(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オールおよびフレグランスとしてのその使用
(51)【国際特許分類】
C07C 33/025 20060101AFI20230508BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20230508BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20230508BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20230508BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230508BHJP
D06M 13/00 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
C07C33/025 CSP
C11B9/00 C
C11D3/50
A61Q13/00 101
A61K8/34
D06M13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559829
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2021058848
(87)【国際公開番号】W WO2021198525
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ゲオゲーガン,キンバリー
(72)【発明者】
【氏名】リニガー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】シュレーダー,フリッチョフ
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
4H006
4H059
4L033
【Fターム(参考)】
4C083AC091
4C083KK02
4H003DA01
4H003DA02
4H003DA05
4H003DA17
4H003FA26
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB14
4H059BA12
4H059BA15
4H059BA19
4H059BA23
4H059BA30
4H059BA35
4H059BA49
4H059BC23
4H059DA09
4H059EA35
4L033AB04
4L033AC15
4L033BA00
(57)【要約】
(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オールである、式IIaに従う化合物、およびそのフレグランスとしての使用。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オールである、式IIa
【化1】
に従う化合物。
【請求項2】
請求項1において定義される化合物と、
式IIbに従う化合物、式IIcに従う化合物、および式IIdに従う化合物
【化2】
からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる化合物
とを含む、異性体混合物。
【請求項3】
式II
【化3】
(式中、星は、C原子の立体中心を示しており、および波線の結合は、隣接する二重結合の不特定の立体配置を示している)で表される化合物の、フレグランスとしての使用。
【請求項4】
請求項1において定義される式IIaで表される化合物、または請求項2において定義される異性体混合物の、フレグランスとしての使用。
【請求項5】
請求項3において定義される式IIで表される化合物の、請求項1において定義される式IIaで表される化合物の、または請求項2において定義される異性体混合物の嗅覚の許容し得る量の、消費者向製品ベースへの添加を用いて、消費者向製品ベースを改善、強化、または改変する方法。
【請求項6】
香気物として請求項1において定義される式IIaで表される化合物または請求項2において定義される異性体混合物と、消費者向製品ベースとを含む、フレグランス応用物(fragrance application)。
【請求項7】
消費者向製品ベースが、上質なフレグランス、家庭用製品、洗濯製品、ボディケア製品、化粧製品、およびエアケア製品から選択される、請求項6に記載のフレグランス応用物。
【請求項8】
請求項1において定義される式IIaで表される化合物または請求項2において定義される異性体混合物、およびベース材料を含む、フレグランス組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規有機化合物、前記化合物を調製する方法、およびフレグランス成分としてのその使用に関する。本発明はまた、該化合物によって香り付けされた上質なフレグランスまたは消費者向製品組成物、または前記化合物を含有する香料組成物などの、香料組成物におよび物品に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
シトロネロール(ジヒドロゲラニオール、3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール、式(I)で表される化合物)は、フレグランスおよび食品成分として幅広く使用される。それは、フローラルな、ローズシトラスの匂いおよびフレーバーを有する。食品において使用されることは安全であるが、それは一部の人々にアレルギー反応を引き起こし得るため、香水において使用されるにはいくつかの懸念が提起されている。シトロネロールは、欧州連合によって指定された26の香料アレルゲンのリストに記載される。結果的に、シトロネロールを含有する香料は、ラベル付けされなければならない。
