なくとも1つの開口部が、コンテナ支持部の個々の回転によってコンテナ支持部の他の階層の少なくとも1つの開口部と鉛直に整列可能であるように、鉛直軸まわりに独立に回転させられることができる。
【0035】
したがって、遠隔動作車両が、掘出を伴うことなく、少なくとも階層l+1に保管コンテナを積み込み、したがって、時間を節約し得る、保管コンテナが、達成される。
【0036】
したがって、保管コンテナ内に保管されるアイテムの顧客または他の受取人に、より時間効率のよい製品アイテムの送達を提供し得る、保管コンテナが、達成される。
【0037】
したがって、販売中の製品アイテムまたは高需要の他の製品等、製品アイテムの高スループットを提供し得る、保管塔が、達成される。
【0038】
水平なコンテナ支持骨格は、繰り返し幾何学形状、特に、l個のコンテナ支持部を有してもよい。
【0039】
水平なコンテナ支持部は、その内容物が、上方のコンテナ支持部内の開口部を下方の標的保管コンテナと整列させるステップを通して容易にアクセスされ得る、保管コンテナのための回転可能な保管棚のセットを提供するために見られ得る。
【0040】
コンテナ支持部は、コンテナ支持部を形成するように接続される、プレート、例えば、1つの連続プレートまたはいくつかのプレートであってもよい。言い換えると、コンテナ支持部は、その上に保管コンテナを設置するための連続表面を提供してもよい。代替として、コンテナ支持部は、フレーム構造を有する、すなわち、フレーム構造のフレーム部材間に内側構造または材料を伴わなくてもよい。さらに、コンテナ支持部は、その2つの組み合わせであってもよい。保管塔内のコンテナ支持部はまた、その2つの混合物であってもよい。
【0041】
各コンテナ支持部によって提示される少なくとも1つの開口部は、別個の開口部であってもよい。開口部は、実際のコンテナ支持部内にある必要はない。例えば、コンテナ支持部は、開口部の面積まで延びていなくてもよい。コンテナ支持部が、2つまたはそれより多くの開口部を有する場合、これらの開口部は、ともに融合され、連続開口部を形成してもよい。コンテナ支持部は、複数の開口部が支持構造の鉛直軸から等しいか、またはほぼ等しい第1の半径方向距離を伴って円周方向にオフセットされるように、コンテナ支持部上に円弧状に分布する複数の開口部を備えてもよい。
【0042】
同一のコンテナ支持部の少なくとも1つの開口部およびコンテナ空間は、同一の円弧に沿って分布してもよい。
【0043】
各コンテナ支持部の少なくとも1つの開口部およびコンテナ空間の分布は、好ましくは、各コンテナ支持部に関して類似している。このように、任意のコンテナ支持部のコンテナ空間は、同軸に配列されているとき、他のコンテナ支持部のうちのいずれかの開口部と完全に整列することが可能であろう。
【0044】
保管塔は、支持構造の鉛直軸に沿って配列され、鉛直間隔において分布する、m個のコンテナ支持骨格を備えてもよく、mは、2またはそれより大きい正の整数である。コンテナ支持骨格の各々は、少なくとも1つのコンテナ支持部を支持するように構成される。
【0045】
コンテナ支持骨格は、例えば、コンテナ支持骨格のうちのm-1個のものが、下方のものの上に静置している場合、隣接するコンテナ支持骨格間に空間を伴わずに配列されてもよい。代替として、コンテナ支持骨格は、離間されてもよい。
【0046】
保管塔は、少なくとも1つのコンテナ支持部を支持構造の鉛直軸に対して回転させるように構成される駆動機構を備えてもよい。
【0047】
駆動機構は、例えば、スイベル駆動、ギヤ駆動、ベルト駆動、チェーン駆動、ステッパモータ等の電磁駆動であってもよい。
【0048】
駆動機構は、例えば、支持構造、コンテナ支持部、またはコンテナ支持骨格上に配列されてもよい。
【0049】
典型的には、塔の全てのコンテナ支持部が、回転可能であろう。しかしながら、最下コンテナ支持部は、上方のコンテナ支持部の全てが回転可能であり、遠隔動作車両が、最下コンテナ支持部上に支持される全ての潜在的標的保管コンテナの上方に鉛直に整列され得る場合、静止であってもよい。
【0050】
コンテナ支持部は、例えば、コンテナ支持骨格を介して、支持構造に少なくとも間接的に回転式に接続され、コンテナ支持骨格は、非回転様式において支持構造に接続されてもよい。
【0051】
m個のコンテナ支持部の各々は、複数の第1のコンテナ空間を備えてもよく、複数の第1のコンテナ空間は、複数の第1のコンテナ空間が支持構造の鉛直軸から等しいか、またはほぼ等しい第1の半径方向距離を伴って円周方向にオフセットされるように、コンテナ支持部上に円弧状に分布する。
【0052】
各コンテナ支持部は、例えば5つの第1のコンテナ空間を備えてもよい。
【0053】
複数の第1のコンテナ空間は、半径方向に対称的に配列されてもよい。しかしながら、コンテナ空間間の等しい各距離は、要求されていない。
【0054】
コンテナ空間は、それらの横方向が支持構造の鉛直軸に対して半径方向に延びている状態に配列されている保管コンテナを保管するように構成されてもよい。このように、保管または回収されるべき保管コンテナは、保管塔の上方に配列されているグリッドの1つまたはそれより多くのグリッド開口部と整列されてもよい。代替として、コンテナ空間は、それらの長手方向が支持構造の鉛直軸に対して半径方向に延びている状態に配列されている保管コンテナを保管するように構成されてもよい。さらに、コンテナ空間は、上記に述べられる向きに対して任意の角変位を伴って配列されている保管コンテナを保管するように構成されてもよい。
【0055】
コンテナ支持部の各々は、複数の第2のコンテナ空間をさらに備えてもよく、複数の第2のコンテナ空間は、複数の第2のコンテナ空間が鉛直軸から等しいか、またはほぼ等しい第2の半径方向距離を伴って円周方向にオフセットされるように、少なくとも1つの水平に向けられたコンテナ支持部上に円弧状に分布し、第2の半径方向距離は、第1の半径方向距離より大きい。第2の半径方向距離は、少なくとも保管されるべきコンテナの幅だけ第1の半径方向距離より大きい。コンテナ支持部は、典型的には、7つの第2のコンテナ空間を備えてもよい。
【0056】
コンテナ支持部の各々は、複数の第3のコンテナ空間をさらに備えてもよく、複数の第3のコンテナ空間は、複数の第3のコンテナ空間が鉛直軸から等しいか、またはほぼ等しい第3の半径方向距離を伴って円周方向にオフセットされるように、少なくとも1つの水平に向けられたコンテナ支持部上に円弧状に分布し、第3の半径方向距離は、第1および第2の半径方向距離より大きい。第3の半径方向距離は、少なくとも保管されるべきコンテナの長さだけ第2の半径方向距離より大きい。コンテナ支持部は、典型的には、11個の第3のコンテナ空間を備えてもよい。
【0057】
各コンテナ支持部は、トロイド形状の水平断面を有してもよい。
【0058】
支持構造は、中心ポールまたは周辺筐体、または中心ポールおよび周辺筐体の組み合わせであってもよい。筐体は、ケージ構造であってもよい。
【0059】
コンテナ支持部のうちの少なくとも1つは、保管コンテナの存在を感知するための複数のセンサデバイスを備えてもよい。センサデバイスは、複数のコンテナ空間を横断して分布してもよい。
【0060】
コンテナ支持部またはコンテナ支持骨格上に配列されているセンサは、制御システムと通信してもよい。
