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特表2023-520025物品群をピックアップして移動させるためのデパレタイズ機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】物品群をピックアップして移動させるためのデパレタイズ機械
(51)【国際特許分類】
   B65G 59/02 20060101AFI20230508BHJP
   B65B 43/16 20060101ALI20230508BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
B65G59/02 Z
B65B43/16
B65G47/91 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559832
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 IB2021052726
(87)【国際公開番号】W WO2021198972
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】102020000007075
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】カルボーニ,サルヴァトーレ
(72)【発明者】
【氏名】ビオンディ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ヴィターリ,アントニオ
【テーマコード(参考)】
3E030
3F030
3F072
【Fターム(参考)】
3E030AA02
3E030BA02
3E030BB01
3E030DA01
3E030FA07
3F030AB04
3F030BA02
3F072AA06
3F072AA29
3F072GA05
3F072GD05
3F072JA06
3F072JA07
3F072KD01
(57)【要約】
物品群(S)、具体的にはブランクの束をピックアップして移動させるためのデパレタイズ機械(1)は、1つまたは複数の物品群、具体的にはブランクの1つまたは複数の束を収容する可動マガジン(M)のための少なくとも1つの受入領域(3)を内部に備えた収容構造(2)を備える。機械(1)はまた、マガジン(M)を前記少なくとも1つの受入領域(3)に挿入することおよび前記マガジン(M)を受入領域(3)から取り出すことを可能にするための少なくとも1つのアクセス開口部(4)を備える。機械(1)はまた、可動マガジン(M)から一連の物品群(S)を受け入れて機械(1)の外側に向かって物品群(S)を移動させるように構成された少なくとも1つの収集領域(5)を備える。機械(1)はまた、少なくとも1つの受入領域(3)内の可動マガジン(M)の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、可動マガジン(M)から物品群(S)をピックアップして収集領域(5)に移送するように構成されたピックアップヘッド(7)とを備える。機械(1)はまた、可動マガジン(M)の位置に関して少なくとも1つのセンサから得られた少なくとも1つの情報項目の関数としてピックアップヘッド(7)の予め定められた運動法則を設定するように構成された制御ユニットを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品群(S)、具体的にはブランクの束をピックアップして移動させるためのデパレタイズ機械(1)であって、
1つまたは複数の物品群、具体的にはブランクの1つまたは複数の束を収容する可動マガジン(M)のための少なくとも1つの受入領域(3)を内部に備えた収容構造(2)と、
前記可動マガジン(M)を前記少なくとも1つの受入領域(3)に挿入することおよび前記可動マガジン(M)を前記受入領域(3)から取り出すことを可能にするための少なくとも1つのアクセス開口部(4)と、
前記少なくとも1つの受入領域(3)に配置された前記少なくとも1つの可動マガジン(M)から一連の前記物品群(S)を受け入れて、前記機械(1)の外側に向かっておよび/または処理ステーションに向かって前記物品群(S)を移動させるように構成された少なくとも1つの収集領域(5)と、
前記少なくとも1つの受入領域(3)内の前記可動マガジン(M)の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、
前記収容構造(2)の上部に移動可能であるピックアップヘッド(7)であって、前記少なくとも1つの受入領域(3)に配置された前記少なくとも1つの可動マガジン(M)から連続して前記物品群(S)をピックアップして前記物品群(S)を前記収集領域(5)に移送するように構成されたピックアップヘッド(7)と、
前記可動マガジン(M)の位置に関して、前記少なくとも1つのセンサから得られた少なくとも1つの情報項目の関数として、前記ピックアップヘッド(7)の予め定められた運動法則を設定するように構成された制御ユニットと、を備え、
前記収容構造(2)は、対応するそれぞれの可動マガジン(M)のための複数の受入領域(3)を内部に備え、前記複数の受入領域(3)は、それぞれ独立したアクセス開口部(4)を有し、好ましくは並置の方向に沿って順番に配置されており、前記ピックアップヘッド(7)は、前記物品群(S)を前記複数の受入領域(3)から前記収集領域(5)に移送するように構成される、機械(1)。
【請求項2】
前記制御ユニットは、開ループロジックに従って前記ピックアップヘッド(7)の前記予め定められた運動法則を設定するように構成されており、前記制御ユニットは、より具体的には、前記可動マガジン(M)の位置に関する前記少なくとも1つの情報項目の関数として、前記可動マガジン(M)から少なくとも1つの物品群(S)をピックアップする場合に前記ピックアップヘッド(7)に与えられるべき空間位置を決定するように構成されている、請求項1に記載の機械(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサは、各受入領域(3)に対して、前記可動マガジン(M)と前記受入領域(3)の境界を定める側壁(3a)との間の距離を測定するように構成された第1および第2のセンサを備え、前記第1および第2のセンサは好ましくは光学センサである、請求項1または2に記載の機械(1)。
