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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】医療器具及び医療器具の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 1/08 20060101AFI20230508BHJP
   A61B 17/16 20060101ALN20230508BHJP
【FI】
A61C1/08 Z
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559737
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2021057874
(87)【国際公開番号】W WO2021198052
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】102020108902.3
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521389815
【氏名又は名称】エースクラップ・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Aesculap AG
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイツァー,トム
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン,ヤニーナ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ドイッチェンドルフ,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4C052
4C160
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052DD10
4C160MM22
(57)【要約】
医療器具を改良するため、とりわけ、近位端と遠位端とを有する衝撃器具を改良するために、ハンドルと、近位方向に面する衝撃面とが、近位端に配置又は形成され、ツール要素が、遠位端に配置又は形成され、器具の器具シャフトが、近位端からツール要素まで延在するように構成された器具が提案されている。とりわけ、よりよく取り扱うことができるように、ハンドルを中空のハンドルの形態で構成することが提案されている。更に、医療器具の製造方法が提案されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具(10)、とりわけ、近位端(16)と遠位端(24)とを有する衝撃器具(14)であって、
ハンドル(20)と、近位方向に面する衝撃面(18)とが、前記近位端(16)に配置又は形成され、
ツール要素(26)が、前記遠位端に配置又は形成され、
前記器具(10)の器具シャフト(22)が、前記近位端(16)から前記ツール要素(26)まで延び、
前記ハンドル(20)が、中空ハンドル(32)の形態で構成されている、
医療器具。
【請求項2】
前記中空ハンドル(32)は、前記器具シャフト(22)を囲む少なくとも1つの、とりわけ、2つのハンドルシェル(72)を含み、
キャビティ(78)、とりわけ、環状空間(94)の形態のキャビティ(78)が、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)と前記器具シャフト(22)との間に形成され、
とりわけ、前記キャビティ(78)は、気密的に閉じられ、とりわけ、溶接及び/又は閉鎖要素によって閉じられている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記器具(10)は、ベント開口(90)を有し、
前記ベント開口(90)は、前記中空ハンドル(32)の前記キャビティ(78)を、前記器具(10)の環境(100)に流体的に接続し、
前記ベント開口(90)は、閉じられ、とりわけ、気密的に閉じられており、
とりわけ、前記ベント開口(90)は、
(a)閉鎖要素(96)、及び/又ははんだ付け若しくは溶接によって閉じられ、
及び/又は
(b)少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)におけるボア(92)又はスリットの形態で構成され、
及び/又は
(c)少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)を前記器具シャフト(22)に、及び/又は、少なくとも2つの前記ハンドルシェル(72)を互いに、完全に溶接しないことによって形成される、
ことを特徴とする、請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
前記中空ハンドル(32)は、ハーフシェル(74)の形態に構成された2つのハンドルシェル(72)を含む、
ことを特徴とする、請求項3に記載の医療器具。
【請求項5】
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)は、約0.5mmから約2mmの厚さ(102)を有し、とりわけ、約0.8mmから約1.4mmの厚さ(102)を有する、
ことを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項6】
近位ハンドルフランジ(66)と、前記近位ハンドルフランジ(66)から離れて配置された遠位ハンドルフランジ(60)とは、前記器具シャフト(22)に配置又は形成され、
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)は、前記近位ハンドルフランジ(66)と前記遠位ハンドルフランジ(60)との間で、前記器具シャフト(72)を囲むように配置されている、
ことを特徴とする、請求項2から5のいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項7】
遠位方向に面する環状面(70)は、前記近位ハンドルフランジ(66)に配置又は形成され、
近位方向に面する環状面(68)は、前記遠位ハンドルフランジ(60)に配置又は形成され、
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の近位方向に面する近位端面(80)が、前記近位ハンドルフランジ(66)に当接するように配置され、
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の遠位方向に面する遠位端面(82)が、前記遠位ハンドルフランジ(60)に当接するように配置されている、
ことを特徴とする、請求項6に記載の医療器具。
【請求項8】
(a)前記器具(10)は、全体的に1つ以上の金属材料で作製され、
及び/又は
(b)衝撃プレート(64)が、前記器具(10)の前記近位端(16)に配置又は形成され、前記衝撃プレート(64)が前記衝撃面(18)を規定し、
とりわけ、前記近位ハンドルフランジ(66)が前記衝撃プレート(64)に配置又は形成され、或いは、前記近位ハンドルフランジ(66)が前記衝撃プレート(64)を形成する、
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項9】
前記器具(10)は、一体型構成であり、
とりわけ、前記器具(10)を破壊せずに分解不可能のように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項10】
前記器具シャフト(22)は、ハンドル部(34)とツール部(36)とを含み、
前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とは、互いに接続され、とりわけ、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で、互いに分解不可能に接続されている、
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項11】
(a)前記近位ハンドルフランジ(66)と前記遠位ハンドルフランジ(60)とは、前記ハンドル部(34)に配置又は形成され、
及び/又は
(b)前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とは、互いにはんだ付け又は溶接されており、
及び/又は
(c)前記ハンドル部(34)及び前記近位ハンドルフランジ(66)及び/又は前記遠位ハンドルフランジ(60)は、ワンピース部材であり、とりわけ、モノリシック構成である、
ことを特徴とする、請求項10に記載の医療器具。
【請求項12】
前記器具(10)は、第1接続要素(40)と第2接続要素(42)とを有する接続装置(38)を備え、
2つの前記接続要素(40、42)のうちの一方は、前記ハンドル部(34)の遠位端(44)に配置又は形成され、
2つの前記接続要素(40、42)のうちの他方は、前記ツール部(36)の近位端(46)に配置又は形成され、
接続位置にある前記第1接続要素(40)と前記第2接続要素(42)とは、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で互いに接続され、
とりわけ、前記第1接続要素(40)は、接続レセプタクル(48)の形態で構成され、前記第2接続要素(42)は、前記接続レセプタクル(48)に対応する接続突起(52)の形態で構成されている、
ことを特徴とする、請求項10又は11に記載の医療器具。
【請求項13】
通気開口(108)が前記器具(10)上に形成され、前記通気開口(108)は、前記接続レセプタクル(48)を、前記器具(10)の環境(100)に流体的に接続し、
前記通気開口(108)は閉じられ、とりわけ、気密的に閉じられており、
更に、とりわけ、前記通気開口(108)は、前記ハンドル部(34)又は前記ツール部(36)に形成されている、
請求項12に記載の医療器具。
【請求項14】
(a)前記器具シャフト(22)及び/又は前記ハンドル(20)及び/又は前記ツール要素(26)は、ステンレス鋼で作製され、前記ステンレス鋼は硬化可能な鋼であり、