【0061】
センサデバイスは、圧電センサ、重量センサ、磁気センサ(保管コンテナが磁性材料から成ること、または磁石デバイスを具備することを要求するであろう)、視覚センサ、光センサ、運動センサ、電気接点、および/または誘導センサから成る群から選択されてもよい。
【0062】
コンテナ支持部のうちの少なくとも1つは、支持構造に対するコンテナ支持部の回転を感知するためのセンサデバイスを備えてもよい。
【0063】
各コンテナ支持骨格は、複数のコンテナ支持部を備えてもよく、複数のコンテナ支持部は、同軸に配列され、相互に対して回転可能であってもよい。この場合、同一のコンテナ支持骨格の第1、第2、および第3のコンテナ空間は、各々、第1、第2、および第3のコンテナ支持部を横断して分布してもよい。
【0064】
本構成の利点は、2つの遠隔動作車両が、相互を中断させることなく同一の保管塔から2つの個別の標的保管コンテナを同時に積み込み得ることである。第1の遠隔動作車両が、所与のコンテナ支持部から第1の保管コンテナを積み込んでいる場合、第2の遠隔操作コンテナは、第1の遠隔動作車両が積み込んでいるものと同一のコンテナ支持部を含む、同一の保管塔の任意のコンテナ支持部から第2の保管コンテナまたは第3の保管コンテナを積み込むことができる。
【0065】
少なくとも1つのコンテナ支持骨格の複数の第1のコンテナ空間は、例えば、各コンテナ支持部が略扇形状である場合、複数のコンテナ支持部上に分布してもよい。
【0066】
コンテナ支持骨格の各々は、非回転様式において支持構造に接続されている静止部分をさらに備えてもよい。静止部分は、回転デバイス、例えば、車輪、軸受、スイベル、ローラを具備してもよい。少なくとも1つのコンテナ支持部が、静止部分に回転式に結合されてもよい。
【0067】
用語「coupled to(~に結合される)」がまた、「resting on(~上に静置する)」および「supported by(~によって支持される)」も網羅することを理解されたい。
【0068】
用語「connected(接続される)」がまた、「indirectly connected(間接的に接続される)」も網羅することを理解されたい。そのため、コンテナ支持部が、コンテナ支持構造に接続され、コンテナ支持構造がさらに、支持構造に接続される、すなわち、コンテナ支持部が、コンテナ支持構造を介して支持構造に接続される場合には、コンテナ支持部が、支持構造に接続されると見なされる。
【0069】
回転デバイスは、駆動機構の一部を成してもよい。
【0070】
静止部分は、支持構造の鉛直軸から半径方向に水平に延びているアームを形成してもよい。回転デバイスは、アーム上、例えば、アームの遠位端に配列されてもよい。アーム上に配列されている回転デバイスは、関連付けられるコンテナ支持部を回転させ、したがって、駆動機構を成すように動力供給されてもよい。
【0071】
各水平に延びているアームは、複数の回転デバイスを備えてもよく、複数の回転デバイスは、個々のコンテナ支持部を支持し、相互に対する個々のコンテナ支持部の回転を可能にするように構成される。
【0072】
水平に延びているアームは、異なる長さのセットにおいて提供されてもよく、各セットは、個々の同軸に配列されているコンテナ支持部を支持するように構成される。この場合、同一のコンテナ支持骨格の第1、第2、および第3のコンテナ支持部は、各々、アームの第1、第2、および第3のセットによって支持されてもよい。
【0073】
コンテナ支持部は、保管コンテナをコンテナ空間上の定位置に誘導するためのガイドポストを備えてもよい。保管コンテナは、好ましくは、ガイドポストと協働するように構成される、ガイド陥凹を備えてもよい。
【0074】
ガイドポストはまた、コンテナ支持部が回転させられると、保管コンテナがコンテナ支持部上で移動しないように防止する、すなわち、保管コンテナが保管の間にそれらの位置を維持することを確実にするであろう。
【0075】
各コンテナ支持部は、鉛直ガイドプレートを備えてもよく、鉛直ガイドプレートは、少なくとも部分的に少なくとも1つの開口部の各々の周辺の周囲に配列されている。鉛直ガイドプレートは、個別の開口部の中に上昇または降下させられる保管コンテナが水平平面において整列されるように構成されてもよい。
【0076】
保管塔は、第1の鉛直オフセットにおいて最上コンテナ支持骨格または最上コンテナ支持部の上方に配列されている輸送機構をさらに備えてもよく、第1の鉛直オフセットは、少なくとも、保管されるべき保管コンテナの最大高さである。
【0077】
レールシステム上で移動する車輪を伴う車両の代わりに、輸送システムは、保管塔にわたってX方向およびY方向において(厳密にそれらの方向におけるものではないが、それらの方向の組み合わせにおいて対角線的に)移動可能なクレーンを備えてもよい。例えば、クレーンは、保管塔の幅を横断して延びている摺動バー上で第1の方向において移動可能であってもよい。第2の方向における移動は、保管塔の両側上で、第2の方向において延びている2つの固定されたバーに沿って摺動バーを摺動させることによって達成され得る。他の配列および数のバーも、頭上クレーンの同一の運動を達成するために使用され得る限り、本明細書に包含される。クレーンは、2つの平行な平行な摺動バー上に支持されるカンチレバー構築物を伴う、コンテナ荷役車両であってもよい。
【0078】
したがって、同じ高さではないにもかかわらず動作し得る、保管塔が、達成される。輸送機構は、車輪上で移動する車両より、脱線を起こしにくい。保管塔は、したがって、海上での、例えば、船舶に搭載された状態での動作のために好適であり得る。
【0079】
保管塔は、代替として、最上コンテナ支持骨格または上側コンテナ支持部の上方に配列されているレールシステムを備えてもよい。
【0080】
レールシステムは、第1の鉛直オフセットにおいて最上コンテナ支持骨格または最上コンテナ支持部の上方に配列されてもよく、第1の鉛直オフセットは、少なくとも、保管されるべき保管コンテナの最大高さである。
【0081】
最上コンテナ支持骨格または最上コンテナ支持部は、いくつかの保管コンテナのスタックの最大高さに等しいか、またはそれより高い高さに対応する距離において、上方の隣接するレールシステムの下側縁の下方に配列されてもよい。このように、保管塔の1つの部分が、保管コンテナが相互の上に位置付けられ、スタックを形成し得ること、および遠隔動作車両が、標的保管コンテナに到達するために掘出を行う必要があり得る点で、従来技術保管グリッドに部分的に対応し得る。同時に、同一の保管塔の別の部分は、掘出が要求されないように保管コンテナがスタックされない、1つまたはそれより多くのコンテナ支持部を備えてもよい。
【0082】
レールシステムは、保管塔の水平範囲全体を被覆する必要なく、保管塔の標的開口部および隣接する保管塔および/または保管グリッドへのアクセスを提供してもよい。
【0083】
本発明はまた、複数の保管コンテナを保管するように構成される自動化された保管および回収システムにも関する。
【0084】
自動化された保管および回収システムは、上記に説明される保管塔を備えてもよい。
【0085】
さらに、自動化された保管および回収システムは、複数のコンテナ支持部上に支持される複数の保管コンテナを備えてもよい。