【化1】
シトロネロールは、式(I)で表される化合物において星で示される1つのキラル中心を有し、および両方のエナンチオマーが自然界において存在する。シトロネラ油中(例えばCymbopogon nardus中)に見いだされる(+)-シトロネロールは、より一般的な異性体である。(-)-シトロネロールは、ローズ、およびPelargonium geraniumsの油中に見いだされる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の説明
3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(エチルシトロネロール、式(II)で表される化合物)は、1つのメチル基によって形状的に伸ばされたシトロネロールに対応する。それは、1つの立体中心および二重結合を持つ化合物であり、および合計で4つの立体異性体において存在し得る。
【化2】
式(II)で表される化合物において、星はC原子の立体中心を示しており、および波線の結合は隣接する二重結合の不特定の立体配置を示している。
3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オールは以前に報告されている。それは、GC-MSにより、キイチゴ果汁中(Shipin Kexue 2013、34、199-203)および菌類中(Junwu Xuebao 2012、31、92-101)の化合物として同定された。それは、シトロネロールから4ステップの合成で得られ得る(Biosci. Biotechnol. Biochem. 2002, 66, 582-587)。またそれは、Dragocoの報告(1978 11/12, 235)に従って、7ステップの合成でメチルエチルケトンから調製され得る。しかしながら、そのフレグランス特性は、これまでのところ報告されていない。
驚くべきことに、エチルシトロネロールは、フローラルローズ、シトロネロール、ピオニー、ライチの香気、およびガスクロマトグラフィー(GC)の閾値0.22ngを有することが、今日見いだされた。したがって、本発明の第1の側面において、式(II)で表される化合物は、フレグランス材料として、例えばシトロネロールの代替物として使用され得る。それは、欧州連合によって指定された26の香料アレルゲンのリストに記載されない。
【0004】
驚くべきことに、式(II)で表される化合物の香料的な効果は、立体化学に依存することがさらに見出された:4つのうちの1つの立体異性体のみが強い香気物であり、他のものは、たとえあるとしても非常に弱いだけの香気物の特性を示す。さらに、3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オールの異性体はいずれも、欧州連合によって指定された26の芳香性アレルゲンのリストにない。
したがって、本発明のさらなる側面において、(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)が提供される。
【化3】
前記化合物は、1.8ngのシトロネロールのGC閾値と比較して、驚くほど低い0.032ngのガスクロマトグラフィー(GC)閾値を有する。GC閾値がシトロネロールの100分の1を持つかかる高性能分子は、より低用量において使用され得るので、人間や環境へのより少ない曝露となる。それは、フローラル、ローズのような、フルーティー、ライチの香気を有する。それは、フレグランス材料であり、およびシトロネロールの代替物として使用され得る。
【0005】
本発明のさらなる側面において、(異性体混合物として以下のテキストにおいて示される)、(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)と、以下からなる群から選択される少なくとも1つの他の化合物:
(R,E)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIb)、
(S,E)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIc)、および
(R,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IId)
【化4】
とを含む異性体混合物が提供される。
【0006】
(R,E)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIb)は、GC閾値0.75ngを有し、これはシトロネロールの値よりもさらに低い値である。それは、ほこりっぽい、蝋様の、ローズのような、テトラヒドロゲラノール、ペラルゴールのような、技術的に厳しい香気を有する。それは、IIaとよくブレンドし、ボリュームを出し、および全体的な香気の印象を補完する。
(S,E)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIc)および(R,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IId)は、それぞれ2.2ngおよび3.4ngのGC閾値を有する、どちらも弱い香気物である。それらの香気は、脂っこい、および脂っこいフローラルとして説明される。それらは、異性体混合物の全体的な香気に著しくは寄与しない。
【0007】
化合物が異なる立体異性体の形態で存在する場合、それは混合物として使用されてもよい。代替的に、ジアステレオ異性体のグループにおいて、または純粋な立体異性体として分割されてもよい。立体異性体を分割することは、化合物の調製および精製に複雑さを加えるため、よって、化合物をその立体異性体の混合物として使用することが、単に経済的な理由から好ましい。しかしながら、個々の立体異性体を調製することが望まれる場合、これは、当技術分野で知られている方法、例として立体選択的合成、分取HPLCおよびGCに従って達成されてもよい。
