(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】アダプタ機構およびコンポーネント複合体
(51)【国際特許分類】
F17C 13/00 20060101AFI20230508BHJP
H05K 5/06 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
F17C13/00 301C
F17C13/00 302Z
H05K5/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559708
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(85)【翻訳文提出日】2022-10-05
(86)【国際出願番号】 AT2021060111
(87)【国際公開番号】W WO2021203152
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521104458
【氏名又は名称】エイヴィエル リスト ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】AVL List GmbH
【住所又は居所原語表記】Hans-List-Platz 1, 8020 Graz, AUSTRIA
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】305013943
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライター, ベルンド
(72)【発明者】
【氏名】ロウラー, ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】マキンソン, ジュリアン
【テーマコード(参考)】
3E172
4E360
【Fターム(参考)】
3E172AA05
3E172AB20
3E172BA10
3E172FA29
3E172KA02
3E172KA03
3E172KA19
4E360AB33
4E360BA01
4E360BD03
4E360BD05
4E360EA29
4E360ED02
4E360ED07
4E360GA23
4E360GA33
(57)【要約】
本発明は、ガス容器(11)の中へ気密で電流を導通するためのアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)に関し、ガス容器(11)は、ガス容器(11)の中へ電流を導通するためにガス容器(11)の内部容積(40)からガス容器(11)の外面(13)を超えて延びる突起様の電流接続部(12)を含み、電流接続部(12)の円周方向で電流接続部(12)を少なくとも部分的に取り囲むためのハウジング(14)であって、ハウジング(14)から電流接続部(12)を接触なしで引き出すための貫通孔(16)を備えたカバー(15)を有するハウジングと、ガス容器(11)にハウジング(14)を気密に取り付けるための容器シール手段(18)と、ハウジング(14)の内部で電流接続部(12)に取り付けるための軸受手段(19)と、軸受手段(19)とカバー(15)との間の電気的な絶縁のために、ハウジング(14)の内部で軸受手段(19)とカバー(15)との間で少なくとも部分的に位置決めするための第1の絶縁手段(20)と、電流接続部(12)とカバー(15)との間の隙間(22)を封止するために、ハウジング(14)から引き出された電流接続部(12)に取り付けるためのハウジングシール手段(21)と、ハウジングシール手段(21)とカバー(15)との間の電気的な絶縁のために、ハウジング(14)の外部でハウジングシール手段(21)とカバー(15)との間で少なくとも部分的に位置決めするための第2の絶縁手段(23)と、を有する。
さらに本発明は、ガス容器(11)と、これに取り付けられた本発明によるアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)とを有する複合体(100)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス容器(11)の中へ気密で電流を導通するためのアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)において、前記ガス容器(11)は、前記ガス容器(11)の中へ電流を導通するために前記ガス容器(11)の内部容積(40)から前記ガス容器(11)の外面(13)を超えて延びる突起様の電流接続部(12)を含み、
前記電流接続部(12)の円周方向で前記電流接続部(12)を少なくとも部分的に取り囲むためのハウジング(14)であって、前記ハウジング(14)から前記電流接続部(12)を接触なしで引き出すための貫通孔(16)を備えたカバー(15)を有する前記ハウジング(14)と、
前記ガス容器(11)に前記ハウジング(14)を気密に取り付けるための容器シール手段(18)と、
前記ハウジング(14)の内部で前記電流接続部(12)に取り付けるための軸受手段(19)と、
前記軸受手段(19)と前記カバー(15)との間の電気的な絶縁のために、前記ハウジング(14)の内部で前記軸受手段(19)と前記カバー(15)との間で少なくとも部分的に位置決めするための第1の絶縁手段(20)と、
前記電流接続部(12)と前記カバー(15)との間の隙間(22)を封止するために、前記ハウジング(14)から引き出された前記電流接続部(12)に取り付けるためのハウジングシール手段(21)と、
