(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】小児用カテーテルシステムおよび関連機器および方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559784
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 US2021023641
(87)【国際公開番号】W WO2021202165
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラヴィン バガヴァント ケー.ガヴァード
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA24
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB19
4C267BB24
4C267BB40
4C267CC08
(57)【要約】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタを含んでもよく、カテーテルアダプタは、遠位端、近位端、及びカテーテルアダプタの遠位端及びカテーテルアダプタの近位端を通って延びる管腔を含んでもよい。カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの近位端に結合された遠位端を含み得るコンサーティーナ付きチューブを含み得る。コンサーティーナ付きチューブは、収縮位置に配置され得、収縮位置と拡張位置との間で移動可能である。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、コンサーティーナ付きチューブの近位端に結合され得るルアーコネクタを含み得る。カテーテルシステムは、針ハブ及び針ハブから遠位に延びる導入針を含み得る針アセンブリを含み得る。コンサーティーナ付きチューブ及びルアーコネクタは、針ハブ内に配置されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムであって、
遠位端と、近位端と、該遠位端および該近位端を通って延びる管腔とを備える、カテーテルアダプタと、
コンサーティーナ付きチューブであって、遠位端が前記カテーテルアダプタの前記近位端に結合され、収縮位置に配置されており、該コンサーティーナ付きチューブが収縮位置と拡張位置との間で移動可能である、コンサーティーナ付きチューブと、
前記コンサーティーナ付きチューブの近位端に結合されたルアーコネクタと、
針ハブおよび針ハブから遠位に延びる導入針を含む針アセンブリと、を備え、前記コンサーティーナ付きチューブおよび前記ルアーコネクタが前記針ハブ内に配置されているカテーテルシステム。
【請求項2】
前記カテーテルアダプタの前記遠位端から延びるカテーテルをさらに備え、該カテーテルの遠位端は、複数の側孔を備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記カテーテルが、1.235mL/時から5.400mL/時の流量を提供するように構成されている、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記ルアーコネクタと前記針ハブの近位端との間の前記針ハブ内に配置された受動針安全クリップをさらに備え、前記導入針が前記受動針安全クリップを通って延びる、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記受動針安全クリップが近位開口部を備え、前記導入針の外面がフィーチャを備え、該フィーチャの外径が、前記フィーチャが前記近位開口部の近位で動くのを防止するように前記近位開口部の直径より大きい、請求項4に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記コンサーティーナ付きチューブが前記拡張位置と前記収縮位置との間を移動することに応答して、前記コンサーティーナ付きチューブの長さが、50%~70%減少する、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記ルアーコネクタが、カニューレと、該カニューレを囲むスリット隔壁とからなり、前記カニューレが複数の開口部からなる、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記スリット隔壁の近位端は、前記ルアーコネクタの内面とシールを形成している、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記針ハブの近位端が、フラッシュバックチャンバと、該フラッシュバックチャンバに近接する疎水性フィルタとを備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記カテーテルシステムは、75mm以下の長さを有する、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記カテーテルアダプタが1つ以上のプッシュタブを備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記カテーテルアダプタは、第1のウイングと第2のウイングとを備え、該第1のウイングと該第2のウイングは、前記カテーテルアダプタの本体の反対側の側面から外側に延びている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記針ハブの近位端が疎水性フィルタからなる、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
方法であって、
カテーテルシステムを患者の血管系に挿入するステップであって、該カテーテルシステムは、
カテーテルアダプタであって、遠位端、近位端、および遠位端と近位端を通って延びる管腔を備えるカテーテルアダプタと、
コンサーティーナ付きチューブであって、遠位端が前記カテーテルアダプタの前記近位端に結合され、収縮位置に配置されており、該コンサーティーナ付きチューブが収縮位置と拡張位置との間で移動可能である、コンサーティーナ付きチューブと、
前記コンサーティーナ付きチューブの近位端に結合されたルアーコネクタと、および
針ハブおよび該針ハブから遠位に延びる導入針を含む針アセンブリであって、前記コンサーティーナ付きチューブおよび前記ルアーコネクタが針ハブ内に配置されている、針アセンブリと、を備えるステップと、