本発明の一側面において、式(IIa)で表される化合物は、化合物(IIb)、(IIc)および/または(IId)を少量または実質的に含まない、高度に純度の高い(enriched)、または本質的に純粋な形態で提供される。これは、式(IIa)で表される化合物が、少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%、より特に少なくとも98重量%、さらにより特に99重量%以上で存在することを意味する。
【0008】
本発明の別の側面において、相当量の式(IIa)で表される化合物を、化合物(IIb)、(IIc)および/または(IId)とともに含む異性体混合物が提供される。これは、式(IIa)の化合物が少なくとも20重量%、特に少なくとも30重量%、より特に少なくとも40重量%、さらにより特に50重量%以上で存在することを意味する。異性体混合物における式(IIa)で表される化合物対式(IIb)で表される化合物の重量比は、約4:6から約99:1までの範囲であり得る。
本発明の別の側面において、(S)-異性体(IIa)と(IIc)との混合物が、純粋な形態またはエナンチオ純度の高い(enantio-enriched)形態で提供される。(S)-異性体(IIa)および(IIc)のラセミ混合物は0.93ngのGC閾値を有する。
【0009】
本発明のさらなる側面において、式(IIa)に従う化合物の、または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)と以下からなる群から選択される少なくとも1つの他の化合物:
(R,E)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIb)、
(S,E)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIc)、および
(R,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IId)
とを含む異性体混合物の、フレグランスとしての使用が提供される。
【0010】
本発明のさらなる側面において、式(IIa)に従う化合物、または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)と以下からなる群から選択される少なくとも1つの他の化合物:
(R,E)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIb),
(S,E)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIc)、および
(R,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IId)
とを含む異性体混合物、を含む香料組成物が提供される。
【0011】
本発明の化合物または異性体混合物は、単独でも、または広範囲の天然物、および、精油、アルコール、アルデヒドおよびケトン、エーテルおよびアセタール、エステルおよびラクトン、マクロサイクルおよびヘテロサイクルなどの目下入手可能な合成分子から選択された既知の香気物の分子と組み合わせても、および/または、香料組成物中の香気物と併せて従来使用される1つ以上の成分または賦形剤、例えば、担体材料、および当技術分野で一般的に使用される他の助剤と合わせて混和されて使用されてもよい。
【0012】
本明細書に使用されるとき「担体材料」は、香気物の観点から実質的に中性の物質、すなわち、香気物の官能特性を著しく変化させない材料を意味する。
用語「助剤」は、香料組成物の嗅覚的性能に特に関連しない理由で前記香料組成物に採用され得る成分を指す。例えば、助剤は、フレグランス成分(単数)または成分(複数)、または前記成分(単数または複数)を含有する組成物をプロセシングするための補助剤として作用する成分であってもよく、またはそれはフレグランス成分またはそれを含有する組成物の操作または保管を改善してもよい。それは、色や質感を付与するなどの追加の利点を提供する成分でもあってもまたよい。それは、香料組成物において含有される1つ以上の成分に、耐光性または化学的安定性を付与する成分であってもまたよい。それを含有する香料組成物において一般的に使用されるアジュバントの性質およびタイプの詳細な説明は、網羅的にはなれないが、該成分が当業者に周知であることは言及されなければならない。
【0013】
本明細書に使用されるとき、「香料組成物」は、式(IIa)に従う化合物、または異性体混合物、および、ベース材料、例として、フタル酸ジエチル(DEP)、ジプロピレングリコール(DPG)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ペンタン-1,2-ジオール、トリエチルシトラート(TEC)およびアルコール(例としてエタノール)などの、香気物と併せて従来から使用される希釈剤とを含む任意の組成物を意味する。任意に、組成物は抗酸化剤アジュバントを含んでもよい。前記抗酸化剤は、Tinogard(登録商標) TT (BASF)、Tinogard(登録商標) Q (BASF)、トコフェロール(その異性体、CAS 59-02-9;364-49-8;18920-62-2;121854-78-2を含有する)、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール(BHT、CAS 128-37-0)、および関連されるフェノール、ヒドロキノン(CAS 121-31-9)から選択されてもよい。
【0014】