【0086】
さらに、自動化された保管および回収システムは、複数のコンテナ支持部の少なくとも一部の上方で側方に移動するように構成される遠隔動作車両を備えてもよい。遠隔動作車両は、保管コンテナを掴持し、鉛直に上昇および降下させるように構成される、リフティングデバイスを備えてもよい。
【0087】
さらに、自動化された保管および回収システムは、遠隔動作車両の移動をワイヤレスで監視および制御するように構成される制御システムを備えてもよい。
【0088】
遠隔動作車両は、保管コンテナ車両またはクレーンであることができる。
【0089】
したがって、遠隔動作車両が、掘出を行う必要なく保管コンテナを積み込み得る自動化された保管および回収システムが、達成される。
【0090】
したがって、保管コンテナ内に保管されるアイテムの顧客または他の受取人に、より時間効率のよい製品アイテムの送達を提供し得る、自動化された保管および回収システムが、達成される。
【0091】
したがって、販売中の製品アイテムまたは高需要の他の製品等、製品アイテムの高スループットを提供し得る、自動化された保管および回収システムが、達成される。
【0092】
自動化された保管および回収システムは、
相互の上に保管コンテナをスタックするための複数の鉛直保管カラムと、
レールシステムと
を備える保管グリッドをさらに備えてもよく、複数のコンテナ荷役車両が、レールシステム上で動作させられ得、レールシステムは、複数の保管カラムの上方に配列され、
保管カラム内に保管される保管コンテナは、コンテナ荷役車両によって、レールシステム内のグリッド開口部を通してアクセス可能であり、
レールシステムは、レールシステムの水平範囲と複数の保管カラムの水平範囲との間の差異に等しい水平範囲を伴うカンチレバー部分を備え得る。
【0093】
保管塔のうちの1つまたはそれより多くは、少なくとも部分的に、レールシステムのカンチレバー部分の下方に配列され、l個のコンテナ支持部が鉛直軸まわりに独立に回転させられ得るように位置付けられてもよく、それによって、l個のコンテナ支持部の各々の少なくとも1つの開口部は、コンテナ支持部の回転によってl個のコンテナ支持部の他のものの少なくとも1つの開口部と鉛直に整列可能である。
【0094】
代替として、自動化された保管および回収システムは、
相互の上に保管コンテナをスタックするための複数の鉛直保管カラムと、
輸送機構と
を備える保管グリッドをさらに備えてもよく、遠隔動作車両は、第1の方向に対して平行に配列されている摺動バーに沿って移動可能であるクレーンであり、摺動バーは、第2の方向に対して平行に配列されている2つの固定されたバーに沿って移動可能である2つの両端を有し、輸送機構は、複数の保管カラムの上方に配列され、輸送機構は、輸送機構の水平範囲と複数の保管カラムの水平範囲との間の差異に等しい水平範囲を伴うカンチレバー部分を備える。
【0095】
保管塔のうちの1つまたはそれより多くは、少なくとも部分的に、走行クレーンシステムのカンチレバー部分の下方に配列されてもよい。
【0096】
したがって、従来技術保管グリッドと、本発明の保管塔とを組み合わせる、すなわち、製品アイテムがそれらの回転率に従って配列され得る、高部延設部塔と、低部延設部グリッドとの組み合わせである、保管および回収システムが、達成される。
【0097】
したがって、例えば、オーダーが、顧客への時間効率のよい製品アイテムの送達を伴う高部延設部グリッド内に中間的に保管される(バッファされる)前に、高い保管容量を伴う低部延設部グリッドから積み込まれ、その後、それらの到着に応じて顧客に効率的に送達され得る、保管容量と顧客への時間効率のよい製品アイテムの送達を組み合わせる、保管および回収システムが、達成される。
【0098】
高部延設部保管塔が、保管コンテナが保管塔に進入し、それから退出する高い頻度のように構成される。保管コンテナは、典型的には、低部延設部保管グリッドと比較されるとより短い周期にわたって高部延設部保管塔内に保管されるであろう。高部延設部保管塔は、特に、高需要の製品のために好適である。高部延設部保管塔は、迅速なアクセスを提供し、したがって、緊急を要する保管のために好適である。高部延設部保管塔は、低部延設部保管グリッドより空間効率的ではない。
【0099】
低部延設部保管グリッドは、高部延設部保管塔と比較されるとより空間効率的である。保管コンテナは、典型的には、高部延設部保管塔と比較されるとより長い周期にわたってより低部延設部グリッド内に保管されるであろう。低部延設部保管グリッドは、高部延設部保管塔と比較してより緩徐なアクセスを有し、したがって、あまり緊急を要していない保管のためにより好適である。
【0100】
故に、高部延設部保管塔および低部延設部保管グリッドは、相互に補完する。
【0101】
自動化された保管および回収システムは、最上コンテナ支持骨格または最上コンテナ支持部の上方に配列されているレールシステムをさらに備えてもよい。レールシステムは、第1の鉛直オフセットにおいて最上コンテナ支持骨格または最上コンテナ支持部の上方に配列されてもよく、第1の鉛直オフセットは、少なくとも、保管されるべき保管コンテナの最大高さである。
【0102】
自動化された保管および回収システムは、代替として、第1の鉛直オフセットにおいて保管塔の最上コンテナ支持骨格または最上コンテナ支持部の上方に配列されている輸送機構を備えてもよく、第1の鉛直オフセットは、少なくとも、保管されるべき保管コンテナの最大高さである。
【0103】
コンテナ支持骨格またはコンテナ支持部のうちの少なくとも一方は、いくつかの保管コンテナのスタックの最大高さに等しいか、またはそれより高い高さに対応する距離において、上方の隣接するレールシステムの下側縁の下方に配列されてもよい。
【0104】
本発明はまた、自動化された保管および回収システムから保管コンテナを保管および回収するための方法にも関する。自動化された保管および回収システムは、上記に説明されるようなものであってもよい。
【0105】
コンテナ支持部の各々は、複数の第1のコンテナ空間を備えてもよく、複数の第1のコンテナ空間は、複数の第1のコンテナ空間が鉛直軸から等しいか、またはほぼ等しい第1の半径方向距離を伴って円周方向にオフセットされるように、少なくとも1つの水平に向けられたコンテナ支持部上に分布する。
【0106】
本方法は、以下のステップを含む。
・遠隔動作車両またはクレーンを移動させるステップであって、そのリフティングデバイスが、第1のコンテナ空間のうちの1つの上に位置付けられた標的保管コンテナと鉛直に整列され得る位置まで、または、そのリフティングデバイスが、コンテナ支持部の1つもしくはそれより多くの整列された開口部と鉛直に整列され得る位置まで移動させるステップ。
・必要である場合、標的保管コンテナが支持されているコンテナ支持部を回転させ、遠隔動作車両またはクレーンの位置の下方に、鉛直整列において標的保管コンテナを位置付けるステップ。
・必要である場合、および、標的保管コンテナが支持されるコンテナ支持部が、最上コンテナ支持部ではない場合、リフティングデバイスが少なくとも1つの開口部を通した標的保管コンテナへの直接的な鉛直アクセスを有する円周方向位置まで、上方のコンテナ支持部、または上方のコンテナ支持部の各々を回転させるステップ。