及び/又は
(b)前記器具(10)が硬化されており、
及び/又は
(c)前記中空ハンドル(32)は人間工学的に成形されている、
ことを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項15】
医療器具(10)を製造する方法であり、とりわけ、近位端(16)と遠位端(24)とを有する衝撃器具(14)を製造する方法であって、
ハンドル(20)と、近位方向に面する衝撃面(18)とが、前記近位端(16)に配置又は形成され、
ツール要素(26)が、前記遠位端(24)に配置又は形成され、
前記器具(10)の器具シャフト(22)が、前記近位端(16)から前記ツール要素(26)まで延び、
前記ハンドル(20)が、中空ハンドル(32)の形態で構成されている、
方法。
【請求項16】
(a)前記中空ハンドル(32)は、前記器具シャフト(22)を囲む少なくとも1つのハンドルシェル(72)から作られ、キャビティ(78)、とりわけ、環状空間(94)の形態のキャビティ(78)が、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)と前記器具シャフト(22)との間に形成され、とりわけ、前記キャビティ(78)は、気密的に閉じられ、とりわけ、溶接及び/又は閉鎖要素によって閉じられており、
及び/又は
(b)前記中空ハンドル(32)の前記キャビティ(78)を、前記器具(10)の環境(100)に流体的に接続するベント開口(90)が、前記器具(10)に形成され、前記ベント開口(90)は、閉じられ、とりわけ、気密的に閉じられており、とりわけ、前記ベント開口(90)は、閉鎖要素(96)、及び/又ははんだ付け若しくは溶接によって閉じられており、
及び/又は
(c)前記ベント開口(90)は、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)におけるボア(92)又はスリットの形態で構成され、
及び/又は
(d)前記ベント開口(90)は、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)を前記器具シャフト(22)に、及び/又は、少なくとも2つの前記ハンドルシェル(72)を互いに、完全に溶接しないことによって形成される、
ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
近位ハンドルフランジ(66)と、前記近位ハンドルフランジ(66)から離れて配置された遠位ハンドルフランジ(60)とは、前記器具シャフト(22)に配置又は形成され、
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)は、前記近位ハンドルフランジ(66)と前記遠位ハンドルフランジ(60)との間で、前記器具シャフト(72)を囲むように配置されている、
ことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(a)遠位方向に面する環状面(70)は、前記近位ハンドルフランジ(66)に配置又は形成され、近位方向に面する環状面(68)は、前記遠位ハンドルフランジ(60)に配置又は形成され、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の近位方向に面する近位端面(80)が、前記近位ハンドルフランジ(66)に当接するように配置され、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の遠位方向に面する遠位端面(82)が、前記遠位ハンドルフランジ(60)に当接するように配置され、
及び/又は
(b)前記ベント開口(90)は、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の1つを、2つのハンドルフランジ(60、66)のうちの少なくとも1つに完全には溶接しないことによって形成される、
ことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(a)前記器具(10)は、全体的に1つ以上の金属材料で作製され、
及び/又は
(b)衝撃プレート(64)が、前記器具(10)の前記近位端(16)に配置又は形成され、前記衝撃プレート(64)が前記衝撃面(18)を規定し、
及び/又は
(c)前記器具(10)は、一体型構成であり、とりわけ、前記器具(10)を破壊せずに分解不可能のように構成されている、
ことを特徴とする、請求項15から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記器具シャフト(22)は、ハンドル部(34)及びツール部(36)から作られ、前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とは、互いに接続され、とりわけ、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で、互いに分解不可能に接続されている、
ことを特徴とする、請求項15から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
(a)前記近位ハンドルフランジ(66)と前記遠位ハンドルフランジ(60)とは、前記ハンドル部(34)に配置又は形成され、
及び/又は
(b)前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とは、互いにはんだ付け又は溶接されており、
及び/又は
(c)前記衝撃プレート(64)と前記ハンドル部(34)とは、ワンピース部材に、とりわけ、モノリシックに形成され、
及び/又は
(d)前記ハンドル部(34)及び前記近位ハンドルフランジ(66)及び/又は前記遠位ハンドルフランジ(60)は、ワンピース部材に、とりわけ、モノリシックに形成され、
及び/又は
(e)前記器具(10)は、第1接続要素(40)と第2接続要素(42)とを有する接続装置(38)を備えるように構成され、2つの前記接続要素(40、42)のうちの一方は、前記ハンドル部(34)の遠位端(44)に配置又は形成され、2つの前記接続要素(40、42)のうちの他方は、前記ツール部(36)の近位端(46)に配置又は形成され、接続位置にある前記第1接続要素(40)と前記第2接続要素(42)とは、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で互いに接続され、
とりわけ、前記第1接続要素(40)は、接続レセプタクル(48)の形態で構成され、前記第2接続要素(42)は、前記接続レセプタクル(48)に対応する接続突起(52)の形態で構成されている、
ことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記器具シャフト(22)及び/又は前記ハンドル(20)及び/又は前記ツール要素(36)は、ステンレス鋼で作製される、
ことを特徴とする、請求項15から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
(a)クロム鋼、とりわけ、マルテンサイト系クロム鋼が前記ステンレス鋼として使用され、
及び/又は
(b)硬化可能な鋼が前記ステンレス鋼として使用され、
及び/又は
(c)DIN EN 10088に準拠した材料1.4021が前記ステンレス鋼として使用される、
ことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記器具(10)が硬化され、とりわけ、
(a)約1000℃の温度で硬化され、
及び/又は
(b)前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とを接続した後に硬化され、
及び/又は
(c)少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)を前記器具シャフト(72)に接続した後に硬化される、
ことを特徴とする、請求項15から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記ベント開口(90)及び/又は前記通気開口(108)は、硬化後に閉じられる、
ことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近位端及び遠位端を有する医療器具、具体的には、衝撃器具に関する。当該医療器具において、近位端には、ハンドル及び近位方向に面する衝撃面が配置又は形成され、遠位端には、ツール要素が配置又は形成され、器具の器具シャフトが近位端からツール要素まで延在する。
【0002】
更に、本発明は、医療器具の製造方法、具体的には、衝撃器具の製造方法に関する。当該医療器具は、近位端及び遠位端を備え、近位端には、ハンドル及び近位方向に面する衝撃面が配置又は形成され、遠位端には、ツール要素が配置又は形成され、器具の器具シャフトが近位端からツール要素まで延在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
冒頭で述べたこの種の医療器具は、例えば、整形外科用器具の形で知られている。それらは、例えば、オステオトーム(osteotome)、チゼル(chisel)などの形の衝撃器具として使用される。衝撃器具としての使用により、器具の機械的安定性、すなわち、とりわけ、衝撃、ねじり、又は曲げ応力に対して、高い安定性が求められる。
【0004】
このような器具における課題は、とりわけ、そのハンドルにある。例えば、頑丈な構成の鋼製ハンドルは非常に重い。プラスチック製又はプラスチックでコーティングされたハンドルは、医療機器の厳しい再処理条件を考慮すると、通常、長期間の耐久性を有さない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、とりわけ、医療器具をよりよく取り扱うことができるように、冒頭で説明したこの種の医療器具、及びこの種の医療器具の製造方法を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記目的は、冒頭で述べたこの種の医療器具において、ハンドルが中空のハンドルの形で構成されることによって達成される。