前記患者の前記血管系に挿入された前記カテーテルシステムから前記針アセンブリを取り外すステップと
前記カテーテルシステムから前記針アセンブリを取り外した後、前記コンサーティーナ付きチューブを収縮位置から拡張位置へ移動させるステップと、を備える、方法。
【請求項15】
前記コンサーティーナ付きチューブを収縮位置から拡張位置へ移動させた後に、延長セットを前記コンサーティーナ付きチューブの前記近位端に結合させるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記延長セットを介して前記患者に薬剤を投与するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コンサーティーナ付きチューブを収縮位置から拡張位置に移動させた後に、前記コンサーティーナ付きチューブの前記近位端に注入デバイスを結合させるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記カテーテルシステムを前記患者の前記血管系に挿入する前に、前記カテーテルシステムのプライミングが行われない、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記カテーテルシステムを前記患者の前記血管系に挿入するために片手が使用される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記患者の前記血管系に挿入された前記カテーテルシステムから針アセンブリを取り外すことに応答して、導入針上の抗力は1.1N未満である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カテーテルは、患者の血管系に流体を注入するために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、種々の薬剤、または中心静脈栄養を注入するために使用され得る。カテーテルはまた、患者から血液を引き出すために使用されてもよい。
【0002】
カテーテルは、オーバーザニードル末梢静脈内(「IV」)カテーテルを含み得る。この場合、カテーテルは、鋭い遠位先端を有する導入針の上に取り付けられ得る。カテーテル及び導入針は、導入針の遠位先端が、カテーテルの遠位先端を越えて延伸し、針の斜角(bevel)を患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てられ得る。カテーテルと導入針は、通常、皮膚から浅い角度で患者の血管系に挿入される。
【0003】
血管内の導入針および/またはカテーテルの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が一度確認されると、臨床医は、血管系内の流れを一時的に塞いで、針を除去し、後の採血または輸液のためにカテーテルを定位置に残し得る。
【0004】
静脈圧が低いため、針の配置の確認は、乳幼児を含む小児患者では困難である。また、カテーテルの血管外漏出は、小児患者の静脈の小さなサイズに起因して発生し、結果として、薬剤が周囲の組織に漏出する可能性がある。統合されたカテーテルアセンブリでは、延長チューブは、カテーテルアダプタのサイドポートに統合され、そこから延びる。延長チューブは、採血および/または注入に使用することができる。カテーテルアセンブリが統合されると、小児患者に関していくつかの追加の課題が提示される。第1に、複数の包帯を一般的に小児患者の皮膚に延長チューブを固定するために使用し、これは、小児患者を不快にさせる、及び/または小児患者による統合カテーテルアセンブリの除去または剥離につながる可能性がある。第2に、統合カテーテルアセンブリは、統合カテーテルアセンブリ内のデッドスペースの増加に起因して、より多くのフラッシュ量での事前プライミングを必要とすることが多い。第3に、統合カテーテルアセンブリの重量及びサイズは、小児患者が支持することが困難である可能性がある。
【0005】
本明細書で主張される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるいくつかの実施例を実行し得る技術領域の一例を示すために提供されるにすぎない。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、一般に、血管アクセスシステム、並びに、関連するデバイス、および方法に関する。特に、本開示は、小児用カテーテルシステムおよび関連するデバイスおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタを含んでもよく、カテーテルアダプタは、遠位端、近位端、及びカテーテルアダプタの遠位端及びカテーテルアダプタの近位端を通って延びる管腔(lumen)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは、1つ以上のプッシュタブを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは、第1のウイング及び/または第2のウイングを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のウイング及び第2のウイングは、カテーテルアダプタの本体の反対側から外向きに延びてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの近位端に結合され、及び/または収縮位置に配置された遠位端を含み得るコンサーティーナ付き(concertinaed)チューブを含み得る。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブは、収縮位置と拡張位置との間で移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、拡張位置と収縮位置との間を移動するコンサーティーナ付きチューブに応答して、コンサーティーナ付きチューブの長さは、50%~70%に減少してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、約75mm以下の長さを有し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、コンサーティーナ付きチューブの近位端に結合され得るルアーコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、ルアーコネクタは、カニューレと、カニューレを取り囲むスリット隔壁(septum)とを含み得る。