【請求項4】
前記可動マガジン(M)の前記位置に関する前記少なくとも1つの情報項目が、前記可動マガジン(M)が予め定められた許容範囲外にあることを示す場合に、前記制御ユニットは、前記ピックアップヘッド(7)の移動を無効にして、好ましくは、アラーム信号を生成するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの受入領域(3)内に配置され且つ前記可動マガジン(M)を前記受入領域(3)内の予め定められた位置に固定するように構成された保持装置をさらに備え、前記保持装置は、前記受入領域(3)の両側に配置され且つ作動位置と停止位置との間で相互に移動可能である第1の押し要素(8a)および第2の押し要素(8b)を備え、前記作動位置では、前記第1の押し要素(8a)および前記第2の押し要素(8b)は、前記受入領域(3)の中心に向かって延在し且つ前記可動マガジン(M)のさらなる移動を防止するように前記可動マガジン(M)の対応するそれぞれの側部と係合し、前記停止位置では、前記第1の押し要素(8a)および前記第2の押し要素(8b)は、引っ込んだ位置をとり、前記可動マガジン(M)の前記対応するそれぞれの側部から係合解除されて、前記可動マガジン(M)が前記受入領域(3)に出入りすることを可能にし、前記第1の押し要素(8a)および前記第2の押し要素(8b)は、好ましくはパンタグラフ式関節アームを備える、請求項1から4のいずれか一項または複数に記載の機械(1)。
【請求項6】
前記可動マガジン(M)の前記位置に関する前記少なくとも1つの情報項目が、前記可動マガジン(M)が予め定められた許容範囲外にあることを示す場合に、前記制御ユニットは、前記第1の押し要素(8a)および前記第2の押し要素(8b)の移動を無効にし、好ましくは、アラーム信号を生成するように構成される、請求項5に記載の機械(1)。
【請求項7】
前記ピックアップヘッド(7)は、互いに横断する2つの水平軸(X、Y)および垂直軸(Z)に沿って並進移動可能であり、前記ピックアップヘッド(7)はまた、前記垂直軸(Z)周りに回転移動可能である、請求項1から6のいずれか一項または複数に記載の機械(1)。
【請求項8】
前記ピックアップヘッド(7)は、前記可動マガジン(M)が前記収集領域(5)に移動している間、前記物品群(S)を支持するように、前記可動マガジン(M)によって支持された物品群(S)の下面に係合するために、少なくとも、互いに対向する第1の対のピックアップ要素(7a、7b)と、前記第1の対のピックアップ要素(7a、7b)と連動して作用する互いに対向する第2の対のピックアップ要素(7c、7d)とを備え、前記ピックアップヘッド(7)は、各対のピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)間で動作するリトラクタ機構(9)を備え、各対のピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)を第1の移動方向に沿って互いに接近および離間する調整移動に従って移動させ、各対の2つのピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)は、好ましくは、他の対のピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)とは独立して調整可能である、請求項1から7のいずれか一項または複数に記載の機械(1)。
【請求項9】
前記ピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)の各々は、支持バー(10)、好ましくは垂直である支持バー(10)であって、上部で前記リトラクタ機構(9)に接続され且つ下部に、ピックアップされる物品群(S)の下に挿入されるように適合された持ち上げフィンガ(11)を備える支持バー(10)を備え、前記ピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)の各々は、好ましくはC字形であり、二対の一方のピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)は、前記物品群(S)のより広い部分と係合するために、C字形であって、その凹面が他方の対のピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)の凹面よりも深いC字形を有する、請求項8に記載の機械(1)。
【請求項10】
特に、前記第1の移動方向に対して横方向、好ましくは垂直な第2の移動方向に沿って、前記第1の対のピックアップ要素(7a、7b)と前記第2の対のピックアップ要素(7c、7d)との間の距離を調整するためのスペーシング機構(12)を備え、二対のピックアップ要素(7a、7b、7c、7d)の一方の対は、好ましくは前記第2の移動方向に沿って固定される、請求項8または9に記載の機械(1)。
【請求項11】
物品群(S)、具体的にはブランクの束をピックアップして移動させる方法であって、前記方法は、好ましくは請求項1から10のいずれか一項または複数に記載の機械(1)によって実施され、前記方法は、
可動マガジン(M)を受入領域(3)に挿入するステップであって、前記可動マガジン(M)が1つまたは複数の物品群(S)を支える、ステップと、
少なくとも1つのセンサを介して前記受入領域(3)内の前記可動マガジン(M)の位置を検出するステップと、
前記受入領域(3)に配置された前記可動マガジン(M)から前記物品群(S)を連続してピックアップし、ピックアップヘッド(7)を介して前記物品群(S)を前記収集領域(5)に移送するステップと、を含み、