前記ハウジングシール手段(21)と前記カバー(15)との間の電気的な絶縁のために、前記ハウジング(14)の外部で前記ハウジングシール手段(21)と前記カバー(15)との間で少なくとも部分的に位置決めするための第2の絶縁手段(23)とを有する、アダプタ機構。
【請求項2】
前記電流接続部(12)は、第1の電流接続部・ねじ山区域を有し、前記軸受手段(19)は、前記第1のねじ山区域(12)に螺着するための少なくとも1つのナット(24,25)を有することを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項3】
前記電流接続部(12)は、第2の電流接続部・ねじ山区域を有し、前記ハウジングシール手段(21)は、前記第2の電流接続部・ねじ山区域に螺着するための少なくとも1つのナット(26)を有することを特徴とする、請求項1から2のうちいずれか1項に記載のアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項4】
前記第1の絶縁手段(20)を前記カバー(15)の方向へ圧力付勢するために少なくとも部分的に前記軸受手段(19)と前記第1の絶縁手段(20)との間に配置されたクランプ手段(39)を有することを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1項に記載のアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項5】
前記ハウジング(14)の外部で前記電流接続部(12)に前記第1の電流導通手段(30)を取り付けるための電流導通手段・取付区域(31)を有する弾性的に変形可能な第1の電流導通手段(30)を、前記第1の電流導通手段(30)を介して前記電流接続部(17)から電流をピックアップするために有することを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか1項に記載のアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項6】
少なくとも部分的に固定手段(34)と前記ハウジングシール手段(21)との間で前記第1の電流導通手段(30)を前記電流接続部(12)に非破壊式に取外し可能に固定するための固定手段(34)を有することを特徴とする、請求項5に記載のアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項7】
前記電流接続部(12)は、第2の電流接続部・ねじ山区域を有し、前記ハウジングシール手段(34)は、前記第2の電流接続部・ねじ山区域に螺着するための少なくとも1つのナット(35,36)を有することを特徴とする、請求項6に記載のアダプタ機構(10a;10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項8】
ガス容器(11)の中へ気密で電流を導通するためのアダプタ機構(10b;10c;10d;10e;10f)において、前記ガス容器(11)は、前記ガス容器(11)の中へ電流を導通するために前記ガス容器(11)の内部容積(40)から前記ガス容器(11)の外面(13)を超えて延びる突起様の電流接続部(12)を含み、
前記電流接続部(12)の円周方向で前記電流接続部(12)を少なくとも部分的に取り囲むためのハウジング(14)であって、貫通孔(16)を備えたカバー(15)を有する前記ハウジング(14)と、
前記電流接続部(12)と結合コンポーネント(17)との間の電気接触のために前記電流接続部(12)に結合コンポーネント(17)を取り付けるための、および、記電流接続部(12)を通して前記ガス容器(11)の中へ前記結合コンポーネント(17)を介して電流を導通するための、結合コンポーネント・取付区域(27a;27b)を備えた結合コンポーネント(17)であって、前記電流接続部(12)に取り付けられた前記結合コンポーネント(17)を前記ハウジング(14)から接触なしで引き出すために貫通孔(16)が構成されている前記結合コンポーネント(17)と、
前記ガス容器(11)に前記ハウジング(14)を気密に取り付けるための容器シール手段(18)と、
前記ハウジング(14)の内部で前記結合コンポーネント(17)に取り付けるための軸受手段(19)と、
前記軸受手段(19)と前記カバー(15)との間の電気的な絶縁のために、前記ハウジング(14)の内部で前記軸受手段(19)と前記カバー(15)との間で少なくとも部分的に位置決めされる第1の絶縁手段(20)と、
前記結合コンポーネント(17)と前記カバー(15)との間の隙間(22)を封止するために、前記ハウジング(14)から引き出された前記結合コンポーネント(17)の区域に取り付けるためのハウジングシール手段(21)と、
前記ハウジングシール手段(21)と前記カバー(15)との間の電気的な絶縁のために、前記ハウジング(14)の外部で前記ハウジングシール手段(21)と前記カバー(15)との間で少なくとも部分的に位置決めされる第2の絶縁手段(23)とを有する、アダプタ機構。
【請求項9】
前記結合コンポーネント(17)は、第1の結合コンポーネント・ねじ山区域(28)を有し、前記軸受手段(19)は、前記第1のねじ山区域(28)に螺着するための少なくとも1つのナット(24,25)を有することを特徴とする、請求項8に記載のアダプタ機構(10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項10】
前記結合コンポーネント(17)は、第2の結合コンポーネント・ねじ山区域(29)を有し、前記ハウジングシール手段(21)は、前記第2のねじ山区域(29)に螺着するための少なくとも1つのナット(26)を有することを特徴とする、請求項8から9のいずれか1項に記載のアダプタ機構(10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項11】