いくつかの実施形態では、カニューレは、1つ以上の開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、スリット隔壁の近位端は、ルアーコネクタの内面とシールを形成し得、これは、ルアーコネクタ内のデッドスペースを低減し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、デッドスペースの減少により、約2.0mLのみでフラッシュされてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、2~2.5mLでフラッシュされてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、針ハブ及び針ハブから遠位に延びる導入針を含み得る針アセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ及びルアーコネクタは、針ハブ内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、針ハブの近位端は、導入針の管腔と流体連通するフラッシュバックチャンバを含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブは、フラッシュバックチャンバに近接する疎水性フィルタを含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの遠位端から伸びるカテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端は、1つ以上の側方孔を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは、1.235mL/時間~5.400mL/時間の流量を提供するように構成され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、例えば、受動針安全クリップなどの受動安全機構を含み得る。いくつかの実施形態では、受動針安全クリップは、ルアーコネクタと針ハブの近位端との間の針ハブ内に配置され得る。いくつかの実施形態では、導入針は、受動針安全クリップを通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、受動針安全クリップは、近位開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、導入針の外面は、フィーチャ(feature)を含み得る。いくつかの実施形態では、フィーチャの外径は、フィーチャが近位から近位開口部に移動することを防止されるように、近位開口部の直径よりも大きくてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、方法は、カテーテルシステムを患者の血管系に挿入することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、患者の血管系内に挿入されたカテーテルシステムから針アセンブリを取り外すことを含み得る。いくつかの実施形態では、針アセンブリをカテーテルシステムから取り外した後、方法は、コンサーティーナ付きチューブを収縮位置から拡張位置に移動させることを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブを収縮位置から拡張位置に移動した後、方法は、延長セットをコンサーティーナ付きチューブの近位端に結合することを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、延長セットを通じて薬物を患者に投与することを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブを収縮位置から拡張位置に移動させた後、方法は、注入デバイスをコンサーティーナ付きチューブの近位端に結合することを含み得る。いくつかの実施形態では、プライミング工程を省いてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムを患者の血管系に挿入する前に、カテーテルシステムのプライミングが行われないことがある。いくつかの実施形態では、片手を使用して、カテーテルシステムを患者の血管系に挿入してもよい。いくつかの実施形態では、患者の血管系内に挿入されたカテーテルシステムから針アセンブリを取り外すことに応答して、導入針上の抗力は、約1.1N未満であり得る。
【0015】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例であり説明的であり、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された構成(arrangements)及び手段(instrumentality)に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、又は、他の実施形態が用いられてよいこと、及び、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルシステムの上方斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、カテーテルシステムから取り外された例示的な針アセンブリを示す、
図1Aのカテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、取り外された針アセンブリ及び拡張位置にある例示的なコンサーティーナ付きチューブを示す、
図1Aのカテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、例示的なルアーコネクタの断面図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、ルアーコネクタの近位端に結合された例示的な医療デバイスを示す、
図3Aのルアーコネクタの断面図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、ルアーコネクタの近位端に結合された例示的なシリンジを示す、