【0007】
更に、提案された方法により冒頭で述べたこの種の医療器具を開発することは、いくつかの利点がある。とりわけ、ハンドル、すなわち、中空ハンドルが全体的に1つ又は複数の金属材料で作製された場合に、ハンドルの重量を大幅に減らすことができる。また、とりわけ、このような器具は、連続した器具シャフトで構成することができ、当該器具シャフトは、器具のコアとも言われている。コアが金属材料で作製された場合、ねじれ、曲げ、衝撃に強い器具シャフトを形成することができ、これによって、その器具は、例えば、衝撃器具としても使用することができる。したがって、衝撃面に与えた衝撃パルスは、直ちに器具シャフトを通って遠位端、すなわち、ツール要素に伝達することができる。中空ハンドルは中実構造ではないため、ハンドルに形成された1つ又は複数のキャビティによって重量を軽減することができる。これにより、とりわけ、外科医は、外科手術に必要な力を伝達できるようにするために、疲れることなく長時間に器具を使用することができる。
【0008】
好ましくは、中空ハンドルは、器具シャフトを囲む、少なくとも1つのハンドルシェル、特に好ましくは、2つのハンドルシェルを含み、また、好ましくは、少なくとも1つのハンドルシェルと器具シャフトとの間にキャビティが形成される。キャビティは、とりわけ、環状空間の形態で構成することができる。ハンドルシェルは、例えば、いわゆるハイドロフォーミング(hydroforming)による中空部品から形成することができる。2つ、3つ、又はそれ以上のハンドルシェルを設けることは、とりわけ、器具の製造を簡素化することができる。少なくとも1つのハンドルシェルは、適切な接続方法によって器具に固定的に接続する(permanently connected)ことができる。
【0009】
キャビティは気密的に閉じられることが有利である。とりわけ、キャビティは、溶接及び/又は閉鎖要素によって閉じることができる。気密的に閉じられたキャビティは、汚染物質がキャビティ内に集まることを防止できる。換言すれば、気密的閉鎖によって器具の清浄性を向上させることができる。
【0010】
好ましくは、器具がベント開口(vent opening)を備え、当該ベント開口は、中空ハンドルのキャビティを器具の環境に流体的に接続する。好ましくは、当該ベント開口が閉じられる。とりわけ、ベント開口が気密的に閉じられる。このようなベント開口は、とりわけ、このような器具の製造において有利である。複数のコンポーネントが最初に接続され、その後、器具全体が高温、例えば、約1000℃で硬化プロセスを受けると、キャビティ内に含まれる空気が熱により膨張する可能性がある。これにより、とりわけ、例えば、中空ハンドルの人間工学的に成形されたハンドルシェルが、硬化するときにキャビティ内で生じた気体圧力により、望ましくない形に変形する可能性がある。ベント開口はガス抜きを提供することができる。とりわけ、当該ベント開口は、器具が硬化された後に再び閉じられる。これによって、中空ハンドルのキャビティは、器具の環境から、とりわけ、気密的に閉鎖される。
【0011】
ベント開口は、閉鎖要素、及び/又は、はんだ付け又は溶接によって、簡単に閉じることができる。最初に提供されるベント開口と、例えば器具を硬化させた後に閉鎖されたベント開口との両方は、使用の準備が整えた器具において、シンプルな方法、例えば、中空ハンドルの領域で器具を叩くことによって判別することができる。溶接時に外部からベント開口を通って中空ハンドルのキャビティに挿入される材料、又は閉鎖要素は、このようにして容易に検出することができる。
【0012】
好ましくは、ベント開口は、少なくとも1つのハンドルシェル上のボア又はスリットの形で構成される。このように、簡単に中空ハンドルの所定のベント開口を実現することができる。
【0013】
少なくとも1つのハンドルシェルを器具シャフトに完全に溶接しないこと、及び/又は、少なくとも2つのハンドルシェルを互いに完全に溶接しないことによってベント開口を形成することが有利である。このようにベント開口を構成することは、とりわけ、追加の穿孔を提供する必要がないことで利点を有し、これによって器具の製造を簡素化することができる。後工程の溶接は硬化プロセスを受けることなく、そして、硬化された溶接シームとは構造上異なるため、ベント開口の閉鎖、例えば、器具を硬化させた後に、後工程の溶接によるベント開口の閉鎖はまた、器具上で簡単に検出することができる。
【0014】
器具の製造は、とりわけ、ハーフシェルの形態で構成された2つのハンドルシェルを備える中空ハンドルによって、簡素化することができる。そして、とりわけ、溶接シームの数及びその長さを全体的に最小化することができる。
【0015】
とりわけ、シンプルな方法で中空ハンドルを人間工学的に成形できるようにするためには、少なくとも1つのハンドルシェルが約0.5mmから約2mmの厚さを有すると有利である。とりわけ、約0.8mmから約1.4mmの厚さを有することができる。例えば、少なくとも1つのハンドルシェルは、厚さ約1mmの金属シートからレーザカットされ、その後、深絞りにより所望の形状に成形することができる。成形中、とりわけ、フレア状のリムをハンドルシェルに設けることができ、これにより、フランジ突き合わせ(flange butt)エッジシームの実現が可能になる。このような溶接シームの形状によって、とりわけ、更なる溶接添加材料の導入を省略することができる。
【0016】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、近位ハンドルフランジと、そこから距離を置いて配置された遠位ハンドルフランジとは、器具シャフト上に配置又は形成され、少なくとも1つのハンドルシェルは、近位ハンドルフランジと遠位ハンドルフランジとの間で、器具シャフトを囲むように構成することができる。このように、器具のシャフトは、全長にわたって中空のハンドルを通って延在し、これによって、前述したように、器具の近位端に作用する衝撃パルスは、器具シャフト、すなわち、器具のコアを介して直ちに伝達され、遠位端及びそこに配置されたツール要素に伝達することができる。2つのハンドルフランジはまた、少なくとも1つのハンドルシェルを器具シャフト上に配置すること、並びに、それらの相互の及び器具シャフトへの所定の接続を容易にすることができる。
【0017】
好ましくは、遠位方向に面する環状面が近位ハンドルフランジに配置又は形成される。好ましくは、近位方向に面する環状面が遠位ハンドルフランジに配置又は形成される。好ましくは、近位方向に面する少なくとも1つのハンドルシェルの近位端面が近位ハンドルフランジに当接する。好ましくは、遠位方向に面する少なくとも1つのハンドルシェルの遠位端面が、遠位ハンドルフランジに当接する。上述のように構成された環状面は、器具シャフトにおける少なくとも1つのハンドルシェルの規定された位置決めを可能にする。これによって、中空ハンドルを形成するための、ハンドルシェルへの器具シャフトの規定された最適な接続が可能となる。例えば、ハンドルシェルとハンドルフランジとの間の接続は、溶接添加剤を使用して円周突き合わせ溶接によって実現することができる。
【0018】
少なくとも1つのハンドルシェルを2つのハンドルフランジのうちの少なくとも1つに完全に溶接しないことによってベント開口を形成することで、器具はシンプルな方法で構成することができる。このようにして、少なくとも2つのハンドルシェルの1つに更なる送り穴を設ける必要がない。このように構成されたベント開口は、例えば、器具を硬化させた後、溶接によって閉じることができる。
【0019】
可能な限り堅牢な器具を形成できるようにするためには、器具が1つ又は複数の金属材料で完全に作られると有利である。したがって、とりわけ、器具シャフトを形成する全ての構成要素、及び少なくとも1つのハンドルシェルは、金属材料で作製することができる。とりわけ、全ての構成要素の金属材料は、同じ材料であってもよい。
【0020】
最適な衝撃器具を形成できるようにするためには、衝撃プレートが器具の近位端に配置又は形成されると有利であって、また、衝撃プレートが衝撃面を画定することが有利である。したがって、外科医からの衝撃パルスは、器具、とりわけ、その器具の器具シャフトに、簡単に且つ確実に伝達することができる。
【0021】
近位ハンドルフランジは、好ましくは、衝撃プレート上に配置又は形成されるか、或いは、近位ハンドルフランジが衝撃プレートを形成する。この構成は、器具のシャフトを、とりわけ、ハンドルの領域において、回転部品として構成できるため、器具の製造を簡素化することができる。
【0022】
器具は、好ましくは、一体型構成のものである。とりわけ、破壊せずに分解不可能のように構成される。これは、器具が複数の構成要素から作製することができることを意味する。例えば、器具は、1つの器具シャフトと2つのハーフシェルとによって構成することができ、1つの器具シャフトと2つのハーフシェルとは、互いに固定的に且つ分解不可能に接続されている。これによって、分解できない、とりわけ、洗浄目的で分解できない一体型器具を形成することができる。このような一体型器具は、不可逆的に破壊することのみによって、元の構成要素に分解することができる。
【0023】
異なる器具の製造を簡素化するためには、器具シャフトがハンドル部とツール部とを備えると有利であって、ハンドル部とツール部とが、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で互いに接続されると有利である。とりわけ、ハンドル部とツール部とは互いに分解不可能に接続されている。この構成により、とりわけ、ハンドル部とツール部とを任意の方法で互いに組み合わせることが可能となる。例えば、ハンドル部が同じ形状であって、異なるツール要素を有する器具を構成することができる。とりわけ、例えば、左利き又は右利きのユーザ向けに最適化された、異なる形状のハンドル部を形成することができ、そして、それを対応するツール部に接続して、一体型器具を形成することができる。
【0024】
近位ハンドルフランジ及び遠位ハンドルフランジがハンドル部に配置又は形成されるとハンドルの構成にとって有利である。既に述べたように、前述した中空ハンドルを備えるハンドル部は、所定の方法、例えば、人間工学的に異なる形状又は異なるサイズで形成することができる。このようなハンドル要素は、とりわけ、前もって製造することができ、必要に応じて、対応するツール要素を備えた所望のツール部に接続することができる。