・リフティングデバイスの使用によって、標的保管コンテナを掴持し、上昇させるステップ。
・水平に異なる場所まで、標的保管コンテナを伴う遠隔動作車両を移動させるステップ。
【0107】
好ましくは、コンテナ支持部は、保管塔内に、l個のコンテナ支持部の各々の少なくとも1つの開口部が鉛直に整列される、初期設定位置を有してもよい。さらに、レールシステムが、使用されると、l個のコンテナ支持部のこれらの整列された開口部の初期設定位置は、好ましくは、レールシステムのグリッド開口部と鉛直に整列されてもよい。代替として、輸送機構が、使用される場合、l個のコンテナ支持部のこれらの整列された開口部の初期設定位置は、好ましくは、クレーンのリフティングデバイスと鉛直に整列可能であり、同一の水平な向きを有してもよい。
【0108】
したがって、掘出を行う必要を伴わない、遠隔動作車両を伴う保管コンテナを積み込むための方法が、達成される。
【0109】
したがって、保管コンテナ内に保管されるアイテムの顧客または他の受取人に、より時間効率のよい製品アイテムの送達を提供する方法が、達成される。
【0110】
したがって、販売中の製品アイテムまたは高需要の他の製品等、製品アイテムの高スループットを提供する方法が、達成される。
【0111】
コンテナ支持部の各々が、複数の第2のコンテナ空間、可能性として、また第3のコンテナ空間を備える場合、2つの遠隔動作車両が、同一のコンテナ支持部から標的保管コンテナを同時に積み込んでもよい。代替として、2つの遠隔動作車両は、同一のコンテナ支持部内に2つの保管コンテナを同時に保管してもよい。さらなる代替策として、一方の遠隔動作車両が、別の遠隔動作車両が保管コンテナを同時に保管しているものと同一のコンテナ支持部から標的保管コンテナを回収してもよい。
【0112】
遠隔動作車両またはクレーンが、標的保管コンテナの回収の前または後のいずれかにおいて、自動化された保管および回収システム内に保管されるべき保管コンテナを搬送している場合、本方法は、以下のステップを含んでもよい。
・遠隔動作車両またはクレーンを移動させるステップであって、そのリフティングデバイスが、空のコンテナ空間と鉛直に整列され得る位置、例えば、第1のコンテナ空間のうちの1つまで、または、そのリフティングデバイスが、コンテナ支持部の1つもしくはそれより多くの整列された開口部と鉛直に整列され得る位置まで移動させるステップ。
・必要である場合、空のコンテナ空間のコンテナ支持部を回転させ、遠隔動作車両またはクレーンの位置の下方に、鉛直整列において空のコンテナ空間を位置付けるステップ。
・空のコンテナ空間のコンテナ支持部が、最上コンテナ支持部ではない場合、リフティングデバイスが少なくとも1つの開口部を通した空のコンテナ空間への直接的な鉛直アクセスを有する円周方向位置まで、上方のコンテナ支持部、または上方のコンテナ支持部の各々を回転させるステップ。
・リフティングデバイスの使用によって、搬送された保管コンテナを空のコンテナ空間上の定位置まで降下させるステップ。
【0113】
自動化された保管および回収システムが、標的保管コンテナを含む保管グリッドを備える場合、本方法は、以下のステップを含んでもよい。
・例えば、技術背景の節に説明されるように、保管グリッドから標的保管コンテナを積み込むステップ。
・上記に説明される方法に従って、保管塔内に標的保管コンテナを保管するステップ。
・保管コンテナを保管および回収するための方法に従って、保管塔から保管コンテナを回収するステップ。
【0114】
上記に説明される自動化された保管および回収システムは、保管塔内に保管される保管コンテナ内に配列されたアイテムをエンドユーザに直接送達するために使用され得る。
【0115】
本発明はまた、自動化された保管および回収システム内に保管塔を配設するための方法にも関する。保管塔および自動化された保管および回収システムは、上記の説明によるものであってもよい。
【0116】
自動化された保管および回収システムは、以下を備えてもよい。
・保管グリッド。
・保管グリッドより大きい水平範囲を有する、車両移動システム。
【0117】
本方法は、以下のステップを含む。
・車両移動システムのカンチレバー部分の真下に、上記の説明による、保管塔の少なくとも一部を組み立てるステップ。
【0118】
したがって、既存の保管および回収システムに後付けされ得る、保管塔が、達成される。
【0119】
車両移動システムは、レールシステムを備えてもよく、本方法は、したがって、さらに、以下のステップを含んでもよい。
・第1のコンテナ支持骨格の少なくとも1つの開口部およびm-1個の最上コンテナ支持骨格の各々が、保管グリッドを越えて延びているレールシステムの一部のグリッド開口部の下方に鉛直に整列可能であるように、保管塔とレールシステムを整列させるステップ。
【0120】
レールシステムのカンチレバー部分は、保管塔の水平範囲全体に延びている必要はない。レールシステムのカンチレバー部分は、例えば、保管塔の標的開口部に到達する程度にのみ延びてもよい。
【0121】
コンテナ支持部の構成に起因して、鉛直ピラーが、保管塔の内側に位置付けられることはできない。これは、保管塔の鉛直ピラー間により大きい径間が存在し、したがって、従来技術保管グリッドの直立部材と比較して、各鉛直ピラー上により高い負荷が存在するであろうことを意味する。
【0122】
レールシステムは、存在するとき、各グリッド空間が直立部材によって角において支持される、従前の保管グリッドを用いるときより広い面積にわたって、延び、その重量を支持しなければならない。
【0123】
負荷の増加に耐えるために、鉛直ピラーおよび/またはレールシステムが、従来技術の直立部材およびレールシステムと比較して補強される必要があり得る。
【0124】
標的保管コンテナを積み込むために保管塔に接近する、遠隔動作車両は、典型的には、保管されるべき別の保管コンテナを保管および回収システム内に持ち込む。遠隔動作車両が標的保管コンテナを積み込み得る前に、車両保持保管コンテナが、有利には、同一の保管塔内の空のコンテナ空間内に設置される。これは、典型的には、交換プロセスと称される、プロセスである。そのような交換プロセスは、上記に説明されるような保管塔および自動化された保管および回収システム内で生じることができる。
【0125】
保管システム内に利用可能なコンテナ空間が存在する、より少ない保管コンテナを有することによって、常時、少なくとも1つの空のコンテナ空間が、存在するであろう。空のコンテナ空間はまた、遠隔動作車両が保管塔内から保管コンテナを積み込むにつれて、動的に発生されるであろう。保管システム内に空のコンテナ空間が存在しない場合、遠隔動作車両は、例えば、ポートカラムから別の保管コンテナを持ち込むこと、または保管塔の上に保持された保管コンテナを設置することのいずれも避けなければならない。両方の代替策が、時間効率の点において欠点を被る。
【0126】
(その中に保管コンテナが設置されるべきである)空のコンテナおよび標的保管コンテナは、好ましくは、同一の標的開口部に水平に最も近接している。このように、遠隔動作車両は、同一の交換プロセスの間の2つの動作間で移動する必要はない。さらにより好ましくは、同一の標的開口部を通して利用可能であることに加えて、空のコンテナ空間および標的保管コンテナは、同一のコンテナ支持部上に位置することができる。このように、遠隔動作車両は、交換プロセスの2つの動作の間でそのリフティングデバイスの最小の移動を有することができる。したがって、交換プロセス時間は、リフティングデバイスの変位および標的保管コンテナのコンテナ支持部の相反する変位に起因して延長されないであろう。