前記カバー(15)の方向へ前記第1の絶縁手段(20)を圧力付勢するために少なくとも部分的に前記軸受手段(19)と前記第1の絶縁手段(20)との間に配置されるクランプ手段(39)を有することを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載のアダプタ機構(10f)。
【請求項12】
前記ハウジング(14)の外部で前記結合コンポーネント(17)に前記第1の電流導通手段(30)を取り付けるための電流導通手段・取付区域(31)を有する弾性的に変形可能な第1の電流導通手段(30)を、前記第1の電流導通手段(30)を介して前記結合コンポーネント(17)から電流をピックアップするために有することを特徴とする、請求項8から11のいずれか1項に記載のアダプタ機構(10b;10c;10d;10f)。
【請求項13】
少なくとも部分的に固定手段(34)と前記ハウジングシール手段(21)との間で前記第1の電流導通手段(30)を前記結合コンポーネント(17)に非破壊式に取外し可能に固定するための固定手段(34)を有することを特徴とする、請求項12に記載のアダプタ機構(10b;10c;10d;10f)。
【請求項14】
前記結合コンポーネント(17)は、第2の結合コンポーネント・ねじ山区域(29)を有し、前記固定手段(34)は、前記第2の結合コンポーネント・ねじ山区域(29)に螺着するための少なくとも1つのナット(35,36)を有することを特徴とする、請求項13に記載のアダプタ機構(10b;10c;10d;10f)。
【請求項15】
前記結合コンポーネント・取付区域(27a)は、前記電流接続部(12)の対応する電流接続部・ねじ山区域に前記結合コンポーネント(17)を螺着するための第3の結合コンポーネント・ねじ山区域(37)を有することを特徴とする、請求項8から14のいずれか1項に記載のアダプタ機構(10b;10c;10e;10f)。
【請求項16】
前記結合コンポーネント(17)は一体的に構成されることを特徴とする、請求項8から15のいずれか1項に記載のアダプタ機構(10b;10c;10d;10e;10f)。
【請求項17】
前記結合コンポーネント(17)は別の電流接続部(12’)と前記結合コンポーネント(17)との間のねじ結合のために、前記結合コンポーネント(17)の端面に第4の結合コンポーネント・ねじ山区域(38)を有することを特徴とする、請求項8から16のいずれか1項に記載のアダプタ機構(10e)。
【請求項18】
弾性的に変形可能な第2の電流導通手段(32)を有し、前記電流接続部(12)と前記結合コンポーネント(17)とが、前記第2の電流導通手段(32)による前記電流接続部(12)と前記結合コンポーネント(17)との間の電気接続のために互いに機械的に結合されることを特徴とする、請求項8から17のいずれか1項に記載のアダプタ機構(10d)。
【請求項19】
前記第2の電流導通手段(32)は、プレート状または実質的にプレート状に構成されることを特徴とする、請求項8から18のいずれか1項に記載のアダプタ機構(10d)。
【請求項20】
コンポーネント複合体(100)において、外面(13)と突起様の電流接続部(12)とを備えるガス容器(11)を有し、前記電流接続部(12)は、前記ガス容器(11)の中へ電流を導通するために前記ガス容器(11)の内部容積(40)から前記ガス容器(11)の前記外面(13)を超えて延びており、および、前記外面(13)および前記電流接続部(12)に取り付けられた、請求項1から19のうちいずれか1項に記載のアダプタ機構(10d)を有している、コンポーネント複合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス容器の中へ気密で電流を導通するためのアダプタ機構に関する。さらに本発明は、ガス容器の中への電流の流動密閉式の導通を支援するための、ガス容器とアダプタ機構とを有するコンポーネント複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、燃料電池システムの始動動作のために電気加熱装置を利用することが知られており、それは、燃料電池システムを、特に燃料電池システムの燃料電池スタックを、可能な限り迅速に所望の動作温度にするためである。加熱装置として、電気加熱可能な金属触媒が知られている。これは触媒ハウジングを有しており、その中に触媒材料があり、これを電気式に作動可能な加熱装置によって迅速に所望の動作温度にすることができる。触媒ハウジングの中で位置決めされる補助装置のための電流は、触媒ハウジングから突き出す電流接続部を通して触媒ハウジングの中に導通される。実際には、触媒の機能動作中の触媒ハウジングからのガス漏出を回避するための電流接続部における封止は、所望の要求事項を満たしていないことが示されている。厳密に言うと、さまざまな実験で、電流接続部の領域でのガス漏出をそのつど確認することができている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の課題は、上に説明した問題を少なくとも部分的に考慮することにある。特に本発明の課題は、特に冒頭に述べた金属触媒の形態のガス容器の中へ、電流を気密に導通するための補助手段を提供することにある。
【0004】