【0025】
ハンドル部とツール部とは、互いにはんだ付け又は溶接されると、シンプル且つ確実な方法で互いに固定的に接続することができる。
【0026】
器具の安定性、及び近位端から遠位端への衝撃パルスの伝達を更に改善するためには、好ましくは、衝撃プレートとハンドル部とが一体型に構成される。とりわけ、衝撃プレートとハンドル部とは、モノリシックに形成されてもよい。
【0027】
更に、好ましくは、ハンドル部と、近位ハンドルフランジ及び/又は遠位ハンドルフランジとが一体型構成である。とりわけ、ハンドル部と、近位ハンドルフランジ及び/又は遠位ハンドルフランジとは、モノリシック構成であってもよい。この構成は、とりわけ、ハンドルフランジを有するハンドル部を回転部品として構成することによって実現することができる。また、とりわけ、ハンドルフランジを有するハンドル部は、完全に回転対称的な構成であってもよい。ハンドルの人間工学的な形状は、少なくとも1つのハンドルシェルを適切に設計することによって実現することができる。
【0028】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、器具が、第1接続要素と第2接続要素とを含む接続装置を備えることができ、2つの接続要素の一方がハンドル部の遠位端に配置又は形成され、2つの接続要素の他方がツール部の近位端に配置又は形成され、接続位置にある第1接続要素と第2接続要素とは、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で互いに接続される。このような接続装置を器具に設けることは、とりわけ、ハンドル部とツール部との間の標準化された接続が可能となる利点を有する。したがって、異なる形状のハンドル部が異なる形状のツール部と互いに結合することができ、所定の方法で互いに固定的に接続することができる。強制係止及び/又はポジティブロック接続は、例えば、接続要素を一緒にねじ込むことによって実現することができる。代替的又は追加的に、それらは、例えば、はんだ付け又は溶接のような材料ボンディングによって互いに固定的に接続されてもよい。
【0029】
ハンドル部とツール部との間の接続を簡単に達成できるようにするためには、第1接続要素が接続レセプタクルの形で構成され、第2接続要素が接続レセプタクルに対応する接続突起の形で構成されると有利である。例えば、接続要素は、器具の長手軸に対して、接続装置の領域において十分な長さを有することができ、これによって、ねじり及び曲げに対して十分に抵抗力のある器具を形成することができる。これは、器具の安定性に特に有利であり、とりわけ、器具シャフトが2つの部分からなる構成の場合に有利である。
【0030】
接続レセプタクルを器具の環境に流体的に接続する通気開口が器具に形成されると有利であって、通気開口が閉じられ、とりわけ、気密的に閉じられると有利である。通気開口は、とりわけ、中空ハンドルのキャビティに流体的に接続することができる。したがって、前述したベント開口の1つの代わりに、通気開口もキャビティを通気させる。とりわけ、器具を硬化させるときに、キャビティを通気させ、硬化中に少なくとも1つのハンドルシェルの望ましくない変形を防止するように機能することができる。
【0031】
通気開口は、有利には、ハンドル部又はツール部に形成される。例えば、ツール部において、ツール要素の接続要素で長手方向のチャネルを開くことができ、ツール部とハンドル部が互いに接続されると、接続チャネルは、横断接続によって中空ハンドルのキャビティと流体的接続することができる。
【0032】
器具の高い耐腐食性を実現するためには、器具シャフト及び/又はハンドル及び/又は工具要素がステンレス鋼で作製されると有利である。とりわけ、記載された全ての構成要素は、同じ鋼から作製されてもよい。このようにして、異なる素材を使用する場合に生じ得る色の違いが発生しない。
【0033】
中空ハンドルの耐衝撃性を向上させるためには、ステンレス鋼がクロム鋼であると有利である。とりわけ、マルテンサイト系クロム鋼(martensitic chromium steel)で作製することができる。これによって、ハンドルに横方向の応力がかかったときの損傷リスクを最小限に抑えることができる。
【0034】
ステンレス鋼は、硬化可能な鋼であることが好ましい。これによって、少なくとも1つのハンドルシェルの耐衝撃性は、硬化によって、簡単に高めることができる。
【0035】
ステンレス鋼がDIN EN 10088に準拠した材料1.4021であると特に有利である。この材料は、特に金属シートに成形することができ、深絞りによって所望の形状にすることができる。更に、この材料は、約1000℃の熱処理で硬化することができる。
【0036】
器具は硬化されることが好ましい。これによって、良好な耐腐食性を達成することができる。良好な耐腐食性は、とりわけ、硬化後に対応する表面処理によって更に改善することができる。
【0037】
チゼル(chisel)又はオステオトーム(osteotome)を形成するためには、ツール要素が遠位方向に向いている刃先を備えることが好ましい。
【0038】
中空ハンドルが人間工学的に形成されると、外科医にとって器具の取り扱いが更に改善される。例えば、左利きのユーザと右利きのユーザとによって保持されるように、異なる形状にすることができる。
【0039】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、器具は、チゼル、セメント除去チゼル、オステオトーム、中空チゼル、ディスロケーションレバー、プロテーゼ(prostheses)用の抽出器具、又はタンパー(tamper)の形態で構成することができる。説明されている器具の構成により、衝撃応力が高く、且つ非常に長い耐用期間で器具を使用する必要がある様々な場合に多用途に使用することができる。
【0040】
冒頭で述べた目的は、本発明によれば、冒頭で述べた方法で更に達成される。当該方法において、ハンドルが中空ハンドルの形で構成される。
【0041】
既に詳細に説明したように、これによって安定で軽いハンドルを備える医療器具を形成することができる。更に、衝撃パルスを、近位端から、遠位端に配置又は形成されたツール要素に直ちに伝達することを可能にする。中空ハンドルの構成はまた、材料を節約し、したがって、簡単に資源を節約する人間工学的なハンドルを形成することが可能となる。
【0042】
好ましくは、中空ハンドルが、器具シャフトを囲む少なくとも1つ、とりわけ、2つのハンドルシェルから作られ、好ましくは、少なくとも1つのハンドルシェルと器具シャフトとの間にキャビティが形成される。とりわけ、キャビティは、環状空間の形態で構成することができる。ハンドルシェルは、例えば、いわゆるハイドロフォーミング(hydroforming)による中空部品から形成することができる。中空ハンドルを形成するために、2つ、3つ、又は更に多くのハンドルシェルを設けることは、器具の製造を簡素化することができる。とりわけ、この種のハンドルシェルは、横方向に器具シャフトまで運び、そこに接続することができる。形成されたキャビティにより、ハンドルの領域において、ユーザにとって有利的に重量を軽減することができる。
【0043】
キャビティは気密的に閉じられることが有利である。とりわけ、キャビティは、溶接及び/又は閉鎖要素によって閉じることができる。既に説明したように、細菌はキャビティに侵入することも逃げることもできないため、器具の最適な洗浄及び再処理を確実に行うことができる。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によれば、器具に形成されたベント開口を設けてもよい。当該ベント開口は、中空ハンドルのキャビティを器具の環境に流体的に接続し、また、当該ベント開口は閉じられている。とりわけ、ベント開口は、気密的に閉じることができる。とりわけ、ベント開口は、器具を高温で硬化させるときに、中空ハンドルのキャビティ内に閉じ込められた空気による過剰圧力が発生せず、少なくとも1つのハンドルシェルの外形が、特に変形によって望ましくない形に変化しないようにすることで、製造上の利点を有する。上述のように、ベント開口を閉じることにより、特に細菌がキャビティに入ることができないことが保証され、これによって、器具の安全で耐久性のある処理及び使用が可能になる。
【0045】
ベント開口は、閉鎖要素及び/又ははんだ付け、又は溶接によって簡単に閉じることができる。とりわけ、キャビティの気密的閉鎖を実現することができる。更に、提案されたアプローチでは、1つのみの小さなベント開口が必要されるため、有利である。1つのみの小さなベント開口は、高温で硬化するときに、キャビティと器具の環境との間の圧力均等を保証することができる。したがって、多くの溶接又ははんだ付け接合部による強さの欠如を回避することができる。
【0046】
例えば、ベント開口は、少なくとも1つのハンドルシェルにおけるボア又はスリットの形で構成することができる。この種のベント開口はサンプルな方法で作ることができる。
【0047】
とりわけ、少なくとも1つのハンドルシェルを器具シャフトに完全に溶接しないこと、及び/又は少なくとも2つのハンドルシェルを互いに完全に溶接しないことによってベント開口を形成することが好ましい。このように形成されたベント開口は、とりわけ、それを形成するための追加の作業ステップ、例えば、穴あけ又はミリング(milling)を必要としないという利点を有する。したがって、とりわけ、少なくとも1つのハンドルシェルが、全く損傷を受けず、変更されずに利用されて中空ハンドルを形成することができる。
【0048】
近位ハンドルフランジと、そこから距離を置いて配置された遠位ハンドルフランジとが器具シャフト上に配置又は形成されると有利である。また、少なくとも1つのハンドルシェルが、近位ハンドルフランジと遠位ハンドルフランジとの間で、器具シャフトを囲むように配置されると有利である。このように2つのハンドルフランジを構成することによって、とりわけ、器具シャフトに接続するための器具シャフト上の少なくとも1つのハンドルシェルの規定された位置決めが可能となる。これにより、器具の製造が大幅に簡素化される。
【0049】