以下のリストは、式(IIa)に従う化合物または異性体混合物と組み合わせられ得る既知の香気物分子の例を含む。
- 精油および抽出物、例として海狸香、コスタスルート油、オークモスアブソリュート、ゼラニウム油、木苔アブソリュート、バジル油、ベルガモット油およびマンダリン油などの果実油、ミルテ油、パルマローザ油、パッチュリ油、プチグレン油、ジャスミン油、ローズ油、白檀油、アブサン油、ラベンダー油および/またはイランイラン油、
【0015】
- アルコール、例として桂皮アルコール((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);cis-3-ヘキセノール((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);シトロネロール(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);Ebanol(登録商標)((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール);エチルリナロール((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ファルネソール((2E,6Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエン-1-オール);ゲラニオール((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);Super Muguet(登録商標)((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);リナロール(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);メントール(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール);ネロール(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール);フェニルエチルアルコール(2-フェニルエタノール);Rhodinol(登録商標)(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);Sandalore(登録商標)(3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール);テルピネオール(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);またはTimberol(登録商標)(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール);2,4,7-トリメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール,および/または[1-メチル-2(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル]-メタノール;
【0016】
- アルデヒドおよびケトン、例としてアニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド);アルファアミル桂皮アルデヒド(2-ベンジリデンヘプタナール);Georgywood(登録商標)(1-(1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ヒドロキシシトロネラール(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール);Iso E Super(商標)(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);Isoraldeine(商標)((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);Hedione(商標)(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール;マルトール;メチルセドリルケトン;メチルイオノン;ベルベノン;および/またはバニリン;
【0017】
- エーテルおよびアセタール、例としてアンブロクス(登録商標)(3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);ゲラニルメチルエーテル((2E)-1-メトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);ローズオキシド(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);および/またはSpirambrene(登録商標)(2’,2’,3,7,7-ペンタメチルスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2,5’-[1,3]ジオキサン]);
【0018】
- エステルおよびラクトン、例としてベンジルアセタート;セドリルアセタート((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);γ-デカラクトン(6-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);Helvetolide(登録商標)(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルプロピオナート);g-ウンデカラクトン(5-へプチルオキソラン-2-オン);および/またはベチベリルアセタート((4,8-ジメチル-2-プロパン-2-イリデン-3,3a,4,5,6,8a-ヘキサヒドロ-1H-アズレン-6-イル)アセタート);