上述した課題は特許請求の範囲によって解決される。特に、上述した課題は請求項1に記載のアダプタ機構、請求項8に記載のアダプタ機構、請求項20に記載のコンポーネント複合体によって解決される。本発明のその他の利点は、従属請求項、発明の詳細な説明、および、図面から明らかとなる。このとき、アダプタ機構との関連で記載されている構成要件および詳細事項は、当然ながら、本発明によるコンポーネント複合体との関連においても有効であり、および、その逆も有効であり、したがって、個々の発明態様についての開示に関しては常に相互に参照がなされ、または、参照をすることができる。
【0005】
本発明の第1の態様では、ガス容器の中へ気密で電流を導通するためのアダプタ機構が提供され、ガス容器は、ガス容器の中へ電流を導通するためにガス容器の内部容積からガス容器の外面を超えて延びる突起様の電流接続部を含む。アダプタ機構は、
-電流接続部の円周方向で電流接続部を少なくとも部分的に取り囲むためのハウジングであって、ハウジングから電流接続部を接触なしで引き出すための貫通孔を備えたカバーを有するハウジングと、
-ガス容器にハウジングを気密に取り付けるための容器シール手段と、
-ハウジングの内部で電流接続部に取り付けるための軸受手段と、
-軸受手段とカバーとの間の電気的な絶縁のために、ハウジングの内部で軸受手段とカバーとの間で少なくとも部分的に位置決めするための第1の絶縁手段と、
-電流接続部とカバーとの間の隙間を封止するために、ハウジングから引き出された電流接続部に取り付けるためのハウジングシール手段と、
-ハウジングシール手段とカバーとの間の電気的な絶縁のために、ハウジングの外部でハウジングシール手段とカバーとの間で少なくとも部分的に位置決めするための第2の絶縁手段と、を含む。
【0006】
本発明に基づくアダプタ機構によって、電流をガス容器の中へ気密で導通することが簡易かつ確実な方式で可能である。すなわち、電流がガス容器の中へ導通されている間に、ガス容器からガスがアダプタ機構を介してガス容器から出て周囲に漏出するのを防止することができる。ガス容器とは、電気加熱可能な触媒の、特に例えば、Emicatsなどの金属触媒の、触媒ハウジングであると理解することができる。
【0007】
本発明によるアダプタ機構は、簡素な手段によって具体化することができる。標準コンポーネントのほか、アダプタ機構の具体化のために簡素なジオメトリーの物体を、例えば、ハウジングのための簡素な中空シリンダを利用することができる。それによって、アダプタ機構の製作を迅速かつ低コストに具体化することができる。さらに、アダプタ機構を比較的小さな設計スペースで具体化することができる。
【0008】
ハウジングは、電流接続部の周囲で少なくとも区域的に外套状に延びるハウジング外套区域を有することができる。ハウジング外套区域は、円筒状および/または管状に構成されることが好ましい。ハウジングが電流接続部を少なくとも部分的に取り囲むとは、ハウジングおよび/またはハウジング外套区域が、電流接続部の長手方向で電流接続部の一部の周囲にのみ延びることであると理解することができる。ハウジングが電流接続部の円周方向で電流接続部を少なくとも部分的に取り囲むために構成されることは、ハウジングが電流接続部の長手方向で電流接続部を外套状に取り囲むことであると理解することができる。
【0009】
カバーは、上で説明したハウジング外套区域から取り外して見たとき、好ましくはその中心に構成された貫通孔を有するディスク状および/またはプレート状に構成されることが好ましい。ハウジング外套区域とカバーは、少なくとも1つの個所で互いに物質接合式に結合されたコンポーネントとして提供され得ることが特別に好ましい。それに伴い、ガス容器へのアダプタ機構の取り付けを簡易化することができる。
【0010】
ハウジングから電流接続部を接触なしで引き出すとは、電流接続部とハウジングとの間での直接的な機械的接触なしでの、ハウジングからの電流接続部の引き出しであると理解される。それに伴い、電流接続部およびハウジングが好ましくは金属および/または導電性材料からなるので、短絡および/またはその他の電気的な誤機能を防止することができる。
【0011】
貫通孔の直径および/または寸法は、既存の電流接触部および/または所望の電流接続部の、貫通孔の領域における直径および/または寸法よりも相応に大きく選択される。
【0012】
容器シール手段とは、ガス容器とハウジングとを物質接合式に結合するための手段であると理解することができる。容器シール手段は溶接継目を有することが好ましく、これによってハウジングをガス容器に、特に少なくともガス容器の外面に、取り付けることができる。容器シール手段は、ハウジングがガス容器に取り付けられる領域を気密に構成するために提供されることが好ましい。すなわち、容器シール手段は容器全体をガス漏出に対して封止する必要はない。
【0013】
軸受手段は、第1の絶縁手段を所望の位置で固定するための役目を果たす。したがって、軸受手段はカバーに対する、厳密に言うとハウジングの内部容積の方を向くカバーの内面に対する、対応軸受として理解することができる。軸受手段は、第1の絶縁手段を位置決めするために、好ましくは軸受手段と第1の絶縁手段との間の直接的な面接触をもって、第1の絶縁手段で直接的に位置決めすることができる。
【0014】
隙間を封止するとは、貫通孔を通してハウジングから電流接続部を接触なしで引き出すことによって生じる、電流接続部とカバーとの間の少なくとも1つの隙間の気密な閉止であると理解することができる。すなわちハウジングシール手段は、ハウジングからガス漏出を防止するために構成されることが好ましい。ガス漏出の防止は、直接的または間接的にもたらすことができる。たとえばハウジングシール手段は隙間を直接的に、または第2の絶縁手段などの補助手段によって、気密に閉止することができる。
【0015】