【0127】
遠隔動作車両が、以前に保持された保管コンテナを空のコンテナ空間内に位置付けた後、遠隔動作車両は、リフティングデバイスを後退させなければならない。リフティングデバイスを後退させることによって、その上に以前に保持された保管コンテナが位置付けられるコンテナ支持部が、回転する、すなわち、所定の初期設定の向きに戻ることが可能にされる。コンテナ支持部の初期設定位置は、典型的には、各コンテナ支持部の少なくとも1つの開口部が鉛直に整列される場所である。時間効率のよい動作のために遠隔動作車両は、リフティングデバイスを厳密に必要であるよりも高く後退させない、すなわち、高くするべきではない。標的保管コンテナが、以前に保持された保管コンテナの位置より保管塔内により深度に位置付けられる場合、リフティングデバイスは、上昇させられ、その上に以前に保持された保管コンテナが位置付けられるコンテナ支持部を一掃することのみが必要である。標的保管コンテナが、以前に保持された保管コンテナの位置より保管塔内により高く位置付けられる場合、リフティングデバイスは、上昇させられ、その上に標的保管コンテナが回転させられるために位置付けられる、コンテナ支持部を一掃する必要がある。しかしながら、リフティングデバイスが、いかなるより高い場所にも上昇させられる必要はない。リフティングデバイスを遠隔動作車両まで延々と後退させることは、したがって、標的保管コンテナまたは空のコンテナ空間が最上コンテナ支持部内に位置付けられていない限り、要求されない。時間効率のよい動作のために、標的保管コンテナのコンテナ支持部および以前に保持された保管コンテナのコンテナ支持部は、同時に回転させられることができる。
【0128】
標的保管コンテナが、コンテナ支持部の上方に上昇させられた後、コンテナ支持部は、その初期の位置まで戻るように回転させられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために添付される。図面は、ここで実施例のみとして説明されるであろう、本発明の実施形態を示す。
【0130】
【
図1】
図1は、従来技術の自動化された保管および回収システムの骨格構造の斜視図である。
【0131】
【
図2】
図2は、その中に保管コンテナを搬送するための、中心に配列されている空洞を有する、従来技術コンテナ荷役車両の斜視図である。
【0132】
【
図3】
図3は、真下に保管コンテナを搬送するための、カンチレバーを有する、従来技術コンテナ荷役車両の斜視図である。
【0133】
【
図4】
図4は、保管コンテナおよび保管コンテナ内に保管される製品アイテムの斜視図である。
【0134】
【
図5a】
図5aは、レールシステムが保管塔の上方に配列され、各コンテナ支持部の開口部がレールシステム内のグリッド開口部の下方に鉛直に整列される、保管システムの上面図である。
【0135】
【
図5b】
図5bは、1つのコンテナ支持部が他のコンテナ支持部に対して回転させられている、
図5aの保管システムの上面図である。
【0136】
【
図5c】
図5cは、コンテナ支持部のうちの1つが、保管コンテナがグリッド開口部および上記の配列されたコンテナ支持部の開口部と鉛直に整列されるように、他のコンテナ支持部に対して回転させられる、
図5a~bの保管システムの上面図である。
【0137】
【
図6】
図6は、リフティングデバイスを有し、レールシステム上で移動可能である遠隔動作車両が、リフティングデバイスがグリッド開口部の上方に鉛直整列において位置付けられる、
図5a~cの保管システムの斜視図である。
【0138】
【
図7】
図7は、コンテナ支持部が、コンテナ空間および/または開口部が2つの異なるグリッド開口部の下方に整列可能である状態で構成される、保管システムの上面図である。
【0139】
【
図8】
図8は、コンテナ支持部が、コンテナ空間および/または開口部が3つの異なるグリッド開口部の下方に整列可能である状態で構成される、保管システムの上面図である。
【0140】
【
図9】
図9は、保管グリッドおよび保管塔が、横並びに、かつレールシステムの下方に位置付けられる、本発明のある実施形態による、保管システムの側面図である。
【0141】
【
図10】
図10は、最下部および最上部を除く全てのコンテナ支持部が保管塔から除去されている、
図9の保管システムの側面図である。
【0142】
【
図11】
図11は、2つの最下部を除く全てのコンテナ支持部が保管塔から除去されている、
図9の保管システムの詳細の斜視図である。
【0143】
【
図12】
図12は、保管塔のコンテナ支持骨格および駆動機構を示す、
図9の保管システムの詳細の側面図である。
【0144】
【
図13】
図13は、保管グリッドおよび複数の保管塔が、横並びに、かつレールシステムの下方に位置付けられる、本発明による、保管システムの別の実施形態の斜視図である。
【0145】
【
図14】
図14は、保管塔が2つの空のコンテナ空間を有する、
図9の保管システムの側面図である。
【0146】
【発明を実施するための形態】
【0147】
発明の詳細な説明
以下において、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面が、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図していないことを理解されたい。
【0148】
自動化された保管および回収システム1の骨格構造100は、
図1~3に関連して上記に説明される従来技術骨格構造100、すなわち、いくつかの直立部材102、および直立部材102によって支持される、いくつかの水平部材103によって構築され、さらに、骨格構造100は、X方向およびY方向における、第1の上側レールシステム108を備える。
【0149】
骨格構造100は、部材102と103との間に提供される、保管カラム105の形態にある、保管コンパートメントをさらに備え、保管コンテナ106は、保管カラム105内のスタック107内にスタック可能である。
【0150】
骨格構造100は、任意のサイズであることができる。特に、骨格構造が、
図1に開示されるものより大幅に広い、および/または長い、および/または深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個超のカラムの水平範囲と、12個超のコンテナの保管深度とを有してもよい。
【0151】
本発明による自動化された保管および回収システムの実施形態が、ここで、
図5a~15を参照してより詳細に議論されるであろう。
【0152】
前述の説明では、本発明による、送達車両および自動化された保管および回収システムの種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。解説の目的のために、具体的な数値、システム、および構成が、本システムおよびその作用の徹底的な理解を提供するために記載された。しかしながら、本説明は、限定的意味で解釈されることを意図していない。開示される主題が関連する当業者に明白である、例証的実施形態の種々の修正および変形例、ならびに本システムの他の実施形態が、本発明のスコープ内に存在すると見なされる。