【0019】
- マクロサイクル、例としてアンブレットリド((Z)-オキサシクロへプタデカ-10-エン-2-オン);ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロへプタデカン-5,17-ジオン);および/またはExaltolide(登録商標)(16-オキサシクロヘキサデカン-1-オン);および
- ヘテロサイクル、例としてイソブチルキノリン(2-イソブチルキノリン)。
【0020】
本発明のなお別の側面において、式(IIa)に従う化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物で香料付けされた上質なフレグランスまたはパーソナルケア製品または家庭ケア製品などの芳香物品が提供される。
【0021】
式(IIa)による化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物は、広範囲の芳香物品、例として、香料、エアケア製品、家庭用製品、洗濯製品、ボディケア製品および化粧品などの上質なおよび機能的な香水の任意の領域において使用され得る。化合物は、特定の物品、および他の香気物成分の性質および分量に応じて、幅広くさまざまな量において使用され得る。割合は典型的には、物品の0.0001から5重量%までである。一態様において、本発明の化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物は、0.001から0.3重量%まで(例として0.05を包含して0.01~0.1重量%)の量において布柔軟剤において採用され得る。別の態様において、式(IIa)に従う化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物は、上質な香水だけでなくシャンプー、布柔軟剤または布洗浄剤などの消費者向製品にも、0.001から30重量%(例として、約10または最大20重量%まで)、より好ましくは0.01と5重量%との間の量において使用され得る。しかし、熟達した調香師、より低いまたはより高い濃度で効果を達成し、または新しいアコードを作成もすることができるため、これらの値は例としてのみ与えられる。
【0022】
一態様において、式(IIa)に従う化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物の許容し得る量を含む芳香物品が提供される。例えば、フレグランス物品は、物品の総量に基づき、化合物または異性体混合物の0.000001重量%~90重量%(0.00001重量%;0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%、8重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、50重量%、60重量%、65重量%を包含する)を含んでもよい。
【0023】
式(IIa)に従う化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物は、消費者向製品ベースにおいて、本発明の化合物、または式(IIa)に従う化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物を含む香料組成物、またはその混合物を、消費者向製品ベースと単に混合させることによって採用されてもよく、または、それは、より早いステップにおいて、捕捉材料、例えば、ポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、フィルム形成剤、炭素またはゼオライトなどの吸収剤、環状オリゴ糖類およびその混合物で封入され、および次いで消費者向製品ベースと混合されてもよい。
【0024】
よって、本発明は加えて、化合物を直接消費者向製品ベースに混和することによる、または、式(IIa)に従う化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物を含む香料組成物を混和し、次いで従来の技法および方法を使用し消費者向製品ベースと混合されることにより、フレグランス成分として式(IIa)に従う化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物を導入することを含む、香料物品を製造する方法を提供する。本発明の化合物の嗅覚的に許容し得る量を上述のとおり添加することにより、消費者向製品ベースの香気ノートは、改善、増強、または改変されるであろう。
【0025】
よって、本発明はさらにまた、香料組成物または消費者向製品の快楽特性を付与、増強、改善、または改変する方法を提供し、その方法は、該香料組成物または消費者向製品へ、式(IIa)に従う化合物または(S,Z)-3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IIa)を含む異性体混合物を添加することを含む。
【0026】
本明細書に使用されるとき、「消費者向製品ベース」は、洗浄、柔軟化、およびケアなどの特定の作用を満たす消費者向製品として使用するための組成物を意味する。かかる製品の例は、上質な香水、例として香料およびオードトワレ;化粧品、ランドリーケア洗浄剤、リンスコンディショナー、パーソナルクレンジング組成物、食器洗い機用洗浄剤、表面クリーナーなどの、ファブリックケア、家庭用品およびパーソナルケア製品;洗濯製品、例として柔軟剤、漂白剤、洗浄剤;ボディケア製品、例としてシャンプー、シャワージェル;エアケア製品(好ましくは揮発性の、および大抵心地よい匂いの化合物を含有し、極めて少量においても心地よくない匂いを有利にマスクできる製品を包含する)。リビングエリアのためのエアーフレッシュナーは、とりわけ、松葉油、柑橘油、ユーカリ油、ラベンダー油などの天然および合成の精油を、例えば50重量%までの量で含有する。エアロゾルとして、それらはかかる精油をより少量、例えば重量で5%未満または2%未満含有する傾向があるが、アセトアルデヒド(とりわけ、<0.5重量%)、イソプロピルアルコール(とりわけ、<5重量%)、鉱油(とりわけ、<5重量%)、およびプロペラントなどの化合物をさらに包含する。