第1の絶縁手段と第2の絶縁手段とは、それぞれディスク状の絶縁リングを有することができ、または、電流接続部の周りに環状に配置するために、ディスク状の絶縁リングとして構成されていてもよい。第1の絶縁手段および/または第2の絶縁手段は、それぞれハウジングからのガス漏出に対して容器を封止するために構成されていてもよい。
【0016】
第1の絶縁手段および/または第2の絶縁手段は相応に弾性的なプラスチックでできていてもよく、または、相応の弾性的なプラスチックを有することができる。第1のシール手段および/または第2のシール手段は、それぞれ一体的に構成されることが好ましい。しかしながら、絶縁手段は、1つの好ましい実施形態では、非導電性の形状安定的な材料、例えば、セラミックでできていてもよく、または、そのような材料を電気的な絶縁機能のために少なくとも相応に有することができる。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態では、アダプタ機構において電流接続部が第1の電流接続部・ねじ山区域を有し、軸受手段が第1のねじ山区域に螺着するための少なくとも1つのナットを有することが可能である。それに伴い、軸受手段を特別に簡易かつ低コストに提供することができる。軸受手段は2つのナットを有することが好ましく、一方のナットはカウンタナットとしての役目を果たす。螺着とは、ねじ嵌め、ねじ込み、すなわち螺合であると理解することができる。したがって、ねじ山区域は雄ねじまたは雌ねじを有することができる。第1の電流接続部・ねじ山区域は、軸受手段および/または少なくとも1つのナットの内側円周面にある雌ねじとして構成され、または、電流接続部の対応する雄ねじにねじ嵌めすることができる雌ねじを相応に有することが好ましい。
【0018】
さらに、本発明に基づくアダプタ機構において、電流接続部は第2の電流接続部・ねじ山区域を有し、ハウジングシール手段は第2のねじ山区域に螺着するための少なくとも1つのナットを有することが可能である。すなわち、ナットを第2のねじ山区域に螺着することができる。それによっても、アダプタ機構を比較的簡易かつ低コストに構成することができる。ハウジングシール手段の少なくとも1つのナットを、例えば、ハウジングを封止するための気密な閉止がもたらされるまで、第2の絶縁手段に螺着することができる。ハウジングシール手段は、ハウジングシール手段の第1のナットを固定するために第2の電流接続部・ねじ山区域の上にカウンタナットとして螺着することができる、別のナットを有することができる。
【0019】
本発明によるアダプタ機構が、第1の絶縁手段をカバーの方向へ圧力付勢するために少なくとも部分的に軸受手段と第1の絶縁手段との間に配置された、または、配置可能である、クランプ手段を有しているとさらに好ましい場合があり得る。
【0020】
それに伴い、カバーでの、厳密に言うとカバーの内面での、所望の位置への第1の絶縁手段の簡易な位置決めを実現することができる。クランプ手段は、一体的なばね部材を有することができる。クランプ手段は、電流接続部へ外嵌するために環状に構成されることが好ましい。さらに、本発明によるアダプタ機構は、位置決めをするための少なくとも1つの環状のワッシャを、軸受手段と第1の絶縁手段との間に、ハウジングシール手段と第2の絶縁手段との間に、および/または、軸受手段とクランプ手段との間に、および/または、クランプ手段と第1の絶縁手段との間に有することができる。それに伴い、それぞれのコンポーネントに対する力を低コストかつ確実な方式で、簡易に、高い信頼度で、かつ、効率的に伝達することができる。環状とは、本件では、互いに同心的に配置された、横断面で見て円形の2つの外套区域によって形成される形状であると理解されることが好ましい。それにも関わらず、本発明による環状の外側円周面および/または内側円周面が、楕円形および/または矩形に、例えば、ナットのように六角形に構成されていてもよい。絶縁手段はそれぞれディスク状に、すなわち、平坦もしくは実質的に平坦な上面と平坦な下面とを有するように構成されることが好ましい。
【0021】
本発明のさらに別の変形例では、アダプタ機構は、ハウジングの外部で電流接続部に第1の電流導通手段を取り付けるための電流導通手段・取付区域を有する弾性的に変形可能な第1の電流導通手段を、第1の電流導通手段を介して電流接続部から電流をピックアップするために有することが可能である。第1の電流導通手段によって、簡易で低コストな方式によってガス容器、電流接続部および/またはハウジングの、熱に起因するサイズ差を補償することができる。電流導通手段・取付区域は、電流導通手段を電流接続部に螺着するために電流導通手段・ねじ山区域を、特に雌ねじを電流導通手段の内部および/または表面に有することが好ましい。
【0022】
第1の電流導通手段は、プレート状または実質的にプレート状に構成されることが好ましい。すなわち、電流導通手段の長さと幅は、電流導通手段の高さよりもそれぞれ数倍だけ長くおよび/または大きい。さらに、電流導通手段は、平坦または実質的に平坦な上面と、平坦または実質的に平坦な下面と、を有することが好ましい。
【0023】
電流導通手段は、特に電流導通手段の外側輪郭に関して、直方体状または実質的に直方体状に構成されていてもよい。
【0024】
これに加えて、本発明による発明に基づくアダプタ機構は、少なくとも部分的に固定手段とハウジングシール手段との間で第1の電流導通手段を電流接続部に非破壊式に取外し可能に固定するための固定手段を有することができる。固定手段によって、保守および/または補修のケースでの組立ならびに解体を特別に簡易に行うことができる。本発明に基づくアダプタ機構では、電流接続部が第2の電流接続部・ねじ山区域を有し、第2の電流接続部・ねじ山区域に螺着するための少なくとも1つのナットを固定手段が有すると好ましい場合があり得る。
【0025】