前記物品群(S)をピックアップして移送する前記ステップは、前記少なくとも1つのセンサから、具体的には開ループ制御ロジックを通じて、得られる前記可動マガジン(M)の前記位置に関する少なくとも1つの情報項目の関数として、前記ピックアップヘッド(7)の予め定められた運動法則を設定することによって達成され、可動マガジン(M)を前記少なくとも1つの受入領域(3)に挿入する前記ステップは、自動自走式トロリー(M1)によって達成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品群、特にブランクの束をピックアップして移動させるためのデパレタイズ機械および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、デパレタイズ機械は、例えばロボット化されたアームなどの機械的な移動手段を備え、当該移動手段は、受入領域から一連の物品群をピックアップして当該一連の物品群を収集領域に向かって移動させるように構成されている。
【0003】
これらのデパレタイズ機械は、ロボット化されたアームと物品群との間の相互作用に高レベルの精度を必要とする。物品群から個々の物品を把持してピックアップすることが、物品および/またはロボット化されたアームに損傷を与え得る不要な干渉を生じさせてはならないからである。
【0004】
このため、従来技術で知られているデパレタイズ機械は非常に複雑であり、非常に高い生産コストを特徴としている。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、物品群をピックアップして移動させるための、非常に単純で且つ安価なデパレタイズ機械および方法を提供することである。
【0006】
指定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を備えた、物品群をピックアップして移動させるためのデパレタイズ機械および方法によって実質的に達成される。従属請求項は、本発明の可能な実施形態に対応する。
【0007】
より具体的には、指定された目的は、本発明による、物品群、特にブランクの束をピックアップして移動させるためのデパレタイズ機械によって実質的に達成される。この機械は、収容構造、好ましくは箱および/または水平に延びる平行六面体の形状の収容構造であって、1つまたは複数の物品群(例えば、ブランクの1つまたは複数の束)を収容する可動マガジンのための少なくとも1つの受入領域を内部に備え、且つ、マガジンを受入領域に挿入することまたは物品群がピックアップされた後に受入領域から取り出すことを可能にするための少なくとも1つのアクセス開口部を有する収容構造を備える。物品群がピックアップされる動作はピックアップヘッドにより実行され、ピックアップヘッドは、収容構造の上部に移動可能であり、受入領域に配置されたマガジンから物品群を連続してピックアップして物品群を収集領域に移送するように構成されており、収集領域で物品群は機械の外側に向かっておよび/または処理ステーションに向かって移動する。デパレタイズ機械はまた、受入領域内の可動マガジンの位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、可動マガジンの位置に関して、センサから得られた少なくとも1つの情報項目の関数として、ピックアップヘッドの予め定められた運動法則を設定するように構成された制御ユニットと、を備える。
【0008】
好ましくは、デパレタイズ機械は、1つまたは複数の垂直マガジンと相互作用するように設計されており、1つまたは複数の垂直マガジンの各々は、例えば、マガジンを手動で、またはより好ましくは自動で(予め定められた経路または制御ユニットによって規定された経路に沿ってマガジンを移動させるように構成された自動システムを使用して)移動させることによって、マガジンを受入領域に対して移動させるのを容易にするように構成されたトロリーに取り付けられている。
【0009】
より詳細に見ると、マガジンは、それぞれの物品群の下側を支持するように構成された等間隔に空けられた一連の支持要素群が動作するチャネルを画定する複数の垂直支持体を備える。したがって、マガジンは、機械がマガジンから物品群を取り出しやすくするように構成された予め定められたサイズの空間によって一の物品群がその上の物品群から分離されるように、互いに積み重ねられた物品群を収容する。
【0010】
好ましくは、ピックアップヘッドは、互いに横切る、具体的には互いに垂直な2つの水平軸に沿って、および、垂直軸であって、その軸周りに、ピックアップヘッドが、例えばピックアップされる物品群の位置に対してそれ自体をより適切に方向付けるために、好ましくは回転できる、垂直軸に沿って、並進移動可能である。
【0011】
本発明の有利な態様によれば、ピックアップヘッドは、前述のセンサによって検出された、受入領域におけるマガジンの位置の関数として、予め定められた運動法則に従って移動可能である。制御ユニットは、ピックアップヘッドが最適化された経路を辿ってピックアップされる物品群に到達することを可能にするように、センサによって検出されたマガジンの位置の関数として適切な運動法則を設定できる。
【0012】
言い換えれば、受入領域におけるマガジンの位置を特定した後、制御ユニットは、センサによって取り込まれたマガジン自体の位置に関する情報を処理し、特に、最終的な座標(水平面内のおよび高さの座標、および該当する場合にはまた垂直軸周りに回転可能である)を設定することによって、ピックアップヘッドの特定の運動法則を生成する。
【0013】
有利なことに、マガジンの位置に基づいて運動法則を生成する可能性は、複雑な移動システムを必要とせず、特に「開ループ」ロジックを介して、制御ユニットによって駆動される適切なアクチュエータのみを必要とするという点で、機械を大幅に簡素化する。
【0014】
本発明の一態様によれば、ピックアップヘッドは、ピックアップヘッドの下の領域を検査してマガジンの存在および/またはマガジン上の物品群の存在をチェックするように構成されたセンサ(例えば、アナログセンサ)を備える。このようにして、ピックアップヘッドが物品群から離れている場合にピックアップヘッドをより高速で移動させることができ、物品群に近い場合にだけ減速させることができる。これはまた、群の有無(マガジン/チャネルに群が積まれているか空であるか)をチェックすること、およびマガジンから収集領域への移送中に、ピックアップされた物品群の存在をチェックすることを可能にする。
【0015】