【0153】
特に
図5~6および
図9~15を参照すると、本発明の保管および回収システム1は、保管グリッド400を横断して第1の方向Xにおいて遠隔動作車両301の移動を誘導するように配列されている平行レールの第1のセット410と、第1の方向Xに対して直角である、第2の方向Yにおいて遠隔動作車両301の移動を誘導するための、レールの第1のセット410に対して直角に配列されている平行レールの第2のセット411とを備えるレールシステム408上で動作する、遠隔動作車両301を備える。保管塔400内に保管される保管コンテナ106は、遠隔動作車両301によって、レールシステム408内のグリッド開口部415を通してアクセスされる。レールシステム408の各グリッド開口部415は、グリッドセル422によって封入される。レールシステム408は、水平平面P
rsにおいて延びている(
図7参照)。
【0154】
図9に最も詳細に示されるように、保管コンテナ106は、V
r1によって示される鉛直オフセット(すなわち、レールシステム408の下側縁とレールシステム408の真下の第1のコンテナ支持部402aのための下側縁との間のオフセット)およびΔdVによって示される鉛直オフセット(すなわち、隣接するより深部に置かれたコンテナ支持部402b~mの下側縁間の平均オフセット)を伴ってレールシステム408の下方にZ方向において分布する複数のコンテナ支持部402上に保管される。
【0155】
「m」、すなわち、アルファベットの13番目の文字が、最下コンテナ支持部を識別するために使用されているが、コンテナ支持部の13個の階層を表す、
図9の実施形態では、コンテナ支持部の他の数の階層が、保管および回収システム内に存在してもよい。故に、mは、数字13に制限されず、2またはそれより大きいものに等しい任意の整数に等しくあることができる。
【0156】
鉛直オフセットVr1およびΔdVは、いくつかの保管コンテナ106の1つの保管コンテナ106またはスタック107の最大高さに等しいか、またはより高い高さを提供するように選択されてもよい。実施例として、第1のコンテナ支持部402aは、保管コンテナ106のスタック107を保管するように適合されてもよい一方、下方に据え付けられるコンテナ支持部402b~m(またはそれらのうちのいくつか)は、単一の(スタックされていない)保管コンテナ106を保管するように適合されてもよい。さらなる実施例として、塔400のいくつかまたは全てのコンテナ支持部402が、いくつかの保管コンテナ106のスタック107を保管するように適合されてもよい。同一の保管塔400の異なるコンテナ支持部402が、等しくない数の保管コンテナ106のスタック107を保管するように構成されてもよい。保管塔400の1つまたはいくつかのコンテナ支持部402がいくつかの保管コンテナ106のスタック107を保管するように適合されるために要求される鉛直空間(すなわち、利用可能な高さ)は、コンテナ支持部402の総数を、全てのコンテナ支持部402が単一の(スタックされていない)保管コンテナ106を保管するように適合される保管塔400の構成と比較して削減することによって、取得され得る。
【0157】
図5a~cは、鉛直軸A
vを有する鉛直に延びている支持構造450を備える、保管塔400の上面図を示す。複数の水平に向けられたコンテナ支持部402a~mが、上記に説明されるように、支持構造450の鉛直軸に沿って配列され、鉛直間隔ΔdVにおいて分布する。各コンテナ支持部420が、支持構造450に回転式に接続され、少なくとも1つの保管コンテナ106を支持するように構成される。
【0158】
残りのm-l個のコンテナ支持部402の上方に配列されているl個のコンテナ支持部402a~lは、各々、少なくとも1つの開口部403を提示し、少なくとも1つの開口部403は、少なくとも、保管されるべき保管コンテナ106の最大水平断面Afであるサイズを有する。
【0159】
数「m」と同様に、整数「整数」も、任意の特定の整数に制限されず、「m」未満の任意の整数を含んでもよい。
【0160】
l個のコンテナ支持部402a~lは、m個のコンテナ支持部402a~mの各々の少なくとも1つの開口部403が、コンテナ支持部402a~mの個々の回転によって他のm個のコンテナ支持部402a~mの少なくとも1つの開口部と鉛直に整列可能であるように、鉛直軸Avまわりに独立に回転させられることができる。
【0161】
保管塔400は、各々少なくとも1つのコンテナ支持部402を支持するように構成される、複数のコンテナ支持骨格410a~mを備えてもよい。
【0162】
各コンテナ支持部402は、複数の第1のコンテナ空間104aが支持構造450の鉛直軸A
vから等しいか、またはほぼ等しい第1の半径方向距離r
1を伴って円周方向にオフセットされるように、コンテナ支持部402上に円弧状に分布する複数の第1のコンテナ空間104aを備えてもよい。
図11の実施例では、コンテナ支持部402は、6つの第1のコンテナ空間104aと、1つの開口部403とを備える。
【0163】
コンテナ支持部402のコンテナ空間104は、それらの横方向(幅)が支持構造450の鉛直軸Avに対して半径方向に延びている状態に配列されている保管コンテナ106を保管するように構成されてもよい。このように、保管または回収されるべき保管コンテナ106は、保管塔400の上方に配列されているレールシステム408の1つまたはそれより多くのグリッド開口部415と鉛直に整列されてもよい(グリッド開口部415の長さおよび幅は、保管コンテナ106の長さおよび幅と整列されている)。第1のコンテナ空間104aのうちの1つが、グリッド開口部415と鉛直に整列されている場合、他の第1のコンテナ空間104aも、コンテナ支持部402の回転によって同一のグリッド開口部415と鉛直に整列されることができる。
【0164】
図7は、コンテナ支持部402が、複数の第1のコンテナ空間104aが支持構造450の鉛直軸A
vから等しいか、またはほぼ等しい第1の半径方向距離r
1を伴って円周方向にオフセットされるように、コンテナ支持部402上に円弧状に分布する複数の第1のコンテナ空間104aを備え得ることを示す。本実施例のコンテナ支持部402は、5つの第1のコンテナ空間104aと、1つの第1の開口部403aとを備える。
【0165】
図7はまた、コンテナ支持部402が、複数の第2のコンテナ空間104bが、鉛直軸A
vから等しいか、またはほぼ等しい第2の半径方向距離r
2を伴って円周方向にオフセットされるように、円弧状に分布する複数の第2のコンテナ空間104bを備え得ることを示し、第2の半径方向距離r
2は、第1の半径方向距離r
1より大きい。第2の半径方向距離r
2は、少なくとも保管されるべき保管コンテナ106の幅だけ第1の半径方向距離r
1より大きい。本実施例のコンテナ支持部402は、7つの第2のコンテナ空間104bと、第2の開口部403bとを備えてもよい。
【0166】
図8は、
図7のコンテナ支持部402が、複数の第3のコンテナ空間104cが鉛直軸A
vから等しいか、またはほぼ等しい第3の半径方向距離r