器具シャフト上の少なくとも1つのハンドルシェルの最適な位置決めを更に簡単にするために、好ましくは、遠位方向に面する環状面が近位ハンドルフランジに配置又は形成される。好ましくは、近位方向に面する環状面が遠位ハンドルフランジに配置又は形成される。好ましくは、近位方向に面する少なくとも1つのハンドルシェルの近位端面が近位ハンドルフランジに対向して配置される。好ましくは、遠位方向に面する少なくとも1つのハンドルシェルの遠位端面は、遠位ハンドルフランジに対向して配置される。このような環状面の構成は、器具シャフト上の少なくとも1つのハンドルシェルの規定された位置決めを可能にする。これにより、器具シャフトへの少なくとも1つのハンドルシェルの接続が簡素化される。
【0050】
ベント開口は、少なくとも1つのハンドルシェルを2つのハンドルフランジのうちの少なくとも1つに完全に溶接しないことによって簡単に形成することができる。例えば、ベント開口を形成するために、少なくとも1つのハンドルシェルを2つのハンドルフランジシャフトのうちの1つに接続するための、器具シャフトを環状に囲む溶接シームは、完全に閉じなくてもよい。
【0051】
衝撃器具として使用するのに十分に安定した器具を形成できるようにするために、好ましくは、とりわけ、器具が全体的に1つ又は複数の金属材料で作製される。とりわけ、器具が1つの金属材料のみで作られた場合、器具の均一な配色を実現することができる。すなわち、器具の全ての部品を同一の金属材料で作製することができる。
【0052】
器具の安定性を更に向上させるために、衝撃プレートを、衝撃面を規定する器具の近位端に配置又は形成すると有利である。とりわけ、衝撃プレートは、器具シャフトと一体に形成され、これによって、器具シャフトを、例えば、回転部品として、衝撃プレートと一緒に製造することができる。
【0053】
ねじり、曲げ、及び衝撃に特に強い器具を形成できるようにするためには、器具が一体型部品に構成されると有利である。とりわけ、それを破壊することのみによって元の構成要素に分離できるように、分解不可能な構成であると有利である。このようにして、とりわけ、使用中に、器具が望ましくないように個々の部品に分解されることがないようにすることができる。
【0054】
器具の製造を簡素化するために、器具シャフトがハンドル部とツール部から作られ、ハンドル部とツール部とが強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で互いに接続されると有利である。とりわけ、ハンドル部とツール部とは、互いに分解不可能に接続することができる。この意味での分解不可能とは、とりわけ、器具全体を破壊することのみによって部品を相互的に分解できることを意味する。ハンドル部とツール部とは、必要に応じて選択的に互いに接続することができ、また、理論的に、任意に接続できるため、器具シャフトを2つの部分から形成することで、医療器具の製造において、多くのバリエーションが可能となる。とりわけ、これは、ハンドル部とツール部との間の標準化接続によって実現することができる。
【0055】
近位ハンドルフランジと遠位ハンドルフランジとは、有利的には、ハンドル部に配置又は形成される。そして、ハンドル部は、完全に中空のハンドルで形成することができる。次いで、このようなハンドル部は、例えば、溶接及び/又はネジ止めによって、異なるツール端部を有する様々なツール部に接続することができる。
【0056】
ハンドル部とツール部とは、簡単且つ確実な方法で互いにはんだ付け又は溶接することができる。
【0057】
衝撃プレートとハンドル部とは、好ましくは、一体型に構成され、とりわけ、モノリシック構成にすることができる。このような製造は、とりわけ、回転部品を形成することによって実現することができる。これによって、器具の製造における組立工程を減らすことができる。
【0058】
更に、ハンドル部と、近位ハンドルフランジ及び/又は遠位ハンドルフランジとが一体型に構成され、とりわけ、モノリシック構成であると有利である。このように、ハンドル部は、とりわけ、少なくとも1つのハンドルシェルを除いて、1つの部品から作ることができる。そして、衝撃パルスは、衝撃プレートを介して、中空のハンドルを通ってツール部に向かって遠位方向に伝達することができる。
【0059】
製造に関しては、とりわけ、好ましくは、器具が第1接続要素と第2接続要素とを含む接続装置を備えるように構成される。また、好ましくは、2つの接続要素のうちの1つは、ハンドル部の遠位端に配置又は形成される。好ましくは、2つの接続要素の他方は、ツール部の近位端に配置又は形成される。好ましくは、接続位置にある第1接続要素と第2接続要素とは、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で互いに接続される。このような接続装置は、とりわけ、規定された標準化方法によってツール部を関連するハンドル部に接続することができる。とりわけ、任意のハンドル部と任意のツール部とはそれぞれ、同一の接続要素で形成されてもよく、これにより、ハンドル部とツール部との任意の組み合わせと、それらの規定された接続が可能となる。
【0060】
第1接続要素が接続レセプタクルの形で構成され、第2接続要素が接続レセプタクルに対応する接続突起の形で構成されると、接続要素は、簡単な方法で互いに係合することができる。そして、製造中に、ツール部とハンドル部との設計とは無関係に、常に2つの部分を接続するための同様な製造ステップを実施することができる。
【0061】
好ましくは、接続レセプタクルを衝撃器具の環境に流体的に接続する通気開口が器具に形成される。好ましくは、通気開口は、閉じられ、特に、気密的に閉じられる。通気開口を閉じることは、とりわけ、器具の硬化後に行うことができる。通気開口により、前述したように、硬化中に少なくとも1つのハンドルシェルの変形を防止するように、例えば、中空ハンドルのキャビティへの流体的接続を提供することができる。
【0062】
通気開口は、好ましくは、ハンドル部又はツール部に形成される。これにより、とりわけ、製造において最も容易に実現可能であって、且つ器具の安定性にネガティブな影響を及ぼさないように通気開口を形成することができる。
【0063】
好ましくは、器具シャフト及び/又はハンドル及び/又は工具要素がステンレス鋼で作製される。これによって、とりわけ、器具の腐食に対する高い耐性を確保することができる。
【0064】
器具の耐腐食性を更に向上させるために、好ましくは、ステンレス鋼としてクロム鋼を使用することができる。とりわけ、マルテンサイト系クロム鋼を使用することができる。この種のクロム鋼は、とりわけ、熱処理によって硬化させることができ、これは、器具の安定性を更に向上させるのに役立つことができる。
【0065】
ステンレス鋼としては硬化性鋼を用いることが好ましい。既に述べたように、これによって、機器の安定性及び耐用年数を更に向上させることができる。
【0066】
DIN EN 10088に準拠した材料1.4021をステンレス鋼として使用すると、器具、特に中空ハンドルの製造を簡素化することができる。このような材料は、約1000℃の熱処理温度では、材料1.4301と比較して、やや硬度が低いが、しかし、熱処理後は著しく硬くなり、これによって、中空ハンドル、特にその少なくとも1つのハンドルシェルにかかる横方向の衝撃負荷による望ましくない変形が生じにくくなる。
【0067】
器具の安定性及び耐腐食性を高めるために、器具を硬化させると有利である。前述した方法で金属材料を硬化することにより、とりわけ、厚さを薄くしたハンドルシェルを使用することができる。これにより、ハンドルの領域での衝撃安定性を、大きく若しくは全く損なうことなく、例えば、打ち抜き板金の深絞りによる再成形が簡単になる。
【0068】
器具は、好ましくは約1000℃の温度で硬化される。これによって、とりわけ、材料1.4021の耐衝撃性が大幅に向上することができる。
【0069】
ハンドル部とツール部との接続後に器具を硬化させると有利である。これにより、特にハンドル部とツール部との間の接合部の安定性を向上させることができる。
【0070】
好ましくは、器具シャフトへの少なくとも1つのハンドルシェルの接続後に、器具が硬化される。このようにして、ハンドルシェルと器具シャフトとの間の接続、すなわち、とりわけ、溶接シームも硬化される。これによって、器具の安定性及び耐腐食性を所望のように改善することができる。
【0071】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、ベント開口及び/又は通気開口が硬化後に閉じられるようにすることができる。これらの開口は、硬化後にはもはや機能を有さないため、閉じて器具の清浄性を向上させることができる。
【0072】
器具の均一な外観は、とりわけ、表面処理を施すことによって実現することができる。とりわけ、研磨することができる。これによって、とりわけ、器具の全ての構成要素が1つの均一な材料を適切に選択した場合、均一な外観を得ることができ、色の違いの発生を回避することができる。
【0073】
表面処理はベルト研削(belt grinding)により簡単に行うことができる。とりわけ、このようなプロセスは、機械によって完全に自動的に実行することもできる。
【0074】
本発明の好ましい実施形態について、以下、図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】医療器具の第1の実施形態の部分破断図である。
図2】ツール部の別の実施形態の斜視図である。
図3】ツール部の別の実施形態の部分破断斜視図である。
図4】ハンドル部の実施形態の概略分解図である。
図5】ハンドル部の別の実施形態の概略的部分破断図である。
図6図5のハンドル部を矢印Aの方向から見た図である。
図7図6のハンドル部を矢印Bの方向から見た部分破断側面図である。
図8図7のハンドル部の概略斜視図、部分破断図、及び断面図である。
図9】硬化中のハンドル部の図8の領域Cの拡大図である。
図10】閉じられたベント開口を有する、硬化後の領域Cの拡大図である。
図11】医療器具の別の実施形態におけるハンドル部の領域の概略縦断面図である。
図12】結合されたハンドル部を備えた、図3のツール部の線12-12に沿った断面図である。