本発明の一態様によれば、ピックアップヘッドには、ピックアップされる物品群の下面と、具体的には物品群を外側から取り囲むことによって、係合するように構成された、互いに向き合う第1の対のピックアップ要素と、互いに向き合う第2の対のピックアップ要素とが設けられている。
【0016】
好ましくは、各対の各ピックアップ要素は、垂直支持バーと、ピックアップされる物品群の下に、すなわち、上下に配置された2つの物品群の間の空間を通して挿入されるように適合された、底部の持ち上げフィンガとを備える。
【0017】
好ましくは、各ピックアップ要素は、互いに対向する2つの凹部を有するようにCの形状を有し、さらにより好ましくは、一の対のピックアップ要素の各々はCの形状を有し、その凹面は他の対のピックアップ要素の凹面よりも深い。有利なことに、このように成形されたピックアップ要素は、断面平面において複雑な形状、例えばアンダーカットを有する物品群をピックアップすることを可能にする。
【0018】
好ましくは、ピックアップヘッドの全部または一部を解体することなく、種々の形状およびサイズの物品群をピックアップするために、ピックアップヘッドは、第1の移動方向に沿って互いに接近および離間する調整移動に従って各対のピックアップ要素を移動させるために、各対のピックアップ要素間で動作するリトラクタ機構を備える。
【0019】
好ましくは、リトラクタ機構は第1および第2の送りねじを備え、第1および第2の送りねじに沿って対応する対のピックアップ要素は、対応するねじの端部に位置する完全に引っ込んだ位置と、ねじに沿って中間で互いに接近している閉鎖位置との間で移動する。
【0020】
より具体的には、各対のピックアップ要素が互いに接近および離間するように移動できるようにするために、送りねじは、第1の右ねじ部分と第2の左ねじ部分とを有する。
【0021】
好ましくは、各対の2つのピックアップ要素は、物品群であって、その断面平面の形状が一定の幅ではない、または例えば十字形またはT字形などの「葉状」である物品群をピックアップすることを可能にするために、他の対のピックアップ要素とは無関係に、互いに接近および離間するように調整可能である。
【0022】
言い換えれば、第1の対のピックアップ要素は、第2の対の要素と比較して異なる程度で互いに接近および離間するように移動できる。
【0023】
したがって、リトラクタ機構により、ピックアップヘッドを、ピックアップされる物品群の形状およびサイズに迅速且つ容易に適合させることが可能になる。
【0024】
有利なことに、このリトラクタ機構はまた、ピックアップヘッドとマガジンとの間の衝突または妨害を防止するために、マガジンの構造に基づいて、特に、物品群を収容するチャネルを画定する垂直支持体の位置に基づいて、ピックアップヘッドを適合させることを可能にする。
【0025】
この目的のために、マガジンは、好ましくは、物品群を支持する手段が、当該物品群のすぐ下の物品群がピックアップされる場合に引っ込んだ位置をとるように設計される。
【0026】
より詳細に見ると、引っ込んだ位置とは、支持手段の下の物品群を掴みやすくするために、支持手段がマガジンの範囲を定める垂直支持体に対して位置合わせされた位置を意味する。
【0027】
引っ込んだ位置に向かう支持手段の移動は、その直下の支持手段が物品群に当接してマガジンのチャネルに沿って上方に移動する場合に生じる。
【0028】
言い換えれば、物品群がマガジンからピックアップされる場合、ピックアップヘッドはマガジンのチャネルに沿って上向きに移動してマガジンから物品群を引き出す。この移動中、物品群は、当該物品群のすぐ上の(もはやどの物品群も支持していない)支持手段に衝突し、それらに引っ込んだ位置を取らせる。
【0029】
ピックアップヘッドの汎用性をさらに高めるために、デパレタイズ機械はまた、特に、第1の移動方向に対して横方向である、好ましくは垂直である第2の移動方向に沿って、第1の対のピックアップ要素と第2の対のピックアップ要素との間の距離を調整するためのスペーシング機構を備える。好ましくは、ピックアップ要素の対の一方の対は第2の移動方向に沿って固定され、他方の対は第2の移動方向に沿って移動可能である。好ましくは、第2の移動方向も送りねじによって規定される。より詳細には、この送りねじのねじ山は、可動の対のピックアップ要素が固定の対のピックアップ要素に接近および離間するように移動できるように、ねじの全長に沿って一方向に向けられている。
【0030】
有利なことに、第1の対のピックアップ要素および第2の対のピックアップ要素を調整することにより、ピックアップヘッドを任意のサイズの物品群に適合させるだけでなく、ピックアップ要素を交互の位置に配置できるようにしてピックアップ動作中にマガジンの垂直支持体に干渉しないように、ピックアップヘッドをマガジンの構造に適合させることが可能である。
【0031】
また、本発明の対象は、前述の特徴の1つまたは複数を有する機械によって実施される、物品群、特にブランクの束をピックアップして移動させるための方法である。
【0032】
この方法は、積み重ねられた物品群を収容する可動マガジンを受入領域に挿入するステップを含む。この方法はまた、受入領域内の可動マガジンの位置を、そこに配置されたセンサを介して少なくとも横方向において検出するステップと、次に、ピックアップヘッドによって、可動マガジンから物品群を連続してピックアップしてそれらを収集領域に移送するステップと、を含む。
【0033】
より具体的には、物品群をピックアップして移送するステップは、可動マガジンの位置に関してセンサから得られる少なくとも1つの情報項目の関数として、ピックアップヘッドの予め定められた運動法則を設定することによって達成される。したがって、動作可能なように、可動マガジンが受入領域に配置されると、この方法は、ピックアップヘッドが可動マガジンの上方の位置に到達するまで収容構造の上部に沿って水平面においてデカルト並進運動に従って移動するステップを含む。
【0034】
好ましくは、このステップの前に、ピックアップされる物品群のサイズに関連して適切な距離で対のピックアップ要素を配置するようにスペーシング機構が駆動されるステップがある。
【0035】
ヘッドがマガジンの上方の位置にあると、この方法は、ピックアップヘッドをマガジンに近づけてピックアップ要素のフィンガをピックアップされる物品群と同一の高さ、またはそのすぐ下に移動させるステップを含む。このステップ中、ピックアップヘッドは、必要に応じて、ピックアップされる物品群の位置にその向きを合わせるように、垂直軸周りに回転してもよい。