図1Aのカテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、ルアーコネクタの近位端に結合された例示的な延長セットを示す、
図1Aのカテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態による、ルアーコネクタの近位端に結合された別の例示的な採血デバイスを示す、
図1Aのカテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図4D】
図4Dは、いくつかの実施形態による、ルアーコネクタの近位端に結合された別の例示的な延長セットを示す、
図1Aのカテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による、折りたたまれた位置にある
図1Aのカテーテルシステムのコンサーティーナ付きチューブの上面斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態による、拡張位置にある
図1Aのカテーテルシステムのコンサーティーナ付きチューブの上面斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテルシステムの例示的な受動的安全針クリップの上面斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテルシステムの一部の上面図である。
【
図6C】
図6Cは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテルシステムのルアーコネクタに結合された
図6Aの受動安全針クリップの下方斜視図である。
【
図6D】
図6Dは、いくつかの実施形態による、導入針の例示的な鋭い遠位先端を遮蔽する
図6Aの受動安全針クリップの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで
図1A~1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、カテーテルアダプタ12を含んでもよく、カテーテルアダプタ12は、遠位端14、近位端16、及びカテーテルアダプタ12の遠位端14及び近位端16を通って延びる管腔18を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12は、1つ以上のプッシュタブ20を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12は、第1のウイング22aおよび/または第2のウイング22bを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のウイング22a及び第2のウイング22bは、カテーテルアダプタ12の本体の反対側から外向きに延びてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、例えば、
図1Cに示されるように、カテーテルアダプタ12の近位端16に結合され、及び/または収縮位置に配置された遠位端26を含み得る、コンサーティーナ付きチューブ24を含み得る。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24は、収縮位置と拡張位置との間で移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24が拡張位置と収縮位置との間を移動することに応答して、コンサーティーナ付きチューブ24の遠位端26から近位端28までの長さは、50%~70%に短縮されてもよい。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24が拡張位置と収縮位置との間を移動することに応答して、コンサーティーナ付きチューブ24の遠位端26から近位端28までの長さは、約60%短縮され得る。
【0019】
いくつかの実施形態ではカテーテルシステム10は、コンサーティーナ付きチューブ24の近位端28に結合され得るルアーコネクタ30を含み得る。いくつかの実施形態では、ルアーコネクタ30は、カニューレ32と、カニューレ32を取り囲むスリット隔壁34とを含み得る。いくつかの実施形態では、カニューレ32は、1つ以上の開口部36を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、針ハブ40及び針ハブ40から遠位に延びる導入針42を含んでもよい針アセンブリ38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24及びルアーコネクタ30は、針ハブ40内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、針ハブ40の近位端44は、導入針42の管腔と流体連通するフラッシュバックチャンバ46を含んでもよく、これは、導入針42の鋭い遠位先端48を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、針ハブ40は、フラッシュバックチャンバ46に近接する疎水性フィルタ50を含み得る。いくつかの実施形態では疎水性フィルタ50は、針ハブ40の近位端44に溶接されてもよく、血管系に挿入する前にカテーテルシステム10をプライミングする必要性を低減または排除してもよい。いくつかの実施形態では、疎水性フィルタ50は、1.0±0.1psiにさらされたときに、5cc/分から50cc/分の間の空気流量容量を有し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、針ハブ40は、1つ以上のサイドグリップ51を含み得る。いくつかの実施形態では、サイドグリップ21は、概して平坦であり、かつ/または皿状であり得る概して楕円形の表面を含んでもよい。