3を伴って円周方向にオフセットされるように、少なくとも1つの水平に向けられたコンテナ支持部402上に円弧状に分布する複数の第3のコンテナ空間104cを備え得ることを示し、第3の半径方向距離r
3は、第1および第2の半径方向距離r
1、r
2より大きい。第3の半径方向距離r
3は、少なくとも保管されるべき保管コンテナ106の長さだけ第2の半径方向距離r
2より大きい。本実施例のコンテナ支持部402は、11個の第3のコンテナ空間104cと、第3の開口部403cとを備える。
【0167】
第1、第2、および第3のコンテナ空間104cの数は、例えば、コンテナ支持部402および保管コンテナ106の数に応じて変動し得る。
【0168】
図示されるように、コンテナ支持部402は、好ましくは、トロイド形状の水平断面を有してもよい。全てのコンテナ支持部402が、典型的には、同一の幾何学形状を有するであろう。最下コンテナ支持部402は、典型的には、本コンテナ支持部402の下方に到達されるべき保管コンテナ106またはコンテナ空間104が存在しないため、開口部403を有していない点で、他のものと異なるであろう。
【0169】
例示的図面内では、支持構造450は、中心ポールである。しかしながら、コンテナ支持部がコンテナ支持部を取り囲む円筒形骨格内に提供される円周方向の軸受上に搭載される、他の配列も、想起される。
【0170】
コンテナ支持骨格401内に配列されているとき、
図7および
図8のコンテナ支持部402は、同一のコンテナ支持骨格401内に同軸に配列されている複数のコンテナ支持部402に分割されてもよい。同一のコンテナ支持骨格401のコンテナ支持部402は、したがって、相互に対して回転可能であってもよい。この場合、同一のコンテナ支持骨格401の第1、第2、および第3のコンテナ空間104cは、各々、第1、第2、および第3のコンテナ支持部402を横断して分布してもよい。
【0171】
代替として、コンテナ支持部402は、複数の第1のコンテナ空間104aが複数のコンテナ支持部402上に分布するように区画に分割されてもよい。区画の対間の間隙が、保管コンテナ106が通過するための開口部を提供してもよい。
【0172】
図11は、保管塔400が、少なくとも1つのコンテナ支持部402を支持構造450の鉛直軸A
vに対して回転させるように構成される駆動機構700を備え得ることを示す。
【0173】
図11では、コンテナ支持部402のうちのいくつかが、例証的目的のために除去されている。駆動機構700は、支持構造450、コンテナ支持骨格401、またはコンテナ支持部402に接続されてもよい。
図11では、駆動機構700は、支持構造450の鉛直軸A
vから半径方向において水平に延びているアーム405を形成する、コンテナ支持骨格401の一部に接続される。
【0174】
駆動機構700は、例えば、スイベル駆動、ギヤ駆動、ベルト駆動、チェーン駆動、ステッパモータ等の電磁駆動であってもよい。
【0175】
典型的には、保管塔400の全てのコンテナ支持部402が、回転可能であろう。しかしながら、最下コンテナ支持部402は、全ての上方のコンテナ支持部402が、回転可能であり、遠隔動作車両が、最下コンテナ支持部402上に支持される全ての潜在的標的保管コンテナ106’の上方に鉛直に整列され得る場合、定常状態であってもよい。
【0176】
コンテナ支持部402は、例えば、コンテナ支持骨格401を介して、支持構造450に少なくとも間接的に回転式に接続され、コンテナ支持骨格401は、非回転様式において支持構造450に接続されてもよい。その場合、コンテナ支持骨格401は、保管塔400の静止部分であると見なされることができる。
【0177】
図11は、駆動機構700が、静止部分(例えば、コンテナ支持骨格)に接続され、ギヤ駆動を用いてコンテナ支持部402を回転させるように構成され得ることを示す。コンテナ支持部402は、
図11におけるようにその中心に近接して配列されているギヤを有してもよい、またはギヤは、その周回により近接して、またはその上に配列されてもよい。
【0178】
図12は、骨格401が1つのコンテナ支持部402を支持するために使用され得ることを示す。コンテナ支持骨格401に対するコンテナ支持部402の回転を可能にするために、コンテナ支持骨格401は、1つまたはそれより多くの回転デバイス406を具備してもよい。回転デバイス406は、車輪、軸受、スイベル、ローラであってもよい。コンテナ支持部402は、したがって、静止部分、この場合、コンテナ支持骨格401に回転式に結合されていると見なされ得る。ある代替構成では、コンテナ支持部402は、そのような回転デバイスを具備し、コンテナ支持骨格によって提供される表面または軌道にわたって延設されるように配列されてもよい。
【0179】
回転デバイス406は、回転し、したがって、駆動機構700を成すように動力供給されてもよい。
【0180】
図12では、回転デバイス406が、アーム405の遠位部分内に配列されている。
【0181】
1つのコンテナ支持骨格401が、上記に説明されるように、複数の同軸に配列されているコンテナ支持部402を備える場合、各アーム405は、対応する数の回転デバイス406を必要とし得る。回転デバイス406は、したがって、コンテナ支持部402の水平拡張に対応する支持構造450の鉛直軸Avから半径方向距離(例えば、コンテナ支持部の半径方向内側範囲および外側範囲)に配列されるべきである。
【0182】
代替として、複数のコンテナ支持部402の各々は、例えば、コンテナ支持部402の水平範囲に従って異なる長さの、または同一の長さを有するが、回転式に接続されるべきコンテナ支持部402の水平範囲に従って異なる位置に配列されている回転デバイス406を有する、専用のアーム405を有してもよい。
【0183】
コンテナ支持部402は、保管コンテナ106をコンテナ空間104上の定位置に誘導するためのガイドポスト407を備えてもよい。保管コンテナ106は、好ましくは、ガイドポスト407と協働するように構成される、ガイド陥凹を備えてもよい。
【0184】
コンテナ支持部402は、例えば、コンテナ空間104内にカットアウトを有してもよい。これらのカットアウトは、重量を軽減させ、コンテナ支持部402のコストを低減させ得る。
【0185】
保管塔400を使用して標的保管コンテナ106’を保管および回収するために、以下の動作が、実施される(
図6および
図5a~cを参照)。
・制御システム500が、車両301に、座標X、Y、Zを伴う標的保管コンテナ106’を積み込むための命令を与える。本位置は、レールシステム408の下方の5×ΔdV+Vr1の深度においてコンテナ支持部402gのコンテナ空間104内に位置付けられる保管コンテナ106に対応する。保管塔400内の開口部403の全てが、最初に(同一のX-Y座標と)整列されるため、レールシステム408に隣接するコンテナ支持部402aの標的開口部403’のX-Y位置は、下層のコンテナ支持骨格401b~mの標的開口部403’のX-Y位置に等しい。
・車両301が、そのリフティングデバイス304が標的開口部403’の真上に位置するまで、その駆動手段301b、cの補助によって、XおよびY方向において移動する。