【0036】
次に、制御ユニットは、第1および第2の対のピックアップ要素が、ピックアップされる物品群の下で互いに接近するように、リトラクタ機構を適切に駆動する。
【0037】
この方法はまた、ピックアップヘッドによってマガジンから物品群をピックアップするステップを含む。より具体的には、このステップでは、ピックアップヘッドは、物品群が収集領域に向かって移送され得るようにマガジンチャネルの上部に沿って且つ当該上部から出るまで垂直方向に当該物品群を持ち上げる。
【0038】
有利なことに、ピックアップヘッドの完全に調整可能な構造により、ピックアップヘッドがマガジンと干渉することも妨害することもなく、ピックアップ動作を実行することが可能である。
【0039】
さらに、ピックアップヘッドは、マガジン上に任意の方法で配置された物品群をピックアップするために、垂直軸周りに例えば90°または180°の角度だけ回転できる。例えば、マガジンは2つ以上の並置された物品群の積み重ねを収容でき、マガジンスペースを最適化するために、2つの積み重ねは、同一方向に向けられている、または互いに180°だけ回転されて向けられている。
【0040】
有利なことに、マガジン構造はまた、ピックアップ動作を容易にすることが可能である。特に、物品群を支持する支持手段の引っ込んだ位置は、ピックアップ要素のフィンガが物品群に衝突して物品群を落下させるまたはその他の望ましくない影響を生じさせることを防止する。
【0041】
本発明のさらなる特徴およびその利点は、ブランクの束のためのマガジンの好ましい実施形態を参照して、以下の非限定的な説明においてより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本説明は、本発明の範囲を制限することなく例示の目的でのみ提供される添付の図面を参照して以下に記載される。
図1】本発明のデパレタイズ機械の斜視図を示す。
図2図1の機械の平面図である。
図3A-3B】異なる動作構成における機械の一部のそれぞれの平面図を示す。
図4図1のデパレタイズ機械の一部の正面図を示す。
図5A-5B】本発明の機械の構成要素の斜視図を示す。
図6】本発明の機械の一部によって実行される予備動作ステップの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
添付の図面を参照すると、数字1は、物品群S、具体的にはブランクの束をピックアップして移動させるためのデパレタイズ機械であって、1つまたは複数の物品群S、具体的にはブランクの束を収容する可動マガジンMのための少なくとも1つの受入領域3が内部に設けられた収容構造2を備えるデパレタイズ機械を示す。
【0044】
本発明による機械1は、三次元容器、特にコーヒー市場向けのばら製品、例えばカプセルまたはポッド用のパッケージを製造するためのブランクの群を移動させるために特に設計されている。より一般的に言えば、本発明は、次の分野の容器の製造、すなわち、食品、吸収性製品、セラミック製品、タバコおよび製薬産業、高品質の箱または空の状態で販売される標準的な箱などの容器の製造に適用できる。
【0045】
また、「ブランク」という用語は、シートまたは連続ウェブに適用される打ち抜きまたはその他の同様のプロセスによって得られる折り畳み可能な材料の片、例えば、ボール紙、セルロース、プラスチックまたはその他の材料の片を意味するために使用される。
【0046】
好ましくは、図4に示されるように、受入領域3は、自動自走式トロリーM1を備える垂直マガジンを収容するように構成され、垂直マガジンに複数の垂直支持体M2が取り付けられて1つまたは複数の収容チャネルを画定し、当該1つまたは複数の収容チャネルに物品群Sが特定の支持手段M3によって下から支持され、当該特定の支持手段M3は物品群Sを予め定められた間隔で積み重ねることを可能にする。
【0047】
マガジンMを受入領域3に挿入することおよび物品群Sがピックアップされた後にマガジンMを受入領域3から取り出すことを可能にするために、デパレタイズ機械1はまた、少なくとも1つのアクセス開口部4を備える。
【0048】
添付の図面に示される実施形態では、収容構造2は内部に複数の受入領域3を備え、各受入領域3は、それぞれの可動マガジンMを受け入れるためのそれぞれの独立したアクセス開口部4を有する。特定の実施形態では、これらの受入領域3は、機械1の主の展開方向に沿って位置合わせされている。しかしながら、それらは、図示されていない他の構成で配置されてもよい。
【0049】
好ましくは、受入領域3のアクセス開口部4は各々、図1に示されるように、それぞれの可動マガジンMを出し入れ可能にするように互いに独立して開くことができるドアを備える。好ましくは、ドアはシャッタードアであってもよいし、または代替的に、水平軸周りに回転することによって開くタイプのものであってもよい。
【0050】
デパレタイズ機械1はまた、受入領域3に配置された可動マガジンMから一連の物品群Sを受け取り、機械1の外側に向かって及び/または処理ステーションに向かって物品群Sを移動させるように構成された収集領域5を備えてもよい。
【0051】
図2に示される実施形態では、収集領域5は、平行移動する上面を有するベルトコンベアまたは他の直線コンベアの形態である。
【0052】
収集領域5は、受入領域3の1つに隣接して配置されてもよいし、それとは異なるように形成、例えば、機械1の主の展開方向に沿って延びて受入領域3の底部に配置されてもよい。さらに、複数の収集領域5、例えば、各受入領域3に1つの収集領域が存在してもよい。
【0053】
各受入領域3は、好ましくは、それぞれの壁3a、3bまたはセパレータ要素によって側部および後部で区切られている。さらに、受入領域3は各々、アクセス開口部4を通って受入領域3に入るマガジンMの進入方向に対して横方向に配置された一対のセンサ(図示せず)を備える。好ましくは、センサは、各受入領域3の側壁3aに配置され、場合によっては底壁3bにも配置される。
【0054】