本発明のさらに別の態様では、ガス容器の中へ気密で電流を導通するためのアダプタ機構が提供され、ガス容器は、ガス容器の中へ電流を導通するためにガス容器の内部容積からガス容器の外面を超えて延びる突起様の電流接続部を含む。このアダプタ機構は、
-電流接続部の円周方向で電流接続部を少なくとも部分的に取り囲むためのハウジングであって、貫通孔を備えたカバーを有するハウジングと、
-電流接続部と結合コンポーネントとの間の電気接触のために電流接続部に結合コンポーネントを取り付けるための、および、電流接続部を通してガス容器の中へ結合コンポーネントを介して電流を導通するための、結合コンポーネント・取付区域を備えた結合コンポーネントであって、電流接続部に取り付けられた結合コンポーネントをハウジングから接触なしでの引き出すために貫通孔が構成されている結合コンポーネントと、
-ガス容器にハウジングを気密に取り付けるための容器シール手段と、
-ハウジングの内部で結合コンポーネントに取り付けるための軸受手段と、
-軸受手段とカバーとの間の電気的な絶縁のために、ハウジングの内部で軸受手段とカバーとの間で少なくとも部分的に位置決めされる第1の絶縁手段と、
-結合コンポーネントとカバーとの間の隙間を封止するために、結合コンポーネントの引き出された区域に取り付けるためのハウジングシール手段と、
-ハウジングシール手段とカバーとの間の電気的な絶縁のために、ハウジングの外部でハウジングシール手段とカバーとの間で少なくとも部分的に位置決めされる第2の絶縁手段とを含む。
【0026】
この態様に基づくアダプタ機構は、第1の態様に基づく実施形態に基本的に相当しているが、ハウジングは電流接続部の周囲ではなく結合コンポーネントの周囲で封止される。このことは、アダプタ機構をいっそう簡易および/またはフレキシブルに、さまざまなガス容器および/または電流接続部で使用および/または組付をすることができるという利点がある。ハウジングの領域での、特に貫通孔の領域での、電流接続部におけるアダプタ機構に関して上で説明した構成要件は、第2の態様に基づくアダプタ機構にも、結合コンポーネントに関してこれに準ずる仕方で当てはまる。
【0027】
例えば、第2の態様に基づくアダプタ機構では、結合コンポーネントが、第1の結合コンポーネント・ねじ山区域を有し、軸受手段が、第1のねじ山区域に螺着するための少なくとも1つのナットを有することが可能である。さらに、結合コンポーネントが、第2の結合コンポーネント・ねじ山区域を有し、ハウジングシール手段が、第2のねじ山区域に螺着するための少なくとも1つのナットを有することが可能である。
【0028】
同様に、結合コンポーネントを含むアダプタ機構は、カバーの方向へ第1の絶縁手段を圧力付勢するために少なくとも部分的に軸受手段と第1の絶縁手段との間に配置されるクランプ手段を有することができる。
【0029】
弾性的に変形可能な第1の電流導通手段は、ハウジングの外部で結合コンポーネントを第1の電流導通手段に取り付けるための電流導通手段・取付区域を、第1の電流導通手段を介して結合コンポーネントから電流をピックアップするために有することができる。固定手段は、少なくとも部分的に固定手段とハウジングシール手段との間で第1の電流導通手段を結合コンポーネントに非破壊式に取外し可能に固定するために構成されていてもよい。
【0030】
これに加えて第2の態様に基づくアダプタ機構では、結合コンポーネントが第2の結合コンポーネント・ねじ山区域を有し、固定手段が第2の結合コンポーネント・ねじ山区域に螺着するための少なくとも1つのナットを有することが可能である。結合コンポーネント・取付区域は、電流接続部の対応する電流接続部・ねじ山区域に結合コンポーネントを螺着するための第3の結合コンポーネント・ねじ山区域を有することができる。それに伴って結合コンポーネントを迅速、簡易、かつ確実に電流接続部と結合することができる。第3の結合コンポーネント・ねじ山区域は、電流接続部の対応する雄ねじにねじ嵌めすることができる雌ねじを有することが好ましい。
【0031】
本発明のさらに別の変形例では、第2の態様に基づくアダプタ機構において結合コンポーネントが一体的に、特にピン状および/またはスタッド状に構成されることが可能である。それに伴ってアダプタ機構を特別に安定的に、省スペースに、かつ低コストに提供することができる。
【0032】
本発明のアダプタ機構において結合コンポーネントが、別の電流接続部と結合コンポーネントとの間のねじ結合のために、結合コンポーネントの端面に第4の結合コンポーネント・ねじ山区域を有していると、さらに好ましい場合があり得る。
【0033】
それに伴い、ハウジングの外部で結合コンポーネントに別の電流接続部を接続するための電流接続部区域を、省スペースかつ簡易な方式で具体化することができる。
【0034】
さらに本発明に基づくアダプタ機構は、弾性的に変形可能な第2の電流導通手段を有することができ、電流接続部と結合コンポーネントとが、第2の電流導通手段による電流接続部と結合コンポーネントとの間の電気接続のために、互いに機械的に結合される。第2の電流導通手段によって、ガス容器、電流接続部、結合コンポーネント、および/またはハウジングの熱に起因するサイズ差を簡易かつ低コストな方式で補償することができる。第2の電流導通手段は、第2の電流導通手段の内部および/または表面に特に雌ねじをそれぞれ有する、第1の電流導通手段・ねじ山区域および/または第2の電流導通手段・ねじ山区域を有することが好ましい。ねじ山区域によって、電流接続部と第2の電流導通手段と結合コンポーネントとの間で所望の電気結合を成立させるために、第2の電流導通手段を電流接続部および/または結合コンポーネントと簡易に結合することができる。
【0035】