【0027】
化粧製品は:
(a)化粧スキンケア製品、とくに風呂製品、皮膚洗浄およびクレンジング製品、スキンケア製品、アイメイク、リップケア製品、ネイルケア製品、インティメイトケア製品、フットケア製品;
(b)特定の効果をもつ化粧製品、とくに日焼け止め剤、日焼け製品、脱色素製品、デオドラント、発汗抑制剤、脱毛剤、およびシェービング製品;
(c)化粧デンタルケア製品、とくにデンタルおよびオーラルケア製品、歯のケア製品、歯科補綴物のためのクリーナー、歯科補綴物のための接着剤;および
(d)化粧ヘアケア製品、とくに毛髪シャンプー、ヘアケア製品、毛髪セット製品、毛髪シェイピング製品、および毛髪着色料製品、
を包含する。
【0028】
エチルシトロネロール(II)は、種々のプロセスにおいて、例えば、以下の例1において説明されるとおり、エチルリナロール(III)から開始する2ステップにおいて調製され得る。代替的に、それはシトロネロールから開始する4ステップにおいて(Biosci.Biotechnol.Biochem.2002、66、582-587)、またはDragoco (1978 11/12,235)による報告に従いメチルエチルケトンから7ステップにおいて得られ得る。
【0029】
一態様において、エチルシトロネロール(II)を調製するためのプロセスの出発材料は、再生可能な供給源から得られる。かかる出発材料により、再生可能な供給源から最終製品にアクセスすることもできる。
【0030】
本発明は、ここで、以下の非限定的な例によってさらに説明される。
例:
例1.3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(II)の調製
エチルシトロネロール(II)は、エチルリナロール(III)から開始し、エチルゲラニオール/エチルネロール(IV)を経て、2ステップのプロセスにおいて調製される。
a)3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエン-1-オール(IV)
【化5】
N
2下で、冷却器を備えた1000mLの三口丸底フラスコに、エチルリナロール(III、637.8g、3.79mol)、VO(OSiPh
3)
3(20.1g、0.022mol)およびPhMe(139g)を入れた。溶液を還流させた(加熱プレートを110℃に設定)。70:30のエチルリナロール:エチルゲラニオール/エチルネロール(3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエン-1-オール)の平衡混合物が観察されるまで、反応の進行をGCによって追跡した。合計3hの反応時間の後、反応混合物を室温まで冷却した。PhMeを除去すると、淡褐色の粗液体(667g)が得られた。反応混合物をワイプドフィルム蒸発器(長さ=16cm、外径5.5cm、80℃、0.04mbar)に通し、回収されたVO(OSiPh3)3(17g)と粗製の材料(エチルリナロール+エチルゲラニオール/エチルネロール混合物)(562.8g)が提供された。粗製の材料を濾過し、分留(スルザー充填カラム(長さ=50cm、内径30mm))により、エチルリナロール(250.1g)、次いでエチルゲラニオール/エチルネロール(IV、92g、純度100%、48%)を1:3.36:3.51:5.59の比率で4つの異性体の混合物として分離された収量)得た。
【0031】
E/E、E/Z、Z/EおよびZ/Z混合物異性体:
1H-NMR (CDCl3、400 MHz): δ = 5.47 - 5.37 (m、4 x 1H)、5.14 - 5.03 (m、4 x 1H)、4.14 (d、J=6.8 Hz、2 x 2H)、4.11 - 4.07 (m、2 x 2H)、2.16 - 1.94 (m、4 x 6H)、1.89 (br s、4 x 1H)、1.75 (m、2 x 3H)、1.67 (m、4 x 3 H)、1.60 (s、2 x 3H)、1.00 - 0.94 (m、4 x 3H) ppm。
13C-NMR (CDCl3、100 MHz): δ = 139.6 (s)、139.5 (s)、139.34 (s)、139.28 (s)、137.9 (s)、137.7 (s)、137.3 (s)、137.1 (s)、124.43 (d)、124.37 (d)、123.42 (d)、123.35 (d)、122.3 (d)、122.1 (d)、59.1 (t)、58.78 (t)、58.76 (t)、39.8 (t)、39.5 (t)、32.22 (t)、32.19 (t)、31.9 (t)、26.3 (t)、26.2 (t)、26.1 (t)、25.9 (t)、24.7 (t)、24.6 (t)、23.3 (q)、22.72 (q)、22.68 (q)、16.1 (q)、15.8 (q)、12.73 (q)、12.69 (q),12.67 (q)、12.6 (q) ppm.
【0032】
E/E異性体(メジャー):
13C-NMR (CDCl3、100 MHz): δ = 139.3 (s)、137.1 (s)、123.4 (d)、122.3 (d)、59.1 (t)、39.5 (t)、32.2 (t)、26.2 (t)、16.1 (q)、15.8 (q)、12.7 (q) ppm.