物品群Sは、特に制御ユニット(図示せず)によって実施される予め定められた運動法則に従って収容構造2の上部で移動可能な少なくとも1つのピックアップヘッド7によって、マガジンMから収集領域5に移動される。好ましくは、すべての受入領域3によって共有されるただ1つのピックアップヘッド7が存在する。しかしながら、複数の収集領域5が存在する、または各受入領域3がそれ自体の収集領域5に関連付けられている変形実施形態では、各受入領域3および/または各収集領域5に対して1つのピックアップヘッド7があってもよい。
【0055】
より詳細には、制御ユニットは、受入領域3内のマガジンMの位置、具体的には横方向の位置(および、必要に応じて縦方向の位置)に関する情報をセンサから受信し、その情報を処理して、ピックアップヘッドの適切な運動法則を生成するように構成される。
【0056】
好ましくは、制御ユニットは、開ループロジックに従ってピックアップヘッド7の予め定められた運動法則を設定するように構成され、これにより制御ユニットは、可動マガジンMから少なくとも1つの物品群Sをピックアップする場合にピックアップヘッド7に与えられるべき最終空間位置を決定する。
【0057】
より具体的には、制御ユニットは、可動マガジンMの位置に関してセンサから受信する情報の関数として、ピックアップヘッド7に与えられるべき空間位置を決定する。
【0058】
有利なことに、受入領域3内のマガジンMの位置に基づいてピックアップヘッド7の運動法則を変える可能性は、ピックアップヘッド7の不必要な移動による時間の浪費を防いでプロセスを簡素化して経済的に有利にすることを可能にすることによって、物品群Sをピックアップするプロセス全体をスピードアップすることを可能にする。
【0059】
したがって、動作可能なように、上下に積み重ねられた物品群Sを収容する1つまたは複数の可動マガジンMは、それぞれの受入領域3に挿入される。各受入領域3において、センサはマガジンMの横方向位置を検出し、情報を制御ユニットに送信し、制御ユニットはその情報の関数としてピックアップヘッド7の予め定められた運動法則を設定する。
【0060】
好ましくは、制御ユニットは、例えば、物品群Sが収集領域5に放出されるときの向きに関する優先事項、または物品群Sが種々の受入領域3でピックアップされる順序に関する優先事項などのユーザの特定のニーズも考慮して、ピックアップヘッド7の運動法則を計画可能である。
【0061】
運動法則が処理されると、ピックアップヘッド7は、制御ユニットによって設定された予め定められた順序に従って物品群Sをピックアップするように、種々の受入領域3のマガジンMの間を移動する。
【0062】
好ましくは、ピックアップヘッド7は、マガジンMの上方に配置されるまで、例えばガントリ構造によって規定される、互いに横断する2つの水平軸X、Yに沿って平行移動する。
【0063】
好ましくは、必要に応じて、ピックアップヘッド7はまた、その向きがピックアップされる物品群Sの向きと適合しない場合、2つの水平軸X、Yに垂直な垂直軸Z周りに回転する。より具体的には、この回転は、例えば、マガジンMが物品群の2つ以上の積み重ねを収容しており、1つの積み重ねの物品が他の積み重ねの物品に対して90°または180°に配置されている場合に、物品群SがマガジンM内に配置される方向と関連付けられてもよい。
【0064】
次に、ピックアップヘッド7は、ピックアップされる物品群Sが位置する高さに到達するために、垂直軸Zに沿って下方にマガジンMに向かって下降する。
【0065】
ピックアップ動作を実行するために、ピックアップヘッド7は、物品群Sが可動マガジンMから収集領域5に移動しているときに当該物品群Sを支持するように可動マガジンMからピックアップされる物品群Sの下面と係合するために、少なくとも、第1の対の対向するピックアップ要素7a、7bと、第1の対のピックアップ要素7a、7bと連動して作用する第2の対の対向するピックアップ要素7c、7dとを備える。
【0066】
この状況で、ピックアップ要素7a、7b、7c、7dの各々は、ピックアップされる物品群Sとその下の物品群Sとの間の垂直方向の空間に挿入されて、ピックアップされる物品群SをマガジンMの収容チャネルに沿って持ち上げることができる。
【0067】
好ましくは、ピックアップ動作中、ピックアップ要素7a、7b、7c、7dとマガジンMの構造との間の衝突および/または妨害を防止するために、マガジンMは、抽出ステップ中に下にある物品群Sが通過した後に支持手段M3が引っ込んだ位置を取る、具体的には、垂直支持体M2内の奥まった位置を取るように構成される。より具体的には、一の物品群Sがピックアップされている間、当該一の物品群Sはその直上の支持手段M3に衝突し、当該支持手段M3を奥まった位置に移動させる。
【0068】
有利なことに、支持手段M3の可動性は、ピックアップヘッド7のピックアップ要素7a、7b、7c、7dが今や物品群Sから解放された支持手段M3によって干渉されるのを防止する。
【0069】
物品群を保持するために、ピックアップヘッド7はまた、図5Aに示されるように、各対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dの間で動作して第1の移動方向に沿って互いに接近および離間する調整移動に従って各対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dを移動させるリトラクタ機構9を備える。図示されていない実施形態では、二対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dは、非平行移動の2つの別個の方向を規定してもよい。
【0070】
好ましくは、各対の2つのピックアップ要素7a、7b、7c、7dは、他の対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dとは独立して調整可能である。
【0071】
好ましくは、図5Aおよび5Bに示されるように、ピックアップ要素7a、7b、7c、7dは各々、支持バー10、好ましくは垂直である支持バー10であって、上部でリトラクタ機構9に接続され且つ下部にピックアップされる物品群Sの下に挿入されるように設計された水平の持ち上げフィンガ11を有する支持バー10を備える。
【0072】