第2の電流導通手段は、プレート状または実質的にプレート状に構成されることが好ましい。さらに、第2の電流導通手段は、平坦なまたは実質的に平坦な上面と、平坦なまたは実質的に平坦な下面と、を有することが好ましい。電流導通手段は、特に電流導通手段の外側輪郭に関して、直方体状または実質的に直方体状に構成されていてもよい。
【0036】
本発明のさらに別の態様では、コンポーネント複合体が提供される。コンポーネント複合体は、外面と突起様の電流接続部とを備えるガス容器を有し、電流接続部は、ガス容器の中へ電流を導通するために、ガス容器の内部容積からガス容器の外面を超えて延びる。さらに、コンポーネント複合体は、外面および電流接続部に取り付けられる、上で詳細に説明したアダプタ機構を有する。
【0037】
それに伴って本発明によるコンポーネント複合体は、本発明によるアダプタ機構に関して詳細に説明したことと同じ利点をもたらす。電流接続部は、ピン状および/またはスタッド状に構成されることが好ましい。
【0038】
本発明を改良するさらなる方策は、図面に模式的に示されている本発明のさまざまな実施例に関する以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図面はそれぞれ模式的に次のものを示す:
【
図1】本発明の第1の実施形態に基づくアダプタ機構である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に基づくアダプタ機構である。
【
図4】本発明の第3の実施形態に基づくアダプタ機構である。
【
図5】本発明の第4の実施形態に基づくアダプタ機構である。
【
図6】本発明の第5の実施形態に基づくアダプタ機構である。
【
図7】本発明の第6の実施形態に基づくアダプタ機構である。
【
図8】本発明の1つの好ましい実施形態に基づくコンポーネント複合体を示す断面図である。
【
図9】
図8に掲げるコンポーネント複合体を示す斜視全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
同じ機能と作用形態を有する部材には、各図面においてそれぞれ同じ符号が付されている。
【0041】
図1は、本発明の第1の実施形態に基づく、ガス容器11の中に気密で電流を導通するためのアダプタ機構10aを示している。ガス容器11は、ガス容器11の中へ電流を導通するために、ガス容器11の内部容器40からガス容器11の外面13を超えて延びる、ピン状で突起様の電流接続部12を有している。アダプタ機構10aは、電流接続部12がガス容器11から突き出す領域で電流接続部12の円周方向に電流接続部12を取り囲むためのハウジング14を有している。ハウジング14は、電流接続部12をハウジング14から接触なしに引き出すための貫通孔16を備えたカバー15を有している。さらに、アダプタ機構10aは、ガス容器11にハウジング14を気密に取り付けるための溶接継目の形態の容器シール手段18を有している。すなわちハウジング14は、容器シール手段18の溶接継目によって、ガス容器11に物質接合式に接合される。さらに、アダプタ機構10aは、ハウジング14の内部で電流接続部12に取り付けられた軸受手段19を有している。
図1に示す軸受手段19は、電流接続部12の対応するねじ山区域にそれぞれ螺着された第1のナット24とカウンタナット25とを有している。さらに、図示したアダプタ機構10aは、軸受手段19とカバー15との間の電気絶縁のために、ハウジング14の内部で軸受手段19とカバー15との間に位置決めされた第1の絶縁手段20を有している。さらに、アダプタ機構10aは、電流接続部12とカバー15との間の隙間22を内部空間40からのガス漏出に対して封止するために、ハウジング14から引き出された電流接続部12に取り付けられたハウジングシール手段21を有している。これに加えて図示したアダプタ機構10aは、ハウジングシール手段21とカバー15との間の電気絶縁のために、ハウジング14の外部でハウジングシール手段21とカバー15との間に位置決めされた第2の絶縁手段23を有している。
【0042】
第1の絶縁手段20と第2の絶縁手段23とは、それぞれ環状ディスク状に構成されている。ハウジングシール手段21は、電流接続部12の第2の電流接続部・ねじ山区域に螺着されてそこに取り付けられた少なくとも1つのナット26を有している。
【0043】
さらに、
図1に示すアダプタ機構10aは、
図7に示す電流導通手段・取付区域31を備える、弾性的に変形可能な第1の電流導通手段30を有しており、この電流導通手段・取付区域によって第1の電流導通手段30をハウジング14の外部で電流接続部12に取り付けることができ、それによって、第1の電流導通手段30を介して電流接続部17から電流を導通することができる。電流導通手段・取付区域31は、図示している例ではねじ山区域の形態で構成されており、これによって第1の電流導通手段30が電流接続部12の対応するねじ山に取り付けられる。
【0044】
さらに、図示しているアダプタ機構10aは、第1のナット35および第2のナット36の形態の固定手段34を、固定手段34とハウジングシール手段21との間で電流接続部12に第1の電流導通手段30を非破壊式に取外し可能に固定するために有している。それに応じて図示している電流導通手段30は、ハウジングシール手段21のナット26と固定手段34のナット35との間に挟み込まれている。
【0045】
図示した例では、第1の絶縁手段20とカバー15との間に第1のワッシャ42が配置されるとともに、第2の絶縁手段23とナット26との間に第2のワッシャ43が配置されている。電流接続部12がガス容器11から引き出されている領域に第3の絶縁手段41が配置されており、これによって電流接続部12がガス容器11から電気的に絶縁される。