いくつかの実施形態では、概して楕円形の表面は、針ハブ40の長手方向軸と整列しても、または別の構成で整列してもよい1つ以上の突起を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プッシュタブ20及び/または1つ以上の他のフィーチャ(例えば、サイドグリップ51など)は、例えば、片手を使用してカテーテルシステム10を患者の血管系に挿入する、及び/または針アセンブリ38をカテーテルシステム10から除去するなど、複数の挿入または除去技術を容易にし得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、カテーテルアダプタ12の遠位端14から延びるカテーテル52を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテル52の遠位端54は、カテーテル52の長手方向軸と整列した遠位開口部56を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル52は、カテーテル52に出入りする追加の流体経路を提供し得る1つ以上の側方孔57を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の側方孔57を有するカテーテル52は、約1.235mL/時間~約5.400mL/時間の流量を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、約75mmの長さを有し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムの長さは、カテーテル52の遠位端54の最も遠位の部分から、針ハブ40の近位端44の最も近位の部分まで延在し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、例えば、受動針安全クリップ58などの受動安全機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、受動針安全クリップ58は、ルアーコネクタ30と針ハブ40の近位端44との間の針ハブ40内に配置されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、小児患者の身体上の足跡を低減し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、コンパクトであってもよく、カテーテルアダプタ12から延びる延長チューブを含まなくてもよく、これは、カテーテルシステム10を患者の皮膚に固定するために使用される包帯の数を減らし得、クランプの必要性を排除し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、まっすぐであってもよく、および/または閉じていてもよい。
【0025】
ここで
図2A~2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、方法は、カテーテルシステム10を患者の血管系に挿入することを含み得る。いくつかの実施形態では、導入針42が血管系に挿入されることに応答して、血液は導入針42を通ってフラッシュバックチャンバ46内に流れてもよく、血液は臨床医によって観察されてもよい。いくつかの実施形態では、方法は、患者の血管系内に挿入されたカテーテルシステム10から針アセンブリ38を除去することを含み得る。いくつかの実施形態では、針アセンブリ38は、カテーテルシステム10から取り外された後に配置されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、プライミング工程を省いてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10のプライミングは、カテーテルシステム10を患者の血管系に挿入する前に行われてもよい。いくつかの実施形態では、患者の血管系内挿入されたカテーテルシステム10から針アセンブリ38を取り外すことに応答して、導入針42上の抗力は、約1.1N未満であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、針アセンブリ38をカテーテルシステムから取り外すことに応答して、導入針42の鋭い遠位先端48は、受動針安全クリップ58内で遮蔽されてもよい。いくつかの実施形態では、針アセンブリ38をカテーテルシステム19から取り外した後、方法は、例えば、
図2Bに示されるように、コンサーティーナ付きチューブ24を収縮位置から拡張位置に移動させることを含み得る。
【0028】
ここで
図3A~3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24を収縮位置から拡張位置に移動した後、方法は、医療デバイス62をルアーコネクタ30に結合することを含み得る。いくつかの実施形態では、医療デバイス62は、採血デバイス、注入デバイス、または延長セットを含み得る。いくつかの実施形態では、医療デバイス62は、コンサーティーナ付きチューブ24が収縮位置にあるときにルアーコネクタ30に結合され得、次いで、コンサーティーナ付きチューブ24は、拡張位置に移動され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、スリット隔壁34の近位端64は、ルアーコネクタ30の内面66とシールを形成し得、これは、ルアーコネクタ30内のデッドスペースを低減し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、デッドスペースの減少により、約2.0mLのみでフラッシュされてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、2~2.5mでフラッシュされてもよい。いくつかの実施形態では、スリット隔壁34の近位端64は、例えば、アルコール綿棒で容易に消毒され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、医療デバイス62がルアーコネクタ30内に挿入される、及び/またはルアーコネクタ30に結合されることに応答して、医療デバイス62は、スリット隔壁34に接触し、医療デバイス62を遠位方向に圧縮して カニューレ32を露出させることができる。いくつかの実施形態では、スリット隔壁34の開口に応答して、流体は、医療デバイス62から遠位に、カニューレ32の開口部36を通って、ルアーコネクタ30の遠位開口部68から流れ出てもよい。いくつかの実施形態では、スリット隔壁34の開口に応答して、血液は、ルアーコネクタ30の遠位開口部68に、開口部36を通して近位に、及び採血デバイスを含み得る医療デバイス62に流れ込んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、医療デバイス62の遠位端は、ルアーコネクタ30と互換性のあるルアーコネクタ70を含み得る。いくつかの実施形態ではルアーコネクタ70は、オスルアーコネクタを含み得、ルアーコネクタ30は、メスルアーコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、ルアーコネクタ30は、6%ルアーテーパ接続(ISO954準拠)または別の適切な割合を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ルアーコネクタ70は、スリップオスルアーコネクタまたはねじ付きオスルアーコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、ルアーコネクタ30がカテーテルシステム10内に存在することに応答して、医療デバイスのカテーテルシステム10への固定、及び/または取り外しの間、延長チューブのクランプは必要とされない場合がある。