好ましくは、ピックアップ要素7a、7b、7c、7dは各々、各対の2つのピックアップ要素7a、7b、7c、7dの凹面が互いに面するように方向付けされたC形状を有する。さらにより好ましくは、一方の対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dにおいて、その凹部は、物品群Sのより広い部分に係合するように、他方の対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dの凹面よりも深い。
【0073】
したがって、使用中、例えば図6に示されるように、ピックアップヘッド7がマガジンMの上方の位置に到達すると(あるいは、マガジンMの上方の位置に到達する前または到達と同時に)、ピックアップ要素7a、7b、7c、7dは、ピックアップヘッド7がマガジンに沿って、ピックアップされる物品群Sが位置する高さに到達するまで下降することを可能にするために、互いに離間するように移動する。好ましくは、ピックアップヘッド7が下降するとき、ピックアップ要素7a、7b、7c、7dは、マガジンMの垂直支持体M2によって画定されるチャネルの外側の位置を占めるように、後退する。
【0074】
次に、ピックアップ要素7a、7b、7c、7dは互いに向かって移動して、それぞれの持ち上げフィンガ11が、ピックアップされる物品群Sの下に挿入される。
【0075】
添付の図面に示される実施形態では、第1の対のピックアップ要素7a、7bは、第2の対のピックアップ要素7c、7dによって行われる互いに向かう移動よりも小さい互いに向かう移動を行う。実際、添付の図面に示される実施形態では、ピックアップされる物品群Sの断面平面形状は、第1の対のピックアップ要素7a、7bが第2の対のピックアップ要素7c、7dによって支持される部分よりも幅が狭い物品群Sの部分を支持する十字形に実質的に似ている。
【0076】
有利なことに、二対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dを互いに独立して調整することにより、ピックアップヘッド7は、任意の形状の断面を有する物品群Sと係合することが可能である。
【0077】
さらに、二対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dを互いに独立して調整することにより、物品群Sをそれらの断面の特定の点、例えば、最も曲がりやすい点または特に複数な形状を持つ点などで支持することが可能である。
【0078】
ピックアップヘッド7を、ピックアップされる物品群Sのサイズおよび/または形状に関してさらに汎用的にするために、ピックアップヘッド7にはまた、第1の対のピックアップ要素7a、7bおよび第2の対のピックアップ要素7c、7dの間の距離を調整するためのスペーシング機構12が設けられる。
【0079】
より具体的には、この調整は、第1の移動方向に対して横方向、好ましくは垂直な第2の移動方向に沿う。好ましくは、二対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dの一方は、第2の移動方向に沿って固定され(すなわち、ピックアップヘッド7の耐荷重構造に固定される)、他方の対のピックアップ要素7a、7b、7c、7dは可動である。
【0080】
有利なことに、この調整機構12は、ピックアップヘッド7を任意のタイプの物品群Sに、より適応可能にする。
【0081】
好ましくは、ピックアップヘッド7はまた、マガジンMの存在および/またはマガジンM上の物品群の存在をチェックするためにピックアップヘッド7の下の領域を検査するように構成された、図示されていない下向きのセンサ(例えば、アナログセンサ)を備える。このように、ピックアップヘッド7が物品群から離れている場合にはピックアップヘッド7をより高速で移動させ(急速接近移動)、物品群に近い場合のみピックアップヘッド7を減速させる(把持移動)ことができる。また、この特徴により、ピックアップヘッド7は、マガジンM内の物品群の最上位が位置する高さであって、マガジンMがどれだけいっぱいであるかによって変化し得る高さを自動的に検出することができ、最も安全な状態で作業を行いながら処理時間を最適化することが可能である。
【0082】
これはまた、群の存在/不在(マガジン/チャネルに群が積まれているか空であるか)をチェックし、マガジンから収集領域への移送中に(移送中に積み荷が失われていないことを保証するために)ピックアップされた物品群の存在を(連続監視によって)チェックすること(および好ましくは、失われた積み荷がある場合にアラーム信号を生成すること)を可能にする。
【0083】
ピックアップヘッド7の汎用性および適応性を最大限に活用して可動マガジンMから物品群Sをピックアップするプロセスをさらに最大化するために、機械1はまた、受入領域3内の可動マガジンMの位置を制御するための制御機構を備える。
【0084】
ピックアップヘッド7が正確に動作できるように可動マガジンMがそれぞれの受入領域3内の予め定められた位置を取ることを可能にするために、制御ユニットは、可動マガジンMの位置に関する情報が、可動マガジンMが予め定められた許容範囲外の位置にあることを示す場合、ピックアップヘッド7の移動を無効にして、好ましくはアラーム信号を生成するように構成される。
【0085】
より詳細には、マガジンMが予め定められた許容範囲に対して不正確に配置されていることを示す信号は、各受入領域3に取り付けられたセンサから来る。
【0086】
これらのセンサは、好ましくは光学センサであり、可動マガジンMと受入領域3を画定する側壁3aとの間の距離を測定するように構成される。これらの距離が予め定められた許容範囲内にある場合、ピックアップヘッド7は正常に動作し、マガジンMから物品群Sをピックアップし、それを上述の方法に従って収集領域5に向かって移動させる。一方、距離が予め定められた許容範囲外にある場合、ピックアップヘッド7は動かず、可動マガジンMはオペレータによって手動で、または自動的に再配置される。
【0087】
好ましくは、可動マガジンMは、はるかに許容範囲外にある場合、受入領域3内の位置に手動で戻される。
【0088】