ピーク 1. MS (EI、Rt 6.43 min.、70 eV): 168 (1、[M]+・)、121 (9)、93 (17)、84 (14)、83 (33)、67 (15)、55 (100)、53 (10)、41 (39)、39 (15)、29 (11).
ピーク 2. MS (EI、Rt 6.51 min.、70 eV): 168 (1、[M]+・)、121 (9)、93 (18)、84 (14)、83 (35)、67 (15)、55 (100)、53 (10)、41 (38)、39 (14)、29 (10).
ピーク 3. MS (EI、Rt 6.62 min.、70 eV): 168 (0、[M]+・)、137 (9)、93 (9)、84 (8)、83 (37)、67 (13)、55 (100)、53 (9)、41 (36)、39 (12)、29 (10).
ピーク 4. MS (EI、Rt 6.67 min.、70 eV): 168 (1、[M]+・)、93 (9)、84 (8)、83 (39)、67 (13)、55 (100)、53 (9)、43 (8)、41 (35)、39 (12)、29 (9).
【0033】
b)3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(II)
【化6】
空気雰囲気下で、3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(IV、92g、0.547mol、純度100%)とMeOH(108g)を、続いてラネーニッケル(0.92g、ペレット状で一気に添加)500mLのオートクレーブ容器に加え、容器を密閉した。撹拌しながら(600rpm)、オートクレーブをN
2(1.8バール)で3回、次にH
2(2.0バール)で3回フラッシュした。H
2圧を10barに調整した後、撹拌を1500rpmに上げながら、オートクレーブを50℃に加熱した。反応の進行に続いてサンプリングを行った。t=6h39minで、オートクレーブの加熱とH
2フローを停止した。冷却した後、圧力を解放し、オートクレーブをN
2(1.8バール)で3回フラッシュした。反応混合物を濾過して不均一触媒を除去し、MeOHを除去して、3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(II、78.6g、純度86.9%、収率79.8%)を2:1の比率の2つの二重結合異性体を含む無色の液体として得た。
【0034】
1H-NMR (CDCl3、400 MHz): δ = 5.14 - 5.03 (m、2 x 1H、E+Z)、3.74 - 3.60 (m、2 x 2H、E+Z)、2.09 - 1.89 (m、2 x 4H、E+Z)、1.67 (q、J=1.2 Hz、3H、Z)、1.60 (sb、3H、E)、1.66 -1.13 (m、2 x 5H、E+Z)、0.98 (t、J=7.5 Hz、3H、E)、0.96 (t、J=7.5 Hz、3H、Z)、0.91 (d、J=6.7 Hz、3H、E)、0.91 (d、J=6.6 Hz、3H、Z) ppm.
13C-NMR (CDCl3、100 MHz): δ = 137.0 (s、Z)、136.7 (s、E)、124.3 (d、Z)、123.1 (d、E)、61.1 (2t、E+Z)、39.8 (2t、E+Z)、37.5 (t、Z)、37.2 (t、E)、32.3 (t、E)、29.2 (2d、E+Z)、25.3 (t、E)、25.0 (t、Z)、24.7 (t、Z)、22.8 (q、Z)、19.5 (2q、E+Z)、15.8 (q、E)、12.8 (q、Z)、12.7 (q、E) ppm.
ピーク 1。MS (EI、Rt = 6.43 min.、70 eV): 170 (3、[M]+・)、123 (39)、95 (18)、83 (18)、81 (42)、71 (18)、70 (19)、69 (21)、67 (26)、55 (100)、41 (45).
ピーク 2。MS (EI、Rt = 6.43 min.、70 eV): 170 (3、[M]+・)、123 (39)、95 (18)、83 (19)、81 (41)、71 (18)、70 (18)、69 (21)、67 (26)、55 (100)、41 (45).