図13】医療器具の別の実施形態の一部の概略側面図である。
図14図13のハンドル部を矢印Dの方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図1は、医療器具10の第1の実施形態を概略的に示す図である。医療器具10は、衝撃器具14の形態、すなわち、チゼル12として構成されている。
【0077】
器具10は近位端16を規定し、そこからハンドル20が遠位方向に延びる。近位端16は、近位方向に面する衝撃面18によって規定される。
【0078】
器具シャフト22は、器具10の近位端16から遠位端24まで延在し、器具シャフト22には、遠位方向に向いている刃先28を有するツール要素26が形成されている。
【0079】
器具シャフト22は、長手軸30を規定する。
【0080】
ハンドル20は、中空ハンドル32の形態で構成され、その構造を後段に詳細に説明する。
【0081】
器具シャフト22は、ハンドル部34とツール部36とを含み、ハンドル部34とツール部36とは、強制係止、ポジティブロック、及び材料ボンディングの方法で互いに接続されている。図1に示す実施形態では、ハンドル部34及びツール部36は、互いに分解不可能に接続されている。ここで分解不可能とは、器具10を破壊することのみによって、ハンドル部34とツール部36とを互いに分解できることを意味する。
【0082】
ツール部36は、ワンピース部材(one-piece)、すなわち、モノリシック構成である。
【0083】
器具10は、第1接続要素40と第2接続要素42とを有する接続装置38を備える。
【0084】
第1接続要素40は、ハンドル部34の遠位端44に形成される。第2接続要素42は、ツール部36の近位端46に形成される。
【0085】
図1に概略的に示すように、接続位置にある第1接続要素40と第2接続要素42とは、強制係止、ポジティブロック、及び材料ボンディングの方法で互いに係合又は接続されている。
【0086】
第1接続要素40は、接続レセプタクル48の形で、すなわち、止まり穴50の形で構成される。
【0087】
第2接続要素42は、接続突起52の形で構成され、すなわち、接続レセプタクル48に対応する接続突起52の形で構成されている。
【0088】
接続レセプタクル48は、長手軸30と同軸に形成され、遠位方向に向いて開口している。接続突起52は、近位方向に向いて、接続レセプタクル48に挿入することができる。接続突起52と接続レセプタクル48との両方は、長手軸30に対して回転対称的な構成である。
【0089】
接続突出部52は、フランジ状の停止部54から近位方向に突出し、停止部54によって規定される環状面56によって囲まれ、前記環状面56は、長手軸30に対して横方向に、すなわち、図1に示す実施形態では垂直に延在し、近位方向に面している。これによって、遠位方向に面する環状面58のストップが形成され、環状面58は、ハンドル部34の遠位端44を規定する。環状面58は、ハンドル部34の遠位ハンドルフランジ60上に形成される。
【0090】
ハンドル部34の円筒シャフト部分62は、近位側において、衝撃プレート64が形成され、衝撃プレート64は、近位ハンドルフランジ66を規定する。近位方向に面する衝撃プレート64の側面は、衝撃面18を規定する。
【0091】
このように、近位ハンドルフランジ66と遠位ハンドルフランジ60とは、器具シャフト22上で互いに距離を置いて配置又は形成される。
【0092】
遠位ハンドルフランジ60にセットバック部分(set-back portion)が形成され、セットバック部分は、近位方向に面する環状面68を規定する。同様に、近位環状フランジ66には、遠位方向に面する環状面70が形成される。
【0093】
中空ハンドル32を形成するために、器具10は複数のハンドルシェル72を備える。図1に示す実施形態では、ハーフシェル74の形態の2つのハンドルシェル72が設けられている。2つのハーフシェル74は、シャフト部分62の領域で器具シャフト22を囲む。
【0094】
ハンドルシェル72によって規定される壁76は、約1mmの厚さ102を有する。ハンドルシェルは、シートメタルブランク(sheet metal blank)からレーザカットされ、深絞り加工によって所望の人間工学的な形状に成形される。
【0095】
ハーフシェル74は、中空の空間78が形成されるように、所定の距離を置いてシャフト部分62を囲む。中空の空間78は、近位側において、近位ハンドルフランジ66によって、遠位側において、遠位ハンドルフランジ60によって、長手軸30から半径方向に離れて、ハーフシェル74によって区切られる。更に、環状空間は、シャフト部分62の外側によって長手軸30に向かう方向に画定される。
【0096】
ハーフシェル74は、近位方向に面する近位端面80と、遠位方向に面する遠位端面82とを有する。ハンドルフランジ60とハンドルフランジ66との間隔は、近位端面80が近位ハンドルフランジ66の環状面70に当接し、遠位端面82が近位方向に面する遠位ハンドルフランジ60の環状面68に当接するように寸法決めされる。
【0097】
ハーフシェル74のリムはフランジ付きであって、すなわち、フランジ状のフレアリム84が設けられている。長手方向に延在するフレアリム84は、互いに面接触で当接する。遠位方向及び近位方向を向いているフレアリムは、一方で遠位端面82を画定し、他方で近位端面80を画定する。
【0098】
器具の近位端16から始まり、遠位方向に延びるにつれ、中空ハンドル32の断面が増加し、すなわち、最大値に至るまで連続的に増加する。最大値は、遠位ハンドルフランジ60よりも近位ハンドルフランジ66に近い箇所にある。最大値から始まり、中空ハンドル32の断面は、最小断面に至るまで連続的に減少し、最小断面と遠位ハンドルフランジ60との間の距離が、最大値と近位ハンドルフランジ66との間の距離よりも近くなるように、最小断面が形成される。中空ハンドル32の断面積の相対的最小値を規定する最小値箇所から、断面積の相対的最大値箇所86まで、断面積は再び増加し、遠位端面82の付近に断面積の相対的最大値箇所86が形成される。相対的最大値箇所86は、操作者の親指用の一種の滑り止め手段を形成する。
【0099】
ハンドルシェル72には、長手軸30に対して円周方向に延びる複数の溝88が設けられ、複数の溝88は、異なる長さを有し、長手軸30に対して60°から150°の円周角度にわたって延在する。
【0100】
ハンドル部34は、材料1.4021から作られた回転部品として構成される。材料1.4021は、硬化可能なマルテンサイト系ステンレス鋼である。2つのハーフシェル74のうちの1つにおいて、相対的最大値箇所86と遠位端面82との間の領域に、ボア92の形態のベント開口90が形成される。
【0101】
中空ハンドル32を形成するために、2つのハーフシェル74は、環状面68と70との間でハンドル部34を囲んで配置され、長手方向に延びるフレアリム84が互いに当接し、フレアリム84は、ハーフシェル74上で、環状面68に当接する端面82、及び環状面70に当接する端面80を規定する。ハンドルシェル72は、フランジ突き合わせ(flange butt)エッジシームにより、フレアリム84に沿って溶接するによって形成される。当該溶接シームの特有な幾何形状によって、追加の溶接添加材料の導入を省略することができる。
【0102】
ハーフシェル74は、近位側及び遠位側において、溶接添加剤を用いて円周突き合わせ溶接により溶接することによって互いに接続される。
【0103】
ツール部36も材料1.4021で作製することができる。接続要素40及び接続要素42は互いに係合し、ハンドル部34は接続装置38の領域でツール部36に溶接される。すなわち、当接する環状面56と環状面58との領域における円周溶接シームによって溶接される。
【0104】
このように、器具10は、図1に概略的に示されているような形態で基本的に全て形成される。
【0105】
ハンドルシェル72によって規定される中空ハンドル32のスリーブの耐衝撃性を高めるために、その構成要素を溶接することによって形成された上記器具10は硬化される。環状空間94を規定するキャビティ78内に含まれる空気が、約1000℃の温度で行われる硬化プロセス中に膨張することを可能にするために、ベント開口90が設けられている。中空ハンドル32を規定するハーフシェル74は、実質的に楕円形断面を形成する。ベント開口90は、環状空間94内に過剰な圧力が生じることにより、ハーフシェル74が変形することによって、楕円形断面の外形が円筒形の外形に近づくように変形することを防止する。
【0106】
ベント開口90は、キャビティ78を器具の環境100に流体的接続する。
【0107】
器具10を硬化させた後、図10に概略的に示すように、ベント開口90を溶接添加剤で閉じる。通気開口90内の溶接添加剤は、キャビティ78を閉じる閉鎖要素96を形成する。図6及び図7の矢印98で示す全ての溶接シームが気密構成である場合、環状空間94は全体として、閉鎖要素96によって気密的に閉鎖することができる。
【0108】
別の実施形態では、閉鎖要素96は、金属ピンによって形成され、当該金属ピンは、器具10を硬化させた後に、ベント開口90に挿入され、溶接によって器具10に接続される。
【0109】
前述した器具10の実施形態は、全体が単一の金属材料で作製される。
【0110】
代替の実施形態では、個々の構成要素、例えば、ハンドルシェル72は、例えば、ハンドル部34及びツール部36とは異なる材料で作製されてもよい。
【0111】
前述した器具10の実施形態は、一体型構成である。前述したように、溶接を用いて器具10の構成要素を接続させることによって、器具10は分解不可能である。ここで、分解不可能とは、意図したように、器具10を破壊せずには元の構成要素への分離が不可能であることを意味する。
【0112】
前述した器具10の実施形態は、高い耐衝撃性及び高い耐腐食性も有する。例えば、ハンマーによって衝撃面18に加えられた衝撃パルスは、直ちに器具シャフト22を介してツール要素26に伝達される。
【0113】
ベント開口90を閉じた後、器具10の外面は、例えば、研削又は研磨によって、とりわけ、ベルト研削によって表面処理されてもよい。器具10をこのような再加工することによって、溶接による突起もアニーリング色も残らないようにすることができる。
【0114】