・標的開口部403’の上方の位置までの車両301の移動の間および/または後、制御システム500が、駆動機構700に命令を送信し、標的保管コンテナ106’が上方の据え付けられたコンテナ支持部402a~fの標的開口部403’と鉛直に整列されるように、コンテナ支持部402gを回転させる。
・コンテナ支持部402gの変位の間および/または後、車両301のリフティングデバイス304が、アクティブ化され、リフティングデバイス304の把持部分が定位置に到達し、標的保管コンテナ106’を把持するまで、グリッド開口部415および整列される標的開口部403’を通して下方に降下させられる。
・標的保管コンテナ106’が、リフティングデバイス304によって把持され、コンテナ支持部402fの上方に上昇させられた後、駆動機構700が、コンテナ支持部402gをその初期の位置まで戻すように移動させるために、再びアクティブ化される。
・標的保管コンテナ106’が、レールシステム408の上方に上昇させられると、車両301が、レールシステム408上の別の場所、例えば、アクセスステーションへの送達のための専用のポートカラム/シュートまで移動される。
【0186】
本プロセスは、従来技術保管および回収システムのために実施された掘出を行うための必要性が、もはや必要ないという利点を有する。
【0187】
図5a~cは、それを通してリフティングデバイス304が保管コンテナ106にアクセスし得る、グリッド開口部415を示す。保管コンテナ106、開口部403、およびコンテナ支持部402のコンテナ空間104が、本グリッド開口部415と鉛直に整列されることができる。コンテナ支持部402の回転移動およびグリッド開口部415、保管コンテナ106、開口部403、およびコンテナ空間104の長方形形状に起因して、グリッド開口部415の全てが、好適なアクセス点であるわけではない。ある場合には、1つのみのグリッド開口部415が、コンテナ支持部402の360度回転全体にわたる、好適なアクセス点である。保管コンテナ106、開口部403、コンテナ空間104、および/またはグリッド開口部415のサイズの調節によって、2つの好適なアクセス点が、180度のオフセットを伴って提供されることができる。保管コンテナ106、開口部403、コンテナ空間104、およびグリッド開口部415をさらに正方形に作製することによって、4つの好適なアクセス点が、90度のオフセットを伴って提供されることができる。これは、複数の第1のコンテナ空間104aのみを有するコンテナ支持部402に基づく。また、複数の第2の保管空間104bも有するコンテナ支持部402が、2倍の数のアクセス点を有し得る。また、複数の第3の保管空間104cも有するコンテナ支持部402が、3倍の数のアクセス点を有し得る等となる。
【0188】
図9は、1つの本発明の保管塔400と、1つの従来技術保管グリッド100とを伴う、保管および回収システム1の側面図を示す。上記に述べられる駆動機構700は、各コンテナ支持部402の中心に近接して配列されている。本特定の構成は、レールシステム408の真下に配列されている13個のコンテナ支持部402a~mを備える。コンテナ支持部402a~mは、対応する数のコンテナ支持骨格401a~m内に配列されている。全てのコンテナ支持部402が、相互に対して回転可能である。他の数のコンテナ支持部402も、適宜、存在し得る。好ましくは、5個超のコンテナ支持部402、より好ましくは、10個超のものが、存在する。
【0189】
保管グリッド100と保管塔400との間の移動を可能にするために、従来技術保管グリッド100のレールシステム108および本発明の保管塔400のレールシステム408を相互接続する、結合レールシステム408’が、例えば、
図15に見られる。本発明の保管塔400のレールシステム408および従来技術保管グリッド100のレールシステム108は、同一のタイプの車両301が、両方のレールシステム108、408上で動作し得るように、相互の向きおよび設計を有する。本発明の保管塔400のコンテナ支持部402の異なる構築物および従来技術保管グリッド100の保管コンテナ106のスタック107に起因して、コンテナ支持部402の上方のレール410、411は、少なくともX-Y方向のうちの一方において、スタック107の上方のレール110、111と比較してより広く作製されてもよい。保管コンテナ106が通過し得るグリッド開口部415を確実にするために、コンテナ支持部402の上方のレール410、411は、より深部に、すなわち、Z方向において作製されてもよい。
【0190】
本発明の保管塔400および従来技術保管グリッド100は両方とも、任意のサイズであることができる。特に、保管塔400および/または保管グリッド100が、添付される図に開示されるものより大幅に広いおよび/または長いおよび/または深部にあり得ることを理解されたい。例えば、保管塔400および/または保管グリッド100は、700×700個超の保管コンテナ106のための空間と、14個超の保管コンテナ106の保管深度とを有する、水平範囲を有してもよい。
【0191】
上記に説明されるように、保管塔400を配設する1つの方法は、
図1に示されるように、保管コンテナ106の全てのスタック107、および従来技術保管および回収システム1のレールシステム108部分の真下の鉛直ピラー431のうちの大部分のものを除去し、レールシステム108のカンチレバー部分CPおよびいくつかの鉛直ピラー431を
図10に示されるように残すことであることができる。次いで、1つまたはそれより多くの本発明の保管塔400を、レールシステム108のカンチレバー部分CPの下方の空容積内に挿入するステップである。
図10では、コンテナ支持部402のうちのいくつかが、除去され、コンテナ支持骨格401がそれらの間に空間を伴わずに相互の上に設置され得る方法を図示する。
【0192】
図13は、複数の保管塔400が、横並びに、かつ保管グリッド100に隣接して配列されている保管および回収システム1のある実施形態を示す。
図13の実施例では、3つの保管塔400および1つの保管グリッドが、同一のレールシステム108の下方に配列されている。
図14の実施例では、1つの保管塔400および1つの保管グリッドが、同一のレールシステム108の下方に配列されている。
【0193】
図14は、複数のコンテナ支持部402a~mを伴う保管塔400を示す。本実施例は、13個のコンテナ支持部402を示す。上方から数えたときの第4のコンテナ支持部402dが、空のコンテナ空間106’’を有する。また、上方から数えたときの第6のコンテナ支持部402fも、空のコンテナ空間106’’を有する。
【0194】
前述の説明では、自動化された保管および回収システムおよび車両を使用して製品アイテムを積み込む、関連付けられる方法の種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。解説の目的のために、具体的な数値、システム、および構成が、本システムおよびその作用の徹底的な理解を提供するために記載された。しかしながら、本説明は、限定的意味で解釈されることを意図していない。開示される主題が関連する当業者に明白である、例証的実施形態の種々の修正および変形例、ならびに本システムの他の実施形態が、本発明のスコープ内に存在すると見なされる。
【0195】
【国際調査報告】