【0046】
図2には、第2の実施形態に基づくアダプタ機構10bが示されている。
図2に示すアダプタ機構10bが
図1に示すアダプタ機構10aから区別されるのは、特に、一体的な結合コンポーネント17による。図示している結合コンポーネント17は、電流接続部12に結合コンポーネント17を取り付けるための、
図3に示す結合コンポーネント・取付区域27aを有しており、それは電流接続部12と結合コンポーネント17との間の電気的な接触を成立させるためであり、および、結合コンポーネント17を介して電流を電流接続部12を通じてガス容器11の中に導通するためである。それに応じて貫通孔16は、電流接続部12に取り付けられた結合コンポーネント17をハウジング14から接触なしで引き出すために構成される。
【0047】
ハウジングシール手段21は、結合コンポーネント17とカバー15との間の隙間22を封止するために、ハウジング14から引き出された結合コンポーネント17の区域に取り付けられている。
【0048】
結合コンポーネント17は、
図3に示す第1の結合コンポーネント・ねじ山区域28を有しており、これに軸受手段19が両方のナット24、25の形態で取り付けられる。結合コンポーネント17は、同じく
図3に示す第2の結合コンポーネント・ねじ山区域29を有しており、これにハウジングシール手段21がナット26の形態で取り付けられる。さらに、第2の結合コンポーネント・ねじ山区域29に、固定手段34が両方のナット35、36の形態で取り付けられる。
【0049】
図3にはピン状の結合コンポーネント17が示されており、これに結合コンポーネント・取付区域27aと、付属の第3の結合コンポーネント・ねじ山区域37と、第1の結合コンポーネント・ねじ山区域28と、第2の結合コンポーネント・ねじ山区域29と、第4の結合コンポーネント・ねじ山区域38と、が構成されている。結合コンポーネント・ねじ山区域37は、電流接続部12の対応する電流接続部・ねじ山区域に結合コンポーネント17を螺着するために構成されている。第4の結合コンポーネント・ねじ山区域38は、
図6に示す別の電流接続部12’と結合コンポーネント17との間のねじ結合のために、結合コンポーネント17の端面に構成されている。
【0050】
図4は、第3の実施形態に基づくアダプタ機構10cを示している。この実施形態には、第1の電流導通手段に取り付け可能である別の電流接続部12’が示されている。
【0051】
図5には、第4の実施形態に基づくアダプタ機構10dが示されている。この実施形態は、弾性的に変形可能な第2の電流導通手段32を有するという特徴があり、電流接続部12と結合コンポーネント17とは、電流接続部12と結合コンポーネント17との間の電気的な結合のために、第2の電流導通手段32によって互いに機械的に結合される。
【0052】
第2の電流導通手段32は、図示した実施形態ではプレート状または実質的にプレート状に構成されるとともに、結合コンポーネント17だけでなく、厳密に言うと結合コンポーネント17の結合コンポーネント・取付区域27bだけでなく、電流接続部12にも、それぞれ2つのナットによって固定されている。
【0053】
図6は、結合コンポーネント17の端面にある第4の結合コンポーネント・ねじ山区域38で別の電流接続部12’がねじ込まれている、第5の実施形態に基づくアダプタ機構10eを示している。
【0054】
図7には、特にカバー15の方向に第1の絶縁手段20を圧力付勢するために軸受手段19と第1の絶縁手段20との間に配置されるクランプ手段39によって他の実施形態と区別される、第6の実施形態に基づくアダプタ機構10fが示されている。クランプ手段39は、第1のワッシャ42と第3のワッシャ33との間に挟み込まれている。
【0055】
図8は、外面13と、ガス容器11の中に電流を導通するためにガス容器11の外面13を超えて延びる突起様の電流接続部12と、を備える、上で説明したようなガス容器11を含むコンポーネント複合体100を示している。さらにコンポーネント複合体100は、溶接継目の形態の容器シール手段18によって外面13および結合コンポーネント17に取り付けられた、
図7に示すようなアダプタ機構10fを含んでいる。
図9には、
図8に示すコンポーネント複合体100が斜視全体図として示されている。ガス容器11は、図示した実施形態では、電気式に加熱可能な金属触媒の触媒ハウジングとして構成されている。
【0056】
本発明は、図示している実施形態に加えてさらなる構成原理を可能にする。すなわち本発明は、図面を参照して説明した実施例だけに限定されるとみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0057】
10a~10f アダプタ機構
11 ガス容器
12 電流接続部
13 外面
14 ハウジング
15 カバー
16 貫通孔
17 結合コンポーネント
18 容器シール手段
19 軸受手段
20 第1の絶縁手段
21 ハウジングシール手段
22 隙間
23 第2の絶縁手段
24 ナット
25 ナット
26 ナット
27a 結合コンポーネント・取付区域
27b 結合コンポーネント・取付区域
28 第1の結合コンポーネント・ねじ山区域
29 第2の結合コンポーネント・ねじ山区域
30 第1の電流導通手段
31 電流導通手段・取付区域
32 第2の電流導通手段
33 第3のワッシャ
34 固定手段
35 ナット
36 ナット
37 第3の結合コンポーネント・ねじ山区域
38 第4の結合コンポーネント・ねじ山区域
39 クランプ手段
40 内部容積
41 第3の絶縁手段
42 第1のワッシャ
43 第2のワッシャ
100 コンポーネント複合体
【国際調査報告】