【0035】
例2.立体異性体分離
3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-オール(II)は、SFC(超臨界流体クロマトグラフィー)による個々の異性体への分離を可能にするため、対応する3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-イル4-ニトロベンゾエート(V)に変換され、続いて個々の化合物(IIa)、(IIb)、(IIc)および(IId)へエステル加水分解された。
【化7】
a)3,7-ジメチルノナ-6-エン-1-イル4-ニトロベンゾアート(V):
0℃のDCM(100mL)中の化合物1(5g、29ミリモル、1当量)の撹拌溶液に、p-ニトロ安息香酸(2)(7.35g、44ミリモル、1.5当量)、DCC(11.3g、55ミリモル、1.9等量)、およびDMAP(1.41g、11.6ミリモル、0.4等量)を添加した。それを室温で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過した固体をDCM(50mL)で洗浄した。濾液を水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物(V)をHPLCで精製して、3(6g、64%)を無色の液体として得た。
【0036】
b)SFC分離:
化合物(V)(6g)をSFC精製(15%共溶媒:メタノール中0.5%イソプロピルアミン、カラム:Lux A1(250×30mm、5μ)、流速:3ml/分)にかけ、4つの画分(Vc)、(Va)、(Vb)、および(Vd)を得る。
【0037】
c)エステル加水分解:
THF-MeOH&H2O(7:2:1体積)中の化合物Vaの撹拌溶液に、室温でLiOH・H2O(2当量)を添加した。それを室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離液として石油エーテル中の6~7%EtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、IIaを無色の液体として得た。化合物(Vb)、(Vc)および(Vd)は、それぞれ化合物(IIb)、(IIc)および(IId)を生成するために加水分解された。個々の異性体の配置は、キラルGCおよびNMR分析によってアサインされた。
【0038】
例3.香水例
以下のアコードにおいて、化合物(IIa)、(s)-異性体(IIa)と(IIc)との混合物およびシトロネロールが比較される。このシャワージェルアコードは、最終使用ベースの1~1.5%で適用する必要がある。
【0039】
【0040】
一般的なアコードは、新鮮でジューシーなフルーティーなシトラスアコードを与え、主に新鮮なシトラスレモンのトップノートとローズのようなラズベリーライチのハートノートと組み合わされる。シトロネロール(アコードAにおいて使用)は、ニートで全体的なローズのような新鮮さ(freshness)、および使用においてブルーム(bloom)をサポートする。
(S)-エチルシトロネロール(IIa+IIc、アコードBにおいて使用)は、ニートおよび使用においてアコードに追加の快楽の新鮮さおよび自然さを与える。さらに、シャワー体験の間(during the shower experience)、ブルームおよび拡散が明らかに改善される著しい利点をもたらす。(S,Z)-エチルシトロネロール(IIa、アコードCにおいて使用)は、強烈な花のローズのような特徴と心地よいジューシーなフルーティーなライチ感との両方を組成物にもたらし、シトロネロールと比較して、5分の1添加されるときでさえ明確な快楽の利点をもつ、ニートで好ましい強度、および使用において優れたブルームおよび部屋の充填をもたらす。ラセミ体の(S)-エチルシトロネロールと比較して、この特定の異性体は、(S,E)-異性体のより技術的でラフな面をもたずに、ブルームおよび心地よい快楽の特徴をもたらす。
【0041】
例4.GC閾値の比較
以下の表において、シトロネロール、リナロール、およびゲラニオール-ネロールの混合物のGC閾値を、1つのメチル基で形状的に伸ばされた、対応するいわゆるエチル類縁体と比較する。
【0042】
【0043】
リナロール:3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール;エチルリナロール:3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール;ゲラニオール/ネロール:E/Z-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール;エチル-ゲラニオール/-ネロール:E/Z-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエン-1-オール。
典型的には、エチル基によるメチル基の置き換えは、化合物の影響または性能に関連するGC閾値を有意に変更しないことが見受けられる。エチルシトロネロールの場合、この化合物がメチル類縁体シトロネロールよりも著しい高い性能を有することは驚くべきことである。
【国際調査報告】