代替の実施形態では、閉鎖要素96は、例えば、ワイヤピンの形態で構成されてもよく、当該ワイヤピンは、表面において、円周方向に、とりわけ、ハンドルシェル72の1つに溶接される。構成要素を互いに溶接するために、とりわけ、ベント開口90を閉じるためには、タングステン不活性ガス溶接及びレーザビーム溶接が選択的に使用することができる。
【0115】
器具10を形成するためのツール部36の別の実施形態が、図2に概略的に示されている。ツール部36の遠位端におけるツール要素26は、狭いチゼルの先端の形態で構成され、遠位方向に向いている刃先28を有する。ツール要素26上に、ピン形状のスペーサ要素104が横方向に形成されている。スペーサ要素104は、円筒形の本体と、球状の端部106とを有し、球状の端部106は、遠位方向に向いている。
【0116】
近位側において、図2のツール部36の設計は、図1のツール部36の実施形態に対応している。これによって、ツール部36は、図1の実施形態によるツール部36について前述したのと同様の方法で、中空ハンドル32に接続されて、セメント除去チゼルの形態の医療器具10を形成することができる。
【0117】
説明しやすくするため、図2の実施形態、並びに以下で説明される図3の実施形態では、ツール部36上の同一の構成及び要素は同一の符号が使用される。
【0118】
図3は、外科用器具10を形成するためのツール要素36の別の実施形態を示している。ツール部3の遠位端は、狭く、わずかにアーチ状のチゼル先端を形成し、その遠位側に刃先28を有する。
【0119】
近位側では、図3のツール部36は、図1及び図2の実施形態によるツール部36の近位端と実質的に同一の構成である。ただし、ここで、ボアの形の通気開口108が設けられている点で違いが存在する。通気開口108は、長手軸30に対して横方向に延在し、器具10の環境100を、接続突起52を近位方向に開く止まり穴112に流体的接続させる。
【0120】
通気開口108は、図1及び図4から図11に記載された中空ハンドル32に関連して前述したベント開口90と同様な機能を有する。
【0121】
環境100とキャビティ78との間の流体的接続を生成するために、長手軸30に対し横方向の開口部116が、接続レセプタクル48の近位端付近に形成され、当該開口部116は、接続レセプタクル48をキャビティ78に流体的接続する。そして、接続デバイス38は、接続突起52の近位端46が、少なくとも部分的に開いて、開口部116を残すように設計される。これによって、中空ハンドル32をツール部36に接続した後、器具を硬化させる間に、キャビティ78内で膨張する空気が、開口部116、接続レセプタクル48、止まり穴112、及び通気開口108を通って、環境100に逃げることができる。
【0122】
図12に部分的に示されている中空ハンドル32は、その他の点においては、図1及び図4から図11に示された中空ハンドルと同様な構成を有する。
【0123】
別の実施形態では、ベント開口90は、ボア92の形ではなく、代わりにスリット120の形で構成される。そして、適切に配置されたスリットの機能は、前述したボア92の機能に対応する。例として、そのようなスリット120は、図13に示す実施形態において、破線で示している。
【0124】
更に、既に説明したボア92の形態のベント開口90の構成の代わりに、フレアリム84を互いに、又は、フレアリム84を環状面68及び環状面70に対して、完全に溶接せず、その代わりに、形成される溶接シームの任意の箇所における短い部分を溶接しないようにすることができる。そうすると、溶接シームが形成されない箇所に狭いスリット又はギャップが残される。このような不完全な溶接シームは、空気を器具10から環境100に向かって排出することによって、キャビティ78内の空気の過剰圧力を減らすのに適している。
【0125】
図13及び図14は、医療器具10の別の実施形態を概略的に示している。当該実施形態では、医療器具10はハンドル部34とそれに接続されたツール部36とを備える。ハンドル部34の設計は、図1及び図4から図12に記載されたハンドル部の構造に実質的に対応するが、近位ハンドルフランジ66の設計において異なる。この実施形態では、環状面70と衝撃面18との間の距離は、例えば、図4の実施形態の場合に示され、説明された近位ハンドルフランジ66の場合よりもはるかに大きい。
【0126】
環状面70の近位側において、近位環状フランジ66に、横穴118が設けられている。
【0127】
図13及び図14に示される実施形態の中空ハンドル32もまた、図1から図11に関連して前述した類似の方法で製造され、ツール部36に選択的に接続される。中空ハンドル32のキャビティ78を通気するために、ベント開口90が、例えば、ボア92の形で又はスリットの形で設けられ、ボア92又はスリットは、器具を硬化させた後に閉じられる。或いは、ベント開口90を形成するために溶接シームを完全に閉じない。そして、硬化工程の後に溶接によって溶接シームを閉じる。この実施形態においても、最後に研磨又はベルト研削による表面処理を行うことができる。これによって、とりわけ、ベント開口90又は通気開口108を閉じるための外側からの後続の溶接作業が器具10上において見えないようにすることができる。
【0128】
以上詳述したように、高い安定性及び高い耐腐食性を備えた一体型医療器具を形成することができる。
【0129】
前述した器具10の異なる実施形態の全ての構成要素は、金属材料で作製される。説明した実施形態では、金属材料は材料1.4021である。
【符号の説明】
【0130】
10 器具
12 オステオトーム(osteotome)
14 衝撃器具
16 近位端
18 衝撃面
20 ハンドル
22 器具シャフト
24 遠位端
26 ツール要素
28 刃先
30 長手軸
32 中空ハンドル
34 ハンドル部
36 ツール部
38 接続装置
40 第1接続要素
42 第2接続要素
44 遠位端
46 近位端
48 接続レセプタクル
50 止まり穴
52 接続突起
54 停止部
56 環状面
58 環状面
60 遠位ハンドルフランジ
62 シャフト部分
64 衝撃プレート
66 近位ハンドルフランジ
68 環状面
70 環状面
72 ハンドルシェル
74 ハーフシェル
76 壁
78 キャビティ
80 近位端面
82 遠位端面
84 フレアリム
86 相対的最大値箇所
88 溝
90 ベント開口
92 ボア
94 環状空間
96 閉鎖要素
98 矢印
100 環境
102 厚さ
104 スペーサ要素
106 端部
108 通気開口
110 ボア
112 止まり穴
114 端部
116 開口部
118 横穴
120 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具(10)、とりわけ、近位端(16)と遠位端(24)とを有する衝撃器具(14)であって、
ハンドル(20)と、近位方向に面する衝撃面(18)とが、前記近位端(16)に配置又は形成され、
ツール要素(26)が、前記遠位端に配置又は形成され、
前記器具(10)の器具シャフト(22)が、前記近位端(16)から前記ツール要素(26)まで延び、
前記ハンドル(20)が、中空ハンドル(32)の形態で構成されている、
医療器具。
【請求項2】
前記中空ハンドル(32)は、前記器具シャフト(22)を囲む少なくとも1つの、とりわけ、2つのハンドルシェル(72)を含み、
キャビティ(78)、とりわけ、環状空間(94)の形態のキャビティ(78)が、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)と前記器具シャフト(22)との間に形成され、
とりわけ、前記キャビティ(78)は、気密的に閉じられ、とりわけ、溶接及び/又は閉鎖要素によって閉じられている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記器具(10)は、ベント開口(90)を有し、
前記ベント開口(90)は、前記中空ハンドル(32)の前記キャビティ(78)を、前記器具(10)の環境(100)に流体的に接続し、
前記ベント開口(90)は、閉じられ、とりわけ、気密的に閉じられており、
とりわけ、前記ベント開口(90)は、
(a)閉鎖要素(96)、及び/又ははんだ付け若しくは溶接によって閉じられ、
及び/又は
(b)少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)におけるボア(92)又はスリットの形態で構成され、
及び/又は
(c)少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)を前記器具シャフト(22)に、及び/又は、少なくとも2つの前記ハンドルシェル(72)を互いに、完全に溶接しないことによって形成される、
ことを特徴とする、請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
近位ハンドルフランジ(66)と、前記近位ハンドルフランジ(66)から離れて配置された遠位ハンドルフランジ(60)とは、前記器具シャフト(22)に配置又は形成され、
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)は、前記近位ハンドルフランジ(66)と前記遠位ハンドルフランジ(60)との間で、前記器具シャフト(72)を囲むように配置さ
とりわけ、
遠位方向に面する環状面(70)は、前記近位ハンドルフランジ(66)に配置又は形成され、
近位方向に面する環状面(68)は、前記遠位ハンドルフランジ(60)に配置又は形成され、
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の近位方向に面する近位端面(80)が、前記近位ハンドルフランジ(66)に当接するように配置され、
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の遠位方向に面する遠位端面(82)が、前記遠位ハンドルフランジ(60)に当接するように配置されている、
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の医療器具。
【請求項5】
(a)前記器具(10)は、全体的に1つ以上の金属材料で作製され、
及び/又は