【0032】
ここで
図4Aを参照すると、いくつかの実施形態で は、医療デバイス62は、例えば、ルアーコネクタ30に結合され得るシリンジなどの注入デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブを収縮位置から拡張位置に移動させた後、注入デバイスを作動させてもよい。いくつかの実施形態では、注入デバイスの作動またはシリンジのプランジャーの押し下げに応答して、流体は、カテーテルシステム10を通って流れ得る。
【0033】
ここで
図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、医療デバイス62は、延長セットを含んでもよく、延長セットは、薬物を患者に投与するために、または別の適切な目的のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、方法は、延長セットをルアーコネクタ30に結合することを含み得る。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24を収縮位置から拡張位置に移動させた後、方法は、延長セットを通じて薬物を患者に投与すること、または延長セットを通じて患者に流体を注入することを含み得る。
【0034】
ここで
図4Cを参照すると、いくつかの実施形態では、医療デバイス62は、Vacutainer(登録商標)(Becton Dickinson and Company of Franklin Lakes ,New Jerseyから入手可能)または別の適切な採血デバイスなどの採血デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、採血デバイスは、貫通可能なエラストマーシース76内に配置されたホルダ72およびカニューレ74を含み得る。いくつかの実施形態では、採血デバイスは、排出された採血チューブを受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24を収縮位置から拡張位置に移動した後、方法は、採血デバイスを介して患者から血液を収集することを含み得る。
【0035】
ここで
図4Dを参照すると、いくつかの実施形態では、医療デバイス62は、停止コック82を含み得る別の延長セットを含み得る。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24を収縮位置から拡張位置に移動させた後、方法は、延長セットを通じて薬物を患者に投与すること、または延長セットを通じて患者に流体を注入することを含み得る。
【0036】
ここで
図5A~
図5Bを参照すると、コンサーティーナ付きチューブ24が示されている。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24は、
図5Aに示される収縮位置と、
図5Bに示される拡張位置との間で臨床医によって移動されてもよい。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24は、導入針42の引き出しに応答して、収縮位置から拡張位置へ自動的に移動させられてもよい。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24は、複数の折り目を含み得る。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24が収縮位置から拡張位置に移動することに応答して、コンサーティーナ付きチューブ24の長さは増加し得る。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24は、可撓性であってもよく、湾曲することが可能であってもよい。いくつかの実施形態では、コンサーティーナ付きチューブ24は、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、または別の適切な材料で構築され得る。
【0037】
ここで
図6a~
図6dを参照すると、いくつかの実施形態によれば、受動針安全クリップ58が示される。いくつかの実施形態では、受動針安全クリップ58は、Vクリップを含み得る。いくつかの実施形態では、導入針42は、受動針安全クリップ58を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、受動針安全クリップ58は、近位開口部78を含み得る。いくつかの実施形態では、導入針42の外面は、隆起または別の適切な特徴を含み得るフィーチャ80を含み得る。いくつかの実施形態では、フィーチャ80の外径は、フィーチャが近位開口部78の近位に移動することが防止されるように、近位開口部78の直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、受動針安全クリップ58、カテーテルアダプタ12を通って延びる導入針42に応答してルアーアダプタに結合し得る爪83を含んでもよい。
【0038】
本明細書で記載されるすべての例及び条件付き文言は、本発明、および技術を促進するために発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態は詳細に説明されているが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に対する、さまざまな変更、置換、および改変がなされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】