代わりに、マガジンによって取られた位置が正しい位置とわずかに異なる場合、マガジンMの側面に係合するように、具体的にはマガジンMを受入領域3の側壁3aに向かってまたはそこから離れるように押すように、またはマガジンMの側面を所定の位置に固定するように構成された押し棒を作動させることによって、マガジンMは自動的に再配置される、またはその位置に固定される。
【0089】
機械1はまた、受入領域3を画定する底壁3bに取り付けられ且つ可動マガジンMが底壁3bから予め定められた距離にある場合に信号を発するように構成された少なくとも1つの近接センサ(図示せず)を備えてもよい。
【0090】
有利なことに、近接センサは、マガジンが受入領域3内に押し込まれすぎてピックアップヘッド7がピックアップ動作を実行するのを困難にするまたは不可能にさえするのを防止する。
【0091】
別の実施形態では、底部センサの代わりに、受入領域3は、マガジンMのトロリーM1が受入領域3においてストロークの終わりに到達した場合にマガジンMのトロリーM1を停止させる機械的停止部材を備える。
【0092】
したがって、使用中、マガジンMが受入領域3内に配置される場合、可動マガジンMの位置が予め定められた許容範囲内にあるかどうかを検出するためにセンサが起動される。可動マガジンMの位置が予め定められた許容範囲内にある場合、マガジンMの位置に関する情報が制御ユニットに送信され、制御ユニットはピックアップヘッド7の運動法則を処理でき、ピックアップ要素7a、7b、7c、7dを調整できる。一方、可動マガジンMの位置が予め定められた許容範囲内にない場合、マガジンMは、手動または自動で受入領域3内に再配置される。
【0093】
有利なことに、受入領域3に取り付けられたセンサのおかげで、ピックアップヘッド7は、受入領域3であって、そのマガジンMが不適切に配置され且つそこから、収容する物品群Sをピックアップできないであろう受入領域3に向かって不必要に移動しない。
【0094】
有利なことに、1つのマガジンMが受入領域3内の正しい位置に移動している間に、機械を停止する必要なくピックアップヘッド7によって別のマガジンMを空にすることが可能であるので、ピックアップサイクル時間が大幅に短縮される。
【0095】
可動マガジンMが予め定められた位置を取った後に移動するのを防止するために、機械1はまた、各受入領域3の内側に配置された保持装置であって、可動マガジンMを受入領域3のその位置に固定するように構成された保持装置を備える。
【0096】
図3Aおよび3Bに示されるように、保持装置は、第1の押し要素8aおよび第2の押し要素8bを備え、これらは受入領域3の両側3aに配置され且つ作動位置と後退位置との間で互いに対して移動可能である。
【0097】
作動位置では、第1および第2の押し要素8a、8bは受入領域3の中心に向かって延びて可動マガジンMの対応するそれぞれの側部と係合して、マガジンがそれ以上移動するのを防止する。
【0098】
一方、停止位置では、第1および第2の押し要素8a、8bは、後退位置をとり、可動マガジンMの対応するそれぞれの側部から係合解除されて、可動マガジンMが受入領域3に出入りすることを可能にする。
【0099】
動作可能なように、第1および第2の押し要素8a、8bは、受入領域3内のマガジンMの位置が第1および第2のセンサによって検出された後に制御ユニットによって作動される。
【0100】
しかしながら、第1および第2のセンサがマガジンMが不適切に配置されていることを検出する場合、制御ユニットは第1および第2の押し要素8a、8bの移動を無効にして、好ましくはアラーム信号を生成する。
【0101】
好ましい実施形態では、マガジンMの不正確な位置が予め定められた許容範囲とわずかに異なる場合でも、制御ユニットは、マガジンMのトロリーM1への第1および/または第2の押し要素8a、8bの押圧動作によって可動マガジンの位置を修正するために、第1および第2の押し要素8a、8bを停止位置から作動位置へ移動させる。
【0102】
言い換えれば、添付の図面に示される実施形態では、マガジンMが不適切に配置された場合、マガジンMと受入領域3の側壁3aとの間の距離がすべて同一である、または、いずれにしても予め定められた値の範囲内にあるように、可動マガジンMのトロリーM1に横方向の押し込みを与える第1および第2の押し要素8a、8bによって再配置が自動的に実行される。この状況では、第1および第2の押し要素8a、8bは、マガジンMのトロリーM1に衝突して、受入領域3内のその位置を修正してマガジンMを予め定められた位置に固定する。
【0103】
添付の図面に示される実施形態では、第1および第2の押し要素8a、8bは、後退位置で、好ましくは受入領域3の側壁3aに完全に引っ込んだ関節式パンタグラフアームを備える。
【0104】
図示されていない別の実施形態では、第1および第2の押し要素8a、8bは押し棒を備える。
【0105】
本発明は、従来技術の欠点を排除することによって、上記の目的を達成する。
【0106】
2つ以上の受入領域が存在することで、ピックアップヘッドが1つのマガジンに対して動作しながら、別のマガジンが供給されていることが可能になる。
【0107】
ピックアップヘッドのピックアップポイントは、受入領域に応じて変化し、機械の他の部分を妨げない。
【0108】
ブランクの各群がマガジンから引き出されると、下のブランクへのアクセスが可能になる。
【0109】
ピックアップヘッド7の運動法則を制御する可能性は、機械を最適化し、機械を高速にし、「無駄な」移動、すなわち、物品群SがマガジンMからピックアップされない移動を回避できる。
【0110】
受入領域3内のマガジンMの位置をチェックするように構成されたセンサの存在は、ピックアッププロセスの高速化および最適化に寄与する。
【0111】
ピックアップ要素7a、7b、7c、7dの相互位置を調整する可能性は、ピックアップヘッド7の全部または一部を取り外す必要なく、断面平面における種々の形状およびサイズを有する物品群Sを管理することを可能にする。
【0112】
有利なことに、ピックアップヘッド7は、マガジンM自体またはピックアップされる物品群Sに対して何らかの形で衝突することを防止するように、上述のマガジンM、具体的には支持手段M3と協働して作用する。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】