(b)衝撃プレート(64)が、前記器具(10)の前記近位端(16)に配置又は形成され、前記衝撃プレート(64)が前記衝撃面(18)を規定し、
とりわけ、前記近位ハンドルフランジ(66)が前記衝撃プレート(64)に配置又は形成され、或いは、前記近位ハンドルフランジ(66)が前記衝撃プレート(64)を形成する、
ことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項6】
前記器具(10)は、一体型構成であり、
とりわけ、前記器具(10)を破壊せずに分解不可能のように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項7】
前記器具シャフト(22)は、ハンドル部(34)とツール部(36)とを含み、
前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とは、互いに接続され、とりわけ、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で、互いに分解不可能に接続されている、
ことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項8】
(a)前記近位ハンドルフランジ(66)と前記遠位ハンドルフランジ(60)とは、前記ハンドル部(34)に配置又は形成され、
及び/又は
(b)前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とは、互いにはんだ付け又は溶接されており、
及び/又は
(c)前記ハンドル部(34)及び前記近位ハンドルフランジ(66)及び/又は前記遠位ハンドルフランジ(60)は、ワンピース部材であり、とりわけ、モノリシック構成である、
ことを特徴とする、請求項に記載の医療器具。
【請求項9】
前記器具(10)は、第1接続要素(40)と第2接続要素(42)とを有する接続装置(38)を備え、
2つの前記接続要素(40、42)のうちの一方は、前記ハンドル部(34)の遠位端(44)に配置又は形成され、
2つの前記接続要素(40、42)のうちの他方は、前記ツール部(36)の近位端(46)に配置又は形成され、
接続位置にある前記第1接続要素(40)と前記第2接続要素(42)とは、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で互いに接続され、
とりわけ、前記第1接続要素(40)は、接続レセプタクル(48)の形態で構成され、前記第2接続要素(42)は、前記接続レセプタクル(48)に対応する接続突起(52)の形態で構成さ
更にとりわけ、
通気開口(108)が前記器具(10)上に形成され、前記通気開口(108)は、前記接続レセプタクル(48)を、前記器具(10)の環境(100)に流体的に接続し、
前記通気開口(108)は閉じられ、とりわけ、気密的に閉じられており、
更に、とりわけ、前記通気開口(108)は、前記ハンドル部(34)又は前記ツール部(36)に形成されている、
ことを特徴とする、請求項又はに記載の医療器具。
【請求項10】
(a)前記器具シャフト(22)及び/又は前記ハンドル(20)及び/又は前記ツール要素(26)は、ステンレス鋼で作製され、前記ステンレス鋼は硬化可能な鋼であり、
及び/又は
(b)前記器具(10)が硬化されており、
及び/又は
(c)前記中空ハンドル(32)は人間工学的に成形されている、
ことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の医療器具。
【請求項11】
医療器具(10)を製造する方法であり、とりわけ、近位端(16)と遠位端(24)とを有する衝撃器具(14)を製造する方法であって、
ハンドル(20)と、近位方向に面する衝撃面(18)とが、前記近位端(16)に配置又は形成され、
ツール要素(26)が、前記遠位端(24)に配置又は形成され、
前記器具(10)の器具シャフト(22)が、前記近位端(16)から前記ツール要素(26)まで延び、
前記ハンドル(20)が、中空ハンドル(32)の形態で構成されている、
方法。
【請求項12】
(a)前記中空ハンドル(32)は、前記器具シャフト(22)を囲む少なくとも1つのハンドルシェル(72)から作られ、キャビティ(78)、とりわけ、環状空間(94)の形態のキャビティ(78)が、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)と前記器具シャフト(22)との間に形成され、とりわけ、前記キャビティ(78)は、気密的に閉じられ、とりわけ、溶接及び/又は閉鎖要素によって閉じられており、
及び/又は
(b)前記中空ハンドル(32)の前記キャビティ(78)を、前記器具(10)の環境(100)に流体的に接続するベント開口(90)が、前記器具(10)に形成され、前記ベント開口(90)は、閉じられ、とりわけ、気密的に閉じられており、とりわけ、前記ベント開口(90)は、閉鎖要素(96)、及び/又ははんだ付け若しくは溶接によって閉じられており、
及び/又は
(c)前記ベント開口(90)は、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)におけるボア(92)又はスリットの形態で構成され、
及び/又は
(d)前記ベント開口(90)は、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)を前記器具シャフト(22)に、及び/又は、少なくとも2つの前記ハンドルシェル(72)を互いに、完全に溶接しないことによって形成さ
及び/又は
(e)前記器具(10)は、全体的に1つ以上の金属材料で作製され、
及び/又は
(f)衝撃プレート(64)が、前記器具(10)の前記近位端(16)に配置又は形成され、前記衝撃プレート(64)が前記衝撃面(18)を規定し、
及び/又は
(g)前記器具(10)は、一体型構成であり、とりわけ、前記器具(10)を破壊せずに分解不可能のように構成されている、
ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
近位ハンドルフランジ(66)と、前記近位ハンドルフランジ(66)から離れて配置された遠位ハンドルフランジ(60)とは、前記器具シャフト(22)に配置又は形成され、
少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)は、前記近位ハンドルフランジ(66)と前記遠位ハンドルフランジ(60)との間で、前記器具シャフト(72)を囲むように配置さ
とりわけ、
(a)遠位方向に面する環状面(70)は、前記近位ハンドルフランジ(66)に配置又は形成され、近位方向に面する環状面(68)は、前記遠位ハンドルフランジ(60)に配置又は形成され、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の近位方向に面する近位端面(80)が、前記近位ハンドルフランジ(66)に当接するように配置され、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の遠位方向に面する遠位端面(82)が、前記遠位ハンドルフランジ(60)に当接するように配置され、
及び/又は
(b)前記ベント開口(90)は、少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)の1つを、2つのハンドルフランジ(60、66)のうちの少なくとも1つに完全には溶接しないことによって形成される、
ことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記器具シャフト(22)は、ハンドル部(34)及びツール部(36)から作られ、前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とは、互いに接続され、とりわけ、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で、互いに分解不可能に接続さ
とりわけ、
(a)前記近位ハンドルフランジ(66)と前記遠位ハンドルフランジ(60)とは、前記ハンドル部(34)に配置又は形成され、
及び/又は
(b)前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とは、互いにはんだ付け又は溶接されており、
及び/又は
(c)前記衝撃プレート(64)と前記ハンドル部(34)とは、ワンピース部材に、とりわけ、モノリシックに形成され、
及び/又は
(d)前記ハンドル部(34)及び前記近位ハンドルフランジ(66)及び/又は前記遠位ハンドルフランジ(60)は、ワンピース部材に、とりわけ、モノリシックに形成され、
及び/又は
(e)前記器具(10)は、第1接続要素(40)と第2接続要素(42)とを有する接続装置(38)を備えるように構成され、2つの前記接続要素(40、42)のうちの一方は、前記ハンドル部(34)の遠位端(44)に配置又は形成され、2つの前記接続要素(40、42)のうちの他方は、前記ツール部(36)の近位端(46)に配置又は形成され、接続位置にある前記第1接続要素(40)と前記第2接続要素(42)とは、強制係止及び/又はポジティブロック及び/又は材料ボンディングの方法で互いに接続され、
とりわけ、前記第1接続要素(40)は、接続レセプタクル(48)の形態で構成され、前記第2接続要素(42)は、前記接続レセプタクル(48)に対応する接続突起(52)の形態で構成されている、
ことを特徴とする、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記器具(10)が硬化され、とりわけ、
(a)約1000℃の温度で硬化され、
及び/又は
(b)前記ハンドル部(34)と前記ツール部(36)とを接続した後に硬化され、
及び/又は
(c)少なくとも1つの前記ハンドルシェル(72)を前記器具シャフト(72)に接続した後に硬化さ
更にとりわけ、
前記ベント開口(90)及び/又は前記通気開口(108)は、硬化後に閉じられる、
ことを特徴とする、請求項11から14のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】